特許第6643613号(P6643613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643613
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】コンデンサユニット
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/01 20060101AFI20200130BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20200130BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20200130BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   H03H7/01 A
   H01G2/02 101E
   H05K7/06 C
   H01R4/58 C
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-210372(P2015-210372)
(22)【出願日】2015年10月27日
(65)【公開番号】特開2017-85300(P2017-85300A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000242231
【氏名又は名称】北川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】谷水 友和
(72)【発明者】
【氏名】塩野 涼介
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/132459(WO,A1)
【文献】 特開2014−230452(JP,A)
【文献】 特開2001−143953(JP,A)
【文献】 実開昭55−115034(JP,U)
【文献】 特開2003−272975(JP,A)
【文献】 特開2011−096601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 1/00− 7/13
H01G 2/02− 2/10
H05K 7/02− 7/10
H01G 4/00− 4/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製筐体に収容された回路基板からの出力信号を出力するバスバーに接続され、前記出力信号に混入するノイズを低減するコンデンサユニットであって、
前記バスバーに固定される第1端子部と、
一方の端子が前記第1端子部に接続される容量部と、
前記容量部の他方の端子が接続される第2端子部と、
前記第2端子部に接続される台座部と、前記第1端子部の前記バスバーへの固定状態において前記金属製筐体の内壁に押圧され弾性変形して前記台座部を前記内壁に電気的に接続する弾性部とを有するコンタクト部と、を備えることを特徴とするコンデンサユニット。
【請求項2】
前記第1端子部は、前記バスバーの出力端子に挿通される螺合部材を挿通するための挿通孔を有することを特徴とする請求項1に記載のコンデンサユニット。
【請求項3】
前記第1端子部は、前記バスバーの出力端子に挿通される螺合部材に螺合される被螺合部を有することを特徴とする請求項1に記載のコンデンサユニット。
【請求項4】
前記第1端子部は、前記バスバーに固定される溶接部を有することを特徴とする請求項1に記載のコンデンサユニット。
【請求項5】
前記バスバーは、一方向に延設される形状をなし、
前記第1端子部、前記容量部、及び前記第2端子部は、前記バスバーの延設方向と平行な方向に向かって順番に配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のコンデンサユニット。
【請求項6】
金属製筐体に収容された回路基板からの出力信号を出力するバスバーに接続され、前記出力信号に混入するノイズを低減するコンデンサユニットであって、
容量部と、
前記容量部が実装され、前記バスバーと前記金属製筐体との間に前記容量部を接続する配線基板と、
前記配線基板を前記金属製筐体に接続するコンタクト部と、を備え、
前記配線基板は、前記バスバーの出力端子に挿通される螺合部材を挿通して前記バスバーを前記容量部の一方の端子に接続する挿通孔を有し、
前記コンタクト部は、前記容量部の他方の端子に接続される台座部と、前記螺合部材によって当該配線基板を前記バスバーに固定した状態において前記金属製筐体の内壁に押圧され弾性変形して前記台座部を前記内壁に電気的に接続する弾性部とを有することを特徴とするコンデンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示の技術は、金属製筐体に収納された回路基板からの出力信号を出力するバスバーに接続され、バスバーが伝達する出力信号に混入するノイズを低減するノイズ用コンデンサを有するコンデンサユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源やその他の電子機器から出力される出力電圧や出力信号には、電子機器等の動作周波数やその高調波周波数のノイズが混入する場合がある。こうしたノイズは、外部の電子機器に対して悪影響を及ぼす場合があり、必要に応じて低減することが要求される。例えば、自動車に搭載されたスイッチング電源から発生したノイズは、オーディオ信号などに重畳され視聴に悪影響を及ぼす、いわゆるラジオノイズとなる場合がある。これに対し、例えば、出力信号の出力経路として設けた導電バーを流れるノイズを除去するために、導電バーを磁性体コアに挿通してノイズフィルタを構成したものがある(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−93536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、スイッチング電源等を含む自動車の電気設備の回路設計は、シミュレーションによって行われるのが一般的であり、信号の伝搬経路においてノイズをどの程度まで抑えるべきなのかを設定しながら開発が進められる。その一方で、シミュレーションを何回も重ねて完成した製品を実測したノイズの値が、予めシミュレーションによって設定した値とマッチングしない場合がある。これは、例えば、自動車におけるノイズの伝搬経路は、複雑且つ多岐に亘るため、シミュレーションによる予想値と実測値が一致しないことが考えられる。この場合、開発者は、実測値に応じて例えばチョークコイルやコンデンサ等で形成されるLCフィルタの定数等を変更し、出力経路のノイズ特性の再調整を実施したい場合がある。
【0005】
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、金属製筐体に収納された回路基板の出力信号を出力するバスバーに対して機器内の設計を変形することなく、追加的に取り付けてノイズ特性を変更可能なコンデンサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される技術に係るコンデンサユニットは、金属製筐体に収容された回路基板からの出力信号を出力するバスバーに接続され、出力信号に混入するノイズを低減するコンデンサユニットであって、バスバーに固定される第1端子部と、一方の端子が第1端子部に接続される容量部と、容量部の他方の端子が接続される第2端子部と、第2端子部に接続される台座部と、第1端子部のバスバーへの固定状態において金属製筐体の内壁に押圧され弾性変形して台座部を内壁に電気的に接続する弾性部とを有するコンタクト部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
