(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る積層構造体について説明する。
【0013】
(1)実施形態の積層構造体の構成
以下、実施形態の積層構造体1の構成について、
図1〜4を参照して説明する。
図1(a)は実施形態の積層構造体1の平面図であり、
図1(b)は積層構造体1の正面図である。
図2は、
図1のA−Aの断面図である。
図3は、
図1のB−Bの断面図である。
図4(a)は
図1のC−Cの断面図であり、
図4(b)は
図1のD−Dの断面図であり、
図4(c)は
図1のE−Eの断面図である。
【0014】
図1に示すように、実施形態の積層構造体1は、概ね直方体状の形状をなしている。積層構造体1は、パーティングラインPLを挟んで第1の樹脂シート21と第2の樹脂シート22が積層された構造の樹脂積層体2と、補強材3とを備える。第1の樹脂シート21は積層構造体1のおもて側に形成され、第2の樹脂シート22は積層構造体1の裏側に形成されている。
図2〜4を示すように、第2の樹脂シート22は、中空部Hを隔てて第1の樹脂シート21と対向している。
図1(a)に示すように、補強材3は長尺状の部材であり、中空部H内において延伸方向3Y(第1方向の一例)に延設されている。
図1(b)に示すように、樹脂積層体2のいずれかの側壁には、補強材3を外側から挿入するための挿入口2aが設けられている。
図1(b)において、パーティングラインPLは、後述する樹脂積層体2の成形時に形成される。
【0015】
第1の樹脂シート21および第2の樹脂シート22の樹脂材料は、限定されないが、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体およびその混合物などが挙げられる。
第1の樹脂シート21および第2の樹脂シート22は、強度および剛性を増加させる目的で、ガラスフィラーを混入した樹脂材料を用いて成形するようにしてもよい。
【0016】
補強材3の材料は特に限定するものではないが、樹脂製パネル100の強度を確保するために、好ましくはアルミニウムなどの金属製あるいは硬質のプラスチック製である。補強材3は、例えば押出成形によって成形される。
【0017】
図2に示すように、第1の樹脂シート21は、おもて側シート面211および裏側シート面212を有している。第1の樹脂シート21のおもて側シート面211は、積層構造体1のおもて面を構成し、平坦面からなる。第2の樹脂シート22は、おもて側シート面221および裏側シート面222を有する。第2の樹脂シート22のおもて側シート面221が第1の樹脂シート21に向けて部分的に突出し、複数のリブが形成されている。
図1に示すように、第2の樹脂シート22によって形成されている複数のリブは、リブr11,r12,r21,r22(それぞれ第1の突出部の一例)、および、リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43(それぞれ第2の突出部の一例)である。
【0018】
図1に示すように、リブr11,r12,r21,r22は、積層構造体1を平面視で見た場合に、補強材3の側壁面3wに沿って補強材3の延伸方向3Yに帯状に延びている。つまり、リブr11,r12,r21,r22は補強材3の側壁面3wに並設されている。
リブr11,r12,r21,r22の各頂面は、第1の樹脂シート21の裏側シート面212に達していない(連結していない)ことが好ましい。例えば、
図4(a)に示すように、リブr11の頂面r11tおよびリブr21の頂面r21tは、第1の樹脂シート21の裏側シート面212に達していない(連結していない)。このようにすることで、成形時に溶融樹脂が第1の樹脂シート21側に多く引き寄せられることが回避されるため、リブr11,r12,r21,r22の頂部および/または側壁の薄肉化を抑制することができる。
【0019】
他方、リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43の頂面は、第1の樹脂シート21の裏側シート面212まで突出している。例えば、
