(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パターン化の方法であって、(a)シロキサンポリマーと、有機溶媒とを含む組成物であって前記シロキサンポリマーが式(1)の1つ以上の第1のモノマーまたはそのダイマーと、式(2)の1つ以上の第2のモノマーまたはそのダイマーのみを重合単位として含む、前記組成物で基板をコーティングして、前記基板上にシロキサンポリマー層を形成することと、
R2SiX2 (1) RSiX3 (2)
式中、各Rが、独立して、アリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アラルケニル、及びR1から選択され、各Rは、1つ以上の水素を、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C1−20ヒドロキシアルキル、C2−30アルコキシアルキル、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、アルキレンオキシ、及びスルホラニルから選択される1つ以上の置換基部分に置き換えることによって、またはエーテル、アミン、アミド、スルフィド及びチオンから選択される1つ以上のヘテロ原子含有部分を炭素鎖に挿入することによって、任意に置換されてもよく、R1が、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含むC2〜30有機ラジアルであり、各Xが、加水分解性部分であり、少なくとも1つのRが、R1であり、及び少なくとも1つのRが、アリール、置換アリール及びアラルキルから選択され、前記モノマーの総モル数を基準にして、前記ポリマーを構成する前記モノマーの≧30モル%が、Rの前記置換基部分におけるヒドロキシ、メルカプト、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、及びスルホラニル、並びにR1における−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含み、前記ポリマーが、式HSiX3及びSiX4のモノマーを重合単位として含まない、(b)前記シロキサンポリマー層を硬化して、シロキサン下層を形成することと、(c)フォトレジスト層を前記シロキサン下層上に堆積させることと、(d)前記フォトレジスト層をパターン露光して、潜像を形成することと、(e)前記潜像を現像して、レリーフ像を中に有するパターン化されたフォトレジスト層を形成することと、(f)前記レリーフ像を前記基板に転写することと、(g)前記シロキサン下層を除去することであって、前記シロキサン下層が、湿式剥離ステップによって除去されることと、を含む前記方法。
前記湿式剥離ステップが、前記シロキサン下層を、硫酸と過酸化水素との混合物またはアンモニアと過酸化水素との混合物と接触させることを含む、請求項1または2に記載の前記方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、反射防止組成物及びそれらの使用方法に関し、具体的には、シリコン含有反射防止組成物及び電子装置の製造におけるそれらの使用に関する。
【0002】
従来のフォトリソグラフィプロセスにおいて、レジストパターンは、反応性イオンエッチング(RIE)などの好適なエッチングプロセスによる基板へのパターン転写用のマスクとして使用されている。使用されるレジストの厚さが減少し続けることは、このレジストパターンをRIE処理によるパターン転写用のマスクとして適さなくする。その結果、3つ、4つまたはそれ以上の層をパターン転写用のマスクとして用いる代替プロセスが開発されている。例えば、三層プロセスにおいては、シリコン含有反射防止層は、下層/有機平坦化層とレジスト層との間に配設されている。これらの層が有するフッ素及び酸素含有RIE化学作用に対する交互選択性のため、この三層スキームは、Si含有層の上部のレジストパターンから下層の下方の基板への高度に選択的なパターン転写を提供する。
【0003】
シリコン含有反射防止層の酸化物エッチング化学作用に対する抵抗力は、この層がエッチングマスクとして機能することを可能にする。このようなシリコン含有反射防止層は、架橋シロキサン網状構造からなる。これらの材料のエッチング耐性は、シリコン含有量に起因し、シリコン含有量が高いほどより良好なエッチング耐性をもたらす。現在の193nmのリソグラフィプロセスにおいては、このようなシリコン含有反射防止層は、≧40%のシリコンを含有する。これらの材料中のこのような高シリコン含有量及びシロキサン網状構造は、これらの除去を困難な課題としている。フッ素含有プラズマ及びフッ化水素酸(HF)は、双方ともに、これらのシリコン含有層を除去する(または剥離する)ために使用され得る。しかしながら、F−プラズマ及びHFの双方ともに、これらのシリコン含有材料のみならず、基板などのそのまま残ることが望ましい他の材料も除去する。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を、≧5重量%などのより高濃度で用いる湿式剥離を用いて、これらのシリコン含有層の少なくともいくつかを除去することができるが、これらのより高濃度のTMAHは、基板を損傷するリスクも有し得る。比較的低い量のシリコン(≦17%)を有するシリコン含有層は、「ピラニア酸」(濃H
2SO
4+30%のH
2O
2)を用いて除去され得ることもあるが、このようなアプローチは、より高いシリコン含有量を有するシリコン含有材料で成功を収めていない。
【0004】
硬化中に、ジプロピレングリコール(DPG)及びテトラエチレングリコール(TEG)の混合物をシロキサン層に組み込むことによって、シリコン含有下層の湿式剥離性を向上させるための1つのアプローチが、米国特許第7,955,782号に開示されている。しかしながら、シリコン含有膜の硬化中にDPG及びTEGの双方の一部が揮発するため、シリコン含有膜中に組み込まれたDPG及びTEGの特定量は不明であり、このことが、膜中のシリコンの正確な重量パーセントも不明にする。米国特許出願公開第2014/0186774号は、酸によって除去され得るシリコン含有反射防止層を開示しており、このシリコン含有反射防止層は、酸性条件下で加水分解されて、Si−O−Si結合を形成することができるSi−O−CまたはSi−OH部位を含有しない。実際には、反射防止材料層の硬化中のSi−O−Si結合の形成は、この参考文献においては避けられている。米国特許出願公開第2014/0186774号におけるシリコン含有反射防止層が酸剥離性であり得るが、このようなシリコン含有反射防止層は、Si−O−Si結合の欠如のために、パターン転写中に所望のエッチング耐性をもたらさない場合がある。したがって、パターン転写中に所望のエッチング選択性を提供し、かつ湿式化学処理によって容易に除去可能であるシリコン含有反射防止材料が依然として必要とされている。
【0005】
本発明は、式(1)の1つ以上の第1のモノマーまたは式(1)のダイマーと、式(2)の1つ以上の第2のモノマーまたは式(2)のダイマーとを重合単位として含むシロキサンポリマーを提供し、
R
2SiX
2 (1) RSiX
3 (2)
式中、各Rは、独立して、アリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アラルケニル、及びR
1から選択され、R
1は、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含む
C
2−30有機ラジアルであり、各Xは、加水分解性部分であり、
少なくとも1つのRは、R
1であり、モノマーを含むポリマーの≧30%が、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含み、このポリマーは、式HSiX
3及びSiX
4のモノマーを重合単位として含まない。本発明のシロキサンポリマーは、硬化性である。
【0006】
上述のシロキサンポリマーと、有機溶媒と、を含む組成物も本発明により提供される。
【0007】
さらに、本発明は、パターン化の方法を提供し、この方法は、(a)上述の組成物で基板をコーティングして、基板上にシロキサンポリマー層を形成することと、(b)シロキサンポリマー層を硬化して、シロキサン下層を形成することと、(c)フォトレジスト層をシロキサン下層上に堆積させることと、(d)フォトレジスト層をパターン露光して、潜像を形成することと、(e)潜像を現像して、レリーフ像を中に有するパターン化されたフォトレジスト層を形成することと、(f)レリーフ像を基板に転写することと、(g)シロキサン下層を除去することと、を含む。
【0008】
ある要素が別の要素の「上に(on)」あると称される場合、それはその別の要素に直接隣接し得るか、または介在要素がこれらの間に存在してもよいことが理解される。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に(directly on)」あると称される場合、介在要素は存在しない。第1の、第2の、第3の等の用語は、種々の要素、構成成分、領域、層、及び/または部分を説明するために使用され得るが、これらの要素、構成成分、領域、層、及び/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解される。これらの用語は、単に、1つの要素、構成成分、領域、層、または部分を、別の要素、構成成分、領域、層、または部分から区別するために使用されているに過ぎない。したがって、以下で論じられる第1の要素、構成成分、領域、層、または部分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成成分、領域、層、または部分と称されてもよい。
【0009】
本明細書全体を通して使用される場合、以下の略語は、文脈上明らかに別段の意味を指さない限り、以下の意味を有するものとする。℃は摂氏度であり、gはグラムであり、mgはミリグラムであり、ppmは百万分率であり、μmはミクロン及びマイクロメートルであり、nmはナノメートルであり、Åはオングストロームであり、Lはリットルであり、及びmLはミリリットルである。特記しない限り、全ての量は重量パーセントであり、全ての比はモル比である。全ての数の範囲は、このような数の範囲が合計で100%にされねばならないことが明確である場合を除き、その上限及び下限を含み、任意の順序で組み合わせ可能である。「Wt%」は、特記しない限り、参照される組成物の総重量に基づく重量パーセントを指す。冠詞「ひとつの(a)」、「ひとつの(an)」、及び「その(the)」は、単数及び複数を指す。本明細書で使用される用語「及び/または」は、関連する列挙された項目の1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0010】