当該コンデンサユニットは、バスバーと金属製筐体との間に容量部を接続することで、出力信号に混入するノイズを低減する。コンデンサユニットの第1端子部は、バスバーに固定される。一方、コンタクト部の弾性部は、第1端子部の固定状態において、弾性変形して台座部を金属製筐体の内壁に電気的に接続する。コンデンサユニットは、バスバーと固定された状態でコンタクト部によって金属製筐体と接続できる。当該コンデンサユニットでは、1つのバスバーに対して複数の種類のコンデンサユニットや、複数個のコンデンサユニットを取り付けることが可能となる。このため、ノイズを実測した後であっても、バスバーに対してコンデンサユニットを追加的に接続可能となり、コンデンサユニットを変更等することで、ノイズの予想値と実測値とを一致させる又は極めて近似した値にすることが可能となる。即ち、設計上の拡張性を高めて、コンデンサユニットによって効果的にノイズの低減を図ることが可能となる。
【0008】
また、本願のコンデンサユニットにおいて、第1端子部は、バスバーの出力端子に挿通される螺合部材を挿通するための挿通孔を有する構成としてもよい。
【0009】
例えば、バスバーには、出力信号を入力する外部装置の入力端子と接続するための出力端子が設けられる。この出力端子は、螺合部材によって入力端子に固定される。この際に、コンデンサユニットの第1端子部の挿通孔に螺合部材を挿通させ、螺合部材によって第1端子部を出力端子等と固定する。このような構成では、バスバーの出力信号を出力するための出力端子を、コンデンサユニットを接続するための接続端子として併用することで、別途、バスバーに被螺合部等を設ける必要がなくなる。また、コンデンサユニットの有無に係わらず必要となる出力端子を接続部分として用いることで、コンデンサユニットを接続するための部位をバスバーに別途設ける必要がなく、バスバーの小型化、ひいては金属製筐体の小型化を図ることが可能となる。
【0010】
また、本願のコンデンサユニットにおいて、第1端子部は、バスバーの出力端子に挿通される螺合部材に螺合される被螺合部を有する構成としてもよい。
【0011】
当該コンデンサユニットでは、第1端子部を、螺合部材と被螺合部とによって、バスバーの出力端子に固定することが可能となる。このため、バスバーの出力端子に被螺合部を設けていない場合にも、コンデンサユニットを、螺合部材によって出力端子に固定することが可能となる。
【0012】
また、本願のコンデンサユニットにおいて、第1端子部は、バスバーに固定される溶接部を有する構成としてもよい。
【0013】
当該コンデンサユニットでは、溶接によって第1端子をバスバーに強固に固定することができ、バスバーとの良好な導通性を確保することが可能となる。
【0014】
また、本願のコンデンサユニットにおいて、バスバーは、一方向に延設される形状をなし、第1端子部、容量部、及び第2端子部は、バスバーの延設方向と平行な方向に向かって順番に配設される構成としてもよい。
【0015】
当該コンデンサユニットでは、第1端子部、容量部、及び第2端子部を、バスバーと平行に配設することで、金属製筐体内の省スペース化を図ることが可能となる。
【0023】
また、本願に開示される技術に係るコンデンサユニットは、金属製筐体に収容された回路基板からの出力信号を出力するバスバーに接続され、出力信号に混入するノイズを低減するコンデンサユニットであって、容量部と、容量部が実装され、バスバーと金属製筐体との間に容量部を接続する配線基板と、配線基板を金属製筐体に接続するコンタクト部と、を備え、配線基板は、バスバーの出力端子に挿通される螺合部材を挿通してバスバーを容量部の一方の端子に接続する挿通孔を有し、コンタクト部は、容量部の他方の端子に接続される台座部と、螺合部材によって当該配線基板をバスバーに固定した状態において金属製筐体の内壁に押圧され弾性変形して台座部を内壁に電気的に接続する弾性部とを有することを特徴とする。
【0024】
当該コンデンサユニットでは、バスバーと金属製筐体との間に容量部を接続することで、出力信号に混入するノイズを低減する。コンデンサユニットの配線基板は、挿通孔に螺合部材を挿通され、出力端子に対して固定される。配線基板は、挿通孔を介して、バスバー及び容量部に接続される。また、容量部は、コンタクト部の台座部に接続される。一方、コンタクト部の弾性部は、配線基板をバスバーに固定した状態において、弾性変形して台座部を金属製筐体の内壁に電気的に接続する。コンデンサユニットは、バスバーに配線基板を固定した状態でコンタクト部によって金属製筐体と接続できる。当該コンデンサユニットでは、1つのバスバーに対して複数の種類のコンデンサユニットや、複数個のコンデンサユニットを取り付けることが可能となる。このため、ノイズを実測した後であっても、バスバーに対してコンデンサユニットを追加、変更等することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本願に開示される技術に係るコンデンサユニットによれば、金属製筐体に収納された回路基板の出力信号を出力するバスバーに対して機器内の設計を変形することなく、追加的に取り付けてノイズ特性を変更すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係るコンデンサユニットを設けたフィルタモジュールを、スイッチング電源に接続した回路図である。
図2】第1実施形態のコンデンサユニットを、コネクタ収容部内に収容される出力端子及び入力端子に接続した状態を示す斜視図である。
図3図2の分解斜視図である。
図4】コンデンサユニットを下側後方から見た斜視図である。
図5図4のモールド部を取り除いた状態を示す斜視図である。
図6】コンデンサユニットの下面図である。
図7】第2実施形態のコンデンサユニットを、コネクタ収容部内に収容される出力端子及び入力端子に接続した状態を示す斜視図である。
図8】第2実施形態のコンデンサユニットを下側後方から見た斜視図であり、モールド部を取り除いた状態を示す図である。
図9】複数のチップコンデンサを接続した状態を示す斜視図である。
図10】第3実施形態のコンデンサユニットを、コネクタ収容部内に収容される出力端子及び入力端子に接続した状態を示す斜視図である。
図11図10の分解斜視図である。
図12】第4実施形態のコンデンサユニットを、コネクタ収容部内に収容される出力端子に接続した状態を示す斜視図である。
図13】第5実施形態のコンデンサユニットを、コネクタ収容部内に収容される出力端子及び入力端子に接続した状態を示す斜視図である。
図14】第5実施形態のコンデンサユニットの上面図である。
図15】第6実施形態のコンデンサユニットを、コネクタ収容部内に収容される出力端子及び入力端子に接続した状態を示す斜視図である。
図16】第6実施形態のコンデンサユニットを、下側後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明のコンデンサユニットの一実施形態である第1実施形態のコンデンサユニット10について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態のコンデンサユニット10を接続する対象であるフィルタモジュール13を、スイッチング電源15に接続した場合の回路図を示している。スイッチング電源15は、アルミダイカスト製などの金属製筐体17に収納されている。
【0028】
まず、図1を用いてフィルタモジュール13に関する電気的な作用効果を説明する。スイッチング電源15は、例えば、車載用の電源であり、ハイブリッド車あるいは電気自動車等が備えるメインバッテリー(不図示)から供給される駆動系の電源電圧VIN(例えば、DC244Vなど)の電圧値を降圧し、補機バッテリー19への電力供給を行う降圧型のスイッチング電源である。補機バッテリー19は、オーディオ機器、エアコン機器、照明機器などの車内電装機器に電源電圧(例えば、DC14Vなど)を供給する。
【0029】
