特許第6643996号(P6643996)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6643996アンジオポエチン様3発現の調節
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643996
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】アンジオポエチン様3発現の調節
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20200130BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20200130BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20200130BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20200130BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20200130BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   C12N15/09 ZZNA
   C12N15/113 120Z
   A61K31/7088
   A61K48/00
   A61P9/00
   A61P3/00
   A61P43/00 111
【請求項の数】13
【全頁数】512
(21)【出願番号】特願2016-542739(P2016-542739)
(86)(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公表番号】特表2017-505116(P2017-505116A)
(43)【公表日】2017年2月16日
(86)【国際出願番号】US2014072303
(87)【国際公開番号】WO2015100394
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2017年12月22日
(31)【優先権主張番号】61/920,652
(32)【優先日】2013年12月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】フレアー,スーザン・エム
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,マーク・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クルック,ロザンヌ・エム
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/072046(WO,A1)
【文献】 特表2013−516489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20個の連結ヌクレオシドから成り、且つ配列番号77の少なくとも16個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと
を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチル糖を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基が、5−メチルシトシンである、上記化合物。
【請求項2】
修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%相補的である、請求項に記載の化合物。
【請求項3】
修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号77の核酸塩基配列の少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
20個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77の少なくとも16個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと
を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチル糖を含み、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基が、5−メチルシトシンである、上記修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項6】
以下の式:Ges Ges Aes mCes Aes Tds Tds Gds mCds mCds Ads Gds Tds Ads Ads Tes mCes Ges mCes Ae[式中、
A=アデニンであり、
mC=5’−メチルシトシンであり、
G=グアニンであり、
T=チミンであり、
e=2’−O−メトキシエチル修飾ヌクレオシドであり、
d=2’−デオキシヌクレオシドであり、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である]
による修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項7】
修飾オリゴヌクレオチドが抱合している、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物又は修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項8】
修飾オリゴヌクレオチドが炭水化物抱合基と抱合している、請求項に記載の化合物又は修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物もしくは修飾オリゴヌクレオチド、またはその塩、及び薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、組成物。
【請求項10】
療法に使用するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、修飾オリゴヌクレオチド、又は組成物。
【請求項11】
ANGPTL3の上昇に関連する疾患の治療、予防、または進行の緩徐に使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、修飾オリゴヌクレオチド、又は組成物。
【請求項12】
前記疾患が、心血管及び/又は代謝の疾患、障害、または状態である、請求項11に記載の化合物、修飾オリゴヌクレオチド、又は組成物。
【請求項13】
心血管及び/又は代謝の疾患、障害、または状態が、肥満症、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、家族性ホモ接合型高コレステロール血症(HoFH)、脂肪異栄養症、冠動脈心疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高脂肪酸血症、又は代謝症候群である、請求項12に記載の化合物、修飾オリゴヌクレオチド、又は組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子フォーマットの配列表と共に出願されている。配列表は、表題がBIOL0179WO_ST25.txtのファイルとして提出され、サイズは98MBであり、2014年12月22日に作成されている。電子フォーマットの配列表についての情報は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
動物においてアンジオポエチン様3(ANGPTL3)mRNA及びタンパク質の発現を低減する方法、化合物及び組成物が、本明細書において提供される。動物においてANGPTL3関連の疾患または状態を低減するためにANGPTL3阻害剤を有する方法、化合物及び組成物も、本明細書において提供される。そのような方法、化合物及び組成物は、例えば、動物において任意の1つ以上の心血管疾患もしくは代謝症候群、またはこれらの症状を治療する、予防する、遅延する、または寛解するために有用である。
【背景技術】
【0003】
糖尿病および肥満症(時々、集合的に「糖尿肥満症」と呼ばれる)は、肥満症が糖尿病の病理を悪化させることが知られており、糖尿病患者の60%超が肥満である点において、相関している。大部分のヒトの肥満症は、インスリン抵抗性及びレプチン抵抗性に関連している。事実、肥満症は糖尿病それ自体よりもさらに大きな影響を、インスリン作用に対して有しうることが示唆されている(Sindelka et al.,Physiol Res.,2002,51,85−91)。加えて、糖尿病の治療用に市販されている幾つかの化合物は、この疾患の治療にとって非常に望ましくない副作用である体重増加を誘発することが知られている。
【0004】
心血管疾患も、肥満症及び糖尿病と相関している。心血管疾患は、多種多様な病因を包含し、同様に多種多様な原因作用物質及び相関関係にある参与物質を有する。多くの原因作用物質が、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL−C)を含むコレステロールの上昇した血漿レベルのような症状、並びに他の脂質関連障害に寄与している。そのような脂質関連障害は、一般に異脂肪血と呼ばれ、兆候の中でもとりわけ高脂血症、高コレステロール血症及び高トリグリセリド血症が含まれる。非HDLコレステロールの上昇は、動脈硬化症、冠動脈疾患、心筋梗塞、虚血発作及び他の形態の心疾患のような心血管疾患が含まれる、アテローム発生及びその続発症に関連する。これらは、先進工業国において最も蔓延している種類の病気として位置付けられている。事実、米国において推定1千2百万人が冠動脈疾患に罹患しており、約3千6百万人が、上昇したコレステロールレベルの治療を必要としている。
【0005】
疫学及び実験による証拠は、高レベルの循環トリグリセリド(TG)が心血管疾患及び無数の代謝疾患に寄与しうることを示している(Valdivielso et al.,2009,Atherosclerosis Zhang et al.,2008,Circ Res.1;102(2):250−6)。外来性または内在性の原因のいずれかに由来するTGが取り込まれ、腸からカイロミクロン、または肝臓から超低密度リポタンパク質(VLDL)が分泌される。いったん循環に入ると、TGは、リポタンパク質リパーゼ(LpL)により加水分解され、得られた遊離脂肪酸は、次に局所組織に取り込まれ、エネルギー源として使用されうる。血漿TG及び代謝一般に対してLpLが顕著な作用を有するので、LpLに影響を与える化合物を発見し、開発することは、大変興味深いことである。
【0006】
代謝症候群は、心血管疾患及び糖尿病の危険性を増加する医学的障害の組み合わせである。高血圧、高トリグリセリド、HDL減少及び肥満症を含む症状は、一部の個体において一緒に現れる傾向がある。多数の人々に群発的に影響を与える。幾つかの研究において、米国における有病率は人口の25%に至ると計算されている。代謝症候群は、(代謝)症候群X、インスリン抵抗性症候群、Reaven症候群またはCHAOSのような様々な他の名称で知られている。心血管障害及び代謝障害の高い有病率によって、これらの状態を治療する改善された手法の必要性が依然として存在する。
【0007】
アンジオポエチンは、分泌増殖因子のファミリーである。対応する内皮特異的受容体と一緒になって、アンジオポエチンは血管新生において重要な役割を果たす。1つのファミリーメンバーであるアンジオポエチン様3(アンジオポエチン様タンパク質3、ANGPT5、ANGPTL3、またはアンジオポエチン5としても知られている)は、主に肝臓に発現し、脂質代謝を制御する役割を果たすと考えられている(Kaplan et al.,J.Lipid Res.,2003,44,136−143)。HDL、LDL及びトリグリセリドの血漿濃度に関連する一般的な変種についてゲノムを調査するゲノムワイド関連走査(GWAS)は、トリグリセリドと、ANGPTL3の近くにある単一ヌクレオチド多型(SNP)との関連性を見出した(Willer et al.,Nature Genetics,2008,40(2):161−169)。ホモ接合ANGPTL3機能欠失突然変異体を有する個体は、総コレステロール(TC)及びTG、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)、アポリポタンパク質B(アポB)、非HDL−C、並びにHDL−Cのような、全てのアテローム発生性血漿脂質及びリポタンパク質を低レベルで提示する(Romeo et al.2009,J Clin Invest,119(1):70−79;Musunuru et al.2010 N Engl J Med,363:2220−2227;Martin−Campos et al.2012,Clin Chim Acta,413:552−555;Minicocci et al.2012,J Clin Endocrinol Metab,97:e1266−1275;Noto et al.2012,Arterioscler Thromb Vasc Biol,32:805−809;Pisciotta et al.2012,Circulation Cardiovasc Genet,5:42−50)。この臨床表現型は、家族性複合型低脂血症(FHBL2)と呼ばれている。低減されたVLDLの分泌にも関わらず、FHBL2を有する対象は、肝脂肪含有量を増加しない。低い血漿グルコース及びインスリンレベルも有すると思われ、重要なことには、糖尿病及び心血管疾患が両方ともこれらの対象には不在であると思われる。有害な臨床表現型は、現在まで報告されていない(Minicocci et al.2013,J of Lipid Research,54:3481−3490)。ANGPTL3の低減は、動物モデルにTG、コレステロール及びLDLレベルの減少をもたらすことが示されている(米国特許出願第13/520,997号、PCT特許公開WO2011/085271号)。ANGPTL3が欠乏しているマウスは、非常に低い血漿トリグリセリド(TG)及びコレステロールレベルを有し、一方、過剰発現は、逆の効果を生じる((Koishi et al.2002;Koster 2005;Fujimoto 2006)。したがって、脂質代謝におけるANGPTL3の潜在的な役割は、それを治療介入における魅力的なマーカーにする。
【0008】
現在まで、ANGPTL3レベルを直接標的にして心血管代謝疾患を治療する治療戦略は、限定されている。ANGPTL3ポリペプチドフラグメント(米国特許出願第12/128,545号)、抗ANGPTL3抗体(米国特許出願第12/001,012号)及びアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むANGPTL3核酸阻害剤(米国特許出願第13/520,997号、PCT特許公開WO2011/085271号、これらはその全体が参照として本明細書に組み込まれる)が、以前に示唆され、開発されてきたが、ANGPTL3を直接標的にする化合物で、心血管代謝疾患の治療に承認されたものはない。したがって、ANGPTL3を阻害する極めて強力で耐容性のある化合物への満たされない必要性が存在する。本明細書に開示されている発明は、ANGPTL3発現の新規で極めて強力な阻害剤の発見及び治療におけるその使用に関する。
【発明の概要】
【0009】
ANGPTL3 mRNA及びタンパク質の発現を調節する組成物及び方法が、本明細書において提供される。特定の実施形態において、組成物はANGPTL3特異的阻害剤である。特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、ANGPTL3 mRNA及びタンパク質の発現を減少する。
【0010】
特定の実施形態において、組成物はANGPTL3特異的阻害剤である。特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は核酸である。特定の実施形態において、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は修飾オリゴヌクレオチドである。
【0011】
特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドである。
【0012】
特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基1140〜1159の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基配列を含む、修飾オリゴヌクレオチドであり、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号1に少なくとも80%相補的である。
【0013】
特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号2の核酸塩基9715〜9734の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基配列を含む、修飾オリゴヌクレオチドであり、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列は、配列番号2に少なくとも80%相補的である。
【0014】
特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、20個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77の少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドであり、該修飾オリゴヌクレオチドは、(a)10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント(gap segment)と、(b)5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント(wing segment)と、(c)5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0015】
特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、20個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77の少なくとも8個の隣接核酸塩基からなる核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドであり、該修飾オリゴヌクレオチドは、(a)10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、(b)5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、(c)5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントからなり、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0016】
特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、以下の構造及び名称ISIS563580により表される修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は、以下の構造により表される修飾オリゴヌクレオチドISIS563580を含む。
【0017】
【化1】
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【0018】
特定の実施形態は、本明細書に記載されている化合物またはその塩と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む組成物を提供する。
【0019】
特定の実施形態において、ANGPTL3発現の調節は、細胞または組織の中で生じる。特定の実施形態において、調節は、動物の細胞または組織の中で生じる。特定の実施形態において、動物はヒトである。特定の実施形態において、調節は、ANGPTL3 mRNAレベルの低減である。特定の実施形態において、調節は、ANGPTL3タンパク質レベルの低減である。特定の実施形態において、ANGPTL3 mRNA及びタンパク質の両方が低減される。そのような低減は、時間依存的または用量依存的に生じる。
【0020】
特定の実施形態は、療法に使用される組成物及び方法を提供する。特定の実施形態は、ANGPTL3関連疾患、障害及び状態を予防する、治療する、遅延する、進行を緩徐する、及び/または寛解する組成物及び方法を提供する。特定の実施形態において、そのような疾患、障害及び状態は、心血管及び/または代謝の疾患、障害及び状態である。特定の実施形態において、療法のための組成物及び方法は、ANGPTL3特異的阻害剤を、それを必要とする個体に投与することを含む。特定の実施形態において、ANGPTL3特異的阻害剤は核酸である。特定の実施形態において、核酸はアンチセンス化合物である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は修飾オリゴヌクレオチドである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は、両方とも例示及び説明のためだけのものであり、特許請求される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本明細書において、単数の使用は、特に特定的に記述されない限り、複数を含む。本明細書で使用されるとき、「または」の使用は、特に記述のない限り、「及び/または」を意味する。更に、用語「含まれる(including)」、並びに「含む(includes)」及び「含まれた(included)」のような他の形態の使用は制限的ではない。また、「要素」または「構成成分」のような用語は、特に特定的に記述されない限り、1つの単位を含む要素及び構成成分と、1つを超える亜単位を含む要素及び構成成分の両方を包含する。
【0022】
本明細書に使用される章の見出しは、構成の目的のためだけのものであり、記載される主題を制限するものと解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍及び条約が含まれるが、これらに限定されない、本出願に引用されいる全ての文書、または文書の一部は、本明細書において考察される文書の一部、並びにそれらの全体が参照として明確に組み込まれる。
【0023】
定義
特に特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載されている分析化学、合成有機化学、並びに医薬及び薬学化学に関連して、並びにこれらの手順及び技術に利用される命名法は、当該技術において周知であり、一般的に使用されるものである。標準的な技術を化学合成及び化学分析に使用することができる。容認される場合、全ての特許、出願、公開出願及び他の公報、GENBANK受入番号及び全米バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)のようなデータベースを介して得られる関連配列情報、並びに本明細書の開示の全体を通して参照される他のデータは、本明細書において考察される文書の一部、並びにそれらの全体が参照として組み込まれる。
【0024】
特に指示されない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0025】
「2’−O−メトキシエチル」(また、2’−MOE及び2’−O(CH−OCH)は、フロシル(furosyl)環の2’位のO−メトキシ−エチル修飾を指す。2’−O−メトキシエチル修飾糖が、修飾糖である。
【0026】
「2’−O−メトキシエチルヌクレオチド」は、2’−O−メトキシエチル修飾糖部分を含むヌクレオチドを意味する。
【0027】
「3’標的部位」または「3’終止部位」は、特定のアンチセンス化合物の最も3’にあるヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0028】
「5’標的部位」または「5開始部位」は、特定のアンチセンス化合物の最も5’にあるヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0029】
「5’−メチルシトシン」は、5’位に結合しているメチル基により修飾されたシトシンを意味する。5−メチルシトシンが、修飾核酸塩基である。
【0030】
「約」は、値の±10%以内を意味する。例えば、「マーカーが約50%増加しうる」と記述される場合、マーカーが45%〜55%増加しうることを示唆している。
【0031】
「活性医薬品」は、個体に投与されたときに治療利益を提供する物質または薬学的組成物中の物質を意味する。例えば、特定の実施形態において、ANGPTL3を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、活性医薬品である。
【0032】
「活性標的領域」または「標的領域」は、1つ以上の活性アンチセンス化合物が標的にする領域を意味する。
【0033】
「活性アンチセンス化合物」は、標的核酸レベルまたはタンパク質レベルを低減するアンチセンス化合物を意味する。
【0034】
「脂肪生成」は、前脂肪細胞からの脂肪細胞の発生を意味する。「脂質生成」は、脂肪変性または脂肪浸潤のいずれかである、脂肪の産生または形成を意味する。
【0035】
「脂肪蓄積」または「肥満症」は、肥満している状態、または除脂肪体重に対して過剰に多い体脂肪もしくは脂肪組織の量を指す。体脂肪の量には、身体全体の脂肪分布、並びに脂肪組織沈着のサイズ及び量の両方の問題が含まれる。体脂肪分布は、皮脂厚測定、ウエスト・ヒップ円周比、または超音波、コンピュータ断層撮影法もしくは磁気共鳴画像法のような技術によって推定することができる。疾病管理予防センター(Center for Disease Control and Prevention)によると、30以上の体重指数(BMI)を有する個体は、肥満であると考慮される。用語「肥満症」には、本明細書で使用されるとき、身体中の脂肪組織の過剰蓄積の結果、身体的要求を超えた体脂肪の増加という状態が含まれる。用語「肥満症」には、以下の状態が含まれるが、これらに限定されない。成人発症型肥満症、食事性肥満症、内因性または代謝性肥満症、内分泌性肥満症、家族性肥満症、高インスリン性肥満症、過形成−肥大性肥満症、性腺機能低下性肥満症、甲状腺機能低下性肥満症、生涯型肥満症(lifelong obesity)、病的肥満症及び外因性肥満症。
【0036】
「随伴的に投与される」は、両方の薬理学的効果が患者において同時に現れる任意の方法による2つの作用物質の共投与を指す。随伴投与は、両方の作用物質が単一の薬学的組成物により、同じ剤形により、または同じ投与経路により投与されることを必要としない。両方の作用物質の効果が同時に現れる必要はない。該効果は、ある時間にわたって重複することだけが必要であり、同一時間である必要はない。
【0037】
「投与すること」は、作用物質を動物に提供することを意味し、医療従事者による投与及び自己投与が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
「作用物質」は、動物に投与されたときに治療利益を提供することができる、活性物質を意味する。「第1の作用物質」は、本発明の治療化合物を意味する。例えば、第1の作用物質は、ANGPTL3を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドでありうる。「第2の作用物質」は、本発明の第2の治療化合物(例えば、ANGPTL3を標的にする第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)及び/または非ANGPTL3治療化合物を意味する。
【0039】
「寛解」は、関連する疾患、障害または状態の少なくとも1つの指標、兆候または症状の軽減を指す。指標の重篤度は、主観的または客観的測定によって決定することができ、これらは当業者に知られている。
【0040】
「ANGPTL3」は、ANGPTL3の任意の核酸またはタンパク質を意味する。
【0041】
「ANGPTL3発現」は、ANGPTL3をコードする遺伝子から転写されたmRNAのレベル、またはmRNAから翻訳されたタンパク質のレベルを意味する。ANGPTL3発現は、ノーザンまたはウエスタンブロットのような当該技術に既知の方法により決定することができる。
【0042】
「ANGPTL3核酸」は、ANGPTL3をコードする任意の核酸を意味する。例えば、特定の実施形態において、ANGPTL3核酸には、ANGPTL3をコードするDNA配列、ANGPTL3をコードするDNAから転写されたRNA配列(イントロン及びエクソンを含むゲノムDNAが含まれる)、並びにANGPTL3をコードするmRNA配列が含まれる。「ANGPTL3 mRNA」は、ANGPTL3タンパク質をコードするmRNAを意味する。
【0043】
「動物」は、ヒト、またはマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタが含まれるが、これらに限定されない非ヒト動物、並びにサル及びチンパンジーが含まれるが、これらに限定されない非ヒト霊長類を指す。
【0044】
「アンチセンス活性」は、アンチセンス化合物とその標的核酸とのハイブリッド形成に起因する任意の検出可能または測定可能な活性を意味する。特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的核酸の、またはそのような標的核酸によりコードされたタンパク質の量または発現の減少である。
【0045】
「アンチセンス化合物」は、水素結合を介して標的核酸とハイブリッド形成することができるオリゴマー化合物を意味する。
【0046】
「アンチセンス阻害」は、アンチセンス化合物の不在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルと比較した、標的核酸と相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルの低減を意味する。
【0047】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸の対応する領域またはセグメントとのハイブリッド形成を許容する核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0048】
「アポB含有リポタンパク質」は、タンパク質構成成分としてアポリポタンパク質Bを有し、LDL、VLDL、IDL及びリポタンパク質(a)を含むことが意図され、脂質低下剤及び療法によって一般に標的にされうる、任意のリポタンパク質を意味する。「アポB−100含有LDL」は、アポB−100アイソフォーム含有LDLを意味する。
【0049】
「アテローム性動脈硬化症」は、大及び中動脈に影響を与える動脈の硬化を意味し、脂肪沈着の存在よって特徴付けられる。脂肪沈着は、「アテローム」または「プラーク」と呼ばれ、これらは主にコレステロール及び他の脂肪、カルシウム、並びに瘢痕組織からなり、動脈の内層を損傷する。
【0050】
「二環式糖」は、2個の非ジェミナル(non−geminal)環原子の架橋により修飾されたフロシル(furosyl)環を意味する。二環式糖が、修飾糖である。
【0051】
「二環式核酸」または「BNA」は、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフラノース部分が、フラノース環の2個の炭素原子を接続し、それによって二環式環系を形成する架橋を含む、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを指す。
【0052】
「キャップ構造」または「末端キャップ部分」は、アンチセンス化合物のいずれかの末端に組み込まれている化学修飾を意味する。
【0053】
「心血管疾患」または「心血管障害」は、心臓、血管または循環に関係する一群の状態を指す。心血管疾患または障害の例には、動脈瘤、狭心症、不整脈、アテローム性動脈硬化症、脳血管疾患(脳卒中)、冠動脈心疾患、高血圧症、異脂肪血症、高脂血症及び高コレステロール血症が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
「心血管代謝疾患」または「心血管代謝障害」は、心血管系と代謝系の両方に関わる疾患または障害である。心血管代謝疾患または障害の例には、糖尿病及び異脂肪血症が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
「化学的に異なる領域」は、同じアンチセンス化合物の別の領域と何らかの方法で化学的に異なるアンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’−O−メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’−O−メトキシエチル修飾を有さないヌクレオチドを有する領域と化学的に異なる。
【0056】
「キメラアンチセンス化合物」は、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0057】
「共投与」は、個体への2つ以上の作用物質の投与を意味する。2つ以上の作用物質は、単一の薬学的組成物の中にありうる、または別々の薬学的組成物の中にありうる。2つ以上の作用物質は、それぞれ、同じ、または異なる投与経路を介して投与することができる。共投与は、並行または順次の投与を包含する。
【0058】
「コレステロール」は、全ての動物組織の細胞膜に見出されるステロール分子である。コレステロールは、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)及び高密度リポタンパク質(HDL)を含むリポタンパク質により動物の血漿に輸送されなければならない。「血漿コレステロール」は、血漿または血清に存在する全てのエステル化及び/または非エステル化リポタンパク質(VDL、IDL、LDL、HDL)コレステロールの合計を指す。
【0059】
「コレステロール吸収阻害剤」は、食事から得た外来性コレステロールの吸収を阻害する作用物質を意味する。
【0060】
「相補性」は、第1の核酸及び第2の核酸の核酸塩基を対形成する能力を意味する。特定の実施形態において、第1と第2の核酸の相補性は、2つのDNA鎖の間、2つのRNA鎖の間、またはDNA及びRNA鎖の間のことでありうる。特定の実施形態において、一方の鎖における幾つかの核酸塩基は、他方の鎖における相補的水素結合塩基と適合する。特定の実施形態において、一方の鎖における全ての核酸塩基は、他方の鎖における相補的水素結合塩基と適合する。特定の実施形態において、第1の核酸はアンチセンス化合物であり、第2の核酸は標的核酸である。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは第1の核酸であり、標的核酸は第2の核酸である。
【0061】
「隣接核酸塩基」は、互いに直ぐ近接している核酸塩基を意味する。
【0062】
「冠動脈心疾患(CHD)」は、心臓に血液及び酸素を供給する小血管の狭小化を意味し、このことは多くの場合にアテローム性動脈硬化症が原因である。
【0063】
「デオキシリボヌクレオチド」は、ヌクレオチドの糖部分の2’位に水素を有するヌクレオチドを意味する。デオキリボヌクレオチドは、様々な置換基のいずれかにより修飾されうる。
【0064】
「真性糖尿病」または「糖尿病」は、不十分なインスリンレベルまたはインスリン感受性の低減によってもたらされる代謝障害及び異常な高血糖(高血糖症)により特徴付けられる症候群である。特徴的な症状は、高い血中グルコースレベルに起因する過剰尿産生(多尿症)、過度の口渇及び排尿の増加の代償を図る水分摂取量の増加(多飲症)、目の視力に作用する高い血中グルコースに起因する視覚のぼけ、不明な体重得減少、並びに嗜眠である。
【0065】
「糖尿病性異脂肪血症」または「異脂肪血症を伴う2型糖尿病」は、2型糖尿病、HDL−Cの低減、トリグリセリドの上昇及び小型(small dense)LDL粒子の上昇により特徴付けられる状態を意味する。
【0066】
「希釈剤」は、薬理学的活性を欠いているが、薬学的に必要である、または望ましい、組成物中の成分を意味する。例えば、注射用組成物中の希釈剤は、液体、例えば食塩溶液でありうる。
【0067】
「異脂肪血症」は、脂質及び/またはリポタンパク質の過剰産生または欠乏を含む、脂質及び/またはリポタンパク質代謝の障害を指す。異脂肪血症は、コレステロール及びトリグリセリドのような脂質、並びに低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールのようなリポタンパク質の上昇によって発症しうる。
【0068】
「投与単位」は、医薬品が提供される形態、例えば、丸剤、錠剤、または当該技術に既知の他の投与単位を意味する。特定の実施形態において、投与単位は、凍結乾燥アンチセンスオリゴヌクレオチドを含有するバイアルである。特定の実施形態において、投与単位は、再構成アンチセンスオリゴヌクレオチドを含有するバイアルである。
【0069】
「用量」は、単回投与により、または特定の時間帯において提供された医薬品の特定量を意味する。特定の実施形態において、用量は、1、2回、またはそれ以上でボーラス、錠剤または注射により投与されうる。例えば、皮下投与が望ましい特定の実施形態において、望ましい用量は、単回注射により容易に対応できない量を必要とし、したがって、2回以上の注射を使用して望ましい用量を達成することができる。特定の実施形態において、医薬品は、長時間にわたる、または連続的な注入により投与される。用量は、1時間、1日、1週間、または1か月あたりの医薬品の量として記述することができる。用量は、mg/kgまたはg/kgと表すことができる。
【0070】
「有効量」または「治療有効量」とは、活性医薬品の、それを必要とする個体に望ましい生理学的結果を実現するのに十分な量を意味する。有効量は、治療される個体の健康及び身体状態、治療される個体の分類群、組成物の製剤、個体の医学的状態の評価、並びに他の関連する因子に応じて個体毎に変わりうる。
【0071】
「完全に相補的」または「100%相補的」は、第1の核酸の核酸塩基配列のそれぞれの核酸塩基が、第2の核酸の第2の核酸塩基配列において相補的核酸塩基を有することを意味する。特定の実施形態において、第1の核酸はアンチセンス化合物であり、標的核酸は第2の核酸である。
【0072】
「ギャップマー(gapmer)」は、RNアーゼH切断を支持する複数のヌクレオシドを有する内部領域が、1個以上のヌクレオシドを有する外部領域の間に位置し、該内部領域を含む該ヌクレオシドが、該外部領域を含む該ヌクレオシドと化学的に異なる、キメラアンチセンス化合物を意味する。内部領域を、「ギャップセグメント」と呼ぶことができ、外部領域を、「ウイングセグメント」と呼ぶことができる。
【0073】
「ギャップ拡大」は、1〜6個のヌクレオシドを有する5’及び3’ウイングセグメントの間に直ぐ近接して位置する12個以上の隣接2’−デオキシリボヌクレオシドのギャップセグメントを有する、キメラアンチセンス化合物を意味する。
【0074】
「グルコース」は、エネルギー源及び代謝中間体として細胞により使用される単糖である。「血漿グルコース」は、血漿に存在するグルコースを指す。
【0075】
「高密度リポタンパク質−C(HDL−C)」は、高密度リポタンパク質粒子に関連するコレステロールを意味する。血清(または血漿)中のHDL−C濃度は、典型的にはmg/dLまたはnmol/Lで定量化される。「血清HDL−C」及び「血漿HDL−C」は、血清及び血漿中のHDL−Cをぞれぞれ意味する。
【0076】
「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」は、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン及びシンバスタチンのような、酵素HMG−CoAレダクターゼの阻害を介して作用する作用物質を意味する。
【0077】
「ハイブリッド形成」は、相補的核酸分子のアニーリングを意味する。特定の実施形態において、相補的核酸分子には、アンチセンス化合物及び標的核酸が含まれる。
【0078】
「高コレステロール血症」は、成人における高コレステロールの検出、治療の評価についての全米コレステロール教育プログラムの専門委員会報告における指針(the guidelines of the Expert Panel Report of the National Cholesterol Educational Program (NCEP) of Detection,Evaluation of Treatment of high cholesterol in adults)によると、コレステロールまたは循環(血漿)コレステロール、LDL−コレステロール及びVLDL−コレステロールの上昇により特徴付けられる状態を意味する(Arch.Int.Med.(1988)148,36−39を参照すること)。
【0079】
「高脂血症」または「高脂質血症」は、血清脂質または循環(血漿)脂質の上昇により特徴付けられる状態である。この状態は、脂肪の異常に高い濃度を現す。循環血液中の脂質の分画は、コレステロール、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質及びトリグリセリドである。
【0080】
「高トリグリセリド血症」は、トリグリセリドレベルの上昇により特徴付けられる状態を意味する。
【0081】