図4(b)に示すように、リブR12の頂面R12t、リブR22の頂面R22t、リブR32の頂面R32t、および、リブR42の頂面R42tは、第1の樹脂シート21の裏側シート面212まで突出している。リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43は、平面視で補強材3と離れた位置に配置されることから、樹脂積層体2のみで所要の強度および剛性を確保するため、これらのリブは第1の樹脂シート21の裏側シート面212に溶着することで第1の樹脂シート21と連結している。なお、リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43のすべてが、第1の樹脂シート21まで突出していることは必須ではなく、第1の樹脂シート21まで突出していないリブがあっても構わない。
【0020】
図1に示すように、リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43は、積層構造体1を平面視で見た場合に帯状に延びている。リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43の延びる方向は、リブr11,r12,r21,r22の延びる方向(つまり、延伸方向3Y)と直交している。これは、以下の理由による。すなわち、仮に、リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43を、延伸方向3Yと並設させたとしたならば、延伸方向3Yの軸回りの曲げに対して比較的弱い構造となってしまう。それに対して本実施形態では、リブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43により延伸方向3Y回りの曲げに対して強く、リブr11,r12,r21,r22により延伸方向3Yと平面視で直交する方向の軸回りの曲げに対して強い構造となっている。
【0021】
リブR12,R22は、補強材3の側の端部においてリブr11と連結している。リブR13,R23は、補強材3の側の端部においてリブr12と連結している。リブR32,R42は、補強材3の側の端部においてリブr21と連結している。リブR33,R43は、補強材3の側の端部においてリブr22と連結している。
例えば、
図2においてリブR12とリブr11の関係に着目すると、リブR12の補強材3側の端面R12sが、頂面R12tから裏側へ向かう途中でリブr11の頂面r11tに連接することで、リブR12はリブr11の側壁面r11sと連結している。
図2においてリブR13とリブr12の関係に着目すると、リブR13の補強材3側の端面R13sが、頂面R13tから裏側へ向かう途中でリブr12の頂面r12tに連接することで、リブR13はリブr12の側壁面r12sと連結している。
【0022】
以下の説明では、
図1において補強材3と並設して形成されているリブr11,r12,r21,r22を個別に、あるいは総称して「並設リブr」ともいう。並設リブrと連結しているリブR12,R13,R22,R23,R32,R33,R42,R43を個別に、あるいは総称して「連結リブR」ともいう。
【0023】
本実施形態において、連結リブRをその端部において並設リブrの側壁面と連結させているのは、以下の理由による。
第1の理由は、補強材3の側壁面3wに近い部位における積層構造体1の強度および剛性を高めるためである。
図1において補強材3が配置されている領域の強度および剛性は高いが、仮に並設リブrがないとしたならば、補強材3の配置されている領域に隣接する領域は比較的強度および剛性が低下してしまう。そこで、補強材3と並設させて並設リブrを形成している。さらに、この並設リブrの側壁面と連結リブRを連結させることで、積層構造体1の局所的な強度および剛性の低下を防止している。すなわち、仮に、並設リブrと少し離間してリブR12,R13,R22,R23,R32,R33,R42,R43の端部を設けたとしたならば、その離間した部位において局所的に積層構造体1の強度および剛性が低下してしまう。連結リブRをその端部において並設リブrの側壁面と連結させることで、この局所的な強度および剛性の低下を防止することができる。
【0024】
第2の理由は、挿入口2aから樹脂積層体2へ補強材3を確実に挿入することができるようにするためである。
図1において、仮に並設リブrを設けずに、リブR12,R13,R22,R23の端部を補強材3の側壁面3w近くまで延設させた場合でも、補強材3の配置されている領域に隣接する領域の強度および剛性の低下を抑制可能である。しかしその場合、リブR12,R13,R22,R23を成形するときに各リブの長手方向の先端に、意図しない突起である余肉突起(後述する)が形成される。補強材3が配置されている領域に余肉突起が入り込むことで、樹脂積層体2の成形後に補強材3を挿入することが困難となる。
