(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁部分を構成する前記複数部分が、形状一致式、圧力嵌め式、または粘着式に、および/または接着剤接合によって、あるいは熱的な方法によって、互いに接続されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の絶縁部分。
少なくとも1つの開口および/または少なくとも1つの切欠きおよび/または少なくとも1つの溝(3.8)を有し、前記少なくとも1つの開口および/または前記少なくとも1つの切欠きおよび/または前記少なくとも1つの溝が、前記熱伝導率を有し電気的に非伝導性の材料に、および/または前記電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料に、および/または前記電気伝導率と前記熱伝導率とを有する材料に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の絶縁部分。
プラズマ切断トーチ(1)の構成であって、電極(2)および/またはノズル(4)および/またはノズルキャップ(5)および/またはノズル保護キャップ(8)および/またはノズル保護キャップホルダ(9)と、請求項1〜12のいずれか一項に記載の絶縁部分とから構成されることを特徴とする、構成。
前記絶縁部分が、前記電極(2)および/または前記ノズル(4)および/または前記ノズルキャップ(5)および/または前記ノズル保護キャップ(8)および/または前記ノズル保護キャップホルダ(9)と直接接触することを特徴とする、請求項13に記載の構成。
プラズマ切断トーチ(1)の構成であって、ノズル保護キャップホルダ(9)の受容部(11)と、ノズル保護キャップホルダ(9)とを備え、前記受容部(11)が、前記ノズル保護キャップホルダ(9)と直接接触する請求項1から12のいずれか一項に記載の絶縁部分であることを特徴とする、構成。
プラズマ切断トーチ(1)の構成であって、電極(2)とノズル(4)とを備え、プラズマガス搬送部分(3)として、請求項1から12のいずれか一項に記載の絶縁部分が、前記電極(2)と前記ノズル(4)との間に、それらと直接接触して配置されることを特徴とする、構成。
プラズマ切断トーチ(1)の構成であって、ノズル(4)とノズル保護キャップ(8)とを備え、第2ガス搬送部分(7)として、請求項1から12のいずれか一項に記載の絶縁部分が前記ノズル(4)と前記ノズル保護キャップ(8)との間に、それらと直接接触して配置されることを特徴とする、構成。
プラズマ切断トーチ(1)の構成であって、ノズルキャップ(5)とノズル保護キャップ(8)とを備え、第2ガス搬送部分(7)として、請求項1から12のいずれか一項に記載の絶縁部分が前記ノズルキャップ(5)と前記ノズル保護キャップ(8)との間に、それらと直接接触して配置されることを特徴とする、構成。
前記絶縁部分の一部が40W/(m*K)以上の熱伝導率を有し電気的に非伝導性の材料から構成され、接触面として機能する少なくとも1つの表面を有し、該表面が、前記プラズマ切断トーチ(1)の、電気抵抗が0.01Ω*cm以下となる電気伝導率を有する構成要素の表面と少なくとも直接接触し、前記構成要素は電極(2)、ノズル(4)、ノズルキャップ(5)、ノズル保護キャップ(8)、またはノズル保護キャップホルダ(9)である、ことを特徴とする、請求項19に記載のプラズマ切断トーチ(1)。
前記絶縁部分がプラズマガス搬送部分(3)、第2ガス搬送部分(7)、または冷却ガス搬送部分であることを特徴とする、請求項19または20に記載のプラズマ切断トーチ(1)。
前記絶縁部分が、作動中、冷却媒体と直接接触する少なくとも1つの表面を有することを特徴とする、請求項19から21のいずれか一項に記載のプラズマ切断トーチ(1)。
請求項19から23のいずれか一項に記載のプラズマ切断トーチ(1)が使用されることを特徴とする、熱プラズマによるワークピースの機械加工方法、またはプラズマ切断方法またはプラズマ溶接方法。
レーザのレーザビームがプラズマジェットに加えて前記プラズマ切断トーチ(1)に結合され、前記レーザがファイバレーザ、ダイオードレーザおよび/またはダイオード送出レーザであることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
プラズマトーチは、鋼および非鉄金属などの電気伝導性材料の熱的機械加工にかなり広く使用されている。この場合に、溶接用のプラズマ溶接トーチと、鋼および非鉄金属などの電気伝導性材料を切断するためのプラズマ切断トーチとが使用される。プラズマトーチは一般にトーチ本体、電極、ノズルおよびそのホルダから構成される。近年のプラズマトーチは、ノズルの上に取り付けられるノズル保護キャップを追加的に有する。しばしばノズルはノズルキャップによって固定される。
【0003】
アークによって生じる高い熱負荷によりプラズマトーチの作業中に摩耗する構成要素は、プラズマトーチの種類に依存して、特に電極、ノズル、ノズルキャップ、ノズル保護キャップ、ノズル保護キャップホルダ、ならびにプラズマガス搬送部分および第2ガス搬送部分である。これらの構成要素は作業者によって簡単に交換可能であり、従って摩耗部分と呼ぶことができる。
【0004】
プラズマトーチは、電源およびプラズマトーチを供給するガス供給部にラインを介して接続される。さらにプラズマトーチは、冷却媒体、例えば冷却液の冷却装置に接続することができる。
【0005】
特に高い熱負荷がプラズマ切断トーチで発生する。これらはノズル孔によるプラズマジェットの大幅な狭窄によって引き起こされる。ここで、プラズマ溶接と対照的に、切断電流に対して小さい孔が使用され、それにより50〜150A/mm
2の高い電流密度、約2×10
6W/cm
2の高いエネルギー密度、および最大30000Kの高温が発生する。さらに、一般に最大12bar(1200kPa)の比較的高い気圧がプラズマ切断トーチに使用される。ノズル孔を通って流れるプラズマガスの高温と高い運動エネルギーとの組合せは、ワークピースの溶融と溶融した材料の排出とをもたらす。切断カーフが生成され、ワークピースは分離される。プラズマ切断において、非合金鋼を切断するために酸化ガスもしばしば使用される。これはまたさらに、摩耗部分およびプラズマ切断トーチに高い熱負荷をもたらす。
【0006】
プラズマ切断トーチについて以下で具体的に検討する。
【0007】
プラズマガスは電極とノズルとの間に流れる。プラズマガスはガス搬送部分によって搬送され、ガス搬送部分は複数部分からなる部分であることもできる。このようにしてプラズマガスを標的に向けることができる。しばしばそれは、プラズマガス搬送部分の開口の半径方向および/または軸方向オフセットによって、電極の周りを回転するように設定される。プラズマガス搬送部分は、電極およびノズルを互いに電気的に絶縁する必要があるため、電気絶縁性材料から構成される。これは、電極およびノズルがプラズマ切断トーチの作動中に異なる電位を有するため、必要である。プラズマ切断トーチを作動するために、プラズマガスをイオン化するアークが、電極とノズルおよび/またはワークピースとの間に発生する。アークを発生させるために、高い電圧を電極とノズルとの間に適用可能であり、前記高圧は、電極とノズルとの間の区間が予めイオン化され、従ってアークが形成されることを保証する。電極とノズルとの間で燃焼するアークはパイロットアークとも呼ばれる。
【0008】
パイロットアークはノズル孔を通って外に伸び、ワークピースとぶつかり、ワークピースまでの区間をイオン化する。このようにして、アークは電極とワークピースとの間で形成されることができる。このアークはまた主アークとも呼ばれる。主アークの間、パイロットアークは切ることができる。しかしながらそれは作動し続けることもできる。プラズマ切断の間、ノズルに追加的に負荷を与えないように、それはしばしば切られる。
【0009】
特に電極およびノズルは高い熱応力に曝され、冷却される必要がある。同時にそれらはまた、アークを形成するために必要な電流を伝導する必要がある。従って、良好な熱伝導率と良好な電気伝導率とを有する材料、一般に金属、例えば銅、銀、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄またはこれらの金属の少なくとも1種が含有された合金がそれに使用される。
【0010】
電極は電極ホルダと、高い溶融点(>2000℃)および電極ホルダより低い電子仕事関数を有する材料から作製された放出インサートとからしばしば構成される。非酸化プラズマガス、例えばアルゴン、水素、窒素、ヘリウムおよびそれらの混合物が使用されるとき、放出インサート用の材料としてタングステンが使用され、酸化ガス、例えば酸素、空気およびそれらの混合物、窒素/酸素混合物および他のガスとの混合物が使用されるとき、放出インサートの材料としてハフニウムまたはジルコニウムが使用される。高温材料を、良好な熱伝導率および良好な電気伝導率を有する材料から構成される電極ホルダに嵌め込むことができる、例えば形状の一致および/または圧力嵌めによって押し込むことができる。
【0011】
電極およびノズルはガス、例えばプラズマガスまたはノズルの外側に沿って流れる第2ガスによって冷却可能である。しかしながら液体、例えば水による冷却がより効果的である。この場合、電極および/またはノズルは液体によってしばしば直接冷却される、すなわち、液体は電極および/またはノズルと直接接触する。冷却液をノズルの周囲に案内するために、ノズルキャップがノズルの周囲に配置され、前記ノズルキャップの内面は、ノズルの外面とともに、冷却材が流れる冷却材空間を形成する。
【0012】
近年のプラズマ切断トーチでは、ノズル保護キャップがノズルおよび/またはノズルキャップのさらに外側に追加的に配置される。ノズル保護キャップの内面およびノズルのまたはノズルキャップの外面は、第2または保護ガスが流れる空間を形成する。第2または保護ガスはノズル保護キャップの孔から流れ出て、プラズマジェットを包囲し、その周囲の画定された大気を保証する。加えて第2ガスは、ノズルおよびノズル保護キャップを、それらとワークピースとの間に生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれ、ノズルを損傷する可能性がある。特にワークピースを貫通するとき、ノズルおよびノズル保護キャップは、熱い材料の跳ね上がりによって強い応力を受ける。第2ガスは、その体積流量が切断の間の値と比べて貫通の間に増大され得るため、材料の跳ね上がりをノズルおよびノズル保護キャップから遠ざけ、従ってそれらを損傷から保護する。
【0013】
ノズル保護キャップは同様に高い熱応力に曝され、冷却される必要がある。従って良好な熱伝導率と良好な電気伝導率とを有する材料、一般に金属、例えば銅、銀、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄またはこれらの金属の少なくとも1種が含有された合金がそれに使用される。
【0014】
