特許第6643464号(P6643464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643464
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】改良型対鋸保護
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/05 20060101AFI20200130BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A41D13/05 143
   A41D13/06 105
   A41D13/05 162
   A41D13/05 175
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-514318(P2018-514318)
(86)(22)【出願日】2015年9月23日
(65)【公表番号】特表2018-527482(P2018-527482A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】EP2015071900
(87)【国際公開番号】WO2017050373
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ヨーアン ミリン
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−085611(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0017345(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02409585(EP,A2)
【文献】 米国特許第04351065(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0040027(KR,A)
【文献】 特開平06−128421(JP,A)
【文献】 特開2010−077583(JP,A)
【文献】 米国特許第05095544(US,A)
【文献】 実開昭53−141111(JP,U)
【文献】 実開昭54−030530(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/05
A41D 13/06
A41D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対鋸保護フィラー材料を含む対鋸保護層領域(110)を備える保護服(100)であって
前記対鋸保護層領域(110)が少なくとも1つの補強区分(120)を有し、補強区分が前記対鋸保護層領域の他のエリアより多くのフィラー材料を含み、
前記補強区分(120)が前記保護服の関節エリアを被覆し、
前記補強区分(120)が、周囲のエリアと比べて、対鋸保護フィラー材料の少なくとも1つの追加層(122、123)を含み、かつ、ストレッチ材料のシェル層(125)を含み、かつ、
前記保護服(100)が対鋸保護ズボンであり、前記補強区分(120)が前記ズボン(100)の膝エリアを覆って配置される、
保護服(100)。
【請求項2】
対鋸保護フィラー材料を含む対鋸保護層領域(110)を備える保護服(100)であって、
前記対鋸保護層領域(110)が少なくとも1つの補強区分(120)を有し、補強区分が前記対鋸保護層領域の他のエリアより多くのフィラー材料を含み、
前記補強区分(120)が前記保護服の関節エリアを被覆し、
前記補強区分(120)が、周囲のエリアと比べて、対鋸保護フィラー材料の少なくとも1つの追加層(122、123)を含み、かつ、ストレッチ材料のシェル層(125)を含み、かつ、
前記保護服(100)が、対鋸保護チャップスであり、前記補強区分(120)が、前記チャップス(100)の膝エリアを覆って配置される、
保護服(100)。
【請求項3】
対鋸保護フィラー材料を含む対鋸保護層領域(110)を備える保護服(100)であって、
前記対鋸保護層領域(110)が少なくとも1つの補強区分(120)を有し、補強区分が前記対鋸保護層領域の他のエリアより多くのフィラー材料を含み、
前記補強区分(120)が前記保護服の関節エリアを被覆し、
前記補強区分(120)が、周囲のエリアと比べて、対鋸保護フィラー材料の少なくとも1つの追加層(122、123)を含み、かつ、ストレッチ材料のシェル層(125)を含み、かつ、
前記保護服(100)が、アームチャップス又はシューカバーである、
保護服(100)。
【請求項4】
