特許第6643412号(P6643412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6643412自動保持形式圧縮スロットを有する髄内釘
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643412
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】自動保持形式圧縮スロットを有する髄内釘
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/72 20060101AFI20200130BHJP
   A61B 17/92 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A61B17/72
   A61B17/92
【請求項の数】1
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-131381(P2018-131381)
(22)【出願日】2018年7月11日
(62)【分割の表示】特願2017-109025(P2017-109025)の分割
【原出願日】2012年2月14日
(65)【公開番号】特開2018-187416(P2018-187416A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】61/442,397
(32)【優先日】2011年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】オベレス・トム
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−524494(JP,A)
【文献】 特表平06−507330(JP,A)
【文献】 特開平06−277229(JP,A)
【文献】 特開2005−205214(JP,A)
【文献】 特許第4684662(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0221577(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0254126(US,A1)
【文献】 米国特許第04875475(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/72
A61B 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨定着アセンブリであって、
細長い釘本体を備える髄内釘と、
圧縮部材を備え、
前記釘本体は、前記釘本体の長手軸に直交する第1軸方向に前記圧縮部材を受け入れ可能な、前記第1軸方向に延びる複数のポケットを備える圧縮スロットを備え、
前記圧縮部材は、前記圧縮スロットに受け入れられるようなサイズであ
前記複数のポケットは前記長手軸方向に沿って互いに重なりあうように配置されており、前記ポケット同士の間に交差部を備え
前記交差部の前記長手軸及び前記第1軸と直交する軸である第2軸方向における幅が、前記ポケットの前記第2軸方向における最大幅よりも小さく、
前記骨定着アセンブリは、前記圧縮部材に力を印加するように構成された圧縮アクチュエータを備え、
前記圧縮部材は、前記圧縮アクチュエータにより力が印加されることにより、前記ポケットのいずれかに対応する第1の位置から、当該ポケットに隣接するポケットに対応する第2の位置に、前記交差部を通り過ぎて並進し、
記釘本体は、前記釘本体の長手方向外端部から前記圧縮スロットにかけて延在する貫通孔を備え、
前記圧縮スロットは前記釘本体の近位の骨セグメントに取り付けられるように位置づけられた第1部内に延在する、骨定着アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2011年2月14日付の米国特許出願第61/442,397号の利益を主張し、その開示内容の全体はあたかも記載されているかのように参考として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の髄内釘は、近位骨セグメントと、骨の隙間によって近位骨セグメントから分離されている遠位骨セグメントとを画定するように、骨折した長骨の髄管内に挿入されるように構成されている。従来の髄内釘は、ほぼ中心の長手方向軸に沿って細長いものであり、髄内釘の長手方向軸に対し例えば垂直に角をつけてオフセットされた、それぞれの軸に沿って釘を貫通して延在する複数の骨アンカー穴を含んでおり、骨アンカーを受け入れるように構成されている。例えば、骨アンカー穴はほぼ滑らかで、ねじを受け入れるように構成されていてもよく、又は、軸方向の安定を高めるようにねじと結合することができるようにねじ山があってもよい。骨アンカー穴は、隋内釘の近位部を貫通して延在する第1の複数の近位骨アンカー穴と、隋内釘の遠位部を貫通して延在する第2の複数の遠位骨アンカー穴と、に分類することができる。したがって、隋内釘は、骨折した長骨の髄管内に挿入することができ、近位骨アンカー穴が近位骨セグメントと整列し、遠位骨アンカー穴がその骨の隙間の反対側の遠位骨セグメントと整列するようになっている。骨折した長骨に髄内釘を締結し近位骨セグメントと遠位骨セグメントとを互いに対して安定させるように、骨ねじをそれらの骨セグメント及び対応する骨アンカー穴内に打ち込んで、治癒を促進することができる。
【0003】
一部の従来の髄内釘は、骨の隙間を近づけるように近位骨セグメントと遠位骨セグメントとを互いに向かって圧縮する圧縮機構を含む。例えば、遠位骨セグメント及び髄内釘の遠位骨アンカー穴内にねじを挿入して、遠位髄内釘に遠位骨セグメントを固定することができ、近位骨セグメントが遠位骨セグメントに向かって髄内釘に対して並進するように圧縮機構を作動することができる。しかし、従来の圧縮機構の中には、骨の隙間を近づけることはできても、自己保持形式ではないものがある。したがって、遠位骨セグメントを髄内釘の遠位部に固定する間、圧縮は手動で維持される。他の圧縮機構は、遠位骨セグメントが髄内釘の遠位部に固定される間、骨の隙間の接近を維持するように、自己保持形式である。しかし、従来の自己保持形式の圧縮機構は、髄内釘に可動構成要素を典型的に追加するものであり、時間がかかり、使い方が複雑である。
[先行技術文献]
[特許文献1]特表2005−205214号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によると、髄内釘は、第1骨セグメントに取り付けられるように位置づけられる第1部と、ほぼ長手方向に沿って第1部から離間配置され、骨の隙間によって第1骨セグメントから分離されている第2骨セグメントに取り付けられるように位置づけられる第2部と、を画定する釘本体を含む。釘本体は、釘本体の第1部内に延在するスカロップ形スロットを画定し、このスロットは、少なくとも一対の長手方向に離間配置されたポケット及びそれらのポケット間の交差部を画定する。この圧縮スロットは対向する交差部の間で長手方向に対してほぼ垂直な第1幅を画定し、この圧縮は、第1幅に対してほぼ平行な方向に沿って対向するポケットの間に第2幅を画定し、したがって第2幅は第1幅より大きい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本願の好ましい実施形態の上記要約及び以下の詳細な説明は、添付の図とともに読むことにより、更によく理解されるであろう。本開示を例示する目的のために、好ましい実施形態をこれらの図に示す。しかし、本願が開示の特定の実施形態及び方法に限定されず、その目的のためには請求項が参照されることを理解しなくてはならない。図面は以下の通りである。
図1】近位骨セグメントと、骨の隙間によって近位骨セグメントから分離されている遠位骨セグメントとを画定する、骨折した長骨の斜視図。
図2A】近位部と、遠位部と、近位部を貫通して延在する複数の近位骨アンカー穴と、遠位部を貫通して延在する複数の遠位骨アンカー穴と、近位骨セグメントに沿って延在する自己保持形式圧縮スロットと、を有する、髄内釘の側面図。
図2B図2Aに図示した髄内釘の別の側面図。
図2C図2Aに図示した圧縮スロットの拡大側面図。
図2D図2Aの髄内釘の近位部の部分側面図。
図2E】近位部に取り付け可能なインサートを釘本体が含む、代替実施形態により構築された、図2Aに図示した釘本体の近位部の斜視図。
図2F】近位部に取り付けられたインサートを示す、図2Aに図示した釘本体の近位部の斜視図。
図2G図2Aに図示した圧縮スロットは、代替実施形態により構築された交差部によって部分的に画定される、図2Aに図示した髄内釘と同様の髄内釘の一部の斜視図。
図2H図2Gに図示した髄内釘の一部の上面図。
図3図2Aに図示した髄内釘の圧縮スロット内に延在するように構成された圧縮部材の側面図。
図4A】髄内釘に連結された支持部材が示されている、支持枠及び支持部材を含む植え込みアセンブリと、図2Aに図示した髄内釘を含む骨定着アセンブリと、を含む定着システムの斜視図。
図4B図4Aに図示した定着システムの一部が切り取られている部分側面図。
図5図1に図示した骨折した長骨の髄管内に植え込まれた髄内釘を示している、図4に図示した定着システムの斜視図。
図6】髄内釘の遠位部を遠位骨セグメントに定着するように、遠位骨セグメント内に挿入された複数の骨定着ねじ及び髄内釘の対応する遠位骨アンカー穴を含む、骨定着アセンブリを示している、図5に図示した定着システムの斜視図。
図7A】支持枠に連結され髄内釘の圧縮スロットと動作可能に整列されているエイミングスリーブを含む植え込みアセンブリを示している、図6に図示した定着システムの斜視図。
図7B】近位骨セグメント内に及び圧縮スロット内に挿入された骨ねじとして構成された圧縮部材を含む骨定着アセンブリを示している、図7Aに図示した定着システムの斜視図。
図7C】エイミングスリーブが取り外された状態を示している、図7Bに図示した定着システムの斜視図。
図8A】圧縮部材と整列された圧縮アクチュエータを含む植え込みアセンブリを示している、図7Cに図示した定着システムの斜視図。
図8B】支持枠に動作可能に連結された圧縮アクチュエータを示している、図8Aに図示した定着システムの斜視図。
図8C】断面部分を示している、図8Bに図示した定着システムの斜視図。
図8D】骨の隙間を接近させるように圧縮スロットに沿って圧縮部材を移動する、圧縮された位置での圧縮アクチュエータを示している、図8Cに図示した定着システムの斜視図。
図8E図8Dに図示した定着システムの斜視図。
図8F】圧縮アクチュエータが取り外されて、骨の隙間が接近したまま維持されているのが示されている、図8Eに図示した定着システムの斜視図。
図9A】近位骨アンカー穴の1つと整列したエイミングスリーブを示している、図8Eに図示した定着システムの斜視図。
図9B】近位穴セグメント及び近位骨アンカー穴の1つ内に挿入された骨ねじを示している、図9Aに図示した定着システムの斜視図。
