特許第6643784号(P6643784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643784
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】多彩色絵柄パイル布帛と織物地
(51)【国際特許分類】
   D03D 27/00 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
   D03D27/00 C
   D03D27/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-29209(P2018-29209)
(22)【出願日】2018年2月21日
(65)【公開番号】特開2019-143266(P2019-143266A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2018年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】595035728
【氏名又は名称】三和合繊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】井関 正郎
【審査官】 鶴 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−240247(JP,A)
【文献】 特開平01−306647(JP,A)
【文献】 特開平06−184958(JP,A)
【文献】 特開2018−201767(JP,A)
【文献】 特開昭59−053738(JP,A)
【文献】 特開昭48−067549(JP,A)
【文献】 特開平02−026982(JP,A)
【文献】 特開平08−209485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D1/00−27/18
D06B1/00−23/30
D06C3/00−29/00
D06G1/00−5/00
D06H1/00−7/24
D06J1/00−1/12
D06P1/00−7/00
A47G27/00
D05C17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
染色性を異にする第1パイル糸(61)の第1パイル(62)が植設された第1パイル領域(10a,10b)と第2パイル糸(71)の第2パイル(72)が植設された第2パイル領域(20a,20b,20c,20d)によってパイル地のパイル形成過程において構成され、それらのパイルが隣り合う第1パイル領域(10)と第2パイル領域(20)の境界線によって柄際(53)が形成された下地絵柄(41)が描出されており、
一部の第1パイル領域(10a)の一部(11a)か、一部の第1パイル領域(10a)の全域(12a)か、全部の第1パイル領域(13a,13b)の何れか、又は、一部の第2パイル領域(20a)の一部(21a)か、一部の第2パイル領域(20a)の全域(22a)か、全部の第2パイル領域(23a,23b,23c,23d)の何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄(42)が下地絵柄(41)に重なって描出され、
前記色分け絵柄(42)は、前記染着性を異にする染料が混合された混合染液に色分けされ
前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれている多彩色絵柄パイル布帛。
【請求項2】
前記染着性を異にする染料には、第1パイル糸(61)と第2パイル糸(71)の双方に対し染着性を有する染料が含まれている請求項1に記載の多彩色絵柄パイル布帛。
【請求項3】
染色性を異にする第1パイル糸(61)の第1パイル(62)が植設された第1パイル領域(10a,10b)と第2パイル糸(71)の第2パイル(72)が植設された第2パイル領域(20a,20b,20c,20d)によってパイル地のパイル形成過程において構成され、それらのパイルが隣り合う第1パイル領域(10)と第2パイル領域(20)の境界線によって柄際(53)が形成された下地絵柄(41)が描出されており、
一部の第1パイル領域(10a)の一部(11a)か、一部の第1パイル領域(10a)の全域(12a)か、全部の第1パイル領域(13a,13b)の何れか、又は、一部の第2パイル領域(20a)の一部(21a)か、一部の第2パイル領域(20a)の全域(22a)か、全部の第2パイル領域(23a,23b,23c,23d)の何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄(42)が下地絵柄(41)に重なって描出され、
前記染着性を異にする染料には、第1パイル糸(61)と第2パイル糸(71)の双方に対し染着性を有する染料が含まれ
前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれている多彩色絵柄パイル布帛。
【請求項4】
前記染着性を異にする染料には、第1パイル糸(61)に対し染着性を有する染料も含まれている請求項1〜3の何れか1項に記載の多彩色絵柄パイル布帛。
【請求項5】
第1パイル領域(10a)の第2パイル領域(20a)に対する隣接部分(14a)と、第2パイル領域(20a)の第1パイル領域(10b)に対する隣接部分(24a)における基布(51)のバックステッチ面(14)に、前記染着性を異にする染料を含む染液が滲み出て、色彩が同色の融合領域(30)を構成している請求項1〜4の何れか1項に記載の多彩色絵柄パイル布帛。
【請求項6】
(1) 染色性を異にする第1経糸と第2経糸、および、第1経糸と染色性を同じくする第1緯糸と第2経糸と染色性を同じくする第2緯糸によって織成された織物の表面に、それらの染色性を同じくする第1経糸と第1緯糸によって織成される第1画素領域と染色性を同じくする第2経糸と第2緯糸によって織成される第2画素領域との境界線によって柄際(53)が形成された下地絵柄(41)が描出されており、
(2) 一部の第1画素領域(10a)の一部(11a)か、一部の第1画素領域(10a)の全域(12a)か、全部の第1画素領域(13a,13b)の何れか、又は、一部の第2画素領域(20a)の一部(21a)か、一部の第2画素領域(20a)の全域(22a)か、全部の第2画素領域(23a,23b,23c,23d)の何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄(42)が下地絵柄(41)に重なって描出され、
前記色分け絵柄(42)は、前記染着性を異にする染料が混合された混合染液に色分けされ
前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれている多彩色絵柄織物地。
【請求項7】
(1) 染色性を異にする第1経糸と第2経糸、および、第1経糸と染色性を同じくする第1緯糸と第2経糸と染色性を同じくする第2緯糸によって織成された織物の表面に、それらの染色性を同じくする第1経糸と第1緯糸によって織成される第1画素領域と染色性を同じくする第2経糸と第2緯糸によって織成される第2画素領域との境界線によって柄際(53)が形成された下地絵柄(41)が描出されており、
(2) 一部の第1画素領域(10a)の一部(11a)か、一部の第1画素領域(10a)の全域(12a)か、全部の第1画素領域(13a,13b)の何れか、又は、一部の第2画素領域(20a)の一部(21a)か、一部の第2画素領域(20a)の全域(22a)か、全部の第2画素領域(23a,23b,23c,23d)の何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄(42)が下地絵柄(41)に重なって描出され、