「代謝または心血管疾患を有する対象を「特定する」または「選択する」ことは、代謝疾患、心血管疾患もしくは代謝症候群を有すると診断された対象を特定もしくは選択すること、または、高コレステロール血症、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高血圧症、インスリン抵抗性の増加、インスリン感受性の減少、正常体重超過及び/もしくは正常体脂肪含有量超過、もしくはこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない、代謝疾患、心血管疾患もしくは代謝症候群の任意の症状を有する対象を特定もしくは選択することを意味する。そのような特定は、血清または循環(血漿)コレステロールを測定すること、血清または循環(血漿)グルコースを測定すること、血清または循環(血漿)トリグリセリドを測定すること、血圧を測定すること、体脂肪含有量を測定すること、体重を測定することなどのような標準的な臨床試験または評価が含まれるが、これらに限定されない任意の方法により達成することができる。
【0082】
「糖尿病患者を「特定する」または「選択する」ことは、糖尿病と特定された対象を特定もしくは選択すること、または、少なくとも110mg/dLの空腹時グルコース、糖尿、多尿症、多飲症、インスリン抵抗性の増加及び/もしくはインスリン感受性の減少を有することなどであるが、これらに限定されない、糖尿病(1型または2型)の任意の症状を有する対象を特定もしくは選択することを意味する。
【0083】
「肥満対象を「特定する」または「選択する」ことは、肥満と診断された対象を特定もしくは選択すること、または30を超えるBMI及び/もしくは男性で102cmを超え、女性で88cmを超えるウエスト周囲を有する対象を特定もしくは選択することを意味する。
【0084】
「異脂肪血症を有する対象を「特定する」または「選択する」ことは、脂質及び/またはリポタンパク質過剰産生または欠乏を含む、脂質及び/またはリポタンパク質代謝の障害を有すると診断された対象を特定または選択することを意味する。異脂肪血症は、コレステロール及びトリグリセリドのような脂質、並びに低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールのようなリポタンパク質の上昇によって発症しうる。
【0085】
「脂肪蓄積の増加を有する対象を「特定する」または「選択する」ことは、身体全体にわたる脂肪分布、並びに脂肪組織沈着のサイズ及び量の一方または両方の問題が含まれる体脂肪(または脂肪蓄積)の量の増加を有する対象を特定または選択することを意味する。体脂肪分布は、皮脂厚測定、ウエスト・ヒップ円周比、または超音波、コンピュータ断層撮影法もしくは磁気共鳴画像法のような技術によって推定することができる。疾病管理予防センター(Center for Disease Control and Prevention)によると、30以上の体重指数(BMI)を有する個体は、肥満であると考慮される。
【0086】
「改善された心血管の結果」は、有害な心血管事象の発生またはその危険性の低減を意味する。有害な心血管事象の例には、死亡、再梗塞、発作、心原性ショック、肺水腫、心停止及び心房調律異常(atrial dysrhythmia)が、限定されることなく含まれる。
【0087】
「直ぐ近接している」とは、直ぐ近接している要素の間に介在要素がないことを意味する。
【0088】
「個体」または「対象」または「動物」は、治療または療法のために選択されたヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0089】
「発現または活性を阻害する」とは、発現または活性の低減または遮断を指し、必ずしも発現または活性の完全な排除を示しているわけではない。
【0090】
「インスリン抵抗性」は、正常な量のインスリンが、細胞、例えば脂肪、筋肉及び/または肝細胞からの正常なインスリン応答を生じるには不十分である状態と定義される。脂肪細胞におけるインスリン抵抗性は、貯蔵トリグリセリドの加水分解をもたらし、このことは血漿中の遊離脂肪酸を上昇させる。筋肉におけるインスリン抵抗性は、グルコース取り込みを低減し、一方、肝臓におけるインスリン抵抗性は、グルコース貯蔵を低減し、両方の作用は、血中グルコースを上昇させるように機能する。インスリン抵抗性に起因するインスリン及びグルコースの高血漿レベルは、多くの場合、代謝症候群及び2型糖尿病をもたらす。
【0091】
「インスリン感受性」は、個体がどのようにグルコースを効果的に処理するかの測度である。高いインスリン感受性を有する個体は、有効にグルコースを処理し、一方、低いインスリン感受性を有する個体は、有効にグルコースを処理しない。
【0092】
「ヌクレオシド間連結」は、ヌクレオシドの間の化学結合を指す。
【0093】
「静脈内投与」は、静脈の中への投与を意味する。
【0094】
「連結ヌクレオシド」は、一緒に結合している近接ヌクレオシドを意味する。
【0095】
「脂質低下」とは、対象における1つ以上の脂質の低減を意味する。脂質低下は、1つ以上の用量によって経時的に生じうる。
【0096】
「脂質低下剤」は、対象において脂質の低下を達成するために、対象に提供される作用物質、例えばANGPTL3特異的調節因子を意味する。例えば、特定の実施形態において、脂質低下剤は、対象においてアポB、アポC−III、総コレステロール、LDL−C、VLDL−C、IDL−C、非HDL−C、トリグリセリド、小型LDL粒子及びLp(a)の1つ以上を低減するために、対象に提供される。
【0097】
「脂質低下療法」は、対象において1つ以上の脂質を低減するために、対象に提供される治療レジメンを意味する。特定の実施形態において、脂質低下療法は、対象においてアポB、アポC−III、総コレステロール、LDL−C、VLDL−C、IDL−C、非HDL−C、トリグリセリド、小型LDL粒子及びLp(a)の1つ以上を低減するために提供される。
【0098】
VLDL、LDL及びHDLのような「リポタンパク質」は、血清、血漿及びリンパ液において見出される一群のタンパク質を指し、脂質輸送にとって重要である。それぞれのリポタンパク質の化学組成は、HDLが、脂質よりも高い割合でタンパク質を有し、一方、VLDLが、脂質より低い割合でタンパク質を有するように、異なっている。
【0099】
「低密度リポタンパク質−コレステロール(LDL−C)」は、低密度リポタンパク質粒子に担持されるコレステロールを意味する。血清(または血漿)中のLDL−C濃度は、典型的にはmg/dLまたはnmol/Lで定量化される。「血清LDL−C」及び「血漿LDL−C」は、血清及び血漿中のLDL−Cをぞれぞれ意味する。
【0100】
「主要危険因子」は、特定の疾患または状態の高い危険性に寄与する因子を指す。特定の実施形態において、冠動脈心疾患の主要危険因子には、喫煙、高血圧、低HDL−C、冠動脈心疾患の家族歴、年齢及び本明細書に開示されている他の因子が限定されることなく含まれる。
【0101】
「代謝障害」または「代謝疾患」は、代謝機能の変更または障害により特徴付けられる状態を指す。「代謝性(metabolic)」及び「代謝作用(metabolism)」は、当該技術において良く知られている用語であり、一般に、生体内で生じる生化学プロセスの全ての範囲を含む。代謝障害には、高血糖症、前糖尿病、糖尿病(1型及び2型)、肥満症、インスリン抵抗性、代謝症候群、並びに2型糖尿病に起因する異脂肪血症が含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
「代謝症候群」は、代謝性原因の一群の脂質及び非脂質心血管性危険因子により特徴付けられる状態を意味する。特定の実施形態において、代謝症候群は、以下の因子のいずれか3つの存在により特定される。男性では102cmを超え、女性では88cmを超えるウエスト周囲、少なくとも150mg/dLの血漿トリグリセリド、男性では40mg/dL未満であり、女性では50mg/dL未満であるHDL−C、少なくとも130/85mmHgの血圧、及び少なくとも110mg/dLの空腹時グルコース。これらの決定因子は、臨床実践において容易に測定することができる(JAMA,2001,285:2486−2497)。
【0103】
「不適合」または「非相補的核酸塩基」は、第1の核酸の核酸塩基が第2または標的核酸の対応する核酸塩基と対形成することができない場合を指す。
【0104】
「混合型異脂肪血症」は、コレステロールの上昇及びトリグリセリドの上昇により特徴付けられる状態を意味する。
【0105】
「修飾ヌクレオシド間連結」は、天然に生じるヌクレオシド間結合(すなわち、ホスホジエステルヌクレオシド間結合)における置換または任意の変化を指す。
【0106】
「修飾核酸塩基」は、アデニン、シトシン、グアニン、チミジンまたはウラシル以外の任意の核酸塩基を指す。「非修飾核酸塩基」は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0107】
「修飾ヌクレオシド」は、独立して1つ以上の修飾糖部分または修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0108】
「修飾ヌクレオチド」は、独立して1つ以上の修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間連結、または修飾核酸塩基を有するヌクレオチドを意味する。「修飾ヌクレオシド」は、独立して1つ以上の修飾糖部分または修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。
【0109】
「修飾オリゴヌクレオチド」は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0110】
「修飾糖」は、天然糖における置換または変化を指す。
【0111】
「モチーフ」は、アンチセンス化合物における化学的に異なる領域のパターンを意味する。
【0112】
「MTP阻害剤」は、酵素のミクロソームトリグリセリド転移タンパク質を阻害する作用物質を意味する。
【0113】
「天然に生じるヌクレオシド間連結」は、3’から5’へのホスホジエステル連結を意味する。
【0114】
「天然糖部分」は、DNA(2’−H)またはRNA(2’−OH)において見出される糖を意味する。
【0115】
「非アルコール性脂肪肝疾患」または「NAFLD」は、アルコールの過度の使用(例えば、20g/日を超えるアルコール消費)に起因しない肝臓の脂肪性炎症により特徴付けられる状態を意味する。特定の実施形態において、NAFLDは、インスリン抵抗性及び代謝症候群に関係する。NAFLDは、肝細胞における単純なトリグリセリド蓄積(脂肪肝)から、炎症を伴う脂肪肝(脂肪性肝炎)、線維症及び硬変までの疾患範囲を包含する。
【0116】
「非アルコール性脂肪性肝炎」(NASH)は、トリグリセリドの付着を超えたNAFLDの進行によって生じる。壊死、炎症及び線維症を誘発しうる「第2の攻撃」が、NASHの発生に必要とされる。第2の攻撃の候補を、広範な分類に分けることができる。酸化ストレスの増加を引き起こす因子及び炎症促進サイトカインの発現を促進する因子。肝臓トリグリセリドの増加は、動物及びヒトの肝細胞における酸化ストレスの増加を引き起こし、肝トリグリセリド蓄積、酸化ストレス及び脂肪肝からNASHへの進行の潜在的な因果関係を示すことが示唆されている(Browning and Horton,J Clin Invest,2004,114,147−152)。高トリグリセリド血症及び高脂肪酸血症(hyperfattyacidemia)は、末梢組織にトリグリセリド蓄積を引き起こしうる(Shimamura et al.,Biochem Biophys Res Commun,2004,322,1080−1085)。
【0117】
「核酸」は、モノマーヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)及びマイクロRNA(miRNA)が含まれる。核酸は、これらの要素の組み合わせを単一分子に含むこともできる。
【0118】
「核酸塩基」は、別の核酸の塩基と対形成することができる複素環式部分を意味する。
【0119】
「核酸塩基配列」は、任意の糖、連結または核酸塩基修飾から独立した隣接核酸塩基の順序を意味する。
【0120】
「ヌクレオシド」は、糖に連結した核酸塩基を意味する。
【0121】
「ヌクレオシド模倣体」には、例えば、モルホリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ビシクロまたはトリシクロ糖模倣体、例は非フラノース糖単位のような、オリゴマー化合物の1つ以上の位置で、糖、または糖及び塩基の代わりに使用されるが、連結の代わりに使用されるとは限らない構造が含まれる。
【0122】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分に共有結合的に連結しているホスフェート基を有するヌクレオシドを意味する。
【0123】
「ヌクレオチド模倣体」には、例えば、ペプチド核酸またはモルホリノ(−N(H)−C(=O)−O−もしくは他の非ホスホジエステル連結により連結しているモルホリノ)のような、オリゴマー化合物の1つ以上の位置でヌクレオシド及び連結の代わりに使用される構造が含まれる。
【0124】
「オリゴマー化合物」または「オリゴマー」は、2つ以上の下部構造を含み、核酸分子の領域とハイブリッド形成することができる、ポリマー構造を指す。特定の実施形態において、オリゴマー化合物はオリゴヌクレオシドである。特定の実施形態において、オリゴマー化合物はオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴマー化合物はアンチセンス化合物である。特定の実施形態において、オリゴマー化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴマー化合物はキメラオリゴヌクレオチドである。
【0125】
「オリゴヌクレオチド」は、それぞれ互いに独立して修飾されうる、または非修飾でありうる、連結ヌクレオチドのポリマーを意味する。
【0126】
「非経口投与」は、消化管を介する以外の方法による投与を意味する。非経口投与には、局所投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または頭蓋内投与、例えば、くも膜下腔内もしくは側脳室内投与が含まれる。投与は、連続的、または慢性的、または短期的、または断続的でありうる。
【0127】
「ペプチド」は、少なくとも2個のアミノ酸をアミド結合で連結することにより形成された分子を意味する。ペプチドは、ポリペプチド及びタンパク質を指す。
【0128】
「医薬品」は、個体に投与されたときに治療利益を提供する物質を意味する。例えば、特定の実施形態において、ANGPTL3を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬品である。
【0129】
「薬学的組成物」は、個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、薬学的組成物は、1つ以上の活性剤及び滅菌水溶液を含むことができる。
【0130】
「薬学的に許容される担体」は、オリゴヌクレオチドの構造または機能に干渉しない媒体または希釈剤を意味する。そのような担体の特定のものは、医薬品が、対象による経口摂取用に、例えば錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤及びロゼンジ剤として処方されることを可能にする。そのような担体の特定のものは、薬学的組成物が注射または注入用に処方されることを可能にする。例えば、薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液である。
【0131】
「薬学的に許容される塩」は、アンチセンス化合物の生理学的及び薬学的に許容される塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの望ましい生物学的活性を保持し、望ましくない毒性効果を付与しない塩を意味する。
【0132】
「ホスホロチオエート連結」は、ホスホジエステル結合が、非架橋酸素原子の1個を硫黄原子に代えることにより修飾されている、ヌクレオシド間の連結を意味する。ホスホロチオエート連結は、修飾ヌクレオシド間連結である。
【0133】
「部分」は、核酸の確定された数の隣接(すなわち、連結された)核酸塩基を意味する。特定の実施形態において、部分は、標的核酸の確定された数の隣接核酸塩基である。特定の実施形態において、部分は、アンチセンス化合物の確定された数の隣接核酸塩基である。
【0134】
「予防」は、数分から無限の時間にわたって疾患、障害または状態の発症または進展を遅延すること、または未然に防ぐことを指す。予防は、疾患、障害または状態が発生する危険性を低減することも意味する。
【0135】
「プロドラッグ」は、身体またはその細胞内において、内在性酵素、または他の化学薬品もしくは条件の作用により活性形態に変換される不活性形態で調製される、治療剤を意味する。
【0136】
「副作用」は、望ましい効果以外の、治療に起因する生理学的応答を意味する。特定の実施形態において、副作用には、注射部位反応、肝臓機能試験異常、腎機能異常、肝臓毒性、腎臓毒性、中枢神経系異常、筋障害及び倦怠感が含まれる。例えば、血漿中のアミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝臓毒性または肝臓機能異常を示しうる。例えば、ビリルビンの増加は、肝臓毒性または肝臓機能異常を示しうる。
【0137】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」は、相補的鎖とハイブリッド形成していないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0138】
「特異的にハイブリッド形成可能な」とは、特定の結合が望ましい条件下において、すなわち、インビボアッセイ及び治療処置の場合では生理学的条件下において、所望の効果を誘発し、同時に、非標的核酸に対して最小限の作用を示す、または何も作用を示さないように、十分な相補性の程度を標的核酸に対して有するアンチセンス化合物を指す。
【0139】
「スタチン」は、HMG−CoAレダクターゼの活性を阻害する作用物質を意味する。
【0140】
「皮下投与」は、皮膚の直下への投与を意味する。
【0141】
「標的にする」または「標的にされる」とは、標的核酸と特異的にハイブリッド形成して、望ましい効果を誘発するアンチセンス化合物の設計及び選択の過程を意味する。
【0142】
「標的核酸」、「標的RNA」及び「標的RNA転写」は、全て、アンチセンス化合物に標的にされうる核酸を指す。
【0143】
「標的領域」は、少なくとも1つの特定可能な構造、機能または特徴を有する標的核酸の部分と定義される。
【0144】
「標的セグメント」は、1つ以上のアンチセンス化合物が標的にされる標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」または「5’開始部位」は、標的セグメントの最も5’にあるヌクレオチドを指す。「3’標的部位」または「3’終止部位」は、標的セグメントの最も3’にあるヌクレオチドを指す。
【0145】
「治療有効量」は、個体に治療利益を提供する作用物質の量を意味する。
【0146】
「治療的な生活習慣の変化(therapeutic lifestyle change)」は、脂肪/脂肪組織量及び/またはコレステロールの低下が意図される食事及び生活習慣の変化を意味する。そのような変化は、心疾患発生の危険性を低減することができ、1日の総カロリー、総脂肪、飽和脂肪、多価不飽和脂肪、一価不飽和脂肪、炭水化物、タンパク質、コレステロール、不溶性繊維の食事摂取についての推奨、並びに身体活動についての推奨を含むことがある。
【0147】
「トリグリセリド」は、3つの脂肪酸分子と組み合わされたグリセロールからなる脂質または中性脂肪を意味する。
【0148】
「2型糖尿病」(「2型真性糖尿病」または「真性糖尿病、2型」としても知られており、以前は「真性糖尿病2型」、「インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)」、「肥満症関連糖尿病」または「成人発症型糖尿病」と呼ばれた)は、主にインスリン抵抗性、相対的インスリン欠乏及び高血糖症によって特徴付けられる代謝障害である。
【0149】
「治療する」とは、疾患、障害または状態の変更または改善を実施するために薬学的組成物を投与することを指す。
【0150】
「非修飾ヌクレオチド」は、天然に生じる核酸塩基、糖部分及びヌクレオシド間連結から構成されるヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、非修飾ヌクレオチドは、RNAヌクレオチド(すなわわち、β−D−リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわち、β−D−デオキシリボヌクレオシド)である。
【0151】
特定の実施形態
本明細書に開示されている特定の実施形態において、ANGPTL3は、GenBank受入番号NM_014495.2に記載されている配列を有する(配列番号1として本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態において、ANGPTL3は、GenBank受入番号NT_032977.9ヌクレオチド33032001〜33046000に記載されている配列を有する(配列番号2として本明細書に組み込まれる)。
【0152】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、配列番号1〜2の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する12〜30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。
【0153】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、ANGPTL3に標的にされる12〜30個の連結ヌクレオシドの長さの修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。ANGPTL標的は、配列番号1〜2のいずれか一方から選択される配列を有することができる。
【0154】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基1140〜1159の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基を含む、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物または組成物を提供する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基1140〜1159の等長部分に相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基である。
【0155】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基1140〜1159に相補的な核酸配列を含む、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物または組成物を提供する。
【0156】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基1907〜1926の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基を含む、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物または組成物を提供する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基1907〜1926の等長部分に相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基である。
【0157】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基1907〜1926に相補的な核酸配列を含む、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物または組成物を提供する。
【0158】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基147〜162の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基を含む、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物または組成物を提供する。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1の核酸塩基147〜162の等長部分に相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または16個の隣接核酸塩基である。
【0159】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1の核酸塩基147〜162に相補的な核酸配列を含む、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドの該核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物または組成物を提供する。
【0160】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12〜30個、15〜30個、18〜24個、19〜22個、13〜25個、14〜25個、15〜25個、または16〜24個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30個の連結ヌクレオシド、またはこれらの値の任意の2つにより確定された範囲からなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、16個の連結ヌクレオシドの長さである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、20個の連結ヌクレオシドの長さである。
【0161】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1または2の等長部分に相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基の部分を含む、核酸塩基配列を含む。
【0162】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号15〜27、30〜73、75〜85、87〜232、238、240〜243、245〜247、249〜262、264〜397、399〜469、471〜541、543〜600、604〜760、762〜819、821〜966、968〜971、973〜975、977〜990、992〜1110、1112〜1186、1188〜1216、1218〜1226、1228〜1279、1281〜1293、1295〜1304、1306〜1943、1945〜1951、1953〜1977、1979〜1981、1983〜2044、2046〜2097、2099〜2181、2183〜2232、2234〜2238、2240〜2258、2260〜2265、2267〜2971、2973〜2976、2978〜4162、4164〜4329、4331〜4389、4391〜4394、4396〜4877のいずれか1つから選択される核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。
【0163】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。
【0164】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号20の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。
【0165】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号110の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または16個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。
【0166】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって測定して、配列番号1〜2のいずれか一方に少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%相補的である。
【0167】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、一本鎖オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物は、一本鎖修飾オリゴヌクレオチドである。
【0168】
特定の実施形態において、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間連結は、修飾ヌクレオシド間連結である。特定の実施形態において、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である
【0169】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は二環式糖である。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は、2’−O−メトキシエチル、拘束エチル、3’−フルオロ−HNA、または4’−(CH−O−2’架橋を含み、ここでnは1または2である。
【0170】
特定の実施形態において、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1個のヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5−メチルシトシンである。
【0171】
本明細書に開示されている特定の実施形態は、a)連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、b)連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、c)連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物または組成物を提供する。ギャップセグメントは、5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0172】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0173】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、20個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号1〜2の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドは、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0174】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、20個の連結ヌクレオシドからなり、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0175】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、20個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77から選択される核酸塩基配列の少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドは、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0176】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号77の核酸塩基配列の20個の連結ヌクレオシドからなり、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0177】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、ISIS563580である。特定の実施形態において、ISIS563580は、GGACATTGCCAGTAATCGCA(5’から3’まで)の配列(配列番号77として本明細書に組み込まれる)を有する、5−10−5 MOEギャップマーと特徴付けられ、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれにシトシンは、5’−メチルシトシンであり、ヌクレオシド1〜5及び16〜20は、それぞれ2’−O−メトキシエチル修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド6〜15は、それぞれ2’−デオキシヌクレオシドである。
【0178】
特定の実施形態において、ISIS563580は次の化学表記法:Ges Ges Aes mCes Aes Tds Tds Gds mCds mCds Ads Gds Tds Ads Ads Tes mCes Ges mCes Aeにより記載され、ここで、
A=アデニンであり、
mC=5’−メチルシトシンであり、
G=グアニンであり、
T=チミンであり、
e=2’−O−メトキシエチル修飾ヌクレオシドであり、
d=2’−デオキシヌクレオシドであり、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である。
【0179】
特定の実施形態において、ISIS563580は、以下の化学構造により記載される。
【0180】
【化2】
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【0181】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、先行の化学構造により表されるISIS563580を含む。
【0182】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、配列番号20から選択される核酸塩基配列の少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する20個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドは、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0183】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号20の核酸塩基配列の20個の連結ヌクレオシドからなり、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドは、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0184】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、配列番号110の核酸塩基配列の少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する16個の連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含み、該修飾オリゴヌクレオチドは、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントは、少なくとも1つの2’−O−メトキシエチル糖及び少なくとも1つのcEt糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0185】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号110の核酸塩基配列の16個の連結ヌクレオシドからなり、10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、3個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、3個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントとを含み、該ギャップセグメントは、該5’ウイングセグメントと該3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントは、少なくとも1つの2’−O−メトキシエチル糖及び少なくとも1つのcEt糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。
【0186】
特定の実施形態は、ANGPTL3発現を阻害するための、本明細書に記載されている化合物及び組成物の使用方法を提供する。特定の実施形態において、化合物または組成物は、ANGPTL3を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%阻害する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも50%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも55%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも60%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも65%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも70%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも75%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも80%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも85%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも90%減少する。好ましい実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、ANGPTL3を少なくとも95%減少する。
【0187】
特定の実施形態は、トリグリセリド、LDLコレステロール、非HDLコレステロール、VLDLコレステロール、総コレステロール、アポB及びアポC−IIIの1つ以上を低減するための、本明細書に記載されている化合物及び組成物の使用方法を提供する。特定の実施形態において、化合物または組成物は、トリグリセリド、LDLコレステロール、非HDLコレステロール、VLDLコレステロール、総コレステロール、アポB及びアポC−IIIの1つ以上を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低減する。
【0188】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、実施例2〜3及び7〜10に記載されているように、ヒト細胞、例えばHep3B細胞系において試験されたとき、20μM未満、10μM未満、8μM未満、5μM未満、2μM未満、1μM未満、または0.8μM未満のIC50を有する。
【0189】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、実施例13に記載されているようなパラメーターにより測定したとき、40cP未満、35cP未満、30cP未満、25cP未満、20cP未満、または15cP未満の粘度を有することによって効果的である。
【0190】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、実施例に記載されているインビボ耐容性測定により実証されているように、高い耐容性がある。特定の実施形態において、本明細書に記載されているアンチセンス化合物は、食塩水試験動物の4倍、3倍、2倍または1.5倍以下の増加をALT及び/またはAST値に有することによって実証されているように、高い耐容性がある。
【0191】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、修飾オリゴヌクレオチドの塩を含む。
【0192】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤を更に含む。
【0193】
特定の実施形態において、動物はヒトである。
【0194】
特定の実施形態は、療法における、本明細書に記載されている化合物及び組成物の使用方法を提供する。特定の実施形態において、療法は、ANGPTL3の上昇に関係する疾患を治療する、予防する、またはその進行を緩徐することに使用される。特定の実施形態において、疾患は、心血管及び/または代謝の疾患、障害または状態である。特定の実施形態において、代謝及び/または心血管疾患には、肥満症、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、異脂肪血症、脂肪異栄養症、冠動脈心疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、高脂肪酸血症、もしくは代謝症候群、またはこれらに組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。異脂肪血症は、高脂血症でありうる。高脂血症は、複合型高脂血症、家族性複合型高脂血症(FCHL)、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、または高コレステロール血症と高トリグリセリド血症の両方でありうる。高コレステロール血症は、家族性ホモ接合型高コレステロール血症(HoFH)、家族性ヘテロ接合型高コレステロール血症(HeFH)でありうる。高トリグリセリド血症は、家族性カイミクロン血症症候群(FCS)または高リポタンパク血症IV型でありうる。NAFLDは、脂肪肝または脂肪性肝炎でありうる。糖尿病は、2型糖尿病または異脂肪血症を伴う2型糖尿病でありうる。