図9C】近位穴セグメント及び近位骨アンカー穴の1つ内に挿入された第2の骨ねじを示している、図9Bに図示した定着システムの斜視図。
図10図9Cの植え込みアセンブリが髄内釘から取り外された後の、図2A及び2Bに図示した髄内釘に接近され、定着されている、図1に図示した骨折した骨の斜視図。
図11A】別の実施形態による解放スロットを含む、図2Aに図示した髄内釘と同様の髄内釘の側面図。
図11B図11Aに図示した髄内釘の近位部の部分側面図。
図11C図11Aに図示した髄内釘の一部の拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1を参照すると、ほぼ長手方向に沿って細長い長骨20は、第1すなわち近位の骨セグメント22と、骨折位置28で長手方向の骨の隙間26によって近位骨セグメント22から分離されている第2すなわち遠位の骨セグメント24と、を画定するように、骨折している。骨折した長骨20は図のように一箇所の骨折位置28を画定してもよく、対応する骨の隙間において追加的な骨セグメントを互いから分離する複数の骨折位置を画定してもよい。図の実施形態によると長骨20は上腕骨であるが、長骨20は、近位骨セグメント22を遠位骨セグメント24に固定するように髄内釘を受け入れるために好適な髄管23を画定する体内の任意の長骨であり得る。しかし、骨の隙間26は、長手方向Lに沿って延びる、遠位骨セグメント24への近位骨セグメント22の信頼できる固定のために好適な望ましい距離より大きい骨の隙間距離D1を画定しているので、髄内釘は、治癒中に骨の隙間26にわたって骨セグメント22と24の信頼できる固定を可能にする距離に骨の隙間26を接近させるように構成された圧縮機能を含むことが望ましい。
【0007】
次に図1〜2Dを参照すると、一実施形態にしたがって構築された髄内釘30は、長手方向Lにほぼ沿って延在する長手方向軸31にほぼ沿って細長く延びている釘本体32を含む。例えば釘本体32が長手方向Lに沿ってまっすぐ一直線に延びる場合もあれば、長手方向に沿ってわずかに屈曲する場合もあることを、理解しなくてはならない。髄内釘30は、長手方向軸31が髄管23に沿って延在するように長骨の髄管23内に挿入することができる。一実施形態によると、長手方向軸31は釘本体32の中心軸を画定することができる。釘本体32は望まれる任意の好適な形を画定することができ、図の実施形態によると、長手方向軸31に対してほぼ垂直な平面に沿った断面がほぼ円筒形である。釘本体32は、近位部34、長手方向軸31に沿って近位部34に対して遠位に離間配置されている反対側の遠位部36、及びそれら近位部34と遠位部36との間に置かれている中間部38を画定している。
【0008】
釘本体32は、第1すなわち近位の骨セグメント22に取り付けられるように位置づけられた第1部33、及び長手方向に沿って第1部33から離間配置されている、第2すなわち遠位の骨セグメント24に取り付けられるように位置づけられた、反対側の第2部35を更に画定し、中間部38は第1部33と第2部35との間に延在している。図の実施形態によると、第1部33は釘本体32の近位部34を画定し、第2部35は釘本体32の遠位部36を画定している。あるいは、以下に詳述するように、第1部33が釘本体32の遠位部36を画定してもよく、第2部35が釘本体32の近位部34を画定してもよい。
【0009】
髄内釘30は、更に、釘本体32内に延びて更にそれを貫通して延在することができる複数の骨アンカー穴40を、例えば長手方向軸31に対してほぼ垂直などのような角度をつけてオフセットされた方向に沿って、画定する。骨アンカー穴40は、髄内釘30を長骨20に固定するように構成された相補形の骨アンカーを受け入れるような寸法に作ることができる。例えば、骨アンカー穴40は、髄内釘30を長骨20に締結する釘又はねじのような任意の好適な、対応する骨アンカーを受け入れることができる。骨アンカー穴40の少なくとも一部は、骨ねじの全てであってもよい特定の選択された骨ねじの相補形のねじ山部分とねじ方式で結合するようにねじ付きであり得る。したがって、骨アンカー穴40は、ねじ付きであっても、ねじなしであっても、あるいは横断方向Tに沿ってそれらの長さの一部に沿ってねじ付きであってもよい。骨アンカー穴40は、釘本体32の第1部33に配置されたそのような複数の第1骨アンカー穴40aを少なくとも1つ、及び釘本体32の第2部35に配置された複数の第2の骨アンカー穴40bのような穴を少なくとも1つ、含むことができる。
【0010】
髄内釘30は、第1部33が釘本体32の近位部34を画定し、第2部35が釘本体32の遠位部36を画定するとき、第1部33が近位骨セグメント22の髄管23内に配置され、第2部35が遠位骨セグメント24の髄管23内に配置され、中間部38が骨の隙間26にわたって延在するように、長骨20の髄管23内に最初に挿入されるように構成される。あるいは、髄内釘30は、第1部33が釘本体32の遠位部36を画定し、第2部35が釘本体32の近位部34を画定するとき、第1部33が遠位骨セグメント24の髄管23内に配置され、第2部35が近位骨セグメント22の髄管23内に配置され、中間部38が骨の隙間26にわたって延在するように、長骨20の髄管23内に最初に挿入されるように構成される。したがって、中間部38は、骨の隙間の距離D1より大きい長手方向Lにおける長さを画定するような寸法であり得る。もちろん、骨の隙間26が少なくとも1つの第1骨アンカー穴40aと少なくとも1つの第2の骨アンカー穴40bとの間に長手方向に配置される限り、近位部34又は遠位部36が骨の隙間26にわたって延在してもよいことを理解しなくてはならない。
【0011】
釘本体32は、長手方向Lに対してほぼ垂直に延びる横方向Aに沿って離間配置された第1及び第2の内面37a及び37bを画定する。第1及び第2の内面37a及び37bは、長手方向軸31からほぼ等距離に離間配置されてもよく、第1及び第2の内面37a及び37bの1つが第1及び第2の内面37a及び37bの他方より長手方向軸31に近くに又は遠くに離間配置されるように離間配置されてもよい。第1及び第2の内面37a及び37bは、長手方向Lに対してほぼ垂直な横断方向T及び横方向Aに沿って釘本体32の第1部33内に延びること及び更にそれを貫通して延在することができる圧縮スロット39を画定する。
【0012】
圧縮スロット39は、長手方向Lに沿って細長くてよい。釘本体32の第1部33は、少なくとも釘本体32の第1部33の対応する長手方向外端部から圧縮スロット39にかけて延在する管51を画定することができる。髄内釘30が骨折した長骨20の髄管内に挿入されたときに位置的フレキシビリティを提供するように、第2部35もまた、圧縮スロット39に関して本明細書に記述されているように構築された第2圧縮スロットを画定することができることを理解しなくてはならない。したがって、圧縮スロット39を含むとして記載されている第1部33についての本明細書の説明は、第2部35が圧縮スロット39又は第2圧縮スロットを画定するときは、第2部35にも等しく適用され得る。例えば、釘本体32は、釘本体32の第2部35の対応する長手方向外端部から第2部35に配置された圧縮スロットを通じて延在する管を画定することができる。
【0013】
以下に詳述されるように、圧縮スロット39は、骨の隙間26を減らす所望の長手方向位置において圧縮スロット39内に延びている圧縮部材53(図3を参照)を少なくとも一時的に保持するように構成された自己保持形式圧縮スロットである。図の実施形態によると、圧縮スロット39は釘本体32の近位部34へと延びているが、圧縮スロット39が代わりに釘本体32の遠位部36へと延びてもよいことを理解しなくてはならない。釘本体32の第1部33は、釘本体32の第2部35及び中間部38の1つ又は両方より大きい、直径のような断面距離を画定することができる。換言すると、圧縮スロット39を画定する髄内釘30の部分、例えば近位部34は、髄内釘30のその他の部分の1つ又は両方の直径より大きい、直径のような断面距離を画定することができる。
【0014】
上述のように、髄内釘30は、釘本体32内に延び更にそれを貫通して延在することができる複数の骨アンカー穴40を画定する。複数の骨アンカー穴40は、圧縮スロット39を画定する髄内釘30の第1部33の圧縮スロット39に隣接して配置される複数の第1骨アンカー穴40aのような少なくとも1つの第1骨アンカー穴40a、及び髄内釘30の第2部35に配置された複数の第2骨アンカー穴40bのような少なくとも1つの第2骨アンカー穴40bを含むことができる。実施形態によると、複数の第1骨アンカー穴40aは、髄内釘30の近位部34内に延びている近位骨アンカー穴として構成され、複数の第2骨アンカー穴40bは、髄内釘30の遠位部36内に延びている遠位骨アンカー穴として構成される。複数の第1骨アンカー穴40aの1つ又はそれ以上又は全ては、圧縮スロット39が第1アンカー穴40aと第2端部35との間に長手方向に配置されるように、圧縮スロット39に対して長手方向に外向きに配置され得る。別の方法として又は追加的に、1つ又はそれ以上又は全ての複数の第1骨アンカー穴40aは、第1骨アンカー穴40aが圧縮スロット39と第2端部35との間に長手方向に配置されるように、別の方法として又は追加的に、圧縮スロット39に対して長手方向に内方に配置されてもよい。例えば、図の実施形態によると、複数の第1骨アンカー穴40aは、圧縮スロット39の近位に配置された骨アンカー穴40aを含むことができるが、複数の第1骨アンカー穴40aは、別の方法として又は追加的に、圧縮スロット39の遠位に配置された骨アンカー穴40aを含むことができる。圧縮スロット39が釘本体32の遠位部36に配置される場合、複数の第1骨アンカー穴40aは、圧縮スロット39の遠位に配置された骨アンカー穴40aを含むことができるが、複数の第1骨アンカー穴40aは、別の方法として又は追加的に、圧縮スロット39の近位に配置された骨アンカー穴40aを含むことができる。
【0015】
複数の第1の(42)及び第2の(44)骨アンカー穴40の少なくともいくつか又はそれ以上又は全ては、互いに長手方向に離間配置することができ、別の方法として又は追加的に、互いに対して径方向にオフセットに置かれてもよい。更に、骨アンカー穴40は、長手方向軸31に対して角度をつけてオフセットに置かれた対応する中心軸に沿って延在してもよい。図の実施形態によると、骨アンカー穴40の少なくとも1つ又はそれ以上又は全ては、長手方向軸31に対してほぼ垂直な対応する中心軸に沿って延在してもよい。1つ又はそれ以上又は全ての骨アンカー穴40の中心軸は、互いに対してほぼ平行であってもよく、あるいは又は追加的に、1つ又はそれ以上又は全ての骨アンカー穴40の中心軸は、互いに対して実質的に角度をつけてオフセットに置かれてもよい。
【0016】
