特許第6643736号(P6643736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643736
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/052 20100101AFI20200130BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20200130BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20200130BHJP
   H01M 2/14 20060101ALI20200130BHJP
   H01M 2/18 20060101ALI20200130BHJP
   H01M 2/16 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   H01M10/052
   H01M10/0585
   H01M4/13
   H01M2/14
   H01M2/18 Z
   H01M2/16 P
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-565947(P2017-565947)
(86)(22)【出願日】2016年6月13日
(65)【公表番号】特表2018-519636(P2018-519636A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】KR2016006251
(87)【国際公開番号】WO2016204467
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2018年3月20日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0086922
(32)【優先日】2015年6月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515064940
【氏名又は名称】ルートジェイド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,イン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,テク ジュ
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0102379(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0034974(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0105272(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0044536(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0033547(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0113184(US,A1)
【文献】 特開2012−209072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/052
H01M 10/0585
H01M 4/13
H01M 2/14
H01M 2/18
H01M 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のポケッティング正極体と負極体が交互に積層された電極組立体を含む二次電池において、
前記電極組立体には、陰刻で陥没した空間部が形成され、
前記空間部には、電子機器の突出部が挿入され
前記ポケッティング正極体は、
正極活物質であるリチウムまたはリチウム金属複合酸化物のコーティング層および無垢突出部を有し、第1貫通孔が形成された正極板;
前記無垢突出部だけを露出させながら前記正極板の両面を被覆する一対の分離膜;および
前記正極板の外周の全体または外周の一部に沿って、前記一対の分離膜の間に位置し、前記一対の分離膜に接着されるフィルム部;を含み、
前記フィルム部は、
前記正極板の外周の全体または外周の一部に沿って、前記一対の分離膜の間に位置し、前記一対の分離膜に接着される第1絶縁性部材;および
前記第1貫通孔を形成する前記正極板の内周の全体または内周の一部に沿って、前記一対の分離膜の間に位置し、前記一対の分離膜に接着される第2絶縁性部材;を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
【請求項2】
前記フィルム部は、
前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材とを互いに連結する連結部材を含むことを特徴とする、請求項記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項3】
