特許第6643447号(P6643447)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643447
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】超高分解能の走査ファイバディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20200130BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20200130BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   G02B26/10 109Z
   G02B26/08 F
   G02B27/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-211127(P2018-211127)
(22)【出願日】2018年11月9日
(62)【分割の表示】特願2015-553811(P2015-553811)の分割
【原出願日】2014年1月15日
(65)【公開番号】特開2019-66857(P2019-66857A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2018年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/752,972
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティー. ショーウェンゲルト
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディー. ワトソン
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−504782(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0316116(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/034694(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/132750(WO,A1)
【文献】 特表平05−504845(JP,A)
【文献】 特表2009−516568(JP,A)
【文献】 特表平09−512353(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0151466(US,A1)
【文献】 特表2015−508685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/00 − 26/08
G02B 27/01 − 27/02
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24 − 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁結像放射を走査するためのシステムであって、
少なくとも1つの画素変調信号を生成するように構成されている駆動電子機器システムと、
少なくとも1つの電磁放射源であって、前記少なくとも1つの画素変調信号に基づいて、前記少なくとも1つの電磁放射源からの光を変調するように構成されている少なくとも1つの電磁放射源と、
第1の渦巻パターンで光を放出し、かつ、第1の投影フィールド領域を生成するように構成されている第1の導波管であって、前記第1の投影フィールド領域は、前記第1の導波管から前記第1の渦巻パターンで投影された光の領域である、第1の導波管と、
第2の渦巻パターンで光を放出し、かつ、第2の投影フィールド領域を生成するように構成されている第2の導波管であって、前記第2の投影フィールド領域は、前記第2の導波管から前記第2の渦巻パターンで投影された光の領域である、第2の導波管と、
前記第1の導波管に動作可能に結合され、前記第1の導波管を物理的に変位させるように構成された第1の走査アクチュエータと、
前記第2の導波管に動作可能に結合され、前記第2の導波管を物理的に変位させるように構成された第2の走査アクチュエータと
を備え、前記第2の導波管は、前記第1の導波管と相互結合され、
前記第1の導波管および前記第2の導波管のそれぞれは、前記少なくとも1つの電磁放射源に動作可能に結合され、
前記駆動電子機器システムは、前記第1の投影フィールド領域が前記第2の投影フィールド領域と重複すると同時に前記第1の導波管または前記第2の導波管のうちの少なくとも1つを輝度変調するように構成され、
前記第1の渦巻パターンは、第1のサイズを有し、前記第2の渦巻パターンは、前記第1のサイズと異なる第2のサイズを有する、システム。
【請求項2】
電磁結像放射を走査するためのシステムであって、
少なくとも1つの画素変調信号を生成するように構成されている駆動電子機器システムと、
少なくとも1つの電磁放射源であって、前記少なくとも1つの画素変調信号に基づいて、前記少なくとも1つの電磁放射源からの光を変調するように構成されている少なくとも1つの電磁放射源と、
第1の渦巻パターンで光を放出し、かつ、第1の投影フィールド領域を生成するように構成されている第1の導波管であって、前記第1の投影フィールド領域は、前記第1の渦巻パターンで前記第1の導波管から投影された光の領域である、第1の導波管と、
第2の渦巻パターンで光を放出し、かつ、第2の投影フィールド領域を生成するように構成されている第2の導波管であって、前記第2の投影フィールド領域は、前記第2の渦巻パターンで前記第2の導波管から投影された光の領域である、第2の導波管と、
前記第1の導波管および前記第2の導波管に動作可能に結合され、前記第1の導波管および前記第2の導波管を物理的に変位させるように構成された走査アクチュエータと
を備え、前記第2の導波管は、前記第1の導波管と相互結合され、
前記第1の導波管および前記第2の導波管のそれぞれは、前記少なくとも1つの電磁放射源に動作可能に結合され、
前記駆動電子機器システムは、前記第1の投影フィールド領域が前記第2の投影フィールド領域と重複すると同時に前記第1の導波管または前記第2の導波管のうちの少なくとも1つを輝度変調するように構成され、
前記第1の渦巻パターンは、第1のサイズを有し、前記第2の渦巻パターンは、前記第1のサイズと異なる第2のサイズを有する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願データ)
