(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0004】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iの新規なN-エチル-N-[(2S)-1-(ピラジン-2-イルオキシ)プロパン-2-イル]ベンズアミドまたはその塩、特にその生理学的に許容される塩を提供する
【化1】
(式中、
Arは、下記基を表し
【化2】
R
1は、水素、フルオロ、メチルを表し;
R
2は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、-CF
3、-OCH
3を表し;
R
3は、水素、フルオロ、-CF
3、-OCH
3を表す)。
【0005】
別の実施形態においては、一般式Iにおいて、Arは先の実施形態のいずれかで定義したのと同じ意味を有し、置換基R
1、R
2およびR
3の少なくとも1つは水素を表す。
【0006】
別の実施形態においては、一般式Iにおいて、R
1、R
2およびR
3は、先の実施形態のいずれかで定義したのと同じ意味を有し、
Arは、下記基を表す
【化3】
【0007】
本発明は、予想外に下記にさらなる特徴を有する強力なOX1Rアンタゴニスト(アッセイA)である式Iの新規なN-エチル-N-[(2S)-1-(ピラジン-2-イルオキシ)プロパン-2-イル]-ベンズアミドを提供する
1)0X2受容体に対する高い選択性(アッセイB)、
2)ヒト肝ミクロソームにおける中程度から高い安定性(アッセイC)。
本発明の化合物は、下記の主要な薬力学的および薬物動態学的パラメーターに関して先行技術に開示された化合物より優れている:
1)0X2受容体に対する選択性、
2)ヒト肝ミクロソームにおける安定性。
ヒト肝ミクロソームにおける安定性は、良好な薬物動態特性を有する薬剤を選択および/または設計する状況において、生体内変換に対する化合物の感受性を指す。多くの薬剤の代謝の主要部位は肝臓である。ヒト肝ミクロソームはシトクロムP450(CYP)を含有しており、インビトロでの薬物代謝を研究するためのモデル系である。ヒト肝ミクロソームにおける安定性の向上は、バイオアベイラビリティの増加およびより長い半減期が含まれるいくつかの利点に関連し、患者のより少ない投薬量およびより少ない頻度での投薬を可能にする。したがって、ヒト肝ミクロソームにおける安定性の増強は、薬剤に使用される化合物にとって好ましい特性である。
本発明の化合物は強力なOX1Rアンタゴニストである。これはWO2013/187466号に開示されている好ましい例よりも0X1Rに対してより選択的である。本発明の化合物は、Het2がフェニルまたはピリジルであるHet1-Het2部分の代わりに置換された-O-ピラジニル部分を含有する点で、WO2013/187466号に開示されているものと構造的に異なる。これらの構造的相違は、意外にも、0X2Rに対する選択性の明白な増強をもたらす。
本発明の化合物は、WO/2006/034882号(最も近い先行技術の化合物)の実施例14、70および40と構造的には、これらがN-エチル-[ブタン-2-イル]アミノ、N-メチル-[ブタン-2-イル]アミノまたはN-メチル-[プロパン-2-イル]アミノ部分の代わりに中心のN-エチル-(プロパン-2-イル)アミノ部分を含有し、-N-ピラジニル、-N-ピリミジルまたは-N-ピリジル置換基の代わりに-O-ピラジニル部分を含有する点で異なる。これらの構造的相違は、予想外に、OX2Rに対する選択性が明白に向上し、ヒト肝ミクロソームの安定性が改善されていることによって示される優れた薬物動態特性をもたらす。したがって、本発明の化合物は、効力と眠気および睡眠のような望ましくない効果との間のより大きな窓のために、中程度から低いインビボクリアランス、したがってより長い作用時間およびより良好な忍容性を有することが期待される。結果として、本発明の化合物は、ヒトの使用のためにより実行可能でなければならない。
【0008】
一般的な定義
本明細書中で特に定義されていない用語は、開示および文脈に照らして当業者によって与えられる意味を与えられるべきである。
立体化学:
具体的に示さない限り、明細書および添付の特許請求の範囲を通して、所定の化学式または名称は、互変異性体およびすべての立体異性体、光学異性体および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、E/Z異性体など)およびそれらのラセミ体、ならびに別個のエナンチオマーの異なる割合の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、またはそのような異性体および鏡像異性体が存在する上記形態のいずれかの混合物、ならびにその医薬的に許容される塩を含む塩を包含する。
【0009】
塩:
「医薬的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、人間および動物の組織と過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題または合併症なしで接触して使用するのに適し、かつ妥当な利益/リスク比に見合ったものである化合物、材料、組成物および/または剤形を意味するように本明細書に使用する。
本明細書に使用する「医薬的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基の塩を作製することによって変性される開示化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容される塩の例としては、アミンのような塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態と水中またはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような有機希釈剤またはこれらの混合物中の充分な量の適切な塩基または酸とを反応させることによって調製することができる。例えば本発明の化合物(例えばトリフルオロ酢酸塩)を精製または単離するのに有用な上記のもの以外の酸の塩も本発明の一部を構成する。
【0010】
生物学的アッセイ
略語:
IP1 D-ミオ-イノシトール-1-リン酸
IP3 D-ミオ-イノシトール-1,4,5-三リン酸
HEPES 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HBSS ハンクス平衡塩類溶液
BSA ウシ血清アルブミン
DMSO ジメチルスルホキシド
CHO チャイニーズハムスター卵巣
細胞株内で発現されるオレキシン受容体の活性化は、細胞内IP3濃度の増加をもたらす。IP3の下流の代謝産物であるIP1は、受容体活性化後に細胞内に蓄積し、LiClの存在下で安定である。Lumi4-Tbクリプテート(Cisbio Bioassayから市販されている)および適切な蛍光プレートリーダーによる均一な時間分解蛍光技術を使用する。この機能的反応は、Trinquet et al. Anal. Biochem. 2006, 358, 126-135, Degorce et al. Curr. Chem. Genomics 2009, 3, 22-32に記載されるように検出可能および定量化可能である。この技術は、オレキシン受容体の薬理学的修飾を特徴付けるために使用される。
【0011】
化合物の生物活性は、下記の方法によって決定される:
A.OX1R効力のインビトロ試験:OX1R IP1
IP1測定は、全長ヒトオレキシン1受容体およびエクオリン発光タンパク質を安定に発現するCHO-K1細胞で行われる。細胞を、37℃、95%湿度および5%CO
2のインキュベータにおいて10%ウシ胎仔血清を有するHamの栄養混合物F12培地において培養する。CHO-K1/hOx1細胞塊は、より大きな細胞数に拡張される。凍結バイアル中の凍結細胞として細胞を得、-150℃で使用するまで保存する。解凍後の細胞の生存率は> 90%である。アッセイの準備として、アッセイの24時間前に、細胞を37℃で解凍し、直ちに細胞培養培地で希釈する。遠心分離後、細胞沈降物を培地中に再懸濁させ、1ウェル当たり10000細胞/25μLの密度でアッセイプレートに分配する。プレートを室温で1時間インキュベートしてエッジ効果を減少させた後、プレートを37℃/5%CO
