【実施例1】
【0016】
本実施例のパチンコ機1は、一種二種混合機タイプの遊技機である。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(
図2)が配設されている。
【0017】
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を向上させたり、遊技者に注意喚起する。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0018】
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0019】
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、および残高表示装置59を有するCR精算表示装置95(
図3参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69が設けられている。
【0020】
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール3a,3bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0021】
センターケース5の直下には、常時遊技球が入球可能に構成された第一始動口11が配設されている。後述するように、第一始動口11への遊技球の入球に起因して、第一特別図柄の変動表示を伴う当否抽選が行われる。さらに、第一始動口11の直下には、大入賞口14を備えた大入賞口装置21が配設されている。大入賞口装置21は、大入賞口14を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該大入賞口14を開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片24を備え、該開閉片24を前記起立位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、該大入賞口14へ遊技球を入球可能な開放状態とする。この大入賞口装置21は、開閉片32を開閉作動させる大入賞口ソレノイド14b(
図4参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド14bの駆動制御によって該開閉片24を前記閉鎖状態と開放状態とに変換制御できる。こうした大入賞口装置21は、所謂、特別電動役物と呼ばれる。
【0022】
上記の第一始動口11および大入賞口装置21の左方には、四個の一般入賞口27が配設されている。これら一般入賞口27は、遊技球を常時入賞可能な構成である。
【0023】
また、センターケース5の右方には、有利入賞口31を備えた有利入賞装置30が配設されており、該有利入賞装置30の下方に、第二始動口36を備えた可変入賞装置35が配設されている。尚、上記の大入賞口装置21、有利入賞装置30、および可変入賞装置35は、本発明の要部にかかり、詳細は後述する。
【0024】
遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
【0025】
遊技盤2の右下部には、第一特別図柄保留数表示装置18と、第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。
【0026】
図3は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。尚、払出制御装置81は、後述するように、遊技者の持球数情報、およびクレジット残高に関わる情報などを扱うことから、万が一、電源供給が遮断された場合にもこれら情報を保持できるように、不揮発性メモリ(フラッシュメモリや不揮発性RAMなど)が好適に用いられ得る。これにより、電源供給が遮断された場合にも、遊技者が不利益を被る可能性を低減できる。
【0027】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口36に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ36a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、各一般入賞口27に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ27a等からの検出信号が入力される。
【0028】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板71を介して、第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18および第二特別図柄保留数表示装置19の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、上記した大入賞口ソレノイド14b、後述する有利入賞口ソレノイド32aも接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで大入賞口14の開閉を制御し、有利入賞口ソレノイド32aを駆動制御することで有利入賞口31の開閉を制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、該出力信号は、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に送られる。
【0029】
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
【0030】
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
【0031】
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置95とも双方向通信可能接続されており、精算表示装置95に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
【0032】
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
【0033】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
【0034】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。
【0035】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、擬似図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示される。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板75を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0036】
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0037】
次に、本発明の要部について説明する。
本実施例にあって、前記した遊技盤2の遊技領域3は、その略中央にセンターケース5が配設されていることから、右打ちによって、該センターケース5の上部を通過した遊技球が該センターケース5の右側を流下し、左打ちによって、該センターケース5の左側を流下する(
図2参照)。そして、前記第一始動口11は、その配設位置および遊技領域3に植設された遊技釘(図示せず)によって、センターケース5の左側を流下した遊技球のみが流入可能となっている。そのため、遊技者が左打ちしなければ、第一始動口11に入球できない。一方、前記した大入賞口14は、その配設位置および前記遊技釘によって、センターケース5の左側を流下した遊技球が流入できる。この大入賞口14には、センターケース5の右側を流下した遊技球も流入可能であるが、左側流下の遊技球に比べて流入し難い。そのため、大入賞口14へ遊技球を流入させるためには、通常、左打ちが有利である。尚、前記した一般入賞口27は、左打ちによってのみ、遊技球が流入可能である。
【0038】
遊技領域3の、センターケース5の右側領域には、前記した有利入賞装置30および可変入賞装置35が夫々配設されている。有利入賞装置30は、有利入賞口31と、該有利入賞口31を開閉する開閉片32とを備えており、該開閉片32が、該有利入賞口31を閉鎖状態とする起立位置と、該起立位置から右側へ傾動して該有利入賞口31を開放状態とする傾動位置とに、位置変換する。そして、開閉片32の閉鎖状態では、有利入賞口31に遊技球が入球不能である一方、開放状態では、センターケース5の右側領域を流下する遊技球が入球可能である。有利入賞装置30には、有利入賞口31に入球した遊技球を検知する有利入賞口スイッチ31a(