前記染着性を異にする染料には、第1画素糸(61)と第2画素糸(71)の双方に対し染着性を有する染料が含まれ
前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれている多彩色絵柄織物地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイル形成過程においてパイル地のパイル面に描出される絵柄の色彩を多色化するパイル面多色化法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カチオン性基を有するレギュラー繊維は酸性染料と含金属染料で染色され、アニオン性基を有するカチオン可染繊維はカチオン可染型染料で染色される。
このように繊維の染色性は繊維素材の種類によって異なり、全ての繊維が全ての染料によって染色される訳ではない。つまり、染料は繊維素材によって使い分けられ、それぞれ染着性のある繊維の染色に使われると言うことである。
とは言え、染料の染着性は、繊維素材の種類によって相異があり、繊維素材が同じであっても、濃く染まるものもあれば薄く染まるものもあり、中程度に染まるものもある。
薄く染まる繊維に使用する染液の染料濃度を高めても、その繊維の染料着座容量が少ないので染料の使用量は少なくなるので、余剰染料は使い捨てになり無駄になる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5974336号公報(特開2014−23744)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
染め斑は、往々にして混用する染料の染着差に起因し、染着性の弱い染料が染着性の強い染料に着座領域を奪われて充分に染着し得なくなることによる。
そこで、絵柄の捺染時には、染着性の弱い染料と染着性の強い染料が隣合わないように配慮される(例えば、特許文献1参照)。
そうであれば、絵柄の捺染では染着性の弱い染料と染着性の強い染料を別々に分けて使用する、つまり、2回或いは3回以上繰り返して染色することが有効となる。
本発明は、そのように特定の繊維に対して染着性があると認められる同じ種類の染料であっても染着性の度合いに差異があり、その特定の種類の繊維以外の他の種類の繊維に対して染着性があると認められる特異な染料がある、との知見に基づいて完成された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛は、染色性を異にする第1パイル糸61の第1パイル62が植設された第1パイル領域10a,10bと第2パイル糸71の第2パイル72が植設された第2パイル領域20a,20b,20c,20dによってパイル地のパイル形成過程において構成され、それらのパイルが隣り合う第1パイル領域10と第2パイル領域20との境界線によって柄際53(図3)が形成された下地絵柄41が描出されており(図1)、
一部の第1パイル領域10aの一部11a(図4)か、一部の第1パイル領域10aの全域12a(図5)か、全部の第1パイル領域13a,13b(図6)の何れか、又は、一部の第2パイル領域20aの一部21a(図7)か、一部の第2パイル領域20aの全域22a(図8)か、全部の第2パイル領域23a,23b,23c,23d(図9)の何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄42が下地絵柄41に重なって描出され、
前記色分け絵柄42は、前記染着性を異にする染料が混合された混合染液に色分けされ、前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれていることを第1の特徴とする。
尚、織物地の画素は、一本か数本の経糸の上を越えて織物の表面に露出する一本か数本の緯糸の側面と一本か数本の緯糸の上を越えて織物の表面に露出する一本か数本の経糸の側面が構成する平織組織、斜紋(綾)織組織、繻子(朱子)織組織等の織組織によって構成され、その構成する経糸と緯糸が複数本であることから広い面積を有する。
これに対し、パイル布帛の絵柄の画素は、パイル表面を構成している一個一個のパイルの先端部分であり、その一個一個のパイル糸の先端部分の断面積あって経糸や緯糸の側面によって構成される織物地の画素に比して細かく、織物地に比してパイル布帛の表面には画素が細かく鮮明な絵柄を描出することが出来、本発明の効果を遺憾なく表現することが出来る。
【0006】
発明に係る多彩色絵柄パイル布帛の第2の特徴は、上記第1の特徴に加え、前記染着性を異にする染料には、第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する染料が含まれている点にある。
【0007】
本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛の第3の特徴は、染色性を異にする第1パイル糸61の第1パイル62が植設された第1パイル領域10a,10bと第2パイル糸71の第2パイル72が植設された第2パイル領域20a,20b,20c,20dによってパイル地のパイル形成過程において構成され、それらのパイルが隣り合う第1パイル領域10と第2パイル領域20の境界線によって柄際53が形成された下地絵柄41が描出されており、
一部の第1パイル領域10aの一部11aか、一部の第1パイル領域10aの全域12aか、全部の第1パイル領域13a,13bの何れか、又は、一部の第2パイル領域20aの一部21aか、一部の第2パイル領域20aの全域22aか、全部の第2パイル領域23a,23b,23c,23dの何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄42が下地絵柄41に重なって描出され、
前記染着性を異にする染料には、第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する染料が含まれ、前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれている点にある。
【0008】
本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛の第の特徴は、上記第1〜3の何れかの特徴に加え、前記染着性を異にする染料には、第1パイル糸(61)に対し染着性を有する染料も含まれている点にある。
【0009】
本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛の第の特徴は、上記第1〜4の何れかの特徴に加え、第1パイル領域10aの第2パイル領域20aに対する隣接部分14aと、第2パイル領域20aの第1パイル領域10bに対する隣接部分24aにおける基布51のバックステッチ面14に、前記染着性を異にする染料を含む染液が滲み出て、色彩が同色の融合領域30(図10)を構成している点にある。
その他、多彩色絵柄パイル布帛は、一部の第1パイル領域10aの一部11a(図4)か、一部の第1パイル領域10aの全域12a(図5)か、全部の第1パイル領域13a,13b(図6)の何れかにおいて、第1パイル糸61に対し染着性を有する第1染料か、第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する第2染料が染着、又は、一部の第2パイル領域20aの一部21a(図7)か、一部の第2パイル領域20aの全域22a(図8)か、全部の第2パイル領域23a,23b,23c,23d(図9)の何れかにおいて、第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する第2染料が染着した色分け絵柄42が下地絵柄41に重なって描出されていても良い。