2で24時間インキュベートする。化合物は、DMSO中の8点連続希釈およびアッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.1%BSAおよび50mM LiClを含むHBSS、pH7.4)中への最終希釈段階によって調製してアッセイにおける1%の最終DMSO濃度を確実にする。
【0012】
アッセイの日に、プレート中の細胞を60μLのアッセイ緩衝液(洗浄後にウェルに20μLの緩衝液を残した)で2回洗浄し、続いてアッセイ緩衝液で希釈した1ウェルあたり5μLの化合物を添加する。室温で15分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液に溶解した1ウェルあたり5μLのオレキシンAペプチド(最終濃度:0.5nMおよび/または50nM)をアッセイプレートに添加する。アッセイプレートを37℃で60分間インキュベートする。次いで、1ウェル当たり5μlの抗IP1クリプテートTb溶液および1ウェル当たり5μlのIP1-d2希釈物を加え、プレートを室温でさらに60分間遮光してインキュベートする。EnVisionリーダー(PerkinElmer)を使用して、615nmおよび665nm(励起波長:320nm)の発光を測定する。665nmと615の発光の比をリーダーで計算する。
8点4パラメトリック非線形曲線当てはめおよびIC
50値およびヒル勾配の決定は、定期分析ソフトウェア、例えばAssayExplorer(Accelrys)を使用して行われる。アゴニスト濃度非依存パラメーターを確立するために、下記の式を使用してKb値を計算する:IC
50/((2+(A/EC
50)
n)
1/n-1)(A =濃度アゴニスト、EC
50 = EC
50アゴニスト、n =ヒルスロープアゴニスト)。(P.Leff, I.G.Dougall, Trends Pharmacol.Sci.1993, 14(4), 110-112を参照)。
【0013】
B.OX2R効力のインビトロ試験:OX2R IP1
IP1測定は、全長ヒトオレキシン2受容体およびエクオリン発光タンパク質を安定に発現するCHO-K1細胞で行われる。細胞を、37℃、95%湿度および5%CO
2のインキュベータにおいて10%ウシ胎仔血清を有するHamの栄養混合物F12培地中で培養する。CHO-K1/hOx2細胞塊は、より大きな細胞数に拡張される。凍結バイアル中の凍結細胞として細胞を得、-150℃で使用するまで保存する。解凍後の細胞の生存率は> 90%である。アッセイの準備として、アッセイの24時間前に、細胞を37℃で解凍し、直ちに細胞培養培地で希釈する。遠心分離後、細胞沈殿物を培地に再懸濁し、1ウェル当り5000細胞/25μLの密度でアッセイプレートに分配する。プレートを室温で1時間インキュベートしてエッジ効果を減少させた後、プレートを37℃/5%CO
2で24時間インキュベートする。化合物は、DMSO中の8点連続希釈およびアッセイ緩衝液(20mM HEPES、0.1%BSAおよび50mM LiClを含むHBSS、pH 7.4)中への最終希釈段階によって調製してアッセイ中の最終DMSO濃度を確実にする。
【0014】
アッセイの日に、プレート中の細胞を60μLのアッセイ緩衝液(洗浄後にウェルに20μLの緩衝液を残した)で2回洗浄し、続いてアッセイ緩衝液で希釈した1ウェルあたり5μlの化合物を添加する。室温で15分間インキュベートした後、アッセイ緩衝液に溶解した1ウェル当たり5μlのオレキシンAペプチド(最終濃度:0.5nM)をアッセイプレートに添加する。アッセイプレートを37℃で60分間インキュベートする。アッセイプレートを37℃で60分間インキュベートする。次いで、1ウェル当たり5μlの抗IP1-クリプテートTb溶液および1ウェル当たり5μlのIP1-d2希釈物をプレートの全ウェルに添加し、プレートを室温でさらに60分間遮光してインキュベートする。EnVisionリーダー(PerkinElmer)を使用して、615nmおよび665nm(励起波長:320nm)の発光を測定する。665nmと615の発光の比をリーダーで計算する。
8点4パラメトリック非線形曲線当てはめおよびIC
50値およびヒル勾配の決定は、定期分析ソフトウェア、例えばAssayExplorer(Accelrys)を使用して行われる。アゴニスト濃度非依存パラメーターを確立するために、下記の式を使用してKb値を計算する:IC
50/((2+(A/EC
50)
n)
1/n-1)(A =濃度アゴニスト、EC
50 = EC
50アゴニスト、n =ヒルスロープアゴニスト)(P.Leff, I.G.Dougall, Trends Pharmacol.Sci.1993, 14(4), 110-112を参照)。
次いで、アッセイA(0X1R)およびアッセイB(OX2R)からのKb値は、アゴニスト(オレキシンA)濃度とは無関係の選択率を提供することができる。
【0015】
C.ヒト肝ミクロソーム(ヒトMST)における代謝安定性の評価
本発明に従う化合物の上記代謝安定性は、下記のように調べることができる:
試験化合物の代謝分解を、プールされたヒト肝ミクロソームによって37℃でアッセイする。1時点あたり100μLの最終インキュベーション容量は、室温のTRIS緩衝液(0.1M)、MgCl
2(5mM)、ミクロソームタンパク質(1mg/mL)および最終濃度1μMの試験化合物を含有する。37℃で短期間プレインキュベーションした後、ベータ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、還元型(NADPH、1mM)を添加することにより反応を開始させ、異なる時点後にアリコートを溶媒に移すことにより反応を停止させる。遠心分離(10000g、5分)後、上清のアリコートを親化合物の量についてLC-MS/MSによりアッセイする。半減期(t
1/2)は、濃度-時間プロファイルの半対数プロットの勾配によって決定される。
【0016】
生物学的データ
アッセイAおよびBとWO2013/187466号に記載のアッセイとの比較
WO2013/187466号に記載のアッセイは、アッセイAおよびBと下記の点で異なる:
・技術と読み出し:IP1の発光測定(アッセイAおよびB)の代わりに、細胞内Ca
2+変化の蛍光測定(WO2013/187466号)
・WO2013/187466号に記載されたアッセイに使用されるOX1RおよびOX2R過剰発現細胞株は、アッセイAおよびBに使用される細胞株とは異なる起源のものである
・オレキシンAの代わりにアゴニストとして変性オレキシンA(置換された2アミノ酸)の使用
・OX1Rアッセイに使用される300pMおよびOX2Rアッセイには3nMのアゴニスト濃度(EC75対EC100;Okumura T.et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 2001に従う)(WO2013/187466号)。報告されているIC
50値はアゴニスト濃度に依存する。これらのIC
50値から計算された選択率は、アッセイAおよびBから得られたアゴニスト濃度非依存性Kb値から計算された選択率と比較できない。
アッセイ間のこれらの相違のために、直接の比較が確立されなければならない。したがって、WO2013/187466号に記載されている実施例69、70(最も選択的なもの)および5(最も強力なものの1つ)は、アッセイAおよびBにおいて試験され、本発明の化合物と直接比較される(表1参照)。
【0017】
表1:アッセイAおよびB(上記)で測定した場合と比較して報告されたWO2013/187466号の化合物のインビトロ効力
【0018】
表2:WO2016/034882号のその中に報告されている構造的に最も近い先行技術化合物(実施例14、40、47および70)のインビトロ効力:
【0019】
表3は、本発明の化合物のOX1RおよびOX2Rの効力に関する生物学的データとWO2016/034882号における最も近い先行技術化合物との比較を示す。
