(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、熱媒液を蒸発する蒸発器と、蒸発器より上方レベルに設置され、熱媒ガスを凝縮する凝縮器との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させる熱輸送システムが採用されている。
このような熱輸送システムの例としては、蒸発器から凝縮器へ熱媒ガスを送る熱媒ガス配管と、凝縮器から蒸発器へ熱媒液を送る熱媒液配管とを有し、熱媒液配管には、熱媒用受液器が設けられている。
以上の構成を有する熱輸送システムによれば、通常運転の際は、蒸発器において熱媒液を蒸発させ、熱媒ガス配管により熱媒ガスを凝縮器へ送り、凝縮器において熱媒ガスを凝縮し、たとえば、熱媒ガスとの熱交換により温水を取り出し、熱媒液配管により熱媒液を熱媒用受液器を介して蒸発器へ送り、以上より、蒸発器より上方レベルに設置された凝縮器との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させることにより、熱輸送することが可能である。
【0003】
一方、負荷冷却器、圧縮機、蓄熱器、コンデンサー、受液器、膨張弁をこの順に冷媒配管により順次接続して、内部に冷却用冷媒が流れる冷却回路により、負荷冷却器を冷却する冷却システムにおいて、冷却した負荷冷却器のデフロスト(除霜)を行うのに、省エネルギー化の観点から、冷却運転中の排熱を利用して、デフロストを行う冷凍装置あるいは空気調和機として、ループ型サーモサイフォンによる自然循環により、デフロストを行う技術が、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0004】
この冷凍装置は、負荷冷却器、圧縮機、蓄熱器、コンデンサー、受液器、膨張弁をこの順に冷媒配管により順次接続して、内部に冷却用冷媒が流れる冷却回路を構成する冷凍装置において、さらに、負荷冷却器と蓄熱器との間を循環するデフロスト回路が設けられ、デフロスト回路は、内部にデフロスト用熱媒が流れ、蓄熱器内において、蓄熱剤から吸熱する吸熱部と、負荷冷却器内において、放熱するデフロスト部とを有し、冷却回路は、蓄熱器内において、蓄熱剤に放熱する放熱部と、負荷冷却器内において、負荷流体を冷却する冷却部とを有し、蓄熱器が負荷冷却器より下方レベルに設置され、蓄熱器から負荷冷却器に向かって、吸熱部により加熱されたデフロスト用熱媒が流れるデフロスト用往路と、負荷冷却器から蓄熱器に向かって、デフロスト部により冷却されたデフロスト用熱媒が流れるデフロスト用復路とが設けられる。
【0005】
このような構成を有する冷凍装置によれば、冷却運転中、負荷冷却器を冷却することにより蒸発した冷媒ガスは、圧縮機により圧縮されて、蓄熱器において放熱し、その結果蓄熱され、冷媒ガスあるいは冷媒液が、コンデンサーで凝縮あるいは過冷却されて、冷媒液が受液器に受け入れられ、膨張弁を経て、再度負荷冷却器を冷却する冷却回路を構成することにより、負荷冷却器を冷却する。
一方、負荷冷却器のデフロスト運転中には、負荷冷却器の冷却運転中に蓄熱器に蓄熱した熱を利用することにより、蓄熱器から負荷冷却器へデフロスト用熱媒ガスを送る一方、負荷冷却器から蓄熱器へ、負荷冷却器をデフロストした結果生じるデフロスト用熱媒液を戻すことにより、下方に位置するホット側の蓄熱器と、上方に位置するコールド側の負荷冷却器との間で自然循環によるループ型サーモサイフォンを構成することで、圧縮機を停止した状態でのデフロストを可能とすることにより、省エネルギー化を達成しつつデフロストすることが可能である。
【0006】
しかしながら、このような冷凍装置において、運転中に単管サーモサイフォン現象が発生することに起因して、以下のような技術的問題が引き起こされる。
ここに、単管サーモサイフォン現象とは、下に位置する高温部と上に位置する低温部との間での相変化による熱輸送形式により、自然循環を生じるものである。
【0007】
この場合、蓄熱器からデフロスト用熱媒ガスを負荷冷却器に送るデフロスト用往管に設置される単一の切り替え弁により、冷凍運転とデフロスト運転との切り替えは可能ではあるが、デフロスト用復路の負荷冷却器から蓄熱器に向かう流れのみを可能とする逆止弁が、冷凍装置の停止時のデフロスト用復路内のデフロスト用熱媒の液位より下方のレベルに設けられると、単管サーモサイフォン現象が生じることがある。
より詳細には、負荷冷却器から蓄熱器に向かって、デフロスト部により冷却されたデフロスト用熱媒が流れるデフロスト用復路には、蓄熱器から負荷冷却器への冷媒の流れを阻止する逆止弁が、冷凍庫外に設けられているが、逆止弁が冷凍装置の停止時のデフロスト用復路内のデフロスト用熱媒の液位に対して、どのようなレベルに設置されているか不明であり、逆止弁が冷凍装置の停止時のデフロスト用復路内のデフロスト用熱媒の液位より下のレベルに設置されていると、冷凍庫外、より正確には、デフロスト用復路の冷凍室壁と液面との間の部分において、デフロスト用熱媒が加熱されることにより蒸発し、冷凍庫内で冷却され凝縮することになり、負荷冷却器側に無駄な熱負荷が入力され、負荷冷却器への熱負荷の増大が引き起こされ、冷凍運転の効率性の低下が生じる。
