(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643295
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】圧縮ガス用乾燥装置を有する圧縮機設備及び圧縮ガスを乾燥させる方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20200130BHJP
F04B 39/16 20060101ALI20200130BHJP
F04B 41/00 20060101ALI20200130BHJP
F04B 37/20 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
B01D53/26 220
F04B39/16 J
F04B39/16 G
F04B41/00 Z
F04B37/20
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-205779(P2017-205779)
(22)【出願日】2017年10月25日
(65)【公開番号】特開2018-69235(P2018-69235A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】2016/5804
(32)【優先日】2016年10月25日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ヘールト ヘレマンス
(72)【発明者】
【氏名】ダニー フェルトリースト
【審査官】
佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/039193(WO,A1)
【文献】
特開2015−178106(JP,A)
【文献】
特開平10−028832(JP,A)
【文献】
特開昭61−025623(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/147153(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26−53/28
F04B 39/00−39/16
F04B 25/00−37/20
F04B 41/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガス用乾燥装置(6)を有する圧縮機設備(1)において、
前記圧縮機設備(1)は、圧力ライン(5)の第1の端部が接続される圧縮ガス用出口(4)を有する圧縮機要素(2a及び/又は2b)を備え、
前記乾燥装置(6)は、乾燥される圧縮ガス用の第1の入口(9)を有する乾燥ゾーン(8)を内部に含むハウジング(7)を備え、前記第1の入口(9)に対して前記圧力ライン(5)の第2の端部が接続されて、前記圧縮機要素(2a及び/又は2b)から発生する圧縮ガスの全流量が前記乾燥ゾーン(8)に移送されるようになっており、
前記乾燥ゾーン(8)は、排出ライン(17)が接続される乾燥圧縮ガス用の第1の出口(10)をさらに備え、
前記ハウジング(7)内には、再生ガス供給用の第2の入口(15)と、前記再生ガス排出用の第2の出口(16)とを有する再生ゾーン(14)がさらに設けられ、
前記乾燥装置(6)の前記ハウジング(7)内には、さらに乾燥剤を収容するドラム(13)が回転可能に取り付けられ、前記ドラム(13)は駆動手段に連結され、前記乾燥剤は前記乾燥ゾーン(8)及び前記再生ゾーン(14)を連続的に進むことができるようになっており、
前記圧力ライン(5)は、前記圧縮ガスが前記乾燥ゾーン(8)に入る前に前記圧縮ガスを冷却する熱交換器(11)を含む、圧縮機設備であって、
前記排出ライン(17)上には、前記熱交換器(11)の冷却入口(19)に接続される第1の取り出し管(18)が接続され、一方で、前記熱交換器(11)は、前記再生ゾーン(14)の前記第2の入口(15)に第2の再生ライン(21)を介して接続される冷却出口(20)をさらに備え、一方で、前記再生ゾーン(14)の前記第2の出口(16)は、前記熱交換器(11)の下流側の箇所で戻りライン(22)を介して前記圧力ライン(5)に接続され、
前記圧力ライン(5)は、更に、後部冷却器(12)を含み、前記圧力ライン(5)の前記熱交換器(11)は、前記圧縮機要素(2a、2b、2c)の下流側で、前記後部冷却器(12)の上流側の位置に設けられ、
前記戻りライン(22)には冷却器が設けられていない、圧縮機設備。
