特許第6643881号(P6643881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643881
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/40 20060101AFI20200130BHJP
   A47C 31/11 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A47C7/40
   A47C31/11 Z
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-236312(P2015-236312)
(22)【出願日】2015年12月3日
(65)【公開番号】特開2017-99737(P2017-99737A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】上田 伸行
(72)【発明者】
【氏名】奥 一夫
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 健太
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−090995(JP,A)
【文献】 特開2010−110637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C7/40−7/62
A47C31/10−31/11
B60N2/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れ本体とこの背凭れ本体をカバーする背カバーと有した背凭れを具備してなる椅子であって、
前記背カバーが、前記背凭れ本体を覆う袋状の部分を有したカバー本体と、このカバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うベース部材とを備えてなるものであり、前記ベース部材が、前記背凭れ本体の下部と係わり合う係合部を備えているものであり、
前記背凭れ本体が、下辺縁における左右方向中央部に、正面視において上方に凹んだ凹陥部を備えており、その凹陥部に前記係合部を係わり合わせているものであり、
前記背凭れ本体における左右両側部に、前後方向に延びた左右の肘掛けが設けられており、
前記カバー本体が、伸縮性のある素材を主体に構成されたものであり、
前記ベース部材が、板状をなすベース部材本体と、このベース部材本体の下部に設けられた前記係合部とを備えており、
前記ベース部材本体が、前記肘掛けの基端部と前記凹陥部の側部とを結んだ仮想線よりも外側方に延出するとともに前記背凭れ本体の外面に沿うように配されためくれ防止部を設けている椅子。
【請求項2】
背凭れ本体とこの背凭れ本体をカバーする背カバーと有した背凭れを具備してなる椅子であって、
前記背カバーが、前記背凭れ本体を覆う袋状の部分を有したカバー本体と、このカバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うベース部材とを備えてなるものであり、前記ベース部材が、前記背凭れ本体の下部と係わり合う係合部を備えているものであり、
前記カバー本体が、前記背凭れ本体が挿通される開口部を備えており、この開口部が接続手段を介して開閉可能に構成されているものであり、
前記ベース部材が、板状をなすベース部材本体と、このベース部材本体の下部に設けられた前記係合部とを備えており、
前記ベース部材本体が、前記接続手段の一部を収容し得る収容部を備えている椅子。
【請求項3】
背凭れ本体とこの背凭れ本体をカバーする背カバーと有した背凭れを具備してなる椅子であって、
前記背カバーが、前記背凭れ本体を覆う袋状の部分を有したカバー本体と、このカバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うベース部材とを備えてなるものであり、前記ベース部材が、前記背凭れ本体の下部と係わり合う係合部を備えているものであり、
前記カバー本体が、前記ベース部材を収容する袋状をなし、前記係合部を外部に表出し得る開口部を有したベース部材収容部を備えている椅子。
【請求項4】
前記係合部が、前記背凭れ本体の下部と係合するフック状のものである請求項1、2又は3記載の椅子。
【請求項5】
前記カバー本体が、伸縮性のある素材を主体に構成されたものであり、
前記ベース部材が、板状をなすベース部材本体と、このベース部材本体の下部に設けられた前記係合部とを備えている請求項記載の椅子。
【請求項6】
前記カバー本体における上端部の内面に、左右方向に延び前記背凭れ本体の上端部に係わり合う位置決め部材を備えている請求項1、2、3、4又は記載の椅子。
【請求項7】
前記ベース部材が、前記カバー本体における前側に配された前のベース部材と、前記カバー本体における後側に配された後のベース部材であり、