このような逆止弁すら設置されないと、熱媒ガスが蓄熱器から負荷冷却器へ逆流することで、負荷冷却器側に無駄な熱負荷が入力されるともに、熱媒液が負荷冷却器から蓄熱器へ戻ることで、蓄熱器側が温度低下することにより、負荷冷却器への熱負荷の増大に加え、デフロスト時間の長期化が引き起こされる。
【0008】
デフロスト時間の長期化について、蓄熱器側の温度低下によりデフロスト運転開始前に、デフロスト用熱媒の飽和温度が低下しており、それに起因して、デフロスト運転の立ち上がりが遅延し、デフロスト時間の長期化が生じる。
【0009】
以上の技術的問題点について、このような冷凍装置と上記熱輸送システムとは、前者がデフロスト運転においてループ型サーモサイフォンを構成し、後者が通常運転においてループ型サーモサイフォンを構成する違いはあるが、高温側の蒸発器が低レベル、低温側の凝縮器が高レベルに設置され、両者を熱媒液用配管と熱媒ガス用配管とにより循環回路を構成して、熱媒の循環によりループ型サーモサイフォンを構成する点では、共通であることから、上記熱輸送システムにおいても同様に引き起こされる共通な課題である。
【特許文献1】特開2014−231921号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、ループ式サーモサイフォン方式による熱輸送システムの運転、停止を繰り返す断続運転を行う場合、運転開始直後の立ち上がり特性を改善するとともに、ループ式サーモサイフォン方式の高効率化を達成可能な熱輸送システムおよび熱輸送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するために、本発明の熱輸送システムは、
熱媒液を蒸発する蒸発器と、蒸発器より上方レベルに設置され、熱媒ガスを凝縮する凝縮器との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させる熱輸送システムにおいて、
前記蒸発器から前記凝縮器へ熱媒ガスを送る熱媒ガス配管と、前記凝縮器から前記蒸発器へ熱媒液を送る熱媒液配管とを有し、
前記熱媒液配管には、熱媒用受液器が設けられ、
前記熱媒液配管の前記凝縮器と前記熱媒用受液器との間には、第1開閉弁が設けられ、
さらに、前記熱媒ガス配管の前記蒸発器と前記凝縮器との間と、前記熱媒液配管の前記第1開閉弁と前記熱媒用受液器との間を連絡するバイパス管が設けられ、
前記熱媒ガス配管の前記凝縮器の入り口側と、前記バイパス管とにそれぞれ、第2開閉弁および第3開閉弁が設けられ、
前記システムの運転時には、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が開、前記第3開閉弁が閉とされ、前記システムの停止時には、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が閉、前記第3開閉弁が開とされる、構成としている。
【0012】
以上の構成を有する熱輸送システムによれば、システムの通常運転の際は、熱媒液配管の凝縮器と熱媒用受液器との間に設けた第1開閉弁、および熱媒ガス配管の凝縮器の入り口側に設けた第2開閉弁を開くとともに、蒸発器と凝縮器との間と、凝縮器と熱媒用受液器との間を連絡するバイパス管に設けた第3開閉弁を閉じることにより、蒸発器において熱媒液を蒸発させ、熱媒ガス配管により熱媒ガスを凝縮器へ送り、凝縮器において熱媒ガスを凝縮し、たとえば、熱媒ガスとの熱交換により温水を取り出し、熱媒液配管により熱媒液を熱媒用受液器を介して蒸発器へ送り、以上より、蒸発器より上方レベルに設置された凝縮器との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させることにより、熱輸送することが可能である。
一方、システムの停止の際は、熱媒液配管においては、熱媒用受液器温度と凝縮器が設置されている庫内温度と比べ熱媒用受液器温度の方が高いため、熱媒用受液器の熱媒が蒸発してガスになり熱媒液配管を凝縮器に向かって流れ、庫内で冷却され熱媒液となり、液が受液器に戻る単管サーモサイフォン現象が起こったり、熱媒ガス配管においては、凝縮器において冷却された熱媒液が熱媒ガス配管を蒸発器に向かって流れ、蒸発器で蒸発してガスになり熱媒ガス配管を凝縮器に向かって流れる単管サーモサイフォン現象が起こったりするところ、第1開閉弁および第2開閉弁が閉、第3開閉弁が開とされることにより、熱媒液配管および熱媒ガス配管において、熱媒液が凝縮器へ逆流したり、熱媒ガスが蒸発器へ逆流することにより、いわゆる単管サーモサイフォン現象を生じることなく、バイパス管を介して蒸発器からの熱媒ガスが、凝縮器をバイパスして熱媒用受液器へ流れることにより、熱媒用受液器に受け入れられた熱媒液が
加熱されて、蒸発器における熱媒の飽和温度の低下が抑制されることから、ループ式サーモサイフォン方式による熱輸送システムの運転、停止を繰り返す断続運転を行う場合、運転開始直後の立ち上がり特性を改善するとともに、ループ式サーモサイフォン方式の高効率化を達成可能である。
