特許第6643308号(P6643308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サイノファーム タイワン,リミティドの特許一覧

特許6643308プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加
<>
  • 特許6643308-プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加 図000093
  • 特許6643308-プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加 図000094
  • 特許6643308-プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加 図000095
  • 特許6643308-プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加 図000096
  • 特許6643308-プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加 図000097
  • 特許6643308-プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加 図000098
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643308
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体をもたらす2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンへのビニルホウ素化合物の金属触媒による非対称1,4−共役付加
(51)【国際特許分類】
   C07C 405/00 20060101AFI20200130BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20200130BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20200130BHJP
【FI】
   C07C405/00 503T
   C07F7/18 A
   !C07B61/00 300
【請求項の数】21
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2017-500379(P2017-500379)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公表番号】特表2017-520587(P2017-520587A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】IB2015055212
(87)【国際公開番号】WO2016005943
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2018年7月5日
(31)【優先権主張番号】62/022,797
(32)【優先日】2014年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513105579
【氏名又は名称】サイノファーム タイワン,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ポール ヘンチキ
(72)【発明者】
【氏名】ウー ピーン−ユイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー シュエ−リヤーン
(72)【発明者】
【氏名】ウエン ウエン−シェン
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−520294(JP,A)
【文献】 特表2011−518134(JP,A)
【文献】 特表2014−501698(JP,A)
【文献】 特表2010−500351(JP,A)
【文献】 Organic Letters,2005年,Vol.7, No.8,1669−1671
【文献】 Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,2007年,1−7
【文献】 Synlett,2002年,5 ,767−768
【文献】 Tetrahedron,2008年,64,11105−11109
【文献】 Eur. J. Org. Chem. ,2014年,10 ,2160−2167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロスタグランジン又はその類似体を調製するための方法であって、
前記方法が、
(a)任意の塩基性添加剤の存在下において、金属添加剤を伴う溶媒中で、式II:
【化1】
の2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物を、式III:
【化2】
の化合物と接触させて、式I:
【化3】
2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を得ること、ここで、前記金属添加剤が準化学量論量で使用される;及び
(b)前記式Iの化合物を、トラボプロスト、ビマトプロスト、ルビプロストン、ジノプロスト、ジノプロストン、タフルプロスト、カルボプロスト、アルプロスタジル、ラタノプロスト又はウノプロストンイソプロピルに変換すること、
を含み、
式中、
1が、アルキル又はアルケニルであり、そのそれぞれが、COOH、CONH2、CONHC1-4アルキル、C(O)OCH26-10アリール、C(O)OC6-10アリール及びC(O)OC1-4アルキルから成る群から選択される1員により置換され;
3及びR4が独立に、水素、アルキル、アリールアルキル、又はアリールオキシアルキルを表し、そのそれぞれが、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、シリルオキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、5〜7員ヘテロ環式環、及びオキソから成る群から選択される1〜3員により置換され;
5が、水素であり;
2が、水素又はヒドロキシル保護基を表し;そして、
Xが、ホウ素含有基を表す、方法。
【請求項2】
前記式Iの化合物が、以下の化合物:
【化4】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記R3が、アルキル、アリールアルキル又はアリールオキシアルキルであり、そのそれぞれが、C1-4アルコキシ、シリルオキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、テトラヒドロピラニル(THP)、トリフルオロメチル及びフルオロから成る群から選択される1〜3員により置換される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1,4−ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジグリム、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、エチレングリコール及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒がメタノールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属添加剤が、ロジウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ロジウム化合物が、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2、[RhCl(C2422、ジエンリガンド添加剤を伴った[RhCl(C2422、[RhCl(ノルボルナジエン)]2、[RhOH(1,5−シクロオクタジエン)]2及びその組み合わせから成る群から選択されるロジウム(I)化合物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ロジウム(I)化合物が、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2及び[RhOH(1,5−シクロオクタジエン)]2から成る群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基性添加剤が、KHF2、t−BuOLi、t−BuONa、t−BuOK、K3PO4、K2CO3、Cs2CO3、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、KF、CsF、NaHCO3、KH2PO4、1,3−ジアミノプロパン、t−BuNH2、i−Pr2NH、ピペリジン、Et3N、2,6−ルチジン及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記塩基性添加剤が水酸化カリウムである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロキシル保護基が、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシメチル(MOM)、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ベンジル、4−メトキシベンジル(PMB)、アルキルカルボニル、アリールカルボニル及びアリルから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記トリアルキルシリルがtert−ブチルジメチルシリル(TBS)である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ホウ素含有基Xが、B(OH)2、B(OR)2{式中、Rはアルキル基又はアリール基である}、BR2{式中、Rはアルキル基である}、BR2{式中、Rはビニル基である}、BR2{式中、Rはカルボキシラート基である}、BR{式中、Rは二座配位性カルボキシレート基である}、BR2{式中、Rはアリールオキシ基である}、BR{式中、Rは二座配位性アリールオキシ基である}、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)基、BF3M{式中、Mは金属イオンである}、BF3M{式中、Mはアンモニウム又はホスホニウムイオンである}並びにBR3M{式中、Rはビニル基であり及び式中、Mは金属イオンであるか又はアンモニウム若しくはホスホニウムイオンである}から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ホウ素含有基Xが、B(OH)2及びBF3M{式中、Mは金属イオンである}から成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
0〜80℃の温度にて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記塩基性添加剤が準化学量論量で使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物が、式10.9a:
【化5】
の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物が、式10.17:
【化6】
の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物が、式10.18:
【化7】
の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物が、式10.7:
【化8】
の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物が、式10.19:
【化9】
の化合物である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2014年7月10日に出願された米国仮特許出願第62/022,797号の優先権を主張するものであり、この出願の全体を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
天然のプロスタグランジンは、プロスタン酸(7−[(1S,2S)−2−オクチルシクロペンチル]ヘプタン酸)に基づく独特な化学構造を有し、非常に微量にしか存在していない場合でさえ、広範囲の生理活性を発揮する。さまざまな医療適用のために、多数のプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体ベースの薬剤が開発された。例えば、タフルプロスト(ZIOPTAN)、トラボプロスト(TRAVATAN)、及びビマトプロスト(LUMIGAN)は、緑内障や高眼圧を治療するために(点眼剤として)局所的に使用される。ルビプロストン(AMITIZA)は慢性便秘の管理に使用される。ジノプロストンは、ヒトの分娩誘発のために病院で使用される天然に存在するプロスタグランジン(PGE2)である。そのため、これらの化合物及びそれらの類似体の医薬的な重要さを前提として、プロスタグランジン及びプロスタグランジンの構造類似体の製造のために多数の方法が学究的環境及び産業の両方において開発及び開示されてきた。
【0003】
プロスタグランジン類似体F及びプロスタグランジンE2の合成に有用な初期アプローチは、1969年にE.J.Coreyによって開示された(J. Am. Chem. Soc., 1969, 91, 5675-5676)。このアプローチはコーリー方法とも呼ばれ、よく知られるコーリーラクトン−それ自体で約10の合成ステップを必要とし、3つのプロスタグランジンE(PGE)立体化学中心のすべてを既に適当な位置に含んでいる−がコーリー法にとって極めて重要である。ホーナー・ワズワース・エモンス反応とウィッティヒ反応によってω−及びα−炭化水素ベースの側鎖が連続して付加される(図1を参照のこと)。コーリー法及びより最近のその変法と並び換えは、恐らくプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体の産業的製造のために最も使用され、そして報告された合成アプローチであろう。しかしながら、このアプローチの不利な点として、高価なコーリーラクトン、並びに望ましくない異性体及び/又は不純物を頻繁に除去する必要がある煩わしいカラムクロマトグラフィー精製が挙げられる。
【0004】
プロスタグランジン及びそれらの類似体を調製するのに使用できる別のアプローチは、二成分アプローチと呼ばれることもある(J. Am. Chem. Soc., 1972, 94, 3643-3644 and J. Am. Chem. Soc., 1972, 94, 7827-7832)。このアプローチの主な特徴は、ビニル有機銅又は有機クプラート試薬の1,4−共役付加反応を使用したω側鎖の(α側鎖が既に存在している)シクロペンテノン系への導入である(図2を参照のこと)。(有機銅試薬を利用する)この方法は、本明細書中では従来の二成分アプローチとも呼ばれる。従来の二成分アプローチで有用なα側鎖置換シクロペンテノンを作製するためのたくさんの方法が知られている。従来の二成分アプローチはさまざまなプロスタグランジン及びそれらの類似体の合成に使用された。
【0005】
Friedら(J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 7827-7832)、Lipshutzら(J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 2641-2643)、Lipshutzら(J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 7440?7441)及びVan Hijfteら(Tetrahedron 1992, 48, 6393-6402)は、二成分アプローチを使用したプロスタグランジンE1(PGE1)を調製するための方法を開示し、そしてそこでは、ビニール化剤としての様々な有機クプラートを極低温下、1,4−共役付加によってシクロペンテノンに結合させた。有機スズ試薬、有機リチウム試薬、又は有機ジルコニウム試薬が、該方法で使用される上記有機銅化合物に対する合成前駆体として必要である。
【0006】
出願人によって開示された米国特許番号第7,897,795号(‘795号特許)及び米国特許第No.8,846,958号(‘958号特許)は特定のプロスタグランジン類似体(例えば、トラボプロスト、ビマトプロスト、及びルビプロストン)の合成のための従来の二成分アプローチの利用を説明している(図2を参照のこと)。‘795号特許及び‘958号特許に開示される具体的な方法では、2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物中間体(II)を1,4−共役付加を介して高次クプラートと反応させて、2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物(I)を得た。この化合物(I)は、任意に修飾及び脱保護されて、様々なプロスタグランジンE及びプロスタグランジンF類似体を提供し得る。
【0007】
しかしながら、二成分アプローチの使用は:1,4−共役付加ステップにおける極低温(約−50〜−78℃)の必要性;有機銅化合物への前駆体としての有機金属化合物、例えば有機スズ化合物(有毒であると考えられ、精製するのが難しい)又は有機ジルコニウム化合物(湿気に影響されやすく、その調製のために極低温を必要とする)などの使用;有機銅化合物の調製のための、反応性であり、且つ、取り扱いが難しい有機リチウム化合物の使用;並びに必要な有機銅化合物に至るまでのアルキン出発物質の変換のための複数のステップの必要性、を含めた多くの制限及び不利につながる。加えて、一部のクプラート試薬中のシアニドは有毒である。クプラートは、1つにはそれらの反応性、及び空気に対するそれらの感受性を含めた周囲条件下における不安定性のせいで、市販されておらず、そしてそれは合成時点で即座に使用する必要がある。クプラートの反応性は調節され、銅原子に隣接する炭素骨格上の置換基の電子的性質によって制限することさえできる。実際に、場合によっては(例えば、タフルプロスト;図4を参照のこと)、α側鎖置換シクロペンテノンに対して所望の1,4−共役付加反応が進まない。更に、有機銅化合物を作製するのに使用される銅塩が化学量論量で必要とされる。
【0008】
本発明が関係する分野における従来法の使用に関連する非効率な態様及び運用上の諸問題を考慮すると、高い収率でエナンチオ選択的、且つ、ジアステレオ選択的にプロスタグランジン類似体を調製するための、より温和で、毒性が低く、コスト効果が高く、そしてユーザーフレンドリーな方法が必要である。驚いたことに、本発明は、本発明が関係する関連分野におけるこの問題及び他の問題に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0009】
一態様において、本発明は、式I:
【化1】
の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を調製するための方法を提供する。該方法は、金属添加剤の存在下、任意には塩基性添加剤の存在下において、溶媒中で、式II:
【化2】
の2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物を、式III:
【化3】
の化合物と接触させて、式Iの化合物を得ることを含み;
式中、
1、R3、R4、及びR5が独立に、水素、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アルケニル、又はアルキニルを表すか;又は
3及びR5が一緒になって、任意に環頂点として1又は2つのヘテロ原子を有する5〜7員炭素環式環を形成し、ここで、該ヘテロ原子はO、N、及びSから成る群から選択されるか;又は
3及びR4が一緒になって、任意に環頂点として1又は2つのヘテロ原子を有する5〜7員炭素環式環を形成し、ここで、該ヘテロ原子はO、N、及びSから成る群から選択され、
そして、式中、
それぞれR1、R3、R4、及びR5が任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、シリルオキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、ヘテロ環式環、オキソ、COOH、CONH2、CONHC1-4アルキル、C(O)OCH26-10アリール、C(O)OC6-10アリール、及びC(O)OC1-4アルキルから成る群から選択される1〜3員により置換され;
2が、水素又はヒドロキシル保護基を表し;
Xが、ホウ素含有基を表す。
【0010】
本発明を特徴づける様々な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されており、開示の一部を形成するものである。本発明、本発明の実施上の利点、及び本発明を使用することで達成される具体的な目的について、より理解するためには、本発明の好ましい実施形態が例示され、記載されている図面及び記載内容を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、プロスタグランジン合成のためのコーリー法を示す。
【0012】
図2図2は、プロスタグランジン合成のための従来の二成分アプローチを示す。
【0013】
図3図3は、本出願人によって開示されるプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体の合成のための改善された二成分アプローチを示す。
【0014】
図4図4は、産業的及び医薬的に重要ないくつかのプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体を示す。
【0015】
図5図5は、本発明を使用したジノプロストの合成を示す。
【0016】
図6図6は、本発明を使用したタフルプロストの合成を示す。 発明の詳細な説明 I.概要
【0017】
本発明は、ビニルホウ素化合物と2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンとの金属触媒による非対称1,4−共役付加反応を使用して、産業的及び薬理学的に重要なプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体の有用な合成前駆体である2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を製造する新規方法を提供する。この方法は、従来の二成分法より毒性が低く、より容易に取り扱える試薬を使用し、且つ、より温和な反応条件下で実施でき、そのうえ、高収率でエナンチオ及びジアステレオ選択的様式でさまざまなプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体の前駆体を提供できる。
II.定義
【0018】
本明細書中に使用される場合、「接触」という用語は、少なくとも2つの異なる化学種を、それらが反応できるように接触させる方法を指す。しかしながら、得られた反応生成物は、添加された試薬間の反応から直接的に生じるか、又は添加された1種類以上の試薬から反応混合物中で生成され得る中間体から、生成され得ることが理解されるべきである。
【0019】
本明細書中に使用される場合、「金属添加剤」という用語は、化学反応において準化学量論量で使用される触媒又は前駆触媒を指す。触媒とは、1若しくは複数の反応物の化学反応の速度を増強する化学物質である。触媒は反応によって消費されることはなく、化学反応における他の試薬と異なっていることは理解されなければならない。前駆触媒は、前記反応中では、それ自体は化学的に活性でないか若しくは化学的にそれほど活性でないかもしれず、又は反応中で添加剤の作用によって触媒に変換される化学物質である。更に、「準化学量論的」という用語は、化学量論量より少ない量を指す。例えば、1モルの化合物IIが1モル以上の化合物IIIと組み合わせられるとき、準化学量論量の金属添加剤は、約1モル未満;一般に約0.5モル未満;いくつかの実施形態において、約0.1モルより少ない;好ましい実施形態において、約0.05〜約0.0001モルである。
【0020】
本明細書中に使用される場合、「塩基性」という用語は、塩基である化学物質を指す形容詞である。塩基性添加剤は塩基である添加剤を指す。
【0021】
本明細書中に使用される場合、「アルキル」という用語は、特に明記しない限り、それ自体又は別の置換基の一部としての直鎖又は分岐鎖炭化水素基を意味する。アルキル置換基は、他の炭化水素置換基と同様に、置換基の炭素原子数を示す数字標識(すなわち、C1-8は1〜8個の炭素を意味する)を含むことがあるが、斯かる標識は省かれることがある。別段の定めがない限り、本発明のアルキル基は1〜12個の炭素原子を含む。例えば、アルキル基は、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−9、1−10、1−11、1−12、2−3、2−4、2−5、2−6、3−4、3−5、3−6、4−5、4−6又は5−6個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。
【0022】
「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、それぞれ1若しくは複数の炭素−炭素二重結合(アルケニル)又は炭素−炭素三重結合(アルキニル)を有する、先に規定されるアルキル基を指す。炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合の両方を有する基については、「アルキニル」という用語が使用される。
【0023】
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、特に明記しない限り、それら自体又は別の置換基の一部としてのフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。更に、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「C1-4ハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
【0024】