図3参照)を備え、有利入賞口スイッチ31aの検知信号が主制御装置80へ出力される。さらに、有利入賞装置30には、前記開閉片32を開閉作動させる有利入賞口ソレノイド32a(
図3参照)を備えており、該有利入賞口ソレノイド32aが主制御装置80により駆動制御される。
【0039】
上記の可変入賞装置35は、第二始動口36と、該第二始動口36を開閉する左右一対の可動片37,37とを備えており、左右の可動片37,37が、該第二始動口36を閉鎖状態とする起立位置と、該起立位置から左右に夫々傾動して該第二始動口36を開放状態とする傾動位置とに、位置変換する。そして、可動片37,37の閉鎖状態では、第二始動口36に遊技球が入球不能である一方、開放状態では、センターケース5の右側領域を流下する遊技球が入球可能である。可変入賞装置35には、第二始動口36に入球した遊技球を検知する第二始動口スイッチ36aを備え、該第二始動口スイッチ36aの検知信号が主制御装置80へ出力される。
尚、可動片37,37は、こうした構成に限定されるものでなく、第二始動口36に遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換可能とする構成であれば、他の構成を適用できる。例えば、上記した有利入賞装置30の開閉片32と同様、一個の可動片により第二始動口を開閉する構成とすることも可能である。また、同様に、有利入賞装置30の開閉片32にあっても、上記構成に限定されるものでなく、他の構成(例えば、可動片と同様に、二個の開閉片により開閉される構成)を適用可能である。
【0040】
本実施例にあって、可変入賞装置35は非電動役物であり、可動片37,37が図示しない連動機構によって、閉鎖状態の起立位置から傾動位置に位置変換作動する。そして、可動片37,37の下端部には、開放状態で第二始動口36に流入した遊技球と接触する接触端部(図示せず)が夫々設けられており、該接触端部に遊技球が接触することにより、開放状態の傾動位置から起立位置に位置変換作動する。そのため、可動片37,37は、一旦開放状態となると、遊技球が第二始動口36へ入球するまで、開放状態で保たれる。すなわち、傾動位置にある可動片37,37は、一個の遊技球が入球することで、起立位置に位置変換作動する。ここで、可動片37,37は、プラスチック製であり、遊技球よりも軽いことから、第二始動口36に流入した遊技球が接触端部に接触することで、傾動位置から起立位置へスムーズに位置変換作動する。
尚、本実施例では、一個の遊技球の入球を条件として、第二始動口36を開放状態から閉鎖状態へ変換するものとしたが、これに限らず、複数個の遊技球の入球を条件として第二始動口36を閉鎖状態に変換する構成としても良い。すなわち、第二始動口36に規定個数(例えば、一個、二個、四個など)の遊技球が入球することを条件として、可動片37,37が傾動位置から起立位置へ位置変換作動する構成とできる。また、一個の入球を条件として閉鎖作動する構成において、同時に二個の遊技球が入球すると、機構上で入球をリセットして、開放状態を維持する(換言すれば、再び開放状態となる)構成としても良い。これは、閉鎖作動する条件の規定個数よりも一個多い遊技球が入球した場合に、開放状態を維持する構成とも言える。また、当然ながら、規定個数の入球があると、追加入球に関わらず、閉鎖作動する構成でも良い。
【0041】
一方、前記の大入賞口装置21は、大入賞口14の内部に、該大入賞口14に流入した遊技球が通過可能な進展領域22を備えており、該大入賞口14に流入した遊技球は、該進展領域22を通過するか、該進展領域22を通過せずに、図示しない排出路へと流下する。ここで、本実施例の進展領域22は、略筒状に形成されて、遊技球が一個ずつ通過できる程度の開口面積を有してなり、大入賞口14に流入した遊技球が約1/10の確率で通過できるように配設されている。こうした進展領域22には、通過する遊技球の接触により位置変換作動する検出片(図示せず)を備えており、該遊技球に接触する突出位置と接触しない非突出位置とに位置変換作動する。この検出片は、上記した連動機構によって可変入賞装置35の可動片37,37と連動する。具体的には、検出片が突出位置にある状態で、可動片37,37が起立位置(閉鎖状態)に保たれ、進展領域22を一個の遊技球が通過することによって、該検出片が突出位置から非突出位置に位置変換作動すると、連動機構により該可動片37,37が起立位置から傾動位置(開放状態)に位置変換作動する。検出片が非突出位置にある状態では、進展領域22を遊技球が通過しても、検出片に接触しないことから、該検出片が非突出位置に保たれ且つ可動片37,37が傾動位置(開放状態)で保たれる。そして、上述したように、第二始動口36に遊技球が一個流入すると、可動片37,37が傾動位置から起立位置へ位置変換作動し、これに伴って連動機構により検出片が非突出位置から突出位置へ位置変換作動する。
【0042】
本実施例の大入賞口装置21は、大入賞口14の内部で、上記進展領域22が、前記カウントスイッチ14aの下流側に配設されている。これにより、大入賞口14に流入した遊技球は、カウントスイッチ14aにより検知された後に、進展領域22を通過するか、該進展領域22を通過せずに、排出路へと流下する。
また、進展領域22には、上記した検出片の位置変換作動を検知する作動検知スイッチ22a(
図3参照)が配設されている。この作動検知スイッチ22aは、遊技球が進展領域22を通過することにより、前記の検出片が突出位置から非突出位置に位置変換作動すると、ON作動するように設けられている。すなわち、作動検知スイッチ22aのON作動が、可変入賞装置35の第二始動口36の開放開始を示している。
【0043】
こうした大入賞口装置21、可変入賞装置35、および有利入賞装置30を備えた本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。尚、当選確率(大当り確率、小当り確率)や特別遊技の開閉ラウンドなどの仕様については、
図4に示す。
遊技領域3に発射された遊技球が、第一始動口11に入球すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。ここで、第一始動口11は、前述したように、遊技領域3の左側領域を流下する遊技球のみが入球可能であることから、遊技者は、左打ちにより入球を狙う。
第一特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6で該第一特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する(
図17参照)。この演出図柄表示装置6での擬似図柄の表示によって、第一特別図柄の変動や当りハズレを認識できる。尚、第一特別図柄の大当り確率は、
図4に示すように、1/200である。
【0044】
第一特別図柄表示装置9で停止した第一特別図柄が所定の大当り態様であると、大入賞口14を開閉する第一特別遊技を実行する。また、演出図柄表示装置6では、第一特別図柄の大当り態様に対応する態様で擬似図柄が表示される。
【0045】
上記の第一特別遊技では、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドを4回繰り返し実行する。ここで、一回の開閉ラウンドは、開放開始から所定時間(例えば、28秒)経過または大入賞口14へ所定個数(例えば、10個)入球によって終了する。尚、大入賞口14の開閉は、上述したように、大入賞口ソレノイド14bの駆動制御により開閉片32を開閉作動させることで、実行される。この第一特別遊技の各開閉ラウンドでは、開放状態の大入賞口14に入球した遊技球をカウントスイッチ14aが検知する毎に、所定個数(13個)の賞球が発生する。そして、特別遊技中に遊技球を発射し続ければ、通常、各開閉ラウンドで夫々10個の遊技球が入球することから、遊技者が多くの賞球を獲得できる。ここで、大入賞口14は、前述したように、左打ちによって遊技球が流入し易いことから、遊技者は、左打ちにより入球を狙う。
【0046】
さらに、この第一特別遊技中に、開放状態の大入賞口14に流入した遊技球が、該大入賞口14内の進展領域22を通過すると、その際に該遊技球が、突出位置にある前記検出片に接触して、該検出片を非突出位置に位置変換する。これに伴って、前記連動機構を介して可変入賞装置35の可動片37,37が起立位置(閉鎖状態)から傾動位置へ位置変換作動する。これにより、可変入賞装置35の第二始動口36が開放されて遊技球を入球可能となる。