【0195】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物または組成物は、第1の作用物質として指定され、本明細書に開示されている方法及び使用は、第2の作用物質を投与することを更に含む。特定の実施形態において、第1の作用物質及び第2の作用物質は、共投与される。特定の実施形態において、第1の作用物質及び第2の作用物質は、順次または随伴的に共投与される。
【0196】
特定の実施形態において、第2の作用物質はグルコース低下剤である。グルコース低下剤には、治療的な生活習慣の変化、PPAR作動薬、ジペプチジルペプチダーゼ(IV)阻害剤、GLP−1類縁体、インスリンもしくはインスリン類縁体、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害剤、ヒトアミリン類縁体、ビグアナイド、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、またはこれらの組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。グルコース低下剤には、メトホルミン、スルホニル尿素、ロシグリタゾン、メグリチニド、チアゾリジンジオン、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、またはこれらの組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。スルホニル尿素は、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド、またはグリクラジドでありうる。メグリチニドは、ナテグリニドまたはレパグリニドでありうる。チアゾリジンジオンは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンでありうる。アルファ−グルコシダーゼは、アカルボースまたはミグリトールでありうる。
【0197】
特定の実施形態において、第2の作用物質は脂質低下療法である。特定の実施形態において、脂質低下療法には、治療的な生活習慣の変化、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、MTP阻害剤(例えば、MTPを標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくはアンチセンス化合物)、アポB阻害剤(例えば、アポBを標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくはアンチセンス化合物)、アポC3阻害剤(例えば、アポC3を標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくはアンチセンス化合物)、PCSK9阻害剤(例えば、PCSK9を標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくはアンチセンス化合物)、CETP阻害剤(例えば、CETPを標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくはアンチセンス化合物)、フィブレート、有益油(beneficial oil)(例えば、オキアミもしくは魚油(例えば、Vascepa(登録商標))、アマニ油、またはα−リノレン酸(ALA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)もしくはエイコサペンタエン酸(EPA)のようなオメガ−3脂肪酸が豊富な他の油)、あるいはこれらの任意の組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、またはシンバスタチンでありうる。コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブでありうる。フィブレートは、フェノフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、ゲムフィブロジルなどでありうる。
【0198】
特定の実施形態において、投与は非経口投与を含む。
【0199】
特定の実施形態において、本明細書に開示されている化合物の投与は、トリグリセリドレベル、コレステロールレベル、インスリン抵抗性、グルコースレベル、またはこれらの組み合わせを含む脂質レベルの低減をもたらす。これらのレベルの1つ以上は、独立して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低減されうる。化合物の投与は、改善されたインスリン感受性または肝臓インスリン感受性をもたらす。本明細書に開示されている化合物の投与は、アテローム性動脈硬化巣、肥満症、グルコース、脂質、グルコース抵抗性、コレステロールの低減、またはインスリン感受性の改善、あるいはこれらの任意の組み合わせをもたらすことができる。
【0200】
特定の実施形態は、1つ以上の代謝疾患または心血管疾患を治療する、寛解する、遅延する、または予防する医薬の製造のための、本明細書に記載されている化合物の使用を提供する。
【0201】
特定の実施形態は、本明細書に記載されている1つ以上の代謝疾患または心血管疾患を治療する、予防する、または寛解するためのキットを提供し、該キットは、a)本明細書に記載されている化合物、及び場合によりb)本明細書に記載されている追加の作用物質または療法を含む。キットは、1つ以上の代謝疾患または心血管疾患を治療する、予防する、または寛解するためのキットの使用についての使用説明書またはラベルを更に含むことができる。
【0202】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類縁体、オリゴヌクレオチド模倣体、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びsiRNAが含まれるが、これらに限定されない。オリゴマー化合物は、標的核酸に対する「アンチセンス化合物」であり、すなわち、水素結合を介して標的核酸とハイブリッド形成することができることを意味する。
【0203】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、5’から3’の方向に記載されるとき、それが標的にする標的核酸の標的セグメントの逆相補(reverse complement)を含む核酸塩基配列を有する。特定のそのような実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’から3’の方向に記載されるとき、それが標的にする標的核酸の標的セグメントの逆相補を含む核酸塩基配列を有する。
【0204】
特定の実施形態において、ANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物は、10〜30個のヌクレオチドの長さである。換言すると、アンチセンス化合物は、10〜30個の連結核酸塩基のものである。他の実施形態において、アンチセンス化合物は、8〜80個、10〜80個、12〜50個、12〜30個、15〜30個、18〜24個、19〜22個、または20個の連結核酸塩基からなる修飾オリゴヌクレオチドである。特定のそのような実施形態において、アンチセンス化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、もしくは80個の連結核酸塩基の長さ、または上記の値の任意の2つにより確定された範囲からなる修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0205】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、短縮型または切断型修飾オリゴヌクレオチドを含む。短縮型または切断型修飾オリゴヌクレオチドは、単一のヌクレオシドを5’末端から欠失した(5’切断)、あるいは3’末端から欠失した(3’切断)ものでありうる。短縮型または切断型オリゴヌクレオチドは、2個以上のヌクレオシドを5’末端から欠失したものでありうる、あるいは2個以上のヌクレオシドを3’末端から欠失したものでありうる。あるいは、欠失ヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの全体にわたって分散され、例えば、1個以上のヌクレオシドが5’末端から失され、1個以上のヌクレオシドが3’末端から欠失したアンチセンス化合物でありうる。
【0206】
単一の追加のヌクレオシドが伸長オリゴヌクレオチドに存在する場合、追加のヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’末端、3’末端、または中央位置に位置することができる。2個以上の追加のヌクレオシドが存在する場合、付加されたヌクレオシドは、互いに近接することができ、例えば、2個のヌクレオシドがオリゴヌクレオチドの5’末端に付加された(5’付加)、あるいは3’末端に付加された(3’付加)、または中央位置に付加されたオリゴヌクレオチドでありうる。あるいは、付加されたヌクレオシドは、アンチセンス化合物の全体にわたって分散され、例えば、1個以上のヌクレオシドが5’末端に付加され、1個以上のヌクレオシドが3’末端に付加され及び/または1個以上のヌクレオシドが中央位置に付加されたオリゴヌクレオチドでありうる。
【0207】
活性を排除することなく、アンチセンスオリゴヌクレオチドのようなアンチセンス化合物の長さを増加もしくは減少すること、及び/または不適合塩基を導入することが、可能である。例えば、Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305−7309,1992)において、13〜25個の核酸塩基長さの一連のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、卵母細胞注射モデルにおいて標的RNAの切断を誘発する能力について試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチドの末端近くに8または11個の不適合塩基を有する、25個の核酸塩基長さのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、不適合を含有しないアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも少ない程度であるが、標的mRNAの特異的切断を指示することができた。同様に、標的特異的切断は、1または3個の不適合を有するものを含む、13核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して達成された。
【0208】
Gautschi et al(J.Natl.Cancer Inst.93:463−471,March 2001)は、bcl−2 mRNAに100%の相補性を有し、bcl−xL mRNAに3個の不適合を有するオリゴヌクレオチドが、bcl−2とbcl−xLの両方の発現をインビトロ及びインビボにおいて低減する能力を実証した。更に、このオリゴヌクレオチドは、強力な抗腫瘍活性をインビボにおいて実証した。
【0209】
Maher and Dolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341−3358,1988)は、一連の直列型14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチド、並びに2または3個の直列型アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列から構成される28及び42核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドを、それぞれ、ウサギ網状赤血球アッセイにおいてヒトDHFRの翻訳を停止させる能力について試験した。3個の14核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドは、それぞれ単独で、28または42核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドより穏やかなレベルであるが、翻訳を阻害することができた。
【0210】
特定のアンチセンス化合物のモチーフ及び機構
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、阻害活性の増強、標的核酸への結合親和性の増加、またはインビボでのヌクレアーゼよる分解に対する抵抗性のような特性をアンチセンス化合物に付与するパターンまたはモチーフに配列された、化学的に修飾されたサブユニットを有する。キメラアンチセンス化合物は、典型的には、ヌクレアーゼ分解に対する抵抗性の増加、細胞取り込みの増加、標的核酸への結合親和性の増加、及び/または阻害活性の増加を付与するように修飾された、少なくとも1つの領域を含有する。キメラアンチセンス化合物の第2の領域は、別の望ましい特性を付与することができ、例えば、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する、細胞エンドヌクレアーゼであるRNアーゼHの基質として機能することができる。
【0211】
アンチセンス活性は、アンチセンス化合物(例えば、オリゴヌクレオチド)と標的核酸とのハイブリッド形成を伴う任意の機構からもたらされることもあり、ハイブリッド形成は、最終的に生物学的効果をもたらす。特定の実施形態において、標的核酸の量及び/または活性は、調節される。特定の実施形態において、標的核酸の量及び/または活性は、低減される。特定の実施形態において、アンチセンス化合物と標的核酸のハイブリッド形成は、最終的に、標的核酸の分解をもたらす。特定の実施形態において、アンチセンス化合物と標的核酸のハイブリッド形成は、標的核酸の分解をもたらさない。特定の実施形態において、標的核酸とハイブリッド形成したアンチセンス化合物の存在(占有)は、アンチセンス活性の調節をもたらす。特定の実施形態において、特定の化学モチーフまたは化学調節のパターンを有するアンチセンス化合物は、1つ以上の機構を利用するために特に適している。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、2つ以上の機構を介して、及び/または解明されていない機構を介して機能する。したがって、本明細書に記載されているアンチセンス化合物は、特定の機構に限定されない。
【0212】
アンチセンス機構には、RNアーゼH媒介アンチセンス;RISC経路を利用し、siRNA、ssRNA及びマイクロRNA機構が限定されることなく含まれる、RNAi機構;並びに占有に基づいた機構が、限定されることなく含まれる。特定のアンチセンス化合物は、2つ以上のそのような機構を介して、及び/または追加の機構を介して作用することができる。
【0213】
RNアーゼH媒介アンチセンス
特定の実施形態において、アンチセンス活性は、少なくとも部分的にはRNアーゼHによる標的RNAの分解によりもたらされる。RNアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。「DNA様」である一本鎖アンチセンス化合物は、哺乳類細胞においてRNアーゼH活性を誘発することが、当該技術において知られている。したがって、DNAまたはDNA様ヌクレオシドの少なくとも一部を含むアンチセンス化合物は、RNアーゼHを活性化して、標的核酸の切断をもたらすことができる。特定の実施形態において、RNアーゼHを利用するアンチセンス化合物は、1個以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、そのようなアンチセンス化合物は、1〜8個の修飾ヌクレオシドの少なくとも1ブロックを含む。特定のそのような実施形態において、修飾ヌクレオシドは、RNアーゼH活性を支持しない。特定の実施形態において、そのようなアンチセンス化合物は、本明細書に記載されているギャップマーである。特定のそのような実施形態において、ギャップマーのギャップは、DNAヌクレオシドを含む。特定のそのような実施形態において、ギャップマーのギャップは、DNA様ヌクレオシドを含む。特定のそのような実施形態において、ギャップマーのギャップは、DNAヌクレオシド及びDNA様ヌクレオシドを含む。
【0214】
ギャップマーモチーフを有する特定のアンチセンス化合物は、キメラアンチセンス化合物と考慮される。ギャップマーにおいて、RNアーゼH切断を支持する複数のヌクレオチドを有する内部領域は、内部領域のヌクレオシドと化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外部領域の間に位置している。ギャップマーモチーフを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの場合において、ギャップセグメントは、一般にエンドヌクレアーゼ切断の基質として機能し、一方、ウイングセグメントは、修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーの領域は、それぞれ異なる領域を含む糖部分の種類によって差異化される。ギャップマーの領域を差異化するのに使用される糖部分の種類には、幾つかの実施形態において、β−D−リボヌクレオシド、β−D−デオキシヌクレオシド、2’−修飾ヌクレオシド(そのような2’−修飾ヌクレオシドには、とりわけ2’−MOE及び2’−O−CHが含まれうる)、並びに二環式糖修飾ヌクレオシド(そのような二環式糖修飾ヌクレオシドには、拘束エチルを有するものが含まれうる)が含まれうる。特定の実施形態において、ウイングにおけるヌクレオシドには、例えば、2’−MOEを含む幾つかの修飾糖部分、及び拘束エチルまたはLNAのような二環式糖部分が含まれうる。特定の実施形態において、ウイングは、幾つかの修飾及び非修飾糖部分を含むことができる。特定の実施形態において、ウイングは、2’−MOEヌクレオシド、拘束エチルヌクレオシドまたはLNAヌクレオシドのような二環式糖部分及び2’−デオキシヌクレオシドの様々な組み合わせを含むことができる。
【0215】
それぞれ異なる領域は、均一糖部分、異型または交互糖部分を含むことができる。ウイングギャップウイングモチーフは、頻繁に「X−Y−Z」と記載され、ここで、「X」は5’ウイングの長さを表し、「Y」はギャップの長さを表し、「Z」は3’ウイングの長さを表す。「X」及び「Z」は、均一、異型または交互糖部分を含むことができる。特定の実施形態において、「X」及び「Y」は、1つ以上の2’−デオキシヌクレオシドを含むことができる。「Y」は、2’−デオキシヌクレオシドを含むことができる。本明細書で使用されるとき、「X−Y−Z」と記載されるギャップマーは、ギャップが5’ウイング及び3’ウイングのそれぞれに直ぐ近接して位置するような配置を有する。したがって、5’ウイングとギャップ、またはギャップと3’ウイングの間に介在ヌクレオチドは存在しない。本明細書に記載されている任意のアンチセンス化合物は、ギャップマーモチーフを有することができる。特定の実施形態において、「X」及び「Z」は同じであり、他の実施形態において、これらは異なっている。特定の実施形態において、「Y」は、8〜15個のヌクレオシドである。X、YまたはZは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30個、またはそれ以上のヌクレオシドのいずれかでありうる。
【0216】
特定の実施形態において、ANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物は、ギャップが6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16個の連結ヌクレオシドからなるギャップマーモチーフを有する。
【0217】
特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、以下の式A:(J)−(B)−(J)−(B)−(A)−(D)−(A)−(B)−(J)−(B)−(J)により記載される糖モチーフを有し、
式中、
各Aは、独立して、2’置換ヌクレオシドであり、
各Bは、独立して、二環式ヌクレオシドであり、
各Jは、独立して、2’置換ヌクレオシドまたは2’−デオキシヌクレオシドであり、
各Dは、2’−デオキシヌクレオシドであり、
mは、0〜4であり、nは、0〜2であり、pは、0〜2であり、rは、0〜2であり、tは、0〜2であり、vは、0〜2であり、wは、0〜4であり、xは、0〜2であり、yは、0〜2であり、zは、0〜4であり、gは、6〜14であるが、
但し、
m、n及びrの少なくとも1つは、0以外であり、
w及びyの少なくとも一方は、0以外であり、
m、n、p、r及びtの合計は、2〜5であり、
v、w、x、y及びzの合計は、2〜5である。
【0218】
RNAi化合物
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は干渉RNA化合物(RNAi)であり、二本鎖RNA化合物(低分子干渉RNAまたはsiRNAとも呼ばれる)及び一本鎖RNAi化合物(またはssRNA)が含まれる。そのような化合物は、少なくとも部分的にRISC経路を介して作用して、標的核酸を分解する及び/または隔離する(したがって、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物が含まれる)。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、それらをそのような機構に特に適したものにする修飾を含む。
【0219】
i.ssRNA化合物
幾つかの実施形態において、一本鎖RNAi化合物(ssRNA)としての使用に特に適したものが含まれるアンチセンス化合物は、修飾5’末端部を含む。特定のそのような実施形態において、5’末端部は、修飾リン酸塩部分を含む。特定の実施形態において、そのような修飾リン酸塩は安定している(例えば、非修飾5’リン酸塩と比較して分解/切断に対して抵抗性がある)。特定の実施形態において、そのような5’末端ヌクレオシドは、5’亜リン酸部分を安定化する。特定の修飾5’末端ヌクレオシドは、当該技術、例えばWO/2011/139702において見出すことができる。
【0220】
特定の実施形態において、ssRNA化合物の5’ヌクレオシドは、式IIcを有し、
【0221】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0222】
式中、
は、場合により保護されている亜リン酸部分であり、
は、式IIcの化合物をオリゴマー化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、
Aは、以下の式の1つを有し、
【0223】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
及びQは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキニル、またはN(R)(R)であり、
は、O、S、N(R)またはC(R)(R)であり、
各R、R、R、R及びRは、独立して、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり、
はO、S、NR14、C(R15)(R16)、C(R15)(R16)C(R17)(R18)、C(R15)=C(R17)、OC(R15)(R16)、またはOC(R15)(Bx)であり、
14は、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
またはBxが存在する場合、Bxは、複素環式塩基部分であり、Bxは、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
、J、J及びJは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
あるいはJは、JまたはJの一方と架橋を形成し、前記架橋は、O、S、NR19、C(R20)(R21)、C(R20)=C(R21)、C[=C(R20)(R21)]及びC(=O)から選択される1〜3つの連結ビラジカル基を含み、J、J及びJのうちの他の2つは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
各R19、R20及びR21は、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
Gは、H、OH、ハロゲン、またはO−[C(R)(R)]−[(C=O)−X−Zであり、
各R及びRは、独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、または置換C〜Cアルキルであり、
は、O、S、またはN(E)であり、
Zは、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキニル、またはN(E)(E)であり、
、E及びEは、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、または置換C〜Cアルキルであり、
nは、1〜約6であり、
mは、0または1であり、
jは、0または1であり、
各置換基は、ハロゲン、OJ、N(J)(J)、=NJ、SJ、N、CN、OC(=X)J、OC(=X)N(J)(J)及びC(=X)N(J)(J)から独立して選択される1つ以上の場合により保護されている置換基を含み、
は、O、S、またはNJであり、
各J、J及びJは、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり、
jが1である場合、Zは、ハロゲンまたはN(E)(E)以外であり、
ここで前記オリゴマー化合物は、8〜40個のモノマーサブユニットを含み、標的核酸の少なくとも一部とハイブリッド形成可能である。
【0225】
特定の実施形態において、Mは、O、CH=CH、OCH、またはOC(H)(Bx)である。特定の実施形態において、MはOである。
【0226】
特定の実施形態において、J、J、J及びJは、それぞれHである。特定の実施形態において、Jは、JまたはJの一方と架橋を形成する。
【0227】
特定の実施形態において、Aは、下記式の1つを有し、
【0228】
【化5】
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【0229】
式中、
及びQは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、または置換C〜Cアルコキシである。特定の実施形態において、Q及びQは、それぞれHである。特定の実施形態において、Q及びQは、それぞれ独立して、Hまたはハロゲンである。特定の実施形態において、Q及びQはHであり、Q及びQの他方は、F、CH、またはOCHである。
【0230】
特定の実施形態において、Tは、下記式を有し、
【0231】
【化6】
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【0232】
式中、
及びRは、それぞれ独立して、保護ヒドロキシル、保護チオール、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、置換C〜Cアルコキシ、保護アミノ、または置換アミノであり、
は、OまたはSである。特定の実施形態において、Rは、Oであり、R及びRは、それぞれ独立して、OCH、OCHCH、またはCH(CHである。
【0233】
特定の実施形態において、Gは、ハロゲン、OCH、OCHF、OCHF、OCF、OCHCH、O(CHF、OCHCHF、OCHCF、OCH−CH=CH、O(CH−OCH、O(CH−SCH、O(CH−OCF、O(CH−N(R10)(R11)、O(CH−ON(R10)(R11)、O(CH−O(CH−N(R10)(R11)、OCHC(=O)−N(R10)(R11)、OCHC(=O)−N(R12)−(CH−N(R10)(R11)、またはO(CH−N(R12)−C(=NR13)[N(R10)(R11)]であり、ここでR10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである。特定の実施形態において、Gは、ハロゲン、OCH、OCF、OCHCH、OCHCF、OCH−CH=CH、O(CH−OCH、O(CH−O(CH−N(CH、OCHC(=O)−N(H)CH、OCHC(=O)−N(H)−(CH−N(CH、またはOCH−N(H)−C(=NH)NHである。特定の実施形態において、Gは、F、OCH、またはO(CH−OCHである。特定の実施形態において、Gは、O(CH−OCHである。
【0234】
特定の実施形態において、5’末端ヌクレオシドは、式IIeを有する。
【0235】
【化7】
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【0236】
特定の実施形態において、ssRNAに特に適したものを含むアンチセンス化合物は、1種類以上の修飾糖部分及び/または天然に生じる糖部分を、オリゴヌクレオチドまたはその領域と共に、確定されたパターンまたは糖修飾モチーフに配列して含む。そのようなモチーフは、本明細書において考察された任意の糖修飾及び/または他の既知の糖修飾を含むことができる。
【0237】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、均一糖修飾を有する領域を含む、または領域からなる。特定のそのような実施形態において、領域のそれぞれのヌクレオシドは、同じRNA様糖修飾を含む。特定の実施形態において、領域のそれぞれのヌクレオシドは、2’−Fヌクレオシドである。特定の実施形態において、領域のそれぞれのヌクレオシドは、2’−OMeヌクレオシドである。特定の実施形態において、領域のそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOEヌクレオシドである。特定の実施形態において、領域のそれぞれのヌクレオシドは、cEtヌクレオシドである。特定の実施形態において、領域のそれぞれのヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。特定の実施形態において、均一な領域は、オリゴヌクレオチドの全て、または実質的に全てを構成する。特定の実施形態において、領域は、1〜4個の末端ヌクレオシドを除いてオリゴヌクレオチドの全体を構成する。
【0238】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、交互糖修飾の1つ以上の領域を含み、ここでヌクレオシドは、第1の種類の糖修飾を有するヌクレオチドと第2の種類の糖修飾を有するヌクレオチドで交互になる。特定の実施形態において、両方の種類のヌクレオシドは、RNA様ヌクレオシドである。特定の実施形態において、交互ヌクレオシドは、2’−OMe、2’−F、2’−MOE、LNA及びcEtから選択される。特定の実施形態において、交互修飾は、2’−F及び2’−OMeである。そのような領域は、隣接していてもよく、または異なって修飾されたヌクレオシドもしくは抱合ヌクレオシドにより中断されていてもよい。
【0239】
特定の実施形態において、交互修飾の交互領域は、それぞれ単一のヌクレオシドから構成される(すなわち、パターンは、(AB)であり、Aは、第1の種類の糖修飾を有するヌクレオシドであり、Bは、第2の種類の糖修飾を有するヌクレオシドであり、xは、1〜20であり、yは、0または1である)。特定の実施形態において、交互モチーフにおける1つ以上の交互領域は、ある種のヌクレオシドを1つを超えて含む。例えば、オリゴヌクレオチドは、以下のヌクレオシドモチーフ:
AABBAA、
ABBABB、
AABAAB、
ABBABAABB、
ABABAA、
AABABAB、
ABABAA、
ABBAABBABABAA、
BABBAABBABABAA、または
ABABBAABBABABAA
のいずれかの1つ以上の領域を含むことができ、
ここで、Aは第1の種類のヌクレオシドであり、Bは第2の種類のヌクレオシドである。特定の実施形態において、A及びBは、それぞれ2’−F、2’−OMe、BNA及びMOEから選択される。
【0240】
特定の実施形態において、そのような交互モチーフを有するオリゴヌクレオチドは、式IIcまたはIIeのもののように、修飾5’末端ヌクレオシドも含む。
【0241】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、2−2−3モチーフを有する領域を含む。そのような領域は、以下のモチーフを含み、
−(A)−(B)−(A)−(C)−(A)
ここで、Aは、第1の種類の修飾ヌクレオシドであり、
B及びCは、Aと異なって修飾されるヌクレオチドであるが、B及びCは、互いに同じ、または異なる修飾を有してもよく、
x及びyは、1〜15である。
【0242】
特定の実施形態において、Aは、2’−OMe修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態において、B及びCは、両方とも2’−F修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態において、Aは、2’−OMe修飾ヌクレオシドであり、B及びCは、両方とも2’−F修飾ヌクレオシドである。
【0243】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオシドは以下の糖モチーフを有し、
5’−(Q)−(AB)−(D)
ここで、
Qは、安定したリン酸塩部分を含むヌクレオシドである。特定の実施形態において、Qは、式IIcまたはIIeを有するヌクレオシドであり、
Aは、第1の種類の修飾ヌクレオシドであり、
Bは、第2の種類の修飾ヌクレオシドであり、
Dは、近接するヌクレオシドと異なる修飾を含む修飾ヌクレオシドである。したがって、yが0である場合、Dは、Bと異なって修飾されていなければならず、yが1である場合、Dは、Aと異なって修飾されていなければならない。特定の実施形態において、Dは、A及びBの両方と異なる。
Xは、5〜15であり、
Yは、0または1であり、
Zは、0〜4である。
【0244】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオシドは以下の糖モチーフを有し、
5’−(Q)−(A)−(D)
ここで、
Qは、安定したリン酸塩部分を含むヌクレオシドである。 特定の実施形態において、Qは、式IIcまたはIIeを有するヌクレオシドであり、
Aは、第1の種類の修飾ヌクレオシドであり、
Dは、Aと異なる修飾を含む修飾ヌクレオシドである。
Xは、11〜30であり、
Zは、0〜4である。
【0245】
特定の実施形態において、上記のモチーフにおけるA、B、C及びDは、2’−OMe、2’−F、2’−MOE、LNA及びcEtから選択される。特定の実施形態において、Dは、末端ヌクレオシドを表す。特定の実施形態において、そのような末端ヌクレオシドは、標的核酸とハイブリッド形成するように設計されていない(しかし、1個以上が偶然にハイブリッド形成することもある)。特定の実施形態において、各Dヌクレオチドの核酸塩基は、標的核酸の対応する位置における核酸塩基の素性に関係なく、アデニンである。特定の実施形態において、各Dヌクレオシドの核酸塩基は、チミンである。
【0246】
特定の実施形態において、ssRNAとしての使用に特に適しているものが含まれるアンチセンス化合物は、修飾ヌクレオシド間連結を、オリゴヌクレオチドまたはその領域と共に、確定されたパターンまたは修飾ヌクレオシド間連結モチーフに配列して含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、交互ヌクレオシド間連結モチーフを有する領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、均一に修飾されたヌクレオシド間連結の領域を含む。特定のそのような実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結により均一に連結されている領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結により均一に連結されている。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択され、少なくとも1つのクレオシド間連結は、ホスホロチオエートである。
【0247】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個のホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個のホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6連続ホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1ブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8連続ホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1ブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10連続ホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1ブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12連続ホスホロチオエートヌクレオシド間連結の少なくとも1ブロックを含む。特定のそのような実施形態において、少なくとも1つのそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に位置する。特定のそのような実施形態において、少なくとも1つのそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3個のヌクレオシド内に位置する。
【0248】
本明細書に記載されている様々な糖モチーフのいずれかを有するオリゴヌクレオチドは、任意の連結モチーフを有することができる。例えば、上記に記載されたものが含まれるが、それらに限定されないオリゴヌクレオチドは、下記の表から非限定的に選択される連結モチーフを有することができる。
【0249】
【表1】
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【0250】
ii.siRNA化合物
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、二本鎖RNAi化合物(siRNA)である。そのような実施形態において、一方または両方の鎖は、ssRNAについて上記に記載された任意の修飾モチーフを含むことができる。特定の実施形態において、ssRNA化合物は、非修飾RNAでありうる。特定の実施形態において、siRNA化合物は、非修飾RNAヌクレオシドを含むことができるが、修飾ヌクレオシド間連結を含むことができる。
【0251】
幾つかの実施形態は、二本鎖組成物に関し、それぞれの鎖は、1個以上の修飾または非修飾ヌクレオシドの位置によって確定されるモチーフを含む。特定の実施形態において、組成物は、完全または少なくとも部分的にハイブリッド形成して二重鎖領域を形成する第1と第2のオリゴマー化合物を含み、核酸標的と相補的であり、且つハイブリッド形成する領域を更に含む組成物が、提供される。そのような組成物は、核酸標的と完全または部分的な相補性を有するアンチセンス鎖である第1のオリゴマー化合物と、第1のオリゴマー化合物と相補性のある1つ以上の領域を有し、且つ少なくとも1つの二重鎖領域を形成するセンス鎖である第2のオリゴマー化合物とを含むことが、適している。
【0252】
幾つかの実施形態の組成物は、核酸標的とハイブリッド形成することにより遺伝子発現を調節し、正常な機能の欠失をもたらす。幾つかの実施形態において、標的核酸はANGPTL3である。特定の実施形態において、標的ANGPTL3の分解は、本明細書に開示されている組成物により形成される活性化されたRISC複合体により推進される。
【0253】
幾つかの実施形態は、一方の鎖が、例えば、RISC(または、切断)複合体への逆鎖の優先的な装填に影響を及ぼすことに有用である、二本鎖組成物に向けられている。組成物は、選択された核酸分子を標的にすること及び1個以上の遺伝子の発現を調節することに有用である。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、標的RNAの部分とハイブリッド形成して、標的RNAの正常な機能の欠失をもたらす。
【0254】
特定の実施形態は、両方の鎖がヘミマー(hemimer)モチーフ、完全修飾モチーフ、位置修飾モチーフ、または交互モチーフを含む、二本鎖組成物に向けられている。本発明の組成物のそれぞれの鎖を修飾して、例えばsiRNA経路における特定の役割を実現することができる。それぞれの鎖における異なるモチーフ、またはそれぞれの鎖における異なる化学修飾を有する同じモチーフを使用することによって、アンチセンス鎖がRISC複合体を標的にし、同時にセンス鎖の組み込みを阻害することを可能にする。このモデルにおいて、それぞれの鎖は特定の役割が増強されるように独立して修飾されうる。アンチセンス鎖を5’末端で修飾して、RISCの1つの領域における役割を増強することができ、同時に3’末端を異なって修飾して、RISCの異なる領域における役割を増強することができる。