「アリール」という用語は、特に明記しない限り、一緒に融合されるか又は共有結合により連結されて単環又は複数の環(最大3つの環)となり得る多価不飽和の、一般的に芳香族である、炭化水素基を意味する。「ヘテロアリール」という用語は、N、O、及びSから選択される1〜5個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を指し、ここで、該窒素及び硫黄原子は任意に酸化され、及び(単数若しくは複数の)窒素原子は任意に四級化される。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を通して残りの分子に取り付けられ得る。アリール基の制限されることのない例としては、フェニル、ナフチル、及びビフェニルが挙げられ、それに対して、ヘテロアリール基の制限されることのない例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミンジニル(pyrimindinyl)、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどが挙げられる。先に記載したアリール及びヘテロアリール環系の各々に対する置換基は、下記の許容可能な置換基の群から選択することができる。
【0025】
「アリールアルキル」という用語は、アリール基がアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチルなど)に取り付けられている基を含むことを意味する。同様に、「アリールオキシアルキル」という用語は、アリール基がエーテル結合(−O−)を介してアルキル基に取り付けられている基、例えば、フェノキシプロピル、フェノキシペンチル、フェノキシヘプチルを含むことを意味する。
【0026】
本明細書中に使用される場合、「シリルオキシ」という用語は、式−OSiR3{式中、各Rは独立に、本明細書中に規定されるアルキル基又はアリール基である}を有する部分を指す。シリルオキシ基の例としては、これだけに限定されるものではないが、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、及び(tert−ブチル)ジメチルシリルオキシが挙げられる。
【0027】
本明細書中に使用される場合、「アシルオキシ」という用語は、式−OC(O)R{式中、Rは、本明細書中に規定されるアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基である}を有する部分を指す。アシルオキシ基の例としては、これだけに限定されるものではないが、アセチルオキシ及びベンゾイルオキシが挙げられる。
【0028】
本明細書中に使用される場合、「保護基」という用語は、ある官能基を不活性に又は反応しにくくするために形成される部分を指す。保護基は、その官能基を元の状態に戻すように取り除くこともできる。ヒドロキシル保護基を含め、様々な保護基及び保護試薬が当業者にとって周知であり、Protective Groups in Organic Synthesis, 4th edition, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, John Wiley & Sons, New York, 2006(該文献の全体を参照により本明細書に援用する)に開示されている化合物が挙げられる。
【0029】
「ジエンリガンド」という用語は、2つの炭素−炭素二重結合を含み、そしてそれが一緒にジエン系を形成する有機化合物を指し、そしてそれはロジウム(I)塩に調整され得る。ジエンリガンドは、これだけに限定されるものではないが、ノルボルナジエン、1,5−シクロオクタジエン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2,5−ジエン系、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン系、及びビシクロ[2.2.0]オクタ−2,6−ジエン系であり得る。
【0030】
本発明は、以下の実施形態を参照することで、ここでより詳しく説明される。本願発明の好ましい実施形態に関する以下の説明が、本明細書中に例示及び説明のためだけに提示されており;網羅的であること又は開示したまさにその形態に制限することを意図するものではないことに注意すべきである。以下のスキームは、本発明を制限するのではなく、例示するための実施形態として提供される。
III.本発明の実施形態
【0031】
本発明は、式I:
【化4】
の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を調製するための方法を提供する。
【0032】
該方法は、金属添加剤の存在下、任意に塩基性添加剤の存在下、溶媒中で、式II:
【化5】
の2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物を、式III:
【化6】
の化合物と接触させて、式Iの化合物を得ることを含み;
式中、
1、R3、R4、及びR5は独立に、水素、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アルケニル、又はアルキニルを表すか;又は
3及びR5は一緒になって、任意に環頂点として1又は2つのヘテロ原子を有する5〜7員炭素環式環を形成し、ここで、該ヘテロ原子はO、N、及びSから成る群から選択されるか;又は
3及びR4は一緒になって、任意に環頂点として1又は2つのヘテロ原子を有する5〜7員炭素環式環を形成し、ここで、該ヘテロ原子はO、N、及びSから成る群から選択され、
そして、式中、
それぞれR1、R3、R4、及びR5は任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、シリルオキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、ヘテロ環式環、オキソ、COOH、CONH2、CONHC1-4アルキル、C(O)OCH26-10アリール、C(O)OC6-10アリール、及びC(O)OC1-4アルキルから成る群から選択される1〜3員により置換され;
2は、水素又はヒドロキシル保護基を表し;
Xは、ホウ素含有基を表す。
【0033】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、式Iの生成物は1,4−共役付加反応を介して形成されると考えられる。ホウ素含有化合物IIIは、ビニルホウ素化合物であり、ここで、ホウ素原子はラジカルXの状態で存在し、化合物IIIの炭素−炭素二重の炭素原子の1つと共有結合により結合される。本発明の方法は、プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体の調製に使用できる式Iの化合物を提供する。プロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体としては、これだけに限定されるものではないが、プロスタグランジンE(PGE)及びプロスタグランジンF(PGF)シリーズの化合物、並びにそれらの類似体が挙げられる。PGE及びPGFシリーズの化合物(図4を参照のこと)又はそれらの類似体の例としては、これだけに限定されるものではないが、トラボプロスト(PGF類似体)、ビマトプロスト(PGF類似体)、ジノプロスト(PGF図5も参照のこと)、ジノプロストン(PGE2)、ルビプロストン(PGE類似体)、タフルプロスト(PGF類似体;図6も参照のこと)、カルボプロスト(PGF類似体)、アルプロスタジル(PGE1)、ラタノプロスト(PGF類似体)、及びウノプロストン(PGFα類似体)が挙げられる。
【0034】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式I’:
【化7】
を有する。
【0035】
本発明の方法中の反応は任意の好適な温度にて実施できる。いくつかの実施形態において、1,4−共役付加反応ステップは、周囲温度(20〜30℃)にて、冷却(約0℃)条件下で又は穏やかな加熱(約50℃)条件下で実施され得る。反応物に熱を提供するのに使用される機器の例としては、これだけに限定されるものではないが、従来の加熱装置(オイルバス、加熱ジャケット、又は加熱マントルなど)又はマイクロ波反応器が挙げられる。この方法を操作するとき、零下又は冷却温度を通常必要としない。対照的に、従来の二成分アプローチを実行する既知の方法は、通常、対応する1,4−共役付加反応ステップにおいて極低温を必要とする。
【0036】
約30℃といった反応温度は、50℃、60℃又は80℃といったより高い温度よりも2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物Iのより高い収率を提供する。なぜなら、より高い温度では、相当量の2,3,4−三置換−シクロペンタン−1−オン化合物VIIIが形成され得るからである。例えば、特定の例において、(2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンIIに基づいて)約3%〜最大約15%の副産物化合物VIII:
【化8】
が形成され得る。
【0037】
いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、化合物VIIIは、反応性前駆体V:
【化9】
から形成される。該反応性前駆体Vは、それら自体が化合物Iの分解生成物であり、4−オキシ置換基の除去によって形成される。
【0038】
この裏付けとして、1,4−共役付加生成物、プロスタグランジンE2類似体10.1を、18hの延長した反応時間にわたり本願発明の標準的な1,4−共役付加条件([RhCl(COD)]2、KOH、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1))の存在下で60℃)に供したとき、化合物6.1:
【化10】
が主反応生成物として形成された。
【0039】
形成される化合物VIIIの量は、反応温度に加えて、塩基性添加剤のタイプ、反応溶媒及び反応時間(延長した反応時間が適用されている時など)などの他の反応パラメータに依存する。
【0040】
一般に、基質IIとIII及び反応溶媒と塩基性添加剤のそれぞれのセットについて、2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物Iの最も高い収率を提供し、且つ、2,3,4−三置換−シクロペンタン−1−オン化合物VIIIをまったく又は低レベルしか提供しない反応温度が選択される。制限されることのない例として、表1、エントリ1〜3は、塩基性添加剤として水酸化カリウムを使用してメタノール中で実施した反応において、より低い温度がより高い2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物Iの収率を提供することを示す。マイクロ波照射(μw)が使用され、反応温度が50℃、40℃又は30℃に維持されたとき、2,3,4−三置換−シクロペンタン−1−オン6.1のレベルは、それぞれ9%から3%又は0%の収率に低減された。その間、所望の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物10.1は、それぞれ65%から73%又は83%へと増加した。
表1
【化11】
【表1】
a2つの値がコンマで区切られているときには、これは、添加剤及び/又は試薬を分割して添加したことを示す。時間の欄の時間単位の間に付随するコンマは、それぞれ対応する添加剤の添加後の反応期間を示す。bμwは、反応液にマイクロ波が照射されたこと示す。記載した温度(温度)はマイクロ波反応器によって報告された温度である。
【0041】
ビニルホウ素化合物を利用する1,4−共役付加反応ステップでは、任意の好適な溶媒が使用できる。好適な溶媒の例としては、これだけに限定されるものではないが、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1,4−ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジグリム、アセトニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、エチレングリコール、及びその組み合わせが挙げられる。ビニルホウ素化合物を利用した1,4−共役付加反応ステップは、プロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒中で実施できる。いくつかの実施形態において、反応はプロトン性溶媒中で実施される。いくつかの実施形態において、プロトン性溶媒はアルコール溶媒である。いくつかの実施形態において、アルコール溶媒はメタノールである。メタノールは、本願発明の1,4−共役付加反応を実施するのに良好な媒体を提供するだけではなく、安価で、容易に入手可能であり、そして、製造規模でも取り扱いやすく、且つ、処分が簡単でもある。
【0042】
本発明の方法には、任意の好適なホウ素化合物が使用できる。好適なビニルホウ素化合物の例としては、これだけに限定されるものではないが、ビニルボロン酸、ビニルボロキシン、ビニルボロン酸エステル(例えば、ピナコールボロン酸エステル、カテコールボロン酸エステル)、トリビニルボラン、ジアルキルビニルボラン、ビニルN−イミノジ酢酸ボロナート、B−ビニル−9−BBN化合物、ビニルトリオールボラート、トリフルオロビニルホウ酸塩、及びテトラビニルホウ酸塩が挙げられる。好ましくは、ビニルホウ素化合物は、ビニルボロン酸又はビニルトリフルオロホウ酸塩である。すなわち、式IIIの化合物のホウ素含有基Xは、B(OH)2(ビニルボロン酸);B(OR)2(ビニルボロン酸エステル){式中、Rがアルキル基又はアリール基である};BR2(ジアルキルビニルボラン){式中、Rがアルキル基である};BR2(トリビニルボラン){式中、Rがビニル基である};9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)基;BR2{式中、Rがカルボキシラート基である};BR{式中、Rが二座配位性カルボキシレート基である};BR2{式中、Rがアリールオキシ基である};BR{式中、Rが二座配位性アリールオキシ基である};BF3M(ビニルトリフルオロホウ酸塩){式中、Mが金属イオンである};BF3M{式中、Mがアンモニウム又はホスホニウムイオンである};BR3M(トリアルキルビニルホウ酸塩){式中、Rがアルキル基であり、及びMが金属イオン又はアンモニウム若しくはホスホニウムイオンである};並びにBR3M(テトラビニルホウ酸塩){式中、Rがビニル基であり、Mが金属イオンであるか又はアンモニウム若しくはホスホニウムイオンである}から成る群から選択される。
【0043】
表2、エントリ1〜5は、同じ2−フェニルビニルラジカルが、ビニルボロン酸3.1、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム3.1a(エントリ2)、カテコールビニルボロナート3.1b(エントリ3)、ピナコールビニルボロナート3.1c(エントリ4)、及びN−メチルイミノ二酢酸ビニルボロナート3.1d(エントリ5)を介した1,4−共役付加反応(エントリ1)において、2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン2に送達されて、保護されたプロスタグランジンE2類似体10.1を提供することを示す。
表2
【化12】
【表2】
aμwは、反応液にマイクロ波が照射されたこと示す。記載した温度はマイクロ波反応器によって報告された温度である。時間の欄の時間単位の間の付随するコンマは、それぞれ対応する添加剤の添加後の反応期間を示す。b2つの値がコンマで区切られているときには、これは、添加剤及び/又は試薬を分割して添加したことを示す。
【0044】
前述のビニルホウ素化合物IIIは、文献に記載の方法を使用して調製することが容易であり、固形物として単離されることが多く、そしてそれが結晶であることもある。更に、ビニルホウ素化合物IIIは、通常空気及び湿気に安定であるので(すなわち、水耐性)、すぐに使用しなければならないことが多い、従来の二成分アプローチに使用される対応するビニルクプラート化合物と異なり、長い有効期間を有する。ビニルホウ素化合物IIIは、研究室又は製造プラントでの取り扱いが容易であり、商業的供給業者から購入しても、又は自家調製し、必要になるまで周囲条件下で保存してもよい。そのうえ、これらのビニルホウ素化合物は、「無毒」であると一般的に考えられており、そしてそれは、産業及び医薬適用に好適である。本発明におけるビニルホウ素化合物IIIの使用は、従来の二成分法のビニル銅化合物(ビニルクプラート)の使用に対して著しい改善である。
【0045】
驚いたことに、本願発明の1,4−共役付加反応は、式IIIのビニルホウ素化合物の構造的に多様な範囲を越えて機能し得る。表3にまとめたように、エントリ1〜8は、式2の2−置換−4−シリルオキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物及びビニルボロナート3{式中、R4及びR5はHであり、R3はフェニル(3.1、エントリ1)、4−メトキシフェニル(3.2、エントリ2)、3−メトキシフェニル(3.12、エントリ3)、4−メチルフェニル(3.3、エントリ4)、3−メチルフェニル(3.4、エントリ5)、2−メチルフェニル(3.11、エントリ6)、4−トリフルオロメチルフェニル(3.14、エントリ7)、又は4−フルオロフェニル(3.13、エントリ8)である}を使用して高収率で2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物10(保護されたプロスタグランジンE2類似体)を得た。そのうえ、R4がHであり、及びR3及びR5が炭素環式環を形成するとき(すなわち、3.20;エントリ9)、式10.20の対応する2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を得た。更に、非芳香族ビニルボロン酸3.6(エントリ10)、3.5(エントリ11)、3.16(エントリ12)、及び3.15(エントリ13)は、高収率で式10.6、10.5、10.16及び10.15の対応する2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物(プロスタグランジンE2類似体)の利益を通常提供した。
表3
【化13】
【表3-1】
【表3-2】
aμwは、反応液にマイクロ波が照射されたこと示す。記載した温度はマイクロ波反応器によって報告された温度である。b2つの値がコンマで区切られているときには、これは、添加剤及び/又は試薬を分割して添加したことを示す。時間の欄の時間単位の間の付随するコンマは、それぞれ対応する添加剤の添加後の反応期間を示す。
【0046】
医薬的に重要なプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体に対する前駆体の合成への本発明の方法の適用性は、表4にまとめた制限されることのない例によって実証される。式2の2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物とビニルボロン酸3.9a(エントリ1)、3.17(エントリ3)、3.18(エントリ4)、又は3.7(エントリ5)の1,4−共役付加反応は、それぞれ式10.9a、10.17、10.18、及び10.7の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物(プロスタグランジンE2類似体)を提供した。斯かる化合物は公知であり、それぞれジノプロスト、ビマトプロスト、トラボプロスト、及びタフルプロストに対する合成前駆体が報告され、そしてそれらは、それら自体が分娩の誘発又は疾患の処置に使用されるプロスタグランジンF類似体である。例えば、それぞれプロスタグランジンF類似体ビマトプロスト及びトラボプロストの合成のための保護されたプロスタグランジンE2類似体10.17及び10.18の使用に関する‘795号特許を参照のこと。同様に、ビニルピナコールボロナート2.9a(エントリ2)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム3.7a(エントリ6)、又はビニルピナコールボロナート2.19(エントリ7)が、1,4−共役付加反応に使用されて、式10.9a、10.7、及び10.19の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を得ることができる。それらは公知であり、それぞれプロスタグランジンF類似体ジノプロスト及びタフルプロスト、並びにプロスタグランジンE1誘導体ルビプロストンに対する合成前駆体が報告されている。例えば、ルビプロストンの合成のための保護されたプロスタグランジンE2類似体10.19の使用に関する’958号特許を参照のこと。
表4
【化14】
【表4-1】
【表4-2】
aμwは、反応液にマイクロ波が照射されたこと示す。記載した温度はマイクロ波反応器によって報告された温度である。b2つの値がコンマで区切られているときには、これは、添加剤及び/又は試薬を分割して添加したことを示す。時間の欄の時間単位の間の付随するコンマは、それぞれ対応する添加剤の添加後の反応期間を示す。
【0047】
対応するビニルクプラートVII及び2−置換−4−シリルオキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物2を使用した従来の二成分アプローチを利用した、タフルプロストを作製するのに有用である式10.7の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を調製するための複数の試みは失敗したが(表5を参照のこと)、ビニルボロナート3.7(表4、エントリ5)及びビニルトリフルオロホウ酸カリウム3.7a(エントリ6)の両方が、式10.7の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物を製造するのに使用され、良好な収率で、図6に概説されているタフルプロストの合成に有用である可能性があることは注目に値する。式10.9a及び10.7の2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物は、(本明細書中の実施例の項に開示しているように)それぞれプロスタグランジンF類似体ジノプロスト(図5を参照のこと)又はタフルプロスト(図6を参照のこと)に更に変換され、プロスタグランジン薬剤前駆体の調製に対する当該発明の適用性と有用性を実証した。
表5
【化15】
【表5】
【0048】
1,4−共役付加反応ステップにおけるビニルホウ素化合物IIIの式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物との反応では、触媒(すなわち、準化学量論的な)量の金属添加剤(例えば、ロジウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物又はその組み合わせ)しか必要としなかった。例えば、一般的に、式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オンのモル量に対して3モルパーセントのロジウム二量体[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2は、式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物とビニルホウ素化合物IIIから式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物への高収率変換をもたらすのに十分である。対照的に、二成分アプローチの従来の有機銅化学は、化学量論量の遷移性金属、Cu(I)、及び場合によっては、すべて化学量論量でZr(IV)、及び金属Li(I)、そして、一般的にSn(IV)を必要とする。本明細書中に開示された発明では、ホウ素が、都合よく、従来の二成分アプローチのCu(I)、及びSn(IV)又はZr(IV)、及び/又はLi(I)金属の代わりとなり、そのため、式Iのプロスタグランジン前駆体化合物を作製するのに必要な遷移金属や他の金属の量を削減できた。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態において、ビニルホウ素化合物IIIの式IIの化合物への1,4−共役付加反応ステップで使用されるロジウム化合物添加剤は、準化学量論量で使用される前駆触媒又は触媒であって、これだけに限定されるものではないが、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(すなわち、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体);[RhCl(C2422;ジエンリガンド添加剤を伴った[RhCl(C2422;[RhCl(ノルボルナジエン)]2;及び[Rh(OH)(1,5−シクロオクタジエン)]2(すなわち、ヒドロキシ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体)の群から選択されるロジウム(I)化合物が挙げられる。1,5−シクロオクタジエンはCODと略記されることが多いので、これによると[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2は[RhCl(COD)]2と略記される。特定の実施形態において、ロジウム添加剤は、ロジウム二量体[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2又はロジウム二量体[Rh(OH)(1,5−シクロオクタジエン)]2である。
【0050】
金属添加剤の量は、好ましくは一般的に、式IIの化合物のモル量に対して50モルパーセント未満であり、例えば式IIの化合物のモル量に対して12モルパーセント以下、又は式IIの化合物のモル量に対して10モルパーセント未満、又は式IIの化合物のモル量に対して6モルパーセント以下、又は式IIの化合物のモル量に対して5モルパーセント以下などである。
【0051】
本発明の方法には、任意の好適な塩基性添加剤が使用され得る。1,4−共役付加反応ステップで使用される好適な塩基性添加剤の例としては、これだけに限定されるものではないが、KHF2、t−BuOLi、t−BuONa、t−BuOK、K3PO4、K2CO3、Cs2CO3、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、KF、CsF、NaHCO3、KH2PO4、1,3−ジアミノプロパン、t−BuNH2、i−Pr2NH、ピペリジン、Et3N、2,6−ルチジン、及びその組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、塩基性添加剤は水酸化物である。特定の実施形態において、水酸化物は水酸化カリウムである。いずれかの特定の理論に縛られることを望むものではないが、塩基性添加剤は、金属添加剤に対してそれを前駆触媒から活性触媒に変換するように作用すると考えられるが、塩基性添加剤が反応において他の役割を担っている可能性もある。例えば、ロジウム(I)塩化物塩が水酸化物化合物によってロジウム(I)水酸化物に変換され、これらの後者の化合物が触媒的に活性であり、活性化されたオレフィン化合物、例えばα,β−不飽和カルボニル化合物などへのビニルホウ素化合物の付加反応を触媒することが報告された(J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 5052-5058)。塩基性添加剤の量は、好ましくは、金属添加剤に対して等モルであるか、又は金属添加剤に対して等モルよりも多い。
