(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)光重合性不飽和化合物 、(b)ヒドロキシウレタン化合物及び(c)光重合開始剤を含むことを特徴とし、
前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物であり、下記一般式(I)で表わされる構造を有し、
<一般式(I)>
【化1】
式中、nは0〜10の整数であり、
R
1は下記一般式(II)〜(IV)より選ばれた1種、又は1種以上の混合であり、
<一般式(II)>
【化2】
ここで●は、R1がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
<一般式(III)>
【化3】
ここで●は、R1がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
<一般式(IV)>
【化4】
ここで●は、R1がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
R
4はC
4−C
12のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ポリエーテル基又は下記一般式(V)で表される基であり、
<一般式(V)>
【化5】
ここで●は、R4がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
一般式(V)中、mは0〜5の整数であり、R
5は下記構造式のいずれかで表され、
<構造式>
【化6】
ここで●は、R5がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
【化7】
ここで●は、R5がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
【化8】
ここで●は、R5がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
【化9】
ここで●は、R5がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
【化10】
ここで●は、R5がその両側のOと結合する結合手であることを示し、
R
2はC
4−C
12のアルキル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基、エナミン基であり、
R
3−1〜3−4はそれぞれ独立して同一または相違し、水素、C
4−C
12のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基であり、R
3−1〜3−4の少なくとも一つが不飽和二重結合含有基を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
前記(a)光重合性不飽和化合物 100質量部に対し、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物が5〜50質量部であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既にウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用した組成物又はカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用した組成物をドライフィルムレジストの感光性樹脂組成物としたものは存在する。しかし、当該感光性樹脂組成物をドライフィルムレジストとした際、剥離工程でドライフィルムの残留物が生じる問題がある。例えば、ホールを有する基板は、当該ホールの周囲に未剥離のバリが生じる。そのため、剥離の速度を落とさざるを得ないのだが、これが製造効率の低下を招く。またドライフィルムの残留により、現像時の解像度にも影響を及ぼす。このように、ウレタン系感光性樹脂組成物のドライフィルムレジストは、剥離及び解像度の問題が生じることが多い。
【0006】
上記問題に鑑み、本発明は、解像度、密着性及び剥離性に優れ、ドライフィルムレジストとする際に製造速度に影響せず、製造収率を向上させ、プリント回路基板等種々の電子製品分野に応用することができる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の感光性樹脂組成物は、(a)光重合性不飽和化合物 、(b)ヒドロキシウレタン化合物及び(c)光重合開始剤を含むことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物において、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物であり、下記一般式(I)で表わされる構造を有することが好ましい。
<一般式(I)>
【化1】
式中、nは0〜10の整数である。
R
1は下記一般式(II)〜(IV)より選ばれた1種、又は1種以上の混合である。
<一般式(II)>
【化2】
<一般式(III)>
【化3】
<一般式(IV)>
【化4】
R
4はC
4−C
12のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ポリエーテル基又は下記一般式(V)で表される基である。
<一般式(V)>
【化5】
一般式(V)中、mは0〜5の整数であり、R
5は下記構造式のいずれかで表される。
<構造式>
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
一般式(I)においてR
2はC
4−C