その他、多彩色絵柄パイル布帛は、第1パイル領域15aと、第1パイル領域15aを介して隣り合う第2パイル領域25aと25b(図11)の色彩、又は、第2パイル領域25aと、第2パイル領域25aを介して隣り合う第1パイル領域15aと15b(図12)の色彩が同系色になっており、第1パイル領域15aを介して隣り合う第2パイル領域25aと25bの間(図11)、又は、第2パイル領域25aを介して隣り合う第1パイル領域15aと15bの間(図12)が連結領域31を構成していても良い。
その他、多彩色絵柄パイル布帛は、それぞれ数珠繋ぎ状に隣接する第2パイル領域20dの一部32と第1パイル領域10bの一部33、第1パイル領域10bの一部33と第2パイル領域20aの一部34、第2パイル領域20aの一部34と第1パイル領域10aの一部35、第1パイル領域10aの一部35と第2パイル領域20cの一部36、第2パイル領域20cの一部36と第1パイル領域10aの一部37、第1パイル領域10aの一部37と第2パイル領域20bの一部38、第2パイル領域20bの一部39と第1パイル領域10a………の各隣接部分の色彩が同系色になっており、それらの隣接部分が連続した連続領域32〜39(図13)を構成していても良い。
【0010】
本発明に係る多彩色絵柄織物地は、(1) 染色性を異にする第1経糸と第2経糸、および、第1経糸と染色性を同じくする第1緯糸と第2経糸と染色性を同じくする第2緯糸によって織成された織物の表面に、それらの染色性を同じくする第1経糸と第1緯糸によって織成される第1画素領域と染色性を同じくする第2経糸と第2緯糸によって織成される第2画素領域との境界線によって柄際53が形成された下地絵柄41が描出されており、
(2) 一部の第1画素領域10aの一部11aか、一部の第1画素領域10aの全域12aか、全部の第1画素領域13a,13bの何れか、又は、一部の第2画素領域20aの一部21aか、一部の第2画素領域20aの全域22aか、全部の第2画素領域23a,23b,23c,23dの何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄42が下地絵柄41に重なって描出され、
前記色分け絵柄42は、前記染着性を異にする染料が混合された混合染液に色分けされ、前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれていることを第1の特徴とする。
本発明に係る多彩色絵柄織物地の第2の特徴は、(1) 染色性を異にする第1経糸と第2経糸、および、第1経糸と染色性を同じくする第1緯糸と第2経糸と染色性を同じくする第2緯糸によって織成された織物の表面に、それらの染色性を同じくする第1経糸と第1緯糸によって織成される第1画素領域と染色性を同じくする第2経糸と第2緯糸によって織成される第2画素領域との境界線によって柄際53が形成された下地絵柄41が描出されており、
(2) 一部の第1画素領域10aの一部11aか、一部の第1画素領域10aの全域12aか、全部の第1画素領域13a,13bの何れか、又は、一部の第2画素領域20aの一部21aか、一部の第2画素領域20aの全域22aか、全部の第2画素領域23a,23b,23c,23dの何れかにおいて、染着性を異にする染料に色分けされた色分け絵柄42が下地絵柄41に重なって描出され、
前記染着性を異にする染料には、第1画素糸61と第2画素糸71の双方に対し染着性を有する染料が含まれ、前記染着性を異にする染料には、酸性染料と含金属染料が含まれている点にある。
【0011】
本発明において、『隣接部分14aと隣接部分24bが色彩が同系色の融合領域30(図10)』、或いは、『第1パイル領域15aと隣り合う第2パイル領域25aと25bの色彩が同系色(図11)、又は、第2パイル領域25aと隣り合う第1パイル領域15aと15bの色彩が同系色(図12)』、或いは又、『それぞれ数珠繋ぎ状に隣接する第2パイル領域20dと第1パイル領域10b、第1パイル領域10bと第2パイル領域20a、第2パイル領域20aと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20c、第2パイル領域20cと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20b………の各隣接部分の色彩が同系色(図13)』と言う『色彩が同系色』とは、それぞれの隣接部分において隣り合い染色性を異にする第1パイル領域の第1パイルと第2パイル領域20の第2パイルの色彩が彼此れ見間違う程度に酷似していることを意味する。
【0012】
その第1パイル領域の第1パイルと第2パイル領域20の第2パイルの色彩が彼此れ見間違う程度に酷似しているか否かの判定は、先ず、図14に図示するように、厚み2〜3mmの合板か厚紙を裁断して縦横各100mmの矩形基板81を4〜5枚を用意し、その3〜4枚に直径45mmと75mmの同心円を描き、外径45mmの円板83と内径75mmの中空円の切り取られた縦横各100mmの矩形中空円打抜基板82を切り出す。
その中空円打抜基板82を矩形基板81に周辺を揃えて貼り合わせ、その中空円打抜基板82の内径75mmの中空円に同心円状に中心を合わせて外径45mmの円板83を矩形基板81に貼り合わせる。
こうして、円板83の外周縁と中空円打抜基板82の内周縁に縁取られた溝幅15mmの真円環溝84を有するランドルト基盤86を作成する。
このランドルト基盤86の円環溝84にパイル布帛の融合領域30や連続領域31や連続領域32から切り出した縦15mm×横10mmの第1パイル裁断片85aや第2パイル裁断片85bを敷き詰めてランドルト環80を視力検査表の中の視力0.1(眼鏡着用矯正可)と判定される直径45mm×75mmの同心円で表示される視力0.1判定用ランドルト環に準じて作成する。
パイル裁断片を敷き詰める際には、第1パイル裁断片85aと第2パイル裁断片85bの何れか一方の裁断片の敷詰量を1片とし、その1片のパイル裁断片85をもってランドルト環80を横切る指標87とする。
【0013】
ランドルト環80は、第1パイル裁断片85aを指標87とするランドルト環80aと第2パイル裁断片85bを指標87とするランドルト環80bとの2種類とし、その各種類毎に指標87の位置が真上のもの80aA・80bAと、右上のもの80aB・80bBと、右横のもの80aC・80bCと、右下のもの80aD・80bDと、真下のもの80aE・80bEと、左下のもの80aF・80bFと、左横のもの80aG・80bGと、左上のもの80aH・80bHとの8種類で合計16種類のランドルト環を用意し、それらを格子状にランダム(順位不同)に配列して判定試験表88を作成する(図15)。
【0014】
判定試験表88は、ランドルト環を使用する視力検査と同様に明るさ50ルックスの屋内で使用し、視力検査表を用いた視力検査において眼鏡なし運転可能と認定される視力0.7判定用ランドルト環によって検定される視力0.7の被検眼者(眼鏡着用矯正可)が、視力検査時と同様に5m離れた位置から16個のランドルト環80aA・80bA,80aB・80bB,80aC・80bC,80aD・80bD,80aE・80bE,80aF・80bF,80aG・80bG,80aH・80bHを各々を左右片目で見て色彩判定に使用され、その16個中の12個以上のランドルト環の指標87が上下左右の何れの位置を彼此れ見間違う場合は、第1パイル領域の第1パイルと第2パイル領域20の第2パイルの色彩は『同系色』と判定される。