【0052】
異なった溶媒、塩基性添加剤、及び反応温度の様々な組み合わせは、式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物の著しく異なった収率、及び式VIIIの2,3,4−三置換−シクロペンタン−1−オン分解生成物のレベルをもたらし得る。当業者は、それぞれの式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物及びビニルホウ素化合物IIIについて、塩基性添加剤の相対量とタイプ、金属添加剤の相対量とタイプ、溶媒の相対量とタイプ及び反応温度の最適化が、式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物の最も良い収率を提供する条件を同定するのに必要であろうことを理解する。
【0053】
いくつかの実施形態において、式Iの2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物の反応収率は、式IIIのビニルホウ素化合物の分割添加、及び/又は金属添加剤の分割添加によって増強され得る。例えば、表1、エントリ4〜7は、
ボロン酸3.1及び[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2のそれぞれの分割添加の総量と回数、及び量の様々な変更が、2,3−二置換−4−オキシ−シクロペンタン−1−オン化合物10.1の異なった収率をもたらすことを示す。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、式Iの化合物及び式IIの化合物のR2はヒドロキシル保護基である。ヒドロキシル保護基の例としては、これだけに限定されるものではないが、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシメチル(MOM)、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ベンジル、p−メトキシベンジル(PMB)、アルキルカルボニル、アリールカルボニル及びアリルが挙げられる。特定の実施形態において、ヒドロキシル保護基はトリアルキルシリル基である。いくつかの実施形態において、トリアルキルシリルはtert−ブチルジメチルシリル(TBS)である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物は、IIa又はIIb:
【化16】
{式中、R2が、水素又は上述のとおり規定されたヒドロキシル保護基であり、及びR6が、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、及びベンジルを含む群から選択される基である}である。
【0056】
本発明の更なる実施形態において、式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物は、IIaa{式中、R2が水素であり、及びR6がイソプロピルである}である(表6、エントリ4を参照のこと)。本発明の他の実施形態において(表6を参照のこと)、式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物は、IIba{式中、R2がtert−ブチルジメチルシリル(TBS)であり、及びR6がメチルである}(エントリ1)、IIbb{式中、R2がテトラヒドロピラニル(THP)であり、及びR6がメチルである}(エントリ2)、IIbc{式中、R2がアリルであり、及びR6がメチルである}(エントリ3)の群から選択される。
表6
【化17】
【表6】
aμwは、反応液にマイクロ波が照射されたこと示す。記載した温度はマイクロ波反応器によって報告された温度である。b2つの値がコンマで区切られているときには、これは、添加剤及び/又は試薬を分割して添加したことを示す。時間の欄の時間単位の間の付随するコンマは、それぞれ対応する添加剤の添加後の反応期間を示す。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態において、式Iの化合物及び式IIIの化合物の基R3、R4、及び/又はR5は、1若しくは複数のヒドロキシル基を有する。いくつかの実施形態において、前述のヒドロキシル基は保護されていてもよい。好適なヒドロキシル保護基としては、これだけに限定されるものではないが、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシメチル(MOM)、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)、トリアルキルシリル、トリアリールシリル、ジアリールアルキルシリル、ベンジル、4−メトキシベンジル(PMB)、アルキルカルボニル、アリールカルボニル及びアリルが挙げられる。特定の実施形態において、保護基はトリアルキルシリル基である。いくつかの実施形態において、トリアルキルシリルはtert−ブチルジメチルシリル(TBS)である。表7、エントリ1〜8は、4種類の別々のヒドロキシル保護ビニルボロン酸誘導体3.8a(tert−ブチルジメチルシリル保護;エントリ1)、3.8c(ベンジル保護;エントリ2)、3.8e(テトラヒドロピラニル保護;エントリ3)、及び3.8b(アセチル保護;エントリ4)、並びに4種類の異なったヒドロキシル保護ピナコールビニルボロナート誘導体2.8a(tert−ブチルジメチルシリル保護;エントリ8)、2.8c(ベンジル保護;エントリ7)、2.8e(テトラヒドロピラニル保護;エントリ5)、及び2.8b(アセチル保護;エントリ6)を示す。いくつかの実施形態において、前述のヒドロキシル基は、例えば表7、エントリ9の例などのように(ビニルボロン酸2.8のように)、無保護のまま残されてもよい。
表7
【化18】
【表7-1】
【表7-2】
a2以上の値がコンマで区切られているようなときには、これは、添加剤及び/又は試薬を分割して添加したことを示す。時間の欄の時間単位の間の付随するコンマは、それぞれ対応する添加剤の添加後の反応期間を示す。bμwは、反応液にマイクロ波が照射されたこと示す。記載した温度はそれがマイクロ波反応器によって報告された温度である。
【0058】
本願発明で有用な式IIIのビニルホウ素化合物は、文献で報告された方法によって調製され得る(J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 5766-5767; Angew. Chem. 2003, 42, 3399-3404; J. Org. Chem. 2001, 66, 5359-5365; Angew. Chem. 2012, 51, 9385-9388; Org. Lett. 2012, 14, 6104-6107; Org. Lett. 2010, 12, 2004-2007)
【0059】
例えば、R4がHであるとき、1つの方法は、
a)式IV
【化19】
のアルキン化合物を、有機ホウ素試薬と接触させ;そして
b)ステップa)から生成物を変換して、IIIを得ること、
を含む。あるいは、式IIIのビニルホウ素化合物は、出発物質としてハロゲン化ビニルを使用して調製されることができ、そして、この変換の方法は当該技術分野で公知である。
【0060】
前述の有機ホウ素試薬は、ヒドロボラン化合物であり、例えばBH3・THF又はBH3・OEt2などのボランエーテル錯体;BH3-SMe2などのボラン硫化物錯体;9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン;9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン二量体;ピナコールボラン;カテコールボラン;ジシクロヘキシルボラン、ジシアミルボラン、ジイソピノカンフェイルボラン又はジ(イソプロピルプレニル)ボランなどのジアルキルボラン;並びにBHCl2・ジオキサン、BH2Cl・OEt2、BH2Cl・SMe2、BHBr2・ジオキサン、BH2Br・OEt2又はBH2Br・SMe2などのモノ及びジクロロボラン又はモノ及びジブロモボラン−ルイス塩基錯体から成る群から選択される。本願発明で有用な式IIIのビニルホウ素化合物としては、ビニルボロン酸、ビニルボロン酸エステル、ビニルN−イミノジ酢酸ボロナート、ビニルトリオルガノボラン(例えば、ビニルトリアルキルボラン)、ビニルB−オルガノ−9−BBN化合物(例えば、ビニルB−アルキル−9−BBN化合物)、ビニルトリフルオロホウ酸塩及びテトラビニルホウ酸塩が挙げられる。特定の実施形態において、ビニルホウ素化合物は、ビニルボロン酸又はビニルトリフルオロホウ酸塩である。
【0061】
本発明の方法において有用な式IIの2−置換−4−オキシ−シクロペント−2−エン−1−オン化合物は、米国特許番号第7,897,795号、Org. Process Res. Dev. 2012, 16, 1905-1916及びTetrahedron Lett. 2003, 44, 7411-7415報告された方法を含めた当該技術分野で公知の方法を使用して調製され得る。
【0062】
何らかのガイダンスが以下の実施例において提供されるが、本明細書中に記載した方法が使用される温度及び(単数若しくは複数の)(先に考察した)溶媒、並びに反応時間、そして、反応混合物中の反応物の濃度に関連するさまざまな条件下で実行されることを、当業者は理解する。以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、どのような形であっても制限するものとみなしてはならない。
【実施例】
【0063】
IV.実施例
実施例1−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【化20】
MeOH(1.0mL)中のイソプロピル(Z)−7−[(3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−シクロペント−1−エニル]−ヘプト−5−エノアート(2)(57mg、0.15mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(33mg、0.22mmol)、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.1mg、2.2μmol)及び、KOH水溶液(9.5μL、3.0MのKOH水溶液、29μmmol)の溶液を、マイクロ波照射下で撹拌した(CEM, Discover S又はMilestone, Startsynth、温度を30℃に設定した)。5時間後に、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(11mg、74μmol)及び[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.1mg、2.4μmol)を加え、反応混合物をもう1時間撹拌し、そしてそれを真空中でそのまま濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、10.1を得た(70mg、96%)。
【0064】
[α]27D -57.4 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.01 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.59-1.69 (m, 2H), 2.05 (dd, J = 7.1, 14.1 Hz, 2H), 2.16-2.26 (m, 4H), 2.38-2.42 (m, 2H), 2.58-2.73 (m, 2H), 4.13 (dd, J = 8.4, 16.0 Hz, 1H), 4.97 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.32-5.46 (m, 2H), 6.05 (dd, J = 8.6, 15.8 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 7.22-7.26 (m, 1H), 7.27-7.37 (m, 4H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ -4.8 (CH3), -4.7 (CH3), 18.1 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.7 (CH), 26.7 (CH2), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 54.1 (CH), 54.4 (CH), 67.4 (CH), 73.0 (CH), 126.1 (CH), 126.5 (CH), 127.4 (CH), 128.6 (CH), 129.8 (CH), 131.0 (CH), 132.9 (CH), 137.1 (C), 173.1 (C), 214.7 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C29H44O4Si + H]+ に関する計算値= 485.3081, 実測値485.3064; FTIR (KBr, neat) 2935, 2861, 1736, 1593, 1459, 1372, 1250, 1107, 838, 745 cm-1
実施例2−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R)−5−オキソ−2,3−ジスチリル−シクロペント−3−エニル]−ヘプト−5−エノアート(6.1)の合成
【化21】
【0065】
分解産物6.1標準は、以下の手順を用いて調製され得る:MeOH(1mL)中の10.1(16mg、33μmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(9.2mg、62μmol)、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.1mg、2.25μmol、5.6mol%)、KOH水溶液(9.5μL、3.0MのKOH水溶液、28.5μmol)の溶液を60℃で撹拌した。12時間後に、混合物を真空中でそのまま濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物6.1を得た(13mg、86%)。
【0066】
[α]24D -149.5 (c 0.46, CHCl3) ); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.20 (d, J = 6.4, 6H), 1.58-1.72 (m, 2H), 1.98-2.12 (m, 2H), 2.13-2.34 (m, 4H), 2.36-2.58 (m, 3H), 2.64-2.85 (m, 2H), 4.97 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.31-5.50 (m, 2H), 6.06-6.22 (m, 2H), 6.43 (dd, J = 11.6, 16.0 Hz, 2H), 7.17-7.36 (m, 10H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.0 (CH2), 26.7 (CH2), 30.9 (CH2), 34.1 (CH2), 44.4 (CH), 51.7 (CH), 55.5 (CH), 67.4 (CH), 77.2 (CH), 126.18 (CH), 126.22 (CH), 126.5 (CH), 127.4 (CH), 127.5 (CH), 128.5 (CH), 128.6 (CH), 130.3 (CH), 131.0 (CH), 131.2 (CH), 132.5 (CH), 137.0 (C), 173.1 (C), 216.7 (C); HRMS (ESI-TOF)の [C31H36O3 + H]+ に関する計算値= 457.2737, 実測値457.2738; FTIR (KBr, neat) 3446, 2975, 1730, 1640, 1443, 1375, 1217, 1164, 1102, 963 cm-1
実施例3−イソプロピル(Z)−7−{(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)ビニル]−5−オキソ−シクロペンチル}−ヘプト−5−エノアート(10.2)の合成
【化22】
【0067】
実施例1に記載の手順に従って、trans−2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニルボロン酸(3.2)を使用して表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物を、カラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−{(2R,3R),−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル]−5−オキソ−シクロペンチル}−ヘプト−5−エノアート(10.2、72mg、93%)を得た。
【0068】
[α]22D -50.6 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.00 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.60-1.68 (m, 2H), 2.05 (dd, J = 7.0, 14.1 Hz, 2H), 2.14-2.25 (m, 4H), 2.36-2.39 (m, 2H), 2.55-2.71 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.09 (dd, J = 8.5, 15.8 Hz, 1H), 4.97 (septet, J = 6.3 Hz, 1H), 5.32-5.45 (m, 2H), 5.89 (dd, J = 8.4, 15.6 Hz, 1H), 6.44 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.6 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ -4.8 (CH3), -4.6 (CH3), 18.0 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.7 (CH3), 26.6 (CH2), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 54.1 (CH), 54.4 (CH), 55.2 (CH3), 67.4 (CH), 73.1 (CH), 114.0 (CH), 126.5 (CH), 127.2 (CH), 127.5 (CH), 129.9 (C), 130.9 (CH), 132.3 (CH), 159.0 (C), 173.1 (C), 214.9 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C30H46O5Si + H]+ に関する計算値= 515.3187, 実測値515.3182; FTIR (KBr, neat) 2939, 2863, 1737, 1604, 1512, 1463, 1371, 1246, 1166, 1109 cm-1
実施例4−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−(2−p−トリル−ビニル)−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.3)の合成
【化23】
【0069】
実施例1に記載の手順に従って、trans−2−p−トリル−ビニルボロン酸(3.3)を使用して、表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−(2−p−トリル−ビニル)−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.3、71mg、95%)を得た。
【0070】
[α]23D -40.2 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.00 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.64 (quintet, J = 7.6 Hz, 2H), 2.04 (dd, J = 7.3, 14.2 Hz, 2H), 2.13-2.26 (m, 4H), 2.34 (s, 3H), 2.38-2.40 (m, 2H), 2.57-2.72 (m, 2H), 4.11 (dd, J = 8.0, 15.6 Hz, 1H), 4.97 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.31-5.45 (m, 2H), 5.98 (dd, J = 8.7, 15.7 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ -4.8 (CH3), -4.7 (CH3), 18.0 (C), 21.1 (CH3), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.0 (CH2), 25.7 (CH3), 26.6 (CH2), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 54.1 (CH), 54.4 (CH), 67.3 (CH), 73.0 (CH), 126.0 (CH), 126.5 (CH), 128.7 (CH), 129.3 (C), 130.9 (CH), 132.7 (CH), 134.3 (C), 137.1 (C), 173.1 (C), 214.8 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C30H46O4Si + H]+ に関する計算値= 499.3238, 実測値499.3244; FTIR (KBr, neat) 2938, 2863, 1737, 1509, 1463, 1372, 1250, 1110, 964, 841 cm-1
実施例5−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−(2−m−トリル−ビニル)−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.4)の合成
【化24】
【0071】
実施例1に記載の手順に従って、trans−2−m−トリル−ビニルボロン酸(3.4)を使用して、表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−(2−m−トリル−ビニル)−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.4、73mg、98%)を得た。
【0072】
[α]23D -51.1 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.01 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.65 (quintet, J = 7.6 Hz, 2H), 2.05 (dd, J = 7.0, 14.2 Hz, 2H), 2.15-2.26 (m, 4H), 2.35 (s, 3H), 2.36-2.41 (m, 2H), 2.58-2.73 (m, 2H), 4.12 (dd, J = 8.4, 16.0 Hz, 1H), 4.97 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.32-5.46 (m, 2H), 6.03 (dd, J = 8.6, 15.8 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 15.8, 1H), 7.06 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.15-7.23 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ -4.8 (CH3), -4.6 (CH3), 18.0 (C), 21.4 (CH3), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.7 (CH3), 26.7 (CH2), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 54.1 (CH), 54.3 (CH), 67.4 (CH), 73.1 (CH), 123.2 (CH), 126.5 (CH), 126.9 (CH), 128.2 (CH), 128.5 (CH), 129.5 (CH), 131.0 (CH), 133.0 (CH), 137.0 (C), 138.1 (C), 173.1 (C), 214.8 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C30H46O4Si + H]+ に関する計算値= 499.3238, 実測値499.3242; FTIR (KBr, neat) 2939, 2863, 1737, 1600, 1463, 1375, 1253, 1112, 971, 884 cm-1
実施例6−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−(2−メチル−プロプ−1−エニル)−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.5)の合成
【化25】
【0073】
実施例1に記載の手順に従って、2−メチル−プロペニルボロン酸(3.5)を使用して、表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−(2−メチル−プロプ−1−エニル)−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.5、65mg、99%)を得た。
【0074】
