(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、多開口撮像装置の一例を示す。
図1の多開口撮像装置10は、1つの画像センサ12と、複数の光学チャネル(optical channel)14とを含み、それらチャネル14の各々は、それぞれ光学系(optics)16
1,16
2,16
3,16
4により画定されている。各光学チャネル14
1,14
2,14
3,14
4は、割り当てられた光学系16
1〜16
4により、多開口撮像装置10の視界の全体領域の、チャネル固有のセクションを、各画像センサ領域12
1,12
2,12
3,12
4の上に投影する。画像センサ12は、例えば画像センサ領域12
1〜12
4内に画素アレイを含む、1つのチップであってもよい。代替的に、画像センサ12は、各画像センサ領域12
1〜12
4毎に、1つの画素アレイチップを含んでもよい。また、画像センサ12は1つの画素アレイを含み、その画素アレイが、画像センサ領域12
1〜12
4にわたって連続的に伸びる1つの画素アレイを含むこともあり得る。つまり、1つの画素アレイが長方形または可変の拡張部を備え、その拡張部の中に画像センサ領域12
1〜12
4が存在することも可能であり、その場合には、例えば、画像センサ12のこの共通の連続的な画素アレイの画像センサ領域12
1〜12
4だけが読み出されるであろう。これらの代替例の異なる組合せもまた可能である。例えば、2個以上のチャネルのために1つのチップが存在し、別のチャネルのためにもう一つのチップが存在するなどの場合である。画像センサ12に複数のチップが存在する場合、画像センサは、例えば1つ又は複数の基板上に、例えば全てが一緒、又はグループ別などの状態で、配置されることができる。
【0010】
光学系16
1〜16
4の各々は、例えば1つのレンズ又は一群のレンズであって、
図1に示すように、共通のホルダ18によって保持され得るもので構成される。一例として、ホルダ18は透明の材料で形成され、光学チャネルの光路(optical paths)によって透過されることがあり得るが、ホルダの他の代替例もまたあり得る。
【0011】
好ましくは、画像センサ領域12
1〜12
4は、1つの共通平面、即ち光学チャネル14の画像平面に配置される。
図1において、この平面は例示的に、デカルト座標系のx軸とy軸とにより形成された平面と平行に示され、その座標系は、以下の説明を簡素にすべく、
図1において参照符号20で示されている。
【0012】
画像センサ12に平行な一平面、即ちxy平面に平行な一平面内に、光学系16
1〜16
4も、互いに隣接して並ぶ状態で配置されている。
図1の例において、画像センサ平面内の画像センサ領域12
1〜12
4の相対位置は、更に、x軸に沿った光学系16
1〜16
4の相対位置とy軸に沿った光学系16
1〜16
4の相対位置とに対し、合同して位置決めされている。即ち、画像センサ領域12
1〜12
4の相対位置は、画像センサ12に対して横方向に、光学系16
1〜16
4の各光学中心が画像センサ領域12
1〜12
4の各中央部に対してセンタリングされるように、位置決めされている。これにより、
図1の例において、各光学チャネル14
1〜14
4の各光軸(optical axes)22
1〜22
4は互いに平行に伸びることになり、また、座標系20のz軸に対しても平行に伸び、これら光軸に対し、各画像センサ領域12
1〜12
4と各光学系16
1〜16
4とが、センタリングされている。しかしまた、上述のような、各画像センサ領域12
1〜12
4と各光学系16
1〜16
4との配置に関し、代替例も存在することに注意すべきである。例えば、光軸22
1〜22
4が僅かに逸脱していることもあり得る。更に、例えば画像安定化のために、多開口撮像装置が、光学系16
1〜16
4の画像センサ領域12
1〜12
4に対する相対位置を、横方向に、即ちx軸及び/又はy軸方向に、変化させ得る1つ以上の手段を含むことも可能である。この点については、
図10を参照されたい。
【0013】
各光学系16
1〜16
4は、多開口撮像装置10の全体又は総合的な視界を有する1つのシーン内に、割り当てされた画像センサ領域12
1〜12
4上に、各オブジェクトを投影する。そのため、各光学系16
1〜16
4は、画像センサ12から各々の間隔又は各々の距離を置いて位置決めされている。この距離は固定であってもよいが、多開口撮像装置はまた代替的に、このセンサから光学系までの距離を変化させる手段、例えば手動または自動の焦点変更手段を有していてもよい。
【0014】
図1において、光学チャネル14
1〜14
4の集合体14は単一線状アレイ(single-line array)として形成される。
図1の場合には、光学チャネル14
1〜14
