(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダイの第1のダイコーナーと前記第1のダイコーナーに隣接して配置された前記終端リングの第1のリングコーナーとの間の第3の距離が、前記ダイの前記第1のエッジと前記終端リングの前記側部の1つとの間の前記第1の距離の少なくとも3倍または2倍を上回る、請求項1〜3の何れかに記載のデバイス。
前記ダイの角をなすコーナーの1つと前記角をなすコーナーに隣接して配置された終端リングの前記丸みを帯びたコーナーとの間の距離が、前記ダイの周辺部エッジの1つと前記周辺部エッジの1つに隣接して延びる前記終端リングの側部の1つとの間の距離の少なくとも3倍または2倍を上回る、請求項7又は8に記載のダイ。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】流体吐出デバイスの一例として実施されるプリントヘッドを含む例示的なインクジェット印刷システムを示すブロック図である。
【
図2】本開示の態様による、インクジェット印刷システムにおいて使用するための流体供給デバイスの一例として実施される印刷カートリッジを示す略図である。
【
図3】本開示の態様による、複数のダイを包含するウェハーの平面図を示す略図である。
【
図4】本開示の態様による、終端リングを含むダイの平面図を示す略図である。
【
図5】本開示の態様による、ダイのコーナー部分における終端リングのコーナーを示す略組立分解図である。
【
図6】本開示の態様による、コーナーの欠けを有する
図4のダイの平面図の略図である。
【
図7】本開示の態様による、流体吐出デバイス用のダイを製造する方法の流れ図である。
【0003】
詳細な説明
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面を参照し、当該図面は、本開示が実施され得る特定の例を例示するために示されている。理解されるべきは、他の例が利用されることができ、構造的または論理的変更が本開示の範囲から逸脱せずに行われることができる。従って、以下の詳細な説明は、制限の意味で解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。理解されるべきは、本明細書で説明される様々な例の特徴要素は、特に断りのない限り、部分的に又は全体的に、互いと組み合わせられ得る。
【0004】
一般に、流体吐出デバイスの例として実施されるプリントヘッドは、ダイの上面および底面における狭いダイのエッジに沿って位置するボンディングパッドに接続するフレックス配線パターン又はボンディングワイヤを含む端部接続設計を使用することができる。これら接続をインク及び水分(湿気)の浸食から保護するために、ボンディングビーム/ワイヤは、カプセルの材料(以降、カプセル材料と称す)のビードにより覆われ、それは一般に、コーナーを含むダイの上部およぶ底部のエッジの全体を覆うように広がる。カプセル材料は、カプセル材料の適用後にダイのコーナーを欠けから保護し、カプセル化の前に生じる欠けが水分にさらされて、ダイの信頼性の低下という結果になる可能性を低減する。サーマルインクジェット(TIJ)のダイのような、幾つかのダイは、アレイのアーキテクチャにおいて使用され、片面接続のボンディング方式を使用する(即ち、ダイは、ダイの少なくとも一方の面に沿って電気接続のために構成されている)。結果として、これらダイのコーナーは、ボンディングビームのカプセル材料により覆われず、ダイの製造工程および耐用年数の全体にわたって保護されていない状態のままである。これらTIJダイにおいて、コーナーの欠け及び亀裂の損傷は、端部接続のダイと比べて、信頼性リスクの増大をもたらす可能性がある。
【0005】