[α]23D -68.2 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.00 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.63-1.68 (m, 5H), 1.74 (s, 3H), 1.92-1.99 (m, 1H), 2.01-2.07 (m, 2H), 2.13-2.21 (m, 1H), 2.22-2.27 (m, 2H), 2.27-2.33 (m, 2H), 2.58-2.65 (m, 1H), 2.67-2.76 (m, 1H), 3.95 (dd, J = 8.0, 15.6 Hz, 1H), 4.92 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 5.00 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.30-5.43 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ -5.0 (CH3), 18.0 (C), 18.7 (CH3), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.0 (CH2), 25.6 (CH3), 25.8 (CH3), 26.5 (CH2), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 49.4 (CH), 55.2 (CH), 67.4 (CH), 73.6 (CH), 125.4 (CH), 127.0 (CH), 130.4 (CH), 135.4 (C), 173.1 (C), 215.6 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C25H44O4Si + H]+ に関する計算値= 437.3082, 実測値437.3096; FTIR (KBr, neat) 2937, 2855, 1738, 1463, 1373, 1248, 1150, 1108, 880, 834 cm-1
実施例7−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−(trans−オクタ−1−エニル)−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.6)の合成
【化26】
【0075】
実施例1に記載の手順に従って、trans−オクタ−1−エニルボロン酸(3.6)を使用して、表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−(trans−オクタ−1−エニル)−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.6、69mg、93%)を得た。
【0076】
[α]23D -54.5 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.02 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.21 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.26-1.36 (m, 10H), 1.62-1.69 (m, 3H), 1.97-2.07 (m, 5H), 2.09-2.16 (m, 1H), 2.24 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.26-2.43 (m, 3H), 2.61 (ddd, J = 1.1, 7.14, 18.3 Hz, 1H), 3.98 (dd, J = 8.0, 15.6 Hz, 1H), 4.99 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.26 (dd, J = 8.4, 15.2 Hz, 1H), 5.30-5.42 (m, 2H), 5.50-5.58 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ -4.7 (CH3), 14.1 (CH3), 18.1 (C), 21.8 (CH3), 22.6 (CH2), 24.8 (CH2), 24.9 (CH2), 25.7 (CH3), 26.6 (CH2), 28.9 (CH2), 29.3 (CH2), 31.7 (CH2), 32.6 (CH2), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 53.5 (CH), 54.2 (CH), 67.3 (CH), 73.1 (CH), 126.8 (CH), 129.6 (CH), 130.6 (CH), 134.0 (CH), 173.1 (C), 215.3 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C29H52O4Si + H]+ に関する計算値= 493.3708, 実測値493.3702; FTIR (KBr, neat) 2930, 2860, 1739, 1462, 1371, 1250, 1111, 968, 839, 775 cm-1
実施例8−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−(trans−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシ−ブト−1−エニル)−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.7)の合成
【化27】
【0077】
実施例1に記載の手順に従って、trans−3、3−ジフルオロ−4−フェノキシ−ブト−1−エニルトリフルオロホウ酸カリウム(3.7a)を使用して、表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−(trans−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシ−ブト−1−エニル)−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.7、52mg、61%)を得た。
【0078】
[α]24D -45.0 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (600 MHz, CDCl3): δ0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.21 (d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.58-1.63 (m, 2H), 2.01 (dd, J = 7.2, 14.4 Hz, 2H), 2.11-2.22 (m, 4H), 2.35-2.38 (m, 2H), 2.57 (dd, J = 8.7, 20.2 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 1.0, 7.2 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 8.4, 16.2 Hz, 1H), 4.16-4.21 (m, 2H), 4.98 (septet, J = 6.3 Hz, 1H), 5.28-5.32 (m, 1H), 5.37-5.41 (m, 1H), 5.85-5.91 (m, 1H), 6.11 (m, 1H), 6.91 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.00 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.4, 8.0 Hz, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3): δ-4.8 (CH3), -4.7 (CH3), 18.0 (C), 21.8 (CH3), 24.7 (CH2), 25.0 (CH2), 25.7 (CH3), 26.6 (CH2), 34.0 (CH2), 47.4 (CH2), 53.0 (CH), 53.8 (CH), 67.4 (CH), 69.4 (t, J = 35.0 Hz, CH2), 72.3 (CH), 114.7 (CH), 117.9 (t, J = 238.5 Hz, C), 121.8 (CH), 125.5 (t, J = 24.8 Hz, CH), 126.0 (CH), 129.6 (CH), 131.4 (CH), 136.9 (t, J = 9.0 Hz, CH), 157.9 (C), 173.0 (C), 213.6 (C); HRMS (ESI-QTOF): [C31H46F2O5Si + NH4]+ に関する計算値= 586.3421, 実測値582.3406; FTIR (KBr, neat) 2939, 2863, 1737, 1592, 1490, 1463, 1375, 1307, 1250, 1158 cm-1
実施例9−(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−((E)−2−メチルスチリル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.11)の合成
【化28】
【0079】
trans−2−o−トリル−ビニルボロン酸(3.11)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製し、そして、表題化合物10.11を得た(66mg、88%)。
【0080】
[α]25D -53.4 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.65 (quintet, J = 7.6 Hz, 2H), 2.07 (dd, J = 6.4, 14.0 Hz, 2H), 2.13-2.30 (m, 4H), 2.34 (s, 3H), 2.35-2.45 (m, 2H), 2.60-2.72 (m, 2H), 4.15 (dd, J = 8.6, 15.8 Hz, 1H), 4.97 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.32-5.47 (m, 2H), 5.93 (dd, J = 8.6, 15.6 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.12-7.20 (m, 3H), 7.38-7.44 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz): δ-4.72 (CH3), -4.65 (CH3), 18.0 (C), 19.7 (CH3), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.7 (CH3), 26.7 (CH2), 34.0 (CH2), 47.6 (CH2), 54.4 (CH), 54.5 (CH), 67.3 (CH), 73.0 (CH), 125.5 (CH), 126.1 (CH), 126.6 (CH), 127.3 (CH), 130.2 (CH), 130.7 (CH), 130.9 (CH), 131.2 (CH), 135.1 (C), 136.2 (C), 173.0 (C), 214.7 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C30H46O4Si + H]+ に関する計算値= 499.3238, 実測値499.3234; FTIR (KBr, neat) 3454, 2948, 1737, 1647, 1462, 1375, 1253, 1107, 969, 880 cm-1
実施例10−(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−((E)−3−メトキシスチリル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.12)の合成
【化29】
【0081】
trans−2−(3−メトキシ−フェニル)−ビニルボロン酸(3.12)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製し、そして、表題化合物10.12を得た(72mg、93%)。
【0082】
[α]25D -65.1 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ0.01 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.69-1.70 (m, 2H), 2.05 (dd, J = 7.1, 14.1 Hz, 2H), 2.13-2.27 (m, 4H), 2.33-2.44 (m, 2H), 2.53-2.80 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 4.12 (dd, J = 8.6, 15.8 Hz, 1H), 4.97 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.29-5.48 (m, 2H), 6.04 (dd, J = 8.6, 15.7 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 6.79 (dd, J = 2.2, 8.0 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.94 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.19-7.27 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz): δ-4.8 (CH3),-4.7 (CH3), 18.0 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.7 (CH3), 26.6 (CH2), 34.0 (CH2), 47.5 (CH2), 54.0 (CH), 54.3 (CH), 55.1 (CH3), 67.3 (CH), 73.0 (CH), 111.6 (CH), 112.8 (CH), 118.8 (CH), 126.4 (CH), 129.5 (CH), 130.1 (CH), 131.0 (CH), 132.7 (CH), 138.5 (C), 159.8 (C), 173.0 (C), 214.6 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C30H46O5Si + H]+ に関する計算値= 515.3187, 実測値515.3172; FTIR (KBr, neat) 2945, 2862, 1737, 1666, 1590, 1463, 1375, 1257, 1156, 1108 cm-1
実施例11−(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−((E)−4−フルオロスチリル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.13)の合成
【化30】
【0083】
trans−2−(4−フルオロメチル−フェニル)−ビニルボロン酸(3.13)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製し、そして、表題化合物10.13を得た(69mg、92%)。
【0084】
[α]30D -44.7 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ -0.01 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.19 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.64 (quintet, J = 7.5 Hz, 2H), 2.04 (dd, J = 7.1, 14.2 Hz, 2H), 2.12-2.28 (m, 4H), 2.32-2.45 (m, 2H), 2.54-2.74 (m, 2H), 4.11 (dd, J = 8.6, 15.8 Hz, 1H), 4.96 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.27-5.46 (m, 2H), 5.95 (dd, J = 8.6, 15.7 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 8.6, 8.7 Hz, 2H), 7.26-7.34 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.8 (CH3), -4.7 (CH3), 18.0 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.6 (CH3), 26.6 (CH2), 34.1 (CH2), 47.5 (CH2), 54.1 (CH), 54.3 (CH), 67.4 (CH), 72.9 (CH), 115.5 (d, J = 21.0 Hz, CH), 126.5 (CH), 127.5 (d, J = 8.0 Hz, CH), 129.5 (CH), 131.0 (CH), 131.7 (CH), 133.2 (d, J = 3.0 Hz, C), 162.2 (d, J = 245.0 Hz, C), 173.0 (C), 214.5 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C29H43FO4Si + H]+ に関する計算値= 503.2987, 実測値503.2970; FTIR (KBr, neat) 2939, 1737, 1603, 1463, 1373, 1232, 1154, 1111, 845, 777 cm-1
実施例12−(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−オキソ−2−((E)−4−(トリフルオロメチル)スチリル)シクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.14)の合成
【化31】
【0085】
trans−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ビニルボロン酸(3.14)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製し、そして、表題化合物10.14を得た(66mg、80%)。
【0086】
[α]29D -40.4 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ -0.01 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.18 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.64 (quintet, J = 7.4 Hz, 2H), 2.04 (dd, J = 7.2, 14.5 Hz, 2H), 2.14-2.28 (m, 4H), 2.35-2.43 (m, 2H), 2.59-2.75 (m, 2H), 4.13 (dd, J = 8.7, 15.9 Hz, 1H), 4.96 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.25-5.52 (m, 2H), 6.16 (dd, J = 8.6, 15.7 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 8.2 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.7 (CH3), 18.0 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.6 (CH3), 26.6 (CH2), 34.0 (CH2), 47.5 (CH2), 54.2 (CH), 54.3 (CH), 67.4 (CH), 72.8 (CH), 124.2 (q, J = 270.2 Hz, C), 125.6 (q, J = 4.0 Hz, CH), 126.2 (CH), 126.4 (CH), 129.2 (q, J = 33.0 Hz, C), 131.1 (CH), 131.7 (CH), 132.6 (CH), 140.4 (C), 173.0 (C), 214.1 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C30H43F3O4Si + H]+ に関する計算値= 553.2955, 実測値553.2936; FTIR (KBr, neat) 2941, 2866, 1739, 1617, 1464, 1373, 1252, 1163, 1118, 840, 777 cm-1
実施例13−(Z)−イソプロピル7−((1R,2S,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−オキソ−2−(プロプ−1−エン−2−イル)シクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.15)の合成
【化32】
【0087】
プロプ−1−エン−2−イルボロン酸(3.15)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製し、そして、表題化合物10.15を得た(48mg、76%)。
【0088】
[α]25D -85.4 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.016 (s, 3H), 0.024 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.58-1.69 (m, 3H), 1.73 (s, 3H), 2.04 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.10-2.27 (m, 3H), 2.27-2.34 (m, 2H), 2.50 (dd, J = 8.3, 12.0 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 7.1, 18.4 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 8.2, 15.8 Hz, 1H), 4.85 (s, 1H), 4.93 (s, 1H), 4.99 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.28-5.44 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.9 (CH3), -4.8 (CH3), 18.0 (C), 19.6 (CH3), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.3 (CH2), 25.7 (CH3), 26.6 (CH2), 34.1 (CH2), 47.7 (CH2), 52.2 (CH), 57.7 (CH), 67.4 (CH), 71.3 (CH), 114.2 (CH2), 126.5 (CH), 130.8 (CH), 142.4 (C), 173.1 (C), 215.2 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C24H42O4Si + H]+ に関する計算値= 423.2925, 実測値423.2927; FTIR (KBr, neat) 3421, 2950, 2862, 1738, 1636, 1376, 1253, 1107, 888, 837, 786 cm-1
実施例14−(Z)−イソプロピル7−((1R,2S,3R)−2−((E)−ブト−2−エン−2−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.16)の合成
【化33】
【0089】
(Z)−ブト−2−エン−2−イルボロン酸(3.16)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製し、そして、表題化合物10.16を得た(24mg、37%)。
【0090】
[α]25D -43.6 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ -0.01 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.0 Hz, 6H), 1.54-1.71 (m, 8H), 1.99-2.08 (m, 2H), 2.10-2.31 (m, 6H), 2.59-2.72 (m, 1H), 3.04 (dd, J = 8.8, 12.4 Hz, 1H), 4.15 (q, J = 8.8 Hz, 1H), 4.99 (septet, J = 6.0 Hz, 1H), 5.29-5.42 (m, 2H), 5.48-5.55 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz): δ -5.0 (CH3), -4.9 (CH3), 13.4 (CH3), 17.9 (C), 18.7 (CH3), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 24.9 (CH2), 25.7 (CH3), 26.4 (CH2), 34.1 (CH2), 47.7 (CH2), 50.7 (CH), 51.7 (CH), 67.4 (CH), 70.0 (CH), 125.0 (CH), 126.6 (CH), 130.6 (CH), 131.4 (C), 173.1 (C), 215.4 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C25H44O4Si + H]+ に関する計算値= 437.3081, 実測値437.3087; FTIR (KBr, neat) 3452, 2938, 1736, 1667, 1461, 1373, 1250, 1108, 972, 838 cm-1
実施例15−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【化34】
【0091】