【0013】
また、前記蒸発器において、熱媒液が吸熱し蒸発するのがよい。
さらに、前記凝縮器において、熱媒ガスが放熱し凝縮するのがよい。
さらにまた、前記蒸発器において、熱媒液が吸熱し蒸発しつつ、前記凝縮器において、熱媒ガスが放熱し凝縮するのでもよい。
加えて、前記蒸発器において、外部の排熱を回収することにより、熱媒液を蒸発するのがよい。
さらに、前記凝縮器において、熱媒ガスを凝縮することにより、温水を外部に供給するのがよい。
さらにまた、前記蒸発器において、外部の排熱を回収することにより、熱媒液を蒸発しつつ、前記凝縮器において、熱媒ガスを凝縮することにより、温水を外部に供給するのがよい。
加えて、前記一方向弁は、逆止弁であるのがよい。
【0014】
上記課題を達成するために、本発明の熱輸送方法は、
熱媒液を蒸発する蒸発器と、蒸発器より上方レベルに設置され、熱媒ガスを凝縮する凝縮器との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させる熱輸送方法において、
通常運転の際は、蒸発器において熱媒液を蒸発させ、熱媒ガスを凝縮器へ送り、凝縮器において熱媒ガスを凝縮し、熱媒液を熱媒用受液器を介して蒸発器へ送ることにより、蒸発器と蒸発器より上方レベルに設置された凝縮器との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させることにより、熱輸送し、
運転停止の際は、熱媒の凝縮器から蒸発器への逆流、および/または熱媒の蒸発器から凝縮器への逆流を抑制しつつ、蒸発器からの熱媒ガスを凝縮器をバイパスして熱媒用受液器へ流す、構成としている。
前記システムの停止時には、前記熱媒ガス配管と、前記バイパス管と、前記熱媒液配管とにより、ループ式サーモサイフォンが構成されるのがよい。
【0015】
上記課題を達成するために、本発明の熱輸送システムは、
負荷冷却器、圧縮機、蓄熱器、コンデンサー、熱媒用受液器、膨張弁をこの順に冷媒配管により順次接続して、冷却回路を構成する熱輸送システムにおいて、
前記蓄熱器が前記負荷冷却器より下方レベルに設置され、
前記負荷冷却器への流入部を構成する前記冷媒配管、または前記負荷冷却器からの流出部を構成する前記冷媒配管のいずれか一方の前記冷媒配管と、前記蓄熱器への流入部を構成する前記冷媒配管、または前記蓄熱器からの流出部を構成する前記冷媒配管のいずれか一方の前記冷媒配管とを接続する第1バイパス管と、
前記負荷冷却器への流入部を構成する前記冷媒配管、または前記負荷冷却器からの流出部を構成する前記冷媒配管の前記いずれか一方の前記冷媒配管に対する他方の前記冷媒配管と、前記蓄熱器への流入部を構成する前記冷媒配管、または前記蓄熱器からの流出部を構成する前記冷媒配管の前記いずれか一方の前記冷媒配管に対する他方の前記冷媒配管とを接続する第2バイパス管と、を有し、
それにより、前記蓄熱器において前記負荷冷却器の冷却運転中に蓄熱した熱を利用することにより、前記蓄熱器から前記負荷冷却器へ前記第1バイパス配管を介して、冷媒ガスを送る一方、前記負荷冷却器から前記蓄熱器へ前記第2バイパス配管を介して、前記負荷冷却器をデフロストした結果生じる冷媒液を戻す、ループ型サーモサイフォンを構成し、
前記第2バイパス管には、熱媒用受液器が設けられ、
前記第2バイパス管の前記負荷冷却器と前記熱媒用受液器との間には、第1開閉弁が設けられ、
さらに、前記第1バイパス管の前記蓄熱器と前記負荷冷却器との間と、前記第2バイパス管の前記第1開閉弁と前記熱媒用受液器との間を連絡する第3バイパス管が設けられ、
前記第1バイパス管の前記負荷冷却器の入り口側と、前記第3バイパス管とにそれぞれ、第2開閉弁および第3開閉弁が設けられ、
前記デフロスト運転時には、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が開、前記第3開閉弁が閉とされ、前記デフロスト運転の停止時には、前記第1開閉弁および前記第2開閉弁が閉、前記第3開閉弁が開とされる、構成としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る熱輸送システムの第1実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1に示すように、熱輸送システムである冷凍装置10は、負荷冷却器12、圧縮機14、蓄熱器16、コンデンサー18、受液器20、膨張弁22をこの順に冷媒配管により順次接続して、冷却回路を構成する。蓄熱器16が負荷冷却器12より下方レベル(レベル差H)に設置され、膨張弁22と負荷冷却器12とを接続する第3冷媒配管28と、圧縮機14と蓄熱器16とを接続する第2冷媒配管26とを接続する第1バイパス管27と、負荷冷却器12と圧縮機14とを接続する第1冷媒配管24と、蓄熱器16とコンデンサー18とを接続する第4冷媒配管30とを接続する第2バイパス管31とを有し、第1冷媒配管24の負荷冷却器12への接続位置は、第3冷媒配管28の負荷冷却器12への接続位置より下方レベル(レベル差h)としている。コンデンサー18と受液器20との間は、第6冷媒配管50により接続されている。