前記連結部材の両端は、前記第1絶縁性部材の内周部分の少なくとも一部と、前記第2絶縁性部材の外周部分の少なくとも一部とにそれぞれ連結されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項4】
前記正極板には、前記連結部材が収容され得る切開部が形成されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項5】
前記負極体は、
リチウムを吸蔵、放出できる炭素質負極活物質コーティング層および無垢突出部を有する負極板を含み、
前記負極体の負極板には、前記第1貫通孔と対応して連通される第2貫通孔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項6】
前記電極組立体の最下端に配置された負極体の負極板には、前記第2貫通孔が選択的に形成されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項7】
前記一対の分離膜中で前記正極板の第1貫通孔と対応する部位は、前記第2絶縁性部材の内側面と接着され、前記電極組立体の最下端に配置される負極体の負極板の表面に接着されるように加熱加圧されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項8】
前記電極組立体に形成された空間部は、
前記第1貫通孔に収容された前記第2絶縁性部材の内側面と、前記第2貫通孔を形成する負極板の内側面により孔の形状に形成されるか、前記第1貫通孔に収容された前記第2絶縁性部材の内側面と、前記第2貫通孔を形成する負極板の内側面、および前記電極組立体の最下端に配置される負極板の上面により溝の形状に形成されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項9】
前記一対の分離膜と向かい合う前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および連結部材の両面には、それぞれ接着物質が塗布されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項10】
前記一対の分離膜のいずれか一つの分離膜には、前記第1絶縁性部材が置かれる位置決め部が表示されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項11】
前記第1絶縁性部材には、前記正極板の無垢突出部が収容され得る収容部が形成されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項12】
前記一対の分離膜と向かい合う前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および前記連結部材の両面には、それぞれ接着物質が塗布されることを特徴とする、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項13】
前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および前記連結部材は、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、フルオロカーボン樹脂フィルム、ABSフィルム、ポリアクリル系フィルム、アセタール系フィルム、ポリカーボネートフィルムで構成された群から選択されたいずれか一つを含む、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項14】
前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および前記連結部材は、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアセテート、エチレンアクリリックアシッド系化合物、アイオノマー系化合物、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラールで構成された高温溶融型接着物質群から選択されたいずれか一つの接着成分を含む、請求項12に記載のリチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、具体的には、二次電池が収納または装着される電子機器内の収納空間を最大限活用して電池の性能を極大化させることができるように構成されたリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カムコーダ、ノートパソコンなどの携帯用電子機器市場が拡大され、多様化するにつれ、再充電が可能な電源供給用二次電池への需要も拡大されている。携帯用電子機器の小型化、軽量化、高性能化および多機能化は、電源に用いられる二次電池のエネルギー貯蔵密度の継続的な向上を要求している。従って、これを満たすための長年の研究の結果、現在、リチウムの可逆的な挿入、放出が可能な炭素負極と、リチウムの可逆的な挿入、放出が可能な正極物質を採用したリチウムイオン二次電池が登場した。