しかしながら電極およびノズルは間接的に冷却することもできる。この場合、それらは、良好な熱伝導率と良好な電気伝導率とを有する材料、一般に金属、例えば銅、銀、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄またはこれらの金属の少なくとも1種が含有された合金から構成される構成要素と接触した状態で接する。この構成要素は次に直接冷却される、すなわち、一般的に流れる冷却材と接触した状態で接する。これらの構成要素は同時に、電極、ノズル、ノズルキャップまたはノズル保護キャップのホルダまたは受容部として機能することができ、また熱を散逸し、電力を供給することができる。
【0015】
電極だけまたはノズルだけを液体で冷却することも可能である。まさにこの場合、ガスだけで冷却される構成要素で過度の温度が発生し、その結果この構成要素は早期に摩耗し、または破壊される。これはまたプラズマ切断トーチの構成要素間の高い温度差をもたらし、結果として機械的張力およびさらなる応力をもたらす。
【0016】
通常、ノズル保護キャップは第2ガスによってのみ冷却される。ノズル保護キャップが冷却液によって直接または間接的に冷却される構成もまた知られている。
【0017】
ガス冷却(プラズマガスおよび/または第2ガス冷却)は、許容できる冷却または熱の散逸を達成するのに効果的でなく、また、この目的のために必要なガス体積流量が非常に多いという欠点を有する。水冷却によるプラズマ切断トーチは例えば500l/h〜4000l/hのガス体積流量を必要とする一方、水冷却のないプラズマ切断トーチは5000〜11000l/hのガス体積流量を必要とする。これらの範囲は、使用される切断電流に依存して生じ、使用される切断電流は例えば20〜600Aの範囲であり得る。同時に、プラズマガスおよび/または第2ガスの体積流量は、最良の切断結果が達成されるように選択されるべきである。過度の体積流量は、冷却に必要とされるが、しかしながら、しばしば切断結果を損なう。
【0018】
加えて、多量の体積流量によってもたらされる多量のガス消費は不経済である。これは特に、空気以外のガス、例えばアルゴン、窒素、水素、酸素またはヘリウムが使用されるときにあてはまる。
【0019】
対照的に、全ての摩耗部分に対して直接的な水冷却を使用することは非常に効果的であるが、例えば冷却されるべき摩耗部分へ冷却液を搬送し再度そこから離すために冷却チャネルが必要であるため、プラズマ切断トーチの寸法が増大する。加えて、直接的に液体によって冷却される摩耗部分を交換するとき、できるだけ少量の冷却液がプラズマ切断トーチの摩耗部分間に残るべきであるため、かなり注意が必要である。これは、残留冷却液がアークの発生時にプラズマトーチの損傷をもたらし得るためである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は本発明の1つの特定実施形態による液冷式プラズマ切断トーチ1を示す。それは電極2と、プラズマガスPGを搬送するためのプラズマガス搬送部分3として構成された絶縁部分と、ノズル4とを含む。電極2は電極ホルダ2.1および放出インサート2.2から構成される。電極ホルダ2.2は、良好な電気伝導率および良好な熱伝導率を有する材料から構成され、この場合では金属、例えば銅、銀、アルミニウム、またはこれらの金属の少なくとも1種が含有された合金から構成される。放出インサート2.2は、高い融点(>2000℃)を有する材料から製造される。この場合では、非酸化プラズマガス(例えばアルゴン、水素、窒素、ヘリウムおよびそれらの混合物)が使用されるとき、タングステンが例えば適切であり、酸化ガス(例えば酸素、空気、それらの混合物、窒素/酸素混合物)が使用されるとき、ハフニウムまたはジルコニウムが例えば適切である。放出インサート2.2は電極ホルダ2.1内に導入される。電極2はここでは平坦な電極として示され、その中で放出インサート2.2は電極ホルダ2.1の前端部の表面を越えて突出しない。
【0055】
電極2はノズル4の中空内部空間4.2に突出する。ノズルは、めねじ6.20を有するノズルホルダ6にねじ山4.20を介してねじ込まれる。ノズル4と電極2の間に配置されるのは、プラズマガス搬送部分3である。プラズマガス搬送部分3内に配置されるのは孔、開口、溝および/または切欠き(不図示)であり、それを通ってプラズマガスPGは流れる。例えば半径方向に配置された孔の中心線Mに対する半径方向オフセットおよび/または傾斜を有する対応する構成を通して、プラズマガスPGを回転するように設定可能である。これはアークおよびプラズマジェットを安定化する役割を果たす。
【0056】
アークは放出インサート2.2とワークピース(不図示)の間で燃焼し、ノズル孔4.1によって狭窄される。アーク自体はすでに高温であり、温度はその狭窄によってさらに上昇される。この場合では、30000Kまでの温度が示される。このため、電極2およびノズル4は冷却媒体によって冷却される。液体、最も簡単な例では水、またはガス、最も簡単な例では空気、またはそれらの混合物、最も簡単な例では空気/水混合物(エアロゾルと呼ばれる)が、冷却媒体として使用可能である。液体冷却が最も効果的である。電極2の内部空間2.10に配置されるのは冷却管10であり、それを通して冷却材は、冷却材空間10.10を通り電極2へ向かう冷却材供給ラインWV2から、放出インサート2.2の近傍に入り、そして電極2の内面内に冷却管10の外面によって形成される空間を通して、冷却材戻りラインWR2へ戻される。
【0057】
この例では、ノズル4はノズルホルダ6を介して間接的に冷却され、ノズルホルダ6に冷却材は冷却材空間6.10(WV1)を通して搬送され、ノズルホルダ6から冷却材は冷却材空間6.11(WR1)を経由して再度搬送される。冷却材は通常、1〜10l/分の体積流量で流れる。ノズル4およびノズルホルダ6は金属から構成される。ノズル4のおねじ4.20とノズルホルダ6のめねじ6.20によって形成される機械的接触の結果として、ノズル4内で生じる熱はノズルホルダ6中に案内され、流れる冷却媒体(WV1、WR1)によって散逸される。
【0058】
プラズマガス搬送部分3として形成される絶縁部分は、この例では単一部分で形成され、および良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される。そのような絶縁部分が使用される結果として、電気的絶縁が電極2とノズル4の間に形成される。これはプラズマ切断トーチ1、特に高圧発生の作動に、および電極2とノズル4の間で燃焼するパイロットアークの作動に必要である。同時に、熱は電極2とノズル4の間でより高温の構成要素からより低温の構成要素へ、プラズマガス搬送部分3として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝達される。従って追加的な熱交換が絶縁部分を経由して起きる。プラズマガス搬送部分3は接触面を介して電極2およびノズル4と接触した状態で接する。
【0059】
この例示的実施形態では、接触面2.3は例えば電極2の円筒状外面であり、接触面3.5はプラズマガス搬送部分3の円筒状内面である。接触面3.6はプラズマガス搬送部分3の円筒状外面であり、接触面4.3はノズル4の円筒状内面である。好ましくは、円筒状内面と外面の間にDIN EN ISO286による例えばH7/h6のわずかなすき間を有するすき間嵌めをここで使用して、互いの差込みと、良好な接触、従って低い熱抵抗、従って良好な熱伝達との両方を実現するようにする。熱伝達はこの面に熱伝導性のペーストを塗布することによって改善可能である。(注記:熱伝導性ペーストを使用したとしても、これは表現「直接接触」になおも含められることが意図される。)より大きなすき間、例えばH7/g6を有する嵌め合いを使用することができる。さらにノズル4およびプラズマガス搬送部分3はそれぞれ接触面4.5および3.7を有し、ここでは、これらは環状面であり、ここでは互いに接触した状態で接する。これは環状面間の圧力嵌め接続であり、ノズル4をノズルホルダ6にねじ込むことによって実現される。
【0060】
良好な熱伝導率のために、ノズル4と電極2の間の高い温度差を回避することができ、およびそれによって引き起こされるプラズマ切断トーチ1の機械的張力を低減することができる。
【0061】
例えばセラミック材料が、良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料としてここで使用される。DIN60672による、非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(約10
12Ω
*cm)を有する窒化アルミニウムが特に適している。
【0062】
図2は円筒状プラズマ切断トーチ1を示し、ここで電極2は冷却材によって直接冷却される。
図2に示されるノズルホルダ6を介したノズル4の間接的な冷却は提供されない。ノズル4は、プラズマガス搬送部分3として構成された絶縁部分を介した、冷却材によって直接冷却される電極2に向かう熱伝導によって冷却される。そのような絶縁部分が使用される結果として、電気的絶縁が電極2とノズル4の間に形成される。これはプラズマ切断トーチ1、特に高圧発生の作動に、および電極2とノズル4の間で燃焼するパイロットアークの作動に必要である。同時に、熱は電極2とノズル4の間でより高温の構成要素からより低温の構成要素へ、プラズマガス搬送部分3として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝導される。従って追加的な熱交換がプラズマガス搬送部分3を経由して電極2とノズル4の間で起きる。プラズマガス搬送部分3は接触面を介して電極およびノズル4と接触した状態で接する。
【0063】
この例示的実施形態では、接触面2.3は例えば電極2の円筒状外面であり、接触面3.5はプラズマガス搬送部分3の円筒状内面である。接触面3.6はプラズマガス搬送部分3の円筒状外面であり、接触面4.3はノズル4の円筒状内面である。好ましくは、円筒状内面と外面の間にDIN EN ISO286による例えばH7/h6のわずかなすき間を有するすき間嵌めをここで使用して、互いの差込みと、良好な接触、従って低い熱抵抗、従って良好な熱伝達との両方を実現するようにする。熱伝達はこれらの接触面に熱伝導性のペーストを塗布することによって改善可能である。より大きなすき間、例えばH7/g6を有する嵌め合いを使用することができる。さらにノズル4およびプラズマガス搬送部分3はそれぞれ接触面4.5および3.7を有し、ここでは、これらは環状面であり、ここでは互いに接触した状態で接する。これは環状面間の圧力嵌め接続であり、ノズル4をノズルホルダ6にねじ込むことによって実現される。
【0064】
ノズル4の間接的な冷却を省略することにより、プラズマ切断トーチ1の構造は大幅に単純化される。ノズルホルダ6内の冷却材空間(これは、間接的な冷却を省略しない場合、冷却材をその作用領域におよび作用領域から搬送するために必要である)が省かれるためである。電極は
図1のように冷却される。
【0065】
図3はプラズマ切断トーチ1を示し、ここでノズル4はノズルホルダ6を介して間接的に冷却され、ノズルホルダ6に冷却材は冷却材空間6.10(WV1)を通して搬送され、ノズルホルダ6から冷却材は冷却材空間6.11(WR1)を経由して再度搬送される。
