特許第6643525号(P6643525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6643525画像パープルフリンジ除去システム、方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643525
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】画像パープルフリンジ除去システム、方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/04 20060101AFI20200130BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   H04N9/04 B
   H04N5/232 290
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-531443(P2019-531443)
(86)(22)【出願日】2018年1月11日
(65)【公表番号】特表2020-501464(P2020-501464A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】CN2018072225
(87)【国際公開番号】WO2018130177
(87)【国際公開日】20180719
【審査請求日】2019年6月12日
(31)【優先権主張番号】201710022037.8
(32)【優先日】2017年1月12日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517205332
【氏名又は名称】深▲せん▼嵐鋒創視網絡科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Arashi Vision Company Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】蔡 錦霖
(72)【発明者】
【氏名】劉 靖康
【審査官】 鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第106251298(CN,A)
【文献】 特表2009−522869(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/004973(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/118071(WO,A1)
【文献】 特開2011−205477(JP,A)
【文献】 特開2013−219705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/04−9/11
H04N 5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像パープルフリンジ除去システムであって、
画像を取得するための画像取得手段と、
画像取得手段で取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算し、紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計し、動態パープルフリンジの検出閾値を計算するための閾値測定手段と、
画像取得手段で取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像を作成すると共に、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出するためのパープルフリンジ検出手段と、
検出したパープルフリンジ領域に入っている画像ドットを補正し、緑色チャンネル強度値を使用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正するためのパープルフリンジ補正手段と、
補正後の画像を出力するための画像出力手段と、を含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
取得した画像をトラバースし、画像ドットを順次に走査し、以下の公式により画像ドットの色相を計算し、
ここで、hは画像ドットの色相を表し、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、maxは三つの色チャンネル強度の最大値を表し、minは三つの色チャンネル強度の最小値を表す、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計することは、具体的に、以下の通りであり、
所定の紫色色相及び紫色色相に隣接した閾値区間[195−315]を利用して、画像ドットの色相が当該閾値区間に入っている紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nを統計し、以下の公式により紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nの全体の画像に対する比率ratioを計算し、
ここで、Sizeは画像のサイズである、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
動態パープルフリンジの検出閾値を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
を利用して、動態パープルフリンジの検出閾値を計算し、
ここで、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、パラメーター tは、20に設定される、
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記パープルフリンジ検出手段は、具体的に、画像取得手段で取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像maskを作成し、全部の色相値において、パープルフリンジの低閾値より大きく、パープルフリンジの高閾値より小さい画像ドットを検出し、以下の公式によりパープルフリンジ領域を計算することに用いられ、
ここで、mask(i,j)=255は、画像ドットがパープルフリンジ領域に入ることを表し、もしそうでないならば、パープルフリンジ領域に入ってないことを表し、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、これによって、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記パープルフリンジ補正手段は、以下の公式を利用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正し、
