(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仕切り部材は、前記設置面と前記縁石との間に介在している底板部と、前記底板部に立設され前記側壁面と前記縁石との間に介在している側板部と、を備えることで断面L字形に形成されている請求項2に記載の埋設側溝。
前記仕切り部材は、前記縁石が設置され当該縁石と前記設置面との間で挟まれたときに圧縮変形可能な素材によって形成され、前記縁石が設置される前の前記仕切り部材の高さ寸法は、前記設置面に施工される敷きモルタルの高さ寸法よりも高い寸法に形成されている請求項2に記載の埋設側溝。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7は、上記従来の埋設側溝の断面図である。図中、従来の埋設側溝100は、車道101に沿って長尺に形成されているブロック本体102と、縁石103とを備えている。
【0005】
ブロック本体102には、その内部に排水路104と、車道101の水分を排水路104に排水するための導水スリット105とが形成されている。
また、ブロック本体102には、縁石103が設置されている設置面106と、設置面106に対して突設された凸部107とが形成されている。縁石103と、設置面106との間には、敷きモルタル108が施工されている。
【0006】
図8(a)は、上記従来のブロック本体102の斜視図である。なお、
図8(a)は、縁石103を設置する前のブロック本体102を示している。
図8(a)及び
図7に示すように、凸部107の側壁面107aには、溝部110が形成されている。溝部110は、側壁面107aに対して凹むように形成されており、上端面107bから設置面106まで延びている。
導水スリット105は、
図7に示すように、排水路104から設置面106まで延びる下部スリット105aと、溝部110よりなる上部スリット105bとを含んでいる。
【0007】
ここで、縁石103をブロック本体102に設置するために敷きモルタル108が設置面106に施工される。このとき、施工した敷きモルタルが溝部110を通じて導水スリット105内に流入し、導水スリット105が塞がれてしまうことがあった。
【0008】
そこで、
図7及び
図8(b)に示すように、施工した敷きモルタルが溝部110に流入して落下しないようにするためのキャップ部材115を導水スリット105の内部空間に設けていた。
このキャップ部材115は、樹脂等によって形成された部材であり、背板部115aと、所定の間隔を置いて長手方向に配置された複数の柱部115bとを備えている。キャップ部材115は、導水スリット105の内部空間に固定されることで、背板部115aによって設置面106に施工された敷きモルタル106が溝部110に流入するのを防止しつつ、柱部115b同士間の空間によって導水スリット105による排水路104と外部との連通を維持できるように構成されている。
【0009】
しかし、上記従来の埋設側溝100は、導水スリット105にキャップ部材115が配置されたままで用いられるため、導水スリット105の開口面積が制限され、排水能力を低下させるおそれがあった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、排水用のスリットの開口面積をより大きく確保することができる埋設側溝、及び埋設側溝の組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、道路に埋設されるブロック本体と、前記ブロック本体に設置される縁石と、を備えた埋設側溝であって、前記ブロック本体は、前記縁石が設置される設置面と、前記設置面の一端縁に繋がる側壁面と、前記側壁面の上端縁に繋がる上端面と、を有しており、前記ブロック本体には、当該ブロック本体を長手方向に貫通する排水路と、下端開口が前記排水路に連通しており、当該ブロック本体を上下方向に貫通する導水スリットと、が形成され、前記導水スリットは、前記排水路から前記設置面まで延びる下部スリットと、前記設置面から前記上端面まで延びる、前記側壁面に形成された溝部よりなる上部スリットと、を含み、前記埋設側溝は、前記上部スリットの全容積を空間として残したまま、前記設置面及び前記側壁面で構成されるコーナー空間と、前記上部スリットの内部空間とを仕切る仕切り部材を、さらに備えていることを特徴とする。
【0012】
上記のように構成された埋設側溝によれば、仕切り部材を備えることによって、上部スリットの全容積を空間として残したまま、設置面に施工される敷きモルタルが導水スリットに流入するのを防止することができる。