前記前のベース部材の前記係合部と前記後のベース部材の前記係合部とが、干渉しない位置に設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に使用される椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から背凭れ本体に背カバーを取り付けた椅子が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
背カバーは、着座者の荷重を直接的に受けるものであるため、着座者の荷重を受けた際に背凭れ本体に対して相対移動し易いものとなっている。背カバーが背凭れ本体に対してずれ動き、当該背カバーが本来の位置から大きく移動してしまった場合には、外観を損ねたり、着座者の快適な背凭れ感に支障を来したりするものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−259692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、背凭れ本体に対して、背カバーがずれ動くことを好適に抑制することができる構成を備えた椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0007】
請求項1に記載の発明は、背凭れ本体とこの背凭れ本体をカバーする背カバーと有した背凭れを具備してなる椅子であって、前記背カバーが、前記背凭れ本体を覆う袋状の部分を有したカバー本体と、このカバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うベース部材とを備えてなるものであり、前記ベース部材が、前記背凭れ本体の下部と係わり合う係合部を備えているものであり、前記背凭れ本体が、下辺縁における左右方向中央部に、正面視において上方に凹んだ凹陥部を備えており、その凹陥部に前記係合部を係わり合わせているものであり、前記背凭れ本体における左右両側部に、前後方向に延びた左右の肘掛けが設けられており、前記カバー本体が、伸縮性のある素材を主体に構成されたものであり、前記ベース部材が、板状をなすベース部材本体と、このベース部材本体の下部に設けられた前記係合部とを備えており、前記ベース部材本体が、前記肘掛けの基端部と前記凹陥部の側部とを結んだ仮想線よりも外側方に延出するとともに前記背凭れ本体の外面に沿うように配されためくれ防止部を設けている椅子である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、背凭れ本体とこの背凭れ本体をカバーする背カバーと有した背凭れを具備してなる椅子であって、前記背カバーが、前記背凭れ本体を覆う袋状の部分を有したカバー本体と、このカバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うベース部材とを備えてなるものであり、前記ベース部材が、前記背凭れ本体の下部と係わり合う係合部を備えているものであり、前記カバー本体が、前記背凭れ本体が挿通される開口部を備えており、この開口部が接続手段を介して開閉可能に構成されているものであり、前記ベース部材が、板状をなすベース部材本体と、このベース部材本体の下部に設けられた前記係合部とを備えており、前記ベース部材本体が、前記接続手段の一部を収容し得る収容部を備えている椅子である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、背凭れ本体とこの背凭れ本体をカバーする背カバーと有した背凭れを具備してなる椅子であって、前記背カバーが、前記背凭れ本体を覆う袋状の部分を有したカバー本体と、このカバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うベース部材とを備えてなるものであり、前記ベース部材が、前記背凭れ本体の下部と係わり合う係合部を備えているものであり、前記カバー本体が、前記ベース部材を収容する袋状をなし、前記係合部を外部に表出し得る開口部を有したベース部材収容部を備えている椅子である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記係合部が、前記背凭れ本体の下部と係合するフック状のものである請求項1、2又は3記載の椅子である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記カバー本体が、伸縮性のある素材を主体に構成されたものであり、前記ベース部材が、板状をなすベース部材本体と、このベース部材本体の下部に設けられた前記係合部とを備えている請求項記載の椅子である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記カバー本体における上端部の内面に、左右方向に延び前記背凭れ本体の上端部に係わり合う位置決め部材を備えている請求項1、2、3、4又は記載の椅子である。
【0015】
請求項に記載の発明は、前記ベース部材が、前記カバー本体における前側に配された前のベース部材と、前記カバー本体における後側に配された後のベース部材であり、