次に具体的に図2C〜Dを参照すると、内面37a及び37bは長手方向Lにほぼ細長くすることができる。内面37a及び37bは、横方向Aに沿って互いから離間配置され得る。内面37a及び37bの少なくとも1つ又は両方は、圧縮スロット39がスカロップ形の圧縮スロットともまた呼ばれ得るように、長手方向Lに沿ってスカロップ形であり得る。例えば、内面37a及び37bの少なくとも1つ又は両方は、対応する一連の第1及び第2の領域43a及び43bを画定することができ、それらは圧縮スロット39に対して凹面であり、したがって圧縮スロット39内にそれぞれ対応する複数のポケット45を画定する。図の実施形態によると、内面37a及び37bのそれぞれは4つのポケット45を画定しているが、内面37a及び37bが2つ以上を含む任意の数のポケット45を画定することができることを理解する必要がある。一実施形態によると、内面37a及び37bの少なくとも1つは、細かな増分での圧縮を提供するために長手方向Lに沿って離間配置された少なくとも3つのポケット45を画定することができる。第1領域43aは長手方向Lに沿って互いから離間配置され、第2領域43bは長手方向Lに沿って互いから離間配置される。第1領域43aは横方向Aに沿って第2領域43bから離間配置される。
【0017】
第1及び第2の内面37a及び37bは、隣接する第1領域43aの間で接続される交差部48によって画定され得る対応する首部、及び隣接する第2領域43bの間で接続される対応する交差部48によって画定され得る首部を画定することができる。横方向Aに沿って対向する第1領域43aと第2領域43bは、例えば横方向Aに沿って長手方向軸31に対して垂直に延在する直線が対向する対のポケット45と交差し、例えば二分し、例えば横方向Aに沿って長手方向軸31に対して垂直に延在する直線が、対向する内面37a及び37bの対向する交差部48と交差する、例えば二分するように、整列することができる。したがって、圧縮スロット39は長手方向Lに沿って互いに重なり合う複数の穴47を画定することができると言われている。穴47は、第1及び第2の領域43a及び43bが長手方向Lに沿って延在する際に弧形であり得るように円筒形であり得る。第1及び第2の領域43a及び43bのそれぞれは、第1及び第2の領域43a及び43bのそれぞれが、他の第1及び第2の領域43a及び43bと同等である曲率又は他の第1及び第2の領域43a及び43bの1つ又はそれ以上又は全てと異なる場合がある曲率を画定するように、横断方向Tに沿って延びる対応する軸の周囲で湾曲することができる。
【0018】
釘本体32は、更に、それぞれ、長手方向に対向する第1及び第2の内側端面49a及び49bを画定し、それらは、第1及び第2の内面37a及び37bの対向する長手方向の端の間で接続される。したがって、第1及び第2の内面37a及び37bは、端面49a及び49bの間に延在する。端面49a及び49bは、それぞれ、横断方向Tに沿って延在する対応する軸の周囲で湾曲することができ、端面49a及び49bのそれぞれは、それぞれ対応する第1及び第2の領域43a及び43bの1つ又はそれ以上又は全ての曲率と同じであっても異なっていてもよい曲率を画定する。端面49a及び49b及び長手方向の最も外側の第1及び第2の内面37a及び37bは、互いに協力的に動作して、例えばポケット45の長手方向の最も外側のポケット52a及びポケット45の長手方向に最も内側のポケット52bのような、ポケット45の一対の長手方向の端ポケットを画定することができる。第1及び第2の内面37a及び37bの第1及び第2の領域43a及び43bは、それぞれ、複数の長手方向中間ポケット46のようなポケット45の少なくとも1つの長手方向の中間ポケット46を画定し、この中間ポケット46は端ポケットの間に配置される。したがって、第1及び第2の内面37a及び37bの少なくとも1つ又は両方は、長手方向Lに沿って端ポケット間に配置される複数の中間ポケット46のような少なくとも1つの中間ポケット46を画定することができる。
【0019】
第1及び第2の内面37a及び37b、及びしたがって圧縮スロット39は、横方向Aに沿って測定される第1幅W1を画定する。例えば、第1及び第2の内面37a及び37bの少なくとも1つは、上述のように少なくとも1つの交差部48を画定し、圧縮スロットは、その交差部48と、対向する第1及び第2の内面との間に、第1幅W1を画定する。一実施形態によると、第1及び第2の内面は、長手方向軸31に対してほぼ垂直の方向に沿って横方向Aに沿って、対向する交差部48の間に第1幅A1が画定されるように、対向する交差部48を画定することができる。例えば、対向する交差部48は、中間ポケット46に隣接して又はそれらの間に配置することができ、更に、中間ポケット46の1つと、長手方向の最も外側のポケット52aと長手方向の最も内側のポケット52bとによって画定される端ポケットの1つとの間にも配置することができる。第1及び第2の内面37a及び37b、及びしたがって圧縮スロット39は、対向するポケット45の間に横方向Aに沿って(したがって第1幅W1に対してほぼ平行に)測定される第2幅W2を画定し、この幅は、長手方向Lに沿ってそれぞれ対応する交差部48から離間された場所で、対向する第1及び第2の領域43a及び43bと交差する。第2幅W2は、したがって、第1幅W1に対して平行な方向に沿って延在することができる。図の実施形態によると、第1幅W1は第2幅W2より小さい。図の実施形態によると、第1及び第2の領域43a及び43bは丸く、例えば弧形であり、したがって第2幅W2は円の直径を画定する。第2幅W2は、骨アンカー穴40のそれぞれの直径と同等でも、それ未満でも、それより大きくてもよい。
【0020】
両方の内面37a及び37bは、図の実施形態によると、それぞれ対応するポケット45及び交差部48を画定することができるが、代替実施形態によると、面37a及び37bの1つだけがポケット45及び交差部48を画定し、面37a及び37bのもう1つにはポケット及び交差部がなく、長手方向に沿ってほぼ真っ直ぐに延在してもよい又は所望の任意の形を画定してもよいことを、理解しなくてはならない。したがって、圧縮スロット39は、少なくとも1つの交差部48を通って対向する表面37aと37bとの間に延在する第1幅W1を画定することができ、更に、第1幅に対して平行な方向に沿って少なくとも1つのポケット45を通って対向する表面37a及び37bとの間に延在する第2幅W2を画定し、ポケット45及び交差部48は長手方向Lに沿って交互に配列される。
【0021】
図の実施形態によると、交差部48は第1幅W1が圧縮スロット39の長さに沿ってほぼ一定であるように位置づけられているが、第1幅W1が圧縮スロット39に沿って長手方向L沿いに変化してもよいことを理解しなくてはならない。更に、第2幅W2がそれぞれ対応するポケット45の最大の横方向の深さの場所で画定されるとき、第2幅W2は、図の実施形態によると圧縮スロット39の長さに沿ってほぼ一定であるが、別の方法として第2幅W2が圧縮スロット39に沿って長手方向L沿いに変化してもよいことを理解しなくてはならない。圧縮スロット39に沿って幅W1及びW2の1つ又は両方を変化させることは、以下に詳述するように骨の隙間26を近づけるために例えば第1及び第2骨セグメント22及び24を互いに対して圧縮するときに、圧縮スロット39に沿って圧縮部材53を打ち込むために好適な付勢圧縮力の増加又は減少を生成することができる。一実施形態によると、W2とW1との差は、例えば最低約0.2mm〜最高約2.0mmのような任意の所望の範囲内であり得る。例えば、第2幅W2は所望の寸法であり得、約1.5mm〜約10mmの範囲内であり得る。更に、第1幅W1は所望の寸法であり得、約1.3mm〜9.8mmの範囲内であり得る。例えば、W2が1.5mmのとき、W1は1.3mmであり得る。別の例として、W2が10mmのとき、W1は8mmであり得る。図の実施形態によると、長手方向に沿った内側ポケット45のそれぞれの長さは、2[(W2/2)−(W1/2)1/2と定義され得る。図の実施形態によると、最も外側のポケット52a及び52bのそれぞれの長さは、[W2/2−((W2/2)−(W1/2)1/2]と定義され得る。髄内釘30は、例えば17.5mm未満など、所望により長手方向Lに対してほぼ垂直な方向に沿って任意の好適な外径を画定することができる。
【0022】
上述のように、圧縮スロット39は釘本体32によって画定される。例えば、図2A〜Dに図示した実施形態では、釘本体32の第1及び第2の内面37a及び37b並びに釘本体32の第1及び第2の端面49a及び49bは、釘本体32と一体且つモノリシックであり得る。したがって、圧縮スロット39は、釘本体32と一体且つモノリシックな、釘本体32の表面によって画定され得る。あるいは、次に図2E〜Fを参照すると、釘本体32は、釘本体32の、近位部34及び遠位部36の1つ又は両方にそれぞれ対応して取り外し可能に取り付け可能なインサート61を含むことができる。インサート61は、第1及び第2の内面37a及び37b並びに第1及び第2の端面49a及び49bの少なくとも1つ又はそれ以上、例えば全てを画定することができる。したがって、圧縮スロット39はインサート61によって支持され得る。釘本体32は、釘本体32のそれぞれ対応する第1及び第2の部分33及び35の少なくとも1つ又は両方の少なくとも内部に又は内部を貫通して延在する開口63を画定することができる。開口63は、圧縮スロット39が釘本体32の第1及び第2の部分33及び35の1つ又は両方にそれぞれ支持されるようにインサート61を受け入れる寸法であり得る。インサート61は、第1及び第2の部分33及び35の1つ又は両方にインサート61をそれぞれ対応して取り付けるように、対応する開口63内に挿入することができる。釘本体32は、釘本体32のそれぞれ対応する近位部34及び遠位部36の1つ又は両方によって支持される一対のインサート61を含むことができる。
【0023】
また、図3を参照すると、圧縮部材53は、中心軸Aに沿って頭部54、及び頭部54から延出しているシャフト56を有する骨アンカーとして構成され得るねじ山のない釘又はねじ山のあるねじとして構成することができる。シャフト56は、図の実施形態のようにねじ山56aを含んでもよく、あるいはねじ山がなくてもよく、例えば円筒形のような所望の形に作ることができ、滑らかであり得、中間ポケット46と外側ポケット52a、52bとの間で移動するように構成することができる。圧縮部材53は、髄内釘30を長骨20に固定するように、骨アンカー穴40を貫通して延在するような寸法に作られた複数の骨アンカー86(図10を参照)とほぼ同一の寸法及び形に作ることができる。例えば、圧縮部材53は、選択された1つの骨アンカー86を画定するように、複数の骨アンカー86から選択することができる。図の実施形態によると、シャフト56は最大断面外径D(直径であり得る)を画定する。例えば、最大断面外径Dは、シャフト56が圧縮スロット39に配置されたときに内面37aと37bとの間で横方向Aに沿って測定することができ、したがって、最大外径Dは圧縮スロット39の第1幅W1より大きい。したがって、第1及び第2の隣接するポケット45の間に置かれる交差部48は、第1のポケット45から第2のポケット45へのシャフト56の移動に干渉し、それに対する抵抗を提供する。この抵抗は、最大断面外径Dと第1幅W1との間の差が増すにつれて増す。以下の説明から理解されるように、長手方向Lに沿って圧縮部材53に付加される接近力は、交差部48とシャフト56との間の干渉により定められる抵抗を克服するために十分であり得るので、圧縮部材53が圧縮スロット39の隣接したポケット45へと移動することが可能になる。シャフト56の最大断面外径Dは、少なくとも1つのポケット45によって画定される第2幅W2より小さくてもよく、ほぼ同等であってもよく、シャフト56はポケット45内に入れ子状に受け入れられる寸法である。あるいは、シャフト56の断面距離Dは、第2幅W2より大きくてもよいが、その場合、シャフト56の最大断面外径Dが第1幅W1より大きい量よりも少ない量だけ第2幅W2より大きくてもよい。