尚ここで、大入賞口14に流入した遊技球は、上述したように、カウントスイッチ14aに検知されることにより、賞球発生の契機となる。その後に、進展領域22を通過することにより、第二始動口36の開放契機となる。すなわち、大入賞口14への入賞による賞球の権利は、カウントスイッチ14aの遊技球検知により消費され、進展領域22への遊技球通過による第二始動口36の開放は、該大入賞口14への入賞によって直接的に生ずるものではない。
【0047】
このように本実施例では、第一特別遊技中に、大入賞口14に流入した遊技球が進展領域22を通過することによって、可変入賞装置35の第二始動口36が開放する。そして、可変入賞装置35は、前述のように、非電動役物であることから、第二始動口36へ遊技球が入球するまで、開放状態で保たれる。そのため、第一特別遊技中は、第二始動口36が開放しても、大入賞口14を狙って左打ちを続けて、第一特別遊技の終了後に、第二始動口36を右打ちしても良し、又は、第一特別遊技中に左打ちと右打ちとを使い分けても良い。
【0048】
開放状態の第二始動口36に遊技球が流入すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6で該第二特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する(
図17参照)。この演出図柄表示装置6での擬似図柄の表示によって、第二特別図柄の変動や抽選結果を認識できる。この第二特別図柄による抽選では、
図4に示すように、大当り、小当りのいずれかを決定し、該第二特別図柄の停止図柄態様によって、前記抽選結果が表示される。ここで、大当り確率は1/200に設定されており、小当り確率は199/200に設定されている。尚、第二始動口36に遊技球が入球すると、前述のように、可動片37,37が傾動位置(開放状態)から起立位置(閉鎖状態)に位置変換する。この可動片37,37の作動に伴って、連動機構を介して前記進展領域22内の検出片が非突出位置から突出位置に位置変換作動する。これにより、次に遊技球が大入賞口14内の進展領域22を通過するまで、可動片37,37が閉鎖状態で保たれ、第二始動口36に遊技球を入球不能となる。
【0049】
第二特別図柄表示装置10で停止した第二特別図柄が所定の大当り態様であると、大入賞口14を開閉する第二特別遊技を実行する。第二特別遊技では、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドを16回繰り返し実行する。ここで、一回の開閉ラウンドは、第一特別遊技と同様に、開放開始から所定時間(例えば、28秒)経過または大入賞口14へ所定個数(例えば、10個)入球によって終了する。尚、こうした第二特別図柄の大当りを、以下で図柄大当りと言う。
【0050】
一方、第二特別図柄表示装置10で停止した第二特別図柄が所定の小当り態様であると、有利入賞装置30の有利入賞口31を開放する小当り遊技を実行する。ここで、有利入賞装置30は、前述したように、電動役物であることから、開閉片32を作動制御することにより、前記有利入賞口31を開閉させる。小当り遊技では、有利入賞口31を6秒間開放する開放作動を1回行う。尚、小当り遊技中では、遊技者は右打ちにより有利入賞口31を狙う。
こうした小当り遊技中に、開放された有利入賞口31に遊技球が入球すると、大当りが発生して、上記した図柄大当りと同様に、大入賞口14の開閉ラウンドを16回繰り返す第二特別遊技を実行する。こうした有利入賞口31への遊技球入球に伴う大当りを、以下で役物大当りと言う。尚、当然ながら、小当り遊技中に、有利入賞口31に入球しなければ、第二特別遊技が実行されない。すなわち、小当り遊技は、役物大当りを必ず発生させるものではなく、比較的高い確率で該役物大当りを発生させ得るものである。
【0051】
第二特別遊技は、開閉ラウンドの繰り返し回数が異なる以外、上述した第一特別遊技と同様である。すなわち、第二特別遊技中に、大入賞口14に入球した遊技球をカウントスイッチ14aが検知する毎に、所定個数(13個)の賞球が発生する。そして、遊技球が、大入賞口14内の進展領域22を通過すると、検知片と連動機構とを介して、可変入賞装置35の可動片37,37が開放作動し、第二始動口36が開放する。尚、第二特別遊技にあっても、遊技者は、大入賞口14を狙って左打ちする。
【0052】
また、本実施例では、第一始動口11への入球により第一保留記憶を発生させ、該第一保留記憶の消化により、第一特別図柄の変動と抽選とを行う。そして、この第一保留記憶の保留数の上限を四個としている。同様に、第二始動口36への入球により第二保留記憶を発生させ、該第二保留記憶の消化により、第二特別図柄の変動と抽選とを行う。そして、第二保留記憶の上限も四個としている。さらに、本実施例では、第一保留記憶と第二保留記憶との両方が保留されている場合に、第二保留記憶を優先して消化するようにしている。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶の保留数が無い状態でのみ、消化される。
【0053】
尚ここで、本実施例の可変入賞装置35は、上述したように、可動片37,37の開放状態で、第二始動口36へ一個の遊技球入球を条件として、該可動片37,37を閉鎖作動する構成であることから、可動片37,37の開放状態となると、開閉ラウンド中に、遊技者に右打ちを促す遊技性を有する。これは、可変入賞装置35が非電動役物であるから、第二始動口36への入球がなければ、次の開閉ラウンドへ進んでも該第二始動口36の開放状態が維持され、該開放状態での進展領域22への遊技球通過が無駄になってしまうことによる。そのため、本実施例の構成では、一回の特別遊技中に進展領域22へ四回遊技球を通過させ、その都度に開放状態の第二始動口36へ遊技球を入球させることにより、第二特別遊技の実行を目指す遊技性を有する。
また、本実施例の可変入賞装置35は、第二始動口36へ一個の遊技球入球を条件として、可動片37,37を閉鎖作動する構成であるが、上述したように、この閉鎖作動する条件は、複数個の遊技球入球とすることもできる。例えば、四個以上の遊技球入球を閉鎖作動の条件として設定すれば、可動片37,37の一回の開放作動で、第二保留記憶の保留数を上限(四個)まで記憶することも可能となる。この構成では、開閉ラウンドの終了後に、第二始動口36を狙って右打ちする遊技性を有するものとなる。
【0054】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図5に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10〜S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0055】
ここで、否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数の更新処理(S40)、当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
【0056】
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、
図6のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、上記したメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶の数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0057】
S120では、第二始動口スイッチ36aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶の数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0058】
尚、サブ統合制御装置83は、第一保留数カウンタの情報または第二保留数カウンタの情報を受信すると、該情報にしたがって、第一特別図柄保留数表示装置18または第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
【0059】
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、
図7〜11のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、メインルーチンから実行される処理である。
【0060】
当否判定処理では、
図7に示すように、条件装置の作動中(すなわち、第一特別遊技、第二特別遊技、または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一,第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、