【請求項2】
前記戻りライン(22)は、前記圧力ライン(5)に取り付けられたベンチュリ(24)の吸込口(25)に接続する、請求項1に記載の圧縮機設備。
【請求項3】
前記戻りライン(22)には、前記使用済み再生ガスを、前記圧力ライン(5)内の乾燥させるための前記ガスと合流させるための送風機が設けられる、請求項1に記載の圧縮機設備。
【請求項4】
前記熱交換器(11)は、前記ベンチュリ(24)の上流側に設けられる、請求項2に記載の圧縮機設備。
【請求項5】
前記後部冷却器(12)は、前記ベンチュリ(24)の下流側かつ前記乾燥ゾーン(8)の前記入口(9)の上流側に設けられる、請求項4に記載の圧縮機設備。
【請求項6】
前記後部冷却器(12)は、前記ベンチュリ(24)の上流側かつ前記熱交換器(11)の下流側に設けられる、請求項4に記載の圧縮機設備。
【請求項7】
前記熱交換器(11)は、2つの部分で構成され、第1の回収部分(103a)及び第2の冷却部分(133a)であり、第1の回収部分(103a)は一次部分と二次部分を有し、一次部分は圧縮機要素(2a又は2b)から生じる乾燥される圧縮空気用の流路を備え、二次部分は冷却入口(19a)と冷却出口(20a)とを有する冷却路を備え、第2の冷却部分(133a)は一次部分と二次部分を有し、一次部分は乾燥される圧縮空気用の流路を備え、二次部分は冷却通路を備え、冷却流体をこの冷却通路を通して導くことができる、請求項1乃至6に記載の圧縮機設備。
【請求項8】
前記熱交換器は、直列に接続された2つの圧縮機要素(2a、2b、2c)の間で、前記乾燥される圧縮ガスの流量に応じて取り付けられる、中間冷却器(103、103’)である、請求項7に記載の圧縮機設備。
【請求項9】
圧縮機要素(2a、2b、2c)から発生する圧縮ガスを乾燥させる方法において、乾燥されるガスの全流量が移送される乾燥ゾーン(8)が配置されるハウジング(7)を備える乾燥装置(6)が利用され、
前記ハウジング(7)内には、再生ガスが同時に移送される再生ゾーン(14)がさらに設けられ、
乾燥剤は、前記乾燥ゾーン(8)及び前記再生ゾーン(14)を連続的に進み、
前記乾燥される圧縮ガスは、前記乾燥ゾーンに入る前に熱交換器(11)の一次部分において冷却される、前記方法であって、
前記乾燥圧縮ガスの一部は、前記乾燥ゾーン(8)の出口で分岐され、その後、前記熱交換器(11)の二次部分を通って案内され、前記再生ゾーン(14)の入口に案内される前に加熱されて、その中で再生ガスとして機能し、さらに、その後に、戻りライン(22)を介して乾燥ゾーン(8)に導かれ、このとき、熱交換器(11)により冷却されることなく且つ前記戻りライン(22)には冷却器が設けられていない、方法。
【請求項10】
前記分岐された乾燥ガスは、複数の熱交換器(103、103’、11)の二次部分を通って並列に案内され、前記熱交換器(103、103’、11)の各々は、直列に接続された一連の少なくとも2つの圧縮機要素(2a、2b、2c)のうちの1つの圧縮機要素(2a、2b、2c)の前記出口に接続される一次部分を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥ガスの分岐部分は、第2の冷却部分(133a)を有する二部式熱交換器(103、103’)の第1の回収部分(103a)の二次部分を通って案内され、第1の回収部分(103a)は一次部分と二次部分を有し、一次部分は圧縮機要素(2a又は2b)から生じる乾燥される圧縮空気用の流路を備え、二次部分は冷却入口(19a)と冷却出口(20a)とを有する冷却路を備え、第2の冷却部分(133a)は一次部分と二次部分を有し、一次部分は乾燥される圧縮空気用の流路を備え、二次部分は冷却通路を備え、冷却流体をこの冷却通路を通して導くことができる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
