特許第6643497号(P6643497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6643497シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンを作製する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643497
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンを作製する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C07C 5/373 20060101AFI20200130BHJP
   C07C 2/52 20060101ALI20200130BHJP
   C07C 13/15 20060101ALI20200130BHJP
   C07C 13/61 20060101ALI20200130BHJP
   C07C 7/11 20060101ALI20200130BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20200130BHJP
【FI】
   C07C5/373
   C07C2/52
   C07C13/15
   C07C13/61
   C07C7/11
   !C07B61/00 300
【請求項の数】9
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2018-542667(P2018-542667)
(86)(22)【出願日】2016年10月7日
(65)【公表番号】特表2018-537523(P2018-537523A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】US2016056030
(87)【国際公開番号】WO2017078900
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2018年5月2日
(31)【優先権主張番号】62/250,678
(32)【優先日】2015年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16153725.3
(32)【優先日】2016年2月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】イアチーノ ラリー エル
(72)【発明者】
【氏名】レオン ケヴィン シー ピー
【審査官】 佐久 敬
(56)【参考文献】
【文献】 特表平03−501942(JP,A)
【文献】 国際公開第02/036529(WO,A1)
【文献】 特開2003−183188(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第02535809(DE,A1)
【文献】 特開昭46−037334(JP,A)
【文献】 特公昭37−006827(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0178349(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を含む環式C5を作製する方法であって、
(I)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストックを第1の反応器にフィードするステップ、
(II)変換条件下で、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を触媒と接触させて、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5構成成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分;単環芳香族;および多環芳香族を含む、第1の反応器の炭化水素流出物を得るステップ、
(III)第1の反応器の炭化水素流出物を分離して、(i)軽質構成成分が豊富なフラクションおよび(ii)CPDを含む第1のC5が豊富なフラクションを生成するステップ、
(IV)量化条件下で稼働する第2の反応器に、第1のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部を供給するステップ、
(V)第2の反応器から、CPDおよびDCPDを含む第2の反応器の流出物を得るステップ、および
(VI)第2の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、ジシクロペンタジエン(DCPD)を含む第1のDCPDが豊富なフラクションを得るステップ
を含み、
第1の反応器の炭化水素流出物が、どちらも第1の反応器の炭化水素流出物中のC5構成成分の総質量に対して、C(CPD)1質量%の濃度のCPD、およびC(ADO)1質量%の全濃度の非環式ジオレフィンを含み、
C(CPD)1/C(ADO)1≧1.5である、方法。
【請求項2】
C5フィードストックが、少なくとも50質量%のn−ペンタンを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
触媒が、微孔質メタロシリケートまたはシリケート修飾シリカに担持されている、少なくとも1つの第10族金属を含み、触媒が、第1族アルカリ金属、第2族アルカリ土類金属および/または第11族金属のうちの1つまたは複数を含んでもよい、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項4】
変換条件が、400〜800℃の範囲の温度、絶対圧で10〜1,000キロパスカルの範囲の圧力、および1〜100時-1の範囲のWHSVを含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
第1の反応器の炭化水素流出物が、第1の反応器の炭化水素流出物中のC5構成成分の総質量に対して、15質量%〜80質量%の範囲の濃度でCPDを含む、
請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
水素共フィードストックが、0.1〜3.0の範囲の水素共フィードストックとC5フィードストックとのモル比で第1の反応器にフィードされる、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
C5フィードストックが第1の反応器にフィードされる前に、水素共フィードストックの少なくとも一部がC5フィードストックと混和される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(III)が、以下:
(IIIa)第1の反応器の炭化水素流出物を冷却するステップ、
(IIIb)第1の反応の流出物の全圧を上昇させるステップ、
(IIIc)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を洗浄油により洗浄するステップ、
(IIId)第1の反応器の炭化水素流出物から軽質構成成分を除去するステップ、および
(IIIe)第1の反応器の炭化水素流出物からC8+構成成分を除去するステップ
の少なくとも1つを含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ステップ(III)が、第1の反応器の炭化水素流出物を、少なくとも1つの:シクロヘキサン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルシクロヘキサン;ベンゼン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルベンゼン;モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレン;他のアルキル化多環芳香族;ならびにそれらの混合物および組合せを含む洗浄油により洗浄するステップを含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,678号および2016年2月2日出願の欧州出願第16153725.3号の優先権および利益を主張する。
本発明は、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンを含む、環式C5を作製する方法およびシステムに関する。特に、本発明は、非環式C5炭化水素からシクロペンタジエンおよびジシクロペンタジエンを作製する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
シクロペンタジエン(CPD)およびその二量体であるジシクロペンタジエン(DCPD)は、化学産業界において、ポリマー物質、ポリエステル樹脂、合成ゴム、溶媒、燃料、燃料用添加物などの幅広い範囲の製品に使用されている非常に所望される粗原料である。通常、シクロペンタジエンは、液体フィード式水蒸気クラッキング(例えば、ナフサおよび重質フィード)法における少量の副生物として生成する。水蒸気クラッキング法は、軽質フィード(例えば、エタンおよびプロパンフィード)の使用にシフトしているので、CPDの需要は向上し続けているが、CPDの生成は減ってきている。シクロペンタンおよびシクロペンテンもやはり、溶媒として高い価値を有している一方、シクロペンテンは、ポリマーを生成するためのモノマーとして、および他の高価値化学品の出発原料として使用することができる。
【0003】
したがって、需要に応じたCPD生成、すなわち、少量の副生物として生成するCPDとは対照的に、フィードストックから主要生成物として生成するCPDが必要とされている。米国特許第5,633,421号は、C2−C5パラフィンを脱水素化して、対応するオレフィンを得る方法を全般的に開示している。同様に、米国特許第2,982,798号は、3〜6個(これらを含む)の炭素原子を含む脂肪族炭化水素を脱水素化する方法を全般的に開示している。しかし、米国特許第5,633,421号も米国特許第2,982,798号も、豊富で低コストであるので、フィードストックとして望ましい非環式C5炭化水素からのCPD生成を開示していない。さらに、需要に応じたCPD生成法の設計には、多数の難題が存在する。例えば、C5炭化水素をCPDに変換する反応は非常に吸熱性であり、低圧および高温が好都合であるが、n−ペンタンおよび他のC5炭化水素の大幅なクラッキングが比較的低温(例えば、450℃〜500℃)で起こる恐れがある。他の難題には、生成プロセスの間のコーキングによる触媒活性の損失が挙げられ、触媒からコークスを除去するさらなる処理が必要であり、触媒を害することなく反応器に熱の導入を直接行うために、酸素含有ガスを使用することができない。
DCPDは、保管および運送の観点から、その後の化学合成用のフィード原料として、CPDよりも取り扱いが容易である。DCPDおよびCPDは、多くの用途において代替可能である。ある種の用途では、DCPDは、CPDの代わりに直接使用するのが好ましい。CPDが必要となる他の用途に関すると、DCPDは、使用時点において、レトロ−ディールス−アルダー反応により、熱的に脱重合(クラッキングとも称される)して、CPDにすることができる。
【0004】
CPDを作製する従来的な方法は、通常、中程度の濃度のCPD、かなり高い濃度の非環式ジオレフィン、およびモノオレフィンを含むC5炭化水素ストリームを生成する。C5化学種の多数が、沸点が近く、共沸混合物を形成し、かつ蒸留温度において反応性であり、従来的な蒸留による生成物混合物からのCPD回収は、工業的に実現可能ではない。従来の回収スキームでは、CPDは、二量化法を利用する他のC5炭化水素から回収され、この二量化法により、CPDはディールス−アルダー反応を受けて、従来的な蒸留によって、C5炭化水素から容易に分離することができるDCPDが生成される。不運なことに、CPDはまた、ストリーム中に存在する他のジオレフィンと反応して、DCPDが混入した、共二量体を生成する恐れもある。さらに、高次オリゴマーを含む反応も、中温から高温で起こる。これらの副反応により、望ましくない共二量体および高次のオリゴマーが生成され、これらは、さらなる下流において、多くの用途に要求される十分な純度を有するDCPDを生成するために、多段階クラッキングの繰り返しおよび二量化などの、処理ステップを必要とする。このようなプロセスは高価であり、収率は低く、ファウリングを引き起こす傾向があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記の難題に対処する、CPDおよび/またはDCPDを生成するための方法およびシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
CPDの生成が非環式ジオレフィンよりも好都合となる触媒的非環式C5炭化水素変換法と、有効な分離法とその後のCPDと非環式ジオレフィンとの間のディールス−アルダー反応の最小化とを組み合わせることにより、CPDを、高収率で生成することができ、ここから高純度DCPDを生成することができることを見出した。
本発明の第1の態様は、CPDおよび/またはDCPDを含む環式C5を作製する方法であって、(I)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストックを第1の反応器にフィードするステップ、(II)変換条件下で、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を触媒と接触させて、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5構成成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分;単環芳香族;および多環芳香族を含む、第1の反応器の炭化水素流出物を得るステップ、および(III)第1の反応器の炭化水素流出物を分離して、(i)軽質構成成分が豊富なフラクションおよび(ii)CPDを含む第1のC5が豊富なフラクションを生成するステップを含む、方法に関する。高純度DCPDは、第1のC5が豊富なフラクションから生成することができ、このフラクションは、二量化によりCPDを含有することができる。
【0007】
本発明の第2の態様は、CPDおよび/またはDCPDを含む環式C5を作製するシステムであって、(A)水素共フィードストックを含んでもよく、C1−C4炭化水素共フィードストックを含んでもよい、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含む、C5フィードストックを受容するよう構成されている第1の反応器、(B)変換条件下で、非環式C5炭化水素の変換を触媒して、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5構成成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分;単環芳香族;および多環芳香族を含む第1の反応器の炭化水素流出物を生成することができる、第1の反応器内に搭載されている触媒、および(C)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を受容するように、かつ(i)CPDを含み水素およびC1−C4炭化水素が低減した第1のC5が豊富なフラクション、ならびに(ii)水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分が豊富なフラクションを生成するように構成されている第1の反応器と直接的または間接的に流体連通している第1の分離サブシステムを含む、システムに関する。二量化用反応器および分別カラムなどの追加の設備を追加して、第1のC5が豊富なフラクションからDCPDを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のCPDおよび/またはDCPDを作製するための例示的な方法およびシステムの概要図である。
図2図1中の第1の分離サブシステムの詳細の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示では、ある方法は、少なくとも1つの「ステップ」を含むものとして記載される。各ステップは、1つの行為であるか、または該方法において、1回または複数回、連続的または非連続的に実行されてもよい操作であると理解されるべきである。反対のことが指定されていない限り、または本文脈が別段明確に示さない限り、ある方法における各ステップは、1つまたは複数の他のステップと重複してまたは重複しないで、それらが列挙されている順序で、または場合によって他の順序で、逐次、行うことができる。さらに、1つもしくは複数のステップ、またはすべてのステップでさえも、同一または異なる回分の原料に関して、同時に行ってもよい。例えば、連続法では、ある方法における第1のステップを、該方法の最初にまさにフィードされる粗原料に関して行いながら、第2のステップを、第1のステップ中の早期時間にその方法にフィードされる粗原料を処理して生じる中間原料に関して同時に実行することができる。好ましくは、これらのステップは、記載されている順序で行われる。
【0010】
別段示さない限り、本開示において量を示す数はすべて、すべての場合において、用語「約」によって修飾されているものと理解されたい。本明細書および特許請求の範囲において使用される正確な数値が、特定の実施形態を構成することもやはり理解すべきである。実施例において、データの精度を確実とする努力がなされている。しかし、測定データのいずれも、測定を行うために使用される技法および/または設備の限界による、ある種のレベルの誤差を本質的に含んでいることを理解すべきである。
元素の周期表に対するすべての数および言及は、別段の指定がない限り、Chemical and Engineering News, 63(5), 27 (1985)に説明されている、新しい表記法に基づいている。
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のため、以下の用語が定義される。
【0011】
用語「環式C5」または「cC5」は、以下に限定されないが、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエンおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。用語「環式C5」または「cC5」はまた、上述のいずれかのアルキル化類似体、例えばメチルシクロペンタン、メチルシクロペンテンおよびメチルシクロペンタジエンを含む。シクロペンタジエンは、周囲温度および圧力を含むある範囲の条件で、ディールス−アルダー縮合により、経時的に自発的に二量化して、ジシクロペンタジエンを形成することを、本発明の目的のために認識すべきである。
用語「非環式」は、以下に限定されないが、線状および分岐状の飽和体(saturate)および非飽和体を含む。