ここで、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、rcorrectedとbcorrectedとは、それぞれ赤色チャンネル強度値の補正値と藍色チャンネル強度値の補正値とを表し、λとλとは、それぞれ赤色チャンネルと藍色チャンネルとのパラメーターを表す、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
画像パープルフリンジ除去方法であって、
画像を取得する工程と、
取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算し、紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計し、動態パープルフリンジの検出閾値を計算する工程と、
取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像を作成すると共に、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する工程と、
検出したパープルフリンジ領域に入っている画像ドットを補正し、緑色チャンネル強度値を使用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正する工程と、
補正後の画像を出力する工程と、を含む、
画像パープルフリンジ除去方法。
【請求項8】
前記取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
取得した画像をトラバースし、画像ドットを順次に走査し、以下の公式により画像ドットの色相を計算し、
ここで、hは画像ドットの色相を表し、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、maxは三つの色チャンネル強度の最大値を表し、minは三つの色チャンネル強度の最小値を表す、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計することは、具体的に、以下の通りであり、
所定の紫色色相及び紫色色相に隣接した閾値区間[195−315]を利用して、画像ドットの色相が当該閾値区間に入っている紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nを統計し、以下の公式により紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nの全体の画像に対する比率ratioを計算し、
ここで、Sizeは画像のサイズである、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
動態パープルフリンジの検出閾値を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
を利用して、動態パープルフリンジの検出閾値を計算し、
ここで、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、パラメーターtは、20に設定される、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パープルフリンジ検出手段は、具体的に、画像取得手段で取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像maskを作成し、全部の色相値において、パープルフリンジの低閾値より大きく、パープルフリンジの高閾値より小さい画像ドットを検出し、以下の公式によりパープルフリンジ領域を計算することに用いられ、
ここで、mask(i,j)=255は、画像ドットがパープルフリンジ領域に入ることを表し、もしそうでないならば、パープルフリンジ領域に入ってないことを表し、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、これによって、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
パープルフリンジ補正手段は、以下の公式を利用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正し、
ここで、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、rcorrectedとbcorrectedとは、それぞれ赤色チャンネル強度値の補正値と藍色チャンネル強度値の補正値とを表し、λとλとは、それぞれ赤色チャンネルと藍色チャンネルとのパラメーターを表す、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
プログラムを記録する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムは、プロセッサーにより実行される時に、請求項7〜12の何れか1項に記載の画像パープルフリンジ除去方法の工程を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
一つ又は複数のプロセッサーと、記憶手段と、表示パネルと、一つ又は複数のプログラムとを含み、前記プロセッサーは、それぞれ記憶手段と表示パネルとをバスにより電気的に接続し、前記一つ又は複数のプログラムは、前記記憶手段に記録され、且つ前記一つ又は複数のプロセッサーにより実行されることに配置される、撮像装置であって、
前記プロセッサーは、前記プログラムを実行する時に、請求項7〜12の何れか1項に記載の画像パープルフリンジ除去方法の工程を実現する、
ことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理領域に関し、より具体的には、画像パープルフリンジ除去システム、方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パープルフリンジ(purple fringe)現像は、デジタルカメラを使用して撮影する過程において、撮影されたシーンの輝度差が大きいため、高光領域と低光領域との交差箇所に分散が容易に発生する現象である。これらの分散は、通常に紫色に現れるため、一般的に、パープルフリンジと称している。パープルフリンジの発生は、カメラレンズの分散や、CCDの結像面積が小さすぎることや、カメラ内部の信号処理アルゴリズムなどに関わる。高級デジタルカメラであっても、パープルフリンジの問題を完全に解決することはできない。
【0003】
業界における通常の第1のやり方は、カメラ又はレンズなどのハードウェア構成を変更することによって、撮影する場合にパープルフリンジの発生を回避し、画像パープルフリンジを除去する目的を達成することである。これらのハードウェア構成の変更の仕方は、コストが高く、開発周期が長い。
【0004】
第2のやり方は、固定閾値を使用してパープルフリンジの領域を検出するものである。しかし、閾値区間をより大きく取る場合に、真実の画像を除去しやすく、閾値区間をより小さく取る場合に、パープルフリンジを見逃しやすい。
【0005】