前記前のベース部材の前記係合部と前記後のベース部材の前記係合部とが、干渉しない位置に設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の椅子である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、背凭れ本体に対して、背カバーがずれ動くことを好適に抑制することができる構成を備えた椅子を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における正面図。
図3】同実施形態における背面図。
図4】同実施形態における右側面図。
図5】同実施形態における平面図。
図6】同実施形態における分解斜視図。
図7】同実施形態における分解斜視図。
図8】同実施形態における前のベース部材の内面側を説明するための背面図。
図9】同実施形態における後のベース部材の内面側を説明するための正面図。
図10】同実施形態における前のベース部材の斜視図。
図11】同実施形態における後のベース部材の斜視図。
図12図2におけるX−X線端面図。
図13】他の実施形態である背カバーを示す斜視図。
図14】同斜視図。
図15】同実施形態における背面図。
図16】同実施形態における正面図。
図17】同実施形態のカバー本体を説明するための背面図。
図18】同実施形態のカバー本体を説明するための正面図。
図19図17におけるV−V線端面図。
図20図18におけるW−W線端面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜12を参照して説明する。
【0019】
この実施形態は、本発明を、パイプ材を使用した椅子Aに適用したものである。この椅子Aは、例えば、オフィスや一般的な会議室等において好適に使用されるものである。
【0020】
椅子Aは、支持フレームBと、この支持フレームBに支持された座Cと、この座Cの後端部から上方に向かって延びた背凭れDと、この背凭れDの両側部から前方に延出した肘掛けEとを備えている。背凭れDは、合成樹脂により形成された背凭れ本体Fと、この背凭れ本体Fを覆う背カバーGとを備えている。肘掛けEは、背凭れ本体Fと合成樹脂により一体に形成されている。
【0021】
以下、この椅子Aの各構成について詳述する。
【0022】
<<支持フレームB>>
支持フレームBは、金属製のパイプ材を主体に構成されている。支持フレームBは、上端部で背凭れ本体Fにおける下部に接続する後脚b1と、後脚b1の下端部に連続させて前方に延出するベースb2と、ベースb2の前端に連続し上方に起立する前脚b3と、前脚b3の上端に連続し後方に延出する座受b4とを備えたものである。座受b4の後端部は背凭れ本体Fの下部に接続している。
【0023】
<<座C>>
座Cは、支持フレームBに支持されている。座Cは、支持フレームBと直接的に係わり合う部位を有した座周縁部c1と、この周縁部c1に囲繞された座中間部c2とを備えている。これら座周縁部c1と座中間部c2とは、合成樹脂により一体に形成されている。座周縁部c1は、座中間部c2と比べて厚肉に形成されている。この実施形態では、座中間部c2は、メッシュ状に形成されている。
【0024】
座周縁部c1は、平面視において略四角枠状をなしており、後端部に位置する後周縁部分c11には、起立壁c12が設けられている。この起立壁c12は、支持フレームBにおける左右の後脚b1間を繋ぐように、左右の後脚b1間に立設されている。起立壁c12は、左右方向中央部に設けられ下方に凹陥した下凹陥部a1と、この下凹陥部a1の左右に設けられ背凭れ本体Fの下端縁部a5と接続する略水平な上端縁部a2とを備えている。
【0025】
<<背凭れD>>
背凭れDは、合成樹脂製の背凭れ本体Fと、この背凭れ本体Fをカバーする背カバーGと備えている。
【0026】
<背凭れ本体F>
背凭れ本体Fは、板状をなしたものであり、平面視において中央部が後方に向かって凸となるように湾曲した形状をなしている。背凭れ本体Fは、上端部に側面視において後方に向かって屈曲する屈曲部a3を備えている。
【0027】
背凭れ本体Fは、上部の背凭れ面を構成する上本体部f1と、下部の背凭れ面を構成する下本体部f2とを一体に備えている。上本体部f1の左右幅寸法は、下本体部f2の左右幅寸法よりも短く設定されている。下本体部f2の左右幅寸法は、座Cにおける後周縁部分c11の幅寸法と略一致させてある。上本体部f1と下本体部f2との境界部分における左右両側部には、肘掛けEが正面視において外方に突出するように設けられている。上本体部f1の左右幅寸法は、支持フレームBの左右のベースb2間の離間寸法よりも短く設定されている。下本体部f2の左右幅寸法は、支持フレームBの左右のベースb2間の離間と略等しい寸法に設定されている。
【0028】