図10のS320に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、
図11のS340に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
【0061】
S165では、第二保留記憶があるか否かを判定し、否定判定の場合には(S165:No)、S170に進み、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S185に進む。S170では、第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S170:Yes)、S175に進み、否定判定の場合には(S170:No)、当否判定処理を終了する。S175では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第一保留記憶を選択し、当該第一保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。その後に、S180に進む。S180では、第一特別図柄の当否抽選用の第一判定テーブルを選択し、該第一判定テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。この第一判定テーブルは、大当りの当選確率が1/200(
図4参照)となるように設定されたものである。このS180の処理後に、
図8のS200に進む。
【0062】
一方、S165の肯定判定から続くS185では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第二保留記憶を選択し、上記S175と同様に、当該第二保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動処理させ、その後に、S190に進む。尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
S190では、第二特別図柄の当否抽選用の第二判定テーブルを選択し、該第二判定テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか小当りか判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。この第二判定テーブルは、大当りの当選確率が1/200であり且つ小当りの当選確率が199/200となるように設定されたものであり(
図4参照)、大当りと小当りとのいずれかを判定する。このS190の処理後に、
図9のS250に進む。
【0063】
図8のS200では、S180の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
【0064】
S205では、消化した保留記憶に係る第一大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S210に進む。S210では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、第一特別図柄の変動時間等を決定し、S215に進む。S215では、第一特別遊技のラウンド数、大入賞口14の開放パターン、第一特別遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び第一特別遊技の演出態様等を設定し、S230に進む。
一方、S200の否定判定から続くS220では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、第一特別図柄の変動時間等を決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS220の後に、S225に進み、ハズレにかかる処理を行う。そして、S230に進む。尚、本実施例では、S220でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S220の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
【0065】
S230では、上記したS175でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、第一特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、第一特別図柄の変動を開始させ、当否判定処理を終了する。尚、変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、第一特別図柄の変動時間をもとに、第一特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する疑似図柄を選択し、選択した疑似図柄を表示させる(
図17参照)。
【0066】
また、
図9のS250では、S190の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S255に進み、否定判定の場合には(S250:No)、S270に進む。
【0067】
S255では、消化した保留記憶に係る第二大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S260に進む。S260では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、第二特別図柄の変動時間等を決定し、S265に進む。S265では、第二特別遊技のラウンド数、大入賞口14の開放パターン、第二特別遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び第二特別遊技の演出態様等を設定し、S300に進む。
【0068】
S250の否定判定から続くS270では、消化した保留記憶に係る第二大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S275に進む。S275では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、第二特別図柄の変動時間等を決定し、S280に進む。S280では、小当り遊技における有利入賞口31の開放パターン、小当り遊技に係る演出時間、および小当り遊技の演出態様などを設定し、S300に進む。
【0069】
S300では、上記したS185でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、第二特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、第二特別図柄の変動を開始させ、当否判定処理を終了する。尚、変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、第二特別図柄の変動時間をもとに、第二特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する疑似図柄を選択し、選択した疑似図柄を表示させる。
【0070】
上記したS155の肯定判定から続く
図10のS320では、第一又は第二特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S320:Yes)、S325に進み、否定判定の場合には(S320:No)、当否判定処理を終了する。S325では、第一又は第二特別図柄の変動表示を終了し、第一又は第二特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205又はS255で決定した大当り図柄、S270で決定した小当り図柄、S220で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
【0071】
また、上記したS160の肯定判定から続く
図11のS340では、第一又は第二特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S340:Yes)、S345に進み、否定判定の場合には(S340:No)には、当否判定処理を終了する。S345では、第一又は第二特別図柄の確定表示を終了し、S350に進む。S350では、確定表示された第一又は第二特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S350:Yes)、S355に進み、否定判定の場合には(S350:No)、S375に進む。S355の状態指定コマンド送信処理から、大入賞口装置作動開始処理(S360)、役物連続作動装置作動開始処理(S365)、大当り開始演出処理(S370)を順次実行することで、第一又は第二特別遊技の態様を示すコマンドや、第一又は第二特別遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して第一又は第二特別遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