12のアルキル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基、エナミン基である。
R
3−1〜3−4はそれぞれ独立して同一または相違し、水素、C
4−C
12のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基であり、R
3−1〜3−4の少なくとも一つが不飽和二重結合含有基を含む。
【0009】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物において、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は、[CC]/[NH
2]が0.5〜0.9であることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物において、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は、[CC]/[NH
2]が0.5〜0.75であることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物において、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は、[EPOXY]/[AHEW]が0.35〜1であることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、さらに溶剤を含むことが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物において、前記溶剤は、アルコール類、エーテル類及びケトン類からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物において、前記(a)光重合性不飽和化合物100質量部に対し、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物が5〜50質量部であることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、フォトレジストコーティングとして使用することが好ましい。
【0016】
本発明はまた、キャリアフィルム、上記のいずれかに記載の感光性樹脂組成物が形成するレジスト層及びカバーフィルムを含むことを特徴とするドライフィルムレジストを提供する。
【0017】
本発明はまた、ヒドロキシウレタン化合物であって、下記一般式(I)で表わされる構造を有し、
<一般式(I)>
【化11】
式中、nは0〜10の整数であり、
R
1は下記一般式(II)〜(IV)より選ばれた1種、又は1種以上の混合であり、
<一般式(II)>
【化12】
<一般式(III)>
【化13】
<一般式(IV)>
【化14】
R
4はC
4−C
12のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ポリエーテル基又は下記一般式(V)で表される基であり、
<一般式(V)>
【化15】
一般式(V)中、mは0〜5の整数であり、R
5は下記構造式のいずれかで表され、
<構造式>
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
R
2はC
4−C
12のアルキル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基、エナミン基であり、
R
3−1〜3−4はそれぞれ独立して同一または相違し、水素、C
4−C
12のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基であり、R
3−1〜3−4の少なくとも一つが不飽和二重結合含有基を含むことを特徴とするヒドロキシウレタン化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)光重合性不飽和化合物、(b)ヒドロキシウレタン化合物及び(c)光重合開始剤を含むことを特徴とする。
【0019】
前記(a)光重合性不飽和化合物は、分子構造に不飽和アルケニル基を有する化合物であり、当該化合物は単量体であってもよく、例えば、(メタ)アクリル酸、ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、ソルビン酸、6−ヘプテン酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、β−フラン(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられるが、(メタ)アクリル酸がより好ましい。また、当該化合物は上記単量体を重合した反応性樹脂とし、例えば (メタ)アクリル酸樹脂、変性アクリル酸樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、又は変性アクリレート樹脂が挙げられる。上記の単量体及び樹脂が同時に存在することもできる。
【0020】
本発明の一つの態様において、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物であり、下記一般式(I)で表わされる構造を有する。
<一般式(I)>
【化21】
式中、nは0〜10の整数である。
R
1は下記一般式(II)〜(IV)より選ばれた1種、又は1種以上の混合である。
<一般式(II)>
【化22】
<一般式(III)>
【化23】
<一般式(IV)>
【化24】
R
4はC
4−C
12のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ポリエーテル基又は下記一般式(V)で表される基である。
