(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
(操作システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る操作システムの構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、プラント設備R1内には、制御装置100と、制御対象としての機器120が設けられている。本実施形態におけるプラント設備R1は、水処理プラントであり、機器120は、水処理用の機器である。制御装置100は、コンピュータであり、機器120を制御する。なお、プラント設備R1は、水処理プラントに限られず、機器120は、水処理用の機器に限られない。
【0019】
制御装置100は、制御部102、表示部104、及び入力部105を有している。制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、機器120を制御する。表示部104は、機器120の状態や制御内容、及び入力部105への入力内容などを表示するモニターである。入力部105は、制御装置100の操作者による物理的な入力がなされる入力装置である。本実施形態においては、入力部105は、キーボード106とマウス108とを有する。制御装置100は、入力部105への物理的な入力を制御部102により検出し、検出した入力に基づき機器120を制御する。なお、物理的な入力とは、電気通信を介した入力信号でないことを意味するものであり、例えばキーボード106が有するキーへの押圧や、マウス108を動かすことなど、入力部105に対して直接的(物理的)に行われる操作である。
【0020】
制御装置100は、機器120とのみ電気的な通信を行うことができるようになっている。制御装置100は、機器120に対してネットワーク接続されているが、他のネットワーク(外部ネットワーク)から遮断されている。すなわち、制御装置100は、スタンドアローンとなっている。従って、制御装置100は、他の制御装置と電気的な通信を行うことができない。ただし、制御装置100は、例えばプラント内の他の制御装置に対してネットワーク接続されていてもよい。なお、機器120は、他の機器や制御装置と通信するための通信部を有しておらず、他の機器や制御装置との電気的な通信はできないものとなっている。
【0021】
本実施形態に係る操作システム1は、制御装置100を操作して機器120の遠隔操作を行うシステムである。ここで、遠隔操作とは、機器120から離れた遠隔地にいる操作者が、その遠隔地にある制御装置(遠隔対象制御部10)を操作することで、制御装置100を操作し、機器120を制御することをいう。
図1に示すように、操作システム1は、遠隔対象制御部10(遠隔対象制御装置)と、対象制御部20(対象制御装置)とを有している。遠隔対象制御部10は、遠隔設備R2内に設けられており、対象制御部20は、プラント設備R1内に設けられている。遠隔設備R2は、プラント設備R1から離れた遠隔地に設けられている設備である。すなわち、遠隔対象制御部10は、制御装置100から離れた箇所、すなわち遠隔地に設けられている。対象制御部20は、制御装置100と同じ箇所、ここでは同じ部屋に設けられており、制御装置100に隣接して設けられている。
【0022】
遠隔対象制御部10は、制御装置(コンピュータ)であり、遠隔制御部12、遠隔表示部14、及び遠隔入力部15を有する。遠隔制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。遠隔表示部14は、後述する表示部撮像部24が撮像する画像を表示するモニターである。遠隔表示部14は、表示部撮像部24が撮像する画像の他、遠隔制御部12による制御内容や遠隔入力部15への入力内容などを表示してもよい。遠隔入力部15は、操作者によって物理的な入力がなされる入力部である。具体的には、遠隔入力部15は、キーボードである遠隔キーボード16と、マウスである遠隔マウス18とを有している。遠隔対象制御部10は、制御装置100に対してネットワークで接続されておらず(ネットワークが遮断されており)、制御装置100に対する電気的な通信が遮断されている状態となっている。
【0023】
対象制御部20は、入力制御部22、表示部撮像部24、及び作動部25を有する。入力制御部22は、遠隔制御部12とネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、電気的な通信を行うための通信網であり、無線通信網であっても有線通信網であってもよい。入力制御部22は、遠隔制御部12からの通信に基づき、作動部25の作動を制御する。表示部撮像部24は、表示部104の表示内容(表示画面)を撮像するカメラである。作動部25は、入力部105に取付けられて、入力部105に物理的な入力を行うアクチュエータである。作動部25は、キーボード入力作動部26とマウス入力作動部28とを有する。キーボード入力作動部26は、キーボード106に取付けられ、キーボード106に物理的な入力を行うアクチュエータである。マウス入力作動部28は、マウス108に取付けられ、マウス108に物理的な入力を行うアクチュエータである。入力制御部22、キーボード入力作動部26、及びマウス入力作動部28の構成については後述する。対象制御部20は、制御装置100に対してネットワークで接続されておらず(ネットワークが遮断されており)、制御装置100に対する電気的な通信が遮断されている状態となっている。
【0024】
(遠隔制御部)
次に、遠隔制御部12の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る遠隔制御部の模式的なブロック図である。