【0255】
二本鎖オリゴヌクレオチド分子は、自己相補的センス及びアンチセンス領域を含む二本鎖ポリヌクレオチド分子であり、アンチセンス領域は、標的核酸分子またはその部分のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的核酸配列またはその部分に対応するヌクレオチド配列を有する。二本鎖オリゴヌクレオチド分子は、2個の別個のオリゴヌクレオチドから組み立てることができ、一方の鎖はセンス鎖であり、他方はアンチセンス鎖であり、アンチセンス及びセンス鎖は、自己相補的である(すなわち、それぞれの鎖は、他方の鎖のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、例えば、アンチセンス鎖及びセンス鎖は、二重鎖または二本鎖構造を形成する場合、例えば、二本鎖領域が、約15〜30個、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の塩基対である場合、アンチセンス鎖は、標的核酸分子またはその部分のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス鎖は、標的核酸配列またはその部分に対応するヌクレオチド配列を含む(例えば、二本鎖オリゴヌクレオチド分子の約15〜約25個、またはそれ以上のヌクレオチドは、標的核酸またはその部分と相補的である)。あるいは、二本鎖オリゴヌクレオチドは、一本鎖オリゴヌクレオチドから組み立てられ、siRNAの自己相補的センス及びアンチセンス領域は、核酸に基づいた、または非核酸に基づいたリンカーによって連結される。
【0256】
二本鎖オリゴヌクレオチドは、自己相補的センス及びアンチセンス領域を有する、二重鎖、非対称二重鎖、ヘアピンまたは非対称ヘアピン二次構造を持つポリヌクレオチドであることができ、アンチセンス領域は、別個の標的核酸分子またはその部分のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的核酸配列またはその部分に対応するヌクレオチド配列を有する。二本鎖オリゴヌクレオチドは、2つ以上のループ構造と、自己相補的センス及びアンチセンス領域を含むステムとを有する環状一本鎖ポリヌクレオチドであることができ、アンチセンス領域は、標的核酸分子またはその部分のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、センス領域は、標的核酸配列またはその部分に対応するヌクレオチド配列を有し、環状ポリヌクレオチドは、インビボまたはインビトロで処理されて、RNAiを媒介することができる活性siRNA分子を生じることができる。
【0257】
特定の実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、別個のセンス及びアンチセンス配列または領域を含み、センス及びアンチセンス領域は、当該技術において既知のヌクレオチドまたは非ヌクレオチドリンカーにより共有結合的に連結されている、あるいはイオン相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、及び/またはスタッキング相互作用により非共有結合的に連結されている。特定の実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。別の実施形態において、二本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子の発現の阻害を引き起こすように、標的遺伝子のヌクレオチド配列と相互作用する。
【0258】
本明細書で使用されるとき、二本鎖オリゴヌクレオチドは、RNAのみを含有する分子に限定される必要はなく、化学的に修飾されたヌクレオチド及び非ヌクレオチドを更に包含する。特定の実施形態において、低分子干渉核酸分子は、2’−ヒドロキシ(2’−OH)含有ヌクレオチドを欠いている。特定の実施形態において、低分子干渉核酸は、場合によりリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)を何も含まない。しかし、RNAiを支持するために分子内にリボヌクレオチドの存在を必要としないような二本鎖オリゴヌクレオチドは、2’−OH基を有する1個以上のヌクレオチドを含有する、結合リンカー、または他の結合もしくは会合している基、部分、もしくは鎖を有することができる。場合により、二本鎖オリゴヌクレオチドは、約5、10、20、30、40、または50%のヌクレオチド部分にリボヌクレオチドを含むことができる。本明細書で使用されるとき、siRNAという用語は、配列特異的RNAi、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、低分子干渉オリゴヌクレオチド、低分子干渉核酸、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子抑制RNA(ptgsRNA)などを媒介することができる核酸分子を記載さするために使用される他の用語と同等であることが意図される。加えて、本明細書で使用されるとき、RNAiという用語は、転写後遺伝子発現抑制、翻訳阻害、または後成学のような配列特異的RNA干渉を記載するために使用される他の用語と同等であることが意図される。例えば、二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して、転写後レベル及び転写前レベルの両方において遺伝子を後成的に発現抑制することができる。非限定例において、本発明のsiRNA分子による遺伝子発現の後成的制御は、クロマチン構造のsiRNA媒介修飾またはメチル化パターンによりもたらされて、遺伝子発現を変更することができる(例えば、Verdel et al.,2004,Science,303,672−676;Pal−Bhadra et al.,2004,Science,303,669−672;Allshire,2002,Science,297,1818−1819;Volpe et al.,2002,Science,297,1833−1837;Jenuwein,2002,Science,297,2215−2218;及びHall et al.,2002,Science,297,2232−2237を参照すること)。
【0259】
本明細書において提供される幾つかの実施形態の化合物及び組成物は、例えば、自己相補的配列を有する単一のRNA鎖が、RNAの2つの別々の鎖を含む二本鎖立体構造または二重鎖dsRNAエフェクター分子を想定できる、「ヘアピン」またはステムループ二本鎖RNAエフェクター分子を含むdsRNA媒介遺伝子発現抑制またはRNAi機構により、ANGPTL3を標的にできることが考慮される。様々な実施形態において、dsRNAは、例えば、2000年4月19日出願のWO00/63364及び1999年4月21日出願の米国特許出願第60/130,377号に開示されているRNA/DNAハイブリッドのように、全体がリボヌクレオチドからなる、またはリボヌクレオチドとデオキシヌクレオチドの混合物からなる。dsRNAまたはdsRNAエフェクター分子は、分子の1つのセグメントのヌクレオチドが、分子の別のセグメントのヌクレオチドと塩基対形成するように、自己相補的な領域を有する単一の分子でありうる。様々な実施形態において、単一の分子からなるdsRNAは、全体的がリボヌクレオチドからなる、またはデオキシリボヌクレオチドの領域と相補的であるリボヌクレオチドの領域を含む。あるいは、dsRNAは、互いに相補的な領域を有する2つの異なる鎖を含むことができる。
【0260】
様々な実施形態において、両方の鎖は、全体がリボヌクレオチドからなる、1つの鎖は、全体がリボヌクレオチドからなる、1つの鎖は、全体がデオキシリボヌクレオチドからなる、または一方もしくは両方の鎖は、リボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドの混合物を含有する。特定の実施形態において、相補性領域は、互いに及び標的核酸配列と、少なくとも70、80、90、95、98、または100%相補的である。特定の実施形態において、二本鎖立体構造に存在在するdsRNAの領域は、少なくとも19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、50、75,100、200、500、1000、2000、または5000個のヌクレオチドを含む、あるいはdsRNAにおいて表されるcDNAまたは他の標的核酸配列の全てのヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態において、dsRNAは、一本鎖末端のように、一本鎖領域を何も含有しない、またはdsRNAは、ヘアピンである。他の実施形態において、dsRNAは、1つ以上の一本鎖領域またはオーバーハングを有する。特定の実施形態において、RNA/DNAハイブリッドは、アンチセンス鎖または領域である(例えば、標的核酸に少なくとも70、80、90、95、98、または100%の相補性を有する)DNA鎖または領域、及びセンス鎖または領域である(例えば、標的核酸に少なくとも70、80、90、95、98、または100%の同一性を有する)RNA鎖または領域を含み、逆の場合も同じである。
【0261】
様々な実施形態において、RNA/DNAハイブリッドは、本明細書に記載されている、または2000年4月19日出願のWO00/63364もしくは1999年4月21日出願の米国特許出願第60/130,377号に記載されているような酵素または化学合成方法を使用して、インビトロで作製される。他の実施形態において、インビトロで合成されるDNA鎖は、細胞におけるDNA鎖の形質転換の前、後、またはそれと同時発生的に、インビボまたはインビトロで作製されたRNA鎖と複合体を形成する。なお他の実施形態において、dsRNAは、センス及びアンチセンス領域を含有する単一の環状核酸である、またはdsRNAは、環状核酸と、第2の環状核酸または線状核酸のいずれかを含む(例えば、2000年4月19日出願のWO00/63364または1999年4月21日出願の米国特許出願第60/130,377号を参照すること)。例示的な環状核酸は、ヌクレオチドの遊離5’ホスホリル基が別のヌクレオチドの2’ヒドロキシル基と折り返しで連結する、投げ縄構造を含む。
【0262】
他の実施形態において、dsRNAは、糖の2’位がハロゲン(例えば、フッ素基)を含有する、またはアルコキシ基(例えば、メトキシ基)を含有する、1個以上の修飾ヌクレオチドを含み、対応する2’位が水素またはヒドロキシル基を含有する対応するdsRNAと比較してdsRNAのインビトロまたはインビボにおける半減期を増加する。なお他の実施形態において、dsRNAは、天然に生じるホスホジエステル連結以外の近接ヌクレオチドの間に1つ以上の連結を含む。そのような連結の例には、ホスホルアミド、ホスホロチオエート及びホスホロジチオエート連結が含まれる。dsRNAは、米国特許第6,673,661号に教示されているように、化学的に修飾された核酸分子でもありうる。他の実施形態において、dsRNAは、例えば、2000年4月19日出願のWO00/63364及び1999年4月21日出願の米国特許出願第60/130,377号に開示されているように、1または2つのキャップされた鎖を含有する。
【0263】
他の実施形態において、dsRNAは、WO00/63364に開示されているdsRNA分子の少なくとも部分的なもののいずれか、並びに米国仮出願第60/399,998号、米国仮出願第60/419,532号及びPCT/US2003/033466に開示されているdsRNA分子のいずれかであることができ、これらの教示は、参照として本明細書に組み込まれる。dsRNAのいずれかは、本明細書に記載されている方法またはWO00/63364に記載されているような標準的な方法を使用して、インビトロまたはインビボにおいて発現させることができる。
【0264】
占有
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、RNアーゼHを介して標的核酸の切断をもたらすこと、またはRISC経路を介して切断もしくは隔離をもたらすことが予測されない。特定のそのような実施形態において、アンチセンス活性は、占有によってもたらされることがあり、ハイブリッド形成したアンチセンス化合物の存在は、標的核酸の活性を妨げる。特定のそのような実施形態において、アンチセンス化合物は、均一に修飾されうる、または修飾の混合、並びに/または修飾及び非修飾ヌクレオシドを含みうる。
【0265】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
ANGPTL3をコードするヌクレオチド配列には、以下のGenBank受入番号NM_014495.2(配列番号1として組み込まれる)またはGenBank受入番号NT_032977.9ヌクレオチド33032001〜33046000(配列番号2として組み込まれる)に記載されているヒト配列が、限定されることなく含まれる。本明細書に含有されている実施例のそれぞれの配列番号に記載されている配列は、糖部分、ヌクレオシド間連結、または核酸塩基に対するあらゆる修飾から独立していることが理解される。このように、配列番号により確定されたアンチセンス化合物は、糖部分、ヌクレオシド間連結、または核酸塩基に対して1つ以上の修飾を独立して含むことができる。ISIS番号により記載されるアンチセンス化合物は、核酸塩基配列とモチーフの組み合わせを示す。
【0266】
特定の実施形態において、標的領域は、標的核酸の構造的に確定された領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エクソン、イントロン、エクソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域、または他の確定された核酸領域を包含することができる。ANGPTL3の構造的に確定された領域は、NCBIのような配列データベースの受入番号により得ることができ、そのような情報は、本明細書に参照として組み込まれる。特定の実施形態において、標的領域は、標的領域内の1つの標的セグメントの5’標的部位から標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列を、包含することができる。
【0267】
特定の実施形態において、「標的セグメント」は、核酸内の標的領域の小さな下位部分である。例えば、標的セグメントは、1つ以上のアンチセンス化合物が標的にする標的核酸のヌクレオチドの配列でありうる。「5’標的部位」または「5’開始部位」は、標的セグメントの最も5’にあるヌクレオチドを指す。「3’標的部位」または「3’終止部位」は、標的セグメントの最も3’にあるヌクレオチドを指す。
【0268】
標的化には、アンチセンス化合物が、望ましい効果が生じるようにハイブリッド形成する少なくとも1つの標的セグメントを決定することが含まれる。特定の実施形態において、望ましい効果は、mRNA標的核酸レベルの低減である。特定の実施形態において、望ましい効果は、標的核酸によりコードされたタンパク質のレベルの低減、または標的核酸に関連する表現型の変化である。
【0269】
標的領域は、1つ以上の標的セグメントを含有することができる。標的領域内の複数の標的セグメントは、重複しうる。あるいは、これらは非重複でありうる。特定の実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、約300個以下のヌクレオチドにより隔てられている。特定の実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、多数のヌクレオチドにより、すなわち、標的核酸の約250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、もしくは10個の、これら以下の、およそこれら以下のヌクレオチド、または前述の値の任意の2つにより確定された領域により、隔てられている。特定の実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸の5個以下、または約5個以下のヌクレオチドにより隔てられている。特定の実施形態において、標的セグメントは隣接している。本明細書に列挙されている5’標的部位または3’標的部位のいずれかの出発核酸を有する範囲により確定されている標的領域が、考慮される。
【0270】
適切な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エクソン、またはエクソン/イントロン接合部内に見出すことができる。開始コドンまたは終止コドンを含有する標的セグメントも、適切な標的セグメントである。適切な標的セグメントには、開始コドンまたは終止コドンのような特定の構造的に確定された領域を特異的に除くことができる。
【0271】
適切な標的セグメントの決定には、ゲノム全体にわたる標的核酸の配列と、他の配列との比較が含まれうる。例えば、BLASTアルゴリズムを使用して、異なる核酸の間で類似性のある領域を特定することができる。この比較は、選択された標的核酸以外の配列(すなわち、非標的またはオフターゲット配列)と非特異的にハイブリッド形成しうるアンチセンス化合物配列の選択を、防止することができる。
【0272】
活性標的領域内のアンチセンス化合物の活性に変動がありうる(例えば、標的核酸レベルの低減率により確定される)。特定の実施形態において、ANGPTL3 mRNAレベルの低減は、ANGPTL3タンパク質発現の阻害を示す。ANGPTL3タンパク質のレベルの低減も、標的mRNA発現の阻害を示す。更に、コレステロール、LDL、トリグリセリド、またはグルコースのレベルの低減のような表現型の変化は、ANGPTL3 mRNA及び/またはタンパク質発現の阻害を示すことができる。
【0273】
ハイブリッド形成
幾つかの実施形態において、ハイブリッド形成は、本明細書に開示されているアンチセンス化合物とANGPTL3核酸の間に生じる。ハイブリッド形成の最も一般的な機構は、核酸分子の相補的核酸塩基の間の水素結合(例えば、ワトソン・クリック、フーグスティーン、または逆フーグスティーン水素結合)を伴う。
【0274】
ハイブリッド形成は、異なる条件下で生じうる。厳密条件は、配列依存性であり、ハイブリッド形成する核酸の性質及び組成によって決定される。
【0275】
配列が標的核酸と特異的にハイブリッド形成するかを決定する方法は、当該技術において良く知られている(Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)。特定の実施形態において、本明細書において提供されるアンチセンス化合物は、ANGPTL3核酸と特異的にハイブリッド形成する。
【0276】
相補性
アンチセンス化合物及び標的核酸は、アンチセンス化合物の十分な数の核酸塩基が、望ましい効果(例えば、ANGPTL3核酸のような標的核酸のアンチセンス阻害)が生じるように、標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合できる場合、互いに相補的である。
【0277】
アンチセンス化合物は、介在または近接セグメントがハイブリッド形成の事象(例えば、ループ構造、不適合、またはヘアピン構造)に関与しないように、ANGPTL3核酸の1つ以上のセグメントとハイブリッド形成することができる。
【0278】
特定の実施形態において、本明細書において提供されるアンチセンス化合物またはその特定の部分は、ANGPTL3核酸、標的領域、標的セグメント、またはこれらの特定の部分に70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%相補的である、または少なくともこれらの率の相補性がある。特定の実施形態において、本明細書において提供されるアンチセンス化合物またはその特定の部分は、配列番号1〜2の1つ以上の配列に70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%相補的である、または少なくともこれらの率の相補性がある。アンチセンス化合物と標的核酸の相補性の率は、日常的な方法を使用して決定することができる。
【0279】
例えば、アンチセンス化合物の20個の核酸塩基の18個が標的領域と相補的であり、したがって特異的にハイブリッド形成するアンチセンス化合物は、90パーセントの相補性を表す。この例では、残りの非相補的核酸塩基は、群を形成する、または相補的核酸塩基に散在することができ、互いに、もしくは相補的核酸塩基に隣接する必要はない。このように、標的核酸と完全に相補的な2つの領域が隣接している4個の非相補的核酸塩基を有する、18個の核酸塩基長さであるアンチセンス化合物は、標的核酸と77.8%の全体的な相補性を有し、したがって本発明の範囲内である。アンチセンス化合物と標的核酸の領域との相補性の率は、当該技術に既知のBLASTプログラム(塩基局所整列検索ツール(basic local alignment search tool))及びPowerBLASTプログラムを日常的に使用して決定することができる(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)。相同性、配列同一性、または相補性の率は、例えば、Smith及びWatermanのアルゴリズムを使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)により、初期設定を使用して、決定することができる(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)。
【0280】
特定の実施形態において、本明細書に提供されるアンチセンス化合物またはその特定の部分は、標的核酸またはその特定の部分と完全に相補的(すなわち、100%相補的)である。例えば、アンチセンス化合物は、ANGPTL3核酸、または標的領域、またはその標的セグメントもしくは標的配列と完全に相補的でありうる。本明細書で使用されるとき、「完全に相補的」とは、アンチセンス化合物のそれぞれの核酸塩基が標的核酸の対応する核酸塩基と正確に塩基対形成できることを意味する。例えば、20核酸塩基アンチセンス化合物は、アンチセンス化合物と完全に相補的である標的核酸の対応する20核酸塩基部分がある限り、400個の核酸塩基長さの標的配列と完全に相補的である。完全に相補的を、第1及び/または第2の核酸の特定の部分を参照して使用することもできる。 例えば、30核酸塩基アンチセンス化合物の20核酸塩基部分は、400個の核酸塩基長さである標的配列と「完全に相補的」でありうる。30核酸塩基オリゴヌクレオチドの20核酸塩基部分は、標的配列が、それぞれの核酸塩基がアンチセンス化合物の20核酸塩基部分と相補的である対応する20核酸塩基部分を有する場合、標的配列と完全に相補的である。同時に、全ての30核酸塩基アンチセンス化合物は、アンチセンス化合物の残りの10個の核酸塩基も標的配列と相補的であるかによっては、標的配列と完全に相補的でありうる。
【0281】
非相補的核酸塩基の位置は、アンチセンス化合物の5’末端または3’末端でありうる。あるいは、非相補的核酸塩基または核酸塩基は、アンチセンス化合物の内部位置でありうる。2個以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、これらは隣接(すなわち、連結)しうる、または非隣接でありうる。1つの実施形態において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーアンチセンスオリゴヌクレオチドのウイングセグメントに位置する。
【0282】
特定の実施形態において、10、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の核酸塩基長さである、またはこれらの数までの長さであるアンチセンス化合物は、ANGPTL3核酸またはその特定の部分のような標的核酸に対して4個以下、3個以下、2個以下、または1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0283】
特定の実施形態において、10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の核酸塩基長さである、またはこれらの数までの長さであるアンチセンス化合物は、ANGPTL3核酸またはその特定の部分のような標的核酸に対して4個以下、3個以下、2個以下、または1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0284】
本明細書において提供されるアンチセンス化合物には、標的核酸の部分に相補的であるものも含まれる。本明細書で使用されるとき、「部分」は、標的核酸の領域またはセグメント内の確定された数の隣接(すなわち、連結)核酸塩基を指す。「部分」は、アンチセンス化合物の確定された数の隣接核酸塩基を指すこともできる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも8核酸塩基部分と相補的である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも10核酸塩基部分と相補的である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、標的セグメントの少なくとも15核酸塩基部分と相補的である。標的セグメントの少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、もしくはそれ以上の核酸塩基部分、またはこれらの値の任意の2つにより確定された範囲に相補的であるアンチセンス化合物も、考慮される。
【0285】
同一性
本明細書において提供されるアンチセンス化合物は、特定のヌクレオチド配列、配列番号、または特定のISIS番号により表される化合物の配列、もしくはその部分と確定された同一性の率を有することもできる。本明細書で使用されるとき、アンチセンス化合物は、同じ核酸塩基対形成能力を有する場合、本明細書に開示されている配列と同一である。例えば、開示されているDNA配列にチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、ウラシルとチミジンの両方がアデニンと対形成するので、DNA配列と同一であると考慮される。本明細書に記載されているアンチセンス化合物の短縮型及び延長型、並びに本明細書において提供されるアンチセンス化合物に対して非同一塩基を有する化合物も、考慮される。非同一塩基は、互いに近接しうる、またはアンチセンス化合物の全体に分散されうる。アンチセンス化合物の正確な同一性は、比較される配列に対して同一塩基対形成を有する塩基の数によって計算される。
【0286】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物またはその部分は、本明細書に開示されているアンチセンス化合物、または配列番号、またはその部分の1つ以上に少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一である。
【0287】
修飾
ヌクレオシドは、塩基と糖の組み合わせである。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基としても知られている)部分は、通常、複素環式塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合的に連結しているリン酸基を更に有するヌクレオシドである。ペントフルラノシル糖を含むこれらのヌクレオシドでは、リン酸基は、糖の2’、3’、または5’ヒドロキシル部分に連結することができる。オリゴヌクレオチドは、近接ヌクレオシドの互いの共有結合的連結を介して、線状ポリマーオリゴヌクレオチドを形成することによって形成される。オリゴヌクレオチド構造内において、リン酸基は、一般にオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間連結を形成するものとして参照される。
【0288】
アンチセンス化合物への修飾は、ヌクレオシド間連結、糖部分または核酸塩基における置換または変化を包含する。修飾されたアンチセンス化合物は、例えば、細胞取り込みの増強、核酸標的への親和性の増強、ヌクレアーゼの存在下での安定性の増加、または阻害活性の増加のような望ましい特性のため、多くの場合に未変性形態よりも好ましい。
【0289】
化学修飾ヌクレオシドを用いて、標的核酸への短縮型または切断型アンチセンスオリゴヌクレオチドの結合親和性を増加することもできる。したがって、匹敵する結果を、そのような化学的に修飾されたヌクレオシドを有する短縮型アンチセンス化合物から、多くの場合に得ることができる。
【0290】
修飾ヌクレオシド間連結
RNA及びDNAの天然に生じるヌクレオシド間連結は、3’から5’へのホスホジエステル連結である。1つ以上の修飾された、すなわち非天然に生じるヌクレオシド間連結を有するアンチセンス化合物は、例えば、細胞取り込みの増強、核酸標的への親和性の増強及びヌクレアーゼの存在下での安定性の増加のような望ましい特性のため、天然に生じるヌクレオシド間連結を有するアンチセンス化合物より、多くの場合に選択される。
【0291】
修飾ヌクレオシド間連結を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間連結、並びにリン原子を有さないヌクレオシド間連結を含む。代表的なリン含有ヌクレオシド間連結には、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホルアミデート及びホスホロチオエートが含まれるが、これらに限定されない。リン含有及び非リン含有連結の調製方法は、良く知られている。
【0292】
特定の実施形態において、ANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物は、1つ以上の修飾ヌクレオシド間連結を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート連結である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物のそれぞれのヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である
【0293】
修飾糖部分
本発明のアンチセンス化合物は、場合により、糖基が修飾されている1個以上のヌクレオシドを含有する。そのような糖修飾ヌクレオシドは、ヌクレアーゼ安定性の増強、結合親和性の増加、または他の有益な生物学的特性を、アンチセンス化合物に付与することができる。特定の実施形態において、ヌクレオシドは、化学的に修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学的に修飾されたリボフラノース環の例には、置換基(非ジェミナル環原子を架橋して二環式核酸(BNA)を形成する、5’及び2’置換基を含む)の付加、S、N(R)またはC(R)(R)(R、R及びRは、それぞれ独立して、H、C〜C12アルキル、もしくは保護基である)によるリボシル環酸素原子の交換、並びにこれらの組み合わせが、限定されることなく含まれる。化学的に修飾された糖の例には、2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(他の開示されている5’,2’−ビス置換ヌクレオシドついては2008年8月21日に公開されたPCT国際出願WO2008/101157を参照すること)、または2’位における更なる置換を伴う、Sによるリボシル環酸素原子の交換(2005年6月16日に公開された米国特許出願公開US2005−0130923を参照すること)、あるいはBNAの5’置換(LNAが例えば5’−メチルまたは5’−ビニル基で置換されている、2007年11月22日に公開されたPCT国際出願WO2007/134181を参照すること)が含まれる。
【0294】
修飾糖部分を有するヌクレオシドの例には、5’−ビニル、5’−メチル(RまたはS)、4’−S、2’−F、2’−OCH、2’−OCHCH、2’−OCHCHF及び2’−O(CHOCH置換基を含むヌクレオシドが、限定されることなく含まれる。2’位の置換基は、アリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C〜C10アルキル、OCF、OCHF、O(CHSCH、O(CH−O−N(R)(R)、O−CH−C(=O)−N(R)(R)及びO−CH−C(=O)−N(R)−(CH−N(R)(R)から選択されることもでき、ここで各R、R及びRは、独立して、H、または置換もしくは非置換C〜C10アルキルである。
【0295】
本明細書で使用されるとき、「二環式ヌクレオシド」は、二環式糖分を含む修飾ヌクレオシドを指す。二環式核酸(BNA)の例には、4’と2’のリボシル環原子の間に架橋を含むヌクレオシドが、限定されることなく含まれる。特定の実施形態において、本明細書において提供されるアンチセンス化合物は、1個以上のBNAヌクレオシドを含み、ここで架橋は、式:4’−(CH)−O−2’(LNA);4’−(CH)−S−2’;4’−(CH−O−2’(ENA);4’−CH(CH)−O−2’及び4’−CH(CHOCH)−O−2’(並びにその類縁体、2008年7月15日発行の米国特許第7,399,845を参照すること);4’−C(CH)(CH)−O−2’(及びその類縁体、2009年1月8日に公開のWO/2009/006478として公開されたPCT/US2008/068922を参照すること);4’−CH−N(OCH)−2’(及びその類縁体、2008年12月11日に公開のWO/2008/150729として公開されたPCT/US2008/064591を参照すること);4’−CH−O−N(CH)−2’(2004年9月2日に公開された米国特許出願US2004−0171570を参照すること);RがH、C〜C12アルキルまたは保護基である4’−CH−N(R)−O−2’(2008年9月23日に発行された米国特許第7,427,672号を参照すること);4’−CH−C(H)(CH)−2’(Chattopadhyaya et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118−134を参照すること);並びに4’−CH−C(=CH)−2’(及びその類縁体、2008年12月8日公開のWO2008/154401として公開されたPCT/US2008/066154を参照すること)の1つ以上を含む。
【0296】
更なる二環式ヌクレオシドは、出版された文献に報告されている(例えば、Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(26)8362−8379;Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365−6372;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558−561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1−7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239−243;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633−5638;Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455−456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039;米国特許第7,399,845号;同第7,053,207号;同第7,034,133号;同第6,794,499号;同第6,770,748号;同第6,670,461号;同第6,525,191号;同第6,268,490号;米国特許公開US2008−0039618;US2007−0287831;US2004−0171570;米国特許出願第12/129,154号;同第61/099,844号;同第61/097,787号;同第61/086,231号;同第61/056,564号;同第61/026,998号;同第61/026,995号;同第60/989,574号;国際出願WO2007/134181;WO2005/021570;WO 2004/106356;WO94/14226;並びにPCT国際出願PCT/US2008/068922;PCT/US2008/066154;及びPCT/US2008/064591を参照すること)。例えばα−L−リボフラノース及びβ−D−リボフラノースを含む1つ以上の立体化学糖配置を有する前述の二環式ヌクレオシドが、それぞれ調製されうる(WO99/14226として1999年3月25日に公開されたPCT国際出願PCT/DK98/00393を参照すること)。
【0297】
本明細書で使用されるとき、「単環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分ではない修飾糖部分を含むヌクレオシドを指す。特定の実施形態において、ヌクレオシドの糖部分または糖部分類縁体を、任意の位置で修飾または置換することができる。
【0298】
本明細書で使用されるとき、「4’−2’二環式ヌクレオシド」または「4’〜2’二環式ヌクレオシド」は、糖環の2’炭素原子と4’炭素原子を接続する、フラノース環の2個の炭素原子を接続する架橋を含むフラノース環を含む、二環式ヌクレオシドを指す。
【0299】
特定の実施形態において、BNAヌクレオシドの二環式糖部分には、−[C(R)(R)]−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(=NR)−、−C(=O)−、−C(=S)−、−O−、−Si(R−、−S(=O)−及び−N(R)−から独立して選択される1つ、または1〜4つの連結基を含む架橋を限定されることなく含む、ペントフルラノシル糖部分の4’と2’炭素原子の間に少なくとも1つの架橋を有する化合物が、限定されることなく含まれ、ここで、xは、0、1、または2であり、nは、1、2、3、または4であり、各R及びRは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C20アリール、置換C〜C20アリール、複素環式ラジカル、置換複素環式ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C〜C脂環式ラジカル、置換C〜C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)−J)、またはスルホキシル(S(=O)−J)であり、
各J及びJは、独立して、H、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C20アリール、置換C〜C20アリール、アシル(C(=O)−H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C〜C12アミノアルキル、置換C〜C12アミノアルキル、または保護基である。
【0300】
特定の実施形態において、二環式糖部分の架橋は、−[C(R)(R)]−、−[C(R)(R)]−O−、−C(R)−N(R)−O−、または−C(R)−O−N(R)−である。特定の実施形態において、架橋は、4’−CH−2’、4’−(CH−2’、4’−(CH−2’、4’−CH−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’及び4’−CH−N(R)−O−2’−であり、ここで各Rは、独立して、H、保護基、またはC〜C12アルキルである。
【0301】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、異性体配置により更に確定される。例えば、4’−(CH)−O−2’架橋を含むヌクレオシドは、α−L配置またはβ−D配置でありうる。以前は、α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNAが、アンチセンス活性を示したアンチセンスオリゴヌクレオチドに組み込まれた(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365−6372)。
【0302】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドには、4’〜2’架橋を有するものが含まれ、ここでそのような架橋には、α−L−4’−(CH)−O−2’、β−D−4’−CH−O−2’、4’−(CH−O−2’、4’−CH−O−N(R)−2’、4’−CH−N(R)−O−2’、4’−CH(CH)−O−2’、4’−CH−S−2’、4’−CH−N(R)−2’、4’−CH−CH(CH)−2’及び4’−(CH−2’が、限定されることなく含まれ、Rは、H、保護基、またはC〜C12アルキルである。
【0303】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、下記式を有し、
【0304】
【化8】
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【0305】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
−Q−Q−Q−は、−CH−N(R)−CH−、−C(=O)−N(R)−CH−、−CH−O−N(R)−、−CH−N(R)−O−、または−N(R)−O−CHであり、
は、C〜C12アルキル、またはアミノ保護基であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合である。
【0306】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、下記式を有し、
【0307】
【化9】