本明細書全体を通して使用される場合、用語「アルキル」は、直鎖、分岐鎖、及び環状アルキルを含む。同様に、「アルケニル」は、直鎖、分岐鎖、及び環状アルケニルを指す。用語「硬化」とは、材料または組成物の分子量を増加させる、重合または縮合などの任意のプロセスを意味する。「硬化性」は、ある特定の条件下で硬化されることが可能な任意の材料を指す。用語「オリゴマー」は、さらなる硬化が可能である、ダイマー、トリマー、テトラマー、及び他の比較的低分子量の材料を指す。用語「ポリマー」は、オリゴマーを含み、ホモポリマー及びコポリマーの両方を指す。シリコンモノマーは、多くの場合、モノマー中のシリコンに結合される加水分解性部位の数によって称される。例えば、「Dモノマー」は、式R
2SiX
2のモノマーなどの、2つの加水分解性部位を有するシリコンモノマーを指し、「Tモノマー」は、式RSiX
3のモノマーなどの、3つの加水分解性部位を有するシリコンモノマーを指し、「Qモノマー」は、式SiX
4のモノマーなどの、4つの加水分解性部分を有するシリコンモノマーを指し、式中、各モノマーのXは、加水分解性部分である。本明細書で使用される場合、「加水分解性基」は、シランモノマーを縮合、硬化、さもなければ重合するために使用される条件下で加水分解されることが可能な任意の部分を指す。シリコンモノマー中の例示の加水分解性基としては、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシレート、ヒドロキシ、エノキシ、オキシミノ、アミノ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明のシロキサンポリマーは、式(1)の1つ以上の第1のモノマーまたは式(1)のダイマーと、式(2)の1つ以上の第2のモノマーまたは式(2)のダイマーとを重合単位として含み、
R
2SiX
2 (1) RSiX
3 (2)
式中、各Rは、独立して、アリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アラルケニル、及びR
1から選択され、R
1は、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含むC
2−30有機ラジカルであり、各Xは、加水分解性部分であり、
少なくとも1つのRは、R
1であり、モノマーを含むポリマーの≧30%が、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含み、このポリマーは、式HSiX
3及びSiX
4のモノマーを重合単位として含まない。好ましくは、本シロキサンポリマーは、スルフィド結合、スルフォンアミド部分、アニオン性部分、及びこれらの組み合わせを含まず、より好ましくは、スルフィド結合、ジ−シランモノマー(すなわち、Si−Si結合を有するモノマー)、スルフォンアミド部分、アニオン性部分、及びこれらの組み合わせを含まない。各Xは、独立して、ハロゲン、アルコキシ、C
1−12カルボキシレート、ヒドロキシ、エポキシ、オキシミノ、アミノ等から選択されることが好ましく、ハロゲン、C
1−12アルコキシ、ヒドロキシ、C
2−12エノキシ、C
1−12オキシミノ、アミノ、C
1−12アルキルアミノ、及びジ(C
1−12アルキル)アミノから選択されることがより好ましく、塩素、C
1−12アルコキシ、C
1−10カルボキシレート、ヒドロキシ、C
2−6エノキシ、C
1−6オキシミノ、及びジ(C
1−6アルキル)アミノから選択されることがさらに好ましい。
【0012】
式(1)及び(2)において、各Rは、好ましくは、独立して、C
4−20アリール、置換C4−20アリール、C5−20アラルキル、置換C5−20アラルキル、C1−30アルキル、置換C
1−30アルキル、C
2−30アルケニル、置換C
2−30アルケニル、C
8−30アラルケニル、置換C
8−30アラルケニル、及びR
1から選択され、より好ましくは、C
6−20アリール、置換C
6−20アリール、C
6−15アラルキル、置換C6−15アラルキル、C1−20アルキル、置換C1−20アルキル、C2−20アルケニル、置換C
2−20アルケニル、C
8−20アラルケニル、置換C
8−20アラルケニル、及びR
1から選択され、さらにより好ましくは、C
6−20アリール、置換C
6−20アリール、C
1−20アルキル、置換C
1−20アルキル、及びR
1から選択される。「アリール」は、C
6−20芳香族炭素環及びC
4−20芳香族複素環を指す。芳香族炭素環が、好ましいアリール部分である。各Rは、1つ以上の水素を1つ以上の置換基部分に置き換えることによって、または1つ以上のヘテロ原子含有部分を炭素鎖に挿入することによって、任意に置換されてもよい。好適な置換基部分は、C
1−20アルキル、C
1−20アルコキシ、C
1−20ヒドロキシアルキル、C
2−30アルコキシアルキル、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、アルキレンオキシ、及びスルホラニルから選択され、より好ましくは、ヒドロキシ、メルカプト、グリシジルオキシ、アルキレンオキシ、及びスルホラニルから選択され、さらにより好ましくは、ヒドロキシ、メルカプト、及びグリシジルオキシから選択される。好適なアルキレンオキシ置換基は、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、及びこれらの組み合わせである。好適なヘテロ原子含有部分としては、オキシ、カルボニル、オキシカルボニル、アミノ、アミド、スルフィド、チオカルボニル等が挙げられる。1つ以上のヘテロ原子部分を含有する例示のR基としては、エーテル、ケトン、エステル、アミン、アミド、スルフィド、及びチオンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される用語「アルキレンオキシ」は、ポリ(アルキレンオキシ)を含む。例えば、好適なアルキレンオキシ部分は、1〜20個、好ましくは1〜12個、より好ましくは2〜10個、さらにより好ましくは5〜10個のアルキレンオキシ繰り返し単位を有してもよい。好適なアルキレンオキシ部位は、以下の式のものであり、
−(OCHR
3CHR
3)n−OR
4
式中、R
3は、独立して、HまたはCH
3であり、R
4は、H、C
1−2アルキル、またはR
5であり、R
5は、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の部分を有するC
1−6アルキルであり、nは、1〜20である。各R
3はHであることが好ましい。好ましくは、R
4はH、CH
3、またはR
5であり、より好ましくは、CH
3またはR
5である。nは、1〜12であることが好ましく、より好ましくは、2〜10であり、さらにより好ましくは、5〜10である。R
5は、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の部分を有するC
1−6アルキルであり、より好ましくは、ヒドロキシ、エポキシ、グリシジルオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の部分を有するC
1−6アルキルである。好ましくは、「置換」アリールは、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、C
1−10ヒドロキシアルキル、C
2−20アルコキシアルキル、及びヒドロキシルから選択される、より好ましくは、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、及びヒドロキシルから選択される、1つ以上の置換基に置き換えられた、その水素のうちの1つまたは2つ以上を有する任意のアリール部分を指す。例示のアリール及び置換アリール基は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、トリル、キシリル、メシチル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、ヒドロキシアントラセニル等である。例示のアラルキル基は、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、アントラセニルメチル等である。例示のアラルケニル基は、スチレン、ビニルナフチレン、及びビニルアントラセンである。アリール部分として好適な例示の芳香族複素環としては、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン等が挙げられるが、これらに限定されない。式(1)または式(2)のいずれかにおける少なくとも1つのRが、アリール、置換アリール、アラルキル、及びアラルケニルから選択されることが好ましく、好ましくはアリール、置換アリール、及びアラルキル、より好ましくはフェニル、ナフチル、アントラセニル、ヒドロキシフェニル、及びベンジルから選択される。Rに好ましいアルキルまたはアルケニル部分は、C
1−30アルキル及びC
2−30アルケニルであり、より好ましくは、C
1−20アルキルである。少なくとも1つのRが、メチル、エチル、プロピル(イソプロピルまたはn−プロピル)、ブチル(n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、またはイソブチル)、ペンチル(ネオペンチル、イソペンチル、またはn−ペンチル)、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ノルボルネニル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、ヒドロキシフェニル、フェネチル、ナフチルメチル、及びアントラセニルメチルから選択されることが好ましく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、及びフェネチルから選択されることがなおより好ましく、メチル、エチル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びベンジルから選択されることがさらにより好ましい。
【0013】
R
1は、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含むC
2−30有機ラジカルである。R
1は、好ましくは、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含むC
2−20アルキルであり、より好ましくは、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含むC
2−15アルキルである。各R
1は、少なくとも1つの−C(O)−O−C(O)−部分を含み、このような部分の2つ、3つまたはそれ以上を含んでもよい。各R