図2に示すように、遠隔制御部12は、遠隔入力データ取得部30と、通信部32と、遠隔表示制御部34とを有する。
【0025】
遠隔入力データ取得部30は、遠隔入力部15への操作者による物理的な入力を検出し、その入力された内容を、遠隔入力データとして取得する。遠隔入力データ取得部30は、キーボード入力取得部36と、マウス入力取得部38とを有する。キーボード入力取得部36は、操作者が行った遠隔キーボード16への物理的な入力、すなわちキーへの押圧を検出し、その押圧されたキーの有する情報を、キーボード遠隔入力データ(遠隔入力データ)として取得する。キーの有する情報とは、キーに割り当てられた情報であり、例えばそのキーに割り当てられた文字情報である。
【0026】
マウス入力取得部38は、操作者が行った遠隔マウス18への物理的な入力、すなわち遠隔マウス18の移動と遠隔マウス18が有するボタンへの押圧とを検出する。マウス入力取得部38は、遠隔マウス18の移動を検出して、遠隔マウス18の移動量及び移動方向を、マウス遠隔入力データ(遠隔入力データ)として取得する。マウス入力取得部38は、遠隔マウス18が有するボタンへの押圧を検出して、どのボタンに対する押圧がなされたかの情報を、マウス遠隔入力データ(遠隔入力データ)として取得する。
【0027】
通信部32は、ネットワークNを介して対象制御部20と通信を行う。通信部32は、遠隔入力データ取得部30から遠隔入力データを取得し、その遠隔入力データを入力制御部22に送信する。また、通信部32は、入力制御部22から、表示部撮像部24が撮像した表示部104の表示内容(表示画像)の画像データを取得する。
【0028】
遠隔表示制御部34は、遠隔表示部14が表示する内容を制御する。遠隔表示制御部34は、通信部32から、表示部撮像部24が撮像した表示部104の表示内容(表示画像)の画像データを取得する。遠隔表示制御部34は、表示部撮像部24が撮像した表示部104の表示内容を、遠隔表示部14に表示させる。
【0029】
(キーボード入力作動部)
次に、キーボード入力作動部26の構成について説明する。
図3及び
図4は、本実施形態に係るキーボード入力作動部の模式図である。
図3は、キーボード入力作動部26の上面図であり、
図4は、キーボード入力作動部26の平面図である。
図3及び
図4に示すように、キーボード入力作動部26は、キーボード106に取付けられる。
図3に示すように、キーボード106は、入力領域106Aに、複数のキー106Bが配列している。サブ入力部としてのキー106Bは、それぞれ予め定められた所定の情報に対応付けられている。キー106B同士は、互いに異なる情報が割り当てられている。制御装置100は、キー106Bに物理的な入力(ここでは押圧)がなされると、その入力を検出し、そのキー106Bに対応付けられた所定の情報の入力を受け付ける。
【0030】
キー106Bは、方向Xに沿って配列して、キー群107A、107B、107C、107D、107E、107Fを構成する。すなわち、キー群107A、107B、107C、107D、107E、107Fは、方向Xに沿って複数のキー106Bが配列する6つのキー群であるということができる。キーボード106は、入力領域106Aに、キー群107A、107B、107C、107D、107E、107Fが、方向Xと直交する方向Yに沿って配列している。以下、キー群107A、107B、107C、107D、107E、107Fを区別しない場合は、キー群107と記載する。なお、方向Xは、キーボード第1方向であり、方向Yは、キーボード第2方向である。また、後程説明する方向Zは、方向X及び方向Yに直交する方向であり、キー106Bを押圧する方向と反対側の方向である。
【0031】
キーボード入力作動部26は、キー106Bに物理的な入力、すなわち押圧を行う。
図3及び
図4に示すように、キーボード入力作動部26は、基台部70と、レール部72と、キーボードレール部74A、74B、74C、74D、74E、74Fと、キーボードアクチュエータ部76A、76Bとを有する。キーボードレール部74A、74B、74C、74D、74E、74Fを互いに区別しない場合は、キーボードレール部74と記載し、キーボードアクチュエータ部76A、76Bを互いに区別しない場合は、キーボードアクチュエータ部76と記載する。
【0032】
基台部70は、キーボード106の入力領域106Aの四隅のそれぞれに設けられている。基台部70は、方向Zに沿って延在する柱状の部材である。基台部70同士の間の距離は、可変となっている。従って、キーボード入力作動部26は、基台部70をキーボード毎の入力領域106Aの大きさに合わせて設置することで、様々な大きさのキーボード106に取付けることができる。
【0033】
レール部72は、両端部が基台部70に固定されており、方向Yに沿って延在する軸状の部材である。レール部72は、入力領域106Aの方向Xに沿った一方の側部と他方の側部とにそれぞれ1つずつ設けられている。レール部72は、キーボード106よりも、方向Z側に設けられている。
【0034】
キーボードレール部74は、一方の端部が、レール移動部75を介して、入力領域106Aの方向Xに沿った一方の側部に設けられたレール部72に取付けられている。また、キーボードレール部74は、他方の端部が、レール移動部75を介して、入力領域106Aの方向Xに沿った他方の側部に設けられたレール部72に取付けられている。キーボードレール部74は、一方の端部から他方の端部まで、方向Xに沿って延在しており、方向Zにおいて入力領域106Aと対向している。レール移動部75は、レール部72上を、レール部72の延在方向、すなわち方向Yに沿って移動可能となっている。従って、キーボードレール部74は、レール部72の延在方向、すなわち方向Yに沿って移動可能となっている。キーボードレール部74A、74B、74C、74D、74E、74Fは、方向Yと反対方向に向かって、この順で配列している。キーボードレール部74の数は、キー群107の数と同じ6つである。すなわち、キーボードレール部74は、一つ(一行)のキー群107に対し、一つが割り当てられる。ただし、キーボードレール部74の数は、任意に設定することができる。
