特許第6644030号(P6644030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6644030商品配送用梱包物及び商品配送用梱包方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644030
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】商品配送用梱包物及び商品配送用梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20200130BHJP
   B42D 11/00 20060101ALI20200130BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20200130BHJP
   B65D 25/34 20060101ALI20200130BHJP
   B65D 27/00 20060101ALN20200130BHJP
【FI】
   B65D25/20 Q
   B42D11/00 E
   B65G61/00 524
   B65D25/34 A
   !B65D27/00 B
   !B65D27/00 T
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-146572(P2017-146572)
(22)【出願日】2017年7月28日
(65)【公開番号】特開2019-26312(P2019-26312A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2019年3月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500183607
【氏名又は名称】藤沢 和則
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100069420
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 武
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 和則
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−103472(JP,U)
【文献】 特開2003−095413(JP,A)
【文献】 特開2006−160324(JP,A)
【文献】 特開2007−308531(JP,A)
【文献】 特開2002−046714(JP,A)
【文献】 特開平08−256817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20−27/00
B42D 11/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照合用情報を符号化した符号コードが表示された符号コード表示部と、届け先情報を文字により表示した届け先情報表示部と、配送商品の商品情報を文字により表示した商品情報表示部とが印刷されることにより納品伝票が形成され、前記納品伝票を商品の梱包材にセットする梱包物であって、
前記納品伝票における前記届け先情報表示部及び前記商品情報表示部が前記梱包材の内部に入れられる一方、前記納品伝票における前記符号コード表示部が前記梱包材の外部に引き出されて前記梱包材の外面に止着されることにより、届け先情報を有する単独の配送伝票が省略されることを特徴とする商品配送用梱包物。
【請求項2】
照合用情報を符号化した符号コードが表示された符号コード表示部と、届け先情報を文字により表示した届け先情報表示部と、配送商品の商品情報を文字により表示した商品情報表示部とが印刷されることにより納品伝票が形成され、前記納品伝票を商品の梱包材にセットする梱包物であって、
前記納品伝票中の前記商品情報表示部が前記梱包材の内部に入れられる一方、前記納品伝票中の前記符号コード表示部及び前記届け先情報表示部が前記梱包材の外部に引き出されて梱包材の外面に止着されることにより、届け先情報を有する単独の配送伝票が省略されることを特徴とする商品配送用梱包物。
【請求項3】
前記納品伝票を梱包材にセットした状態に対し、梱包材の全体を透明シートにより包むことにより、梱包材の外部の表示部が梱包材の外面に止着されることを特徴とする請求項1又は2記載の商品配送用梱包物。
【請求項4】
商品注文が確定したとき、届け先情報及び商品情報を含む注文情報を登録すると共に前記注文情報と紐付けされた照合用情報を符号化し、符号化した符号コードを登録する登録ステップと、
