(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記平滑コンデンサに蓄積された電荷を、前記昇圧可能な回路の出力線から前記第2スイッチと、前記昇圧用コイル及び前記昇圧用スイッチとを経由する経路により放電させる
ことを特徴とする請求項1に記載の平滑コンデンサ放電制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による平滑コンデンサ放電制御装置について、図面を参照して説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるモータ制御装置1の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、モータ駆動システム100は、モータ制御装置1と、バッテリ2と、モータ3とを備えている。モータ駆動システム100は、モータ3を駆動するシステムである。
【0018】
なお、本実施形態では、平滑コンデンサ放電制御装置の一例として、モータ3の駆動を制御するモータ制御装置1について説明する。
バッテリ2(直流電源の一例)は、例えば、鉛蓄電池などの二次電池であり、モータ制御装置1に直流電力を供給する。
【0019】
モータ制御装置1(平滑コンデンサ放電制御装置の一例)は、例えば、モータ3の駆動を制御するECU(Electric Control Unit)である。モータ制御装置1は、バッテリ2から供給された直流電力に基づいて、モータ3を駆動する制御を行うとともに、モータ駆動システム100が停止された場合に、後述する平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電させる。モータ制御装置1は、コイル11と、電源リレースイッチ12と、インバータ直結スイッチ13と、昇圧回路14と、平滑コンデンサ15と、インバータ部16と、制御部17とを備えている。
【0020】
コイル11は、バッテリ2の正極端子と電源リレースイッチ12との間に接続され、高周波ノイズやリップルを除去するフィルタとして機能する。
【0021】
電源リレースイッチ12(第1スイッチの一例)は、コイル11を介してバッテリ2の正極端子と、昇圧回路14に電力を供給する電力供給線L1との間に接続され、バッテリ2からの電力の供給を制御する。電源リレースイッチ12は、例えば、逆向きに接続された2つのリレー用FET(電界効果トランジスタ)(121、122)を備えている。
【0022】
リレー用FET(121、122)は、例えば、nMOSFET(n型MOS電界効果トランジスタ)であり、リレー用FET(121、122)のゲート端子(制御端子)は、制御部17から出力される制御信号の信号線(制御線S1)に接続されている。リレー用FET(121、122)は、制御線S1がハイ状態(High状態)にある場合に、オン(ON)状態(導通状態)になり、制御線S1がロウ状態(Low状態)にある場合に、オフ(OFF)状態(非導通状態)になる。
なお、以下の説明において、信号線(制御線)がハイ状態にあるとは、信号線(制御線)の電位がハイ状態にあることを示し、信号線(制御線)がロウ状態にあるとは、信号線(制御線)の電位がロウ状態にあることを示すものとする。
【0023】
インバータ直結スイッチ13(第2スイッチの一例)は、電力供給線L1と、昇圧回路14の出力線L3との間に接続され、電力供給線L1と、昇圧回路14の出力線L3との間の電気的な接続を制御する。インバータ直結スイッチ13は、例えば、nMOSFETであり、ソース端子が電力供給線L1に、ドレイン端子が出力線L3に、ゲート端子が制御部17から出力される制御信号の信号線(制御線S2)に、それぞれ接続されている。インバータ直結スイッチ13は、制御線S2がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S2がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0024】
また、インバータ直結スイッチ13は、バッテリ2から供給される直流電力をモータ3の駆動に直接利用する場合に、制御部17によってオン状態に制御され、インバータ部16にバッテリ2から供給される直流電力を供給する。また、インバータ直結スイッチ13は、昇圧回路14から出力される直流電力をモータ3の駆動に直接利用する場合に、制御部17によってオフ状態に制御され、インバータ部16に昇圧回路14から出力される直流電力を供給する。
【0025】
昇圧回路14(昇圧可能な回路の一例)は、例えば、同期整流昇圧回路であり、電源リレースイッチ12によって供給された電圧(バッテリ2から供給された電圧)を昇圧して、インバータ部16に出力する。昇圧回路14は、昇圧用コイル141と、抵抗142と、コンデンサ(143、146)と、同期整流用スイッチ144と、昇圧用スイッチ145と、コイル147とを備えている。
【0026】
昇圧用コイル141及び抵抗142は、電力供給線L1のノードN1と、ノードN2との間に直列に接続されている。昇圧用コイル141は、昇圧の際に電力供給線L1から供給される電力を蓄積及び放出する。
コンデンサ143は、ノードN1と、GND(グランド)線L2との間に接続され、平滑コンデンサとして機能する。なお、GND線L2は、バッテリ2の負極端子に接続されている。
【0027】
同期整流用スイッチ144は、例えば、nMOSFETであり、昇圧された電圧を同期整流して、コイル147を介して、出力線L3に出力する。同期整流用スイッチ144は、ソース端子がノードN2に、ドレイン端子がノードN3に、ゲート端子が制御部17から出力される制御信号の信号線(制御線S3)に、それぞれ接続されている。同期整流用スイッチ144は、制御線S3がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S3がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0028】