本願は、35 U.S.Cセクション119に基づき、米国仮出願第61/752,972号(2013年1月15日出願)の利益を主張するものである。該米国仮出願の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、概して、像を捕捉および/または投影する際に使用するためのコンパクト結像システムに関し、より具体的には、複数のファイバコアを介した像処理を伴う構成に関する。
【背景技術】
【0003】
軍操縦士ならびに民間操縦士にとって、状況認識は、非常に重要である。例えば、操縦可能状態の航空機の墜落(CFIT)事故は、環境との差し迫った破滅的衝突に関する情報の欠如から生じる。操縦士のコックピットを通した視野は、可視性条件(夜の暗闇、荒天)によって、あるいは天蓋のカーテンまたは電子暗転を介して、視野を意図的に遮蔽し、直接エネルギー脅威から保護する必要性のため、妨害され得る。
【0004】
航空機システムのステータスに関する情報、飛行経路、高度、対気速度、飛行姿勢、および多数の他の飛行パラメータもまた、全体的状況認識に重要である。加えて、限定ではないが、天候情報、敵軍の場所、飛行機対飛行機および地面対飛行機脅威、ミッション情報、および地形詳細を含む、コックピット内リアルタイム情報(RTIC)概念におけるようなオフボードまたはオンボードデータベースを介して操縦士に現在利用可能な豊富なデータが存在する。別の情報源は、高分解能オンボードセンサ、例えば、前方監視赤外線(FLIR)および暗視センサから生じる。このような膨大な量の利用可能なデータの流入が、ヘッドダウンディスプレイ(HDD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、または両方のある組み合わせのいずれかを通して、乗組員に提示され得る。HDDは、コックピット外の景色に嵌め込まれ、そこに焦点が当てられるのではなく、操縦士の頭部が下を向くという明白な不利点を有する。HUDは、情報が、典型的には、航空機の視程に固定される、アイボックスを通してのみ視認可能であるという不利点がある。
【0005】
1つ以上のヘルメット搭載型マイクロディスプレイからの出力を光学的に中継し、操縦士の視野(FOV)内に像を表示する、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、関連状況データを、視覚的景色の上部にオーバーレイされた視覚的合図または記号論として提示しながら、またはさらに、可視性が損なわれる場合には、コックピットの外側の地形および景色の完全人工レンダリングとして提示しながら、操縦士が、コックピット外側に焦点を当てたままであることを可能にする。ディスプレイシステムは、操縦士の頭部に伴って移動するため、常時、表示される情報をその視野(FOV)内に保つことができる。
【0006】
ヒト視覚系の広範な能力を完全に利用するために、HMDは、広水平および垂直FOV、高空間分解能、および大色深度を提供すべきである。加えて、輝度も、シースルーディスプレイが、高グレア背景に対して情報を明確に表示可能であるために十分に明るくなければならないため、非常に重要である。航空機大気速度、近傍高速移動物体および情報、ならびに操縦士による高速頭部移動は、高フレーム率も同様に必要であることを意味する。
【0007】
HMDのFOVは、視認光学とともに、マイクロディスプレイ像サイズによって決定され得る。ヒト視覚系は、約200°水平×130°水平の合計FOVを有するが、ほとんどのHMDは、約40°FOVを提供する。大量の操作データが利用可能である、合成視覚用途の場合、ヒト視覚能力のものに近い、はるかに大きい視野は、操縦士によるヘッド走査を減少させ、かつ自己安定化についての彼らの感覚を増加させる、周辺視覚合図の存在を可能にするであろう。約50〜60弧秒の角度分解能は、20/20視力性能の閾値であって、マイクロディスプレイの画素密度によって決定される。平均ヒト視覚系の能力に最良一致するために、HMDは、40°×40°FOVを上回る20/20視力を提供すべきであって、したがって、50弧秒の角度分解能では、これは、約8メガ画素(Mpx)に匹敵する。これを所望の120°×80°まで増加させるために、FOVは、約50Mpxを要求するであろう。
【0008】
今日、いくつかのHMDシステムが利用可能であるが、その多くは、約12mm対角線像源に、本ディスプレイサイズのために設計される中継および視認光学とともに、規格化されているため、最大限に可用性であるために、新しいディスプレイ技術を本封入体内に適合させ、かつ本質的に、すでに存在するマイクロディスプレイと取り替え可能であることが有用である。
【0009】
8Mpxを本12mm形式に適合させるために、画素サイズは、3ミクロン以下であり得る。HMDマイクロディスプレイ技術における現在の最先端技術は、将来的な操縦士HMDの最小の所望の(20/20視力)視覚要件を提供するために必要とされる高フレーム率において、十分な分解能およびFOVをもたらさない。AMOLED、AM−LCD、およびLCOS等の現在展開されている像源の画素密度は、最小達成可能画素サイズによって制約される。これらの技術のそれぞれに対して、カラーディスプレイは、3つのサイドバイサイド要素を要求し、これは、有効画素ピッチおよび得られる角度分解能をさらに制約し、したがって、新しい実施可能技術が、追求されなければならない。
【0010】
HMD用途等の種々の用途において利用され得る、改良されたコンパクト結像システムの必要性がある。本課題に対処するための種々の実施形態が、本明細書に提示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態は、電磁結像放射を走査するためのコンパクトシステムであって、第1の導波管および第2の導波管を備え、これらのそれぞれが、少なくとも1つの電磁放射源に動作可能に結合され、そして、第1の導波管および第2の導波管からの出力が、像の少なくとも一部を形成するために、輝度変調され、1つ以上の軸に沿って走査されるように構成される、システムを対象とする。第1の導波管または第2の導波管の少なくとも一方は、光ファイバを備えてもよい。光ファイバは、クラッディングと、少なくとも1つのコアとを備えてもよい。光ファイバは、同一のクラッディングを占有する2つ以上のコアを備えてもよい。光ファイバは、単一モード光ファイバであってもよい。光ファイバは、マルチモード光ファイバであってもよい。光ファイバは、ステップインデックス光ファイバであってもよい。