スイッチング電源15は、電源電圧VINと接地電位GNDとの間に、パワートランジスタTとダイオードDとが直列に接続されている。スイッチング電源15は、パワートランジスタTとダイオードDと間の接続点Xから電力を供給する。スイッチング電源15は、パワートランジスタTのゲート端子に印加されるスイッチング信号SWに基づいて、所定のスイッチング周波数fでパワートランジスタTのオンオフ制御を行う。
【0030】
フィルタモジュール13は、接続点X1と出力端子VOとを接続するバスバー20を有する。バスバー20は、接続点X1と出力端子VOとを結ぶ出力電圧の経路を構成する。バスバー20には、チョークコイルL1が接続されている。また、バスバー20は、入力側の接続点と接地電位GNDとの間にコンデンサC0が接続されている。また、バスバー20の出力端子VOには、コンデンサユニット10のコンデンサC1が接続されている。これにより、フィルタモジュール13及びコンデンサユニット10は、コンデンサC0,C1及びチョークコイルL1を接続したπ型のフィルタとして構成されている。
【0031】
スイッチング電源15の接続点Xとフィルタモジュール13の接続点X1との間には、コイルL0が接続されている。パワートランジスタTのオン期間は、電源電圧VINからコイルL0に電力が供給され、コイルL0に電磁エネルギーが蓄積される。蓄積されたエネルギーは、パワートランジスタTのオフ期間に、ダイオードDからの電流によりフィルタモジュール13のコンデンサC0を含む出力側に放出される。スイッチング電源15では、これらの動作が所定のスイッチング周波数fで繰り返して行われる。
【0032】
スイッチング電源15では、負荷電流に応じた電流が、パワートランジスタTあるいはダイオードDを介して接続点Xに向かってスイッチング周波数fで交互に流れる。これにより、スイッチング電源15では、電源電圧VIN及び接地電位GNDの間において、負荷電流に応じた電流がスイッチング周波数fで断続して流れ、電流変動が生ずる。また、接続点Xの電位は、電源電圧VINと接地電位GNDとの間でスイッチング周波数fに応じて交互に切り替わる。従って、スイッチング電源15では、スイッチング動作による電流変動と電圧変動とが、スイッチング周波数f及びその高調波周波数のスイッチングノイズを発生させるノイズ源となる場合がある。こうしたスイッチングノイズは、例えば、信号経路や接地配線を介して回り込む伝導性ノイズや容量結合など空間を介して伝搬する誘導性ノイズとして接続点X1に伝搬する虞がある。
【0033】
上記したように、本実施形態のフィルタモジュール13は、コイルL0を介して接続点Xに接続されている。フィルタモジュール13及びコンデンサユニット10は、スイッチング電源15の動作に起因したスイッチング周波数fやその高調波周波数のノイズを低減する。ここで、スイッチング電源15におけるスイッチング周波数fは、出力電力の定格や回路を構成する素子の仕様などに応じて定められる。例えば、車載用のスイッチング電源では、数100kHzで動作するものがある。この場合、スイッチング周波数fやその高調波周波数が、車載AMラジオの周波数帯域(500〜1700kHz前後)に重なる虞がある。これに対し、本実施形態のフィルタモジュール13及びコンデンサユニット10は、接続点Xに接続され、これらの帯域のノイズが後段の機器に伝搬するのを抑制できる。
【0034】
また、本実施形態のコンデンサユニット10は、フィルタモジュール13のバスバー20の出力端子VOと、補機バッテリー19に直接又は間接的に接続されるバスバー23の入力端子VIとの2つの端子の接続点に接続されている。コンデンサユニット10は、出力端子VO及び入力端子VIの接続点と、接地電位GNDとの間にコンデンサC1が接続されている。コンデンサユニット10は、後述するように追加的に出力端子VO及び入力端子VIの接続点に接続可能な構成となっている。
【0035】
次に、コンデンサユニット10の形状・構造に関して説明する。図2は、図1に示すフィルタモジュール13の出力端子VOと補機バッテリー19に接続されるバスバー23の入力端子VIとの接続点にコンデンサユニット10を取り付けた状態を示している。なお、図2は、出力端子VO及び入力端子VIの接続部分のみを図示している。
【0036】
図2に示すように、金属製筐体17は、出力端子VO及び入力端子VIの接続部分を収納するためのコネクタ収容部21を有している。コネクタ収容部21は、断面が長方形をなす筒状に形成されている。コネクタ収容部21は、例えば、フィルタモジュール13及びスイッチング電源15を収納する箱型形状の金属製筐体17の一部から突出した部分で構成されている。
【0037】
出力端子VOは、一方向に長い矩形板状のバスバー20の先端部分に設けられている。同様に、入力端子VIは、一方向に長い矩形板状のバスバー23の先端部分に設けられている。バスバー20,23は、例えば、タフピッチ銅、アルミ等の金属材料で形成されている。以下の説明では、図2図6に示すように、バスバー20,23が延設される方向を前方後方、バスバー20,23の平面部分に対して垂直な方向を上下方向、前後方向及び上下方向に垂直な方向を左右方向と称して説明する。
【0038】
図2に示すように、バスバー20,23の左右方向の幅及び上下方向の厚さは、略同一となっている。また、コンデンサユニット10は、出力端子VO及び入力端子VIの接続点に対して右後方であって、バスバー20の右側に配置されている。
【0039】
図3は、図2の分解斜視図であって、コネクタ収容部21の上側壁部21A及び右側壁部21B(図2参照)を取り除き、下側壁部21C及び左側壁部21Dのみを示している。図2及び図3に示すように、出力端子VOの前方側の先端部には、上下方向から見た場合に環状をなす端子部31が形成されている。端子部31には、締結ボルト51の螺合部53を挿通するための円形の挿通孔33が上下方向に向かって貫通して形成されている。挿通孔33内には、例えば、螺合部53の雄ねじを螺合するための雌ねじ(被螺合部)が形成されている。
【0040】
また、入力端子VIの後方側の先端部には、上下方向から見た場合に環状をなす端子部41が形成されている。環状をなす端子部41の外径は、出力端子VOの端子部31の外径と同一の大きさとなっている。端子部41には、締結ボルト51の螺合部53を挿通するための円形の挿通孔43が上下方向に向かって貫通して形成されている。
【0041】
コンデンサユニット10は、接続部61と、モールド部63等を有している。接続部61は、金属製の板材であり、環状部61Aと、延設部61Bとを有する。接続部61は、導電性の良好な金属材料(例えば黄銅、銅等)で形成されている。環状部61Aは、端子部31及び端子部41と略同一の大きさの外径をなす環状に形成されている。環状部61Aには、締結ボルト51を挿通するための円形の挿通孔61Cが上下方向に向かって貫通して形成されている。環状部61Aは、上方の端子部41と下方の端子部31との上下方向の間に挟まれた状態で、締結ボルト51によって締結されている(図2参照)。延設部61Bは、環状部61Aの右側の側縁部から右側(径方向の外側)に向かって突出して形成された略矩形の板状をなしている。延設部61Bの後方側の一部は、モールド部63によってモールドされている。
【0042】
モールド部63は、前後方向に長く上下方向に薄い板状に形成されている。モールド部63の後方側の後端面63Aは、左右方向に沿って長い長方形状をなしている。図2に示すように、モールド部63は、前後方向に沿ってバスバー20,23と略平行な状態で取り付けられている。取り付けられたモールド部63は、左側面部63B(図4参照)をバスバー20の右側面20Aに当接した状態で取り付けられている。
【0043】
図4は、コンデンサユニット10を下側後方から見た斜視図である。また、図5は、図4におけるモールド部63を取り除いた状態を示している。図4及び図5に示すように、コンデンサユニット10は、上記した接続部61及びモールド部63の他に、第1金属板65と、第2金属板67と、チップコンデンサ69,71と、コンタクト部73とを有している。また、モールド部63には、チップコンデンサ69,71及びコンタクト部73の位置に合わせて形成され、下面に開口を有する開口部63Cが形成されている。
