特許第6643463号(P6643463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643463
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】シートベルト用補助具
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/10 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
   B60R22/10 105
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-514074(P2018-514074)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2016063453
(87)【国際公開番号】WO2017187624
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2019年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】500318335
【氏名又は名称】中尾 浩治
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100142158
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 啓
(72)【発明者】
【氏名】中尾 浩治
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−509331(JP,A)
【文献】 特開2003−312438(JP,A)
【文献】 特開2000−001154(JP,A)
【文献】 特開平11−180251(JP,A)
【文献】 特開平10−230816(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3063568(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3097816(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に装備された三点式のシートベルトの装着位置を補正するためのシートベルト用補助具であって、
前記自動車が備える座席シートの背凭れ部の上端にヘッドレストを連結してなる連結具に巻き掛けられた縦紐部と、
前記縦紐部の下端に吊り下げられて前記三点式シートベルトの装着金具よりも下側の下ベルト部を保持する下保持具と、
前記縦紐部の途中位置に取り付けられて前記三点式シートベルトの前記装着金具よりも上側の上ベルト部を保持する上保持具と、
前記縦紐部の途中位置に取り付けられてその取付位置を調節可能な調節金具と、を備え、
前記下保持具は、横方向を長手方向とする長尺状の筒状体と、前記筒状体の長手方向に沿って形成されたスリット状の開口部とを備え、前記開口部から前記シートベルトの前記下ベルト部を前記筒状体の内部に収容して保持可能であり、
前記上保持具は、筒状体と該筒状体の一部に形成されたスリット状の開口部とを備え、前記開口部から前記シートベルトの前記上ベルト部を前記筒状体の内部に収容可能であり、かつ、前記調節金具を介して前記縦紐部に取り付けられていることで前記縦紐部の長手方向の任意の位置で係止することが可能であり、
前記下保持具によって前記下ベルト部の装着位置が補正され、前記上保持具によって前記上ベルト部の装着位置が補正される
ことを特徴とするシートベルト用補助具。
【請求項2】
前記縦紐部は、その長手方向の両端が前記下保持具の両端又はその近傍にそれぞれ連結されており、
前記上保持具は、左右一対がそれぞれ左右の前記縦紐部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用補助具。
【請求項3】
前記下保持具の前記座席シート側の面に取り付けたクッション部材を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシートベルト用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に装備された三点式のシートベルトの装着位置を補正するためのシートベルト用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車に装備された座席用のシートベルトは大人の体型に合うようなものとなっている。そのため、座高の低い幼児や低年齢の子供を座席に座らせる場合、自動車に装備されたシートベルトだけでは安定した座席への身体の保持ができず、万一の事故の際や、車に強い遠心力がかかった際などに幼児や子供の身体がシートベルトからすり抜けてしまうなどの危険があるという問題があった。