光ファイバは、グレーデッドインデックス光ファイバであってもよい。光ファイバは、光子結晶光ファイバであってもよい。少なくとも1つの電磁放射源は、紫外線から赤外線範囲内の波長を有する電磁放射を生成するように構成されてもよい。少なくとも1つの電磁放射源は、可視光電磁放射を生成するように構成されてもよい。第1の導波管および第2の導波管は両方とも、同一のホスト媒体内に並置してもよい。第1の導波管および第2の導波管は、別個のホスト媒体内に並置してもよい。本システムはさらに、第1の導波管および第2の導波管のうちの少なくとも1つに動作可能に結合され、第1の導波管および第2の導波管のうちの少なくとも1つを物理的に変位させるように構成される、走査アクチュエータを備えてもよい。走査アクチュエータは、圧電作動要素を備えてもよい。走査アクチュエータは、第1の導波管および第2の導波管の両方に結合され、それらをともに物理的に変位させるように構成されてもよい。第1の導波管および第2の導波管が、独立して作動され得るように、第1の走査アクチュエータは、第1の導波管に結合されてもよく、第2の走査アクチュエータは、第2の導波管に結合されてもよい。本システムはさらに、第1の導波管に動作可能に結合され、それを少なくとも1つの他の相互結合された導波管とともに物理的に変位させるように構成される、第1の走査アクチュエータと、第2の導波管に動作可能に結合され、それを少なくとも1つの他の相互結合された導波管とともに物理的に変位させるように構成される、第2の走査アクチュエータとを備えてもよい。第1の導波管および少なくとも1つの他の相互結合された導波管は、単一マルチコアファイバを備えてもよい。第1の導波管および第2の導波管からの出力は、1つ以上の軸に沿って該出力を走査するように構成される、走査要素に通過されてもよい。走査要素は、MEMSミラースキャナ、変形可能膜ミラー、走査プリズム、および走査レンズから成る群から選択されてもよい。少なくとも1つの電磁放射源は、2つの独立電磁放射源、すなわち、第1の導波管に動作可能に結合される第1の電磁放射源と、第2の導波管に動作可能に結合される第2の電磁放射源とを備えてもよい。少なくとも1つの電磁放射源は、複数の放射波長を第1の導波管または第2の導波管のうちの少なくとも1つに注入するように構成される、複合源を備えてもよい。複合源は、赤色、緑色、および青色可視光放射波長を注入するように構成されてもよい。複合源は、コンバイナとともに動作可能に結合される複数の個々の源を備えてもよい。コンバイナは、波長分割マルチプレクサを備えてもよい。少なくとも1つの電磁放射源は、直接変調可能エミッタを備えてもよい。直接変調可能エミッタは、ダイオードレーザを備えてもよい。直接変調可能エミッタは、発光ダイオードを備えてもよい。少なくとも1つの電磁放射源は、変調器に動作可能に結合されるエミッタを備えてもよい。変調器は、干渉変調器を備えてもよい。変調器は、Mach−Zehnder干渉変調器を備えてもよい。変調器は、音響光学変調器を備えてもよい。変調器は、シャッタを備えてもよい。第1の導波管および第2の導波管からの出力は、渦巻走査パターンで走査されてもよい。像面における像は、第1の導波管および第2の導波管の組み合わせられた断面幾何学測定値より大きい直径を有してもよい。本システムはさらに、複数の付加的導波管、すなわち、六角形に配設されたアレイ構成に配列される、第1の付加的導波管、第2の付加的導波管、および複数の付加的導波管を備えてもよい。第1の付加的導波管、第2の付加的導波管、および複数の付加的導波管のそれぞれの出力と関連付けられた像フィールド領域は、3つの等円の共通交点によって決定される最小量だけ重複されてもよい。2つ以上のコア(すなわち、いわゆる「マルチコア」構成)を特徴とする構成では、コアは、六角形に配設されたアレイ構成に配列されてもよい。本システムはさらに、第1の導波管および第2の導波管を通して伝送される結像放射が、像の部分を形成するために出力される前に、第1のレンズおよび第2のレンズを通して通過されるように、第1の導波管および第2の導波管に結合される第1のレンズおよび第2のレンズを備えてもよい。第1のレンズおよび第2のレンズは、屈折率勾配レンズを備えてもよい。第1のレンズおよび第2のレンズは、屈折レンズを備えてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
電磁結像放射を走査するためのコンパクトシステムであって、
第1の導波管および第2の導波管であって、これらのそれぞれは、少なくとも1つの電磁放射源に動作可能に結合され、そして、前記第1の導波管および前記第2の導波管からの出力が、像の少なくとも一部を形成するために、輝度変調され、1つ以上の軸に沿って走査されるように構成される、第1の導波管および第2の導波管
を備える、システム。
(項目2)
前記第1の導波管または前記第2の導波管の少なくとも一方は、光ファイバを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記光ファイバは、クラッディングと、少なくとも1つのコアとを備える、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記光ファイバは、同一のクラッディングを占有する2つ以上のコアを備える、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記光ファイバは、単一モード光ファイバである、項目2に記載のシステム。
(項目6)
前記光ファイバは、マルチモード光ファイバである、項目2に記載のシステム。
(項目7)
前記光ファイバは、ステップインデックス光ファイバである、項目2に記載のシステム。
(項目8)
前記光ファイバは、グレーデッドインデックス光ファイバである、項目2に記載のシステム。
(項目9)
前記光ファイバは、光子結晶光ファイバである、項目2に記載のシステム。
(項目10)
前記少なくとも1つの電磁放射源は、前記紫外線から赤外線範囲内の波長を有する電磁放射を生成する、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記少なくとも1つの電磁放射源は、可視光電磁放射を生成する、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記第1の導波管および前記第2の導波管は両方とも、同一のホスト媒体内に並置する、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記第1の導波管および前記第2の導波管は、別個のホスト媒体内に並置する、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記第1の導波管および前記第2の導波管のうちの少なくとも1つに動作可能に結合され、前記第1の導波管および前記第2の導波管のうちの少なくとも1つを物理的に変位させるように構成される、走査アクチュエータをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目15)