この結果、上記従来例のように敷きモルタルの流入を防止するための部材を導水スリットの内部空間に配置する場合と比較して、導水スリットの開口面積をより大きく確保することができる。
【0013】
(2)上記埋設側溝において、前記仕切り部材は、前記設置面と、前記側壁面とが交差する隅部に沿って長手方向に延びて長尺に形成されていることが好ましく、この場合、仕切り部材を隅部に沿って配置するだけで容易にコーナー空間と上部スリットの内部空間とを仕切ることができる。
【0014】
(3)前記仕切り部材は、前記設置面と前記縁石との間に介在している底板部と、前記底板部に立設され前記側壁面と前記縁石との間に介在している側板部と、を備えることで断面L字形に形成されていることが好ましい。
この場合、側板部によって設置面の敷きモルタルを堰き止めることができるとともに、仕切り部材を設けたとしても、当該仕切り部材を縁石とブロック本体と間に収めることができ、外観上の美観を損なうことがない。
【0015】
(4)また、前記側板部の上端には、前記縁石の側面と前記側板部とのすき間を塞いでいる塞ぎ部材が設けられていてもよい。
この場合、側板部と縁石とのすき間を塞ぎ部材によって塞ぐことができるので、側板部と縁石とのすき間の目地止めが不要になる。
【0016】
(5)また、前記仕切り部材は、前記縁石が設置され当該縁石と前記設置面との間で挟まれたときに圧縮変形可能な素材によって形成され、前記縁石が設置される前の前記仕切り部材の高さ寸法は、前記設置面に施工される敷きモルタルの高さ寸法よりも高い寸法に形成されていることが好ましい。
この場合、縁石が設置される前において、仕切り部材は、敷きモルタルを堰き止めて導水スリットに流入するのを防止することができる。一方、仕切り部材は、縁石が配置されると縁石と設置面との間で挟まれて圧縮変形するので、設置面に施工された敷きモルタルと縁石との接触を阻害しない。
【0017】
(6)本発明は、上記(1)から(5)のいずれかに記載された埋設側溝の組み立て方法であって、前記ブロック本体に前記仕切り部材を取り付けて、前記上部スリットの全容積を空間として残したまま、前記設置面及び前記側壁面で構成されるコーナー空間と、前記上部スリットの内部空間とを仕切る工程と、前記ブロック本体の前記設置面に、敷きモルタルを施工する工程と、前記敷きモルタルに前記縁石を設置する工程と、を含む。
【0018】
上記構成の埋設側溝の組み立て方法によれば、設置面に敷きモルタルを施工する前に、仕切り部材を取り付けるので、上部スリットの全容積を空間として残したまま、その後に設置面に施工される敷きモルタルが導水スリットに流入するのを防止することができる。
この結果、上記従来例のように敷きモルタルの流入を防止するための部材を導水スリットの内部空間に配置する場合と比較して、導水スリットの開口面積をより大きく確保することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、排水用のスリットの開口面積をより大きく確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態について〕
図1は、第1実施形態に係る埋設側溝の断面図である。
図1中、埋設側溝1は、道路に埋設されるブロック本体2と、ブロック本体2の上面側に設置される縁石3とを備えている。
埋設側溝1は、車道部4と、歩道部5との境界に埋設され、縁石3によって車道部4と歩道部5とを区分けするとともに、車道部4を流れる水分を排水する機能を有している。
【0022】
ブロック本体2は、プレキャストされたコンクリート製の部材であり、車道部4に沿って長尺に形成されている。
ブロック本体2の内部には、長手方向に貫通している管状の排水路6が形成されている。
また、ブロック本体2の上面には、縁石3が設置される設置面7と、設置面7に対して突設された凸部8とが形成されている。
【0023】
凸部8の側壁面9は、凸部8の基端である設置面7の一端縁に繋がっているとともに、縁石3の側面3aに対して対向している。凸部8は、この側壁面9によってブロック本体2に対する縁石3の位置決めを行っている。また、凸部8の側壁面9の上端縁に繋がっている上端面10は、車道部4とほぼ面一とされる。
【0024】
縁石3は、プレキャストされたコンクリート製の部材であり、ブロック本体2に設置された状態でその上面3bが、凸部8の上端面10とほぼ同じ高さとなるように形成されている。