【0003】
このことへの対策として、現在、チャイルドシートが用いられている。チャイルドシートは、自動車の座席にシートベルトを用いて固定するもので、幼児又は子供を着席させたり寝かせたりすることできるように、椅子形あるいは舟形に形成されている。
【0004】
しかし、このチャイルドシートでは、シートベルトが保持するのはあくまでもチャイルドシート自体であって、幼児又は子供の身体はシートベルトによっては直接保持されない。しかもチャイルドシートの構造上、シートベルトが保持する部分はチャイルドシートの下辺部(下側の部分)に偏っている。そのため、急ブレーキをかけた際の慣性力やカーブ走行の際に働く強い遠心力が幼児又は子供の身体にかかってしまい、身体が前後左右に揺れて不安定になりやすい。
【0005】
自動車に装備されたシートベルトにはモータ駆動のプリテンショナー機構(自動車のブレーキ動作と連動して車体側にベルトを引き込む機構)が設けられている場合がある。しかしながら、上記のようにチャイルドシートを取り付けた場合は、このプリテンショナーの機能を子供に直接働かせることができず、場合によっては、急ブレーキをかけた際にチャイルドシートごと前のめりになってしまうこともあり得る。そのため、安全性の点においてチャイルドシートは完全でない。
【0006】
このような問題に加え、チャイルドシートを装着している間は、一人分の座席シートのほぼ全部をチャイルドシートが占有することとなる。そのため、幼児又は子供が乗車しない場合においても、そのままでは大人が乗車できないため、自動車の乗車定員が減ってしまい、車内の居住性を損ねるという問題がある。
【0007】
本願発明の発明者は、このような従来型チャイルドシートの問題点のうち、特に上記の車内の居住性を損ねる点に焦点を絞り、軽量タイプのチャイルドシートを発明し、特許出願をした(特許文献1)。この特許文献1に記載のチャイルドシートは、車のシートに基板を装着し、分離型の座席板を基板に施されたレールに接着するものである。これによってチャイルドシートによる専有部分を極端に縮小することができるので、後部座席に複数の子供を座らせることが可能となる。
【0008】
さらに本願発明の発明者は、居住性よりも安全性に主眼をおいた他の発明について特許出願を行った(特許文献2)。この特許文献2に記載の補助シートベルトは、自動車シートの背もたれ部分に取り付けが可能な取付部と、この取付部に取り付けられて装着者の右肩と左肩とにそれぞれ当接させることができる2本の装着用ベルトと、この2本の装着用ベルトの先端が取り付けられる接続部材とを備え、接続部材は、シートベルトのベルト部分に対して接続される第1接続手段と、シートベルトの受け部分に対して接続される第2接続手段とを備え、シートベルトにおける上記のベルト部分と受け部分とが上記の両接続手段を介して接続されるものである。
【0009】
すなわち、車のシートベルトの雄のバックルと雌のバックルとの間に子ども用のバックルを介在させるというものであり、これによって、車のシートベルトに備わっているアジャスタ機能を間接的に利用することができる。さらには、バックルに垂直方向のベルトを備えることにより4点式ベルト様にすることが可能となった。
【0010】
しかしながら、この特許文献2に記載の補助シートベルトは、車のシートベルトの雄のバックルと雌のバックルとの間に介在させるものであるため、部品点数が多く構造も複雑であり、その点において、更なる改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−019502号公報
【特許文献2】特開2008−189220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を少なく抑えた簡単かつ安価な構成であり、かつ、同一の構成で種々の体型の装着者への装着が可能でありながら、自動車の万一の事故時に大きな衝撃が掛かった場合や、強い慣性力あるいは遠心力がかかった場合においても、装着者の身体を確実に自動車の座席に保持できるシートベルト用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明にかかるシートベルト用補助具は、自動車に装備された三点式のシートベルト(120)の装着位置を補正するためのシートベルト用補助具(1)であって、自動車が備える座席シート(100)の背凭れ部(101)の上端にヘッドレスト(102)を連結してなる連結具(103)に巻き掛けられた縦紐部(10)と、縦紐部(10)の下端に吊り下げられて三点式シートベルト(120