一方、S350の否定判定から続くS375では、第二特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S375:Yes)、S380に進み、否定判定の場合には(S375:No)には、当否判定処理を終了する。S380の状態指定コマンド送信処理から、有利入賞口作動開始処理(S385)、小当り開始演出処理(S390)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
【0072】
次に、主制御装置80で実行する特別遊技処理を、
図12〜14のフローチャートを用いて説明する。この特別遊技処理は、上記したメインルーチンから実行される処理である。この特別遊技処理では、上述の当否判定処理での第一特別図柄の大当りによって、第一特別遊技を実行すると共に、第二特別図柄の大当りによって、第二特別遊技を実行する。
【0073】
特別遊技処理では、
図12に示すように、役物連続作動装置の作動中であるか否かを判定する(S400)。ここで、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に進み、否定判定の場合には(S400:No)、特別遊技処理を終了する。
【0074】
S405では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、
図13のS430に進み、否定判定の場合には(S405:No)、S410に進む。S410では、第一又は第二特別遊技における各開閉ラウンドのインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S410:Yes)、
図13のS450に進み、否定判定の場合には(S410:No)、S415に進む。S415では、第一又は第二特別遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S415:Yes)、
図14のS470に進み、否定判定の場合には(S415:No)、S420に進む。
【0075】
S420では、第一又は第二特別遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に進み、否定判定の場合には(S420:No)、特別遊技処理を終了する。S425では、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、特別遊技処理を終了する。
【0076】
上記のS405の肯定判定から続く
図13のS430では、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に進み、否定判定の場合には(S430:No)、S435に進む。S435では、大入賞口14の開放時間(28秒間)が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S435:Yes)、S440に進み、否定判定の場合には(S435:No)、特別遊技処理を終了する。S440では、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S445に進む。S445では、第一又は第二特別遊技の各開閉ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、特別遊技処理を終了する。
【0077】
一方、上記のS410の肯定判定から続くS450では、第一又は第二特別遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に進み、否定判定の場合には(S450:No)、特別遊技処理を終了する。S455では、最終ラウンドの終了か否かを判定する。ここで、第一特別遊技の場合には、4ラウンドの終了か否かを判定し、第二特別遊技の場合には、16ラウンドの終了か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に進み、否定判定の場合には(S455:No)、S465に進む。S460では、第一又は第二特別遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、特別遊技処理を終了する。S465の大入賞口開放処理では、大入賞口14を開放させる処理を実行し、特別遊技処理を終了する。
【0078】
また、上記のS415の肯定判定から続く
図14のS470では、終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に進み、否定判定の場合には(S470:No)、特別遊技処理を終了する。S475では、役物連続作動装置停止処理を実行して、役物連続作動装置を停止させ、次のS480では、大入賞口装置停止処理を実行して、大入賞口装置21を停止させる。次のS485とS490とでは、サブ統合制御装置83に対して、第一又は第二特別遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、特別遊技処理を終了する。
【0079】
次に、主制御装置80で実行する小当り遊技処理を、
図15,16のフローチャートを用いて説明する。この小当り遊技処理は、上記したメインルーチンの特別遊技処理からコールされるサブルーチンである。この小当り遊技処理では、上述の当否判定処理での第二特別図柄の小当りによって、有利入賞口31を開放する小当り遊技を実行する。
【0080】
小当り遊技処理では、
図15に示すように、有利入賞装置の作動中か否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、小当り遊技処理を終了する。
【0081】
S505では、有利入賞口31の開放中であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S505:Yes)、
図16のS530に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。S510では、小当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図16のS560に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、小当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S515:Yes)、S520に進み、否定判定の場合には(S515:No)、小当り遊技処理を終了する。S520では、有利入賞口31を開放する有利入賞口開放処理を実行し、小当り遊技処理を終了する。
【0082】
上記のS505の肯定判定から続く
図16のS530では、有利入賞口31に遊技球が入賞したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S530:Yes)、S535に進み、否定判定の場合には(S530:No)、S550に進む。S535では、役物大当りフラグ=1とし、S540に進む。一方、S550では、有利入賞口31の開放時間(6秒間)が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S550:Yes)、S540に進み、否定判定の場合には(S550:No)、小当り遊技処理を終了する。
S540では、有利入賞口31を閉鎖させる有利入賞口閉鎖処理を実行し、S545へ進む。S545では、小当り遊技を終了させる際の演出を行う小当り終了演出処理を実行し、小当り遊技処理を終了する。
【0083】
上記のS510の肯定判定から続くS560では、終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S560:Yes)、S565に進み、否定判定の場合には(S560:No)、小当り遊技処理を終了する。S565では、有利入賞装置停止処理を実行して、有利入賞装置30を停止させる。次のS570では、小当り遊技に関する演出を終了させる小当り終了コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。その後、S575に進む。
【0084】