伝票紙に対し、前記届け先情報及び商品情報を文字により印刷して届け先情報表示部及び商品情報表示部を形成すると共に前記符号コードを印刷して符号コード表示部を形成することにより納品伝票を発行する発行ステップと、
商品を梱包材に梱包する際に、前記納品伝票における前記届け先情報表示部及び商品情報表示部を梱包材の内部に入れた状態で、前記納品伝票における前記符号コード表示部を前記梱包材の外部に引き出して前記梱包材の外面に止着する止着ステップと、を備えていることにより、届け先情報を有する単独の配送伝票が省略されることを特徴とする商品配送用梱包方法。
【請求項5】
商品注文が確定したとき、届け先情報及び商品情報を含む注文情報を登録すると共に前記注文情報と紐付けされた照合用情報を符号化し、符号化した符号コードを登録する登録ステップと、
伝票紙に対し、前記届け先情報及び商品情報を文字により印刷して届け先情報表示部及び商品情報表示部を形成すると共に前記符号コードを印刷して符号コード表示部を形成することにより納品伝票を発行する発行ステップと、
品を梱包材に梱包する際に、前記納品伝票における前記商品情報表示部を梱包材の内部に入れた状態で、前記納品伝票における前記符号コード表示部及び前記届け先情報表示部を梱包材の外部に引き出して梱包材の外面に止着する止着ステップと、を備えていることにより、届け先情報を有する単独の配送伝票が省略されることを特徴とする商品配送用梱包方法。
【請求項6】
前記止着ステップでは、前記納品伝票を梱包材にセットした状態に対し、梱包材の全体を透明シートにより包むことにより、梱包材の外部の表示部を梱包材の外面に止着することを特徴とする請求項4又は5記載の商品配送用梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メール便や宅配便に用いられる商品配送用梱包物及びこの梱包物を作成するための商品配送用梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
宅配便やメール便においては、商品注文があり、届け先の指定、注文商品の指定さらには商品代金の決済等の処理が終了すると商品注文が確定する。これにより商品の配送元では、納品伝票及び配送伝票を作成すると共に注文商品をピッキングする。納品伝票は配送商品の確認を届け先側が確認するための伝票、配送伝票は配送業者が届け先を把握するための伝票である。
【0003】
宅配便では、商品を梱包する際に納品伝票を商品と共に梱包材の中に入れて梱包材を閉じる。一方、配送伝票は梱包材の外面に貼り付けられる。配送伝票は、配送業者が届け先や配送商品を確認するための伝票であり、例えば、特許文献1に記載されるように、受領押印や受領サインのための配達票と、届け先の住所や氏名、配送商品の商品名、数量、価格等の配送情報が印刷された貼付票とが一の伝票紙に設けられた構成となっている。この配送伝票は例えば、特許文献2に記載されるように、梱包材(段ボール箱)の上面に貼り付けられて商品配送に用いられる。
【0004】
メール便は、商品の梱包物を届け先まで移送し、届け先のポストに投函して配送がなされるものであり、受領印や受領サインをもらうことなく配送が行われる。このメール便においても、納品伝票が梱包材の中に入れられると共に、宅配便と同様に届け先の住所や氏名、郵便番号などが印刷された宛名ラベルが梱包材の外面に貼り付けられて配送が行われる。メール便の宛名ラベルとしては、例えば、特許文献3の図1及び図4に記載の帳票を使用することができる。
【0005】
以上のように宅配便やメール便では、商品の梱包材の中に納品伝票が入れられる一方、届け先を表示した配送伝票や宛名ラベルを梱包材の外面に貼り付けることがなされている。従って、従来では、商品配送に際して納品伝票に加えて配送伝票や宛名ラベルが必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-206621号公報
【特許文献2】特開2017-88218号公報
【特許文献3】特開2009-234047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
納品伝票と配送伝票や宛名ラベルとの間では、届け先に関する情報及び配送商品に関する情報が共に印刷されることから重複した情報が梱包材の内外でセットされている。これにより、伝票の数が多くなる問題がある。
又、梱包材の外面に貼り付けられる配送伝票や宛名ラベルは梱包材中の商品や商品の届け先と一致したものを準備する必要があるが、配送業界では数多くの商品や数多くの届け先を取り扱うことから、配送伝票を取り違う事故が多々発生している。
【0008】