下本体部f2おける前面は、略全域が面一に形成されており、平面視において内向きに湾曲した形状をなしている。下本体部f2における背面には、左側端部及び下端部における左部分に連続した略L字状をなす左の隆起部r1と、右側端部及び下端部における右部分に連続した略L字状をなす右の隆起部r2とが形成されている。これら左右の隆起部r1、r2間に形成された凹み部分pに後のベース部材3が取り付けられたカバー本体1の後のカバー部12が添設されるようになっている。
【0029】
背凭れ本体Fは、下端部における左右方向中央部に、正面視において上方に凹んだ凹陥部たる上凹陥部a4を備えている。上凹陥部a4の左右には、座Cにおける後周縁部分c11の上端縁部a2と接続する略水平な下端縁部a5が設けられている。これら下端縁部a5は、座Cの上端縁部a2と当接するようになっている。そして、中間位置にある座Cの下凹陥部a1と背凭れDの上凹陥部a4とによって、左右方向に延びた長孔nが形成されている。この実施形態では、長孔nを構成する上凹陥部a4の縁部に、背カバーGを構成する前のベース部材2の前係合部22、及び、後のベース部材3の後係合部32をそれぞれ係わり合わせている。
【0030】
<背カバーG>
背カバーGは、背凭れ本体Fの少なくとも一部を覆い得るものである。背カバーGは、背凭れ本体Fにおける上本体部f1の略全域を覆うとともに下本体部f2における左右の側端部及び下端部における左右部分を除いた下本体部f2の前後の領域を覆うものとなっている。背カバーGは、背凭れ本体Fを覆う袋状の部分hを有したカバー本体1と、このカバー本体1の内面側に配され当該カバー本体と係わり合う前後のベース部材2、3とを備えてなる。
【0031】
まずは、カバー本体1について説明する。
【0032】
カバー本体1は、伸縮性のあるシート状の素材を主体に構成されたものであり、この実施形態では、布を主体に構成されている。カバー本体1は、主として背凭れ本体Fの前面側に配された前のカバー部11と、主として背凭れ本体Fの後面側に配される後のカバー部12とを備えている。これら前後のカバー部11、12の上縁部同士、及び、側縁部における上側の部分同士を縫い合わせることにより、下方に向かって開口された袋状の部分hが形成されている。
【0033】
カバー本体1の前のカバー部11には、袋状の部分hから下方に延出し、側端部及び下端部が後のカバー部12と接続していない前の延出部分11aを備えており、カバー本体1の後のカバー部12には、袋状の部分hから下方に延出し、側端部及び下端部が前のカバー部11と接続していない後の延出部分12aとを備えている。そして、前の延出部分11aの内面側に後述する前のベース部材2が止着具tにより取り付けられており、後の延出部分12aの内面側に後述する後のベース部材3が止着具tにより取り付けられている。
【0034】
カバー本体1は、背凭れ本体Fが挿通される開口部Kを備えており、この開口部Kが接続手段であるファスナーjを介して開閉可能に構成されている。
【0035】
ファスナーjは、カバー本体1の下端部に設けられている。ファスナーjは、カバー本体1に対して縫着されている。ファスナーjは、端部に歯(図示せず)を有した帯状又は線状の第一、第二のファスナー部材j1、j2と、これら第一、第二のファスナー部材j1、j2の歯同士を噛み合わせたり噛み合わせた状態を解除したりするためのスライダーj3とを備えている。ファスナーjは、開口部Kを開閉し得る通常のものである。
【0036】
この実施形態では、第一のファスナー部材j1は、その左右方向中央部のみが、前のカバー部11における下端部の左右方向中央部、すなわち、前のカバー部11における背凭れ本体Fの上凹陥部a4に対応する位置に縫い付けられている。
【0037】
この実施形態では、第二のファスナー部材j2は、その左右方向中央部のみが、後のカバー部12における下端部の左右方向中央部、すなわち、後のカバー部12における背凭れ本体Fの上凹陥部a4に対応する位置に縫い付けられている。スライダーj3は、第一、第二のファスナー部材j1、j2の何れか一方に離脱しない態様でスライド可能に取り付けられている。
【0038】
カバー本体1における上端部の内面には、左右方向に延び背凭れ本体Fの上端部に係わり合う帯状の位置決め部材13を備えている。位置決め部材13は、一定の弾性を有した帯状のものであり、この実施形態では合成樹脂により形成されている。位置決め部材13は、前のカバー部11の上縁部と後のカバー部12の上縁部との境界部分に沿うように配されている。位置決め部材13は、前のカバー部11、及び/又は、後のカバー部12に縫い付けられている。
【0039】
前のカバー部11の内面側には、クッション性を付与したり装着安定性を付与したりするべく、クッション材14が縫い付けや接着等の適宜の方法によって止着されている。
【0040】
続いて、ベース部材たる前のベース部材2と、ベース部材たる後のベース部材3について説明する。
【0041】
前のベース部材2は、板状をなすベース部材本体21と、このベース部材本体21の下部に設けられた鉤状の係合部たる前係合部22とを備えている。
【0042】