この第2の理由については後に再度説明する。
【0025】
図1を再度参照すると、リブR11とリブR12を離間させ、リブr11とリブr21を離間させている。これは、仮に、リブR11,R12を一体的なリブとし、リブr11とリブr21を一体的なリブとしたならば、リブの長手方向の長さが長くなり過ぎるために、積層構造体1に過大な負荷が掛かったときにリブが途中で破断する虞があるためである。同様の観点から、リブR21とリブR22を離間させ、リブR31とリブR32を離間させ、リブR41とリブR42を離間させ、リブr12とリブr22を離間させている。
【0026】
並設リブrには補強材3の側壁面3wを支持するための突起が形成される。例えば、
図3に示すように、並設リブrであるリブr11の側壁面r11sには突起r11jが形成されており、この突起r11jが補強材3の側壁面3wに当接して補強材3を側方から支持している。リブr11とは補強材3を挟んで反対側にあるリブr12の側壁面についても同様に補強材3の側壁面3wを支持する突起が形成されている。それによって、リブr11,r12によって補強材3を両方の側壁面から支持している。図示しないが、リブr21,r22についても同様の構成となっている。
本実施形態の例では、各並設リブrに対して部分的に補強材3の側壁面3wと当接する突起について示しているが、この例に限られない。各並設リブrの長手方向の全域に延びる突起を設けてもよい。
【0027】
図3および
図4(c)に示すように、補強材3が配置されている領域において第2の樹脂シート22には、補強材3を裏側から支持するためのリブ225が形成されている。補強材3の一方の端部3fは好ましくは凹んでおり、それによって挿入口2aから延伸方向3Yに補強材3を樹脂積層体2に挿入するときに、補強材3の端部3fがリブ225と当接し難くなるため、挿入作業性が良好となる。
図4(c)ではリブ225の数が3個である場合を例示しているが、この数に限定されない。
【0028】
(2)実施形態の積層構造体の製造方法
次に、本実施形態の積層構造体1の製造方法について説明する。上述したように、積層構造体1は、樹脂積層体2に補強材3を挿入することで製造される。以下では、樹脂積層体2の成形方法について、
図5〜8を参照して説明する。
図5〜8は、それぞれ本実施形態の樹脂積層体2の成形方法を説明するための図であり、後述する溶融樹脂シートの面に直交し、鉛直方向(溶融樹脂シートの押出方向)に延びる平面(
図1のD−Dに相当する平面)で切ったときの断面で示している。
【0029】
図5に示すように、本実施形態の樹脂積層体2を成形するには、先ず、樹脂積層体2の形状に応じた一対の分割金型51,52を用意する。そして、図示しない押出装置から溶融樹脂シート(パリソン)P,Pを押し出して分割金型51,52の間に垂下させる。分割金型51,52には、それぞれ摺動部511,521が設けられている。摺動部511および摺動部521は互いに対向している。摺動部511は溶融樹脂シートPに対して直交する方向に摺動可能であり、それによって分割金型51の形成面51aに対して相対移動可能に構成されている。同様に、摺動部521は溶融樹脂シートPに対して直交する方向に摺動可能であり、それによって分割金型52の形成面52aに対して相対移動可能に構成されている。
【0030】
溶融樹脂シートP,Pを分割金型51,52の間に垂下させた後、
図6に示すように、摺動部511,521を互いに近接する方向に移動(スライド)させることで、摺動部511,521の先端を溶融樹脂シートPに接続させる。それによって、分割金型51の形成面51aと溶融樹脂シートPの間に密閉空間SP1が形成され、分割金型52の形成面52aと溶融樹脂シートPの間に密閉空間SP2が形成される。
図示しないが、分割金型51,52にはそれぞれ真空チャンバが内蔵され、当該真空チャンバと形成面51a,52aの間には真空吸引のための連通路が設けられている。そして、真空チャンバによって連通路から密閉空間SP1,SP2内の空気を吸引する。この吸引により、
図7に示すように、一対の溶融樹脂シートP,Pがそれぞれ形成面51a,52aに押圧させられ、形成面51a,52aに沿った形状に成形(賦形)される。
【0031】
次に、