それにより、蓄熱器16において負荷冷却器12の冷却運転中に蓄熱した熱を利用することにより、蓄熱器16から負荷冷却器12へ第1バイパス管27を介して、冷媒ガスを送る一方、負荷冷却器12から蓄熱器16へ第2バイパス管31を介して、負荷冷却器12をデフロストした結果生じる冷媒液を戻す、ループ型サーモサイフォンを構成するようにしている。
【0017】
蓄熱器16の負荷冷却器12に対する相対的な設置レベル差H、および第1冷媒配管24の負荷冷却器12への接続位置の第3冷媒配管28の負荷冷却器12への接続位置に対する相対的な設置レベル差hは、ループ型サーモサイフォンを構成する観点から、適宜定めればよい。
さらに、受液器20と膨張弁22とを接続する第5冷媒配管40と、第4冷媒配管30の第2切替弁34の蓄熱器16側とを接続する第3バイパス管42が設けられ、第3バイパス管42の途中に第5切替弁44が設けられ、受液器20から第5冷媒配管40の一部、第3バイパス管42および第4冷媒配管30の一部を介して、冷媒液を蓄熱器16へ送るようにしてある。
さらに、第2冷媒配管26と第4冷媒配管30とを接続する蓄熱器バイパス管46が設けられ、蓄熱器バイパス管46の途中に第6切替弁48が設けられる。
【0018】
第2バイパス管31には、熱媒用受液器90が設けられ、第2バイパス管31の負荷冷却器12と熱媒用受液器90との間には、第1開閉弁64が設けられ、さらに、第1バイパス管27の蓄熱器16と負荷冷却器12との間と、第2バイパス管31の第1開閉弁64と熱媒用受液器90との間を連絡するバイパス管92が設けられる。
第1バイパス管27の負荷冷却器12の入り口側と、バイパス管92とにそれぞれ、第2開閉弁38および第3開閉弁94が設けられる。
後に説明するように、デフロスト運転時には、第1開閉弁64および第2開閉弁38が開、第3開閉弁94が閉とされ、第1バイパス管27および第2バイパス管31により、ループ式サーモサイフォンが構成され、デフロスト運転の停止時には、第1開閉弁64および第2開閉弁38が閉、第3開閉弁94が開とされ、第1バイパス管27の一部、バイパス管92および第2バイパス管31の一部により、同様に、ループ式サーモサイフォンが構成される。
【0019】
各冷媒配管(第1冷媒配管24、第2冷媒配管26、第4冷媒配管30)には、以下に説明するように、通常運転モードとデフロスト運転モードとの切替の観点から、切替弁が設けられている。
より詳細には、第1バイパス管27の第2冷媒配管26への接続位置より、圧縮機14側に第1切替弁32が設けられ、第2バイパス管31の第4冷媒配管30への接続位置より、コンデンサー18側に第2切替弁34が設けられ、第2バイパス管31の第1冷媒配管24への接続位置より、圧縮機14側に第3切替弁36が設けられ、第1バイパス管27の途中に第2開閉弁38が設けられる。
なお、第2冷媒配管26には、蓄熱器16から圧縮機14への冷媒の流れを阻止する逆止弁62、第2バイパス管31には、蓄熱器16から負荷冷却器12への冷媒の流れを阻止する第1開閉弁64、および第3バイパス管42には、蓄熱器16から受液器20への冷媒の流れを阻止する逆止弁66がそれぞれ設けられる。
負荷冷却器12は、たとえば、冷凍庫、冷蔵倉庫、出荷室等の庫内を冷却するのに、庫内に設置される。
蓄熱器16の蓄熱材は、潜熱製蓄熱材でもよく、顕熱製蓄熱材でもよい。たとえば、潜熱製蓄熱材としては、パラフィン系があり、 顕熱製蓄熱材としては、水がある。
【0020】
後に説明するように、デフロスト運転モードの初期において、デフロスト前に、受液器20より負荷冷却器12のデフロストに必要な冷媒量を第3バイパス管42を介して自然供給するようにしている。
より詳細には、圧縮機14を停止した際、受液器20と膨張弁22との間の第5冷媒配管40内の冷媒は、圧縮機14より下流であり、比較的高圧であり、一方、第1バイパス管27と第2バイパス管31とにより負荷冷却器12と蓄熱器16とを接続することにより構成されるループ型サーモサイフォンにおいては、高圧側の蓄熱器16と低圧側の負荷冷却器12とが連通することにより、比較的中圧となることから、この差圧により、冷媒を受液器20から負荷冷却器12へ自然供給することが可能である。
変形例として、第5冷媒配管40の受液器20から第3バイパス管42との分岐部までの間、または第3バイパス管42の途中にポンプ(図示せず)を設け、それにより、デフロスト前に、受液器20より負荷冷却器12のデフロストに必要な冷媒量を第3バイパス管42を介して強制供給してもよい。
【0021】
以上の構成を有する冷凍装置10について、
図2ないし
図5を参照しながら、その作用を、冷凍装置10の運転方法の説明を通じて、以下に説明する。
冷凍装置10の運転方法について、運転モードとして、通常運転モード1(蓄熱段階)(
図2)、通常運転モード2(蓄熱終了以降)(
