(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けられている。なお、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けられている。
【0014】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113の他、遊技の異常を報知するLED類が設けられている。
【0015】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けられ、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0016】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接されている。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けられている。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0017】
図2は、本パチンコ機の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない風車や多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が配置されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが設けられている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0018】
遊技領域20は、センターケース200により左右に分けられ、センターケース200の左右両側にはそれぞれ遊技球が流下可能な流下路が設けられている(矢印参照)。
遊技球をセンターケース200の左側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を弱めに発射する「左打ち」を行う。これにより、センターケース200の左側面に設けられたワープ入口よりワープ樋を通して、センターケース200の中央直下位置に設けられた第1特図始動口23Aへの入球を狙える。第1特図始動口23Aは、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1特別図柄(以下、単に第1特図という)の抽選(当否判定)が実行される。
【0019】
一方、遊技球をセンターケース200の右側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を強く発射する「右打ち」を行う。右側の流下路には、常時、遊技球が通過可能に設けられた作動ゲート22(作動口)、普通電動役物にて開閉可能に設けられた第2特図始動口23B、及び第1大入賞装置24A設置されている。
【0020】
作動ゲート22は遊技球の通過により普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される起因となるゲートである。
第2特図始動口23Bは普通電動役物(普電役物)の開放時にのみ入球可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。第2特図始動口23Bは入球により第2特別図柄(以下、単に第2特図という)の抽選(当否判定)が実行される起因となる入球口である。
【0021】
第1大入賞装置24Aは第1特図又は第2特図の当否判定により小当り遊技に移行すると開閉可能となる入賞口である。
図3に示すように、第1大入賞装置24Aは上端部が扉により開閉可能とされた大入賞口240が設けられ、開放時に遊技球が入賞(入球)可能である。大入賞口240へ入球した遊技球は大入賞口240の中央から取り込まれトンネル状に形成された送出口241より第1大入賞装置24A内へ送られる。
【0022】
第1大入賞装置24Aの内部には中央下部に、遊技球が入球することにより小当り遊技から大当り遊技(役物当り)へ発展可能とする特定領域25が設けられている。また、特定領域25の上方位置には前記送出口241との間に、特定領域25を閉鎖或いは開放するシャッター26が設けられている。シャッター26は左右一対の開閉体を合掌状につき合わせて特定領域25を閉鎖する一方、左右に開いて特定領域25を開放する。尚、シャッター26は小当り遊技中に、一定の開閉動作を繰り返すように作動させることが望ましい。
送出口241より送り出された遊技球は、シャッター26が開放していれば特定領域25へ入球することとなり、シャッター26が閉鎖していればシャッター26の左右両側に設けられた左右一対の取込み口242から第1大入賞装置24Aから排出されて遊技盤内に取り込まれる。
尚、第1大入賞装置24Aへ入球した遊技球は、大入賞口240に設けられた図略の球検出センサにより検出され入賞球としてカウントされる。また、前記特定領域25へ入球した遊技球及び前記取込み口241へ取り込まれた遊技球と前記カウントを照合して大入賞装置24A内に残存している遊技球の有無を確認する構成である。
【0023】
図2に戻って、遊技領域20の左側の流下路には、前記内レール202沿いに表示部が設けられ、該表示部内に、第1特図が変動表示される第1特図表示装置28A、第2特図が変動表示される第2特図表示装置28B、第1特図の保留記憶が表示される第1特図保留数表示装置281、及び第2特図の保留記憶が表示される第2特図保留数表示装置282が配設されている。
また左側の流下路には、通常、入球が可能な複数の普通入賞口27が配置してあり、更には左側の流下路を流下した遊技球が入球可能な遊技領域20の下部中央に第2大入賞口24Bが設けられている。第2大入賞口24Bは、第1特図及び第2特図の大当り(図柄当り)、前記役物当りによる大当り遊技で開放可能なものである。
尚、第2大入賞口24Bへは、前記右側の流下路を流下した遊技も入球可能な配置とされている。
【0024】
前記遊技領域20の中央下端部で盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