図1は、インクジェット印刷システム100の一例を示すブロック図である。例示された例において、インクジェット印刷システム100は、コントローラ104を有するプリントエンジン102、取り付けアセンブリ106、1つ又は複数の交換可能な流体供給デバイス108(例えば、印刷カートリッジ)、媒体搬送アセンブリ110、及びインクジェット印刷システム100の様々な電気構成要素に電力を供給する少なくとも1つの電源112を含む。インクジェット印刷システム100は更に、印刷媒体118上へ印刷するように、印刷媒体118の方へ複数のノズル116(オリフィス又はボアとも呼ばれる)を介してインク又は他の流体の小滴を吐出する1つ又は複数のプリントヘッド114(即ち、流体吐出デバイス)を含む。一例において、プリントヘッド114は、インクカートリッジ供給デバイス108の一体部分とすることができるが、別の例において、プリントヘッド114は、取り付けアセンブリ106のプリントバー(図示せず)上に装着されて、供給デバイス108に(例えば、管を介して)結合され得る。印刷媒体118は、用紙、カードストック、透明媒体、マイラー(登録商標)、ポリエステル、合板、発泡ボード、織物、及びキャンバス(生地)などのような、適切なシート状またはロール状材料の任意のタイプとすることができる。
【0006】
一例において、後述され且つ本明細書に示されるように、プリントヘッド114は、熱を発生させて噴射チャンバ内の流体のごく一部を気化させるための熱抵抗器吐出要素に電流を通電することによりノズル116から流体滴を吐出するサーマルインクジェット(TIJ)プリントヘッドを含む。しかしながら、プリントヘッド114は、TIJプリントヘッドとして実施されることに制限されない。例えば、プリントヘッド114は、ノズル116から流体滴を押し出すための圧力パルスを生成するために圧電材料の吐出要素を使用する圧電インクジェット(PIJ)プリントヘッドとして実施され得る。いずれの例でも、ノズル116は一般に、プリントヘッド114に沿って1つ又は複数の列またはアレイに配列され、プリントヘッド114及び印刷媒体118が互いに対して移動する際、ノズルからの適切に順序付けられたインク吐出により、文字、記号、及び/又は他のグラフィックス又はイメージが、印刷媒体118上に印刷されるようになっている。
【0007】
取り付けアセンブリ106は、媒体搬送アセンブリ110に対してプリントヘッド114を位置決めし、媒体搬送アセンブリ110は、プリントヘッド114に対して印刷媒体118を位置決めする。かくして、印刷区域120は、プリントヘッド114と印刷媒体118との間の領域においてノズル116に隣接して画定される。一例において、プリントエンジン102は、走査型プリントエンジンである。そういうものだから、取り付けアセンブリ106は、印刷媒体118を走査するために媒体搬送アセンブリ110に対してプリントヘッド114を移動させるためのキャリッジを含む。別の例において、プリントエンジン102は、非走査型プリントエンジンである。そういうものだから、取り付けアセンブリ106が、媒体搬送アセンブリ110に対して所定位置にプリントヘッド114を固定する一方で、媒体搬送アセンブリ110がプリントヘッド114に対して印刷媒体118を位置決めする。
【0008】
電子コントローラ104は一般に、供給デバイス108、プリントヘッド(単数または複数)114、取り付けアセンブリ106及び媒体搬送アセンブリ110と通信し且つそれらを制御するためのプロセッサ、メモリ、ファームウェア並びに他のプリンタ電子回路のような、標準的なコンピューティングシステムの構成要素を含む。電子コントローラ104は、コンピュータのようなホストシステムからデータ122を受け取り、メモリにデータ122を一時的に格納する。例えば、データ122は、印刷されるべきドキュメント及び/又はファイルに相当する。そういうものだから、データ122は、1つ又は複数の印刷ジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータを含む、インクジェット印刷システム100用の印刷ジョブを形成する。データ122を用いて、電子コントローラ104は、印刷媒体118上に文字、記号、及び/又は他のグラフィックス又はイメージを形成する画定されたパターンでノズル116からインク滴を吐出するようにプリントヘッド114を制御する。
【0009】