1は、1つまたは2つの−C(O)−O−C(O)−部分を含むことが好ましく、1つの−C(O)−O−C(O)−部分を含むことがより好ましい。好ましくは、R
1のこの−C(O)−O−C(O)−部分は、5〜7員環状無水物であり、より好ましくは、5員環状無水物である。より好ましくは、各R
1は、以下の式の有機ラジカルから選択され、
【0014】
【化1】
【0015】
式中、R
2は、化学結合またはC
1−20有機ラジカルであり、Aは、5〜7員環状無水物を表し、
*は、シリコンへの接合点を表す。好ましくは、R
2は、C
1−20アルキレン、置換C
1−20アルキレン、C
1−20アルケニレン、または置換C
1−20アルケニレンであり、より好ましくは、C
1−15アルキレン、置換C
1−15アルキレン、C
1−15アルケニレン、または置換C
1−15アルケニレンであり、さらにより好ましくは、C
2−15アルキレンまたは置換C
2−15アルキレンである。Aは、好ましくは、5員環状無水物である。R
1のC
2−30有機ラジカルは、直鎖、分岐鎖または環状であってもよく、1つ以上の水素を1つ以上の置換基部分に置き換えることによって、または1つ以上のヘテロ原子含有部分を炭素鎖に挿入することによって、任意に置換されてもよい。好適な置換基部分は、C
1−20アルキル、C
1−20アルコキシ、C
1−20ヒドロキシアルキル、C
2−30アルコキシアルキル、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、アルキレンオキシ、及びスルホラニルから選択され、より好ましくは、ヒドロキシ、メルカプト、グリシジルオキシ、アルキレンオキシ、及びスルホラニルから選択され、さらにより好ましくは、ヒドロキシ、メルカプト、及びグリシジルオキシから選択される。好適なヘテロ原子含有部分は、オキシ、カルボニル、オキシカルボニル、アミノ、アミド、スルフィド、チオカルボニル等を含む。1つ以上のヘテロ原子部分を含有する例示のRとしては、エーテル、ケトン、エステル、アミン、アミド、スルフィド、及びチオンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
R
1のための例示の基としては、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルエタ−2−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルブタ−4−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルブタ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルペンタ−5−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルペンタ−4−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニル−2,2−ジメチルプロパ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニル−2−メチルプロパ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−2−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−6−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−4−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−3−イル、イソベンゾフラン−1,3−ジオニル−5−エタ−2−イル、イソベンゾフラン−1,3−ジオニル−5−プロパ−3−イル、イソベンゾフラン−1,3−ジオニル−5−ブタ−4−イル、ベンゾ[デ]イソクロメン−1,3−ジオニル−6−プロピル、5−プロピルヘキサヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオン、(3aS,4R,5S,7R,7aS)−5−(トリメトキシシリル)ヘキサヒドロ−4,7−メタノイソベンゾフラン−1,3−ジオン、(3aS,4R,5S,7R,7aR)−5−(トリメトキシシリル)ヘキサヒドロ−4,7−エポキシイソベンゾフラン−1,3−ジオン、ジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオニル−4−メチル、ジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオニル−4−エタ−2−イル、ジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオニル−4−プロパ−3−イル、ジヒドロ−2H−ピラン−2,6(3H)−ジオニ−4−ルヘキサ−6−イル、テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]フラン−1,3(3aH)−ジオニル−3a−プロパ−3−イル、ヘキサヒドロイソベンゾフラン−1,3−ジオニル−3a−エタ−2−イル、及びジベンゾ[c,e]オキセピン−5,7−ジオニル−2−エチルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、R
1は、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルエタ−2−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルブタ−4−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルブタ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルペンタ−5−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルペンタ−4−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニル−2,2−ジメチルプロパ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニル−2−メチルプロパ−3−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−2−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−6−イル、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−4−イル、及びジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−3−イルから選択される。
【0017】
式(1)及び(2)の多種多様なシランモノマーが、本シロキサンポリマーを調製するために使用されてもよい。このようなモノマーは、Sigma−Aldrich(St.Louis、Missouri)またはGelest,Inc.(Tullytown、Pennsylvania)などから一般に市販されており、または文献において既知の方法によって調製されてもよい。このようなモノマーは、そのまま使用されてもよく、または既知の手順を使用してさらに精製されてもよい。式(1)及び(2)の好適なモノマーとしては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリプロピルオキシシラン、ヒドロキシメチルトリブチルオキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、ヒドロキシフェニルトリクロロシラン、ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、ヒドロキシフェニルトリエトキシシラン、グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、グリシジルオキシメチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、メチルグリシジルオキシプロピルジメトキシシラン、メチルグリシジルオキシプロピルジエトキシシラン、メチルグリシジルオキシエチルジエトキシシラン、メチルグリシジルオキシエチルジメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、メルカプトエチルトリメトキシシラン、メルカプトエチルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトシクロヘキシルトリメトキシシラン、ヒドロキシシクロヘキシルトリメトキシシラン、シアノエチルトリメトキシシラン、シアノエチルトリエトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、メチルメルカプトメチルジメトキシシラン、メチルメルカプトプロピルジエトキシシラン、メチルメルカプトプロピルジメトキシシラン、メチルメルカプトエチルジエトキシシラン、エチルメルカプトメチルジメトキシシラン、エチルメルカプトメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルヒドロキシフェニルジメトキシシラン、ヒドロキシメチルフェニルジメトキシシラン、メルカプトメチルフェニルジメトキシシラン、メトキシトリエチレンオキシプロピルトリメトキシシラン、エチレンオキシドの6〜9モルを有する2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]−トリメトキシシラン、エチレンオキシドの9〜12モルを有する2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]−トリメトキシシラン、及びエチレンオキシドの8〜12モルを有する[2−ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上のR基がR