前記走査アクチュエータは、圧電作動要素を備える、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記走査アクチュエータは、前記第1の導波管および前記第2の導波管の両方に結合され、それらをともに物理的に変位させるように構成される、項目14に記載のシステム。
(項目17)
前記第1の導波管および前記第2の導波管が、独立して作動され得るように、第1の走査アクチュエータは、前記第1の導波管に結合され、第2の走査アクチュエータは、前記第2の導波管に結合される、項目14に記載のシステム。
(項目18)
前記第1の導波管に動作可能に結合され、それを少なくとも1つの他の相互結合された導波管とともに物理的に変位させるように構成される、第1の走査アクチュエータと、前記第2の導波管に動作可能に結合され、それを少なくとも1つの他の相互結合された導波管とともに物理的に変位させるように構成される、第2の走査アクチュエータとをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記第1の導波管および少なくとも1つの他の相互結合された導波管は、単一マルチコアファイバを備える、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記第1の導波管および前記第2の導波管からの出力は、前記1つ以上の軸に沿って前記出力を走査するように構成される、走査要素に通過される、項目1に記載のシステム。(項目21)
前記走査要素は、MEMSミラースキャナ、変形可能膜ミラー、走査プリズム、および走査レンズから成る群から選択される、項目20に記載のシステム。
(項目22)
前記少なくとも1つの電磁放射源は、2つの独立電磁放射源、すなわち、前記第1の導波管に動作可能に結合される第1の電磁放射源と、前記第2の導波管に動作可能に結合される第2の電磁放射源とを備える、項目1に記載のシステム。
(項目23)
前記少なくとも1つの電磁放射源は、複数の放射波長を前記第1の導波管または前記第2の導波管のうちの少なくとも1つに注入するように構成される、複合源を備える、項目1に記載のシステム。
(項目24)
前記複合源は、赤色、緑色、および青色可視光放射波長を注入するように構成される、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記複合源は、コンバイナとともに動作可能に結合される複数の個々の源である、項目23に記載のシステム。
(項目26)
前記コンバイナは、波長分割マルチプレクサを備える、項目25に記載のシステム。
(項目27)
前記少なくとも1つの電磁放射源は、直接変調可能エミッタを備える、項目1に記載のシステム。
(項目28)
前記直接変調可能エミッタは、ダイオードレーザである、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記直接変調可能エミッタは、発光ダイオードである、項目27に記載のシステム。
(項目30)
前記少なくとも1つの電磁放射源は、変調器に動作可能に結合されるエミッタを備える、項目1に記載のシステム。
(項目31)
前記変調器は、干渉変調器である、項目30に記載のシステム。
(項目32)
前記変調器は、Mach−Zehnder干渉変調器である、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記変調器は、音響光学変調器である、項目30に記載のシステム。
(項目34)
前記変調器は、シャッタである、項目30に記載のシステム。
(項目35)
前記第1の導波管および前記第2の導波管からの出力は、渦巻走査パターンで走査される、項目1に記載のシステム。
(項目36)
像面における像は、前記第1の導波管および前記第2の導波管の組み合わせられた断面幾何学測定値より大きい直径を有する、項目1に記載のシステム。
(項目37)
複数の付加的導波管、すなわち、六角形に配設されたアレイ構成に配列される、第1の付加的導波管、第2の付加的導波管、および複数の付加的導波管をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目38)
前記第1の付加的導波管、第2の付加的導波管、および複数の付加的導波管のそれぞれの出力と関連付けられた像フィールド領域は、3つの等円の共通交点によって決定される最小量だけ重複される、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記複数のコアは、六角形に配設されたアレイ構成に配列される、項目3に記載のシステム。
(項目40)
前記第1の導波管および前記第2の導波管を通して伝送される結像放射が、前記像の部分を形成するために出力される前に、第1のレンズおよび第2のレンズを通して通過されるように、前記第1の導波管および前記第2の導波管に結合される第1のレンズおよび第2のレンズをさらに備える、項目2に記載のシステム。
(項目41)
前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは、屈折率勾配レンズである、項目40に記載のシステム。
(項目42)
前記第1のレンズおよび第2のレンズは、屈折レンズである、項目40に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、オペレータの手によって支持されるファイバ走査ディスプレイを図示する。
図2図2は、特定の実施形態のサイズを実証するために、コインと比較されたファイバ走査ディスプレイを図示する。
図3図3は、本発明による、システム構成の一実施形態を図示する。
図4図4は、重複構成を図示する。
図5図5は、一実施形態による、投影されるディスプレイ領域を図示する。
図6A図6Aおよび6Bは、複数のファイバ走査ディスプレイがアレイまたはマトリクスとしてともに結合される、構成を図示する。
図6B図6Aおよび6Bは、複数のファイバ走査ディスプレイがアレイまたはマトリクスとしてともに結合される、構成を図示する。
図7図7Aおよび7Bは、従来のマルチコアファイバ構成を図示する。