図1および2に示される電極2の直接的な冷却は提供されない。電極2からノズル4への熱伝導は、プラズマガス搬送部分3として構成される絶縁部分を介して、間接的に冷却材で冷却されるノズル4に対して起きる。これに関して、
図1および2に関連して書かれた記述があてはまる。
【0066】
これにより、プラズマ切断トーチ1の、および電極2の構造は大幅に単純化される。
図1および2に示される冷却管10および冷却材空間2.10および10.10(これらは、電極の直接的な冷却を省略しない場合、冷却液をその作用領域に(WV2)および作用領域から(WR2)搬送するために必要である)が省かれるためである。
【0067】
図4に示されるプラズマ切断トーチ1は、ノズル4が冷却材によって直接冷却される点で
図1に示されるプラズマ切断トーチと異なる。このため、ノズル4はノズルキャップ5によって固定される。ノズルキャップ5のめねじ5.20はノズルホルダ6のおねじ6.21とねじ留めされる。ノズル4の外面およびノズルホルダ6の一部およびまたノズルキャップ5の内面が冷却材空間4.10を形成し、それを通って、ノズルホルダ6の冷却材空間6.10および6.11を通ってその作用領域へ(WV1)流れ再び戻る(WR1)冷却材。
【0068】
ノズル4と電極2の間に配置されるのは、プラズマガス搬送部分3として構成される絶縁部分である。従って、
図1に関連して説明したものと同じ利点が得られる。熱は電極2とノズル4の間でより高温の構成要素からより低温の構成要素へ、プラズマガス搬送部分3として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝達される。プラズマガス搬送部分3は接触面を介して電極2およびノズル4と接触した状態で接する。従って、大きい温度差によってもたらされるプラズマ切断トーチ1の機械的張力を低減することができる。
【0069】
図1に示されるプラズマ切断トーチと比較される1つの利点は、直接的に冷却材によって冷却されるノズル4は、間接的に冷却されるノズルよりもよく冷却されるということである。この構成の冷却材は、ノズルの最大の熱が発生する、ノズル先端のおよびノズル孔4.1の近傍にちょうど流れ込むため、冷却効果は特に大きい。冷却材空間は、ノズルキャップ5とノズル4の間で、ノズルキャップ5とノズルホルダ6の間で、およびノズル4とノズルホルダ6の間でOリングによって封止される。
【0070】
ノズルキャップ5もまた、ノズル4の外面とノズルキャップ5の内面とによって形成された冷却材空間4.10を通って流れる冷却材によって冷却される。ノズルキャップ5は、アークのまたはプラズマジェットのおよび加熱されたワークピースの放熱によって主に加熱される。
【0071】
しかしながら、プラズマ切断トーチ1の構造は、ノズルキャップ5が追加的に必要とされるため、より複雑である。液体、最も簡単な例では水が、ここで好ましくは冷却材として使用される。
【0072】
図5は、
図1のプラズマ切断トーチに類似するプラズマ切断トーチ1を示すが、ここではノズル保護キャップ8がノズル4の外側に追加的に配置されている。ノズル4の孔4.1およびノズル保護キャップ8の孔8.1は、中心線M上に配置される。ノズル保護キャップ8の内面およびノズル保護キャップホルダ9の内面が、ノズル4の外面およびノズルホルダ6の外面とともに、空間8.10および9.10を形成し、それらを通って第2ガスSGが流れる。この第2ガスはノズル保護キャップの孔8.1から外へ流れ、プラズマジェット(不図示)を包囲し、プラズマジェットの周囲の画定された大気を保証する。加えて第2ガスSGは、ノズル4およびノズル保護キャップ8を、それらとワークピースの間で生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれノズル4に損傷を与える可能性がある。特にワークピースを貫通するとき、ノズル4およびノズル保護キャップ8は、熱い溶融材料の跳ね上がりによって高い応力を受ける。第2ガスSGは、その体積流量が切断の間の値と比べて貫通の間に増大され得るため、材料の跳ね上がりをノズル4およびノズル保護キャップ8から遠ざけ、従ってそれらを損傷から保護する。
【0073】
電極2およびノズル4の冷却に関して、
図1によるプラズマ切断トーチ1に関して記載した記述があてはまる。原理上、
図2に示されるように電極2だけを直接冷却すること、および
図3に示されるようにノズル4だけを間接冷却することが、第2ガスを有するプラズマ切断トーチ1でも可能である。これらに関連して記載した記述も同じくあてはまる。
【0074】
図5に示されるプラズマ切断トーチ1の場合、電極2およびノズル4に加えて、ノズル保護キャップ8も冷却しなければならない。ノズル保護キャップ8は、アークのまたはプラズマジェットの放熱、および加熱されたワークピースの放熱によって特に加熱される。特にワークピースを貫通するとき、ノズル保護キャップ8は高い熱応力を受け、赤熱材料の跳ね上がりによって加熱され、冷却されなければならない。従って良好な熱伝導率および良好な電気伝導率を有する材料、一般的に金属、例えば銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、合金鋼またはこれらの金属が個々にまたは少なくとも50%の合計量で含有される金属合金(例えば真鍮)が、それに使用される。
【0075】
第2ガスSGは最初にプラズマ切断トーチ1を通って流れ、その後、ノズル保護キャップホルダ9のおよびノズル保護キャップ8の内面と、ノズルホルダ6のおよびノズル4の外面とによって形成された第1空間9.10を通って流れる。第1空間9.10はまた、ノズル4とノズル保護キャップ8の間に配置された第2ガス搬送部分7として構成された絶縁部分によって境界を定められる。第2ガス搬送部分7は複数部分の態様で形成可能である。
【0076】
第2ガス搬送部分7に配置されるのは孔7.1である。しかしながら、これらは開口、溝または切欠きであることもでき、それを通って第2ガスSGは流れる。例えば中心線Mに対する半径方向オフセットおよび/または傾斜を有する半径方向に配置された孔7.1の対応する構成を通して、第2ガスを回転するように設定可能である。これはアークまたはプラズマジェットを安定化する役割を果たす。
【0077】
第2ガス搬送部分7を通過した後、第2ガスは、ノズル保護キャップ8の内面とノズル4の外面とによって形成された内部空間8.10に流れ込み、続いてノズル保護キャップ8の孔8.1から外へ流れる。アークまたはプラズマジェットが燃焼している状態で、第2ガスはそれと衝突し、それに影響を及ぼすことができる。
【0078】
ノズル保護キャップ8は通常、第2ガスSGによってのみ冷却される。ガス冷却は、熱の許容できる冷却または散逸を達成するのに効果的でなく、また必要なガス体積流量がこの目的のために非常に多い、という欠点を有する。5000〜11000l/hのガス体積流量がここで必要であることが多い。同時に、第2ガスの体積流量は、最良の切断結果が達成されるように選択されなければならない。過度の体積流量は、冷却に必要とされるが、しかしながら、切断結果をしばしば損なう。
【0079】
加えて、多量の体積流量によってもたらされる多量のガス消費は不経済である。これは特に、空気以外のガス、例えばアルゴン、窒素、水素、酸素またはヘリウムが使用されるときにあてはまる。
【0080】
これらの欠点は、第2ガス搬送部分7として構成される絶縁部分の使用によって改善される。そのような絶縁部分を使用することによって、電気的絶縁がノズル保護キャップ8とノズル4の間に得られる。第2ガスSGとの組合せにおいて、電気的絶縁は、ノズル4およびノズル保護キャップ8を、それらとワークピースの間で生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれ、ノズル4またはノズル保護キャップ8を損傷する可能性がある。
【0081】
同時に、熱はノズル保護キャップ8とノズル4の間で、より高温の構成要素からより低温の構成要素へ、この場合ノズル保護キャップ8からノズル4へ、第2ガス搬送部分7として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝達される。第2ガス搬送部分7はノズル保護キャップ8およびノズル4と接触した状態で接する。この例示的実施形態では、これは、ノズル保護キャップ8の環状面8.2および第2ガス搬送部分7の環状面7.4と、第2ガス搬送部分7の環状面7.5およびノズル4の環状面4.4とを介して起きる。これらは圧力嵌め接続であり、ここで、めねじ9.20によって受容部11のおねじ11.20にねじ留めされるノズル保護キャップホルダ9の補助を有するノズル保護キャップ8。従って、これは第2ガス搬送部分7に対して上方へ押され、およびこれはノズル4に対して押される。
【0082】
このようにして、熱はノズル保護キャップ8からノズル4へ伝導され、従って冷却される。ノズル4はそれに関する限り、
図1の記載の中で説明されたように、間接的に冷却される。
【0083】
図6は、
図4のようなプラズマ切断トーチ1の構造を示すが、ここではノズル保護キャップ8がノズルキャップ5の外側に追加的に配置される。
【0084】
ノズル4の孔4.1およびノズル保護キャップ8の孔8.1は、中心線M上に配置される。ノズル保護キャップ8の内面およびノズル保護キャップホルダ9の内面が、ノズルキャップ5の外面およびノズル4の外面とともに、それぞれ空間8.10および9.10を形成し、それらを通って第2ガスSGが流れることができる。この第2ガスはノズル保護キャップ8の孔8.1から外へ流れ、プラズマジェット(不図示)を包囲し、プラズマジェットの周囲の画定された大気を保証する。加えて第2ガスSGは、ノズル4、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8を、それらとワークピースの間で生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれノズル4、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8に損傷を与える可能性がある。特にワークピースを貫通するとき、ノズル4、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8は、熱い材料の跳ね上がりによって高い応力を受ける。第2ガスSGは、その体積流量が切断の間の値と比べて貫通の間に増大され得るが、材料の跳ね上がりをノズル4、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8から遠ざけ、従ってそれらを損傷から保護する。
【0085】
電極2、ノズル4およびノズルキャップ5の冷却に関して、
図4の記載中に書かれた記述があてはまる。
【0086】