図2は、インクジェット印刷システム100において使用するための流体供給デバイス108の一例として実施される印刷カートリッジ200の一例の略図である。印刷カートリッジ200は、カートリッジ本体202、プリントヘッド114、及び電気コンタクト204を含む。カートリッジ本体202は、選択ノズル116から流体滴を吐出する吐出要素(例えば、抵抗加熱要素)を活性化するために電気信号が供給される電気コンタクト204及びプリントヘッド114を支持する。カートリッジ200内の流体は、様々な印刷可能な流体、インク、前処理合成物、及び定着剤などのような、印刷工程において使用される任意の適切な流体とすることができる。幾つかの例において、流体は、印刷流体以外の流体とすることができる。カートリッジ200は、カートリッジ本体202内に流体供給部を含むことができるが、例えば管を介して接続された流体リザーバのような外部供給部(図示せず)から流体を受け取ることもできる。
【0010】
図3は、本開示の態様による、プリントヘッド114に有用な複数のダイ310a〜310fを包含するウェハー300の平面図を図式的に示す。一例において、ウェハー300は、シリコン基板から形成され、幾つかの具現化形態において、ドープ又はノンドープ単結晶シリコン、或いはドープ又はノンドープ多結晶シリコンのような結晶基板を含むことができる。適切な基板の他の例は、ガリウムヒ素、ガリウムリン、リン化インジウム、ガラス、シリカ、セラミック、又は半導体材料を含む。切断工程中、ウェハー300は、切断線320に沿って切断(例えば、鋸引き、又はその他による適切な切断)されて、ダイ310a〜310fのそれぞれを分離する。結果としての切断エッジは、各ダイ310a〜310fの周辺側部を画定する。周辺側部は、側部が交差してダイ310a〜310fの角をなすコーナーを形成した状態の概して長方形または正方形の形状を画定する。コーナーは特に、欠けの損傷を受けやすい。
【0011】
各ダイ310a〜310fは、活性領域340を包囲する終端リング330を含む。終端リング330は、ウェハー300上の切断線320と各ダイ310の周辺部または不活性領域350との間に形成される。
図3の例において、終端リング330は活性領域340を完全に取り囲む。活性領域340は、プリントヘッド114を制御するための回路(例えば、
図4を参照)を包含する。終端リング330は、静電放電(ESD)保護を提供し、ダイのエッジに近接する薄膜層を終端処理することができる。終端リング330は、例えばダイ310のエッジに対する欠け又は他の損傷に起因する可能性があるイオン汚染および水分浸透から活性領域340を保護するのに役立つ。また、終端リング330は、ダイ310の切断線320に沿って形成されたエッジの1つから生じる亀裂または欠けが、活性領域340へと広がることを防止するのにも役立つ。亀裂または欠けは、例えば切断工程またはストレス試験中に生じる可能性がある。例えば、サーマルインクジェット(TIJ)ダイは、それらの耐用年数の全体にわたってインク及び水分(湿気)にさらされ、終端リング330の設計および場所は、終端リング330のほうりんけい酸ガラス(BPSG)及び/又は金属層の浸食に関連した水分に起因するプリントヘッドの信頼性の低下につながる可能性がある、終端リング330に到達する又は終端リング330を通過して広がるチップの損傷を制限することができ、当該BPSG及び/又は金属層の浸食は、最終的に終端リング330を通過して、回路を含む活性領域340へと広がる可能性がある。
【0012】
終端リング330は、誘電体層および金属層を交互に積層することにより形成され、当該金属層は、誘電体層を貫通するバイアにより相互接続される。終端リング330は、内部のダイ薄膜および回路を水分の浸入および浸食にさらす可能性がある、切断工程および他の製造工程からの欠け及び亀裂の危険性を最小限にするために薄膜層を適切に終端処理する働きをする。ウェハーが切断線320に沿って切断される場合、終端リング330は、意図せぬ応力亀裂が切断線320に沿って活性領域340内の集積回路まで生じることを低減または防止することができる。また、終端リング330は、水分浸透、又は酸、アルカリ含有または汚染種の拡散のような化学損傷を低減または防止することができる。