4はx軸に沿って横に並ぶように配置されている。よって、x軸はアレイ14の線長さ方向(line extension direction)と対応する。画像センサ領域12
1〜12
4も、この方向に沿って互いに隣接して並ぶように配置されている。
図1において、光学チャネルの個数は例示的に4個であるが、2個以上の他の個数もまた可能である。
図1に示す光学チャネルの線形アレイの場合、画像センサ12及び光学系16により底面方向に制限されるので、多開口撮像装置10のサイズ長さは、線長さ方向に沿って最大となる。z軸に沿った、即ち光学チャネル14
1〜14
4の光軸または光路に沿った、画像センサ12と光学系16との相互配置により決定される多開口撮像装置10の最小長さは、x軸に沿った最小長さよりも小さい。しかし、光学チャネル14
1〜14
4の単一線状アレイとしての構成に起因して、そのz軸に沿った最小長さは、線長さ方向xに垂直な横方向yにおける多開口撮像装置の最小長さよりも大きい。y軸に沿った最小長さは、各個別の光学チャネル14
1〜14
4の横方向長さにより与えられ、例えば各光学系16
1〜16
4のy軸に沿った長さと場合によってはホルダ18を含む。この状況において、例えば携帯電話などの携帯型デバイスのハウジング内、つまり非常に平坦なハウジング内へと多開口撮像装置を設置するなどの用途に応じて、ビーム偏向がない光学チャネルの視野が、多開口撮像装置10の実際に望ましい視野方向からずれた方向へと現実に向けられるように、画像センサ12及び光学系16
1〜16
4を整列させることが望ましい場合も発生する。例えば画像センサ12及び光学系16
1〜16
4が、平坦なハウジングの最大側面又は主側面に対して垂直に整列されるように、多開口撮像装置10を設置することが望ましい場合も起こり得る。即ち、画像センサ12と光学系16
1〜16
4との間の光軸22
1〜22
4がこれらの主側面に対して平行であり、他方では、捕捉されるべきシーンがそれらの主側面に対して垂直、即ち、例えば表側である例えばスクリーンを含む1つの主側面の正面にあるか、又は、例えばハウジングの裏側である他の主側面の正面にある場合が起こり得る。
【0015】
このような理由から、多開口撮像装置10から見た多開口撮像装置10の全体視野が、z軸方向ではなく、他の方向とするため、多開口撮像装置10は、複数の光学チャネル14の光路または光軸22
1〜22
4を偏向させるビーム偏向装置を含む。
図1は、偏向後の多開口撮像装置10の全体視野がほぼy軸に沿った例示的な場合、即ち偏向がほぼzy平面において行われる例を示している。
【0016】
ビーム偏向装置24の更なる機能を説明する前に、光学チャネルのアレイ14の単一線状の特性に関する説明は限定的に解釈されるべきでなく、本出願の実施形態は、複数の光学チャネルが二次元アレイ内に配置される構成をも含むことに留意すべきである。例えば、上述した視点とは異なる視点から見て、多開口撮像装置10の全体視野の、画像センサ12及び光学系16
1〜16
4の組合せに対する再配向(reorientation)を実行することが望ましい場合もあり得る。そのような視点は、例えば以下に説明するようなビーム偏向装置24の追加的な機能にも関連し得る。
【0017】
上述したように、
図1の実施形態において、光軸22
1〜22
4は、ビーム偏向装置24による偏向の前または偏向なしのときには互いに平行であり、又は、例えば
図1に示すように、光学系16
1〜16
4において、光軸が平行状態から僅かにずれている。光学系16
1〜16
4及び画像センサ領域12
1〜12
4が対応してセンタリングされる位置決めは、製造が容易であり、設置空間を最小化する意味でも好ましい。光学チャネルの各光路が平行位置にあると、更なる効果として、個別のチャネル14
1〜14
Nによりカバーされる部分視野または各画像センサ領域12
1〜12
4上に投影される部分視野が、追加的な手段、即ちビーム偏向を用いずに、完全にオーバーラップするであろうという効果を有する。多開口撮像装置10によってより大きな全体視野をカバーするために、
図1のビーム偏向装置24の更なる機能として、チャネル14
1〜14
Nの各部分視野の相互のオーバーラップがより小さくなるように、光路に偏位(divergence)を付与することができる。
【0018】
例えば、光学チャネル14
1〜14
4の光路の光軸22
1〜22
4は、ビーム偏向装置24による偏向の前または偏向なしの場合に、互いに平行であるか、又は、光学チャネル14
1〜14
Nの各部分視野の最小開口角度の10分の1よりも小さい角度だけ、全てのチャネルに亘って平均化された方位に沿った平行方位からずれている。追加的な手段が無い場合、部分視野は殆どオーバーラップするであろう。従って、
図1のビーム偏向装置24は、各光学チャネル14
1〜14
Nについて、そのチャネルに対して明確に割り当てられた反射ファセット26