)の装着金具(121)よりも下側の下ベルト部(122)を保持する下保持具(20)と、縦紐部(10)の途中位置に取り付けられて三点式シートベルト(120)の装着金具(121)よりも上側の上ベルト部(123)を保持する上保持具(30)と、を備え、下保持具(20)は、横方向を長手方向とする長尺状の筒状体(21)と、筒状体(21)の長手方向に沿って形成されたスリット状の開口部(22)とを備え、開口部(22)からシートベルト(120)の下ベルト部(122)を筒状体(21)の内部に収容して保持可能であり、上保持具(30)は、筒状体(31)と該筒状体(31)の一部に形成されたスリット状の開口部(32)とを備え、開口部(32)からシートベルト(120)の上ベルト部(123)を筒状体(31)の内部に収容可能であり、下保持具(20)によって下ベルト部(122)の装着位置が補正され、上保持具(30)によって上ベルト部(123)の装着位置が補正されることを特徴とする。
【0014】
本発明にかかるシートベルト用補助具によれば、乗員の身体を座席シートに固定し保護するために、下保持具によって保持されたシートベルトの下ベルト部が乗員の骨盤(下腹部)を押さえる位置に配置され、上保持具によって保持されたシートベルトの上ベルト部が乗員の首にかからない位置(首よりも下の胸の位置)に配置されるようになる。
特に乗員が幼児や年齢の低い子供の場合には、通常の大人よりも座高が低いために、本発明のシートベルト用補助具を使わずにそのまま三点式シートベルトを装着すると、下ベルト部が骨盤を適正に保持できず、また、上ベルト部が首に食い込んでしまうこととなる。これに対して、本発明のシートベルト用補助具を使用すれば、下ベルト部と上ベルト部の装着位置が適正な位置に補正されるので、座高の低い幼児等であっても下ベルト部の位置が骨盤を適正に保持する位置に補正され、また、上ベルト部が首に食い込まない位置に配置されるようになる。したがって、幼児など座高が低い乗員でも車両に装着された三点式シートベルトを使用することが可能となる。
【0015】
また、ヘッドレスト用の連結具に吊り下げられた縦紐部が乗員の両脇の内側の胴体を保持する状態となることで、三点式シートベルトとこのシートベルト用補助具とでいわゆる四点ベルトのような四点支持の効果をもたらし、乗員をより確実に座席シートに保持することができる。したがって、シートベルトの安全性を効果的に高めることができる。
【0016】
また、本発明によれば、従来のチャイルドシートと比較して格段に簡単かつ安価な構成で幼児など座高の低い乗員を座席シートに保持することが可能なシートベルト用補助具を提供できる。また、車両に装着されたシートベルトで乗員を保持するので、乗員を間接的に保持するチャイルドシートと比較して高い安全性を確保することができる。
【0017】
また、上記のシートベルト用補助具では、縦紐部(10)は、その長手方向の両端が下保持具(20)の両端又はその近傍にそれぞれ連結されており、上保持具(30)は、左右一対がそれぞれ左右の縦紐部(10)に取り付けられていてよい。
【0018】
この構成によれば、左右一対の上保持具を備えることで、左座席と右座席の三点式シートベルトどちらに対しても装着が可能なシートベルト用補助具となる。すなわち、上ベルトが乗員の左上側から延びている三点式シートベルトに対しては、該上ベルトを左側の上保持具に通し、上ベルトが乗員の右上側から延びている三点式シートベルトに対しては、該上ベルトを右側の上保持具に通すようにする。
【0019】
また、上記のシートベルト用補助具では、前記縦紐部(10)の途中位置に取り付けられてその取付位置を調節可能な調節金具(45)を備え、上保持具(30)は、調節金具(45)を介して縦紐部(10)に取り付けられていてよい。
【0020】
この構成によれば、調節金具に連動して上保持具の位置を調節できるので、上保持具の位置調節が簡単に行えるようになる。
【0021】
また、上記のシートベルト用補助具では、下保持具(20)の座席シート(100)側の面に取り付けたクッション部材を備えていてもよい。
【0022】
この構成によれば、クッション材の緩衝機能によって下保持具が当接する乗員の下腹部を保護することができる。
【0023】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかるシートベルト用補助具によれば、部品点数を少なく抑えた簡単かつ安価な構成であり、かつ、同一の構成で種々の装着者への装着が可能でありながら、自動車の万一の事故時に大きな衝撃が掛かった場合や、強い慣性力あるいは遠心力がかかった場合においても、確実に装着者の身体を自動車の座席シートに保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第一実施形態にかかるシートベルト用補助具を示す図で、(a)は正面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