遊技盤2の右下部にはレール201の外部の遊技領域20外にも表示部が設けられ、これには前記普図が変動表示される普図表示装置29、及び普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0025】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0026】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図4では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0027】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するため)の端子と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するため)の端子の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0028】
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0029】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1特図始動SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2特図始動SW504、作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、第1大入賞装置24Aへの入球を検出する第1カウントSW506、第2大入賞口24Bへの入球を検出する第2カウントSW507、特定領域25への入球を検出する特定領域SW508、及び普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW509等の検出信号が入力される。
【0030】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して前記の第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、普図表示装置29、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行う。
【0031】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、第1大入賞口ソレノイド510、第2大入賞口ソレノイド511、シャッターソレノイド512及び普電役物ソレノイド513が接続されている。
大入賞口ソレノイド510は、第1大入賞装置24Aを開閉するソレノイドと第2大入賞口24Bを開閉するソレノイドとを表現上まとめたもので、主制御装置40により各々のソレノイドを制御して第1大入賞装置24A又は第2大入賞口24Bを開閉作動せしめる。
また主制御装置40は、第1大入賞口ソレノイド510を制御して第1大入賞装置24Aの大入賞口240を開閉作動せしめ、第2大入賞口ソレノイド511を制御して第2大入賞口24Bを開閉作動せしめ、シャッターソレノイド512を制御して特定領域25を開閉作動せしめ、更に普電役物ソレノイド513を制御して第2特図始動口23Bの普電役物の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0032】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニットCRとデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニットCRに挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0033】
発射制御装置44は、発射ハンドルの回転操作を検出する発射ハンドルSW524、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14(524)の回動信号及び発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0034】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタン15やジョグダイヤル16の操作を検出する遊技SW528などの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113等の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や第1特図又は第2特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0035】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0036】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、第1特図始動口23Aへの入球に起因して第1特図の当否判定が実行され、第2特図始動口23Bへの入球に起因して第2特図の当否判定が実行される。当否判定に応じて第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bと演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。その後、第1又は第2特図表示装置28A,28Bに第1又は第2特図の確定図柄を、演出図柄表示装置21に第1又は第2特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して第1又は第2特図の当否判定の結果を報知する。
判定結果が大当り(図柄当り)となると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して第2大入賞口24Bが賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技(特別遊技)が実行される。