図8図8は、2つの導波管が1つのホスト媒体内に並置される、実施形態を図示する。
図9図9は、2つの導波管が2つのホスト媒体内に並置される、実施形態を図示する。
図10図10は、図8に図示されるもの等の構成の移動を図示する。
図11図11は、図9に描写されるものに類似する2つのホスト媒体/導波管構成を特徴とする構成の移動を図示し、2つのホスト媒体は、ともに移動するように相互結合される。
図12図12は、図9に描写されるものに類似する2つのホスト媒体/導波管構成を特徴とする構成の移動を図示し、2つのホスト媒体は、独立して移動するように構成される。
図13図13は、図8に描写されるものに類似する2つのホスト媒体/導波管構成を特徴とする構成の移動を図示し、2つのホスト媒体は、独立して移動するように構成される。
図14図14は、六角形に配設されたマルチコア導波管構成を図示する。
図15A図15Aおよび15Bは、個々のコアがマルチコア構造体内に六角形に配設されたマルチコア導波管構成を図示する。
図15B図15Aおよび15Bは、個々のコアがマルチコア構造体内に六角形に配設されたマルチコア導波管構成を図示する。
図16A図16Aは、図12のものに類似する構成を図示し、放出は、導波管の遠位端から出力される。
図16B図16Bは、図16Aのものに類似するが、導波管の遠位端から出力される放出が相互結合されたレンズを通して通過される、構成を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前述の課題に対処するために、米国特許第6,046,720号、第7,555,333号、第7,784,697号、ならびに米国特許出願第11/573,118号および第12/468,832号に説明されるもの等のファイバ走査ディスプレイ(FSD)技術を使用して、カラー超高精細マイクロディスプレイ(CUDM)を生産するための2つの一般的構成が、本明細書に提示される。これらの5つの参考文献はそれぞれ、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。これらの2つの一般的構成は、CUDMのための最小所望要件を満たすためのその能力、実装のコストおよび複雑性、ならびに最大所望要件を満たす、またはそれを超えるその能力を特徴とする。図1は、像(6)が近傍表面上に投影される間、オペレータの手(2)によって保持されるFSD構成(4)を図示する。
【0014】
前述の参考文献に説明されるように、一実施形態では、FSDは、像を形成するために、そのコアを辿って伝送される光の強度を変調させながら、圧電アクチュエータを使用して光ファイバの先端を振動させることによって動作する。単一モードコアは、伝送される光のコヒーレンスを保持するため、点源として作用し、回折限界スポットに対して結像されることができ、そのサイズは、走査レンズによって決定される。走査レンズの真正面の平面に対して走査を結像することによって、3ミクロンより小さいスポットサイズが、生成されることができる。FSDの一実施形態は、有効500×500線分解能を表示可能である(実際には、250サイクルの急峻渦巻は、図1の実施形態におけるような円形ディスプレイ領域(要素6)を生成する)。本渦巻に沿った画素間隔は、画素変調率の関数であって、一実施形態の典型的動作条件下では、20MHzである。11.5kHzの機械的走査周波数では、これは、30Hzのフレーム率をもたらし、約2000画素/渦巻走査サイクルは、画素変調が一定に保たれる場合、約250,000画素を生成する。24kHzの高走査率は、実験室において達成されており、これは、同一の分解能が約60Hzフレーム率で生成されることを可能にするであろう。72Hzフレーム率は、ファイバを約28kHzで駆動させることによって達成されることができる。フレーム率、分解能、および走査角度は、走査周波数および走査振幅を増減することによって、動的に調節可能であって、15Hz〜60Hzのフレーム率は、典型的には、可変分解能および120°の高走査角度で達成される。FSDの超小型サイズ(FSD4が米国10セントコイン8のサイズと比較して示される、図2の実施形態に示されるような1mm直径×7mm長さの範囲内等)は、サイズおよび重量が重要である用途において非常に有用であって、駆動電子機器、光源、および電源が全て、スキャナヘッド自体から遠隔に位置することができるため、特に、HMDにおける使用に非常に好適である。本システム構成は、関連付けられた圧電駆動信号プロットおよび渦巻走査パターン略図とともに、図3に図示される。図3を参照すると、FSDの例示的実施形態が、図示される。赤色レーザ28、緑色レーザ30、および青色レーザ32等の放射源が、単一導波管(例えば、RGBコンバイナ34)の中に組み合わせられる。単一モード光ファイバ20等の導波管は、光を導波管の先端(例えば、カンチレバーファイバ先端12)に中継し、そこで、放出され、随意のレンズアセンブリ10を通して通過し、好ましくは、放出された光を像面(例えば、渦巻走査像14)に集束させる。導波管先端12は、導波管の先端において放出される光が、好ましくは、渦巻走査像14等の像面に領域充填走査パターンとして走査されるように、圧電管アクチュエータ17等のアクチュエータによって、1つ以上の軸に沿って走査される。アクチュエータ17は、アタッチメントカラー16を伴うエンクロージャに添着されてもよい。駆動電子機器システム22は、圧電アクチュエータ17のための駆動信号24を生成し、該アクチュエータ17の作動を制御してもよい。駆動電子機器22はまた、画素が像面14に形成されるように、画素変調信号26を生成し、放射源28、30、および32の輝度を変調してもよい。一実施形態では、アクチュエータ駆動信号24は、信号が、経時的に振幅変調される正弦波駆動信号を構成するように、直交(x)軸プロット40に示される例示的パターンに従って変調される。一実施形態では、駆動信号24は、アクチュエータ17の1つの走査軸を駆動させる正弦波信号部分と、第2の走査軸を駆動させる第2の正弦波信号部分を備え、第2の正弦波駆動信号は、導波管先端12が円形走査パターンを通して掃引するように、第1の駆動信号部分に対して位相シフトされる。一実施形態では、正弦波駆動信号24は、経時的に振幅変調され、本円形走査パターンを膨張および収縮させ、領域充填渦巻走査パターン38を形成する。
【0015】