1である、式(1)及び(2)の好適なシランモノマーとしては、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルエタ−2−イルトリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルエタ−2−イルトリエトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−3−イルトリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−3−イルトリエリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルブタ−4−イルトリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルブタ−3−イルトリエトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルペンタ−5−イルトリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルペンタ−4−イルトリエトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニル−2,2−ジメチルプロパ−3−イルトリエトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニル−2−メチルプロパ−3−イルトリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロパ−2−イルトリメトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−6−イルトリエトキシシラン、ジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−4−イルトリメトキシシラン、及びジヒドロフラン−2,5−ジオニルヘキサ−3−イルトリメトキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
式(1)のダイマーは、式X−Si(R)
2−O−Si(R)
2−Xを有する。式(2)のダイマーは、式X
2−Si(R)−O−Si(R)−X
2を有する。式(1)及び(2)の例示のダイマーとしては、テトラメチルジエトキシジシロキサン、テトラメチルジメトキシジシロキサン、テトラフェニルジメトキシジシロキサン、テトラフェニルジエトキシジシロキサン、テトラエチルジメトキシジシロキサン、テトラエチルジエトキシジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、ジフェニルテトラメトキシジシロキサン、ジフェニルテトラエトキシジシロキサン、ジメチルテトラメトキシジシロキサン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン、ジエチルテトラメトキシジシロキサン、ジエチルテトラエトキシジシロキサン、プロピレンオキシドの2〜30モルを有する、ビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドの25〜30モルを有する、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキシド、及びエチレンオキシドの5〜8モルを有する、ビス[3−(トリエトキシシリルプロポキシ)−2−ヒドロキシ−プロポキシ]ポリエチレンオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
好ましくは、本シロキサンポリマーは、式(1)の2つ以上の異なるモノマーまたはそのダイマーを重合単位として含む。本シロキサンポリマーはまた、式(2)の2つ以上の異なるモノマーまたはそのダイマーを、重合単位として含むことが好ましく、式(2)の2つ以上の異なるモノマーまたはそのダイマーを含み、1つのモノマーまたはダイマー中のR基が、別のモノマーまたはダイマー中のR基とは異なることがより好ましく、式(2)中のモノマーまたはそのダイマー中の少なくとも1つのR基がR
1であることがさらにより好ましく、式(2)の各モノマーまたはそのダイマー中の少なくとも1つのR基がR
1であることがさらにより好ましい。さらに、本シロキサンポリマーは、(i)式(1)のモノマー及びそのダイマーならびに式(2)のモノマー及びそのダイマーから選択された3つ以上の異なるシロキサンモノマーを重合単位として含むことが好ましく、本シロキサンポリマーは、(i)式(1)のモノマー及びそのダイマーならびに式(2)のモノマー及びそのダイマーから選択された4つ以上の異なるシロキサンモノマーを重合単位として含むことがより好ましい。より好ましくは、本シロキサンポリマーは、式(1)の2つ以上の異なるモノマーまたはそのダイマーならびに式(2)の2つ以上の異なるモノマーまたはそのダイマーを重合単位として含む。本シロキサンポリマーは、式(1)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマーを重合単位として含み、少なくとも1つのRは、C
6−20アリールまたは置換C
6−20アリールであり、より好ましくは、C
6−20アリールまたはヒドロキシC
6−20アリールであることがさらに好ましい。
【0020】
本シロキサンポリマー中で使用される、少なくとも1つのRがR
1であるモノマーの特定量は、このようなモノマーのある程度の量が存在する限りにおいて、重要ではない。通常、このようなモノマーは、≧1重量%、好ましくは≧5重量%、より好ましくは≧10重量%の量で存在する。このようなモノマーについての通常の上限値は、90重量%、好ましくは85重量%、より好ましくは75重量%、さらにより好ましくは60重量%である。このようなモノマーは、10〜90重量%、より好ましくは10〜75重量%、なおより好ましくは10〜60重量%、さらにより好ましくは15〜60重量%の量で、本シロキサンポリマー中で使用されることがさらに好ましい。本シロキサンモノマーにおいて、モノマーを含むポリマーの総量の≧30%が、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含む。好ましくは、本シロキサンモノマーにおいて、モノマーを含むポリマーの総量の≧35%が、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含み、モノマーの、より好ましくは≧40%が、なおより好ましくは≧50重量%が、さらにより好ましくは30〜100重量%が、さらにより好ましくは40〜100重量%が、なおより好ましくは40〜95重量%が、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含む。本発明のシロキサンポリマーは、≦45重量%のシリコン、好ましくは≦40重量%のシリコン、より好ましくは≦35重量%のシリコンを含む。本発明のポリマー中のシリコンの好適な範囲は、15〜45重量%であり、より好ましくは、15〜40重量%である。
【0021】
本シロキサンポリマーは、(a)式(1)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマー、及び(b)式(2)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマーの、任意に式(1)または式(2)の構造を有さない1つ以上の追加のモノマーの、加水分解物及び/または縮合物である。99:1〜1:99、好ましくは95:5〜5:95、より好ましくは90:10〜10:90、さらにより好ましくは80:20〜20:80などの、式(1)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマーの式(2)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマーに対する任意の好適な重量比が使用されてもよい。いかなる任意のモノマーも本発明のモノマーで任意に共加水分解または共縮合され得るが、但し、このような追加のモノマーが式SiX
4(式中、Xは、上述された加水分解性部分である)を有さないことを条件とする。このような追加のモノマーは、スルフィド結合、スルフォンアミド部分、アニオン性部分、及びこれらの組み合わせを含まないことがさらに好ましく、スルフィド結合、ジ−シランモノマー(すなわち、Si−Si結合を有するモノマー)、スルフォンアミド部分、アニオン性部分、及びこれらの組み合わせを含まないことがより好ましい。本シロキサンポリマーは、式(1)及び(2)のシリコン含有モノマーのみを含むことがさらに好ましい。
【0022】
シロキサンポリマーの調製は、当該技術分野において周知であり、本発明のポリマーを調製するために、任意の好適な方法が使用されてもよい。一般に、本シロキサンポリマーを形成するために使用されるモノマーは、好ましくは、酸性または塩基性のいずれかであり得る触媒の存在下で、任意に1つ以上の有機溶媒の存在下で、水と反応する。好ましくは、酸触媒が使用される。このような反応は、好適な反応温度で行われる。これらのモノマーは、初めに一緒に混合されてもよく、または反応容器に別々に添加されてもよい。使用される水の量は、当業者には周知であり、好ましくは、シランモノマー中に存在する各加水分解性部分に対して0.5〜1.5当量であり、より好ましくは0.75〜1.25当量であるが、より大量のまたはより少量の水が使用されてもよい。本シロキサンポリマーを形成するのに好適な反応温度は、0〜130℃であり、好ましくは5〜120℃である。好適な酸触媒は、鉱酸、カルボン酸、ならびにアルカンスルホン酸及びアリールスルホン酸などのスルホン酸を含む。例示の酸触媒としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、シュウ酸、マロン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びフェノールスルホン酸が挙げられ、好ましくは、酢酸、ブタン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及び塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩基性触媒は、当業者に周知である。一般に、このような酸触媒の量は、シランモノマーに対して0〜1当量の範囲であり、好ましくは0.05〜0.9当量の範囲であり、より好ましくは、0.05〜0.75当量の範囲である。
【0023】
例えば、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族炭化水素、アルカン、ラクトン等の多種多様な任意の有機溶媒が、本シロキサンポリマーの調製において使用されてもよい。例示の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサン、メチル−2−n−アミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、メチル3−メトキシプロピオネート、エチル3−エトキシプロピオネート、tert−ブチルアセテート、tert−ブチルプロピオネート、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。水混和性有機溶媒が好ましい。このような任意の有機溶媒の量は、シランモノマーの総重量に対して、0〜80%であり、好ましくは10〜50%である。