ノズル保護キャップ8は、アークのまたはプラズマジェットの放熱、および加熱されたワークピースの放熱によって特に加熱される。特にワークピースを貫通するとき、ノズル保護キャップ8は高い熱応力を受け、赤熱材料の跳ね上がりによって加熱され、冷却されなければならない。従って良好な熱伝導率および良好な電気伝導率を有する材料、一般的に金属、例えば銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、またはこれらの金属の少なくとも1種が含有された合金が、それに使用される。
【0087】
第2ガスSGは最初にプラズマトーチ1を通って流れ、その後、ノズル保護キャップホルダ9のおよびノズル保護キャップ8の内面と、ノズルホルダ6のおよびノズルキャップ5の外面とによって形成された空間9.10を通って流れる。空間9.10はまた、ノズルキャップ5とノズル保護キャップ8の間に配置された第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7として構成された絶縁部分によって境界を定められる。
【0088】
第2ガス搬送部分7に配置されるのは孔7.1である。しかしながら、これらは開口、溝または切欠きであることもでき、それを通って第2ガスSGは流れる。その対応する構成、例えば半径方向オフセットを有する孔7.1および/または中心線Mに対する傾斜を有する半径方向に配置された孔7.1を通して、第2ガスSGを回転するように設定可能である。これはアークまたはプラズマジェットを安定化する役割を果たす。
【0089】
第2ガス搬送部分7を通過した後、第2ガスSGは、ノズル保護キャップ8の内面とノズルキャップ5のおよびノズル4の外面とによって形成された空間(内部空間)8.10に流れ込み、続いてノズル保護キャップ8の孔8.1から外へ流れる。アークまたはプラズマジェットが燃焼している状態で、第2ガスSGはそれと衝突し、それに影響を及ぼすことができる。
【0090】
ノズル保護キャップ8は通常、第2ガスSGによってのみ冷却される。ガス冷却は、熱の許容できる冷却または散逸を達成するのに効果的でなく、また必要なガス体積流量がこの目的のために非常に多い、という欠点を有する。5000〜11000l/hのガス体積流量がここで必要であることが多い。同時に、第2ガスの体積流量は、最良の切断結果が達成されるように選択されなければならない。過度の体積流量は、冷却に必要とされるが、しかしながら、切断結果をしばしば損なう。加えて、多量の体積流量によってもたらされる多量のガス消費は不経済である。これは特に、空気以外のガス、例えばアルゴン、窒素、水素、酸素またはヘリウムが使用されるときにあてはまる。これらの欠点は、第2ガス搬送部分7として構成される絶縁部分の使用によって改善される。そのような絶縁部分を使用することによって、電気的絶縁がノズル保護キャップ8とノズルキャップ5との間に得られ、従ってノズル4との間にも得られる。第2ガスSGとの組合せにおいて、電気的絶縁は、ノズル4、ノズルキャップ5、およびノズル保護キャップ8を、それらとワークピース(不図示)の間で生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれ、ノズル、ノズルキャップおよびノズル保護キャップを損傷する可能性がある。
【0091】
同時に、熱はノズル保護キャップ8とノズルキャップ5の間で、より高温の構成要素からより低温の構成要素へ、この場合ノズル保護キャップ8からノズルキャップ5へ、第2ガス搬送部分7として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝達される。第2ガス搬送部分7はノズル保護キャップ8およびノズルキャップ5と接触した状態で接する。この例示的実施形態では、これは、ノズル保護キャップ8の環状面8.2および第2ガス搬送部分7の環状面7.4と、第2ガス搬送部分7の環状面7.5およびノズルキャップ5の環状面5.3とを介して起きる。この例では、これらは圧力嵌め接続であり、ここで、ノズル保護キャップ8は、ノズル保護キャップホルダ9の補助によって受容部11のおねじ11.20にめねじ9.20によってねじ留めされる。従って、これは、第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7に対して上方へ押され、およびこれはノズルキャップ5に対して押される。このようにして、熱はノズル保護キャップ8からノズルキャップ5へ伝導され、従って冷却される。ノズルキャップ5はそれに関する限り、
図4の記載の中で説明されたように、冷却される。
【0092】
図7はプラズマ切断トーチ1を示し、これに対しては、
図6による実施形態に関連して書かれた記述があてはまる。加えて、ノズル保護キャップホルダ9は、絶縁部分として設計された、受容部11のおねじ11.20に対してめねじ9.20によってねじ留めされる。受容部11は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される。従って、熱は、前記熱を例えばノズル保護キャップ8から、高温のワークピースから、またはアーク放熱から受け取ることができるノズル保護キャップホルダ9から受容部11へ、めねじ9.20およびおねじ11.20を介して伝達される。受容部11は冷却材供給ライン(WV1)および冷却材戻りライン(WR1)用の冷却材通路11.10および11.11を有し、それらはここでは孔として形成される。冷却材は孔を通って流れ、そのようにして受容部11を冷却する。従ってノズル保護キャップホルダ9の冷却はさらに改善される。熱はノズル保護キャップ8から、環状面として構成されたその接触面8.3を経由して、同様に環状面として構成された、ノズル保護キャップホルダ9の接触面9.1に伝達される。接触面8.3および9.1はこの例では圧力嵌め式に互いに接触し、ここでノズル保護キャップ8はノズル保護キャップホルダ9の補助により受容部11のおねじ11.20に対してめねじ9.20によってねじ留めされる。従ってこれは第2ガス搬送部分7に対して上方に押され、ノズル保護キャップホルダ9はノズル保護キャップ8に対して押される。本例では、受容部11はセラミックから製造される。非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(約10
12Ω
*cm)を有する窒化アルミニウムが特に適している。
【0093】
冷却材は、ノズルホルダ6の冷却材空間6.10および6.11を通してノズル4およびノズルキャップ5に同時に搬送され、前記ノズル4およびノズルキャップ5を冷却する。
【0094】
図8は
図7のものに類似するプラズマトーチ1の実施形態を示す。従って
図6および7による実施形態に関連して書かれた記述が同じく原則的にあてはまる。しかしながら、これは、ノズル保護キャップホルダ9の受容部11として形成された絶縁部分の異なる実施形態を含む。受容部11はこの例では2つの部分から構成され、外側部分11.1は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成され、内側部分11.2は良好な電気伝導率と良好な熱伝導率を有する材料から構成される。
【0095】
ノズル保護キャップホルダ9は、受容部11の部分11.1のおねじ11.20に対してめねじ9.20によってねじ留めされる。
【0096】
良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料は、セラミックから、例えば、良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗、約10
12Ω
*cmを有する窒化アルミニウムから製造される。良好な電気伝導率および良好な熱伝導率を有する材料はこの場合では金属、例えば銅、アルミニウム、錫、亜鉛、合金鋼またはこれらの金属の少なくとも1種が含有された合金(例えば真鍮)である。
【0097】
一般に、良好な電気伝導率および良好な熱伝導率を有する材料は少なくとも40W/(m
*K)Ωの熱伝導率と、最大0.01Ω
*cmの電気抵抗とを有することが有利である。特に、少なくとも60W/(m
*K)、さらに良くは少なくとも90W/(m
*K)、および好ましくは120W/(m
*K)の熱伝導率を有する良好な電気伝導率および良好な熱伝導率を有する材料をここで提供することができる。さらにより好ましくは、良好な電気伝導率および良好な熱伝導率を有する材料は、少なくとも150W/(m
*K)、さらに良くは少なくとも200W/(m
*K)、および好ましくは少なくとも300W/(m
*K)の熱伝導率を有する。あるいはまたはさらに、金属、例えば銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、合金鋼またはこれらの金属が個々にまたは少なくとも50%の合計量で含有される金属合金(例えば真鍮)である良好な熱伝導率および良好な電気伝導率を有する材料を提供可能である。
【0098】
2種類の異なる材料の使用は、異なる構造、例えば異なる孔、切欠き、溝、開口等が必要とされる複雑な部分に対して、より簡単にかつより高い費用対効果で機械加工できる材料を使用できるという利点を有する。この例示的実施形態ではこれはセラミックよりも簡単に機械加工できる金属である。両方の部分(11.1および11.2)は、相互に押し込まれることによって圧力嵌め式に接触した状態で接続され、その結果、2つの部分11.1および11.2の円筒状接触面11.5および11.6間の良好な熱伝達が得られる。受容部11の部分11.2は、冷却材供給ライン(WV1)および冷却材戻りライン(WR1)用の冷却材通路11.10および11.11を有し、これらは孔としてここでは形成される。冷却材はそれを通って流れ、このようにしてその冷却作用を実行する。
【0099】
図8および関連の記載から収集できるように、本発明はまた、プラズマトーチの少なくとも2つの電気伝導性構成要素間の電気絶縁のための、プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチの絶縁部分にも関連し、ここで前記絶縁部分は少なくとも2つの部分から構成され、ここでそれら部分のうちの一方は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成され、それら部分のうちの他方すなわちもう1つは良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成される。
【0100】
図9は本発明によるプラズマ切断トーチ1のさらなる実施形態を示し、これは
図8に示される実施形態と原理上類似する。従って
図6、7および8による実施形態に関連して書かれた記述が同様にあてはまる。しかしながら、ノズル保護キャップホルダ9の受容部11として形成された絶縁部分の異なる実施形態の変形形態が示されている。受容部11は2つの部分から構成され、この場合、外側部分11.1は、
図8に示される実施形態と対照的に、良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料(例えば金属)から構成され、内側部分11.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料(例えばセラミック)から構成される。