別個の冷却流が、前記第2の冷却部分(133a)の二次部分を通って案内される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガス用乾燥装置を有する圧縮機設備に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機設備は、圧力ラインの第1の端部が接続される圧縮ガス用出口を有する圧縮機要素を備え、乾燥装置は、乾燥される圧縮ガス用の第1の入口を有する乾燥ゾーンを内部に含むハウジングを備え、第1の入口に対して圧力ラインの第2の端部が接続されて、圧縮機要素から発生する圧縮ガスの全流量が乾燥ゾーンに移送されるようになっており、乾燥ゾーンは、排出ラインが接続される乾燥圧縮ガス用の第1の出口をさらに備え、ハウジング内には、再生ガス供給用の第2の入口と、再生ガス排出用の第2の出口とを有する再生ゾーンがさらに設けられ、乾燥装置のハウジング内には、さらに乾燥剤を収容するドラムが回転可能に取り付けられ、ドラムは駆動手段に連結され、乾燥剤は乾燥ゾーン及び再生ゾーンを連続的に進むことができるようになっており、圧力ラインは、圧縮ガスが乾燥ゾーンに入る前に圧縮ガスを冷却する熱交換器を含む。
【0003】
乾燥装置を備えた公知の圧縮機設備の欠点は、乾燥させるガスの温度をドラム内の効率的な乾燥を実現するために十分に低くするために、大きな冷却能力を必要とする点である。
【0004】
乾燥剤を収容する回転可能なデシカントドラムを有する圧縮ガス用乾燥機は公知であり、例えば、国際公開第01/87463号、国際公開第02/38251号、国際公開第2007/079553号、米国特許第5,385,603号、及び米国特許第8,349,054号に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/87463号明細書
【特許文献2】国際公開第02/38251号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/079553号明細書
【特許文献4】米国特許第5,385,603号明細書
【特許文献5】米国特許第8,349,054号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、改良された及び/又は代替的な圧縮機設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、圧縮ガス用乾燥装置を有する圧縮機設備に関し、圧縮機設備は、圧力ラインの第1の端部が接続される圧縮ガス用出口を有する圧縮機要素を備え、乾燥装置は、乾燥される圧縮ガス用の第1の入口を有する乾燥ゾーンを内部に含むハウジングを備え、第1の入口に対して圧力ラインの第2の端部が接続されて、圧縮機要素から発生する圧縮ガスの全流量が乾燥ゾーンに移送されるようになっており、乾燥ゾーンは、排出ラインが接続される乾燥圧縮ガス用の第1の出口をさらに備え、ハウジング内には、再生ガス供給用の第2の入口と再生ガス排出用の第2の出口とを有する再生ゾーンがさらに設けられ、乾燥装置のハウジング内には、さらに乾燥剤を収容するドラムが回転可能に取り付けられ、ドラムは駆動手段に連結され、乾燥剤は乾燥ゾーン及び再生ゾーンを連続的に進むことができるようになっており、圧力ラインは、圧縮ガスが乾燥ゾーンに入る前に圧縮ガスを冷却する熱交換器を含み、本発明によれば、排出ライン上には、熱交換器の冷却入口に接続される第1の取り出し管が接続され、一方で、熱交換器は、再生ゾーンの第2の入口に第2の再生ラインを介して接続される冷却出口をさらに備え、一方で、再生ゾーンの第2の出口は、熱交換器の下流側の箇所で戻りラインを介して圧力ラインに接続される。
【0008】
本発明による圧縮機設備の重要な利点は、ドラム内の乾燥剤の再生のために、乾燥ゾーンの下流側で分岐される乾燥済みにガスの一部が利用され、また、ガスのこの部分は、圧縮熱を利用することによって省エネルギー的に加熱され、再生ガスの相対湿度は、非常に低くなり、一方で、圧縮機設備はまた、排出された圧縮熱を熱交換器で有効に利用することによって、高エネルギー効率で作動する。実際、このようにして、冷却能力の節減が行われ、乾燥剤の非常に良好な再生のために、再生ガスの十分に低に相対湿度を実現するための発熱体を設ける必要はない。
【0009】
また、本発明は、圧縮機要素から発生する圧縮ガスを乾燥させる方法に関し、乾燥されるガスの全流量が移送される乾燥ゾーンが配置されるハウジングを備える乾燥装置が利用され、ハウジング内には、再生ガスが同時に移送される再生ゾーンがさらに設けられ、乾燥剤は、乾燥ゾーン及び再生ゾーンを連続的に進み、乾燥される圧縮ガスは、乾燥ゾーンに入る前に熱交換器の一次部分において冷却され、本発明によれば、乾燥圧縮ガスの一部は、前記乾燥ゾーンの出口で分岐され、その後、熱交換器の二次部分を通って案内され、再生ゾーンの入口に案内される前に加熱されて、その中で再生ガスとして機能するようになっている。
【0010】