ジオキサン(1.0mL)中の2(57mg、0.15mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(33mg、0.22mmol)、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.1mg、2.2μmol)、及びt−BuOK水溶液(20μL、1.5Mのt−BuOK水溶液、30μmol)の溶液を、従来の加熱(加熱マントル)を使用して60℃にて4日間撹拌し、次に、反応混合物を真空中でそのまま濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、10.1を得た(39mg、54%)。
実施例16−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【化35】
【0092】
イソプロパノール(1.0mL)中の2(57mg、0.15mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(33mg、0.22mmol)、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.1mg、2.2μmol)、及びt−BuOK水溶液(20μL、1.5Mのt−BuOK水溶液、30μmol)の溶液を、従来の加熱(加熱マントル)を使用して60℃にて3日間撹拌し、次に、反応混合物を真空中でそのまま濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、10.1を得た(43mg、59%)。
実施例17−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0093】
イソプロパノール(1.0mL)中の2(57mg、0.15mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(33mg、0.22mmol)、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.1mg、2.2μmol)、KOH水溶液(9.5μL、3.0MのKOH水溶液、29μmmol)の溶液を25℃にて3日間撹拌し、次に、反応混合物を真空中でそのまま濃縮した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の70%の収率及び2の22%の回収率が示された。
実施例18−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0094】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてKHF2水溶液(0.3mL、3.0MのKHF2水溶液、0.9mmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の74%の収率と2の18%の回収率が示された。
実施例19−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0095】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてのNaOH水溶液(9.5μL、3.0MのNaOH水溶液、29μmmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の35%の収率と2の70%の回収率が示された。
実施例20−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0096】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてのLiOH水溶液(9.5μL、3.0MのLiOH水溶液、29μmmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の25%の収率と2の65%の回収率が示された。
実施例21−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0097】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてのCsOH水溶液(9.5μL、3.0MのCsOH水溶液、29μmmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の22%の収率と2の77%の回収率が示された。
実施例22−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0098】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてのK2CO3水溶液(0.3mL、3.0MのK2CO3水溶液、0.9mmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の13%の収率と2の60%の回収率が示された。
実施例23−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0099】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてのK3PO4水溶液(0.6mL、1.5MのK3PO4水溶液、0.9mmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の54%の収率と2の26%の回収率が示された。
実施例24−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0100】
実施例18に記載の手順に従って、金属添加剤としてジクロロビス(ノルボルナジエン)二ロジウム(1.0mg、2.2μmmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の35%の収率と2の57%の回収率が示された。
実施例25−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0101】
実施例18に記載の手順に従って、金属添加剤として[RhCl(C2422(0.9mg、2.3μmmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の29%の収率と2の69%の回収率が示された。
実施例26−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0102】
実施例17に記載の手順に従って、溶媒としてt−BuOH(0.8mL)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の58%の収率と2の44%の回収率が示された。
実施例27−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0103】
実施例17に記載の手順に従って、溶媒としてEtOH(0.8mL)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の75%の収率と2の15%の回収率が示された。
実施例28−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0104】
実施例17に記載の手順に従って、溶媒としてMeOH(0.8mL)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の80%の収率と2の17%の回収率が示された。
実施例29−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0105】
実施例17に記載の手順に従って、溶媒としてMeOH−H2O(0.8mL、1:1v/v)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の61%の収率と2の39%の回収率が示された。
実施例30−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0106】
実施例18に記載の手順に従って、溶媒としてジオキサン(0.8mL)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の48%の収率と2の52%の回収率が示された。
実施例31−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0107】
実施例28に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてK3PO4(0.6mL、1.5MのK3PO4水溶液、0.9mmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の60%の収率と2の42%の回収率が示された。
実施例32−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0108】
実施例28に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてt−BuNH2(0.95mL、9.0mmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の50%の収率と2の50%の回収率が示された。
実施例33−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0109】
実施例28に記載の手順に従って、塩基性添加剤としてピペリジン(0.89mL、9.0mmol)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の28%の収率と2の38%の回収率が示された。
実施例34−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0110】
実施例17に記載の手順に従って、塩基性添加剤として1,3−ジアミノプロパン(0.8mL、9.6mml)を使用して、表題化合物を合成した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の42%の収率と2の38%の回収率が示された。
実施例35−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0111】
MeOH(1.0mL)中の2(57mg、0.15mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(33mg、0.22mmol)及び[RhOH(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.0mg、2.2μmol)の溶液を、温度を30℃に設定したまま、マイクロ波照射下で6時間撹拌し、次に、反応混合物を真空中でそのまま濃縮した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の29%の収率と2の74%の回収率が示された。
実施例36−イソプロピル(Z)−7−[(2R,3R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−オキソ−2−スチリル−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノアート(10.1)の合成
【0112】
MeOH(1mL)中の2(57mg、0.15mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(3.1)(33mg、0.22mmol)及び[RhOH(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.0mg、2.2μmol)の溶液を、従来の加熱(加熱マントル)を使用して、50℃にて3日間撹拌し、次に、反応混合物を真空中でそのまま濃縮した。そして、未精製の生成物混合物を1H NMR分光法によって分析すると、10.1の47%の収率と2の53%の回収率が示された。
実施例37−tert−ブチル−(1−エチニル−ヘキシルオキシ)−ジメチル−シラン(1.8a)の合成
【化36】
【0113】
0〜5℃にてCH2Cl2(100mL)中のオクタ−1−イン−3−オール(11.574mL、76.1mmol)、イミダゾール(10.4g、153mmol)及びDMAP(0.929g、7.60mmol)の溶液に、CH2Cl2(50mL)中のTBSCl(17.2g、114mmol)の溶液を滴下して加えた。反応混合物(白色の懸濁液)を室温まで温める。混合物を室温にて20時間撹拌し、CH2Cl2(150mL)及び飽和NH4Cl水溶液(300mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した(200mL×2)。合わせた有機層を、塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:20(v/v)EtOAc−n−ヘプタンで溶出する)により、無色液体として表題化合物1.8aを得た(18.11g、99%)。
【0114】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.35 (td, J= 6.4, 2.0 Hz, 1H), 2.38 (d, ,1H), 1.72-1.67 (m, 2H), 1.62-1.45 (m, 2H), 1.44-1.30 (m, 4H), 0.91-0.86 (m, 12H), 0.04 (s, 3H), 0.02 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 85.8, 71.8, 62.8, 38.5, 31.4, 25.8 (CH2 ×3), 24.8, 22.6, 18.2, 14.0, -4.6, -5.1; FTIR (KBr, neat) 3312, 2956, 2930, 2858, 1716, 1642, 1471, 1463, 1362, 1341, 1253, 1144, 1119, 1005, 969 cm-1
実施例38−2−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−オクタ−1−エニル]−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(2.8a)の合成
【化37】
【0115】
n−ヘプタン(10.0mL)に、N2雰囲気下、周囲温度にてtert−ブチル−(1−エチニルヘキソキシ)−ジメチル−シラン(2.48g、10.3mmol)、5mol%の4−(ジメチルアミノ)安息香酸(83mg、0.50mmol)及びピナコールボラン(4.5mL、30mmol、ニートオイル)を加えた。溶液を、5.5時間100℃のバスによって加熱し、そして、室温まで冷ました。混合物をEtOAc(30mL)及び飽和NH4Cl水溶液(40mL)で希釈し、そして、層を分離した。水層をEtOAc(30mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、無水MgSO4(2.5g)上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して未精製の混合物を得、そしてそれをカラムクロマトグラフィー(50gのSiO2;n−ヘプタン(200mL)、次いで1:50(v/v)MTBE−n−ヘプタン(750mL)で溶出する)で精製して、表題化合物を得た(7.74mmol、2.85g、75%の収率)。
【0116】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.37 (1H, dd, J=18.0, 5.6), 5.43 (1H, dd, J=18.0, 1.2), 4.11 (1H, m), 1.48 (2H, m), 1.29 (6H, m), 1.28 (12H, s), 0.90 (9H, s), 0.88 (3H,m), 0.04 (3H, s), 0.03 (3H, s); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 156.2, 116.2, 83.0 (C ×2), 74.1, 37.5, 31.9, 25.9 (CH2 ×3), 24.8 (CH ×2), 24.7 (CH ×3), 22.6, 18.2, 14.0, -4.4, -4.9; FTIR (KBr, neat) 2956, 2929, 2857, 1715, 1642, 1463, 1471, 1362, 1339, 1255, 1165, 1087 cm-1; HRMS (ESI-QTOF)の [C20H41BO3Si + OH]- に関する計算値= 385.2951, 実測値385.2961。
実施例39−(E)−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8a)の合成
【化38】
【0117】
アセトン及び水(150mL、2:1v/v)中の2−[3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−オクタ−1−エニル]−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(2.8a、0.99g、2.69mmol)の溶液に、NaIO4(1.80g、8.42mmol;3.1当量)及びNH4OAc(0.63g、8.17mmol;3.0当量)を加えた。得られた濁った溶液を、周囲温度にて20時間撹拌し、それを減圧下で濃縮して、アセトンを取り除いた。残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(50mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で(2.0g)乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、表題のボロン酸3.8a(820mg、計量)を得た。
【0118】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.57 (2H, s), 6.58 (1H, dd, J=17.8, 5.0), 5.58 (1H, dd, J=18.0, 1.2), 4.16 (1H, m), 1.39 (2H, m), 1.37 (6H, m), 0.84 (9H, s), 0.83 (3H,m), 0.01 (3H, s), -0.01 (3H, s); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 152.1, 122.4, 74.0, 37.2, 31.2, 25.7 (CH ×3), 24.2, 22.0, 17.9, 13.8, -4.4, -4.9; FTIR (KBr, neat) 2956, 2929, 2857, 1636, 1472, 1463, 1348, 1286, 1255, 1118, 1088, 1004, 966 cm-1; HRMS (ESI-QTOF)の [C14H31BO3Si - H]- に関する計算値= 285.2063, 実測値285.2082。
実施例40-1−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−オクタ−1−エン−3−オール(2.8)の合成
【化39】
【0119】
n−ヘプタン(10.0mL)に、N2雰囲気下、周囲温度にてオクタ−1−イン−3−オール(1.5g、11.0mmol)、5mol%の4−(ジメチルアミノ)安息香酸(94mg、0.55mmol)及びピナコールボラン(6.8mL、45mmol;ニートオイル)を加えた。溶液を、100℃のバスによって24時間加熱し、そして室温まで冷ました。混合物を、EtOAc(50mL)及び飽和NH4Cl水溶液(60mL)で希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(50mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(60mL)で洗浄し、無水MgSO4(3.0g)上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して未精製の混合物を得、そしてそれを、カラムクロマトグラフィー(80gのSiO2;1:20(v/v)MTBE−n−ヘプタン(250mL)、次いで1:10(750mL)で溶出する)で精製して、表題化合物(2.8、1.06g、7.74mmol、38%の収率)を得た。
【0120】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.60 (1H, dd, J=18.0, 5.2), 5.60 (1H, dd, J=18.4, 1.2), 4.12 (1H, m), 1.93 (1H, s), 1.52 (2H, m), 1.30 (6H, m), 1.28 (12H, s), 0.88 (3H,m); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 155.4, 117.1, 83.2 (CH ×2), 73.6, 36.5, 31.7, 24.9 (CH ×2), 24.7 (CH ×3), 22.5, 14.0; HRMS (ESI-QTOF)の [C14H27BO3 + OH]+ に関する計算値= 271.2086, 実測値271.2106。
実施例41−(E)−(3−ヒドロキシオクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8)の合成
【化40】
【0121】
アセトン及び水(180mL、2:1v/v)中の2.8(1.17g、4.6mmol)の溶液に、NaIO4(3.05g、14.3mmol)及びNH4OAc(1.06g、13.8mmol)を加えた。得られた濁った溶液を、40℃にて20時間撹拌し、減圧下で濃縮してアセトンを取り除いた。残渣をEtOAc(60mL)で希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(60mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(120mL)で洗浄し、MgSO4(2.5g)上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、表題化合物(3.8、443mg、56%)を得た。
【0122】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.55 (s, 2H), 6.39 (dd, J= 18.0, 5.2 Hz, 1H), 5.42 (dd, J= 18.0, 1.2 Hz, 1H), 4.66 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 3.90 (m, 1H), 1.34 (m, 2H), 1.27 (m, 6H), 0.85 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 153.8, 122.4, 72.5, 37.2, 31.8, 25.1, 22.6, 14.4; HRMS (ESI-QTOF)の [C8H17BO3 - H]- に関する計算値= 171.1198, 実測値171.1210。
実施例42−オクタ−1−イン−3−イルアセタート(1.8b)の合成
【化41】
【0123】
フラスコに、4−ジメチルアミノピリジン(610mg、4.9930mmol)、オクタ−1−イン−3−オール(7.3mL、50mmol)、及びジクロロメタン(100mL)を詰めた。溶液を0℃に冷やし、そしてトリエチルアミン(20.9mL、150mmol)を加え、続いて、3mLのジクロロメタン中の無水酢酸(7.09mL、75mmol)を滴下して加えた。溶液を室温まで徐々に温めた。反応が完了した後に、反応混合物を真空中で濃縮した。未精製の反応混合物をシリカゲル(1:25(v/v)MTBE−ヘキサンで溶出する)により精製して、淡黄色のオイルとして表題化合物(1.8b、8.21g、97.6%の収率)を得た。
【0124】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.30 (t, J= 5.2 Hz, 1H), 2.43 (d, ,1H), 2.04 (s, 3H), 1.75-1.70 (m, 2H), 1.41-1.39 (m, 2H), 1.28-1.27 (m, 4H), 0.86-0.84 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 169.7, 81.2, 73.4, 63.7, 34.5, 31.2, 24.5, 22.4, 20.9, 13.9。
実施例43−(E)−1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)オクタ−1−エン−3−イルアセタート(2.8b)の合成
【化42】
【0125】
乾燥n−ヘプタン(15mL)に、N2下、オクタ−1−イン−3−イルアセタート(2.5g、15mmol)、4−ジメチルアミノ安息香酸(120mg、0.74mmol)、及びピナコールボラン(6.47mL、43.3mmol)を加えた。溶液を90〜100℃に加熱した。反応が完了し、室温に冷えた後に、反応混合物を、減圧下で濃縮し、EtOAc(50mL)と10%のNH4Cl水溶液(50mL)の間で分配させた。水相をEtOAcで抽出し(50mL×2)、合わせた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして未精製の反応混合物を、シリカゲル(1%のEt3Nを含んだ1:25(v/v)MTBE−n−ヘプタンで溶出する)により精製して、淡黄色のオイルとして表題化合物(2.8b、1.23g、27.9%の収率)を得た。
【0126】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.38 (dd, J= 18.4, 5.2 Hz, 1H), 5.57 (dd, J= 17.2, 1.2 Hz, 1H), 5.32-5.27 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.64-1.59 (m, 2H), 1.34-1.24 (m, 17H), 0.90-0.86 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 170.3, 150.3, 83.3 (C ×2), 75.0, 33.8, 31.6, 24.8, 24.7 (CH3 ×4), 22.5, 21.1, 14.0 ((Bに取り付けられた)ipso炭素シグナルは低強度のため観察されなかった)。