【0037】
一方、第1又は第2特図の当否判定の結果が小当りでは、特別電動役物のみが作動し、これを起因に第1大入賞装置24Aの大入賞口240が大当り遊技の第2大入賞口24Bよりも開放回数、開放時間が不利な態様で開放される小当り遊技が実行される。このとき、第1大入賞装置24Aの特定領域25へ遊技球が入球することにより前記条件装置が作動し、これにより役物連続作動装置が作動して大当り(役物当り)へ昇格(発展)可能とし、第2大入賞口24Bを開閉する大当たり遊技を実行可能とする基本構成を有する。
【0038】
大当り遊技終了後には、大当りや小当りとなった特図に応じて、普通電動役物たる第2特図始動口23Bの開放時間を延長する(開放延長機能)とともに特図及び普図の平均変動時間を短くする時短機能が付与される時短遊技(開放延長遊技)に移行することが可能な構成である。
図6(a)は本パチンコ機1の遊技仕様を示し、大当り確率は第1特図及び第2特図ともに399分の1とされ、小当り確率は第1特図が150分の1、第2特図が4分の1とされている。
また時短(開放延長)の付与は第1特図及び第2特図ともに通常遊技状態からの大当り遊技の終了後に付与される構成である。そして時短(開放延長)回数(制限回数)は第1特図、第2特図ともに99回(図柄変動回数)又は次回の大当りが生起するまでとされている。尚、小当りでは、小当り遊技終了後に、小当りが生起した時点の時短回数から時短遊技が継続される。
前記図柄当りでは第1特図、第2特図ともに第2大入賞口24Bの28秒間の開放が16ラウンド(16回)実施される。また前記役物当りでは第1特図、第2特図ともに第2大入賞口24Bの28秒間の開放が15ラウンド(15回)実施される。
図6(b)に示すように、通常遊技状態における普図の変動時間は10秒に設定され、普電役物の開放時間は0.2秒とされている。これに対して、時短(開放延長)遊技状態における普図の変動時間は0.6秒に設定され、普電役物の開放時間は0.8秒とされている。従って、通常遊技では、普電役物の開放時間が極端に短いので第2特図の図柄変動は望めず、前記「左打ち」にて第1特図の大当り(図柄当り)を狙うこととなる。
第1特図の大当りが生起し、その大当り遊技終了後に時短遊技状態となると、前記「右打ち」を行い、第2特図の小当りを経た大当り(役物当り)を狙う。更には第2特図の保留記憶を行うようにし、第2特図の小当り発生時に第2特図の保留記憶を貯め、第2特図の小当りを経た大当り(役物当り)の連荘を狙うことが可能な構成である。
【0039】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図7は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0040】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、第1又は第2特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、第1又は第2特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、第1又は第2特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、第1又は第2特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0041】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図8に示す「始動口入賞処理」は、第1特図始動口23A、第2特図始動口23Bに遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に格納(記憶)する。そして各特図始動口23A,23Bへの入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。以後、第1特図始動口23Aに遊技球が入球したときに格納される第1特図の保留記憶を第1保留記憶、第2特図始動口23Bに遊技球が入球したときに格納される第2特図の保留記憶を第2保留記憶とする。尚、本実施形態における記憶可能な保留記憶数は第1保留記憶数、第2保留記憶数ともに4個である。
【0042】
本「始動口入賞処理」は、先ず、S200の処理において第1特図始動口SW503により第1特図始動口23Aへの入球を検出したか否か判定する。入球が無ければ(S200:no)、S204の処理に移行する。入球が有れば(S200:yes)、S201の処理において主制御装置40に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する。上限値であれば(S201:no)、S204に進み、上限値未満であれば(S201:yes)、S202の処理において第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する。
続くS203の処理で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
【0043】
次に、S204の処理では、第2特図始動口SW504により第2特図始動口23Bへの入球を検出したか否か判定する。入球が無ければ(S204:no)、リターンする。入球が有れば(S204:yes)、S205の処理において主制御装置40に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する。上限値であれば(S205:no)、リターンし、上限値未満であれば(S205:yes)、S206の処理において第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する。
【0044】
次に
図9乃至
図11に基づいて第1特図又は第2特図の当否判定を実行する「当否判定処理」を説明する。尚、以降の説明において、第1特図又は第2特図を区別する必要がある場合を除き、両者を同等と見做して単に「特図」という。
図10に示すように、「当否判定処理」は、先ず、S300の処理において条件装置の未作動を確認して大当り遊技中か否かを確認する。条件装置が作動中(S300:no)であればリターンする。