【0044】
第1金属板65及び第2金属板67は、導電性の良好な金属材料(例えば黄銅、銅等)で形成されている。図5に示すように、延設部61Bは、環状部61Aの右側の側縁部に連続して形成され、前後方向及び左右方向と平行な板状をなしている。第1金属板65は、延設部61Bの後方側に配置され、前後方向及び左右方向と平行な略正方形の板状をなしている。第1金属板65と延設部61Bとは、前後方向の間に所定の幅のスリット75を設けて離間した状態でモールド部63によってモールドされている。
【0045】
チップコンデンサ69は、スリット75の下方側において当該スリット75を跨がるように配置され、延設部61Bと第1金属板65とに接続されている。チップコンデンサ69は、一方の端子が延設部61Bの後方側の端部であって左右方向における中央部分に接続され、他方の端子が第1金属板65の前方側の端部に接続されている。チップコンデンサ69は、延設部61B及び第1金属板65に対して表面実装されることによって、リードを省略して接続距離を短くしてESL(等価直列インダクタンス)やESR(等価直列抵抗)の低減が図られている。
【0046】
第2金属板67は、第1金属板65の後方側に配置され、前後方向に長い略長方形の板状をなしている。第2金属板67と第1金属板65とは、前後方向の間に所定の幅のスリット77を設けて離間した状態でモールド部63によってモールドされている。チップコンデンサ71は、スリット77の下方側において当該スリット77を跨がるように配置され、第1金属板65と第2金属板67とに接続されている。チップコンデンサ71は、一方の端子が第1金属板65の後方側の端部に接続され、他方の端子が第2金属板67の前方側の端部であって左右方向における中央部分に接続されている。チップコンデンサ71は、第1金属板65及び第2金属板67に対して表面実装されている。
【0047】
また、チップコンデンサ69,71は、モールド部63の開口部63Cから露出した状態となっている(図4参照)。開口部63Cの内壁は、チップコンデンサ69等と所定の間隔を間に設けて離間している(図6参照)。これにより、チップコンデンサ69,71は、通電によって発生する熱を開口部63Cから放熱して温度上昇を軽減することが可能となる。
【0048】
コンタクト部73は、例えば、オンボードコンタクト(登録商標)であり、薄板状の金属部材を折り曲げ加工することで形成され、台座部81と、弾性部83と、接触部85とを有する。コンタクト部73の材料としては、例えば、チタン銅(JX日鉱日石金属株式会社製、ハイパーチタン銅など)、スズメッキ又は金属メッキにより表面処理されたステンレス,ベリリウム銅又はリン青銅を用いることができる。
【0049】
台座部81は、底部81Aと、左右方向で対向する一対の側壁部81Bとを有する。底部81Aは、板状をなし、第2金属板67の上面に固定され、電気的に接続されている。側壁部81Bは、底部81Aの左右方向の端部に連続して形成され、端部から上方に向かって延設されている。
【0050】
弾性部83は、底部81Aの後端から連続して形成され、後端から上方に向かった後、前方側上方に向かって湾曲し、さらに後方側上方に湾曲している。弾性部83は、左右方向から見た場合に、略S字形状をなしている。また、弾性部83は、側壁部81Bの左右方向の間に配置されている。また、図4に示すように、側壁部81B及び弾性部83の一部は、モールド部63の開口部63Cから下方に向かって突出している。
【0051】
図4及び図5に示すように、接触部85は、平坦部85Aと、左右方向で対向する一対の係合部85Bとを有する。平坦部85Aは、弾性部83の上方に配置されている。平坦部85Aは、弾性部83の湾曲した上端部に連続して形成され、前後方向及び左右方向と平行な板状をなしている。一対の係合部85Bの各々は、平坦部85Aの左右方向の端部に連続して形成され、端部から下方に向かって延設されている。
【0052】
台座部81の側壁部81Bには、係合孔81Cが形成されている。係合孔81Cは、側壁部81Bを左右方向に貫通して形成され、上下方向に長い略長方形状をなしている。係合部85Bの下端部は、係合孔81Cに係合されている。また、弾性部83は、平坦部85Aを下方に向かって付勢する。接触部85は、係合部85Bを係合孔81Cの上端部に係合させることで下方への移動を規制される。
【0053】
ここで、図2に示すように、バスバー20,23に取り付けられたコンデンサユニット10は、コンタクト部73の平坦部85Aを、コネクタ収容部21の下側壁部21Cの上面に当接させた状態となっている。コンデンサユニット10は、平坦部85Aを下側壁部21Cに接触させることで金属製筐体17と電気的に接続される。コンデンサユニット10は、金属製筐体17から接地電位GNDを供給される。また、取り付け作業において、コンデンサユニット10は、締結ボルト51を端子部31に螺合させるのにともなって下方へ移動する。弾性部83は、下側壁部21Cによって平坦部85Aを上方に向かって押圧されると弾性変形して反発力を発生させる。これにより、コンタクト部73は、弾性部83によって反発力を発生させ、平坦部85Aを下側壁部21Cに強く押し当てることで、良好な導通性を確保することが可能となる。
【0054】
上記した構成のコンデンサユニット10では、出力端子VO等と接地電位GND(コネクタ収容部21の下側壁部21C)との間に、2つのチップコンデンサ69,71が実装されていることとなる。この2つのチップコンデンサ69,71は、図1に示すコンデンサC1を構成している。
【0055】
図6は、コンデンサユニット10の下面図である。図4及び図6に示すように、モールド部63の左側面部63Bの前方側部分には、接続部61の環状部61Aの外周に沿って円弧部63Dが形成されている。円弧部63Dは、左側面部63Bから右側に向かって円弧状に湾曲して形成され、モールド部63の前端面63Eにおける左側端部に接続されている。
【0056】
開口部63Cは、チップコンデンサ69,71及びコンタクト部73を取り囲むように形成されている。開口部63C内には、チップコンデンサ69とチップコンデンサ71との前後方向の間に、左右方向と平行な方向に沿って第1連結部63Fが形成されている。第1連結部63Fは、下方から見た場合に、左右方向に長い長方形状をなしている。第1連結部63Fは、第1金属板65の下面おける前後方向の略中央部をモールドしている。第1連結部63Fの左右方向の両端部は、開口部63Cの内壁と一体形成されている。第1連結部63Fは、第1金属板65を下方から支持している。第1連結部63Fは、チップコンデンサ69,71の各々と、前後方向において所定の間隔を間に設けて離間している。第1連結部63Fの上下方向の高さは、チップコンデンサ69,71に比べて低くなっている(図4参照)。
【0057】
また、開口部63C内には、チップコンデンサ71とコンタクト部73との前後方向の間に、左右方向と平行な方向に沿って第2連結部63Gが形成されている。開口部63Cの左右方向の幅は、チップコンデンサ69,71を取り囲む開口の幅に比べて、コンタクト部73を取り囲む開口の幅を大きくして形成されている。第2連結部63Gは、その大きさの異なる開口の境界部分に形成され、下方から見た場合に、前方から後方に向かうに従って左右方向の幅を大きくする台形状をなしている。第2連結部63Gは、第2金属板67の下面をモールドし、第2金属板67を下方から支持している。第2連結部63Gの左右方向の両端部は、開口部63Cの内壁と一体形成されている。
【0058】
第2連結部63Gは、チップコンデンサ71及びコンタクト部73の各々と、前後方向において所定の間隔を間に設けて離間している。第2連結部63Gの上下方向の高さは、チップコンデンサ71に比べて低くなっている(図4参照)。上記したように第1連結部63F及び第2連結部63Gは、前後方向においてチップコンデンサ69等と離間することでチップコンデンサ69等から熱の伝達を軽減され、変形等を抑制しつつ第1金属板65等を下方から安定して支持することが可能となっている。