以上のことを鑑みて、納品伝票又は配送伝票や宛名ラベルの2種類の伝票から一方の伝票を削減し、残りの伝票によって双方の機能を持たせることができる場合には、伝票の種類や数を削減できるため、印刷の手間や梱包材のセットの手間を少なくすることができるばかりでなく、伝票材料の消費量を削減することができる。又、伝票の取り違い等の事故も防止することができる。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、納品伝票に配送伝票や宛名ラベルの機能を持たせることにより配送伝票や宛名ラベルを省略することを可能とした商品配送用梱包物及びその作成のための商品配送用梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の商品配送用梱包物は、照合用情報を符号化した符号コードが表示された符号コード表示部と、届け先情報を文字により表示した届け先情報表示部と、配送商品の商品情報を文字により表示した商品情報表示部とが並べられることにより納品伝票が形成され、この納品伝票を商品の梱包材にセットする梱包物であって、前記届け先情報表示部及び前記商品情報表示部が前記梱包材の内部に入れられる一方、前記符号表示部が前記梱包材の外部に引き出されて梱包材の外面に止着されていることを特徴とする。
【0011】
又、本発明の別の商品配送用梱包物は、照合用情報を符号化した符号コードが表示された符号コード表示部と、届け先情報を文字により表示した届け先情報表示部と、配送商品の商品情報を文字により表示した商品情報表示部とが並べられることにより納品伝票が形成され、この納品伝票を商品の梱包材にセットする梱包物であって、前記商品情報表示部が前記梱包材の内部に入れられる一方、前記符号コード表示部及び前記届け先情報表示部が前記梱包材の外部に引き出されて梱包材の外面に止着されていることを特徴とする。
【0012】
以上の梱包物においては、前記納品伝票を梱包材にセットした状態に対し、梱包材の全体を透明シートにより包むことにより、梱包材の外部の表示部が梱包材の外面に止着されることを特徴とする。
【0013】
本発明の商品配送用梱包方法は、商品注文が確定したとき、届け先情報及び商品情報を含む注文情報を登録すると共に前記注文情報と紐付けされた照合用情報を符号化し、符号化した符号コードを登録する登録ステップと、伝票紙に対し、前記届け先情報及び商品情報を文字により印刷して届け先情報表示部及び商品情報表示部を形成すると共に前記符号コードを印刷して符号コード表示部を形成することにより納品伝票を発行する発行ステップと、商品を梱包材に梱包する際に、前記届け先情報表示部及び商品情報表示部を梱包材の内部に入れた状態で前記符号コード表示部を梱包材の外部に引き出して梱包材の外面に止着する止着ステップと、を備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の別の商品配送用梱包方法は、商品注文が確定したとき、届け先情報及び商品情報を含む注文情報を登録すると共に前記注文情報と紐付けされた照合用情報を符号化し、符号化した符号コードを登録する登録ステップと、伝票紙に対し、前記届け先情報及び商品情報を文字により印刷して届け先情報表示部及び商品情報表示部を形成すると共に前記符号コードを印刷して符号コード表示部を形成することにより納品伝票を発行する発行ステップと、品を梱包材に梱包する際に、前記商品情報表示部を梱包材の内部に入れた状態で前記符号コード表示部及び前記届け先情報表示部を梱包材の外部に引き出して梱包材の外面に止着する止着ステップと、を備えていることを特徴とする。
【0015】
以上の梱包方法においては、前記止着ステップでは、納品伝票を梱包材にセットした状態に対し、梱包材の全体を透明シートにより包むことにより、梱包材の外部の表示部を梱包材の外面に止着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、納品伝票における符号コード表示部又は/及び届け先情報表示部を梱包材の外面に露出させ、これらを読み取って届け先情報を得るため、納品伝票だけで商品配送を行うことができる。このため、配送伝票や宛名ラベル等の納品伝票以外の伝票が不要となる。これにより、伝票の種類や数を削減することができる。又、伝票印刷の手間や伝票の梱包材へのセットの手間を削減することができる。さらには、複数種類の伝票を用いないため、伝票の取り違いも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】納品伝票の正面図である。
図2】梱包材に商品をセットした状態を示す斜視図である。
図3】梱包材に納品伝票をセットした状態を示す斜視図である。
図4】納品伝票を折って梱包材の外面に位置させた状態を示す斜視図である。
図5】透明シートにより梱包材を包んだ状態を示す斜視図である。
図6】商品配送用梱包物を作成するためのシステムを示すブロック図である。
図7】商品配送用梱包物を作成するためのフローチャートである。