昇圧用スイッチ145は、例えば、nMOSFETであり、オン状態とオフ状態とを交互に制御されることにより昇圧に寄与する。昇圧用スイッチ145は、ソース端子がGND線L2に、ドレイン端子がノードN2に、ゲート端子が制御部17から出力される制御信号の信号線(制御線S4)に、それぞれ接続されている。昇圧用スイッチ145は、制御線S4がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S4がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0029】
コンデンサ146は、ノードN3とGND線L2との間に接続され、平滑コンデンサとして機能する。
コイル147は、ノードN3と出力線L3との間に接続され、高周波ノイズやリップルを除去するフィルタとして機能する。
【0030】
平滑コンデンサ15は、昇圧回路14の出力線L3に接続され、昇圧回路14が出力する昇圧された電圧を平滑化する。
インバータ部16は、出力線L3を介して供給される直流電力を交流電力に変換する。インバータ部16は、例えば、モータ3を駆動する駆動回路である。インバータ部16は、例えば、3相交流信号を駆動信号としてモータ3に出力し、モータ3を駆動する。
【0031】
モータ3(電動機の一例)は、例えば、3相交流モータであり、インバータ部16から供給される3相交流信号に基づいて、駆動(回転)する。
【0032】
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、モータ制御装置1を統括的に制御する。制御部17は、例えば、昇圧回路14及びインバータ部16を制御して、モータ3の駆動を制御する。また、制御部17は、電源リレースイッチ12及びインバータ直結スイッチ13の制御を行う。
【0033】
制御部17は、例えば、通常状態において、制御線S2をハイ状態にして、インバータ直結スイッチ13をオン状態に制御するとともに、制御線S3及び制御線S4をロウ状態にして、昇圧回路14を停止させる。また、制御部17は、モータ3に一時的に大きなトルク(駆動力)が必要になった場合に、制御線S2をロウ状態にして、インバータ直結スイッチ13をオフ状態に制御するとともに、制御線S3及び制御線S4を間欠的にオン状態にして、昇圧回路14を動作させる。これにより、制御部17は、昇圧回路14からバッテリ2より高い電圧をインバータ部16に供給させ、モータ3に一時的に大きなトルク(駆動力)を発生させる。
【0034】
また、例えば、制御部17は、モータ駆動システム100において、IG(イグニッション)スイッチがオンされた場合に、モータ駆動システム100の動作を開始するために、制御線S1をハイ状態にして、電源リレースイッチ12をオン状態にする。また、制御部17は、IG(イグニッション)スイッチがオフされた場合(モータ駆動システム100の動作が停止された場合)に、制御線S1をロウ状態にして、電源リレースイッチ12をオフ状態にする。
【0035】
また、制御部17は、モータ駆動システム100の動作が停止された場合に、電源リレースイッチ12をオフ状態にするとともに、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ145をオン状態にして、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14を介して放電させる。この場合、制御部17は、制御線S1をハイ状態にするとともに、制御線S2及び制御線S4をハイ状態にする制御を行う。
また、制御部17は、例えば、モータ駆動システム100の動作が停止された場合に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷が、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ145に急激に流れ込んで過電流が発生することを防止するために、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする。ここで、間欠的にオン状態にするとは、所定の時間間隔で、オン状態とオフ状態とを交互に繰り返すことである。
【0036】
また、制御部17は、平滑コンデンサ15の電圧が、所定の電圧(閾値電圧Vth)以下になった場合に、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする。制御部17は、例えば、内蔵する不図示のADC(Analog to Digital Converter)などにより検出した平滑コンデンサ15の電圧(出力線L3の電圧)を、定期的に取得する。制御部17は、平滑コンデンサ15の電圧が、所定の電圧(閾値電圧Vth)以下になった場合に、制御線S4をロウ状態にして、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする。ここで、所定の電圧とは、例えば、安全が確保される電圧であって、モータ駆動システム100の安全停止を確認できる電圧である。
【0037】
次に、図面を参照して、本実施形態によるモータ制御装置1の動作について説明する。
図2は、本実施形態によるモータ制御装置1の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図2に示す例は、IGスイッチがオフされた際に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電するモータ制御装置1の動作の一例を説明する。
【0038】
図2において、各グラフの縦軸は、上から順に、IGスイッチの状態(波形W1)、電源リレースイッチ12の状態(波形W2)、インバータ直結スイッチ13の状態(波形W3)、同期整流用スイッチ144の状態(波形W4)、昇圧用スイッチ145の状態(波形W5)、及び平滑コンデンサ15の電圧(波形W6)を示している。また、各グラフの横軸は、時間を示している。なお、