【0024】
シャフト56と内面37a及びbの少なくとも1つ又は両方はエラストマーであり得、したがって、一時的に弾性的に可撓性であり得るので、第1幅W1はシャフト56の断面寸法(例えば直径)とほぼ同等となり、シャフト56は第1のポケット45から、第1のポケット45と隣接する第2のポケット45との間に置かれた対応する交差部を通り過ぎて、第2のポケット45内へと並進することができる。更に、第1及び第2の領域43a及び43bをそれぞれ画定し、隣接した交差部48から測定されたときの横方向に沿った深さを画定するように、長手方向に延在する内面37a及び37bに傾斜をつけてもよい(例えば、上述のように曲線的に又はほぼ直線に)。第1及び第2の領域43a〜bの深さは、それぞれ対応するポケット45を二分することができるそれぞれ対応する長手方向中間点で最大となり得る。したがって、ポケット45は、ほぼ長手方向中間点で最も深くなり得る。したがって、圧縮部材53に対する第1及び第2の領域43a及び43bの抵抗は、圧縮部材53がポケット45の1つから対応する交差部48にむかって移動するにつれて増加することができる。この抵抗は、圧縮部材53が交差部を超えて移動する際に最大となり得、圧縮部材53が交差部48から隣接するポケット45内に移動するにつれて減少し得る(移動を支援するように負の抵抗となり得る)。図の実施形態によると、内面37a及び37bは、互いに対して離れる方向に弾力的且つ弾性的に可撓性であり、シャフト56はほぼ剛性である。例えば、圧縮部材53、及びしたがってシャフト56は、所望により、チタン又は他の好適な硬い金属を含む任意のほぼ剛性の材料で作ることができる。
【0025】
図2A〜Dに図示したように、内面37a及び37bは、交差部が横断方向Tに沿って細長い、縁27を画定するように、交差部48で収束することができる。したがって、交差部48は、実質的にV形であり得る。しかし、交差部48が所望により任意の好適な寸法及び形を画定し得ることを理解しなくてはならない。例えば、図2G〜Hに図示したように、交差部48は、横断方向Tに沿って延び更に長手方向Lにそれぞれ対応する内面37a、bの長さに沿って延在する細長い表面29を画定することができる。表面29は長手方向Lに沿ってほぼ真っ直ぐでもよく、又は長手方向Lに沿って延びるにつれて湾曲してもよい。交差部48の1つ以上が縁27を画定できること、あるいは又は加えて、交差部48の1つ以上が表面29を画定できることを理解しなくてはならない。
【0026】
再び図2A〜D及び4Bを参照すると、釘本体32は、髄内釘30を支持するように構成された支持部材78(図7Aを参照)の相補形係合部材82に取り外し可能に取り付けるように構成された係合部材58を更に含むことができ、支持部材78に対して可動である圧縮アクチュエータ92(図8Aを参照)は、圧縮部材53を圧縮スロット39に沿って並進させる接近力を圧縮部材53に付加するように構成される。図の実施形態によると、係合部材58は、髄内釘30によって画定され長手方向Lに沿って釘本体32の第1部33の長手方向外側末端内まで延在するボア57として構成することができる。したがって、図の実施形態によると、係合部材58は、釘本体32の近位部34の外端(例えば近位端)内に遠位方向に延在するボア57を画定する。代替実施形態によると、圧縮スロット39は、釘本体32の遠位部36に画定され得、ボア57は、遠位部36の長手方向外端(例えば遠位端)内に近位方向に延在することができる。釘本体は、支持部材78の相補形の係合部材のねじ山と結合するようにねじ方式であり得る、ボア57を取り巻く内部ねじ山59を画定することができる。
【0027】
また、図4A〜Bを参照すると、骨定着システム60は、植え込みアセンブリ62と骨定着アセンブリ64とを含むことができる。骨定着アセンブリ64は、髄内釘30と、圧縮部材53(図3を参照)と、髄内釘30を骨折した長骨20に定着するように骨アンカー穴40を貫通して延在するように構成された複数の骨アンカー86(図10を参照)と、を含むことができる。植え込みアセンブリ62は、支持枠76と、1つ以上のエイミングスリーブ90(図7Aを参照)と、支持部材78と、を含むことができ、更に、圧縮アクチュエータ92(図8Aを参照)を含むことができる。したがって、骨定着システム60の構成要素を少なくとも1つ、例えばいずれか1つ又はそれ以上又は全てを含むキットを提供することができ、キットは、異なる寸法及び形で構築された髄内釘30のような骨定着システム60の構成要素を含むことができる。
【0028】
図4A〜Bを引き続き参照すると、支持枠76は、長手方向Lに沿って細長いアライメント本体66と、アライメント本体66から例えば長手方向に対して垂直などの角度をつけてオフセットされ得る第1方向に沿って延出しているハンドル68と、アライメント本体66から例えば長手方向に対してほぼ垂直などの角度をつけてオフセットされた方向に沿って延出している支持アーム70と、を含む。支持アーム70は、ハンドル68がアライメント本体66から延出している方向に対して反対方向に沿ってアライメント本体66から延出することができる。アライメント本体66は、互いから長手方向に離間されている、それぞれが例えば支持アーム70の近位端71aなどで支持アーム70に取り付けられるように構成された複数の取り付け場所72のような取り付け場所を少なくとも1つ含み、それにより支持アーム70を、複数の長手方向に離間された場所72のうちの選択された1つにてアライメント本体66に取り付けることができる。例えば、取り付け場所72は、アライメント本体66内に又はそれを貫通して延在している、例えばノブのような連結具73を受け入れる寸法の開口として構成され、この連結具は、取り付け場所内に又はそれを貫通して選択的に延在し、取り付け場所72の1つにてアライメント本体66に支持アーム70を固定するように支持アームの近位端71aに固定されるように構成されている。取り付け場所72が長手方向において互いから離間しており、支持アーム70がその遠位端71bにて髄内釘30を支持するように構成されているために、支持アーム70が装着された取り付け場所72は、支持枠76に対する髄内釘の長手方向の位置を少なくとも部分的に決定することができる。
【0029】
図の実施形態によると、支持アーム70は支持部材78を支持するように構成された係合部材を含み、隋内釘30をアライメント本体66に対して既定の場所に保持する。例えば、支持アーム70の係合部材は、支持アーム70の遠位端71bを貫通して長手方向に延在している、支持部材78を受け入れるような寸法の開口74として構成することができる。支持アーム70は肩部75を画定することができ、この肩部は開口74を画定し、支持部材78を支持するように構成された座面を提供する。
【0030】
引き続き図4A〜Bを参照すると、支持部材78は長手方向に細長いシャフト80を含み、このシャフトは支持アーム70の遠位端71bを貫通して延在し、第1近位端81a及び、ほぼ長手方向Lに沿って第1近位端81aから遠位方向に離間配置された反対側の第2遠位端81bを画定する。支持部材78は、髄内釘30の係合部材58に固定されるように構成された係合部材をその遠位端81bに含むことができる。具体的には、支持部材78は、例えば支持部材78の遠位端81bに係合部材82を含み、この係合部材は、髄内釘30を支持部材78に取り外し可能に取り付けるように、髄内釘30のボア57の内部ねじ山59と結合する外部ねじ山89として構成することができる。このように、支持部材78は、髄内釘30のねじ山59と係合部材82のねじ山89とを結合することによって支持枠76に髄内釘30を取り外し可能に固定するように構成される。
【0031】
支持部材78は、シャフト80の近位端81aに取り付けられるノブ84を含むことができる。例えば、ノブ84は、シャフト80と一体且つモノリシックであってもよく、又は、長手方向Lに延在する軸の周囲でシャフト80に回転可能に連結されるように、シャフト80に別個に取り付けられてもよい。例えば、ノブ84及びしたがってシャフト80が髄内釘30に対して第1の方向に沿って回転されるにつれて、支持部材78のねじ山89が釘本体32のねじ山59を捉えて、支持部材78を髄内釘30に固定する。ノブ84、及びしたがってシャフト80が髄内釘30に対して第1の方向と逆の第2の方向に沿って回転されるにつれて、支持部材78のねじ山89が釘本体32のねじ山59を捉えて、支持部材78を髄内釘30から外す。
【0032】
支持部材78は、更に、支持アーム70の係合部在に取付けられるように構成された第2係合部材を含む。支持部材78のノブ84は、支持アーム70の肩部75に当たって休止するように構成された内部肩部83を画定して、支持枠76に対して長手方向Lに沿った遠位移動に関して、支持部材78を支持枠76に対して固定することができる。支持部材78は、所望の任意の好適な代替的な接続方法を用いて支持枠67に連結されてもよい。
【0033】
髄内釘30は、釘本体32の第1部33及び第2部35の長手方向外端の1つ又は両方で先端部41を画定する末端部を画定することができる。図の実施形態によると、先端部41は、釘本体32の第2部35の外端から延びている。例えば、図の実施形態によると、先端部41は、釘本体32の近位部34が圧縮スロット39を画定するとき、釘本体32の遠位部36の長手方向遠位端に配置される。先端部41は、長手方向Lにほぼ沿って長骨20内に打ち込まれるように構成される。図の実施形態によると、先端部41、及びしたがって髄内釘は、例えば長骨20の頭部を通じて近位骨セグメント22内へと、及び長骨の髄管23内へと(図1を参照)打ち込むことができ、それにより、釘本体32の近位部34は近位骨セグメント22の髄管23内に配置され、釘本体32の遠位部36は遠位骨セグメント24の髄管23内に配置され、中間部38は骨の隙間26をわたって延在する。支持アーム70は、遠位端71b内に又は遠位端71bを貫通して延在する複数の可視化窓を画定して、長骨20内の髄内釘30の深さを視覚的に決定するのを可能にすることを助けることができる。
【0034】