図2】第一実施形態のシートベルト用補助具を用いて自動車のシートベルトを装着した状態を示す図である。
図3】本発明の第二実施形態にかかるシートベルト用補助具を示す図で、(a)は正面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
図4】第二実施形態のシートベルト用補助具を用いて自動車のシートベルトを装着した状態を示す図である。
図5】本発明の第三実施形態にかかるシートベルト用補助具を示す図で、(a)は正面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。
図6】第三実施形態のシートベルト用補助具を用いて自動車のシートベルトを装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態にかかるシートベルト用補助具1を示す図で、(a)は正面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。また、図2は、第一実施形態のシートベルト用補助具1を用いて自動車に装備されたシートベルト120を身体に装着した状態を示す図である。これらの図に示すシートベルト用補助具1は、自動車に装備されたシートベルト(三点式シートベルト)120の装着位置を補正するための補助具であって、座席シート100の背凭れ部101の上端にヘッドレスト102を連結してなる連結パイプ103に巻き掛けられた縦紐部10と、縦紐部10の下端に吊り下げられて三点式シートベルト120のバックル(装着金具)121よりも下側の下ベルト部122を保持する下保持具20と、縦紐部10の途中位置に取り付けられて三点式シートベルト120の装着金具121よりも上側の上ベルト部123を保持する上保持具30とを備えている。
【0027】
なお、以下の説明における上下左右の表現に関しては、図2に示したようにシートベルト用補助具1を座席シート100に取り付けて、座席シート100の正面側から見た場合の方向を基準としている。
【0028】
シートベルト補助具1の縦紐部10は、柔軟性を有する布材などで構成された部材で、所定幅の帯状に形成されている。そして、その中間部分がヘッドレスト102の連結パイプ103に巻き掛けられて逆向き略U型に吊り下げられており、一端が下保持具20の一端近傍に縫い付けなどによって直接取り付けられており、他端が下保持具20の他端近傍に取付金具41を介して取り付けられている。取付金具41は縦紐部10を挿通可能な枠部41aを有している。縦紐部10の先端は、取付金具41の枠部41aに挿通されてループ状に折り返されてその上側に取り付けた調節金具43に係止されている。取付金具41は枠部41aに挿通した縦紐部10の位置を自在に変更が可能であり、調節金具43は縦紐部10の先端10aの固定位置を調節できる。これらに取付金具41と調節金具43によって、縦紐部10で下保持具20を吊り下げる位置(高さ位置)を任意に調節することが可能である。
【0029】
下保持具20は、横方向(左右方向)を長手方向とする長尺状の筒状体21と、筒状体21の長手方向に沿って形成されたスリット部(開口部)22とを備え、スリット部22からシートベルト120の下ベルト部122を筒状体21の内部に収容して保持することが可能である。下保持具20は、縦紐部10の先端(下端)に取り付けられた後板部21bと、該後板部21bの上側で折り返されてその前側に垂下している前板部21aと、後板部21bの下側で折り返されて前板部21aに沿って上向きに延伸している下板部21cとを一体に有して構成されている。
【0030】
また、下保持具20は、スリット部22を開閉可能な程度の柔軟性(可撓性)を有しかつある程度の引張荷重にも耐えられる強度(強靭性)を有する材質で構成されていればよく、例えば、デニム材などの布材や可撓性を有する合成樹脂材などで形成することができる。また、スリット部22には、面ファスナー(止め具)23を設けている。この面ファスナー23を止めることで筒状体21の内部に保持した下ベルト部122が落下することを防止できる。なお、図示は省略するが、面ファスナー23に代えてスナップ又は釦などの止め具を設けてもよい。
【0031】
上保持具30は、縦紐部10の幅と略同寸法の長さを有する筒状体(環状体)31と該筒状体31の外周における軸方向に沿って形成されたスリット部(開口部)32とを備え、スリット部32からシートベルト120の上ベルト部123を筒状体31の内部に収容可能である。上保持具30の筒状体31は、縦紐部10(調節金具45)に取り付けられた後板部31bと、該後板部31bの上側で折り返されてその前側に垂下している前板部31aと、後板部31bの下側で折り返されて前板部31aに沿って上向きに延伸している下板部31cとを一体に有して構成されている。