本発明による方法の特有の変形例によれば、分岐された乾燥ガスは、複数の熱交換器の二次部分を通って並列に案内され、熱交換器の各々は、直列に接続された一連の少なくとも2つの圧縮機要素のうちの1つの圧縮機要素の出口に接続される一次部分を備える。本発明は、全ての形式の熱交換器を使用することができ、また、例えば、熱交換器は、圧縮機要素の出口に連結される一次部分を備えなくてもよいので、前記のものに限定されるものではない。また、熱交換器の組み合わせも可能であり、1又は2以上は、圧縮機要素の出口に連結された一次部分を有するが、このような連結部を有していない熱交換器も存在する。
【0011】
本発明の特徴をより良く示す目的で、例として、非制限的に、添付図面を参照して本発明による圧縮機設備並びに本発明による圧縮ガスを乾燥させる方法の一部の好適な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による圧縮機設備の実施形態を概略的に示す。
【
図2】本発明による圧縮機設備の異なる実施形態を概略的に示す。
【
図3】本発明による圧縮機設備の異なる実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明による圧縮機設備1の第1の実施形態を示し、この場合2つの圧縮機要素2a及び2bを備える、しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明による圧縮機設備1は、1つの、又は2つの圧縮機要素2a及び2bよりも多くの圧縮機要素を備えることもできる。
【0014】
圧縮機要素2a及び2bは、図示されていない例えば1又は2以上のモータ、タービン、スプロケットなどの形態の駆動手段に連結されている。
【0015】
この場合、圧縮機要素2a及び2bは、第1の低圧段2aと、その下流側の第2の高圧段2bとを形成する。好ましくは、中間冷却器3が、関連の圧縮機要素2aと2bとの間の接続ラインに設けられている。
【0016】
高圧圧縮機要素2bは、圧縮ガス用出口4を備え、これに対して圧力ライン5の第1の端部が接続される。
【0017】
本発明による圧縮機設備1は、圧縮ガス用乾燥装置6をさらに備え、乾燥装置6は、ハウジング7を備え、ハウジング7内には、乾燥ゾーン8が配置されており、典型的にはハウジング7の反対端において、乾燥される圧縮ガス用の第1の入口9と、乾燥された圧縮ガス用の第1の出口10とを有する。
【0018】
上記圧力ライン5の第2の端部は、乾燥される圧縮ガス用の上記第1の入口9に接続される。
【0019】
上記圧力ライン5は、高圧圧縮機要素2bから乾燥ゾーン8の第1の入口9まで流れる圧縮ガスを冷却する熱交換器11を含む。前述の熱交換器11の構成は、高圧圧縮機要素2bから生じる圧縮ガスが乾燥ゾーン8に入る前に冷却されるようなものである。
【0020】
この場合、必須ではないが、圧力ライン5は、さらに後部冷却器12を備え、後部冷却器12は、好ましくは、この熱交換器11の下流側に、つまり、圧縮ガスの流れ方向に従って、この熱交換器11と乾燥ゾーンの第1の入口9との間に取り付けられている。
【0021】
乾燥装置6の上記ハウジング7において、ドラム13は、公知の方法で回転可能に取り付けられ、ドラム13は、例えば、電気モータの形式のこのドラム13をハウジング7の中で回転させる駆動手段(図示せず)に連結される。関連のドラム7は、シリカゲル、活性アルミナ粒子、又はモレキュラーシーブ材料、もしくはこれらを組み合わせたもの等の再生可能な乾燥剤、いわゆるデシカント材を収容する。明らかに、乾燥剤は、他の形態で実現することもできる。
【0022】
また、上記乾燥ゾーン8の他に、乾燥装置6のハウジング7内には少なくとも再生ゾーン14が存在する。
【0023】
ドラム13は、回転に伴って乾燥剤が上記乾燥ゾーン8及び再生ゾーン14を連続的に進むことができるように公知の方法で構成される。
【0024】
上記再生ゾーン14は、再生ガス供給用の第2の入口15と、使用済み再生ガス排出用の反対側の第2の出口16とを備える。使用済み再生ガスは、再生ゾーン14を通過した後、乾燥剤から抽出された水分で汚染されているガスを意味することが理解される。
【0025】
排出ライン17は、乾燥ゾーン8の上記第1の出口10に接続されており、乾燥した圧縮ガスを、例えば、圧縮空気ネットワーク、圧力容器、もしくは圧縮ガスを使用する機械又は設備の形式のユーザ(図示せず)に移動させるようになっている。
【0026】