用語「芳香族」は、ベンゼンなどの、共役二重結合を有する平面の環式ヒドロカルビルを意味する。本明細書で使用する場合、芳香族という用語は、以下に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、クリセンおよびそれらのアルキル化体を含む、以下に限定されないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレンおよび多核芳香族(PNA)を含む、1つまたは複数の芳香族環を含有する化合物を包含する。用語「C6+芳香族」は、以下に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、クリセンおよびそれらのアルキル化体を含む、以下に限定されないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレンおよび多核芳香族(PNA)を含む、6個以上の環原子を有する芳香族環に基づく化合物を含む。
用語「BTX」は、以下に限定されないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレン(オルトおよび/またはメタおよび/またはパラ)の混合物を含む。
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「が豊富な」は、あるステップ前の混合物またはストリームから生成した所与の混合物またはストリーム中の構成成分を記載するために使用される場合、この構成成分が、このステップ前の混合物またはストリーム中のその濃度よりも高い所与の混合物またはストリーム中に、無視できない濃度で存在していることを意味する。したがって、あるステップ前のストリームから生成したC5が豊富なフラクションとは、そのステップ前のストリーム中のC5炭化水素の濃度よりも高い、無視できない濃度でC5炭化水素を含むフラクションである。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「低減した」は、あるステップ前の混合物またはストリームから生成した所与の混合物またはストリーム中の構成成分を記載するために使用される場合、この構成成分が、このステップ前の混合物またはストリーム中のその濃度よりも低い所与の混合物またはストリーム中に、(無視し得る)濃度で存在していることを意味する。したがって、あるステップ前のストリームから生成した水素が低減したフラクションとは、このステップ前のストリーム中の水素の濃度よりも低い、(無視し得る)濃度で水素を含むフラクションである。
本明細書で使用する場合、「質量%」は、質量基準の割合を意味し、「体積%」は、体積基準の割合を意味し、「mol%」は、モル基準の割合を意味する。本明細書において表されている範囲はすべて、指定しない限り、または反対の記載がない限り、2つの特定の実施形態として、終端の両方を含むべきである。
【0014】
「上部ストリーム」は、本明細書で使用する場合、その上のさらなるストリームを含むまたは含まない、分別カラムまたは反応器などの、容器の最頂部または側面に存在することができる。好ましくは、上部ストリームは、カラムの頂部近辺の位置で抜き取られる。好ましくは、上部ストリームは、少なくとも1つのフィードより上の位置で抜き取られる。「下部ストリーム」は、本明細書で使用する場合、容器のかなり底部または側面に存在し、側面に存在する場合、その下のさらなるストリームを含むまたは含まない、上部ストリームよりも低い位置に存在する。好ましくは、下部ストリームは、カラムの底部近辺の位置で抜き取られる。好ましくは、下部ストリームは、少なくとも1つのフィードより下の位置で抜き取られる。本明細書で使用する場合、「中部ストリーム」は、上部ストリームと下部ストリームとの間のストリームである。
用語「軽質炭化水素」は、それらの分子構造中に1〜4個の炭素原子を含む炭化水素を意味する。用語「軽質構成成分」は、水素、およびそれらの分子構造中に1〜4個の炭素原子を含む炭化水素を意味する。用語「水素」は、H2分子を意味する。
用語「通常の沸点」は、101キロパスカルの圧力下での沸点を意味する。用語「蒸気」および「ガス」はどちらも、完全に蒸気である、完全にガスである、およびガスと蒸気との混合物である、相を意味することを含む。
本明細書で使用する場合、用語「実質的に含まない」とは、1質量%以下、例えば、≦0.8質量%、≦0.6質量%、≦0.5質量%、≦0.1質量%、≦0.01質量%、または≦0.001質量%にもなる濃度で含むことを意味する。
用語「モーガス」は、ガソリンの内燃機関において使用するのに燃料として好適な、有機化合物の混合物を意味する。
用語「コークス」は、以下に限定されないが、触媒組成物に吸着される水素含有率の低い炭化水素を含む。
【0015】
用語「Cn」は、1分子あたりn個の炭素原子を有する炭化水素を意味し、nは正の整数である。すなわち、したがって、C5炭化水素フィードストックは、n−ペンタン、2−メチル−ブタン、2,2−ジメチルペンタン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−2−ブテン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタン、シクロペンテンなどの、1分子あたり5個の炭素原子を有する、1つまたは複数の飽和または不飽和炭化水素を含む。
用語「Cn+」は、1分子あたり少なくともn個の炭素原子を有する炭化水素を意味する。
用語「Cn−」は、1分子あたりn個以下の炭素原子を有する炭化水素を意味する。
用語「炭化水素」は、炭素に結合した水素を含有する化合物のクラスを意味し、(i)飽和炭化水素化合物、(ii)不飽和炭化水素化合物、および(iii)様々なnの値を有する炭化水素化合物の混合物を含めた、炭化水素化合物の混合物(飽和および/または不飽和)を包含する。
【0016】
用語「C5フィードストック」は、主に、ノルマルペンタン(n−ペンタン)および/またはイソペンタン(メチルブタンとも呼ばれる)であるフィードストックなどの、n−ペンタンを含有するフィードストックを含み、シクロペンタンおよび/またはネオペンタン(2,2−ジメチルプロパンとも呼ばれる)という、より少量のフラクションを含む。
用語「単環芳香族」は、その分子構造中に1つのベンゼン環を有する芳香族化合物を意味し、トルエン、キシレンおよびエチルベンゼンなどのそのアルキル化体を含む。
用語「多環芳香族」は、その分子構造中に2つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物を意味し、そのアルキル化体を含む。
用語「第10族金属」は、周期表の第10族の元素を意味し、Ni、PdおよびPtを含む。
用語「第1族アルカリ金属」は、周期表の第1族の元素を意味し、以下に限定されないが、Li、Na、K、Rb、Csおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含み、水素は含まない。
用語「第2族アルカリ土類金属」は、周期表の第2族の元素を意味し、以下に限定されないが、Be、Mg、Ca、Sr、Baおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。
用語「第11族金属」は、周期表の第11族の元素を意味し、以下に限定されないが、Cu、Ag、Auおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。
用語「拘束係数」は、それらのどちらも参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,972,832号および米国特許第4,016,218号に定義されている。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「MCM−22ファミリーのモレキュラーシーブ」(または、「MCM−22ファミリーの物質」または「MCM−22ファミリー物質」または「MCM−22ファミリーゼオライト」)は、以下のうちの1つまたは複数を含む:
共通の第1度結晶ビルディングブロック単位胞(first degree crystalline building block unit cell)から作製されたモレキュラーシーブであり、この単位胞はMWW骨格トポロジーを有する(単位胞は、原子を三次元空間に敷き詰めた場合に結晶構造を描写する原子の空間配置である。このような結晶構造は、その全内容が参照により組み込まれている、"Atlas of Zeolite Framework Types", Fifth edition, 2001で議論されている)、
このようなMWW骨格トポロジー単位胞の2次元敷き詰めであり、1つの単位胞の厚さ、好ましくは1つのc−単位胞の厚さからなる単層を形成する共通の第2度結晶構成要素から作製されるモレキュラーシーブ、
1つ超の単位胞の厚さの層が、1つの単位胞の厚さからなる単層を少なくとも2つ積層、充填または結合して作製される、1つまたはそれ超の単位胞の厚さの層である、共通の第2度構成要素から作製されるモレキュラーシーブ。このような第2度構成要素の積層は、規則様式、不規則様式、ランダム様式またはそれらの任意の組合せであってもよい、および
MWW骨格トポロジーを有する単位胞の任意の規則的もしくはランダムな2次元または3次元の組合せによって作製されるモレキュラーシーブ。
【0018】
MCM−22ファミリーは、12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07および3.42±0.07オングストロームにd間隔極大(d−spacing maxima)を含むX線回折パターンを有する、そのようなモレキュラーシーブを含む。この物質を特徴づけるために使用するX線回折データは、入射放射線として銅のK−アルファ二重線および収集システムとしてシンチレーションカウンターおよび連結したコンピューターを装備した回折計を用いる標準技法によって得られる。
本明細書で使用する場合、用語「モレキュラーシーブ」は、用語「微孔質結晶性物質」と同義で使用される。
【0019】
本明細書で使用する場合、用語「炭素選択性」は、個々の形成した環式C5、CPD、C1およびC2−4中の炭素のモル数を、変換されたC5フィードストック中の炭素の総モル数により除算したものを意味する。用語「少なくとも30%の環式C5への炭素選択性」は、変換されたC5フィードストック(n−ペンタンなど)中の炭素100モルあたり、環式C5の炭素が30モル形成されたことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「変換」は、生成物に変換される、非環式C5炭化水素中の炭素のモル数を意味する。用語「前記非環式C5炭化水素の少なくとも70%が生成物に変換」は、前記非環式C5炭化水素の少なくとも70%のモルが生成物に変換されたことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「フェロシリケート」は、骨格構造中および/またはチャネルシステム中に、鉄を含有する、鉄含有微孔質結晶性構造を意味する。
用語「アルキル化ナフタレン」は、モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレンを含む。
C5フィードストック
本明細書において有用な非環式C5炭化水素を含むC5フィードストックは、原油または天然ガス凝縮物から得ることができ、バージン(virgin)C5を含むことができ、流動接触クラッキング(FCC)、改質、ハイドロクラッキング、水素化処理、コーキングおよび水蒸気クラッキングなどの精製法および化学法により生成するクラッキングされたC5(様々な不飽和度:アルケン、ジアルケン、アルキン)を含むことができる。
【0020】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の方法において有用なC5フィードストックは、ペンタン、ペンテン、ペンタジエンおよびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。好ましくは、C5フィードストックは、少なくとも約50質量%、または60質量%、または75質量%、または90質量%の飽和非環式C5炭化水素、理想的にはn−ペンタン、または約50質量%〜約100質量%の範囲の飽和非環式C5炭化水素、理想的にはn−ペンタンを含む。好ましくは、2−メチルブタンが、10質量%未満で存在する。
C5フィードストックは、ベンゼンなどのC6芳香族化合物を含まなくてもよい。好ましくは、C6芳香族化合物は、5質量%未満、または1質量%未満、または0.01質量%未満で存在し、または0質量%になることさえある。
C5フィードストックは、トルエン、および/またはキシレン(オルト、メタおよびパラ)のうち1つまたは複数を含まなくてもよい。好ましくは、トルエンおよびキシレン(オルト、メタおよびパラ)は、C5フィードストック中に、5質量%未満、好ましくは1質量%未満で存在し、好ましくは、0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在する。
C5フィードストックは、C6+芳香族化合物を含まなくてもよく、好ましくは、C6+芳香族化合物は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満で存在し、好ましくは0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在する。
C5フィードストックは、C6+化合物を含まなくてもよく、好ましくは、C6+化合物は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満で存在し、好ましくは0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在し、好ましくは、任意のC6+芳香族化合物は、5質量%未満、好ましくは、1質量%未満で存在し、好ましくは、0.01質量%未満、好ましくは0質量%で存在する。
【0021】
本発明では、C5フィードストックに含有されている非環式C5炭化水素は、触媒を搭載した第1の反応器にフィードされ、ここで、非環式C5炭化水素は変換条件下で触媒に接触し、接触すると、非環式C5炭化水素分子の少なくとも一部がCPD分子に変換され、CPDを含んでおり、他の環式炭化水素(例えば、シクロペンタンおよびシクロペンテンなどのC5環式炭化水素)を含んでもよい反応生成物は、第1の反応器の炭化水素流出物として、第1の反応器を出る。好ましくは、水素を含み、C1−C4炭化水素などの軽質炭化水素を含んでもよい、水素共フィードストックも第1の反応器にフィードされる。好ましくは、水素共フィードストックの少なくとも一部が、第1の反応器にフィードされる前に、C5フィードストックの少なくとも一部、好ましくは全部と混和される。フィードが触媒と最初に接触するようになる入り口の位置にあるフィード混合物中に水素が存在することにより、触媒粒子上でのコークスの形成が防止されるまたは減少する。以下に一層詳細に記載されている触媒組成物は、12未満の範囲の拘束係数を好ましくは有する微孔質結晶性メタロシリケート、第1族アルカリ金属および/または第2族アルカリ土類金属と組み合わせた第10族金属を含んでもよく、第11族金属を含んでもよい。触媒は、以下に一層詳細に記載されている方法を使用することにより作製することができる。
【0022】
第1の反応器は、プラグ流反応器または他の反応器の構成とすることができる。触媒は、固定床(fixed bed)、触媒粒子流体などとして搭載することができる。本明細書で使用する場合、用語「反応器」とは、化学反応が起こる任意の容器を指す。反応器は、個別の反応器、ならびに単一反応器の器具内の反応ゾーン、および適用可能な場合、多重反応器にまたがる反応ゾーンの両方を含む。言い換えると、および一般にあるように、単一反応器は、多重反応ゾーンを有することができる。説明が、第1および第2の反応器を指す場合、当業者は、このような言及は、2つの反応器、ならびに第1および第2の反応ゾーンを有する単一反応器を含むことを容易に認識するであろう。同様に、第1の反応器の炭化水素流出物および第2の反応器の流出物は、それぞれ、単一反応器の第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンからの流出物を含むことが認識されているであろう。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「移動床」反応器とは、95%未満の空のフラクションを有する固体床を維持するために、ガス空塔速度(U)が固体粒子の希薄相空気輸送に要求される速度未満になるよう、固体(例えば、触媒粒子)およびガス流と接触しているゾーンまたは容器を指す。移動床反応器では、固体(例えば、触媒物質)は、反応器中を通ってゆっくりと進むことができ、反応器の底部から抜き取ることができ、反応器の頂部に添加することができる。移動床反応器は、固定または移動充填床レジーム(settling or moving packed−bed regime)(U<Umf)、バブリングレジーム(bubbling regime)(Umf<U<Umb)、スラッギングレジーム(slugging regime)(Umb<U<Uc)、乱流流動化遷移レジーム(transition to and turbulent fluidization regime)(Uc<U<Utr)、および高速流動化レジーム(fast−fluidization regime)(U>Utr)を含めた、いくつかのフローレジーム下で稼働することができ、ここで、Umfは最小流動化速度であり、Umbは最小バブリング速度であり、Ucは圧力ピークが変動する速度であり、Utrは輸送速度である。これらの異なる流動化レジームは、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Kunii, D., Levenspiel, O., Chapter 3 of Fluidization Engineering, 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 1991およびWalas, S. M., Chapter 6 of Chemical Process Equipment, Revised 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 2010に記載されている。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「固定床」(settling bed)反応器とは、ガス空塔速度(U)が、反応ゾーンの少なくとも一部において、固体粒子(例えば、触媒粒子)を流動化するのに要求される最小速度である、最小流動化速度(Umf)未満(U<Umf)となるよう、ならびに/またはガス−固体の逆混合を最小化するために、反応器内部を使用することにより、ガスおよび/もしくは固体特性(温度、ガスまたは固体組成物など)の勾配を反応器床の軸の上方向に維持しながら、最小流動化速度より大きな速度で稼働するように粒子がガス流と接触するゾーンまたは容器を指す。