1〜26
4を含み、それらファセットは各々光学的に平面であり、互いに対して傾斜している。つまり、各光学チャネルの部分視野が空間角度に関してより小さくオーバーラップして、例えば光学チャネル14
1〜14
Nの個別の部分視野の開口角度の1.5倍より大きい開口角度を有する全体視野をカバーするように、傾斜している。
図1の例示的な場合、反射ファセット26
1〜26
4の相互の傾斜の効果として、例えば、現実にはx軸に沿って互いに隣接して線形に配置された光学チャネル14
1〜14
Nが、部分視野30
1〜30
4の二次元配置に従って全体視野28をカバーすることになる。
【0019】
図1の実施形態において、光学チャネル14
1〜14
4の光軸22
1〜22
4の角度偏向を、ビーム偏向前の光軸の平均化された方向とビーム偏向後の光軸の平均化された方向とにより決定され又は定義される平面において考察した場合、即ち
図1の実施形態におけるxy平面と、そのxy平面に対して垂直に延びかつビーム偏向後の光軸の平均化された方向と平行な平面とにおいて考察した場合、
図2a及び
図2bに示す挙動が結果として生まれる。
図2aは前者の平面におけるビーム偏向α
xを示し、
図2bは後者の平面におけるビーム偏向、即ちα
zを示す。
図2a及び
図2bは、ビーム偏向後の平均方向がy軸に対応するように、光軸の平均的なビーム偏向が行われる場合を示す。平均では、光学チャネルの光軸はyz平面においてx軸の周りに90°偏向され、平均すれば光軸はyz平面から傾斜してはいない。
【0020】
図1において点線32で示すように、ほぼプリズム形状の本体がビーム偏向装置として形成され得るが、これは本願の明細書の導入部で既に説明したような欠点を伴い得る。つまり、成形過程で発生する損失が、形成されるべき材料の材料量に依存しており、よって、符号32で示すような本体の成形は、製造コストを増大させるという困難性を伴うか、又は光学チャネル14
1〜14
Nの光学的投影の品質を低下させるという結果をもたらすであろう。
【0021】
後者の理由のために、以下により詳細に説明するように、
図1のビーム偏向装置24は、この偏向装置が共通のキャリア基板34を含み、このキャリア基板を複数の光学チャネル14が共有し、つまりキャリア基板が全ての光学チャネルにわたって延びるように、製造される。キャリア基板34は、光学チャネルの光軸の平均方向が偏向される軸、即ち
図1のx軸の周りに、設定角度α
x0をもって傾斜した状態で画像センサ12に対して配置される。その設定角度の効果として、ビーム偏向装置24の画像センサに対向する表面が、既に光学チャネルの光路の「粗い偏向」をもたらす。
【0022】
α
xminが光学チャネル14
1〜14
4の光軸
221〜224のx軸周りの最小ビーム偏向である場合、即ち、
【数1】
であって、α
xiが光学チャネル14
iのビーム偏向と等しく、α
xi=0である場合、つまり、ビーム偏向が何も起こらない場合、キャリア基板
34は、画像センサ12に対し、
【数2】
が当てはまるように傾斜され得る。ここで、α
x0は0°よりも大きくかつ90°よりも小さく、α
x0=0°はキャリア基板34の画像センサ12に対する面平行配向(plane-parallel orientation)に対応する。この場合については、
図4aを参照しながら以下に説明する。図から分かるように、この場合、反射ファセット26
1-4は、基板に対してyz平面において傾斜しておらず、又は一方向にだけ傾斜しており、その結果、画像センサに近い基板の横面が逆方向を向いた横面よりも幅狭となっている。等式が当てはまる場合、即ち
【数3】
の場合、基板に対してyz平面において傾斜していない少なくとも1つのファセットが存在する。
【0023】
α
xmaxは、例えば光学チャネル14
1〜14
4の光軸
221〜224のx軸周りの最大ビーム偏向、即ち
【数4】
であり得る。その場合、例えば、キャリア基板
34も画像センサ12に対し、
【数5】
が当てはまるように傾斜され得る。この場合については、
図4bを参照しながら以下に説明する。図から分かるように、この場合、反射ファセット26
1-4は、基板に対してyz平面において傾斜しておらず、又は一方向にだけ傾斜しており、その結果、画像センサに近い基板の横面が逆方向を向いた横面よりも幅広となっている。等式が当てはまる場合、即ち
【数6】
の場合、基板に対してyz平面において傾斜していない少なくとも1つのファセットが存在する。
【0024】
上述のような方法で、ビーム偏向装置24は、反射ファセット26
1〜26
4の相互傾斜を形成するために、純粋な平行六面体形状に加え、(純粋な平行六面体形状に追加して)追加的材料を、画像センサ12に対向する側にだけ含み得る。しかし、このような傾斜角は、光路の残差偏向(residual deflections)を実行するだけのものであるため、全体の偏向角度α