【0013】
一般的な例において、流体吐出デバイス用のダイは、コーナーにおいて交差するエッジ(例えば、切断エッジ)により画定された周辺部により画定される。一般例のダイは、活性領域を包囲する終端リングを含むことができる。終端リングは一般に長方形であり、周辺部に類似する形状を有する。終端リングは、ダイの周辺部を画定するエッジの数マイクロメートル以内に位置することが多い。活性領域は、様々な回路を含む。ダイのサイズが小さいので、終端リングを包囲するダイの不活性領域は、活性領域の回路に利用できる面積を最大化するために最小限にされることが多い。回路は、互いに接近して配置されることが多く、ダイ上の限られたスペースに起因して活性領域の大部分を占有する。一般例のダイの不活性領域は狭くなる可能性があり、エッジの1つと、その関連したエッジに沿って延びる終端リングの側部の1つとの間の距離(x
1)を有する。また、不活性領域は、コーナーに隣接して比較的狭くなり、この場合、終端リングのコーナーは、より厳密にダイのコーナーに酷似し且つ活性領域を最大化するために、角をなす又は僅かに丸みを帯びる(半径r
1を有する)ことができる。1つの一般例において、距離x
1は30μmであり、切断線の幅は60μmである。結果として、この一般例において、コーナーの欠けは、終端リングと交差する大幅な可能性を有する可能性があり、この場合、これらは信頼性の低下につながる可能性があり、特にコーナーがダイの耐用年数を通じて曝露される。
【0014】
図4は、本開示の態様による、ダイ510の略平面図を示す。ダイ510は、コーナー524において交差するエッジ522により画定された周辺部520により画定される。ダイ510は、活性領域540を包囲する又は取り囲む終端リング530を含む。活性領域540は様々な回路550を含む。また、回路550は、ダイ510上の限られたスペースに起因して、互いに接近して配置されることができ、活性領域540の大部分を占有することができる。
【0015】
終端リング530は一般に、側部532及びコーナー534を有する長方形である。一例において、終端リング530は、ダイ510上でエッジ522の間の中心に置かれる。コーナー534の少なくとも1つは、半径r
2を有する。一例において、コーナー534のそれぞれは、半径r
2を有する。一例において、半径r
2は少なくとも90μmである。例えば、コーナー534の半径r
2は、90μm〜100μmとすることができる。側部532は概して、エッジ522に平行に延びる。
図4の例において、終端リング530は、後退させられ、又は流体吐出デバイス用の典型的なダイにおいて終端リングが概して引っ込んだ所に置かれているものに比べて大きい距離だけ、ダイ510のコーナー(単数または複数)524及びエッジ522から引っ込んだ所に置かれる。一例において、終端リング330は、コーナー534において斜角をつけられ得る。
【0016】
終端リング530とエッジ522及びコーナー524との間の距離は、活性領域540への欠け及び亀裂の伝播を低減および防止するための物理的な障壁としての機能を果たすように選択される。一例において、ダイ510のコーナー524と個々のコーナー524に隣接して配置された終端リング530のコーナー534との間の距離x
3は、ダイのエッジ522の1つとその関連するエッジ522に隣接する終端リング530の側部532との間の距離x
2の少なくとも3倍である。別の例において、ダイ510の角をなすコーナー524の1つと個々の角をなすコーナー524に隣接して配置された終端リング530の丸みを帯びたコーナー534との間の距離x
3は、ダイ510の周辺部エッジ522の1つと周辺部エッジ522の1つに隣接して延びる終端リング530の側部532の1つとの間の距離x
2の2倍を上回る。