本発明の実施例1、2、3、4、6、7、8、18、22、24、25および33は、a)これらがN-メチル-[ブタン-2-イル]アミノ部分の代わりに中心のN-エチル-(プロパン-2-イル)アミノ部分を含有し;b)これらが-N-ピラジニル置換基の代わりに-O-ピラジニル部分を含有し、c)フェニル基が置換基を持たないか、または異なる置換基を有するか、または異なる置換パターンを有する点で、WO2006/034882号における実施例40、最も近い先行技術の化合物とは構造的に異なる。
実施例9、12、14、15、28および32は、フェニル基がトリアゾイル以外の5員ヘテロアリール環で置換されている点で、WO2016/034882号の実施例40と構造的にさらに異なる追加の構造的特徴に特徴を有する。
これらの構造的相違は、意外にも、0X1R選択性の増加だけでなくヒト肝ミクロソームにおける顕著に改善された安定性をもたらす。
【0020】
本発明の実施例10は、(a)それがN-メチル-[ブタン-2-イル]アミノ部分またはN-エチル-[ブタン-2-イル]アミノ部分の代わりに中心のN-エチル-(プロパン-2-イル)アミノ部分を含有し;b)それが-N-ピラジニル置換基の代わりに-O-ピラジニル部分を含有し、c)それがWO2016/034882号における実施例47および70と比較して異なる位置にメチル置換基を有するピリジル基の代わりにフェニル基を含有する点で、最も近い先行技術化合物であるWO2016/034882号における実施例47および70とは構造的に異なる。これらの構造的相違は、意外にも、0X1R選択性の増加だけでなくヒト肝ミクロソームにおける顕著に改善された安定性をもたらす。
本発明の実施例29、27および30は、これらがN-メチル-[プロパン-2-イル]アミノ部分の代わりに中心のN-エチル-(プロパン-2-イル)アミノ部分を含有し、Cl置換-N-ピリジル基の代わりにCF
3-置換-O-ピラジニル基を含有する点で、最も近い先行技術化合物であるWO2016/034882号における実施例14と構造的に異なる。さらに、WO2016/034882号の実施例14とは、フェニル基が第2のフェニル基の代わりにピリミジル環で置換されている点で構造的に異なる。実施例27および29は、フェニル基にフルオロ置換基を有する点で構造的にさらに異なる。予想外に、これらの構造的相違は、0X1R選択性の増加だけでなくヒト肝ミクロソームにおける顕著に改善された安定性をもたらす。
これらの結果は、本発明の化合物が、ヒト肝ミクロソームの安定性およびより高い選択率(OX2R/OX1R)に関してWO2016/034882号(最も近い先行技術の化合物)に開示されている構造的に最も近い例よりも予想外に優れていることを実証している。
【0021】
表3:本発明の化合物とWO2016/034882号における最も近い先行技術化合物との生物学的データの比較
【0022】
治療における使用/使用方法
本発明は、疾患、障害および状態の治療に有効な化合物であって、OX1Rの拮抗作用が衝動制御障害に関連する精神医学的および神経学的状態の治療および/または予防が含まれるがこれに限定されない治療上の利益を有する、前記化合物に関する。このような衝動制御障害は、物質使用障害;境界性人格障害のような人格障害;過食障害のような摂食障害;または注意欠陥多動性障害が含まれる中毒症に見られる。本発明のさらなる態様によれば、本発明の化合物は、覚醒/覚醒状態、食欲/食物摂取、認知、動機付けされた行動/報酬、気分およびストレスにおけるOX1R関連病態生理学的障害の治療に有効である。
【0023】
その薬理学的効果の観点から、本発明の化合物は、下記からなるリストから選択される疾患または状態の治療に使用するのに適している
(1)薬物乱用/依存症/シークまたは中毒ならびに再発予防(コカイン、アヘン剤、例えばモルヒネ、バルビツール酸、ベンゾジアゼピン、アンフェタミン、ニコチン/タバコおよび他の精神刺激薬が含まれるが、これらに限定されない)、アルコール依存症およびアルコール関連障害、薬物乱用または中毒または再発、麻薬耐性または麻薬からの撤退の治療または予防、
(2)摂食障害、例えば過食、神経性過食症、神経性食欲不振、他の特定の食行動障害または摂食障害、肥満、過体重、悪液質、食欲/味覚障害、嘔吐、吐き気、プラダーウィリー症候群、過食症、食欲/味覚障害、
(3)注意欠陥多動性障害、行動障害、注意障害および関連障害、睡眠障害、不安障害、例えば全般性不安障害、パニック障害、恐怖症、心的外傷後ストレス障害、統合失調症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病およびギラン・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、不穏下肢症候群、痴呆、ジスキネジー、重度の精神遅滞、神経変性障害(脱抑制-痴呆-パーキンソニズム-筋萎縮症複合体、パリド・ポント・ニグラル変性のような疾病分類学的範疇が含まれる)、
(4)精神医学的または神経学的障害における認知機能障害、統合失調症に関連する認知障害、アルツハイマー病および他の神経学的および精神医学的障害、
(5)気分障害、双極性障害、躁病、うつ病、躁うつ病、境界性人格障害、反社会性障害、攻撃、例えば衝動性攻撃、自殺行動、前頭側頭痴呆、強迫性障害、せん妄、感情神経症/障害、抑うつ神経症/障害神経症、気分変調性障害、
(6)性的障害、性的機能不全、精神的障害、
(7)衝動制御障害、例えばギャンブル依存症、抜毛癖、間欠性爆発障害、盗癖、放火癖、強迫ショッピング、インターネット中毒、性的衝動、
(8)睡眠障害、例えばナルコレプシー、時差ぼけ、睡眠時無呼吸、不眠症、睡眠時異常行動、生物学的及び概日リズムの乱れ、精神医学的及び神経学的障害に伴う睡眠妨害、
(9)精神医学的および/または神経学的状態における衝動性および/または衝動制御障害および/または行動脱抑制の治療、予防および再発制御、
(10)人格障害、例えば境界性人格障害、反社会的人格障害、妄想性人格障害、分裂性および統合失調症性障害、組織性人格障害、自己愛性人格障害、回避性人格障害、依存性人格障害、他の特定および非特定の人格障害
(11)神経学的疾患、例えば脳浮腫や血管浮腫、パーキンソン病およびアルツハイマー病などのような脳痴呆、老年性認知症;多発性硬化症、てんかん、側頭葉てんかん、薬剤抵抗性てんかん、発作性障害、脳卒中、重症筋無力症、脳および髄膜感染症、例えば脳脊髄炎、髄膜炎、HIVおよび統合失調症、妄想障害、自閉症、感情障害およびチック障害。
【0024】
本発明の化合物の適用可能な日用量は、0.1〜2000mgの範囲で変わり得る。実際の医薬的有効量または治療用量は、患者の年齢と体重、投与経路および疾患の重症度のような当業者に公知の因子に依存する。いずれにしても、薬剤物質は、患者の状態に適した医薬的に有効な量を送達できる用量および方法で投与されるべきである。
【0025】
医薬組成物
本発明の化合物を投与するのに適切な製剤は、当業者には明らかであり、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注射剤、吸入剤、散剤などが挙げられる。医薬的に活性な化合物の含有量は、0.1〜95質量%、好ましくは5.0〜90質量%の組成物全体の範囲で変わり得る。
適切な錠剤は、例えば、本発明の化合物と既知の賦形剤、例えば不活性希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤および/または滑沢剤と混合し、得られた混合物を圧縮して錠剤を形成することによって得ることができる。
【0026】
併用治療
本発明に従う化合物は、治療が本発明の焦点にある兆候のいずれかの治療に関連して当該分野で使用されることが知られている他の治療選択肢と組み合わせることができる。
本発明に従う治療との組み合わせに適切であると考えられるそのような治療選択肢の中には、下記のものがある:
−抗うつ薬
−気分安定剤
−抗精神病薬
−不安緩解剤
−抗てんかん薬
−睡眠剤
−認知増強剤
−刺激剤
−注意欠陥多動性障害のための非刺激薬
−追加の精神活性薬。
【0027】
一般的な合成方法
本発明は、また、式(I)の化合物の製造方法を提供する。特に明記しない限り、下記の式中のR
1、R
2、R
3およびArは、上記本発明の詳細な説明における式Iについて定義した意味を有するものとする。