前のベース部材2におけるベース部材本体21は、側縁部、及び、下縁部に連続的に設けられ、前のカバー部11の縁部が係わり合うカバー保持縁部分21aと、このカバー保持縁部分21aの内側に設けられた中間部分21bとを備えている。カバー保持縁部分21aは、中間部分21bに比べて剛性が確保されており、中間部分21bよりも厚肉に形成されている。中間部分21bは、上部が円弧状に切り欠かれており、下方に向けて凹陥した形状をなしている。
【0043】
前のベース部材2におけるカバー保持縁部分21aには、前のカバー部11の端縁部が取り付けられるようになっている。つまり、前のカバー部11における下部の側端縁部分111、及び、前のカバー部11における左右の下端縁部分112が、カバー保持縁部分21aに対して止着具tにより取り付け(タッカ止め)られている。前のカバー部11は、前側からカバー保持縁部分21aの外方端縁をくるんでいる。前のカバー部11における下部の側端縁部分111の末端、及び、左右の下端縁部分112の末端は、カバー保持縁部分21aの背面側に位置しており、当該末端近傍の部位が、カバー保持縁部分a21の背面にタッカ止めされるようになっている。
【0044】
前係合部22は、前のベース部材本体21におけるカバー保持縁部分21aの下端部に一体に設けられている。前係合部22は、左右に対をなして配されている。前係合部22は、背凭れ本体Fの下部である上凹陥部a4に係わり合うものである。より詳しく言えば、前係合部22は、背凭れ本体Fの下部、すなわち下辺縁に形成された上凹陥部a4の縁部に引っ掛かるフック状のものである。
【0045】
カバー保持縁部分21aにおける前係合部22の内側部分には、後述する後のベース部材3の後係合部32との干渉を避けるための凹陥部a6が設けられている。換言すれば、前のベース部材2の前係合部22と後のベース部材3の後係合部32とは、上凹陥部a4に係合した状態においてそれぞれ干渉しない位置に設けられている。
【0046】
前のベース部材2におけるベース部材本体21は、図2に示すように、肘掛けEの基端部と上凹陥部a4の側部とを結んだ仮想線sよりも外側方に延出している。すなわち、ベース部材本体21は、背凭れ本体Fの外面に沿うように配されるとともに仮想線aよりも外方に延出しためくれ防止部m1が設けられている。この実施形態では、めくれ防止部m1は、カバー保持縁部分21aにおける両端部分を主体にして構成されている。
【0047】
前のベース部材2におけるベース部材本体21は、ファスナーjにおける余剰部分である外部分yを収容するための凹み領域たる収容部s1を備えている。つまり、ベース部材本体21におけるカバー保持縁部分21aは、中間部分21bよりも厚肉に形成されており、カバー保持縁部分21aと協働して中間部分21bの背面側に収容部s1が形成されている。この収容部s1に、ファスナーjの外部分yを収容させることにより、カバー本体1の外面側にファスナーjの外部分yの存在に起因する凸部が表出してしまうことが好適に抑制されるものとなっている。
【0048】
なお、前のベース部材2におけるベース部材本体21には、組み立て時の便宜のため、「前」という文字を示した表示部g1が設けられている。この表示部g1により、組み立て時において、後のベース部材3との混同が好適に抑制されたものとなっている。
【0049】
また、前のベース部材2のベース部材本体21は、無負荷状態すなわち前係合部22が背凭れ本体Fに係合していない状態では、背凭れ本体Fよりも平面視における湾曲度合いが小さくなるように設定されている。そして、前のベース部材2において左右に間隔をあけて配された前係合部22を、背凭れ本体Fの上凹陥部a4に係わり合わせた際には、ベース部材本体21が弾性変形し、背凭れ本体F側に引き寄せられることになる。より具体的には、ベース部材本体21の左右部分が、無負荷状態の姿勢に復帰しようとする弾性変形力により背凭れ本体F側に向かって常時付勢されることになる。ベース部材本体21の左右部分には、前述しためくれ防止部m1が設けられているため、当該めくれ防止部m1は、ベース部材本体21の材質のみならず形状によっても背凭れ本体Fに対してめくれにくい構造を採っている。
【0050】
後のベース部材3は、板状をなすベース部材本体31と、このベース部材本体31の下部に設けられた鉤状の係合部たる後係合部32とを備えている。
【0051】
後のベース部材3におけるベース部材本体31は、側縁部、及び、下縁部に連続的に設けられ、後のカバー部12の縁部が係わり合うカバー保持縁部分31aと、このカバー保持縁部分31aの内側に設けられた中間部分31bとを備えている。カバー保持縁部分31aは、中間部分31bに比べて剛性が確保されており、中間部分31bよりも厚肉に形成されている。中間部分31bは、上部が切り欠かれており、下方に向けて凹陥した形状をなしている。
【0052】
後のベース部材3におけるカバー保持縁部分31aには、後のカバー部12の端縁部が取り付けられるようになっている。つまり、後のカバー部12における下部の側端縁部分121、及び、後のカバー部12における左右の下端縁部分122が、カバー保持縁部分31aに対して止着具tにより取り付け(タッカ止め)られている。後のカバー部12は、後側からカバー保持縁部分31aの外方端縁をくるんでいる。後のカバー部12における下部の側端縁部分121の末端、及び、左右の下端縁部分122の末端は、カバー保持縁部分31aの前面側に位置しており、当該末端近傍の部位が、カバー保持縁部分31aの前面にタッカ止めされるようになっている。
