(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転する出発母材の長手方向に沿って、前記出発母材に対して相対往復運動するバーナー群の火炎中に原料ガスを放出し、前記出発母材の表面に多孔質ガラス微粒子のスートを形成する多孔質ガラス微粒子体の製造方法であって、
前記バーナー群を前記長手方向に沿って前記出発母材に対して相対往復運動させ、
前記バーナー群のうち前記長手方向の最も外側に位置する外側バーナーに接続されたバーナーラインと、前記原料ガスを前記バーナーラインに供給する供給ラインと、前記供給ラインに接続されたベントラインと、を設け、
前記外側バーナーが、前記長手方向における外側から内側に向けて所定の境界位置を通過する時に、前記供給ラインと前記バーナーラインとを連通させるとともに前記供給ラインと前記ベントラインとを遮断し、
前記外側バーナーが、前記長手方向における内側から外側に向けて前記境界位置を通過する時に、前記供給ラインと前記バーナーラインとを遮断するとともに前記供給ラインと前記ベントラインとを連通させ、
前記供給ラインを流れる前記原料ガスの流量を一定とする、多孔質ガラス微粒子体の製造方法。
前記バーナーラインの配管抵抗と前記ベントラインの配管抵抗とが一致するように、前記バーナーラインおよび前記ベントラインの少なくとも一方の配管抵抗を調整する、請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔質ガラス微粒子体の製造方法。
前記ベントラインの下流側で前記原料ガスを回収し、回収した前記原料ガスを前記供給ラインに流入させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質ガラス微粒子体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の多孔質ガラス微粒子体の製造方法および製造装置について図面に基づいて説明する。本実施形態により得られる多孔質ガラス微粒子体は、例えばOVD法(外付け法)またはVAD法(気相軸付法)などに適用することで、光ファイバ母材を得ることができる。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0011】
OVD法とは、ガラスロッド等の出発母材の外表面にガラス微粒子を堆積させてガラススート層を形成した後、ガラススート層を加熱により焼結して透明ガラスを得る方法である。
VAD法は、ガラスロッド等の出発母材の先端部からガラス微粒子の堆積を開始して、円柱状のガラススートを形成した後、ガラススートを加熱により焼結させることで、透明ガラスを得る方法である。
ただし、本実施形態により得られる多孔質ガラス微粒子体の用途は、光ファイバ母材の製造に限定されない。
【0012】
図1および
図2に示すように、本実施形態の多孔質ガラス微粒子体の製造装置1は、複数のバーナー2a〜2dを有するバーナー群2と、レール3と、ガス供給装置10Aと、を備えている。なお、バーナー群2に含まれるバーナーの数は適宜変更してもよい。
出発母材Mの両端は、一対の回転チャック(不図示)により支持されている。回転チャックにより、出発母材Mは反応容器(不図示)内で回転させられる。
【0013】
(方向定義)
複数のバーナー2a〜2dは、出発母材Mの長手方向に沿って、並べて配置されている。以下、出発母材Mの長手方向をX方向という。また、X方向のうち、バーナー2a側を−X側といい、バーナー2d側を+X側という。すなわち、バーナー2a、バーナー2b、バーナー2c、およびバーナー2dは、−X側から+X側に向けて、この順に配置されている。バーナー2a、2dは、バーナー群2のうち、X方向において最も外側に位置する外側バーナーである。バーナー2b、2c(内側バーナー)は、バーナー2a(第1外側バーナー)およびバーナー2d(第2外側バーナー)に挟まれている。
【0014】
複数のバーナー2a〜2dは、X方向に等間隔を空けて配置されている。本実施形態では、隣り合うバーナー2a〜2d同士のX方向における間隔(ピッチ)をLと表す。
レール3はX方向に延びている。複数のバーナー2a〜2dは、互いの間隔を保ったまま、レール3に沿って移動可能となっている。すなわち、バーナー群2は、出発母材Mの長手方向に沿って移動可能である。
なお、本実施形態では、バーナー群2は、レール3上をX方向に往復するように移動するが、出発母材Mをレール3の長手方向に沿って往復させても良い。すなわち、バーナー群2は、X方向に沿って出発母材Mに対して相対往復運動することができればよい。
【0015】
バーナー2a〜2dは、可燃性ガス(例えば、酸水素ガスやメタンなど)と酸素との混合ガス等で火炎Fを形成する。その火炎F中に原料ガスG1を放出して、酸化反応または加水分解反応にて多孔質ガラス微粒子を生成する。この多孔質ガラス微粒子が、出発母材Mの表面に堆積(デポジション)してスートSを形成することで、多孔質ガラス微粒子体が得られる。