【0024】
あるいは、式(1)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマーと、式(2)の1つ以上のモノマーまたはそのダイマーは、任意に有機溶媒の存在下で、任意に触媒、好ましくは酸触媒の存在下で、初めに水と反応する。このような加水分解及び/または縮合後、結果として得られたシロキサンポリマーは、任意に1つ以上の追加のモノマーと反応し得る。
【0025】
所望の場合、シロキサンポリマーは、例えば、沈殿、結晶化、クロマトグラフィー等の任意の好適な手段によって、混合物から単離されてもよい。シロキサンポリマーは、そのまま使用されてもよく、または当該技術分野において既知の任意の手段によってさらに精製されてもよい。
【0026】
本発明の組成物は、有機溶媒と、1つ以上のシロキサンポリマーと、を含み、各シロキサンポリマーは、(i)式(1)の1つ以上の第1のモノマーまたはそのダイマーと、(ii)式(2)の1つ以上の第2のモノマーまたはそのダイマーとを重合単位として含み、
R
2SiX
2 (1) RSiX
3 (2)
式中、各Rは、独立して、アリール、置換アリール、アラルキル、アルキル、アルケニル、アラルケニル、及びR
1から選択され、R
1は、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含むC
2−30有機ラジカルであり、各Xは、加水分解性部分であり、少なくとも1つのRは、R
1であり、モノマーを含むポリマーの≧30%が、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含み、このポリマーは、式HSiX
3及びSiX
4のモノマーを重合単位として含まない。任意に、これらの組成物は、1つ以上のシロキサンポリマー安定剤、1つ以上の有機ポリマー、本発明のシロキサンポリマーとは異なる1つ以上の二次シロキサンポリマー、1つ以上のコーティングエンハンサー、硬化触媒など、及び前述の成分の任意の組み合わせをさらに含んでもよい。好ましくは、本組成物は、本発明の1つ以上のシロキサンポリマー、1つ以上の有機溶媒、1つ以上のシロキサンポリマー安定剤、1つ以上の有機ポリマー、1つ以上のコーティングエンハンサー、及び硬化触媒を含む。通常、本発明のシロキサンポリマーは、全固形物の0.1〜25%の量で、好ましくは全固形物の0.5〜15%の量で、より好ましくは全固形物の0.5〜10%の量で、組成物中に存在する。本発明の組成物は、1つ以上の本発明のシロキサンポリマー、有機溶媒、及びいずれか任意の成分を、任意の順序で合わせることによって調製されてもよい。
【0027】
様々な有機溶媒が本発明の組成物において使用され得るが、但し、このような溶媒が組成物の構成成分を溶解することを条件とする。溶媒は、単独で使用されてもよく、または溶媒の混合物が使用されてもよい。好適な有機溶媒としては、ケトン(例えば、シクロヘキサノン及びメチル−2−n−アミルケトン)、アルコール(例えば、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、及び1−エトキシ−2−プロパノール)、エーテル(例えば、PGME、PGEE、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、及びジエチレングリコールジメチルエーテル)、エステル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルヒドロキシイソブチレート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、メチル3−メトキシプロピオネート、エチル3−エトキシプロピオネート、tert−ブチルアセテート、tert−ブチルプロピオネート、及びプロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート)、ラクトン(例えば、γ−ブチロラクトン)、及び前述の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい溶媒は、PGME、PGMEA、乳酸エチル、メチルヒドロキシイソブチレート、及びこれらの組み合わせである。
【0028】
1つ以上のシロキサンポリマー安定剤が、任意に本組成物に添加され得る。このような安定剤は、保管中のシロキサンポリマーの望ましくない加水分解または縮合を防止するのに有用である。様々なこのような安定剤が既知である。シロキサンポリマーに好適な安定剤としては、カルボン酸、無水カルボン酸、鉱酸等が挙げられるが、これらに限定されない。例示の安定剤としては、シュウ酸、マロン酸、無水マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、コハク酸、無水コハク酸、及び硝酸が挙げられる。このような安定剤は、全固形物の0〜20%の量で、好ましくは、全固形物の0.1〜15%の量で、より好ましくは、全固形物の0.5〜10%の量で、さらにより好ましくは全固形物の1〜10%の量で使用される。
【0029】
任意に、1つ以上の有機ポリマーが、本組成物に添加され得る。本明細書で使用される場合、用語「有機ポリマー」は、シリコン原子を含まない主鎖を有するポリマーを指す。このような有機ポリマーは、1つ以上のシリコン含有(メタ)アクリレートモノマーを重合単位として含むポリマーなどの、ポリマー主鎖からのペンダントである部分内にシリコン原子を含有してもよい。多種多様な有機ポリマー、例えば(メタ)アクリレートポリマー、ノボラックポリマー、スチレン系ポリマー、ポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ベンズシクロブテンポリマー、ポリエステルポリマー、及び前述のいずれかのコポリマーが使用されてもよい。用語「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を指す。この有機ポリマーは、(メタ)アクリレートポリマーであることが好ましく、メタクリレートポリマーであることがより好ましく、メタクリレートコポリマーであることがさらにより好ましい。好適なメタクリレートコポリマーは、1つ以上のC
1−20アルキルメタクリレートモノマーと、フレーラジカル重合条件下でC
1−20アルキルメタクリレートモノマーと共重合され得る1つ以上のエチレン性不飽和モノマーとを重合単位として含む。例示のC
1−20アルキルメタクリレートモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート等が挙げられる。C
1−20アルキルメタクリレートモノマーと共重合され得るこのようなエチレン性不飽和モノマーは、当該技術分野において周知であり、メタクリル酸、C
1−20アルキルアクリレートモノマー(例えば、メチルアクリレート及びノルボルニルアクリレート)、ヒドロキシC
1−20アルキル(メタ)アクリレートモノマー(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びヒドロキシプロピルアクリレート)、C
6−16アリール(メタ)アクリレートモノマー(例えば、ベンジルアクリレート及びベンジルメタクリレート)、ビニルモノマー(例えば、アリル(メタ)アクリレート、スチレン、及びジビニルベンゼン)等が挙げられるが、これらに限定されない。有機ポリマーが本組成物中で使用される場合、本シロキサンポリマー:有機ポリマーの重量比は、99:1〜50:50であり、好ましくは95:5〜55:45である。好適な有機ポリマーは、一般に市販されており、または文献に既知の様々な方法によって調製され得る。
【0030】
本発明のシロキサンポリマーとは構造的に異なる任意のシロキサンポリマーが、二次シロキサンポリマーとして使用されてもよい。このような二次シロキサンポリマーは、通常、本発明のシロキサンポリマーと相溶性があり、 終ポリマー膜中に増加した割合のシリコンを提供する。使用される場合、本シロキサンポリマー:二次シロキサンポリマーの重量比は、99:1〜50:50であり、好ましくは、95:5〜55:45である。好適な二次シロキサンポリマーは、一般に市販されており、または文献で既知の様々な方法によって調製され得る。1つまたは2つ以上の二次シロキサンポリマーが、本組成物中で使用されてもよい。例示の二次シロキサンポリマーとしては、反応性部分で終端したポリジメチルシロキサン(例えば、無水コハク酸末端ポリジメチルシロキサン、カルビノール末端ポリジメチルシロキサン、及びグリシジルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン)、SiX
4(式中、Xは、加水分解性部分である)を重合単位として含むシロキサンポリマー(例えば、テトラエチルオルトシリケート及びメチルトリエチオキシシランを重合単位と含むシロキサンポリマー)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
コーティングエンハンサーが、基板上に被覆されている組成物の膜または層の品質を改善するために、任意に本組成物に添加される。このようなコーティングエンハンサーは、可塑剤、表面レベリング剤等として機能し得る。このようなコーティングエンハンサーは、当業者に周知であり、一般に市販されている。例示のコーティングエンハンサーは、長鎖アルカノール(例えば、オレイルアルコール、セチルアルコール等)、グリコール(例えば、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等)、及び界面活性剤である。任意の好適な界面活性剤が、コーティングエンハンサーとして使用されてもよいが、このような界面活性剤は、通常、非イオン性である。例示の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシ結合(例えば、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、またはエチレンオキシとプロピレンオキシ結合との組み合わせ)を含有するものである。1つ以上のコーティングエンハンサーが、本組成物中で使用されることが好ましい。コーティングエンハンサーは、通常、全固形物の0〜10%の量で、好ましくは、全固形物の0.5〜10%の量で、より好ましくは、全固形物の1〜8%の量で、本組成物中で使用される。
【0032】