【0059】
また、モールド部63の右側面部63Hには、凹部63Jが形成されている。凹部63Jは、右側面部63Hにおける前後方向の中央部よりも前方側に寄った位置に形成され、上下方向から見た場合に、右側面部63Hから左側に向かって凹設された形状をなしている。
【0060】
図5及び図6に示すように、凹部63Jの前方側の内壁には、接続部61の金属片61Dが貫通して設けられている。金属片61Dは、延設部61Bの右側端部であって後方側端部に形成され、後方に向かって突出して形成されている。また、凹部63Jの左側の内壁には、第1金属板65の金属片65Aが貫通して設けられている。金属片65Aは、第1金属板65の右側端部であって前後方向の中央部に形成され、右側に向かって突出して形成されている。また、凹部63Jの後方側の内壁には、第2金属板67の金属片67Aが貫通して設けられている。金属片67Aは、第2金属板67の右側端部であって前方側端部に形成され、前方に向かって突出して形成されている。これらの金属片61D,65A,67Aの各々は、例えば、図6に破線で示す略T字形状の切断片87によって予め接続され、製造過程で切断片87を切断することで形成される部分である。
【0061】
上記した構成のコンデンサユニット10の製造は、例えば以下のような工程で行うことができる。(1)まず、打ち抜き加工等によって金属平板を打ち抜き、接続部61、第1金属板65、及び第2金属板67を切断片87(図6参照)によって互いに接続した部材を製造する。(2)次に、切断片87で接続された接続部61、第1金属板65及び第2金属板67の一部を、樹脂材料等の絶縁材料によりモールドして、モールド部63を形成する。モールド部63の材料としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂やPBT、PPSなどの熱可塑性樹脂を使用することができる。モールド部63には、チップコンデンサ69,71やコンタクト部73の位置に合わせて開口部63Cが形成される。接続部61等は、モールド部63でモールドすることによって、相対位置を固定される。また、接続部61等は、切断片87によって互いに接続されることで、モールドする前後において相対的な位置のずれを抑制される。
【0062】
(3)次に、チップコンデンサ69,71、コンタクト部73を、モールド部63の開口部63Cから挿入して半田付け等によって接続部61等に実装する。(4)その後、切断片87を分断することで、図2に示す金属片61D,65A,67Aを形成されたコンデンサユニット10を製造することができる。なお、上記した製造工程は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、チップコンデンサ69,71を、接続部61等に実装した後に、モールド部63を形成してもよい。
【0063】
因みに、上記実施形態において、スイッチング電源15は、回路基板の一例である。バスバー20は、バスバーの一例である。下側壁部21Cは、内壁の一例である。締結ボルト51は、螺合部材の一例である。接続部61は、第1端子部の一例である。第1金属板65及び第2金属板67は、第2端子部の一例である。チップコンデンサ69,71は、容量部の一例である。
【0064】
以上、詳細に説明したように、本願に開示される第1実施形態のコンデンサユニット10の接続部61は、締結ボルト51を挿通孔61Cに挿通させバスバー20,23に対して固定される。コンデンサユニット10は、締結ボルト51を端子部31に螺合させるのにともなって下方へ移動する。弾性部83は、下側壁部21Cによって平坦部85Aを上方に向かって押圧されると弾性変形する。コンデンサユニット10は、コンタクト部73を介して金属製筐体17から接地電位GNDを供給される。このような構成では、1つのバスバー20の出力端子VOに対して複数の種類のコンデンサユニット10や複数個のコンデンサユニット10を取り付けることが可能となる。このため、例えば、実際に、スイッチング電源15やフィルタモジュール13を製造してノイズを実測した後であっても、バスバー20に対してチップコンデンサ69,71を追加的に接続可能となり、コンデンサユニット10を変更等することで、ノイズの予想値と実測値とを一致させる又は極めて近似した値にすることが可能となる。
【0065】
また、コンデンサユニット10の有無に係わらず必要となる出力端子VOを接続部分として用いることで、コンデンサユニット10を接続するための部位をバスバー20に別途設ける必要がなく、バスバー20の小型化、ひいては金属製筐体17の小型化を図ることが可能となる。自動車分野においては、車内の居住空間を確保する観点や燃費向上のため自動車の軽量化を図る観点から、金属製筐体17の小型化が特に求められる。このため、追加的に接続可能で、且つバスバー20の変形等をともなわない本実施形態のコンデンサユニット10を、自動車等に適用することは極めて有効である。
【0066】
また、本実施形態のバスバー20は、前後方向と平行な方向に沿って延設された板状をなしている。図5に示すように、コンデンサユニット10は、その前後方向と平行な方向に沿って、接続部61、チップコンデンサ69、第1金属板65、チップコンデンサ71及び第2金属板67を順番に配置して構成されている。これにより、本実施形態のコンデンサユニット10では、接続部61等をバスバー20と平行に配設し上下方向の幅を抑えることで、金属製筐体17内の省スペース化を図ることが可能となっている。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明のコンデンサユニットの第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態のコンデンサユニット10Aを、出力端子VO及び入力端子VIに取り付けた状態を示している。図7は、コネクタ収容部21の上側壁部21A及び右側壁部21B(図2参照)を取り除き、下側壁部21C及び左側壁部21Dのみを示している。上記した第1実施形態のコンデンサユニット10では、コンタクト部73をコネクタ収容部21の下側壁部21Cに接続する構成であった。これに対し、第2実施形態のコンデンサユニット10Aは、コネクタ収容部21の左側壁部21Dにコンタクト部91を接続している点で、上記した第1実施形態と異なっている。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0068】
詳述すると、第2実施形態のコンデンサユニット10Aは、出力端子VO及び入力端子VIの接続点に対して左後方であって、バスバー20の左側に配置されている。図8は、コンデンサユニット10Aを上側後方から見た斜視図であり、モールド部63を取り除いた状態を示している。
【0069】
図7及び図8に示すように、コンデンサユニット10Aは、前後方向と平行な方向に沿って、延設部61B、チップコンデンサ69、第1金属板65、チップコンデンサ71及び第2金属板93を順番に配置して構成されている。第2実施形態の第2金属板93は、第1実施形態の第2金属板67に比べて前後方向の長さが短くなっており、左右方向に長い略長方形の板状に形成されている。第2金属板93には、左側の端部の上面にコンタクト部91が設けられている。第2実施形態のコンデンサユニット10Aは、コンタクト部91及び第2金属板93以外の部分については、第1実施形態のコンデンサユニット10を、バスバー20の左右方向の中央部を通り、前後方向と平行な直線を中心として180度回転させた構造となっている。
【0070】