ここに『16個』とは、左右各片目毎に16個の意味、即ち、左目で16個のランドルト環を見、右目で16個のランドルト環を見るとの意味、つまり左右合計32回見るとの意味である。
又、『16個中の12個以上』と規定するのは、16個のランドルト環の中の1〜4個程度なら、当てずっぽうに答えても指標87の位置を見間違うことなく答えたと判定してしまう誤判を回避するためである。
【0015】
第1パイル領域10の第1パイルと第2パイル領域20の第2パイルの色彩は『同系色』と判定される場合、再度判定試験表88を3m離れた位置から見て、ランドルト環の指標87が上下左右の何れの位置を彼此れ見間違う場合は、その第1パイル領域10の第1パイルと第2パイル領域20の第2パイルの色彩は『同等色』と判定し、更に再度判定試験表88を2m離れた位置から見て、ランドルト環の指標87が上下左右の何れの位置を彼此れ見間違う場合は、その第1パイル領域10の第1パイルと第2パイル領域20の第2パイルの色彩は『同一色』と判定し、それぞれ参考データとして記録される。
そのように、判定試験表88を見る距離を2m以上と規定する理由は、2m未満の至近距離から見る場合は、手作業でランドルト基盤86の円環溝84にパイル裁断片85を敷き詰めて作成されるランドルト環80の出来栄えにパイル裁断片の切り取り方や敷き詰め方の個人差に起因するバラツキが生じ易く、指標87の位置が殊更目立ち易くなったり、カットとループやハイ・ロー長短差等のパイル形態の差異が殊更目立ち易くなったり、撚り斑や番手(繊度)斑等のパイル糸条の形態差が目立ち易くなり、指標87の位置の判断に誤判が生じ易くなること、又、大人の身長からして目に映るカーペットと視点の距離は概して2m前後になる等の理由による。
尚、『同系色』と判定される場合の判定試験表88と視点の距離を5mと規定する理由は、視力検査におけるランドルト環と視点の距離が通常5mに規定されていること、又、判定試験表88と視点の距離を5m以上に規定する場合はランドルト環自体輪郭も不明確になって指標87の位置の判断に誤判が生じ易くなる等の理由による。
【0016】
その他、多彩色絵柄パイル布帛は、パイル面が複数の区画A,B,C,D;E,F,G,H;I,J,K,L;M,N,O,P;Q,R,S,Tに枡目状に仕切られており、その一部の2区画以上の複数の各区画内の全部の第1パイル領域10の全部の第1パイル62または各区画内の全部の第2パイル領域20の全部の第2パイル72が同色に染色されており、色分け絵柄42が複数の区画によって枡目状に仕切られた市松模様を呈していても良い図2)。
【0017】
本発明において、第1パイル糸61に対し染着性を有する第1染料か第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する第2染料が染着した色分け絵柄42に、その第1染料か第2染料が全部の第1パイル領域13a,13bに染着した色分け絵柄が包含され(図6)、又、第2パイル糸71に対し染着性を有する第2染料が全部の第2パイル領域23a,23b,23c,23dに染着した色分け絵柄が包含される(図9)とは、多彩色絵柄パイル布帛の全ての第1パイル領域13や第2パイル領域23が同一色彩に染色されていることを意味しない。
即ち、ここに言う『全部の第1パイル領域』とか『全部の第2パイル領域』とは、パイル布帛の全面即ち全ての部分ではなく、第1染料や第2染料が印捺されるパイル布帛の一部分を意味する。
若し、パイル布帛の全面即ち全ての部分を意味するのであれば、パイル布帛全体が第1染料や第2染料に無地染めされることになり、それでは捺染されることにはならないからである。
そのように、印捺されるパイル布帛の部分を意味するが故に、そのパイル布帛の部分が図1に図示するように枡目状に区切られた複数の区画A〜Tの中の一区画であれば、その各区画A〜Tの全部をそれぞれ特定の色彩に染め上げるときは、図2に図示するように各区画毎に異なる色彩に染め上げられた市松模様状の色分け絵柄42が下地絵柄41に重なって描出されことにもなる。
【0018】
ポリアミド繊維糸条には、カチオン可染ポリアミド繊維糸条と非カチオン可染であるレギュラーポリアミド繊維糸条があり、第1パイル糸61をレギュラーポリアミド繊維糸条とすれば第2パイル糸71はカチオン可染ポリアミド繊維糸条にすべきことになる。
その場合、レギュラーポリアミド繊維糸条である第1パイル糸61に対し染着性を有する第1染料を酸性染料とすれば、レギュラーポリアミド繊維糸条とカチオン可染ポリアミド繊維糸条との双方に対し染着性を有する第2染料としては含金属染料が使用されることになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るパイル布帛には第1パイル糸61と第2パイル糸71との染色性を異にする二種類のパイル糸が使用されている関係上、パイル形成後の染色に使用される染料には第1パイル糸61に対し染着性を有する第1染料と第2パイル糸71と第1パイル糸61との双方に対し染着性を有する第2染料との二種類の染料が使用され、二種類のパイル糸の染色性と二種類の染料の発色性の相異からして、通常の一種類のパイル糸を一種類の染料で染色する場合に比してパイル面の色彩が豊かになる。
その二種類の染料は、染液に混合し、混合染液としてパイル面に印捺する一浴染めとして使用することが出来るので捺染工程が高速化される。
従って本発明によると、在来の捺染パイル布帛に比してパイル面の色調が豊かな多彩色絵柄パイル布帛を効率的に得ることが出来る。
【0020】
加えて本発明では、第1パイル糸61に対し染着性を有する染料と第2パイル糸71に対し染着性を有する染料との二種類の染料に加えて第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する染料も使用されており、その第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する染料によって第1パイル62と第2パイル72を同系色に発色させることが可能となる。
そして、その同系色に発色した第1パイル62と第2パイル72は、第1パイル領域10と第2パイル領域20との隣接部分14・24において色彩が同系色の融合領域30(図10)を構成し、第1パイル領域10の輪郭と第2パイル領域20の輪郭が変化し、下地絵柄41の輪郭が変化した色分け絵柄42が描出されることになる。
【0021】
また本発明によると、第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する染料によって第1パイル62と第2パイル72を同系色に発色させることが可能となり、第1パイル領域15を介して隣り合う第2パイル領域25aと25bの間(図11)や第2パイル領域25を介して隣り合う第1パイル領域15aと15bの間(図12)が連結領域31を構成するときも、第1パイル領域10の輪郭と第2パイル領域20の輪郭が変化し、下地絵柄41の輪郭が変化した色分け絵柄42が描出されることになる。
【0022】
更に本発明によると、そのように第1パイル糸61と第2パイル糸71の双方に対し染着性を有する染料を使用することによって第1パイル62と第2パイル72を同系色に発色させることが容易になる。その結果、下地絵柄41の図3に図示する分離状態にあった第2パイル領域20dと第2パイル領域20aの間を同系色の第1パイル領域10bで繋ぎ、その繋ぐ第1パイル領域10bと第1パイル領域10aの間を同系色の第2パイル領域20aで繋ぎ、その繋ぐ第2パイル領域20aと第2パイル領域20cの間を同系色の第1パイル領域10aで繋ぎ、更に第2パイル領域20cと第2パイル領域20bの間を同系色の第1パイル領域10aで繋ぐことが可能となる。