実施例44−(I)−(3−アセトキシオクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8b)の合成
【化43】
【0127】
アセトン/H2O(3/1、v/v)(142mL)中の2.8b(950mg、3.2mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(2.13g、9.96mmol)及び酢酸アンモニウム(742mg、9.63mmol)を加えた。得られた濁った溶液を40℃にて撹拌した。反応が完了した後に、反応混合物を減圧下に置いてアセトンを取り除いた。残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、そして相を分離した。水層をEtOAc(100mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして未精製の反応混合物を、シリカゲル(1:4(v/v)アセトン−n−ヘプタンで溶出する)により精製して、淡黄色のオイルとして表題化合物(3.8b、507mg、74%の収率)を得た。
【0128】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 6.34 (dd, J= 18, 5.2 Hz, 1H), 5.44 (dd, J= 18.4, 1.6 Hz, 1H), 5.17-5.13 (m, 1H), 2.04 (s, 3H), 1.56-1.52 (m, 2H), 1.3-1.26 (m, 6H), 0.88-0.84 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 170.1, 147.2, 75.2, 33.9, 31.4, 24.7, 22.4, 21.3, 14.3 ((Bに取り付けられた)ipso炭素シグナルは低強度のため観察されなかった); HRMS (ESI-QTOF)の [C10H19BO4 - H]- に関する計算値= 213.1304, 実測値213.1316。
実施例45-{[(1−ペンチルプロプ−2−イニル)オキシ]メチル}ベンゼン(1.8c)の合成
【化44】
【0129】
フラスコに、オクタ−1−イン−3−オール(6g、47.544mmol)及びTHF(60mL)を詰めた。溶液を0〜5℃冷やし、次に、60%のNaH(2.9g、73mmol)を加えた。混合物に、BnBr(6mL、50.45mmol)を滴下して加え、その後、室温にて撹拌した。反応が完了した後に、混合物を、0〜15℃にて30mLのH2Oを加えることによってクエンチした。反応混合物をEtOAcで抽出し(50mL×2)、合わせた有機相を、塩水(30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして、未精製の反応混合物を、シリカゲル(0−20%(v/v)のEtOAc−n−ヘプタンで溶出する)により精製して、淡黄色のオイルとして表題化合物を得た(1.8c、10.27g、47.5mmol、99.9%の収率)。
【0130】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.40-7.28 (m, 5H), 4.84 (d, J= 12 Hz, 1H), 4.54 (d, J= 12 Hz, 1H), 4.12-4.08 (m, 1H), 2.49 (d, J= 2 Hz, 1H), 1.83-1.74 (m, 2H), 1.53-1.50 (m, 2H), 1.37-1.28 (m, 4H), 0.93-0.92 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 137.9, 128.4 (CH ×2), 128.0 (CH ×2), 127.7, 83.1, 73.7, 70.5, 68.5, 35.6, 31.5, 24.9, 22.5, 14.0。
実施例46−(E)−2−[3−(ベンジルオキシ)オクタ−1−エン−1−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.8c)の合成
【化45】
【0131】
乾燥n−ヘプタン(15mL)に、N2下、1.8c(2.18g、10.1mmol)、4−ジメチルアミノ安息香酸(0.0906g、0.548mmol)、及びピナコールボラン(5mL、33.4mmol)を加えた。溶液を90〜100℃に加熱した。反応が完了し、室温に冷えた後に、反応混合物を、減圧下で濃縮し、EtOAc(50mL)と10%のNH4Cl水溶液(50mL)の間で分配させた。水相をEtOAcで抽出し(50mL×2)、合わせた有機相を、塩水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして、未精製の反応混合物を、シリカゲル(1:30(v/v)EtOAc−n−ヘプタンで溶出する)により精製して、淡黄色のオイルとして表題化合物(2.8c、2.75g、79.2%の収率)を得た。
【0132】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.36-7.28 (m, 5H), 6.53 (dd, J= 18, 6.8 Hz, 1H), 5.65 (dd, J= 18.4, 0.8 Hz, 1H), 4.62 (d, J= 12 Hz, 1H), 4.36 (d, J= 12 Hz, 1H), 3.82-3.80 (m, 1H), 1.65-1.26 (m, 20H), 0.90-0.97 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 153.6, 138.8, 128.3 (CH ×2), 127.7 (CH ×2), 127.4, 83.3 (C ×2), 81.3, 70.5, 35.1, 31.8, 25.0, 24.8 (CH3 ×4), 22.6, 14.1 ((Bに取り付けられた)ipso炭素シグナルは低強度のため観察されなかった)。
実施例47−(E)−[3−(ベンジルオキシ)オクタ−1−エン−1−イル]ボロン酸(3.8c)の合成
【化46】
【0133】
アセトン/H2O(3/1、v/v)(150mL)中の2.8c(1.2g、3.5mmol)の溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(1.8g、8.4mmol)及び酢酸アンモニウム(0.67g、8.7mmol)を加えた。得られた濁った溶液を40℃にて撹拌した。反応が完了した後に、反応混合物を減圧下で置いてアセトンを取り除いた。残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、そして相を分離した。水層をEtOAc(100mL)で抽出し、合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。反応混合物を真空中で濃縮し、そして未精製の反応混合物を、シリカゲル(35%のアセトン−n−ヘプタンで溶出する)により精製して、淡黄色のオイルとして表題化合物(3.8c、0.7g、80%の収率)を得た。
【0134】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.68 (s, 2H), 7.37-7.26 (m, 5H), 6.33 (dd, J= 18, 6.8 Hz, 1H), 5.52 (d, J= 18 Hz, 1H), 4.49 (d, J= 12 Hz, 1H), 4.29 (d, J= 12 Hz, 1H), 3.79-3.75 (m, 1H), 1.55-1.20 (m, 8H), 0.86-0.83 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 150.0, 139.3, 128.6, 127.9 (CH ×2), 127.7 (CH ×2), 81.1, 69.9, 35.1, 31.7, 24.9, 22.5, 14.4 ((Bに取り付けられた)ipso炭素シグナルは低強度のため観察されなかった); HRMS (ESI-QTOF)の [C15H23BO3 - H]- に関する計算値= 261.1667, 実測値261.1681。
実施例48−(E)−2−[3−(アリルオキシ)オクタ−1−エン−1−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.8d)の合成
【化47】
【0135】
THF(13mL)中の2.8(1.3g、5.1mmol)の溶液に、THF(10mL)中の予洗したNaH(0.8g、20mmol)の懸濁液を加えた。得られた懸濁液を、還流温度にて30分間加熱し、臭化アリル(2.0mL、23mmol)を加えた。得られた懸濁液を、還流温度にて2時間加熱した。反応混合物を、周囲温度まで冷まし、氷中に注ぎ入れた。混合物をEtOAcで抽出し(30mL×2)、そして合わせた有機抽出物をMgSO4(2.0g)上で乾燥させた。真空中で揮発物を取り除き、残渣をカラムクロマトグラフィー(40gのSiO2;1:20(v/v)MTBE−n−ヘプタン(500mL)で溶出する)で精製して、表題化合物(2.8d、861mg、2.93mmol、57%の収率)を得た。
【0136】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.45 (dd, J= 18.0, 6.4 Hz, 1H), 5.90 (m, 1H), 5.59 (dd, J= 18.0, 0.8 Hz, 1H), 5.26 (dd, J= 17.2, 3.6 Hz, 1H), 5.15 (dd, J= 17.2, 3.6 Hz, 1H), 4.05 (m, 1H), 3.79 (m, 2H), 1.48 (m, 2H), 1.38 (m, 6H), 1.28 (s, 12H), 0.88 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 153.5, 135.1, 119.5, 116.5, 83.2 (CH ×2), 81.3, 69.6, 35.0, 31.8, 25.0, 24.8 (CH ×4), 22.5, 14.0。
実施例49−(E)−[3−(アリルオキシ)オクタ−1−エン−1−イル]ボロン酸(3.8d)の合成
【化48】
【0137】
アセトン及び水(150mL、2:1v/v)中の2.8d(1.1g、3.7mmol)の溶液に、NaIO4(2.6g、12.0mmol)及びNH4OAc(0.9g、11.1mmol)を加えた。得られた濁った溶液を、40℃にて24時間撹拌し、そして減圧下で濃縮してアセトンを取り除いた。残渣をEtOAc(60mL)で希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(60mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(100mL)で洗浄し、MgSO4(2.0g)上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して未精製の混合物を得、そしてそれを、カラムクロマトグラフィー(30gのSiO2;1:10(v/v)MTBE−n−ヘプタン(100mL)、次いで1:3(400mL)で溶出する)で精製して、表題化合物(3.8d、679mg、3.2mmol、86%の収率)を得た。
【0138】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.64 (s, 2H), 6.24 (dd, J=18.0, 7.2 Hz, 1H), 5.85 (m, 1H), 5.46 (d, J= 18.0, 1H), 5.21 (dd, J= 17.2, 3.6 Hz, 1H), 5.10 (dd, J= 10.4, 1.6 Hz, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.77 (m, 1H), 3.71 (m, 1H), 1.37 (m, 2H), 1.24 (m, 6H), 0.84 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 149.4, 135.5, 125.9, 115.6, 80.7, 68.4, 34.6, 31.2, 24.4, 22.0, 13.8; HRMS (ESI-QTOF)の [C11H21BO3 - H]- に関する計算値= 211.1511, 実測値 211.1527。
実施例50−2−(オクタ−1−イン−3−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(1.8e)の合成
【化49】
【0139】
0〜5℃にて、CH2Cl2(100mL)中のオクタ−1−イン−3−オール(11.6mL、76.2mmol)、DHP(13.9mL、152mmol)の溶液に、CH2Cl2(2.0mL)中のPPTS(950mg、3.78mmol)を加えた。反応混合物を、室温まで温め、そして4時間撹拌した。CH2Cl2(100mL)で希釈した後に、飽和NH4Cl水溶液(200mL)を加えた。層を分離し、そして水層をCH2Cl2で逆抽出した(100mL×2)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:20(v/v)EtOAc−n−ヘプタンで溶出する)により、無色の液体として4種類のジアステレオマーの混合物として表題化合物(1.8e、14.22g、ジアステレオマー混合物として89%)を得た。
【0140】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.98-4.74 (m, 1H), 4.43-4.25 (m, 1H), 4.05-3.77 (m, 1H), 3.56-3.50 (m, 1H), 2.43-2.37 (m, 1H), 1.79-1.60 (m, 4H), 1.59-1.42 (m, 6H), 1.35-1.28 (m, 4H), 0.91-0.84 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 98.2, 95.5, 84.0, 83.0, 73.1, 72.5, 67.1, 64.7, 62.3, 62.2, 35.6, 35.5, 31.5 (×2), 30.5 (×2), 25.5, 25.4, 25.0, 24.7, 22.5 (×2), 19.3, 19.1, 14.0 (×2)。
実施例51−(E)−2−[3−(テトラヒドロ−2H−ピラノキシ)オクタ−1−エン−1−イル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.8e)の合成
【化50】
【0141】
化合物1.8e(2.02g、9.59mmol)及び安息香酸(79mg、0.49mmol)を使用するが、実施例38に記載の手順に従って、未精製の生成物をカラムクロマトグラフィー(1:20(v/v)MTBE−n−ヘプタンで溶出する)で精製して、2.8eを得た(2.31g、ジアステレオマー混合物として71%)。
【0142】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.63 (dd, J= 18.2, 5.4 Hz, 0.5 H), 6.42 (dd, J= 18.0, 6.4 Hz, 0.5H), 5.69 (dd, J= 18.0, 1.6 Hz, 0.5H), 5.57 (dd, J= 18.0, 0.8 Hz, 0.5H), 4.73 (t, J= 3.6 Hz, 0.5H), 4.61 (t, J= 3.4 Hz, 0.5H), 4.19-4.11 (m, 1H), 3.88-3.84 (m, 1H), 3.51-3.42 (m, 1H), 1.88-1.82 (m, 1H), 1.75-1.68 (m, 1H), 1.65-1.27 (m, 24H), 0.90-0.86 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 153.9, 153.2, 119.9 (br), 96.8, 95.7, 83.2, 83.1, 77.3, 77.1, 62.3, 62.1, 35.3, 33.8, 31.9, 31.8, 30.7, 25.5, 25.4, 25.1, 24.79, 24.75, 24.71, 24.67, 24.5, 22.5, 19.6, 19.3, 14.0。
実施例52−(E)−[3−(テトラヒドロ−2H−ピラノキシ)オクタ−1−エン−1−イル]ボロン酸(3.8e)の合成
【化51】
【0143】
化合物2.8e(950mg、2.80mmol)を使用するが、実施例39に記載の手順に従って、未精製の生成物をカラムクロマトグラフィー(1:10(v/v)EtOAc−n−ヘプタンで溶出する)で精製して、3.8eを得た(495mg、ジアステレオマー混合物として69%)。
【0144】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.65 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.40 (dd, J= 18.0, 5.6 Hz, 0.5H), 6.21 (dd, J= 18.0, 6.8 Hz, 0.5H), 6.45 (t, J= 18.4 Hz, 1H), 4.65 (d, J= 3.2 Hz, 0.5H), 4.51 (d, J= 3.6 Hz, 0.5H), 4.01-3.98 (m, 1H), 3.78-3.71 (m, 1H), 3.43-3.39 (m, 1H), 1.74-1.70 (m, 1H), 1.62-1.58 (m, 1H), 1.51-1.40 (m, 6H), 1.26-1.24 (m, 6H), 0.87-0.84 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 150.74, 149.5, 126.7, 123.8, 97.1, 95.1, 78.0, 77.1, 61.9, 61.7, 35.4, 34.2, 31.81, 31.74, 31.68, 30.98, 30.84, 28.9, 25.62, 25.57, 25.1, 24.5, 22.5, 19.7, 19.6, 14.4; HRMS (ESI-QTOF)の [C13H25BO4 - H]- に関する計算値= 255.1773, 実測値 255.1785。
実施例53−(S)−tert−ブチルジメチル(オクタ−1−イン−3−イルオキシ)シラン(1.9a)の合成
【化52】
【0145】
0〜5℃にて、CH2Cl2(70mL)中の、(S)−オクタ−1−イン−3−オール(5.08g、40.3mmol)、2,6−ルチジン(8.49g、79.2mmol)及びDMAP(0.506g、4.14mmol)の溶液に、CH2Cl2(20mL)中のTBSOTf(15.8g、59.8mmol)の溶液を滴下して加えた。反応混合物(薄黄色の溶液)を室温まで温め、16時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液(50mL)を加えた後に、有機層を回収し、そして水層をCH2Cl2で抽出した(50mL×2)。有機層を合わせ、塩水(100mL)で洗浄し、MgSO4(3.0g)上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン、次いで1:20(v/v)EtOAc−n−ヘプタンで溶出する)により、無色の液体として1.9aを得た(8.52g、88.0%)。
実施例54−(S,E)−tert−ブチルジメチル{[1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)オクタ−1−エン−3−イル]オキシ}シラン(2.9a)の合成
【化53】
【0146】
n−ヘプタン(20.0mL)に、N2雰囲気下、周囲温度にて、1.9a(4.9g、20.0mmol)、5mol%の4−(ジメチルアミノ)安息香酸(170mg、1.0mmol)及びピナコールボラン(9.2mL、62mmol;ニートオイル)を加えた。溶液を、100℃のバスによって5時間加熱し、そして室温まで冷ました。混合物をEtOAc(40mL)及び飽和NH4Cl水溶液(50mL)で希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(40mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(80mL)で洗浄し、無水MgSO4(3.0g)上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して未精製の2.9aを得、そしてそれを、カラムクロマトグラフィー(100gのSiO2;n−ヘプタン(400mL)、次いで1:30(v/v)MTBE−n−ヘプタン(900mL)で溶出する)で精製して、表題化合物(2.9a、6.83g、18.5mmol、91%の収率)を得た。
実施例55−(S,E)−{3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]オクタ−1−エン−1−イル}ボロン酸(3.9)の合成
【化54】
【0147】
アセトン及び水(540mL、2:1v/v)中の2.9a(9.29g、25.2mmol)の溶液に、NaIO4(15.0g、70.13mmol)及びNH4OAc(5.15g、66.80mmol)を加えた。得られた濁った溶液を、40℃にて20時間撹拌し、そして減圧下で濃縮してアセトンを取り除いた。残渣をEtOAc(200mL)で希釈し、そして層を分離した。水層をEtOAc(200mL)で逆抽出し、合わせた有機層を、塩水(200mL)で洗浄し、MgSO4(5.0g)上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、表題化合物(3.9、3.86g、13.5mmol、53.5%)を得た。
【0148】
[α]20D= -1.26 (c 1.0, MeOH); HRMS (ESI-QTOF)の [C14H31BO3Si - H]- に関する計算値= 285.2063, 実測値 285.2078。
実施例56−(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−{(E)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−フェニルペンテン−1−エン−1−イル}}−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.17)の合成
【化55】
【0149】
(S,E)−{3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−フェニルペンテン−1−エン−1−イル}ボロン酸(3.17、72.0mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物10.17(63mg、64%)を得た。
【0150】
[α]29D -35.9 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.03 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.57-1.72 (m, 3H), 1.74-1.89 (m, 2H), 1.92-2.11 (m, 3H), 2.11-2.43 (m, 4H), 2.52 (dt, J = 7.6, 10.8 Hz, 1H), 2.56-2.74 (m, 3H), 4.08 (q, J = 7.6 Hz, 1H), 4.20 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 4.99 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.28-5.47 (m, 2H), 5.50-5.68 (m, 2H), 7.10-7.22 (m, 3H), 7.24-7.32 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.7 (CH3), -4.63 (CH3), -4.59 (CH3), -4.2 (CH3), 18.0 (C), 18.2 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.3 (CH2), 25.8 (CH3), 25.9 (CH3), 26.7 (CH2), 31.6 (CH2), 34.1 (CH2), 40.2 (CH2), 47.7 (CH2), 52.7 (CH), 53.9 (CH), 67.4 (CH), 72.1 (CH), 73.3 (CH), 125.7 (CH), 126.6 (CH), 128.27 (CH), 128.33 (CH), 129.2 (CH), 130.9 (CH), 135.9 (CH), 142.3 (C), 173.1 (C), 215.3 (C); HRMS (ESI):の [C38H64O5Si2 + NH4]+ に関する計算値= 674.4631, 実測値 674.4611; FTIR (KBr, neat) 3465, 2950, 2859, 1736, 1630, 1462, 1376, 1252, 1103, 1020, 834 cm-1
実施例57−(Z)−イソプロピル7−((1R,2R,3R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−((E)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブト−1−エン−1−イル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.18)の合成
【化56】
【0151】
(R,E)−{3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト−1−エン−1−イル}ボロン酸(3.17、88mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物10.18を得た(71mg、65%)。
【0152】