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【0308】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキル、置換C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオール、または置換チオールである。
【0309】
1つの実施形態において、それぞれの置換基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J及びNJC(=X)NJから独立して選択される置換基により一または多置換され、ここで、各J、J及びJは、独立して、H、C〜Cアルキル、または置換C〜Cアルキルであり、Xは、OまたはNJである。
【0310】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、下記式を有し、
【0311】
【化10】
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【0312】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキル、置換C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルキニル、または置換アシル(C(=O)−)である。
【0313】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、下記式を有し、
【0314】
【化11】
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【0315】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
は、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
各q、q、q及びqは、独立して、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシル、置換C〜Cアルコキシル、アシル、置換アシル、C〜Cアミノアルキル、または置換C〜Cアミノアルキルである。
【0316】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、下記式を有し、
【0317】
【化12】
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【0318】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
、q、q及びqは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C12アルコキシ、置換C〜C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、またはN(H)C(=S)NJであり、
あるいは、q及びqは、一緒になって、=C(q)(q)であり、
及びqは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜C12アルキル、または置換C〜C12アルキルである。
【0319】
4’−CH−O−2’架橋を有するアデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン及びウラシル二環式ヌクレオシドの合成及び調製が、これらのオリゴマー化及び核酸認識特性と共に記載されている(Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630)。二環式ヌクレオシドの合成も、WO98/39352及びWO99/14226に記載されている。
【0320】
4’−CH−O−2’及び4’−CH−S−2’のような、4’〜2’架橋基を有する様々な二環式ヌクレオシドの類縁体も調製されている(Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222)。核酸ポリメラーゼの基質として使用される二環式ヌクレオシドを含むオリゴデオキシヌクレオチド二重鎖の調製も、記載されている(Wengel et al.,WO99/14226)。更に、新規の立体構造拘束型高親和性オリゴヌクレオチド類縁体である2’−アミノ−BNAの合成が、当該技術に記載されている(Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039)。加えて、2’−アミノ−及び2’−メチルアミノ−BNAが調製されており、相補的RNA及びDNA鎖を有するこれらの二重鎖の熱安定性が、既に報告されている。
【0321】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、下記式を有し、
【0322】
【化13】
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【0323】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分、または支持媒体への共有結合であり、
各q、q、q及びqは、独立して、H、ハロゲン、C〜C12アルキル、置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、置換C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、置換C〜C12アルキニル、C〜C12アルコキシ、置換C〜C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、またはN(H)C(=S)NJであり、
とq、またはqとqは、一緒になって、=C(q)(q)であり、ここでq及びqは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C〜C12アルキル、または置換C〜C12アルキルである。
【0324】
4’−(CH−2’架橋及びアルケニル類縁体架橋4’−CH=CH−CH−2’を有する1つの炭素環式二環式ヌクレオシドが、記載されている(Frier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429−4443及びAlbaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731−7740)。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製も、これらのオリゴマー化及び生化学研究と共に記載されている(Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362−8379)。
【0325】
特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドには、下記に描写されているような、(A)α−L−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(B)β−D−メチレンオキシ(4’−CH−O−2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’−(CH−O−2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’−CH−O−N(R)−2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’−CH−N(R)−O−2’)BNA、(F)メチル(メチレンオキシ)(4’−CH(CH)−O−2’)BNA(拘束エチルまたはcEtとも呼ばれる)、(G)メチレン−チオ(4’−CH−S−2’)BNA、(H)メチレン−アミノ(4’−CH−N(R)−2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’−CH−CH(CH)−2’)BNA、(J)プロピレン炭素環式(4’−(CH−2’)BNA、及び(K)ビニルBNAが含まれるが、これらに限定されない。
【0326】
【化14】
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【0327】
ここで、Bxは、塩基部分であり、Rは、独立して、H、保護基、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシである。
【0328】
本明細書で使用されるとき、用語「修飾テトラヒドロピランヌクレオシド」または「修飾THPヌクレオシド」は、正常なヌクレオシドにおいてペントフルラノシル残基を置換した6員テトラヒドロピラン「糖」を有するヌクレオシドを意味し、糖代替物と呼ぶことができる。修飾THPヌクレオシドには、ヘキシトール核酸(HNA)、アニトール(anitol)核酸(ANA)、マニトール(manitol)核酸(MNA)と当該技術において呼ばれるもの(Leumann,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,841−854)、または下記に例示されているようなテトラヒドロピラニル環系を有するフルオロHNA(F−HNA)が含まれるが、これらに限定されない。
【0329】
【化15】
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【0330】
特定の実施形態において、下記式を有する糖代替物が選択され、
【0331】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0332】
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、テトラヒドロピランヌクレオシド類縁体をオリゴマー化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、あるいはT及びTの一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類縁体をオリゴマー化合物またはオリゴヌクレオチドに連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結共役基、または5’もしくは3’末端基であり、
、q、q、q、q、q及びqは、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、または置換C〜Cアルキニルであり、
及びRの一方は、水素であり、他方は、ハロゲン、置換または非置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ及びCNから選択され、ここで、XはO、SまたはNJであり、各J、J及びJは、独立して、HまたはC〜Cアルキルである。
【0333】
特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqは、それぞれHである。特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つは、H以外である。特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つは、メチルである。特定の実施形態において、R及びRの一方がFであるTHPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、Rはフルオロであり、RはHであるか、Rはメトキシであり、RはHであるか、Rはメトキシエトキシであり、RはHである。
【0334】
特定の実施形態において、糖代替物は、5個を超える原子及び1個を超えるヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴマー化合物におけるこれらの使用が、報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503−4510、並びに米国特許第5,698,685号、同第5,166,315号、同第5,185,444号及び同第5,034,506号を参照すること)。本明細書で使用されるとき、用語「モルホリノ」は、以下の式を有する糖代替物を意味する。
【0335】
【化17】
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【0336】
特定の実施形態において、モルホリノは、例えば上記のモルホリノ構造において様々な置換基を付加する、または変更することによって修飾することができる。そのような糖代替物は、本明細書において「修飾モルホリノ」と呼ばれる。
【0337】
2’−F−5’−メチル置換ヌクレオシド(他の開示されている5’,2’−ビス置換ヌクレオシドついては2008年8月21日に公開されたPCT国際出願WO2008/101157を参照すること)、並びにSによるリボシル環酸素原子の交換及び2’位における更なる置換(2005年6月16日に公開された米国特許出願公開US2005−0130923を参照すること)、あるいは二環式核酸の5’置換(4’−CH−O−2’二環式ヌクレオシドが5’−メチルまたは5’−ビニル基により5’位で置換されている、2007年11月22日に公開されたPCT国際出願WO2007/134181を参照すること)のような修飾の組み合わせも、限定されることなく提供される。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製も、これらのオリゴマー化及び生化学研究と共に記載されている(例えば、Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362−8379を参照すること)。
【0338】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、1個以上の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドを含み、これは、天然に生じるヌクレオシドのペントフラノシル残基の代わりに6員シクロヘキセニルを有するヌクレオシドである。修飾シクロヘキセニルヌクレオシドには、当該技術に記載されているものが含まれるが、これらに限定されない(例えば、2010年4月10日公開の共同所有公開PCT出願WO2010/036696;Robeyns et al.,J.Am.Chem.Soc.,2008,130(6),1979−1984;Horvath et al.,Tetrahedron Letters,2007,48,3621−3623;Nauwelaerts et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(30),9340−9348;Gu et al.,,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2005,24(5−7),993−998;Nauwelaerts et al.,Nucleic Acids Research,2005,33(8),2452−2463;Robeyns et al.,Acta Crystallographica,Section F:Structural Biology and Crystallization Communications,2005,F61(6),585−586;Gu et al.,Tetrahedron,2004,60(9),2111−2123;Gu et al.,Oligonucleotides,2003,13(6),479−489;Wang et al.,J.Org.Chem.,2003,68,4499−4505;Verbeure et al.,Nucleic Acids Research,2001,29(24),4941−4947;Wang et al.,J.Org.Chem.,2001,66,8478−82;Wang et al.,Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,2001,20(4−7),785−788;Wang et al.,J.Am.Chem.,2000,122,8595−8602;公開PCT出願WO06/047842;及び公開PCT出願WO01/049687を参照すること。それぞれの文章は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる)。特定の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドは、式Xを有する。
【0339】
【化18】
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【0340】
式Xの前記少なくとも1つのシクロヘキセニルヌクレオシド類縁体におけるそれぞれから独立して、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、シクロヘキセニルヌクレオシド類縁体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、あるいはT及びTの一方は、テトラヒドロピランヌクレオシド類縁体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、連結共役基、または5’もしくは3’末端基であり、
、q、q、q、q、q、q、q及びqは、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、置換C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、置換C〜Cアルキニル、または他の糖置換基である。
【0341】
多くの他の単環式、二環式及び三環式環系が当該技術において知られており、本明細書に提供されているように、オリゴマー化合物への組み込みのためにヌクレオシドを修飾するのに使用できる糖代替物として適している(例えば、総説:Leumann,Christian J.Bioorg.& Med.Chem.,2002,10,841−854を参照すること)。そのような環系は、様々な追加の置換を受けて、活性を更に増強させることができる。
【0342】
本明細書で使用されるとき、「2’修飾糖」は、2’位が修飾されているフラノシル糖を意味する。特定の実施形態において、そのような修飾には、置換及び非置換アルコキシ、置換及び非置換チオアルキル、置換及び非置換アミノアルキル、置換及び非置換アルキル、置換及び非置換アリル、並びに置換及び非置換アルキニルが含まれるが、これらに限定されないハロゲン化物から選択される置換基が含まれる。特定の実施形態において、2’修飾は、O[(CHO]CH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHF、O(CHONH、OCHC(=O)N(H)CH及びO(CHON[(CHCHが含まれるが、これらに限定されない置換基から選択され、ここでn及びmは、1〜約10である。他の2’置換基も、C〜C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルまたはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、F、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、介入物、アンチセンス化合物の薬物動態特性を改善する基または薬力学特性を改善する基、及び同様の特性を有する他の置換基から選択されうる。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシドは、2’−MOE側鎖を含む(Baker et al.,J.Biol.Chem.,1997,272,11944−12000)。そのような2’−MOE置換は、非修飾ヌクレオシドと比較して、並びに2’−O−メチル、O−プロピル及びO−アミノプロピルのような他の修飾ヌクレオシドと比較して、改善された結合親和性を有すると記載されている。2’−MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドは、インビボにおける使用が有望である、遺伝子発現のアンチセンス阻害剤であることも示されている(Martin,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504;Altmann et al.,Chimia,1996,50,168−176;Altmann et al.,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630−637;及びAltmann et al.,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917−926)。
【0343】
本明細書で使用されるとき、「2’修飾」または「2’置換」は、HまたはOH以外の置換基を2’位に含む糖を含むヌクレオシドを指す。2’修飾ヌクレオシドには、糖環の2個の炭素原子を接続する架橋が糖環の2’炭素と別の炭素を接続する、二環式ヌクレオシド、及びアリル、アミノ、アジド、チオ、O−アリル、O−C〜C10アルキル、−OCF、O−(CH−O−CH、2’−O(CHSCH、O−(CH−O−N(R)(R)、またはO−CH−C(=O)−N(R)(R)のような非架橋2’置換基を有するヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されず、ここで各R及びRは、独立して、Hまたは置換もしくは非置換C〜C10アルキルである。2’修飾ヌクレオシドは、他の修飾を、例えば糖の他の位置に、及び/または核酸塩基に更に含むことができる。
【0344】
本明細書で使用されるとき、「2’−F」は、フルオロ基を糖環の2’位に含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0345】
本明細書で使用されるとき、「2’−OMe」または「2’−OCH」、「2’−O−メチル」または「2’−メトキシ」は、それぞれ、−OCH基を糖環の2’位に含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0346】
本明細書で使用されるとき、「MOE」、または「2’−MOE」、または「2’−OCHCHOCH」、または「2’−O−メトキシエチル」は、それぞれ、−OCHCHOCH基を糖環の2’位に含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0347】
修飾糖を調製する方法は、当業者には良く知られている。そのような修飾糖の調製を教示する幾つかの代表的な米国特許には、U.S.4,981,957;5,118,800;5,319,080;5,359,044;5,393,878;5,446,137;5,466,786;5,514,785;5,519,134;5,567,811;5,576,427;5,591,722;5,597,909;5,610,300;5,627,053;5,639,873;5,646,265;5,670,633;5,700,920;5,792,847及び6,600,032、並びに2005年6月2日に出願され、2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願PCT/US2005/019219が限定されることなく含まれ、これらはそれぞれその全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0348】
本明細書で使用されるとき、「オリゴヌクレオチド」は、複数の連結ヌクレオシドを含む化合物を指す。特定の実施形態において、複数のヌクレオシドの1個以上は修飾されている。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1個以上のリボヌクレオシド(RNA)及び/またはデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
【0349】
修飾糖部分を有するヌクレオチドでは、核酸塩基部分(天然、修飾、またはこれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリッド形成のために維持される。
【0350】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、修飾糖部分を有する1個以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾糖部分は、2’−MOEである。特定の実施形態において、2’−MOE修飾ヌクレオシドは、ギャップマーモチーフで配列される。特定の実施形態において、修飾糖部分は、(4’−CH(CH)−O−2’)架橋基を有する二環式ヌクレオシドである。特定の実施形態において、(4’−CH(CH)−O−2’)修飾ヌクレオシドは、ギャップマーモチーフのウイングの全体に配列される。
【0351】
修飾核酸塩基
核酸塩基(もしくは、塩基)修飾または置換は、天然に生じる、または合成の非修飾核酸塩基と構造的に区別可能であるが、それと機能的に交換可能である。天然及び修飾核酸塩基は、両方とも水素結合に参加することができる。そのような核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、または幾つかの他の有益な生物学的特性を、アンチセンス化合物に付与することができる。修飾核酸塩基には、例えば5−メチルシトシン(5−me−C)のような合成及び天然核酸塩基が含まれる。5−メチルシトシン置換を含む特定の核酸塩基置換は、標的核酸へのアンチセンス化合物の結合親和性の増加に特に有用である。例えば、5−メチルシトシン置換は、核酸二重鎖の安定性を0.6〜1.2℃増加することが示されている(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276−278)。
【0352】
追加の修飾核酸塩基には、アデニン及びグアニンの5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、ピリミジン塩基の2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニル(−C≡C−CH3)ウラシル及びシトシン、並びに他アルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル、並びに他の8置換アデニン及びグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル、並びに他の5置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン、並びに3−デアザグアニン及び3−デアザアデニンが含まれる。
【0353】
複素環塩基部分も、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環に代えられているもの、例えば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシンン、2−アミノピリジン及び2−ピリドンが含まれうる。アンチセンス化合物の結合親和性の増加に特に有用な核酸塩基には、2アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル及び5−プロピニルシトシンを含む、5−置換ピリミジン、6−アザピリジン、並びにN−2、N−6及びO−6置換プリンが含まれる。
【0354】
特定の実施形態において、ANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物は、1個以上の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、ANGPTL3核酸を標的にする短縮型またはギャップ拡大型アンチセンス化合物は、1個以上の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5−メチルシトシンである。特定の実施形態において、シトシンは、それぞれ5−メチルシトシンである。
【0355】
薬学的組成物を処方する組成物及び方法
アンチセンスオリゴヌクレオチドを、薬学的組成物または製剤の調製のために薬学的に許容される活性または不活性物質と混合することができる。薬学的組成物を処方する組成物及び方法は、投与経路、疾患の程度、または投与される用量が含まれるが、これらに限定されない多数の基準によって決まる。
【0356】
ANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物を適切な薬学的に許容される希釈剤または単体と組み合わせることによって、薬学的組成物に利用することができる。薬学的に許容される希釈剤には、リン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。PBSは、非経口的に投与される組成物における使用に適した希釈剤である。したがって、1つの実施形態において、ANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物と、薬学的に許容される希釈剤とを含む薬学的組成物が、本明細書に記載されている方法に用いられる。特定の実施形態において、薬学的に許容される希釈剤はPBSである。特定の実施形態において、アンチセンス化合物はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0357】
アンチセンス化合物を含む薬学的組成物は、任意の薬学的に許容される塩、エステル、もしくはそのようなエステルの塩、またはヒトを含む動物に投与されたとき、生物学的に活性な代謝産物もしくはその残留物を(直接的または間接的に)提供することができる他の任意のオリゴヌクレオチドを包含する。したがって、例えば、本開示は、アンチセンス化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬学的に許容される塩、および他の生物学的同等物にも向けられている。適切な薬学的に許容される塩には、ナトリウム及びカリウム塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0358】
プロドラッグは、体内の内在性ヌクレアーゼにより切断される、アンチセンス化合物の一方または両方の末端に追加のヌクレオシドの組み込みを含むことができる。
【0359】
抱合アンチセンス化合物
アンチセンス化合物は、得られるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを増強する1つ以上の部分または抱合体と、共有結合的に連結することができる。典型的な抱合基には、コレステロール部分及び脂質部分が含まれる。追加の抱合基には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸塩、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン及び色素が含まれる。
【0360】
アンチセンス化合物を、一般にアンチセンス化合物の一方または両方の末端に結合する1つ以上の安定基を有するように修飾して、例えばヌクレアーゼ安定性のような特性を増強させることもできる。キャップ構造が、安定基に含まれる。これらの末端修飾は、末端核酸を有する安置センス化合物を、エキソヌクレアーゼ分解から保護し、細胞内の送達及び/または局在化を助けることができる。キャップは、5’末端(5’キャップ)もしくは3’末端(3’キャップ)に存在することができる、または両方の末端に存在することができる。キャップ構造は、当該技術において良く知られており、例えば、逆デオキシ脱塩基キャップが含まれる。アンチセンス化合物の一方または両方の末端をキャップして、ヌクレアーゼ安定性を付与することに使用できる更なる3’及び5’安定基には、2003年1月16日に公開されたWO03/004602に開示されているものが含まれる。
【0361】
細胞培養及びアンチセンス化合物処理
ANGPTL3核酸のレベル、活性または発現に対するアンチセンス化合物の効果を、様々な種類の細胞においてインビトロで試験することができる。そのような分析に使用される細胞の種類は、市販の供給会社(例えば、American Type Culture Collection,Manassus,VA;Zen−Bio,Inc.,Research Triangle Park,NC;Clonetics Corporation,Walkersville,MD)から入手可能であり、細胞は、市販の試薬(例えば、Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,CA)を使用して供給会社の使用説明書に従って培養される。例示的な細胞の種類には、HepG2細胞、Hep3B細胞、Huh7(肝細胞癌)細胞、初代肝細胞、A549細胞、GM04281線維芽細胞及びLLC−MK2細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0362】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのインビトロ試験
他のアンチセンス化合物による処理のために適切に修飾されうる細胞を、アンチセンスオリゴヌクレオチドにより処理する方法が、本明細書に記載されている。
【0363】
一般に、細胞が培養中でおよそ60〜80%の集密に達したときに、細胞はアンチセンスオリゴヌクレオチドにより処理される。
【0364】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに一般的に使用される1つの試薬には、カチオン性脂質形質移入試薬LIPOFECTIN(登録商標)(Invitrogen,Carlsbad,CA)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI−MEM(登録商標)1(Invitrogen,Carlsbad,CA)中のLIPOFECTIN(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの望ましい最終濃度及びアンチセンスオリゴヌクレオチド100nMあたり典型的には2〜12ug/mLの範囲であるLIPOFECTIN(登録商標)の濃度を達成する。
【0365】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬には、LIPOFECTAMINE 2000(登録商標)(Invitrogen,Carlsbad,CA)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI−MEM(登録商標)1還元血清培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)中のLIPOFECTAMINE 2000(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの望ましい最終濃度及びアンチセンスオリゴヌクレオチド100nMあたり典型的には2〜12ug/mLの範囲であるLIPOFECTAMINE(登録商標)の濃度を達成する。
【0366】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬には、Cytofectin(登録商標)(Invitrogen,Carlsbad,CA)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、OPTI−MEM(登録商標)1還元血清培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)中のCytofectin(登録商標)と混合して、アンチセンスオリゴヌクレオチドの望ましい最終濃度及びアンチセンスオリゴヌクレオチド100nMあたり典型的には2〜12ug/mLの範囲であるCytofectin(登録商標)の濃度を達成する。
【0367】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬には、Oligofectamine(商標)(Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,CA)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、Opti−MEM(商標)−1還元血清培地(Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,CA)中のOligofectamine(商標)と混合して、Oligofectamine(商標)とオリゴヌクレオチドの比が100nMあたりおよそ0.2〜0.8μLであるオリゴヌクレオチドの望ましい濃度を達成する。
【0368】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の試薬には、FuGENE 6(Roche Diagnostics Corp,Indianapolis,IN)が含まれる。アンチセンスオリゴマー化合物を、1mLの無血清RPMI中のFuGENE 6と混合して、FuGENE 6とオリゴマー化合物の比が100nMあたり1〜4μLのFuGENE 6であるオリゴヌクレオチドの望ましい最終濃度を達成する。
【0369】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養細胞に導入するのに使用される別の技術には、電気穿孔が含まれる(Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)。
【0370】
細胞は、日常的な方法によりアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて処理される。細胞は、典型的には、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理の16〜24時間後に採取され、この時点で、標的核酸のRNAまたはタンパク質レベルを、当該技術に既知であり、本明細書に記載されている方法により測定する。一般に、処理が多数の複製において実施される場合、データは複製処理の平均として提示される。
【0371】
使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞系毎に異なる。特定の細胞系に最適なアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度を決定する方法は、当該技術において良く知られている。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、典型的には、LIPOFECTAMINE 2000(登録商標)、LipofectinまたはCytofectinにより形質移入された場合、1nM〜300nMの範囲の濃度で使用される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、電気穿孔を使用して形質移入された場合、625〜20,000nMの範囲の高い濃度で使用される。
【0372】
RNA単離
RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAにより実施することができる。RNA単離の方法は、当該技術において良く知られている(Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)。RNAは、当該技術に周知の方法を使用して、例えば、製造会社の推奨プロトコールに従ってTRIZOL(登録商標)Reagent(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用して調製される。
【0373】
標的レベルまたは発現の阻害の分析
ANGPTL3核酸のレベルまたは発現の阻害は、当該技術に既知の様々な方法によりアッセイすることができる(Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)。例えば、標的核酸レベルは、例えば、ノーザンブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または定量的リアルタイムPCRにより定量化することができる。RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAにより実施することができる。RNA単離の方法は、当該技術において良く知られている。ノーザンブロット分析も、当該技術において日常的である。定量的リアルタイムPCRは、PE−Applied Biosystems,Foster City,CAから入手可能な市販のABI PRISM(登録商標)7600,7700または7900Sequence Detection Systemを使用して都合良く達成することができ、製造会社の使用説明書に従って使用することができる。
【0374】
標的RNAレベルの定量的リアルタイムPCR分析
標的RNAレベルの定量化は、ABI PRISM(登録商標)7600,7700または7900Sequence Detection System(PE−Applied Biosystems,Foster City,CA)を、製造会社の使用説明書に従って使用して、定量的リアルタイムPCRにより達成することができる。定量的リアルタイムPCRの方法は、当該技術において良く知られている。
【0375】
リアルタイムPCRの前に、単離されたRNAを逆転写酵素(RT)反応に付し、これは相補的DNA(cDNA)を産生し、次にこれをリアルタイムPCR増幅の基質として使用する。RT及びリアルタイムPCR反応は、同じ試料ウエルにおいて順次実施することもできる。RT及びリアルタイムPCR試薬は、Invitrogen(Carlsbad,CA)から得られる。RT及びリアルタイムPCR反応は、当業者に周知の方法により実施される。
【0376】