図2に示す例は、インバータ直結スイッチ13がオン状態、且つ昇圧回路14の動作が停止している状態を初期状態として、IGスイッチがオン状態からオフ状態にされた場合の一例について説明する。なお、この初期状態において、同期整流用スイッチ144及び昇圧用スイッチ145は、オフ状態である。
【0039】
時刻T1において、波形W1に示すように、IGスイッチがオン状態からオフ(OFF)状態にされると、モータ制御装置1の制御部17は、まず、制御線S1をロウ状態にして、電源リレースイッチ12をオフ状態にする(波形W2参照)。また、制御部17は、制御線S2をハイ状態に維持して、インバータ直結スイッチ13のオン状態を維持するとともに、制御線S4をハイ状態にして、昇圧用スイッチ145をオン状態にする。
【0040】
インバータ直結スイッチ13、及び昇圧用スイッチ145がオン状態になることで、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷は、出力線L3を経由して、インバータ直結スイッチ13、昇圧用コイル141、抵抗142、及び昇圧用スイッチ145を通る放電経路DC1により、GND線L2に放電される。すなわち、制御部17は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14の出力線L3からインバータ直結スイッチ13と、昇圧用コイル141及び昇圧用スイッチ145とを経由する経路(放電経路DC1)により放電させる。これにより、平滑コンデンサ15の電圧は、出力線L3の初期電圧(例えば、バッテリ2の電圧Vcc)から徐々に低下する(波形W6参照)。
【0041】
また、制御部17は、制御線S4を間欠的にハイ状態にして、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする。すなわち、制御部17は、制御線S4を所定の間隔で、ハイ状態とロウ状態とを交互に変化させて、波形W5に示すように、昇圧用スイッチ145を所定の間隔で、オン状態とオフ状態とを交互に変化させる。
【0042】
次に、時刻T2において、平滑コンデンサ15の電圧が閾値電圧Vth以下になると(波形W6参照)、制御部17は、制御線S4をロウ状態にして、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする(波形W5参照)。また、制御部17は、制御線S2をロウ状態にして、インバータ直結スイッチ13をオフ状態にする(波形W3参照)。
【0043】
このように、モータ制御装置1は、モータ駆動システム100の動作が停止された場合に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全に放電することができる。
また、上述した
図2に示す例では、インバータ直結スイッチ13がオン状態、且つ昇圧回路14の動作が停止している状態が初期状態である場合について説明したが、インバータ直結スイッチ13がオフ状態、且つ昇圧回路14が動作している状態が初期状態である場合も、基本的には同様である。
また、上述した
図2に示す例では、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電する際に、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする例を説明したが、昇圧用スイッチ145をオン状態に固定してもよい。
【0044】
なお、上述した
図2に示す例では、制御部17は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電する際に、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする例を説明したが、昇圧用スイッチ145の代わりに、インバータ直結スイッチ13を間欠的にオン状態にしてもよい。次に、
図3を参照して、インバータ直結スイッチ13を間欠的にオン状態にする場合におけるモータ制御装置1の動作について説明する。
【0045】
図3は、本実施形態によるモータ制御装置1の動作の別の一例を示すタイミングチャートである。
図3において、各グラフの縦軸及び横軸は、上述した
図2に示すグラフと同様である。
図3において、波形W11〜W15は、上から順に、IGスイッチの状態、電源リレースイッチ12の状態、インバータ直結スイッチ13の状態、同期整流用スイッチ144の状態、及び昇圧用スイッチ145の状態を示している。また、波形W16は、平滑コンデンサ15の電圧を示している。また、
図3において、初期状態は、
図2と同様である。
【0046】
時刻T1において、波形W11に示すように、IGスイッチがオン状態からオフ(OFF)状態にされると、モータ制御装置1の制御部17は、まず、制御線S1をロウ状態にして、電源リレースイッチ12をオフ状態にする(波形W12参照)。また、制御部17は、制御線S2をハイ状態に維持して、インバータ直結スイッチ13のオン状態を維持するとともに、制御線S4をハイ状態にして、昇圧用スイッチ145をオン状態にする(波形W15参照)。
【0047】
また、制御部17は、制御線S2を間欠的にハイ状態にして、インバータ直結スイッチ13を間欠的にオン状態にする。すなわち、制御部17は、制御線S2を所定の間隔で、ハイ状態とロウ状態とを交互に変化させて、波形W13に示すように、インバータ直結スイッチ13を所定の間隔で、オン状態とオフ状態とを交互に変化させる。
【0048】
次に、時刻T2において、平滑コンデンサ15の電圧が閾値電圧Vth以下になると(波形W16参照)、制御部17は、制御線S4をロウ状態にして、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする(波形W15参照)。また、制御部17は、制御線S2をロウ状態にして、インバータ直結スイッチ13をオフ状態にする(波形W13参照)。