【0023】
こうして下地絵柄41の図3に図示する分離状態にあった第2パイル領域20dと第1パイル領域10b、第1パイル領域10bと第2パイル領域20a、第2パイル領域20aと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20c、第2パイル領域20cと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20b………の各隣接部分は、図13に図示するように色彩が同系色になって数珠繋ぎ状に連続した連続領域32〜39を構成することになる。
又、こうして連続領域32〜39が発生すると、その各パイル領域10・20が分離状態にあった下地絵柄41の構図が崩れ、その各パイル領域10・20が連続して統制のとれた統制色分け絵柄44が描出されることになる(図19)。
そのように図13は、図3に図示するパイル地生機の連続領域32〜39が発生して変化した下地絵柄41の構図を図示するものである。
【0024】
図13と同様に、図4図12も、一部の第1パイル領域10aの一部11aが色分けされ(図4)、或いは一部の第1パイル領域10aの全域12aが色分けされ(図5)、或いは全部の第1パイル領域13a,13bが色分けされ(図6)、或いは一部の第2パイル領域20aの一部21aが色分けされ(図7)、或いは一部の第2パイル領域20aの全域22aが色分けされ(図8)、或いは全部の第2パイル領域23a,23b,23c,23dが色分けされ(図9)、或いは隣接部分14aや隣接部分24aの色彩が同系色の融合領域30が発生し(図10)、或いは隣り合う第1パイル領域15a・15b、隣り合う第2パイル領域25a・25b、若しくは第2パイル領域25a・25bの間に色彩が同系色の連結領域31が発生し(図11図12)、それぞれ変化した下地絵柄41の構図の一部を図示するものである。
そのように変化後の構図を図示する図4図13と変化前のパイル地生機の構図を図示する図3を対比して明らかなように、本発明によると、パイル形成過程において構成された下地絵柄41とはイメージが大きく変化した新規な多彩色絵柄パイル布帛を得ることが出来る。
【0025】
本発明において、第1パイル糸61を非カチオン可染のレギュラーポリアミド繊維糸条とし、第2パイル糸71をカチオン可染ポリアミド繊維糸条とする第1の理由は、同じポリアミド繊維であってもレギュラーポリアミド繊維とカチオン可染ポリアミド繊維とは染色性が異なり、含金属染料はレギュラーポリアミド繊維とカチオン可染ポリアミド繊維の双方に染着するものの、酸性染料はレギュラーポリアミド繊維には染着性を示すもののカチオン可染ポリアミド繊維には殆ど染着性を示さないことによる。
その第1パイル糸61を非カチオン可染のレギュラーポリアミド繊維糸条とし、第2パイル糸71をカチオン可染ポリアミド繊維糸条とする第2の理由は、含金属染料はレギュラーポリアミド繊維とカチオン可染ポリアミド繊維の双方に染着するものの、含金属染料の中にはカチオン可染ポリアミド繊維に対する染着性の度合いが酸性染料のレギュラーポリアミド繊維に対する染着性と同程度のものもあり、そのカチオン可染ポリアミド繊維に対する染着性の度合いの高い高染着性含金属染料と酸性染料との混合染液でカチオン可染ポリアミド繊維とレギュラーポリアミド繊維を一浴染色する場合には、その染色性の異なるカチオン可染ポリアミド繊維とレギュラーポリアミド繊維を染め分けし易いことによる。
第1パイル糸61を非カチオン可染のレギュラーポリアミド繊維糸条とし、第2パイル糸71をカチオン可染ポリアミド繊維糸条とする第3の理由は、カチオン可染ポリアミド繊維もレギュラーポリアミド繊維も汎用され、含金属染料も酸性染料も汎用されていて入手し易いことによる。
このように、第1パイル糸61を非カチオン可染のレギュラーポリアミド繊維糸条とし、第2パイル糸71をカチオン可染ポリアミド繊維糸条とし、含金属染料と酸性染料を使用すると本発明が実施し易くなる。
【0026】
そのように含金属染料には、(1) レギュラーポリアミド繊維とカチオン可染ポリアミド繊維の双方に染着する通常の含金属染料と、(2) カチオン可染ポリアミド繊維に対する染着性の度合いが酸性染料のレギュラーポリアミド繊維に対する染着性と同程度の染着性の高いものもある。
本発明では、(1) レギュラーポリアミド繊維とカチオン可染ポリアミド繊維の双方に染着する通常の含金属染料を第2染料とし、(2) そのカチオン可染ポリアミド繊維に対する染着性の度合いの高い高染着性含金属染料を第3染料として通常の含金属染料と使い分け、第1パイル62と第2パイル72を同系色に発色させる必要がある第1パイル領域10や第2パイル領域20の部位に高染着性含金属染料を第3染料として適用すると資材管理や工程管理の上で好都合である。
【0027】
従って、本発明では、特定の繊維に対して染着性があると認められる同じ種類の染料であっても染着性の度合いに差異があり、その特定の種類の繊維以外の他の種類の繊維に対して染着性があると認められる特異な染料がある、との知見に基づいて完成されたものであり、パイル地のパイル形成過程において、
(a) 染色性を異にするレギュラーポリアミド繊維第1パイル糸61の第1パイル62が植設される第1パイル領域10とカチオン可染ポリアミド繊維第2パイル糸71の第2パイル72が植設される第2パイル領域20と、それらの隣り合う二つのパイル領域10・20の境界線によって形成される柄際53とによって構成される下地絵柄41を、パイル面の全面又はパイル面の少なくとも一部に設定し(図3)、
(b) 第1パイル糸と第2パイル糸との何れか一方に染着性を有する第1染料と、第1パイル糸と第2パイル糸との双方に染着性を有する第2染料と、第1パイル糸と第2パイル糸との双方に高い染着性を有する第3染料を下地絵柄41のパイル面に印捺し、
(c) 一部の第1パイル領域10aの一部11a(図4)か、一部の第1パイル領域10aの全域12a(図5)か、全部の第1パイル領域13a,13b(図6)の何れかを第1染料か第2染料で第2パイル領域20aと染め分け、又は、一部の第2パイル領域20aの一部21a(図7)か、一部の第2パイル領域20aの全域22a(図8)か、全部の第2パイル領域23a,23b,23c,23d(図9)の何れかに第3染料として高染着性含金属染料を使用して第1パイル領域10aと染め分けて構成される色分け絵柄42を下地絵柄41に重ねて描出する。
ここに言う第1染料にはレギュラーポリアミド繊維に染着性を示す酸性染料が該当し、第2染料にはレギュラーポリアミド繊維とカチオン可染ポリアミド繊維の双方に染着性を有する通常の含金属染料が該当し、第3染料にはカチオン可染ポリアミド繊維とレギュラーポリアミド繊維の双方に高い染着性を有する高染着性含金属染料が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係るパイル地生機のパイル面の平面図である。
図2】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の平面図である。
図3】本発明に係るパイル地生機の拡大斜視図である。