【0003】
前記リチウムイオン二次電池は、既存のニッケル−カドミウムおよびニッケル−水素のような水溶液系二次電池と比較した場合、単位重量当たりのエネルギー密度および充放電寿命が相対的に大きいため、近年、携帯用電子機器の新たなエネルギー源として急速に既存の電池を代替している。しかし、携帯用電子機器の急速な発展と多角化に伴い、さらに高いエネルギー密度と様々な規格の電池選択への要求が急増しているが、現在、リチウムイオン二次電池は、このような要求を満たしてはいない実情である。
【0004】
特に、電子機器の急速な薄型化と小型化は、薄厚の薄型リチウムイオン二次電池への需要を急速に拡大させているのに対し、既存の円筒形や角形リチウムイオン二次電池の組み立て方法をそのまま採用した場合、薄型化に伴う体積当たりのエネルギー密度の下落が過度に大きい方である。従って、体積当たりのエネルギー密度が高い薄型リチウムイオン二次電池の開発は、様々な携帯用電子機器の小型化、軽量化、薄型化をなすのに必須であると判断される。
【0005】
従って、本出願人は、このような問題を解決するために、ポケッティング電極体を用いた二次電池を開発しており、本出願人により出願されて登録された韓国登録特許第10−1168651号公報(特許文献1)および韓国登録特許第10−0337707号公報(特許文献2)には、ポケッティング電極体を用いたリチウムイオン二次電池および製造技術が開示されている。
【0006】
前記先行特許は、前記の問題点をある程度解決したが、ポケッティング電極体を用いたリチウムイオン二次電池は、コイン(coin)型、ボタン(button)型等の扁平型またはパウチ形態などの外装ケースが典型的な形状に製造されることが一般的であるため、二次電池が用いられる電子機器の形状や形態が変われば、典型的な形状の二次電池が使用できないという問題点は依然として残っている。
【0007】
近年、電子機器のデザインは、消費者の選択基準の大きな比重を占めるため、近年は、洗練された綺麗な形状の曲面型電子機器が多く発売されている実情である。
【0008】
しかし、既存の二次電池が前記曲面型電子機器や、または、電子部品によって必然的に凹凸部空間が形成される電子機器に収納される場合、電子機器内の二次電池収納空間に前記二次電池が満たせない残余空間が残っているようになる。
【0009】
また、二次電池が収容されるケースの内面に突出部が形成されている場合に、前記突出部により二次電池が収納され得る空間が減って、結局、前記収納空間を正しく活用できない場合が発生する。
【0010】
これによって、既存の二次電池は、前記収納空間の残余空間を効率的に活用できないため、電池容量や使用時間の面で曲面型電子機器や凹凸部空間または突出部により形成される空間を有する電子機器に適用されるには満足できる水準に達していない。
【0011】
従って、本出願人は、前記収納空間の残余空間を効率的に活用して二次電池の電池容量や使用時間を増やすことができ、二次電池が用いられる電子機器の形態に対する制約を減らすことができる形態と構造を有するよう、本発明を提案するようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1168651号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−0337707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記のような問題点を解決するためのものであって、電子機器の電池収納空間を最大限活用して二次電池の性能を低下させないリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【0014】
また、本発明は、二次電池が用いられる電子機器の形態の制約を最小化できるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、複数個のポケッティング正極体と負極体が交互に積層された電極組立体を含む二次電池であって、前記電極組立体には、陰刻で陥没した空間部が形成され、前記空間部には、電子機器の突出部が挿入され得る。
【0016】
また、前記ポケッティング正極体は、正極活物質であるリチウムまたはリチウム金属複合酸化物のコーティング層および無垢突出部を有し、第1貫通孔が形成された正極板;前記無垢突出部だけを露出させながら前記正極板の両面を被覆する一対の分離膜;および、前記正極板周り全体または周りの一部で前記一対の分離膜の間に位置し、前記一対の分離膜に接着されるフィルム部;を含むことができる。
【0017】
また、前記フィルム部は、前記正極板の外周の全体または外周の一部に沿って前記一対の分離膜の間に位置し、前記一対の分離膜に接着された第1絶縁性部材;および、前記第1貫通孔を形成する前記正極板の内周の全体または内周の一部で前記一対の分離膜の間に位置し、前記一対の分離膜に接着された第2絶縁性部材;を含むことができる。
【0018】
また、前記フィルム部は、前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材を互いに連結する連結部材を含むことができる。