フレーム率および画素密度を維持しながら、より多数の総線分解能を伴うより大きいディスプレイを生成するために、複数のFSDが、2次元アレイの中に組み立てられてもよい。集束光学が、投影フィールド領域が、プロジェクタの物理的直径より若干大きい、または光学の焦点距離において直径約1.2mm(例えば、約1mmのFSDモジュール直径の場合)であるようなものである場合、これらのフィールド領域は3つの等円の共通交点(例えば、図4(要素42)に示されるように、要素43における円形の共通交点;要素45は、重複領域を図示し、要素47は、非重複領域を図示する)によって決定される最小量だけ重複され、したがって、完全充填長方形ディスプレイ領域を生成することができる。アレイは、次いで、所望の任意の垂直および水平寸法にスケーリングされてもよい。12mm対角線形式(少なくとも3840×2048線の分解能)において所望の8Mpxディスプレイを達成するために、我々は、例えば、タイル化されたFSDの11×7六角形格子を生成し、約4375×2300線(または、10Mpx)ディスプレイを生成することができる。好適な投影ディスプレイ領域(44)の実施形態は、図5に描写される。
【0016】
このようなタイル化は、個々のディスプレイにおいて本来利用可能なものより大きい線分解能を生成する。FSDを用いて投影された若干拡大された像のタイル化の利点は、付加的光学混成が、ディスプレイハードウェアの境界を隠すために要求されないことである。図6Aは、11×7FSDのアレイ(46)が、一体的移動が、特定の実施形態において所望される場合、そのように移動され得るように、同一の筐体またはプラットフォーム(48)に結合される、例示的なタイル化されたディスプレイ構成を図示する。他の実施形態では、示されるようなFSD機構(4)等による個々の作動が、一意かつ独立して、FSDのそれぞれを作動させるために利用されてもよい。図6Bは、そのような構成から生じ得る特定の像面に投影されるディスプレイ領域(44)を図示し、FSDのマトリクスは、共通プラットフォームまたは結合部(48)からともに利用される。
【0017】
単一高分解能モノリシックディスプレイとして視認者に見える、シームレスな像を生成するために、幾何学的位置合わせおよび測光上のシームレス性を含む、いくつかの重要な課題がある。
【0018】
幾何学的位置合わせは、各プロジェクタモジュールとその近隣モジュールの物理的整合を指す。走査が予測可能な方法で重複するために、各FSDは、隣接するFSDに対して精密に位置すべきである。標準的卓上または天井搭載型プロジェクタの場合、これは、複雑かつ困難なプロセスであることが証明され得るが、FSDの場合、個々のスキャナ筐体および主要アセンブリ筐体の高品質かつ精密な整合の比較的に単純な問題である。
【0019】
いくつかの要因が、視認者によって知覚される像の均一性に寄与する。プロジェクタ内輝度および色度は、個々のプロジェクタ内の明度および色の変動を指すが、FSDは、色チャネル毎に単一光源を使用する単一画素のみを走査するため、輝度および色度は、プロジェクタ毎に、全体的に均一であるはずである。
【0020】
プロジェクタ間輝度および色度は、個々のプロジェクタ間の変動を指す。色度変動は、典型的には、わずかであるが、輝度差は、プロジェクタ間で有意となり得る。FSDの場合、レーザダイオードからの出力の強度は、プロジェクタを相互に一致させるように調節されてもよい。
【0021】
FSDは、単一画素を走査するため、近隣スキャナの画素は、物理的に重複しない。しかしながら、知覚的に、これらの領域内の輝度は、ヒト視覚系が、投影されたスポット間で時間的に区別できないため、略二重であり得る。タイル化された従来のプロジェクタ間の明度を均衡化する方法が、これらの重複走査領域内の明度を均衡化するために採用され得る。
【0022】
CorningおよびNufern等のいくつかの技術提供者が、わずか2.1−3.5ミクロンのコアサイズを伴う単一モード可視波長光ファイバを提供している。しかしながら、2.5ミクロンのコアサイズでも、ガウスモード視野径は、約3.5ミクロンである。FSDの高品質集束光学の設計は、ディスプレイの所望の分解能を達成するために要求される3ミクロン画素サイズを下回る走査画素のための回折限界スポットサイズを達成するために有用である。
【0023】
加えて、各FSDは、ファイバ先端において湾曲走査視野を生成し、光学設計は、歪曲および他の収差を最小限にしながら、本視野を十分に平坦化するように最適化されるべきである。
【0024】
このタイル化されるアプローチでは、全体的走査角度は、重複を最小限にし、画素密度を最大限にし、ディスプレイの全体的範囲を最小限にするために減少されている。しかしながら、これは、光学的に、視認者側により狭いアイボックスをもたらす(用語「アイボックス」は、それを通してオペレータが、その眼を移動させ、依然として、像を可視化することができる、体積を表し、概して、大型アイボックスを有することが望ましい)。これを克服するために、一実施形態では、走査ファイバディスプレイの先端の出力により大きい開口数(NA)を生成するためのレンズ、例えば、グレーデッドインデックスロッドレンズ(「GRIN」レンズ)の使用が、採用され得る(図16B)。
【0025】
Asahi−KaseiおよびMitsubishi(日本)等の提供者は、マルチコア光ファイバまたは融着テーパ型マルチコアファイバを提供する。これらの材料は、1度に複数の画素を走査する可能性を促進するであろうため(現在走査されている単一画素とは対照的に)、像面の総分解能は、所与の走査周波数に対して増加され得、有効フレーム率は、ディスプレイの空間分解能を維持またはさらに増加させながら、増加され得る。図7Aおよび7Bは、利用可能なマルチコア光ファイバ構成の実施形態を図示する(図7Aは、マルチコア構成の断面図50を図示し、図7Bは、テーパ型マルチコア構成の側面図52を図示する)。
【0026】
前述の説明される技術は、ヘッドマウントまたは他の近傍/アイディスプレイ構成において、大FOVをサポートする、超高分解能ディスプレイを促進する。
【0027】
タイル化に関して、ファイバ走査ディスプレイモジュールによって生成される像は、連続複合像を形成するようにシームレスにタイル化されることができる。タイル化されたアレイ像内の各個々のFSDから走査された像が、部分的に、重複されるとき、走査視野の交点は、輝度増加領域をもたらす、すなわち、複合像は、輝度非均一性を含有するであろう。複合像内により優れた輝度均一性を提供するために、これらの領域内の重複画素の消去および/またはFSDの輝度レベルの変調を含む、いくつかの方法が、採用され得る(例えば、2つのスキャナが同一の像領域にアドレス指定されるとき、所与の画素における各スキャナの輝度を50%低下させ、したがって、輝度は、合計で、所望の輝度レベルの100%となる)。