コンタクト部91は、例えば、薄板状の金属部材を加工することで形成され、台座部95と、接触部97とを有する。モールド部63には、コンタクト部91の位置や形状に合わせた開口部63Kが形成されている(図7参照)。台座部95は、略箱型の形状をなしている。台座部95の下側の端面は、第2金属板93の上面に半田付け等によって固定され、電気的に接続されている。また、台座部95は、左側から右側に押圧されると弾性変形して反発力を発生させる構造となっている。
【0071】
接触部97は、台座部95の左側の端面に設けられている。接触部97は、板状をなし、台座部95の左側の端面における下方側から左側上方へ向かって一定の傾きをもって形成され、左側の端部で折り返して右側に向かって折り曲げ加工されている。台座部95の左側端面には、上下方向に貫通した貫通孔を有する被係合部95A(図9参照)が設けられている。接触部97の折り返された先端部は、この被係合部95Aに上方側から差し込まれて係合されている。
【0072】
ここで、コンデンサユニット10Aを出力端子VO等に取り付ける際には、例えば、コンタクト部91は、接触部97の左側端部をコネクタ収容部21の左側壁部21Dに接触させた状態で配置される。台座部95は、左側壁部21Dによって接触部97を右側に押圧されると反発力を発生させ、接触部97を左側壁部21Dに強く押し当てることで、良好な導通性を確保する。また、コンデンサユニット10Aは、締結ボルト51を端子部31に螺合させるのにともなって下方へ移動する。接触部97は、左側壁部21Dとの摩擦によって上方へ撓む、一方で折り返した先端部を被係合部95A内により深く挿入させ強く係合される。このような構成の第2実施形態のコンデンサユニット10Aにおいても、第1実施形態のコンデンサユニット10と同様に、金属製筐体17内の省スペース化を図ることが可能となる。
【0073】
また、上記した第1実施形態及び第2実施形態では、コンデンサユニット10,10Aの各々を、出力端子VO及び入力端子VIの接続点に1つだけ接続したが、これに限らず、複数のコンデンサユニット10,10Aを接続してもよい。例えば、図9は、4つのコンデンサユニット10,10A,10B,10Cを、出力端子VO等に接続した状態を示している。
【0074】
図9に示すコンデンサユニット10は、第1実施形態のコンデンサユニット10と同様の構成であり、コンタクト部73をコネクタ収容部21の下側壁部21Cに接続されている。また、コンデンサユニット10Aは、第2実施形態のコンデンサユニット10Aと同様の構成であり、コンタクト部91を左側壁部21Dに接続されている。
【0075】
コンデンサユニット10Aの前方側に配置されたコンデンサユニット10Bは、コンデンサユニット10と同様の構成であり、コンタクト部(図視略)を下側壁部21Cに接続されている。また、コンデンサユニット10の前方側に配置されたコンデンサユニット10Cは、コンデンサユニット10Aと同様の構成であり、コンタクト部91を右側壁部21B(図2参照)に接続されている。また、4つのコンデンサユニット10,10A,10B,10Cの各々の環状部61Aは、端子部41と端子部31(図3参照)との上下方向の間に挟まれている。このため、端子部41と端子部31との上下方向の間には、4つの環状部61Aが挟持されている。このような構成では、出力端子VO及び入力端子VIと、接地電位GNDとの間に、4つのコンデンサユニット10,10A,10B,10Cが並列に接続された状態となる。換言すれば、4組のチップコンデンサ69,71(合計8個のチップコンデンサ)の各々が、出力端子VO等と接地電位GNDとの間に並列に接続された状態となる。
【0076】
上記したように、コンデンサユニット10等は、1つのバスバー20の出力端子VOに対して複数の種類のコンデンサユニット10や複数個のコンデンサユニット10を取り付けることが可能となる。このため、コンデンサユニット10,10Aを用いて、ノイズの予想値と実測値とを一致させる又は極めて近似した値にすることが可能となる。
【0077】
(第3実施形態)
次に、本発明のコンデンサユニットの第3実施形態について説明する。図10は、第3実施形態のコンデンサユニット10Dを、出力端子VO及び入力端子VIに取り付けた状態を示している。図11は、図10の分解斜視図である。上記した第1及び第2実施形態のコンデンサユニット10,10Aは、端子部31と端子部41との上下方向の間に環状部61Aを挟持される構成であった。これに対し、第3実施形態のコンデンサユニット10Dは、端子部31の下方に配置され締結ボルト51に螺合されるかしめナット101を有する点で、上記各実施形態と異なっている。なお、以下の説明では、第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0078】
図10及び図11に示すように、かしめナット101は、環状部61Aの下方に設けられ、ナット本体部103と、圧入部105とを有する。ナット本体部103は、締結ボルト51の螺合部53を螺合するための被螺合部103A(例えば、雌ねじ)が形成されている。圧入部105は、ナット本体部103の上面に形成されている。圧入部105には、環状部61Aの挿通孔61Cの内径に比べて若干大きい環状の段差部分が形成されている。かしめナット101は、例えば、圧入部105の段差部分を環状部61Aの下方から挿通孔61C内へ圧入させることで、接続部61に対して固定される。そして、コンデンサユニット10Dは、端子部31の挿通孔33及び端子部41の挿通孔43の位置に挿通孔61Cの位置を合わせた状態で、且つコンタクト部91を左側壁部21Dに接触させた状態で、締結ボルト51を被螺合部103Aに螺合することによって端子部31等に対して固定される。
【0079】
上記したように、第3実施形態のコンデンサユニット10Dは、接続部61の環状部61Aとバスバー20,23とを、締結ボルト51とかしめナット101とによって上下方向から挟持して互いに固定することが可能となる。このため、出力端子VOや入力端子VIに被螺合部を設けていない場合にも、コンデンサユニット10Dを、締結ボルト51によって出力端子VO等に固定することが可能となる。
【0080】
(第4実施形態)
次に、本発明のコンデンサユニットの第4実施形態について説明する。図12は、第4実施形態のコンデンサユニット10Eを、出力端子VO及び入力端子VIに取り付けた状態を示している。上記したコンデンサユニット10等は、締結ボルト51によって螺合し端子部31及び端子部41に接続される構成であった。これに対し、第4実施形態のコンデンサユニット10Eは、フィルタモジュール13(図1参照)のバスバー20の平坦部分に溶接によって固定されている点で、上記各実施形態と異なっている。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0081】
図12に示すように、第4実施形態のコンデンサユニット10Eは、バスバー20の上面20Bに接続部121を接続されている。接続部121は、延設部121Aと、バスバー20に接続される溶接部121Bとを有する。
【0082】
延設部121Aは、第1実施形態の延設部61Bと同様に、上下方向から見た場合に、略矩形の板状をなしている。延設部121Aは、チップコンデンサ69(図4参照)に接続され、その一部をモールド部63によってモールドされている。溶接部121Bは、延設部121Aの左側端部に連続して形成された円板形状をなしている。即ち、上記各実施形態の環状部61Aとは、異なり、接続部121の溶接部121Bには、挿通孔61Cを形成していない。また、溶接部121Bの下面の中央部には、下方に向かって突出したプロジェクション121Cが形成されている。溶接部121Bは、例えば、バスバー20の上面20Bにプロジェクション121Cを圧着させた状態で通電されることによって、プロジェクション121Cを溶融させてバスバー20に対して固定される。
【0083】
なお、接続部121を、バスバー20を溶接する方法は、上記したプロジェクション溶接に限らず、スポット溶接等の他の溶接方法を用いてもよい。また、抵抗溶接に限らず、超音波溶接等を用いてもよい。また、接続部121をバスバー20に固定する方法は溶接に限らず、半田付けや導電性の接着剤等を用いて固定する方法でもよい。