縁石3と、設置面7との間には、敷きモルタル11が施工されている。
なお、この縁石3は、車道部4を走行する車両等が歩道部5に進入することを許容するために凸部8の上端面10とほぼ同じ高さに形成されているが、例えば、破線Hで示すように、車道部4と歩道部5とを区分けするために必要な高さを有する縁石が設置される場合もある。
【0025】
ブロック本体2には、下端開口が排水路6に連通し、当該ブロック本体2を上下方向に貫通している導水スリット12が形成されている。
導水スリット12は、断面が矩形状の水路であり、上下方向に直線状に形成されている。また、導水スリット12は、ブロック本体2を断面視したときに排水路6の中心に対してオフセットした位置に形成されている。導水スリット12は、車道部4を流れる水分を排水路6に導いて排水する機能を有している。
【0026】
導水スリット12は、排水路6から設置面7まで延びている下部スリット12aと、設置面7から凸部8の上端面10まで延びる上部スリット12bとを含んで構成されている。
【0027】
図2は、ブロック本体2の斜視図である。
図1及び
図2を参照して、導水スリット12は、ブロック本体2の長手方向に沿って所定の間隔を置いて複数箇所形成されている。
【0028】
凸部8の側壁面9には、導水スリット12に対応する位置に溝部15が形成されている。この溝部15は、側壁面9に対して凹むように形成されており、上端面10から設置面7まで延びている。
上部スリット12bは、この溝部15によって構成されている。
【0029】
ブロック本体2において、設置面7と、側壁面9とが交差している隅部20には、仕切り部材21が設けられている。
【0030】
本実施形態の仕切り部材21は、
図2に示すように、隅部20に沿ってブロック本体2の長手方向に延びている長尺の部材であり、長手方向の寸法がブロック本体2の長手方向の寸法とほぼ同じ寸法となるように形成されている。仕切り部材21は、例えば、断面L字形の一般構造用鋼や、アルミニウム合金、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂等からなる長尺の型材を所定の寸法に切断して形成されている。なお、
図2において、仕切り部材21は、溝部15等を説明するために、その一部を除いた状態で示している。
【0031】
図3は、埋設側溝1の要部断面図である。
図2及び
図3を参照して、仕切り部材21は、設置面7と縁石3の底面3cとの間に介在している底板部21aと、底板部21aの端縁から立設された側板部21bとを備えることで断面略L字形に形成されている。
【0032】
底板部21aは、設置面7に当接しており、敷きモルタル11とともに設置面7と縁石3の底面3cとの間に介在している。
側板部21bは、凸部8の側壁面9に当接しており、側壁面9と縁石3との間に介在している。
側板部21bは、設置面7及び側壁面9で構成されるコーナー空間Cと、上部スリット12bの内部空間とを仕切っている。
また、側板部21bは、側壁面9に当接し溝部15を側壁面9側から塞ぐように配置されている。これにより側板部21bは、上部スリット12bの全容積を空間として残したまま、コーナー空間Cと、上部スリット12bの内部空間とを仕切っている。
なお、コーナー空間Cとは、少なくとも設置面7及び側壁面9で区画される空間であり、
図3に示すように、縁石3が設置される空間である。
【0033】
また、側板部21bの上端には、縁石3の側面3aと側板部21bとのすき間を塞いでいる塞ぎ部材25が設けられている。
この塞ぎ部材25は、側板部21bの長手方向に沿って延びている長尺の部材であり、長手方向の寸法が側板部21bの長手方向の寸法とほぼ同じ寸法となるように形成されている。
塞ぎ部材25は、例えば、樹脂製のスポンジ等、変形可能な素材によって形成されている。
【0034】
塞ぎ部材25は、側板部21bとともに、凸部8の側壁面9と縁石3との間に介在している。塞ぎ部材25は、側板部21bと縁石3との間で押圧変形した状態で介在しており、これによって、縁石3の側面3aと側板部21bとのすき間を塞いでいる。つまり、塞ぎ部材25は、パッキンとしての機能を有している。
このため、本実施形態の埋設側溝1では、側板部21bと縁石3とのすき間の目地止めが不要であり、施工に要する工数を減らすことができる。
【0035】
また、側板部21bの縁石3側に向いている側面21cには、当該側面21cから縁石3側に向かって突出した突起21dが形成されている。