条件装置が未作動で大当り遊技中でなければ(S300:yes)、S301の処理において特図の変動が停止中か否かを確認する。変動停止中であれば(S301:yes)、S302の処理において特図の確定図柄が未表示であるか否かを確認する。
尚、第1大入賞装置24A内に遊技球がない状態であるときにこの「当否判定処理」を実行するように、特図の変動時間、小当り遊技の開始インターバル、終了インターバルなどを、大入賞口への入賞から排出までに要する時間以上の時間となるように設定している。
【0045】
前記S302の処理で確定図柄が未表示中であれば(S302:yes)、S303の処理において第1特図又は第2特図の保留記憶があるか否かを確認する。
第1特図又は第2特図の保留記憶があれば(S303:yes)、S304の処理において保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。この場合、第1特図の保留記憶よりも第2特図の保留記憶を優先的に当否判定することが望ましい。
第1特図又は第2特図の保留記憶がいずれもなければ(S303:no)、リターンする。
【0046】
S305の処理では、当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して当否判定を行い、当否判定が大当り(図柄当り)であるか否かの確認を行う。大当りであれば(S305:yes)、S306の処理にて前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し、S307の処理にて前記保留記憶の変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(時短状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する。
【0047】
次に、S308の大当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り遊技(特別遊技)の内容(第2大入賞口24Bの開放パターン、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び大当り遊技終了後の遊技状態等の設定を行う。
その後、S309の処理において前記当否判定結果を示すデータ(大当り、小当り、ハズレの種類、リーチの有り無し、変動時間など)を含んだ特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に出力するとともに、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおいて第1特図又は第2特図を変動表示させる処理を行う。該S309の処理後、又は前記S303が否定判定ならば(S303:no)、リターンする。
【0048】
前記S305の処理で大当りでなければ(S305:no)、S310の処理において前記大当り判定用乱数の値が前記当否判定用テーブルの小当りの当り値と一致していたか否かを判定する。小当りであれば(S310:yes)、S311の処理にて前記保留記憶の図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定する。尚、S305,S310の処理は特許請求の範囲に記載の「当否判定手段」に相
当する。
【0049】
続くS312の変動パターン決定処理では、前記変動パターン決定用乱数の値や、現在の遊技状態や、小当り図柄等に応じて第1又は第2特図表示装置28A,28Bに表示される第1又は第2特図の小当り用の変動パターンを決定する。
例えば、
図12に示すように、時短遊技状態での第2特図(特2)の小当り図柄として「特2小当り図柄1、特2小当り図柄2、特2小当り図柄3、特2小当り図柄4」の4種類の図柄を備え、「特2小当り図柄1」では図柄変動時間が2秒に設定され、「特2小当り図柄2」では3秒に、「特2小当り図柄3」では図柄変動時間が6秒に設定され、「特2小当り図柄4」では10秒に設定される。尚、時短遊技状態での第2特図のハズレ変動時間は「1秒」とされている。
また、通常遊技状態では第2特図が変動することは殆ど無いが、通常遊技状態での第2特図の変動時間は当りハズレに関わらず30秒以上とされる。
【0050】
次に、S313の小当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り遊技の内容(第1大入賞装置24Aの開放パターン、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び小当り遊技終了後の遊技状態等の設定を行う。更に遊技状態、例えば特定領域への入球率に合わせた小当り遊技時間を設定する。その後、前記S309へ移行してこの処理を行う。
【0051】
S305及びS310の処理で大当りでも小当りでもなければ(S305、S310:no)、当否判定はハズレとなって、S314の処理にてハズレ図柄を決定した後にS315の処理でハズレの変動パターンを決定する。その後、前記S309へ移行してこの処理を行う。
【0052】
前記S301の処理で特図の変動が停止中でなければ(S301:no)、
図10のS320の処理に移行して、特図の変動時間が経過したか確認する。変動時間が経していなければ(S320:no)、リターンする。
一方、変動時間が経過したことを確認すると(S320:yes)、S321の処理においてサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に図柄停止コマンドを送信する。
続くS322の処理において図柄が大当り図柄であることが確認できれば(S322:yes)、S323の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bに大当り図柄を確定表示させる処理を行う。
【0053】
続いてS324の処理において条件装置の作動を開始させ、S325の処理において役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