【0028】
複数のFSD構成では、複数のFSDは、好ましくは、精密加工技法を使用して、タイル化されたアレイに位置付けられる。シームレスな統合のために、ファイバ中心線間の分離距離は、圧電アクチュエータ管上の作動軸の配向のように、厳密に制御される。
【0029】
光ファイバの機械的公差(直径、コア/クラッディング同心度、コアサイズ、ファイバ断面の真円度)内の非常にわずかな変動も、ファイバスキャナ間の機械的挙動の変動をもたらし得る。好ましい実施形態では、各アクチュエータへの駆動信号は、アレイ内の光ファイバ間のそのような機械的変動を補償するようにカスタマイズされる。
【0030】
一実施形態では、アレイ内のFSDは、移動像に対する明滅または像断裂等、任意の知覚可能時間または時空間アーチファクトを減少させるように同期されてもよい。
【0031】
走査光学に関して、FSDの好ましい実施形態は、ファイバの先端に湾曲走査視野を生成し、したがって、像を眼に中継する光学システムは、好ましくは、拡大に加え、視野平坦化機能を行なう(例えば、光学列内への負のレンズの含有によって)。光ファイバおよび後続走査光学もまた、好ましくは、対物レンズ側開口数(NA)を最大限にし、視認者への大アイボックスをサポートする。NAの増加もまた、像面におけるスポットサイズを減少させ、像面の小領域内により多くの画素が高密度に充填されることを可能にする。標準的ファイバは、可視光のための3〜4ミクロンの開始モード視野径を提供することができる。図16Bに図示されるように、レンズをファイバの先端に追加することによって(例えば、従来の湾曲レンズまたはグレーデッドインデックスGRINレンズ)、ファイバからのNAが、増加される(それによって、スポットサイズまたは先端におけるモード視野径は、減少される)。強レンズを先端に追加することによって、0.6ミクロンのモード視野径が、ファイバの先端近傍に提供されることができる。比較として、反射型液晶素子およびLED等の代替ディスプレイ技術は、現在、約4〜5ミクロンの画素ピッチに限定される。GRINレンズは、別個に加工され、直接、ファイバ先端に融着されることができる。
【0032】
マルチコアファイバを採用する一実施形態では、複数のコアが、良好に充填された像面を生成するために走査され得、その画質は、像内の認知可能間隙によって劣化されない。ファイバコアの量およびその間の間隔は、走査パターンの密度と相互作用する。コアの数が大きいほど、良好に充填された像を維持しながら、より疎らな走査パターン(すなわち、走査線間の大きな距離)で走査され得る。逆に言えば、コアの数が小さいほど、好ましくは、良好に充填された像を提供するように、より密度の高い走査パターン(すなわち、走査線間のより小さい距離)で走査される。一実施形態では、マルチコアファイバのコアは、六角形配設においてタイル化され、多数のコア間の距離を最小限にするという利点を提供する(例えば、図7A、15A、および15B)。
【0033】
ともに非常に近接する2つの導波管、例えば、マルチコア光ファイバ内の隣接するコアでは、一方のコアを通して伝送される光は、部分的に、エバネセントモードを通して、隣接するモードに交差結合することができる。そのようなエバネセントモード挙動は、ともに非常に近接して位置付けられる場合、隣接するコアによって搬送される像コンテンツ間にクロストークを生成し得る。好ましい実施形態では、コアは、ヒト観察者によって容易に検出可能ではないないレベルまで、ファイバコア間のクロストークを最小限にするために、最小距離だけ分離され、高画質を維持する。代替として、または加えて、不透明材料が、ファイバコア間のクラッディングの中に組み込まれ、より近接して離間されるファイバのクロストークを減少させることができる。
【0034】
前述は、2つのアプローチ、すなわち、複数の走査ファイバのアレイおよび単一走査マルチコアファイバ(ファイバコアのアレイを含有する)を比較的孤立して説明するが、これらのアプローチが、設計連続上の点を表すことを強調することは重要である。別の好ましい実施形態では、アプローチは、組み合わせられ、複数のマルチコアファイバのアレイは、複合高分解能像を形成するように走査される(例えば、図13)。一式のコアをマルチコアファイバ内にともに収集することによって、可動部品の数は、最小限にされることができ、かつ製造複雑性は、低減されることができる。
【0035】
一実施形態では、HMDまたは他の装着式ディスプレイ内の像中継器は、透明要素であって、像を実世界の直接ビュー上に重畳する。互換性HMD視認光学として、限定ではないが、屈折システム、反射、回折、基板誘導光学が挙げられる。
【0036】
本明細書に説明される技術は、高分解能、軽量、かつ目立たないHMDを促進し、ゲームおよびパーソナルエンターテイメントシステムから、ワークスペースコラボレーションならびに実世界ナビゲーションおよび情報システムや高性能航空電子工学ディスプレイまで、あらゆるもののための仮想および拡張現実感視覚システムを可能にする。好ましくは、HMDは、快適で、魅力的であって、かつ事実上、通常の眼鏡と区別がつかないものであるべきである。
【0037】
図8を参照すると、2つ以上の導波管(54、56)が、同一のホスト媒体(58)に結合される、またはその中に並置する、実施形態が、描写される。図9は、2つの導波管(54、56)がそれぞれ、その独自の独立ホスト媒体(58、60)に結合される、実施形態を図示する。図10を参照すると、図8に図示されるもの等の構成が、FSDシステムを参照して前述のような圧電作動要素等によって、制御可能に移動される(破線対位置62として図示される)とき、両導波管(54、56)は、ともに移動または走査する。図11を参照すると、図9に描写されるもの等の2つの構成が、共通筐体または結合部材等によって、相互に動作可能に結合されると、それらは、ともに移動または走査する(破線反対位置62、64として図示される移動)。代替として、図12を参照すると、独立して作動される(圧電作動要素等によって)ホスト媒体プラットフォーム(58、60)は、図12に示されるように、独立して、その相互結合された導波管(54、56)を移動させ得、導波管は、例証時、反対方向に移動する(62、64)。図13は、図12のものに類似するが、図13の独立して作動されるホスト媒体/導波管構造体がそれぞれ、所与のホスト媒体(例えば、58)内の異なる導波管がともに移動する一方、他のホスト媒体(60)に結合される導波管に対して完全に独立して移動し得るように、媒体あたり2つ以上の導波管(例えば、マルチコア光ファイバ)を含有する、構成を図示する。
【0038】