図8に示すように、分割金型51,52の型締めを行って、溶融樹脂シートP,Pを挟み込む。この型締めによって、第2の樹脂シート22のリブR11〜R13,R21〜R23,R31〜R33,R41〜R43の頂面となる溶融樹脂シートPの部分と、第1の樹脂シート21となる溶融樹脂シートPとが互いに押圧されて溶着する。
分割金型51,52の外周には、分割金型51,52の形成面51a,52aを取り囲むようにピンチオフ部(図示せず)が設けられており、型締めによって溶融樹脂シートP,Pがピンチオフ部において一対の溶融樹脂シートP,Pの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。
次に、分割金型51,52を開型して成形品を取り出す。最後に、パーティングラインPLに沿って形成されたバリをカッターで切断して、本実施形態の樹脂積層体2を得る。
【0032】
(3)実施形態の樹脂積層体の余肉突起
突部が設けられた形成面を備えた分割金型を用いて上述したようにしてリブを成形する場合、溶融樹脂が突部に押圧されるときに、突部の急峻な表面形状の変化に伴って突部の周囲に溶融樹脂の余剰が生ずることに起因して、突部(つまり、リブ)の周囲に薄肉の突起(以下、「余肉突起」という。)が形成されることがある。余肉突起は意図して形成されるものではなく、余肉突起が形成される否か、および、余肉突起が形成されたときのリブの外縁における位置や余肉突起の延びる方向は、リブに対応する形成面の突部の形状や配置、および/または、当該突部の延設する方向と溶融樹脂の押出方向との関係等といったファクタによって決定される。
【0033】
本実施形態の樹脂積層体2は、強度および剛性を低下させず、かつ、成形後に補強材3を挿入する際に余肉突起によって補強材3の挿入作業性に問題が生じないように、リブの配置を工夫して余肉突起の位置およびその延びる方向を制御している点に特徴がある。この点について、以下、
図9〜13を参照して説明する。
図9は、実施形態の積層構造体のリブに形成される余肉突起を示す部分平面図である。
図10〜12は、それぞれ、
図9との比較のための参考例に係る積層構造体のリブに形成される余肉突起を示す部分平面図である。
図13は、実施形態の変形例に係る積層構造体のリブに形成される余肉突起を示す部分平面図である。各図は、樹脂積層体の第1の樹脂シートを除去した状態で示している。
【0034】
図9に示すように、本実施形態の樹脂積層体2では、リブR12,R22の端部が、リブr11の側壁面のうち補強材3とは反対側にある側壁面と連結し、リブR13,R23の端部が、リブr12の側壁面のうち補強材3とは反対側にある側壁面と連結している。このようなリブ配置では、リブr11,r12の長手方向の両端において、リブr11,r12の長手方向の先端に余肉突起EXが形成される。この余肉突起EXは、リブr11,r12の長手方向に延びており、補強材3の補強材配置領域3Pと平面視で重複しない。そのため、補強材3の挿入時に補強材3と余肉突起EXが干渉することはなく、挿入作業性に影響を及ぼさない。
【0035】
図10に示す参考例は、本実施形態とは異なり、リブr11,r12を設けずに、リブR12,R13,R22,R23の端部を補強材3の側壁面近くまで延設させた場合の例である。この例ではリブr11,r12がないため、
図10(b)に示すように、リブR12,R13,R22,R23の補強材3側の端面の一部で補強材3の側壁面を支持するように構成する。リブR12,R13,R22,R23の端面(リブR22の場合は端面R22s)の傾斜は、本実施形態と同様である。
この例では、リブR12,R13,R22,R23の端部が補強材3の側壁面の近くまで形成されているため、補強材3の配置されている領域に隣接する領域の強度および剛性の低下を抑制可能である。しかし、リブR12,R13,R22,R23を成形するときに各リブの長手方向の先端に余肉突起EXが形成され、この余肉突起EXが平面視で補強材配置領域3Pに入り込む。そのため、補強材3の挿入時に補強材3と余肉突起EXが干渉し、補強材3の挿入ができないか、あるいは挿入作業性が低下する。
【0036】
図11に示す参考例は、
図10の参考例と同様に本実施形態とは異なり、リブr11,r12を設けずに、リブR12A,R13A,R22A,R23Aを補強材3の側壁面近くまで延設させた場合の例である。
図10の参考例と異なるのは、
図11(b)に示すように、リブR12A,R13A,R22A,R23Aの補強材3側の端面(例えば、端面R12As,R22As)の傾斜が