その後、S326の処理において時短F(フラグ)が「1」(時短中)であることが確認できれば(S326:yes)、S327の処理において時短Fを「0」にリセットする。そしてS328の処理において大当りF(フラグ)に「1」をセットする。尚、前記S326の処理で時短Fが「1」でなくても(S326:no)S328の処理において大当りF(フラグ)に「1」をセットする。その後、リターンする。
【0054】
前記S322の処理において図柄が大当り図柄であることが確認できなければ(S322:no)、S329の処理において図柄が小当り図柄であるか否かを確認する。小当り図柄であることが確認できれば(S329:yes)、S330の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bに小当り図柄を確定表示させる処理を行う。
その後、S331の処理において時短F(フラグ)が「1」(時短中)であることが確認できれば(S331:yes)、S332の処理において時短Fを「0」にリセットする。更にS333の処理において時短遊技の付与回数を制限する時短カウンタのカウント値を記憶する。これにより小当り遊技終了後に時短を、小当り発生時の時短回数から継続させる。そしてS334の処理において小当りF(フラグ)に「1」をセットする。尚、前記S331の処理で時短Fが「1」でなくても(S331:no)S334の処理において小当りF(フラグ)に「1」をセットする。その後、リターンする。
【0055】
前記S322及びS329の処理で大当り図柄でも小当り図柄でもなければ(S322、S329:no)、ハズレ図柄であるので、S335の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにハズレ図柄を確定表示させる処理を行う。
【0056】
続くS336の処理において時短Fが「1」であるか否かを確認し(時短中であるか否か)、時短Fが「1」であれば(S336:yes)、S337の処理にて前記時短カウンタを減算し、続くS338の処理において減算したカウント値が「0」であるか否かを確認する。カウント値が「0」であれば(S338:yes)、時短が終了となり、S339の処理において時短Fを「0」にリセットする。その後、リターンする。
【0057】
前記
図9のS302の処理で確定図柄表示中のときは(S302:no)、
図11に示すように、S340の処理において確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの確定図柄表示の終了、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ確定図柄表示の終了に関するコマンドを送信し、リターンする。
【0058】
次に
図13乃至
図18に基づいて、主制御装置40で処理され、大当り遊技及び小当り遊技を実施する「遊技処理」を説明する。
図13に示すように、「遊技処理」は先ず、S400の処理において前記大当りFが「0」であるか否かを確認する。大当りFが「0」であれば(S400:yes)、大当りでないので、S401の処理において前記小当りFが「0」であるか否かを確認する。小当りFが「0」であれば(S400:yes)、大当りでも小当りでもないのでリターンする。
【0059】
前記S401の処理で小当りFが「0」でなければ(S401:no)、S402の処理において小当り開始演出中であるか否かを確認する。小当り演出中であれば(S402:yes)、S403の処理において小当り開始演出時間が経過したか確認し、時間の経過が確認できれば(S403:yes)、続くS404の第1大入賞口開放処理において、第1大入賞装置24Aの大入賞口240を前記S313(当否判定処理、
図9)で設定された態様で開放せしめる。続くS405の処理において第1大入賞装置24Aの特定領域25への入球検出を有効とする。
【0060】
前記S402の処理において小当り開始演出中でなければ(S402:no)、S406の処理において第1大入賞装置24Aが開放中であるか否かを確認する。第1大入賞装置24Aが開放中でなければ(S406:no)、S407の処理において前記特定領域25が有効であるか否かを確認する。特定領域25が有効でなければ(S407:no)、S408の処理において小当り終了演出中であるか否かを確認し、小当り終了演出中であれば(S408:yes)、S409の処理において小当り終了演出終了時間であるか否かを確認する。演出終了時間であれば(S409:yes)、続くS410の処理において前記小当りFを「0」にリセットして小当り遊技を終了する。更にS411の処理において前記時短Fに「1」をセットし、小当り遊技終了後に時短を継続させる。尚、この処理では前記S333の処理で記憶された時短カウンタの記憶を時短回数に設定する。その後、リターンする。
【0061】
前記S408の処理において小当り終了演出中でなければ(S408:no)、S412の処理において小当り開始演出処理を行ない、これにより小当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0062】
前記S406の処理において第1大入賞装置24Aが開放中であれば(S406:yes)、
図14に示すように、S420の処理において第1大入賞装置24Aへの入球数が規定数である10個に達したか否かを確認する。規定数に達したことを確認すれば(S420:yes)、S422の処理において第1大入賞装置24Aを閉鎖する。
一方、規定数に達していなければ(S420:no)、S421の処理において第1大入賞装置24Aの開放時間が終了したか否かを確認する。
【0063】
該S421の処理において第1大入賞装置24Aの開放時間が終了していない(S421:no)、又は前記S407の処理において特定領域25が有効であれば(S407:yes)、
図15に示すようにS430の処理において特定領域25への入球(入賞)があるか否かを確認する。
【0064】
前記S430の処理において特定領域25への入球があれば(S430:yes)、S431の処理及びS432の処理において条件装置の作動を開始させ、役物連続作動装置の作動を開始させる。