xiよりもずっと小さい。yz平面における傾斜角β
xiについて、即ちx軸周りの残差偏向について、
【数7】
が当てはまる。yz平面における各傾斜角は、より微細な個別の偏向の各半分に相当する。yz平面からのビーム偏向に関する他の横断方向において、x軸に沿った基板平面からのファセットの偏向角度α
zi及び傾斜角β
ziは、いずれにしろ小さい。
【0025】
ビーム偏向装置24によって各光学チャネルの光路を偏向する偏向角度にとって、このことは、偏向角度α
zi及び傾斜角β
ziの各々が、設定角度α
x0と、光学チャネルに割り当てられた反射ファセットのキャリア基板34そのものに対するそれぞれの傾斜とに基づくことを意味する。ファセット26
1〜26
4のこれら前述の各面固有の傾斜は、上述したように、yz平面における傾斜角と、キャリア基板
34のyz平面に垂直な平面における法線に対する傾斜角と、によって表すことができる。各チャネルについて設定角度α
x0が傾斜よりも大きい、つまり、全てのチャネルについて
【数8】
が当てはまる場合、望ましい。前記不等式がα
x0/2について又はα
x0/3についても既に満足している場合、更に好ましい。換言すれば、設定角度がファセット26
1〜26
Nの傾斜角よりも大きいことが好ましく、それによりビーム偏向装置24の純粋な平行六面体形状に関する追加的材料が削減される。α
x0は、例えば30°以上60°以下であり得る。
【0026】
図3a〜
図3dは、
図1で例示的に示したように、線形に又は一方側に配置された4個の光学チャネルの一例について、一実施形態に係るビーム偏向装置の側面図を示す。
図3a〜
図3dのビーム偏向装置24は、
図1のビーム偏向装置としても使用され得る。その場合、部分視野は全体視野を、
図1内で時計周りの方向3,4,2,1にカバーするのではなく、代わりに4,2,1,3の順序に従って時計周りの方向にカバーするであろう。ファセット26
1〜26
4の傾斜角は
図3a〜
図3dに示される。それらファセット26
1〜26
4は互いに区別され、又は上付きのインデックス1〜4によってそれぞれのチャネルに対して割り当てられている。ここで、β
x1及びβ
x4の両方が0°である。キャリア基板の裏側、即ちファセット26
1〜26
4が設けられた表面の反対側は、
図3a〜
図3dにおいて符号36で示されている。キャリア基板34の平行六面体形状部分を形成する材料は、点線38の下方にある。平行六面体形状部分に追加される追加的材料は、成形が容易となるように、小さい体積を有することがわかる。
【0027】
図3a〜
図3dのビーム偏向装置24の製造は、例えば追加的材料が成形ツールによりキャリア基板34上に成形されるという方法で実行され得る。ここで、キャリア基板34はガラスでもよく、他方、その上の成形される追加的材料はポリマーでもよい。更なる選択肢として、
図3a〜
図3dのビーム偏向装置24を射出成形またはその他によって一体的に成形してもよい。
【0028】
上段で説明したように、
図4aに示す通り、チャネル14
iのファセット26
iの傾斜角は、x軸周り又はyz平面内で同じ方向に傾けられ得ること、即ち、ビーム偏向装置24のキャリア基板34の設定角度α
x0分だけ画像センサ12に対して傾けられ得ることを既に説明してきた。その場合、画像センサ12からより遠い位置にあるビーム偏向装置24の側面40の厚みが、画像センサ領域12に近い側面42よりも大きくなることが、全てのチャネルの全てのファセット26
iについて当てはまる。しかし、これには
図4b及び
図4cに示すような代替例もある。
図4bによれば、このような状況は逆となる。つまり、yz平面におけるファセット26
iの傾斜角、即ち傾斜β
xiは、ビーム偏向装置24が画像センサ領域と対向する側面42を有し、その側面42が画像センサ領域12からより遠い位置に向いている側面40よりも厚くなることが、全てのファセット26
iについて当てはまるように設定される。従って、
図4bは、
図2a及び
図2bを参照して、次式が当てはまる。
【数9】
図4cによれば、両方の場合が発生することも可能である。即ち、あるファセット26
iが
図4aに従って傾斜し、あるファセット26
jが
図4bに従って傾斜し得る。従って、
【数10】
が当てはまる。
【0029】
このように、
図3の偏向装置を有する
図1の実施形態は多開口撮像装置を表しており、各チャネルが画像センサ領域12
i上への投影を画定し、割り当てられた撮像光学系16
iを含み、ビーム偏向装置
24の割り当てられたセグメント又はファセット
26iによって偏向される。ファセット26
iは、画像センサ12に対向するビーム偏向装置24の表面または側面の部分を表している。そのファセットは、ガラス、ポリマー、金属、シリコン又は他の適切な材料の共通平面基板34の上に、UV硬化性ポリマーなどのポリマーを成形することで製造され得る。平面基板34と、その上に成形された複数のプリズムであって各チャネル14