S575では、役物大当りフラグ=1か否かを判定する。肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、小当り遊技処理を終了する。S580では、役物大当りフラグ=0とし、S585に進む。
S585の状態指定コマンド送信処理から、大入賞口装置作動開始処理(S590)、役物連続作動装置作動開始処理(S595)、大当り開始演出処理(S600)を順次実行することで、第二特別遊技の態様を示すコマンドや、第二特別遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して第二特別遊技を開始し、小当り遊技処理を終了する。
【0085】
次に、上述した第一又は第二特別遊技中における演出図柄表示装置6での演出表示例を、
図17により説明する。
上述したように、演出図柄表示装置6では、第一始動口11への遊技球入球を契機として、第一特別図柄の変動と停止とに対応して表示される該第一特別図柄の擬似図柄129による演出が行われる。すなわち、第一特別図柄表示装置9における第一特別図柄の変動に合わせて、演出図柄表示装置6では、
図17(A)に示すように、該第一特別図柄の擬似図柄129による変動が演出表示される。この変動表示中では、所定のキャラクタ図柄(熊の達吉)121も表示される。その後、第一特別図柄表示装置9での第一特別図柄の順次停止に伴って、演出図柄表示装置6では、
図17(B)に示すように、前記擬似図柄129が順次停止表示される。ここで、演出図柄表示装置6では、上述したように、第一特別図柄の停止態様に対応して、擬似図柄129が停止表示される。そして、この擬似図柄129の停止表示によって、遊技者が第一特別図柄の当りか否かを視認できる。
【0086】
第一特別図柄が大当りとなると、
図17(C)に示すように、上記の擬似図柄129と、キャラクタ図柄(熊の達吉)121と、大当りを示す演出図柄122とが表示される。ここで、キャラクタ図柄120の表示態様が、大当りを示す態様に変化することで、大当りであることを一層明確に報知できる。この後、第一特別遊技が実行されると、前記演出図柄122に代わって、開閉ラウンドのラウンド数を示す演出図柄123とが表示される。
こうした第一特別遊技中は、大入賞口14に遊技球が入賞する毎に、カウントスイッチ14aが該遊技球を検知し、該検知毎に、所定数(例えば、13個)の賞球が発生する。さらに、大入賞口14に入球した遊技球が、該大入賞口14内の進展領域22を通過すると、該進展領域22内の検知片が突出位置から非突出位置に位置変換作動し、該作動により連動機構を介して、可変入賞装置35の可動片37,37が開放作動して第二始動口36が開放する。そして、この検知片の位置変換作動により、前記した作動検知スイッチ22aがON作動し、該ON作動に伴って、演出図柄表示装置6では、
図17(D)に示すように、第二始動口36の開放を示す演出図柄125が表示される。この演出図柄125の表示により、遊技者は、第二始動口36の開放を認識できる。
【0087】
このように演出図柄122が表示されることにより、遊技者に、第二始動口36を狙う感情を想起させることができ、第一特別遊技中に、大入賞口14を狙う左打ちだけでなく、第二始動口36を狙う右打ちを促す効果を奏する。そのため、通常、第一特別遊技中は、大入賞口14を狙った左打ちのみの単調な操作になりがちなものを、該左打ちの操作中に右打ち操作を織り交ぜる等のように、遊技球の発射操作に変化を生じさせ得る。尚、本実施例では、可変入賞装置35が非電動役物であることから、開放された第二始動口36は、遊技球の入球まで開放状態で保たれる。そのため、遊技者は、第一特別遊技の終了後に、第二始動口36を狙う右打ちを行うことも可能である。
【0088】
上記した演出図柄125は、所定タイミングで表示終了する。この表示終了のタイミングは、表示開始から所定時間(例えば、10秒間)経過時点、表示開始した開閉ラウンドの終了時点、第二始動口36への入球時点などのように、適宜設定することができる。
【0089】
また、第二始動口36への遊技球の入球を契機として、第二特別図柄が変動した場合にも、上述した第一特別図柄の場合と同様に、演出図柄表示装置6では、第二特別図柄の変動と停止とに対応して、該第二特別図柄の擬似図柄129による演出表示が行われる(
図17(A),(B)参照)。そして、第二特別図柄が大当りとなると、擬似図柄129と、キャラクタ図柄(熊の達吉)121と、大当りを示す演出図柄122とが表示される(
図17(C)参照)。さらに、第二特別遊技中では、ラウンド数を示す演出図柄123が表示される(
図17(D)参照)。このように第二特別図柄の変動と停止とによる演出表示、および第二特別遊技の演出表示にあっても、第一特別図柄および第一特別遊技と同様の演出表示が実行される。
尚、第二特別図柄の変動を強調して報知できるように、第一特別図柄の変動中と異なる態様の擬似図柄により変動表示させたり、異なる演出、異なるキャラクタ図柄を表示させることもできる。このようにすることで、遊技者は一目で有利な第二特別図柄の変動を知得できる。
【0090】
さらに、本実施例1では、開放された第二始動口36に遊技球が入球すると、該第二始動口36が閉鎖され且つ進展領域22の検知片も突出位置に戻ることから、先に発生した第二始動記憶が消化される前に、進展領域22への遊技球通過により第二始動口36が開放され、該第二始動口36へ遊技球が入賞すると、新たな第二始動記憶が発生する。そして、本実施例1では、第二始動記憶を上限数(4個)まで保留できる。
こうした第二始動記憶は、上述したように、その消化により大当りと小当りとのいずれかを生ずることから、第二特別遊技の実行へ至る可能性が極めて高く、該第二始動記憶の保留数は、第二特別遊技の連チャンが極めて高い確率で発生することを示している。
そのため、本実施例1では、
図18に示すように、第一特別遊技中または第二特別遊技中に新たな第二始動記憶が発生する毎に、演出図柄表示装置6で該第二始動記憶の保留数を示す演出図柄127を表出する。この演出図柄127の表示によって、遊技者は、第二始動記憶の保留数の増加を明確に知得でき、第二特別遊技の連チャンへの期待感が高揚される。
【0091】
本実施例1のパチンコ機1は、上述したように、大入賞口14を開閉する第一特別遊技中に、該大入賞口14内の進展領域22を遊技球が通過すると、可変入賞装置35の第二始動口36を開放させ、該第二始動口36への入球を契機として、第二特別図柄の変動による遊技を行うようにしたものである。
従来のパチンコ機における、大入賞口の開閉ラウンドを繰り返す特別遊技では、該大入賞口への入賞に伴う多大な賞球の発生が、遊技者の最も期待する主な遊技性であった。すなわち、前述したように、従来構成では、特別遊技から、さらに遊技が発展する機能を有していなかった。
こうした従来構成に比して、本実施例1の構成では、第一特別遊技から、第二始動口36の開放を介して第二特別図柄の変動へと遊技が発展するという、新たな遊技性を有する。そして、第二始動口36の入球を契機とする抽選によって、大当りによる第二特別遊技の実行と、小当りを介した第二特別遊技の実行とのいずれかに移行する可能性が極めて高いことから、変化に富んだ興趣溢れる遊技を、前記第一特別遊技から続けて、遊技者に提供できる。
【0092】
さらに、本実施例1では、第二特別遊技が、第一特別遊技と開閉ラウンド数が異なるものの、該第一特別遊技と同じ大入賞口装置21で実行されることから、該第二特別遊技を介して、第二始動口36の開放が生ずることもあり、さらに遊技が発展していくこともあり得る。すなわち、第一始動口11への入球を契機とした第一特別遊技から、第二特別遊技を連続する遊技性に発展していく可能性を有する。そのため、従来に無い斬新な遊技性と興趣性とが発揮され得る。
【0093】
また、本実施例1では、上述したように、第一特別遊技中または第二特別遊技中に第二始動口36に遊技球が入賞する毎に、第二始動記憶が発生し、上限数(4個)での保留される。そして、第二始動記憶は、その消化によって第二特別遊技の連チャンに高確率で発展する。そのため、大入賞口14の開閉ラウンド中では、単に該大入賞口14への入賞により賞球を獲得するという従来の遊技性に加え、進展領域22への入球による連チャンを獲得するという新たな遊技性が発揮される。
【0094】
さらに、本実施例1にあっては、第二特別遊技が、第一特別遊技に比して、大入賞口14の開閉ラウンド数が多いことから、遊技者の獲得可能な利益が大きくなる。そのため、遊技者は、遊技中に、第一特別遊技を介した第二特別遊技の連チャンを最も期待することから、第一特別図柄で大当りとなっても、遊技者の満足感が充足されず、さらなる利益獲得への期待感が一層強く刺激される。したがって、本実施例1の構成によれば、第一特別遊技から第二特別遊技へと発展することによる上述の作用効果が、一層強く発揮され得る。