【0016】
(ガス供給装置)
以下の説明では、バーナー群2のうち最も外側(−X側)に位置するバーナー2a(第1外側バーナー)に原料ガスG1を供給するガス供給装置10Aについて説明する。ただし、ガス供給装置10Aと同様の装置が、他のバーナー2b〜2dに接続されていてもよい。特に、最も+X側に位置するバーナー2d(第2外側バーナー)のガス供給装置は、以下に説明するガス供給装置10Aと同様の構成であることが好ましい。
ただし、ガス供給装置10Aと異なる構成のガス供給装置が、他のバーナー2b〜2dに接続されていてもよい。
【0017】
図2に示すように、ガス供給装置10Aは、供給ライン11と、バーナーライン12と、ベントライン13と、切替機構14と、第1バルブ15と、第2バルブ16と、を備えている。ガス供給装置10Aは、原料ガスG1を含むガスをバーナー2aに供給するように構成されている。
【0018】
供給ライン11は、スートSを生成するための原料ガスG1を、バーナー2aに向けて供給する。供給ライン11は、第1バルブ15を介してバーナーライン12に接続され、第2バルブ16を介してベントライン13に接続されている。また、供給ライン11の上流側には、不図示の原料タンク、気化部、流量制御部などが設けられている。原料タンクは、原料ガスG1となる液状の原料を貯蔵する。気化部は、液状の原料を気化させる。流量制御部は、供給ライン11内を流れる原料ガスG1の流量を制御する。
【0019】
原料タンクに貯蔵されている液状の原料は、気化部で気化され、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)や、窒素(N2)などのキャリアガスと混合され、原料ガスG1となる。原料ガスG1は、流量制御部によって流量を制御された状態で、供給ライン11に送られる。本実施形態では、原料ガスG1がバーナーライン12およびベントライン13のどちらに向けて流れるかに関わらず、供給ライン11内を流れる原料ガスG1の流量が一定となるように、流量制御部は原料ガスG1の流量を制御する。
【0020】
なお、原料タンク、気化部、および流量制御部の構成は上記に限られず、原料により適宜変更される。また、原料ガスG1は、酸素(O
2)ガスと予め混合した状態でバーナー2aに供給されてもよい。バーナー2aに到達する前に、原料ガスG1と酸素とを予め混合することで、燃焼時における酸素と原料ガスG1との混合比率を安定させることができる。なお、バーナー2a内若しくはバーナー2aの出口21近傍で、原料ガスG1と、酸素供給ラインから供給された酸素ガスとが混合されてもよい。
【0021】
原料ガスG1としては、例えば四塩化ケイ素(SiCl
4)や、ケイ素含有有機化合物を用いることができる。ケイ素含有有機化合物としては、環状シロキサンD3(ヘキサメチルシクロトリシロキサン)、D4(オクタメチルシクロテトラシロキサン、OMCTS)、D5(デカメチルシクロペンタシロキサン)などのアルキルシロキサンを用いることができる。ここで、上記のケイ素含有有機化合物の「D」は、[(CH
3)
2−Si]−O−のユニットを意味し、例えばD4はDユニットが4つ環状につながった構造を意味する。ケイ素含有有機化合物は、酸化反応させても塩酸を発生させないため、環境負荷の低減や、塩酸の処理設備が不要となることによる製造コスト低減などに寄与する。特に、D4は工業的に広く用いられ、比較的安価で入手しやすい。
【0022】
バーナーライン12の上流側は第1バルブ15を介して供給ライン11の下流側端部に接続されている。バーナーライン12の下流側端部は、バーナー2aに接続されている。バーナーライン12に、パージガスを供給するパージガス供給ライン(不図示)が接続されていてもよい。この場合、パージガス供給ラインは、パージ用バルブ(不図示)を介してバーナーライン12に接続される。パージガスとしては、窒素などの不活性ガスを用いることができる。
【0023】
ベントライン13の上流側端部は、第2バルブ16を介して供給ライン11の下流側端部に接続されている。ベントライン13の下流側端部は、ベントタンク13aに接続されている。第1バルブ15が閉じて第2バルブ16が開かれると、供給ライン11を流れる原料ガスG1が、ベントライン13を通じてベントタンク13aに流入する。すなわち、ベントタンク13aは、バーナー2aに向かわなかった原料ガスG1を回収する。ベントタンク13aに回収される原料ガスG1は未反応の状態であるため、再利用することができる。例えば、ベントタンク13aに貯まった原料ガスG1を原料タンクに戻してもよい。なお、ベントタンク13aを介さずに、未使用の原料ガスG1を供給ライン11の上流側に直接戻してもよい。