上記二つのパープルフリンジを除去する方法は、全て欠陥を有し、ユーザー体験に対して、非常に大きな悩みを与える。従って、上記の欠陥を克服でき、画像パープルフリンジ現像を解決する技術が強く望まれるようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像パープルフリンジ除去システム、方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体及び撮像装置を提供するものであり、主に、伝統的なカメラ又はレンズの構成の変更によって引き起こされるハードウェア構成の複雑さ、ハードウェアコストの高さ、開発周期の長さ、といった問題や、閾値の設置の不合理により引き起こされる誤判断、さらに進んでもたらされるパープルフリンジの補正の不合理、といった問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の局面、本発明は、画像パープルフリンジ除去システムを提供し、
画像を取得するための画像取得手段と、
画像取得手段で取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算し、紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計し、動態パープルフリンジの検出閾値を計算するための閾値測定手段と、
画像取得手段で取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像を作成すると共に、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出するためのパープルフリンジ検出手段と、
検出したパープルフリンジ領域に入っている画像ドットを補正し、緑色チャンネル強度値を使用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正するためのパープルフリンジ補正手段と、
補正後の画像を出力するための画像出力手段とを、含む。
【0008】
さらに、前記取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
取得した画像をトラバースし、画像ドットを順次に走査し、以下の公式により画像ドットの色相を計算し、
ここで、hは画像ドットの色相を表し、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、maxは三つの色チャンネル強度の最大値を表し、minは三つの色チャンネル強度の最小値を表す。
【0009】
さらに、前記紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計することは、具体的に、以下の通りであり、
所定の紫色色相及び紫色色相に隣接した閾値区間[195−315]を利用して、画像ドットの色相が当該閾値区間に入っている紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nを統計し、以下の公式により紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nの全体の画像に対する比率ratioを計算し、
ここで、Sizeは画像のサイズである。
【0010】
さらに、動態パープルフリンジの検出閾値を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
を利用して、動態パープルフリンジの検出閾値を計算し、
ここで、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、パラメーター tは、20に設定される。
【0011】
さらに、前記パープルフリンジ検出手段は、具体的に、画像取得手段で取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像maskを作成し、全部の色相値において、パープルフリンジの低閾値より大きく、パープルフリンジの高閾値より小さい画像ドットを検出し、以下の公式によりパープルフリンジ領域を計算することに用いられ、
ここで、mask(i,j)=255は、画像ドットがパープルフリンジ領域に入ることを表し、もしそうでないならば、パープルフリンジ領域に入ってないことを表す。minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表す。これによって、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する。
【0012】
さらに、前記パープルフリンジ補正手段は、以下の公式を利用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正し、
ここで、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、rcorrectedとbcorrectedとは、それぞれ赤色チャンネル強度値の補正値と藍色チャンネル強度値の補正値とを表し、λとλとは、それぞれ赤色チャンネルと藍色チャンネルとのパラメーターを表す。
【0013】
第2の局面、本発明は、画像パープルフリンジ方法を提供し、前記方法は、
画像を取得する工程と、
取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算し、紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計し、動態パープルフリンジの検出閾値を計算する工程と、
取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像を作成すると共に、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する工程と、
検出したパープルフリンジ領域に入っている画像ドットを補正し、緑色チャンネル強度値を使用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正する工程と、
補正後の画像を出力する工程とを、含む。
【0014】
さらに、前記取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
取得した画像をトラバースし、画像ドットを順次に走査し、以下の公式により画像ドットの色相を計算し、
ここで、hは画像ドットの色相を表し、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、maxは三つの色チャンネル強度の最大値を表し、minは三つの色チャンネル強度の最小値を表す。
【0015】
さらに、前記紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計することは、具体的に、以下の通りであり、
所定の紫色色相及び紫色色相に隣接した閾値区間[195−315]を利用して、画像ドットの色相が当該閾値区間に入っている紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nを統計し、以下の公式により紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nの全体の画像に対する比率ratioを計算し、