突起21dは、塞ぎ部材25の下面に沿っており、側板部21bの長手方向ほぼ全域に亘って形成されている。また、突起21dは、その先端が側面21cと縁石3との間の空間に位置しており、塞ぎ部材25を下側から保持することができる程度に突出している。
【0036】
突起21dは、側面21cから長手方向に突出することで、仕切り部材21の長手方向における強度を確保するための補強リブとしての機能を有している。
さらに、突起21dは、塞ぎ部材25の下面に沿う位置に形成されており、塞ぎ部材25を側板部21bに設ける際の位置決め部材としての機能も有している。さらに、側板部21bに設けられた塞ぎ部材25を下側から保持する保持部材としての機能も有している。なお、突起21dは、側板部21bの長手方向ほぼ全域に亘って形成されていなくてもよく、長手方向に断続的に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。
【0037】
このように、仕切り部材21は、設置面7と縁石3との間に介在している底板部21aと、凸部8の側壁面9と縁石3との間に介在している側板部21bとを備えて構成されているので、当該仕切り部材21を埋設側溝1に設けたとしても、当該仕切り部材21を縁石3とブロック本体2との間に収めることができ、外観上の美観を損なうことがない。
【0038】
図4は、本実施形態の埋設側溝1の組み立て方法を示すフローチャートである。
なお、本実施形態では、埋設側溝1の組み立てとは、ブロック本体2に縁石3を設置することを指す。
本実施形態の埋設側溝1の組み立て及び施工をする際、まず、ブロック本体2を道路に埋設した後、当該ブロック本体2の設置面7に仕切り部材21を取り付ける(ステップS1)。
このとき、
図2に示すように、側板部21bを凸部8の側壁面9に当接させ、仕切り部材21を隅部20に沿って設置面7上に配置する。これにより、溝部15は側壁面9側から側板部21bによって塞がれ、上部スリット12bの内部空間とコーナー空間Cとが仕切られる。
また、本実施形態の仕切り部材21は、長手方向の寸法がブロック本体2の長手方向の寸法とほぼ同じ寸法となるように形成されている長尺の部材であり、複数の溝部15を側板部21bによって塞ぐことができる。
【0039】
次いで、仕切り部材21が配置されている設置面7上に敷きモルタルを施工する(ステップS2)。
このとき、上部スリット12bの内部空間とコーナー空間Cとは、仕切り部材21の側板部21bによって仕切られている。よって、設置面7上に敷きモルタルを施工し、敷きモルタルが溝部15側へ流入しようとしても、仕切り部材21によって敷きモルタルの溝部15への流入が堰き止められ、敷きモルタルが導水スリット12内に流入するのを防止することができる。
【0040】
このように、本実施形態の仕切り部材21は、隅部20に沿って長手方向に延びて長尺に形成されており、これにより、仕切り部材21を隅部20に沿って配置するだけで複数の溝部15を同時に塞ぐことができ、容易にコーナー空間Cと上部スリット12bの内部空間とを仕切ることができる。
【0041】
敷きモルタルの施工を終えると、その上に縁石3を設置する(ステップS3)。
縁石3は、設置面7上に施工された敷きモルタルの上に設置される。また、縁石3は、側面3aが側板部21bに設けられた塞ぎ部材25を押圧した状態で設置される。
【0042】
上記構成の埋設側溝1によれば、仕切り部材21を備えることによって、上部スリット12bの全容積を空間として残したまま、設置面7に施工される敷きモルタルが導水スリット12に流入するのを防止することができる。
このため、本実施形態の埋設側溝1では、上記従来例のように敷きモルタルの流入を防止するための部材を導水スリット12や溝部15に配置する必要がない。
【0043】
つまり、設置面7に敷きモルタルを施工する工程(ステップS2)の前に、ブロック本体2の設置面7に仕切り部材21を配置するので、設置面7に施工される敷きモルタルが導水スリット12に流入するのを防止することができる。
【0044】
この結果、上記従来例のように敷きモルタルの流入を防止するための部材を導水スリット12の内部空間に配置する場合と比較して、導水スリット12の開口面積をより大きく確保することができ、埋設側溝1の排水能力を可能な範囲で高く維持することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、ブロック本体2を道路に埋設した後、ブロック本体2の設置面7に仕切り部材21を配置し(
図4中、ステップS1)、その後、敷きモルタル11を施工し(
図4中、ステップS2)、縁石3を設置(
