(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643367
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】ユーザ装置をベースとする中継局の高速且つ柔軟な配備
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20200130BHJP
H04W 8/26 20090101ALI20200130BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W8/26 110
【請求項の数】29
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-567312(P2017-567312)
(86)(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公表番号】特表2018-523392(P2018-523392A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】CN2015082905
(87)【国際公開番号】WO2017000254
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2018年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】シェン ティエ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジン シウ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヤン
【審査官】
桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02683122(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0043454(US,A1)
【文献】
特表2012−504898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定し、及び
前記中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定する、
ことを含み、前記アクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成され、前記アクセスポイント名には、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局の顧客構内装置と同じレンジのアドレスが指定される、方法。
【請求項2】
前記第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ、パケットデータネットワークゲートウェイ、又はサービングゲートウェイの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定し、及び
第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び前記中継局における顧客構内装置のアクセスポイント名を指定する、
ことを含み、前記スタティックインターネットプロトコルアドレスは、前記第1のコアネットワーク要素に設定された前記中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される、方法。
【請求項5】
前記第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ又はホーム加入者サーバーの少なくとも1つを含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記顧客構内装置に対するスタティックインターネットプロトコルアドレスは、中継局の小型セルに橋絡するように構成される、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記顧客構内装置に対するスタティックインターネットプロトコルアドレスは、S1−C、S1−U、S1−Mに対するアドレス、或いはS1−C、S1−U、S1−Mの組み合せに対するアドレスとして使用されるように構成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記レンジは、中継局に対して予約されたインターネットプロトコルアドレスの規定のプールを含む、請求項4から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサ、及び
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ、
を備えた装置において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、
少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定し、及び
前記中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定する、
ようにさせるよう構成され、前記アクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成され、前記アクセスポイント名には、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局の顧客構内装置と同じレンジのアドレスが指定される、装置。
【請求項11】
前記第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイの少なくとも一方を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ、パケットデータネットワークゲートウェイ、又はサービングゲートウェイの少なくとも1つを含む、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサ、及び
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ、