[α]29D -35.6 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.100 (s, 3H), 0.104 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 1.21 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.58-1.72 (m, 3H), 1.92-2.11 (m, 2H), 2.12-2.45 (m, 4H), 2.52 (dt, J = 7.6, 11.2 Hz, 1H), 2.55-2.70 (m, 1H), 3.80-3.92 (m, 2H), 4.07 (q, J = 8.4 Hz, 1H), 4.50-4.62 (m, 1H), 4.98 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.25-5.45 (m, 2H), 5.65-5.82 (m, 2H), 7.03 (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.20 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.38 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.5 (CH3), -4.6 (CH3), -4.7 (CH3), 18.0 (C), 18.3 (C), 21.8 (CH3), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.7 (CH3), 25.8 (CH3), 26.7 (CH2), 30.9 (CH3), 34.1 (CH2), 47.6 (CH2), 53.1 (CH), 54.1 (CH), 67.4 (CH), 70.9 (CH), 72.6 (CH2), 72.9 (CH), 111.0 (q, J = 4.0 Hz, CH), 117.5 (q, J = 4.0 Hz, CH), 123.9 (q, J = 271.0 Hz, C), 126.5 (CH), 130.0 (CH), 130.9 (CH), 131.5 (CH), 131.9 (q, J = 32.2 Hz, C), 132.3 (CH), 158.9 (C), 173.0 (C), 214.7 (C); HRMS (ESI):の [C38H61F3O6Si2 + NH4]+ に関する計算値= 744.4297, 実測値 744.4291; FTIR (KBr, neat) 2945, 2862, 1737, 1602, 1457, 1330, 1249, 1167, 1123, 839 cm-1
実施例58−イソプロピル(Z)−7−{(1R,2R,3R)−2−[(1E,5E)−3−(ベンジルオキシ)−4,4−ジフルオロオクタ−1,5−ジエン−1−イル]−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.19)の合成
【化57】
【0153】
2−((1E,5E)−3−(ベンジルオキシ)−4,4−ジフルオロオクタ−1,5−ジエン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.19、85mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−{(1R,2R,3R)−2−[(1E,5E)−3−(ベンジルオキシ)−4,4−ジフルオロオクタ−1,5−ジエン−1−イル]−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.19、27mg、一対のジアステレオマーとして28%)を得た。
【0154】
[α]22D -51.8 (c 0.33, CHCl3);1H NMR (400 MHz): δ 0.035 (s, 1.5 H), 0.044 (s, 1.5H), 0.052 (s, 1.5H), 0.065 (s, 1.5H), 0.88 (s, 9H), 1.03 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.21 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.62-1.70 (m, 1H), 2.01-2.16 (m, 6H), 2.16-2.30 (m, 2H), 2.28-2.43 (m, 2H), 2.53-2.60 (m, 1H), 2.62-2.69 (m, 1H), 3.93-4.15 (m, 2H), 4.51 (d, J = 12.0 Hz, 0.5H), 4.53 (d, J = 12.0 Hz, 0.5H), 4.67 (d, J = 12.0 Hz, 0.5H), 4.68 (d, J = 12.0 Hz, 0.5H), 4.98 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.26-5.46 (m, 2H), 5.52-5.68 (m, 2H), 5.69-5.82 (m, 1H), 6.11-6.23 (m, 1H), 7.29-7.32 (m, 6H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.87 (CH3), -4.74 (CH3), -4.67 (CH3), -4.52 (CH3), 12.7 (CH3), 18.0 (C), 21.8 (CH3), 24.79 (CH2), 24.81 (CH2), 25.0 (CH2), 25.2 (CH2), 25.72 (CH3), 25.74 (CH3), 26.63 (CH2), 26.66 (CH2), 34.05 (CH2), 34.06 (CH2), 47.7 (CH2), 53.1 (CH), 53.2 (CH), 53.75 (CH), 53.82 (CH), 67.4 (CH), 71.3 (CH2), 71.5 (CH2), 72.8 (CH), 73.0 (CH), 81.0 (q, J = 31.0 Hz, CH), 121.5 (q, J = 25.3 Hz, CH), 126.2 (CH), 126.3 (CH), 126.4 (CH), 127.7 (CH), 127.80 (CH), 127.84 (CH), 128.37 (CH), 128.41 (CH), 131.2 (CH), 131.3 (CH), 136.8 (CH), 137.2 (CH), 137.5 (C), 137.6 (C), 138.9 (q, J = 8.7 Hz, CH), 173.09 (C), 173.12 (C), 214.5 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C36H54F2O5Si + Na]+ に関する計算値= 655.3601, 実測値 655.3620; FTIR (KBr, neat) 3460, 2938, 2867, 1738, 1630, 1461, 1377, 1253, 1214, 1109, 974, 873 cm-1
実施例59−(Z)−イソプロピル7−{(1R,2R,3R,5S)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブト−1−エン−1−イル)−5−ヒドロキシシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(11.7)の合成
【化58】
【0155】
実施例8で得られた化合物10.7(1.42g、2.51mmol)のTHF(15mL)溶液に、−78℃にてL−Selectride(登録商標)(3.45mL、THF中に1.0M、3.45mmol)の溶液を加えた。混合物を−78℃にて40分間撹拌し、次に、飽和NH4Cl(aq)水溶液(5mL)を加えた。水層を分離し、そしてEtOAcで抽出した(15mL×3)。有機層を合わせ、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、そして留去して、油性の未精製の生成物を得、そしてそれを、カラムクロマトグラフィー(1:8(v/v)EtOAc−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物11.7(1.34g、94%)を得た。
【0156】
[α]26D -9.4 (c 0.11, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.027 (s, 3H), 0.034 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.52-1.61 (m, 1H), 1.65 (quintet, J = 7.5 Hz, 2H), 1.73-1.82 (m, 1H), 2.03-2.18 (m, 4H), 2.20-2.46 (m, 5H), 4.02 (quintet, J = 3.5 Hz, 1H), 4.06-4.32 (m, 3H), 4.99 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.28-5.59 (m, 2H), 5.76 (dt, J = 11.1, 15.6 Hz, 1H), 6.14 (ddt, J = 2.4, 9.3, 15.7 Hz, 1H), 6.89-6.92 (m, 2H), 7.01 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.26-7.31 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.9 (CH3), -4.7 (CH3), 17.9 (C), 21.8 (CH3), 24.9 (CH2), 25.7 (CH3), 26.1 (CH2), 26.6 (CH2), 34.1 (CH2), 43.4 (CH2), 50.4 (CH), 55.7 (CH), 67.4 (CH), 69.5 (t, J = 35.0 Hz, C), 73.5 (CH), 78.5 (CH), 114.7 (CH), 118.1 (t, J = 239.0 Hz, C), 121.7 (CH), 123.6 (t, J = 25.0 Hz, CH), 128.8 (CH), 129.5 (CH), 129.8 (CH), 138.6 (t, J = 9.0 Hz, CH), 158.0 (C), 173.2 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C31H48F2O5Si + H]+ に関する計算値= 567.3312, 実測値567.3316; FTIR (KBr, neat) 3451, 2954, 2879, 1724, 1595, 1498, 1463, 1375, 1301, 1246, 1101 cm-1
実施例60−((Z)−イソプロピル7−[(1R,2R,3R,5S)−2−((E)−3,3−ジフルオロ−4−フェノキシブト−1−エン−1−イル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル]ヘプト−5−エノアート;12.7)の合成
【化59】
【0157】
実施例59で得られた化合物11.7(2.11g、3.73mmol)のTHF(7mL)溶液に、0℃にてn−Bu4NF(4.5mL、THF中に1.0M、4.5mmol)を加え、混合物を30分で室温に温め、さらに3時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液(aq)を加えて、反応をクエンチし、そして層を分離した。水相をEtOAcで抽出し(20mL×3)、有機層を合わせ、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、そして留去して未精製の生成物を得、そしてそれを、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1:5)で精製して、表題化合物タフルプロスト(12.7、1.52g、90%)を得た。
【0158】
[α]23D 21.6 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (600 MHz): δ 1.22 (d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.58-1.69 (m, 3H), 1.85 (dt, J = 1.2, 14.4 Hz, 1H), 2.03-2.14 (m, 6H), 2.26 (dt, J = 3.0, 7.4 Hz, 2H), 2.28-2.38 (m, 1H), 2.47 (dt, J = 4.2, 9.6 Hz, 1H), 4.00-4.04 (m, 1H), 4.15-4.25 (m, 3H), 5.00 (septet, J = 6.3 Hz, 1H), 5.33-5.43 (m, 2H), 5.80 (dt, J = 11.1, 15.7 Hz, 1H), 6.10 (ddt, J = 2.3, 9.1, 15.7 Hz, 1H), 6.91-6.92 (m, 2H), 6.97-7.02 (m, 1H), 7.28-7.31 (m, 2H); 13C NMR (150 MHz): δ 21.80 (CH3), 21.82 (CH3), 24.8 (CH2), 25.7 (CH2), 26.6 (CH2), 34.0 (CH2), 43.0 (CH2), 50.5 (CH), 55.8 (CH), 67.7 (CH), 69.3 (t, J = 34.5 Hz, CH2), 73.3 (CH), 78.0 (CH), 114.8 (CH), 118.2 (t, J = 240.0 Hz, C), 121.8 (CH), 123.6 (t, J = 24.8 Hz, CH), 128.6 (CH), 129.6 (CH), 130.1 (CH), 138.6 (t, J = 8.3 Hz, CH), 158.0 (C), 173.4 (C); 19F NMR (564 MHz): δ -103.4 (d, J = 255.2 Hz), -104.1 (d, J = 255.5 Hz); HRMS (ESI-QTOF):の [C25H34F2O5 + H]+ に関する計算値= 453.2447, 実測値453.2449; FTIR (KBr, neat) 3410, 2929, 1720, 1593, 1494, 1376, 1247, 1156, 1103, 1052 cm-1
実施例61−イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R)−2−{(E)−3−アセトキシオクタ−1−エン−1−イル)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.8b)の合成
【化60】
【0159】
(E)−(3−アセトキシオクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8b、48mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R)−2−{(E)−3−アセトキシオクタ−1−エン−1−イル)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.8b、20mg、一対のジアステレオマーとして24%)を得た。
【0160】
[α]24D -94.2 (c 0.23, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.046 (s, 3H), 0.054 (s, 3H), 0.82-0.92 (m, 12H), 1.24 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.26-1.36 (m, 7H), 1.60-1.70 (m, 3H), 1.98-2.09 (m, 6H), 2.14 (qd, J = 2.1, 9.1 Hz, 1H), 2.25 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.29-2.52 (m, 3H), 2.63 (dd, J = 7.2, 18.3 Hz, 1H), 4.015 (q, J = 8.4 Hz, 0.5H), 4.023 (q, J = 8.4 Hz, 0.5H), 4.99 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.21-5.34 (m, 2H), 5.35-5.45 (m, 1H), 5.47-5.65 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.81 (CH3), -4.80 (CH3), -4.7 (CH3), -4.6 (CH3), 13.99 (CH3), 18.0 (C), 21.3(CH3), 21.9(CH3), 22.50 (CH2), 22.52 (CH2), 24.8 (CH2), 25.0 (CH2), 25.1 (CH2), 26.6 (CH2), 26.7 (CH2), 30.9 (CH2), 31.5 (CH2), 31.6 (CH2), 34.06 (CH2), 34.08 (CH2), 34.5 (CH2), 34.6 (CH2), 47.6 (CH2), 53.3 (CH), 53.3 (CH), 53.94 (CH), 53.3.96 (CH), 67.4 (CH), 72.72 (CH), 72.74 (CH), 74.2 (CH), 74.3 (CH), 126.47 (CH), 126.53 (CH), 130.9 (CH), 131.0 (CH), 131.77 (CH), 131.84 (CH), 133.17 (CH), 133.24 (CH), 170.15 (C), 170.19 (C), 173.1 (C), 214.6 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C31H54O6Si + NH4]+ に関する計算値= 568.4028, 実測値568.4047; FTIR (KBr, neat): 3442, 2932, 2861, 1737, 1641, 1378, 1237, 1107, 963, 838 cm-1
実施例62−イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソ−2−{(E)−3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]オクタ−1−エン−1−イル}シクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.8e)の合成
【化61】
【0161】
(E)−(3−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)オクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8e、58mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソ−2−{(E)−3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]オクタ−1−エン−1−イル}シクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.8e)を得た(56mg、ジアステレオマー混合物として63%)。
【0162】
[α]24D -62.9 (c 0.36, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.03 (s, 1.5H), 0.04 (s, 1.5H), 0.05 (s, 1.5H), 0.06 (s, 1.5H), 0.79-0.94 (m, 12H), 1.21 (d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.28-1.34 (m, 5H), 1.36-1.72 (m, 10H), 1.73-1.83 (m, 1H), 2.03-2.19 (m, 4H), 2.21-2.40 (m, 4H), 2.45-2.71 (m, 2H), 3.33-3.53 (m, 1H), 3.78-3.82 (m, 1H), 3.92-4.12 (m, 2H), 4.68-4.72 (m, 1H), 4.99 (septet, J = 6.3 Hz, 1H), 5.28-5.43 (m, 2H), 5.48-5.66 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.8 (CH3), -4.7 (CH3), -4.6 (CH3), -4.5 (CH3), 14.1 (CH3), 17.95 (C), 18.0 (C), 19.42 (CH2), 19.49 (CH2), 19.51 (CH2), 21.9 (CH3), 22.6 (CH2), 24.7 (CH2), 24.8 (CH2), 24.9 (CH2), 25.1 (CH2), 25.2 (CH2), 25.3 (CH2), 25.4 (CH2), 25.5 (CH2), 25.6 (CH2), 25.75 (CH3), 25.77 (CH3), 26.7 (CH2), 30.79 (CH2), 30.82 (CH2), 31.8 (CH2), 31.9 (CH2), 34.09 (CH2), 34.11 (CH2), 34.6 (CH2), 34.8 (CH2), 36.1 (CH2), 47.7 (CH2), 52.7 (CH), 52.9 (CH), 53.1 (CH), 53.8 (CH), 53.9 (CH), 62.0 (CH2), 62.3 (CH2), 67.38 (CH), 67.41 (CH), 73.09 (CH), 73.13 (CH), 73.3 (CH), 75.7 (CH), 76.5 (CH), 77.1 (CH), 94.8 (CH), 97.0 (CH), 97.3 (CH), 126.56 (CH), 126.62 (CH), 126.7 (CH), 130.2 (CH), 130.3 (CH), 130.85 (CH), 130.91 (CH), 132.8 (CH), 133.8 (CH), 134.2 (CH), 134.8 (C), 173.0 (C), 173.09 (C), 173.12 (C), 214.8 (C), 215.3 (C), 215.4 (C); HRMS (ESI):の [C34H60O6Si + Na]+ に関する計算値= 615.4051, 実測値615.4063; FTIR (KBr, neat) 3424, 2937, 2862, 1737, 1638, 1463, 1375, 1248, 1113, 1020 cm-1
実施例63−イソプロピル(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−((E)−3−ベンジルオキシ−1−エン−1−イル)−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.8c)の合成
【化62】
【0163】
(E)−(3−(ベンジルオキシ)オクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8c、59mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(アセトン−ヘキサン=1:80で溶出する)で精製して、イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R)−2−((E)−3−(ベンジルオキシ)オクタ−1−エン−1−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−オキソ−シクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.8c)を得た(44mg、一対のジアステレオマーとして50%)。
【0164】
ジアステレオマー1:[α]24D -60.4 (c 0.63, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.06 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.83-0.96 (m, 12H), 1.21 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.26-1.53 (m, 7H), 1.60-1.73 (m, 3H), 2.02-2.11 (m, 3H), 2.12-2.27 (m, 3H), 2.28-2.45 (m, 2H), 2.54 (dt, J = 7.6, 11.4 Hz, 1H), 2.63 (dd, J = 6.9, 18.2 Hz, 1H), 3.76 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.08 (q, J = 8.3 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.99 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.29-5.48 (m, 2H), 5.49-5.64 (m, 2H), 7.27-7.37 (m, 5H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.7 (CH3), -4.5 (CH3), 14.1 (CH3), 18.0 (C), 21.9 (CH3), 22.6 (CH2), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.3 (CH2), 25.8 (CH3), 26.7 (CH2), 31.8 (CH2), 34.1 (CH2), 36.0 (CH2), 47.7 (CH2), 53.0 (CH), 53.9 (CH), 67.4 (CH), 70.3 (CH2), 73.2 (CH), 79.9 (CH), 126.6 (CH), 127.4 (CH), 127.6 (CH), 128.3 (CH), 131.0 (CH), 132.3 (CH), 134.2 (CH), 138.9 (C), 173.0 (C), 214.9 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C36H58O5Si + Na]+ に関する計算値= 621.3946, 実測値621.3961; FTIR (KBr, neat) 3448, 2932, 2862, 1736, 1461, 1370, 1246, 1105, 974, 837 cm-1
【0165】