図3)、デフロスト運転モード(初期段階)(
図4)、およびデフロスト運転モード(通常段階)(
図5)に分かれる。
まず、
図2に示すように、通常運転モード1(蓄熱段階)においては、第1切替弁32、第2切替弁34、第3切替弁36および膨張弁22を開き、一方第4切替弁38および第5切替弁44を閉じた状態で、圧縮機14を運転する。
なお、第1バイパス管27の第2開閉弁38は閉じており、第2バイパス管31の第1開閉弁64により、第1バイパス管27および第2バイパス管31を介して、冷媒がバイパスしないようにしている。
冷媒は、負荷冷却器12から第1冷媒配管24を介して圧縮機14に流入し、ここで圧縮され、さらに圧縮機14から第2冷媒配管26を介して蓄熱器16に流入し、ここで冷媒は放熱し、蓄熱器16に蓄熱され、さらに蓄熱器16から第4冷媒配管30を介してコンデンサー18に流入し、ここで凝縮あるいは過冷却され、さらにコンデンサー18から第6冷媒配管50を介して受液器20に流入し、ここで一定量の冷媒液が受け入れられ、さらに液状の冷媒は、受液器20から第5冷媒配管40を介して膨張弁22に流入し、ここで膨張弁22の開度を調整することにより、冷媒の過熱度を調整し、さらに膨張弁22から第3冷媒配管28を介して負荷冷却器12に戻り、冷却回路を構成するようにしている。
以上のように、冷媒は、
図2の矢印で示すように流れ、負荷冷却器12から圧縮機14を介して蓄熱器16までの間でガス状態、特に、負荷冷却器12と圧縮機14との間は、低圧のガス状態、一方圧縮機14と蓄熱器16と間は高圧のガス状態、一方、蓄熱器16から膨張弁22を介して負荷冷却器12までの間で液または湿り蒸気状態である。
【0022】
次いで、
図3に示すように、通常運転モード2(蓄熱終了以降)においては、通常運転モード1(
図2)と同様に、第1切替弁32、第2切替弁34、第3切替弁36および膨張弁を開き、一方第2開閉弁38および第5切替弁44を閉じた状態で、圧縮機14を運転する。
なお、通常運転モード1(
図2)と同様に、第1バイパス管27の第2開閉弁38は閉じており、第2バイパス管31の第1開閉弁64により、第1バイパス管27および第2バイパス管31を介して、冷媒がバイパスしないようにしている。
本運転モードは、
図2の運転モードと同様に、通常運転モードであるが、
図2においては蓄熱中であったが、
図3の通常運転モード2においては、蓄熱終了以降のモードである。
【0023】
より詳細には、圧縮機14からの吐出冷媒ガスの流路は、蓄熱終了以降も
図2の蓄熱中と同様としてもよい。
つまり、冷媒は、負荷冷却器12から第1冷媒配管24を介して圧縮機14に流入し、ここで圧縮され、さらに圧縮機14から第2冷媒配管26を介して蓄熱器16に流入し、ここで冷媒は放熱し、蓄熱器16に蓄熱され、さらに蓄熱器16から第4冷媒配管30を介してコンデンサー18に流入し、ここで凝縮あるいは過冷却され、さらにコンデンサー18から第6冷媒配管50を介して受液器20に流入し、ここで一定量の冷媒液が受け入れられ、さらに液状の冷媒は、受液器20から第5冷媒配管40を介して膨張弁22に流入し、ここで膨張弁22の開度を調整することにより、冷媒の過熱度を調整し、さらに膨張弁22から第3冷媒配管28を介して負荷冷却器12に戻り、冷却回路を構成するようにしている。
しかしながら、圧縮機14からの吐出冷媒ガスが蓄熱器16を介してコンデンサー18まで流れることにより、蓄熱器16での圧力損失が不可避的に生じることから、このような圧力損失を排除するために、第1切替弁32を閉じる代わりに、第6切替弁48を開くことにより、圧縮機14からの吐出冷媒ガスが蓄熱器バイパス管46を介して蓄熱器16をバイパスするようにしている。
【0024】
次いで、
図4に示すように、デフロスト運転モード(初期段階)においては、圧縮機14を停止するとともに、第2開閉弁38および第5切替弁44を開き、一方第1切替弁32、第2切替弁34、第3切替弁36および膨張弁22を閉じる。
つまり、通常運転モードにおける冷却回路を停止しながら、第1バイパス管27、第2バイパス管31および第3バイパス管42による冷媒の流れを可能にすることで、冷媒液が受液器20から第3バイパス管42を介して蓄熱器16に流れるとともに、蓄熱器16と負荷冷却器12との間で自然循環によるループ型サーモサイフォンを構成するようにしている。
【0025】
この場合、特に冷凍運転直後のデフロスト運転モード(初期段階)であり、受液器20と膨張弁22との間の第5冷媒配管40内の冷媒は、圧縮機14より下流であり、比較的高圧であり、一方、第1バイパス管27と第2バイパス管31とにより負荷冷却器12と蓄熱器16とを接続することにより構成されるループ型サーモサイフォンにおいては、高圧側の蓄熱器16と低圧側の負荷冷却器12とが連通することにより、比較的中圧となることから、この差圧により、冷媒を受液器20から負荷冷却器12へ自然供給することが可能である。