【0032】
また、上保持具30は、下保持具20と同様、スリット部32を開閉可能な程度の柔軟性(可撓性)を有しかつある程度の引張荷重にも耐えられる強度を有する材質で構成されていればよく、例えば、デニム材などの布材や可撓性を有する合成樹脂材などで形成することができる。また、スリット部32には、面ファスナー(止め具)33を設けている。この面ファスナー33を止めることで筒状体31の内部に保持した上ベルト部123が落下することを防止できる。なお、図示は省略するが、面ファスナー33に代えてスナップ又は釦などの止め具を設けてもよい。
【0033】
また、縦紐部10における調節金具43よりも上側の位置には、他の調節金具45が取り付けられている。そして、上保持具30は、この調節金具45を介して縦紐部10に取り付けられている。すなわち、調節金具45は、縦紐部10を挿通する枠部45aを有し、この枠部45aに挿通した縦紐部10に対して任意の位置で係止することができるようになっている。そして、上保持具30は、その後板部31bが調節金具45の前面側に取り付けられている。
【0034】
次に、図2を参照して、上記構成のシートベルト用補助具1の使用方法を説明する。このシートベルト用補助具1を使用するには、まず、縦紐部10の中間部分をヘッドレスト102の連結パイプ103に引っ掛けて吊り下げた状態とする。座席シート100に幼児が座る場合は、幼児の身体の前に下保持具がくるようにし、その上からシートベルト120を装着する。そして、シートベルト120の上ベルト部123をシートベルト用補助具1の上保持具30によって保持し、シートベルト120の下ベルト部122をシートベルト用補助具1の下保持具20によって保持する。上保持具30と下保持具20は、シートベルト120を内部に収容した状態で面ファスナー23,33によってスリット部22,32を閉じることで簡単かつ確実にシートベルト120の上ベルト部123と下ベルト部122を保持することができる。
【0035】
本実施形態のシートベルト用補助具1によれば、下保持具20によって保持されたシートベルト120の下ベルト部122が乗員Hの骨盤(下腹部)を押さえる位置に配置され、上保持具30によって保持されたシートベルト120の上ベルト部123が乗員Hの首にかからない位置(首よりも下の胸の位置)に配置されるようになる。
【0036】
特に乗員Hが幼児や年齢の低い子供の場合には、通常の大人よりも座高が低いために、本実施形態のシートベルト用補助具1を使わずにそのまま三点式のシートベルト120を装着すると、下ベルト部122が乗員Hの骨盤を適正に保持できず、また、上ベルト部123が首に食い込んでしまうこととなる。これに対して、本実施形態のシートベルト用補助具1を使用すれば、シートベルト120の下ベルト部122と上ベルト部123の装着位置が適正な位置に補正されるので、乗員Hが座高の低い幼児等であっても下ベルト部122の装着位置が骨盤を適正に保持する位置に補正され、また、上ベルト部123が首に食い込まない位置に配置されるようになる。したがって、幼児など座高が低い乗員Hでも自動車に装備された三点式シートベルト120を使用することが可能となる。
【0037】
また、ヘッドレスト102用の連結具103に吊り下げられた縦紐部10が乗員Hの両脇の内側の胴体を保持する状態となることで、三点式シートベルト120とシートベルト用補助具1とでいわゆる四点ベルトのような四点支持の効果をもたらし、乗員Hをより確実に座席シート100に保持することができる。したがって、シートベルト120の安全性を効果的に高めることができる。
【0038】
また、本実施形態のシートベルト用補助具1によれば、従来のチャイルドシートと比較して格段に簡単かつ安価な構成で、幼児など座高の低い乗員Hを座席シート100に保持することが可能なシートベルト用補助具1を提供できる。また、自動車に装着されたシートベルト120で乗員Hを保持するので、乗員を間接的に保持するチャイルドシートと比較して高い安全性を確保することができる。
【0039】
また、このシートベルト用補助具1では、縦紐部10は、その長手方向の両端が下保持具20の両端又はその近傍にそれぞれ連結されている。そして、上保持具30は、左右一対がそれぞれ左右の縦紐部10に取り付けられている。この構成によれば、左右一対の上保持具30を備えることで、左座席と右座席の三点式シートベルトどちらに対しても装着が可能なシートベルト用補助具1となる。すなわち、上ベルトが乗員の左上側から延びている三点式シートベルトに対しては、該上ベルトを左側の上保持具30に通し、上ベルトが乗員の右上側から延びている三点式シートベルトに対しては、該上ベルトを右側の上保持具30に通すようにする。