ジアステレオマー2:[α]24D -37.2 (c 0.9, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.81-0.91 (m, 12H), 1.21 (d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.24-1.58 (m, 7H), 1.62-1.72 (m, 3H), 2.04-2.26 (m, 6H), 2.32-2.60 (m, 3H), 2.65 (dd, J = 7.0, 18.3 Hz, 1H), 3.69-3.80 (m, 1H), 4.08 (q, J = 8.0 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.59 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.98 (septet, J = 6.3 Hz, 1H), 5.30-5.46 (m, 2H), 5.49-5.62 (m, 2H), 7.23-7.37 (m, 5H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.7 (CH3), -4.5 (CH3), 14.1 (CH3), 18.0 (C), 21.9 (CH3), 22.6 (CH2), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.3 (CH2), 25.8 (CH3), 26.7 (CH2), 31.8 (CH2), 34.1 (CH2), 35.9 (CH2), 47.7 (CH2), 53.2 (CH), 54.0 (CH), 67.4 (CH), 70.1 (CH2), 73.0 (CH), 79.7 (CH), 126.5 (CH), 127.4 (CH), 127.6 (CH), 128.3 (CH), 131.1 (CH), 132.6 (CH), 134.2 (CH), 138.8 (C), 173.1 (C), 214.8 (C); FTIR (KBr, neat) 3443, 2931, 2853, 1736, 1459, 1373, 1246, 1106, 972, 836 cm-1
実施例64−イソプロピル(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−((E)−3−ヒドロキシオクタ−1−エン−1−イル)−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.8)の合成
【化63】
【0166】
(E)−(3−ヒドロキシオクタ−1−エン−1−イル)ボロン酸(3.8、39mg、0.225mmol)を使用したことを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)によって精製して、イソプロピル(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−((E)−3−ヒドロキシオクタ−1−エン−1−イル)−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.8、31mg、一対のジアステレオマーとして40%)を得た。
【0167】
[α]24D -60.7 (c 0.6, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.03-0.05 (m, 6H), 0.83-0.91 (m, 12H), 1.22 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.25-1.34 (m, 4H), 1.34-1.58 (m, 3H), 1.58-1.72 (m, 3H), 1.98-2.20 (m, 5H), 2.22-2.52 (m, 5H), 2.58-2.68 (m, 1H), 4.02 (q, J = 8.1 Hz, 1H), 4.05-4.17 (m, 1H), 4.99 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.28-5.44 (m, 2H), 5.45-5.68 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.72 (CH3), -4.66 (CH3), -4.58 (CH3), 14.0 (CH3), 18.0 (C), 18.1 (C), 21.8 (CH3), 22.6 (CH2), 24.8 (CH2), 24.9 (CH2), 25.0 (CH2), 25.1 (CH2), 25.3 (CH2), 25.7 (CH3), 26.7 (CH2), 31.77 (CH2), 31.82 (CH2), 34.04 (CH2), 34.09 (CH2), 37.3 (CH2), 37.4 (CH2), 47.62 (CH2), 47.64 (CH2), 52.8 (CH), 53.1 (CH), 53.8 (CH), 54.1 (CH), 67.55 (CH), 67.60 (CH), 72.56 (CH), 72.62 (CH), 72.92 (CH), 73.13 (CH), 126.6 (CH), 126.7 (CH), 130.2 (CH), 130.4 (CH), 130.9 (CH), 136.3 (CH), 137.0 (CH), 173.3 (C), 173.4 (C), 214.9 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C29H52O5Si + NH4]+ に関する計算値= 526.3922, 実測値526.3924; FTIR (KBr, neat) 3446, 2934, 2861, 1736, 1461, 1374, 1250, 1110, 968, 838 cm-1
実施例65−イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−{(S,E)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル]オキシオクタ−1−エン−1−イル}−5−オキソシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(10.9a)の合成
【化64】
【0168】
2(0.30g、0.79mmol)及び(S,E){3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]オクタ−1−エン−1−イル}ボロン酸(3.9、0.34g、1.19mmol)を使用し、より大きいスケールによることを除いて、実施例1に記載の手順に従って、未精製の反応混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物(10.9a、0.48g、98%)を得た。
【0169】
[α]26D -29.6 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.02 (s, 3H), 0.043 (s, 3H), 0.049 (s, 3H), 0.052 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.23-1.35 (m, 8H), 1.35-1.52 (m, 3H), 1.66 (quintet, J = 7.5 Hz, 2H), 1.98-2.10 (m, 3H), 2.15 (dd, J = 8.4, 18.2 Hz, 1H), 2.25 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.27-2.53 (m, 3H), 2.63 (ddd, J = 1.1, 7.0, 18.2 Hz, 1H), 3.98-4.13 (m, 2H), 4.99 (septet, J = 6.4 Hz, 1H), 5.27-5.44 (m, 2H), 5.45-5.63 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.71 (CH3), -4.65 (CH3), -4.59 (CH3), -4.3 (CH3), 14.0 (CH3), 18.0 (C), 18.2 (C), 21.8 (CH3), 22.6 (CH2), 24.8 (CH2), 25.1 (CH2), 25.2 (CH2), 25.8 (CH3), 25.9 (CH3), 26.7 (CH2), 31.9 (CH2), 34.1 (CH2), 38.6 (CH2), 47.7 (CH2), 52.7 (CH), 53.9 (CH), 67.4 (CH), 72.6 (CH), 73.3 (CH), 126.6 (CH), 128.6 (CH), 130.8 (CH), 136.5 (CH), 173.1 (C), 215.4 (C); HRMS (ESI-QTOF)の [C35H66O5Si2 + NH4]+ に関する計算値= 640.4787, 実測値640.4775; FTIR (KBr, neat) 2937, 2861, 1738, 1577, 1467, 1371, 1250, 1107, 835, 774 cm-1
実施例66−イソプロピル(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−{(S,E)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]オクタ−1−エン−1−イル}−5−ヒドロキシシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(11.9a)の合成
【化65】
【0170】
10.9a(80mg、0.13mmol)のTHF(6.4mL)溶液に、−78℃にてL−Selectride(登録商標)(0.15mL、THF中に1.0M、0.15mmol)の溶液を加えた。混合物を−78℃にて20分間撹拌し、そして周囲温度にてそのまま濃縮して残渣を得、そしてそれを、カラムクロマトグラフィー(1:8(v/v)EtOAc−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物(11.9a、61mg、76%)を得た。
【0171】
[α]23D -6.3 (c 1.00, CHCl3); 1H NMR (400 MHz): δ 0.01 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.046 (s, 3H), 0.049 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.24-1.52 (m, 10H), 1.67 (quintet, J = 7.5 Hz, 2H), 1.72-1.92 (m, 2H), 2.04-2.21 (m, 3H), 2.22-2.39 (m, 4H), 2.68 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.96-4.15 (m, 3H), 4.99 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.26-5.52 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz): δ -4.9 (CH3), -4.8 (CH3), -4.6 (CH3), -4.3 (CH3), 14.0 (CH3), 17.8 (C), 18.2 (C), 21.8 (CH3), 22.6 (CH2), 25.0 (CH2), 25.8 (CH3), 25.9 (CH3), 26.6 (CH2), 26.7 (CH2), 31.8 (CH2), 34.1 (CH2), 38.6 (CH2), 42.9 (CH2), 51.8 (CH), 56.4 (CH), 67.3 (CH), 73.2 (CH), 74.7 (CH), 80.0 (CH), 129.2 (CH), 129.5 (CH), 130.8 (CH), 134.4 (CH), 173.2 (C); LRMS (ESI):の [C35H68O5Si2] に関する計算値= 624.5, 実測値624.5; HRMS (ESI-QTOF)の [C35H68O5Si2 + H]+ に関する計算値= 625.4678, 実測値625.4676; FTIR (KBr, neat) 3433, 2936, 1722, 1636, 1457, 1250, 1088, 832, 659, 503 cm-1
実施例67−(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−{(S,E)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]オクタ−1−エン−1−イル}−5−ヒドロキシシクロペンチル)ヘプト−5−エノアート(12.9a)の合成
【化66】
【0172】
MeOH(20mL)中の化合物11.9a(1.70g、2.7mmol)の溶液に、室温にて25%のNaOMe-MeOH(9.3mL、41mmol)を加え、そして完全な変換に達したことがTLC(1:4EtOAc−n−ヘプタン)によって示されるまで、混合物を撹拌した。10%のNaOH水溶液(10mL)を加え、そして混合物を50℃にて2時間加熱した。溶液を、室温に冷まし、10%のクエン酸水溶液(60mL)を加えた。層を分離し、そして水相をEtOAcで抽出した(60mL×3)。有機層を合わせ、塩水(150mL)で洗浄し、MgSO4上で(4.0g)乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルによるカラム精製(51gのシリカゲル;1:2(v/v)EtOAc−n−ヘプタン(800mL)で溶出する)によって精製して、表題化合物12.9aを得た(1.42g、2.44mmol、90%の収率)。
【0173】
[α]20D +12.09 (c 1.0, CH2Cl2); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.52-5.44 (m, 2H), 5.40-5.32 (m, 2H), 4.14 (s, 1H, br), 4.06 (m, 2H), 2.37-2.28 (m, 4H), 2.27-2.19 (m, 3H) 1.93-1.83 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.50-1.10 (m, 3H), 1.27 (m, 7H), 0.89 (m, 21H), 0.07-0.03 (m, 12H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 179.1, 134.4, 130.7, 129.6, 129.0, 80.0, 74.7, 73.2, 56.4, 51.8, 42.8, 38.5, 33.4, 31.8, 26.6, 26.5, 25.9 (×3), 25.8 (×3), 25.0, 24.6, 22.6, 18.2, 17.8, 14.0, -4.3, -4.6, -4.8, -4.9; HRMS (ESI-QTOF)の [C32H62O5Si2 + Na]+ に関する計算値= 605.4028, 実測値605.4018; FTIR (KBr, neat) 2955, 2928, 2856, 1710, 1472, 1463, 1361, 1251, 1082, 870, 835 cm-1
実施例68−ジノプロスト(PGF;12.9)の合成
【化67】
【0174】
水性HCl(3N、6.3mL、19mmol)を、室温にてTHF(19mL)中の化合物12.9a(1.1g、1.9mmol)の撹拌溶液に加えた。6時間後に、反応液を、飽和NaHCO3水溶液(30mL)で中和し、そしてEtOAcで抽出した(40mL×2)。有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(33gのシリカゲル;1:20(v/v)MeOH-CH2Cl2(300mL)、次いで1:5(500mL)で溶出する)によって精製して、無色のオイルとしてジノプロストを得た(12.9、595mg、89%)。
【0175】
[α]20D +23.7 (c 0.50, THF); 1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 5.55-5.43 (m, 3H), 5.38-5.31 (m, 1H), 4.10 (td, J= 5.6, 2.0 Hz, 1H), 4.01 (dd, J= 12.8, 6.4 Hz, 1H), 3.83 (ddd, J= 7.6, 5.6, 5.2 Hz, 1H), 2.36-2.26 (m, 1H), 2.26-2.20 (m, 3H), 2.18-2.15 (m, 1H), 2.14-2.07 (m, 3H), 1.69-1.58 (m, 4H), 1.57-1.53 (m, 2H), 1.51-1.29 (m, 6H), 0.91 (t, J= 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, MeOD): δ 178.5, 136.6, 134.3, 130.5, 130.4, 77.9, 74.1, 72.3, 56.2, 50.9, 44.4, 38.5, 35.0, 33.1, 27.8, 26.5, 26.3 (×2), 23.9, 14.6; HRMS (ESI-QTOF)の [C20H34O5 + Na]+ に関する計算値= 377.2298, 実測値377.2298; FTIR (KBr, neat) 3346, 3006, 2954, 2930, 2858, 1708, 1550, 1456, 1409, 1237, 1081, 1053, 1025, 969 cm-1
実施例69−イソプロピル(Z)−7−{(1R,2S,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(シクロヘキサ−1−エン−1−イル)−5−オキソシクロペンチル}ヘプト−5−エノアート(10.20)の合成
【化68】
【0176】
実施例1に記載の手順に従って、シクロヘキサ−1−エン−1−イルボロン酸(28mg、0.225mmol)を使用して、表題化合物を合成した。次に、未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物(10.20、26mg、38%)を得た。
【0177】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.02 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 1.22 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.58-1.70 (m, 6H), 1.85-1.95 (m, 2H), 1.98-2.08 (m, 4H), 2.09-2.31 (m, 6H), 2.38 (dd, J = 8.5, 12.4 Hz, 1H), 2.64 (dd, J = 7.2, 18.5 Hz, 1H), 4.11 (q, J = 8.4 Hz, 1H), 5.00 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.29-5.52 (m, 2H), 5.45-5.60 (m, 1H); HRMS (ESI-TOF)の [C27H46O4Si + H]+ に関する計算値= 463.3238, 実測値463.3240。
実施例70−メチル(E)−7−{3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソ−2−スチリルシクロペンチル}ヘプタノアート(Iba)の合成
【化69】
【0178】
実施例1に記載の手順に従って、メチル7−{3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−オキソシクロペンタ−1−エン−1−イル}ヘプタノアート(IIba、53mg、0.15mmol)を使用して、表題化合物を合成した。次に、未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物(Iba、36mg、53%)を得た。
【0179】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.01 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 1.22-1.33 (m, 6H), 1.35-1.48 (m, 1H), 1.50-1.70 (m, 3H), 2.02-2.12 (m, 1H), 2.19-2.30 (m, 3H), 2.54-2.73 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 4.11 (q, J = 8.5 Hz, 1H), 6.05 (dd, J = 8.6, 15.8 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 7.22-7.26 (m, 1H), 7.30-7.38 (m, 4H); HRMS (ESI-TOF)の [C27H42O4Si + H]+ に関する計算値= 459.2925, 実測値459.2930。
実施例71−メチル(E)−7−{5−オキソ−2−スチリル−3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]シクロペンチル}ヘプタノアート(Ibb)の合成
【化70】
【0180】
実施例1に記載の手順に従って、メチル7−{5−オキソ−3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]シクロペント−1−エン−1−イル}ヘプタノアート(IIbb、49mg、0.15mmol)を使用して、表題化合物を合成した。次に、未精製の生成物混合物をカラムクロマトグラフィー(1:80(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、アセタール炭素中心におけるジアステレオマー異性体の1:1混合物として表題化合物(Ibb、20mg、31%)を得た。
【0181】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.21-1.36 (m, 6H), 1.38-1.82 (m, 9H), 2.03-2.12 (m, 1H), 2.17 (dd, J = 8.8, 18.4 Hz, 1H), 2.26 (td, J = 1.5, 7.5 Hz, 2H), 2.36 (dd, J = 9.0, 18.7 Hz, 1H), 2.64-2.87 (m, 2H), 3.37-3.52 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.77-3.88 (m, 1H), 4.11 (q, J = 8.6 Hz, 0.5 H), 4.27 (q, J = 8.7 Hz, 0.5 H), 4.68-4.77 (m, 1H), 6.09-6.23 (m, 1H), 6.50-6.63 (m, 1H), 7.20-7.25 (m, 1H), 7.29-7.42 (m, 4H); HRMS (ESI-TOF)の [C26H36O5 + Na]+ に関する計算値= 451.2455, 実測値451.2459。
実施例72−イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−5−オキソ−2−((E)−スチリル)シクロペンチル]ヘプト−5−エノアート(Iaa)の合成
【化71】
【0182】
MeOH(1.0mL)中のイソプロピル(R,Z)−7−(3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペント−1−エン−1−イル)ヘプト−5−エノアート(IIaa、50mg、0.19mmol)、3.1(45mg、0.22mmol)、[RhCl(1,5−シクロオクタジエン)]2(1.4mg、2.8μmol)及びKOH水溶液(11.9μL、3.0MのKOH水溶液、36μmmol)の溶液を、マイクロ波照射下で撹拌した(CEM、Discover S又はMilestone、Startsynth;温度を30℃に設定した)。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:20(v/v)アセトン−ヘキサンで溶出する)で精製して、表題化合物(Iaa、27mg、39%)を得た。
【0183】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.19 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.58-1.73 (m, 2H), 1.94 (br, 1H), 2.04 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.20 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.32-2.54 (m, 4H), 2.56-2.65 (m, 1H), 2.72-2.81 (m, 1H), 4.48 (t, J = 4.2 Hz, 1H), 4.96 (septet, J = 6.2 Hz, 1H), 5.25-5.45 (m, 2H), 6.34 (dd, J = 7.9, 16.1 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 7.23-7.28 (m, 1H), 7.31-7.41 (m, 4H); HRMS (EI)の [C23H30O4]+ に関する計算値= 370.2139, 実測値370.2141。
実施例73−メチル(E)−7−[3−(アリルオキシ)−5−オキソ−2−スチリルシクロペンチル]ヘプタノアート(Ibc)の合成
【化72】
【0184】
実施例1に記載の手順に従って、メチル7−[3−(アリルオキシ)−5−オキソシクロペント−1−エン−1−イル]ヘプタノアート(IIbc、42mg、0.15mmol)を使用して、表題化合物を合成した。未精製の生成物混合物を、シリカゲルカラムを通して濾過し、そして次に、1H NMR分光法によって分析すると、表題化合物Ibcの2%の収率を示した。
【0185】
HRMS (ESI-TOF)の [C24H32O4 + H]+ に関する計算値= 385.2373, 実測値385.2375。
【0186】
上記の発明は、理解を明確にするために、例示及び実施例によってある程度詳細に記載されたが、当業者は、添付の請求項の範囲内において一定の変更及び修飾が実施され得ることを理解するであろう。加えて、本明細書中に提供された各々の参照文献は、各々の参照文献が参照によって個別に援用されたのと同程度に、その全体が参照によって援用される。本出願と本明細書中に提供した参照文献の間に矛盾が存在する場合には、本出願が優先されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6