続くS433の処理において第1大入賞装置24Aが開放中であることが確認されれば(S433:yes)、S434の処理において第1大入賞装置24Aを閉鎖し、更にS435の処理において特定領域25を無効化する。
その後、S436の処理において役物大当り開始演出の設定を行ない、これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ役物大当り開始コマンドを送信する。そしてS437の処理において小当りFを「0」にリセットするとともに、S438の処理において大当りFに「1」をセットする。これにより小当りから大当り(役物当り)へ移行する。その後、リターンする。
【0065】
前記S430の処理において特定領域25への入球がなければ(S430:no)、S439の処理において特定領域25有効期間が終了したか否かを確認し、有効期間が終了であれば(S439:yes)、S440の処理において小当り終了演出の設定を行ない、これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ小当り終了コマンドを送信する。その後、リターンする。
【0066】
前記S400の処理において大当りFが「0」でなければ(S400:no)、
図16に示すように、S450の処理において第2大入賞口24Bが開放中であるか否かを確認する。開放中でなければ(S450:no)、S451の処理において大当りのインターバル中であるか否かを確認する。
大当りのインターバル中であれば(S451:yes)、S452の処理においてインターバル終了時間であるか否かを確認し、インターバル終了時間であれば(S452:yes)、S453の処理において第2大入賞口24Bを開放する。その後、リターンする。
【0067】
前記S451の処理においてインターバル中でなければ(S451:no)、S454の処理において大当り終了演出中であるか否かを確認し、終了演出中でなければ(S454:no)、S455の処理において大当り開始演出中であるか否かを確認する。
大当り開始演出中であれば(S455:yes)、S456の処理において大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し、演出時間の経過を確認できれば(S456:yes)、S457の処理において第2大入賞口24Bを開放する。その後、リターンする。
【0068】
前記S455の処理において大当り開始演出中でなければ(S455:no)、S458の処理において大当り開始演出処理を行ない、これにより大当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0069】
前記S450の処理におい第2大入賞口24Bが開放中であれば(S450:yes)、
図17に示すように、S460の処理において第2大入賞口24Bへの入球数が規定数である10個に達したか否かを確認する。規定数に達したことを確認すれば(S460:yes)、S462の処理において第2大入賞口24Bを閉鎖する。
一方、規定数に達していなければ(S460:no)、S461の処理において第2大入賞口24Bの開放時間が終了したか否かを確認する。開放時間の終了を確認すれば(S461:yes)、第2大入賞口24Bを閉鎖する(S462)。
【0070】
続くS463の処理において大当りの最終ラウンドが終了したか否かを確認する。最終ラウンドの終了でなければ(S463:no)、S464の処理において開放間インターバル(大当りインターバル)処理を行ない、これにより大当りインターバルコマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
一方、最終ラウンドの終了であれば(S463:yes)、S465の処理において大当り終了演出処理を行ない、これにより大当り終了コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0071】
前記S454の処理(
図16)において大当り終了演出中であれば(S454:yes)、
図18に示すように、S470の処理において大当り終了演出時間が経過したか否かを確認し、演出時間の経過を確認できれば(S470:yes)、S471の処理において前記条件装置を停止する。そしてS472の処理において前記役物連続作動装置を停止する。
【0072】
続くS473の処理において、通常遊技状態から大当たり遊技に移行したか、時短遊技状態から大当り遊技に移行したかに応じて、大当り遊技終了後に時短を付与するか否かを確認する。本実施形態では、通常遊技状態からの図柄当りの大当り遊技、及び通常遊技状態からの小当りを経た役物当りの大当り遊技の終了後に時短が付与される。
時短を付与する場合には(S473:yes)、S474の処理において前記時短Fに「1」をセットし、更にS475の処理において大当り遊技終了後の遊技状態を設定するようになし、時短を付与する場合には時短カウンタに制限回数である「99」を設定する。そしてS476の処理において大当りFを「0」にリセットして大当り遊技を終了する。
【0073】
このように構成された本パチンコ機1は、通常遊技状態では、第2特図始動口23Bへの入球は望めず、第1特図始動口23Aを狙って第1特図の大当り(図柄当り)を目指すこととなる。
第1特図の大当りが生起し、その後に遊技状態が時短遊技状態となると、第2特図始動口を狙って第2特図の小当りを目指す。
時短遊技状態では、前記「右打ち」遊技により遊技球が作動ゲート22を通過し、普図の抽選及び普図の保留記憶が貯まる可能性が高い。普図の抽選により普電役物が開放すると第2特図始動口23Bへの入球が可能となる。
【0074】
図19のタイミングチャートに示すように、第2特図始動口23Bへの入球(a)に起因して第2特図の当否判定が行われ、第2特図の図柄変動(b)が実行される。