【0024】
ところで、ケイ素含有有機化合物を原料として使用した場合には、バーナー2aに供給される原料ガスG1と酸素との混合比が崩れた場合、多孔質ガラス微粒子体の外観不良等を招くことがある。具体的には、酸素の比率が少ない場合は、不完全燃焼が生じやすくなる。この結果、炭素を含んだ黒いすすが発生し、ガラス母材の外観不良が生じる。また、酸素の比率が高い場合は、バーナー内に火炎Fが進入する「逆火」現象が発生しやすくなる。
【0025】
したがって、原料ガスG1が火炎F内で反応する際には、原料ガスG1と酸素ガスとの混合比率を一定にすることが求められる。しかし、従来技術のように、多孔質ガラス微粒子体の端部において混合ガスの流量を減らす場合、原料ガスG1および酸素ガスの混合比率を一定に保つためには、原料ガスG1および酸素ガスの両者の流量を同一の割合で減らす必要がある。このような制御方法では、原料ガスG1と酸素ガスとの混合比率が安定しにくい。特に、原料としてアルキルシロキサンなどの液体を用いた場合には、液体マスフローメーターやポンプ等で原料の流量調整を行うため、気体である酸素ガスとは流量制御方式が異なる。そして、流量を一定の割合で減らす制御を、異なる流量制御方式でそれぞれ行う場合には、各流量にずれが生じやすくなる。その結果、原料ガスG1と酸素ガスとの混合比率が崩れ、ガラス母材の外観不良等を生じる可能性があった。
【0026】
また、バーナー群2がX方向に沿って往復運動する場合、両端に位置するバーナー2a、2dに原料ガスG1が継続して供給されると、スートSの両端部にテーパ部T1、T2が形成される。そしてテーパ部T1、T2は、一般的に良品部として使用できない部位であるため、多孔質ガラス微粒子体の良品部の割合が減少し、歩留まりが悪化してしまう。そこでテーパ部T1,T2の体積を削減するために、バーナー2aまたはバーナー2dがスートSの端部に到達した時に原料ガスG1の流量を減少させ、バーナー2aまたはバーナー2dがスートSの中央部側に向けて移動を始めた時に再び原料ガスG1の流量を増加させることが考えられる。
【0027】
しかし、前述のように、原料ガスG1の流量を変化させると、酸素ガスと原料ガスG1との混合比が崩れやすくなる。そこで本実施形態では、供給ライン11に供給される原料ガスG1の流量を一定とすることで、火炎Fで原料ガスG1が反応する際の酸素との混合比を一定にする。そしてバーナー2a、2dが、テーパ部T1、T2の近傍に設定された所定の境界位置に到達した時に、原料ガスG1の流路をバーナーライン12からベントライン13へと切り替える。
このような切り替えを行うための、ガス供給装置10Aのバルブの構成について説明する。
【0028】
(ガス供給装置のバルブ)
第1バルブ15は、供給ライン11とバーナーライン12との間に配置されている。第1バルブ15は、供給ライン11とバーナーライン12との連通および遮断を切り替える。
第2バルブ16は、供給ライン11とベントライン13との間に配置されている。第2バルブ16は、供給ライン11とベントライン13との連通および遮断を切り替える。
【0029】
第1バルブ15および第2バルブ16の開閉動作は、切替機構14により制御されている。切替機構14は、原料ガスG1をバーナー2aに供給する場合には、第1バルブ15を開いて第2バルブ16を閉じる。切替機構14は、原料ガスG1をバーナー2aに供給せずベントライン13に向かわせる場合には、第1バルブ15を閉じて第2バルブ16を開く。このようにして切替機構14は、供給ライン11から、バーナーライン12またはベントライン13へと、原料ガスG1の流路を切り替える。
【0030】
また、第1バルブ15を開いて第2バルブ16を閉じ、原料ガスG1をバーナー2aに向かわせる時には、ベントライン13とバーナーライン12との配管抵抗の違いから、バーナー2aに流入する原料ガスG1の流量が乱れ、スートSの外観不良の原因となる場合がある。これを回避するため、バーナーライン12またはベントライン13の少なくとも一方に、配管抵抗を調整するための調整機構を設けてもよい。そして、調整機構を用いてバーナーライン12およびベントライン13の配管抵抗を互いに一致させてもよい。この場合、バルブ15、16の開閉時の原料ガスG1の流量を安定させることができる。
【0031】
このような調整機構としては、ニードル弁などの調整バルブを用いることができる。また、ベントライン13の配管径とバーナーライン12の配管径とを同等にして、2つのライン12、13の配管抵抗の差を小さくしてもよい。
【0032】
なお、第1バルブ15を閉じた直後には、第1バルブ15とバーナー2aとの間に原料ガスG1が残存して逆火が生じやすい。そこで、逆火を防止するため、第1バルブ15が閉じるのとほぼ同じタイミングでパージ用バルブを開き、バーナー2aにパージガスが流れるようにするとよい。この場合、残存している原料ガスG1をパージガスによってバーナー2aから排出し、逆火の発生を抑えることができる。