を備えた装置において、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、
少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定し、及び
第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び中継局における顧客構内装置のアクセスポイント名を指定する、ようにさせるよう構成され、前記スタティックインターネットプロトコルアドレスは、前記第1のコアネットワーク要素に設定された前記中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される、装置。
【請求項14】
前記第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイの少なくとも一方を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ又はホーム加入者サーバーの少なくとも1つを含む、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記顧客構内装置に対するスタティックインターネットプロトコルアドレスは、中継局の小型セルに橋絡するように構成される、請求項13から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記顧客構内装置に対するスタティックインターネットプロトコルアドレスは、S1−C、S1−U、S1−Mに対するアドレス、或いはS1−C、S1−U、S1−Mの組み合せに対するアドレスとして使用されるように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記レンジは、中継局に対して予約されたインターネットプロトコルアドレスの規定のプールを含む、請求項13から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定する手段、及び 中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定する手段、を備え、前記アクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成され、前記アクセスポイント名には、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局の顧客構内装置と同じレンジのアドレスが指定される、装置。
【請求項20】
前記第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイの少なくとも一方を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ、パケットデータネットワークゲートウェイ、又はサービングゲートウェイの少なくとも1つを含む、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定するための手段、及び
第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び前記中継局における顧客構内装置のアクセスポイント名を指定するための手段、
を備え、前記スタティックインターネットプロトコルアドレスは、前記第1のコアネットワーク要素に設定された前記中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される、装置。
【請求項23】
前記第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイの少なくとも一方を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ又はホーム加入者サーバーの少なくとも1つを含む、請求項22又は23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記顧客構内装置に対するスタティックインターネットプロトコルアドレスは、中継局の小型セルに橋絡するように構成される、請求項22から24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記顧客構内装置に対するスタティックインターネットプロトコルアドレスは、S1−C、S1−U、S1−Mに対するアドレス、或いはS1−C、S1−U、S1−Mの組み合せに対するアドレスとして使用されるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記レンジは、中継局に対して予約されたインターネットプロトコルアドレスの規定のプールを含む、請求項22から26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
ハードウェアで実行されるときに、請求項1から9のいずれかに記載の方法を含むプロセスを遂行するインストラクションでエンコードされる非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項29】
請求項1から9のいずれかに記載の方法を含むプロセスを遂行するためのインストラクションをエンコードするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多くの通信システムは、中継局の適切な使用から利益が得られる。例えば、あるワイヤレス通信システムは、ユーザ装置をベースとする中継局の高速且つ柔軟な配備から利益が得られる。
【背景技術】
【0002】
長期進化(LTE)/LTEアドバンスト(LTE−A)の開発及び導入の前後にはワイヤレス通信における色々な種類の中継局が検討されている。一般的に、中継局は、中継ノードの異なるプロトコルアーキテクチャーに対応するL1中継局、L2中継局及びL3中継局に分類することができる。L3中継局は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において、周波数分割デュープレックス(FDD)及び時分割デュープレックスの両方について検討され且つ定義されている。
【0003】