最小流動化速度の記載は、例えば、Kunii, D., Levenspiel, O., Chapter 3 of Fluidization Engineering, 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 1991およびWalas, S. M., Chapter 6 of Chemical Process Equipment, Revised 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 2010に示されている。固定床(settling bed)反応器は、「循環式固定床(settling bed)反応器」とすることもでき、これは、反応器への固体(例えば、触媒物質)の移動、および固体(例えば、触媒物質)の少なくとも一部の再循環を伴う、固定床(settling bed)を指す。例えば、固体(例えば、触媒物質)は、反応器から抜き取られることができる、生成物ストリームから再生成される、再加熱されるおよび/または分離されることができ、次に、反応器に戻すことができる。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「流動床」反応器とは、95%未満の空のフラクションを有する固体床を維持するために、ガス空塔速度(U)が、固体粒子を流動化するのに十分となり(すなわち、最小流動化速度Umf超)、かつ固体粒子の希薄相空気輸送に要求される速度未満になるよう、固体(例えば、触媒粒子)およびガス流と接触しているゾーンまたは容器を指す。本明細書で使用する場合、用語「カスケード型流動床」は、固体またはガスが1つの流動床から別の流動床に順に送り込まれるにつれて、ガスおよび/または固体の特性(温度、ガスまたは固体組成、圧力など)に勾配が存在し得るよう、個々の流動床の直列配列を意味する。最小流動化速度の軌跡は、例えば、Kunii, D., Levenspiel, O., Chapter 3 of Fluidization Engineering, 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 1991およびWalas, S. M., Chapter 6 of Chemical Process Equipment, Revised 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 2010に示されている。流動床反応器は、「循環式流動床反応器」などの移動流動床反応器とすることができ、これは、反応器への固体(例えば、触媒物質)の移動、および固体(例えば、触媒物質)の少なくとも一部の再循環を伴う、流動床を指す。例えば、固体(例えば、触媒物質)は、反応器から抜き取られることができる、生成物ストリームから再生成される、再加熱されるおよび/または分離されることができ、次に、反応器に戻すことができる。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「ライザー」反応器(輸送反応器としても知られている)とは、高速流動化または空気輸送流動化レジームにおいて、固体(例えば、触媒物質)を正味で上方向に輸送するために使用される、ゾーンまたは容器(垂直円筒状パイプなど)を指す。高速流動化および空気輸送流動化レジームは、輸送速度(Utr)よりも大きなガス空塔速度(U)によって特徴づけられる。高速流動化および空気輸送流動化レジームもやはり、Kunii, D., Levenspiel, O., Chapter 3 of Fluidization Engineering, 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 1991およびWalas, S. M., Chapter 6 of Chemical Process Equipment, Revised 2nd Edition, Butterworth-Heinemann, Boston, 2010に記載されている。循環式流動床反応器などの流動床反応器は、ライザー反応器として操作され得る。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「並流」とは、実質的に同じ方向への、2つのストリーム(例えば、ストリーム(a)、ストリーム(b))の流れを指す。例えば、ストリーム(a)が、少なくとも1つの反応ゾーンの頂部から底部まで流れ、ストリーム(b)が、少なくとも1つの反応ゾーンの頂部から底部まで流れる場合、ストリーム(a)の流れは、ストリーム(b)の流れと並流していると見なされると思われる。反応ゾーン内の小さな規模で、流れが並流となることができない領域が存在することがある。
本明細書で使用する場合、用語「向流」とは、実質的に反対方向の、2つのストリーム(例えば、ストリーム(a)、ストリーム(b))の流れを指す。例えば、ストリーム(a)が、少なくとも1つの反応ゾーンの頂部から底部まで流れ、ストリーム(b)が、少なくとも1つの反応ゾーンの底部から頂部まで流れる場合、ストリーム(a)の流れは、ストリーム(b)の流れと向流していると見なされると思われる。反応ゾーン内の小さな規模では、流れが向流となることができない領域が存在することがある。
非環式C5変換法
環式C5化合物を含む生成物への非環式C5炭化水素の変換法は、以下に限定されないが、本明細書に記載されている触媒組成物を含めた、1つまたは複数の触媒組成物の存在下で、非環式C5変換条件下、C5フィードストックを接触させて前記生成物を形成するステップを含み、水素も接触させてもよい。非環式C5フィードストックの変換法の生成物は、環式C5化合物を含む。環式C5化合物は、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエンのうちの1つまたは複数を含むことができ、それらの混合物を含む。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、非環式C5変換条件は、少なくとも、温度、分圧および毎時質量空間速度(WHSV)含む。温度は、約400℃〜約700℃の範囲、または約450℃〜約650℃の範囲、好ましくは約500℃〜約600℃の範囲にある。分圧は、約3〜約100psi(21〜689キロパスカル)の範囲、または約3〜約50psi(21〜345キロパスカル)の範囲、好ましくは約3〜約20psi(21〜138キロパスカル)の範囲にある。毎時質量空間速度は、約1〜約50時-1の範囲、または約1〜約20時-1の範囲にある。このような条件には、任意選択的な水素共フィードと非環式C5炭化水素とのモル比が、約0〜3の範囲、または約0.5〜約2の範囲で含まれる。このような条件はまた、非環式C5フィードを含む共フィードC1−C4炭化水素を含んでもよい。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、本発明は、n−ペンタンからシクロペンタンに変換する方法であって、400℃〜700℃の温度、3〜約100psiaの分圧および1〜約50時-1の毎時質量空間速度で、以下に限定されないが、本明細書に記載されている触媒組成物を含む、1つまたは複数の触媒組成物とn−ペンタンを接触させ、さらに水素も接触させてもよい(存在する場合、通常、H2は、水素とn−ペンタンとのモル比0.01〜3.0で存在する)シクロペンタジエンを形成するステップを含む方法に関する。
触媒の存在下で、いくつかの所望されるおよび望ましくない副反応が起こることがある。この反応の正味の影響は、水素の生成および全量の増加(一定全圧と仮定する)である。特に所望される全体的な反応の1つ(すなわち、中間反応ステップは示されていない)は、以下である:
n−ペンタン→CPD+3H2
【0030】
付加的な全体的な反応は、これらに限定されないが、以下を含む:
n−ペンタン→1,3−ペンタジエン+2H2
n−ペンタン→1−ペンテン+H2
n−ペンタン→2−ペンテン+H2
n−ペンタン→2−メチル−2−ブテン+H2
n−ペンタン→シクロペンタン+H2
シクロペンタン→シクロペンテン+H2、または
シクロペンテン→CPD+H2
【0031】
第1の反応器の内部の流体は、実質的に、気相中に存在している。第1の反応器の出口では、好ましくは気相中では、第1の反応器の炭化水素流出物が得られる。第1の反応器の炭化水素流出物は、とりわけ、以下の炭化水素:多環芳香族などの8個超の炭素原子を含む重質構成成分;単環芳香族などのC8、C7およびC6炭化水素;CPD(所望の生成物);n−ペンタンなどの未反応C5フィードストック物質;ペンテン(例えば、1−ペンテン、2−ペンテン)、ペンタジエン(例えば、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン)、シクロペンタン、シクロペンテン、2−メチルブタン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,2−ジメチルプロパンなどのC5副生物;ブタン、1−ブテン、2−ブテン、1,3−ブタジエン、2−メチルプロパン、2−メチル−1−プロペンなどのC4副生物;プロパン、プロペンなどのC3副生物、エタンおよびエテンなどのC2副生物、メタンおよび水素からなる混合物を含むことができる。
第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の総質量に対して、C(CPD)1質量%の濃度でCPDを含むことができ、a1≦C(CPD)1≦a2(a1およびa2は、a1<a2である限り、独立して、15、16、18、20、22、24、25、26、28、30、32、34、35、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80または85とすることができる)である。
【0032】
第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器の炭化水素流出物中のC5炭化水素の総質量に対して、C(ADO)1質量%の全濃度で非環式ジオレフィンを含むことができ、b1≦C(ADO)1≦b2(b1およびa2は、b1<b2である限り、独立して、20、18、16、15、14、12、10、8、6、5、4、3、2、1または0.5とすることができる)である。好ましくは、0.5≦C(ADO)≦10である。好ましくは、非環式ジオレフィンは、第1の反応器の炭化水素流出物中のC5構成成分の総質量に対して、C(PTD)1質量%の濃度で1,3−ペンタジエンを含み、c1≦C(PTD)1≦c2(c1およびc2は、c1<c2である限り、独立して、20、18、16、15、14、12、10、8、6、5、4、3、2、1、0.5または0.3とすることができる)である。
【0033】
第1の反応器中の触媒の使用および反応条件の選択の結果、第1の反応器の炭化水素流出物中のCPDと非環式ジオレフィンとの高いモル比は、C(CPD)1/C(ADO)1≧1.5、好ましくは、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.5、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4.0、5.0、6.0、8.0、10、12、14、15、16、18または20となるよう、実現することができる。C(CPD)1/C(ADO)1の比が高いと、その後の処理ステップにおいて、CPDと非環式ジエンとの間のディールス−アルダー反応の結果として、CPD損失が顕著に減少し、したがって、本発明の方法により、その後に生成するDCPDフラクションに対して高いDCPD収率および高いDCPD純度の実現が可能となる。
望ましくは、第1の反応器の炭化水素流出物の全絶対圧および温度は、DCPDを形成するCPDの二量化が実質的に回避され、CPDと非環式ジエンとの間のディールス−アルダー反応が実質的に阻害されるようなレベルで維持すべきである。
【0034】
触媒組成物
本明細書において有用な触媒組成物は、結晶性アルミノシリケート、結晶性フェロシリケートなどの微孔質結晶性メタロノシリケート、または他の金属含有結晶性シリケート(金属または金属含有化合物が、結晶性シリケート構造内部で分散されており、結晶骨格の一部であってもよく、またはその一部でなくてもよいものなど)を含む。本明細書における触媒組成物として有用な微孔質結晶性メタロシリケート骨格のタイプは、以下に限定されないが、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUOおよびFAUを含む。
【0035】
本明細書における使用に特に好適な微孔質メタロシリケートは、骨格タイプがMWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUOおよびFAUのものを含み、元素周期表の第8族、11族および13族からの1つまたは複数の金属(好ましくは、Fe、Cu、Ag、Au、B、Al、Gaおよび/またはInのうちの1つまたは複数の)は、合成中に結晶構造に組み込まれるか、または結晶化の後に含浸される。メタロシリケートには、1つまたは複数の金属が存在していることがあり、例えば、物質は、フェロシリケートと称されてもよいが、少量のアルミニウムを依然として含有している可能性が最も高いことが認識される。
【0036】
微孔質結晶性メタロシリケートは、12未満、代替的に1〜12、代替的に3〜12の拘束係数を好ましくは有する。本明細書において有用なアルミノシリケートは、1〜12、代替的に3〜12などの12未満の拘束係数を有しており、以下に限定されないが、ゼオライトベータ、モルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトL、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48、ZSM−50、ZSM−57、ZSM−58、MCM−22のファミリーの物質、およびそれらのうちの2つ以上の混合物を含む。好ましい実施形態では、微孔質結晶性アルミノシリケートは、約3〜約12の拘束係数を有しており、ZSM−5である。
【0037】
ZSM−5は、米国特許第3,702,886号に記載されている。ZSM−11は、米国特許第3,709,979号に記載されている。ZSM−22は、米国特許第5,336,478号に記載されている。ZSM−23は、米国特許第4,076,842号に記載されている。ZSM−35は、米国特許第4,016,245号に記載されている。ZSM−48は、米国特許第4,375,573号に記載されている。ZSM−50は、米国特許第4,640,829号に記載されており、ZSM−57は、米国特許第4,873,067号に記載されている。ZSM−58は、米国特許第4,698,217号に記載されている。拘束係数およびその決定用の方法は、米国特許第4,016,218号に記載されている。前述の特許の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
MCM−22ファミリーの物質は、MCM−22、PSH−3、SSZ−25、MCM−36、MCM−49、MCM−56、ERB−1、EMM−10、EMM−10−P、EMM−12、EMM−13、UZM−8、UZM−8HS、ITQ−1、ITQ−2、ITQ−30、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0038】
MCM−22ファミリーの物質には、MCM−22(米国特許第4,954,325号に記載されている)、PSH−3(米国特許第4,439,409号に記載されている)、SSZ−25(米国特許第4,826,667号に記載されている)、ERB−1(EP293032に記載されている)、ITQ−1(米国特許第6,077,498号に記載されている)およびITQ−2(WO97/17290に記載されている)、MCM−36(米国特許第5,250,277号に記載されている)、MCM−49(米国特許第5,236,575号に記載されている)、MCM−56(米国特許第5,362,697号に記載されている)、およびそれらのうちの2つ以上の混合物が含まれる。MCM−22ファミリーに含まれる関連するゼオライトは、UZM−8(米国特許第6,756,030号に記載されている)およびUZM−8HS(米国特許第7,713,513号に記載されている)であり、これらのどちらも、MCM−22ファミリーのモレキュラーシーブとして使用するのにやはり好適である。
1つまたは複数の実施形態では、微孔質結晶性メタロシリケートは、約3超、または約25超、または約50超、または約100超、または400超、または約100〜約2,000、または約100〜約1,500、または約50〜2,000、または約50〜1,200の範囲のSi/Mモル比を有する。
【0039】
1つまたは複数の実施形態では、微孔質結晶性アルミノシリケートは、約3超、または約25超、または約50超、または約100超、または400超、または約100〜約400、または約100〜約500、または約25〜約2,000、または約50〜約1,500、または約100〜1,200、または約100〜1000の範囲のSiO2/Al2O3モル比を有する。
本発明の別の実施形態では、微孔質結晶性メタロシリケート(アルミノシリケートなど)は、第10族金属または金属化合物と組み合わされ、さらに1つ、2つ、3つもしくはそれ超の第1族、第2族または第11族の金属あるいは金属化合物と組み合わされてもよい。
【0040】
1つまたは複数の実施形態では、第10族金属は、Ni、PdおよびPt、好ましくはPtを含むか、またはこれらからなる群から選択される。前記触媒組成物の第10族金属の含有率は、該触媒組成物の質量に対して、少なくとも0.005質量%である。1つまたは複数の実施形態では、第10族の含有率は、該触媒組成物の質量に対して、約0.005質量%〜約10質量%または約0.005質量%〜最大約1.5質量%の範囲である。
1つまたは複数の実施形態では、第1族アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Csおよびそれらのうちの2つ以上の混合物、好ましくは、Naを含むか、またはこれらからなる群から選択される。
1つまたは複数の実施形態では、第2族アルカリ土類金属は、Be、Mg、Ca、Sr、Baおよびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0041】
1つまたは複数の実施形態では、第1族アルカリ金属は酸化物として存在し、この金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。1つまたは複数の実施形態では、第2族アルカリ土類金属は酸化物として存在し、この金属は、Be、マグネシウム、カルシウム、Sr、Ba、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。1つまたは複数の実施形態では、第1族アルカリ金属は、酸化物として存在し、この金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択され、第2族アルカリ土類金属は、酸化物として存在し、この金属は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、およびそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0042】