このとき、必要な冷媒量とは、ループ型サーモサイフォンにおいて、サーモサイフォンが円滑に循環し、かつ負荷冷却器12のデフロストに必要な所定の熱輸送が得られるに十分な量であり、負荷冷却器12の容量、ループ型サーモサイフォンの一部である第1バイパス管27、第2バイパス管31それぞれの配管長に応じて変わるものである。
なお、圧縮機14を停止した時点において、保有冷媒量が十分な場合には、受液器20から第3バイパス管42を介して蓄熱器16への送り込みは不要であり、第5切替弁44を閉じた状態で、ループ型サーモサイフォンによるデフロスト運転のみを行えばよい。
以上のように、冷媒は、
図4の矢印で示すように流れ、受液器20から第5冷媒配管40および第3バイパス管を介して蓄熱器16までは液状、蓄熱器16から第2冷媒配管26および第1バイパス管27を介して負荷冷却器12まではガス状態、負荷冷却器12から第2バイパス管31を介して蓄熱器16までは液状である。
【0026】
次いで、
図5に示すように、デフロスト運転モード(通常段階)においては、
図4と同様に、圧縮機14を停止するとともに、第2開閉弁38を開き、一方第1切替弁32、第2切替弁34、第3切替弁36、第5切替弁44および膨張弁22を閉じる。
より詳細には、蓄熱器16の蓄熱により蒸発(吸熱)した冷媒ガスは、第2冷媒配管26から第1バイパス管27を経て負荷冷却器12に流れ、ここで冷媒ガスは、凝縮(放熱)することにより、負荷冷却器12のデフロストを行い、負荷冷却器12に付着した霜取りが行われ、冷媒液は、第2バイパス管31から第4冷媒配管30を経て蓄熱器16に戻り、この自然循環を繰り返すことにより、ループ型サーモサイフォンを構成する。
なお、負荷冷却器12内に流入する圧縮機14の油は、第3冷媒配管28より下方レベルの第1冷媒配管24に流出し、ベンド部80に送り込まれるようにしている。
このデフロスト運転により、負荷冷却器12の霜取りが完了したら、通常運転モード1に戻り、次のデフロスト運転に備えて、蓄熱を再開すればよい。
【0027】
たとえば、デフロスト運転の断続運転、すなわち、デフロスト運転およびデフロスト運転の停止とを繰り返す場合には、以下のように運転する。
デフロスト運転の停止の際は、第2バイパス管31においては、熱媒用受液器温度と負荷冷却器12が設置されている庫内温度と比べ熱媒用受液器温度の方が高いため、熱媒用受液器90の熱媒が蒸発してガスになり第2バイパス管31を負荷冷却器12に向かって流れ、庫内で冷却され熱媒液となり、液が熱媒用受液器90に戻る単管サーモサイフォン現象が起こったり、第1バイパス管27においては、負荷冷却器12において冷却された熱媒液が第1バイパス管27を蓄熱器16に向かって流れ、蓄熱器16で蒸発してガスになり第1バイパス管27を負荷冷却器12に向かって流れる単管サーモサイフォン現象が起こったりするところ、第1開閉弁64および第2開閉弁38が閉、第3開閉弁94が開とされることにより、第2バイパス管31および第1バイパス管27において、熱媒液が負荷冷却器12へ逆流したり、熱媒ガスが蓄熱器16へ逆流することにより、いわゆる単管サーモサイフォン現象を生じることなくバイパス管92を介して蓄熱器16からの熱媒ガスが、負荷冷却器12をバイパスして熱媒用受液器90へ流れることにより、熱媒用受液器90に受け入れられた熱媒液が
加熱されて、蓄熱器16における熱媒の飽和温度の低下が抑制されることから、ループ式サーモサイフォン方式による熱輸送システムの運転、停止を繰り返す断続運転を行う場合、運転開始直後の立ち上がり特性を改善するとともに、ループ式サーモサイフォン方式の高効率化を達成可能である。
【0028】
通常運転モード(
図2および
図3)とデフロスト運転モード(
図4および
図5)との間の切替のタイミングは、負荷冷却器12における霜の発生状況に応じて、適宜手動で切替えてもよいし、あるいは負荷冷却器12における負荷が比較的一定で、霜の進行が比較的規則的である場合には、予めタイマー設定をして、自動的に切替るようにしてもよい。
通常運転モード1(
図2)から通常運転モード2(
図3)への切替のタイミング、およびデフロスト運転モード(初期)(
図2)からデフロスト運転モード(通常)(
図3)への切替のタイミングについては、たとえば、タイマーにより自動設定してもよいし、あるいは負荷冷却器12の伝熱管(図示せず)の温度を検出し、検出した温度により設定してもよい。
なお、デフロスト運転を断続運転する場合、デフロスト運転の停止中において、通常の冷却運転は、再開してもよいし、停止のままでもよく、デフロスト運転に必要な蓄熱器16における蓄熱量の観点から、蓄熱量が足りない場合には、デフロスト運転の停止中において、通常の冷却運転を再開することにより、蓄熱をしてもよい
【0029】
以上の構成を有する冷凍装置10によれば、冷却運転中、負荷冷却器12を冷却することにより蒸発した冷媒ガスは、圧縮機14により圧縮されて、蓄熱器16において放熱し、その結果蓄熱され、冷媒ガスあるいは冷媒液が、コンデンサー18で凝縮あるいは過冷却されて、冷媒液が受液器20に受け入れられ、膨張弁22を経て、再度負荷冷却器12を冷却する冷却回路を構成することにより、負荷冷却器12を冷却する。