【実施例2】
【0095】
実施例2の構成は、可変入賞装置35を電動役物とした構成である。本実施例2の可変入賞装置35は、第二始動口36と可動片37,37とを備えると共に、該可動片37,37を起立位置(閉鎖状態)に付勢するバネ(図示せず)と、該起立位置から傾動位置へ位置変換作動させる可動片ソレノイド37aとを備える。
【0096】
この可動片ソレノイド37aは、
図19に示すように、主制御装置80に接続されており、該主制御装置80により駆動制御される。すなわち、可動片ソレノイド37aのOFF状態で、可動片37,37が前記バネの付勢力により起立位置で保たれて、第二始動口36が閉鎖状態であり、主制御装置80により該可動片ソレノイド37aのON作動により、可動片37,37が該バネの付勢力に抗して起立位置から傾動位置へ位置変換する。その後、主制御装置80により可動片ソレノイド37aがOFFとなると、可動片37,37が前記バネの付勢力により傾動位置から起立位置へ位置変換する。
【0097】
また、大入賞口装置21は、大入賞口14内に配設された進展領域22に、遊技球を検知する球検知スイッチ22bが配設されている。この球検知スイッチ22bは、進展領域22を通過する遊技球を検知するものであり、該遊技球を検知すると、その検知信号を主制御装置80へ出力する(
図19参照)。
【0098】
また、実施例2は、実施例1と同様、大入賞口装置21を第一始動口11の直下に配設した構成であるが、遊技盤2に植設した遊技釘の配置によって(図示せず)、センターケース5の左右どちらの領域を通過した遊技球も、ほぼ同じ確率で大入賞口14に入球可能としている。すなわち、実施例2では、第一および第二特別遊技中では、右打ちと左打ちとのいずれでも同様に、大入賞口14へ入球できる。
【0099】
このように本実施例2は、可変入賞装置35を電動役物としたものであり、可動片ソレノイド37aや球検知スイッチ22bを備え、かつ上述した実施例1の連動機構や検知片などを備えていない。これ以外の構成は、上述した実施例1と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を適宜省略した。尚、当選確率などの仕様も、実施例1と同じである(
図4参照)。
【0100】
次に、本実施例2の主制御装置80で実行されるプログラム処理について説明する。
実施例2では、可変入賞装置35の第二始動口36を開閉させる進展開放作動処理を備える。尚、この進展開放作動処理以外の、メインルーチン、始動入賞処理、当否判定処理、特別遊技処理、および小当り遊技処理等は、上述した実施例1と同じであることから、説明を省略する。
【0101】
上記の進展開放作動処理を、
図20のフローチャートを用いて説明する。この進展検知処理は、上記したメインルーチンの特別遊技処理からコールされるサブルーチンである。
進展開放作動処理では、S700で、第二始動口35の開放中か否かを判定する。ここで、否定判定の場合には(S700:No)、S705に進み、肯定判定の場合には(S700:Yes)、S720に進む。S705では、大入賞口14の開放中か否かを判定する。肯定判定の場合には(S705:Yes)、S710に進み、否定判定の場合には(S705:No)、進展開放作動処理を終了する。S710では、大入賞口14内の進展領域22を遊技球が通過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S710:Yes)、S715に進み、否定判定の場合には(S710:No)、進展開放作動処理を終了する。S715では、第二始動口開放処理を実行する。第二始動口開放処理では、可動片ソレノイド37aをON作動することにより、可動片37,37を起立位置から傾動位置へ傾動させて、第二始動口36を開放させる。この第二始動口開放処理の後に、進展開放作動処理を終了する。
尚、本実施例2では、前記の第二始動口開放処理により、第二始動口36の開放を示すコマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、このコマンドを受信したサブ統合制御装置83は、第二始動口36の開放を示す演出図柄を演出図柄表示装置6で表示する処理を行う。
【0102】
上記したS700の否定判定から続くS720では、開放中の第二始動口36に遊技球が入賞したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S720:Yes)、S730に進み、否定判定の場合には(S720:No)、S725に進む。S725では、第二始動口36の開放時間(例えば、5秒間)が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S725:Yes)、S730に進み、否定判定の場合には(S725:No)、進展開放作動処理を終了する。
S730では、第二始動口閉鎖処理を実行する。第二始動口閉鎖処理では、可動片ソレノイド37aをOFF作動することにより、可動片37,37を傾動位置から起立位置へ戻し、第二始動口36を閉鎖させる。この第二始動口閉鎖処理の後に、進展開放作動処理を終了する。
【0103】
次に、本実施例2の演出図柄表示装置6で、第一又は第二特別遊技中における演出表示例を、
図21により説明する。
図21(A)〜(C)は、上述した実施例1の
図17(A)〜(C)と同様に、第一特別図柄(又は第二特別図柄)の変動と停止とに対応する擬似図柄129と、キャラクタ図柄(熊の達吉)121と、大当りを示す演出図柄122とによる演出表示を夫々示す。
そして、第一特別遊技中(又は第二特別遊技中)に、大入賞口14に入球した遊技球が、進展領域22を通過することにより第二始動口36が開放すると、これに伴って演出図柄表示装置6では、
図21(D)に示すように、第二始動口36の開放を示す演出図柄130が表示される。本実施例2では、第二始動口36の開放時間(5秒間)が限られていることから、前記演出図柄131が、第二始動口36を狙う遊技球の発射(右打ち)を比較的強く促すものとなっている。
【0104】
尚ここで、本実施例2は、上述したように、右打ちと左打ちとで大入賞口14への入球確率がほぼ同じである。そのため、第一又は第二特別遊技中に、遊技者が右打ちをしていた場合には、上記の演出図柄130の表示によって、遊技者の意識を第二始動口36に向けることができ、第二特別遊技の連チャンへの期待感を効果的に高め得る。
【0105】
また、本実施例2の構成にあっても、前述の実施例1と同様に、第二特別図柄の連チャンを期待できる第二始動記憶を、上限数(4個)まで保留できることから、該第二始動記憶の保留数を示す演出図柄127を表出する(
図18参照)。この表示によって、遊技者の、第二特別遊技の連チャンへの期待感を高揚できる。
【0106】
本実施例2のパチンコ機1は、上述したように、可変入賞装置35を電動役物としたものであり、第二始動口36の開放時間が限られている点が実施例1と異なるものの、遊技の流れは実質的に該実施例1と同じである。したがって、実施例2の構成にあっても、上述した実施例1と同様の作用効果を奏する。
【0107】
上述した実施例1,2にあって、パチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機に相当する。
第一始動口11への入球を契機とした当否判定処理により大当りとなることが、本発明にかかる特別遊技条件の一例に相当する。
第一特別遊技が、本発明にかかる特別遊技の一例に相当する。
当否判定処理、特別遊技処理、および小当り遊技処理が、本発明にかかる遊技制御手段に相当する。さらに、実施例2では、進展開放作動処理も、該遊技制御手段に相当する。
小当り遊技と第二特別遊技とが、本発明にかかる有利遊技の一例に相当する。
当否判定処理、特別遊技処理、および小当り遊技処理における、該当否判定処理のS1665とS185とS190とを介して実行される処理内容が、本発明にかかる有利遊技制御手段の一例に相当する。
【0108】
次に、上述した本実施例の別例を以下に説明する。
上述した実施例1,2の構成にあっては、大入賞口14内で、進展領域22の上流側にカウントスイッチ14aを設けた構成であるが、これに限らず、進展領域の下流側にカウントスイッチを設けた構成であっても良い。このようにカウントスイッチと進展領域との配置を逆とした構成では、大入賞口に流入した遊技球が、進展領域を通過または非通過の後に、カウントスイッチにより検知される。そのため、かかる構成にあっても、実施例1,2と実質的に同じであり、同様の作用効果を奏する。さらに、この構成でも、大入賞口への入賞は、カウントスイッチにより検知され、該検知により賞球の権利が消費される。すなわち、実施例1,2と同様に、進展領域の遊技球通過による第二始動口の開放は、大入賞口への入賞によって直接的に生ずるものではない。