【0035】
図4に示すように、キーボードアクチュエータ部76は、キーボードレール部74に設けられている。キーボードアクチュエータ部76は、キーボードレール移動部77と、突出部78とを有する。キーボードレール移動部77は、キーボードレール部74上を、キーボードレール部74の延在方向、すなわち方向Xに沿って移動可能となっている。従って、キーボードアクチュエータ部76は、レール移動部75により方向Yに沿って移動可能であり、キーボードレール移動部77により方向Xに沿って移動可能となっている。
【0036】
突出部78は、キーボードレール移動部77に固定され、キーボードレール移動部77の移動に伴い移動可能となっている。突出部78は、方向Zと反対側、すなわち入力領域106Aに向かって突出可能となっている。具体的には、突出部78は、入力領域106Aに向かって突出することで、キー106Bを押圧する。すわなち、キーボードアクチュエータ部76は、突出部78を突出させてキー106Bを押圧することで、キー106Bに対し物理的な入力を行う。突出部78は、突出を解除することで、入力領域106Aと反対方向(方向Z)に後退して、キー106Bへの押圧を解除することができる。
【0037】
キーボードアクチュエータ部76A、76Bは、方向Xに沿ってキーボードレール部74に設けられている。キーボードアクチュエータ部76A、76Bは、キーボードレール部74A、74B、74C、74D、74E、74Fの全てに設けられている。言い換えれば、キーボードレール部74は、それぞれ2つのキーボードアクチュエータ部76が設けられている。これにより、例えばシフトキーを押しながら同じキー群107の文字を押す場合にも、対応可能となる。キーボードレール部74は、2つのキーボードアクチュエータ部76が設けられていることが好ましいが、キーボードアクチュエータ部76が1つ設けられていてもよく、3つ以上設けられていてもよい。
【0038】
また、キーボード入力作動部26は、撮像部Cを備えている。撮像部Cは、
図4に示すように、例えば基台部70の先端に設けられている。撮像部Cは、キーボード106の入力領域106Aを撮像する。
【0039】
以上説明したキーボード入力作動部26は、入力制御部22によって動作が制御される。その制御方法については、後述する。
【0040】
(マウス入力作動部)
次に、マウス入力作動部28の構成について説明する。
図5及び
図6は、本実施形態に係るマウス入力作動部の模式図である。
図5は、マウス入力作動部28の上面図であり、
図6は、マウス入力作動部28の平面図である。
図5及び
図6に示すように、マウス入力作動部28は、マウス108に取付けられる。制御装置100は、マウス108が、その底面をマウスパッドなどの接触面に接触させた状態のまま接触面に沿って移動した場合、マウス108の移動方向及び移動量を検出する。制御装置100は、検出したマウス108の移動方向及び移動量に対応して、表示部104に表示されたカーソルを移動させる。また、マウス108は、所定の情報に対応するボタン108Aが設けられている。制御装置100は、ボタン108Aの押圧を検出して、そのボタン108Aに割り当てられた情報の入力を受け付け、その情報に対応する処理を実行する。なお、マウス108は、さらにスクロールなどの他の入力部を有していてもよい。この場合でも、この他の入力部は、マウス入力作動部28によって物理的な入力がなされる。
【0041】
マウス入力作動部28は、マウス108を動かし、マウス108が有するボタン108Aに物理的な入力(押圧)を行う。
図5及び
図6に示すように、マウス入力作動部28は、基台部80と、マウス第1レール部82と、マウス第2レール部84と、マウスアクチュエータ部86とを有する。
【0042】
図5及び
図6に示すように、基台部80は、マウス108の移動領域Gの四隅のそれぞれに設けられている。移動領域Gは、方向X及び方向Yに沿った平面であり、方向Zに垂直な平面である。移動領域Gは、マウス108の底面に接触するマウスパッドなどの面であり、本実施形態では、マウス入力作動部28がマウス108を移動させることができる範囲の平面である。マウス108は、この移動領域Gが形成する平面に沿って移動させられる。基台部80は、方向Zに沿って延在する柱状の部材である。基台部80同士の間の距離は、可変となっている。従って、基台部80は、移動領域Gの大きさに合わせて配置することが可能となっている。なお、方向Yは、マウス第1方向であり、方向Xは、マウス第2方向である。また、方向Zは、方向X及び方向Yに直交する方向であり、マウスを持ち上げる方向である。本実施形態において、
図3及び
図4の説明での方向Xと
図5及び
図6の説明での方向Xとは同一の方向であるが、互いに異なる方向であってもよい。
【0043】
マウス第1レール部82は、両端部が基台部80に固定されており、方向Yに沿って延在する軸状の部材である。マウス第1レール部82は、移動領域Gの方向Xに沿った一方の側部と他方の側部とに、それぞれ1つずつ設けられている。マウス第1レール部82は、移動領域Gよりも、方向Z側に設けられている。
【0044】