【0053】
後係合部32は、後のベース部材本体31におけるカバー保持縁部分31aの下端部に一体に設けられている。後係合部32は、左右に対をなして配されている。後係合部32は、背凭れ本体Fの下部である上凹陥部a4に係わり合うものである。より詳しく言えば、後係合部32は、背凭れ本体Fの下端部に形成された上凹陥部a4の縁部に引っ掛かるフック状のものである。
【0054】
カバー保持縁部分31aにおける後係合部32の外側部分には、前述した前のベース部材2の前係合部22との干渉を避けるための凹陥部a7が設けられている。換言すれば、前のベース部材2の前係合部22と後のベース部材3の後係合部32とは、上凹陥部a4に係合した状態においてそれぞれ干渉しない位置に設けられている。また、左右に対をなして配された後係合部32間には、上凹陥部a4の端縁に添接して係わり合う底板33が架設されている。
【0055】
後のベース部材3におけるベース部材本体31は、図3に示すように、肘掛けEの基端部と上凹陥部a4の側部とを結んだ仮想線sよりも外側方に延出している。すなわち、ベース部材本体31は、背凭れ本体Fの外面に沿うように配されるとともに仮想線aよりも外方に延出しためくれ防止部m2が設けられている。この実施形態では、めくれ防止部m2は、カバー保持縁部分31aにおける両端部分を主体にして構成されている。
【0056】
後のベース部材3におけるベース部材本体31は、ファスナーjにおける余剰部分である外部分yを収容するための凹み領域たる収容部s2を備えている。つまり、ベース部材本体31におけるカバー保持縁部分31aは、中間部分31bよりも厚肉に形成されており、カバー保持縁部分31aと協働して中間部分31bの前面側に収容部s2が形成されている。この収容部s2に、ファスナーjの外部分yを収容させることにより、カバー本体1の外面側にファスナーjの外部分yの存在に起因する凸部が表出してしまうことが好適に抑制されるものとなっている。ファスナーjの左右部分は、前のベース部材2の収容部s1に収容させてもよいし、後のベース部材3の収容部s2に収容させてもよい。
【0057】
なお、後のベース部材3におけるベース部材本体31には、組み立て時の便宜のため、「後」という文字を示した表示部g2が設けられている。この表示部g2により、組み立て時において、前のベース部材2との混同が好適に抑制されたものとなっている。
【0058】
また、後のベース部材3のベース部材本体31は、無負荷状態すなわち後係合部32が背凭れ本体Fに係合していない状態では、背凭れ本体Fよりも平面視における湾曲度合いが大きくなるように設定されている。そして、後のベース部材3において左右に間隔をあけて配された後係合部32を、背凭れ本体Fの上凹陥部a4に係わり合わせた際には、ベース部材本体31が弾性変形し、背凭れ本体F側に引き寄せられることになる。より具体的には、ベース部材本体31の左右部分が、無負荷状態の姿勢に復帰しようとする弾性変形力により背凭れ本体F側に向かって常時付勢されることになる。ベース部材本体31の左右部分には、前述しためくれ防止部m2が設けられているため、当該めくれ防止部m2は、ベース部材本体31の材質のみならず形状によっても背凭れ本体Fに対してめくれにくい構造を採っている。
【0059】
<肘掛けE>
肘掛けEは、左右に対をなして設けられており、背凭れ本体Fにおける左右両側部に一体的に設けられている。肘掛けEは、背凭れ本体Fと樹脂により一体に形成されたもので、後端が背凭れ本体Fに連設されている。肘掛けEの後端部は、背凭れ本体Fの側部、すなわち、左右の側縁部における上下方向中間部に接続している。肘掛けEの前後方向の寸法は比較的短寸に設定されており、背凭れ本体Fに片持ち的に支持されている。
【0060】
肘掛けEは、基端部が背凭れ本体Fに接続し平面視において斜め前外側方に延びた基端部分e1とこの基端部分e1の先端部から支持フレームBのベースb2に沿うように前方に延びた本体部分e2とを備えてなるものである。本体部分e2は、平面視において、左右のベースb2よりも外側に位置するように設定されている。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る椅子Aは、背凭れ本体Fとこの背凭れ本体Fをカバーする背カバーGと有した背凭れDを具備している。そして、背カバーGが、背凭れ本体Fを覆う袋状の部分hを有したカバー本体1と、このカバー本体1の内面に取り付けられた前後のベース部材2、3とを備えてなるものであり、前のベース部材2が、背凭れ本体Fの下部と係わり合う前係合部22を備えているとともに、後のベース部材3が、背凭れ本体Fの下部と係わり合う後係合部32を備えている。このため、背凭れ本体Fに対して、背カバーGがずれ動くことを好適に抑制することができる構成を備えた椅子Aを提供することができるものとなる。つまり、カバー本体1の内面に取り付けられた前後のベース部材2、3が、背凭れ本体Fの下部と係わり合うようになっているため、カバー本体1が背凭れ本体Fに対して相対移動しにくいものとなり、背カバーGのずれ動きが好適に規制されるものとなる。