LTE及びLTE−Aは、主要な屋外配備解決策としてマクロベースステーションと共に近年世界的に急速に導入されている。3GPPで定義されたいわゆるインバンド中継局は、ドナーeNBと中継局との間のリンク及び中継局とUEとの間のリンクを意味するものであるが、同じ周波数リソースを共有する。そのような共有は、エアインターフェイスプロトコルを非常に複雑にし、コアにおけるプロトコル更新を伴う。中継局は、顧客ネットワークにおける主要なシナリオではないので、若干の中継局をサポートするために全領域のネットワークを更新することはできない。そのようなケースについての更新は、コアネットワーク(CN)更新及び無線アクセスネットワーク(RAN)更新を伴い、これらは、進化型ノードB(eNB)、移動管理エンティティ(MME)、ホーム加入者サーバー(HSS)、及びオペレーションサポートシステム(OSS)に対する更新を含む。更に、2つの更新されたネットワーク要素間のモノのインターネット(IoT)も、更新の必要があり、売主多数の場合には複雑なものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの選択肢は、中継局として一緒に働く複合型小型セル及び中継局顧客構内装置(CPE)を使用することである。顧客構内装置は、顧客が設ける装置である。複合型小型セル及びCPEを使用するこの解決策は、進化型パケットコア(EPC)に影響を及ぼすことはないが、eNB更新を必要とする。そのような解決策では、MME/S−GWの観点から中継局関連S1リンクはなく、これは、分解されてeNBのS1リンクへと集合されている。従って、EPCとeNBとの間には非常に厳密な相互依存性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施形態によれば、方法は、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定することを含む。又、この方法は、中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定することも含む。このアクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成される。
【0006】
ある実施形態において、方法は、少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定することを含む。又、この方法は、第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び中継局における顧客構内装置のアクセスポイント名を指定することも含む。そのインターネットプロトコルアドレスは、第1のコアネットワーク要素に設定された中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される。
【0007】
ある実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのプロセッサ及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定するようにさせるよう構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定するようにさせるよう構成される。このアクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成される。
【0008】
ある実施形態において、装置は、少なくとも1つのプロセッサ及びコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを備えている。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定するようにさせるよう構成される。又、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとで、装置が、少なくとも、第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び中継局における顧客構内装置のアクセスポイント名を指定するようにさせるよう構成される。そのインターネットプロトコルアドレスは、第1のコアネットワーク要素に設定された中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される。
【0009】
ある実施形態によれば、装置は、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定するための手段を備えている。又、装置は、中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定するための手段も備え、このアクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成される。
【0010】
ある実施形態において、装置は、少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定するための手段を備えている。又、この装置は、第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び中継局における顧客構内装置のアクセスポイント名を指定するための手段も備え、そのインターネットプロトコルアドレスは、第1のコアネットワーク要素に設定された中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される。
【0011】
非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある実施形態によれば、ハードウェアで実行されるときにプロセスを遂行するインストラクションでエンコードされる。そのプロセスは、前記方法のいずれかである。
【0012】
コンピュータプログラム製品は、ある実施形態では、プロセスを遂行するためのインストラクションをエンコードする。そのプロセスは、前記方法のいずれかである。
【0013】
本発明を適切に理解するために、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ある実施形態によるシステムアーキテクチャーを示す。
【
図2】ある実施形態によるコアネットワークでの実施を示す。
【