図3を更に参照すると、一例において、切断線320の幅は、70μmであり、終端リング530とダイのエッジ(以降、ダイエッジと称する)522との間に、より広い不活性領域560をもたらす。例えば、シリコン基板の追加の5μmは、終端リングと鋸引きされたダイエッジ522との間に提供される。更に、回路550、555は、終端リング530がコーナー534において丸められ得るように配置される。この増大した不活性領域は、欠けの損傷の危険性を低減し、ダイエッジの損傷に対する堅牢性を改善することができる。
【0017】
図5は、本開示による、終端リング630を含むダイ610のコーナー624の略図である。また、
図5は、流体吐出デバイス用の典型的なダイの終端リング430が一般に何処に位置するかに関するオーバレイを破線で図式的に示す。
図5に示されたように、終端リング630のコーナーの半径r
2は、図式的に示された終端リング430のコーナーの半径r
1より大きい。回路650を含む活性領域640は、終端リング630により包囲される。終端リング630は、より厳密にコーナー624に酷似する、図式的に示された終端リング430とは異なり、コーナー624に酷似しない。丸みを帯びたコーナー634から角をなすコーナー624までの距離は、それに応じて終端リング630と共に増大する。言い換えれば、終端リング630のコーナー634の半径r
2は、コーナー624において最も大きい、終端リング630の外側の不活性領域660を形成する。終端リング630の内側の活性領域640は、増大した不活性領域660に応じて減少する。隣接するコーナー624における終端リング630のより大きい半径r
2は、欠けが生じることが多いコーナー624において、増大した不活性領域660を形成する。
【0018】
図6は、コーナー524a、524bに例示的な欠け570a、570bを含む
図4のダイ510を示す。ダイ510の先鋭な角をなすコーナー524の脆弱性に起因して、コーナー524において生じた欠け570a、570bは、エッジ522からダイ510内へ10数μm延びる可能性がある。ダイ510の基板に使用されるシリコンの結晶特性に起因して、類似したサイズを有する欠け570a、570bが生じることが多い。欠け570a、570bは、終端リング530と交差せずに、ダイ510のコーナーの部分を取り除く可能性がある。ダイ510のコーナー524及びエッジ522に沿った欠け570a、570bは、一般に小さく、終端リング530の方へ数μmしか延びず、終端リング530と交差する可能性、並びに薄膜および回路550、555を水分の浸食に曝露する可能性は比較的低い。不活性領域560内に含まれる欠け570a、570bは、無害な欠陥である。言い換えれば、欠け570a、570bは、活性領域540内に延びず、ダイ510の信頼性および回路550、555の機能に影響を及ぼさない。
【0019】
図7は、流体吐出デバイス用のダイを製造する例示的な方法700を示す。710において、複数のダイ回路および複数の終端リングを含む基板としてのウェハーが製作される。各終端リングは一般に、丸みを帯びたコーナーを有する長方形の境界を画定し、ダイ回路が配置される活性領域を取り囲む。720において、ウェハーは切断線に沿って個々のダイへ切断される。それぞれの個々のダイは、個々の活性領域内の個々のダイ回路を包囲する及び取り囲む複数の終端リングの1つを含む。終端リングの部分は、切断線に概して平行に延び、第1の切断線から切断線に概して平行に延びる終端リングの部分までの第1の距離より大きい半径を有する丸みを帯びたコーナーを形成するように交差する。切断線は、終端リングから或る距離を置いて形成され、個々のダイのそれぞれにおける終端リングを包囲する不活性領域を画定する。
【0020】
本明細書において、特定の例が示されて説明されたが、様々な代替の及び/又は等価の具現化形態が、本開示の範囲から逸脱せずに、図示および説明された特定の例と置き換えられ得る。本出願は、本明細書で説明された特定の例の何らかの改作物または変形物を網羅することが意図されている。従って、本開示は、特許請求の範囲およびその等価物によってのみ制限されることが意図されている。
【0021】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施形態を示す。
1.流体吐出デバイスであって、
ダイと、