前記対鋸保護層領域(110)が実質的に均等の厚みを有し、前記補強区分(120)が、対鋸保護フィラー材料のより厚い層を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項5】
前記補強区分(120)が、対鋸保護フィラー材料の少なくとも1つの追加層(122、123)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項6】
前記補強区分(120)が、前記保護服に取外し可能に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項7】
前記補強区分(120)が、前記保護服のポケットの中に配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項8】
前記補強区分(120)が、ボタンまたは面ファスナーを用いて前記保護服に取外し可能に締結される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項9】
前記補強区分(120)が、1つ又は複数の対鋸保護層(122、123)と、スペーサ層(124)と、撥水性シェル材料(125)と、ライニング層(121)とを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項10】
前記補強区分(120)が、1つ又は複数の対鋸保護層(122、123)と、撥水性シェル材料(125)と、ライニング層(121)とを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【請求項11】
前記補強区分(120)が、1つ又は複数の対鋸保護層(122、123)と、スペーサ層(124)と、ライニング層(121)とを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護服(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木の伐採及び枝切り及び伐採した樹木及び枝の鋸引きなどの作業においてチェーンソーの操作者が使用するための保護ズボン及びチャップス(chaps,カウボーイズボン)に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において「ズボン」(trouser, pair of trousers)は、少なくとも着用者の脚の重要部分を別個に囲繞する部分を含み、股部、即ち着用者が立位のとき下を向く脚の間の接合部において、結合される任意の衣類として解釈され、「フライ」(fly、前立て、前チャック)は、着用者が立位のとき股部からウェストまで垂直平面において着用者の前面中央で上向きに延びる公称線(nominal line)によって画定される。典型的には、フライは、ジッパー又はその他の締結手段によって開閉可能である。「チャップス」(chaps, pair of chaps)は、少なくとも着用者の脚の重要部分を別個に被覆する部分を含む衣類として解釈される。
【0003】
チェーンソーの操作から生じる主要な危険は、動いているチェーンと操作者特に脚との間の接触の危険である。脚をある程度保護するために、チェーンソー操作者が外側層(以後、シェルと呼ぶ)を備える保護ズボンを着用するのが慣例である。外側層は、パラアラミド(例えばKevlar(登録商標))、バリスティックナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)で作られた高性能フィラメントヤーン、通常は多層で緩く配列されるPA(ポリアミド)(例えばDyneema(登録商標)又はVectran(登録商標)などの材料)などの高強度材料の長い繊維を含む保護フィラー材料を囲繞する。チェーンソーのチェーンがズボンに接触したとき、外側層はすぐ切り開かれるが、フィラー材料の長い繊維は引き出されて、刃に絡んで、チェーンソーの駆動輪の周りに巻き付いて、駆動輪に詰まってロックしてチェーンを停止させるので、操作者の脚への損傷を制限する。鋸を停止した後、ズボンは廃物となり、ソーは、繊維を取り除いて再び運転できるようにするために、普通分解しなければならない。
【0004】
フィラー材料は、繊維の緩い層を中に含みシェルの内面に縫い付けられる織物の外被の中に配置できる。これによって、フィラー材料をシェルに縫い付ける必要をなくす。これは、フィラー材料の繊維を拘束するので、繊維が刃を停止するのを妨げる可能性がある。
【0005】