バルブ15、16の開閉の切替タイミングは同時であることが好ましいが、逆火現象の発生を抑えることができる範囲内において、開閉のタイミングがずれていてもよい。
【0033】
(バーナー群の往復運動)
次に、バーナー群2の往復運動について説明する。
図1(a)に示すように、往復運動前の−X側の外側バーナー2aの位置を初期位置P1とする。初期位置P1は、バーナー2aがX方向で往復する範囲内における、最も−X側の位置である。
図1(a)では、各バーナー2a〜2dの往復運動の移動方向を矢印で表し、時間の経過を矢印の上下方向の位置で示している。例えば、各バーナー2a〜2dは、
図1(a)中で最も上に位置する矢印の通りに移動した後、上から2つ目の矢印の通りに移動する。
【0034】
図1(a)の例では、バーナー2aは、初期位置P1を起点とする1回目の往復運動において、まず+X方向にLだけ移動する。そして、当初バーナー2bが位置していた位置を折り返し位置として、−X方向に3/4Lだけ移動する。したがって、本実施形態の往復運動では、往路の距離と復路の距離とが異なっている。
2往復目も同様に、バーナー2aは+X方向にLだけ移動した後に、−X方向に3/4Lだけ移動する。
【0035】
このように、1〜4往復目では、往復運動ごとに折り返し位置が+X方向にL/4ずつ移動する。そして5往復目の折り返し位置は、初期位置P1から+X方向にL移動した位置となる。一方、5往復目では、往路と復路の距離が同じである。そして6〜9往復目では、バーナー2aは、往路で+X方向へ3/4L移動した後、復路で−X方向へL移動する。このため、6〜9往復目では、往復運動ごとに折り返し位置が−X方向にL/4ずつ移動する。9往復目を終えると、バーナー2aは初期位置P1に戻る。
説明を省略するが、バーナー2b〜2dも、バーナー2aと同様にそれぞれの初期位置から相対的に上記の往復運動を行う。
【0036】
図1(a)では、往復運動ごとに、往復運動の折り返し位置をL/4ずつずらした例を示した。ここで、往復運動ごとに、往復運動の折り返し位置をL/Nずつずらした場合のバーナー2aの往復運動は以下のようになる。ここで、NはL以外の正の整数である。
【0037】
バーナー2aは、1回目の往復運動の往路において、初期位置P1から+X方向にLだけ移動し、復路において−X方向に(L−L/N)だけ移動する。次の往復運動も同様であるため、折り返し位置は、1往復ごとに+X側にL/Nだけ移動することになる。
N+1回目の往復運動では、折り返し位置が、初期位置P1から+X側にL移動した位置となる。N+1回目の往復運動では、往路と復路の距離がLで同じになる。
N+2回目以降の往復運動では、往路で+X側に(L−L/N)だけ移動した後、復路で−X側にLだけ移動する。(N+2)回目以降の折り返し位置は、−X側にL/Nだけ移動することになる。
【0038】
そして往復運動を(2N+1)回繰り返すと、バーナー2aは初期位置P1に戻ってくる。(2N+2)回目以降の往復運動は、1回目以降の往復運動と同様である。すなわち、(2N+1)回を1セットとして、上記の往復運動が繰り返される。スートSの非テーパ部Eが所望の厚みになった時点で、往復運動およびスートSの形成は停止され、多孔質ガラス微粒子体の製造が完了する。
【0039】
なお、
図1ではバーナー2aの1往復目の往路の移動距離をLとしたが、この移動距離をLより大きくしてもよい。以下の説明では、バーナー2aの1往復目の往路の移動距離をLaとする。ここで、LaはLよりも大きい値である。この場合、バーナー2aは、1回目の往復運動の往路において、初期位置P1から+X方向にLaだけ移動し、復路において−X方向に(La−La/N)だけ移動する。次の往復運動も同様であるため、折り返し位置は、1往復ごとに+X側にLa/Nだけ移動することになる。
【0040】
N+1回目の往復運動では、折り返し位置が、初期位置P1から+X側にLaだけ移動した位置となる。N+1回目の往復運動では、往路と復路の距離がLaで同じになる。
N+2回目以降の往復運動では、往路で+X側に(La−La/N)だけ移動した後、復路で−X側にLaだけ移動する。(N+2)回目以降の折り返し位置は、−X側にLa/Nだけ移動することになる。
このように、バーナー2aの1往復目の移動距離LaをLよりも長くした場合でも多孔質ガラス微粒子体の製造をすることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、バーナー群2をX方向に沿って往復運動させるが、出発母材Mをレール3の長手方向に沿って往復運動させてもよい。この場合、バーナー群2と出発母材Mとの位置関係が上記した通りとなるように、出発母材Mを往復運動させる。
【0042】
(切替機構の制御)