図4中、ステップS3)した場合を例示したが、ブロック本体2を道路に埋設する前に、当該ブロック本体2に縁石3を設置し組み立ててもよい。
【0046】
〔第2実施形態について〕
図5は、第2実施形態に係る埋設側溝1の要部断面図である。
本実施形態の埋設側溝1は、仕切り部材21が、樹脂製のスポンジを用いて所定の形状に形成されており、縁石3と設置面7との間で挟まれたときに圧縮変形可能な素材によって形成されている点において、第1実施形態と相違している。
【0047】
本実施形態において、縁石3の側面3aは、凸部8の側壁面9に当接して対向している。
仕切り部材21は、設置面7と、縁石3の底面3cと、凸部8の側壁面9と、敷きモルタル11の側端11aとに囲まれた部分に配置されている。
【0048】
図6は、第2実施形態に係る埋設側溝1を組み立てる際の態様を示す断面図であり、
図6(a)は、
図4中、ステップS1における断面図を示している。また、
図6(b)は、
図4中、ステップS2における断面図を示している。また、
図6(c)は、ステップS3における断面図を示している。
【0049】
図6(a)に示すように、本実施形態の埋設側溝1を施工する際、第1実施形態と同様、仕切り部材21を凸部8の側壁面9に当接させ、隅部20に沿って設置面7上に配置する。これにより、溝部15は、仕切り部材21によって当該仕切り部材21の高さの範囲で塞がれ、上部スリット12bの内部空間とコーナー空間Cとが仕切られる。
【0050】
次いで、
図6(b)に示すように、仕切り部材21が配置されている設置面7上に敷きモルタル11を施工する。
ここで、仕切り部材21の高さ寸法h1は、
図6(b)に示すように、敷きモルタル11を必要な分量だけ設置面7に施工したときの当該敷きモルタル11の高さ寸法h2よりも高い寸法に形成されている。
このため、仕切り部材21は、敷きモルタル11を堰き止めて導水スリット12に敷きモルタル11が流入するのを防止することができる。
【0051】
その後、
図6(c)に示すように、設置面7に施工した敷きモルタル11の上に縁石3を設置する。
本実施形態の仕切り部材21は、樹脂製のスポンジによって形成されている。よって、仕切り部材21は、縁石3が配置されると縁石3と設置面7との間に挟まれて圧縮変形する。これにより、敷きモルタル11を堰き止めるために仕切り部材21を設置面7に配置したとしても、設置面7に施工された敷きモルタル11と縁石3との接触が阻害されることはなく、縁石3を敷きモルタル11に確実に接触させることができる。
【0052】
仕切り部材21は、
図6(c)に示すように、敷きモルタル11と同程度の高さ寸法にまで圧縮変形し、敷きモルタル11とともに設置面7と縁石3との間に介在する。
【0053】
以上のように、本実施形態においても、仕切り部材21によって、敷きモルタル11を堰き止めて導水スリット12に流入するのを防止することができるので、敷きモルタルの流入を防止するための部材を導水スリット12や溝部15に配置する必要がない。このため、導水スリット12の開口面積をより大きく確保することができ、埋設側溝1の排水能力を可能な範囲で高く維持することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、仕切り部材21を樹脂製のスポンジによって形成した場合を例示したが、縁石3と設置面7との間で挟まれたときに敷きモルタル11の厚みにまで圧縮変形可能な素材であればよく、スポンジに限らず圧縮変形可能な樹脂を所定の形状に形成したものを用いてもよい。
【0055】
〔その他〕
本発明は、上記実施形態に限定されない。上記各実施形態では、仕切り部材21の長手方向の寸法をブロック本体2の長手方向の寸法とほぼ同じ寸法となるように形成したが、例えば、仕切り部材21の長手方向の寸法を溝部15の長手方向の寸法よりも僅かに大きい長さにして、一つの仕切り部材21で一つの溝部15を塞ぎコーナー空間Cと上部スリット12bとを仕切るような構成とすることもできる。
ただしこの場合、各溝部15に仕切り部材21を配置する必要がある。
【0056】
この点、上記各実施形態では、仕切り部材21の長手方向の寸法がブロック本体2の長手方向の寸法とほぼ同じ寸法とされているので、一つのブロック本体2に形成されている複数の溝部15を、一つの仕切り部材21によって塞ぐことができる。このため、上記従来例のように、敷きモルタルの流入を防止するための部材を各溝部それぞれに配置する必要がなくなり、施工に要する工数をさらに減らすことができる。