【0084】
本実施形態のコンデンサユニット10Eでは、上記各実施形態と同様に、1つのバスバー20に対して複数の種類のコンデンサユニット10Eや、複数個のコンデンサユニット10Eを取り付けることが可能となる。このため、ノイズを実測した後であっても、バスバー20に対してコンデンサユニット10Eを追加、変更等することが可能となる。
【0085】
(第5実施形態)
次に、本発明のコンデンサユニットの第5実施形態について説明する。図13は、第5実施形態のコンデンサユニット10Fを、出力端子VO及び入力端子VIに取り付けた状態を示している。図14は、コンデンサユニット10Fの上面図である。第5実施形態のコンデンサユニット10Fは、チップコンデンサ69,71を実装した金属箔131(「可撓性を有する導電平板」の一例)を、熱収縮チューブ133によって被覆した構成となっている。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。また、コンデンサユニット10Fは、図13に示す状態では、上下方向の高低差に応じて湾曲して示されているが、図14に示す状態で紙面の上下方向に沿って伸ばした状態で図示されている。
【0086】
コンデンサユニット10Fは、平板状をなし、出力端子VOと入力端子VIの接続点から右側に向かって配設され、コネクタ収容部21の下側壁部21Cに接続されている。コンデンサユニット10Fは、接続点から下方に向かって配設された後、右側に向かって湾曲し左右方向と平行な方向に向かって配設された後、下方に向かって湾曲している。このため、図13に示す状態では、コンデンサユニット10Fは、前後方向から見た場合に、略S字形状に湾曲している。
【0087】
図13及び図14に示すように、コンデンサユニット10Fは、金属箔131の他に、2つのチップコンデンサ69と、2つのチップコンデンサ71と、モールド部143(「保護部材」の一例)とを有する。また、金属箔131は、第1接続部135と、第2接続部137と、2つの金属板139とを有する。金属箔131は、例えば、厚さ0.1mmのタフピッチ銅などの薄い金属部材である。
【0088】
第1接続部135は、端子部31(図3参照)に螺合される締結ボルト51を挿通するための挿通孔135Aを有する。また、第1接続部135には、挿通孔135Aを中央部に形成された環状部分の外周部分から径方向の外側に向かって、延設部135Bが形成されている。延設部135Bは、図14における上下方向に向かって延設された矩形状をなしている。延設部135Bの端部(図14における下端部)には、延設方向と直交する方向(図14における左右方向)と平行な方向に沿って2つのチップコンデンサ69が実装されている。
【0089】
金属板139は、延設部135Bとの間に所定の間隔を設けて配置され、2つのチップコンデンサ69を実装されている。2つのチップコンデンサ69の各々は、一方の端子を延設部135Bに接続され、他方の端子を金属板139に接続されている。
【0090】
第2接続部137は、第1接続部135と同様の構成をなし、締結ボルト141を挿通するための、挿通孔137Aを有している。第2接続部137は、挿通孔137Aに上方から挿通させた締結ボルト141によって、コネクタ収容部21の下側壁部21Cに対して固定されている(図13参照)。また、第2接続部137の延設部137Bは、挿通孔137Aを中央部に形成された環状部分の外周部分から、図14における上下方向に向かって延設された矩形状をなしている。延設部137Bの端部(図14における上端部)には、延設方向と直交する方向(図14における左右方向)と平行な方向に沿って2つのチップコンデンサ71が実装されている。
【0091】
金属板139は、延設部137Bとの間に所定の間隔を設けて配置され、2つのチップコンデンサ71が実装されている。2つのチップコンデンサ71の各々は、一方の端子を延設部137Bに接続され、他方の端子を金属板139に接続されている。これにより、コンデンサユニット10Fでは、締結ボルト51及び締結ボルト141により固定されることで、出力端子VOと接地電位GNDとの間に、4個のチップコンデンサ69,71が実装されていることとなる。この4個のチップコンデンサ69,71は、直列接続される2つのチップコンデンサ69,71を1組として、2組のチップコンデンサ69,71が並列に実装されている。
【0092】
モールド部143は、延設部135Bのチップコンデンサ69を実装する端部と、延設部137Bのチップコンデンサ71を実装する端部とをモールドしている。また、モールド部143は、図14における上下方向及び左右方向からチップコンデンサ69,71を取り囲むように形成されている。従って、チップコンデンサ69,71の上面は、モールド部143に覆われておらず、後述する熱収縮チューブ133に被覆されている。モールド部143の材料としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂やPBT、PPSなどの熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0093】
熱収縮チューブ133は、延設部135B、チップコンデンサ69,71、金属板139、モールド部143、及び延設部137Bを被覆している。コンデンサユニット10Fは、熱収縮チューブ133を周回させた後、当該熱収縮チューブ133を熱収縮させることで、チップコンデンサ69等を被覆する。チップコンデンサ69等は、熱収縮チューブ133に被覆されることによって外部の素子と絶縁される。熱収縮チューブ133の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニルやシリコーンゴムを用いることができる。
【0094】
上記した第5実施形態のコンデンサユニット10Fにおいても、第1実施形態のコンデンサユニット10と同様に、バスバー20に対してコンデンサユニット10Fを追加、変更等することが可能となる。また、金属製筐体17の形状や接地端子の位置等に合わせて金属箔131を屈曲させ、バスバー20,23と金属製筐体17とを接続することができる。
【0095】
また、モールド部143は、延設部135B,137B及びチップコンデンサ69,71の一部をモールドしている。ここで、チップコンデンサ69,71と延設部135B,137Bとの接続部分やチップコンデンサ69,71には、金属箔131を折り曲げた際に、折り曲げにともなう曲げ応力等が付与される虞がある。これに対し、本実施形態のコンデンサユニット10Fでは、モールド部143によって折り曲げにともなう負荷を軽減することが可能となる。なお、チップコンデンサ69,71等を保護する方法としては、樹脂によるモールドに限らない。例えば、ガラスエポキシ基板にチップコンデンサ69,71を実装し、実装したガラスエポキシ基板の配線を延設部135B,137Bに半田付け等で接続することで、チップコンデンサ69,71を外力から保護してもよい。
【0096】
(第6実施形態)
次に、本発明のコンデンサユニットの第6実施形態について説明する。図15は、第6実施形態のコンデンサユニット10Gを、出力端子VO及び入力端子VIに取り付けた状態を示している。図16は、コンデンサユニット10Gを、下側の後方から見た斜視図である。第6実施形態のコンデンサユニット10Gは、チップコンデンサ69,71及びコンタクト部73を実装した配線基板151を備える構成となっている。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0097】
コンデンサユニット10Gは、左右方向の中央部に、締結ボルト51を挿通するための挿通孔151Aを有する(図16参照)。図15に示す状態では、コンデンサユニット10Gは、挿通孔151Aに上方から締結ボルト51を挿通した状態で左右方向の中央部を出力端子VOに固定されており、左右方向と平行な方向に沿って配設されている。