マウス第2レール部84は、一方の端部が、マウス第1移動部85を介して、移動領域Gの方向Xに沿った一方の側部に設けられたマウス第1レール部82に取付けられている。また、マウス第2レール部84は、他方の端部が、マウス第1移動部85を介して、移動領域Gの方向Xに沿った他方の側部に設けられたマウス第1レール部82に取付けられている。マウス第2レール部84は、一方の端部から他方の端部まで、方向Xに沿って延在しており、方向Zにおいて移動領域Gと対向している。マウス第1移動部85は、マウス第2レール部84上を、マウス第2レール部84の延在方向、すなわち方向Yに沿って移動可能となっている。従って、マウス第2レール部84は、マウス第2レール部84の延在方向、すなわち方向Yに沿って移動可能となっている。
【0045】
図5及び
図6に示すように、マウスアクチュエータ部86は、マウス第2レール部84に設けられている。マウスアクチュエータ部86は、マウス第2移動部87と、ボタン入力作動部88と、マウス固定部89とを有する。マウス第2移動部87は、マウス第2レール部84上を、マウス第2レール部84の延在方向、すなわち方向Xに沿って移動可能となっている。従って、マウスアクチュエータ部86は、マウス第1移動部85により方向Yに沿って移動可能であり、マウス第2移動部87により方向Xに沿って移動可能となっている。
【0046】
ボタン入力作動部88は、マウス第2移動部87に対し固定されており、マウス第2移動部87の移動に伴い移動する。ボタン入力作動部88は、方向Zと反対側、すなわち移動領域Gに向かって突出可能となっている。具体的には、ボタン入力作動部88は、移動領域Gに向かって突出することで、マウス108のボタン108Aを押圧する。すわなち、マウスアクチュエータ部86は、ボタン入力作動部88を突出させてボタン108Aを押圧することで、ボタン108Aに対し物理的な入力を行う。ボタン入力作動部88は、突出を解除することで、移動領域Gと反対方向(方向Z)に後退して、ボタン108Aへの押圧を解除することができる。ボタン入力作動部88は、ここでは2つだが、マウス108に設けられたボタン108Aの数に対応して設けられていればよい。
【0047】
図6に示すように、マウス固定部89は、突出部90と把持部92とを有する。突出部90は、マウス第2移動部89に対し固定されており、マウス第2移動部87の移動に伴い移動する。突出部90は、方向Zと反対側、すなわち移動領域Gに向かって突出可能となっており、方向Z側に後退可能となっている。把持部92は、突出部90の先端に設けられており、マウス108を把持することで、マウス108を固定している。マウス固定部89は、突出部90を突出させた状態において、把持部92により、マウス108の底面を移動領域Gに対して接触させた状態にする。マウス固定部89は、突出部90を後退させることで、把持部92によりマウス108を方向Zに持ち上げ、マウス108の底面を移動領域Gから離間させる。
【0048】
以上説明したマウス入力作動部28は、入力制御部22によって動作が制御される。その制御方法については、後述する。
【0049】
(入力制御部)
次に、入力制御部22の構成について説明する。
図7は、本実施形態に係る入力制御部の模式的なブロック図である。入力制御部22は、遠隔制御部12から遠隔入力データを取得して、遠隔入力データと同じ情報を入力部105に入力するように、作動部25を制御する。すなわち、入力制御部22は、操作者が行った遠隔キーボード16への入力と同じ入力をキーボード106に入力するように、キーボード入力作動部26の動作を制御する。また、入力制御部22は、操作者が行った遠隔マウス18への入力と同じ入力をマウス108に入力するように、マウス入力作動部28の動作を制御する。
【0050】
図7に示すように、入力制御部22は、通信部40と、キャリブレーション部42と、位置関係記憶部44と、入力位置決定部46と、アクチュエータ制御部48とを有する。通信部40は、ネットワークNを介して遠隔制御部12の通信部32と通信を行う。通信部40は、通信部32から遠隔入力データを取得する。また、通信部40は、表示部撮像部24が撮像した表示部104の表示内容、及び、撮像部Cが撮像したキーボード106の入力領域106Aの撮像画像を、遠隔制御部12の通信部32に送信する。
【0051】
キャリブレーション部42は、遠隔入力データと作動部25が行う動作内容との関係である位置関係を、遠隔入力データ毎に設定する。すなわち、位置関係は、所定の内容の遠隔入力データが入力された場合に、作動部25がどのような動作を行うかを示す情報である。位置関係記憶部44は、その位置関係を記憶する。この位置関係は、実際に遠隔操作を行う前に予め設定され、記憶される。すなわち、キャリブレーション部42は、遠隔入力データに対する作動部25の動作のキャリブレーションを行う。本実施形態では、位置関係は、遠隔キーボード16に対する入力であるキーボード遠隔入力データと、キーボードアクチュエータ部76の移動先の位置との関係である。言い換えれば、位置関係は、遠隔キーボード16に入力されたキーと同じキー106Bの、入力領域106Aにおける位置情報であるということができる。
【0052】