【0019】
また、前記連結部材の両端は、前記第1絶縁性部材の内周部分の少なくとも一部と、前記第2絶縁性部材の外周部分の少なくとも一部とにそれぞれ連結され得る。
【0020】
また、前記正極板には、前記連結部材が収容され得る切開部が形成され得る。
【0021】
また、前記負極体は、リチウムを吸蔵、放出できる炭素質負極活物質コーティング層および無垢突出部を有する負極板を含み、前記負極体の負極板には、前記第1貫通孔と対応して連通される第2貫通孔が形成され得る。
【0022】
また、前記電極組立体の最下端に配置された負極体の負極板には、前記第2貫通孔が選択的に形成されても形成されなくてもよい。
【0023】
また、前記一対の分離膜中で前記正極板の第1貫通孔と対応する部位は、前記第2絶縁性部材の内側面と接着され、前記電極組立体の最下端に配置される負極体の負極板の表面に接着されるように加熱加圧され得る。
【0024】
また、前記電極組立体に形成された空間部は、前記第1貫通孔に収容された前記第2絶縁性部材の内側面と、前記第2貫通孔を形成する負極板の内側面により孔の形状に形成されるか、前記第1貫通孔に収容された前記第2絶縁性部材の内側面と、前記第2貫通孔を形成する負極板の内側面、および前記電極組立体の最下端に配置される負極板の上面により溝の形状に形成され得る。
【0025】
また、前記一対の分離膜と向かい合う前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および連結部材の両面には、それぞれ接着物質が塗布され得る。
【0026】
また、前記一対の分離膜のいずれか一つの分離膜には、前記第1絶縁性部材が置かれる位置決め部が表示され得る。
【0027】
また、前記第1絶縁性部材には、前記正極板の無垢突出部が収容され得る収容部が形成され得る。
【0028】
また、前記一対の分離膜と向かい合う前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および前記連結部材の両面には、それぞれ接着物質が塗布され得る。
【0029】
また、前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および前記連結部材は、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、フルオロカーボン樹脂フィルム、ABSフィルム、ポリアクリル系フィルム、アセタール系フィルム、ポリカーボネートフィルムで構成された群から選択されたいずれか一つを含むことができる。
【0030】
また、前記第1絶縁性部材と前記第2絶縁性部材および前記連結部材は、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアセテート、エチレンアクリリックアシッド系化合物、アイオノマー系化合物、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラールで構成された高温溶融型接着物質群から選択されたいずれか一つの接着成分を含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池は、大きさが互いに異なる複数個の電極組立体が多段に積層され、カーブ状の曲面型空間を有する電子機器の二次電池収納空間や、電子部品の配列による高低によって凹凸部または突出部を有する電子機器の二次電池収納空間に収容され得るので、電子機器内の二次電池収納空間を最大限活用することができる。
【0032】
また、本発明の一実施例に係る二次電池は、電子機器の二次電池収納空間の残余空間を最大限活用することができるので、電池容量および電池使用時間を増やすことができる。
【0033】
また、本発明の一実施例に係る二次電池は、電子機器の二次電池収納空間を既存の角形や円筒形に限定しないため、電子機器を様々なデザインで設計可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池の斜視図。
図2図2は、図1に示されたリチウムイオン二次電池をA−A’方向に切断して矢印方向から眺めた断面図。
図3図3は、本発明の実施例に係るポケッティング正極体の分離斜視図。
図4図4は、本発明の実施例に係るポケッティング正極体の平面図および断面図。
図5図5は、本発明の実施例に係る負極体の平面図。
図6図6は、本発明の実施例に係る一対の分離膜の間に複数個の正極板と複数個のフィルム部が配置された状態を示す斜視図。
図7図7は、電子機器の電池収納空間に本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池が収納された様子を示す図。
図8図8は、本発明の電極組立体を密封するパウチの斜視図。
図9図9は、図8のパウチにより電極組立体が密封された状態を示す斜視図。
図10図10は、図9に示されたパウチ二次電池をA−A’方向に切断して矢印方向から眺めた断面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるだろう。