硬化触媒が、シロキサンポリマーの硬化を促進するために、任意に本組成物中で使用される。好ましくは、硬化触媒が、本組成物中で使用される。好適な硬化触媒としては、熱酸発生剤、光酸発生剤、及び4級アンモニウムハライドが挙げられ、好ましくは、熱酸発生剤及び4級アンモニウムハライドが挙げられ、より好ましくは、4級アンモニウムハライドが挙げられるが、これらに限定されない。熱酸発生剤は、熱への曝露時に酸を遊離する任意の化合物である。熱酸発生剤は、当該技術分野において周知であり、King Industries、Norwalk、Connecticutなどから一般に市販されている。例示の熱酸発生剤としては、アミンブロック化ドデシルベンゼンスルホン酸のようなアミンブロック化スルホン酸などのアミンブロック化強酸が挙げられる。多種多様の光酸発生剤が当該技術分野において既知であり、Wako Pure Chemical Industries,Ltd.及びBASF SEなどから一般に市販されている。好適な4級アンモニウムハライドは、ベンジルトリアルキルアンモニウムハライド(例えば、ベンジルレイエチルアンモニウムハライド)、及びテトラアルキルアンモニウムハライド(例えば、テトラメチルアンモニウムハライド、テトラエチルアンモニウムハライド等)である。テトラアルキルアンモニウムハライドは、Sigma−Aldrichなどから一般に市販されている。このような任意の硬化触媒は、全固形物の0〜10%の量で、好ましくは、全固形物の0.01〜7%の量で、より好ましくは、全固形物の0.05〜5%の量で、本組成物中で使用される。
【0033】
本発明の組成物が下層として使用される場合、この組成物は、1つ以上の発色団部分を含むことが好ましい。好ましくは、本発明のシロキサンポリマーのうちの1つ以上、任意の有機ポリマーのうちの1つ以上、任意の二次シロキサンポリマーのうちの1つ以上、またはこれらの任意の組み合わせが、発色団部分を有し、より好ましくは、本発明のシロキサンポリマーの少なくとも1つが、発色団を有する。好適な発色団は、アリール部分、置換アリール部分、アラルキル部分、またはアラルケニル部分であり、例えば、C
6−20アリール、置換C
6−20アリール、C
6−20アラルキル、及びC
8−30アラルケニルである。例示の発色団部分としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ベンジル、フェネチル、トリル、キシリル、スチレニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、好ましくは、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びベンジルが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも(i)式(1)の1つの第1のシランモノマーまたは式(1)のダイマー、もしくは(ii)式(2)の1つの第2のシランモノマーまたは式(2)のダイマー中の少なくとも1つのRが、アリール、置換アリール、及びアラルキルから選択されることが好ましく、C
6−20アリール、置換
6−20アリール、C
6−20アラルキル、またはC
8−30アラルケニルから選択されることがより好ましい。あるいは、任意の有機ポリマーのうちの少なくとも1つが、発色団部分を有する。発色団部分を有する好ましい有機ポリマーは、スチレン、ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、アントラセニル(メタ)アクリレート、アントラセニルメチル(メタ)アクリレート等から選択される、1つ以上のモノマーを重合単位として含むホモポリマー及びコポリマーである。発色団を有する例示の二次シロキサンポリマーとしては、ポリ(フェニルメチルシロキサン)、ポリ(フェニルシロキサン)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本シロキサンポリマーは、基板をパターン化する方法などの様々な電子装置の製造に有用であり、この方法は、(a)上述の組成物で基板をコーティングして、基板上にシロキサンポリマー層を形成することと、(b)シロキサンポリマー層を硬化して、シロキサン下層を形成することと、(c)フォトレジスト層をシロキサン下層上に堆積させることと、(d)フォトレジスト層をパターン露光して、潜像を形成することと、(e)潜像を現像して、レリーフ像を中に有するパターン化されたフォトレジスト層を形成することと、(f)レリーフ像を基板に転写することと、(g)シロキサン下層を除去することと、を含む。任意に、高炭素含有量の有機コーティング層が、ステップ(a)の前に基板上に被覆される。「高炭素含有量」有機コーティングとは、≧60重量%の炭素、好ましくは60〜100重量%の炭素、より好ましくは60〜90重量%の炭素、さらにより好ましくは60〜80重量%の炭素を有する有機コーティングを意味する。
【0035】
本組成物は、例えば、スピンコーティング、スロットダイコーティング、ドクターブレーディング、カーテンコーティング、ローラーコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング等の任意の好適な手段によって、電子装置基板上に被覆されてもよい。通常のスピンコーティング法において、本組成物は、500〜4000rpmの速度でスピンしている基板に、15〜90秒の時間にわたって塗布され、基板上にシロキサンポリマーの所望の層を得る。シロキサンポリマー層の厚さは、スピン速度、ならびに組成物の固体含有量を変更することによって調整され得ることが、当業者には理解されるであろう。
【0036】
多種多様な電子装置基板、例えば、マルチチップモジュールなどのパッケージング基板、平面パネルディスプレイ基板、集積回路基板、有機発光ダイオード(OLED)を含む発光ダイオード(LED)用の基板、半導体ウェハ、多結晶シリコン基板等が、本発明で使用され得る。このような基板は、通常、シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシニトリド、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、アルミニウム、サファイヤ、タングステン、チタン、チタン−タングステン、ニッケル、銅、及び金のうちの1つ以上からなる。好適な基板は、集積回路、光センサ、平面パネルディスプレイ、集積光回路、及びLEDの製造において使用されるものなどのウェハの形態であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「半導体ウェハ」は、「電子装置基板」、「半導体基板」、「半導体デバイス」、ならびに単一チップウェハ、複数チップウェハ、様々なレベルのためのパッケージ、またははんだ付け接続を必要とする他のアセンブリを含む様々なレベルの相互接続用の様々なパッケージを包含することを意図されている。このような基板は、任意の好適なサイズであり得る。好ましいウェハ基板の直径は、200mm〜300mmであるが、より小さい直径及びより大きい直径を有するウェハが、本発明により好適に用いられてもよい。本明細書で使用される場合、用語「半導体性基板」は、半導体デバイスの活性部分または動作可能な部分を含む、1つ以上の半導体層または構造を有する任意の基板を含む。用語「半導体基板」は、半導体性材料を含む任意の構造を意味するよう定義され、この半導体性材料は、単独の、または他の材料を上に備えるアセンブリ内のいずれかの半導体性ウェハなどのバルク半導体性材料、及び単独の、または他の材料を上に備えるアセンブリ内のいずれかの半導体性材料層が挙げられるが、これらに限定されない。半導体デバイスは、少なくとも1つのマイクロエレクトロニクス素子が上にバッチ製作された、またはバッチ製作されている半導体基板を指す。
【0037】
基板上に被覆された後に、シロキサンポリマー層は、いかなる溶媒及び他の比較的揮発性の構成成分も下層から除去するために、任意に、比較的低温でソフトベークされる。通常、基板は≦200℃の温度で、好ましくは、100〜200℃の温度で、より好ましくは、100〜150℃の温度で焼成される。焼成時間は、通常、10秒〜10分、好ましくは30秒〜5分、より好ましくは60〜90秒である。基板がウェハである場合、このような焼成ステップは、ウェハをホットプレート上で加熱することによって行われてもよい。このようなソフトベーキングステップは、シロキサンポリマーの硬化の一部として行われてもよく、または完全に省かれてもよい。
【0038】
次いで、シロキサンポリマー層が硬化され、シロキサン下層を形成する。下層膜の所望の反射防止特性(n及びk値)及びエッチング選択性を依然として維持しながら、膜が下層の上に直接堆積されたフォトレジストまたは他の有機層などのその後に塗布される有機層と混合しないように、シロキサンポリマーは十分に硬化される。シロキサンポリマーは、硬化シロキサン下層をもたらすのに十分な空気などの酸素含有雰囲気中で、または窒素などの不活性雰囲気中で、かつ加熱などの条件下で、硬化されてもよい。この硬化ステップは、好ましくは、ホットプレート型装置上で行われるが、等しい結果を得るために、オーブンによる硬化が使用されてもよい。通常、このような硬化は、シロキサンポリマー層を≦350℃の硬化温度で、好ましくは200〜250℃の硬化温度で加熱することによって行われる。あるいは、二段階硬化プロセスまたは勾配温度硬化プロセスが使用されてもよい。このような二段階及び勾配温度硬化条件は、当業者には周知である。選択される硬化温度は、シロキサンポリマー膜の硬化において補助するように、酸を遊離するために使用される任意の熱酸発生剤に対して十分なものであるべきである。硬化時間は、10秒〜10分、好ましくは30秒〜5分、より好ましくは45秒〜5分、さらにより好ましくは45〜90秒である。 終硬化温度の選択は、主として、所望の硬化速度に依存し、これと共により高い硬化温度は、より短い硬化時間を必要とする。この硬化ステップに続いて、下層表面は、ジシラザン化合物(例えば、ヘキサメチルジシラザン)などの不動態化剤による処理によって、またはいかなる吸着された水も除去するための脱水ベークステップによって、任意に不動態化されてもよい。ジシラザン化合物によるこのような不動態化処理は、通常、120℃で行われる。
【0039】