リアルタイムPCRにより得られる遺伝子(またはRNA)の標的量は、シクロフィリンAもしくはGADPHのような、発現が一定である遺伝子の発現レベルを使用することによって、またはRIBOGREEN(登録商標)(Life Technologies(商標)、Inc.Carlsbad,CA)の使用により全RNAを定量化することによって、正規化することができる。シクロフィリンAまたはGADPH発現は、標的と同時に、多重的または別々に実施するリアルタイムPCRにより定量化されうる。全RNAは、RIBOGREEN(登録商標)RNA定量化試薬を使用して定量化することができる。RIBOGREEN(登録商標)によるRNA定量化の方法は、Jones,L.J.,et alにより教示されている(Analytical Biochemistry,1998,265,368−374)。CYTOFLUOR(登録商標)4000器具(PE Applied Biosystems)を使用して、RIBOGREEN(登録商標)蛍光を測定することができる。
【0377】
リアルタイムPCRプローブ及びプライマーを設計する方法は、当該技術において良く知られており、PRIMER EXPRESS(登録商標)Software(Applied Biosystems,Foster City,CA)のようなソフトウエアの使用が含まれうる。リアルタイムPCRに使用されるプローブ及びプライマーは、ANGPTL3特異的配列とハイブリッド形成するように設計され、下記の実施例に開示されている。標的特異的PCRプローブは、5’末端に共有結合的に連結しているFAM及び3’末端に共有結合的に連結しているTAMRAまたはMGBを有することができ、ここで、FAMは蛍光色素であり、TAMRAまたはMGBは消光色素である。
【0378】
タンパク質レベルの分析
ANGPTL3核酸のアンチセンス阻害は、ANGPTL3タンパク質レベルを測定することによって評価できる。ANGPTL3のタンパク質レベルは、免疫沈降、ウエスタンブロット分析(免疫ブロット)、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)、定量的タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(例えば、カスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学、免疫細胞化学、または蛍光活性化細胞選別(FACS)(Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,2001)のような様々な当該技術に周知の方法により評価または定量化することができる。標的に向けられる抗体を特定することができ、MSRS抗体カタログ(Aerie Corporation,Birmingham,MI)のような様々な供給源から得ることができる、または当該技術に周知の従来のモノクローナルもしくはポリクローナル抗体生成方法によって調製することができる。
【0379】
アンチセンス化合物のインビボ試験
アンチセンス化合物、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドを動物において試験して、これらの、ANGPTL3の発現を阻害する及び表現型の変化を生じる能力について評価する。試験は、正常な動物において、または実験疾患モデルにおいて実施することができる。動物への投与のため、アンチセンスオリゴヌクレオチドを、リン酸緩衝食塩水のような薬学的に許容される希釈剤で処方する。投与には、非経口投与経路が含まれる。アンチセンス化合物による治療期間の後、RNAを組織から単離し、ANGPTL3核酸発現の変化を測定する。ANGPTL3タンパク質レベルの変化も測定する。
【0380】
特定の適応症
特定の実施形態において、本明細書に記載されている1つ以上の薬学的組成物を投与することを含む、個体を治療する方法が、本明細書に提供される。特定の実施形態において、個体は、代謝疾患及び/または心血管疾患を有する。特定の実施形態において、個体は、高コレステロール血症(例えば、家族性ホモ接合型高コレステロール血症(HoFH)、家族性ヘテロ接合型高コレステロール血症(HeFH))、異脂肪血症、高トリグリセリド血症(例えば、ヘテロ接合性LPL欠乏症、ホモ接合性LPL欠乏症)、冠動脈疾患(CAD)、家族性カイミクロン血症症候群(FCS)、高リポタンパク血症IV型)、脂肪異栄養症、高脂血症(例えば、複合型高脂血症、家族性複合型高脂血症(FCHL))、代謝症候群、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、血管壁肥厚、高血圧(例えば、肺動脈性高血圧症)、硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症、全身性硬化症、進行性皮膚硬化症、並びに指潰瘍及び肺血管病変のような増殖性閉塞性血管症)を有する。
【0381】
特定の実施形態において、本明細書に記載されているANGPTL3を標的にする化合物は、動物において脂質及び/またはエネルギー代謝を調節する。特定の実施形態において、本明細書に記載されているANGPTL3を標的にする化合物は、高コレステロール血症、異脂肪血症、高トリグリセリド血症、代謝症候群、NAFLD、NASH及び/または糖尿病の生理学的マーカーまたは表現型を調節する。例えば、動物への化合物の投与は、VLDL、非エステル化脂肪酸(NEFA)、LDL、コレステロール、トリグリセリド、グルコース、インスリン、またはANGPTL3のレベルの1つ以上を調節することができる。特定の実施形態において、生理学的マーカーまたは表現型の調節は、化合物によるANGPTL3の阻害によって評価することができる。
【0382】
特定の実施形態において、本明細書に記載されているANGPTL3を標的にする化合物は、肝臓TG蓄積(すなわち脂肪肝)、アテローム性動脈硬化症、血管壁肥厚(例えば、動脈内膜中膜肥厚)、高コレステロール血症(例えば、家族性ホモ接合型高コレステロール血症(HoFH)、家族性ヘテロ接合型高コレステロール血症(HeFH))、異脂肪血症、高トリグリセリド血症(例えば、ヘテロ接合性LPL欠乏症、ホモ接合性LPL欠乏症、家族性カイロミクロン血症症候群(FCS)、高リポタンパク血症IV型)、脂肪異栄養症、高脂血症(例えば、複合型高脂血症、家族性複合型高脂血症(FCHL))、代謝症候群、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、高血圧、及び硬化症の1つ以上を低減及び/または予防する。特定の実施形態において、本明細書に記載されているANGPTL3を標的にする化合物は、インスリン感受性を改善する。
【0383】
特定の実施形態において、本明細書に記載されているようにANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物の投与は、ANGPTL3発現の低減を、およそ少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%、またはこれらの値の任意の2つにより確定された範囲でもたらす。
【0384】
特定の実施形態において、本明細書に記載されているようにANGPTL3核酸を標的にするアンチセンス化合物の投与は、トリグリセリド、LDLコレステロール、非HDLコレステロール、VLDLコレステロール、総コレステロール、アポB及びアポC−IIIの1つ以上の低減を、およそ少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%、またはこれらの値の任意の2つにより確定された範囲でもたらす。
【0385】
特定の実施形態において、ANGPTL3を標的にするアンチセンス化合物を含む薬学的組成物が、代謝疾患または心血管疾患に罹患している、または罹りやすくなっている患者を治療する医薬の調製に使用される。特定の実施形態において、ANGPTL3を標的にするアンチセンス化合物を含む薬学的組成物は、高コレステロール血症(例えば、家族性ホモ接合型高コレステロール血症(HoFH)、家族性ヘテロ接合型高コレステロール血症(HeFH))、異脂肪血症、高トリグリセリド血症(例えば、家族性カイロミクロン血症症候群(FCS)、高リポタンパク血症IV型)、脂肪異栄養症、高脂血症(例えば、複合型高脂血症、家族性複合型高脂血症(FCHL))、代謝症候群、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、血管壁肥厚、高血圧、及び硬化症の1つ以上に罹患している、または罹りやすくなっている患者を治療する医薬の調製に使用される。
【0386】
投与
特定の実施形態において、本明細書に記載されている化合物及び組成物は、非経口投与される。
【0387】
特定の実施形態において、非経口投与は、注入によるものである。注入は、慢性的、または連続的、または短期的、または断続的でありうる。特定の実施形態において、注入医薬品は、ポンプにより送達される。
【0388】
特定の実施形態において、非経口投与は、注射によるものである。注射は、シリンジまたはポンプにより送達することができる。特定の実施形態において、注射はボーラス注射である。特定の実施形態において、注射は、組織または臓器に直接投与される。特定の実施形態において、注射は皮下である。
【0389】
特定の併用療法
特定の実施形態において、本明細書に開示されている修飾オリゴヌクレオチドを含む第1の作用物質は、1つ以上の第2の作用物質と共投与される。特定の実施形態において、そのような第2の作用物質は、本明細書に記載されている第1の作用物質と同じ疾患、障害または状態を治療するように設計される。特定の実施形態において、そのような第2の作用物質は、本明細書に記載されている第1の作用物質と異なる疾患、障害または状態を治療するように設計される。特定の実施形態において、そのような第2の作用物質は、本明細書に記載されている1つ以上の薬学的組成物の望ましくない副作用を治療するように設計される。特定の実施形態において、第2の作用物質は、第1の作用物質と共投与されて、第1の作用物質の望ましくない副作用を治療する。特定の実施形態において、第2の作用物質は、第1の作用物質と共投与されて、組み合わせ効果を生じる。特定の実施形態において、第2の作用物質は、第1の作用物質と共投与されて、相乗効果を生じる。
【0390】
特定の実施形態において、第1の作用物質及び1つ以上の第2の作用物質は、同じ時点で投与される。特定の実施形態において、第1の作用物質及び1つ以上の第2の作用物質は、異なる時点で投与される。特定の実施形態において、第1の作用物質及び1つ以上の第2の作用物質は、一緒に単一の薬学的製剤に調製される。特定の実施形態において、第1の作用物質及び1つ以上の第2の作用物質は、別々に調製される。
【0391】
特定の実施形態において、第2の作用物質には、グルコース低下剤または脂質低下剤が含まれるが、これらに限定されない。グルコース低下剤には、治療的な生活習慣の変化、PPAR作動薬、ジペプチジルペプチダーゼ(IV)阻害剤、GLP−1類縁体、インスリンもしくはインスリン類縁体、インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害剤、ヒトアミリン類縁体、ビグアナイド、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、またはこれらの組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。グルコース低下剤には、メトホルミン、スルホニル尿素、ロシグリタゾン、メグリチニド、チアゾリジンジオン、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、またはこれらの組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。スルホニル尿素は、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド、またはグリクラジドでありうる。メグリチニドは、ナテグリニドまたはレパグリニドでありうる。チアゾリジンジオンは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンでありうる。アルファ−グルコシダーゼは、アカルボースまたはミグリトールでありうる。特定の実施形態において、脂質低下療法には、治療的な生活習慣の変化、ナイアシン、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、MTP阻害剤(例えば、MTPを標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくはアンチセンス化合物)、フィブレート、PCSK9阻害剤(例えば、PCSK9を標的にするPCSK9抗体、ポリペプチド、小分子、核酸化合物)、CETP阻害剤(例えば、CETPを標的にするトルセトラピブ及びアナセトラピブのような小分子、ポリペプチド、抗体もしくは核酸化合物)、アポC−III阻害剤(例えば、アポC−IIIを標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくは核酸化合物)、アポB阻害剤(例えば、アポBを標的にする小分子、ポリペプチド、抗体もしくは核酸化合物)、オメガ−3脂肪酸が豊富な有益油、オメガ−3脂肪酸、またはこれらの組み合わせが含まれうるが、これらに限定されない。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンなどでありうる。コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブでありうる。フィブレートは、フェノフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、ゲムフィブロジルなどでありうる。オメガ−3脂肪酸が豊富な有益油は、オキアミ、魚(例えば、Vascepa(登録商標))、アマニ油などでありうる。オメガ−3脂肪酸は、ALA、DHA、EPAなどでありうる。
【0392】
特定の化合物
ヒトANGPTL3を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、以前の公報に記載されていた(その全体が参照として組み込まれる、2011年7月14日公開のPCT特許公開WO2011/085271を参照すること)。インビトロで最も強力なアンチセンス化合物の上位10個を含む、本明細書に記載されている幾つかのオリゴヌクレオチド(233676、233690、233710、233717、233721、233722、337459、337460、337474、337477、337478、337479、337481、337484、337487、337488、337490、337491、337492、337497、337498、337503、337505、337506、337508、337513、337514、337516、337520、337521、337525、337526及び337528)を、本明細書下記に記載される新たなアンチセンス化合物のインビトロ選別における選択全体におけるベンチマークとして使用した。WO2011/085271に記載されている最も強力な化合物のうち、ISIS233722には、ANGPTL3を阻害する能力に大きなばらつきがあることが見出された。したがって、最初はインビトロ研究における幾つかのうちに含まれたが、233722を更なる研究のベンチマークとして選択しなかった。以前に特定された強力なインビトロベンチマーク化合物のうち、5個(233710、233717、337477、337478、337479及び337487)を、ヒトmRNA転写及びタンパク質発現を低減するのに最も強力なものを評価するため、huANGPTL3遺伝子導入マウスにおける、本明細書下記に記載されるインビボ試験のために選択した(実施例11)。ANGPTL3レベルの低減に最高の初期インビボ効力を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド(233710)を、本明細書下記に記載される新たなアンチセンス化合物のインビボ評価のためのベンチマークとして使用した。
【0393】
特定の実施形態において、本明細書に記載されているアンチセンス化合物は、WO2011/085271に記載されているアンチセンス化合物と比べて、1つ以上の改善された特性によって有益である。これらの改善された特性は、本明細書の実施例において実証されており、実施例の非限定的要約が、容易な参照のために下記に提供される。
【0394】
本明細書に記載されている第1の選別において、ヒトANGPTL3を標的にする約3000個の新たに設計された5−10−5MOEギャップマーアンチセンス化合物を、インビトロのヒトANGPTL3 mRNAに対する効果についてHep3B細胞において試験した(実施例1)。新たなアンチセンス化合物のmRNA阻害レベルを、選択研究にベンチマークとして使用した、幾つかの以前に設計されたアンチセンス化合物(233717、337484、337487、337492及び337516)により評価した。第1の選別からの約3000個の新たに設計されたアンチセンス化合物のうち、約85個のアンチセンス化合物を、最大半減阻害濃度(IC50)を決定するインビトロ用量依存性阻害研究のために選択した(実施例2〜3)。最大半減阻害濃度(IC50)について試験した約85個の新たなアンチセンス化合物のうち、ANGPTL3の強力な用量依存性低減を実証した約38個のアンチセンス化合物を、アンチセンス233710をベンチマークとして使用した、マウスにおけるインビボ効力及び耐容性(ALT及びAST)試験のために選択した(実施例11〜12)。
【0395】
本明細書に記載されている第2の選別において、MOEギャップマーモチーフまたは混合型モチーフ(デオキシ、5−10−5MOE及びcETギャップマー)を有する、ヒトANGPTL3を標的にする約2000個の新たに設計されたアンチセンス化合物も、インビトロにおけるヒトANGPTL3 mRNAに対する効果についてHep3Bにおいて試験した(実施例4〜6)。新たなアンチセンス化合物の阻害レベルを、選択研究にベンチマークとして使用した、幾つかの以前に設計されたアンチセンス化合物(233717、337487、337513、337514及び337516)により評価した。第2の選別からの約2000個の新たに設計されたアンチセンス化合物のうち、約147個のアンチセンス化合物を、最大半減阻害濃度(IC50)を決定するインビトロ用量依存性阻害研究のために選択した(実施例7〜10)。最大半減阻害濃度(IC50)について試験した約147個の新たなアンチセンス化合物のうち、ANGPTL3の強力な用量依存性低減を実証した約73個のアンチセンス化合物を、アンチセンス233710をベンチマークとして使用した、マウスにおけるインビボ効力及び耐容性(ALT及びAST)試験のために選択した(実施例11〜12)。
【0396】
マウスにおいて効力及び耐容性について試験した選別1及び2の約111個のアンチセンス化合物のうち、24個を、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸トランス鵜網ナーゼ(AST)、アルブミン及びビリルビンのような肝臓代謝マーカー、並びに腎臓代謝マーカーのBUN及びクレアチニン、及び臓器重量を評価する、マウスにおけるより広範な耐容性試験のために選択した(実施例12)。
【0397】
インビボネズミ研究と並行して、17個のアンチセンス化合物を粘度試験のために選択した(実施例13)。一般に、粘度が最適化されていないアンチセンス化合物は、更なる研究に進めなかった。
【0398】
マウス耐容性試験の結果基づいて、20個のアンチセンス化合物を、ラットにおけるインビボ耐容性試験のために選択した(実施例14)。ラットでは、ALT、AST、アルブミン及びビリルビンのような肝臓代謝マーカー、体重及び臓器重量、並びにBUN、クレアチニン及び総タンパク質/クレアチニン比のような肝臓代謝マーカーを測定して、インビボにおける化合物の耐容性を決定した。
【0399】
ラットにおいて試験した20個のアンチセンス化合物を、アカゲザルANGPTL3遺伝子配列との交差反応性についても評価した(実施例15)。この研究のアンチセンス化合物をカニクイザルにおいて試験したが、カニクイザルANGPTL3配列は、比較のための完全長化合物の配列が入手できず、したがって、アンチセンス化合物の配列を、近縁関係にあるアカゲザルのものと比較した。8個のアンチセンス化合物の配列は、アカゲザルANGPTL3遺伝子配列と0〜2個の不適合を有することが見出され、カニクイザルにおいて更に研究した(実施例15)。8個のアンチセンス化合物(ISIS563580、ISIS560400、ISIS567320、ISIS567321、ISIS544199、ISIS567233、ISIS561011及びISIS559277)を、サルにおけるANGPTL3 mRNA及びタンパク質発現の阻害、並びに耐容性について試験した。耐容性研究において、体重、肝臓代謝マーカー(ALT、AST及びビリルビン)、腎臓代謝マーカー(BUN及びクレアチニン)、血液学的パラメーター(血球数、ヘモグロビン及びヘマトクリット)、並びに炎症促進性マーカー(CRP及びC3)を測定した。加えて、肝臓及び腎臓に存在する完全長オリゴヌクレオチド濃度を測定し、腎臓/肝臓における完全長オリゴヌクレオチドの比を計算した。
【0400】
したがって、任意の1つ以上の改善された、例えばWO2011/085271に記載されているアンチセンス化合物と比べて改善された特徴を有するアンチセンス化合物が、本明細書において提供される。特定の実施形態において、配列番号1〜2のいずれか一方のヌクレオチドの領域を標的にする、または領域と特異的にハイブリッド形成する、本明細書に記載されている修飾オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物が、本明細書において提供される。
【0401】
特定の実施形態において、本明細書に記載されている特定のアンチセンス化合物は、ANGPTL3発現の阻害における効力によって効果的である。特定の実施形態において、化合物または組成物は、ANGPTL3を、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%阻害する。
【0402】
特定の実施形態において、本明細書に記載されている特定のアンチセンス化合物は、(実施例2〜3及び7〜10に記載されているように)ヒト細胞、例えばHep3B細胞系において試験されたとき、20μM未満、10μM未満、8μM未満、5μM未満、2μM未満、1μM未満、0.9μM未満、0.8μM未満、0.7μM未満、0.6μM未満、または0.5μM未満のインビトロIC50にによって効果的である。特定の実施形態において、<1.0μMのIC50を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号15、20、24、34、35、36、37、42、43、44、47、50、51、57、58、60、77、79、82、87、88、90、91、93、94、100、101、104、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、169、170、177、188、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231及び232のものが含まれる。特定の実施形態において、<0.9μMのIC50を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号15、20、35、36、42、43、44、50、57、60、77、79、87、88、90、91、93、94、101、104、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、177、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231及び232のものが含まれる。特定の実施形態において、<0.8μMのIC50を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号15、20、35、36、42、43、44、50、57、60、77、79、87、88、90、91、93、94、101、104、110、111、112、113、114、115、116、117、118、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、177、209、210、211、212、213、214、215、217、218、219、220、221、222、223、224、225、228、229、230、231及び232のものが含まれる。特定の実施形態において、<0.7μMのIC50を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号15、20、36、42、43、57、60、114、117、127、131、177、209、210、211、212、213、214、215、217、218、219、220、221、222、223、224、225、228、229、230、231及び232のものが含まれる。特定の実施形態において、<0.6μMのIC50を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号15、20、36、42、43、57、60、114、117、127、131、177、209、210、211、212、213、215、217、218、219、220、221、222、224、225、228、229、230、231及び232のものが含まれる。特定の実施形態において、<0.5μMのIC50を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号43、114、117、127、131、177、209、210、211、212、215、217、218、219、220、221、222、229、230及び232のものが含まれる。
【0403】
特定の実施形態において、本明細書に記載されている特定のアンチセンス化合物は、(実施例13に記載されているように)アッセイにより測定したとき、40cP未満、35cP未満、30cP未満、25cP未満、20cP未満、15cP未満、または10cP未満の粘度を有することによって効果的である。40cPを超える粘度を有するオリゴヌクレオチドは、最適に満たない粘度を有する。特定の実施形態において、<20cPの粘度を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号16、18、20、34、35、36、38、49、77、90、93及び94のものが含まれる。特定の実施形態において、<15cPの粘度を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号16、18、20、34、35、38、49、90、93及び94のものが含まれる。特定の実施形態において、<10cPの粘度を有する好ましいアンチセンス化合物には、配列番号18、34、35、49、90、93及び94のものが含まれる。
【0404】
特定の実施形態において、本明細書に記載されている特定のアンチ化合物は、実施例に記載されているインビボ耐容性測定により実証されているように、高い耐容性がある。特定の実施形態において、本明細書に記載されている特定のアンチセンス化合物は、ALT及び/またはAST値に食塩水処理動物の3倍、2倍または1.5倍以下の増加を有することによって実証されているように、高い耐容性がある。
【0405】
特定の実施形態において、本明細書に記載されている特定のアンチセンス化合物は、50%を超える阻害効力、1μM未満のインビトロIC50、20cP未満の粘度、並びにALT及び/またはASTの3倍以下の増加の1つ以上を有することによって効果的である。
【0406】
特定の実施形態において、ISIS563580(配列番号77)が好ましい。この化合物は、ANGPTL3遺伝子導入マウスにおける強力な阻害剤であり、最も耐容性のあるアンチセンス化合物であることが見出された。これは、約16.89cPの許容可能な粘度及びインビトロで<0.8μMのIC50値を有した。マウスにおいて、食塩処理動物と比べてALT及び/またはASTレベルに3倍以下の増加を有した。またサルでは、ANGPTL3の阻害において最も耐容性及び効力がある化合物のうちの1つであり、完全長オリゴヌクレオチド濃度の最適な比を有した。
【0407】
特定の実施形態において、ISIS544199(配列番号20)が好ましい。この化合物は、強力な耐容性のあるアンチセンス化合物であることが見出された。これは、約1.7cPの許容可能な粘度及びインビトロで<0.5μMのIC50値を有した。マウスにおいて、食塩処理動物と比べてALT及び/またはASTレベルに3倍以下の増加を有した。またサルでは、ANGPTL3の阻害において最も効力がある化合物のうちの1つであり、完全長オリゴヌクレオチド濃度の良好な比を有した。
【0408】
特定の実施形態において、ISIS559277(配列番号110)が好ましい。この化合物は、強力な耐容性のあるアンチセンス化合物であることが見出された。これは、インビトロにおいて<0.8μMのIC50値を有した。マウスにおいて、食塩処理動物と比べてALT及び/またはASTレベルに3倍以下の増加を有した。またサルでは、ANGPTL3の阻害において最も効力がある化合物のうちの1つであり、完全長オリゴヌクレオチド濃度の良好な比を有した。
【実施例】
【0409】
非限定的開示及び参照としての組み込み
本明細書に記載されている特定の化合物、組成物及び方法が、特定の実施形態に従って特定的に記載されてきたが、以下の実施例は、本明細書に記載されている化合物を例示するためだけに役立つものであり、それらを限定することは意図されない。本出願に引用されているそれぞれの参考文献は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0410】
実施例1:MOEギャップマーによるHep3B細胞におけるヒトアンジオポエチン様3のアンチセンス阻害
アンチセンスオリゴヌクレオチドを、アンジオポエチン様3(ANGPTL3)核酸を標的にするように設計し、インビトロでのANGPTL3 mRNAに対するこれらの効果について試験した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、類似した培養条件を有した一連の実験によって試験した。それぞれの実験の結果を、下記に示す別々の表に提示する。1ウエルあたり20,000個の細胞密度の培養Hep3B細胞に、電気穿孔を使用して、4,500nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ24時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGB(本明細書において配列番号4と指定されている順方向配列CCGTGGAAGACCAATATAAACAATT、本明細書において配列番号5と指定されている逆方向配列AGTCCTTCTGAGCTGATTTTCTATTTCT、本明細書において配列番号6と指定されているプローブ配列AACCAACAGCATAGTCAAATA)を使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0411】
下記の表における新たに設計されたキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5−10−5MOEギャップマーとして設計した。5−10−5MOEギャップマーは、20個のヌクレオシドの長さであり、中央ギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドから構成され、それぞれ5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントが5’方向及び3’方向に隣接している。5’ウイングセグメントにおけるそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメントにおけるそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE修飾を有する。それぞれのギャップマー全体におけるヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート(P=S)連結である。それぞれのギャップマー全体における全てのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的にする最も5’にあるヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的にするヒト遺伝子配列の最も3’にあるヌクレオシドを示す。下記の表に列挙されているそれぞれのギャップマーは、本明細書において配列番号1と指定されるヒトANGPTL3 mRNA(GENBANK受入番号NM_014495.2)、または本明細書において配列番号2と指定されるヒトANGPTL3ゲノム配列(GENBANK受入番号NT_032977.9、ヌクレオチド33032001〜33046000の切断型)を標的にする。「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、その特定の遺伝子配列を100%の相補性で標的にしないことを示す。
【0412】
【表2-1】
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【0413】
【表2-2】
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【0414】
【表2-3】
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【0415】
【表3-1】
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【表3-4】
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【表4-1】
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【表4-2】
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【表5-1】
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【表6-1】
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【表13-1】
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【表13-3】
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【表13-11】
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【0525】
【表14-1】
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【0526】
【表14-2】
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【0527】
【表14-3】
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【0528】
【表14-4】
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【0529】
【表14-5】
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【0530】
【表14-6】
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【0531】
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【0532】
【表14-8】
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【0540】
【表14-16】
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【0546】
【表15-3】
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【0547】
【表15-4】
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【0548】
実施例2:MOEギャップマーによるHep3B細胞におけるヒトANGPTL3の用量依存性アンチセンス阻害
上記に記載された研究においてANGPTL3 mRNAの有意なインビトロ阻害を示した5−10−5MOEギャップマーを選択し、Hep3B細胞において様々な用量で試験した。細胞を1ウエルあたり20,000個の細胞密度で平板培養し、電気穿孔を使用して、下記の表に特定されているように0.75μM、1.50μM、3.00μM、6.00μM及び12.00μMの濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ16時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0549】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半減阻害濃度(IC50)も提示されている。ANGPTL3 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的に有意に低減された。
【0550】
【表16】
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【0551】
実施例3:MOEギャップマーによるHep3B細胞におけるヒトANGPTL3の用量依存性アンチセンス阻害
上記に記載された研究においてANGPTL3 mRNAの有意なインビトロ阻害を示した5−10−5MOEギャップマーを選択し、Hep3B細胞において様々な用量で試験した。細胞を1ウエルあたり20,000個の細胞密度で平板培養し、電気穿孔を使用して、下記の表に特定されているように0.813μM、1.625μM、3.25μM、6.50μM及び13.00μMの濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ16時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0552】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半減阻害濃度(IC50)も提示されている。ANGPTL3 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的に有意に低減された。
【0553】
【表17】
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【0554】
【表18】
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【0555】
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【0556】
【表20】
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【0557】
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【0558】
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【0560】
【表24】
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【0561】
実施例4:デオキシ、MOE及び(S)−cEtギャップマーによるHep3BにおけるヒトANGPTL3のアンチセンス阻害
追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ANGPTL3核酸を標的にするように設計し、インビトロでのANGPTL3 mRNAに対するこれらの効果について試験した。1ウエルあたり20,000個の細胞密度の培養Hep3B細胞に、電気穿孔を使用して、4,500nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ24時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0562】
下記の表における新たに設計されたキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、デオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドとして設計した。デオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドは、16個のヌクレオシドの長さであり、ここでヌクレオシドは、MOE糖修飾、(S)−cEt修飾、またはデオキシ糖残基のいずれかを有する。それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチドの糖修飾は、「eek−d10−kke」と記載されており、ここで、「k」は、(S)−cEt糖修飾を示し、「d」は、デオキシリボースを示し、数字は、デオキシリボース糖残基の数を示し、「e」は、MOE糖修飾を示す。それぞれのオリゴヌクレオチド全体におけるヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート(P=S)連結である。それぞれのオリゴヌクレオチド全体における全てのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてオリゴヌクレオチドが標的にする最も5’にあるヌクレオシドを示す。「終止部位」は、オリゴヌクレオチドが標的にするヒト遺伝子配列の最も3’にあるヌクレオシドを示す。下記の表に列挙されているオリゴヌクレオチドは、それぞれ、本明細書において配列番号1と指定されるヒトANGPTL3 mRNA(GENBANK受入番号NM_014495.2)、または本明細書において配列番号2と指定されるヒトANGPTL3ゲノム配列(GENBANK受入番号NT_032977.9、ヌクレオチド33032001〜33046000の切断型)を標的にする。「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、その特定の遺伝子配列を100%の相補性で標的にしないことを示す。