このように、モータ制御装置1は、モータ駆動システム100の動作が停止された場合に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全に放電することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によるモータ制御装置1(平滑コンデンサ放電制御装置)は、電源リレースイッチ12(第1スイッチ)と、昇圧回路14(昇圧可能な回路)と、平滑コンデンサ15と、インバータ直結スイッチ13(第2スイッチ)と、制御部17とを備える。電源リレースイッチ12は、バッテリ2(直流電源)からの電力の供給を制御する。昇圧回路14は、昇圧用コイル141及び昇圧用スイッチ145を有し、電源リレースイッチ12によって供給された電圧を昇圧して、モータ3(電動機)を駆動する駆動回路(インバータ部16)に出力する。平滑コンデンサ15は、昇圧回路14の出力線L3に接続されている。インバータ直結スイッチ13は、電源リレースイッチ12から昇圧回路14に電力を供給する電力供給線L1と、昇圧回路14の出力線L3との間の電気的な接続を制御する。そして、制御部17は、モータ3を駆動するシステム(モータ駆動システム100)の動作が停止された場合に、電源リレースイッチ12をオフ状態(非導通状態)にするとともに、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ145をオン状態(導通状態)にして、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14を介して放電させる。
【0050】
これにより、元々備えている昇圧回路14を介して平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電するため、本実施形態によるモータ制御装置1は、内部に放電専用の付加回路を備える必要がなく、また、外部に接続された電源回路などの外部回路を放電に利用する必要がない。そのため、本実施形態によるモータ制御装置1は、放電専用の付加回路及び放電に利用する外部回路が不要であり、小型化することができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置1は、モータ駆動システム100の動作が停止された際に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全、且つ速やかに放電することができる。
【0051】
また、本実施形態では、制御部17は、モータ3を駆動するシステム(モータ駆動システム100)の動作が停止された場合に、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電する際に、放電経路(例えば、放電経路DC1)に搭載された部品(例えば、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ145など)に、過電流が流れることを防止することができる。よって、本実施形態によるモータ制御装置1は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷をさらに安全、且つ速やかに放電することができる。
【0052】
また、本実施形態では、制御部17は、平滑コンデンサ15の電圧が、所定の電圧(閾値電圧Vth)以下になった場合に、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする。ここで、所定の電圧とは、例えば、安全が確保される電圧であって、モータ駆動システム100の安全停止を確認できる電圧である。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1は、平滑コンデンサ15の電圧が安全な状態になったことを確認しつつ、モータ駆動システム100を適切に停止させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、制御部17は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14の出力線L3からインバータ直結スイッチ13と、昇圧用コイル141及び昇圧用スイッチ145とを経由する経路(例えば、放電経路DC1)により放電させる。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1は、昇圧回路14を介して、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全に放電することができる。
【0054】
また、本実施形態によるモータ制御装置1は、昇圧用コイル141を介して放電させるため、モータ駆動システム100の動作を再開させる際に、昇圧用コイル141に蓄積された電力を利用して、モータ駆動システム100の起動時間を短縮することができる。
【0055】
また、本実施形態では、制御部17は、モータ駆動システム100の動作が停止された場合に、インバータ直結スイッチ13を間欠的にオン状態にする。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電する際に、放電経路(例えば、放電経路DC1)に搭載された部品(例えば、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ145など)に、過電流が流れることを防止することができる。よって、本実施形態によるモータ制御装置1は、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷をさらに安全、且つ速やかに放電することができる。
【0056】
[第2の実施形態]
次に、
図4を参照して、第2の実施形態によるモータ制御装置1aについて説明する。