ここで、Sizeは画像のサイズである。
【0016】
さらに、動態パープルフリンジの検出閾値を計算することは、具体的に、以下の通りであり、
を利用して、動態パープルフリンジの検出閾値を計算し、
ここで、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、パラメーターtは、20に設定される。
【0017】
さらに、前記パープルフリンジ検出手段は、具体的に、画像取得手段で取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像maskを作成し、全部の色相値において、パープルフリンジの低閾値より大きく、パープルフリンジの高閾値より小さい画像ドットを検出し、以下の公式によりパープルフリンジ領域を計算することに用いられ、
ここで、mask(i,j)=255は、画像ドットがパープルフリンジ領域に入ることを表し、もしそうでないならば、パープルフリンジ領域に入ってないことを表す。minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表す。これによって、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する。
【0018】
さらに、前記パープルフリンジ補正手段は、以下の公式を利用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正し、
ここで、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、rcorrectedとbcorrectedとは、それぞれ赤色チャンネル強度値の補正値と藍色チャンネル強度値の補正値とを表し、λとλとは、それぞれ赤色チャンネルと藍色チャンネルとのパラメーターを表す。
【0019】
第3の局面、本発明にも、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供し、
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラムを記録し、前記プログラムは、プロセッサーにより実行される時に、前記画像パープルフリンジ除去方法の工程を実現する。
【0020】
第4の局面、本発明にも、撮像装置を提供し、
一つ又は複数のプロセッサーと、記憶手段と、表示パネルと、一つ又は複数のプログラムとを含み、前記プロセッサーは、それぞれ記憶手段と表示パネルとをバスにより電気的に接続し、前記一つ又は複数のプログラムは、前記記憶手段に記録され、且つ前記一つ又は複数のプロセッサーにより実行されることに配置され、前記プロセッサーは、前記プログラムを実行する時に、上記の画像パープルフリンジ除去方法の工程を実現する。発明の効果
【0021】
本発明の画像パープルフリンジ除去方法とシステムは、画像パープルフリンジを動態に補正することができ、画像の撮像品質とユーザー体験とを向上させ、伝統的なカメラ又はレンズの構成を変更することによって引き起こしたハードウェア構成が複雑で、ハードウェアコストが高く、開発周期が長くの問題を回避させるとともに、閾値の設置が不合理により引き起こした誤判断のため招いたパープルフリンジの補正が不合理の問題を回避させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明が提供する画像パープルフリンジ除去システムを示す機能モジュール図である。
図2】本発明が提供する画像パープルフリンジ除去方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。当該実施形態は、本発明に係る好ましい実施形態であり、本発明の保護範囲はこれらに限らない。
【0024】
図1は、本発明の画像パープルフリンジ除去システムのモジュール図である。前記画像パープルフリンジ除去システムは、画像取得手段101と、閾値測定手段102と、パープルフリンジ検出手段103と、パープルフリンジ補正手段104と、画像出力手段105とを含む。
【0025】
画像取得手段101は、画像を取得することに用いられる。
【0026】
閾値測定手段102は、画像取得手段101により取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算し、紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計し、動態パープルフリンジの検出閾値を計算する、ことに用いられる。
【0027】
前記取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算する工程は、具体的には例えば、以下の通りである。
取得した画像をトラバースし、画像ドットを順次に走査し、以下の公式1により画像ドットの色相を計算する。
ここで、hは画像ドットの色相を表し、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、maxは三つの色チャンネル(カラーチャンネル)強度の最大値を表し、minは三つの色チャンネル強度の最小値を表す。
【0028】
前記紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計する工程は、具体的には例えば、以下の通りである。
所定の紫色色相及び紫色色相に隣接した閾値区間[195−315]を利用して、画像ドットの色相が当該閾値区間に入っている紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nを統計し、以下の公式2により紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nの全体の画像に対する比率ratioを計算する。
ここで、Sizeは画像のサイズである。
【0029】
動態パープルフリンジの検出閾値を計算する工程は、具体的には例えば、以下の通りである。
公式3を利用して、動態パープルフリンジの検出閾値を計算する。
ここで、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、パラメーターtは、通常に20に設定される。
【0030】
パープルフリンジ検出手段103は、画像取得手段により取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像を作成すると共に、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出することに用いられる。
【0031】
前記パープルフリンジ検出手段は、具体的に、画像取得手段により取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像maskを作成し、全部の色相値において、パープルフリンジの低閾値より大きく、パープルフリンジの高閾値より小さい画像ドットを検出し、以下の公式4によりパープルフリンジ領域を計算することに用いられる。