1つまたは複数の実施形態では、第11族金属は、銀、金、銅、好ましくは銀もしくは銅を含むか、またはこれらからなる群から選択される。前記触媒組成物の第11族金属の含有率は、該触媒組成物の質量に対して、少なくとも0.005質量%である。1つまたは複数の実施形態では、第11族の含有率は、該触媒組成物の質量に対して、約0.005質量%〜約10質量%、または約0.005質量%〜最大約1.5質量%の範囲である。
1つまたは複数の実施形態では、本触媒組成物は、25未満、代替的に15未満、代替的に1〜25、代替的に1.1〜15のアルファ値(第10族金属、好ましくは白金を添加する前に測定した場合)を有する。
アルミノシリケートの1つまたは複数の実施形態では、前記第1族アルカリ金属とAlとのモル比は、少なくとも約0.5、または少なくとも約0.5〜最大約3、好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約2である。
アルミノシリケートの1つまたは複数の実施形態では、前記第2族アルカリ土類金属とAlとのモル比は、少なくとも約0.5、または少なくとも約0.5〜最大約3、好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約2である。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、前記第11族金属と第10族金属とのモル比は、少なくとも約0.1、または少なくとも約0.1〜最大約10、好ましくは少なくとも約0.5、より好ましくは少なくとも約1である。1つまたは複数の実施形態では、第11族アルカリ土類金属(alkaline earth metal)は、酸化物として存在し、この金属は、金、銀および銅、ならびにそれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
好ましくは、本明細書において有用な触媒組成物は、400〜800℃の範囲の温度、絶対圧で10〜1,000キロパスカルの範囲の圧力、および1〜100時-1の範囲のWHSVを含む変換条件で用いられる。1つまたは複数の実施形態では、本発明の触媒組成物の使用により、等モル量のH2を含むn−ペンタン含有フィードストック、約550℃〜約600℃の範囲の温度、3〜10psiaの間のn−ペンタンの分圧、および10〜20時-1のn−ペンタンの毎時質量空間速度である非環式C5変換条件下で、前記非環式C5フィードストックの少なくとも約60%、または少なくとも約75%、または少なくとも約80%、または約60%〜約80%の範囲の変換率がもたらされる。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の触媒組成物のいずれか1つの使用により、等モル量のH2を含むn−ペンタンのフィードストック、約550℃〜約600℃の範囲の温度、3〜10psiaの間のn−ペンタンの分圧、および10〜20時-1の間のn−ペンタンの毎時質量空間速度を含む非環式C5変換条件下で、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または約30%〜約80%の範囲の環式C5化合物への炭素選択性がもたらされる。
1つまたは複数の実施形態では、本発明の触媒組成物のいずれか1つの使用により、等モル量のH2を含むn−ペンタンのフィードストック、約550℃〜約600℃の範囲の温度、3〜10psiaの間のn−ペンタンの分圧、および10〜20時-1の間のn−ペンタンの毎時質量空間速度を含む非環式C5変換条件下で、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または約30%〜約80%の範囲のシクロペンタジエンへの炭素選択性がもたらされる。
【0045】
本発明の触媒組成物は、マトリックスまたは結合剤材料と組み合わされて、触媒組成物は耐消耗性、および炭化水素の変換用途で使用されている間に曝露される過酷な条件に対してより耐性になることができる。この組み合わされた組成物は、本発明のマトリックス(結合剤)および材料を合わせた質量に対して、本発明の物質を1〜99質量%含有することができる。微結晶性物質およびマトリックスの相対的比率は、幅広く変動し得、結晶の含有率は、該コンポジットの約1〜約90質量%の範囲であり、より通常には、特に、コンポジットが、ビーズ、押出物、ピル、油滴により形成される粒子、噴霧乾燥粒子などの形態で調製される場合、該コンポジットの約2〜約80質量%の範囲である。
本発明の方法において触媒組成物を使用している間、コークスは、触媒組成物上に堆積する恐れがあり、それにより、このような触媒組成物は、その触媒活性の一部を失い、非活性化されるようになる。非活性化触媒組成物は、高い圧力水素処理、および酸素含有ガスを用いて触媒組成物上のコークスを燃焼することを含めた、従来の技法によって再生成することができる。
【0046】
有用な触媒組成物は、結晶性アルミノシリケートまたはフェロシリケートを含んでおり、これらは、1つ、2つまたはそれ超の追加の金属または金属化合物と組み合わされてもよい。好ましい組合せには、
1)第10族金属(Ptなど)、第1族アルカリ金属(ナトリウムまたはカリウムなど)および/または第2族アルカリ土類金属と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ZSM−5またはゼオライトLなど)、
2)第10族金属(Ptなど)および第1族アルカリ金属(ナトリウムまたはカリウムなど)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ZSM−5またはゼオライトLなど)、
3)第10族金属(Ptなど)、第1族アルカリ金属(ナトリウムまたはカリウムなど)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(フェロシリケートまたは鉄処理したZSM−5など)、
4)第10族金属(Ptなど)および第1族アルカリ金属(カリウムなど)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ゼオライトL)、および
5)第10族金属(Ptなど)、第1族アルカリ金属(ナトリウムなど)および第11族金属(銀または銅など)と組み合わせた結晶性アルミノシリケート(ZSM−5など)が含まれる。
【0047】
別の有用な触媒組成物は、第1族アルカリ金属シリケート(Li、Na、K、Rbおよび/またはCsシリケートなど)および/または第2族アルカリ土類金属シリケート(Mg、Ca、Srおよび/またはBaシリケートなど)、好ましくは、カリウムシリケート、ナトリウムシリケート、カルシウムシリケートおよび/またはマグネシウムシリケート、好ましくは、カリウムシリケートおよび/またはナトリウムシリケートによって修飾されているシリカ(例えば、二酸化ケイ素)に担持されている、第10族金属(Ni、PdおよびPt、好ましくは、Ptなど)である。触媒組成物の第10族金属含有率は、該触媒組成物の質量に対して、少なくとも0.005質量%であり、好ましくは、該触媒組成物の質量に対して約0.005質量%〜約10質量%、または約0.005質量%〜最大約1.5質量%の範囲である。シリカ(SiO2)は、DAVISIL646(Sigma Aldrich)、DAVISON952、DAVISON948またはDAVISON955(Davison Chemical Division of W.R.Grace and Company)という商標で上市されているものなどの、触媒担体として通常、使用される任意のシリカとすることができる。
【0048】
有用な触媒組成物に関するより多くの情報については、参照により本明細書に組み込まれている、同時に出願された明細書を参照されたい:
1) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,675号、
2) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,681号、
3) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,688号、
4) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,695号、および
5) 2015年11月4日に出願の米国特許出願第62/250,689号。
【0049】
第1の反応器の炭化水素流出物の冷却
熱クラッキング、PNAの縮合、および反応性ジオレフィン種、とりわけCPDの早期ディールス−アルダー反応などの望ましくない副反応を防止するため、第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器を一旦出ると、冷却されることが非常に所望される。その目的のために、第1の反応器の炭化水素流出物は、第1の反応器から出口に隣接して配置されている、少なくとも1つの熱交換器に通してもよく、この熱交換器では、その温度がTc1℃〜Tc2℃の範囲まで低下され、ここでTc1およびTc2は、Tc1<Tc2である限り、独立して、20、50、80、150、200、250、300、350、400または450℃とすることができる。代替的にまたは追加的に、第1の反応器の炭化水素流出物は、急冷用液体と接触させてもよく、その結果、温度は、Tc1℃〜Tc2℃の範囲まで低下され、ここでTc1およびTc2は、Tc1<Tc2である限り、独立して、20、40、50、60、80、100、120、140、150、160、180、200、220、240、250、260、280、300、320、340、350、360、380、400、420、440または450とすることができる。冷却時に、第1の反応器の炭化水素流出物からの構成成分の主要物は、依然として気相または蒸気相に存在している。
【0050】
第1の反応器の炭化水素流出物の洗浄/急冷
第1の反応器の炭化水素流出物は、以下に限定されないが、多核芳香族種(ナフタレンおよびアルキル化ナフタレン、アントラセンおよびアルキル化アントラセン、フェナントレンおよびアルキル化フェナントレン)、DCPD、CPDと非環式ジオレフィンとの間の所望されないディールス−アルダー反応の結果として形成する生成物を含む、重質構成成分を無視できない量で含む。これらの重質構成成分、とりわけC8+炭化水素は、C5が豊富なフラクションの混入、およびそれによるその後のDCPDフラクションの混入が回避されるよう、少なくとも一部が第1の反応器の炭化水素流出物から除去されるのが非常に望ましい。例えば、ナフタレンは、蒸留によってDCPDから除去されるのが非常に困難である。同様に、ナフタレンおよび重質PNAは凝縮して、設備をファウリングする恐れのある固体を形成する恐れがある。したがって、ナフタレンおよび重質PNAは、第1の反応器の炭化水素流出物から望ましくは除去された後に、さらに処理される。
【0051】
有利なことに、このような重質構成成分は、好ましくは、ある程度、冷却された後に、第1の反応器の炭化水素流出物のストリームを洗浄油と接触させることにより、容器中で効果的に除去することができる。その目的のために、望ましくは、第1の反応器の炭化水素流出物の実質的に蒸気のストリームに接触させる際に、稼働中の液相中の洗浄油を液滴として、洗浄用容器に噴霧して入れることができる。追加的または代替的に、第1の反応器の炭化水素流出物の実質的に蒸気のストリームは、ファウリングサービス(fouling services)(例えば、グリッド付塔および/またはランダム充填)を取り扱うことが可能な、好適なガス−液体接触洗浄用容器に送ることができる。第1の反応器の炭化水素流出物と液体洗浄油との間の十分な接触により、第1の反応器の炭化水素流出物の実質的に蒸気のストリームから洗浄油液体に、重質構成成分(すなわち、C8+炭化水素)が抽出される。少量の洗浄油は、低い蒸気圧で、第1の反応器の炭化水素流出物の蒸気ストリーム中で浮遊され得る。浮遊洗浄油は、続いて、必要な場合、除去され得る。
洗浄用容器では、第1の反応器の炭化水素流出物の蒸気ストリームは、10〜300℃、好ましくは20〜100℃の範囲の温度まで、さらに急冷され得る。したがって、洗浄用容器から、洗浄して冷却された第1の反応器の炭化水素流出物の蒸気ストリームが得られる。さらに、上記の多環芳香族を含む洗浄油の液体ストリームも得ることができる。
【0052】
様々な洗浄油を使用することができる。洗浄油の非限定例は、以下を含む:シクロヘキサン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルシクロヘキサン;ベンゼン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルベンゼン;モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレン;他のアルキル化多環芳香族;ならびにそれらの混合物および組合せ。好ましい洗浄油は、以下である:アルキルベンゼンおよびそれらの混合物(本明細書において、軽質洗浄油と称される);およびアルキルナフタレンおよびその混合物(本明細書において、重質洗浄油と称される)。より好ましくは、トルエン、とりわけ少なくとも50質量%の純度を有する比較的純粋なトルエン、またはアルキルナフタレン、とりわけ少なくとも50質量%の純度を有するものが、洗浄油として使用される。
【0053】
間に、および存在する場合、洗浄用容器の内部に熱交換器を含む、第1の反応器から洗浄用容器までの流体チャネルにおいて、CPD分子間に二量化が起こり、DCPDを形成することができ、CPDは、非環式ジオレフィンと反応して、他のC10+炭化水素を形成することができる。これらの重質構成成分の主な部分は、形成する場合、洗浄用容器を出る、洗浄油液体ストリーム中で分配される。洗浄油の液体ストリームが、燃料用処理装置または他の低価値処理装置に直接、送られる場合、第1の反応器中に生成するCPDの一部は、低価値までグレードが下げられる。このような望ましくない収率損失を減少させるために、逆二量化に好都合な条件下で操作された容器中に、こうした構成成分および/または洗浄油をやはり含む、他の下流で生成したストリームと一緒に洗浄油の液体ストリームを処理して、C5が豊富な上部ストリーム、ならびに残留C8+および洗浄油を含有する洗浄油が豊富な下部ストリームを得ることができる。上部のC5が豊富なストリームは、直接または間接的に、第1のC5が豊富なフラクションの一部として、第2の反応器にフィードされ得る。下部の洗浄油が豊富なストリームは、さらに蒸留されて、洗浄油の少なくとも一部を回収することができ、この洗浄油は、洗浄用容器に直接または間接的にリサイクルすることができる。このような逆二量化に好都合な条件は、例えば、150〜350℃、好ましくは、170〜260℃の範囲、絶対圧で21〜345キロパスカル、好ましくは、絶対圧で21〜138キロパスカルの範囲の圧力、および0.01〜10時間、好ましくは、0.1〜4時間の滞留時間を含む。
【0054】
第1の反応器の炭化水素流出物の分離
上記の第1の反応器の出口で好ましくは冷却されて、上記の洗浄用容器中で洗浄される、第1の反応器の炭化水素流出物は、次に、流体連通チャネルを介して、第1の分離サブシステムに供給されて、第1の分離サブシステム中で処理され、C1−C4炭化水素および水素が低減した、および望ましくはC8+炭化水素などの重質構成成分が低減したC5が豊富なフラクションが得られる。第1の反応器中で起こる反応の性質により、かなりの量の水素が、第1の反応器の炭化水素流出物中に存在している。C5炭化水素(CPDを含む)からの水素およびC1−C4軽質炭化水素の有効な分離には、C5炭化水素の多くが、水素/軽質炭化水素ストリーム中の蒸気として保持され得るということを考慮する必要がある。したがって、望ましくは、中間段階の冷却および液体/蒸気の分離を含む圧縮トレインを第1の分離サブシステムとして有利に使用し、水素および軽質炭化水素ストリームへのC5炭化水素の損失を最小限にすることができる。
中間段階の冷却および液体/蒸気の分離を含む例示的な圧縮トレインは、少なくとも100psia(絶対圧で689キロパスカル)の最後の段階に由来する出る際の圧による、少なくとも3段階の圧縮/中間段階の冷却を含むものである。
【0055】
第1の分離サブシステムから(例えば、圧縮トレイン)、C5が豊富な炭化水素(第1のC5が豊富なフラクション)の1つまたは複数のストリームは、多段階から得ることができる。第1のC5が豊富なフラクションの複数のストリームが得られる場合、それらのうちの2つ以上が、単一の第1のC5が豊富なフラクションのストリームと合わされて、次に、続いて一緒に処理されてもよい。第1のC5が豊富なフラクションは、一般に、(i)CPD、(ii)n−ペンタンなどのC5フィードストックに由来する未反応C5炭化水素、ならびに(iii)シクロペンタンおよびシクロペンテンを含む。
【0056】
第1のC5が豊富なフラクションは、とりわけ、洗浄油がシクロヘキサンおよびアルキルシクロヘキサン、ベンゼンおよびアルキルベンゼン(例えば、トルエン)などのC6およびC7炭化水素を含有する場合、洗浄油の一部をさらに含んでもよい。このような洗浄油は、続いて、必要な場合、除去されてもよい。アルキルナフタレンなどの高沸点洗浄油が使用される場合でさえも、第1のC5が豊富なフラクションは、低濃度のベンゼンなどのC6炭化水素(第1の反応器からの副生物として)を含んでもよい。
【0057】
第1の分離サブシステム(例えば、多段階圧縮トレインにおける、第1の液体/蒸気分離器)から、洗浄油、およびC8+炭化水素(例えば、DCPD、およびCPDと他のジエンとの間のディールス−アルダー反応の結果としての他の生成物)などを含む、重質分含有ストリームが、とりわけ早期段階の1つにおいて、生成されてもよい。このような重質ストリームは、メチルナフタレンなどの高沸点洗浄油が使用される場合、無視できない量とすることができる。このような重質ストリームが、圧縮トレインから生成する場合、上記の洗浄用容器から生成する、洗浄油の液体ストリームと有利にも合わされて、次に、続いて、一緒に処理され得る。
第1の分離サブシステム(例えば、圧縮トレイン)から、水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分が豊富なフラクションも得られる。この軽質構成成分が豊富なフラクションは、望ましくは、C5構成成分、とりわけCPDが低減されているか、またはC5分子が、本発明の方法において、最高の程度まで使用されるよう、少なくとも最小化される。
【0058】
軽質構成成分が豊富なフラクションの分離、ならびに水素および/または軽質炭化水素のリサイクル
第1の反応器の炭化水素流出物を分離する、第1の分離サブシステムから来る軽質構成成分が豊富なフラクションの構成成分の大部分は、水素ガスである。C1−C4炭化水素は、第1の反応器中で、C5フィードストックから少量で生成する。代替として、本発明のある種の例示的な方法では、CH4などのC1−C4軽質炭化水素は、共フィードストックとして第1の反応器に供給されてもよく、第1の分離サブシステムから得られる軽質構成成分が豊富なフラクション中に、より高い濃度のC1−C4軽質炭化水素がもたらされる。