図4】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図5】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図6】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図7】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図8】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図9】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図10】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図11】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図12】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図13】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の拡大斜視図である。
図14】ランドルト環の分解組立斜視図である。
図15】ランドルト環の正面図である。
図16】本発明に係るパイル地生機のパイル面の平面図である。
図17】本発明に係るパイル地生機の染液の印捺されたパイル面の平面図である。
図18】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の平面図である。
図19】本発明に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の平面図である。
図20】本発明の実施例に係る多彩色絵柄パイル布帛のパイル面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
染色性を異にする第1パイル糸61と第2パイル糸71との少なくとも2種類のパイル糸11・12の内の少なくとも1種類のパイル糸は、パイル形成前に染色された先染めパイル糸であってもよく、染色性を異にする少なくとも2種類のパイル糸11・12の内の少なくとも他の1種類のパイル糸がパイル形成前に未染色の生地糸か繊維原料に着色顔料を配合して紡糸した原着糸であってもよい。
染色性を異にする少なくとも2種類のパイル糸61・71の外観は、単繊維繊度、総繊度、総繊度斑、合撚の有無、異種繊維の混繊の有無、撚り密度、スペースダイの有無の何れかに起因して相異していてもよい。
染色性を異にする第1パイル糸61と第2パイル糸71が、パイル形成前において、先染め糸か未染色の生地糸、原着糸であるか、或いは、それら第1パイル糸61と第2パイル糸71の単繊維繊度、総繊度、総繊度斑、合撚の有無、異種繊維の混繊の有無、撚り密度、スペースダイの有無の何れかに起因して外観を異にしていれば、その外観の相異によって、後染め捺染されるパイル地生機の下地絵柄41は細かく色分けされる。
【0030】
図13に図示するように、数珠繋ぎ状に隣接する第2パイル領域20dと第1パイル領域10b、第1パイル領域10bと第2パイル領域20a、第2パイル領域20aと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20c、第2パイル領域20cと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20b………の各隣接部分の色彩が同系色になっており、それらの隣接部分が連続した連続領域32を構成するためには、高染着性含金属染料を使用し、レギュラーポリアミド繊維第1パイル糸61の第1パイル62が植設される第1パイル領域10とカチオン可染ポリアミド繊維第2パイル糸71の第2パイル72が植設される第2パイル領域20を同一染液で同時に染色することが資材管理や工程管理の上で望ましいが、本発明を実施する上で高染着性含金属染料の使用は必須要件になる訳ではない。
【0031】
何故なら、例えば、カチオン可染ポリアミド繊維第2パイル糸71に黄色に染色した先染めパイル糸や黄色に着色された原着パイル糸を用い、レギュラーポリアミド繊維第1パイル糸61に未着色生地糸を使用する場合、カチオン可染ポリアミド繊維に対する染着性を有しない黄色の酸性染料染液を印捺すれば、レギュラーポリアミド繊維第1パイル糸61だけが黄色に発色して先染め乃至着色のカチオン可染ポリアミド繊維第2パイル糸71と同色乃至同系色に染め上がり、レギュラーポリアミド繊維第1パイル糸61の第1パイル62が植設される第1パイル領域10とカチオン可染ポリアミド繊維第2パイル糸71の第2パイル72の隣接部分が、図13に図示するように、連続した連続領域(32)となるからである。
それ故に、高染着性含金属染料の使用は、本発明の必須要件としてよりも寧ろ資材管理や工程管理上での好ましい本発明の実施形態として推奨される。
【0032】
染色性を異にする少なくとも2種類のパイル糸11・12の形成するパイル62・72の外観は、パイル長短差およびカットパイルとループパイルとの形態差に起因して相異していてもよい。
染色性を異にする第1パイル糸61と第2パイル糸71が形成する第1パイル62と第2パイル72が、パイル長短差およびカットパイルとループパイルとの形態差に起因して外観を異にしていれば、その外観の相異によって、後染め捺染されるパイル地生機の下地絵柄41は細かく色分けされる。
【0033】
図16図17図18は、パイル地生機から本発明の多彩色絵柄パイル布帛に到る絵柄の多色化過程を図示するものである。
図16は、パイル地生機のパイル面を図示し、パイル面には、『※』印によって図示される原着金茶色カチオン可染ポリアミド繊維によって構成される第2パイル72が植設された第2パイル領域20と、『・』印によって図示される未着色白地レギュラーポリアミド繊維によって構成される第1パイル糸61の第1パイル62が植設された第1パイル領域10によって構成される下地絵柄41が描出されている。
下地絵柄41の構図は、『・』印によって図示されるレギュラーポリアミド繊維の第1パイル領域10をベースとし、『※』印によって図示されるカチオン可染ポリアミド繊維によって構成される第2パイル糸71の第2パイル72によってパイル面の全面に描出された網目地模様43と、その第2パイル72に囲まれる網目地模様43の内部に『・』印によって図示される一部の第1パイル領域10に『※』印によって図示される第2パイル72の散点模様45と、網目地模様43の内部の『・』印によって図示される残余の第1パイル領域10の無地模様46とによって構成されている。
【0034】
図17は、パイル地生機のパイル面に印捺された混合染液の塗着面を図示するものである。
混合染液は、下地絵柄41の網目地模様43よりも枡目が広い斜め菱形模様状にパイル面の全面に広がる第1混合染液91と、第1混合染液91に囲まれた菱形枡目内部に印捺された第2混合染液92との2種類になっている。
第2混合染液92は、菱形枡目内部の全面を覆っており、菱形枡目内部に現れる網目地模様43の一部と残余の散点模様45と無地模様46に塗着している。
第1混合染液91と第2混合染液92には、それぞれカチオン可染ポリアミド繊維に染着性を示す普通の低染着性含金属染料とレギュラーポリアミド繊維に染着性を有する普通の酸性染料との2種類の染料が混合されている。
2種類の混合染液に混合されている低染着性含金属染料と酸性染料の発色性は異なり、それらの混合染液に占める染料濃度も少ないので、パイルは薄目に染め上がる。
【0035】
図18は、染め上がった多彩色絵柄パイル布帛のパイル面を図示するものである。