図3】ある実施形態による通信経路サポート中継局を示す。
【
図4】ある実施形態によるオペレーション及びメンテナンス構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ある実施形態は、中継局システムの柔軟な配備を許す。そのような柔軟な配備は、既存のネットワーク及びサービス中の加入者への影響を最小限として付加的なカバレージ及び容量増加を与える。
【0016】
更に別の実施形態は、3GPPにより現在定義されていない移動中継局に向けられる。移動中継局は、例えば、メインゲート又は一時的カバレージのためのパーキングにおいて音楽祭/スポーツ競技、等のマスイベントのような特別のネットワーク容量が必要とされるイベントに使用される。更に、移動中継局は、非常通信又は他のシナリオにも使用される。
【0017】
上述したように、3GPPは、インバンド中継局を定義している。このインバンド中継局は、全バッファトラフィックモデルの仮定に基づき干渉を効果的及び効率的に管理するように構成される。しかしながら、実際には、ネットワークは、高いトラフィック負荷で常にジャミングを受ける。従って、短期のカバレージを与えるために準最適な中継解決策が試される。
【0018】
種々の実施形態は、ユーザ装置(UE)をベースとする中継システム及び方法を提供することができる。
図1は、ある実施形態によるシステムアーキテクチャーを示す。
【0019】
図1に示すように、サービスを受けるユーザ装置UE#2は、進化型ノードB(eNB)からの信号を中継するため、小型セル及び中継局顧客構内装置(CPE)を備えた中継局によりサポートされる。
図1のeNBは、周波数分割デュープレックス(FDD)であるか又は時分割デュープレックス(TDD)であるかに関わらず、汎用長期進化(LTE)ベースステーションであり、そして希望の売主により提供される。
【0020】
インターフェイスS1−Uは、中継局CPEと、サービング及び/又はパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(S−GW/P−GW又はS/P GW)との間にeNBを経て設けられる。インターフェイスS1−Cは、移動管理エンティティ(MME)とS/P GWとの間に設けられる。更に、S1−Uは、S/P GWを参照して設けられる。これらのインターフェイスS1−U、S1−C、等は、規範的インターフェイスである。他のインターフェイスにも同じ原理を適用できる。
【0021】
中継局CPEは、商業的CPEであり、そして小型セルは、TDDであるかFDDであるか及びどの売主であるかに関わらず、商業的小型セルベースステーションである。中継局CPEは、eNBへの/からのバックホールを与え、そして小型セルは、ユーザ装置への/からのフロントホールを与える。中継局CPE及び小型セルは、共に、UEベースの中継局として機能する。中継局CPU、eNB及び小型セルは、イーサネット、ファイバー、ワイヤレス、又はその組み合せにより、色々に接続することができる。
【0022】
MME及びサービングゲートウェイは、進化型パケットコア(EPC)コアネットワーク要素である。この例では、UE#1は、eNBによりサービスを受けるが、UE2は、中継局によりサービスを受ける。小型セル及び商業的CPEは、共に、中継機能を果たすことができる。
【0023】
ある実施形態は、中継局のカバレージの下にあるUEがS1リンクを首尾良く設定できるようにEPCコアネットワークを構成する方法を提供することができる。この方法は、中継局専用のEPC P−GWに1つの付加的なアクセスポイント名(APN)を設定することを含む。このAPNは、EPCコアノードのインターネットプロトコル(IP)アドレスにアクセスすることができる。中継局によるサービスを受けるUEの場合に、IPアドレスは、通常のAPNにより指定される通常のUEと同じプロセスをたどることができる。
【0024】
ホーム加入者サーバー(HSS)は、中継局のCPE IMSIに対してスタティックなIPアドレス及びAPNを指定し、そしてこのIPアドレスは、P−GWで定義された中継局APNのIPアドレスと同じIPアドレスレンジに属する。HSSにより指定されるこのIPアドレスは、CPEから小型セルへ橋絡され、そして小型セルは、このIPアドレスを、S1−C/S1−U/S1−M又はそれらインターフェイスの組み合せのIPアドレスとして使用することができる。
【0025】
ある実施形態を具現化するための種々の仕方がある。一般的に、具現化は、EPCコアネットワークにおける具現化、オペレーション及びメンテナンス(O&M)構成における具現化、及び無線アクセスネットワーク(RAN)における具現化に関して説明する。
【0026】
図2は、ある実施形態によるコアネットワークにおける具現化を示す。中継局については、端−端(e2e)接続は、次のリンク:即ちイーサネットケーブル(例えば、カテゴリ5(Cat5)ケーブル)を経て中継局CPEに接続される小型セル;インターフェイスUuによりLTE eNBに接続される中継器CPE;ファイバケーブルによりパケットトランスポートネットワーク(PTN)のアクセスポイントに接続されるLTE eNB;及びMME02/SAEGW02が存在する進化型パケットコア(EPC)に接続できるコアサイトPTNに更に接続できるアクセスPTNのアグリゲーションを含む。これらは、例示に過ぎず、他の接続も考えられ、例えば、小型セルは、ファイバー又はワイヤレス接続も使用できる。
【0027】
ある実施形態は、中継局のカバレージのもとで加入者のためのS1リンクを設定する上で助けとなる。
【0028】
図1に示すように、eNBによるサービスを受けるUE#1は、S1コントロールプレーンメッセージ及びS1ユーザプレーンメッセージに対応するS1−C及びS1−Uの両方を含めて、MME及びS−GWへのS1リンクを直接的に且つ通常に設定することができる。従って、そのようなユーザ装置は、容易に取り扱うことができる。
【0029】
しかしながら、中継局によるサービスを受ける
図1のUE#2については、UE#2のS1−U及びS1−Cの両方が小型セルからUu/Unインターフェイスの中継器CPEへ送られ、これは、中継器CPE及びeNBがUE#1のS1−U及びS1−Cの両方をローデータとして処理し、そしてそれらをS−GWへ送ることを意味する。従って、ECPの観点から、UE#2のS1−UのみがS−GWによって解決されるが、UE#2のS1−C情報は、移動管理エンティティ(MME)では全く得られない。従って、UE#2のS1リンクの設定は、失敗となる。