図14を参照すると、マルチコア導波管(70、72、74、76、78、80、82)の六角形に配設された(84)構成が、図示される。前述のように、六角形配設は、高断面密度のために好ましくあり得る。図15Aおよび15Bを参照すると、マルチコアファイバ構成(70)内の個々のコア(86、88、90、92、94、96、98)もまた、六角形に配列されてもよい(78)。図15Aの構成は、六角形(84)構成に配列された7つの個々のコア群を示す。本構成は、描写される複数(100)等の任意の数の個々のコアが、所望の断面密度のために、六角形に配設(84)され得ることを図示する。
【0039】
図16Aを参照すると、図12のものに類似する構成が、描写され、放出(106、108)が、比較的に低い放出開口数構成を伴う導波管(54、56)の出力端(102、104)から出射する。可能性として考えられるディスプレイ分解能を最適化し、および/または視認者に提供されるアイボックスのサイズを増加させるために、開口数が、レンズを使用して増加されてもよい。一実施形態では、図16Bに図示されるように、GRINレンズ(前述のような)等のレンズ(114、116)が、出力放出(110、112)の開口数を増加させるために利用されてもよい。
【0040】
本発明の種々の例示的実施形態が、本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例が参照される。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、同等物が置換されてもよい。加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス行為、またはステップを本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および例証される個々の変形例のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられ得る、別個の構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内にあることを目的としている。
【0041】
本発明は、対象デバイスを使用して行われ得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供するという行為を含んでもよい。そのような提供は、エンドユーザによって行われてもよい。換言すれば、「提供する」行為は、単に、エンドユーザが、対象方法において必須デバイスを提供するように、取得し、アクセスし、接近し、位置付けし、設定し、起動し、電源を入れ、または別様に作用することを要求する。本明細書で記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序で、ならびに事象の記載された順序で実行されてもよい。
【0042】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関しては、これらは、上記で参照された特許および出版物と関連して理解されるとともに、概して、当業者によって公知または理解され得る。一般的または論理的に採用されるような付加的な行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して、同じことが当てはまり得る。
【0043】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意的に組み込むいくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるような、説明および指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、同等物(本明細書に記載されようと、いくらか簡単にするために含まれていなかろうと)が置換されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が、本発明内に包含されることを理解されたい。
【0044】
また、説明される本発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて、記載および請求されてもよいことが考慮される。単数形のアイテムへの参照は、複数形の同一のアイテムが存在するという可能性を含む。より具体的には、本明細書で、および本明細書に関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの」(“a”、“an”)、「該」(“said”)、および「前記」(“the”)という単数形は、特に規定がない限り、複数形の指示対象を含む。換言すれば、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示と関連付けられる請求項において、対象アイテムの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の記載と関連して、「単に」、「のみ」、および同等物等の排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のために、先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0045】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる請求項での「備える」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質の変換として見なすことができるかにかかわらず、任意の付加的な要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および化学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0046】
本発明の幅は、提供される実施例および/または対象の明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示と関連付けられる請求項の言葉の範囲のみによって限定されるものである。
【0047】
本明細書に説明される発明は、それにかかる、またはそのために支払われる使用料の支払を伴わずに、アメリカ政府の目的のために、アメリカ政府によって、またはアメリカ政府のために、製造および使用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B