図4は、第2の実施形態によるモータ制御装置1aの一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、モータ駆動システム100aは、モータ制御装置1aと、バッテリ2と、モータ3とを備えている。モータ駆動システム100aは、モータ3を駆動するシステムである。なお、この図において、
図1と同一の構成は、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0057】
モータ制御装置1a(平滑コンデンサ放電制御装置の一例)は、コイル11と、電源リレースイッチ12と、インバータ直結スイッチ13と、昇圧回路14aと、平滑コンデンサ15と、インバータ部16と、制御部17aとを備えている。
なお、本実施形態によるモータ制御装置1aは、昇圧回路14aが、同期整流用スイッチ144の代わりにダイオード148を備える点、及び、当該ダイオード148を備えることにより、制御部17aの制御が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0058】
昇圧回路14a(昇圧可能な回路の一例)は、昇圧用コイル141と、抵抗142と、コンデンサ(143、146)と、ダイオード148と、昇圧用スイッチ145と、コイル147とを備えている。
ダイオード148は、アノード端子がノードN2に、カソード端子がノードN3に、それぞれ接続され、昇圧された電圧を整流する。
【0059】
制御部17aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、モータ制御装置1aを統括的に制御する。制御部17aは、制御線S3による同期整流用スイッチ144の制御処理を行わない点を除いて、第1の実施形態の制御部17と同様である。
【0060】
次に、本実施形態によるモータ制御装置1aの動作について説明する。
本実施形態によるモータ制御装置1aの動作は、
図2及び
図3のタイミングチャートにおいて、同期整流用スイッチ144に関する動作が不要になる点を除いて同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によるモータ制御装置1a(平滑コンデンサ放電制御装置)は、電源リレースイッチ12(第1スイッチ)と、昇圧回路14a(昇圧可能な回路)と、平滑コンデンサ15と、インバータ直結スイッチ13(第2スイッチ)と、制御部17aとを備える。昇圧回路14aは、同期整流用スイッチ144の代わりに、ダイオード148を備える。制御部17aは、モータ3を駆動するシステム(モータ駆動システム100a)の動作が停止された場合に、電源リレースイッチ12をオフ状態(非導通状態)にするとともに、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ145をオン状態(導通状態)にして、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14aを介して放電させる。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1aは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、小型化することができる。
【0062】
[第3の実施形態]
次に、
図5を参照して、第3の実施形態によるモータ制御装置1bについて説明する。
図5は、第3の実施形態によるモータ制御装置1bの一例を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、モータ駆動システム100bは、モータ制御装置1bと、バッテリ2と、モータ3とを備えている。モータ駆動システム100bは、モータ3を駆動するシステムである。なお、この図において、
図1と同一の構成は、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0063】
モータ制御装置1b(平滑コンデンサ放電制御装置の一例)は、コイル11と、電源リレースイッチ12と、インバータ直結スイッチ13と、昇圧回路14bと、平滑コンデンサ15と、インバータ部16と、制御部17bとを備えている。
なお、本実施形態によるモータ制御装置1bは、昇圧回路14bが、複数の昇圧チョッパ回路を有するインターリーブ制御方式の昇圧回路である点、及び、当該昇圧回路14bを備えることにより、制御部17bの制御が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0064】
昇圧回路14b(昇圧可能な回路の一例)は、昇圧用コイル(141−1、141−2)と、抵抗(142−1、142−2)と、コンデンサ(143、146)と、同期整流用スイッチ(144−1、144−2)と、昇圧用スイッチ(145−1、145−2)と、コイル147とを備えている。
【0065】
昇圧用コイル141−1及び抵抗142−1は、電力供給線L1のノードN1と、ノードN21との間に直列に接続されている。また、昇圧用コイル141−2及び抵抗142−2は、電力供給線L1のノードN1と、ノードN22との間に直列に接続されている。
【0066】
同期整流用スイッチ144−1は、例えば、nMOSFETであり、昇圧された電圧を同期整流して、コイル147を介して、出力線L3に出力する。同期整流用スイッチ144−1は、ソース端子がノードN21に、ドレイン端子がノードN3に、ゲート端子が制御部17bから出力される制御信号の信号線(制御線S31)に、それぞれ接続されている。同期整流用スイッチ144−1は、制御線S31がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S31がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0067】