次に、切替機構14による制御について説明する。
図3中の矢印は、バーナー2a〜2dの往復運動に加えて、外側バーナー2a、2dへの原料ガスG1の供給および遮断のタイミングを示している。白矢印の部分では外側バーナー2a、2dへの原料ガスG1の供給が遮断されており、黒矢印の部分では、外側バーナー2a、2dに原料ガスG1が供給されている。なお、バーナー2b、2cについては、原料ガスG1が常時供給されている。バーナー群2の往復運動は、
図1(a)に示した往復運動と同様である。
【0043】
図3に示すように、−X側において、外側バーナー2aの初期位置P1から+X側にLa(図示の例ではLa=L)移動した位置を、第1境界位置B1とする。すなわち、外側バーナー2aが往復運動する範囲における最外端位置から、LaだけX方向における内側に離れた位置が第1境界位置B1である。また、第1境界位置B1よりも−X側の領域を第1領域A1といい、第1境界位置B1よりも+X側の領域を第2領域A2という。すなわち、第1領域A1は第1境界位置B1よりもスートSの端部側(外側)の領域であり、第2領域A2は第1境界位置B1よりもスートSの中央部側(内側)の領域である。
【0044】
外側バーナー2aにおいて、スートSのデポジションを行う前の初期状態では、第1バルブ15が閉じられ、第2バルブ16が開かれている。切替機構14は、外側バーナー2aが第1境界位置B1を通過する時に、第1バルブ15および第2バルブ16の開閉動作を行う。具体的には、外側バーナー2aが第1領域A1から第1境界位置B1を+X側に通過する時に、第1バルブ15を開き、第2バルブ16を閉じる。これにより、供給ライン11から供給される原料ガスG1の流路が、ベントライン13からバーナーライン12へと切り替わり、火炎F内で原料ガスG1が反応し、スートSが出発母材Mに堆積する。
【0045】
切替機構14は、外側バーナー2aが第2領域A2から第1境界位置B1を−X側に通過する時に、第1バルブ15を閉じ、第2バルブ16を開く。これにより、供給ライン11から供給される原料ガスG1の流路が、バーナーライン12からベントライン13へと切り替わる。したがって、第1領域A1では、外側バーナー2aに原料ガスG1が供給されないため、スートSの端部にテーパ部T1が形成されるのを抑えることができる。そして、多孔質ガラス微粒子体における不良部の割合を削減することができる。
【0046】
なお、外側バーナー2d側においても、往復運動前の+X側の外側バーナー2dの初期位置P2とし、初期位置P2から+X側へLaだけ移動した位置を第2境界位置B2とする。すなわち、外側バーナー2dが往復運動する範囲における最外端位置から、LaだけX方向における内側に離れた位置が第2境界位置B2である。
また、第2境界位置B2よりも+X側の領域を第1領域A1といい、第2境界位置B2よりも−X側の領域を第2領域A2という。すなわち、第1領域A1は第2境界位置B2よりもスートSの端部側(外側)の領域であり、第2領域A2は第2境界位置B2よりもスートSの中央部側(内側)の領域である。
【0047】
外側バーナー2dが第2境界位置B2を通過するたびに、外側バーナー2aと同様に原料ガスG1の流路が切り替わる。これにより、スートSの第2端部においても、上述の作用効果を得ることができる。
【0048】
なお、外側バーナー2a、2dへの原料ガスG1の供給が停止されている間も、外側バーナー2a、2dの出口21から燃焼補助用の火炎Fを生じさせてもよい。この場合、燃焼補助用の火炎Fを継続して点火させておくことで、原料ガスG1が外側バーナー2a、2dに次回供給された際に、速やかに原料ガスG1の反応を開始させることができる。
また、外側バーナー2a、2dへの原料ガスG1の供給が停止されている間も、外側バーナー2a、2dの出口21からスートSの両端部およびテーパ部T1、T2の焼き締めのために火炎Fを発生させてもよい。これにより、スートSの長手方向において、多孔質ガラス微粒子が均一に焼き締められるため、スートSが割れるのを防止することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の多孔質ガラス微粒子体の製造方法は、外側バーナー2a、2dがX方向における外側から内側に向けて所定の境界位置B1、B2を通過する時に、供給ライン11とバーナーライン12とを連通させるとともに供給ライン11とベントライン13とを遮断し、外側バーナー2a、2dがX方向における内側から外側に向けて境界位置B1、B2を通過する時に、供給ライン11とバーナーライン12とを遮断するとともに供給ライン11とベントライン13とを連通させ、原料ガスG1がバーナーライン12に向かうか否かに関わらず、供給ライン11を流れる原料ガスG1の流量が一定である。
【0050】