【0109】
上述した実施例1,2の構成にあって、第一特別図柄の大当り確率、第二特別図柄の大当り確率および小当り確率、第一特別遊技および第二特別遊技の各開閉ラウンド数、第一始動記憶および第二始動記憶の各保留数(上限数)などは、適宜変更して設定可能である。これらの設定により、第二特別遊技の発生する確率や、該第二特別遊技の連チャン確率などを調整することが可能である。さらに、進展領域の形態や配設位置などを適宜変更することにより、該進展領域への通過確率を変更可能であると共に、可変入賞装置の形態、配設位置、および遊技釘の植設位置や数などを適宜変更することにより、第二始動口への入球率を変更可能である。これら変更によって、前記した第二特別遊技の発生確率や連チャン確率を調整することもできる。
具体的に説明すると、実施例1,2の構成は、第一および第二特別遊技中に、進展領域22を遊技球が通過し且つ第二始動口36への入球することによって、第二始動記憶を4個まで保留可能であり、該第二始動記憶の消化によって役物大当り(小当り遊技を介した大当り)が高確率で発生し易いことから、高い確率で第二特別遊技を連チャンできる構成と言える。こうした実施例の構成に対して、前記した大当り確率や開閉ラウンド数等を設定変更することによって、前記連チャンする確率の異なる構成とすることが可能である。
例えば、大入賞口内の進展領域の形態や配置などを変更して、該進展領域を通過する確率を低くすることによって、前記連チャン確率を抑えることができる。具体例として、進展領域を開閉する蓋部材(シャッター)を配設し、所定条件の成立時のみ、該蓋部材を開放して進展領域を通過可能とする。これにより、進展領域への遊技球通過を制限できるため、前記連チャン確率を低下できる。ここで、前記条件としては、所定回の開閉ラウンド(例えば、奇数回のラウンドや、3ラウンド目など)とすることが好適であり、これによって当該開閉ラウンドでのみ進展領域を遊技球が通過可能となる。
また、第一特別遊技と第二特別遊技とで、進展領域への通過確率を異なる構成としても良い。具体例としては、前記と同様に進展領域に蓋部材を設け、第一特別遊技中は該蓋部材を開放状態で保持し、第二特別遊技中は特定の開閉ラウンド(8ラウンド目など)でのみ該蓋部材を開放状態とする。さらに、第二特別遊技が、第二特別図柄の抽選によって、4ラウンド、8ラウンド、16ラウンドのいずれかの開閉ラウンドを実行するものとして選択される構成とすれば、4ラウンドの第二特別遊技が実行された場合には、進展領域を通過可能な8ラウンド目が無いことから、前記連チャン確率を抑制できる。特に、4ラウンドの第二特別遊技を実行する当選確率を、他よりも高く設定することで、連チャン確率を効果的に抑制できる。
また、特定の開閉ラウンドでのみ進展領域を通過可能とした構成の場合に、該特定の開閉ラウンドを、極短い開放時間に設定することによって、前記連チャン確率を一層低く抑えることも可能である。
また、第二特別図柄の大当りに複数種類を設定し、各種大当り毎で、前記蓋部材の開放態様が異なるように設定することもできる。例えば、各大当りで、進展領域の開放回数や開放時間などを変えることが可能である。
また、第二特別図柄の連続抽選回数や連続大当たり回数に上限値を設定して、過度な連チャンを抑制するようにしても良い。
また、第二特別図柄の当否抽選によって、大当り、小当り、ハズレのいずれかが判定されるものとし、ハズレとなる確率を小当り確率よりも高く設定することによって、前記連チャン確率を抑制することも可能である。
【0110】
上述した実施例1,2の構成は、小当り遊技中に有利入賞口への入球によって確実に第二特別遊技が実行される構成としたが、これに限らず、有利入賞口への入球によっても第二特別遊技が実行されない場合があるようにしても良い。この場合には、例えば、有利入賞口への入球を契機として、当否抽選を行い、当りの場合にのみ第二特別遊技を実行するようにしても良いし、有利入賞口の内部に、所定確率で通過可能な通過領域を設け、該通過領域の遊技球通過によってのみ第二特別遊技を実行するようにしても良い。さらには、有利入賞装置を、有利入賞口に遊技球が入球し難い構成としても良い。こうした構成によれば、上記した連チャン確率を抑制することも可能である。
【0111】
上述した実施例1,2の構成にあって、第一始動記憶および/または第二始動記憶を消化前に当否判定する先読み判定手段を備えた構成とすることもできる。例えば、第二始動記憶の先読み判定手段を備えた構成において、保留中の第二始動記憶に大当りがある場合に、当該第二始動記憶を示す演出図柄127(
図18参照)を異なる態様(拡大表示や異なる色彩表示など)で表示することによって、遊技者に大当りの発生を事前報知する構成とすることができる。そして、かかる構成では、小当りを介した役物大当りの発生確率が低く設定されている場合に、該第二始動記憶の消化前から遊技者の期待感と喜悦感とを大きく刺激できるという効果を奏し得る。
【0112】
上述した実施例1,2の構成は、小当り遊技を実行する有利入賞装置を備えた構成であるが、これに限らず、該有利入賞装置を配設しない構成であっても良い。この場合には、例えば、小当りとなると、大入賞口の短時間開放(6秒など)を一回(又は二回)実行する小当り遊技を行い、該小当り遊技中に、進展領域を遊技球が通過すると、第二特別遊技が実行される構成とすることができる。又は、この小当り遊技中に大入賞口に入球すると、当否抽選して、当りの場合に第二特別遊技が実行される構成としても良い。
【0113】
上述した実施例1,2のパチンコ機1は、上述したように、一種二種混合機タイプの遊技機であり、一種タイプに近い構成のものであるが、これに限らず、二種タイプに近い構成のものとすることも可能である。この場合には、二種タイプと同様の大入賞口装置(大入賞口内の閉鎖作動領域に振分手段を備えたもの)が配設された構成とし、大入賞口内に流入した遊技球が振分部材によって進展領域を通過するか否かを、遊技者に楽しませることが可能である。かかる構成によれば、第一始動口への入球を契機とする大入賞口の開放では、大入賞口装置の閉鎖作動領域内の特定領域への遊技球入球による第一特別遊技の発生を目標とする遊技が行われ、第一特別遊技や第二特別遊技では、進展領域への通過による連チャンの発生を目標とする遊技が行われる。
さらに、実施例1,2の構成は、上記の混合機に限らず、一種の遊技機または二種の遊技機にも適用可能である。
前記一種の遊技機に適用した構成では、有利入賞装置の内部に確変口を備え、該確変口への入球率の高い当りが発生する確率を、第二特別図柄(第二始動記憶)による抽選で高く設定することによって、大入賞口装置による特別遊技後に、第二特別図柄による抽選を行えるか否かを遊技のポイントとする遊技性を有するものとできる。ここで、前記確変口は、遊技球の入球により特別遊技後に大当り確率を高確率する確変遊技を実行するという役割を有するものである。前記した確変口への入球率の高い当りは、有利入賞装置の開閉片の開閉パターン等により設定可能である。こうした構成では、例えば、非確変遊技時(低確率時)における第一特別図柄と第二特別図柄との当選確率を1/10程度に設定することで、第二始動記憶の保留記憶が四個あれば、大当りの可能性が十分にある遊技性とできる。
一方、前記二種の遊技機に適用した構成では、第一始動口への入球を契機とした抽選で小当りとなった場合に、大入賞口を一回開放すると共に、第二始動口への入球を契機とした小当りとなった場合に、大入賞口を二回開放する構成とすることができる。尚、この構成は、有利入賞装置を備えていない構成である。かかる構成によれば、第二始動口への入球により、特別遊技後に、大入賞口を二回開放する尾小当りが連続して発生し易くなるため、連続的に大当り(第二特別遊技)が発生し易い遊技性とできる。
【0114】
実施例1,2のパチンコ機1は、上皿55と下皿63とを備えた構成であるが、これに限らず、いわゆる封入式のパチンコ機であっても良い。封入式のパチンコ機は、内部に封入した所定個数の遊技球を循環させることによって遊技を行うものである。こうした封入式のパチンコ機に、上述の実施例1,2のいずれも適用可能であり、同様の作用効果を奏し得る。また、実施例1,2のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機であっても良い。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを不能とするものであり、主制御装置から枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)へ一方向にのみ通信可能とし、枠制御装置を介してのみホールコンピュータと通信可能な構成である。こうした管理遊技機に、上述した実施例1,2のいずれも適用可能であり、同様の作用効果を奏し得る。