EUにおける対チェーンソー保護ズボンは、EN381−5を順守しなければならず、フィラー材料の量及び配列に応じて、3クラス及び3タイプに分類される。クラス1、2及び3のズボンは、それぞれ20m/秒、24m/秒及び28m/秒までの速度で運転されるチェーンソーに使用するための等級付けされ、要求される保護レベルは、典型的には、約3層〜約12層又はそれ以上のフィラー材料の層によって与えられる。
【0006】
3つの保護クラス(1、2、3)を持つ基準とは別に、3つの設計クラスA、B及びCがあり、設計クラスCは、脚全体を保護する。樹木伐採者、地上作業員及び薪割り作業者は、典型的には、脚の裏を切る危険が低いので設計クラスAのズボンを選択する。木に登る者及び樹木医は、概略的に、索具によって木登り用ハーネスに取り付けられたチェーンソーを持ち、多様なポジションから切断するので、設計クラスCを選択する。設計クラスA及びBのズボンにおいて、フィラー材料は、主に脚の前部を被覆するように配置されるのに対して、クラスCのズボンにおいては、フィラー材料が各脚を囲繞するように前後の周りに広がるようにする。各タイプにおいて、フィラー材料は、股部からフライの両側において所定距離上向きに延び、座部(seat)(ウェストと脚の間の着用者の後部領域)には充填されない。
【0007】
時折の又は非専門的な使用者などの使用者は、チャップスを好む場合がある。チャップスは、ズボンと同様のしかし2本の個別の脚のカバーとして配置される(又は相互に取り付けられ)シェル及びフィラー材料を備えて、通常は座部がなく、ベルト又はこれと同種のものによって結合されて、設計クラスAの保護を与え、従来のズボンに被せて着用される。
【0008】
フィラー材料の繊維は、比較的弾力性が低い。対チェーンソー保護ズボンにおいては、フィラー材料が、腿、向う脛(shin)、膝及び使用者の臀部を含めた後部まで含めた脚領域に、可能な限り広がることが望ましい。なぜなら、これらの領域は、チェーンソーの刃が接触しやすい。
【0009】
対チェーンソー保護ズボン又はチャップスのシェルは、フィラー材料を損なう可能性のある些細な損傷から保護するように、丈夫でかつ滑り易いことが望ましい。パラアラミド(例えばKevlar(登録商標))布などの耐摩耗材料の膝当ては、通常、摩耗及び引き裂きから衣服を保護するためにシェルに縫い付けられる。
【0010】
特に木に登るときシェルが使用時に快適でありかつ着用者の動きを不当に制限しないようにするために、弾性的に伸縮可能でかつ撥水性の材料例えば縦メリヤス編みの合成ファブリックからシェルを作ることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明者は、対チェーンソー保護パンツ又はチャップス並びに保護ジャケットなどの現在の保護服においては、使用者が作業するとき、度々、使用者が曲げる、かがめる、うずくまる又は1つ又は複数の関節を曲げる(特にしゃがむ又は膝を折るときなど)事を余儀なくされる作業ポジションを取らなければならない、と言う問題があることを認識している。曲げる関節の周りの保護服のエリアは、該当する四肢の周りで伸張して、保護服がピンと張る可能性がある。その結果、フィラー材料の繊維も伸張して、その動きの自由度及びチェーンソーのチェーンによる捕捉の自由度も損なわれ又は減少して、上記の厄介な作業ポジションにおいてこれらのエリアにおける保護が減少することになる。
【0012】
特に不整地において又は使用者が多くの厄介な作業ポジションを取らざるを得ない木登りにおいて、問題が生じる可能性があり、発明者が洞察の上推論した後に認識したのが、この問題である。
【0013】
発明者は、更に、シェルは、使用時の快適さを与えるために充分に弾性的であるべきであるが、同時にパンツが膨らんで快適さを減少するのであまり緩くてもいけない、と認識している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のいくつかの形態において、厄介な作業ポジションにおいても保護と快適さを与える対チェーンソー保護ズボン又はチャップス(股部において縫い合わせるなどによって固定できる)などの保護服を提供することが、本発明の目的である。
【0015】
本発明によれば請求項において規定されるズボン又はチャップスなどの保護服が提供される。
【0016】
1つの実施形態において、対鋸保護フィラー材料を含む対鋸保護層領域を含む保護服が提供され、対鋸保護層領域は、少なくとも1つの補強区分を有する。
【0017】
本発明によれば、請求項において規定されるように膝当てなど、保護服に取り付けられる関節パッド(joint pads)が提供される。関節パッドは、保護服に取外し可能に取り付けできる。関節パッドは、その代わりに又はそれに加えて、保護服に縫い付けることができる。
【0018】