図8】本発明の別の実施形態の商品配送用梱包物を示す斜視図である。
図9】本発明のさらに別の実施形態であり、梱包材に納品伝票をセットした状態を示す斜視図である。
図10図9に続いて納品伝票を梱包材の外面に位置させた状態を示す斜視図である。
図11図10に続いて梱包材を透明シートにより包んだ状態を示す斜視図である。
図12】本発明の又、さらに別の実施形態の商品配送用梱包物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。図1は本発明に用いる納品伝票2を示し、図2図5はこの実施形態の商品配送用梱包物1を作成する手順を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように納品伝票2は、上段の符号コード表示部5と、中段の届け先情報表示部8と、下段の商品情報表示部9とが伝票紙6の上下方向に並べられることにより形成されている。
中段の届け先情報表示部8は、住所、氏名、郵便番号、電話番号、メールアドレス等の商品配送先に関する情報であり、図示例では、文字「BBBBB」からなる届け先の氏名、文字「CCCCC CCC」からなる届け先の住所、文字「DDDDD」からなる配送依頼元が3段となって表示されている。
下段の商品情報表示部9は、商品名、価格、数量等の配送商品に関する情報であり、図示例では、文字「EEE」からなる商品コード、文字「FFFFF」からなる商品名、例えば文字「1」からなる数量が一行で表示されている。なお、商品情報表示部9の下部には、例えば文字「GGGGG」からなる商品販売業者表示部10が表示されている。
【0020】
納品伝票2上部の符号コード表示部5には、バーコード11が印刷されることにより表示されている。バーコード11は上述した届け先情報や商品情報を含む注文情報と紐付けされた(すなわち関連付けられた)照合用情報をコード変換して符号化することにより作成された符号コードである。照合用情報としては、数字やアルファベット、記号等の組み合わせによる簡単な表示態様とすることができる。以下、符号コード11をバーコード11として説明する。かかるバーコード11はスキャナ等の読取手段によって読み取られた後、照合用情報にデコードされる。このデコードされた照合用情報と後述する注文情報とが照合され、注文情報から届け先情報及び商品情報が取り出される。
【0021】
この納品伝票2では、バーコード11の隣接位置にQRコード(登録商標)からなる二次元コード12が印刷されている。二次元コード12はバーコード11と同様の照合用情報をマトリックス状に符号化したものである。従って、バーコード11に代えて二次元コード12を読み取って照合用情報に変換することも可能である。
なお、符号13はバーコード11よりも上段部分に印刷された商品販売業者のURLである。
【0022】
この実施形態において、以上の納品伝票2は後述するように、商品梱包の際に届け先情報表示部8及び商品情報表示部9が梱包材4の内部に入れられる一方、符号コード表示部5が梱包材4の外部に引き出されて梱包材4の外面に止着される(図3図5参照)。
【0023】
図2図5は、商品配送用梱包物1を作成する手順を示す。商品22は梱包材4内に収納されて梱包される。
梱包材4は段ボール紙を材料とするものであり、図2に示すように、2つの幅広のメインフラップ23、24が連結片25によって連設されている。連結片25を除くメインフラップ23、24の3周囲には閉じ片26がそれぞれ連設されている。この実施形態の梱包材4は比較的扁平な商品22を収容して梱包するものであり、商品22の梱包後は扁平な梱包形態となる。まず、図2に示すように、展開状態の梱包材4に対し、商品22をセットする。
【0024】
次に、図3に示すように、納品伝票2を梱包材4にセットする。納品伝票2は届け先情報表示部8及び商品情報表示部9が梱包材4の内部に挿入される一方、バーコード11が表示された符号コード表示部5が梱包材4の外部に引き出された状態となるように梱包材4にセットされる。そして、梱包材4から引き出された符号コード表示部5は梱包材4の外側方向(矢印X方向)に折られる。
【0025】
図4図3に続いた操作状態を示し、2つのメインフラップ23、24を突き合わせると共に、周囲の閉じ片26を閉止して梱包材4を閉じて封緘する。このとき、梱包材4の外側に引き出された符号コード表示部5はメインフラップ24側に折られることにより梱包材4から露出している。
【0026】
次に、図5に示すように、閉じた梱包材4の全体を熱収縮性フィルム等のフィルム状の透明シート27によって包む。透明シート27によって包むことにより、梱包材4の外部に引き出されている符号コード表示部5が透明シート27によって押さえ付けられるため、符号コード表示部5が浮き上がることなく梱包材4の外面に止着される。これにより、透明シート27を通した符号コード表示部5の読み取りを円滑に行うことができる。