図8は、キャリブレーション部による位置関係の設定方法を示すフローチャートである。キャリブレーションを行う際、最初に、操作者は、遠隔入力部15に所定の入力を行う。ここでは、操作者は、遠隔キーボード16が有する所定のキーに押圧を行う。遠隔入力データ取得部30は、この入力の内容、すなわちどのキーが押圧されたかを検出して、そのキーに割り当てられた情報(文字情報)を、キーボード遠隔入力データとして取得する。キャリブレーション部42は、通信部40を介して、このキーボード遠隔入力データを取得する(ステップS10)。言い換えれば、キャリブレーション部42は、どの文字が入力されたかの情報をキーボード遠隔入力データとして取得する。キーボード遠隔入力データを取得した後、キャリブレーション部42は、移動させるキーボードアクチュエータ部76を選択する(ステップS12)。すなわち、キャリブレーション部42は、各キーボードレール部74に設けられているキーボードアクチュエータ部76のうち、移動させるキーボードアクチュエータ部76を1つ選択する。キャリブレーション部42は、入力される文字毎に、どのキーボードアクチュエータ部76を移動させるかの仮情報を予め記憶しておき、その仮情報に基づき、移動させるキーボードアクチュエータ部76を選択する。また、操作者が移動させるキーボードアクチュエータ部76を選択してもよい。
【0053】
移動させるアクチュエータ部を決定した後、キャリブレーション部42は、そのキーボードアクチュエータ部76に対応するレール移動部75とキーボードレール移動部77とを移動させ(ステップS14)、選択したキーボードアクチュエータ部76を、予め設定された所定の位置まで移動させる。この所定の位置は、キャリブレーション部42が、入力される文字毎に予め記憶していてもよいし、操作者によって都度設定されてもよい。
【0054】
レール移動部75とキーボードレール移動部77とを移動させた後、キャリブレーション部42は、選択したキーボードアクチュエータ部76の突出部78を突出させ(ステップS16)、突出部78が、その方向Zに沿った直下のキー106Bを押圧する。この押圧されたキー106Bが有する文字情報は、表示部104に表示され、表示部撮像部24に撮像される。この表示部撮像部24が撮像した画像は、遠隔表示制御部34により遠隔表示部14に表示される。操作者は、その表示を視認し、自身が入力したキーと、突出部78が入力したキーとが同じ文字情報である旨を確認し、その旨の情報を遠隔入力部15に入力し、キャリブレーション部42に伝達する。なお、表示部撮像部24が撮像した画像の代わりに、撮像部Cが撮像したキーボード106の入力領域106Aの画像を表示させてもよい。この画像でも、突出部78がどのキー106Bを押圧したかを確認可能である。
【0055】
キャリブレーション部42は、同じ文字情報である旨の情報を取得したかを判断する(ステップS17)。キャリブレーション部42は、同じ文字情報である旨の情報を取得した場合(ステップS17;Yes)、選択したキーボードアクチュエータ部76と、その所定の位置と、キーボード遠隔入力データ(文字情報)とを、位置関係として、位置関係記憶部44に記憶させる(ステップS18)。キャリブレーション部42は、同じ文字情報である旨の情報を取得していない場合(ステップS17;No)、すなわち、操作者が、自身が入力したキーと、突出部78が入力したキーとが同じ文字情報でないと判断した場合、ステップS12に戻り、選択するキーボードアクチュエータ部76を変えたり、キーボードアクチュエータ部76が移動する所定の位置を変化させたりして、同じ処理を繰り返す。
【0056】
ステップS18の後はステップS19に移動し、キャリブレーション部42は、全てのキャリブレーションを終了したか、すなわち遠隔キーボード16中の全てのキーに対して位置関係が記憶されたかを判断し、全てのキャリブレーションが終了していない場合(ステップS19;No)、ステップS10に戻り、操作者が他のキーに対して行った入力に対して、位置関係を設定する。全てのキャリブレーションが終了した場合(ステップS19;Yes)、このキャリブレーション処理は終了する。
【0057】
キャリブレーション部42は、このように、遠隔キーボード16に入力された文字情報に対するキーボードアクチュエータ部76の移動位置との関係(位置関係)を、遠隔キーボード16内の全ての文字情報について設定して、位置関係記憶部44に記憶させる。なお、キャリブレーション部42は、マウス遠隔入力データとしての遠隔マウス18の移動方向及び移動量と、マウスアクチュエータ部86の移動する位置(マウス108の移動先の位置)とについても、位置関係として予め設定してもよい。
【0058】
なお、位置関係は、遠隔操作を開始した後でも、キャリブレーション部42によって、更新して設定することが可能である。例えば、操作者が、遠隔表示部14で表示された表示部撮像部24の撮像画像や、撮像部Cの撮像したキーボード106の入力領域106Aの画像を視認して、位置関係の更新が必要と判断した場合、キャリブレーション部42を立ち上げて、位置関係の更新(キャリブレーション)を行う。
【0059】
図7に戻り、入力位置決定部46は、キャリブレーション部42により位置関係が設定された後であって、遠隔操作を行う際に動作する。入力位置決定部46は、遠隔操作を行う際に、通信部40から遠隔入力データを取得し、作動部25の移動位置を決定する。言い換えれば、入力位置決定部46は、作動部25が入力領域106Aのどの位置に入力を行うかを決定する。具体的には、入力位置決定部46は、キーボード入力位置決定部52と、マウス入力位置決定部54とを有する。
【0060】
キーボード入力位置決定部52は、通信部40からキーボード遠隔入力データを取得する。そして、キーボード入力位置決定部52は、位置関係記憶部44から位置関係を読み出し、取得したキーボード遠隔入力データに対応するキーボードアクチュエータ部76を選択する。そして、キーボード入力位置決定部52は、取得したキーボード遠隔入力データに対応するキーボードアクチュエータ部76を移動させる位置、すなわち移動先位置を決定する。
【0061】