(1) 第1混合染液91の印捺部分は、図16に『・』印で図示される未着色白地レギュラーポリアミド繊維の第1パイル62と、図16に『※』印で図示される網目地模様43の一部を成す原着金茶色カチオン可染の第2パイル72とで構成されている。
その未着色白地レギュラーポリアミド繊維の第1パイル62は、図18に『■』印(62a)で図示されるように、酸性染料によって着色される。
原着金茶色カチオン可染ポリアミド繊維の第2パイル72は、図18に『+』印(72a)で図示されるように、低染着性含金属染料によって淡い金茶色に着色される。
(2) 第2混合染液92の印捺された網目地模様部分(43)では、それが図16に『※』印で図示されていた原着金茶色カチオン可染ポリアミド繊維の第2パイル72なので、第2混合染液92に配合されている低染着性含金属染料によって薄目に着色され、それが金茶色に予め原着されているので、その原着色彩の金茶色を呈し、図18に『★』印で図示されるように、網目地模様43の状態で再現する。
(3) 第2混合染液92の印捺された散点模様部分(45)では、その図16に『・』印で図示されていた未着色白地レギュラーポリアミド繊維の第1パイル62は、第2混合染液92に配合されている酸性染料によって薄目に着色される。
その図16に『※』印で図示されていた原着金茶色カチオン可染ポリアミド繊維の第2パイル72は、第2混合染液92に配合されている低染着性含金属染料によって更に薄目に着色され、それが金茶色に予め原着されているので、その原着の金茶色を呈し、図18に『★』印で図示されるように、散点模様45の状態で再現する。
(4) 第2混合染液92の印捺された無地模様部分(46)では、それが図16に『・』印で図示されていた未着色白地レギュラーポリアミド繊維の第1パイル62なので、図18に『☆』印(62e)と『○』印(62f)と『◎』印(62g)と『◇』印(62h)で図示されるように、第2混合染液92に配合されている低染着性含金属染料と酸性染料によって薄目に着色される。
【0036】
図19は、カチオン可染ポリアミド繊維に染着性を示す普通の低染着性含金属染料とレギュラーポリアミド繊維に染着性を有する普通の酸性染料との2種類の染料を混合した混合染液に代えて、カチオン可染ポリアミド繊維とレギュラーポリアミド繊維の双方に高い染着性を有し、且つ、酸性染料のレギュラーポリアミド繊維に対する染着性と同程度にカチオン可染ポリアミド繊維に対して強い染着性を有する数種類の高染着性含金属染料を混合した混合染液が第1混合染液に使用して染め上がった多彩色絵柄パイル布帛のパイル面を図示するものである。
尚、図19に図示される多彩色絵柄パイル布帛には、カチオン可染ポリアミド繊維に染着性を示す普通の低染着性含金属染料とレギュラーポリアミド繊維に染着性を有する普通の酸性染料を混合した第2混合染液92が、そのまま使用されている。
そのように、普通の低染着性含金属染料と酸性染料との2種類の染料を混合した第1混合染液に代えて数種類の高染着性含金属染料を混合した混合染液が第1混合染液を使用すると、図19が図示するように、図18に図示されている色分け絵柄の構図が大きく変化する。即ち、図19に図示される多彩色絵柄パイル布帛においては、未着色白地レギュラーポリアミド繊維の第1パイル62aは、『■』印で図19に図示されるように、高染着性含金属染料によって濃目に着色される。
また、原着金茶色カチオン可染ポリアミド繊維の第2パイル72aは、『●』印で図19に図示されるように、酸性染料によって着色されたレギュラーポリアミド繊維のパイルであるかのように高染着性含金属染料によって濃目に着色される。
その結果、原着金茶色カチオン可染ポリアミド繊維の第2パイル72bとレギュラーポリアミド繊維の第1パイル62は、色彩が酷似した同系色となる。
そして同系色になった第1パイル62と第2パイル72bは、連結領域31を形成することになる(図11図12図19)。
【0037】
図18図19を対比して明らかなように、図18において淡い金茶色に着色され『+』印で図示される淡い金茶色に着色された第2パイル72aに破断されて途切れ途切れに続いており、図18に『■』印で図示されていた第1パイル62aは、図19に図示されるように、『●』印で図示される第2パイル72bに接続され、その『●』印で図示される第2パイル72bと『■』印で図示される第1パイル62aが同系色の連続領域32を形成し(図13)、第1パイル62aと第2パイル72bが数珠繋ぎになって交互しパイル面を広く覆う枡目が広い斜め菱形模様の統制色分け絵柄44を描出することになる。
【0038】
又、図18図19を対比して明らかなように、第1混合染液91と第2混合染液92の印捺パターンが同じであっても、染液のレサイプが変われば、パイル面の色調だけではなく、図19に図示される斜め菱形模様の統制色分け絵柄44の構図も変わることになり、図19に図示される第1パイル62aと第2パイル72bが途切れ途切れに交互して続く斜め菱形模様の統制色分け絵柄44も代わり、図18に図示されるように下地絵柄41の網目地模様43がパイル面全体の美観を支配する美的効果を発揮することにもなる。
このように、印捺パターンが同じであっても、染液のレサイプが変われば、パイル面全体の美観も変わり、多彩且つ多種多様な色分け多彩色絵柄パイル布帛を需要に応じて迅速に設計し提供する上で本発明は頗る好都合である。
【0039】
カチオン可染ポリアミド繊維とレギュラーポリアミド繊維の双方に染着性を有し、且つ、酸性染料のレギュラーポリアミド繊維に対する染着性と同程度にカチオン可染ポリアミド繊維に対して強い染着性を有する高染着性含金属染料としては、田岡化学株式会社製のLanyl・イエロー・Ge/c(C.I.No.Acid Yellow 116)、ダイスター社製のISOLAN BOREDAUX R 220%(C.I.No.Acid Red 182)とISOLAN BLUE 3GL(C.I.No.Acid
Blue 171)が例示される。
カチオン可染ポリエステル繊維とレギュラーポリエステル繊維との双方に染着性を示す高染着性分散染料としては、住友化学株式会社製のスミカロン・イエロー・E−RPD、スミカロン・レッド・E−RPD、スミカロン・ブルー・E−RPDが例示される。
【0040】
パイル地生機のパイル形成には、ジャカード柄出装置を備えたモケット織機やウイルトンカーペット織機、タフテッド機が使用される。
タフテッド機では、図3図13に図示するように、外観が異なる2種類のパイル糸11・12を交互に配列してパイル長が高低異なる高パイル63・73と低パイル64・74の2種類のパイルを択一的に基布51に植設する柄出装置を備えたハイ・ロータフテッド機の他に、外観の異なる数種類のパイル糸を選択的に植設する柄出装置を備えた所謂カラーテックタフテッド機も好適に使用される。
図3図13は、ハイ・ロータフテッド機によって得られたタフテッドパイル地生機を図示し、図中符号14は、基布51の裏面で前後するパイル間を繋ぐバックステッチを図示している。
本発明に好適なパイル地は、基布51が薄く軽量で染色工程での乾燥が短時間で済むタフテッドパイル地、就中、ポリプロピレンテープヤーンを経緯に用いた織基布にパイルを植設したタフテッドパイル地である。
【0041】
本発明の好ましい実施態様は、隣接部分14aと隣接部分24aとの融合領域30(図10)、或いは、第1パイル領域15aと隣り合う第1パイル領域25aと25b(図11)、又は、第2パイル領域25aと隣り合う第1パイル領域15aと15b(図12)、或いは又、それぞれ数珠繋ぎ状に隣接する第2パイル領域20dと第1パイル領域10b、第1パイル領域10bと第2パイル領域20a、第2パイル領域20aと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20c、第2パイル領域20cと第1パイル領域10a、第1パイル領域10aと第2パイル領域20b………の各隣接部分(図13)の色彩が、判定試験表88を3m離れた位置から見て『同等色』と判定される程度に酷似していることである。