図2A〜B及び図6を参照すると、釘本体32の第2部35は、骨折した長骨20の対応する骨セグメントに固定することができる。図の実施形態によると、釘本体32の近位部34は圧縮スロット39を画定し、釘本体32の遠位部36は遠位骨セグメント34に固定される。例えば、複数の骨アンカー86のような少なくとも1つの骨アンカー86が、遠位骨セグメント24内に挿入され、且つ複数の第2骨アンカー穴40bの対応する穴の内部に又はそれを貫通して挿入されて、遠位骨セグメント24を、回転運動に関して、及び特に長手方向Lに沿った相対的併進に関して、釘本体32の第2部35に固定する。図の実施形態によると、骨ねじとして構成され得る一対の骨アンカー86は、複数の第2骨アンカー穴40bの対応する一対の内部に、又はそれを貫通して、挿入され得る。骨アンカー86は、エイミングアーム又は任意の好適なシステムを用いて第2骨アンカー穴40bと整列される任意の好適なエイミングスリーブを通じて挿入することができ、このシステムは、骨アンカー86を第2骨アンカー穴40bと整列させ、骨アンカー86を骨折した長骨20内へ駆動し、且つ第2骨アンカー穴40bへと打ち込むように構成される。第2骨アンカー穴が遠位骨セグメント24内及び対応する第2骨アンカー穴40b内へと打ち込まれた後は、遠位骨セグメント24、髄内釘30、及び支持部材78の全てが、長手方向に沿った相対並進に関して互いに固定されることを理解しなくてはならない。
【0035】
次に図2A〜3及び図7A〜Cを参照すると、骨アンカー86の少なくとも1つが釘本体32の第2部35を、例えば図のように遠位骨セグメント24のような近位及び遠位骨セグメント22及び24の最初の1つに取り付けた後は、圧縮部材53を、圧縮スロット39と整列している例えば近位骨セグメント22のような第1及び第2骨セグメント22及び24の他の内部に挿入し、更に圧縮スロット39内に、及びそれを貫通して、挿入することができる。別の方法として、少なくとも1つの骨アンカー86によって釘本体32の第2部35が長骨20に取り付けられる前に、圧縮部材53を長骨20内に、及び更に圧縮スロット39内に又はそれを貫通して、挿入してもよいことを理解しなくてはならない。したがって、圧縮部材53を最初に遠位骨セグメント24内に、及び選択されたポケット45内に打ち込むことができ、したがって、選択されたポケットの(例えば、釘本体32の第1部33から、釘本体32の第2部35に向かう方向に沿って)遠位に配置されている、例えば骨の隙間の距離D1と少なくともほぼ同等の距離などである所望の任意の長手方向の距離にかけてその選択されたポケットから離間されている、少なくとももう1つの他のポケット45を圧縮スロット39が画定するようにすることができる。
【0036】
図の実施形態によると、支持フレーム76は、長手方向Lにおいてアライメント本体66に沿って離間配置され、エイミングスリーブ90を受け入れるサイズである、複数の案内開口88のような少なくとも1つの案内開口88を画定し、このエイミングスリーブは、少なくとも1つのポケット45がその選択されたポケット45の内部に長手方向に配置されるように、管挿入され得るものであり、圧縮スロット39の選択された1つのポケット45と動作可能に整列するように所望の案内開口88内に位置づけることができる。図の実施形態によると、選択されるポケット45は、長手方向最外端のポケット52aであってもよく、又は所望により中間のポケット46のいずれであってもよい。釘本体32の第1部33が図のように近位部34であるとき、長手方向最外端のポケット52aは最も近位のポケットである。釘本体32の第1部33が別の実施形態にしたがって遠位部36であるとき、長手方向最外端のポケット52aは最も遠位のポケットである。一実施形態によると、エイミングスリーブ90は、長手方向に沿って選択されるポケット45と最も内側のポケット52bとの間の距離が骨の隙間の距離D1(図1を参照)と少なくとも同等であるように、選択されるポケット45と整列することができ、したがって、長手方向に沿った圧縮スロット39内の圧縮部材53の移動は、骨の隙間の距離D1をおよそゼロまで減らすことができる。
【0037】
また、図8A〜Cを参照すると、エイミングスリーブ90が、選択されたポケット45と整列した後は、圧縮部材53を、釘本体32の第1部33と整列している骨セグメント内に打ち込むことができる。図の実施形態によると、圧縮部材53を、近位骨セグメント22内に、及び、長手方向外端のポケット52a又は中間ポケット46のうちの1つであり得る選択されるポケット45内に、及びそれを貫通して、打ち込むことができる。エイミングスリーブ90を支持フレーム76から取り外して、圧縮部材53を近位骨セグメント22に少なくとも一時的に又は永久に固定し、圧縮スロット39内に挿入することができる。このように、圧縮部材53は、長手方向における並進に関して、近位骨セグメント22に固定することができる。
【0038】
圧縮部材53が近位骨セグメント22及び圧縮スロット39内に挿入され、遠位骨セグメント24が相対長手方向移動に関して釘本体32の遠位部36に締結された後、圧縮アクチュエータ92を動作可能に圧縮部材53に係合し、次いで、支持部材78に対して、及びしたがって釘本体32並びに遠位骨セグメント24に対して、第1の位置から圧縮された位置へと移動することができる。圧縮アクチュエータ92は、圧縮部材53に動作可能に係合するように構成され、それにより、図のように遠位方向を画定することができる例えば骨の隙間26に向かう長手方向Lに沿った圧縮アクチュエータ92の移動は、圧縮部材53もまた近位骨セグメント22とともに遠位骨セグメントの方へ並進させて、骨の隙間26を接近させる。
【0039】
図の実施形態によると、圧縮アクチュエータ92は、近位端94及び、長手方向Lに沿って近位端94から離間された遠位端95を有するシャフト93を含むことができる。圧縮アクチュエータ92は、シャフト93の外面により支持されている例えばねじ山96である係合部材を含むことができる。支持部材78は、圧縮アクチュエータ92を支持部材78に、及びしたがってまた支持枠76に取り外し可能に取り付けるために、圧縮アクチュエータ92のねじ山96と結合するねじ山77のような相補形の係合部材を支持することができ、それにより圧縮アクチュエータ92は髄内釘30に対して可動である。例えば、支持部材78は、ノブ84及びシャフト80の1つ又は両方を貫通して延在することができ、圧縮アクチュエータ92の外部ねじ山96と結合するように構成された内部ねじ77を提供することができる、管79を画定することができる。圧縮アクチュエータ92のシャフト93は、支持部材78及び管79のシャフト80の距離より大きい距離にかけて長手方向Lに沿って延在することができるので、圧縮アクチュエータ92の少なくとも遠位端95が支持部材78の外へ長手方向に延びるように管79を通じてシャフト93を挿入することができる。圧縮アクチュエータ92は、シャフト93から近位方向に延在するノブ98を含むことができる。例えば、ノブ98はシャフト93と一体且つモノリシックであってもよく、又は、ノブ98が長手方向Lに延在する軸の周囲の相対的回転に関してシャフト93に連結されるように、シャフト93に別個に取り付けられてもよい。
【0040】
したがって、支持部材78に対する第1の方向(この方向は係合方向とも呼ばれる場合がある)への圧縮アクチュエータ92の回転によって、ねじ山96がねじ山77を捉えて、支持部材78に圧縮アクチュエータ92が固定される。支持部材78に対する第2の方向(この方向は、第1の方向と逆であり、解放方向とも呼ばれる場合がある)への圧縮アクチュエータ92の回転によって、ねじ山96は支持部材78から圧縮アクチュエータ92を取り外すようにねじ山77を捉える。支持部材78に対する第1の方向への圧縮アクチュエータ92の回転が、釘本体32の第1部33から釘本体の第2部35に向かって、図の実施形態によると遠位方向を画定する長手方向Lに沿って、圧縮アクチュエータ92を釘本体32に対して進めることを理解しなくてはならない。支持部材78に対する第2の方向への圧縮アクチュエータ92の回転が、釘本体32の第2部35から釘本体の第1部33に向かって、図の実施形態によると近位方向を画定する長手方向Lに沿って、圧縮アクチュエータ92を釘本体32に対して後退させる。このように、圧縮アクチュエータ92は、支持部材78に取り外し可能に連結することができ、長手方向Lにおける遠位並進に関して、圧縮部材53に取り外し可能に固定することができる。
【0041】
圧縮アクチュエータ92は、支持枠76、髄内釘30、及び髄内釘30の第2部35に固定された遠位骨セグメント24に対して長手方向に移動可能であるように、支持部材78に取り付けられる。圧縮アクチュエータ92が支持部材78及びしたがって支持枠67並びに隋内釘30に対して長手方向Lに沿って並進するように、所望により任意の代替方法によって圧縮アクチュエータ92を支持部材78に取り付けることができることを理解しなくてはならない。例えば、一実施形態によると、ラック・アンド・ピニオンによって圧縮アクチュエータ92を支持部材78に、及びしたがって支持枠76並びに髄内釘30に、可動に接続して、長手方向Lに対してほぼ垂直の軸周囲での回転によって圧縮アクチュエータ92が支持部材78及び髄内釘30に対して遠位に並進できるようにすることができる。更に別の方法として、圧縮アクチュエータ92に付加された遠位並進力は、支持部材78及び髄内釘30に対して遠位方向への圧縮アクチュエータ92の並進を引き起こすことができる。
【0042】
圧縮アクチュエータ92の遠位端95は、圧縮アクチュエータ92が支持部材78に取り付けられ、支持部材78に対して遠位方向に移動する際に、長手方向Lに沿って圧縮部材53と少なくとも部分的に整列する隣接面97として構成することができる係合部材を画定する。結果的に、支持部材78に対する圧縮アクチュエータ92の遠位並進は、圧縮アクチュエータ92の遠位端95の隣接面97を圧縮部材53と接触させ、支持部材78に対する圧縮アクチュエータ92の更なる回転は、隣接面97、及びしたがって圧縮アクチュエータ92の遠位端95が、圧縮付勢力を圧縮部材53に付加することを引き起こし、それが、釘本体32の第1部33から釘本体32の第2部35に向かう、図のように遠位方向であり得る方向における、圧縮スロット39に沿った圧縮部材53の並進を促し、近位及び遠位の骨セグメント22及び24をそれぞれ圧縮して、骨の隙間26を接近させる。
【0043】
隣接面97は、シャフト93に対して一体且つモノリシックであってもよく、又は、シャフト93又は圧縮アクチュエータ92の任意の他の部品に別個に取り付けられてもよい。例えば、隣接面97は、ノブ98及びシャフト93の1つ又は両方に対して回転可能であってよく、したがって、圧縮アクチュエータ92の回転の際に、隣接面97は、付勢力を圧縮部材53に付加する際に、回転に関して静止したまま留まることができる。例えば、隣接面はシャフト93に対して回転可能であり得る。別の方法として、又は追加的に、シャフト93はノブ98に対して回転可能であり得る。またあるいは、隣接面97は、圧縮部材53に付勢力を付加する際にノブ98とともに回転することができる。このように、圧縮アクチュエータ92は、圧縮部材53に付勢力を付加するように構成され、この付勢力は、圧縮部材53と内面37a及び37bとの間で、例えば交差部48において、機械的干渉によって圧縮部材53に付加される保持力より大きい。したがって、この付勢力は、スカロップ形の圧縮スロット39に沿って圧縮部材53を移動させる接近力を画定することができる。