【0101】
ノズル保護キャップホルダ9は、受容部11の部分11.1のおねじ11.20に対してめねじ9.20によってねじ留めされる。
【0102】
この実施形態において、利点は、おねじを、機械加工がより難しいセラミックではなく、部分11.1に使用される金属材料に形成できることである。
【0103】
図10〜13はプラズマガスPG用のプラズマガス搬送部分3として構成される絶縁部分の(さらに)異なる実施形態を示し、前記実施形態を、
図1〜9に示されるように、プラズマトーチ1に実装することが可能であり、文字「a」の付いた各図は長手方向断面を示し、文字「b」の付いた各図は側面図を部分的な断面で示す。
【0104】
図10aおよび10bに示されるプラズマガス搬送部分3は、良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料、例えばこの場合ではセラミックから製造される。非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(約10
12Ω
*cm)を有する窒化アルミニウムが特に適している。プラズマ切断トーチ1で使用されるときの関連する利点、例えばより良い冷却、機械的張力の低減、より単純な構造は、すでに
図1〜4の記載において上に記載し説明した。
【0105】
プラズマガス搬送部分3に配置されるのは半径方向に配置された孔3.1であり、これらは例えば中心線Mに対して半径方向にオフセット可能でありおよび/または半径方向に傾斜可能であり、また、プラズマガスPGをプラズマ切断トーチ内で回転させることができる。プラズマガス搬送部分3がプラズマ切断トーチ1に嵌合されているとき、その接触面3.6(例えばここでは円筒状外面)はノズル4の接触面4.3(例えばここでは円筒状内面)と接触した状態で接し、その接触面3.5(例えばここでは円筒状内面)は電極2の接触面2.3(例えばここでは円筒状外面)と接触した状態で接し、およびその接触面3.7(例えばここでは環状面)はノズル4の接触面4.5(例えばここでは環状面)と接触した状態で接する(
図1〜9)。接触面3.6には溝3.8がある。これらはプラズマガスPGを孔3.1に案内し、続いてプラズマガスPGは孔3.1によって、電極2が配置されるノズル4の内部空間4.2へ搬送される。
【0106】
図11aおよび11bは、2つの部分から構成されるプラズマガス搬送部分3を示す。第1部分3.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される一方、第2部分3.3は良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成される。
【0107】
プラズマガス搬送部分3の部分3.2に対して、例えば、非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(10
12Ω
*cm)を有するセラミック、再び例えば窒化アルミニウムがここで使用される。第2ガス搬送部分3の部分3.3に対して、金属、例えば銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、合金鋼またはこれらの金属が個々にまたは少なくとも50%の合計量で含有される金属合金(例えば真鍮)がここで使用される。
【0108】
例えば銅が部分3.3に使用される場合、プラズマガス搬送部分3の熱伝導率は、良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料、例えば窒化アルミニウムだけから構成される場合よりも高い。その純度に依存して、銅は、同時に良好な電気伝導率を有さない最良の熱伝導性材料の1つであると現在考えられている窒化アルミニウム(約180W/(m
*K))より高い熱伝導率(最大約390W/(m
*K))を有する。その一方で220W/(m
*K)の熱伝導率を有する窒化アルミニウムもある。
【0109】
より高い熱伝導率のために、これは
図1〜9によるプラズマ切断トーチ1のノズル4と電極2の間にさらにより高い熱交換をもたらす。
【0110】
最も簡単な例では、部分3.2および3.3は、接触面3.21および3.31の一方を他方に押しつけることによって接続される。
【0111】
部分3.2および3.3は、共に押され、対向し、接触する接触面3.20と3.30、3.21と3.31、および3.22と3.32を介して、圧力嵌め式に接続することもできる。接触面3.20、3.21および3.22は部分3.2の接触面であり、接触面3.30、3.31および3.32は部分3.3の接触面である。円筒状に構成された接触面3.31(部分3.3の円筒状外面)および3.21(部分3.2の円筒状内面)は、相互に押し込まれることによって圧力嵌め接続を確立する。この場合、締まり嵌めDIN EN ISO286(例えばH7/n6;H7/m6)が円筒状内面と円筒状外面との間に使用される。
【0112】
2つの部分(3.2および3.3)を、形状の一致によって、はんだ付けによって、および/または接着剤接合によって、および/または熱的方法によって、接続することも可能である。
【0113】
セラミック材料の機械的な機械加工は金属のそれよりも一般的に難しいため、機械加工の複雑性は低下する。ここでは例えば6個の孔3.1が金属部分3.3に設けられ、前記孔は半径方向オフセットa1を有し、プラズマガス導管の円周の周りに角度α1で等距離に分散される。大きく異なる構造、例えば溝、切欠き、孔等もまた、それらが金属に設けられるとき、形成がより簡単である。
【0114】
図12aおよび12bは2つの部分から構成されるプラズマガス搬送部分3を示し、ここで第1部分3.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される一方、第2部分3.3は電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成される。
【0115】
プラズマガス搬送部分3の部分3.2に対して、例えば、非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(10
12Ω
*cm)を有するセラミック、再び例えば窒化アルミニウムがここで使用される。プラズマガス搬送部分3の部分3.3に対して、例えば、高い温度安定性(少なくとも200℃)と高い電気抵抗(少なくとも10
6、さらに良くは少なくとも10
10Ω
*cm)とを有するプラスチック材料、例えば、PEEK、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、トーロン(Torlon)、ポリアミド−イミド(PAI)、ポリイミド(PI)を使用することができる。
【0116】
最も簡単な例では、部分3.2および3.3は、接触面3.21および3.31の一方を他方に押し付けることによって接続される。それらはまた、共に押され、対向し、接触する接触面3.20と3.30、3.21と3.31、および3.22と3.32を介して、圧力嵌め式に接続することもできる。その結果、円筒状に構成された接触面3.31(部分3.3の円筒状外面)および3.21(部分3.2の円筒状内面)は、相互に押し込まれることによって圧力嵌め接続を確立する。この場合、締まり嵌めDIN EN ISO286(例えばH7/n6;H7/m6)が円筒状内面と円筒状外面との間に使用される。2つの部分(3.2および3.3)を、形状の一致によって、および/または接着剤接合によって、接続することも可能である。
【0117】
セラミック材料の機械的な機械加工はプラスチック材料のそれよりも一般的に難しいため、機械加工の複雑性は低下する。ここでは例えば6個の孔3.1がプラスチック部分3.3に設けられ、前記孔は半径方向オフセットa1を有し、ガス導管の円周の周りに角度α1で等距離に分散される。大きく異なる構造、例えば溝、切欠き、孔等もまた、それらがプラスチック材料に設けられるとき、形成がより簡単である。
【0118】
図13aおよび13bは、
図12のようなプラズマガス搬送部分3を示すが、部分3.3と同じ特性を有する材料から構成されたさらなる部分3.4がプラズマガス搬送部分3に属することが異なる。
【0119】
部分3.2および3.4は部分3.2および3.3と同じ方法で接続可能であり、ここで接触面3.23と3.43、3.24と3.44、および3.25と3.45が接続される。
【0120】
セラミック材料の機械的な機械加工はプラスチック材料のそれよりも一般的に難しいため、機械加工の複雑性は低下し、大きく異なる構造、例えば切欠き、孔等もまた、それらがプラスチック材料に設けられるとき、形成がより簡単である。
【0121】
図14a〜14bはプラズマガス搬送部分3のさらなる実施形態を示す。
図14cおよび14dは、プラズマガス搬送部分3の部分3.3を示す。この場合、
図14aおよび14cは長手方向断面を示し、
図14bおよび14dは側面図を部分的な断面で示す。
【0122】
部分3.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される一方、部分3.3は電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成される。
【0123】
プラズマガス搬送部分3の部分3.3に配置されるのは半径方向に配置された開口、この場合では孔3.1であり、それらは中心線Mに対して半径方向にオフセット可能でありおよび/または半径方向に傾斜可能であり、また、プラズマガス搬送部分3がプラズマ切断トーチ1内に嵌め込まれているとき、孔3.1を通してプラズマガスPGは流れる(
図1〜9参照)。
【0124】
部分3.3はさらに、孔3.1より大きい、さらに半径方向に配置された孔3.9を有する。これらの孔に導入されるのは6個の部分3.2であり、これらは例えば円形ピンとしてここで示されている。これらは、中間線M3.9の間に生じるα3=60°の角度で円周の周りに等距離に分散される。
【0125】
プラズマガス搬送部分3が
図1〜9に従いプラズマ切断トーチ1内に嵌め込まれているとき、部分3.2(円形ピン)の接触面3.61(外面)はノズル4の接触面4.3(ここでは円筒状内面)と接触した状態で接し、部分3.2(円形ピン)の接触面3.51(内面)は電極2の接触面2.3(ここでは円筒状外面)と接触した状態で接する。
【0126】
部分3.2は、直径d3と、少なくとも部分3.3の直径d10とd20の差の半分と同程度の大きさである長さl3とを有する。円形ピン3.2の接触面とノズル4および電極2の接触面との間の確実な接触を得るために長さl3がわずかにより大きいとさらに良い。接触面3.61および3.51の表面が平坦でなく、形状の一致が得られるように電極2の円筒状外面(接触面2.3)およびノズル4の円筒状内面(接触面4.3)に適合されることもまた有利である。
【0127】
接触面3.6に溝3.8がある。これらはプラズマガスPGを孔3.1に案内し、その後、プラズマガスPGは孔3.1によって、電極2が配置されるノズル4の内部空間4.2に搬送される。