ここで、mask(i,j)=255は、画像ドットがパープルフリンジ領域に入ることを表し、もしそうでないなら、パープルフリンジ領域に入ってないことを表す。minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表す。これによって、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する。
【0032】
パープルフリンジ補正手段104は、検出したパープルフリンジ領域に入っている画像ドットを補正することに用いられる。具体的には、緑色チャンネル強度値を使用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正する。
【0033】
前記パープルフリンジ補正手段は、以下の公式5を利用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正する。
ここで、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表す。rcorrectedとbcorrectedとは、それぞれ赤色チャンネル強度値の補正値と藍色チャンネル強度値の補正値とを表す。λとλとは、それぞれ赤色チャンネルと藍色チャンネルとのパラメーターを表す。
【0034】
画像出力手段105は、補正後の画像を出力することに用いられる。
【0035】
図2は、本発明の画像パープルフリンジ除去方法のフローチャートである。本発明の画像パープルフリンジ除去方法は、以下の工程を含む。
【0036】
画像を取得する工程201。
【0037】
取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算し、紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計し、動態パープルフリンジの検出閾値を計算する工程202。
【0038】
前記取得した画像をトラバースすると共に、画素ドットの色相を計算する工程は、具体的には例えば、以下の通りである。
取得した画像をトラバースし、画像ドットを順次に走査し、以下の公式1により画像ドットの色相を計算する。
ここで、hは画像ドットの色相を表し、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表し、maxは三つの色チャンネル強度の最大値を表し、minは三つの色チャンネル強度の最小値を表す。
【0039】
前記紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの画像に対する比率を統計する工程は、具体的には例えば、以下の通りである。
所定の紫色色相及び紫色色相に隣接した閾値区間[195−315]を利用して、画像ドットの色相が当該閾値区間に入っている紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nを統計し、以下の公式2により紫色色相及び紫色色相に隣接した画像ドットの総数Nの全体の画像に対する比率ratioを計算する。
ここで、Sizeは画像のサイズである。
【0040】
動態パープルフリンジの検出閾値を計算する工程は、具体的には例えば、以下の通りである。
公式3を利用して、動態パープルフリンジの検出閾値を計算する。
ここで、minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表し、パラメーターtは、通常に20に設定される。
【0041】
取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像を作成すると共に、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する工程203。
【0042】
工程203は、具体的に、画像取得手段により取得した画像のサイズと同じのテンプレート画像maskを作成し、全部の色相値において、パープルフリンジの低閾値より大きく、パープルフリンジの高閾値より小さい画像ドットを検出し、以下の公式4によりパープルフリンジ領域を計算することに用いられる。
ここで、mask(i,j)=255は、画像ドットがパープルフリンジ領域に入ることを表し、もしそうでないならば、パープルフリンジ領域に入ってないことを表す。minPHとmaxPHとは、それぞれ紫色色相の低閾値と紫色色相の高閾値を表す。これによって、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットを検出する。
【0043】
検出したパープルフリンジ領域に入っている画像ドットを補正し、緑色チャンネル強度値を使用して、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正する工程204。
【0044】
工程204は、具体的に、以下の通りである。
公式5により、パープルフリンジ領域に入っている画像ドットの赤色チャンネル強度値と藍色チャンネル強度値とを補正する。
ここで、rと、gと、bとは、それぞれ画像ドットの赤色チャンネル強度値と、緑色チャンネル強度値と、藍色チャンネル強度値とを表す。rcorrectedとbcorrectedとは、それぞれ赤色チャンネル強度値の補正値と藍色チャンネル強度値の補正値とを表す。λとλとは、それぞれ赤色チャンネルと藍色チャンネルとのパラメーターを表す。一般的に、λとλとは、より小さい値に設定される。
【0045】
補正後の画像を出力する工程205。
【0046】
本発明にも、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供している。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラムを記録し、前記プログラムは、プロセッサーにより実行される時に、本発明のような提供された画像パープルフリンジ除去方法の工程を実現している。
【0047】
本発明にも、撮像装置を提供している。当該撮像装置は、一つ又は複数のプロセッサーと、記憶手段と、表示パネルと、一つ又は複数のプログラムとを含む。前記プロセッサーは、それぞれ記憶手段と表示パネルとをバスにより電気的に接続している。前記一つ又は複数のプログラムは、前記記憶手段に記録され、且つ前記一つ又は複数のプロセッサーにより実行されることに配置される。前記プロセッサーは、前記プログラムを実行する時に、本発明のような提供された画像パープルフリンジ除去方法の工程を実現している。
【0048】
本発明に記載された方法の全部又は部分の工程は、機能モジュールフレームワークを作成することによって、プログラム指令でコンピュータシステムを制御して完成し、これらのプログラム指令は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。
【0049】
説明すべきことは、上記の実施例は本発明の技術方案を説明するだけであり、本発明の保護範囲の制限ではなく、好ましい実施例を参照して本発明を詳細な説明するが、本発明の技術方案を修正し又は変更することができ、本発明の技術方案の実質と範囲を逸脱しないことが当業者には理解されよう。
図1
図2