最適な反応条件および反応時間は、使用される特定の反応物に依存して変化し得る。特に明記しない限り、温度、圧力および他の反応条件は、当業者によって容易に選択され得る。具体的な手順は、合成実施例の項に記載されている。典型的には、所望であれば薄層クロマトグラフィ(TLC)、液体クロマトグラフィ−質量分析(LC-MS)によって反応進行をモニターすることができ、中間体および生成物をクロマトグラフィおよび/または再結晶により精製することができる。
下記の実施例は例示であり、当業者に認識されるように、過度の実験をすることなく個々の化合物に対して必要に応じて特定の試薬または条件を変更することができる。下記の方法で使用される出発物質および中間体は、市販されているか、または当業者によって市販の材料から容易に調製される。
【0028】
式(I)の化合物は、スキーム1に示す方法によって合成することができる。
【化4】
スキーム1
【0029】
スキーム1に示すように、求核芳香族置換反応において、ジオキサン、THFまたはDMFのような適切な溶媒中、適切な塩基、例えばカリウムtert-ブトキシドまたはNaHの存在下で、式IIのアルコールとハロピラジンIII(X = ハロゲン化物)とを反応させて、式IVのエーテルを得る。脱ベンジル化反応は、『Protective Groups in Organic Synthesis』, 3' edition, T.W.Greene and P.G.M.Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。水素化試薬として1-クロロエチルクロロホーメートを使用する化合物IVの脱ベンジル化は、1,2-ジクロロエタンのような適切な溶媒中で使用して、式Vのアミンを得ることができる。
当業者に知られているペプチドカップリング反応(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag)を適用して、式Vの第二級アミンと式VIのカルボン酸とを反応させて式Iの化合物を得ることができる。例えば、アミンVおよびカルボン酸VIは アセトニトリルまたはDMFのような適切な溶媒中、DIPEAのような適切な塩基の存在下で、カップリング剤2-クロロ-4,5-ジヒドロ-1,3-ジメチル-1H-イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(CIP)または1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)で処理すると式Iの化合物を得る。
【0030】
あるいは、式Iの化合物は、スキーム2に示すように合成することができる:
【化5】
スキーム2
【0031】
脱ベンジル化反応は、『Protective Groups in Organic Synthesis』, 3' edition, T.W.Greene and P.G.M.Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。Pd/Cのような適切な触媒の存在下に水素の圧力下で、MeOHのような適切な溶媒中で化合物IIを脱ベンジル化すると、式VIIの第二級アミンが得られる。
当業者に知られているペプチドカップリング反応(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Spring-Verlagを参照)を適用して、式VIIの第二級アミンと式VIのカルボン酸とを反応させて式VIIIの化合物を得ることができる。例えば、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで処理するとDCM、DMFおよびトルエンのような適切な溶媒中のカルボン酸VIは、酸塩化物を生成し、次いで、式VIIのアミンで、DCMおよびTHFのような適切な溶媒中、TEAのような適切な塩基の存在下で処理して式VIIIの化合物を得る。DIPEAのような適切な塩基の存在下、DMFのような適切な溶媒中のHATUのような他のペプチドカップリング試薬を使用することができる。
ジオキサン、DMSOまたはDMFのような適切な溶媒中、カリウムtert-ブトキシドまたはNaHのような適切な塩基の存在下で、式VIIIのアルコールとハロピラジンIII(X =ハロゲン化物)とを求核芳香族置換反応において反応させて式Iの化合物を得る。
あるいは、式VIIIのアルコールは、スキーム3に示すように合成することができる:
【化6】
スキーム3
【0032】
当業者に知られているペプチドカップリング反応(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlagを参照)を適用して、保護基(PG)がtert-ブチル-ジメチルシリル基であってもよい式IXの第二級アミンと、式VIのカルボン酸とを反応させて式Xの化合物を得ることができる。例えば、DIPEAのような適切な塩基の存在下にDMFのような適切な溶媒中でTBTUまたはHATUのようなペプチドカップリング試薬を使用することができる。DMFのような適切な溶媒中のヨウ化エチルのような適切なアルキル化剤およびカリウムtert-ブトキシドのような適切な塩基を使用してアミドXをアルキル化することにより、アミドXIが得られる。
『Protective Groups in Organic Synthesis』, 3' edition, T.W.Greene and P.G.M.Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載の脱保護反応は、化合物XIからアルコールVIIIを得るのに適用することができる。例えば、THFのような適切な溶媒中のテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリドを使用することができる。
中間体カルボン酸Vは、市販されているか、または文献に記載されている方法に準じて、またはそれらに類似して合成することができる。
【0033】
実験の項
略語のリスト
RT 室温
ESI-MS エレクトロスプレーイオン化質量分析
CIP 2-クロロ-4,5-ジヒドロ-1,3-ジメチル-1H-イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート
aq. 水性
dppf 1,1'-ビス(ジフェニルホスファニル)フェロセン
MS マススペクトル
MeOH メタノール
EtOH エタノール
EA 酢酸エチル
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DCM ジクロロメタン
THF テトラヒドロフラン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
TBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウムテトラフルオロボレート
Rt 保持時間
d 日
h 時間
min 分
sat. 飽和
ACN アセトニトリル
TFA トリフルオロ酢酸
M モル濃度
N 規定度
HPLC 高性能液体クロマトグラフィ
HPLC-MS 高性能液体クロマトグラフィ-質量分析
LC-MS 液体クロマトグラフィ-質量分析
TLC 薄層クロマトグラフィ
TEA トリエチルアミン
【0034】
HPLC-方法:
方法名:A
カラム:Venusil XBP-C18、2.1×50mm、5μm
カラム供給業者:Agela Technologies
【0035】
方法名:B
カラム:Sunfire C18, 2.1×30 mm, 2.5μm
カラム供給業者:Waters
【0036】
方法名:C
Column:Chromolith Flash RP-18e 25-2mm
カラム供給業者:Merck
【0037】
方法名:D
カラム:XBridge BEH Phenyl, 2.1×30 mm, 1.7μm
カラム供給業者:Waters
【0038】
方法名:E
カラム:XBridge C18, 4.6×30 mm, 3.5μm
カラム供給業者:Waters
【0039】
方法名: F
Column:XBridge C18, 3×30 mm, 2.5μm
カラム供給業者:Waters
【0040】
方法名: G
カラム:Acquity BEH C18, 2.1×50mm, 1.7μm
カラム供給業者:Waters
【0041】
方法名: H
カラム:Sunfire C18, 2.1×30 mm, 2.5μm