シロキサンポリマーを硬化してシロキサン下層を形成した後に、フォトレジスト層、ハードマスク層、下面用反射防止コーティング(またはBARC)層等の1つ以上の加工層が、シロキサン下層上に配設されてもよい。例えば、フォトレジスト層は、スピンコーティングによってなど、シロキサン下層の表面上に直接配設されてもよい。あるいは、BARC層が、シロキサン下層上に直接被覆され、その後、BARC層の硬化を行い、フォトレジスト層を硬化されたBARC層上に直接コーティングしてもよい。別の代替法では、有機下層が初めに基板上に被覆されて硬化され、次いで、本発明のシロキサンポリマー層が硬化された有機下層上に被覆され、次いでシロキサンポリマーが硬化されて、シロキサン下層を形成し、任意のBARC層がシロキサン下層上に直接被覆されてもよく、その後、任意のBARC層の硬化を行い、フォトレジスト層を硬化されたBARC層上に直接コーティングする。Dow Electronic Materials(Marlborough、Massachusetts)から入手可能な、EPIC(商標)の商品名で販売されているものなど、193nmのリソグラフィで使用されるものなどの多種多様なフォトレジストが好適に使用され得る。好適なフォトレジストは、ポジティブトーン現像もしくはネガティブトーン現像レジストのいずれであってもよく、または従来のネガティブレジストであってもよい。フォトレジスト層は、次いで、パターン化されたエネルギー線照射を用いて像形成され(露光され)、その後、適切な現像液を用いて現像され、パターン化フォトレジスト層を提供する。このパターンは、次に、フォトレジスト層からいずれか任意のBARC層に転写され、その後、適切なプラズマを用いるドライエッチングなどの適切なエッチング技術によって、シロキサン下層に転写される。通常、フォトレジストはまた、このようなエッチングステップ中に除去される。次に、パターンは、O
2プラズマを用いるドライエッチングなどの適切な技術を用いて存在する任意の有機下層に転写され、次いで、状況に応じて基板に転写される。これらのパターン転写ステップの後に、シロキサン下層、及びいずれか任意の有機下層が、従来の技術を用いて除去される。次いで、電子装置基板は、従来の技術によりさらに加工される。
【0040】
本シロキサンポリマーは、良好なエッチング耐性及び高シリコン含有量(≦45%のSi)を有するシロキサン下層を提供する。本発明のシロキサンポリマー及びシロキサン下層は、湿式剥離性である。「湿式剥離性」とは、本発明のシロキサンポリマー及びシロキサン下層が、シロキサンポリマーまたはシロキサン下層を、水性塩基組成物(例えば、水性アルカリ(通常、約5%)、水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(通常、≧3重量%)などの従来の湿式剥離組成物、または水性フッ化物イオン剥離剤(例えば、フッ化アンモニウム/酸性フッ化アンモニウム混合物)、硫酸と過酸化水素との混合物、もしくはアンモニアと過酸化水素との混合物と接触させることによって、実質的に除去されることを意味する(≧95%の膜厚さ)。本ポリマー、特に本シロキサン下層の特定の利点は、これらが、(i)硫酸と過酸化水素との混合物、または(ii)アンモニアと過酸化水素との混合物のいずれかとの接触の際に、湿式剥離性であるということである。硫酸と過酸化水素との好適な混合物は、濃硫酸+30%の過酸化水素である。アンモニアと過酸化水素との好適な混合物は、1:1:5または1:1:10の重量比のアンモニア+過酸化水素+水の混合物である。シロキサンポリマーまたはシロキサン下層を、(i)硫酸と過酸化水素との混合物、または(ii)アンモニアと過酸化水素との混合物のいずれかと接触させることによって、シロキサン下層の膜厚さの好ましくは≧97%、より好ましくは≧99%が除去される。本シロキサンポリマーの別の利点は、これらが容易に除去され、ウェハなどの基板のリワークを可能にすることである。このようなリワークプロセスでは、本発明の1つ以上のシロキサンポリマーを含む上述の組成物が、基板上に被覆される。被覆されたシロキサンポリマー層は、次いで任意にソフトベークされ、その後硬化されて、シロキサン下層を形成する。次に、フォトレジスト層がシロキサン下層上に被覆され、レジスト層が像形成され、現像される。次いで、パターン化レジスト層及びシロキサン下層は、それぞれ除去され得、ウェハがリワークされることを可能にする。シロキサン下層は、シロキサン下層を除去するのに好適な温度で、上述の湿式剥離組成物(例えば、水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(通常、≧3重量%))及びフッ化物イオン剥離剤(例えば、フッ化アンモニウム/酸性フッ化アンモニウム混合物)などのいずれかと接触され、シロキサン下層を含まない、または実質的に含まない、該当する場合には追加のリワークを受ける用意ができた基板を提供する。このようなリワークとしては、基板上に本シロキサンポリマーの別の層をコーティングすること、及びシロキサンポリマーコーティングを上述のように加工することが挙げられる。
【0041】
実施例1:ポリマーの調製。3つ首丸底フラスコに、熱電対、磁気撹拌棒、N
2供給ライン、バブラー、及び加熱油浴を装備した。ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロピルトリエトキシシラン(9.13g、30ミリモル)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(5.89g、30ミリモル)、テトラメチルジエトキシジシロキサン(16.68g、75ミリモル)及びジフェニルジエトキシシラン(4.08g、15ミリモル)を重量測定し、転写を補助するためのPGMEA(10g、モノマー総重量に対して0.32体積)を用いて、反応器に充填した。別個の容器内で、酢酸(0.575g、9.57ミリモル)及び脱イオン水(14.04g、788ミリモル)を重量測定し、一緒に混合した。得られた酢酸水溶液を周囲温度で反応器に充填した。添加後に二相混合物を得た。バッチを周囲温度で30分間撹拌した。穏やかな発熱作用を観察した(バッチ温度は22℃ から26℃まで上昇し、撹拌の 初の15分間で安定化した)。次いで、油浴温度を110℃に調整し、蒸留を開始した。
【0042】
バッチを還流温度(110℃)で撹拌し、反応の後に、蒸留物を5時間にわたって採集し、所望の蒸留物及び分子量範囲(1200〜1500Da)を達成した。バッチ温度を1時間にわたって周囲温度に調整した。ロータリーエバポレータ浴の温度を45℃に設定することにより、エタノールを用いて、残留水を反応混合物から共沸させた。共沸蒸留後に、ロータリーエバポレータ内に採集された蒸留物を監視した。 終ポリマー溶液の重量平均分子量(M
w)を、ポリスチレン標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定し、1277Daであることを実測した。ポリマー1は、27重量%のシリコン含有量を有した。ポリマー1の構造を、表示されたモノマーの相対量と共に、以下に示す。「R」は、エチル、メチル、またはHを指す。
【0043】
【化2】
【0044】
実施例2:ポリマー2の調製。3つ首丸底フラスコに、熱電対、磁気撹拌棒、N
2供給ライン、バブラー、及び加熱油浴を装備した。ジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロピルトリエトキシシラン(9.13g、30ミリモル)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(5.89g、30ミリモル)、メチルメルカプトプロピルジエトキシシラン(13.53g、75ミリモル)及びメチルフェニルジエトキシシラン(2.73g、15ミリモル)を重量測定し、転写を補助するためのPGMEA(10g、モノマー総重量に対して0.32体積)を用いて、反応器に充填した。別個の容器内で、酢酸(0.575g、9.57ミリモル)及び脱イオン水(14.2g、788ミリモル)を重量測定し、一緒に混合した。得られた酢酸水溶液を周囲温度で反応器に充填した。添加後に二相混合物を得た。バッチを周囲温度で30分間撹拌した。バッチ温度が22℃から26℃まで上昇し、撹拌の 初の15分間で安定化した状態で、穏やかな発熱作用を観察した。次いで、油浴温度を110℃に調整し、蒸留を開始した。
【0045】
バッチを還流温度(110℃)で撹拌し、反応後に、蒸留物を5時間にわたって採集し、所望の蒸留物及び分子量範囲(1200〜1500Da)を達成した。バッチ温度を1時間にわたって周囲温度に調整した。5倍の過剰な水の使用のために、ロータリーエバポレータの浴温度を45℃に設定することにより、エタノールを用いて、残留水を反応混合物から共沸させた。共沸蒸留後に、ロータリーエバポレータ内に採集された蒸留物を監視した。反応混合物の固形物のパーセントを取得し、得られた混合物を、PGMEA中11%の固形物まで希釈した。 終ポリマー溶液を、GPCを用いて分析した。ポリマー2は、1234DaのM
w及び25重量%のシリコン含有量を有した。ポリマー2の構造を、表示されたモノマーの相対量と共に、以下に示す。「R」は、エチル、メチル、またはHを指す。
【0046】
【化3】
【0047】
実施例3:ポリマー3の調製。メルカプトプロピルトリメトキシシランを、30ミリモルのメチルグリシジルオキシプロピルジエトキシシランに置き換え、かつジフェニルジエトキシシランを、適当量のメチルフェニルジメトキシシランに置き換えたことを除いては、実施例1の手順を繰り返して、以下に示すポリマー3を提供し、式中、「R」は、エチル、メチル、またはHを指す。ポリマー3は、1376DaのM
w及び26重量%のシリコン含有量を有した。
【0048】
【化4】
【0049】
実施例4:ポリマー4の調製。テトラメチルジエトキシジシランを、ヒドロキシメチルトリエトキシシランに置き換え、かつこのモノマーのモル量を変更したことを除いては、実施例3の手順を繰り返して、表示されたモノマーの相対量と共に、以下に示すポリマー4を提供した。式中、「R」は、エチル、メチル、またはHを指す。ポリマー4は、2817DaのM
w及び21重量%のシリコン含有量を有した。
【0050】
【化5】
【0051】
実施例5。実施例1または2の手順を繰り返して、以下に示すポリマー5〜7を調製した(式中、Rは、いずれの場合にも、エチル、メチル、またはHである)。ポリマー5のシリコン含有量は、23重量%であり、ポリマー6及び7のそれぞれのシリコン含有量は24重量%であった。ポリマー5〜7は、それぞれ、2616Da、3119Da、及び2026Daの重量平均分子量を有した。
【0052】
【化6】
【0053】
実施例6:比較ポリマー1の調製。3Lの4つ首丸底フラスコに、熱電対、オーバーヘッドスターラー、水冷コンデンサ、追加の漏斗、N
2供給ライン、バブラー、及び加熱マントルを装備した。メチルトリエトキシシラン(99.80g、733ミリモル)、フェニルトリメトキシラン(50.41g、254ミリモル)、ビニルトリエトキシシラン(62.75g、423ミリモル)、及びテトラエチルオルトシリケート(293.77g、1410ミリモル)を、重量測定し、転写を補助するためのPGMEA(466.80g)を用いて、反応器に充填した。撹拌を約200rpmで開始した。別個の容器内で、酢酸(35.52g、592ミリモル)及び脱イオン水(160.02g、8880ミリモル)を重量測定し、一緒に混合した。得られた酢酸水溶液を、追加の漏斗を介して10分にわたって反応器に充填した。添加後に二相混合物を得た。バッチを周囲温度で1時間撹拌した。穏やかな発熱作用を観察し(バッチ温度は22℃から26℃まで上昇し、撹拌の 初の15分間で安定化した)、バッチは均質な透明溶液に変化した。次いで、バッチ温度を85℃に30分にわたって調整し、還流を開始した。