この構成により、第2領域A2においてスートSを形成する時の外側バーナー2a、2dへの原料ガスG1の流量を一定としながら、第1領域A1においてテーパ部T1、T2が形成されることを抑えることができる。したがって、原料ガスG1の流量を変化させた時に生じやすい原料ガスG1の不完全燃焼によるスートSの外観不良を抑制しつつ、テーパ部T1、T2の体積を低減することができる。また、非テーパ部Eでは、長手方向においてバーナー2a〜2dが通過する合計回数が等しくなるので、スートSの堆積量をX方向に沿って均等にすることができる。
【0051】
また、仮にバーナー2a〜2dの往復運動における折り返し位置が一定である場合には、折り返し位置近傍でバーナー2a〜2dが減速することに伴って、折り返し位置におけるスートSの厚みが局所的に大きくなってしまう。これに対して本実施形態では、バーナー2a〜2dの往復運動における折り返し位置が、往復運動のたびに変化する。これにより、スートSのうち厚みが大きくなる箇所を分散させて、堆積量を長手方向でより均一にすることができる。
【0052】
また、本実施形態の製造方法は、長手方向に互いに間隔Lを空けて複数のバーナー2a〜2dを配置し、境界位置B1、B2を、外側バーナー2a、2dが往復運動する範囲における最外端位置から内側にLだけ離れた位置としている。これにより、テーパ部T1、T2の体積をより確実に低減することができる。
【0053】
また、バーナーライン12またはベントライン13の少なくとも一方に、配管抵抗を調整するための調整機構を設けた場合には、調整機構を用いてバーナーライン12およびベントライン13の配管抵抗を互いに一致させることができる。この場合、バルブ15、16の開閉時の原料ガスG1の流量を安定させることができる。
【0054】
また、ベントライン13の下流側に、原料ガスG1を回収するベントタンク13aを設けてもよい。これにより、ベントタンク13aに回収された未反応の原料ガスG1を、再利用することができる。したがって、原料の利用効率をより向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態の多孔質ガラス微粒子体の製造装置1は、X方向に沿って出発母材Mに対して相対往復運動するバーナー群2と、外側バーナー2a、2dに向けて一定流量の原料ガスG1を供給する供給ライン11と、供給ライン11とバーナーライン12との連通および遮断を切り替える第1バルブ15と、供給ライン11とベントライン13との連通および遮断を切り替え第2バルブ16と、第1バルブ15および第2バルブ16の開閉を切り替える切替機構14と、を備えている。そして切替機構14は、外側バーナー2a、2dがX方向における外側から内側に向けて所定の境界位置B1、B2を通過する時に、第1バルブ15を開くとともに第2バルブ16を閉じ、外側バーナー2a、2dがX方向における内側から外側に向けて境界位置B1、B2を通過する時に、第1バルブ15を閉じるとともに第2バルブ16を開く。
【0056】
これにより、外側バーナー2a、2dが境界位置B1、B2を内側に向けて通過する際に、原料ガスG1の流路を、供給ライン11からバーナーライン12に向かうように切り替え、外側バーナー2a、2dが境界位置B1を外側に向けて通過する際に、原料ガスG1の流路を、供給ライン11からベントライン13へと向かうように切り替えることができる。したがって、多孔質ガラス微粒子体の両端のテーパ部T1、T2の割合を削減でき、かつ原料ガスG1の不完全燃焼による外観不良を抑制することができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施形態では、製造装置1の構成は同様であるが、切替機構14によるバルブ15、16の開閉動作が異なる。
【0058】
切替機構14によるバルブ15、16の切替回数が多い場合には、原料ガスG1の流量が不安定になりやすく、スートSの外観不良の原因となる可能性がある。例えば
図3では、スートSの各端部でそれぞれ10回の切替動作が行われている。
そこで本実施形態では、バルブ15、16の切替回数をより少なくするために、複数の境界位置を設定している。
【0059】
図4に示すように、スートSの−X側の端部には、第1境界位置B1および第3境界位置B3が設定されている。第1境界位置B1は、初期位置P1(往復運動における最外端位置)から+X側へLa(図示の例ではLa=L)だけ移動した位置である。また、第3境界位置B3は、外側バーナー2aの往復運動における最外端位置から3/4LaだけX方向における内側に離れた位置に設定されている。
スートSの+X側の端部にも同様に、第2境界位置B2および第4境界位置B4が設定されている。具体的には、外側バーナー2dの往復運動における最外端位置から、−X側へLaだけ移動した位置に、第2境界位置B2が設定されている。また、第4境界位置B4は、外側バーナー2dの往復運動における最外端位置から3/4LaだけX方向における内側に離れた位置に設定されている。