【0036】
しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0037】
以下、添付の図1および図7を参照し、本発明の一実施例に係るステップセル構造を有する二次電池100が説明される。
【0038】
図1および図2に示されたように、本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池100は、複数個のポケッティング正極体200と負極体300が交互に積層された電極組立体400を含むことができる。
【0039】
前記電極組立体400には、電子機器の電池収納空間に向かって突出した突出部11(図7参照)が挿入されて収容され得る空間部S1が形成されるが、前記空間部S1は、複数個のポケッティング正極体200および負極体300にそれぞれ形成された第1貫通孔212および第2貫通孔312により形成され得る。
【0040】
そして、前記空間部S1は、図2に示されたように、前記電極組立体400に溝の形状に形成され得、図10に示されたように、孔の形状に形成されてもよい。
【0041】
即ち、前記空間部S1が前記電極組立体400に溝の形状に形成される時は、図2に示されたように、前記電極組立体400の最下端に配置された負極体300を除く残りの複数個のポケッティング正極体200および負極体300にそれぞれ形成された第1貫通孔212および第2貫通孔312により形成され得る。
【0042】
これに対し、前記空間部S1が前記電極組立体400に孔の形状に形成される時は、図10に示されたように、前記電極組立体400を構成する複数個のポケッティング正極体200および負極体300のいずれにもそれぞれ形成される第1貫通孔212および第2貫通孔312により形成され得る。
【0043】
これによって、前記ポケッティング正極体200は、図3および図4に示されたように、正極活物質であるリチウムまたはリチウム金属複合酸化物のコーティング層および無垢突出部211を有し、電子機器の電池収納空間に向かって突出した突出部11が挿入され得る第1貫通孔212が形成された正極板210と、前記無垢突出部211だけを露出させながら前記正極板210の両面を被覆する一対の分離膜220、および前記正極板210の周囲全体または周囲の一部におて前記一対の分離膜220の間に位置し、前記一対の分離膜220に接着されるフィルム部230を含むことができる。
【0044】
そして、前記負極体300は、図5に示されたように、リチウムを吸蔵、放出できる炭素質負極活物質および無垢突出部311を有し、前記正極板210に形成された第1貫通孔212と対応して連通される第2貫通孔312が形成された負極板310を含むことができる。
【0045】
前記負極体300の負極板310は、前記ポケッティング正極体200の正極板210から放出するリチウムイオンを安定的に吸蔵させるために、前記正極板210の大きさより大きく形成されることが必須である。
【0046】
そして、前記空間部S1が溝の形状に形成される時は、前述したように、前記電極組立体400の最下端に配置される負極体300の負極板310に第2貫通孔312が形成されない。これに対し、前記空間部S1が前記電極組立体400を貫通する孔の形状に形成される時は、前記電極組立体400を構成する負極体300の負極板310のいずれにも第2貫通孔312が形成され得る。
【0047】
前記空間部S1の形状は、電子機器の電池収納空間に向かって突出した突出部11(図7参照)の突出長さ、突出方向および個数などに対応して溝または孔の形状に形成され得、これによって、前記第2貫通孔312が前記電極組立体400の最下端に配置される負極体300の負極板310に選択的に形成されても、形成されなくてもよい。
【0048】
そして、前記ポケッティング正極体200のフィルム部230は、図3および図4に示されたように、前記正極板210の外周の全体または外周の一部に沿って前記一対の分離膜220の間に位置し、前記一対の分離膜220に接着される第1絶縁性部材231と、前記第1貫通孔212を区画して形成する前記正極板210の内周の全体または内周の一部に沿って前記一対の分離膜220の間に位置し、前記一対の分離膜220に接着される第2絶縁性部材232を含むことができる。
【0049】
前記第1絶縁性部材231と前記第2絶縁性部材232は、互いに協力して前記正極板210が収容され得る打抜空間S2を形成することができる。
【0050】
前記打抜空間S2は、前記正極板210が収容され得る形状または大きさを有し、本発明の実施例においては、前記正極板210の形状と対応する四角枠の形状に形成されたが、これに限定されず、円形および多角形状の枠形状に作製されてもよい。
【0051】
そして、前記正極板210は、前記打抜空間S2を形成する前記第1絶縁性部材231および前記第2絶縁性部材232と離隔されて一定間隔を有したまま前記打抜空間S2に収容され得る。
【0052】
即ち、前記正極板210の外側面は、前記第1絶縁性部材231の内側面と離隔され、また、前記第1貫通孔212を形成する前記正極板210の内側面は、前記第2絶縁性部材232の外側面と離隔される。