【0128】
セラミック材料の機械的な機械加工はプラスチック材料のそれよりも一般的に難しいため、機械加工の複雑性は低下し、大きく異なる構造、例えば溝、切欠き、孔等もまた、それらがプラスチック材料に設けられるとき、形成がより簡単である。従って、同一の円形ピンを使用するにもかかわらず、大きく異なるガス導管が費用対効果の高い方法で製造され得る。
【0129】
さらに、円形ピン3.2の数または直径を変えることによって、プラズマガス搬送部分3の異なる熱抵抗性または熱伝導率を達成可能である。
【0130】
円形ピンの直径および/または数が低減される場合、熱抵抗性は増大し、熱伝導率は低下する。
【0131】
プラズマトーチまたはプラズマ切断トーチ内で使用される500W〜200kWの電力に依存して、大きく異なる熱負荷がノズル4と電極2に生じるため、熱抵抗を適合させることが有利である。従って、例えば、より少ない孔を設ける必要がありかつより少ない円形ピンを使用する必要があるとき、製造コストは低減される。
【0132】
図15〜17は、第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7として構成された絶縁部分の(さらに)異なる実施形態を示し、前記実施形態を、
図6〜9に示されるようにプラズマ切断トーチ1内に実装することが可能であり、ここで、文字「a」の付いた各図は部分断面平面図を示し、文字「b」の付いた各図は断面側面図を示す。
【0133】
図15aおよび15bは、
図6〜9によるプラズマ切断トーチで使用できるような、第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7を示す。
【0134】
図15aおよび15bに示される第2ガス搬送部分7は、良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料、例えばこの場合ではセラミックから構成される。窒化アルミニウムは、非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(約10
12Ω
*cm)を有するため、ここでも特に好適である。低い熱抵抗性および高い熱伝導率の結果として、大きな温度差を回避することができ、およびそれによって引き起こされるプラズマ切断トーチの機械的張力を回避することができる。
【0135】
第2ガス搬送部分7に配置されるのは半径方向に配置された孔7.1であり、それらは同じく中心線Mに対して半径方向または半径方向にオフセット可能でありおよび/または半径方向に傾斜可能であり、また、第2ガス搬送部分7がプラズマ切断トーチ1内に嵌め込まれているとき、孔7.1を通して第2ガスSGは流れることができる、または流れる。この例では、12個の孔が、寸法a11だけ半径方向にオフセットされ、円周の周りで等距離に分散され、ここで、孔の中点によって境界を定められる角度はα11で示される。しかしながら、開口、溝または切欠きが存在してもよく、第2ガス搬送部分7がプラズマ切断トーチ1内に嵌め込まれているとき、それを通って第2ガスSGは流れる。第2ガス搬送部分7は2つの環状接触面7.4および7.5を有する。
【0136】
この第2ガス搬送部分7を使用することによって、電気的絶縁が、
図6〜9に示されるプラズマ切断トーチ1のノズル保護キャップ8とノズルキャップ5との間に、従って同じくノズル4との間に確立される。第2ガスとの組合せにおいて、電気的絶縁は、ノズル4、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8を、それらとワークピース(不図示)の間に生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれ、ノズル4、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8を損傷する可能性がある。
【0137】
同時に、熱はノズル保護キャップ8とノズルキャップ5の間で、より高温の構成要素からより低温の構成要素へ、この場合ノズル保護キャップ8からノズルキャップ5へ、第2ガス搬送部分7として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝達される。第2ガス搬送部分7はノズル保護キャップ8およびノズルキャップ5と接触した状態で接する。この例示的実施形態では、これは、ノズル保護キャップ8の環状面8.2と第2ガス搬送部分7の環状面7.4、および第2ガス搬送部分7の環状面7.5とノズルキャップ5の環状面5.3を介して起き、それらは
図6〜9に示されるように接触する。
【0138】
図16aおよび16bは同様に、2つの部分から構成される第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7を示す。第1部分7.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される一方、第2部分7.3は良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成される。
【0139】
第2ガス搬送部分7の部分7.2に対して、例えば、非常に良好な熱伝導率(約180W/(m
*K))および高い電気抵抗(約10
12Ω
*cm)を有するセラミック、再び例えば窒化アルミニウムがここで使用される。第2ガス搬送部分7の部分7.3に対して、金属、例えば銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、合金鋼またはこれらの金属が個々にまたは少なくとも50%の合計量で含有される金属合金(例えば真鍮)がここで使用される。
【0140】
例えば銅が部分7.3に使用される場合、第2ガス搬送部分7の熱伝導率は、良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料、例えば窒化アルミニウムだけから構成される場合よりも高い。その純度に依存して、銅は、同時に良好な電気伝導率を有さない最良の熱伝導性材料の1つであると現在考えられている窒化アルミニウム(約180W/(m
*K))より高い熱伝導率(最大約390W/(m
*K))を有する。より高い伝導性のために、これは
図6〜9によるプラズマ切断トーチ1のノズル保護キャップ8とノズルキャップ5の間にさらにより高い熱交換をもたらす。
【0141】
最も簡単な例では、部分7.2および7.3は、接触面7.21および7.31の一方を他方に押し付けることによって接続される。
【0142】
部分7.2および7.3は、共に押され、対向し、接触する接触面7.20と7.30、7.21と7.31、および7.22と7.32を介して、圧力嵌め式に接続することもできる。接触面7.20、7.21および7.22は部分7.2の接触面であり、接触面7.30、7.31および7.32は部分7.3の接触面である。円筒状に構成された接触面7.31(部分7.3の円筒状外面)および7.21(部分7.2の円筒状内面)は、相互に押し込まれることによって圧力嵌め接続を確立する。この場合、締まり嵌めDIN EN ISO286(例えばH7/n6;H/m6)が円筒状内面と円筒状外面との間に使用される。
【0143】
2つの部分を、形状の一致によって、はんだ付けによって、および/または接着剤接合によって接続することも可能である。
【0144】
セラミック材料の機械的な機械加工は金属のそれよりも一般的に難しいため、機械加工の複雑性は低下する。ここでは例えば12個の孔7.1が金属部分7.3に設けられ、前記孔は半径方向オフセットa11を有し、ガス導管の円周の周りに角度α11で等距離に分散される。大きく異なる構造、例えば溝、切欠き、孔等もまた、それらが金属に設けられるとき、形成がより簡単である。
【0145】
図17aおよび17bは同様に、2つの部分から構成される第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7を示す。
図16による実施形態と対照的に、第1部分7.2は、良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料からここでは構成され、第2部分7.3は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される。その他の点では、
図16aおよび6bに関連して作成されたものと同じ観察結果があてはまる。
【0146】
図18a、18b、18cおよび18dは、
図6〜9によるプラズマ切断トーチで使用できる第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7のさらなる実施形態を示す。
【0147】
図18aは平面図を示し、
図18bおよび18cはその異なる実施形態の側断面図を示す。
図18dは、第2ガス搬送部分7の、電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成された部分7.3を示す。
【0148】
第2ガス搬送部分7の部分7.3に配置されるのは半径方向に配置された孔7.1であり、それらは同じく中心線Mに対して半径方向または半径方向にオフセット可能でありおよび/または半径方向に傾斜可能であり、また、第2ガス搬送部分7がプラズマ切断トーチ1内に嵌め込まれているとき、孔7.1を通して第2ガスSGは流れることができる。この例では、12個の孔が、寸法a11だけ半径方向にオフセットされ、円周の周りで等距離に分散され、ここで、孔の中点によって境界を定められる角度はα11で示される(例えばここでは30°)。しかしながら、開口、溝または切欠きが存在してもよく、第2ガス搬送部分7がプラズマ切断トーチ1内に嵌め込まれているとき、それを通って第2ガスSGは流れる(これに関して例えば
図6〜9を参照)。
【0149】
図18dは、この例において部分7.3が孔または開口7.1より大きい12個のさらなる軸方向に配置された孔7.9を有することを示す。
【0150】
図18aおよび18bにおいて、12個の部分7.2(ここでは例えば円形ピンとして示される)が、これらの孔7.9に導入されている。円形ピン7.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される一方、部分7.3は電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成される。
【0151】
第2ガス搬送部分7が
図6〜9に従いプラズマ切断トーチ1に嵌め込まれているとき、円形ピン7.2の接触面7.51はノズルキャップ5の接触面5.3(例えばここでは環状面)と接触した状態で接し、円形ピン7.2の接触面7.41はノズル保護キャップ(
図6〜9)の接触面8.2(例えばここでは環状面)と接触した状態で接する。
【0152】
部分7.2は、直径d7と、少なくとも部分7.3の幅bと同程度に大きい長さl7とを有する。円形ピン7.2の接触面と、ノズルキャップ5およびノズル保護キャップ8の接触面との間の確実な接触を得るために、長さl7がわずかにより大きいとさらに良い。
【0153】