【0040】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態にかかるシートベルト用補助具について説明する。なお、第二実施形態の説明及び対応する図面においては、第一実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、および図示する以外の事項については、第一実施形態と同じである。
【0041】
図3は、本発明の第二実施形態にかかるシートベルト用補助具1−2を示す図で、(a)は、正面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。また図4は、第二実施形態のシートベルト用補助具1−2を用いて自動車のシートベルト120を装着した状態を示す図である。本実施形態のシートベルト用補助具1−2は、その基本的な構造は第一実施形態のシートベルト用補助具1と共通であるが、各部の寸法を乳幼児用に好適な寸法に設定している。
【0042】
具体的には、縦紐部10の長さの設定により下保持具20の高さ位置を乳幼児H2の腰の位置となるようにしている。また、上保持具30はシートベルト120の上ベルト部123が乳幼児の首にかならない位置となるように設定している。
【0043】
また、本実施形態のシートベルト用補助具1−2では、縦紐部10及び下保持部20の後側の面に緩衝作用を有するクッション部材50を装着している。クッション部材50は、布材を袋状にしてその内部に中綿を詰めたものものなどであってよい。クッション部材50は、乳幼児の胴体のほぼ全体を覆うことができる程度の寸法とする。
【0044】
自動車に装備されているシートベルト120をそのまま乳幼児が装着すると、身体が極端に小さいことで下ベルト部122が腰にかからず不安定かつ危険な状態になってしまい、また、上ベルト部123が首にかかって危険な常態になってしまうことや、身体をホールドできずすり抜けてしまうおそれが高いなどの問題がある。これに対して、本実施形態のシートベルト用補助具1−2を用いてシートベルト120を装着すれば、図4に示すように、乳幼児H2にとって適正かつ安全な位置にシートベルト120の装着位置を補正することができると共に、クッション部材50を介在させていることによって乳幼児H2の身体を確実にホールドすることができるようになる。したがって、シートベルト120の装着性及び安全性を高めることができる。
【0045】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態にかかるシートベルト用補助具について説明する。図5は、本発明の第三実施形態にかかるシートベルト用補助具1−3を示す図で、(a)は、正面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。また図6は、第三実施形態のシートベルト用補助具1−3を用いて自動車のシートベルト120を妊婦H3に装着した状態を示す図である。本実施形態のシートベルト用補助具1−3は、その基本的な構造は第一実施形態のシートベルト用補助具1と共通であるが、各部の寸法を妊婦用に適した寸法としたものである。
【0046】
具体的には、縦紐部10の長さの設定により下保持部20の高さ位置を妊婦H3の腹部Mの上側の位置となるようにしている。また、上保持具30はシートベルト120の上ベルト部123が妊婦H3の首にかならない位置となるように設定している。自動車に装備されているシートベルト120をそのまま妊婦が装着すると、下ベルト部122が腹部にかかり不安定かつ危険な状態になってしまうところ、本実施形態のシートベルト用補助具1−3を用いてシートベルト120を装着すれば、妊婦H3にとって適正かつ安全な位置にシートベルト120の装着位置を補正することができるので、シートベルト120の装着性及び安全性を高めることができる。
【0047】
また、本実施形態のシートベルト用補助具1−3では、下保持部20の後側の面に緩衝作用を有するクッション部材50を装着している。クッション部材50は、妊婦H3の腹部Mの上部に当接する位置に配置されて、腹部Mの上部への負担を緩和するように機能する。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に示すシートベルト用補助具の材質や細部の具体的な形状・構成は一例であり、本発明にかかるシートベルト用補助具の各部及び構成部品は、上記以外の材質で、形状等であってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6