iについて1つのプリズムとからなる、偏向装置24を形成している本体は、撮像チャネル14
iの光軸22
iと整列されることができ、その場合、基板34の垂直な面、即ちビーム偏向装置24の平行六面体部分の上の法線が、光軸22
iに対して0°よりも大きく90°よりも小さく、好ましくは約45°であるか、又は30°以上60°以下である、角度を持つ。
【0030】
一実施形態によれば、複数の偏向装置24が1つの基板上に反復処理によって同時に製造される。以下に一実施形態について説明する。反射性を持つファセット26
iを提供する目的で、1つの反射材料が成形されてもよく、又は、ファセット26
iの前面がミラーリングされてもよい。それらミラーは、金属層および誘電体層の両方を含み得る。
【0031】
また換言すれば、
図3に係る偏向装置は、量産的に製造されてもよい。ここでは、
図5aに示す偏向装置は、平坦な基板の上に例えばポリマーを成形(molding)するか、又は、ガラス若しくはポリマーを注型(casting)もしくは型押し(impressing)することで製造され、
図5bに示すような単一構成材の実体物が結果として得られる。次に、個々の偏向装置は、ソーイング、レーザー、サンド又はウォータージェット切断などで単体化され得る。そのような分離は、キャリア基板34に対して垂直、又はキャリア基板34の裏面38に対して垂直なソーイング切断43を用いて実行され得ることが明らかである。しかしながら、有利なことに、そのような分離は、単体化切断によって切断面が生まれるように、基板34の面法線に対して0でない角度を持って切断することで、実行され得る。
図6aはキャリア基板34上にポリマーを成形する場合の垂直切断を示し、
図6bは材料を型押ししてその後に垂直切断する場合を示し、
図7は、平坦なキャリア基板上にポリマーを成形し、斜め切断面43に沿って、即ちキャリア基板の垂直領域に対して角度をもつ切断面に沿って単体化する場合を例示的に示している。
【0032】
図8はこの根拠を示す。つまり、隣接する偏向装置の間に位置し、線長さ方向と平行に延びる単体化切断面の切断角は、偏向装置を多開口撮像装置10内へと設置した場合に、ビーム偏向前またはビーム偏向が無いときこれら切断面が光学チャネル14iの光軸22
iに対して平行または略平行となるように選択されることができ、その結果、概して、多開口撮像装置10の全体システムの最小の設置高さがもたらされるようになる。
図8は、そこから生まれた最小設置高さを示しており、これは
図4bの場合を説明するものである。つまり、各チャネルiについて、yz平面、即ち設定角度が最大である平面におけるファセットが傾斜しており、それにより、画像センサ12から最も遠く離れたキャリア基板34の側面40であって、上述した平面に垂直に延び、即ち画像センサ12の線長さ方向に平行に延びる側面40が、キャリア基板34の平行六面体形状と比べ、ファセット26
iを形成するための追加的材料によって、キャリア基板34の厚み方向において全く増大させないか殆ど増大させない。
図8に示すように、これら側面40と42とは、画像センサ側の光路の一部または光軸22
iに対して平行に延びる。有利なことに、
図4bの構成の場合、
図6a、
図6b、
図7において線43により示される単体化平面は、ファセットを形成する追加的材料と交差しない。
図4aの構成の場合、このことは、全てのファセットについて当てはまる訳ではなく、
図4cの構成の場合、
図4aの構成と対応するファセットについて当てはまる訳ではない。しかし、
図4bと
図8とを比較すればわかるように、y方向における設置高さは、
図4bと比べて
図8の場合に低減されている。yz平面における側面40と裏面36との間の角度γに関して、次式が当てはまる。
【数11】
【0033】
図9は
図4aの場合についての一例を示し、裏面36に対して対称的に、ビーム偏向装置が、同様に形成された基板34’を、基板34に追加して含む。線長さ方向に沿って又はx軸に沿って延びる軸48周りに回転可能なビーム偏向装置24のサスペンションにより、ビーム偏向装置24は、上述の設定角度を有する位置Iから、画像センサ12に対して反対方向の傾斜に対応する設定角度を有する位置IIへと変化することができ、これにより、位置Iにおいてはファセット26
iが上述のビーム偏向を達成し、他方で、位置IIにおいては、
図9で符号22
i又は22
i’により示されるように、ファセット26
i’が略反対方向のビーム偏向を達成する。軸48周りの回転によるこの可逆性を、
図4b又は
図4cに係る構成の中に適用することも可能であることは明らかである。製造については、例えば、2つの基板34及び34’の裏面を接着接合または他の結合処理などにより互いに接合してもよい。