【0030】
従って、EPC側での実施方法は、次のことを含む。EPCコア側での中継局S1実現については、システムは、中継器APN IPプールをSAEGW02において追加することができ、これは、スタティックなIPアドレスを中継局CPEに指定することができる。中継局IPルートは、SAEGW02のインターフェイスSgiからSW17/18(EPCコアスイッチ7609)へ到来し、SW17/18をコアPTNに接続し、そして7609のIPラウト(rout)をMME02及びSAEGW02 S1ポートに追加することができる。
【0031】
更に、X2 IPラウト実現については、システムは、中継局CPE IPアドレスに対するコアPTN上のIPラウトをMME02に追加して、中継器小型セルを他のLTEeNBに接続することができる。
【0032】
更に、専用ユーザプロフィールを、中継局専用APN(例えば、中継局専用APN(例えば、Relay.HQ)と共に中継局SIMに対するHSSに追加することができる。又、HSSは、スタティックなIPアドレスを構成することができる。IPアドレスは、SAEGW02の中継局IPプール内にある。スタティックなIPは、実際の小型セルのメンテナンスを容易に行うが、同じ解決策を、ダイナミックなIP、例えば、固定プールから選択されたものと共に適用することができる。又、システムは、Relay.HQのドメイン名サービス(DNS)解決策をDNSサーバーのSEAGW02に追加することもできる。
【0033】
図3は、ある実施形態による通信経路サポート中継局を示す。
図3に示すように、SW17 Sgiインターフェイスは、vrfcmnet VPNドメインにあり、一方、SW17の他のインターフェイスは、デフォールトラウトドメインにある。従って、SgiからMME02及びSEAGW02への中継局S1c及びS1uを実現するために、SW17のサブインターフェイス又は新たなファイバー接続をMME/SAEGW及びバンディングvrfcmnetに追加することができる。
【0034】
上述したように、実施は、O&M構成も伴う。
図4は、ある実施形態によるオペレーション及びメンテナンス構成を示す。
【0035】
図4に示すように、中継サービスIPをメンテナンスに使用するため、SW18/18からLTEオペレーションシステムサポート(OSS)へラウトを追加することができる。
図4に示すように、ラウトは、特定のLTE OSSスイッチ(LTE OSS SW1、LTE OSS SW2)に対するものであり、そしてOSSネットワークは、更に、LTE又は他のシステムへの通信を実施することができる。
【0036】
更に、上述したように、ある実施形態は、無線アクセスネットワーク(RAN)における実施も含む。先行する図及び説明から明らかなように、小型セル及び中継局CPEの組み合せは、UEベースの中継局として機能することができる。中継局CPEは、ブリッジモードにより小型セルに対するS1 IPアドレスを与えることができる。
【0037】
小型セル及びドナーeNBは、異なる絶対的高周波チャンネルナンバー(ARFCN)を使用して、干渉を回避することができる。それでも、異なるARFCNのこの使用は、施行されなくてもよく、従って、あるケースでは、適用されない。従って、小型セル及びドナーeNBは、同じARFCNを使用できることが考えられる。これは、例えば、干渉を回避するためのRFプランニングのような他の仕方、例えば、方向性アンテナ、傾斜調整、等で干渉を回避することにより達成されてもよい。
【0038】
図5は、ある実施形態による方法を示す。
図5に示すように、この方法は、510において、少なくとも1つのユーザ装置に対して中継局を設定すべきであると決定することを含む。この決定は、例えば、無線アクセスネットワーク要素から与えられる情報に基づいてコアネットワーク要素において行われる。
【0039】
又、この方法は、520において、中継局に対して第1のコアネットワーク要素にアクセスポイント名を設定することを含み、そのアクセスポイント名は、第2のコアネットワーク要素のアドレスにアクセスするように構成される。
【0040】
第1のコアネットワーク要素は、パケットデータネットワークゲートウェイ、サービングゲートウェイ、又はその組み合せである。例えば、ある実施形態では、第1のコアネットワーク要素は、システムアーキテクチャー進化(SAE)ゲートウェイである。他の実施形態も考えられる。
【0041】
アクセスポイント名は、少なくとも1つのユーザ装置に対する中継局の顧客構内装置と同じレンジにおいてアドレスが指定される。上述したように、そのような選択は、管理を簡単にする。
【0042】
第2のコアネットワーク要素は、移動管理エンティティ、パケットデータネットワークゲートウェイ、サービングゲートウェイ、又は他のコアネットワーク要素である。この方法は、更に、530において、少なくとも1つのユーザ装置に対して第1のコアネットワーク要素に中継局が設定されたと決定することを含む。これは、中継局が完全に設定されることを要求せずに、中継局が設定を開始したという決定である。中継局のこの設定は、520におけるアクセスポイント名の設定に対応する。
【0043】
この方法は、更に、540において、第2のコアネットワーク要素において、少なくとも1つのスタティックインターネットプロトコルアドレス及び中継局の顧客構内装置のアクセスポイント名を指定することを含む。インターネットプロトコルアドレスは、第1のコアネットワーク要素に設定された中継局のアドレスと同じレンジに属するように選択される。
【0044】
上述したように、第1のコアネットワーク要素は、例えば、パケットデータネットワークゲートウェイ又はサービングゲートウェイである。対照的に、第2のネットワーク要素は、例えば、移動管理エンティティ又はホーム加入者サーバーである。
【0045】
顧客構内装置のスタティックインターネットプロトコルアドレスは、中継局の小型セルへ橋絡されるように構成される。更に、顧客構内装置のスタティックインターネットプロトコルアドレスは、S1−C、S1−U、S1−M、或いはS1−C、S1−U及びS1−Mの組み合せのアドレスとして使用されるように構成される。従って、例えば、コアネットワークは、中継されるユーザ装置へのS1インターフェイスを確認し及び適切に取り扱いすることができる。