カラム供給業者:Waters
【0042】
方法名: J
カラム:Acquity BEH C18, 2.1×50mm, 1.7μm
カラム供給業者:Waters
【0043】
方法名: K
カラム:Luna-C18 3μm, 2.0*30 mm
カラム供給業者:Phenomenex
【0044】
方法名: L
カラム:XBridge BEH C18, 2.1×30 mm, 1.7μm
カラム供給業者:Waters
【0045】
方法名: M
カラム:BEH C18 1.7μm 2.1×50 mm
カラム供給業者:Waters
【0046】
方法名: N
カラム:Xselect CSH, 2.5μm, 4,6×50 mm
カラム供給業者:Waters
【0047】
方法名: O
カラム:Synergi Hydro RP100A, 2.5μm, 3×50 mm
カラム供給業者:Phenomenex
【0048】
方法名: P
カラム:Luna-C18 5μm, 2.0*50 mm
カラム供給業者:Phenomenex
【0049】
方法名:R
カラム:Sunfire C18_3.0×30 mm_2.5 μm
カラム供給業者:Waters
【0050】
実施例およびいくつかの先進的な中間体のHPLCトレースおよびNMRスペクトルは、これらの化合物が複数の回転異性体の平衡状態に存在するという事実のために複雑さが増している。HPLCスペクトルにおける複数のピークの場合、主ピークの保持時間が報告される。
【0052】
2-ピリミジン-2-イル-安息香酸A-23:
【化8】
【0053】
工程1:ジオキサン(300mL)中のA-23.1(30.0g、140mmol)、A-23.2(38.8g、154mmol)、Pd(dppf)Cl
2・DCM(11.4g、14.0mmol)および酢酸カリウム(54.7g、558mmol)の撹拌混合物を100℃で2時間加熱する。冷却後、この反応物を水およびEAで冷却し、この混合物をセライトパッドに通して濾過する。相を分離し、有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン中1〜2%EA)により精製して、A-23.3を得る。ESI-MS: 263 [M+H]
+; HPLC (Rt): 2.54 min (方法J)
工程2:2-メチルテトラヒドロフラン(300 mL)および水(150 mL)中のA-23.3(25.0g、95.4mmol)、A-23.4(12.0g、105mmol)、Pd(dppf)Cl
2・DCM(7.78g、9.54mmol)および炭酸ナトリウム(40.4g、382mmol)の撹拌混合物を100℃で15時間加熱する。この反応物をRTに冷却し、水およびEAで冷却し、セライトパッドを通して濾過する。層を分離し、有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(EAヘキサン= 1:4)により精製して、15.0gのA-23.5を得る。ESI-MS: 215 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.42 min (方法G)
工程3:2-メチルテトラヒドロフラン(200mL)中のA-23.5(15.0g、70mmol)およびNaOH(4M水溶液、52.5mL、210mmol)の撹拌混合物を50℃で2時間加熱する。有機溶媒を留去し、水層を濃塩酸で酸性化し、DCMで抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物をn-ペンタンで摩砕して5.8gのA-23を得る。ESI-MS: 201 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.39 min (方法J)
【0054】
2-(5-メチル-オキサゾール-2-イル)-安息香酸A-25
【化9】
【0055】
工程1:DCM(100mL)中のA-25.1(2.00g、11.1mmol)の混合物にDMF(90.3μl、1.11mmol)を加え、この混合物を0℃に冷却する。塩化チオニル(805μl、11.1mmol)を加え、RTで1時間撹拌する。この混合物を0℃に冷却し、DIPEA(3.87mL、22.2mmol)およびA-25.2(853.2μL、13.3mmol)を加え、この混合物を0℃で45分間撹拌する。NH
4Cl(飽和水溶液)を添加し、DCMで抽出する。有機相をNH
4Cl(飽和水溶液)、水、NaHCO
3(飽和水溶液)、水および食塩水で洗浄する。有機相を濃縮し、ジオキサン(100mL)を加え、この混合物を氷浴で冷却し、NaH(鉱油中60%、488mg、12.2mmol)を加え、この混合物をRTで30分間撹拌し、次いで4時間加熱還流する。この反応混合物を冷却した後、NH
4Cl(飽和水溶液、5mL)を加え、この混合物を濃縮し、次いでDCMで抽出する。有機相をNH
4Cl(飽和水溶液)および水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配シクロヘキサン/EA 8/2を使用する)により精製して、0.24gのA-25.3を得る。ESI-MS: 218 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.95 min (方法M)
工程2:THF(30mL)および水(10mL)中のA-25.3(390mg、1.82mmol)、LiOH一水和物(151mg、3.59mmol)の混合物を5時間加熱還流する。別の部分のLiOH一水和物(151mg、3.59mmol)を加え、この反応物を4時間加熱還流し、RTで一晩撹拌する。冷却後、この反応混合物をHCl(4M水溶液)で酸性化し、EAで抽出する。有機相を濃縮して0.17gの化合物A-25を得る。ESI-MS: 204 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.48 min (方法M)
【0056】
2-(2-メチル-オキサゾール-5-イル)-安息香酸A-26
【化10】
【0057】
工程1:DCM(250mL)中のA-26.2(17.0g、52.8mmol)の混合物にA-26.3(15.9g、106mmol)を加え、この反応物を1時間撹拌する。次いで、A-26.1(6.50g、26.4mmol)およびA-26.4(10.8g、264mmol)を加え、この反応物を45℃で5時間撹拌する。この反応混合物のpHをNaHCO
3(飽和水溶液)でpH8に調整し、この混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:EAの溶媒勾配40:1から20:1までを使用する)により精製して、2.25gのA-26.5を得る。ESI-MS: 286 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.55 min (方法K)
工程2:MeOH(70mL)中のA-26.5(2.25g、7.89mmol)、TEA(3.99g、39.5mmol)およびPd(dppf)Cl
2・DCM(0.58g、0.79mmol)の混合物を50℃で一酸化炭素(50psi(3バール))の圧力下に16時間撹拌する。この混合物を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配石油エーテル:EA 80:1から40:1までを使用する)により精製して、2.00gのA-26.6を得る。ESI-MS: 218 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.71 min (方法C)
工程3:A-26.6(2.00g、9.21mmol)、MeOH(10mL)およびLiOH一水和物(0.46g、11.05mmol)の混合物を25℃で16時間撹拌する。有機溶媒を蒸発させ、残留物をHCl(1M水溶液)でpH3〜4に酸性化する。沈殿物を濾過し、乾燥させて1.39gのA-26を得る。ESI-MS: 204 [M+H]
+; HPLC (Rt): 2.38 min (方法Q)
【0058】
3,5-ジフルオロ-2-[1,2,3]トリアゾール-2-イル-安息香酸A-27:
【化11】
【0059】