マウス入力位置決定部54は、通信部40からマウス遠隔入力データを取得する。マウス入力位置決定部54は、マウス遠隔入力データが、遠隔マウス18を移動させる情報、すなわち遠隔マウス18の移動方向及び移動量である場合、それと同じ移動方向及び移動量となるように、マウスアクチュエータ部86の移動方向及び移動量を決定する。マウス入力位置決定部54は、マウス遠隔入力データが、遠隔マウス18のボタンを押圧する情報である場合、複数のボタン入力作動部88のうち、突出させるボタン入力作動部88を選択する。
【0062】
アクチュエータ制御部48は、入力位置決定部46が決定した位置に入力を行うように、作動部25を制御する。アクチュエータ制御部48は、キーボードアクチュエータ制御部56と、マウスアクチュエータ制御部58とを有する。
【0063】
キーボードアクチュエータ制御部56は、キーボード入力位置決定部52が選択したキーボードアクチュエータ部76を、キーボード入力位置決定部52が決定した位置である移動先位置まで移動させる。具体的には、キーボードアクチュエータ制御部56は、レール移動部75とキーボードレール移動部77とを動かして、キーボードアクチュエータ部76を移動先位置まで移動させる。例えば、
図3のキーボードレール部74Aに設けられたキーボードアクチュエータ部76Aを選択した場合、キーボードアクチュエータ制御部56は、キーボードレール部74Aに設けられたレール移動部75を動かし、そのキーボードアクチュエータ部76Aに設けられたキーボードレール移動部77を動かす。キーボードアクチュエータ制御部56は、移動先位置まで移動したキーボードアクチュエータ部76の突出部78を突出させる。これにより、突出部78は、移動先位置に配列しているキー106B、すなわち、操作者が入力した遠隔キーボード16中のキーと同じキー106Bを押圧する。
【0064】
マウスアクチュエータ制御部58は、マウス入力位置決定部54が決定した移動方向に、決定した移動量だけ、マウスアクチュエータ部86を移動させる。具体的には、マウスアクチュエータ制御部58は、マウス第1移動部85及びマウス第2移動部87を動かして、マウスアクチュエータ部86を移動させる。これにより、マウスアクチュエータ部86は、操作者が遠隔マウス18を移動した方向及び移動量と同じ方向及び移動量で、マウス108を動かす。また、マウスアクチュエータ制御部58は、マウス入力位置決定部54が選択したボタン入力作動部88を突出させる。これにより、マウスアクチュエータ部86は、操作者が押圧したボタンと同じボタン108Aを押圧する。また、マウスアクチュエータ制御部58は、遠隔マウス18の底面が接触面から離間した場合に、マウス固定部89の突出部90を方向Zに後退させて、マウス108の底面を移動領域Gから離間させる。
【0065】
以下、キーボード106を遠隔操作する制御フローを、フローチャートに基づき説明する。
図9は、キーボードを遠隔操作する制御フローを説明するフローチャートである。キーボード106を遠隔操作する際、最初に、操作者が、遠隔キーボード16に物理的な入力、すなわちキーへの押圧を行う。遠隔制御部12は、遠隔入力データ取得部30により、その押圧を検出し、その押圧されたキーの有する文字情報を、キーボード遠隔入力データとして取得し、通信部32により入力制御部22に送信する(ステップS20)。
【0066】
入力制御部22は、キーボード遠隔入力データを取得した後、キーボード入力位置決定部52により、キーボード遠隔入力データと位置関係とに基づき、移動させるキーボードアクチュエータ部76を選択し、そのキーボードアクチュエータ部76の移動先位置を決定する(ステップS22)。キーボードアクチュエータ部76を選択し、移動先位置を決定した後、入力制御部22は、キーボードアクチュエータ制御部56により、選択したキーボードアクチュエータ部76を移動先位置まで移動させる(ステップS24)。具体的には、キーボードアクチュエータ制御部56は、選択したキーボードアクチュエータ部76が取り付けられているキーボードレール部74のレール移動部75を動かし、選択したキーボードアクチュエータ部76に設けられたキーボードレール移動部77を動かす。なお、
図3に示すように、キーボードレール部74は、キャリブレーション部42により、予め、各キー群107の上方、すなわち、方向Z側に配置されていてもよい。
図3の例では、キーボードレール部74Aがキー群107Aの方向Z側に配置され、キーボードレール部74Bがキー群107Bの方向Z側に配置されている。他のキーボードレール部74も、同様にキー群107の方向Z側に配置されている。すなわち、キャリブレーション部42は、キーボードレール部74を、予め各キー群107のいずれかに割り当ててもよい。このように、予め割り当てることで、キーボードアクチュエータ部76、すなわちレール移動部75を、その都度方向Yに動かす必要がなくなる。
【0067】
選択したキーボードアクチュエータ部76を移動先位置まで移動させた後、入力制御部22は、キーボードアクチュエータ制御部56により、そのキーボードアクチュエータ部76の突出部78を突出させて(ステップS26)、その移動先位置にあるキー106Bを押圧する。これにより、この処理は終了する。移動先位置は、予めキャリブレーションによって決められていた位置であるため、突出部78が押圧するキー106Bは、作業者が遠隔キーボード16に対して押圧したキーと同じ文字情報を有するものである。従って、作業者は、遠隔キーボード16を押圧することで、キーボード106を遠隔操作することが可能となる。
【0068】
なお、キーボード遠隔入力データは、操作者が一つのキーを押す毎に生成され、キーボードアクチュエータ部76は、その都度キー106Bを押圧する。キーボード入力位置決定部52は、キーボード遠隔入力データの文字情報から、その次のキーボード遠隔入力データ中の文字情報を予測して、選択したキーボードアクチュエータ部76とは異なるキーボードアクチュエータ部76を、その予測した次の文字情報を有するキー106Bに向かって移動させてもよい。