【0053】
一方、前記フィルム部230は、前記第1絶縁性部材231と前記第2絶縁性部材232を互いに連結する連結部材233をさらに含むことができる。
【0054】
前記連結部材233は、前記第1絶縁性部材231の内周部分の少なくとも一部と、前記第2絶縁性部材232の外周部分の少なくとも一部とに、両端がそれぞれ連結され得る。
【0055】
前記連結部材233は、前記第2絶縁性部材232が前記正極板210の第1貫通孔212に収容され、前記正極板210の内周に沿って配置される過程で、前記第2絶縁性部材232が既設定された位置に置かれ得るようにする。
【0056】
即ち、前記連結部材233は、前記フィルム部230の第1絶縁性部材231が前記一対の分離膜220のうち前記正極板210の下側に配置された分離膜220に置かれれる時に、前記第2絶縁性部材232が前記正極板210の第1貫通孔212に収容され得る位置に配置され得るようにする。
【0057】
ここで、前記正極板210には、前記フィルム部230の連結部材233が収容され得る切開部213が形成されることが好ましい。
【0058】
前記切開部213は、前記正極板210が、前記フィルム部230が接着された前記一対の分離膜220のいずれか一つの分離膜220に置かれ、前記フィルム部230が形成する打抜空間S2に収容される時に、前記正極板210が前記フィルム部230の連結部材233の上側に積層された状態で前記打抜空間S2に収容されることを防止する。
【0059】
仮に、前記正極板210に前記切開部213が形成されなければ、前記正極板210が前記連結部材233の上側に積層された状態となるため、前記正極板210と前記一対の分離膜220との間に間隙が形成され、結局、複数個のポケッティング正極体200と負極体300が交互に積層される時に、前記ポケッティング正極体200と負極体300との間に間隙が形成され、電池の性能が低下し得る。
【0060】
また、前記連結部材233は、前記第1絶縁性部材231の内周側面の中央と前記第2絶縁性部材232の外周側面の中央を連結するものと図面上に示されたが、それに限定されない。即ち、前記連結部材233が形成される位置または個数は、前記第1絶縁性部材231の内周側面と前記第2絶縁性部材232の外周側面とを互いに連結することができれば、前記第1絶縁性部材231の内周側面と前記第2絶縁性部材232の外周側面の少なくとも一部に選択されて形成され得る。
【0061】
そして、前記フィルム部230の第1絶縁性部材231と前記第2絶縁性部材232および前記連結部材233には、接着物質が塗布され得る。即ち、前記一対の分離膜220と向かい合う前記第1絶縁性部材231と前記第2絶縁性部材232および前記連結部材233の両面には、それぞれ接着物質が塗布され得る。
【0062】
また、前記フィルム部230の第1絶縁性部材231と前記第2絶縁性部材232および前記連結部材233は、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フルオロカーボン樹脂フィルム、ABSフィルム、ポリアクリル系フィルム、アセタール系フィルム、ポリカーボネートフィルムで構成された群から選択されたいずれか一つを含むことができる。
【0063】
そして、前記第1絶縁性部材231と前記第2絶縁性部材232および前記連結部材233は、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアセテート、エチレンアクリリックアシッド系化合物、アイオノマー系化合物、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラールで構成された高温溶融型接着物質群から選択されたいずれか一つの接着成分を含むことが好ましい。
【0064】
また、前記第1絶縁性部材231には、前記正極板210の無垢突出部211が収容され得る収容部231aが形成され得る。
【0065】
前記収容部231aは、前記正極板210が前記フィルム部230の打抜空間S2に収容される時に、前記正極板210の無垢突出部211が前記一対の分離膜220のいずれか一つの分離膜220に接着された前記第1絶縁性部材231の上側に積層されることを防止する。
【0066】
仮に、前記第1絶縁性部材231に前記収容部231aが形成されなければ、前記正極板210の無垢突出部211が前記第1絶縁性部材231の上側に積層された状態となるため、前記正極板210と前記一対の分離膜220との間には、間隙が形成されざるを得ない。これによって、複数個のポケッティング正極体200と負極体300が交互に積層される時に、前記ポケッティング正極体200と負極体300との間に間隙が形成され、電池の性能が低下し得る。
【0067】
前記収容部231aは、前記第1絶縁性部材231の周方向の一部に形成され得、前記正極板210が前記打抜空間S2に収容される時に、前記正極板210の無垢突出部211と対応する位置に形成され得る。
【0068】
そして、前記一対の分離膜220のいずれか一つの分離膜220には、図6に示されたように、前記フィルム部230の第1絶縁性部材231が置かれる位置を案内する位置決め部221が表示され得る。