同期整流用スイッチ144−2は、例えば、nMOSFETであり、昇圧された電圧を同期整流して、コイル147を介して、出力線L3に出力する。同期整流用スイッチ144−2は、ソース端子がノードN22に、ドレイン端子がノードN3に、ゲート端子が制御部17bから出力される制御信号の信号線(制御線S32)に、それぞれ接続されている。同期整流用スイッチ144−2は、制御線S32がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S32がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0068】
昇圧用スイッチ145−1は、例えば、nMOSFETであり、オン状態とオフ状態とを交互に制御されることにより昇圧に寄与する。昇圧用スイッチ145−1は、ソース端子がGND線L2に、ドレイン端子がノードN21に、ゲート端子が制御部17bから出力される制御信号の信号線(制御線S41)に、それぞれ接続されている。昇圧用スイッチ145−1は、制御線S41がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S41がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0069】
昇圧用スイッチ145−2は、例えば、nMOSFETであり、オン状態とオフ状態とを交互に制御されることにより昇圧に寄与する。昇圧用スイッチ145−2は、ソース端子がGND線L2に、ドレイン端子がノードN22に、ゲート端子が制御部17bから出力される制御信号の信号線(制御線S42)に、それぞれ接続されている。昇圧用スイッチ145−2は、制御線S42がハイ状態にある場合に、オン状態になり、制御線S42がロウ状態にある場合に、オフ状態になる。
【0070】
制御部17bは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、モータ制御装置1bを統括的に制御する。制御部17bは、第1の実施形態における制御線S3の制御が2系統の制御線(S31、S32)に分かれ、第1の実施形態における制御線S4の制御が2系統の制御線(S41、S42)に分かれる点を除いて、第1の実施形態の制御部17と同様である。
【0071】
次に、本実施形態によるモータ制御装置1bの動作について説明する。
本実施形態によるモータ制御装置1bの動作は、
図2及び
図3のタイミングチャートにおいて、同期整流用スイッチ144に関する動作が同期整流用スイッチ144−1及び同期整流用スイッチ144−2になる点と、昇圧用スイッチ145に関する動作が昇圧用スイッチ145−1及び昇圧用スイッチ145−2になる点とを除いて同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0072】
なお、本実施形態では、インバータ直結スイッチ13、及び昇圧用スイッチ(145−1、145−2)がオン状態になることで、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷は、出力線L3を経由して、インバータ直結スイッチ13、昇圧用コイル(141−1、141−2)、抵抗(142−1、142−2)、及び昇圧用スイッチ(145−1、145−2)を通る放電経路DC2により、GND線L2に放電される。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によるモータ制御装置1b(平滑コンデンサ放電制御装置)は、電源リレースイッチ12(第1スイッチ)と、昇圧回路14b(昇圧可能な回路)と、平滑コンデンサ15と、インバータ直結スイッチ13(第2スイッチ)と、制御部17bとを備える。昇圧回路14bは、昇圧用コイル(141−1、141−2)及び昇圧用スイッチ(145−1、145−2)を有する。制御部17bは、モータ3を駆動するシステム(モータ駆動システム100b)の動作が停止された場合に、電源リレースイッチ12をオフ状態(非導通状態)にするとともに、インバータ直結スイッチ13及び昇圧用スイッチ(145−1、145−2)をオン状態(導通状態)にして、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14bを介して放電させる。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1bは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、小型化することができる。
【0074】
[第4の実施形態]
次に、
図6を参照して、第4の実施形態によるモータ制御装置1cについて説明する。
図6は、第4の実施形態によるモータ制御装置1cの一例を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、モータ駆動システム100cは、モータ制御装置1cと、バッテリ2と、モータ3とを備えている。モータ駆動システム100cは、モータ3を駆動するシステムである。なお、この図において、
図1と同一の構成は、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0075】
モータ制御装置1c(平滑コンデンサ放電制御装置の一例)は、コイル11と、昇圧回路14と、平滑コンデンサ15と、インバータ部16と、制御部17cとを備えている。
なお、本実施形態によるモータ制御装置1cは、インバータ直結スイッチ13を備えない点、及び、当該インバータ直結スイッチ13を備えないことにより、制御部17cの制御が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様である。すなわち、本実施形態によるモータ制御装置1cは、インバータ直結スイッチ13を備えずに、モータ駆動システム100cの動作が停止された場合に、同期整流用スイッチ144を制御する。
【0076】