図18cは第2ガス用の第2ガス搬送部分7の別の実施形態を示す。この場合では、例えば円形ピンとして示される2つの部分7.2および7.6が各孔7.9に導入されている。部分7.3は電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成され、円形ピン7.2は良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成され、円形ピン7.6は良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成される。
【0154】
第2ガス搬送部分7が
図6〜9に従いプラズマ切断トーチ1に嵌め込まれているとき、円形ピン7.2の接触面7.51はノズルキャップ5の接触面5.3(例えばここでは環状面)と接触した状態で接し、円形ピン7.6の接触面7.41はノズル保護キャップ8(同じく
図6〜9参照)の接触面8.2(例えばここでは環状面)と接触した状態で接する。両方の円形ピン7.2および7.6は、それらの接触面7.42および7.52が接触することによって接続される。
【0155】
部分7.2は、直径d7と、長さl71とを有する。この例では部分7.6は同じ直径と長さl72とを有し、ここで長さl71とl72の合計は、少なくとも部分7.3の幅bと同程度の大きさである。円形ピン7.2の接触面7.51とノズルキャップ5、および円形ピン7.6の接触面7.41とノズル保護キャップ8の間の確実な接触を得るために、長さの合計がわずかに、例えば0.1mm超、より大きいとさらに良い。
【0156】
図18cおよび関連の記載が示すように、本発明は従って、一般化された形式において、プラズマトーチの少なくとも2つの電気伝導性構成要素間の電気的絶縁のための、プラズマトーチの、特にプラズマ切断トーチの絶縁部分にも関連し、ここで絶縁部分は少なくとも3つの部分から構成され、それら部分の1つは良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成され、それら部分の他の1つは電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成され、さらなる部分またはそれら部分のさらなる1つは良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成される。
【0157】
図15〜18に示される第2ガス搬送部分7は、
図5によるプラズマ切断トーチ1においても使用可能である。そこで、この第2ガス搬送部分7を使用することによって、ノズル保護キャップ8とノズル4の間に電気的絶縁が確立される。第2ガスSGとの組合せにおいて、電気的絶縁はノズル4およびノズル保護キャップ8を、それらとワークピースの間に生じ得るアークから保護する。これらは二重アークと呼ばれ、ノズル4およびノズル保護キャップ8を損傷する可能性がある。
【0158】
同時に、熱はノズル保護キャップ8とノズル4の間で、より高温の構成要素からより低温の構成要素へ、この場合ノズル保護キャップ8からノズル4へ、第2ガス搬送部分7として構成された良好な熱伝導率を有する絶縁部分を経由して、伝達される。第2ガス搬送部分7はノズル保護キャップ8およびノズル4と接触した状態で接する。
図15、16および17に示される第2ガス搬送部分7の例示的実施形態では、これは、ノズル保護キャップ8の環状接触面8.2と第2ガス搬送部分7の環状接触面7.4、および第2ガス搬送部分7の環状接触面7.5とノズル4の環状接触面4.4を介して起き、それらは、
図5に示されるように、接触する。
【0159】
図18bおよび18cに示される第2ガス搬送部分7の例示的実施形態では、熱の伝達は、
図5に示されるように、ノズル保護キャップ8の環状接触面8.2と第2ガス搬送部分7の円形ピン7.2または7.6の接触面7.41を介して、およびノズル4の接触面4.4(ここでは例えば環状面)と接触することにより円形ピン7.2の接触面7.51を介して起きる。
【0160】
図19a〜19dは、
図15〜18の本発明の特定実施形態によるノズル4と第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7との構成の断面図を示す。
図5および
図15〜18に関連して与えられた記述がここであてはまる。
【0161】
この場合では、
図19aは
図15aおよび15bによる第2ガス搬送部分7の構成を示し、
図19bは
図16aおよび16bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図19cは
図17aおよび17bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図19dは
図18aおよび
図18bによる第2ガス搬送部分の構成を示す。
【0162】
これらの例示的実施形態において、第2ガス搬送部分7はノズル4に対して、最も簡単な例では一方を他方に押しつけることによって、接続可能である。しかしながら、それらはまた、形状一致および圧力嵌め式に、または接着剤接合によって、接続可能である。接続点で金属/金属および/または金属/セラミックが使用されるとき、接続としてはんだ付けもまた可能である。
【0163】
図20a〜20dは、本発明の特定実施形態による
図15〜18によるノズルキャップ5と第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7との構成の断面図を示す。
図6〜9および
図15〜18に関連して与えられた記述がここであてはまる。
【0164】
この場合では、
図20aは
図15aおよび15bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図20bは
図16aおよび16bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図20cは
図17aおよび17bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図20dは
図18a〜18dによる第2ガス搬送部分の構成を示す。
【0165】
これらの例示的実施形態において、第2ガス搬送部分7はノズルキャップ5に対して、最も簡単な例では一方を他方に押しつけることによって、接続可能である。しかしながら、それらはまた、形状一致および圧力嵌め式に、または接着剤接合によって、接続可能である。接続点で金属/金属および/または金属/セラミックが使用されるとき、接続としてはんだ付けもまた可能である。
【0166】
図21a〜21dは、
図15〜18によるノズル保護キャップ8と第2ガスSG用の第2ガス搬送部分7との構成の断面図を示す。
図5〜9および
図15〜18に関連して与えられた記述がここであてはまる。
【0167】
この場合では、
図21aは
図15aおよび15bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図21bは
図16aおよび16bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図21cは
図17aおよび17bによる第2ガス搬送部分の構成を示し、
図21dは
図18a〜18dによる第2ガス搬送部分の構成を示す。
【0168】
これらの例示的実施形態において、第2ガス搬送部分7はノズル保護キャップ8に対して、最も簡単な例では一方を他方に押しつけることによって、接続可能である。しかしながら、それらはまた、形状一致および圧力嵌め式に、または接着剤接合によって、接続可能である。接続点で金属/金属および/または金属/セラミックが使用されるとき、接続としてはんだ付けもまた可能である。
【0169】
図22aおよび22bは本発明の特定実施形態による
図11〜13による電極2とプラズマガスPG用のプラズマガス搬送部分3との構成を示す。
【0171】
この例示的実施形態では、接触面2.3は例えば電極2の円筒状外面であり、接触面3.5はプラズマガス搬送部分3の円筒状内面である。好ましくは、相互差込みと、良好な接触、従って低い熱抵抗、従って良好な熱伝達との両方を実現するために、円筒状内面と外面の間に、わずかなすき間、例えばDIN EN ISO286に従うH7/h6を有するすき間嵌めがここで使用される。熱伝達は、これらの接触面に熱伝導性ペーストを塗布することによって、改善することができる。その結果、より大きいすき間、例えばH7/g6を有する嵌め合いを使用することができる。
【0172】
プラズマガス搬送部分3と電極2の間に締まり嵌めを使用することも可能である。言うまでもなく、これにより熱伝達は改善される。しかしながらそれは、電極2およびプラズマガス搬送部分3を、プラズマ切断トーチ1内で一緒にしか交換できないという結果を有する。
【0173】
図23は本発明の1つの特定実施形態による電極2とプラズマガスPG用のプラズマガス搬送部分3との構成を示す。
【0174】
この構成において、プラズマガス搬送部分3の円形ピン3.2の接触面3.51は、電極2の接触面2.3(ここでは例えば円筒状外面)と接触した状態で接する(
図1〜9も参照)。
【0175】
部分3.2は、直径d3と、少なくとも部分3.3の直径d10とd20の差の半分と同程度の大きさである長さl3とを有する。円形ピン3.2の接触面とノズル4および電極2の接触面との間の確実な接触を得るために長さl3がわずかにより大きいとさらに良い。接触面3.61および3.51の表面が平坦でなく、形状の一致が得られるように電極2の円筒状外面(接触面2.3)およびノズルの円筒状内面(接触面4.3)に適合されることもまた有利である。
【0176】
摩耗部分と絶縁部分またはガス搬送部分とから構成された構成は、単に例として挙げられている。他の組合せ、例えばノズルとガス搬送部分も当然可能である。
【0177】
上の記載中、冷却液体等に対する言及がなされた場合、それはかなり広く冷却媒体を意味することが意図される。
【0178】
構成および完全なプラズマトーチがとりわけ上の記載において記載される。当業者に言うまでもなく、本発明は、下位組合せおよび個々の部分、例えば構成要素または摩耗部分からも構成可能である。従って保護がそれらに対しても明示的に主張される。
【0179】
最後に、上の記載全体に適用されることが意図されるいくつかの定義:
「良好な電気伝導率」は、電気抵抗が最大0.01Ω
*cmであることを意味することが意図される。
【0180】
「電気的に非伝導性」は、抵抗が少なくとも10
6Ω
*cm、さらに良くは少なくとも10
10Ω
*cmであること、および/または絶縁耐力が少なくとも7kV/mm、さらに良くは少なくとも10kV/mmであることを意味することが意図される。
【0181】
「良好な熱伝導率」は、熱伝導率が少なくとも40W/(m
*K)、より良くは少なくとも60W/(m
*K)、さらにより良くは少なくとも90W/(m
*K)であることを意味することが意図される。
【0182】
「良好な熱伝導率」は、熱伝導率が少なくとも120W/(m
*K)、より良くは少なくとも150W/(m