【0060】
外側バーナー2aでは、
図4に示すように、2〜8往復目では、第3境界位置B3において、バルブ15、16の開閉を切り替えている。一方、1往復目および9往復目では、第3境界位置B3でバルブ15、16の開閉を切り替えていない。
外側バーナー2dでは、3往復目の往路および復路、4往復目の往路、6往復目の復路、および7往復目の往路および復路において、第4境界位置B4でバルブ15,16の開閉を切り替えている。一方、4往復目の復路から6往復目の往路までは、第4境界位置B4でバルブ15、16の開閉を切り替えていない。
【0061】
バルブ15、16の開閉の回数は、
図3の例ではスートSの各端部でそれぞれ10回であるが、
図4の例ではスートSの各端部でそれぞれ6回となっている。このように、複数の境界位置を設定することで、バルブ15,16の切り替え回数を減らすことができる。なお、
図4では
図3と比較してテーパ部の長さがL/4だけ長くなっている。このように、複数の境界位置を設定するとテーパ部の長さが大きくなるが、バルブ15、16の開閉の切替回数を少なくすることができるため、要求されるガラス微粒子体の品質に応じて、境界位置の数や配置を設定するとよい。
【0062】
また、スートSの1つの端部に複数の境界位置を設定する場合は、各境界位置を、対象とする外側バーナーの往復運動における最外端位置から(L−(L/N)×A)だけX方向における内側に離れた位置に設定するとよい。ここでAは0以上N以下の自然数である。
図4の例では、N=4であり、A=0、1である。A=0が第1、第2境界位置B1、B2に対応し、A=1が第3、第4境界位置B3、B4に対応している。
【実施例】
【0063】
以下、具体的な実施例を用いて、上記実施形態を説明する。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【0064】
表1に、複数の条件でガラス母材を製造し、テーパ部T1の長さを測定した結果、および光ファイバ母材を目視で観察した結果を示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1の「テーパ長」とは、各条件におけるテーパ部T1のX方向における長さである。「非テーパ部輝点」とは、各条件の多孔質ガラス微粒子体を焼結して得られた光ファイバ母材において、非テーパ部Eの輝点の個数を測定した結果である。輝点とは、原料ガスG1の不完全燃焼により生じた黒色のすすが焼結時に高温で熱されることによって発生する空洞(隙間)である。
【0067】
(実施例1)
実施例1では、出発母材Mと平行に配置された8本のバーナーを用いた。各バーナーの間隔が、L=200mmとなるように、長手方向に一列に配列させた。原料としてD4を用いた。D4は、原料タンクから輸送され、流量制御部および気化部を通過し、酸素と混合された状態で供給ライン11へと供給された。
【0068】
実施例1では、バーナー群2を固定し、出発母材Mを往復運動させた。1〜4往復目では、出発母材Mに対するバーナー群2の位置が、+X方向に200mm移動した後、−X方向に150mm移動するように、出発母材Mを往復させた。すなわち、折り返し位置を+X方向へ50mm(L/4)ずつずらしながら出発母材Mの往復運動を繰り返した。5往復目の折り返し位置は、1往復目の折り返し位置から+X方向へ200mm、つまりバーナー群2の間隔Lだけ移動した地点とした。6〜9往復目では、相対位置を往路において+X方向へ150mm、復路において−X方向へ200mm移動させる往復運動を繰り返した。
【0069】
第1境界位置B1を−X側の最外に位置する第1外側バーナーの初期位置P1から+X方向へ200mmの位置とし、第2境界位置B2を+X側の最外に位置する第2外側バーナーの初期位置P2から+X方向へ200mmの位置とした。各境界位置B1、B2を第1、第2外側バーナーが通過する際にバルブ15、16の開閉の切替を行った。第1、第2外側バーナーが、第2領域A2に位置している時には、第1バルブ15を開いて第2バルブ16を閉じ、バーナーライン12に原料ガスG1を供給した。第1、第2外側バーナーが、第1領域A1に位置している時には、第1バルブ15を閉じて第2バルブ16を開き、バーナーライン12への原料ガスG1の供給を停止した。
【0070】
この往復運動を、スートSの堆積量が目的の量になるまで繰り返した。製造したスートSのテーパ長は210mmであった。なお、第1領域A1では第1、第2外側バーナーに原料ガスG1が供給されないにも関わらず、210mmのテーパ部が形成された。これは、第2領域A2で生成されたガラス微粒子が第1領域A1にも付着することによる。
また、このスートSをHe(ヘリウム)雰囲気化で焼結し得られた光ファイバ母材のテーパ部には輝点が無かった。