【0059】
本方法で多量の水素が生成されることを考慮すると、軽質構成成分が豊富なフラクションを分離して、より高い純度の水素ストリームを得るのが望ましく、この水素ストリームは、高価値の工業用ガスとして使用または販売することができる。その目的のために、様々な方法および設備、例えば圧力変動吸着(PSA)、急速サイクル圧力変動吸着(RCPSA)、熱変動吸着(TSA)、低温法、膜分離などを使用して水素を回収して濃縮することができ、PSAまたはRCPSAが好ましい。これらの方法またはその任意の組合せのいずれかを使用することによって、軽質構成成分が豊富なフラクションからの3つのガスストリーム:水素が豊富なストリームの総モル数に対して、少なくとも95mol%の純度の水素を含む水素が豊富なストリーム;水素、およびC2+炭化水素中では好ましくは少ない、C1−C4炭化水素を含む中部ストリーム;および洗浄または低温分別(例えば、吸収器)によって後で回収することができるC5+炭化水素をやはり含有し得るC1−C4が豊富な炭化水素ストリームを得ることが可能である。水素が豊富なストリームの一部、および/または中部ストリームの一部(C1−C4炭化水素が、第1の反応器に共フィードされる場合)は、第1の反応器にリサイクルすることができる。追加的または代替的に、中部ストリームの少なくとも一部および/またはC1−C4炭化水素ストリームは、燃料ガスとして使用し、本発明の方法において、ある種のステップ(第1の反応器中での変換プロセスなど)に必要な熱エネルギーを生成することができる。代替として、C1−C4が豊富な炭化水素ストリームは、軽質オレフィンの生成などの他の方法のフィードストックとして利用することができる、および/またはさらに処理されて、LPGフラクションを得ることができる。
【0060】
上で議論した通り、リサイクル水素は、C5フィードストックの少なくとも一部と有利にも混和された後、第1の反応器にフィードされて、触媒粒子上のコークス形成を減少させることができ、それにより、第1の反応器中で使用される触媒の寿命が向上する。追加的または代替的に、リサイクル水素は、第1の反応器に個別にフィードすることができる。追加的または代替的に、リサイクル水素は、触媒の再生または還元に利用することができる。
【0061】
第1のC5が豊富なフラクションの二量化
第1のC5が豊富なフラクションは、有利には、第1のC5が豊富なフラクション中のC5炭化水素の総質量に対して、ca1質量%〜ca2質量%の範囲の高濃度でCPDを含んでおり、ca1およびca2は、ca1<ca2である限り、独立して、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90とすることができる。このようなCPDは、例えば、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、炭化水素樹脂接着剤または粘着付与剤、不飽和ポリエステル樹脂、シクロペンタン、および/またはシクロペンテンを生成するための、CPDフィードとして直接、使用することができる。
【0062】
追加的または代替的に、第1のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、第1の一式の二量化条件下で稼働する第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)に供給することができ、ここで、CPDの一部は、有利には、DCPDに変換される。これは、DCPDがCPDよりもかなり安定であり、したがって、保管することができる、および/またはDCPDとして使用されるか、もしくはCPDに変換されて付加価値製品の生成に使用される様々な場所に輸送することができるので、非常に望ましいことになり得る。
第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)は、プラグ流反応器、逆混合反応器、連続撹拌式槽反応器、沸点反応器および/またはバッフル付反応器が有利となり得る。さらに、反応器は、コイルなどの熱伝播装置を含むことができる。第1の二量化用反応器は、単一容器内もしくは複数の容器中の1つまたは複数の反応ゾーンからなることができ、これらの反応ゾーン内もしくはこれらの反応ゾーン間に1つまたは複数の熱交換装置を含んでもよい。
【0063】
第1の二量化用反応器中の第1の一式の二量化条件は、有利には、Tb1℃〜Tb2℃の範囲の温度(Tb1およびTb2は、Tb1<Tb2である限り、独立して、30、50、60、80、100、120、140、150、160、180、200、220、240または250とすることができる);Pb1キロパスカル〜Pb2キロパスカルの範囲の絶対圧(Pb1およびPb2は、Pb1<Pb2である限り、独立して、345、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、6500、6894または7000とすることができる);およびTr1分間〜Tr2分間の範囲の滞留時間(Tr1およびTr2は、Tr1<Tr2である限り、独立して、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210または220とすることができる)を含むことができる。好ましくは、直列した2つの二量化用反応器が、本システムで利用される場合、第1の一式の二量化条件は、70〜130℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および100〜200分間などの20〜200分間の範囲の滞留時間を含む。好ましくは、直列した3つの二量化用反応器が、本システムで利用される場合、第1の一式の二量化条件は、90〜140℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および1〜30分間の範囲の滞留時間を含む。
【0064】
第1の二量化用反応器に供給される第1のC5が豊富なフラクションに含有されているCPDの一部は、DCPDに変換される。第2の反応器(第1の二量化用反応器)の出口では、CPDおよびDCPDを含む第2の反応器の流出物が得られる。好ましくは、第2の反応器中の変換度は制限され、その結果、高純度のDCPDを生成することができる。すなわち、変換度が制限され、その結果、非環式ジエンおよびモノオレフィンとのCPD共二量体の量が、DCPDの所望の純度を得ることができるようなレベル未満に維持される。有利なことに、第1のC5が豊富なフラクションは、第1のC5が豊富なフラクション中のC5構成成分の総質量に対して、C(CPD)2質量%の濃度でCPDを含む。第2の反応器の流出物は、C(CPD)3質量%の濃度でCPD、およびC(DCPD)1の濃度でDCPDを含み、どちらも、第2の反応器の流出物中のC5炭化水素およびC10炭化水素の総重量に基づいており、C(CPD)3<C(CPD)2である。
【0065】
第1のDCPDが豊富なフラクションの分離
次に、第2の反応器の流出物の少なくとも一部は、蒸留カラムなどの第2の分離装置に供給され、ここで、第1のDCPDが豊富なフラクション(例えば、カラムからの底部流出物などの下部ストリームとして)および第2のC5が豊富なフラクション(例えば、カラムからのオーバーヘッド流出物などの上部ストリームとして)が得られる。有利なことに、第1のDCPDが豊富なフラクションは、C(DCPD)1質量%のDCPD濃度を有することができ、x1≦C(DCPD)1≦x2(x1およびx2は、x1<x2である限り、独立して、80、82、84、85、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.2、99.4、99.5、99.6、99.8または100とすることができる)である。少なくとも98質量%、99質量%、または99.5質量%にもなる濃度を有する、超高純度DCPD(すなわち、UHP DCPD)は、第1のDCPDが豊富なフラクションとして得ることができる。第1のDCPDが豊富なフラクションの少なくとも一部は、蒸留カラムなどの少なくとも別の分離装置に供給されてもよく、ここで、第1のDCPDが豊富なフラクションの純度をさらに向上することができる。第2のC5が豊富なフラクション中のCPD濃度は、第1のC5が豊富なフラクション中よりも低くなる傾向がある。多くの場合、第2のC5が豊富なフラクションは、第2のC5が豊富なフラクションの総質量に対して、95.0質量%〜99.9質量%の範囲の濃度でCPDを含む。
【0066】
第2のC5が豊富なフラクションの二量化
第2の分離装置から得られる第2のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、有利には、第2のC5が豊富なフラクション中のC5炭化水素の総質量に対して、ca3質量%〜ca4質量%の範囲の高濃度でCPDを含むことができ、ca3およびa4は、ca3<ca4である限り、独立して、1、5、10、20、25、30、35、40、45、50、55または60とすることができる。第2のC5が豊富なフラクション中のこのようなCPDは、例えば、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、炭化水素樹脂接着剤または粘着付与剤、不飽和ポリエステル樹脂、シクロペンタンおよび/またはシクロペンテンを生成するためのCPDフィードとして直接、使用することができる。
【0067】
追加的または代替的に、第2のC5が豊富なフラクションは、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)における操作と類似しているが、好ましくは、より低い濃度のCPDの満足する変換を可能にする一層高い温度および/または一層長い滞留時間で稼働している、第2の一式の二量化条件下で稼働している第2の二量化用反応器(システム中の第3の反応器)に供給することができ、ここでCPDの一部が有利なことに、DCPDに変換される。
【0068】
したがって、第2の二量化用反応器における第2の一式の二量化条件は、有利には、Tb3℃〜Tb4℃の範囲の温度(Tb3およびTb4は、Tb3<Tb4である限り、独立して、30、50、60、80、100、120、140、150、160、180、200、220、240または250とすることができる);Pb3キロパスカル〜Pb4キロパスカルの範囲の絶対圧(Pb3およびPb4は、Pb3<Pb4である限り、独立して、345、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、6500、6894または7000とすることができる);およびTr3分〜Tr4分の範囲の滞留時間(Tr3およびTr4は、Tr3<Tr4である限り、独立して、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290または300とすることができる)を含むことができる。好ましくは、直列した2つの二量化用反応器が、本システムで利用される場合、第2の一式の二量化条件は、100〜140℃などの75〜140℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および150〜300分間などの100〜300分間の範囲の滞留時間を含む。好ましくは、直列した3つの二量化用反応器が、本システムで利用される場合、第2の一式の二量化条件は、100〜140℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および1〜30分間の範囲の滞留時間を含む。
第2の二量化用反応器(システム中の第3の反応器)は、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)に類似した反応器とすることができる。
【0069】
第2の二量化用反応器に供給される第2のC5が豊富なフラクションに含有されているCPDの一部は、DCPDに変換される。第2の二量化用反応器の出口では、CPDおよびDCPDを含む第3の反応器の流出物が得られる。好ましくは、第3の反応器における変換度は制限され、その結果、高純度のDCPDを生成することができる。すなわち、変換度が制限され、その結果、非環式ジエンおよびモノオレフィンとのCPD共二量体の量は、DCPDの所望の純度を得ることができるようなレベル未満に維持される。
【0070】
第2のDCPDが豊富なフラクションの分離
次に、第3の反応器の流出物の少なくとも一部は、蒸留カラムなどの第3の分離装置に供給することができ、ここで、第2のDCPDが豊富なフラクション(例えば、カラムからの底部流出物などの下部ストリームとして)および第3のC5が豊富なフラクション(例えば、カラムからのオーバーヘッド流出物などの上部ストリームとして)が得られる。有利なことに、第2のDCPDが豊富なフラクションは、C(DCPD)2質量%のDCPD濃度を有することができ、x3≦C(DCPD)2≦x4(x3およびx4は、x3<x4である限り、独立して、40、50、60、65、70、75、80、82、84、85、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99とすることができる)である。第1のC5が豊富なフラクションよりも第2のC5が豊富なフラクション中の方が、CPDと非環式ジオレフィンとの比が低いので、通常、第2のDCPDが豊富なフラクションの純度は、第1のDCPDが豊富なフラクションよりも低い。それにもかかわらず、少なくとも90質量%、または92質量%、または93質量%、または95質量%にもなる濃度を有する、非常に高純度のDCPD(HP DCPD)は、第2のDCPDが豊富なフラクションとして得ることができる。第2のDCPDが豊富なフラクションの少なくとも一部は、蒸留カラムなどの少なくとも別の分離装置に供給されてもよく、第2のDCPDが豊富なフラクションの純度をさらに向上することができる。同様に、第3のC5が豊富なフラクション中のCPD濃度は、第2のC5が豊富なフラクション中よりも低くなる傾向がある。多くの場合、第3のC5が豊富なフラクションは、第3のC5が豊富なフラクションの総質量に対して、90.0質量%〜99.5質量%の範囲の濃度でCPDを含む。
【0071】
第3のC5が豊富なフラクションの二量化
第3の分離装置から得られる第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、有利には、第3のC5が豊富なフラクション中のC5炭化水素の総質量に対して、ca5質量%〜ca6質量%の範囲の濃度でCPDを含むことができ、ca5およびca6は、ca5<ca6である限り、独立して、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60とすることができるである。第3のC5が豊富なフラクション中のこのようなCPDは、例えば、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、炭化水素樹脂接着剤または粘着付与剤、不飽和ポリエステル樹脂、シクロペンタンおよび/またはシクロペンテンを生成するためのCPDフィードとして直接、使用することができる。
【0072】
追加的または代替的に、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)における操作と類似の、第3の一式の二量化条件下で稼働する第3の二量化用反応器(システム中の第4の反応器)に供給することができ、ここで、CPDの一部が、有利には、DCPDに変換される。
第3の二量化用反応器(システム中の第4の反応器)は、第1の二量化用反応器(システム中の第2の反応器)に類似しているが、好ましくは、より低い濃度のCPDの満足する変換を可能とする一層高い温度および/または一層長い滞留時間で稼働する、反応器とすることができる。
【0073】
望ましくは、第3の二量化用反応器に供給される第3のC5が豊富なフラクション中に含有しているCPDの主要物は、DCPDに変換される。追加的または代替的に、非環式C5ジオレフィン(例えば、1,3−ペンタジエン;1,4−ペンタジエン、1,2−ペンタジエンおよび/または2−メチル−1,3−ブタジエン)を、第3の二量化用反応器中でCPDと反応させて、共二量体を生成させるのが望ましい。追加的または代替的に、非環式C5ジオレフィン(例えば、蒸気クラッキングしたナフサ、軽質接触ナフサ、重質接触ナフサ)および/またはC6ジオレフィン(例えば、メチルシクロペンタジエンおよびヘキサジエン)を含有する追加のストリームは、第3の二量化用反応器へのフィードに添加することができる。さらに、C5およびC6種の三量体および四量体もまた、有利なことに生成することができる。第3の二量化用反応器の出口では、好ましくは他のC5共二量体、共三量体および/または共四量体と組み合わせた、CPDおよびDCPDを含む、第4の反応器の流出物が得られる。
【0074】
したがって、第3の二量化用反応器中の第3の一式の二量化条件は、有利には、Tb5℃〜Tb6℃の範囲の温度(Tb5およびTb6は、Tb5<Tb6である限り、独立して、30、50、60、80、100、120、140、150、160、180、200、220、240または250とすることができる);Pb5キロパスカル〜Pb6キロパスカルの範囲の絶対圧(Pb5およびPb6は、Pb5<Pb6である限り、独立して、345、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、6500、6894または7000とすることができる);およびTr5分間〜Tr6分間の範囲の滞留時間(Tr5およびTr6は、Tr5<Tr6である限り、独立して、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000とすることができる)を含むことができる。好ましくは、第3の一式の二量化条件は、100〜150℃などの80〜150℃の範囲の温度、絶対圧で689〜3447キロパスカルの範囲の全圧、および150〜300分間の範囲の滞留時間を含む。
【0075】
第3のDCPDが豊富なフラクションの分離
次に、第4の反応器の流出物の少なくとも一部は、蒸留カラムなどの第4の分離装置に供給することができ、ここで、第3のDCPDが豊富なフラクション(例えば、カラムからの底部流出物として)および第4のC5が豊富なフラクション(例えば、カラムからのオーバーヘッド流出物として)が得られる。有利なことに、第3のDCPDが豊富なフラクションは、C(DCPD)3質量%のDCPD濃度を有することができ、x5≦C(DCPD)3≦x6(x5およびx6は、x5<x6である限り、独立して、20、30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、82、84、85、86、88、90、91、92、93、94または95とすることができる)である。第2のC5が豊富なフラクションよりも第3のC5が豊富なフラクション中の方が、CPDと非環式ジエンとの比が低いので、通常、第3のDCPDが豊富なフラクションの純度は、第2のDCPDが豊富なフラクションよりも低い。それにもかかわらず、少なくとも70質量%、75質量%、80質量%、85質量%または90質量%の濃度を有する、中程度の純度のDCPDは、第3のDCPDが豊富なフラクションとして得ることができる。第3のDCPDが豊富なフラクションの少なくとも一部は、蒸留カラムなどの少なくとも別の分離装置に供給されてもよく、ここで、第3のDCPDが豊富なフラクションの純度をさらに向上することができる。同様に、第4のC5が豊富なフラクション中のCPD濃度は、第3のC5が豊富なフラクション中よりも低くなる傾向がある。