【0044】
上述のように、内面37a及び37bは、例えばポケット45の長手方向中間点から隣接交差部48に向かって、ポケット45から一方向に沿って傾斜している。更に、隣接した内面37a及び37bの間の幅W1は、圧縮部材53のシャフト56の断面距離より小さい。したがって、内面37a及び37bは、付勢力Fが圧縮部材53を交差部48の方へ、例えば対応するポケット45の中間点から促すにつれて、圧縮アクチュエータ92の圧縮付勢力Fに対向する、反発抵抗力を圧縮部材53に提供する。圧縮アクチュエータ92の付勢力Fが、例えば圧縮アクチュエータ92が支持部材78に対して更に回転されるにつれて、圧縮部材53の抵抗力より大きいレベルの接近力に到達すると、圧縮部材53のシャフト56及び内面37a、37bの少なくとも1つ又は両方が変形することができ、それにより、シャフト56の最大断面外径Dが交差部48の幅W1とほぼ同等になるまで、シャフト56の最大断面外径Dを一時的に減少すること(図3)及び/又は交差部48の幅W1を一時的に増加すること(図2C)ができる。例えば、シャフト56及び内面37a、37bの1つ又は両方は、圧縮部材53が圧縮スロット39に沿って移動するにつれて弾性的に変形することができる。あるいは、シャフト56及び内面37a、37bの1つ又は両方は、圧縮部材53が圧縮スロット39に沿って移動するにつれて可塑的に変形することができる。したがって、圧縮アクチュエータ92が長手方向Lに沿って並進し、圧縮部材と係合された後は、図8C〜Dに示したように、髄内釘30に対する圧縮アクチュエータ92の更なる並進が、隣接面97による圧縮部材53への接近力Fの付加を引き起こし、それにより、圧縮スロット39の順に並んだポケット45に沿って、抵抗力に対して圧縮部材53が徐々に動かされることになる。一実施形態によると、長骨20が例えば上腕骨であるとき、この接近力は約100Nであり得る。長骨20が大腿骨であるとき、圧縮力は最高約500Nまで上昇することができる。長骨20が脛骨であるとき、接近力は約100N〜約500Nの間であり得る。したがって、接近力は約100N〜約500Nの範囲内であり得る。
【0045】
図の実施形態によると、シャフト56が最初の穴47から、その最初の穴47に隣接した第2の穴47への交差部48に沿って移動するにつれて、内面37a及び37bの1つ又は両方は、中立位置に対して横方向に沿って拡張した内面37a及び37bのもう1つに対して中立位置から変形された位置へと弾性的に変形し、したがって、幅W1は横方向に沿ってシャフト56の最大断面寸法Dとほぼ等しい。シャフト56が第2の穴47内に移動するにつれて、内面37a及び37bの拡張した1つ又は両方が中立位置に戻ることによって、第1幅W1はシャフト56の最大断面寸法Dより小さくなる。理論により束縛されるものではないが、特定の実施形態では、シャフト56にねじ山があると、ねじ山56a(図3を参照)は例えば交差部48である内面37a及び37bに切り込むことができ、それにより、シャフト56が第1のポケット45から第2のポケット45へと移動するにつれて、内面37a及び37bに例えばトラックの形状をした変形を作り出すことができる。しかし、シャフト56が第2のポケット45に入った後は、ねじ山56aは、内面37a及び37bにそれまで作られていたトラックと自然に整列しない。結果として、一実施形態によると、ねじ山56aは、シャフト56が第1のポケット45に戻るようにするために内面37a及び37bに新しいトラックを作り出すことになる。この新しいトラックの生成には、第2のポケット45から第1のポケット45に向かう方向に沿っての大きい力が伴うことになるので、ねじ山56aと内面37a、37bとの間の干渉はシャフトを第2のポケット45に保持するのを助ける。シャフト56が第2の穴47から、その第2の穴47に隣接した第3の穴47への交差部48に沿って更に移動するにつれて、内面37a及び37bの1つ又は両方は、中立位置に対して横方向に沿って拡張した内面37a及び37bのもう1つに対して中立位置から変形された位置へと弾性的に変形し、したがって、幅W1は横方向に沿ってシャフト56の最大断面寸法Dとほぼ等しくなる。シャフト56が第3の穴47内に移動するにつれて、内面37a及び37bの拡張した1つ又は両方が中立位置に戻ることによって、第1幅W1はシャフト56の最大断面寸法Dより小さくなる。
【0046】
したがって、図8D〜Eを参照すると、シャフト56の断面距離が交差部48の幅W1とほぼ等しくなった後は、圧縮アクチュエータ92により圧縮部材53に付加される接近力が、第1のポケット45から隣接する遠位の交差部48を通過して、第1ポケットに隣接した、釘本体32の第1部33から釘本体32の第2部35の方へ向かう方向に沿って第1ポケットから離間配置されている第2ポケット45内へと、圧縮部材53を並進させる。圧縮部材53、及び特にシャフト56は、相対的長手方向移動に関して釘本体32の第1部33に対応する骨セグメントに更に固定されるので、圧縮部材53の移動は、対応する骨セグメントを対向する骨セグメントの方へ並進させる。図の実施形態によると、圧縮部材53は、相対的長手方向移動に関して近位骨セグメント22に固定され、圧縮部材53の遠位移動は、それにより、近位骨セグメント22を対向する遠位骨セグメント24の方へ遠位方向に並進させ、それにより、骨の隙間26を、隙間距離D1より小さい第2の長手方向の隙間距離へと接近させる。圧縮スロット39内の圧縮部材53が引き続き並進することによって、圧縮部材53が順次遠位のポケット45へと並進させられて、それにより、隙間距離の更なる減少をもたらすことができる。圧縮部材53は、例えば、第1及び第2骨セグメント22、24が互いに隣接し、骨の隙間26が骨の隙間距離D1より小さい所望の長手方向の距離まで減少するまで、最終的なポケット45へと並進することができる。骨の隙間26が減少した後は、圧縮部材53に対してすぐ近位に配置された交差部48の1つとの干渉が、骨の隙間26を増す可能性のある、長手方向Lに沿って近位及び遠位骨セグメント22、24が互いから離れるように付勢する傾向のあり得る力に対する反発抵抗力を、圧縮部材53に提供する。
【0047】
代替実施形態によると、上述したように、釘本体の第1部33は、圧縮スロット39が釘本体32の遠位部36によって画定され、したがってそれに配置され得るように、釘本体の遠位部36を画定することができる。したがって、選択されたポケットの(例えば、釘本体32の第1部33から、釘本体32の第2部35に向かう方向に沿って)近位に配置されている、例えば骨の隙間の距離D1と少なくともほぼ同等の距離などである、所望の任意の長手方向の距離にかけてその選択されたポケットから離間されている少なくとももう1つの他のポケット45を圧縮スロット39が画定するように、圧縮部材53を最初に遠位骨セグメント24内へ、及び選択されたポケット45内へと、打ち込むことができる。したがって、支持部材78は、上述のように長手方向Lに沿った相対的な近位移動に関して釘本体32の近位34に固定することができ、圧縮アクチュエータ92は、支持部材78に取り付けることができ、圧縮スロット39に沿って近位方向に圧縮部材53を付勢するように構成することができ、それにより、骨の隙間26を接近させるように、近位骨セグメント22の方へ近位方向に遠位骨セグメント24を並進することができる。
【0048】
髄内釘30に接続されたとき、圧縮部材53を介して髄内釘30に作用する圧縮アクチュエータ92の付勢力Fによる移動に対して支持部材78が髄内釘30を安定化することができることを理解しなくてはならない。支持部材78は図の実施形態によると圧縮アクチュエータ92を受け入れる髄内釘30の端部と同じ端部に取り付けられているが、支持部材78は釘本体32に沿って任意の場所で髄内釘30に取り付けられてもよく、代替方法として、支持部材78が骨アンカー86及び骨セグメント24を介して圧縮アクチュエータ92によって付加される付勢力に応じた移動に対して髄内釘30を安定化するように、支持部材78が、長手方向移動に対して、髄内釘30に固定された骨セグメント(図の実施形態による遠位骨セグメント24)に取り付けられてもよい。
【0049】
更に別の方法として、圧縮アクチュエータ92により付加される付勢力にヒトの生体構造が抵抗するように、植え込みアセンブリ62には支持部材78がなくてもよい。例えば、例示の一実施形態によると、遠位骨セグメント24及び隣接した生体構造に近接した生体関節は、骨アンカー86により髄内釘30に取り付けられる遠位骨セグメント24を介して髄内釘30を安定化することができる。植え込みアセンブリ62に支持部材78がない場合、支持部材78又は任意の好適な代替手段に関して上述したやり方又は任意の好適な代替的なやり方で、圧縮アクチュエータ92を支持枠76に可動に取り付けることができる。
【0050】
圧縮部材53が圧縮スロット39内に挿入されたとき、釘本体32の第1部33の特定の第1の複数の骨アンカー穴40aが圧縮スロット39に対して長手方向に外方に配置され、圧縮部材53と整列することができるので、圧縮アクチュエータ92が圧縮部材53から解放されて髄内釘30から取り外される前に、圧縮アクチュエータ92のシャフト93が第1の複数の骨アンカー穴40を通じて打ち込むことができる特定の骨アンカー86と干渉することができることは、理解されなくてはならない。このように、圧縮アクチュエータ92及び支持部材78は、代替的に又は追加的に、1つ以上の第1骨アンカー穴40aが、所望により、圧縮スロット39の長手方向内向きの場所に配置され得る。更にまた別の方法として、1つ以上の第1骨アンカー穴40aは、第1骨アンカー穴40aを通じて打ち込まれる骨アンカー86との干渉からシャフト93が外されるように、長手方向Lに対してほぼ垂直な方向に沿って圧縮部材53に対してオフセットすることができる。
【0051】
例示の実施形態によると、圧縮アクチュエータ92が付勢力Fを圧縮部材53に直接付加するが、別の方法として、圧縮アクチュエータ92の隣接面97が、例えば釘本体の第1部33と整列している骨セグメント(例えば、例示の実施形態によると、近位の骨セグメント22)に付勢力Fを付加することによって、付勢力Fを間接的に圧縮部材53に付加することができることは、理解されなくてはならない。近位骨セグメント22に付加される遠位方向の力は圧縮部材53に伝えられ、圧縮部材53が上述のようなやり方で骨の隙間26を接近させるために圧縮スロット39に沿って並進するように圧縮部材53を付勢することを可能にする。
【0052】
図8Eを参照すると、例えば骨セグメント22と24が互いに隣接するように骨の隙間26が減少した後は、圧縮アクチュエータ92を取り外すことができる。例示の実施形態によると、圧縮アクチュエータ92は、係合方向と逆の解放方向に回転することができ、それにより、シャフト93の遠位端にて隣接面97が長手方向Lに沿って近位方向に並進し、圧縮部材53から離れるように引き戻される。係合方向への圧縮アクチュエータ92の回転が続けられることにより、圧縮アクチュエータ92は支持部材78から外れ、したがって、支持枠76及び髄内釘30もまた外れる。圧縮アクチュエータ92が外された後は、圧縮部材53に隣接する交差部48が、圧縮部材53に干渉し、圧縮部材53が最後の1つのポケット45の外へ近位方向に並進することを防ぎ、それにより、生体構造による破壊力が骨の隙間26を増加することを防ぐ。したがって、圧縮スロット39は圧縮部材53を最後の1つのポケット45内に保持し、それにより、第1及び第2骨セグメント22、24を隣接した関係に維持する。