本発明の更に好ましい実施態様は、それらの融合領域(図10)や隣接部分(図11〜13)の色彩が、判定試験表88を2m離れた位置から見て『同一色』と判定される程度に酷似していることである。
それらの色彩を『同等色』と判定される程度に酷似するようにするためには染液をパイルの根元に到着する程度に深くパイル層に浸透させ、又、『同一色』と判定される程度に酷似するようにするためには染液を基布51のバックステッチ面14に滲み出る程度に深くパイル層に浸透させることが好ましい本発明の実施形態となる。
【実施例】
【0042】
染液の調製
ポリアクリル酸塩2.5重量部、クエン酸0.4重量部、消泡剤0.3重量部、水97重量部によって染液元糊を調製した。
この染液元糊50重量部、田岡化学株式会社製の高染着性含金属染料Lanyl・Yellow・Ge/c(C.I.No.Acid Yellow 116)0.2重量部、ダイスター社製の高染着性含金属染料ISOLAN BOREDAUX R 220%(C.I.No.Acid Red 182)0.2重量部、ダイスター社製の高染着性含金属染料ISOLAN BLUE 3GL(C.I.No.Acid Blue 171)0.3重量部、水50重量部によって第1混合染液91を調製した。
また、染液元糊35重量部、田岡化学株式会社製の高染着性含金属染料Lanyl・Yellow・Ge/c(C.I.No.Acid Yellow 116)0.04重量部、ダイスター社製の高染着性含金属染料ISOLAN BOREDAUX R 220%(C.I.No.Acid Red 182)0.035重量部、ダイスター社製の高染着性含金属染料ISOLAN BLUE 3GL(C.I.No.Acid Blue 171)0.0019重量部、ダイスター社製の酸性染料SUPURALAN Yellow 4GL(C.I.No.Acid Yellow 79)0.13重量部、住友化学株式会社製酸性染料(SUMINOL・M.B.RED・B−conc:C.I.No.Acid Red 249)0.0058重量部、ダイスター社製の酸性染料TELON BLUE M−BLW(C.I.No.Acid Blue 203)0.33重量部、水65重量部によって第2混合染液92を調製した。
【0043】
生機の調製
非カチオン可染のレギュラーポリアミド繊維によって構成される第1パイル糸と、その第1パイル糸と染着性を共通する住友化学株式会社製カチオン可染最適含金属染料(Lanyl・Yellow・Ge/c:C.I.No.Acid Yellow 116)によってイエローに先染めのカチオン可染ポリアミド繊維によって構成される第2パイルとを交互に配列し、隣り合う第1パイル糸による長パイルと第2パイル糸による長パイルとを択一的に形成し、第1パイル領域と第2パイル領域が細かく分かれて入り込んだ地模様をベースとし、そのベース地模様の上に細長い第1パイル領域と第2パイル領域が交互する斜め菱形格子の網目地模様を描出した図16に図示する下地絵柄のタフテッドパイル生機を調製した。
【0044】
後染め
図17に図示する捺染パターンに従って、第1混合染液(91)と第2混合染液(92)をタフテッドパイル生機のパイル面に印捺する。
即ち、図17に図示する下地絵柄41の網目地模様43よりも枡目が広い斜め菱形模様状部分には、高染着性含金属染料の配合された第1混合染液(91)を印捺し、その枡目が広い斜め菱形模様状部分に囲まれた菱形枡目内部には酸性染料に高染着性含金属染料を混合した第2混合染液(92)を印捺する。
その結果、レギュラーポリアミド繊維が大半を占める菱形枡目内部の無地模様(46)は第2混合染液(92)の主成分である酸性染料によってグリーンに彩られ、その無地模様(46)の菱形枡目内部に散在するカチオン可染ポリアミド繊維散点模様(45)と、無地模様(46)の菱形枡目内部に現れる網目地模様(43)の一部分のカチオン可染ポリアミド繊維網目地模様(43)は、第2混合染液(92)に配合されているカチオン可染最適含金属染料によってベージュに彩られる。
そして、枡目が広い斜め菱形模様状部分に網目地模様(43)の一部分のカチオン可染ポリアミド繊維網目地模様(43)は、第1混合染液(91)に配合されているカチオン可染最適含金属染料によってブラックに彩られ、枡目が広い斜め菱形模様状部分に網目地模様(43)の残余のレギュラーポリアミド繊維は、第1混合染液(91)の主材のカチオン可染最適含金属染料によってブラックに彩られる(図20)。
【0045】
評 価
染色性を異にする2種類のパイルによって下地絵柄が描出されている絵柄パイル布帛を後染めして新たな絵柄を描出するとき、その新たな絵柄は、染色性を異にする2種類のパイル領域が交互して細かく分断されて統制がとれず躍動感を欠くものとなるが、本発明実施例のように、高染着性含金属染料の配合された第1混合染液(91)が印捺された枡目が広い斜め菱形模様状部分が染色性を異にする2種類のパイル領域が交互して細かく分断されていても、図20に図示するように、その染色性を異にするレギュラーポリアミド繊維の第1パイルとカチオン可染ポリアミド繊維の第2パイルを共にブラックの同系色になって途切れ途切れにならず連続し、統制がとれて力強く躍動感を与えるタフテッド多彩色絵柄パイル布帛が得られることになる(図20)。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るパイル地は、裏面に裏打ち用接着剤を塗布し、その塗布面に二次基布を貼り合わせて製造されるカーペットに好適である。
【符号の説明】
【0047】
A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,
K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T:パイル面の区画
10,10a,10b:第1パイル領域
11,11a,11b:一部の第1パイル領域の一部
12,12a,12b:一部の第1パイル領域の全域
13,13a,13b:全部の第1パイル領域
20,20a,20b,20c,20d:第2パイル領域
21,21a,21b,21c,21d:一部の第2パイル領域の一部
22,22a,22b,22c,22d:一部の第2パイル領域の全域
23,23a,23b,23c,23d:全部の第2パイル領域
14a:隣接部分
24b:隣接部分
30:融合領域
31a,31b:連結領域
32〜39:連続領域
41:下地絵柄
42:色分け絵柄
43:網目地模様
44:統制色分け絵柄
45:散点模様
46:無地模様
51:基布
52:バックステッチ
53:柄際
61:第1パイル糸
62,62a:第1パイル
63:高パイル
64:低パイル
71:第2パイル糸
72,72a,72b:第2パイル
73:高パイル
74:低パイル
80,80aA,80bA,80aB,80bB,80aC,
80bC,80aD,80bD,80aE,80bE,
80aF,80bF,80aG,80bG,80aH,80bH:ランドルト環
81:基板
82:中空円打抜基板
83:円板
84:真円環溝
85a:第1パイル裁断片
85b:第2パイル裁断片
86:ランドルト基盤
87:指標
88:判定試験表
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図19
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