<一般式(V)>
【化25】
一般式(V)中、mは0〜5の整数であり、R
5は下記構造式のいずれかで表される。
<構造式>
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
R
2はC
4−C
12のアルキル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基、エナミン基である。
R
3−1〜3−4はそれぞれ独立して同一または相違し、水素、C
4−C
12のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基であり、R
3−1〜3−4の少なくとも一つが不飽和二重結合含有基を含む。
【0021】
前記R
4及びR
2のC
4−C
12のアルキルは、直鎖又は分枝鎖のアルキルであり、例えば、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル等である。
【0022】
前記R
4のアルケニルは、置換若しくは非置換のアルケニル、例えば、ビニル、1−アリル、2−アリル、又は置換基を有するアルケニル、例えば、1−メチルビニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−アリル、2−メチル−1−アリル、1−メチル−2−アリル、2−メチル−2−アリル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−アリル、1,2−ジメチルアリル、1−エチル−1−アリル、1−エチル−2−アリル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等である。
【0023】
前記R
4のアルキニルは、置換若しくは非置換のアルキニル、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等である。
【0024】
前記R
4及びR
2のシクロアルキルは、置換若しくは非置換のシクロアルキルであり、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル等を含む。
【0025】
前記R
2のアリールは、置換若しくは非置換のアリール、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、又は置換基を有するアリール、例えば、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル等である。
【0026】
前記R
2のエナミン基は、ジエチレントリアミン(diethylenetriamine)基とすることができるが、これに限定されない。
【0027】
前記R
4及びR
2のポリエーテル基は、−O−(R
6−O)m−R
7−,−R
7−O−(R
6−O)m−又は−R
7−O−(R
6−O)m−R
7−のポリエーテル基であり、R
6及びR
7はそれぞれ同一または異なる直鎖又は分枝鎖の、飽和又は不飽和の、置換若しくは非置換の2価脂肪族ヒドロカルビルであり、mは1以上である。具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドから形成されるポリエーテル基から選択することができる。
【0028】
前記R
3−1〜3−4は、それぞれ独立して同一または相違し、水素、C
4−C
12のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基であり、R
3−1〜3−4の少なくとも一つが不飽和二重結合含有基を含む。不飽和二重結合含有基は置換若しくは非置換のC
1−C
20の(メタ)アクリル酸アルコキシカルボニル、(メタ)アクリル酸アリールエーテル、またはその他の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート基を有する不飽和二重結合含有基である。
【0029】
前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は、[CC]/[NH
2]が0.1〜0.9及び/又は[EPOXY]/[AHEW]が0.125〜1であることを特徴とする。このうち、[CC]/[NH
2]は0.5〜0.75が好ましく、例えば、0.50、0.53、0.55、0.58、0.60、0.63、0.65、0.66、0.68、0.70、0.73、0.75、0.78、0.80、0.83、0.85、0.88及び0.9である。[EPOXY]/[AHEW]は、0.125、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95及び1.0である。ヒドロキシウレタン化合物の[CC]/[NH
2]が0.5〜0.9の範囲内にあるとき、ドライフィルムレジストにおける感光性樹脂組成物の解像度、密着性及び剥離性を向上させることができる。
【0030】
前記(a)光重合性不飽和化合物100質量部に対して、前記(b)ヒドロキシウレタン化合物は5〜50質量部であり、例えば、5質量部、10質量部、15質量部、20質量部、25質量部、30質量部、35質量部、40質量部、45質量部、50質量部である。
【0031】