工程1:水(70mL)およびH
2SO
4(25mL、0.48mol)中のA-27.1(9.80g、53.6mmol)の混合物を0℃に冷却する。次いで、H
2O(20mL)中のNaNO
2(4.8g、69mmol)を滴下し、この反応混合物を1.5時間撹拌する。この混合物に、H
2O(40mL)中のKI(44.5g、268mmol)をゆっくりと添加する。この反応混合物をRTまで温め、次いで90℃で90分間加熱する。この混合物をRTに冷却し、Na
2S
2O
3(水溶液)を色が消えるまで加える。沈殿物を濾過し、次いでNaOH(4M水溶液)に溶解する。この混合物を濾過し、濾液をHCl(4M水溶液)で酸性化し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して9.0gのA-27.2を得る。ESI-MS: 285 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.74 min (方法C)
工程2:DMF(10mL)中のA-27.2(3.50g、111mmol)、A-27.3(1.56g、22.2mmol)、CuI(0.18g、0.89mmol)、A-27.4(0.70mL、4.44mmol)およびK
2CO
3(3.46g、23.9mmol)の混合物をマイクロ波により1.5時間加熱する。この混合物を水に注ぎ、EAで抽出し、有機相を水で洗浄する。合わせた水相をHCl(0.5M水溶液)で酸性化し、EAで抽出する。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをHPLC-MS(溶媒勾配H
2O + 0.075%TFAを5〜35%ACNと共に使用する)により精製して1.25gのA-27を得る。ESI-MS: 226 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.88 min (方法A)
【0060】
2-(5-メチル-イソキサゾール3-イル)-安息香酸A-28:
【化12】
【0061】
工程1:水(30mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(6.35g、91.4mmol)および酢酸ナトリウム(12.0g、146mmol)の混合物を、EtOH(100mL)中のA-28.1(3.00g、18.3mmol)の混合物に加え、この反応混合物をRTで4時間撹拌する。この混合物を濃縮し、残留物を水およびEAに溶解し、水相をEAで抽出する。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮して3.80gのA-28.2を得る。ESI-MS: 180 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.82 min (方法M)
工程2:0℃のDMF(80mL)中のA-28.2(3.80g、17.2mmol)の混合物に、A-28.3(3.67g、27.5mmol)を加える。この混合物を40℃で3時間撹拌する。水を加え、この混合物をEAで抽出する。合わせた有機相を食塩水で抽出し、濃縮して、2.40gのA-28.4を得る。
工程3:DCM(12mL)中のA-28.4(0.61g、2.83mmol)の混合物を窒素下で0℃に冷却する。A-28.5(5.54mL、65.1mmol)およびTEA(1.18mL、8.50mmol)を加え、この反応物をRTで一晩撹拌する。水を加え、この混合物をDCMで抽出する。合わせた有機相を食塩水で抽出し、濃縮する。粗生成物をHPLC-MS(溶媒勾配H
2O/ACNをNH
4OHと共に使用する)により精製して、0.28gのA-28.6を得る。ESI-MS: 218 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.00 min (方法M)
工程4:THF(30mL)および水(10mL)中のA-28.6(0.27g、1.24mmol)、LiOH一水和物(0.13g、3.11mmol)の混合物を還流下で5時間撹拌する。冷却後、これをHCl(4M水溶液)で酸性化し、EAで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、濃縮して0.23gのA-28を得る。ESI-MS: 204 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.51 min (方法M)
【0062】
3,4-ジフルオロ-2-[1,2,3]トリアゾール-2-イル-安息香酸A-29
【化13】
【0063】
DMF(100mL)中のA-29.1(9.00g、36.1mmol)、A-29.2(5.25g、72.1mmol)、CuI(0.70g、3.61mmol)およびK
2CO
3(11.27g、77.6mmol)を120℃で16時間加熱する。この混合物をHCl(0.5M水溶液)でpH2に酸性化する。この混合物をEAで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して粗生成物を得、これをHPLC-MS(溶媒勾配H
2O + 0.075%TFAを5〜35%ACNと共に使用する)により精製して、3.03gのA-29を得る。ESI-MS: 248 [M+Na]
+; HPLC (Rt): 0.45 min (方法B)
【0064】
3-フルオロ-2-(5-メチル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル)-安息香酸A-30
【化14】
【0065】
工程1:乾燥DCM(50mL)中のA-30.1(2.00g、8.42mmol)の混合物にA-30.2(0.83g、10.1mmol)を添加し、この反応物をRTで1時間撹拌する。追加のA-30.2(0.83g、10.1mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌する。MeOH(5mL)を添加し、溶媒を容量の半分まで減少させ、沈殿物を濾別して、1.50gのA-30.3を得る。ESI-MS: 275/ 277 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.09 min (方法D)
工程2:乾燥DCM(50mL)中のA-30.3(1.5g、5.45mmol)の混合物にA-30.4(2.70g、11.3mmol)を添加し、この反応物を一晩撹拌する。追加のA-30.4(1.00g)を加え、3時間撹拌する。Na
2CO
3(2M水溶液)を添加し、有機相をNa
2CO
3(2M水溶液)で抽出し、合わせた有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、0.86gのA-30.5を得る。ESI-MS: 257/ 259 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.46 min (方法D)
工程3:A-30.5(0.86g、2.68mmol)、乾燥MeOH(10mL)およびTEA(0.93mL、6.69mmol)の混合物に、Pd(dppf)Cl
2・DCM(131mg、0.16mmol)を加える。この反応物を70℃で一酸化炭素(3バール)の圧力下に4時間撹拌する。この混合物を濾過し、HPLC-MS(溶媒勾配H
2O/ACNをNH
4OHと共に使用する)により精製する。所望の画分を半分に減らし、EAで抽出し、乾燥させ、濾過し、濃縮して、0.34gのA-30.6を得る。ESI-MS: 237 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.85 min (方法E)
工程4:A-30.6(0.34g、1.46mmol)、MeOH(4mL)およびNaOH(4M水溶液、1.82mL、7.28mmol)の混合物を室温で30分間撹拌する。この混合物を還元し、HCl(4M水溶液)でpH2に酸性化し、EAで抽出し、乾燥し、濃縮して0.31gのA-30を得る。ESI-MS: 223 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.10 min (方法D)