【0053】
次に図9A〜Cを参照すると、圧縮アクチュエータ92が髄内釘30から取り外された後は、シャフト93もまた、長手方向外方又は圧縮スロット39に関して近位に配置された第1骨アンカー穴40aに対しての干渉から解放される。したがって、複数の骨アンカー86を、釘本体32の第1部33に対応する近位骨セグメント22内に、及び釘本体32の第1部33内及びそれを貫通して延在する対応する第1骨アンカー穴40a内に、打ち込むことができる。図6に図示したように、骨アンカー86が既に遠位骨セグメント24を釘本体32の第2部35に締結しているので、髄内釘30の第1部33への近位骨セグメント22の取り付けは、既に接近されている骨の隙間26により分離されている近位及び遠位骨セグメント22、24に髄内釘30を固定する。例えば、図9Aに図示したように、枠部材87を通じて延在する複数の案内開口88の1つを通じてエイミングスリーブ90を挿入して、エイミングスリーブ90を釘本体32の第1部33内及びそれを貫通して延在する第1の複数の骨アンカー穴40の1つと整列することができる。したがって、骨アンカー86をエイミングスリーブ90の管内に挿入し、近位骨セグメント22内に打ち込み、次いで、骨アンカー穴40内に又はそれを貫通して打ち込んで、釘本体32の第1部33を骨セグメント22に固定することができる。髄内釘30が第1又は近位の骨セグメント22に適切に締結されるまで、必要な数の骨アンカー86を骨セグメント22及び髄内釘30に取り付けることができる。次いで、図10に図示したように、支持枠76及び支持部材78を髄内釘30から取り外すことができる。図10に図示したように圧縮部材53は長骨20及び圧縮スロット39内に植え込まれたまま残されてもよく、又は、外科手術を完了する前に圧縮スロット39から取り外してもよい。
【0054】
図1〜10を参照すると、概ね一実施形態では、長手方向Lに沿って第1骨セグメント22から離間されている第2骨セグメント24から第1骨セグメント22を分離している骨の隙間26である長骨20の骨の隙間26を減少するための方法33を提供することができる。この方法は、髄内釘30を長骨20の髄管23内に挿入する工程を含み、髄内釘30の中間部分38のような一部分が骨の隙間26にわたって延在する。この方法は、更に、第1及び第2骨セグメント22、24のうちの1つに、第1及び第2骨セグメント22、24のうちの1つである固定された骨セグメントに対する長手方向の移動に関して、対応する髄内釘30を固定する工程を含むことができる。この方法は、圧縮部材53を第1及び第2骨セグメント22、24の少なくとも他方内に挿入し、更に、髄内釘30により画定されたスカロップ形圧縮スロット39の少なくとも第1ポケット45内へと挿入する工程を更に含むことができる。この方法は、第1ポケット45から上述のように交差部48の1つにより画定され得る首部をわたって第2ポケット45へと圧縮部材53を移動させるように、髄内釘30を支持する1つで圧縮部材53に遠位接近力を付加する工程を更に含むことができ、首部は、例えば横方向Aに沿って対応する圧縮部材53の断面寸法より小さい断面寸法を有し、第2ポケット45は骨の隙間26を減少するために長手方向Lに沿って第1ポケット45から離間配置されている。この方法は、本明細書に記載したような追加的工程のいずれを含んでもよい。
【0055】
髄内釘30が所望の任意の好適な代替実施形態により構築され得ることを理解しなくてはならない。例えば、図11A〜Cを参照すると、髄内釘30は圧縮スロット39から延出して釘本体32内で終端する少なくとも1つのリリーフスロットを含む。例示の実施形態によると、髄内釘30は、横断方向Tに沿って釘本体32内に又はそれを貫通して延在する第1又は近位のリリーフスロット99a及び第2又は遠位のリリーフスロット99bのような少なくとも1つのリリーフスロットを含むことができる。例示の実施形態によると、第1リリーフスロット99aは圧縮スロット39に対して開いており、且つ最も外側のポケット52aに対して開いている。例示の実施形態によると、第2リリーフスロット99bは圧縮スロット39に対して開いており、且つ最も内側のポケット52bに対して開いている。第1リリーフスロット99aは主部100aを画定し、この主部は圧縮スロット39から近位に延びて主部100aから近位に延びる末端101aで終端し、圧縮スロット39に対して近位方向に離間配置され、第1穴40aの少なくとも1つ又はそれ以上又は全てから遠位方向に離間配置されている。第2リリーフスロット99bは主部100bを画定することができ、この主部は、圧縮スロット39から遠位方向に延び、圧縮スロット39に対して遠位方向に離間配置されている末端101bで終端する。
【0056】
第1及び第2のリリーフスロット99a、99bは、横方向Aに沿って対応する幅W3及びW4を画定し、したがってそれらは、例えば、それぞれ主部100a、100bにおいて、それぞれW1及びW2に対してほぼ平行である。幅W3とW4は互いにほぼ同等であってもよく、異なっていてもよい。例えば、主部100aの幅W3は、主部100bの幅W4より大きくても小さくてもよい。更に、幅W3及びW4は、それぞれ、第1及び第2の主部100a、100bの長さに沿ってほぼ一定であり得る。あるいは、幅W3は圧縮スロット39から離れる近位方向に沿って増加しても減少してもよい。同様に、あるいは幅W4が、圧縮スロット39から離れる方向に沿って増加しても減少してもよい。それぞれの末端101a及び101bは、主部100a及び100bのそれぞれ近位端及び遠位端に重なる円筒形の穴を画定することができ、並びに、任意の好適な形を画定することができる。
【0057】
第1及び第2のリリーフスロット99a、99bは、長手方向Lに沿って最も外側及び最も内側のポケット52a、52bのすぐ横に隣接する釘本体32の剛性を低減することができる。例えば、第1及び第2のリリーフスロット99a、99bは、対応する末端101a及び101bでそれぞれのヒンジを画定することができる。内面37a、37bを互いから離れるように付勢する圧縮部材53に付加される力に応じて、第1及び第2のリリーフスロット99a、99bによって画定されるヒンジは横方向Aに沿って拡大することができ、それにより、第3及び第4の幅W3、W4を増し、さらにそれにより、保持力を克服し第1及び第2の内面37a、37bの1つ又は両方を、圧縮部材のシャフト56の最大断面寸法D(図3を参照)とほぼ同等の距離まで第1幅W1を増す距離にかけて、第1及び第2の内面37a、37bの他方に対して拡大するために必要な力は、髄内釘30が第1及び第2のリリーフスロット99a、99bを含んでいないときに、第1及び第2の内面37a、37bの1つ又は両方を第1及び第2の内面37a、37bの他方に対して、圧縮部材のシャフト56の最大断面寸法D(図3を参照)とほぼ同等の距離まで第1幅W1を増す距離へと拡大するために圧縮部材53に付加する必要のある力と比較して、少なくなる。第1及び第2の内面37a、37bが、接近力及び保持力の両方を低減することができ、第1及び第2の内面37a、37bに沿ったシャフト56の並進によって生成され得る屑もまた低減することができることを、理解する必要がある。十分に高い保持力を提供し、動作中にできるだけ少ない量の屑をもたらす一方で予測可能な接近力を決定するために、第1及び第2のリリーフスロット99a、99bは、第3及び第4の幅W3、W4における寸法にすることができる。
【0058】
本開示及びその利点について詳細に説明してきたが、様々な変更、代用、及び修正が、添付の特許請求の範囲で定義する本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解されたい。更に、本開示の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されることを意図したものではない。更に、本明細書に記載の一実施形態との組み合わせとして説明される構造、特徴、及び方法は、それに反する言及がなされない限り、本明細書に記載の任意の他の実施形態に適用可能であり得る。本明細書に記載の対応する実施形態とほぼ同じ機能を行う又はほぼ同じ結果を達成する既存の又は将来開発されるプロセス、機械、製造、物質の複合、手段、方法、又は工程が本開示にしたがって使用され得ることを、本発明の開示から当業者は容易に理解するであろう。
【0059】
〔実施の態様〕
(1) 骨定着アセンブリであって、
長手方向に沿って延在する長手方向軸にほぼ沿って細長い釘本体を有する髄内釘であって、前記釘本体は、第1骨セグメントに取り付けられるように位置づけられた第1部、及び前記長手方向に沿って前記第1部から離間して、前記第1骨セグメントから骨の隙間によって分離された第2骨セグメントに取り付けられるように位置づけられた第2部を画定し、前記釘本体は、前記釘本体の前記第1部内に延在する圧縮スロットを画定し、前記圧縮スロットは、少なくとも一対の長手方向に離間した端ポケットと、前記端ポケットの間に配置された中間ポケットとを含む複数のポケット及び、隣接した前記ポケット間の交差部を画定する、髄内釘を含むものであり、
前記圧縮スロットは前記交差部の1つにおいて前記長手方向に対してほぼ垂直な第1幅を画定し、前記圧縮スロットは、前記第1幅に対してほぼ平行な方向に沿って前記ポケットの1つにおいて第2幅を画定し、前記第2幅は前記第1幅より大きい、骨定着アセンブリ。
(2) 前記ポケットが、前記端ポケット間に配置された少なくとも一対の中間ポケットを更に含む、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
(3) 前記釘本体が、ほぼ長手方向に細長い一対の対向する内面を画定し、前記内面の少なくとも1つが前記ポケットを画定する、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
(4) 前記対向する内面のそれぞれが、前記複数のポケットのうちの1つを画定する、実施態様3に記載の骨定着アセンブリ。
(5) 前記少なくとも1つの内面が、前記ポケットのそれぞれから一方向に沿って、前記交差部のうちの対応する交差部まで傾斜している、実施態様3に記載の骨定着アセンブリ。
【0060】
(6) 前記少なくとも1つの内面が、前記ポケットから前記対応する交差部まで曲線的に傾斜している、実施態様5に記載の骨定着アセンブリ。
(7) 前記一対の対向する内面が前記釘本体とモノリシックである、実施態様3に記載の骨定着アセンブリ。
(8) 前記釘本体が、前記第1部及び第2部のうちの少なくとも1つに取り付け可能なインサートを更に備え、前記インサートが前記圧縮スロットを画定する、実施態様3に記載の骨定着アセンブリ。