第2特図の判定結果が「ハズレ」であれば第2特図の変動時間は1秒である。尚、第2特図のハズレ図柄確定表示は極僅かな表示時間であるので前記変動時間(b)に含めるものとする。第2特図の変動中(b)に普図の抽選が行われ、普電役物が開放しても、普図の変動時間が0.6秒でかつ普電役物の開放時間が0.8秒であるのため、当該普電役物の開放時に第2特図始動口23Bへ遊技球が入球しても、当該入球(ア)は前記第2特図の変動中とはならない。従って、前記入球(ア)に起因して第2特図の保留記憶が行われるが、該保留記憶はすぐに次の第2特図の図柄変動により消化されるため、時短遊技状態かつ第2特図のハズレ判定時には第2特図の保留記憶は記憶数が増えない。第2特図の判定結果が「ハズレ」であれば前記制限回数に達するまで時短遊技状態が継続され、第2特図の図柄変動が連続することとなる。
【0075】
一方、第2特図の判定結果が「小当り」であれば、小当り遊技中に特定領域25へ入球することにより大当り(役物当り)へ発展し、大当り遊技へ移行する可能性が高い。
第2特図始動口23Bへの入球(a)に起因する第2特図の判定結果が「小当り」で小当り図柄が「特2小当り図柄1」であれば、第2特図の図柄変動(c)の変動時間が2秒である。尚、第2特図の小当り図柄確定表示は極僅かな表示時間であるので前記変動時間(c)に含めるものとする。第2特図の変動中(c)に普図の抽選が行われ、普電役物が開放すると、普図の変動時間(0.6秒)及び普電役物の開放時間(0.8秒)よりも第2特図の図柄変動(c)の方が長いので、当該普電役物の開放時に第2特図始動口23Bへ遊技球が入球することで、当該入球(イ)は前記第2特図の変動中であるため、第2特図の保留記憶として記憶され記憶数が増える。
第2特図の図柄変動(c)の後、小当り遊技を経て大当り(役物当り)遊技に移行することとなり、大当り遊技終了後には、前記入球(イ)に基づく第2特図の保留記憶により当否判定が実行され、小当り遊技を経て大当り(役物当り)遊技の連荘を狙うことができる。
【0076】
更に第2特図始動口23Bへの入球(a)に起因する第2特図の判定結果が「小当り」で小当り図柄が「特2小当り図柄3」であれば、第2特図の図柄変動(d)の変動時間が6秒であり(図柄確定表示時間も含む)、この間に4回の普図の抽選(図柄変動)及びこれに伴う普電役物の開放が可能である。従って、図柄変動(d)中に第2特図始動口23Bへの入球(ウ)に応じ、第2特図の保留記憶として4個の保留記憶を貯めることが可能となる。よって第2特図の保留記憶を多く記憶できる分、「特2小当り図柄1」の小当り時よりも大当り(役物当り)遊技の連荘の可能性が高まることとなる。尚、大当り遊技終了後は通常遊技状態に戻る。
このように第2特図の小当り図柄に応じて第2特図の変動時間を相違させることにより、大当り(役物当り)遊技の連荘の可能性を変化させて遊技の面白みを向上させる。
【0077】
本パチンコ機1によれば、開放延長遊技状態での第2特図の当否判定がハズレの場合に第2特図の保留される記憶数が増やしづらい状態となるので、第2特図の保留記憶が貯まらず、賞球の出球率等を設計値から逸脱させずに済む。尚、通常の遊技状態では普電役物を開放させることが困難で、第2の特別図柄の保留記憶はされない。
第2特図の当否判定が小当りであり、かつ役物当りが生起したときの大当り遊技終了後には前記開放延長遊技状態とならない場合の第2特図の変動時間を、前記第2の特図の保留される記憶数が増やしづらい状態での変動時間よりも長い時間にしたので、小当りが発生する演出を行う時間とともに、第2特図の保留記憶を増やす時間を設けることができ、第2特図の保留記憶が増えることで小当り遊技から発展した大当り(役物当り)遊技を連荘させるチャンスが設けられる。即ち第2特図の保留記憶を貯めることで大当り遊技の連荘が可能となり、遊技者の関心を第2特図の保留記憶に集めることができる。
よって従来構造のような保留記憶に関する遊技者の違和感を払拭することができ、かつ如何に多くの第2特図の保留記憶を記憶させて大当り遊技を連荘させることができるか否かに遊技者の関心を持たせ、遊技に集中させることで遊技の面白みを増すことができる。
【0078】
尚、遊技者の関心を第2特図の保留記憶に向けるために、第2特図の小当りの図柄変動時に、演出図柄表示装置21にて第2特図の保留記憶を貯めることを促す演出を行うことが望ましい。
例えば、
図20(a)に示すように、第2特図の小当り図柄変動時、演出図柄表示装置21の表示画面には、その上部右側に本パチンコ機1のメインキャラクタである「熊の達吉」のキャラクタ表示700が表示されるとともに、表示画面の上部左側に小当りとなって第2特図の保留記憶を貯めるチャンスであることを「連荘 チャンス達成」と示す第1のコメント表示701が表示され、更にこれらの下部に、第2特図の保留記憶を促すように「可能な限り、保留を貯めろ!!」と示す第2のコメント表示702が表示される。
また表示画面のほぼ中央には第2特図の小当り図柄に対応して、3桁の数値からなる擬似演出図柄703が変動表示され(図例はリーチ状態)、更に表示画面の左下には第2特図の保留記憶数表示704が表示される。
尚、前記小当りとなって第2特図の保留記憶を貯めるチャンスであることを示す第1のコメント表示701、及び前記第2特図の保留記憶を促す第2のコメント表示702は、前記擬似演出図柄703が確定表示された状態で演出表示するようにしてもよい。
【0079】
第2特図の小当り図柄変動時に第2特図の保留記憶が満タンになると、
図20(b)に示すように、前記キャラクタ表示700及び第1のコメント表示701の下部に第2特図の保留記憶が満タンであることを「保留満タン確定!」と示す第3のコメント表示705が表示される。そして前記擬似演出図柄703の下方の第2特図の保留記憶数表示704は4つの点灯表示とされる。
尚、前記保留記憶が満タンであることを示す第3のコメント表示705は、前記擬似演出図柄703が確定表示された状態で演出表示するようにしてもよい。
【0080】
図20(c)に示すように、第2特図の図柄変動が終了して小当たり図柄に対応する前記疑似演出図柄703が確定表示されると、表示画面の上部左側に第2特図の保留記憶を貯めることが可能な時間が終了したことを「保留貯めタイム終了!」と示す第4のコメント表示706が表示され、さらに保留記憶がなされた個数、図例では保留記憶が2個であることを示す第5のコメント表示707が表示される。勿論、前記第2特図の保留記憶数表示704は2つの点灯表示とされる。
【0081】