前記(c)光重合開始剤は、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−エチルアントロン、2−イソプロピルチオキサントン、2−tert―ブチルアントロン、4−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−[4−モルフォリノフェニル]ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−[4−(2−ヒドロキシメトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノンジメチルアセタール、ベンゾフェノンβ−メトキシジエチル酢酸、1−フェニル−1,2−プロピルジオキシム−O,O’−(2−カルボニル)エトキシエーテル、O−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス[4−ジメチルアミノフェニル]ケトン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンジルオキシベンゾイン、フェネチルオキシベンゾイン、イソプロポキシベンゾイン、イソブトキシベンゾイン、tert−ブトキシベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルメチルチオキサントン、ジベンゾスベロン(dibenzosuberone)、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸ペンチル、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体又はその誘導体、ロビンダイマー又は無色のトリフェニルメタン、トリアリールメタン無色染料、染料とロビンダイマーを含む複合物等の染料であり、2−イソプロピルチオキサントン及び2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’,−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
【0032】
前記感光性樹脂組成物は、さらに溶剤を含む。前記溶剤はアルコール類、エーテル類及びケトン類からなる群から選択される1種又は2種以上である。前記アルコール類は、モノグライム、ジグリム(Diglyme)、トリグライム(Triglyme)等のグリム(Glyme)類を含む。前記エーテル類は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルを含む。前記ケトン類は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を含む。それらの溶液のうち、プロピレングリコールメチルエーテル又はメチルエチルケトンが好ましい。溶剤の添加量は前記感光性樹脂組成物の総量の1〜20重量%であり、2〜10重量%が好ましく、2〜7重量%がより好ましく、例えば、1重量%、2重量%、5重量%、7重量%、10重量%、12重量%、15重量%、17重量%、20重量%である。
【0033】
本発明の感光性樹脂組成物は、ドライフィルムレジストのフォトレジストコーティングとすることができる。前記フォトレジストコーティングはドライフィルムレジストのレジスト層を製造する際、均一な塗布及び乾燥により製造される。塗布の方法はリバースロールコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズロールコーター、コンマコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等の塗布方法により、厚みが均一になるように塗布する。乾燥方法は、IR炉、ホットプレート、熱風対流式乾燥炉、コンベクションオーブン等の乾燥方法により、通常、50〜130℃の温度で1〜30分乾燥することでフィルムが得られる。レジスト層の塗布膜厚は限定しないが、一般的に乾燥後の膜厚は10〜300μmであり、12〜240μmの範囲で選択するのが好ましい。例えば、10μm、12μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、105μm、110μm、115μm、120μm、125μm、130μm、135μm、140μm、145μm、150μm、155μm、160μm、165μm、170μm、175μm、180μm、185μm、190μm、195μm、200μm、205μm、210μm、215μm、220μm、225μm、230μm、235μm、240μm、245μm、250μm、255μm、260μm、265μm、270μm、275μm、280μm、285μm、290μm、295μm、300μm等である。
【0034】
本発明のドライフィルムレジストは、キャリアフィルム、前記感光性樹脂組成物が形成するレジスト層及びカバーフィルムを含む。ドライフィルムレジストをプリント回路基板等の電子部品に使用する際、ラミネーターのローラーによりドライフィルムレジストの底部にあるカバーフィルムを剥がし、真ん中のレジスト層を110±10℃のローラーで加熱した銅張積層板面上にラミネートする。ドライフィルムはローラーによる高温加熱により、前記レジスト層が流体状を形成することで、均一に粗化した銅面上に貼付することが可能となる。前記キャリアフィルムはポリエステル材質のものであり、例えば、ポリエチレンテレフタラート等、レジスト層を保護し、酸素を遮断し、光重合を防止又は抑制するものである。前記カバーフィルムはポリエチレン材質のものであり、レジスト層が他の層に貼りつかないようにする効果がある。
【0035】
本発明のドライフィルムレジストをプリント回路基板等の電子部品の製造に使用する際、ラミネート、露光、現像等の工程を経る。製造プロセスは、ラミネート前に銅張積層板の表面を研磨機で研磨し、水洗いした後に風乾燥させて、銅張積層板を80℃で加熱した後、前記ドライフィルムレジストを高温で銅張積層板上にラミネートし、室温まで冷却することで完成し、続いて、前記ラミネート後のドライフィルムレジストを露光、現像することで完成する。前記銅張積層板は片面銅張又は両面銅張である。片面銅張の場合、一面は銅箔でもう一面はガラス繊維強化エポキシ樹脂層である。両面銅張の場合、ガラス繊維強化エポキシ樹脂層を二つの銅箔の間に挟む。