【0066】
下記の実施例は、対応する出発物質を使用して、上記の手順と同様にして調製する:
【化15】
【0067】
2-(5-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)-安息香酸A-33
【化16】
【0068】
工程1:EtOH(500mL)中のNH
2OH・HCl(28.6g、0.41mol)およびK
2CO
3(56.9g、0.41mol)の混合物を25℃で30分間撹拌する。A-33.1(30g、0.17mol)を加え、この反応混合物を70℃に12時間加熱する。濾過後、溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラム(PE/EA = 5:1〜2:1)により精製して、25.0gのA-33.2を得る。
工程2:ACN(200mL)中のA-33.2(18g、0.084mol)の混合物に、無水酢酸(10.3g、0.1mol)およびTEA(16.9g、0.17mol)を加える。この混合物を120℃で48時間撹拌する。この混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/EA = 1/0〜10/1)により精製して、9.0gのA-33.3を得る。ESI-MS: 239/241 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.43 min (方法K)
工程3:MeOH(200mL)中のA-33.3(9.0g、0.038mol)およびTEA(11.5g、0.114mol)の混合物に、Pd(dppf)Cl
2・DCM(1.0g、1.2mmol)を加える。この混合物を一酸化炭素(50psi(3バール))の雰囲気下に50℃で16時間撹拌する。この混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/EA = 1/0〜5/1)により精製して、4.0gのA-33.4を得る。ESI-MS: 219 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.29 min (方法K)
工程4:MeOH(40mL)およびH
2O(4mL)中のA-33.4(4.0g、0.018mol)の混合物に、NaOH(1.47g、0.037mol)をN
2下に25℃で添加する。この混合物を70℃で4時間撹拌する。この混合物を濃縮する。残留物をH
2Oに溶解し、HCl(水溶液)でpH3まで処理し、濾過して2.16gのA-33を得る。ESI-MS: 205 [M+H]
+; HPLC (Rt): 2.13 min (方法P)
【0069】
アミン中間体
(S)-2-エチルアミン-プロパン-1-オール塩酸塩B-1
【化17】
【0070】
工程1:THF(180mL)中のB-1.1(5.00g、66.57mmol)、B-1.2(6.77mL、66.57mmol)の混合物をRTで1時間撹拌する。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(44.55g、199.71mmol)を0℃で加え、この混合物をRTで30分間撹拌する。THF(20mL)中のB-1.3(11.12mL、199.71mmol)の溶液を0℃で10分以内に滴下し、この混合物をRTで一晩撹拌する。追加のB-1.3(10.00mL)を加え、この混合物をRTで3時間撹拌する。沈殿物を濾過し、THFおよびDCMで洗浄する。NaHCO
3(飽和水溶液、200mL)および固体NaHCO
3を、ガス形成が停止するまで添加する。水相をDCMで抽出し、乾燥し、濃縮して11.80gのB-1.4を得る。ESI-MS: 194 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.13 min (方法E)
工程2:MeOH(200mL)中のB-1.4(9.01g、46.62mmol)の混合物にPd/C(0.90g)を加える。この反応物をRTで水素圧(4バール)下に4時間撹拌する。触媒を濾過する。ジオキサン(14.00mL、56.00mmol)中のHCl(4M水溶液)を加え、この混合物を濃縮して6.00gのB-1.2を得る。ESI-MS: 104 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.20 min (方法L),
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δppm 1.17 - 1.22 (m, 3 H), 2.94 (dqd, 2 H), 3.11 - 3.20 (m, 1 H), 3.51 (dd, 1 H), 3.62 (dd, 1 H).
【0071】
(S)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-メチル-エチルアミンB-2
【化18】
【0072】
乾燥DCM(15mL)中のB-1.1(2.00g、26.6mmol)およびB-2.1(4.01g、26.6mmol)の撹拌混合物に、乾燥DCM(15mL)中のTEA(5.39g、53.3mmol)を滴下する。この混合物をRTで一晩撹拌する。NH
4Cl(飽和水溶液)を添加し、水相をDCMで抽出し、乾燥し、濃縮して4.70gのB-2を得る。ESI-MS: 190 [M+H]
+; HPLC (Rt): min (方法M),
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)δppm 0.03 (s, 6 H), 0.87 (s, 9 H), 0.91 (d, J=6.36 Hz, 3 H), 2.31 (s (幅広い), 2 H), 2.79 (m, 1 H), 3.27 - 3.35 (m, 2 H)
【0073】
エチル-[(S)-1-メチル-2-(5-トリフルオロメチル-ピラジン-2-イルオキシ)-エチル]-アミン塩酸塩B-4
【化19】
【0074】
工程1:乾燥ジオキサン(5mL)中のB-4.1(0.55g、2.85mmol)の混合物を密封バイアル中で撹拌する。カリウムtert-ブトキシド(0.64g、5.69mmol)をRTで少しずつ加える。1時間後、B-4.2(0.49mL、4.00mmol)を加え、この混合物を60℃に一晩加熱する。この混合物を水に注ぎ、EAで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾燥し、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%n-ヘキサンから85%n-ヘキサンおよび15%EAまでを使用する)により精製して、0.85gのB-4.3を得る。ESI-MS: 339 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.59 min (方法M)
工程2:窒素下、B-4.3(0.70g、2.06mmol)の乾燥1,2-ジクロロエタン(10mL)に、0℃でB-4.4(0.27mL、2.48mmol)を加える。この混合物を4時間加熱還流する。MeOH(10mL)を加え、この反応物を1時間60℃まで加熱する。溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%DCM〜95%DCMおよび5%MeOHを0.5%NH
3と共に使用する)により精製する。生成物をEAに溶解し、HCl(2M水溶液)を撹拌しながら加える。溶媒を除去し、得られた固体をEt
2Oで摩砕し、次いで濾過して0.35gのB-4を得る。ESI-MS: 249 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.71 min (方法M),
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δppm 1.22 (t, 3 H), 1.35 (d, 3 H), 3.04 (m, 2 H), 3.67 (m, 1 H), 4.53 (dd, 1 H), 4.63 (dd, 1 H), 8.52 (s, 1 H), 8.79 (s, 1 H), 8.65-9.0 (br s, 2H).