制御部17cは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、モータ制御装置1cを統括的に制御する。制御部17cは、制御線S2によるインバータ直結スイッチ13の制御処理を行わずに、モータ駆動システム100cの動作が停止された場合に、インバータ直結スイッチ13の代わりに同期整流用スイッチ144を制御する点を除いて、第1の実施形態の制御部17と同様である。
【0077】
制御部17cは、モータ駆動システム100cの動作が停止された場合に、電源リレースイッチ12をオフ状態にするとともに、同期整流用スイッチ144及び昇圧用スイッチ145をオン状態にして、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14を介して放電させる。また、制御部17cは、モータ駆動システム100cの動作が停止された場合に、同期整流用スイッチ144を間欠的にオン状態にする。
【0078】
次に、図面を参照して、本実施形態によるモータ制御装置1cの動作について説明する。
図7は、本実施形態によるモータ制御装置1cの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図7に示す例は、IGスイッチがオフされた際に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電するモータ制御装置1cの動作の一例を説明する。
【0079】
図7において、各グラフの縦軸は、上から順に、IGスイッチの状態(波形W21)、電源リレースイッチ12の状態(波形W22)、同期整流用スイッチ144の状態(波形W23)、昇圧用スイッチ145の状態(波形W24)、及び平滑コンデンサ15の電圧(波形W25)を示している。また、各グラフの横軸は、時間を示している。なお、
図7に示す例は、同期整流用スイッチ144及び昇圧用スイッチ145がオフ状態である場合を初期状態として、IGスイッチがオン状態からオフ(OFF)状態にされた場合の一例について説明する。
【0080】
時刻T1において、波形W21に示すように、IGスイッチがオン状態からオフ(OFF)状態にされると、モータ制御装置1cの制御部17cは、まず、制御線S1をロウ状態にして、電源リレースイッチ12をオフ状態にする(波形W22参照)。また、制御部17cは、制御線S3をハイ状態にして、同期整流用スイッチ144をオン状態にする(波形W23参照)とともに、制御線S4をハイ状態にして、昇圧用スイッチ145をオン状態にする(波形W24参照)。
【0081】
同期整流用スイッチ144、及び昇圧用スイッチ145がオン状態になることで、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷は、出力線L3を経由して、同期整流用スイッチ144、及び昇圧用スイッチ145を通る放電経路DC3により、GND線L2に放電される。すなわち、制御部17cは、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14の出力線L3から同期整流用スイッチ144と、昇圧用スイッチ145とを経由する経路(放電経路DC3)により放電させる。これにより、平滑コンデンサ15の電圧は、出力線L3の初期電圧(例えば、バッテリ2の電圧Vcc)から徐々に低下する(波形W25参照)。
【0082】
また、制御部17cは、制御線S4を間欠的にハイ状態にして、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする。すなわち、制御部17cは、制御線S4を所定の間隔で、ハイ状態とロウ状態とを交互に変化させて、波形W24に示すように、昇圧用スイッチ145を所定の間隔で、オン状態とオフ状態とを交互に変化させる。
【0083】
次に、時刻T2において、平滑コンデンサ15の電圧が閾値電圧Vth以下になると(波形W25参照)、制御部17cは、制御線S4をロウ状態にして、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする(波形W24参照)。また、制御部17cは、制御線S3をロウ状態にして、同期整流用スイッチ144をオフ状態にする(波形W23参照)。
このように、モータ制御装置1cは、モータ駆動システム100cの動作が停止された場合に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全に放電することができる。
【0084】
なお、上述した
図7に示す例では、制御部17cは、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電する際に、昇圧用スイッチ145を間欠的にオン状態にする例を説明したが、昇圧用スイッチ145の代わりに、同期整流用スイッチ144を間欠的にオン状態にしてもよい。次に、
図8を参照して、同期整流用スイッチ144を間欠的にオン状態にする場合におけるモータ制御装置1cの動作について説明する。
【0085】
図8は、本実施形態によるモータ制御装置1cの動作の別の一例を示すタイミングチャートである。
図8において、各グラフの縦軸及び横軸は、上述した
図7に示すグラフと同様である。
図8において、波形W31〜W34は、上から順に、IGスイッチの状態、電源リレースイッチ12の状態、同期整流用スイッチ144の状態、及び昇圧用スイッチ145の状態を示している。また、波形W35は、平滑コンデンサ15の電圧を示している。また、
図8において、初期状態は、
図7と同様である。
【0086】
時刻T1において、波形W31に示すように、IGスイッチがオン状態からオフ(OFF)状態にされると、モータ制御装置1cの制御部17cは、まず、制御線S1をロウ状態にして、電源リレースイッチ12をオフ状態にする(波形W32参照)。また、制御部17cは、制御線S3をハイ状態に維持して、同期整流用スイッチ144のオン状態にする(波形W33参照)とともに、制御線S4をハイ状態にして、昇圧用スイッチ145をオン状態にする(波形W34参照)。
【0087】