【0030】
一方、負荷冷却器12のデフロスト運転中には、負荷冷却器12の冷却運転中に蓄熱器16に蓄熱した熱を利用することにより、蓄熱器16から負荷冷却器12へ第1バイパス管27を介して、冷媒ガスを送る一方、負荷冷却器12から蓄熱器16へ第2バイパス管31を介して、負荷冷却器12をデフロストした結果生じる冷媒液を戻すことにより、下方に位置するホット側の蓄熱器16と、上方に位置するコールド側の負荷冷却器12との間で自然循環によるループ型サーモサイフォンを構成することで、圧縮機14を停止した状態でのデフロストを可能とするとともに、従来のウィック式あるいはサーモサイフォン式による小さな熱輸送限界の問題を生じることなく、省エネルギー化を達成しつつデフロストすることが可能である。
【0031】
以上の構成を有する負荷冷却器12のデフロスト(除霜)方法によれば、冷媒ガスを圧縮する圧縮機14を有する冷却回路により冷却する、最上方レベルに位置する負荷冷却器12のデフロスト方法であって、負荷冷却器12の冷却運転中に、圧縮機14の吐出冷媒ガスの顕熱あるいは凝縮潜熱を蓄熱する段階と、蓄熱した熱を利用して、サーモサイフォン方式により、負荷冷却器12をデフロストする段階とを、有し、蓄熱段階は、負荷冷却器12より下方レベルに設置される蓄熱器16により行い、サーモサイフォン方式は、負荷冷却器12と蓄熱器16との間にループ型デフロスト回路を構成しており、冷却運転中において、蓄熱段階終了後に、蓄熱器16をバイパスする段階を有するのでもよい。
【0032】
以下に、
図6ないし
図8を参照しながら、本願発明の第2実施形態を説明する。以下の説明においては、第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、同じ参照番号を付することにより、その説明は省略することとし、本実施形態の特徴部分について、詳細に説明する。
本実施形態の特徴部分は、単管サーモサイフォン現象の発生を防止する運転にあり、より具体的には、第1実施形態と同様に、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させる熱輸送システムであるのは共通であるが、第1実施形態においては、ループ式サーモサイフォン方式によりデフロスト運転を行い、デフロスト運転の断続運転の際のいわゆる単管サーモサイフォン現象の発生を防止するものであるが、本実施形態において、ループ式サーモサイフォン方式により運転するのは、温熱供給運転であり、温熱供給運転の断続運転の際のいわゆる単管サーモサイフォン現象の発生を防止する点で異なる。
このため、第1実施形態においては、冷凍運転用冷媒を加熱して高温とするのに蓄熱器が利用され、加熱された冷媒ガスがデフロストに利用されて低温となるのに負荷冷却器が対象とされ、低レベルに高温部、高レベルに低温部が構成されているのに対して、本実施形態においては、蒸発器16が外部排熱の回収用に利用されて熱媒が高温とされ、凝縮器12が外部媒体を加熱して温水供給するのに利用されて熱媒が低温とされ、低レベルに高温部、高レベルに低温部が構成されている。
【0033】
より詳細には、
図6に示すように、熱媒液を蒸発する蒸発器16と、蒸発器16より上方レベルに設置され、熱媒ガスを凝縮する凝縮器12との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させる熱輸送システムにおいて、蒸発器16から凝縮器12へ熱媒ガスを送る熱媒ガス配管27と、凝縮器12から蒸発器16へ熱媒液を送る熱媒液配管31とを有する。
蒸発器16において、外部の排熱を回収することにより、熱媒液を蒸発する一方、凝縮器12において、熱媒ガスを凝縮することにより、温水を外部に供給し、たとえば、食品向け洗浄水として利用するようにしている。
熱媒液配管31には、熱媒用受液器90が設けられ、熱媒液配管31の凝縮器12と熱媒用受液器90との間には、第1開閉弁64が設けられ、さらに、熱媒ガス配管27の蒸発器16と凝縮器12との間と、熱媒液配管31の第1開閉弁64と熱媒用受液器との間を連絡するバイパス管92が設けられ、熱媒ガス配管27の凝縮器12の入り口側と、バイパス管92とにそれぞれ、第2開閉弁38および第3開閉弁94が設けられる。
第1開閉弁64は、凝縮器12から熱媒用受液器への一方向の流れを可能とする逆止弁でもよいし、第1実施形態と同様に、通常の電動開閉弁でもよい。
図7に示すように、温熱供給運転時には、第1開閉弁64および第2開閉弁38が開、第3開閉弁94が閉とされ、熱媒ガス配管27および熱媒液配管31により、ループ式サーモサイフォンが構成され、
図8に示すように、温熱供給運転の停止時には、第1開閉弁64および第2開閉弁38が閉、第3開閉弁94が開とされ、熱媒ガス配管27の一部、バイパス管92および熱媒液配管31の一部により、同様にループ式サーモサイフォンが構成される。
なお、蒸発器16において、外部の排熱を回収することにより、熱媒液を蒸発しつつ、凝縮器12において、熱媒ガスを凝縮することにより、温水を外部に供給するのでもよい。