図10の参考例の場合よりも緩やかである点である。このようにリブの端部の傾斜を緩やかにした場合、余肉突起は形成されないため、補強材3の挿入作業性に影響を及ぼすことはない。しかし、各リブの補強材3側の端面の傾斜が緩やかであるため、各リブの補強材3側の端部近傍での積層構造体1の強度および剛性が
図9の本実施形態の場合よりも低下してしまう。
【0037】
図12に示す参考例は、リブR12B,R22Bをリブr11と連結させず、リブR13B,R23Bをリブr12と連結させていない点で、本実施形態の樹脂積層体2である
図9とは異なる。このようにリブを配置した場合、リブR12B,R13B,R22B,R23Bを成形するときに各リブの長手方向の先端に余肉突起EXが形成され、リブr11,r12の長手方向の両端において、リブr11,r12の長手方向の先端に余肉突起EXが形成される。いずれの余肉突起EXも補強材配置領域3Pに入り込まないため、補強材3の挿入作業性に影響を及ぼすことはない。しかし、リブR12B,R22Bの補強材3側の端部とリブr11の間の領域、および、リブR13B,R23Bの補強材3側の端部とリブr12の間の領域にはリブがなく、当該領域において局部的に積層構造体1の強度および剛性が低下してしまう。
【0038】
図13に示す実施形態の変形例は、リブR12C,R22Cは、リブr11の側壁面のうち補強材3の位置とは反対側にある側壁面と連結し、リブR13C,R23Cは、リブr12の側壁面のうち補強材3の位置とは反対側にある側壁面と連結している点では、
図9の場合と同じである。
図9と異なる点は、リブR12C,R22Cとリブr11の連結位置がリブr11の長手方向の両端であり、リブR13C,R23Cとリブr12の連結位置がリブr12の長手方向の両端であることである。
図13に示すように、このようなリブ配置では、余肉突起EXがリブの連結位置を起点として斜め方向に形成される。
図9の場合と比較して、余肉突起EXが補強材配置領域3Pにより近付く傾向となるが、補強材3を挿入する上では支障はない。しかし、余肉突起EXと補強材配置領域3Pの距離に余裕をもたせるため、
図9に示したように、連結リブRは、並設リブrの長手方向の端部よりも中央側で並設リブrと連結することが好ましい。
【0039】
上述したように、本実施形態の積層構造体によれば、第2の樹脂シート22が、補強材3の側壁面3wに沿って延伸方向3Yに帯状に延びる並設リブrと、補強材3の位置とは反対側にある並設リブrの側壁面と連結している連結リブRと、を有するように構成した。そのため、積層構造体1の強度および剛性を低下させず、かつ樹脂積層体2の成形後に補強材3を適切に挿入することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の積層構造体は実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0041】
例えば、連結リブRが補強材3の側の側壁面において並設リブrと連結する態様は、
図2に示したように、連結リブRの補強材3側の端面が、頂面から裏側へ向かう途中で並設リブrの頂面に連接する場合に限られない。
図14に、実施形態の積層構造体の変形例の
図2に相当する断面図を示す。
図14に示す変形例では、連結リブRの補強材3側の端面が、頂面から裏側へ向かう途中で並設リブrの側壁面に連接する場合を示している。
図14においてリブR12とリブr11の関係に着目すると、リブR12の補強材3側の端面R12sが、頂面R12tから裏側へ向かう途中でリブr11の側壁面r11sに連接することで、リブR12がリブr11と連結している。
図14においてリブR13とリブr12の関係に着目すると、リブR13の補強材3側の端面R13sが、頂面R13tから裏側へ向かう途中でリブr12の側壁面r12sに連接することで、リブR13がリブr12と連結している。
【0042】
上述した実施形態では、樹脂積層体2を成形するときに、
図1において並設リブrの長手方向に沿って、上から下向きに溶融樹脂を押し出す場合について説明したが、この押出方向に限られない。溶融樹脂の押出方向は、連結リブRの長手方向に沿って、上から下向きに行ってもよい。溶融樹脂にガラスファイバ等の繊維系のフィラを混合させる場合には、連結リブRの長手方向に沿って溶融樹脂を押し出す方が、ピンホールが発生し難くなる点で好ましい。