また、制御部17cは、制御線S3を間欠的にハイ状態にして、同期整流用スイッチ144を間欠的にオン状態にする。すなわち、制御部17cは、制御線S3を所定の間隔で、ハイ状態とロウ状態とを交互に変化させて、波形W33に示すように、同期整流用スイッチ144を所定の間隔で、オン状態とオフ状態とを交互に変化させる。
【0088】
次に、時刻T2において、平滑コンデンサ15の電圧が閾値電圧Vth以下になると(波形W35参照)、制御部17cは、制御線S4をロウ状態にして、昇圧用スイッチ145をオフ状態にする(波形W34参照)。また、制御部17cは、制御線S3をロウ状態にして、同期整流用スイッチ144をオフ状態にする(波形W33参照)。
このように、モータ制御装置1cは、モータ駆動システム100cの動作が停止された場合に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全に放電することができる。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によるモータ制御装置1c(平滑コンデンサ放電制御装置)は、電源リレースイッチ12(第1スイッチ)と、昇圧回路14(昇圧可能な回路)と、平滑コンデンサ15と、制御部17cとを備える。電源リレースイッチ12は、バッテリ2(直流電源)からの電力の供給を制御する。昇圧回路14は、昇圧用コイル141、昇圧用スイッチ145、及び同期整流用スイッチ144を有し、電源リレースイッチ12によって供給された電圧を昇圧し、昇圧した当該電圧を同期整流用スイッチ144によって同期整流して、モータ3(電動機)を駆動する駆動回路(インバータ部16)に出力する。平滑コンデンサ15は、昇圧回路14の出力線L3に接続されている。そして、制御部17cは、モータ3を駆動するシステム(モータ駆動システム100c)の動作が停止された場合に、電源リレースイッチ12をオフ状態(非導通状態)にするとともに、同期整流用スイッチ144及び昇圧用スイッチ145をオン状態(導通状態)にして、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14を介して放電させる。
【0090】
これにより、元々備えている昇圧回路14を介して平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電するため、本実施形態によるモータ制御装置1cは、内部に放電専用の付加回路を備える必要がなく、また、外部に接続された電源回路などの外部回路を放電に利用する必要がない。そのため、本実施形態によるモータ制御装置1cは、放電専用の付加回路及び放電に利用する外部回路が不要であり、小型化することができる。
また、本実施形態によるモータ制御装置1cは、モータ駆動システム100cの動作が停止された際に、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全、且つ速やかに放電することができる。
【0091】
また、本実施形態では、制御部17cは、モータ3を駆動するシステム(モータ駆動システム100c)の動作が停止された場合に、同期整流用スイッチ144を間欠的にオン状態にする。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1cは、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電する際に、放電経路(例えば、放電経路DC3)に搭載された部品(例えば、同期整流用スイッチ144及び昇圧用スイッチ145など)に、過電流が流れることを防止することができる。よって、本実施形態によるモータ制御装置1cは、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷をさらに安全、且つ速やかに放電することができる。
【0092】
また、本実施形態では、制御部17cは、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を、昇圧回路14の出力線L3から同期整流用スイッチ144と、昇圧用スイッチ145とを経由する経路(例えば、放電経路DC3)により放電させる。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置1cは、昇圧回路14を介して、平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を安全に放電することができる。
【0093】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、電源リレースイッチ12は、nMOSFETのリレー用FET(121、122)を用いる例を説明したが、リレースイッチなどの他のスイッチを用いるようにしてもよい。
【0094】
また、上記の各実施形態において、モータ制御装置1(1a〜1c)は、コイル11、及びコイル147を備える例を説明したが、コイル11、及びコイル147を備えない構成であってもよい。
【0095】
また、上記の各実施形態において、モータ3は、3相交流モータである例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の方式のモータであってもよい。
また、上記の第4の実施形態において、インバータ直結スイッチ13を備えない構成の例を説明したが、この構成を第3の実施形態に適用してもよい。
また、上記の各実施形態において、昇圧可能な回路が、昇圧回路14(14a、14b)である場合の例を説明したが、昇圧可能な回路は、例えば、昇降圧回路であってもよい。
【0096】
上述のモータ制御装置1(1a〜1c)は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した平滑コンデンサ15に蓄積された電荷を放電させる処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。