【0563】
【表25-1】
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実施例5:デオキシ、MOE及び(S)−cEtギャップマーによるHep3BにおけるヒトANGPTL3のアンチセンス阻害
追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ANGPTL3核酸を標的にするように設計し、インビトロでのANGPTL3 mRNAに対するこれらの効果について試験した。5−10−5MOEギャップマーであるISIS337487及びISIS233717も、ベンチマークオリゴヌクレオチドとしてアッセイに含めた。1ウエルあたり20,000個の細胞密度の培養Hep3B細胞に、電気穿孔を使用して、4,500nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ24時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0580】
下記の表における新たに設計されたキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、デオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドまたは5−10−5MOEギャップマーとして設計した。デオキシ、MOE及び(S)−cEtオリゴヌクレオチドは、16個のヌクレオシドの長さであり、ここでヌクレオシドは、MOE糖修飾、(S)−cEt修飾、またはデオキシ糖残基のいずれかを有する。それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチドの糖修飾は、「eek−d10−kke」と記載されており、ここで、「k」は、(S)−cEt糖修飾を示し、「d」は、デオキシリボースを示し、数字は、デオキシリボース糖残基の数を示し、「e」は、MOE修飾を示す。5−10−5MOEギャップマーは、20個のヌクレオシドの長さであり、中央ギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドから構成され、それぞれ5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントが5’方向及び3’方向に隣接している。それぞれのオリゴヌクレオチド全体におけるヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート(P=S)連結である。それぞれのオリゴヌクレオチド全体における全てのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてオリゴヌクレオチドが標的にする最も5’にあるヌクレオシドを示す。「終止部位」は、オリゴヌクレオチドが標的にするヒト遺伝子配列の最も3’にあるヌクレオシドを示す。下記の表に列挙されているオリゴヌクレオチドは、それぞれ、本明細書において配列番号1と指定されるヒトANGPTL3 mRNA(GENBANK受入番号NM_014495.2)、または本明細書において配列番号2と指定されるヒトANGPTL3ゲノム配列(GENBANK受入番号NT_032977.9、ヌクレオチド33032001〜33046000の切断型)を標的にする。「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、その特定の遺伝子配列を100%の相補性で標的にしないことを示す。
【0581】
【表27-1】
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【0741】
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【表30-34】
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【表31-1】
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【0750】
【表31-7】
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【0751】
【表31-8】
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【0752】
【表31-9】
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【0753】
【表31-10】
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【0754】
【表31-11】
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【0755】
【表31-12】
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【0756】
【表31-13】
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【0757】
【表31-14】
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【0758】
【表31-15】
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【0759】
【表31-16】
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【0760】
【表31-17】
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【0761】
【表31-18】
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【0762】
【表31-19】
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【0763】
【表31-20】
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【0764】
【表31-21】
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【0765】
【表31-22】
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【0766】
【表31-23】
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【0767】
【表31-24】
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【0768】
【表31-25】
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【0769】
【表31-26】
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【0770】
【表31-27】
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【0771】
【表31-28】
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【0772】
【表31-29】
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【0773】
【表31-30】
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【0774】
【表31-31】
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【0775】
【表31-32】
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【0776】
【表31-33】
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【0777】
【表31-34】
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【0778】
【表31-35】
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【0779】
【表31-36】
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【0780】
【表31-37】
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【0781】
【表31-38】
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【0782】
【表31-39】
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【0783】
【表31-40】
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【0784】
【表31-41】
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【0785】
【表31-42】
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【0786】
【表31-43】
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【0787】
【表31-44】
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【0788】
【表31-45】
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【0789】
【表31-46】
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【0790】
【表31-47】
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【0791】
【表31-48】
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【0792】
【表31-49】
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【0793】
【表31-50】
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【0794】
【表31-51】
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【0795】
【表31-52】
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【0796】
実施例6:MOEギャップマーによるHep3B細胞におけるヒトANGPTL3のアンチセンス阻害
追加のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ANGPTL3核酸を標的にするように設計し、インビトロでのANGPTL3 mRNAに対するこれらの効果について試験した。1ウエルあたり20,000個の細胞密度の培養Hep3B細胞に、電気穿孔を使用して、4,500nMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ24時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0797】
下記の表における新たに設計されたキメラアンチセンスオリゴヌクレオチドを、5−10−5MOEまたは3−10−4MOEギャップマーとして設計した。5−10−5MOEギャップマーは、20個のヌクレオシドの長さであり、中央ギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドから構成され、それぞれ5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントが5’方向及び3’方向に隣接している。3−10-4MOEギャップマーは、17個のヌクレオシドの長さであり、中央ギャップセグメントは、10個の2’−デオキシヌクレオシドをから構成され、それぞれ3個及び4個のヌクレオシドを含むウイングセグメントが5’方向及び3’方向に隣接している。5’ウイングセグメントにおけるそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメントにおけるそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE修飾を有する。5’ウイングセグメントにおけるそれぞれのヌクレオシド及び3’ウイングセグメントにおけるそれぞれのヌクレオシドは、2’−MOE修飾を有する。それぞれのギャップマー全体におけるヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエート(P=S)連結である。それぞれのギャップマー全体における全てのシトシン残基は、5−メチルシトシンである。「開始部位」は、ヒト遺伝子配列においてギャップマーが標的にする最も5’にあるヌクレオシドを示す。「終止部位」は、ギャップマーが標的にするヒト遺伝子配列の最も3’にあるヌクレオシドを示す。下記の表に列挙されている各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と指定されるヒトANGPTL3 mRNA(GENBANK受入番号NM_014495.2)、または本明細書において配列番号2と指定されるヒトANGPTL3ゲノム配列(GENBANK受入番号NT_032977.9、ヌクレオチド33032001〜33046000の切断型)を標的にする。「該当なし」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドが、その特定の遺伝子配列を100%の相補性で標的にしないことを示す。
【0798】
【表32-1】
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【0799】
【表32-2】
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【0800】
【表32-3】
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【0801】
【表32-4】
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【0802】
実施例7:Hep3B細胞におけるヒトANGPTL3の用量依存性アンチセンス阻害
上記に記載された研究においてANGPTL3 mRNAの有意なインビトロ阻害を示したデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを選択し、Hep3B細胞において様々な用量で試験した。両方とも5−10−5MOEギャップマーであるISIS233717及びISIS337847も、研究に含めた。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、類似した培養条件を有した一連の実験によって試験した。それぞれの実験の結果を、下記の別々の表に提示する。
【0803】
細胞を1ウエルあたり20,000個の細胞密度で平板培養し、電気穿孔を使用して、下記の表に特定されているように0.813μM、1.625μM、3.25μM、6.500μM及び13.00μMの濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ16時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0804】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半減阻害濃度(IC50)も提示されている。ANGPTL3 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的に有意に低減された。
【0805】
【表33】
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【0806】
【表34】
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【0807】
【表35】
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【0808】
【表36】
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【0809】
実施例8:Hep3B細胞におけるヒトANGPTL3の用量依存性アンチセンス阻害
上記に記載された研究においてANGPTL3 mRNAの有意なインビトロ阻害を示したデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを選択し、Hep3B細胞において様々な用量で試験した。5−10−5MOEギャップマーであるISIS337847も、研究に含めた。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、類似した培養条件を有した一連の実験によって試験した。それぞれの実験の結果を、下記の別々の表に提示する。
【0810】
細胞を1ウエルあたり20,000個の細胞密度で平板培養し、電気穿孔を使用して、下記の表に特定されているように0.160μM、0.481μM、1.444μM、4.333μM及び13.00μMの濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ16時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0811】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半減阻害濃度(IC50)も提示されている。ANGPTL3 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的に有意に低減された。
【0812】
【表37】
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【0813】
【表38】
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【0814】
【表39】
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【0815】
実施例9:MOEギャップマーによるHep3B細胞におけるヒトANGPTL3の用量依存性アンチセンス阻害
上記の実施例においてANGPTL3 mRNAの有意なインビトロ阻害を示したMOEギャップマーを選択し、Hep3B細胞において様々な用量で試験した。細胞を1ウエルあたり20,000個の細胞密度で平板培養し、電気穿孔を使用して、下記の表に特定されているように0.160μM、0.481μM、1.444μM、4.333μM及び13.00μMの濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ16時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0816】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半減阻害濃度(IC50)も提示されている。ANGPTL3 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的に有意に低減された。
【0817】
【表40】
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【0818】
実施例10:デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドによるHep3B細胞におけるヒトANGPTL3の用量依存性アンチセンス阻害
上記に記載された研究においてANGPTL3 mRNAの有意なインビトロ阻害を示したデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを選択し、Hep3B細胞において様々な用量で試験した。細胞を1ウエルあたり20,000個の細胞密度で平板培養し、電気穿孔を使用して、下記の表に特定されているように0.111μM、0.333μM、1.00μM、3.00μM及び9.00μMの濃度でアンチセンスオリゴヌクレオチドを形質移入した。およそ16時間の処理時間の後、RNAを細胞から単離し、ANGPTL3 mRNAレベルを定量的リアルタイムPCRにより測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3492_MGBを使用して、mRNAレベルを測定した。ANGPTL3 mRNAレベルを、RIBOGREEN(登録商標)により測定して、全RNA含有量に従って調整した。結果を、未処理対照細胞と比べたANGPTL3の阻害率として提示する。
【0819】
それぞれのオリゴヌクレオチドの最大半減阻害濃度(IC50)も提示されている。ANGPTL3 mRNAレベルは、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理細胞において、用量依存的に有意に低減された。
【0820】
【表41】
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【0821】
【表42】
[この文献は図面を表示できません]
【0822】
【表43】
[この文献は図面を表示できません]
【0823】
【表44】
[この文献は図面を表示できません]
【0824】
実施例11:huANGPTL3遺伝子導入マウスにおけるヒトANGPTL3のアンチセンス阻害
上記に研究において記載されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ヒトANGPTL3導入遺伝子を有するC57Bl/6マウス(Tgマウス)におけるヒトANGPTL3 mRNA転写物を低減する能力について更に評価した。
【0825】
研究1
雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0826】
マウスの群は、5−10−5MOEギャップマーの腹腔内注射を、50mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0827】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、RTS3492_MGBを用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。mRNAレベルも、ヒトプライマープローブセットRTS1984(本明細書において配列番号7と指定されている順方向配列CTTCAATGAAACGTGGGAGAACT、本明細書において配列番号8と指定されている逆方向配列TCTCTAGGCCCAACCAAAATTC、本明細書において配列番号9と指定されているプローブ配列AAATATGGTTTTGGGAGGCTTGAT)を用いて測定した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0828】
【表45】
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【0829】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3タンパク質レベルの低減をもたらしたことを示している。
【0830】
【表46】
[この文献は図面を表示できません]
【0831】
血漿化学マーカー
10日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0832】
【表47】
[この文献は図面を表示できません]
【0833】
研究2
雄Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0834】
マウスの群は、5−10−5MOEギャップマーの腹腔内注射を、50mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0835】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、RTS1984を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0836】
【表48】
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【0837】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3タンパク質レベルの低減をもたらしたことを示している。
【0838】
【表49】
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【0839】
血漿化学マーカー
8日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0840】
【表50】
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【0841】
研究3
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0842】
マウスの群は、5−10−5MOEギャップマーの腹腔内注射を、2.5mg/kg、12.5mg/kg、または25mg/kgの用量で1週間に1回、3週間にわたって受けた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0843】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022(本明細書において配列番号10と指定されている順方向配列AAATTTTAGCCAATGGCCTCC、本明細書において配列番号11と指定されている逆方向配列TGTCATTAATTTGGCCCTTCG、本明細書において配列番号12と指定されているプローブ配列TCAGTTGGGACATGGTCTTAAAGACTTTGTCC)を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。それぞれのギャップマーのED50も、下記の表に提示されている。「決定されず」は、ED50を決定できなかったことを示す。
【0844】
【表51】
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【0845】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3タンパク質レベルの低減をもたらしたことを示している。「決定されず」は、ED50を決定できなかったことを示す。
【0846】
【表52】
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【0847】
血漿化学マーカー
17日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0848】
【表53】
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【0849】
研究4
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0850】
マウスの群は、5−10−5MOEギャップマーの腹腔内注射を、25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0851】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0852】
【表54】
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【0853】
血漿化学マーカー
10日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0854】
【表55】
[この文献は図面を表示できません]
【0855】
研究5
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0856】
マウスの群は、5−10−5MOEギャップマー、またはデオキシ、MOE及びcEtギャップマーの腹腔内注射を、25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0857】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、RTS1984を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0858】
【表56】
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【0859】
血漿化学マーカー
9日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0860】
【表57】
[この文献は図面を表示できません]
【0861】
研究6
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0862】
マウスの群は、デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドの腹腔内注射を、25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。5−10−5MOEギャップマーであるISIS233710も、ベンチマークとして含めた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0863】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、幾つかのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0864】
【表58】
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【0865】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、幾つかのISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3タンパク質レベルの低減をもたらしたことを示している。
【0866】
【表59】
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【0867】
血漿化学マーカー
10日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0868】
【表60】
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【0869】
研究7
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0870】
マウスの群は、デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドの腹腔内注射を、25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。5−10−5MOEギャップマーであるISIS233710も、ベンチマークとして含めた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0871】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0872】
【表61-1】
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【0873】
【表61-2】
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【0874】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、幾つかのISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3レベルの低減をもたらしたことを示している。この場合、「0」値は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、発現を阻害せず、幾つかの場合では、発現レベルの増加が記録されたこともありうることを示唆している。
【0875】
【表62】
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【0876】
血漿化学マーカー
9日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0877】
【表63-1】
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【0878】
【表63-2】
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【0879】
研究8
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0880】
マウスの群は、デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドの腹腔内注射を、25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。5−10−5MOEギャップマーであるISIS233710も、ベンチマークとして含めた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0881】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。
【0882】
【表64】
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【0883】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3レベルの低減をもたらしたことを示している。
【0884】
【表65】
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【0885】
血漿化学マーカー
8日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0886】
【表66】
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【0887】
研究9
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0888】
マウスの群は、デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドの腹腔内注射を、25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。5−10−5MOEギャップマーであるISIS233710も、ベンチマークとして含めた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0889】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022を用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、幾つかのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。この場合、「0」値は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、発現を阻害せず、幾つかの場合では、発現レベルの増加が記録されたこともありうることを示唆している。
【0890】
【表67】
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【0891】
タンパク質分析
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。結果は、幾つかのISISオリゴヌクレオチドによる治療が、ANGPTL3レベルの低減をもたらしたことを示している。この場合、「0」値は、ISISオリゴヌクレオチドによる治療が、発現を阻害せず、幾つかの場合では、発現レベルの増加が記録されたこともありうることを示唆している。
【0892】
【表68】
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【0893】
血漿化学マーカー
9日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0894】
【表69】
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【0895】
研究10
雄及び雌Tgマウスを12時間の明暗サイクルに維持した。動物を、実験を開始する前に、研究施設において少なくとも7日間順化させた。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、緩衝食塩水(PBS)により調製し、0.2ミクロンフィルターで濾過して滅菌した。オリゴヌクレオチドを注射用に0.9%PBSに溶解した。
【0896】
マウスの群は、5−10−5MOEギャップマー、またはデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドの腹腔内注射を、5mg/kg、12.5mg/kg、または25mg/kgの用量で1週間に1回、2週間にわたって受けた。1つのマウス群は、PBSの皮下注射を、毎週1回、2週間にわたって受けた。PBS注射群は、対応するオリゴヌクレオチド治療群と比較するための対照群として機能した。
【0897】
RNA分析
治療期間の終了時に、RNAを、hANGPTL3_LTS01022を用いた及びRTS3492_MGBも用いたANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、幾つかのISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに低減をもたらした。
【0898】
【表70】
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【0899】
血漿化学マーカー
8日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0900】
【表71】
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【0901】
実施例12:CD1マウスにおけるヒトANGPTL3を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドの耐容性
CD1(登録商標)マウス(Charles River,MA)は、安全性及び効力試験に頻繁に利用される多目的マウスモデルである。マウスを、上記に記載された研究から選択したISISアンチセンスオリゴヌクレオチドで治療し、様々な血漿化学マーカーのレベルの変化を評価した。
【0902】
研究1
雄CD1マウス(治療群あたり1匹の動物)に、200mg/kgのデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを単回用量で腹腔内注射した。1匹のCD1マウスに、単回用量のPBSを皮下注射した。マウスを、最後の用量の48時間後に安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0903】
血漿化学マーカー
4日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0904】
【表72】
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【0905】
体重
体重を、単回用量のISISオリゴヌクレオチドの1日後に測定し、下記に表に提示する。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0906】
【表73】