【0069】
次に、マウス108を遠隔操作する制御フロー、より詳しくは、遠隔操作によりマウス108を移動させる制御フローを、フローチャートに基づき説明する。
図10は、マウスを遠隔操作する制御フローを説明するフローチャートである。より詳しくは、
図10は、遠隔操作によりマウス108を移動させる制御フローを説明するフローチャートである。遠隔操作によりマウス108を移動させる際、最初に、操作者が、遠隔マウス18に物理的な入力、すなわち遠隔マウス18を動かす。遠隔制御部12は、遠隔入力データ取得部30により、その遠隔マウス18の移動方向及び移動量を検出し、その移動方向及び移動量の情報を、マウス遠隔入力データとして取得し、通信部32により入力制御部22に送信する(ステップS30)。
【0070】
入力制御部22は、マウス遠隔入力データを取得した後、マウス入力位置決定部54により、マウス遠隔入力データに基づき、遠隔マウス18と同じ移動方向及び移動量となるように、マウスアクチュエータ部86の移動方向及び移動量を決定する(ステップS32)。マウスアクチュエータ部86の移動方向及び移動量を決定した後、入力制御部22は、マウスアクチュエータ制御部58により、マウスアクチュエータ部86を、決定した移動方向に決定した移動量だけ移動させる(ステップS34)。これにより、本処理は終了する。マウスアクチュエータ部86は、決定した移動方向及び移動量だけ、すなわち、遠隔マウス18と同じ移動方向及び移動量だけ、マウス108を動かす。従って、操作者は、遠隔マウス18を操作することで、マウス108を遠隔操作することが可能となる。
【0071】
なお、マウス入力位置決定部54は、遠隔マウス18の移動量よりも少ない移動量を、マウスアクチュエータ部86の移動量として決定してもよい。すなわち、マウス入力位置決定部54は、むだ時間補償を行ってもよい。これにより、マウス入力位置決定部54は、遠隔マウス18が移動を止めた場合にもマウス108が移動を続けてしまい、操作者が意図した位置にマウス108を停止させることができなくなる可能性を低減させることができる。
【0072】
また、マウスアクチュエータ制御部58は、所定のタイミングで、突出部90を後退させて、マウス108の底面を移動領域Gから離間させてもよい。この場合、マウスアクチュエータ制御部58は、さらにマウスアクチュエータ部86を制御して、移動領域Gから離間させたマウス108を移動領域G内の所定位置、ここでは移動領域Gの中央位置に移動させる。その後、マウスアクチュエータ制御部58は、突出部90を突出させてマウス108の底面を移動領域Gに接触させる。言い換えれば、マウスアクチュエータ制御部58は、遠隔マウス18の動作に関係なく、所定のタイミングで、マウス108を中央位置に戻してもよい。これにより、マウス108を移動領域G外の位置に移動させようとする遠隔操作が発生することを抑制することができる。この所定のタイミングは、任意に設定することができるが、例えば、マウスアクチュエータ部86の稼働範囲を超える場合、すなわち、マウスアクチュエータ部86を移動領域G外の位置に移動させようとする制御を検出した場合である。また、所定のタイミングは、予め定められた時間の経過毎であってもよく、ユーザー設定イベント発生時、例えば操作者が所定の操作を行った場合であってもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る操作システム1は、制御対象としての機器120を制御する制御装置100の操作システムである。操作システム1は、遠隔入力部15及び遠隔制御部12を有して制御装置100から離れた箇所に設けられる遠隔対象制御部10と、作動部25及び入力制御部22を有する対象制御部20とを有する。遠隔入力部15は、操作者によって物理的な入力がなされる入力部である。遠隔制御部12は、遠隔入力部15への入力を遠隔入力データとして取得する。作動部25は、制御装置100の入力部105に取付けられて、入力部105に物理的な入力を行う。入力制御部22は、遠隔入力データと同じ情報を入力部105に入力するように、作動部25を制御する。遠隔対象制御部10と対象制御部20とは、制御装置100に対する電気的な通信が遮断されている。
【0074】
プラント設備R1に設けられる機器120は、トラブル発生時や、定期的な保守のタイミングの際などに、その機器のメンテナンス作業者によりメンテナンスが行われる。このメンテナンスを行う上で、メンテナンス作業者は、例えば自身の事務所に設けられた制御装置によって、機器120の制御装置100を操作して、機器120の遠隔操作を行う場合がある。このように遠隔操作を行う場合、メンテナンス作業者の事務所に設けられた制御装置を、制御装置100とネットワークで接続し、そのネットワークを介して、制御装置100を遠隔操作することがある。この場合、制御装置100がネットワークに接続されているため、そのネットワークを介した不正アクセスがなされるおそれがある。特に、水処理プラントの機器120などは、情報セキュリティを高く保つ必要があり、不正アクセスの可能性を低減させることが求められている。
【0075】
本実施形態に係る操作システム1は、制御装置100に対してネットワークで接続されていない。操作システム1は、入力制御部22が、遠隔にいる操作者(メンテナンス作業者)の入力データを遠隔入力データとして取得し、作動部25が、その遠隔入力データと同じ情報を、物理的に制御装置100の入力部105に入力している。これにより、操作システム1は、制御装置100とのネットワーク接続を遮断しつつ、操作者による制御装置100の遠隔操作を可能とする。従って、この操作システム1は、機器120を遠隔操作する際に、情報セキュリティのレベル低下を抑制することができる。この操作システム1は、制御装置100とネットワークで接続されていないため、例え遠隔対象制御部10が不正に使用された場合でも、制御装置100から電子データを抽出することは出来ず、また、ウイルスを送信することもできない。従ってこの操作システム1は、情報セキュリティのレベル低下を抑制することができる。