本発明によれば、上記排出ライン17には第1の取り出し管18が接続されており、第1の取り出し管18は、上記熱交換器11の冷却入口19に接続され、一方で、上記熱交換器11は、第2の再生ライン21を介して再生ゾーン14の上記第2の入口15に接続された冷却出口20をさらに備える。
【0027】
関連の冷却入口19及び冷却出口20は、この場合、熱交換器11の二次部分の一部を成し、熱交換器11の一次部分は、乾燥される圧縮ガスがここを通って案内されるように構成される。
【0028】
再生ゾーン14の第2の出口16は、上記熱交換器11の下流側の地点で、この場合は後部冷却器12を乾燥ゾーン8の第1の入口9に接続する圧力ライン5の部分上で、戻りライン22によって上記圧力ライン5に接続される。
【0029】
また、この実施例において、戻りライン22は、追加的な冷却器23と、場合によっては、冷却器23の冷却部分と同じハウジング内に収納されるか又は収容されない場合もある、
図1では不可視の凝縮液分離器とを有する。
【0030】
図1の実施例において、戻りライン22と圧力ライン5との接続は、ベンチュリ24によって実現され、ベンチュリ24は、圧力ライン5に取り付けられ、上記戻りライン22が接続される吸込口25を備えている。
【0031】
図1による圧縮機設備1の動作は、非常に単純であり、以下の通りである。
【0032】
低圧段2aは、空気などの圧縮されるガス又は混合ガスを吸い込む。その後、発生した圧縮熱の一部が、中間冷却器3によって放出される。
【0033】
圧縮ガスは、中間冷却器3を出た後、高圧段2bに流れ、圧縮ガスは、さらに圧縮され、その後、熱交換器11の一次部分に流れる。少なくとも部分的にガス−ガス熱交換器として機能する関連の熱交換器11において、圧縮熱は、冷却入口19を通って熱交換器11に入り、冷却出口20を通ってやはり熱交換器から出るガスに伝達される。
【0034】
熱交換器11は、圧力ライン5を通過するガスが、熱交換器11の二次側を通って冷却ガスとして案内されるガスと混合しないように作られていることは明らかである。この場合、熱交換器11は、ここを通過する両方のガス流が反対方向に流れるように構成されているが、これは本発明では必須ではない。
【0035】
熱交換器11を出てさらに圧力ライン5を通過する予冷却された圧縮ガスは、その後、後部冷却器に到達し、このガス流のさらなる冷却が行われる。
【0036】
その後、低温の圧縮ガスは、ベンチュリ24及び第1の入口9を通過し、乾燥ゾーン8を通り、ガスに含有される水分は、その時点で乾燥ゾーン8に存在する、ドラム13内の乾燥剤によって吸収される。
【0037】
その後、低温の乾燥した圧縮ガスは、第1の出口10を通って乾燥ゾーン8を出て、排出ライン17を通って圧縮ガスのユーザへ流れる。
【0038】
本発明によれば、低温の乾燥した圧縮ガスの一部は、排出ライン17から分岐され、その後、第1の取り出し管18を通って熱交換器11の二次部分に導かれ、詳細には、上記冷却入口19に導かれ、そこで冷却媒体として機能する。
【0039】
ガスが冷却出口20を出る場合、温度は、高圧圧縮機要素2b内で発生した圧縮熱の吸収によって高くなる。その結果として、取り出し管18を通る分岐されたガスの相対湿度は、非常に高いエネルギー効率でさらに減少することになる。
【0040】
再生ライン21を通過する余分な乾燥ガスは、最終的に第2の入口15を通って再生ゾーン14に案内され、このガスは、その時点で再生ゾーン14に存在する乾燥剤から水分を抽出することになる再生ガスとして機能する。
【0041】
再生ガスは、第2の出口16を通って再生ゾーン14を出た後、追加的な冷却器23と、場合によっては下流側の凝縮液分離器とを通過してベンチュリ24の吸込口25まで流れ、凝縮液分離器は、必須ではないが冷却器23と同じハウジング内で一体化することができる。
【0042】
本発明によれば、ベンチュリの存在は必須ではないが、例えば、再生ゾーン14から出る再生ガスを、圧力ライン5を通って熱交換器11から乾燥ゾーン8へ流れる暖かい圧縮ガスの流れと合流させる送風機を利用することもできる。
【0043】
図2は、本発明による圧縮機設備1の変形例を示し、直列に取り付けられた圧縮機要素2a、2b及び2cを備える3段式機械の形態である。
【0044】
第1の低圧段2aと第2の圧力段2bとの間には第1の中間冷却器103があり、一方で、第2の圧力段2bと第3の高圧段2cとの間には第2の中間冷却器103'がある。
【0045】
図1の実施形態の場合と同様に、第3の高圧段2cの下流側において、熱交換器11は、直列に接続された後部冷却器12を備えている。
【0046】