【0046】
上述したIPアドレスのレンジは、中継局に対して予約されたインターネットプロトコルアドレスの規定のプールである。他の考えられるレンジも許される。
【0047】
図6は、本発明のある実施形態によるシステムを示す。1つの実施形態において、システムは、多数の装置、例えば、少なくとも1つのUE610;eNB又は他のベースステーション又はアクセスポイントである少なくとも1つの無線アクセスネットワーク要素620;及びパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(P−GW)、サービングゲートウェイ(S−GW)、HSS、MME、或いは図示され又はここに説明される他のコアネットワーク要素(例えば、
図1−4を参照)を備えている。
【0048】
これら装置の各々は、614、624及び634として各々示された少なくとも1つのプロセッサを含む。各装置には、少なくとも1つのメモリが設けられ、各々、615、625及び635として示されている。このメモリには、コンピュータプログラムインストラクション又はコンピュータコードが含まれる。プロセッサ614、624及び634、メモリ615、625及び635、又はそのサブセットは、
図5の種々のブロックに対応する手段をなすように構成される。
【0049】
図6に示すように、トランシーバ616、626及び636が設けられ、各装置は、617、627及び637として各々示されたアンテナも備えている。例えば、これら装置の他の構成が設けられてもよい。例えば、コアネットワーク要素630は、ワイヤレス通信ではなく、ワイヤード通信のみについて構成され、そのようなケースでは、アンテナ637は、従来のアンテナを必要とせずに、任意の形態の通信ハードウェア、例えば、ネットワークインターフェイスカードを示す。
【0050】
トランシーバ616、626及び636は、各々、独立した送信器、受信器、送受信器、或いは送信及び受信の両方に構成されたユニット又はデバイスである。
【0051】
プロセッサ614、624及び634は、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は同等の装置のような計算又はデータ処理装置によって実施することができる。プロセッサは、単一のコントローラ、或いは複数のコントローラ又はプロセッサとして実施することができる。
【0052】
メモリ615、625及び635は、独立した適当なストレージ装置、例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体である。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ又は他の適当なメモリを使用することができる。メモリは、単一の集積回路上でプロセッサと組み合わせることもできるし、又は1つ以上のプロセッサとは個別でもよい。更に、メモリに記憶されてプロセッサにより処理されるコンピュータプログラムインストラクションは、適当な形態のコンピュータプログラムコードでよく、例えば、適当なプログラミング言語で書かれたコンパイル型又は解釈型コンピュータプログラムでよい。
【0053】
メモリ及びコンピュータプログラムインストラクションは、特定装置のためのプロセッサとで、UE610、無線アクセスネットワーク要素620、及びコアネットワーク要素630のようなハードウェア装置が、ここに述べるいずれかのプロセス(例えば、
図5を参照)を遂行するようにさせるよう構成される。それ故、ある実施形態では、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードウェアで実行されるときに、ここに述べるプロセスの1つのようなプロセスを遂行するコンピュータインストラクションでエンコードされる。或いは又、本発明のある実施形態は、完全にハードウェアで遂行されてもよい。
【0054】
更に、
図6は、UE、無線アクセスネットワーク要素及びコアネットワーク要素を含むシステムを示しているが、本発明の実施形態は、他の構成、及び付加的な要素を伴う構成に適用されてもよい。例えば、図示されていないが、付加的なUEが存在してもよく、そして
図1−4に示すように、付加的な無線アクセスネットワーク要素及びコアネットワーク要素が存在してもよい。
【0055】
ある実施形態は、種々の利益及び/又は効果を有する。例えば、ある実施形態は、EPC、eNB、CPEを意味する売主間構成をサポートすることができ、小型セルは、全て、異なる売主からのものでもよく、そして構成は、非常に柔軟性がある。更に、ある実施形態は、インバンド構成(eNB−中継局及び中継局−UEに対して同じ周波数)、及びアウトバンド構成(eNB−中継局及び中継局−UEに対して異なる周波数)の両方をサポートすることができる。
【0056】
更に、ある実施形態は、異なるFDD LTE及びTDD LTEをeNB−中継局及び中継局−UEリンクのいずれかとしてサポートする。更に、ある実施形態は、小型セルとCPEとの間のインターフェイスとしてイーサネットでコンディショニングされた無線アクセス技術(RAT)間中継局システムをサポートし、例えば、移動通信用グローバルシステム(GSM)/時分割同期コード多重アクセス(TD−SCDMA)/ワイドバンドコード分割多重アクセス(WCDMA)のためのグローバルシステムを、中継局−UEのためのRATとして、LTEをeNB−中継局のためのRATとしてサポートする。
【0057】
当業者であれば、上述した本発明は、異なる順序のステップで実施でき、及び/又はここに開示したものとは異なる構成のハードウェア要素で実施できることが容易に理解されよう。それ故、本発明は、好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに幾つかの修正、変更及び代替的構造が当業者に明らかとなるであろう。それ故、本発明の境界及び限界は、特許請求の範囲を参照して決定されねばならない。
【符号の説明】
【0058】
610:UE
614:プロセッサ
615:メモリ
616:トランシーバ
617:アンテナ
620:無線アクセスネットワーク要素
624:プロセッサ
625:メモリ
626:トランシーバ
627:アンテナ
630:コアネットワーク要素
634:プロセッサ
635:メモリ
636:トランシーバ
637:アンテナ