*K)、さらにより良くは少なくとも180W/(m
*K)であることを意味することが意図される。
【0183】
最後に、特に金属に対する「良好な熱伝導率」は、熱伝導率が少なくとも200W/(m
*K)、より良くは少なくとも300W/(m
*K)であることを意味するように理解される。
【0184】
上の記載、図面および請求項において開示される本発明の特徴は、本発明をその多様な実施形態において実現するために、個々におよびいずれかの所望の組合せにおいて、その両方で不可欠であり得る。
【0185】
以下、本発明の好ましい態様を項分け記載する。
【0186】
1.プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ用の、前記プラズマトーチの少なくとも2つの電気伝導性構成要素間の電気絶縁のための単一または複数部分からなる絶縁部分において、
前記単一または複数部分からなる絶縁部分が、良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成されるか、またはその少なくとも一部(3.2;7.2;11.1)が良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成されることを特徴とする、単一または複数部分からなる絶縁部分。
【0187】
2.少なくとも2つの部分(3.2、3.3;7.2、7.3;11.1、11.2)から構成され、前記部分の一方(3.2;7.2;11.1)が良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成され、前記部分の他方または少なくとも1つの他方(3.3;7.3;11.2)が電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成されることを特徴とする、態様1に記載の絶縁部分。
【0188】
3.良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成される前記部分(3.2)が、接触面(3.51、3.61、7.41、7.51)として機能する少なくとも1つの表面を有し、該表面が、電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成される前記部分(3.3、7.3)の直接隣接する表面と整列されるか、またはそれを越えて突出することを特徴とする、態様2に記載の絶縁部分。
【0189】
4.少なくとも2つの部分(3.2、3.3;7.2、7.3)から構成され、前記部分の一方(3.3;7.3)が良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成され、前記部分の他方(3.2;7.2)または少なくとも1つの他方が良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成されることを特徴とする、態様1に記載の絶縁部分。
【0190】
5.少なくとも3つの部分(7.2、7.3、7.6)から構成され、前記部分の1つ(7.6)が良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料から構成され、前記部分の他の1つ(7.2)が良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料から構成され、前記部分のさらなる1つ(7.3)が電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料から構成されることを特徴とする、態様1に記載の絶縁部分。
【0191】
6.前記良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料が、少なくとも40W/(m
*K)、好ましくは少なくとも60W/(m
*K)、さらにより好ましくは少なくとも90W/(m
*K)、さらにより好ましくは少なくとも120W/(m
*K)、さらにより好ましくは少なくとも150W/(m
*K)、さらにより好ましくは少なくとも180W/(m
*K)の熱伝導率を有することを特徴とする、態様1から5のいずれか一項に記載の絶縁部分。
【0192】
7.前記良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料および/または前記電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料が、少なくとも10
6Ω
*cm、好ましくは少なくとも10
10Ω
*cmの電気抵抗、および/または少なくとも7kV/mm、好ましくは少なくとも10kV/mmの絶縁耐力を有することを特徴とする、態様1から6のいずれかに記載の絶縁部分。
【0193】
8.前記良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料がセラミック、好ましくは、窒化物セラミック、特に窒化アルミニウム、窒化ホウ素、および窒化ケイ素セラミックと、炭化物セラミック、特に炭化ケイ素セラミックと、酸化物セラミック、特に酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化ベリリウムセラミックと、ケイ酸セラミックとの群からのセラミックであるか、またはプラスチック材料、例えばプラスチックフィルムであることを特徴とする、態様1から7のいずれかに記載の絶縁部分。
【0194】
9.前記電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料が最大1W/(m
*K)の熱伝導率を有することを特徴とする、態様2、3、および6から8のいずれかに記載の絶縁部分。
【0195】
10.前記部分が、形状一致式、圧力嵌め式、または粘着式に、および/または接着剤接合によって、あるいは熱的な方法、例えばはんだ付けもしくは溶接によって、互いに接続されることを特徴とする、態様1から9のいずれかに記載の絶縁部分。
【0196】
11.少なくとも1つの開口および/または少なくとも1つの切欠きおよび/または少なくとも1つの溝(3.8)を有し、特に、前記少なくとも1つの開口および/または前記少なくとも1つの切欠きおよび/または前記少なくとも1つの溝が、前記良好な熱伝導率を有する電気的に非伝導性の材料に、および/または前記電気的に非伝導性かつ熱的に非伝導性の材料に、および/または前記良好な電気伝導率と良好な熱伝導率とを有する材料に配置されることを特徴とする、態様1から10のいずれかに記載の絶縁部分。
【0197】
12.ガス、特にプラズマガス、第2ガスまたは冷却ガスを搬送するように設計されることを特徴とする、態様1から11のいずれかに記載の絶縁部分。
【0198】
13.プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)の、電極(2)および/またはノズル(4)および/またはノズルキャップ(5)および/またはノズル保護キャップ(8)および/またはノズル保護キャップホルダ(9)と、態様1〜12のいずれかに記載の絶縁部分とから構成されることを特徴とする構成。
【0199】
14.前記絶縁部分が、前記電極(2)および/または前記ノズル(4)および/または前記ノズルキャップ(5)および/または前記ノズル保護キャップ(8)および/または前記ノズル保護キャップホルダ(9)と直接接触することを特徴とする、態様13に記載の構成。
【0200】
15.プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)の、ノズル保護キャップホルダ(9)の受容部(11)と、ノズル保護キャップホルダ(9)とから構成される構成において、前記受容部(11)が、好ましくは前記ノズル保護キャップホルダ(9)と直接接触する態様1から12のいずれかに記載の絶縁部分として構成されることを特徴とする構成。
【0201】
16.プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)の、電極(2)とノズル(4)とから構成される構成において、プラズマガス搬送部分(3)として構成される態様1から12のいずれかに記載の絶縁部分が、前記電極(2)と前記ノズル(4)との間に、好ましくはそれらと直接接触して配置されることを特徴とする構成。
【0202】
17.プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)の、ノズル(4)とノズル保護キャップ(8)とから構成される構成において、第2ガス搬送部分(7)として構成される態様1から12のいずれかに記載の絶縁部分が前記ノズル(4)と前記ノズル保護キャップ(8)との間に、好ましくはそれらと直接接触して配置されることを特徴とする構成。
【0203】
18.プラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)の、ノズルキャップ(5)とノズル保護キャップ(8)とから構成される構成において、第2ガス搬送部分(7)として構成される態様1から12のいずれかに記載の絶縁部分が前記ノズルキャップ(5)と前記ノズル保護キャップ(8)との間に、好ましくはそれらと直接接触して配置されることを特徴とする構成。
【0204】
19.態様1から12のいずれかに記載の少なくとも1つの絶縁部分を含むことを特徴とするプラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)。
【0205】
20.良好な熱伝導性を有する電気的に非伝導性の材料から構成される前記絶縁部分またはその一部が、接触面として機能する少なくとも1つの表面、好ましくは2つの表面を有し、該表面が、前記プラズマトーチの、良好な電気伝導率を有する構成要素、特に電極(2)、ノズル(4)、ノズルキャップ(5)、ノズル保護キャップ(8)、またはノズル保護キャップホルダ(9)の表面と少なくとも直接接触することを特徴とする、態様19に記載のプラズマトーチ。
【0206】
21.前記絶縁部分がガス搬送部分、特にプラズマガス(3)、第2ガス(7)または冷却ガス搬送部分であることを特徴とする、態様19または20に記載のプラズマトーチ。
【0207】
22.前記絶縁部分が、作動中、冷却媒体、好ましくは液体および/またはガスおよび/または液体/ガス混合物と直接接触する少なくとも1つの表面を有することを特徴とする、態様19から21のいずれかに記載のプラズマトーチ。
【0208】
23.態様13から18のいずれかに記載の少なくとも1つの構成を含むことを特徴とするプラズマトーチ、特にプラズマ切断トーチ(1)。
【0209】
24.態様19から23のいずれかに記載のプラズマトーチが使用されることを特徴とする、熱プラズマによるワークピースの機械加工方法、またはプラズマ切断方法またはプラズマ溶接方法。
【0210】
25.レーザのレーザビームがプラズマジェットに加えて前記プラズマトーチに結合され、特に前記レーザがファイバレーザ、ダイオードレーザおよび/またはダイオード送出レーザであることを特徴とする、態様24に記載の方法。