流体を吐出するためのノズルとを含み、前記ダイが、
第1のエッジ、前記第1のエッジに対向する第2のエッジ、第3のエッジ、及び前記第3のエッジに対向する第4のエッジにより画定された周辺部であって、前記第3及び第4のエッジが、角をなすコーナーを形成するように前記第1及び第2のエッジに対して或る角度をなして配置されている、周辺部と、
流体を吐出するように前記流体吐出デバイスを制御するための回路を含む活性領域と、
前記周辺部と前記活性領域との間に配置された不活性領域と、
前記活性領域を取り囲む終端リングとを含み、前記終端リングが、前記第1、第2、第3、及び第4のエッジに平行に延びる側部、及び隣接する側部を結合するコーナーを含み、前記コーナーが、前記第1のエッジと前記終端リングの前記側部の1つとの間の第1の距離より大きいコーナー半径を有する、流体吐出デバイス。
2.前記ダイが、前記ダイの少なくとも一方の面に沿って電気接続のために構成されている、上記1に記載のデバイス。
3.前記回路が、前記角をなすコーナーから第2の距離に配置され、前記第2の距離が、前記コーナー半径より大きい、上記1に記載のデバイス。
4.前記終端リングが、前記第1及び第2のエッジと前記第3及び第4のエッジとの間の中心に置かれる、上記1に記載のデバイス。
5.前記ダイの第1のダイコーナーと前記第1のダイコーナーに隣接して配置された前記終端リングの第1のリングコーナーとの間の第2の距離が、前記ダイの前記第1のエッジと前記終端リングの前記側部の1つとの間の前記第1の距離の少なくとも3倍である、上記1に記載のデバイス。
6.前記不活性領域が、前記終端リングを包囲する、上記1に記載のデバイス。
7.流体吐出デバイス用のダイであって、
基板上に配置された回路を含むダイの活性領域であって、前記回路が流体を吐出するように前記流体吐出デバイスを制御する、活性領域と、
前記活性領域を包囲する複数の金属層および誘電体層を含み、丸みを帯びたコーナーにおいて交差する側部を有する概して長方形の終端リングと、
前記終端リングを包囲し、角をなすコーナーにおいて交差する前記ダイの周辺部エッジまで延びる前記ダイの不活性領域とを含み、
前記丸みを帯びたコーナーの少なくとも1つが、前記側部の1つと前記周辺部エッジの1つとの間の距離より大きい半径を有する、ダイ。
8.前記終端リングの前記丸みを帯びたコーナーの少なくとも1つが、斜角をつけられている、上記7に記載のダイ。
9.前記丸みを帯びたコーナーが、等しい半径を有する、上記7に記載のダイ。
10.前記丸みを帯びたコーナーの少なくとも2つが、異なる半径を有する、上記7に記載のダイ。
11.前記ダイの角をなすコーナーの1つと前記角をなすコーナーに隣接して配置された終端リングの前記丸みを帯びたコーナーとの間の距離が、前記ダイの周辺部エッジの1つと前記周辺部エッジの1つに隣接して延びる前記終端リングの側部の1つとの間の距離の2倍を上回る、上記7に記載のダイ。
12.前記終端リングは、前記不活性領域に対する損傷が前記活性領域へと広がることを防止するように配置されている、上記7に記載のダイ。
13.流体吐出デバイス用のダイを製造する方法であって、
複数の終端リングを含む基板としてウェハーを製作し、各終端リングが概して、丸みを帯びたコーナーを有する長方形の境界を形成し、前記複数の終端リングのそれぞれ内に画定された活性領域に回路を含んでおり、
前記ウェハーを切断線に沿って個々のダイへ切断することを含み、各ダイは、前記複数の終端リングの1つ、及びそれぞれの終端リング内の回路を含み、前記終端リングは、前記切断線に概して平行に延び、第1の切断線から前記第1の切断線に概して平行に延びる前記終端リングの部分までの第1の距離より大きい半径を有する丸みを帯びたコーナーを形成し、前記切断線は、前記終端リングから或る距離を置いて形成され、前記複数の終端リングのそれぞれを包囲する不活性領域を画定する、方法。
14.前記終端リングが、前記回路を含む活性領域と前記個々のダイのそれぞれの不活性領域との間に閉じた境界を画定する、上記13に記載の方法。
15.前記終端リングの前記丸みを帯びたコーナーが、斜角をつけられている、上記13に記載の方法。