【0076】
C5が豊富なフラクションの第1の反応器へのリサイクル
上記の第1、第2、第3および第4のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部は、本発明の方法において少しでも生成される場合、上記の第1の反応器にリサイクルすることができ、ここで、C5フィードストックからの未反応C5炭化水素および一部が変換したC5炭化水素を、CPDにさらに変換することができる。
【0077】
第1、第2、第3および第4のC5が豊富なフラクションは、生成する場合、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどのC6+炭化水素を含有することができる。第1の反応器における反応生成物中のこのようなC6+構成成分の蓄積を防止するため、第1の反応器にリサイクルされる前に、C6+構成成分の少なくとも一部が分離されて、蒸留カラムなどの分離装置中のC5が豊富なストリームから除去され、第5のC5が豊富なストリームおよびC6+が豊富なストリームが生成されるのが非常に望ましい。こうして、次に、精製した第5のC5が豊富なフラクションが、第1の反応器にリサイクルされる。
【0078】
C5+構成成分からのモーガスブレンド構成成分の形成
モーガスは、約35℃の初期標準沸点および約200℃の最終沸点を有する、C4からC12の炭化水素を含むブレンド混合物である。モーガスは、自動車において内燃機関の燃料として主に使用される。様々な地方、州または連邦政府機関によって指定されている、多数の異なるモーガス規格がある。一例は、最終モーガス製品のリード蒸気圧(RVP)である。モーガスの蒸気圧は、その揮発性および高い蒸気圧の尺度であり、スモッグを形成する炭化水素の高い蒸発エミッションをもたらす。
【0079】
性能観点から、モーガスの重要な属性は、そのオクタン価である。線状パラフィン炭化水素(すなわち、直鎖の飽和分子)は、芳香族、オレフィンおよび分枝状パラフィンなどの他の炭化水素よりも低いオクタン価を有する傾向がある。その目的のために、石油精製において使用される精製方法の多くは、このような後者の分子構造を有する炭化水素を生成するよう設計されている。例えば、接触改質は、モーガス用の石油ブレンドストックを作製するために、通常、低オクタン価を有するナフサフィードを高オクタン液体生成物に変換するために使用される、広く実施されている工業的方法である。この方法は、パラフィンおよびナフテンを高オクタン価芳香族炭化水素に変換する。しかし、ナフサの接触改質は、C6+フィードストックに限定される。
【0080】
n−ペンタンをイソペンタン(i−ペンタンとも呼ばれる)に変換することにより、好都合なオクタン価の向上をもたらすことができるが、RVPの不都合な向上ももたらす恐れがある。n−ペンタンのシクロペンチルおよび内部オレフィン種への変換は、本発明における第1の反応器において行われ、この変換は、オクタン価を好都合なことに向上し、RVPを好都合にも低下させる。DCPDが豊富なストリームはまた、部分水素化または完全水素化されて、低RVP/高オクタン価ブレンド構成成分を生成することができる。
【0081】
したがって、追加的または代替的に、上記の第1、第2、第3、第4、および第5のC5が豊富なフラクション、およびC6+が豊富なストリームの少なくとも一部は、本発明の方法において少しでも生成される場合、ジオレフィン(例えば、水蒸気クラッキングナフサ、軽質接触ナフサ、重質接触ナフサ)を含有するさらなるストリームと合わされてもよく、選択的に水素化されて、モーガス構成成分を生成することができる。第1、第2、第3、第4および第5のC5が豊富なフラクションは、CPDおよびシクロペンテンを含めた、不飽和C5炭化水素を高濃度で含有するので、一旦、部分水素化されると、それらは、第1の反応器に供給される非環式飽和C5フィードストックよりも高いオクタン価および低いリード蒸気圧(RVP)を有する傾向がある。本明細書で使用する場合、「選択的水素化」法は、モノオレフィンが飽和体に変換するよりもジオレフィンがモノオレフィンに変換するのが好都合な選択的水素化条件下、選択的水素化触媒の存在下での、ジオレフィンとモノオレフィンの両方を含む混合物の水素による処理である。このような選択的水素化は、そこに搭載される水素化触媒を有する水素化用反応器で実行することができる。選択的に水素化されたモーガス構成成分は、モーガス構成成分の総質量に対して、2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、および理想的には0.1質量%以下の全濃度でジオレフィンを含むことが非常に所望される。このような態様では、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも25質量%が、第1の反応器にリサイクルされ、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも50質量%に水素化が施されるのが好ましい。次に、このモーガス構成成分は、さらなるモーガス構成成分とブレンドされて、所望の組成物および特性を有するモーガスを得ることができる。
【0082】
追加的または代替的に、それらの水素化前または後に、本発明の方法において少しでも生成される場合、上記の第1、第2、第3、第4および第5のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部、および/またはそれらの水素化生成物の一部を分離して、高純度のシクロペンテン、シクロペンタン、2−メチル−1,3−ブタジエン、および/または1,3−ペンタジエンを得ることができ、これらはそれぞれ、価値ある工業物質として使用または販売することができる。
水素化触媒の非限定例は、パラジウムをベースとする触媒またはニッケルをベースとする触媒を含む。例示的な水素化条件は、30〜250℃の範囲の温度、および絶対圧で1,700〜5,500キロパスカルの範囲の圧力を含む。
本発明は、低価値C5フィードストックを高価値のCPD、DCPD、高オクタン価および/または低RVPを有するモーガス構成成分、シクロペンテン、シクロペンタン、1,3−ペンタジエンなど、ならびに水素に変換するために使用することができる。
【0083】
図面による説明
図面は、本発明の例示的な方法またはその態様を実装するために稼働する、本発明の例示的なシステムおよびそのサブシステムのブロックフロー図を概略的に例示している。主要な構成成分しか、これらの図面に示されていないことを理解すべきである。制御バルブ、ポンプ、熱交換器、リボイラー、リサイクルループなどの補助設備は、すべての図面にすべてが示されているわけではないが、全体の方法にわたり、自由に使用されて、ストリームおよび設備の熱力学条件をマニピュレートする。
【0084】
図1に示されているシステム101では、例えば、n−ペンタンを少なくとも50質量%で含むC5フィードストックストリーム103は、水素共フィードストックストリーム105と合わされて、混合ストリーム107を形成し、これは、次に、リサイクルされた第3のC5が豊富なストリーム109と合わされて、混合フィードストリーム111を形成し、これが第1の反応器113(R1とも標識されている)にフィードされる。ストリーム111中の水素とC5フィードストックとのモル比は、0.1〜3.0、好ましくは、0.3〜2.0、より好ましくは、0.5〜1.5の範囲とすることができる。共フィード水素の主な目的は、とりわけ、インシチュで生成した水素が比較的低い濃度である場所のある触媒上に、コークスが形成するのを防止することである。反応器113は、その中に搭載された触媒115の床を有する固定床(fixed bed)反応器とすることができる。触媒115は、上記の組成物から選択される。触媒粒子の存在下でのC5炭化水素の反応は、非常に吸熱性である。したがって、反応器113は、450℃〜800℃の範囲の内部温度を維持するために外部熱によって加熱される。毎時質量空間速度は、1〜100時間-1の範囲にある。フィード111中のC5炭化水素のかなりの部分は、CPD、ならびに非環式ジオレフィン、非環式モノオレフィン、シクロペンタン、シクロペンテン;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分;単環芳香族;および多環芳香族などの副生物に、50%〜99%の範囲のn−ペンタンの全変換率で変換される。第1の反応器113の出口では、第1の反応器の炭化水素流出物117は、500〜800℃の範囲の温度、および絶対圧で20〜700キロパスカルの範囲の全絶対圧で抜き取られる。
【0085】
第1の反応器の炭化水素流出物117は、第1の反応器の炭化水素流出物117中のC5炭化水素の総質量に対して、15質量%〜80質量%の範囲の全濃度でCPDを含むことができる。第1の反応器113を一旦出ると、第1の反応器の炭化水素流出物のストリーム117は、1つまたは複数の熱交換器119によって速やかに冷却されてストリーム121が得られ、熱クラッキング、PNAの凝縮、および反応性ジオレフィン種、とりわけCPDの早期ディールス−アルダー反応などの、所望されない副反応を回避する。ある量の洗浄油(図示せず)が、交換器119前および/またはその中で添加され、ファウリングを防止する一助とすることができる。
【0086】
次に、冷却したストリーム121および洗浄油ストリーム(steam)125は、洗浄用容器123にフィードされ、ここで、第1の反応器の炭化水素流出物はやはり、急冷されて、洗浄された第1の反応器の炭化水素流出物ストリーム129が得られる。図1および図2に示されている例に使用されている洗浄油は、少なくとも50質量%の全濃度でアルキルナフタレンおよび/またはアルキルベンゼンを含むが、上記の他の洗浄油が使用されてもよい。ストリーム129は、第1の反応器の炭化水素流出物に由来するC5構成成分および軽質構成成分を含む。ストリーム129はまた、無視できない量のC6、C7、C8および洗浄油を含有していてもよい。洗浄油、単環芳香族および多環芳香族を含む洗浄油底部ストリーム127もまた、洗浄用容器123から得られる。
【0087】
次に、清浄な第1の反応器の炭化水素流出物としての上部ストリーム129が第1の分離サブシステム131(SD1とも標識されている)に供給され、ここで、第1のC5が豊富なストリーム133、1つまたは複数の追加のC5が豊富なストリーム134(図1に示されているもの)、ならびに水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分ストリーム161が得られる。C5が豊富なストリーム133および134は、有利なことに、C1−C4炭化水素が低減されている。ストリーム133は、C6、C7、C8+のうちの1つまたは複数、および無視できない量の重質洗浄油を含有することができる。ストリーム134は、C6、C7、C8+、およびストリーム133よりもかなり濃度が低い重質洗浄油を含むのが望ましい。好ましくは、ストリーム134は、C10+および重質洗浄油を本質的に含まない。ストリーム161は、第1の反応器113中で生成する水素の量を考慮すると、全量がかなり多量になる。ストリーム161中に存在している無視できない量のC5構成成分を回収するため、ストリーム161は、容器163(時として、「脱ブタン塔」または「脱ブタン塔区域」とも呼ばれる)中で洗浄油ストリーム165とさらに接触させて、H2およびC1−C4炭化水素を含み、かつC5構成成分が低減されているストリーム167が得られる。脱ブタン塔の容器163を出た洗浄油ストリーム125は、次に、上記の洗浄用容器123にリサイクルされる。ストリーム167は、PSA、RCPSA、TSA、低温法および膜分離などの様々な設備および方法(図示せず)を使用することによりさらに分離されて、以下のうちの1つまたは複数:(i)高純度H2ストリーム;(ii)H2/C1−C4炭化水素混合物ストリーム;および(iii)C1−C4が豊富な炭化水素ストリームを得ることができる。
【0088】
C6、トルエン、C8+および重質洗浄油のうちの1つまたは複数を無視できない濃度で含むことができる程度のストリーム133は、上記のストリーム127と一緒に、重質洗浄油(例えば、アルキルナフタレン(alkylnapthalene))除去カラム135にフィードされ、ここで、C5が豊富でC10+が低減されている上部ストリーム137、ならびにC7およびC8+を含む下流ストリーム138が得られる。ストリーム138は、その後の蒸留カラム(図示せず)において精製され、アルキルナフタレンが豊富なストリームを得ることができ、このストリームは、上記の容器163および/または洗浄用容器123にリサイクルすることができる。熱交換器119、容器123、135、および第1の分離サブシステム131のフロントエンドにおいて、CPDと非環式ジオレフィンとの間の反応を減少させる努力を行うべきである。それにもかかわらず、このような副反応は、様々な程度で起こる恐れがあるので、カラム135は、逆二量化反応が二量化よりも好都合となるよう、DCPDなどの重質構成成分、DCPDと非環式ジオレフィンとの間の反応生成物がCPDおよび他のC5構成成分に変換されるよう、およびしたがって、そうでなければ副反応に失われるCPDおよび他のC5構成成分が少なくとも一部、回収されるような条件下で稼働されることが非常に望ましい。その目的のために、カラム135の条件は、有利には、150〜350℃、好ましくは、170〜260℃の範囲のカラム底部温度、および3psia〜50psia(絶対圧で21〜345キロパスカル)、好ましくは、20psia〜40psia(絶対圧で138〜276キロパスカル)の範囲の全絶対圧、および0.01〜10時間、好ましくは、0.1〜4時間の範囲の滞留時間を含む。
【0089】
次に、どちらもC5が豊富でC10+が低減されている、ストリーム137およびストリーム134であって、第1の分離サブシステムから得られた第1のC5が豊富なフラクションとして一緒になったストリーム137およびストリーム134は、第1の一式の二量化条件下で稼働した、第2の反応器(R2とも標識されており、第1の二量化用反応器と呼ばれる)139に送られ、その中に含有しているCPDの一部は、DCPDに変換される。第1の一式の二量化条件は、有利には、90〜130℃などの30〜250℃、好ましくは、70〜140℃の範囲の温度、および50psia〜1000psia(絶対圧で345〜6895キロパスカル)、好ましくは、100psia〜500psia(絶対圧で689〜3447キロパスカル)の範囲の全絶対圧、および100〜200分間などの1〜220分間、好ましくは20〜200分間の範囲の滞留時間を含む。このような条件は、CPD分子間の二量化反応が好都合となるよう、およびCPDと他のジオレフィンとの間の反応を最小化するよう最適化される。
【0090】
次に、反応器139から、CPD、他のC5炭化水素およびDCPDを含む第2の反応器の流出物141は、蒸留カラムとすることができる第2の分離装置143(SD2)にフィードされる。カラム143から、超高純度DCPD下部ストリーム147、ならびにCPDおよび他のC5炭化水素を含む上部ストリームが得られる。ストリーム147は、ストリーム147のC10炭化水素の総質量に対して、96質量%、98質量%、99質量%、またはそれを超えることさえあるなどの、少なくとも95質量%の濃度でDCPDを含むことができる。ストリーム147は、その後の蒸留カラム(図示せず)中で精製して、(1)このストリームの総質量に対して、96質量%、98質量%、99質量%、またはそれを超えることさえあるなどの、少なくとも95質量%の濃度でDCPDを含む、超高純度DCPD、(2)上記(図示せず)の容器163および/または洗浄用容器123にリサイクルすることができる軽質洗浄油が豊富なストリームを得ることができる。
【0091】
本発明の方法における第2のC5が豊富なフラクションである上部ストリーム145は、次に、第2の一式の二量化条件下で稼働される第2の二量化用反応器(本発明の第3の反応器、R3)149にフィードされ、ここで、ストリーム147中の残存CPDは、DCPDに一部、変換される。第2の一式の二量化条件は、有利には、30〜250℃、好ましくは、100〜140℃の範囲の温度、および50psia〜1000psia(絶対圧で345〜6895キロパスカル)、好ましくは、100psia〜500psia(絶対圧で689〜3447キロパスカル)の範囲の全絶対圧、および1〜300分間、好ましくは150〜300分間の範囲の滞留時間を含む。このような条件は、その後のDCPDフラクションの規格通りの生成を実現しながら、残留CPDの回収を最大化するよう最適化される。
【0092】
次に、反応器149から、CPD、他のC5炭化水素およびDCPDを含む第3の反応器の流出物151は、蒸留カラムとすることができる第3の分離装置153(SD3)にフィードされる。カラム153から、高純度DCPD下部ストリーム155、ならびにCPDおよび他のC5炭化水素157を含む上部ストリームが得られる。ストリーム155は、ストリーム155のC10炭化水素の総質量に対して、92質量%、94質量%、95質量%、またはそれを超えることさえあるなどの、少なくとも90質量%の濃度でDCPDを含むことができる。ストリーム155は、その後の蒸留カラム(図示せず)中で精製して、(1)このストリームの総質量に対して、92質量%、94質量%、95質量%、またはそれを超えることさえあるなどの、少なくとも90質量%の濃度でDCPDを含む、高純度DCPD、(2)上記(図示せず)の容器163および/または洗浄用容器123にリサイクルすることができる軽質洗浄油が豊富なストリームを得ることができる。
DCPDストリーム147および155は、製品として販売することができるか、または配送することができる。使用者は、所期の用途に応じて、これらのストリームをCPDに変換して戻すか、または他の化合物に変換してもよい。
【0093】
本発明の方法における第3のC5が豊富なフラクションである上部ストリーム157は、第3の二量化用反応器(図示せず)にフィードすることができ、ここで、この中の残存CPDは、さらなる量のDCPDに変換することができ、このDCPDは、そのように所望される場合、第4の分離装置(図示せず)中で、第3のDCPDが豊富なフラクションとして分離されて回収され得る。第3の二量化用反応器が利用される場合、第1の二量化用反応器および第2の二量化用反応器の好ましい稼働様態は、どちらも最適量で、最適品質レベルのDCPD製品を生成するよう、有利なことに調節することができる。通常、第3のDCPDが豊富なフラクションは、上記の方法で上流で生成する、第1および第2のDCPDが豊富なフラクションよりも純度が低いと思われる。
【0094】