【0034】
就中、ビーム偏向前またはビーム偏向無しの場合に、光路または光軸が平行位置からずれてもよいことは、既に記載した通りである。この状況については、チャネルはある種の予偏位(pre-divergence)を与えられても良いという事実により、以下に説明する。光軸22
1〜22
4の予偏位により、例えば全てのファセット傾斜が異なる訳ではなく、例えばチャネルの幾つかのグループが同一傾斜のファセットを持つということが可能になり得るであろう。同一傾斜のファセットの場合、線長さ方向において隣接するチャネルのこのグループに対して割り当てられた事実上1つのファセットとして、一体的に又は連続的に互に合体して形成されることができる。その場合、これらチャネルの光軸の偏位は、光学系の光学中心とチャネルの画像センサ領域との間の横方向オフセットにより得られた、これら光軸の偏位に起因し得る。予偏位は、例えば一平面に制限されてもよい。ビーム偏向前またはビーム偏向無しの場合に、光軸は、例えば1つの共通平面内に延びるが、その平面内において偏位しており、ファセットは、他の横断面における追加的な偏位にだけ影響を及ぼす。即ち、それらファセットは、全てが線長さ方向に平行に傾斜しており(全ての iについてβ
iz=0)、かつ、光軸の上述した共通平面から互いに対して異なるだけであり、複数のファセットが、同一の傾斜を有するか、又はあるグループのチャネルと一緒に割り当てられてもよく、そのグループのチャネルの光軸は、例えば、ビーム偏向前またはビーム偏向無しの場合に、光軸の上述した共通平面内でペア毎に既に異なっていてもよい。
【0035】
上述した存在可能な予偏位は、例えば複数の光学系の光学中心を線長さ方向に沿って一直線上に配置する一方で、複数の画像センサ領域の中心が、画像センサ平面内の一直線の複数の点で、画像センサ領域の平面の法線に沿って光学中心の投影からずれた状態で配置されることで、取得可能である。上述の点は、例えば線長さ方向に沿って、及び/又は、線長さ方向および画像センサの法線の両方に対して垂直な方向に沿って、チャネル固有の状態で画像センサ平面内の上述した直線上の点からずれていてもよい。代替的に、予偏位は、画像センサの中心が線長さ方向に沿って一直線上にある一方で、光学中心平面内の一直線の複数の点において、画像センサの光学中心の投影からの光学系の中心が光学系の光学中心平面の法線に沿ってずれた状態で配置されることで、取得可能である。上述の点は、例えば線長さ方向に沿って、及び/又は、線長さ方向および光学中心平面の法線の両方に対する垂直方向に沿って、チャネル固有の状態で光学中心平面内の上述した直線上の点からずれていてもよい。それぞれの投影からの上述したチャネル固有のずれが線長さ方向においてだけ存在することが望ましく、即ち、共通平面内にある光軸が予偏位を有することが望ましい。その場合、光学中心と画像センサ領域の中心との両方が、線長さ方向と平行な一直線上にあるが、異なる中間距離を持つことになる。対照的に、線長さ方向に対して横の垂直方向のレンズと画像センサとの間の横方向オフセットは、設置高さの増大をもたらすであろう。線長さ方向の平面内だけのオフセットは、設置高さを変更するものではないが、ファセットの個数が減少するか、及び/又は、複数のファセットが一つの角度方向における傾斜だけを持つことになり、それは構造の簡素化をもたらすであろう。このことは
図13a及び
図13bに示され、そこでは、隣接するチャネル14
1及び14
2を一方とし、隣接するチャネル14
3及び14
4を他方とするものが、共通平面内を通りかつ互いに対して斜視状態で延びる、即ち予偏位を与えられた光軸
221及び222、又は223及び224を有する。ファセットのそれぞれのペアの間の点線により示されているように、ファセット26
1及び26
2は1つのファセットによって形成されることができ、ファセット26
3及び26
4はもう1つのファセットによって形成されることができ、2個のファセットだけが一方向に傾斜し、かつ両方が線長さ方向と平行である。即ち、
(全てのiについてβ
iz=0かつβ
ix≠0、及びβ
1x=β
2xかつβ
3x=β
4x)
【0036】
更に、スーパー解像度のため、又は幾つかの光学チャネルによってそれぞれの部分視野がサンプリングされる解像度を増大させるため、これらの光学チャネルが同じ部分視野に割り当てられるということも意図され得る。その場合、そのような1グループ内の光学チャネルは、ビーム偏向前には平行して延び、1つのファセットによって1つの部分視野へと偏向されるであろう。有利なことに、あるグループの1つのチャネルの画像センサのピクセル画像は、このグループの別のチャネルの画像センサのピクセルの画像間の中間位置に位置するであろう。
【0037】