[この文献は図面を表示できません]
【0907】
研究2
雄CD1マウス(治療群あたり1匹の動物)に、200mg/kgのデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを単回用量で腹腔内注射した。1匹のCD1マウスに、単回用量のPBSを皮下注射した。マウスを、最後の用量の48時間後に安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0908】
血漿化学マーカー
5日目のISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼ(ALT及びAST)の血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、下記の表に提示する。これらの肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0909】
【表74】
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【0910】
体重
体重を、単回用量のISISオリゴヌクレオチド後の5日目に測定し、下記に表に提示する。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0911】
【表75】
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【0912】
研究3
雄CD1マウス(治療群あたり4匹の動物)に、100mg/kgの5−10−5MOEギャップマーを1週間に1回、6週間にわたって腹腔内注射した。4匹の雄CD1マウスの1つの群には、PBSを1週間に1回、6週間にわたって腹腔内注射した。マウスを、最後の用量の48時間後に安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0913】
血漿化学マーカー
ISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、様々な肝臓及び腎臓機能マーカーの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して、45日目に測定した。結果を、下記の表に提示する。これらのマーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0914】
【表76】
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【0915】
体重
体重を43日目に測定し、下記に表に提示する。腎臓、肝臓及び脾臓の重量を、研究の終了時の45日目に測定した。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0916】
【表77】
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【0917】
研究4
雄CD1マウス(治療群あたり4匹の動物)に、50mg/kgまたは100mg/kgの5−10−5MOEギャップマー、またはデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを1週間に1回、6週間にわたって腹腔内注射した。4匹の雄CD1マウスの1つの群には、PBSを1週間に1回、6週間にわたって腹腔内注射した。マウスを、最後の用量の48時間後に安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0918】
血漿化学マーカー
ISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、様々な肝臓及び腎臓機能マーカーの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して、46日目に測定した。結果を、下記の表に提示する。これらのマーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0919】
【表78】
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【0920】
体重
体重を44日目に測定し、下記に表に提示する。腎臓、肝臓及び脾臓の重量を、研究の終了時の46日目に測定した。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0921】
【表79】
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【0922】
研究5
雄CD1マウス(治療群あたり4匹の動物)に、50mg/kgのデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを1週間に1回、6週間にわたって腹腔内注射した。4匹の雄CD1マウスの1つの群には、PBSを1週間に1回、6週間にわたって腹腔内注射した。マウスを、最後の用量の48時間後に安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0923】
血漿化学マーカー
ISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、様々な肝臓及び腎臓機能マーカーの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して、43日目に測定した。結果を、下記の表に提示する。これらのマーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0924】
【表80】
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【0925】
体重
体重を、41日目に測定し、下記に表に提示する。腎臓、肝臓及び脾臓の重量を、研究の終了時の43日目に測定した。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0926】
【表81】
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【0927】
実施例13:ヒトANGPTL3を標的にするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの粘度の測定
上記に記載された研究から選択されたアンチセンスオリゴヌクレオチドの粘度を、40センチポアズ(cP)を超える粘度を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを選別して除く目的で測定した。40cPを超える粘度を有するオリゴヌクレオチドは、最適に及ばない粘度を有する。
【0928】
ISISオリゴヌクレオチド(32〜35mg)を計量して、ガラスバイアルに入れ、120μLの水を加え、バイアルを50℃に加熱することにより、アンチセンスオリゴヌクレオチドを溶液に溶解した。 予熱試料の一部(75μL)を、マイクロ粘度計(Cambridge)にピペットで移した。マイクロ粘度計の温度を25℃に設定し、試料の粘度を測定した。予熱試料の別の一部(20μL)を、260nM、85℃でのUV読み取り(Cary UV instrument)のため、10mLの水にピペットで加えた。結果を下記の表に提示し、それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は350mg/mlであり、大部分のアンチセンスオリゴヌクレオチド溶液は、上記に記述された基準下で粘度が最適であることを示している。
【0929】
【表82】
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【0930】
実施例14:Sprague−DawleyラットにおけるヒトANGPTL3を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドの耐容性
Sprague−Dawleyラットは、安全性及び効力評価に使用される多目的モデルである。ラットを、上記の実施例に記載された研究のISISアンチセンスオリゴヌクレオチドにより治療し、様々な血漿化学マーカーのレベルの変化を評価した。
【0931】
研究1
雄Sprague−Dawleyラットを12時間の明暗サイクルに維持し、Purinaの通常のラット用固形飼料、diet 5001を自由に摂取させた。4匹のSprague−Dawleyラットの群には、それぞれ、PBSまたは100mg/kgの5−10−5MOEギャップマーを1週間に1回、6週間にわたって皮下注射した。最後の用量の48時間後に、ラットを安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0932】
肝臓機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを45日目に測定し、結果を、IU/Lで表して下記の表に提示する。ビリルビンの血漿レベルも、同じ臨床化学分析器を使用して測定し、結果も、mg/dLで表して下記の表に提示する。肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0933】
【表83】
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【0934】
腎臓機能
腎臓機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、血中尿素窒素(BUN)及びクレアチニンの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。結果を、mg/dLで表して下記の表に提示する。腎臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。総尿タンパク質及び尿クレアチニンのレベルを測定し、総尿タンパク質とクレアチニンとの比を評価した。結果を、下記の表に提示する。
【0935】
【表84】
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【0936】
【表85】
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【0937】
臓器重量
体重を42日目に測定し、下記に表に提示する。肝臓、脾臓及び腎臓の重量を研究の終了時の45日目に測定し、下記の表に提示する。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0938】
【表86】
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【0939】
研究2
雄Sprague−Dawleyラットを12時間の明暗サイクルに維持し、Purinaの通常のラット用固形飼料、diet 5001を自由に摂取させた。4匹のSprague−Dawleyラットの群には、それぞれ、PBSまたは50mg/kgもしくは100mg/kgの5−10−5MOEギャップマー、もしくはデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを1週間に1回、6週間にわたって皮下注射した。最後の用量の48時間後に、ラットを安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0940】
肝臓機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを44日目に測定し、結果を、IU/Lで表して下記の表に提示する。ビリルビンの血漿レベルも、同じ臨床化学分析器を使用して測定し、結果も、mg/dLで表して下記の表に提示する。肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0941】
【表87】
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【0942】
腎臓機能
腎臓機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、血中尿素窒素(BUN)及びクレアチニンの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して44日目に測定した。結果を、mg/dLで表して下記の表に提示する。腎臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。総尿タンパク質及び尿クレアチニンのレベルを測定し、総尿タンパク質とクレアチニンとの比を評価した。結果を、下記の表に提示する。
【0943】
【表88】
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【0944】
【表89】
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【0945】
臓器重量
体重を42日目に測定し、下記に表に提示する。肝臓、脾臓及び腎臓の重量を研究の終了時の44日目に測定し、下記の表に提示する。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0946】
【表90】
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【0947】
研究3
雄Sprague−Dawleyラットを12時間の明暗サイクルに維持し、Purinaの通常のラット用固形飼料、diet 5001を自由に摂取させた。4匹のSprague−Dawleyラットの群には、それぞれ、PBSまたは50mg/kgのデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドを1週間に1回、6週間にわたって皮下注射した。最後の用量の48時間後に、ラットを安楽死させ、臓器及び血漿を更なる分析のために採取した。
【0948】
肝臓機能
肝機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、トランスアミナーゼの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して測定した。ALT(アラニントランスアミナーゼ)及びAST(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)の血漿レベルを44日目に測定し、結果を、IU/Lで表して下記の表に提示する。ビリルビンの血漿レベルも、同じ臨床化学分析器を使用して測定し、結果も、mg/dLで表して下記の表に提示する。肝臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0949】
【表91】
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【0950】
腎臓機能
腎臓機能に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、血中尿素窒素(BUN)及びクレアチニンの血漿レベルを、自動臨床化学分析器(Hitachi Olympus AU400e,Melville,NY)を使用して44日目に測定した。結果を、mg/dLで表して下記の表に提示する。腎臓機能マーカーのいずれかのレベルに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。総尿タンパク質及び尿クレアチニンのレベルを測定し、総尿タンパク質とクレアチニンとの比を評価した。結果を、下記の表に提示する。
【0951】
【表92】
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【0952】
【表93】
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【0953】
臓器重量
体重を42日目に測定し、下記に表に提示する。肝臓、脾臓及び腎臓の重量を研究の終了時の44日目に測定し、下記の表に提示する。臓器の重量に、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える任意の変化を引き起こしたISISオリゴヌクレオチドを、更なる研究から除外した。
【0954】
【表94】
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【0955】
実施例15:カニクイザルにおけるヒトANGPTL3を標的にするISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
カニクイザルを、上記の実施例に記載された研究から選択されたISISアンチセンスオリゴヌクレオチドで治療した。肝臓及び腎臓におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの効力及び耐容性、並びにこれらの薬物動態プロフィールを、評価した。
【0956】
この研究を実施した時点では、カニクイザルのゲノム配列は、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のデータベースから入手可能ではなく、したがって、カニクイザルの遺伝子配列との交差反応を確認することができなかった。代わりに、カニクイザルに使用したISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列を、アカゲザル配列と相同性について比較した。アカゲザル配列と相同性があるISISオリゴヌクレオチドは、カニクイザル配列とも完全に交差反応することが、予測される。試験したヒトアンチセンスオリゴヌクレオチドは、アカゲザルのゲノム配列(GENBANK受入番号NW_001108682.1、ヌクレオチド3049001〜3062000の切断型、本明細書において配列番号3と指定されている)と交差反応する。ヒトオリゴヌクレオチドとアカゲザル配列との相補性が大きいほど、ヒトオリゴヌクレオチドがアカゲザル配列と交差反応できる可能性が大きくなる。配列番号3へのそれぞれのヌクレオチドの開始及び終止部位を下記の表に提示する。「開始部位」は、アカゲザル遺伝子配列においてギャップマーが標的にする最も5’にあるヌクレオチドを示す。 「不適合」は、アカゲザルのゲノム配列と不適合である、ヒトオリゴヌクレオチドにおける核酸塩基の数を示す。
【0957】
【表95】
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【0958】
治療
研究の前に、サルを少なくとも30日間、隔離したままにし、その期間、動物を、一般的な健康について毎日観察した。サルは、年齢が2〜4歳であり、体重が2〜4kgであった。5匹の無作為に指定した雄カニクイザルの9つの群のそれぞれには、ISISオリゴヌクレオチドまたはPBSを、時計回りで背部の4つの部位(すなわち、左側、上部、右側及び下部)に、1つの部位に1用量により皮下注射した。サルには、負荷投与量のPBSまたは40mg/kgのISISオリゴヌクレオチドを、第1週は2日に1回(1、3、5及び7日目に)与え、続いてPBSまたは40mg/kgのISISヌクレオチドを1週間に1回、12週間にわたって(14、21、28、35、42、49、56、63、70、77及び84日目に)投与した。
【0959】
試験期間の間、サルを、病気または苦痛の兆候について毎日2回観察した。治療、損傷、または病気に起因する瞬間または軽微を超える疼痛または苦痛を経験する任意の動物は、研究指導者と相談した後に、承認された鎮痛薬または作用物質を用いて獣医職員が治療して、疼痛を緩和した。健康不良な、または瀕死状態の可能性がある任意の動物を、更なるモニタリング及び安楽死の可能性のために特定した。例えば、ISIS567321治療群の1匹の動物は、45日目に瀕死であることが見出され、殺処分された。動物の予定安楽死は、86日目(最終用量のおよそ48時間後)に、ケタミン/キシラジン誘発性麻酔及びペントバルビタールナトリウム投与の後で瀉血により実施した。実施例に記載されているプロトコールは、実験動物委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)によって承認された。
【0960】
肝標的の低減
RNA分析
86日目に、RNAを、ANGPTL3のmRNA発現を測定するリアルタイムPCR分析のために、肝臓から抽出した。結果を、RIBOGREEN(登録商標)により正規化した、PBS対照と比べたmRNAの変化率として提示する。下記の表に示されているように、ISISアンチセンスオリゴヌクレオチドによる治療は、PBS対照と比較してANGPTL3 mRNAに有意な低減をもたらした。ANGPTL3 mRNAレベルの分析は、両方ともアカゲザル配列と完全に交差反応するISIS544199及びISIS559277が、発現レベルを有意に低減したことを明らかにした。不適合を有するサル配列を標的にする他のISISオリゴヌクレオチドも、ANGPTL3 mRNAレベルを低減することができた。
【0961】
【表96】
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【0962】
タンパク質分析
およそ1mLの血液を利用可能な全ての動物から85日目に採血し、EDTAのカリウム塩を含有する管に入れた。血液試料を、氷中に設置し、遠心分離して(3000rpmにより4℃で10分間)、血漿を得た。
【0963】
ヒトANGPTL3タンパク質レベルを、市販のELISAキット(R&D Systems,Minneapolis,MNのカタログ番号DANL30)の使用により、製造会社記載のプロトコールを使用して1:20,000に希釈した遺伝子導入血漿試料を用いて定量化した。結果を、下記の表に提示する。ANGPTL3の血漿の分析は、ISIS563580、544199及びISIS559277が、持続的にタンパク質レベルを低減したことを明らかにした。他のISISオリゴヌクレオチドも、ANGPTL3レベルを低減することができた。
【0964】
【表97】
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【0965】
耐容性研究
体重測定
動物の全体的な健康に対するISISオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、体重を測定し、下記に表に提示する。結果は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの体重に対する治療効果が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測範囲内であったことを示している。特にISIS563580による治療は、サルの体重に関して十分に耐容された。
【0966】
【表98】
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【0967】
肝臓機能
ISISオリゴヌクレオチドの肝機能への効果を評価するため、血液試料を全ての研究群から採血した。血液試料を橈側皮、伏在または大腿静脈から、投与の48時間後に採血した。サルは、採血の前に一晩絶食させた。血液は、血清分離用の抗凝血薬を有さない管の中に採血した。管を室温で最低90分間保持し、次に遠心分離して(およそ3,000rpmで10分間)、血清を得た。様々な肝臓機能マーカーのレベルを、Toshiba 200FR NEO化学分析器(Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。ALT及びASTの血漿レベルを測定し、結果を、IU/Lで表して下記の表に提示する。肝臓機能マーカーのビリルビンを同様に測定し、mg/dLで表して下記の表に提示する。結果は、大部分のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える効果を、肝臓機能に対して有さなかったことを示している。特にISIS563580による治療は、サルの肝臓機能に関して十分に耐容された。
【0968】
【表99】
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【0969】
【表100】
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【0970】
【表101】
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【0971】
腎臓機能
ISISオリゴヌクレオチドの腎臓機能への効果を評価するため、血液試料を全ての研究群から採血した。血液試料を橈側皮、伏在または大腿静脈から、投与の48時間後に採血した。サルは、採血の前に一晩絶食させた。血液は、血清分離用の抗凝血薬を有さない管の中に採血した。管を室温で最低90分間保持し、次に遠心分離して(およそ3,000rpmで10分間)、血清を得た。BUN及びクレアチニンのレベルを、Toshiba 200FR NEO化学分析器(Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。結果を、mg/dLで表して下記の表に提示する。
【0972】
血漿化学データは、大部分のISISオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドの予測された範囲を超える効果を、腎臓機能に対して有さなかったことを示している。特にISIS563580による治療は、サルの腎臓機能に関して十分に耐容された。
【0973】
【表102】
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【0974】
【表103】
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【0975】
血液学
カニクイザルにおけるISISアンチセンスオリゴヌクレオチドの、血液学的パラメーターに対する任意の効果を評価するため、およそ0.5mLの血液の血液試料を、利用可能な研究動物からそれぞれ採取して、K−EDTAを含有する管の中に入れた。試料を、ADVIA120血液分析器(Bayer,USA)を使用して、赤血球(RBC)数、白血球(WBC)数、単球、好中球、リンパ球のような個別の白血球数、並びに血小板数、ヘモグロビン含有量及びヘマトクリットについて分析した。データを、下記の表に提示する。
【0976】
データは、オリゴヌクレオチドが血液学的パラメーターに、この用量のアンチセンスオリゴヌクレオチドに予測された範囲を超える任意の変化を引き起こさなかったことを示している。特にISIS563580による治療は、サルの血液学的パラメーターに関して十分に耐容された。
【0977】
【表104】
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【0978】
【表105】
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【0979】
炎症促進性分子に対する効果
カニクイザルにおけるISISオリゴヌクレオチドの任意の炎症効果を評価するため、血液試料を、C反応性タンパク質及びC3レベルの分析のために、投与前の84日目に採取した。およそ1.5mLの血液を、それぞれの動物から採血し、血清分離用の抗凝血薬を有さない管の中に入れた。管を室温で最低90分間保持し、次におよそ3,000rpmにより室温で10分間遠心分離して、血清を得た。炎症のマーカーとして機能するC反応性タンパク質(CRP)及び補体C3を、Toshiba 200FR NEO化学分析器(Toshiba Co.,Japan)を使用して測定した。結果は、ISIS563580による治療がサルにおいて耐容性があったことを示している。
【0980】
【表106】
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【0981】
【表107】
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【0982】
オリゴヌクレオチド濃度の測定
完全長オリゴヌクレオチドの濃度を測定した。 使用した方法は、フェノール−クロロホルム(液−液)抽出、続く固相抽出から構成される、以前に公開された方法(Leeds et al.,1996;Geary et al.,1999)の変更である。内部標準(ISIS355868、27−アミノ塩基長2’−O−メトキシエチル修飾ホスホロチオエートヌクレオシドのGCGTTTGCTCTTCTTCTTGCGTTTTTT、本明細書において配列番号13と指定されている)を、抽出の前に付加した。組織試料濃度を、定量下限(LLOQ)がおよそ1.14μg/gである較正曲線の使用により計算した。結果を、肝臓または腎臓組織をμg/gで表して下記の表に提示する。腎臓と肝臓における完全長オリゴヌクレオチド濃度の比を計算した。ISIS563580による治療後の腎臓と肝臓における完全長オリゴヌクレオチド濃度の比は、評価した他の化合物と比較して、最も最適であることが見出された。
【0983】
【表108】
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【0984】
実施例16:ISIS563580の臨床試験
研究薬剤のISIS563580の効果を評価するため、第1相盲検無作為化プラセボ対照用量増加試験を、正常な脂質プロファイルを有する健康な志願者に実施した。研究は、研究薬剤ISIS563580の単回及び多回用量の後に、安全性、耐容性、薬物動態、ANGPTL3の血漿レベルに対する効果及び研究対象のリポタンパク質プロファイルを評価した。
【0985】
研究集団は、年齢が18歳から65歳までを含む健康な男性及び女性であった。除外基準には、いずれかの対象の病歴における及び実験値の選別における臨床的に有意な異常が含まれた。対象を、それぞれの単回用量及び多回用量群内でISIS563580またはプラセボを受けるために、3:1に無作為化した。対象には、研究薬剤またはプラセボを皮下(SC)投与した。
【0986】
血液及び尿試料を、安全性、薬物動態及び薬力学的分析について、研究全体にわたって定期的に集めた。ISIS563580の安全性及び耐容性は、有害事象の発生率、重篤度及び用量関連性、生命兆候、並びに臨床実験パラメーターを決定することによって評価した。ISIS563580を投与した対象における安全性の結果を、プラセボを投与した対象と比較した。
【0987】
最も頻繁な有害事象は、注射部位の軽度な局所反応である。ISIS563580による治療は、一般に十分に耐容され、許容される安全性プロファイルを実証した。
【0988】
研究薬剤及び単回用量研究による治療
2mLの共栓付ガラスバイアルに含有された研究薬剤ISIS563580の溶液(200mg/mL、1.0mL)を、準備した。バイアルは使い捨て用であった。ISIS563580溶液及びプラセボは、薬剤師(または、有資格代理人)により調製される。熟練専門家が、研究薬剤の単回用量を腹部、大腿部または上腕部の外側領域に、それぞれの投与日に投与した。合計で16人の対象がこの研究に登録した。研究設計を、下記の表に提示する。
【0989】
【表109】
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【0990】
皮下注射量は、A、B、C及びD群において、それぞれ0.25、0.5、1.0及び2.0mLであり、2.0mLの量は2回の非連続的な1.0mLの注射で与えられた。A群では、群内の最初の2人の対象と残りの2人の対象への研究薬剤の投与には、少なくとも24時間の間隔が必要であった。前の単回用量群の対象が投与を完了し、4日目安全性評価が許容される安全性プロファイルを実証した場合に、用量増加を進めた。
【0991】
それぞれの対象の参加期間は、4週間の選別期間、単回用量及び4週間の治療後評価期間を含む、およそ8週間であった。対象は、2、4、8、15日目に研究施設に追跡調査のために来診し、30日目に電話接触を受けた。研究薬剤の効果が評価されている。
【0992】
研究薬剤及び多回用量研究による治療
共栓付ガラスバイアルに含有された研究薬剤ISIS563580の溶液(200mg/mL、1.0mL)を、準備した。バイアルは使い捨て用であった。ISIS563580溶液及びプラセボは、薬剤師(または、有資格代理人)により調製される。熟練専門家が、研究薬剤を腹部、大腿部または上腕部の外側領域に、それぞれの投与日に投与した。合計で32人の対象がこの研究に登録した。研究設計を、下記の表に提示する。
【0993】
【表110】
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【0994】
皮下注射量は、AA、BB、CC及びDD群において、それぞれ0.5、1.0、1.5及び2.0mLであり、2.0mLの量は2回の非連続的な1.0mLの注射で与えられた。単回用量群(D群)の少なくとも4人の対象が投与を完了し、4日目評価が許容される安全性プロファイルを実証した後に、第1の群(AA群)の投与を開始した。対象は、研究薬剤を第1週には隔日で(1、3及び5日目に)3回の皮下用量を受け、続いて次の5週間にわたって1週間に1回(8、15、22、29及び36日目)の皮下投与を受け、合計8用量であった。
【0995】
それぞれの対象の参加期間は、4週間の選別期間、6週間の治療期間及び13週間の治療後評価期間を含む、およそ5.5か月間であった。対象は、37、43、50、64、78、92、106及び127日目に研究施設に追跡調査のために来診した。36日目の対象における脂質プロファイルの結果を、下記の表に提示する。星印は、統計的に有意な変化を示す(p<0.05)。
【0996】
ISIS563580による治療は、36日目に血漿ANGPTL3、トリグリセリド、LDLコレステロール、非HDLコレステロール、VLDLコレステロール、総コレステロール、アポB及びアポC−IIIにおいて、一般に用量依存性低減を生じた。一般に、低減の程度はベースライン脂質レベルと関連し、ベースラインが高いほど大きな低減が対象において観察された。
【0997】
【表111】
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ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]12〜30個の連結ヌクレオシドから成り、且つ配列番号1の核酸塩基1140〜1159の等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基配列を含む修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物。
[態様2]前記修飾オリゴヌクレオチドが、15〜30個、18〜24個、19〜22個、13〜25個、14〜25個、15〜25個、16または20個の連結ヌクレオシドからなる、態様1に記載の化合物。
[態様3]前記修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の等長部分に相補的な少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも16個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基配列を含む、態様1に記載の化合物。
[態様4]12〜30個の連結ヌクレオシドから成り、且つ配列番号1の核酸塩基1140〜1159の等長部分に相補的な少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の隣接核酸塩基の部分を含む核酸塩基配列を含む修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも80%相補的である、化合物。
[態様5]前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基配列が、配列番号1に少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%相補的である、態様1〜4のいずれか一に記載の化合物。
[態様6]12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77の核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または20個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様7]
12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77、20、110のいずれかの核酸塩基配列の少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の隣接核酸塩基を含む核酸塩配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む、化合物。
[態様8]前記修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖である、態様1〜7のいずれか一に記載の化合物。
[態様9]少なくとも1つのヌクレオシド間連結が、修飾ヌクレオシド間連結である、態様1〜8のいずれか一に記載の化合物。
[態様10]それぞれのヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である、態様9に記載の化合物。
[態様11]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾糖を含む、態様1〜10のいずれか一に記載の化合物。
[態様12]少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、態様11に記載の化合物。
[態様13]少なくとも1つの修飾糖が、2’−O−メトキシエチル、拘束エチル、3’−フルオロ−HNA、または4’−(CH−O−2’架橋を含み、ここでnが1または2である、態様11に記載の化合物。
[態様14]少なくとも1個のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、態様1〜13のいずれか一に記載の化合物。
[態様15]前記修飾核酸塩基が5−メチルシトシンである、態様14に記載の化合物。
[態様16]前記修飾オリゴヌクレオチドが、12〜30個の連結ヌクレオシドからなり、
連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント(gap segment)と、
連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント(wing segment)と、
連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと
を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドが、修飾糖を含む、態様1〜15のいずれか一に記載の化合物。
[態様17]前記修飾オリゴヌクレオチドが、20個の連結ヌクレオシドからなり、
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと
を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基が、5−メチルシトシンである、態様16に記載の化合物。
[態様18]前記修飾オリゴヌクレオチドが、20個の連結ヌクレオシドからなる、態様16に記載の化合物。
[態様19]20個の連結ヌクレオシドからなり、且つ配列番号77のいずれかの等長部分に相補的な少なくとも8個の隣接核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、
10個の連結デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる5’ウイングセグメントと、
5個の連結ヌクレオシドからなる3’ウイングセグメントと
を含み、
前記ギャップセグメントが、前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、それぞれのウイングセグメントのそれぞれのヌクレオシドが、2’−O−メトキシエチル糖を含み、それぞれのヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエート連結であり、それぞれのシトシン残基が、5−メチルシトシンである、化合物。
[態様20]以下の式:Ges Ges Aes mCes Aes Tds Tds Gds mCds mCds Ads Gds Tds Ads Ads Tes mCes Ges mCes Ae[式中、
A=アデニンであり、
mC=5’−メチルシトシンであり、
G=グアニンであり、
T=チミンであり、
e=2’−O−メトキシエチル修飾ヌクレオシドであり、
d=2’−デオキシヌクレオシドであり、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である]
による修飾オリゴヌクレオチド。
[態様21]以下の式による修飾オリゴヌクレオチド。
【化19】
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[態様22]態様1〜21のいずれか一に記載の化合物もしくは修飾オリゴヌクレオチド、またはその塩、及び薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、組成物。
[態様23]療法に使用される、態様1〜22のいずれか一に記載の化合物または修飾オリゴヌクレオチド。
[態様24]ANGPTL3の上昇に関連する疾患の治療、予防、または進行の緩徐に使用される、態様19、20または21に記載の化合物または修飾オリゴヌクレオチド。
[態様25]前記疾患が、心血管及び/または代謝の疾患、障害、または状態である、態様19、20または21に記載の化合物または修飾オリゴヌクレオチド。