図1に示されている通り、第3の分離装置153からの第3のC5が豊富なフラクションのストリーム157は、2つのストリーム159と161とに分割される。次に、ストリーム157、159および161がC5炭化水素に加えてC6+を含むことができる程度に、ストリーム161は、蒸留カラム163中で分離されて、C6+が低減された第5のC5が豊富なストリーム165、およびC6が豊富なストリーム167が得られる。次に、ストリーム165は、上記の通り、ストリーム109として、第1の反応器113(R1)にリサイクルすることができる。ストリーム167は、以下に記載されている、未処理のモーガス構成成分などの、他の用途にパージされ得る(purge)か、または使用され得る。この特定の実施形態では、ストリーム161とストリーム159との質量比が、蒸留カラム163なしで0.4:0.6より高い場合、C6+種の蓄積がこのシステムで起こり得ることを見出した。リサイクル率に対するこのような制限を排除するために、ストリーム161に、カラム163中での精製を施した後、第1の反応器にリサイクルすることが非常に所望される。
ストリーム159(および、第1のC5が豊富なフラクションストリーム137の一部、および第2のC5が豊富なフラクションストリーム145の一部を含んでもよい。図1には示さず)は、その中に含有されている多数の有用な構成成分:CPD、シクロペンタン、シクロペンテン、ペンテン、ペンタジエン、2−メチルブタジエンなどにより、多くの目的に使用することができる。
例えば、ストリーム159(および、他のC5が豊富なフラクションのストリーム、およびC6が豊富なストリーム167)は、一部またはすべてが、その中のジエンの少なくとも一部をモノオレフィンおよび/または飽和体に変換する選択的水素化によって、モーガス構成成分に変換され得る。水素化後のストリーム159中のシクロペンタンおよびシクロペンテンの濃度が高いと、n−ペンタンなどの非環式C5炭化水素の出発フィードストックに比べて、シクロペンタンおよびシクロペンテンのオクタン価が高く、かつリード蒸気圧値が低いために、モーガスブレンドするのに特に好適となる。C6が豊富なストリーム167は、同様に選択的水素化後に、モーガス構成成分として直接、使用することができる。
他の例に関すると、選択的水素化の前または後に、ストリーム159(および、他のC5が豊富なフラクションのストリーム)が分離されて、以下:シクロペンタン、シクロペンテン、ペンテン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエンおよび2−メチルブタジエンのうちの少なくとも1つの純粋なストリームを得ることができる。
【0095】
図2は、特に、図1に例示されている例示的な方法における、本発明の方法およびシステムに有用な、例示的な第1の分離サブシステム201を概略的に例示している。図2中の第1の分離サブシステム201は、多段階の圧縮、冷却および液体/蒸気の分離を含めた、圧縮トレインを含む。この図の方法で、カラム123から得られた、清浄な第1の反応器の流出物の主要物を含む上部ストリーム129は、第1段階のコンプレッサ203にまずフィードされて、ここからより高い圧力のストリーム205が得られる。次に、ストリーム205は、第1段階の熱交換器207によって冷却されて、液体/蒸気の混合物ストリーム209が得られ、この混合物ストリームは、第1段階の液体/蒸気の分離装置(ドラムなど)211にフィードされて、C5炭化水素を含むが水素およびC1−C4炭化水素が低減されている第1段階の下部液体ストリーム215、ならびにC5炭化水素を含んでおり、水素およびC1−C4炭化水素が豊富な第1段階の上部蒸気ストリーム213が得られる。次に、ストリーム213は、第2段階のコンプレッサ217によって圧縮されて、より一層高い圧力を有するストリーム219が得られ、このストリーム219は、次に、第2段階の熱交換器221によって冷却されて、第2段階の低温度の液体/蒸気の混合物ストリーム223が得られ、この混合物ストリームは、第2段階の液体/蒸気の分離装置(ドラムなど)225中で分離されて、C5炭化水素を含むが水素およびC1−C4炭化水素が低減されている第2段階の下部液体ストリーム229、ならびにC5炭化水素を含んでおり、水素およびC1−C4炭化水素が豊富な第2段階の蒸気ストリーム227が得られる。次に、ストリーム227は、第3段階のコンプレッサ231によって圧縮されて、より一層高い圧力を有するストリーム233が得られ、このストリーム233は、次に、第3段階の熱交換器235によって冷却されて、第3段階の低温度の液体/蒸気の混合物ストリーム237が得られ、この混合物ストリーム237は、第3段階の液体/蒸気の分離装置(ドラムなど)239中で分離されて、C5炭化水素を含むが水素およびC1−C4炭化水素が低減されている第3段階の下部液体ストリーム241、ならびに水素およびC1−C4炭化水素を豊富に含む第3段階の上部蒸気ストリーム161であって、C5炭化水素をより低い濃度で含んでもよい第3段階の上部蒸気ストリーム161が得られる。次に、ストリーム161は、図1に例示され、かつ上述の容器163にフィードされる。
【0096】
図2に示されている通り、ストリーム215が無視できない濃度の洗浄油、C7およびC8+(DCPDなど)のうちの少なくとも1つを含み得る程度のストリーム215は、ストリーム127と一緒に、重質洗浄油除去カラム135にフィードすることができ、ここで、処理されて、図1に関連する上記の重質洗浄油が低減されているC5が豊富なストリーム137が得られる。下流のストリーム229および241は、重質洗浄油、C7およびC8+をより低い濃度で含む傾向がある程度に合わされて、単一ストリーム134を形成することができ、このストリームは、次に、第1のC5が豊富なフラクションとしてストリーム137と合わされて、図1に例示されている第1の二量化用反応器139(R2)に、直接、フィードされる。
【0097】
示されていないが、ストリーム215、229および241は、それらがすべて無視できない濃度の、重質洗浄油、C7およびC8+(DCPDなど)のうちの少なくとも1つを含有することができる程度に、すべてストリーム127と一緒に、重質洗浄油除去カラム135に送られ、ここで、C5が豊富なストリーム137が得られて、第1の二量化用反応器139に送られることが企図されている。
示されていないが、ストリーム215、229および241は、それらがすべて十分に低い濃度で、重質洗浄油、C7およびC8+を含有し得る程度に、少しでも存在する場合、ストリーム137と合わされて、次に、第1の二量化用反応器139に直接、送ることができることがやはり企図されている。
【0098】
産業用途
非環式C5変換法の間に得られる、環式、分岐状および線状C5炭化水素を含有し、水素、C4および軽質副生物またはC6および重質副生物のいずれかの組合せを含有してもよい、第1の炭化水素反応器の流出物は、それ自体の中に価値のある製品が存在している、およびそれ自体が価値のある製品である。好ましくは、CPDおよび/またはDCPDは、反応器の流出物から分離して、精製生成物ストリームを得ることができ、これは、様々な高価値製品の生成に有用である。
【0099】
例えば、50質量%以上、または好ましくは60質量%以上のDCPDを含有する精製生成物ストリームは、炭化水素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ材料を生成するのに有用である。80質量%以上、または好ましくは90質量%以上のCPDを含有する精製生成物ストリームは、以下の反応スキーム(I):
【化1】
(式中、Rは、ヘテロ原子または置換ヘテロ原子、置換または無置換のC1−C50ヒドロカルビルラジカル(多くの場合、二重結合を含有するヒドロカルビルラジカル)、芳香族ラジカルまたはそれらの任意の組合せである)により形成されるディールス−アルダー反応生成物を生成するのに有用である。好ましくは、置換ラジカルまたは基は、第13〜17族、好ましくは第15族もしくは第16族、より好ましくは窒素、酸素もしくは硫黄からの1つまたは複数の元素を含有する。スキーム(I)に図示されているモノオレフィンのディールス−アルダー反応生成物に加えて、80質量%以上、または好ましくは90質量%以上のCPDを含有する精製生成物ストリームを使用して、CPDと以下:別のCPD分子、共役ジエン、アセチレン、アレン、二置換オレフィン、三置換オレフィン、環式オレフィンおよび上述の置換体のうちの1つまたは複数のものとのディールス−アルダー反応生成物を形成することができる。好ましいディールス−アルダー反応生成物には、以下の構造に例示されている、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、置換ノルボルネン(酸素含有ノルボルネンを含む)、ノルボルナジエンおよびテトラシクロドデセンが含まれる:
【化2】
【0100】
前述のディールス−アルダー反応生成物は、エチレンなどのオレフィンと共重合した環式オレフィンのポリマーおよびコポリマーの生成に有用である。得られた環式オレフィンコポリマーおよび環式オレフィンポリマーの生成物は、様々な用途、例えば包装用フィルムに有用である。
99質量%以上のDCPDを含有する精製生成物ストリームは、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)触媒を使用して、DCPDポリマーを生成するのに有用である。DCPDポリマー生成物は、物品、特に成形部品、例えば風力タービン翼および自動車部品の形成に有用である。
【0101】
さらなる構成成分は、反応器の流出物から分離することもでき、高価値製品の形成に使用することができる。例えば、分離したシクロペンテンは、スキーム(II)に図示されている通り、ポリペンテナマーとしても知られているポリシクロペンテンの生成に有用である。
【化3】
【0102】
分離されたシクロペンタンは、発泡剤および溶媒として有用である。線状および分岐状C5生成物は、高級オレフィンおよびアルコールへの変換に有用である。水素化の後であってもよい、環式および非環式C5生成物は、オクタン価向上剤および輸送燃料ブレンド構成成分として有用である。
分離されたシクロペンタンは、発泡剤および溶媒として有用である。線状および分岐状C5生成物は、高級オレフィンおよびアルコールへの変換に有用である。水素化の後であってもよい、環式および非環式C5生成物は、オクタン価向上剤および輸送燃料ブレンド構成成分として有用である。
【実施例】
【0103】
以下の非限定例1〜7は、本発明を例示する。例1〜5は、シミュレーションを使用することにより得られる。これらの例において、個々の第1の反応器の流出物は、上で議論した方式と類似の方式で、急冷/洗浄区域(123)、圧縮トレイン区域(SD1、131)および脱ブタン化区域(163)の方にフィードされる。急冷/洗浄区域(135)、圧縮トレイン区域(SD1、131)および脱ブタン化区域(163)から生成した回収したC5が豊富なフラクションはすべて、重質洗浄油除去カラム(135)に、次いで、第1の二量化用反応器(R2、139)、超高純度DCPD回収カラム(SD2、143)、第2の二量化用反応器(R3、149)、次に高純度DCPD回収カラム(SD3、153)という経路で送られる。
【0104】
(例1)
この例では、第1の反応器の流出物は、軽質炭化水素を共フィードすることなく、または第1の反応器への任意の下流のC5が豊富なフラクションをリサイクルすることなく、純粋なn−ペンタンのフィードストック、1:2の水素/n−ペンタンのモル比を有する純粋な水素共フィードストックから生成した。反応器の入り口における処理温度、圧力、毎時質量空間速度および分子量は、それぞれ、475℃、62psia(絶対圧で401.9キロパスカル)、15時-1および49.01g/molである。反応器出口における温度および圧力は、それぞれ575℃および10psia(絶対圧で68.9キロパスカル)である。この反応は、第1の反応器の流出物中に、入口における全フィード原料中の分子のモル数あたりさらに1.87モルの分子を生成して、出口を出る。この1.87倍のモル数の膨張は、それぞれ、ストリーム混合物の分子量および密度を、入口において49.01g/molから出口において27.05g/molに、および入口において3.08kg/m3から出口において0.26kg/m3に低下させる効果を有する。第1の反応器の入り口から出口までの圧力低下は、約52psi(359キロパスカル)と算出される。出口の第1の反応器の流出物の組成は、以下の表Iに示されている。
第3のC5が豊富なフラクション全体が、モーガスを作製するためのモーガスブレンドとして使用され、モーガスブレンドの組成は同様に以下の表Iに提示されている。
この例では、ストリーム117中でCPDを100トン生成するために、総質量が403トンのn−ペンタンのフィード(n−ペンタンのフィードの総質量に対して、CPDの全収率が24.8質量%に相当する)が、このシステムにフィードされ、水素が総質量で13.1トン生成され、99.0質量%を超える純度レベルを有するUHP DCPDが総質量で82トンが生成され(ストリーム147)、90.0質量%を超える純度レベルを有するDCPDが総質量で11トン生成され(ストリーム155)、モーガスブレンドが総質量で238トン生成される。
【0105】
(例2)
反応器の入り口および出口の温度ならびに圧力は、上の例1と同一に保有する。しかし、この例では、上記の第2の二量化用反応器から生成した第3の反応器の流出物を分離することにより得られた第3のC5が豊富なフラクションの35%として生成したC5が豊富なストリームは、第1の反応器にリサイクルされ、この場合、n−ペンタンと混和した後、第1の反応器にフィードされる。水素は、1:2のH2/((イソ−C5炭化水素およびCPD)を除外するすべてのC5炭化水素)のモル比で共フィードされる。イソ−C5炭化水素からCPDまでの反応経路は、この反応条件下で速度的に阻害されることが実験により見出された。第1の反応器への全フィードの組成は、以下の表Iに示されている。
第3のC5が豊富なフラクションの残りの65%は、モーガスを作製するためにモーガスブレンドとして使用される。モーガスブレンドの組成は、同様に以下の表Iに提示されている。
【0106】
この例では、ストリーム117中でCPDを100トン生成するために、総質量が308トンのn−ペンタンのフィード(n−ペンタンのフィードの総質量に対して、CPDの収率が32.5質量%に相当する)が、このシステムにフィードされ、水素が総質量で11.7トン生成され、99.0質量%を超える純度レベルを有するUHP DCPDが総質量で85トン生成され(ストリーム147)、90.0質量%を超える純度レベルを有するDCPDが総質量で8トン生成され(ストリーム155)、モーガスブレンドが総質量で146トン生成される。
同じ量のCPDを生成するために、例2(第1の反応器に第3のC5が豊富なフラクションの35%をリサイクルする)では、例1(第1の反応器にC5が豊富なフラクションのいずれもリサイクルしない)よりも23.4%少ない新しいn−ペンタンのフィードが要求される。
【0107】
同じ量のCPDを生成するために、例2は、完全に飽和しているフィードに対して、部分不飽和なフィードを使用しているため、例1よりも水素が10.8%少なく生成される。これは、反応器および下流の設備において、体積流速の減少という有利点を有する。例えば、例2における第1の反応器は、例1よりも体積流量が7.8%減少していることを示している。これは、下流の急冷塔、ガスコンプレッサおよび脱ブタン塔の設備のサイズ設定にかなり影響を及ぼすことがある。
第1の反応器を通過するストリームのエンタルピー変化は、例1と比べて、例2では、かなり減少することをやはり示す。これは、例2では、炉の燃焼が10.9%減少したことに換算され、これは、反応器の設備のサイズ設定および燃料コストにかなり影響を及ぼし得る。第1の反応器中の吸熱反応を持続させるために要求される熱量は、一部が変換されたC5フィードストックを使用する場合、比較的少ない。
【0108】
CPDを100トンを生成するため、例2は、モーガス生成に転換された物質は38.6質量%減少することを示している。さらに、速度により一層制限される異性化および芳香族化生成物は、より少ない副生成物ストリームへと濃縮されるので、例2におけるモーガスのストリームは、例1における場合よりも、わずかに高いC5+副生物のオクタン価を有することが表Iから分かり得る。
したがって、明らかなことに、C5含有ストリームの少なくとも一部をCPD反応器へリサイクルすることは有利となり得る。これは、例えば、モーガスに関するRVP規格によりブレンドされ得るC5炭化水素の量が制限されるある時期の間、一部が変換されたC5炭化水素に対する需要が減少する場合、とりわけ有益である。これにより、プラントは、共生成の量が少ない、所望のDCPD生成速度での稼働を継続することが可能となる。
【0109】
【表1】

【0110】
(例3)
シミュレーションによって得られたこの予想的例では、表II中の以下の組成を有する、モーガスブレンドおよび対応する部分水素化モーガス構成成分として使用される第3のC5が豊富なフラクションのモデルを得ることができる:
【0111】
【表2】
【0112】
(例4)
この例では、第1の反応器の流出物は、軽質炭化水素を共フィードすることなく、または第1の反応器への任意の下流のC5が豊富なフラクションをリサイクルすることなく、純粋なn−ペンタンのフィードストック、1:1の水素/n−ペンタンのモル比を有する純粋な水素共フィードストックから生成した。反応器の入口における処理温度、圧力、毎時質量空間速度および分子量はそれぞれ、475℃、62psia(絶対圧で401.9キロパスカル)、より近い熱力学的平衡に到達するために例1より低い毎時質量空間速度、および49.01g/molである。反応器の出口における温度および圧力は、それぞれ、575℃および10psia(絶対圧で68.9キロパスカル)である。この例では、この反応システムはまた、例1とは異なる触媒システムを用いる。この反応は、第1の反応器の流出物中に、入口における全フィード原料中の分子のモル数あたりさらに2.02モルの分子を生成して、出口を出る。この2.02倍のモル数の膨張は、それぞれ、ストリーム混合物の分子量および密度を、入口において36.72g/molから出口において18.16g/molに、および入口において2.44kg/m3から出口において0.18kg/m3に低下させる効果を有する。第1の反応器の入り口から出口までの圧力低下は、約52psi(359キロパスカル)と算出される。出口の第1の反応器の流出物の組成は、以下の表IIIに示されている。
第3のC5が豊富なフラクション全体が、モーガスを作製するためのモーガスブレンドとして使用され、モーガスブレンドの組成は同様に以下の表IIIに提示されている。
【0113】
この例では、ストリーム117中でCPDを100トン生成するために、総質量が222トンのn−ペンタンのフィードが、このシステム(n−ペンタンのフィードの総質量に対して、CPDの全収率が45.0質量%に相当する)にフィードされ、水素が総質量で18.3トン生成され、99.0質量%を超える純度レベルを有するUHP DCPDが総質量で54トン生成され(ストリーム147)、90.0質量%を超える純度レベルを有するDCPDが総質量で44トン生成され(ストリーム155)、モーガスブレンドが総質量で77トン生成される。