【0075】
アルコール中間体
N-エチル-3-フルオロ-N-((S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-2-[1,2,3]トリアゾール-2-イル-ベンズアミドC-1
【化20】
【0076】
工程1:DMF(0.25mL)およびDCM(7.0mL)中のA-7(1.24g、5.99mmol)および塩化チオニル(9.00mL、123mmol)の混合物をRTで1時間撹拌する。この混合物を濃縮して1.68gのC-1.1を得る。ESI-MS: 222 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.53 min (方法H)
工程2:C-1.1(1.68g、5.96mmol)、TEA(2.09mL、14.9mmol)、THF(50mL)およびDCM(20mL)の混合物にB-1(0.92g、6.55mmol)を加える。この混合物をRTで一晩撹拌する。沈殿物を濾別し、EAで洗浄し、濾液を濃縮する。残留物をHPLC-MS(溶媒勾配H
2O/ACNをNH
4OHと共に使用する)により精製して1.33gのC-1を得る。ESI-MS: 291 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.46 min (方法H)
【0077】
N-エチル-N-((S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-2-(5-メチル-イソキサゾール-3-イル)-ベンズアミドC-3
【化21】
【0078】
DMF(10mL)中のA-28(0.15g、0.74mmol)の混合物に、HATU(0.34g、0.89mmol)およびDIPEA(0.64mL、3.69mmol)を加え、この混合物を20分間撹拌する。B-1(0.10g、0.74mmol)を加え、この混合物をRTで一晩、次いで40℃で2時間撹拌する。EAを加え、NH
4Cl(水溶液)および水で洗浄し、乾燥し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配98%DCMおよび2%MeOH + 0.2%NH
3を使用する)により精製して80mgのC-3を得る。ESI-MS: 289 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.78 min (方法M)
【0079】
下記のアルコールは、上記の手順と同様にして、前述の対応する酸(酸中間体を参照)を使用して製造する:
【化22】
【0080】
N-エチル-N-((S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-2-[1,2,3]トリアゾール-2-イル-ベンズアミドC-4
【化23】
【0081】
トルエン(7.0mL)および1滴のDMF中のA-1(0.72g、3.8mmol)および塩化チオニル(0.36mL、5.0mmol)の混合物を60℃に2時間加熱し、次いで冷却し、濃縮する。残留物を乾燥DCM(5mL)に溶解し、乾燥DCM(10mL)中のB-1(0.65g、4.64mmol)およびTEA(1.44mL、10.3mmol)の撹拌混合物に0℃で滴下する。この反応物をRTで2時間撹拌する。水を加え、有機層を分離し、クエン酸(10%水溶液)およびNaHCO
3(飽和水溶液)で洗浄する。有機層を乾燥させ、濃縮して0.94gのC-4を得る。ESI-MS: 275 [M+H]
+, HPLC (Rt): 0.69 min (方法M)
【0082】
N-エチル-4-フルオロ-N-((S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-2-ピリミジン-2-イル-ベンズアミドC-7
【化24】
【0083】
工程1:乾燥DMF(40mL)中のA-30(2.4g、11mmol)、DIPEA(5.8mL、34mmol)およびC-7.1(5.7g、1.0mmol)の混合物を窒素下で10分間撹拌する。B-2(2.4g、13mmol)を加え、この混合物をRTで16時間撹拌する。粗混合物を水に注ぎ、EAで抽出する。有機相を乾燥させ、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%シクロヘキサンから40%シクロヘキサンおよび60%EAまでを使用する)により精製して2.7gのC-7.2を得る。ESI-MS: 389, [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.38 min (方法M)
工程2:窒素下、乾燥DMF(2.5mL)中のC-7.2(120mg、0.31mmol)およびヨウ化エチル(96mg、0.62mmol)の混合物を0℃で撹拌する。カリウムtert-ブトキシド(52mg、0.46mmol)を加え、この反応物を0℃で1時間撹拌する。水を加え、粗混合物をEAで抽出する。有機相を乾燥させ、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%シクロヘキサンから50%シクロヘキサンおよび50%EAまでを使用する)により精製して140mg(純度90%)のC-7.3を得る。ESI-MS: 418 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.60 min (方法M)
工程3:0℃の乾燥THF(3.0mL)中のC-7.3(140mg、0.30mmol、純度90%)の撹拌混合物に、C-7.4(595mg、0.67mmol)を添加する。反応物を0℃で1時間撹拌し、次いで濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%DCMから90%DCMおよび10%MeOHまでを使用する)により精製して、80mgのC-7を得る。ESI-MS: 304 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.75 min (方法M)
【0084】
下記のアルコールは、上記の手順と同様にして、前述の対応する酸(酸中間体を参照)を使用して調製する:
【化25】
【0085】
本発明の化合物の調製
実施例1
【化26】
【0086】
窒素下、0℃において乾燥DMF(31mL)中のC-4(0.94g、3.43mmol)の撹拌混合物に、NaH(0.16g、3.91mmol)を添加する。この混合物をRTで30分間撹拌する。次にD-2(0.48mL、3.87mmol)を加え、RTで一晩撹拌する。この混合物を水で処理し、EAで抽出する。有機層を水で洗浄し、乾燥し、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%シクロヘキサンから70%シクロヘキサンおよび30%EAまでを使用する)により精製して0.99gの実施例1を得る。ESI-MS: 443 [M+Na]
+; HPLC (Rt): 3.60 min (方法N)
【0087】
下記の実施例は、上記手順と同様にして、上述した対応するアルコール(アルコール中間体を参照)を前述の手順および対応するアリールハロゲン化物を使用して調製する。実施例26の合成には、水素化ナトリウムをRTで添加する。
【化27】
【0089】
乾燥ACN(110μL)中のA-9(2.28mg、11μmol)の混合物に乾燥ACN(100μL)中のB-4(2.86mg、10μmol)およびDIPEA(5.19μL、30μmol)を加える。CIP(3.62mg、13μmol)を乾燥ACN(100μL)に溶解し、添加する。この混合物をRTで4時間振盪する。DMF(100μl)およびK
2CO
3(3M水溶液、15μl)を加え、この混合物をRTで1時間振盪する。この混合物を塩基性酸化アルミニウムで濾過し、DMF/MeOH = 9/1で洗浄し、濃縮して、4.60mgの実施例2を得る。ESI-MS: 424 [M+H]
+; HPLC (Rt): 0.91 min (方法R)
【0090】
下記の実施例は、上記の手順と同様にして、前述の対応する酸(酸中間体を参照)を使用して調製する。実施例30の合成にはこの混合物を60℃で1時間撹拌する。
【化29】
【0092】
ACN(2mL)中のA-13(32mg、0.15mmol)、B-4(35mg、0.12mmol)およびDIPEA(64μL、0.37mmol)の混合物にCIP(44mg、0.16mmol)を加え、この混合物をRTで1時間撹拌する。粗生成物をHPLC-MS(溶媒勾配H
2O/ACNを0.1%NH
3と共に使用する)により精製して35mgの実施例8を得る。ESI-MS: 451 [M+H]
+; HPLC (Rt): 1.16 min (方法F)
【0094】
RTで窒素下に乾燥DMF(15mL)中のC-1(0.75g、2.57mmol)の撹拌混合物に、NaH(0.13g、3.21mmol)を加える。この混合物をRTで30分間撹拌する。次にD-2(0.47g、2.57mmol)を加え、この混合物をRTで2時間撹拌する。この混合物を水で処理し、エチルエーテルで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%シクロヘキサンから60%シクロヘキサンおよび40%EAまでを使用する)により精製して、0.65gの実施例22を得る。ESI-MS: 461 [M+Na]
+; HPLC (Rt): 3.68 min (方法N)
【0096】
窒素下、5℃で乾燥DMSO(3mL)中のC-7(40mg、0.13mmol)およびD-2(24mg、0.13mmol)の撹拌混合物に、カリウムtert-ブトキシド(15mg、0.13mmol)を加える。この混合物をRTで1時間撹拌する。次いで、追加のD-2(12mg)およびカリウムtert-ブトキシド(5mg)を加え、撹拌を1時間続ける。混合物を水で処理し、EAで抽出する。有機層を乾燥させ、濃縮する。残留物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶媒勾配100%シクロヘキサンから40%シクロヘキサンおよび60%EAまでを使用する)により精製して32mgの実施例27を得る。ESI-MS: 450 [M+Na]
+; HPLC (Rt): 4.86 min (方法O)
【0097】
下記の実施例は、上記手順と同様にして、前述の対応するアルコール(アルコール中間体を参照)および対応するアリールハロゲン化物を使用して調製する。
【化33】
【0099】
乾燥DMF(5mL)中のA-33(80mg、0.39mmol)、B-4(112mg、0.39mmol)、32.1(194mg、0.51mmol)およびDIPEA(339μL、1.96mmol) の混合物をRTで一晩撹拌する。この混合物を水で処理し、EAで抽出し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、98mgの実施例32を得る。ESI-MS: 58 [M+Na]
+; HPLC (Rt): 3.63 min (方法N)