【0069】
前記位置決め部221は、作業者が帯状の分離膜220に対して複数個のフィルム部230を既設定された位置に接着させる作業を簡便かつ正確に遂行できるようにする。
【0070】
そして、前記一対の分離膜220の中で前記正極板210の第1貫通孔212と対応する部位は、図示しない加熱加圧手段により加圧され、図2に示されたように、前記第2絶縁性部材232の内周側面と接着され、また、電極組立体400の最下端に配置される負極体300の負極板310の表面と接着される。従って、前記電極組立体400に形成された空間部S1は、前記第1貫通孔212に収容された前記第2絶縁性部材232の内周側面と、前記第2貫通孔312を形成する負極板312の内側面、および前記電極組立体400の最下端に配置される負極板310の上面により溝の形態に形成され得、または、前記第1貫通孔212に収容された前記第2絶縁性部材232の内周側面と、前記第2貫通孔212を形成する負極板312の内側面により孔の形態に形成され得る。
【0071】
これによって、図7に示されたように、電子機器の電池収納空間に向かって突出した電子機器10の突出部11が前記電極組立体400を取り囲む電池缶20の溝21に収容された状態で前記空間部S1に挿入され得る。
【0072】
一方、前記のように構成された、本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池100は、様々なパッケージング(packing)素材により密封され得、どのようなパッケージング素材を使用するかによって缶タイプまたはパウチタイプの電池に用いられ得る。
【0073】
このとき、前記リチウムイオン二次電池100を密封するパッケージング素材が軟性材のパウチである場合は、図8に示されたように、前記パウチPに電極組立体400が収納され得る一対の収容溝30と、前記一対の収容溝31内で突出し、前記電極組立体400に形成された空間部S1に挿入される挿入部31を形成させることが好ましい。
【0074】
前記一対の収容溝30は、前記電極組立体400の外形と対応する形状に形成され、前記パウチPが折れ目Lを基準に半分に折れるとき、互いに対応する位置に形成されることが好ましい。
【0075】
なぜなら、前記一対の収容溝30の中でいずれか一つの収容溝30に挿入された電極組立体400の密封作業を実施する時に、作業者が前記パウチPを折れ目Lに沿って半分に折るだけで、前記一対の収容溝30が互いに型合わせされ、前記電極組立体400を密封できるからである。
【0076】
そして、前記挿入部31は、前記一対の収容溝30それぞれに形成され得、または、前記一対の収容溝30のいずれか一つの収容溝30にのみ形成され得る。即ち、前記挿入部31は、前記電極組立体400に形成された空間部S1が溝の形状に形成された時は、前記一対の収容溝30のいずれか一つの収容溝30にのみ形成され、逆に、前記空間部S1が孔の形状に形成された時は、図8に示されたように、前記一対の収容溝30それぞれに形成され、前記電極組立体400の空間部S1の上部および下部にそれぞれ挿入され得る。
【0077】
前記のような構成を有するパウチPは、図9および図10に示されたように、前記電極組立体400を密封した状態で前記電極組立体400の外形に対応する形状にカッティングされた後、そのカッティング部位がシーリング(sealing)され得る。このとき、前記電極組立体400の空間部S1に挿入された前記パウチPの挿入部31の中で前記空間部S1を区画形成する前記電極組立体400の内側面と接合しない部位もカッティングされた後、そのカッティング部位がシーリングされ得る。
【0078】
参考までに、図10には、前記電極組立体400に形成された空間部S1が前記電極組立体400を貫通する孔の形状を有するものと示されている。
【0079】
前記のような構成を有する本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池100は、電子機器の二次電池収納空間の残余空間を最大限活用することができるので、電池容量および電池使用時間を増やすことができる。
【0080】
また、本発明の実施例に係るリチウムイオン二次電池100は、電子機器の二次電池収納空間を既存の角形や円筒形に限定しないため、電子機器を様々なデザインで設計可能にすることができる。
【0081】
これまで本発明に係る具体的な一実施例について説明したが、本発明の範囲から外れない限度内では種々の変形が可能であることはもちろんである。
【0082】
それゆえ、本発明の範囲は、説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等なものにより定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、スマートフォン、カメラ、ノートパソコンなどの様々な電子機器に適用され得、電子機器と共に消費者に販売または別途販売され得る。
図1
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