【0036】
本発明の更なる目的は、ヒドロキシウレタン化合物を提供することにある。前記ヒドロキシウレタン化合物は、不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物であって、且つ下記一般式(I)で表わされる構造を有する。
<一般式(I)>
【化31】
式中、nは0〜10の整数である。
R
1は下記一般式(II)〜(IV)より選ばれた1種、又は1種以上の混合である。
<一般式(II)>
【化32】
<一般式(III)>
【化33】
<一般式(IV)>
【化34】
R
4はC
4−C
12のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ポリエーテル基又は下記一般式(V)で表される基である。
<一般式(V)>
【化35】
一般式(V)中、mは0〜5の整数であり、R
5は下記構造式のいずれかで表される。
<構造式>
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
R
2はC
4−C
12のアルキル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基、エナミン基である。
R
3−1〜3−4はそれぞれ独立して同一または相違し、水素、C
4−C
12のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ポリエーテル基であり、R
3−1〜3−4の少なくとも一つが不飽和二重結合含有基を含む。
【0037】
前記ヒドロキシウレタン化合物のR
1〜R
5の技術的特徴は上述のR
1〜R
5の技術的特徴と同様である。
【実施例】
【0038】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
調製例で使用する原料
【0040】
1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル,BDGE125:長春人造樹脂廠が生産した1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルであり、エポキシ当量は125〜130g/eq。
ビスフェノールAのポリグリシジルエーテル,BE180:長春人造樹脂廠が生産したビスフェノールAのポリグリシジルエーテルであり、エポキシ当量は170〜180g/eq。
ポリエーテルアミン,ジェファーミンD230:ハンツマン(Huntsman)社が生産したポリエーテルアミン。
メタクリル酸グリシジル(GMA):サートマー(Sartomer)社提供。
ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ):ボレガード(Borregaard)社提供。
メチルエチルケトン。
【0041】
調製例
【0042】
調製例1−1:BE180環状炭酸エステルの合成
【0043】
100gのBE180エポキシ樹脂、0.1〜5%の第四級アンモニウム塩を反応釜に入れ、撹拌し150℃まで温度を上昇させ、CO
2ガスを導入し、5kg/cm
2の圧力で4時間反応させることで、BE180環状炭酸エステルが得られる。CO
2消費量を計算したところ、転化率が93%であった。
【0044】
調製例1−2:BDGE環状炭酸エステルの合成
【0045】
100gのBDGE125エポキシ樹脂、0.1〜5%の第四級アンモニウム塩を反応釜に入れ、撹拌し150℃まで温度を上昇させ、CO
2ガスを導入し、5kg/cm
2の圧力で4時間反応させることで、BDGE環状炭酸エステルが得られる。CO
2消費量を計算したところ、転化率が93%であった。
【0046】
調製例2:S01〜S05化合物の合成
【0047】
調製例1−1のBE180環状炭酸エステルと調製例1−2のBDGE環状炭酸エステルを、それぞれジェファーミンD230ポリエーテルアミンと160℃で7時間反応させ、80℃まで温度を下げた後、溶剤としてメチルエチルケトンを加えることで、固形分70%のヒドロキシウレタン化合物を調製する。試験配合は下記表1のとおり。
【表1】
【0048】
実施例1:S06〜S13不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物の合成
【0049】
調製例2で合成したS01〜S05化合物をメタクリル酸グリシジル(GMA)及びヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)と65℃で4時間反応させることで、不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物S06〜S13が得られる。これらはいずれも本願の一般式(I)で表わされる化合物を有している。不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物S06〜S12の本願の一般式(I)で表わされる化合物のうち、R
1はビスフェノールAから誘導された下記一般式(1)〜(3)で表わされる構造を持ち、R
2は下記一般式(4)で表わされる構造を持ち、R
3−1及びR
3−4は下記一般式(5)又は(6)で表わされる構造を持ち、R
3−2及びR
3−3は水素である。
R
1中のR
4を(V)に代入し、(V)中のR
5に
【化41】
を代入することで、下記一般式(1)〜(3)で表わされる構造を持つR
1が得られる。
<一般式(1)>
【化42】
<一般式(2)>
【化43】
<一般式(3)>