【0054】
バッチを還流温度(82〜85℃)で6時間撹拌し、所望の分子量範囲(M
n:1200±200Da、M
w:3500±500Da)を達成した。反応進行後に、GPCを用いたインプロセス制御(IPC)分析を行った。所望の分子量が達成された後に、バッチ温度を1時間にわたって周囲温度に調整した。PGMEA(333.19g)による希釈後に、バッチを、45℃の水浴温度にて減圧下で、ロータリーエバポレータ上で、正確に30分間にわたり少量ずつ濃縮した。2つの濃縮部分を合わせた後には、バッチの 終重量は、942gであった。バッチをPGMEAでさらに希釈して、2kgの総重量にした(約10重量%)。比較ポリマー1は、42重量%のシリコン含有量を有した。
【0055】
【化7】
【0056】
実施例7:下層サンプルA及びBならびに比較サンプル1を、表1に示す成分を組み合わせることによって調製した。1500rpmのスピン速度で400Åの目標の厚さを有する膜を提供するために、これらのサンプルのそれぞれの総固形物含有量は、3〜3.2%であった。表1中のパーセントは、全て「総固形物の%」である。サンプルのそれぞれは、硬化触媒としてハロゲン化アンモニウムを、コーティングエンハンサーとして長鎖アルカノールを、及びシロキサン安定剤として鉱酸を、表1に報告された量で含んだ。溶媒比は、w/wである。表1中、「HEMA/MMA」は、ヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの40/60モル比でのコポリマーを指し、「EL」は、乳酸エチルを指す。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例8:サンプルA及びBならびに比較サンプル1のそれぞれの膜を、クリーンルーム環境で、TELトラックまたはACT 8ツールを用いて、200nmのシリコンウェハ上にスピンコーティングし、400Åの目標の膜厚さにした。各ウェハ上の膜厚さをサーモウェーブ装置で測定し、クーポンの膜厚さをエリプソメータで測定した。膜を240℃で60秒間硬化させ、シロキサン下層を形成した。下層のシリコン含有量は、サンプルAについては約18%、サンプルBについては約25%、及び比較サンプルについては約40%であった。光学定数(屈折率(n)及び吸光係数(k))を、膜のそれぞれについて決定し、表2に報告する。
【0059】
【表2】
【0060】
実施例9:サンプルA及びBならびに比較サンプル1のそれぞれの膜を、実施例8の手順に従って、200mmのシリコンウェハ上にスピンコーティングし、膜を240℃で60秒間硬化させて、シロキサン下層を形成した。各シロキサン下層膜を、水性テトラメチルアンモニウムハロゲン化物(TMAH、2.38重量%)現像液、PGMEA、またはPGMEA/PGME(30/70w/w)の混合物と接触させた。PGMEAは、シロキサン下層膜のそれぞれと90秒間接触し続け、TMAH及びPGMEA/PGME混合物のそれぞれは、各シロキサン下層膜と60秒間接触し続け、その後、ウェハをスピン乾燥することによって、溶媒を除去した。スピン乾燥された膜を、105℃で60秒間焼成し、いかなる過剰の水または溶媒も除去した。このような溶媒接触ステップの前後のシロキサン下層間の膜厚さにおける差を、膜厚さの損失のパーセントとして、表3に報告する。これらのデータは、本発明のシロキサン下層が、従来のシロキサン下層と同様な溶媒剥離耐性を有することを示している。
【0061】
【表3】
【0062】
実施例10:サンプルA及びBならびに比較サンプル1のそれぞれの膜(約400Å)を、200mmのシリコンウェハ上にスピンコーティングし(1500rpm)、240 ℃で60秒間硬化させて、シロキサン下層を形成した。次いで下層膜を、ブランケット酸素エッチ処理し、炭素下層オープンエッチを模倣した。次いで、シロキサン下層を、濃硫酸(96%)及び過酸化水素(30%)を含有するウェットエッチ溶液と152〜158 ℃の温度で3分間接触させた。ウェットエッチング溶液との接触後のシロキサン下層の厚さを、ブランケット酸素エッチ後の同じ膜の厚さと比較し、ウェットエッチング溶液との接触後に残存しているシロキサン下層のパーセントを表4に報告する。これらのデータ分析は、本発明のシロキサン下層が、硫酸及び過酸化水素を用いる湿式剥離プロセスによって、ほぼ完全に除去されることを示している。
【0063】
【表4】
【0064】
実施例11:サンプルA及びBならびに比較サンプル1のそれぞれの膜(約400Å)を、200mmのシリコンウェハ上にスピンコーティングし(1500rpm)、240 ℃で60秒間硬化させて、シロキサン下層を形成した。次いで下層膜を、酸素プラズマエッチ処理し、それらのエッチ速度を決定した。比較下層は、1の相対的エッチ速度を有し、サンプルAからのシロキサン下層は、2.5の相対的エッチ速度を有し、サンプルBからのシロキサン下層は、1.7の相対的エッチ速度を有した。
【0065】
実施例12:本発明のシロキサンポリマー及び二次シロキサンポリマーを有するサンプルCを、表5に示す成分を組み合わせることによって調製した。サンプルCは、コーティングエンハンサーとして長鎖アルカノールを、硬化触媒としてハロゲン化アンモニウムを、及びシロキサン安定剤として鉱酸を、表5に報告された量で含んだ。表5で報告された溶媒比は、w/wであった。
【0066】
【表5】
【0067】
実施例13:下層サンプルD〜Fを、表6に示した成分を組み合わせることによって調製する。各サンプルは、硬化触媒としてハロゲン化アンモニウムを、コーティングエンハンサーとして長鎖アルカノールを、及びシロキサン安定剤として鉱酸を、表6に報告された量で含む。「ANTMA/HEMA」は、アントラセニルメタクリレートとヒドロキシエチルメタクリレートとの、45/55のモル比でのコポリマーである。「STY/HEMA」は、スチレンとヒドロキシエチルメタクリレートとの、50/50のモル比でのコポリマーである。「SSP1」は、グリシジルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンである、二次シロキサンポリマー1を指す。
【0068】
【表6】
【0069】
実施例14:ポリマー8(以下に示す)を、以下のモノマーを以下の量で用いることを除いては、実施例1の一般的な手順に従って調製し、すなわち、メチルフェニルジメトキシシラン(15ミリモル)、メチルグリシジルオキシプロピルジエトキシシラン(30ミリモル)、及びジヒドロフラン−2,5−ジオニルエチルトリエトキシシラン(55ミリモル)である。ポリマー8のシリコン含有量は、15.7重量%である。
【0070】
【化8】
【0071】
実施例15:サンプルGを、表7に示す成分を組み合わせることによって調製する。サンプルGは、0.1%のハロゲン化アンモニウム硬化触媒を、コーティングエンハンサーとして長鎖アルカノールを、及びシロキサン安定剤として鉱酸を、表7に報告された量で含む。
【0072】
【表7】
【0073】
実施例16:ポリマー9の調製。メチルメルカプトプロピルジエトキシシランを、等モル量のメチルシアノエチルジメトキシシラン(75ミリモル、50.0モル%)に置き換えたことを除いては、実施例2の手順を繰り返し、以下の構造(式中、Rは、エチル、メチルまたはHである)を有する、ポリマー9を提供した。ポリマー9は、1404DaのM
w及び24重量%のシリコン含有量を有した。
【0074】
【化9】
【0075】
実施例17:ポリマー10の調製。ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、メチルグリシジルオキシプロピルジエトキシシラン、及びジヒドロフラン−2,5−ジオニルプロピルトリエトキシシランのそれぞれのモル量を変更したことを除いては、実施例4の手順を繰り返して、以下に示すポリマー10を提供した(式中、Rは、エチル、メチル、またはHである)。ポリマー10は、6080DaのM
w及び21.5重量%のシリコン含有量を有した。
【0076】
【化10】
【0077】
実施例18:ポリマー11の調製。モノマーのモル量を変更したことを除いては、実施例5のポリマー5を生成するために使用した一般的な手順を繰り返して、ポリマー11を調製した(式中、Rは、エチル、メチル、またはHである)。ポリマー11は、1335DaのM
w及び22重量%のシリコン含有量を有した。
【0078】
【化11】
【0079】
実施例19:ポリマー12及び13の調製。実施例1または2の一般的な手順を繰り返して、以下に示すポリマー12及び13を調製し、式中、数は、各モノマーのモル比を指し、Rは、ポリマー12では、エチル、メチル、またはHであり、もしくはポリマー13では、エチル、ヒドロキシエチル、またはHである。ポリマー12は、1538DaのMw及び26重量%のシリコン含有量を有した。ポリマー13は、1470DaのM
w及び20重量%のシリコン含有量を有した。
【0080】
【化12】
【0081】
実施例20:比較ポリマー2〜6の調製。実施例1、2、または6の一般的な手順を繰り返して、以下に示す比較ポリマー2〜6を調製し、式中、数は、各モノマーのモル比を指し、Rは、いずれの場合にも、エチル、メチル、またはHである。比較ポリマー2及び3は、「T」モノマーのみから構成された。比較ポリマー4は、<30%の、ヒドロキシ、メルカプト、エポキシ、グリシジルオキシ、シアノ、アルキレンオキシ、スルホラニル、及び−C(O)−O−C(O)−から選択される1つ以上の官能部分を含むモノマーから構成された。比較ポリマー5は、1つ以上の−C(O)−O−C(O)−部分を含有しなかった。比較ポリマー6は、重合体として、式SiX
4のモノマーから構成された。比較ポリマー2は、2506DaのM
w及び26重量%のシリコン含有量を有した。比較ポリマー3は、4300DaのM
w及び22重量%のシリコン含有量を有した。比較ポリマー4は、842DaのM
w及び31重量%のシリコン含有量を有した。比較ポリマー5は、897DaのM
w、29重量%のシリコン含有量を有した。
【0082】
【化13】
【0083】
【化14】
【0084】
実施例21。表8に列挙したサンプルのそれぞれの膜(約400Åの厚さ)を、200mmのシリコンウェハ上にスピンコーティングし(1500rpm)、240℃で60秒間硬化させて、シロキサン下層を形成した。次いで、下層膜をブランケット酸素エッチ処理し、炭素下層オープンエッチを模倣した。次いで、シロキサン下層を、濃硫酸(96%)及び過酸化水素(30%)を含有するウェットエッチ溶液と152〜158℃の温度で5分間接触させた。ポリマーの≧80%以上が除去された場合に、ポリマーはSPMストリップテストを合格した。
【0085】
【表8】