【0076】
また、制御装置100は、入力部105への入力結果が表示される表示部104を有している。対象制御部20は、表示部104の表示内容を撮像する表示部撮像部24を有する。遠隔対象制御部10は、表示部撮像部24が撮像した表示内容を表示する遠隔表示部14を有する。この操作システム1は、遠隔表示部14により、表示部104の表示内容を遠隔でも表示することができるため、遠隔操作をより適切に行うことができる。
【0077】
また、制御装置100は、入力部105が、予め定められた所定の情報に対応するサブ入力部が互いに異なる位置に複数設けられる入力領域106Aを有しており、サブ入力部に物理的な入力がなされると、そのサブ入力部に対応付けられた所定の情報の入力を受け付ける。入力制御部22は、遠隔入力データに基づき、作動部25が入力領域106Aのどの位置に入力を行うかを決定し、入力領域106Aの決定した位置に入力を行うように、作動部25を制御する。この操作システム1は、作動部25が、入力を行うと決定した位置で入力を行う。従って、操作システム1は、例えば入力部105がキーボードである場合、操作者が遠隔で入力したキー(サブ入力部)と同じキーを、作動部25によって入力することが可能となる。そのため、この操作システム1は、遠隔操作をより適切に行うことができる。なお、入力部105は、キーボードであることに限られず、例えば表示部と一体となったタッチパネルであってもよい。この場合、サブ入力部は、タッチパネルを所定の領域毎に区分した場合の各領域である。この場合でも、操作システム1は、操作者が遠隔で入力した領域と同じ領域を入力(タッチ)することができるため、遠隔操作をより適切に行うことができる。
【0078】
また、入力部105は、キーボート106及びマウス108を有している。作動部25は、キーボード入力作動部26と、マウス入力作動部28とを有する。キーボード入力作動部26は、キーボード106に取付けられ、キーボード106の入力領域106Aに配列している複数のキー106Bに物理的な入力を行う。マウス入力作動部28は、マウス108に取付けられ、マウス108を動かし、マウス108が有するボタン108Aに物理的な入力を行う。この操作システム1は、キーボード入力作動部26及びマウス入力作動部28により、キーボート106及びマウス108を適切に操作することが可能となるため、遠隔操作をより適切に行うことができる。
【0079】
キーボード入力作動部26は、キーボードレール部74と、キーボードレール移動部77及び突出部78を有するキーボードアクチュエータ部76とを有する。キーボードレール部74は、入力領域106Aに対向して設けられ、キーボード第1方向(方向X)に沿って延在し、キーボード第2方向(方向Y)に沿って複数設けられる。キーボードアクチュエータ部76は、キーボードレール部74にそれぞれ設けられる。キーボードレール移動部77は、キーボードレール部74の延在方向に沿って移動可能となっている。突出部78は、入力領域106Aに向かって突出可能となっている。この操作システム1は、キーボード入力作動部26がこのような構成であるため、キーボート106を適切に操作することが可能となるため、遠隔操作をより適切に行うことができる。
【0080】
遠隔入力データは、文字情報を含んでいる。入力制御部22は、キーボード入力位置決定部52と、キーボードアクチュエータ制御部56とを有する。キーボード入力位置決定部52は、文字情報、すなわち遠隔入力データに基づき、複数のキーボードアクチュエータ部76のうち作動させるキーボードアクチュエータ部76を選択し、選択したキーボードアクチュエータ部76を移動させる位置を決定する。キーボードアクチュエータ制御部56は、キーボード入力位置決定部52が選択したキーボードアクチュエータ部76を、決定した位置に移動させ、突出部78を入力領域106Aに向かって突出させて入力部105への入力を行わせる。この操作システム1は、キーボードアクチュエータ部76を決定した位置に移動させる制御を行うため、操作者が入力した文字情報と同じ文字情報を、より適切に、入力部105に入力することが可能となる。
【0081】
マウス入力作動部28は、マウス第1レール部82と、マウス第1移動部85が端部に設けられるマウス第2レール部84と、マウス第2移動部87、マウス固定部89、及び、ボタン入力作動部88を有するマウスアクチュエータ部86と、を有する。マウス第1レール部82は、マウス第1方向(方向Y)に沿って延在する。マウス第2レール部84は、マウス第2方向(方向X)に沿って延在する。マウス第1移動部85は、マウス第1レール部82上をマウス第1レール部82の延在方向に沿って移動可能である。マウス第2移動部87は、マウス第2レール部84の延在方向に沿って移動可能である。マウス固定部89は、マウス108を固定する。ボタン入力作動部88は、マウス108のボタン108Aを押圧可能である。この操作システム1は、このような構成によりマウス108を適切に操作可能であるため、遠隔操作をより適切に行うことができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。例えば、上述のように、入力部105は、キーボード106とマウス108とに限られず、表示部104と一体のタッチパネルであってもよい。