1つの実施形態において、対鋸保護フィラー材料を含む補強区分が提供され、前記補強区分は、保護服に取外し可能に配置されるように配置される。
【0019】
開示される実施形態の他の特徴及び利点は、以下の詳細な開示、請求項及び図面から明らかになる。
【0020】
本発明について、添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】先行技術の保護服の概略図である。
図2】本発明の1つの実施形態に従った保護服の概略図である。
図3】本発明の1つの実施形態に従った補強区分の概略分解図である。
図4】本発明の1つの実施形態に従った保護服の前面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、先行技術の保護服、この実施例においては保護ズボン10の概略図である。ズボンは、前面図(FV)及び裏面図(RV)の両方で示し、保護層領域11がズボン10の脚の前部を覆って広がることによって脚の前部が補強されるので、設計タイプAである。保護層の範囲は単なる例であり、当業者には明らかなように、保護層は、他の形状、形式及び範囲を持つことができ、より高い設計タイプのように脚部の周り全体及びズボンの臀部にも広がることができる。ジャケット、チャップス、ベスト、アームプロテクタ、シュープロテクタ(shoe protectors)など、他のタイプの保護服の場合、保護層の他の形式、形状及び範囲が可能である。「チャップス」は、少なくとも着用者の脚の重要部分を別個に被覆する部分を含む衣類として解釈される。チャップスは開放臀部を持つことができ、2つの別個の脚カバーを含むか、又は臀部で相互に取り付けられた脚カバーを含んで、臀部においても保護を与えることができる。
【0023】
保護層領域11は、フィラー材料を囲繞してフィラー材料を湿気及び水分から保護するために、上で開示したようにシェルに取り付けできるフィラー材料の区分を含む。先行技術の保護層領域11は、実質的に均等の厚みを持つ。
【0024】
上で論じたように、発明者は、厄介なポジションで作業するとき又は木登りするときなど使用者が関節例えば膝関節を曲げたとき、保護層領域11のエリアが、保護エリアにおいてぴんと張って、保護能力が減少する可能性があることを認識した。図1において、このようなエリアを破線の円で示す。これらの円は、単なるエリアの例であり、実際のエリアは、サイズ及びポジションによって異なる。例えば、ぴったりしたズボンの場合、エリアは、上は腿に及び/又は下は向う脛(shin)まで(少なくとも部分的に)広がる。したがって、このようなエリアの様々な形状および場所が、特に衣服のタイプによって、可能である。
【0025】
図2は、1つの実施形態に従った保護服、この例においては保護ズボン100の概略図である。ズボンは、前面図(FV)及び裏面図(RV)の両方で示され、設計タイプAである。脚の前部は、ズボン100の脚の前部を覆って広がる保護層領域110によって補強される。
【0026】
発明者は、保護層領域110のフィラー材料の保護能力は、保護対象の関節例えば膝関節が曲げられたときにも、このようなエリアにフィラー材料層を単にエレガントに追加することによって維持できる(増強さえする)ことを確認した。
【0027】
保護服の柔軟性及び重量を実質的に同じレベルに維持するために、対鋸保護層は、曲げられたときぴんと張る部分しか改良する必要がないと、発明者は認識した。
【0028】
図2は、2つの補強区分120を示し、各々がズボン100のそれぞれの膝部を被覆する。
【0029】
補強区分120は、保護層により多くの対鋸保護層を加えることによって、例えば更に保護層を2層加えることによって、保護能力を補強できる。1つの実施形態において、1〜5層が追加される。1つの実施形態においては、2〜4層が追加される。1つの実施形態においては、2又は3層が追加される。
【0030】
追加層は、非補強区分と同じ厚みを持つことができ、それによって、製造時に材料の扱い及び入手(acquisition)が単純になる。
【0031】
追加層は、その代わりに又はそれに加えて、非補強区分とは異なる厚みを持つことができ、それによって、製造時に追加する必要のある層数を少なくする。補強区分120は、したがって、前記エリアにおいて保護層の厚みを増すことによって保護能力を補強することもできる。
【0032】
追加層は、その代わりに又はそれに加えて、フィラー材料において非補強区分においてより長い繊維を持つことができる。
【0033】
追加層は、その代わりに又はそれに加えて、フィラー材料において非補強区分とは異なる繊維の向きを持つことができる。
【0034】