【0098】
配線基板151の下面には、左右方向の中央部に配線パターン151Bが設けられている。配線パターン151Bは、挿通孔151Aの開口を取り囲む環状に形成されている。配線パターン151Bは、締結ボルト51によってコンデンサユニット10Gを出力端子VO等に対して固定した状態では、入力端子VIの上面に押し当てられた状態となる。これにより、配線パターン151Bは、出力端子VO及び入力端子VIと電気的に接続される。
【0099】
配線基板151は、左右方向に長い矩形板状をなしている。配線基板151は、例えば、ガラスエポキシ基板である。配線基板151の左右方向の各々の端部には、コンタクト部73が設けられている。コンタクト部73の各々は、配線基板151の表面に設けられた配線パターン151Cに接続されている。コンタクト部73は、半田付け等により底部81Aを配線パターン151Cに接続され、下方に向かって立設した状態で配線基板151に対して固定されている。図15に示すように、出力端子VOに取り付けられたコンデンサユニット10Gは、各コンタクト部73の平坦部85Aをコネクタ収容部21の下側壁部21Cに当接させた状態となっている。
【0100】
コンデンサユニット10Gは、平坦部85Aを下側壁部21Cに接触させることで、金属製筐体17から接地電位GNDが供給される。また、取り付け作業において、コンデンサユニット10Gは、締結ボルト51を端子部31(図3参照)に螺合させるのにともなって下方へ移動する。弾性部83は、下側壁部21Cによって平坦部85Aを上方に向かって押圧されると弾性変形して反発力を発生させる。これにより、コンタクト部73は、弾性部83によって反発力を発生させ、平坦部85Aを下側壁部21Cに強く押し当てることで、良好な導通性を確保することが可能となる。
【0101】
挿通孔151Aと右側のコンタクト部73との左右方向の間には、4つのチップコンデンサ69,71が実装されている。同様に、挿通孔151Aと左側のコンタクト部73との左右方向の間には、4つのチップコンデンサ69,71が実装されている。挿通孔151Aに設けられた配線パターン151B、チップコンデンサ69,71、及び配線パターン151Cは、配線基板151内に配設された配線パターンによって電気的に接続されている。
【0102】
これにより、配線基板151は、締結ボルト51により固定されることで、出力端子VOと接地電位GNDとの間に、合計で8個のチップコンデンサ69,71が実装されている。この8個のチップコンデンサ69,71は、直列接続される2つのチップコンデンサ69,71を1組として、4組のチップコンデンサ69,71が並列に実装されていることとなる。このような構成の第6実施形態のコンデンサユニット10Gにおいても、第1実施形態のコンデンサユニット10と同様に、バスバー20に対してコンデンサユニット10Gを追加、変更等することが可能となる。
【0103】
なお、本願に開示される技術は上記各実施形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、コンデンサユニット10等は、複数のチップコンデンサ69,71を備えたが、1つのチップコンデンサ69を備える構成でもよい。
また、第1実施形態においてコンデンサユニット10を、スイッチング電源15とは別に設けたフィルタモジュール13の後段に接続することで、フィルタモジュール13とπ型フィルタを構成したが、これに限らない。例えば、コンデンサユニット10を、スイッチング電源15に直接接続し、スイッチング電源15の基板上に実装されたフィルタ回路に容量を追加する目的で使用してもよい。
また、第1実施形態等では、締結ボルト51を端子部31に螺合して端子部41を上下方向で挟持する構成であったが、これに限らない。例えば、端子部41を端子部31の下方に配置し、挿通孔43に設けた雌ねじ(被螺合部)に締結ボルト51を締結し、締結ボルト51と端子部41とで端子部31を挟持してもよい。この場合、挿通孔33に設けた雌ねじ(被螺合部)を、なくしてもよい。
【0104】
また、モールド部63は、チップコンデンサ69,71の一部を露出させる開口部63Cを備えたが、これに限らず、チップコンデンサ69,71の全体をモールドする構成でもよい。
また、第3実施形態において、コンデンサユニット10Dは、環状部61Aに対してかしめて取り付けない、即ち、通常のナットを備えてもよい。
また、第3実施形態において、コンデンサユニット10Dは、被螺合部としてかしめナット101を備えたが、これに限らない。例えば、コンデンサユニット10Dは、接続部61に厚みをもたせて、挿通孔61C内に被螺合部(雌ねじなど)を備えてもよい。
また、第5実施形態において、コンデンサユニット10Fは、バスバー20の平坦部に溶接によって固定される構成でもよい。
また、上記実施形態における各部材の形状や数等は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、バスバー20,23は、板状に限らず、例えば、円柱形状でもよい。
次に、上記各実施形態の内容から導き出される技術的思想について記載する。
(1)本願に開示される技術に係るコンデンサユニットは、金属製筐体に収容された回路基板からの出力信号を出力するバスバーに接続され、出力信号に混入するノイズを低減するコンデンサユニットであって、容量部と、バスバーと金属製筐体との間に容量部を接続する可撓性を有する導電平板と、を備えることを特徴とする。
当該コンデンサユニットでは、可撓性を有する導電平板に容量部が設けられている。導電平板によってバスバーと金属製筐体との間に接続された容量部は、出力信号に混入するノイズを低減する。コンデンサユニットは、バスバーと固定された状態で可撓性を有する導電平板を屈曲等させ金属製筐体と接続できる。
例えば、金属製筐体の形状や金属製筐体に設けられた接地端子の位置等に合わせて導電平板を屈曲させ、バスバーと金属製筐体とを接続することができる。あるいは、導電平板を屈曲させて、金属製筐体内の各素子との干渉を回避しつつ、バスバーと金属製筐体とを接続することができる。また、当該コンデンサユニットでは、1つのバスバーの出力端子に対して複数の種類のコンデンサユニットや、複数個のコンデンサユニットを取り付けることが可能となり、ノイズの予想値と実測値とを一致させる又は極めて近似した値にすることが可能となる。
(2)また、本願のコンデンサユニットにおいて、導電平板の表面の少なくとも一部と容量部とを被覆する熱収縮チューブを備える構成としてもよい。
当該コンデンサユニットでは、導電平板とコンデンサユニットとを熱収縮チューブで被覆することで、他の部材と絶縁することが可能となる。
(3)また、本願のコンデンサユニットにおいて、容量部を保護する保護部材を備える構成としてもよい。
コンデンサユニットをバスバーに取り付ける際に、導電平板は、自由に折り曲げることが可能である。その一方で、容量部と導電平板との接続部分や容量部には、導電平板を折り曲げた際に、折り曲げにともなう曲げ応力等が付与される虞がある。これに対し、当該コンデンサユニットでは、保護部材によって、折り曲げにともなう容量部に付与される負荷を軽減することが可能となる。
【符号の説明】
【0105】
10A〜10G コンデンサユニット、15 スイッチング電源、17 金属製筐体、20 バスバー、51 締結ボルト、61 接続部、61C 挿通孔、65 第1金属板、67 第2金属板、69,71 チップコンデンサ、73 コンタクト部、81 台座部、83 弾性部。
図1
図2
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図4
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図10
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図16