(9) 前記内面の少なくとも1つが、前記ポケットを画定するためのほぼ弧形の領域を含む、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
(10) 前記圧縮スロットが、前記長手方向に対して垂直に延びて、前記交差部の1つにおいて前記内面により画定されている、第1幅、及び前記第1幅に対して平行に延びて、前記ポケットの1つにおいて前記内面により画定されている、第2幅を画定し、前記第2幅は前記第1幅より大きい、実施態様3に記載の骨定着アセンブリ。
【0061】
(11) 前記第1幅より大きい断面寸法を有する圧縮部材を更に備える、実施態様10に記載の骨定着アセンブリ。
(12) 前記圧縮部材が前記ポケットの1つから前記交差部を通過し、前記ポケットの別の1つへと移動することができるように、前記圧縮部材又は前記第1及び第2の内面のうちの一方の少なくとも1つが圧縮可能である、実施態様11に記載の骨定着アセンブリ。
(13) 前記圧縮部材の前記断面寸法が前記第2幅より小さい、実施態様12に記載の骨定着アセンブリ。
(14) 前記圧縮部材の前記断面寸法が前記第2幅とほぼ同等である、実施態様12に記載の骨定着アセンブリ。
(15) 前記髄内釘が、前記髄内釘を骨に定着するためにそれぞれの骨アンカーを受け入れるように構成された複数の骨アンカー穴を更に画定する、実施態様12に記載の骨定着アセンブリ。
【0062】
(16) 前記複数の骨アンカー穴が、前記釘本体の前記第1部内に延在する少なくとも1つの第1骨アンカー穴、及び前記釘本体の前記第2部内に延在する少なくとも1つの第2骨アンカーを含む、実施態様15に記載の骨定着アセンブリ。
(17) 前記第1骨アンカー穴が、前記圧縮スロットの長手方向に外方に配置される、実施態様16に記載の骨定着アセンブリ。
(18) 前記圧縮スロットと前記第1骨アンカー穴が前記第1骨セグメントと整列し、前記第2骨アンカー穴が前記第2骨セグメントと整列するように、前記髄内釘が、前記第1骨セグメント及び前記第2骨セグメントを画定する骨折した骨の髄管内に挿入されるような寸法である、実施態様16に記載の骨定着アセンブリ。
(19) 相対的長手方向移動に対して、前記髄内釘を前記第1及び第2骨セグメントに固定するように、前記骨アンカー穴内に延在するように構成された複数の骨アンカーを更に備える、実施態様15に記載の骨定着アセンブリ。
(20) 前記髄内釘が、前記第1及び第2骨セグメントのうちの近位の1つの中に遠位方向に挿入されるように構成され、この近位骨セグメントは前記第1及び第2骨セグメントのうちの遠位のもう一方から骨の隙間によって離間されており、前記釘本体の前記第1部が近位部であり、前記圧縮スロットが前記近位骨セグメントと整列し、前記圧縮部材が前記ポケットの前記1つから遠位方向に前記ポケットの前記別の1つへと移動するように構成されるようになっている、実施態様12に記載の骨定着アセンブリ。
【0063】
(21) 前記圧縮スロットから延出し、前記釘本体で終端する、少なくとも1つのリリーフスロットを更に備える、実施態様10に記載の骨定着アセンブリ。
(22) 前記リリーフスロットが、前記第1幅及び第2幅に対して平行な幅を画定し、前記リリーフスロットの前記幅が前記第1幅より小さい、実施態様21に記載の骨定着アセンブリ。
(23) 前記圧縮スロットから延出し、前記釘本体で終端する、少なくとも1つのリリーフスロットを更に備える、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
(24) 前記リリーフスロットが第1リリーフスロットであり、前記圧縮スロットから延びて前記釘本体で終端する第2リリーフスロットを更に備え、前記第1リリーフスロットが前記圧縮スロットから近位方向に延び、前記第2リリーフスロットが前記圧縮スロットから遠位方向に延びるようになっている、実施態様23に記載の骨定着アセンブリ。
(25) 前記髄内釘が、前記髄内釘を骨に定着するためにそれぞれの骨アンカーを受け入れるように構成された複数の骨アンカー穴を更に画定する、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
【0064】
(26) 前記複数の骨アンカー穴が、前記釘本体の前記第1部内に延在する少なくとも1つの第1骨アンカー穴、及び前記釘本体の前記第2部内に延在する少なくとも1つの第2骨アンカーを含む、実施態様25に記載の骨定着アセンブリ。
(27) 前記第1骨アンカー穴が、前記圧縮スロットの長手方向に外方に配置される、実施態様26に記載の骨定着アセンブリ。
(28) 前記圧縮スロットと前記第1骨アンカー穴が前記第1骨セグメントと整列し、前記第2骨アンカー穴が前記第2骨セグメントと整列するように、前記髄内釘が、前記第1骨セグメント及び前記第2骨セグメントを画定する骨折した骨の髄管の中に挿入されるような寸法である、実施態様27に記載の骨定着アセンブリ。
(29) 前記交差部が、前記長手方向に対してほぼ垂直な方向に沿って延在する縁を画定する、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
(30) 前記交差部が、前記長手方向に対してほぼ垂直な方向に沿って細長い表面を画定し、前記表面が前記長手方向に沿って延在する、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
【0065】
(31) 前記圧縮スロットが、前記長手方向に対して垂直な第1幅を画定する、実施態様1に記載の骨定着アセンブリ。
(32) 骨定着システムであって、
(i)骨定着アセンブリであって、
長手方向軸にほぼ沿って延在する釘本体を有する髄内釘であって、前記釘本体が、第1部と、前記第1部からほぼ長手方向に離間された第2部と、を画定し、前記釘本体が、前記釘本体の前記第1部内に延在する圧縮スロットを画定し、前記圧縮スロットが少なくとも一対の長手方向に離間したポケットと、前記ポケット間の交差部と、を画定する、髄内釘と、
前記ポケットのうちの1つから前記交差部をわたって前記ポケットのうちの別の1つへと移動するように構成されて、断面寸法を画定する、圧縮部材と、を含み、
前記交差部が、前記圧縮部材が前記圧縮スロットによって受け入れられたときに、前記長手方向に対してほぼ垂直な方向に沿った前記圧縮部材の断面寸法より大きい幅を、前記長手方向に対してほぼ垂直な方向に沿って有し、前記ポケットが、前記交差部の前記幅より大きい、前記長手方向に対してほぼ垂直な幅をそれぞれ有する、骨定着アセンブリと、
(ii)前記ポケットの1つから前記交差部をわたって前記ポケットの別の1つへと前記長手方向に沿って前記圧縮部材を付勢する、前記圧縮部材に力を付加するように構成された圧縮アクチュエータを含む植え込みアセンブリと、備える、骨定着システム。
(33) 前記植え込みアセンブリが、支持枠及び、前記支持枠を前記髄内釘に連結するように構成された支持部材を更に備える、実施態様32に記載の骨定着システム。
(34) 前記圧縮アクチュエータが前記支持部材に可動に接続される、実施態様32に記載の骨定着システム。
(35) 前記支持部材を管が貫通し(cannulated)、前記圧縮アクチュエータが前記支持部材のその管を通じて延在する、実施態様34に記載の骨定着システム。
【0066】
(36) 前記支持部材に対する前記圧縮アクチュエータの回転が、前記支持部材に対する前記圧縮アクチュエータの並進を引き起こす、実施態様35に記載の骨定着システム。
(37) 前記圧縮アクチュエータが前記支持部材にねじ方式で接続される、実施態様36に記載の骨定着システム。
(38) 前記釘本体が、ほぼ長手方向に細長い一対の対向する内面を画定し、前記内面の少なくとも1つは前記一対のポケットを画定する、実施態様32に記載の骨定着システム。
(39) 前記圧縮部材が前記ポケット間を前記交差部をわたって並進することができるように、前記圧縮部材及び前記内面の前記少なくとも1つのうちの少なくとも1つが圧縮可能である、実施態様38に記載の骨定着システム。
(40) 前記髄内釘が、前記髄内釘を骨に定着するためにそれぞれの骨アンカーを受け入れるように構成された複数の骨アンカー穴を更に画定する、実施態様32に記載の骨定着システム。
【0067】
(41) 前記複数の骨アンカー穴が、前記釘本体の前記第1部内に延在する少なくとも1つの第1骨アンカー穴、及び前記釘本体の前記第2部内に延在する少なくとも1つの第2骨アンカーを含む、実施態様40に記載の骨定着システム。
(42) 前記第1骨アンカー穴が、前記圧縮スロットの長手方向に外方に配置される、実施態様41に記載の骨定着システム。
(43) 相対的長手方向移動に対して前記髄内釘を対応する骨セグメントに固定するように、前記骨アンカー穴内に延在するように構成された複数の骨アンカーを前記骨定着アセンブリが更に備える、実施態様40に記載の骨定着システム。
(44) 骨定着アセンブリであって、
長手方向に沿って延在する長手方向軸にほぼ沿って細長い釘本体を有する髄内釘において、前記釘本体は、第1骨セグメントに取り付けられるように位置づけられた第1部と、前記長手方向に沿って前記第1部から離間して、前記第1骨セグメントから骨の隙間によって分離された第2骨セグメントに取り付けられるように位置づけられた第2部と、を画定し、前記釘本体は、前記釘本体の前記第1部内に延在する圧縮スロットを画定し、前記圧縮スロットは、第1及び第2の対向する内面によって画定され、前記第1及び第2の対向する面のそれぞれは、長手方向に沿って離間されている少なくとも第1及び第2のポケットと、前記長手方向に沿って前記第1のポケットと第2のポケットとの間に配置された交差部と、を画定している、髄内釘を備え、
前記圧縮スロットは、前記第1の内面の前記交差部と前記第2の内面の前記交差部との間で前記長手方向に対してほぼ垂直な第1幅を画定し、前記圧縮スロットは、前記第1幅に対してほぼ平行な方向に沿って前記ポケットの1つで前記第1及び第2の内面によって画定される第2幅を画定し、前記第2幅は前記第1幅より大きい、骨定着アセンブリ。
(45) 第1骨セグメントを、長手方向に沿って前記第1骨セグメントから離間された第2骨セグメントと分離している、長骨の骨の隙間を減少する方法であって、
髄内釘の一部が前記骨の隙間にわたって延在するように前記髄内釘を前記長骨の髄管内に挿入する工程と、
前記髄内釘を、前記第1及び第2骨セグメントの固定された一方に対する長手方向移動に関して前記第1及び第2骨セグメントの一方に固定する工程と、
前記第1及び第2骨セグメントの少なくとも他方内に、及び前記髄内釘によって画定されるスカロップ形の圧縮スロットの少なくとも第1のポケット内に、圧縮部材を挿入する工程と、
前記圧縮部材を、前記第1のポケットから、前記圧縮部材の対応する断面寸法より小さい断面寸法を有する首部をわたらせ、前記長手方向に沿って前記第1のポケットから離間されている第2のポケットへと移動させるために、前記髄内釘を支持する一方で前記圧縮部材に遠位力を付加して、前記骨の隙間を減少する工程と、を含む、方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C