このように、補強区分は、より大きい厚みによってか、追加層によってか、又はより長い繊維によってか(又は使用されるフィラー材料の量を増大するその他の方法によって)にかかわりなく、対鋸保護層領域の他のエリアより多くのフィラー材料を含む。補強区分は、このように、主に保護層領域の他のエリアより多くのフィラー材料を持つことによって補強される。
【0035】
図3は、補強区分120の概略分解図である。この実施形態例において、補強区分120は、追加の2つの保護層122、123を持つ。
【0036】
発明者は、更に、より多くの層(及び/又はより厚い層)を追加することは、片膝立ちするときなど関節に保護を追加することに役立ち、追加層は、膝(又はその他の関節)のクッションパッドとして役立つ。クッション効果を高めるために、スペーサ層124を補強区分120に追加できる。スペーサ層124は、ポリエステル又はその他の適切な材料で作ることができる。スペーサは、少なくともフィラー材料と比較したとき構造的に比較的剛性なので、曲げられたときでもその形体を維持する傾向があるので、補強区分120の形体を保存するのに役立ち、それによって対鋸保護又はフィラー材料がピンと張るのを防止することができる点で、付加的利点がある。
【0037】
1つの実施形態において、補強区分の少なくとも1つは、保護服に追加される関節パッドの形式で提供される。
【0038】
関節パッドは、保護服のポケットの中へ取外し可能に挿入することによって保護服に追加できる。
【0039】
関節パッドは、その代わりに、保護服に又はその中に(例えばシェル層の下に)縫い付けることによって保護服に追加できる。
【0040】
図4は、保護服100の概略前面図を示す。本実施例においてはズボンであり、ズボンポケット140が、曲げられたときぴんと張るエリア、この例では膝エリアを被覆するように配置される。関節パッド130も図4に示され、関節(この例においては膝)パッドが、破線矢印で示されるようにポケット140の1つの中へ挿入される。
【0041】
挿入しかつ/又は取り外せる関節パッドとして補強区分120を配置することによって、補強は任意でもあり、交換可能にもなる。関節パッドが損傷した場合、ズボン全体を取り換えることなく、関節パッドを取り換えできる。
【0042】
1つの実施形態において、関節パッド130は、単独でポケットに配置され、例えばボタン、面ファスナー(hook and loop fastener、マジックテープ(登録商標)式締結手段、Velcro(商標)など)、ジッパー又はパッドを衣服に取外し可能に締結するその他の手法などの締結手段を用いて、補強エリアに単純に取り付けられる。
【0043】
取り換え可能なパッドとして補強区分120を配置することには、多くの利点がある。
【0044】
上述のように、関節パッドは、おそらく外側シェルの下において、保護服に縫い付けて、保護服の一部とすることもできる。これによって、関節パッドが使用時にその予定位置に留まるようにして、チェーンソーと接触した場合にもパッドが所定の位置に維持されるようにする。
【0045】
又は、取外し可能関節パッド及び取り付け関節パッドの両方を、保護服に配置できる。
【0046】
更に、発明者は、撥水性(又は防水性)材料、及び、好ましくは縦メリヤス編みの合成ファブリックなどのストレッチ材料として補強区分のシェル層125を選択することによって、関節を湿気又は水分からも保護できることも確認した。
【0047】
補強区分120は、1つの実施形態において、ライニング層121に縫い付けられる(又はその他の方法で取り付けられる)1つまたは複数の対鋸保護層122、123、1つのスペーサ層124及び1つの撥水性シェル材料125として配置できる。
【0048】
補強区分120は、1つの実施形態において、ライニング層121に縫い付けられる(又はその他の方法で取り付けられる)1つまたは複数の対鋸保護層122、123及び1つの撥水性シェル材料125として配置できる。
【0049】
補強区分120は、このように、1つの実施形態において、ライニング層121に縫い付けられる(又はその他の方法で取り付けられる)1つ又は複数の対鋸保護層122、123及びスペーサ層124として配置される。
【0050】
上述のように、保護服100は、対鋸保護ズボンとして単に例示しているが、保護ベスト、チャップス、ジャケット、アームチャップス、シューズカバー又はその他の保護服も可能である。
【0051】
本発明について主に2、3の実施形態を参照して説明したが、上に開示する実施形態以外の実施形態が、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内で同様に可能であることが、当業者には分かるはずである。
図1
図2
図3
図4