第2特図の小当り遊技から大当り(役物当り)に発展し、その大当り遊技終了後、記憶された第2特図の保留記憶に応じて第2特図の当否判定及び図柄変動が開始される。
図21(a)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面では第2特図に対応する前記疑似演出図柄703が変動開始し、表示画面の上部に、4つの第2特図の保留記憶があり、4回の連荘チャンスがあることを示す第6のコメント表示708と、前記疑似演出図柄703が揃えば連荘が確定することを示す第7のコメント表示709が表示される。この場合、4つの保留記憶のうちの一つは消化されたので前記第2特図の保留記憶数表示704は3つの点灯表示とされる。
【0082】
その後、再び小当り判定が発生すると、
図21(b)に示すように、前記疑似演出図柄703が小当たり図柄に対応する疑似図柄で確定表示され、連荘が確定したことを示す第8のコメント表示710が表示される。当該小当りの小当り遊技から大当り(役物当り)へ発展することで大当りの連荘が達成される。尚、
図21の例では4回の大当りの連荘が可能である。
また、本実施例では、小当りの報知として、大当りの報知と同様に疑似図柄を3つ揃える構成としている。この遊技状態時での小当りはほぼ確実に役物当りに発展する構成としているためである。
尚、一般的に特定領域への入賞率は10分の1で設計されるのだが、本実施例は、ほぼ確実に役物当りできる入賞率を実現させるために、他の遊技状態や第1特図での小当り時の入賞率を下げてトータルで10分の1になるように設定されている。これならば、遊技状態やどちらの特図かによって異なる入賞率で楽しむこともでき、遊技性に幅を持たせることができる。
【0083】
本パチンコ機では第2特図の先読み表示を行うようにしてもよい。
図21(c)に示すように、記憶された第2特図の保留記憶に応じて第2特図の当否判定及び図柄変動が開始された時に、前記前記第2特図の保留記憶数表示704の中に小当りとなる可能性のある保留記憶があればこれを先読み表示711として点灯表示することが望ましい。尚、先読み表示711は保留が発生した時ではなく、大当り遊技の終了後に通常遊技状態に切り替わった時点で先読み表示711をすることが望ましい。
また、当否判定にて小当り、大当り(図柄当り)を備える構成ならば、小当りと大当りで先読み表示態様を異ならせて示唆することも考えられるし、ただ小当りを示唆するだけでなく、保留を何個貯めることが可能なのかも示唆することも考えられる。これならば、大当り後に連荘の可能性をも知りながら小当りを期待することができる。
【0084】
前記実施形態のパチンコ機では、第2特図の小当り発生時に決定された小当り図柄に応じて第2特図の変動時間が複数種類の変動時間から選択される構成であるが、これに限らず、本発明を適用した第2の実施形態の構成として、第2特図の小当り発生時に決定された小当り図柄と、小当り発生時の第2特図の保留記憶数に応じて第2特図の変動時間を複数種類の変動時間から選択するようにしてもよい。
【0085】
例えば、
図22に示すように、時短遊技状態での第2特図(特2)の小当り図柄として「特2小当り図柄1、特2小当り図柄2、特2小当り図柄3、特2小当り図柄4」の4種類の図柄から選択する構成である。
「特2小当り図柄1」では、第2特図の保留記憶が無ければ第2特図の図柄変動時間が2秒に設定され、保留記憶があれば1秒に設定される。これによれば、1回の連荘が可能である。
「特2小当り図柄2」では、第2特図の保留記憶が無ければ第2特図の図柄変動時間が3秒に設定され、保留記憶がひとつであれば2秒に、保留記憶が2個以上であれば1秒に設定される。これによれば、2回の連荘が可能である。
「特2小当り図柄3」では、第2特図の保留記憶が無ければ第2特図の図柄変動時間が6秒に設定され、保留記憶が1個であれば5秒に、保留記憶が2個であれば3秒に、保留記憶が3個であれば2秒に、保留記憶が4個であれば1秒に設定される。これによれば、4回の連荘が可能である。
更に「特2小当り図柄4」では、第2特図の保留記憶の有無、個数に関わらず第2特図の図柄変動時間が10秒に設定され、これによれば、4回以上の連荘が可能である。
【0086】
本実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様な作用効果が得られる上、第2特図の小当りが発生して大当り遊技終了後に通常遊技に移行するときの第2特図の図柄変動時間を、第2特図の小当り図柄と、小当り発生時の第2特図の保留記憶数に応じて複数種類の変動時間から選択するようにしたので、第2特図の図柄ごとに、どのような保留記憶状況であっても、一律の連荘率(例えば、「特2個当り図柄1」では1回の連荘、「特2個当り図柄3」では4回の連荘が可能)となる状態を設定することが可能となる。
【0087】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記実施形態において、遊技状態の設定として、通常遊技状態で図柄当り又は役物当りすると、大当り遊技後に時短(開放延長)遊技状態が設定され、時短遊技状態で図柄当り又は役物当りすると、大当り遊技後に通常遊技状態が設定される構成としたが、これに限らず、大当りや小当りの当り図柄に応じて時短(開放延長)遊技を付与する構成でもよい。この場合、大当り遊技終了後に、通常遊技に戻らず、時短(開放延長)遊技となるときは、前記
図8又は
図22に示す第2特図の小当り図柄に応じた図柄変動時間を設定しないことが望ましい。
また、当選時の遊技状態と大当りや小当りの当り図柄の組合せで遊技状態を決定する構成や、第1特図、第2特図で異なる遊技状態を付与する構成とすることなども考えられる。
遊技状態と図柄で決める場合は、同じ図柄でも遊技状態によって異なる遊技状態を付与することができ、遊技性が多様になる。
また、第1特図、第2特図で異なる遊技状態を付与する構成ならば、遊技状態で第1特図がメインで抽選される状態(通常遊技状態)、第2特図がメインで抽選される状態(時短遊技状態)を設ければ、遊技状態によって異なる遊技性で遊技することが可能となる。
【0088】
更に、本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。