線長さ方向に直に隣接するチャネルのあるグループが、それらの部分視野を用いて全体視野を完全にカバーし、しかも、直に隣接するチャネルの別のグループがそれらの部分上で全体視野を完全にカバーすることも、例えばスーパー解像度のためでなく、単に立体視目的として、可能であろう。
【0038】
図10は、
図1の多開口撮像装置10が、線長さ方向に対して平行な軸、またはx軸の周りでビーム偏向装置24の回転を可能にする手段50を更に含み得る場合を示す。回転軸は、例えば、光軸22
1〜22
4の平面内にあるか、又は光学系16
1〜16
4の直径の4分の1よりも小さい距離だけその平面から離れている。代替的に、回転軸が、例えば1つの光学系の直径よりも小さい距離、又は4個の光学系の直径よりも小さい距離だけさらに離れることも可能であろう。この手段50は、設定角度を適応的に変換させることでx軸周りのぼやけ(blurs)を補償することにより、及び/又は、
図9を参照して説明した位置I及びIIの間でビーム偏向装置24をシフトするための、例えば装置10の画像安定化制御の一部になり得る。
【0039】
更に、
図10の多開口撮像装置10は、追加的または代替的に、x軸に沿った光学系16
iの並進移動(translatory movement)を可能にする手段52を含み得る。その手段52もまた、画像安定化の一部であってもよく、例えば、手段50を介する上述したぼやけ補償に対して垂直方向におけるぼやけに対し、効果を発揮し得る。
【0040】
追加的または代替的に、装置10は、焦点調節のために、画像センサ12と光学系16との間の光軸22
iに沿った距離を調節する手段54を含み得る。手段54は、自動焦点制御によって、又は装置10が設置された装置のユーザーによる手動によって、制御され得る。
【0041】
手段52は光学系のサスペンションとしての役割を担い、好ましくは図
10に示すように、手段52は、設置高さを増大させないように、線長さ方向に沿って横方向に光学系に隣接して配置される。同様に、手段50及び54についても、それらが設置高さを増大させないように、好ましくは光路の平面内に配置される。
【0042】
注意すべきは、光学系16
1〜16
4は、例えば既に上述した透明基板を介してそれら同士間で互いに保持され得るだけでなく、例えば適切なフレームを介してビーム偏向装置に対して一定の相対位置で保持されてもよく、そのフレームは、好ましくは設置高さを増大させず、よって好ましくは構成要素12、14及び24の平面内又は光路の平面内に延びるものである。その相対位置の一貫性は、光軸に沿った光学系とビーム偏向装置との間の距離に限定されることができ、そのために、手段54が例えば光学系16
1〜16
4とビーム偏向装置とを一緒に光軸に沿って並進方式で運動させる。光学系からビーム偏向装置までの距離は、チャネルの光路がビーム偏向装置24のセグメントによって横方向に制限されないように、最短距離に設定されることができ、これにより設置高さが低減される。さもなければ、光路を制限しないように、セグメント26
iは、横方向拡張に関して光学系からビーム偏向装置までの最大距離のために寸法設定される必要があったであろう。追加的に、上述したフレームの相対位置の一貫性は光学系とビーム偏向装置とをx軸に沿って互いに固定方式で保持することができ、その場合には、手段52が光学系16
1〜16
4とビーム偏向装置とを一緒に線長さ方向に沿って並進方式で移動させるであろう。
【0043】
光学チャネルの光路を偏向するための上述したビーム偏向装置24と、多開口撮像装置の光学画像安定化制御のビーム偏向装置24の回転運動を発生させるアクチュエータ50とにより、2次元における画像または全体視野の安定化が可能になる。即ち、基板18の並進運動による、ビーム偏向装置とほぼ平行して延びる第1画像軸に沿った画像安定化と、ビーム偏向装置24の回転運動を発生させることによる、ビーム偏向前またはビーム偏向無しのときの光軸とほぼ平行に延びる、又は、偏向された光軸が考慮されるならばその光軸および線長さ方向に対して垂直方向の、第2画像軸に沿った画像安定化とである。さらに、上述した配置は、焦点調節を実現するため及びそれにより自動焦点機能を構成するために使用され得る上述したアクチュエータ54によって、上述したフレーム内に固定されたビーム偏向装置と線長さ方向に対して垂直なアレイ14との並進移動を可能にし得る。
【0044】
完璧を期すため、上述の説明について次のことに注意されたい。即ち、この装置は、画像センサ領域を介して捕捉するとき、各チャネル当たり1シーンの1画像、即ち画像センサ領域上にチャネルによって投影された画像を捕捉すること、及び、この装置は任意選択的にプロセッサを備えることができ、そのプロセッサは、複数の画像を全体視野におけるシーンに相当する1つの全体画像へと結合または合体させ、及び/又は、オブジェクトシーンの3D画像データ及び深度情報のような追加的データを提供することができる。これら追加的データは、深度マップの生成のため、及び、リフォーカシング(実際の捕捉後の画像定義領域の決定)、全焦点画像(All-in-Focus images)、仮想グリーンスクリーン(前景と背景の分離)など、ソフトウェア実現のためである。後者の作業は、そのプロセッサによって、又は外部的に実行されることができる。しかし、そのプロセッサは多開口撮像装置に対する外部の構成要素を表していてもよい。