変形例として、第1実施形態と同様に、蒸発器16を蓄熱器とすることにより、凝縮器12において、熱媒ガスを凝縮することにより、温水を外部に供給する際は、蓄熱器により蓄熱した熱を利用し、一方、温水の外部供給停止の際は、蓄熱器により外部の排熱を回収することにより蓄熱してもよい。
【0034】
以上の構成を有する熱輸送システムによれば、システムの通常運転の際は、熱媒液配管31の凝縮器12と熱媒用受液器90との間に設けた第1開閉弁64、および熱媒ガス配管27の凝縮器12の入り口側に設けた第2開閉弁38を開くとともに、蒸発器16と凝縮器12との間と、凝縮器12と熱媒用受液器90との間を連絡するバイパス管92に設けた第3開閉弁94を閉じることにより、蒸発器16において熱媒液を蒸発させ、熱媒ガス配管27により熱媒ガスを凝縮器12へ送り、凝縮器12において熱媒ガスを凝縮し、たとえば、熱媒ガスとの熱交換により温水を取り出し、熱媒液配管31により熱媒液を熱媒用受液器90を介して蒸発器12へ送り、以上より、蒸発器16より上方レベルに設置された凝縮器12との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させることにより、熱輸送することが可能である。
【0035】
一方、システムの停止の際は、熱媒液配管31においては、熱媒用受液器温度と凝縮器12が設置されている温度と比べ熱媒用受液器温度の方が高いため、熱媒用受液器90の熱媒が蒸発してガスになり熱媒液配管31を凝縮器12に向かって流れ、庫内で冷却され熱媒液となり、液が受液器90に戻る単管サーモサイフォン現象が起こったり、熱媒ガス配管27においては、凝縮器12において冷却された熱媒液が熱媒ガス配管27を蒸発器16に向かって流れ、蒸発器16で蒸発してガスになり熱媒ガス配管27を凝縮器12に向かって流れる単管サーモサイフォン現象が起こったりするところ、第1開閉弁64および第2開閉弁38が閉、第3開閉弁94が開とされることにより、熱媒液配管31および熱媒ガス配管27において、熱媒液が凝縮器12へ逆流したり、熱媒ガスが蒸発器16へ逆流することにより、いわゆる単管サーモサイフォン現象を生じることなくバイパス管92を介して蒸発器16からの熱媒ガスが、凝縮器12をバイパスして熱媒用受液器90へ流れることにより、熱媒用受液器90に受け入れられた熱媒液が
加熱されて、蒸発器16における熱媒の飽和温度の低下が抑制されることから、ループ式サーモサイフォン方式による熱輸送システムの運転、停止を繰り返す断続運転を行う場合、運転開始直後の立ち上がり特性を改善するとともに、ループ式サーモサイフォン方式の高効率化を達成可能である。
【0036】
以上の構成を有する熱輸送システムを用いる熱輸送方法としては、熱媒液を蒸発する蒸発器16と、蒸発器16より上方レベルに設置され、熱媒ガスを凝縮する凝縮器12との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させる熱輸送方法において、通常運転の際は、蒸発器16において熱媒液を蒸発させ、熱媒ガスを凝縮器12へ送り、凝縮器12において熱媒ガスを凝縮し、熱媒液を熱媒用受液器90を介して蒸発器16へ送ることにより、蒸発器16と蒸発器16より上方レベルに設置された凝縮器12との間で、ループ式サーモサイフォン方式により熱媒を循環させることにより、熱輸送し、運転停止の際は、熱媒の凝縮器12から蒸発器16への逆流、および/または熱媒の蒸発器16から凝縮器12への逆流を抑制しつつ、蒸発器16からの熱媒ガスを凝縮器12をバイパスして熱媒用受液器90へ流すものとされる。
【0037】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、第1実施形態において、第1バイパス管27の蓄熱器16側への接続として、第2冷媒配管26側、一方第2バイパス管31の蓄熱器16側の接続として、第4冷媒配管30側として説明したが、それに限定されることなく、第1バイパス管27の蓄熱器16側への接続として、第4冷媒配管30側、一方第2バイパス管31の蓄熱器16側の接続として、第2冷媒配管26側としてもよい。
たとえば、本実施形態において、蓄熱器16として説明したが、それに限定されることなく、冷媒からの蓄熱が可能である限り、蓄熱槽でもよい。
たとえば、本実施形態において、通常運転における蓄熱の終了段階(
図3)において、蓄熱槽での圧力損失を排除するために、第1切替弁32を閉じる代わりに、第6切替弁48を開くことにより、蓄熱器16をバイパスするものとして説明したが、それに限定されることなく、蓄熱器16での圧力損失が高くなければ、蓄熱器バイパス管46を省略してもよい。
【0038】
たとえば、本実施形態において、デフロスト運転初期(
図4)において、ループ式サーモサイフォンに必要な冷媒量を送り込むためのものとして説明したが、それに限定されることなく、圧縮機14を停止した時点において保有される冷媒量で十分な場合には、このような運転は不要であり、場合により、第3バイパス管42自体を省略してもよい。