図4により詳細に示すように、この実施例において、中間冷却器103及び103'は、第1の回収部分103a及び第2の冷却部分133aの2つの部分で実現される。
【0047】
個別の回収部分103aの各々は、一次部分と二次部分とを有し、一次部分は、関連の中間冷却器103又は103'の直上流に配置された圧縮機要素2a又は2bから生じる、乾燥される圧縮空気用の流路を備え、一方で、二次部分は、冷却入口19aと冷却出口20aとを有する冷却路を備える。
【0048】
この実施形態において、第1の取り出し管18は、熱交換器11の冷却入口19に接続されているだけではなく、中間冷却器103及び103'のそれぞれの冷却入口19aにも並列である。
【0049】
同様に、冷却出口20aは、熱交換器11の冷却出口20と共に第2の再生ライン21に接続されている。
【0050】
また、中間冷却器103及び103'の第2の冷却部分133aは、一次部分及び二部分を備え、一次部分は、乾燥される圧縮空気用の流路を備え、一方で、二次部分は冷却路を備え、冷却流体は、必須ではないが、好ましくは、乾燥される圧縮ガスのガス流の向流としてこの冷却路を通して導くことができる。
【0051】
冷却流体は、水又は油などの液体、もしくはガス又は空気などの混合ガスとすることができる。
【0052】
この場合、回収部分103a及び冷却部分133aは、共用ハウジングに納められているが、これらは、互いに分離して別個の構成要素として実現することもできる。また、本発明によれば、中間冷却器103及び103'の両方が取り出し管18又は再生ライン21に接続するが、これらの中間冷却器103又は103'の一方のみが関連のライン18及び21に接続することも可能である。
【0053】
このような変形例では、1又は2以上の中間冷却器103及び/又は103'の第2の冷却部分を省略することができる。
【0054】
図2に示す実施形態の機能は、
図1の圧縮機設備1の機能と本質的に同様のものであり、最も重要な相違点は、低圧段2a及び2bからの圧縮熱を、再生に使用されるガスの相対湿度をさらに下げるために利用できる点であり、その理由は、この再生ガスが、それぞれ中間冷却器103、103'の回収部分103aにおける冷却剤として作用して、圧縮熱を吸収することになるからである。
【0055】
第2の冷却部分133aは、一次部分を通過した後に圧縮ガスに依然として存在する余分な圧縮熱を確実に排出することができ、後続の下流側圧縮段において良好な圧縮効率を達成するようになっている。
【0056】
残存する熱は、例えば、清浄水の加熱などの他の目的に利用することができる。
【0057】
図3は、本発明による圧縮機設備1の別の実施形態を示し、この場合、直列に接続された3つの圧縮機要素2a、2b、及び2cが設けられている。この実施形態において、戻りライン22と圧力ライン5との間の接続部は、熱交換器11の下流側かつ後部冷却器12の上流側の位置に設けられている。このようにして、追加的な冷却器を戻りライン22に設ける必要がないので、コストを抑えることができる。
【0058】
各図面には示されていないが、乾燥装置6のハウジング7内には、上記乾燥ゾーン8及び再生ゾーン14の他に、冷却ゾーンを設けることもできる。このような場合、公知の方法で、乾燥ゾーン8の第1の出口10の乾燥ガスの一部は、この冷却ゾーンを通過し、その結果、その時点で上記冷却ゾーンに存在する乾燥剤を冷却するように分流することができる。
【0059】
本発明は、実施例として記載されて図面に示す実施形態に限定されるものではないが、圧縮ガスを乾燥させる乾燥装置を有する本発明による圧縮機設備は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形例で実現することができる。同様に、本発明による圧縮ガスを乾燥させる方法は、上述した変形例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形例で実現することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 圧縮機設備
2a 圧縮機要素
2b 圧縮機要素
4 圧縮ガス用出口
5 圧力ライン
6 圧縮ガス用乾燥装置
7 ハウジング
8 乾燥ゾーン
9 第1の入口
10 第1の出口
11 熱交換器
13 ドラム
14 再生ゾーン
15 第2の入口
16 第2の出口
17 排出ライン
18 第1の取り出し管
20 冷却出口
21 第2の再生ライン
22 戻りライン