【0045】
上述の説明に関し、ファセット26
iはミラー化されていてもよいことにさらに留意すべきである。代替的に、キャリア基板の平行六面体形状部分に加え、別のミラーリングを省略できるように、ミラーリング材料の追加的材料を形成することも可能であろう。
【0046】
図11は、上述した種々の例の装置10が携帯電話やメディアプレーヤーなどの例えば携帯デバイス200の平坦なハウジング内に組み込まれ得ることを示し、その場合、例えば、画像センサ12又は画像センサ領域の平面とチャネル14の光学系のレンズ平面とが、平坦なハウジングの平坦な拡張方向に対して垂直に、または厚み方向に対して平行に、整列されている。そのようにして、例えば、ビーム偏向装置24は、多開口撮像装置10の全体視野が、例えばモニター
204をも含む平坦なハウジングの前側202の正面になる、という効果をもたらすであろう。代替的に、前側202とは反対側の平坦なハウジングの裏側の正面に視野がくるように、偏向を行うことも可能であろう。光学チャネル14の光路が通過できるようにするため、ハウジングは、透過側202内に透明な窓
206を有し得る。更に、前側及び/又は裏側の窓の開口部を通過する入光に影響を与えるために、(機械的に可動で、エレクトロクロミックの)切り替え可能なダイアフラムが取り付けられてもよい。ハウジング内への装置10の図示された配置に起因して、ハウジングの厚みと平行である装置10の設置高さが低く抑えられ得るので、デバイス200のハウジング又はデバイス自体は平坦であり得る。次のような切り替えを行うことも可能である。即ち、側面202と反対側の側面に窓が設けられており、ビーム偏向装置を2位置の間で移動可能とし、その一方の位置が他方の位置に対して回転されるように、例えば
図9に示すような前面上および裏面上でミラーリングするミラーとしてビーム偏向装置を構成するか、又は、1つの位置のための一組のファセットと他の位置のための別の組のファセットとを有し、それらファセットの組同士が線長さ方向において互いに隣接して配置されている1つのファセットミラーとして構成し、それら2つの位置間の切り替えが、ビーム偏向装置を線長さ方向に沿って並進方式で前後に移動させることで実行される。装置10を、例えば車両のような非携帯型でもあり得る他の装置の中に設置することも可能であろう。
図12は、複数のモジュール10であって、それらのチャネルの部分視野が完全に又は任意選択的に合同して同一視野をカバーするモジュールが、デバイス200内に設置された例を示しており、例えば立体的映像を目的として、それらモジュールの相互間に例えば両方のモジュールにとって同じである線長さ方向に沿う基礎距離Bを持つ様子を示す。3個以上のモジュールがあってもよい。それらモジュール10の線長さ方向は、同一線上になくてもよく、単に互いに平行であるだけでもよい。しかしながら、上述したように、複数のチャネルがグループ単位で同じの全体視野を完全にカバーするように、1つの装置10又はモジュールが複数のチャネルを備えてもよいことに留意すべきである。
【0047】
このように、上述の実施形態は、単一線状のチャネル配置を有する多開口撮像装置の形態で実装されてもよく、各チャネルは全体視野の1つの部分視野を伝送し、それら部分視野が部分的にオーバーラップしてもよい。3D画像を捕捉するためのステレオ、トリオ、クアトロなどの構造に関し、複数の当該多開口撮像装置を有する構造も可能である。その場合、複数のモジュールは連続線として構成され得る。その連続線は、複数の同等のアクチュエータと1つの共通のビーム偏向要素を使用してもよい。光路内に存在し得る1つ又は複数の増幅基板が、ステレオ、トリオ、クアトロ構造を形成し得るように、全長にわたって延びていてもよい。スーパー解像度のための方法も使用可能であり、その場合、複数のチャネルが同じ部分画像領域を投影する。ビーム偏向ユニット上に必要なファセットの個数を減らすため、光軸は、ビーム偏向装置が無い場合でも偏位していてもよい。有利なことに、その場合、ファセットはただ1つの角度要素を有していてもよい。画像センサは一体形のユニットであってもよく、ただ1つの連続した画素行列または複数の非連続的なピクセル行列を持ち得る。画像センサは、例えば1つのプリント回路基板上に互いに隣接して配置された複数の部分的センサの組合せであってもよい。自動焦点駆動は、ビーム偏向要素が光学系と同期して動作するか又は静止するように、構成されてもよい。