【0114】
【表3】
【0115】
(例5)
シミュレーションによって得られたこの予想的例では、表IV中の以下の組成を有する、モーガスブレンドおよび対応する部分水素化モーガス構成成分として使用される第3のC5が豊富なフラクションモデルを得ることができる:
【0116】
【表4】
【0117】
(例6)
ZSM−5触媒組成物の合成
約20.3%の固形分を有する合成混合物は、10,000gの脱イオン(DI)水、600gの50%NaOH溶液、25gの45%アルミン酸ナトリウム溶液、730gのn−プロピルアミン(100%溶液)、80gのZSM−5の種結晶および3,190gのUltrasil PM(商標)から調製した。修飾シリカは、5ガロンのペール容器中で混合し、次に、混合後、5ガロンのオートクレーブに投入した。この合成混合物は、以下のモル組成を有した:
SiO2/Al23 約470
2O/SiO2 約12.1
OH/SiO2 約0.16
Na/SiO2 約0.16
n−PA/Si 約0.25。
【0118】
この合成混合物を混合して、230°F(110°)、250rpmで72時間、反応させた。得られた生成物をろ過してDI水により洗浄し、次に、約250°F(121°)で一晩、オーブン内で乾燥した。硝酸アンモニウム溶液を用いて3回、室温でイオン交換することにより、合成したそのままの結晶の一部を水素に変換し(物性評価のため)、次いで250°F(121℃)で乾燥して、1000°F(540℃)で6時間、焼成した。得られたZSM−5結晶は、SiO2/Al23が約414のモル比、全表面積(SA)/(マイクロ細孔SA+メソ細孔SA)が490(440+51)m2/g、ヘキサン収着が117mg/gおよびアルファ値(プロトン体で測定した場合)が31を有した。Pt含浸用に合成するので、材料の第2の部分を使用した。
【0119】
SiO2/Al23のモル比が414およびナトリウム含有率が0.38質量%を有するZSM−5を、窒素中、900°F(482℃)で6時間、焼成した。冷却後、この試料を窒素中で900°F(482℃)まで再加熱し、3時間、保持した。次に、1.1、2.1、4.2および8.4%の酸素まで、雰囲気を4段階で増加して徐々に変えた。各ステップを30分間、保持した。温度を1000°F(540℃)まで上昇させて、酸素含有率を16.8%まで高め、この物質を1000°F(540℃)で6時間、保持した。冷却後、水酸化テトラアミン白金水溶液を使用するインシピエントウェットネス含浸により0.5質量%のPtを加えた。この触媒組成物は、室温で2時間、次に、250°F(121℃)で4時間、空気中で乾燥し、最後に、空気中、660°F(349℃)で3時間、焼成した。触媒組成物の粉末を圧縮(15トン)して、粉砕し、ふるいにかけて、20〜40メッシュの粒子サイズを得た。
【0120】
(例7)
触媒組成物の性能評価
例6の上記の材料の性能を評価した。この触媒組成物(0.5g)を石英(1.5g、60〜80メッシュ)と物理的に混合して、反応器に搭載した。この触媒組成物をHe(100mL/分、30psiゲージ圧(207kPa)、250℃)下で1時間、乾燥し、次に、H2(200mL/分、30psiゲージ圧(207kPa)、500℃)下で1時間、還元した。次に、この触媒組成物の性能を、n−ペンタン、H2および残りはHeからなるフィードを用いて、通常、550℃〜600℃、5.0psia(35kPa−a)のC512、1.0モル H2:C512、14.7時-1のWHSVおよび30psiの全ゲージ圧(207kPa)で試験した。触媒組成物の安定性および再生成性(regenerability)の試験は、550℃〜600℃での初期試験後にH2(200mL/分、30psiゲージ圧(207kPa)、650℃)を用いて5時間、処理することによって行い、次に、600℃で性能を再試験した。
シクロペンタジエンおよび3当量の水素が、脱水素化およびn−ペンタンの環化(式1)によって生成される。これは、固体状態のPtを含有する触媒組成物の上に高温でn−ペンタンを流すことにより実現される。例6のZSM−5(414:1)/0.5%Ptの性能は、n−ペンタンの変換率、環式C5生成(cC5)、クラッキング収率および安定性に基づいて評価した。これらの結果は、表V、表VI、表VIIおよび表VIIIにまとめられている。
【0121】
【数1】
【表5】
【0122】
【表6】
【0123】
【表7】
【0124】
【表8】
【0125】
表Vおよび表VIは、5.0psia(35kPa−a)のC512、1:1のモルのH2:C5、14.7WHSV、全体で45psia(310kPa−a)の条件で、0.5gのZSM−5(Si:Al2のモル比414:1)/0.5質量%Ptの触媒組成物の場合の、様々な温度(各温度において8時間を超える平均値)における、n−ペンタンの変換率、ならびに環式C5、CPD、イソ−C5、C1およびC2-4クラッキング生成物の選択性および収率を示している。表Vでは、選択性および収率は、形成した炭化水素のうちの環式C5、CPD、イソ−C5、C1およびC2−4のそれぞれのモル比率基準で表されている。すなわち、モル選択性は、形成した環式C5、CPD、C1およびC2-4のそれぞれのモル数を変換されたペンタンの総モル数により除算したものである。表VIでは、選択性および収率は、形成した炭化水素のうちの環式C5、CPD、イソ−C5、C1およびC2−4のそれぞれの炭素比率基準で表されている。すなわち、炭素選択性は、形成した環式C5、CPD、イソ−C5、C1およびC2−4のそれぞれにおける炭素のモル数を変換されたペンタン中の炭素の総モル数により除算したものである。分かる通り、表Vおよび表VIは、595℃では、高いWHSVにおいて80%超のペンタンの変換率および環式C5種に40%の選択性を示している。特定の最終生成物ではないが、シクロペンタンおよびシクロペンテンは、リサイクルされてCPDを生成することができる。
【0126】
表VIおよびVIIIは、個々のiC5構成成分をさらに指定しており、これらは、表VおよびVIIに合計として示されている。iC5oは、2−メチルブタンおよび3−メチルブタンを含むイソペンタンである。iC5=は、2−メチルブテンおよび3−メチルブテンを含むイソペンテンである。iC5=は、2−メチルブタジエンおよび3−メチルブタジエンを含むイソ−ペンタジエンである。これらの結果は、例の触媒を用いて可能となる、イソ−ペンタジエンのレベルが低いことを示している。
【0127】
本明細書に記載されている文献はすべて、それらが本分と一致しない程度に、任意の優先権書類および/または試験手順を含めて、参照により本明細書に組み込まれている。上述の一般説明および特定の実施形態から明白な通り、本発明の形態が、例示されて説明されているが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく様々な改変を行うことができる。したがって、本発明は、それにより限定されることを意図するものではない。同様に、用語「含む(comprising)」は、用語「含む(including)」と同義語と見なされる。同様に、組成物、要素、または要素の群が、移行句「含む(comprising)」の前に置かれる場合はいつも、本発明者らは、組成物、要素(単数または複数)の列挙の前に置かれる移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」、「からなる群から選択される(selected from the group of consisting of)」または「である(is)」を伴う同じ組成物または要素の群をやはり企図していること、またはその逆でもあることが理解される。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を含む環式C5を作製する方法であって、
(I)少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含むC5フィードストックを第1の反応器にフィードするステップ、
(II)変換条件下で、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を触媒と接触させて、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5構成成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分;単環芳香族;および多環芳香族を含む、第1の反応器の炭化水素流出物を得るステップ、
(III)第1の反応器の炭化水素流出物を分離して、(i)軽質構成成分が豊富なフラクションおよび(ii)CPDを含む第1のC5が豊富なフラクションを生成するステップ、
(IV)第1の一式の二量化条件下で稼働する第2の反応器に、第1のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部を供給するステップ、
(V)第2の反応器から、CPDおよびDCPDを含む第2の反応器の流出物を得るステップ、および
(VI)第2の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、ジシクロペンタジエン(DCPD)を含む第1のDCPDが豊富なフラクションを得るステップ
を含む、方法。
2. 第1の反応器の炭化水素流出物が、どちらも第1の反応器の炭化水素流出物中のC5構成成分の総質量に対して、C(CPD)1質量%の濃度のCPD、およびC(ADO)1質量%の全濃度の非環式ジオレフィンを含み、
C(CPD)1/C(ADO)1≧1.5である、
上記1に記載の方法。
3. C5フィードストックが、少なくとも50質量%のn−ペンタンを含む、上記1から2のいずれかに記載の方法。
4. 触媒が、微孔質メタロシリケートまたはシリケート修飾シリカに担持されている、少なくとも1つの第10族金属を含み、触媒が、第1族アルカリ金属、第2族アルカリ土類金属および/または第11族金属のうちの1つまたは複数を含んでもよい、上記1から3のいずれかに記載の方法。
5. 変換条件が、400〜800℃の範囲の温度、絶対圧で10〜1,000キロパスカルの範囲の圧力、および1〜100時-1の範囲のWHSVを含む、上記1から4のいずれかに記載の方法。
6. 第1の反応器の炭化水素流出物が、第1の反応器の炭化水素流出物中のC5構成成分の総質量に対して、15質量%〜80質量%の範囲の濃度でCPDを含む、
上記1から5のいずれかに記載の方法。
7. 水素共フィードストックが、0.1〜3.0の範囲の水素共フィードストックとC5フィードストックとのモル比で第1の反応器にフィードされる、上記1から6のいずれかに記載の方法。
8. C5フィードストックが第1の反応器にフィードされる前に、水素共フィードストックの少なくとも一部がC5フィードストックと混和される、上記7に記載の方法。
9. ステップ(III)が、以下:
(IIIa)第1の反応器の炭化水素流出物を冷却するステップ、
(IIIb)第1の反応の流出物の全圧を上昇させるステップ、
(IIIc)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を洗浄油により洗浄するステップ、
(IIId)第1の反応器の炭化水素流出物から軽質構成成分を除去するステップ、および
(IIIe)第1の反応器の炭化水素流出物からC8+構成成分を除去するステップ
の少なくとも1つを含む、上記1から8のいずれかに記載の方法。
10. ステップ(III)が、第1の反応器の炭化水素流出物を、少なくとも1つの:シクロヘキサン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルシクロヘキサン;ベンゼン;モノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルベンゼン;モノアルキル、ジアルキル、トリアルキルおよびテトラアルキルナフタレン;他のアルキル化多環芳香族;ならびにそれらの混合物および組合せを含む洗浄油により洗浄するステップを含む、上記1から9のいずれかに記載の方法。
11. 洗浄油が、ステップ(III)において使用される洗浄油の総質量に対して、少なくとも50質量%のトルエンを含む、
上記10に記載の方法。
12. 洗浄油が、ステップ(III)において使用される洗浄油の総質量に対して、少なくとも50質量%のアルキル化ナフタレンを含む、
上記10に記載の方法。
13. ステップ(III)が、中間段階の冷却および蒸気/液体分離を含む圧縮トレインを使用して、第1の反応器の炭化水素流出物からC4および軽質構成成分を除去するステップを含む、上記1から12のいずれかに記載の方法。
14. 第1のDCPDが豊富なフラクションが、第1のDCPDが豊富なフラクションの総質量に対して、少なくとも80質量%の濃度でDCPDを含む、上記1から13のいずれかに記載の方法。
15. ステップ(VI)において、CPDを含む第2のC5が豊富なフラクションが得られる、上記1から上記14のいずれかに記載の方法であって、
(VII)第2の一式の二量化条件下で稼働する第3の反応器に、第2のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部をフィードするステップ、
(V)CPDおよびDCPDを含む第3の反応器から、第3の反応器の流出物を得るステップ、および
(IX)第3の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、第2のDCPDが豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む方法。
16. 第2のDCPDが豊富なフラクションが、第2のDCPDが豊富なフラクションの総質量に対して、少なくとも60質量%の濃度でDCPDを含む、
上記15に記載の方法。
17. ステップ(IX)において、CPDを含む第3のC5が豊富なフラクションが得られる、上記16に記載の方法であって、
(X)第3の一式の二量化条件下で稼働する第4の反応器に、第3のC5が豊富なフラクションの少なくとも一部をフィードするステップ、
(XI)CPDおよびDCPDを含む第4の反応器の流出物を得るステップ、および
(XII)第4の反応器の流出物の少なくとも一部を分離して、第3のDCPDが豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションを得るステップ
をさらに含む方法。
18. 第3のDCPDが豊富なフラクションが、第3のDCPDが豊富なフラクションの総質量に対して、少なくとも40質量%の濃度でDCPDを含む、
上記17に記載の方法。
19. (XIII)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を直接または間接的に、第1の反応器にリサイクルするステップ
をさらに含む、上記15から上記18のいずれかに記載の方法。
20. (XIV)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションが生成される場合、これらのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を選択的に水素化して、モーガス構成成分のフィードを得るステップ、および
(XV)モーガス構成成分フィードからモーターガス用ブレンドを形成するステップ
をさらに含む、上記1から19のいずれかに記載の方法。
21. モーガス構成成分フィードストックが、ジエンを実質的に含まない、上記20に記載の方法。
22. (XVI)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を分離して、C6が豊富なフラクションおよびC6が低減したフラクションを得るステップ、
(XVII)C6が低減したフラクションの少なくとも一部を第1の反応器にリサイクルするステップを含み、および
(XVIII)C6が豊富なフラクションの少なくとも一部を選択的に水素化してモーガス構成成分のフィードを得るステップ
を含んでもよい、上記19から上記21のいずれかに記載の方法。
23. (XIX)第1のC5が豊富なフラクション、第2のC5が豊富なフラクション、第3のC5が豊富なフラクションおよび第4のC5が豊富なフラクションのうちの少なくとも1つから、(i)シクロペンタンが豊富なフラクション;(ii)シクロペンテンが豊富なフラクション;(iii)1,3−ペンタジエンが豊富なフラクション;および(iv)2−メチル−1,3−ブタジエンフラクションのうちの少なくとも1つを得るステップ
を含む、上記15から上記22のいずれかに記載の方法。
24. (A)水素共フィードストックを含んでもよく、C1−C4炭化水素共フィードストックを含んでもよい、少なくとも1つの非環式C5炭化水素を含む、C5フィードストックを受容するよう構成されている第1の反応器、
(B)変換条件下で、非環式C5炭化水素の変換を触媒して、CPDおよび非環式ジオレフィンを含むC5構成成分;水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分;単環芳香族;および多環芳香族を含む第1の反応器の炭化水素を生成することができる、第1の反応器内に搭載されている触媒、および
(C)第1の反応器の炭化水素流出物の少なくとも一部を受容するように、かつ(i)CPDを含み、水素およびC1−C4炭化水素が低減した第1のC5が豊富なフラクション、ならびに(ii)水素およびC1−C4炭化水素を含む軽質構成成分が豊富なフラクションを生成するように構成されている第1の反応器と流体連通している第1の分離サブシステム
を含む、シクロペンタジエン(CPD)および/またはジシクロペンタジエン(DCPD)を作製するシステム。
25. 上記1から23のいずれか1項に記載の方法により生成される生成物に由来する物品。
26. 物品が、生成物と二重結合含有基質とのディールス−アルダー反応に由来する物質に由来する、上記25に記載の物品。
27. 生成物が、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、ペンテン、ペンタジエン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン(tetracyclodocene)、置換ノルボルネン、シクロペンタジエンのディールス−アルダー反応の誘導体、環式オレフィンコポリマー、環式オレフィンポリマー、ポリシクロペンテン、不飽和ポリエステル樹脂、炭化水素樹脂粘着付与剤、調合エポキシ樹脂、ポリジシクロペンタジエン、ノルボルネンまたは置換ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのメタセシスポリマーまたはそれらの任意の組合せ、風力タービン翼、コンポジット含有ガラスまたは炭素繊維、調合接着剤、エチリデンノルボルネン、EPDMゴム、アルコール、可塑剤、発泡剤、溶媒、オクタン価向上剤、ガソリン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、上記25に記載の物品。
図1
図2