【0062】
前係合部22、及び、後係合部32が、背凭れ本体Fの下端部と係合するフック状のものである。このため、カバー本体1が背凭れ本体Fに対して広く覆い得るものとなるとともに、フック状をなす前係合部22及び後係合部32が、背凭れ本体Fの下端部と好適に係わり合うものとなる。
【0063】
カバー本体1が、伸縮性のある素材を主体に構成されたものであり、前のベース部材2が、板状をなすベース部材本体21と、このベース部材本体21の下部に設けられた前係合部22とを備え、後のベース部材3が、板状をなすベース部材本体31と、このベース部材本体31の下部に設けられた後係合部32とを備えている。このため、前係合部22、及び、後係合部32を背凭れ本体Fに係合することにより、カバー本体1を一定程度伸張させ得るものとなる。よって、カバー本体1が、たるみや皺の発生が抑制された態様で背凭れ本体Fに対して装着され得るものとなっている。
【0064】
カバー本体1が、背凭れ本体Fが挿通される開口部Kを備えており、この開口部Kが接続手段たるファスナーjを介して開閉可能に構成されている。このため、カバー本体1の開口部Kをファスナーjにより好適に開閉し得るものとなっている。
【0065】
カバー本体1における上端部の内面に、左右方向に延び背凭れ本体Fの上端部に係わり合う位置決め部材13を備えている。このため、カバー本体1が背凭れ本体Fに対して好適に位置決めされ得るものとなる。
【0066】
背凭れ本体Fが、下端部における左右方向中央部に、正面視において上方に凹んだ凹陥部たる上凹陥部a4を備えている。そして、上凹陥部a4に、前係合部22、及び、後係合部32を係わり合わせている。このため、背凭れ本体Fの広い領域に、カバー本体1を覆い得るものとなっている。
【0067】
背凭れ本体Fにおける左右両側部に、前後方向に延びた左右の肘掛けEが一体的に設けられている。そして、カバー本体1が、伸縮性のある素材たる布を主体に構成されている。前後のベース部材2、3における各ベース部材本体21、31が、肘掛けEの基端部と上凹陥部a4の側部とを結んだ仮想線sよりも外側方に延出するとともに背凭れ本体Fの外面に沿うように配されためくれ防止部m1、m2を備えている。このため、カバー本体1における下部の左右部分が、背凭れ本体Fに対してめくれてしまうことが好適に抑制されるものとなっている。
【0068】
前後のベース部材2、3における各ベース部材本体21、31が、ファスナーjの一部を収容し得る収容部s1、s2を備えている。このため、ファスナーjの両端部が、カバー本体1内に好適に収容され得るものとなるだけでなく、ファスナーjの両端部の膨らんだ部分、例えば、スライダーj3や基端部分の接合部材などの存在によって、カバー本体1の外面に突起が表出するのを好適に抑制し得るものとなっている。
【0069】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0070】
背カバーのベース部材は、カバー本体の内面側に配され当該カバー本体と係わり合うものであればよく、上述した実施形態に示すものには限られない。
【0071】
ここで、他の実施形態である背カバーGを、図13〜18を参照して説明する。当該他の実施形態において、上述した実施形態と同一又は相当する構成については同一の符号を付すこととし、詳細な説明を省略する。また。椅子を構成する背カバーG以外の他の構成については図示を省略している。
【0072】
他の実施形態である背カバーGは、前のベース部材2を、カバー本体1において袋状に形成された前のベース部材収容部11fに収容させており、後のベース部材3を、カバー本体1において袋状に形成された後のベース部材収容部12fに収容させている。前のベース部材2、及び、後のベース部材3は、それぞれカバー本体1の内面側に配されており、当該カバー本体1を所定の方向に移動ないし伸張させ得る態様で係わり合うようになっている。
【0073】
前のベース部材収容部11fは、カバー本体1における前のカバー部11に設けられている。前のベース部材収容部11fは、前のベース部材2における前係合部22を外部に表出し得るように当該前のベース部材2を収容する袋状のものとなっている。すなわち、前のベース部材収容部11fは、下端部に前係合部22を外部に露出させるための長孔状の開口部k1を備えている。前のベース部材収容部11fは、前の延出部分11aと、この前の延出部分11aの内面側に配されるシート状の内側袋形成部分11bとを主体に構成されている。そして、これら前の延出部分11aと内側袋形成部分11bとの側縁部分と下縁部分の左右両側部とを縫い合わせることにより、下端部に開口部k1を有した袋状の部分が形成されている。
【0074】