【0071】
(実施例2)
実施例2は、実施例1と第1、第2境界位置B1、B2が異なる。第1境界位置B1を−X側の第1外側バーナーの初期位置P1から+X方向へ150mmの地点、第2境界位置B2を+X側の第2外側バーナーの初期位置P2から+X方向へ150mmの地点とし、各境界位置B1、B2を第1、第2外側バーナーが通過する際にバルブ15、16の開閉の切替を行った。その他の条件は、実施例1と同様の条件であるため、説明を省略する。
製造したスートSのテーパ長は260mmであった。また、このスートSをHe(ヘリウム)雰囲気化で焼結し得られた光ファイバ母材のテーパ部には輝点が無かった。
【0072】
(実施例3)
実施例3では、実施例1と異なる原料であるSiCl
4を用いた。その他の条件は、実施例1と同様の条件である。
製造したスートSのテーパ長は210mmであった。また、このスートSをHe(ヘリウム)雰囲気化で焼結し得られた光ファイバ母材のテーパ部には輝点が無かった。
【0073】
(実施例4)
実施例4は、実施例1の製造装置1のベントライン13に、ニードル弁を設け、その開度をベントライン13とバーナーライン12との配管抵抗が同等となるように調整した。これにより、バルブ15、16の開閉を切り替える際に原料ガスG1の流量が乱れることを抑えられた。その他の条件は、実施例1と同様の条件である。
製造したスートSのテーパ長は210mmであった。また、このスートSをHe(ヘリウム)雰囲気化で焼結し得られた光ファイバ母材のテーパ部には輝点が無かった。
【0074】
(比較例1)
比較例1では、実施例1と異なり、境界位置B1、B2を設定していない。このため、往復運動中、第1、第2外側バーナーからは常にデポジションが行われていた。その他の条件は、実施例1と同様の条件である。
製造したスートSのテーパ長は390mmあった。また、このスートSをHe(ヘリウム)雰囲気化で焼結し得られた光ファイバ母材のテーパ部には輝点が無かった。
【0075】
(比較例2)
比較例2は、実施例1と同様の位置に設定した境界位置B1、B2において、バルブ15、16の開閉の切替は行わず、第1領域A1を移動する第1、第2外側バーナーの原料および酸素の混合ガスの流量の調整を行った。具体的には、第1、第2外側バーナーが第2領域A2から境界位置B1、B2を越えて第1領域A1に入ると、混合ガスの流量を連続的に減らし、30秒かけて流量が0になるようにした。その後、第1、第2外側バーナーの移動方向を変更させ、混合ガスの流量を連続的に増やし、30秒かけて流量が元の流量となったところで再度境界位置B1、B2を越えて第2領域A2に第1、第2外側バーナーが入るようにした。
製造したスートSのテーパ長は270mmであった。また、このスートSをHe(ヘリウム)雰囲気化で焼結し得られた光ファイバ母材のテーパ部には輝点が多数あった。
【0076】
このように、境界位置を設定せずバルブ15、16の開閉の切替を行わなかった比較例1と比較し、実施例1〜4では、テーパ部T1、T2の長さが短い。これは、実施例1〜4では、境界位置B1、B2を設定し、境界位置B1、B2を第1、第2外側バーナーが通過する毎に、バルブ15、16の開閉の切替を行ったためである。これにより、スートSの両端ではスートSのデポジションが停止され、テーパ部T1、T2の割合を削減し、歩留まりを向上させることができた。
【0077】
また、混合ガスの流量を変化させた比較例2では、流量を変化させた際に原料ガスG1の不完全燃焼が起こったため、ガラス母材に輝点が観察された。これに対して、実施例1〜4では、供給ライン11を流れる原料ガスG1の流量を一定とした。これにより、ガラス母材の非テーパ部において輝点は観察されなかった。このように、原料ガスG1の不完全燃焼による外観不良を抑制することができた。
【0078】
また、実施例1、および実施例3の結果から、原料としてSiCl
4や炭素を含有するD4のいずれを用いた場合でも上記の作用効果を得ることができることが判る。
さらに、実施例4の結果から、バーナーライン12とベントライン13との配管抵抗を調整することにより、より安定してガラス微粒子体の製造ができることが判る。
【0079】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0080】
例えば、前記実施形態では、バーナー群2に含まれるバーナーの個数を4本としたが、バーナー群2には少なくとも2本以上のバーナーが含まれていればよい。
また、前記実施形態では、境界位置をスートSの1つの端部において1または2箇所に設定したが、バルブ15、16の開閉の切替回数が少なく設定できるよう、3か所以上に境界位置を設定してもよい。
【0081】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。