【化44】
R
2:
<一般式(4)>
【化45】
式中、x=3。
R
3−1及びR
3−4:
<一般式(5)>
【化46】
又は
<一般式(6)>
【化47】
【0050】
不飽和二重結合を有するヒドロキシウレタン化合物S13の本願の一般式(I)で表わされる化合物を以下に示す。R
1は下記一般式(7)〜(9)で表わされる構造を持ち、R
2は下記一般式(4)で表わされる構造を持ち、R
3−1及びR
3−4は下記一般式(5)又は(6)で表わされる構造を持ち、R
3−2及びR
3−3は水素である。
R
4=C
4をR
1の式(II)〜(IV)に代入
<一般式(7)>
【化48】
<一般式(8)>
【化49】
<一般式(9)>
【化50】
R
2:
<一般式(4)>
【化51】
式中、x=3。
R
3−1及びR
3−4:
<一般式(5)>
【化52】
又は
<一般式(6)>
【化53】
【0051】
試験配合は下記表2に示す通りである。GMAは不飽和二重結合を提供し、MEHQは抑制剤として、不飽和二重結合の反応を防止する。
【表2】
【0052】
実施例2:S14〜S24とS26〜S33及び比較例S25−ドライフィルムレジストの製造及び特性試験
【0053】
I:ドライフィルムレジストの製造
【0054】
下記表3及び表4に示す配合のとおり、感光性樹脂組成物S14〜S33を調合し、前記溶液を16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムのキャリアフィルム上に均一に塗布し、塗布した溶液(塗膜)を熱風対流式乾燥炉により75℃で3.5分間乾燥させることで、支持体とするポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に感光性樹脂組成物を含むレジスト層を設置したドライフィルムレジストS14〜S33が得られ、感光性部品が形成される。レジスト層の膜厚は40μmである。
【0055】
II:フォトマスクのパターン形成
【0056】
ガラス繊維強化エポキシ樹脂層の両面上に厚み35μmの銅箔をラミネートし、両面銅張積層板を形成する。前記銅張積層板の銅表面に、#600番の研磨材に相当する研磨機で研磨し、水洗いした後、風乾燥させる。続いて、両面銅張積層板を80℃で加熱しながら前記ドライフィルムレジストS14〜S33を有する感光性部品のレジスト層側を銅箔表面に密着させ貼り合わせ、105℃で加熱しながら2.5kg/cm
2で加圧する。そして、23℃まで冷却することで、両面銅張積層板の両面にレジスト層を設置した積層板が得られる。
【0057】
続いて、前記積層板の最も外側の層であるポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、Stouffer21ステップ感度ガイドと、解像度(CCP R−Pattern 5,L/S=1/1,I字型伝送線路5−150μm)及び密着性(CCP A−Pattern 5,L/S=1/3,I字型伝送線路5−150μm)の評価用パターン図をこの順番でラミネートする。この状態で、5kWの高圧水銀灯を光源とした露光装置で、Stouffer21ステップ感度ガイドの残留ステップガイド数が7ステップの露光量を感光度とする。
【0058】
続いて、ポリエチレンテレフタレートを除去し、露光したレジスト層を1.0wt%の炭酸ナトリウム水溶液を、30℃、噴射圧力1.2kg/cm
2及びブレークポイント(設備の透明カバーからパターンが完全に見える当該距離をこう呼ぶ)50%の現像条件で未露光部分を除去し、現像処理を行うことで、未露光部分をきれいに除去することができる。回路が蛇行、損傷していない部分から成る線幅の間隔の最小値を解像度とする。また、未露光部分をきれいに除去し、回路が蛇行、損傷していない部分から成る線幅の最小値を密着度とする。未露光部分をきれいに除去し、回路が損傷していない部分から成る円形の最小値を点状密着とする。当該解像度、密着度、剥離時間、点状密着及び感光度の値は、小さいほど優れており、実施例及び比較例で計測された数値をまとめて下記表3及び表4に示す。
【表3】
【表4】
注:BPE500:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート
BCIM:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
ITX:2−イソプロピルチオキサントン
AMG:ロイコマラカイトグリーン
PM:プロピレングリコールメチルエーテル
【0059】
実施例S14〜S24、S26〜S33と比較例S25の差異は、比較例S25には本発明のヒドロキシウレタン化合物を添加していないことにある。実施例S14〜S24、S26〜S33は比較例S25と比べ、ブレークポイントの出現時間が短く、二次現像の点状密着が小さく、剥離時間が速い等のメリットがあり、本発明のヒドロキシウレタン化合物を添加することでドライフィルムレジストの解像度、密着性及び剥離性を向上させることが現れている。またこの結果から、ドライフィルムレジストのレジスト層の感光性樹脂組成物が[CC]/[NH
2]が0.5〜0.9及び[EPOXY]/[AHEW]が0.35〜1のヒドロキシウレタン化合物を有する時、ドライフィルムレジストの解像度、密着性及び剥離性を向上させることがわかる。
【0060】
本発明の感光性樹脂組成物は一般の感光性樹脂と比べ、ドライフィルムレジストの解像度、密着性及び剥離性に優れ、プリント回路基板等の電子部品の製造に適している。
【0061】
上述において、本発明の説明の利便性のために最良の実施例を挙げて説明したが、実施例は本発明の請求の範囲を限定するものではなく、本発明に基づく本発明の要旨を逸脱しないあらゆる変更は本発明の請求の範囲に含まれる。