前のベース部材2は、上側から前のベース部材収容部11f内に挿入される。そして、前の延出部分11aの下縁部分と内側袋形成部分11bの下縁部分との縫い付け部n1によって、内部に収容された前のベース部材2の下側への移動が規制されるとともに、前の延出部分11aの側縁部分と内側袋形成部分11bの側縁部分との縫い付け部n2によって、内部に収容された前のベース部材2の左右方向への移動が規制されるようになっている。
【0075】
このようなものであれば、所期の目的を達成することができるのみならず、前のベース部材2を前のベース部材収容部11fに挿入するだけで、前のベース部材2をカバー本体1における適切な位置に配設し得るものとなる。つまり、積極的に止着具を用いることなく、前のベース部材2とカバー本体1とを位置決めすることができるものとなる。
【0076】
なお、図17に示すように、前の延出部分11aの下縁部分と内側袋形成部分11bの下縁部分との縫い付け部n1、及び、前の延出部分11aの側縁部分と内側袋形成部分11bの側縁部分との縫い付け部n2は、表面側に表出しにくい位置に設けられている。また、前の延出部分11aの末端や内側袋形成部分11bの末端は、前のベース部材収容部11fの内部に位置するように縫い合わされている。
【0077】
後のベース部材収容部12fは、カバー本体1における後のカバー部12に設けられている。後のベース部材収容部12fは、後のベース部材3における後係合部32を外部に表出し得るように当該後のベース部材3を収容する袋状のものとなっている。すなわち、後のベース部材収容部12fは、下端部に後係合部32を外部に露出させるための長孔状の開口部k2を備えている。後のベース部材収容部12fは、後の延出部分12aと、この後の延出部分12aの内面側に配されるシート状の内側袋形成部分12bとを主体に構成されている。そして、これら後の延出部分12aと内側袋形成部分12bとの側縁部分と下縁部分の左右両側部とを縫い合わせることにより、下端部に開口部k2を有した袋状の部分が形成されている。
【0078】
後のベース部材3は、上側から後のベース部材収容部12f内に挿入される。そして、後の延出部分12aの下縁部分と内側袋形成部分12bの下縁部分との縫い付け部n3によって、内部に収容された後のベース部材3の下側への移動が規制されるとともに、後の延出部分12aの側縁部分と内側袋形成部分12bの側縁部分との縫い付け部n4によって、内部に収容された後のベース部材3の左右方向への移動が規制されるようになっている。
【0079】
このようなものであれば、所期の目的を達成することができるのみならず、後のベース部材3を後のベース部材収容部12fに挿入するだけで、後のベース部材3をカバー本体1における適切な位置に配設し得るものとなる。つまり、積極的に止着具を用いることなく、後のベース部材3とカバー本体1とを位置決めすることができるものとなる。
【0080】
なお、図18に示すように、後の延出部分12aの下縁部分と内側袋形成部分12bの下縁部分との縫い付け部n3、及び、後の延出部分12aの側縁部分と内側袋形成部分12bの側縁部分との縫い付け部n4は、表面側に表出しにくい位置に設けられている。また、後の延出部分12aの末端や内側袋形成部分12bの末端は、後のベース部材収容部12fの内部に位置するように縫い合わされている。
【0081】
なお、上記した他の実施形態においても、止着具を用いて、カバー本体1と前後のベース部材2、3とを位置決めしてよいのは言うまでもない。
【0082】
上述した実施形態では、背カバー内の前後にそれぞれベース部材を設けていたが、ベース部材は、前後の何れか一方にだけ設けたものであってもよい。
【0083】
ベース部材の係合部は、背凭れ本体の下部に係合し得るものであればよく、必ずしも、背凭れ本体の下端部に係合するものには限られない。
【0084】
カバー本体は、伸縮性のあるシート状の素材を主体に構成されたものであればよく、上述した実施形態に示されたような布製のものに限定されるものではない。
【0085】
支持フレームの態様や座の態様は種々のものを採用できることは言うまでもない。
【0086】
背凭れ本体の形状や、背カバーの形状は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0087】
ベース部材の係合部の形状は種々の形状を採用することができるものである。
【0088】
接続手段は、ファスナーに限られるものではなく開口部を開閉し得るものであればよい。接続手段は、例えば、ボタン式のものや、スナップボタン式のもの等であってもよいし、面ファスナーを用いたものであってもよい。
【0089】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1…カバー本体
2…前のベース部材(ベース部材)
3…後のベース部材(ベース部材)
22…前係合部(係合部)
32…後係合部(係合部)
A…椅子
D…背凭れ
F…背凭れ本体
G…背カバー
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図20