図5の状態とすることにより商品配送用梱包物1となり、後述するように、この梱包物1の外面に露出している符号コード表示部5に基づいて商品の配送が行われる。
【0027】
なお、符号コード表示部5の裏面に粘着剤を塗布したり、両面粘着テープを貼り付け、これらを介して符号コード表示部5を梱包材4の外面に止着しても良い。この場合は、透明シート27によって梱包材4を包むことなく符号コード表示部5を梱包材4に止着することができる。図5の状態とすることにより商品配送用梱包物1が作成される。
【0028】
図6は、納品伝票2を発行するシステムのハードウエア構成を示す。キーボード、マウス等の入力手段30と、データを表示するディスプレイ31と、伝票を印刷して発行するプリンタ32と、スキャナやハンディスキャナ等の読取手段33と、制御手段34と、データベース35とがバス41によって接続されている。
【0029】
データベース35は届け先データベース36、商品データベース37、伝票データベース38、注文情報データベース39、照合用情報データベース40、その他のデータベースを備えている。
【0030】
届け先データベース36は商品受取人(届け先)の氏名、住所、電話番号、郵便番号、メールアドレス、その他の届け先情報を識別番号と共に格納する。商品データベース37は取り扱い商品の商品名、価格、残量などの商品情報を商品コードと共に格納する。伝票データベース38は発行した納品伝票を種別や伝票コード毎に格納する。注文情報データベース39は注文が確定した商品の商品名、数量、価格等の配送商品に関する商品情報及び商品の届け先の住所、氏名等の届け先情報、その他の付帯情報を格納する。照合用情報データベース40は符号化するための照合用情報を格納する。かかる照合用情報は注文情報データベース39の注文情報と紐付け(関連付け)されて照合用情報データベース40に格納されるものである。
【0031】
制御手段34は入力手段30、ディスプレイ31、プリンタ32、読取手段33の動作を制御する。又、制御手段34は照合用情報をバーコードに符号化したり、照合用情報と注文情報との照合を行う。符号化された照合用情報はプリンタ32によりバーコード11として納品伝票2に印刷される。
制御手段34はスキャナ等の読取手段33が読み取った納品伝票2のバーコード11をデコードして照合用情報とする。そして、制御手段34はこの照合用情報と、注文情報データベース39とを照合し、照合した注文情報における届け先情報及び商品情報をディスプレイ31に出力し、ディスプレイ31は届け先情報及び商品情報を文字表示する。
【0032】
この実施形態の商品配送用梱包物1の梱包方法は、次のような手順で行われる。すなわち、商品注文が確定したとき、届け先情報及び商品情報を含む注文情報を登録すると共に注文情報と紐付けされた照合用情報を符号化し、符号化した符号コードを登録する登録ステップと、伝票紙6に対し、届け先情報及び商品情報を文字により印刷して届け先情報表示部8及び商品情報表示部9を形成すると共に符号コードを印刷して符号コード表示部5を形成することにより納品伝票2を発行する発行ステップと、 商品22を梱包材4に梱包する際に、届け先情報表示部8及び商品情報表示部9を梱包材4の内部に入れた状態で符号コード表示部5を梱包材4の外部に引き出して梱包材4の外面に止着する止着ステップと、を備える。
【0033】
以下、図7のフローチャートにより、この実施形態の梱包手順を説明する。
【0034】
ステップS1においては、ネット、電話等の通信手段によって商品の注文が行われる。商品の注文では届け先(届け先情報)の確認、商品や数量(商品情報)の確認や支払方法の確認が行われることにより注文が確定する(ステップS2)。この実施形態において、届け先情報及び商品情報が注文情報となり、この注文情報が注文データベース39に登録されて格納される(ステップS3)。
【0035】
注文情報の確定の後、注文商品のピッキングが行われる(ステップS4)。一方、注文情報に対応するように紐付けされた照合用情報を作成し、この照合用情報と照合用情報を符号化したバーコード11とを関連付けて照合用情報データベース40に登録する(ステップS5)。
【0036】
ピッキングされた商品は物流センタ等が備えるコンベアへ投入され、コンベアによる移動に沿って以下の処理が行われる。まず、伝票紙6に対し、届け先情報及び商品情報及びバーコード11に基づいて印刷を行って納品伝票2を発行する(ステップS6)。
【0037】
その後、商品22及び納品伝票2を梱包材4にセットする(ステップS7)。このとき、図3に示すように、納品伝票2における届け先情報表示部8及び商品情報表示部9を梱包材4の内部に入れる一方、符号コード表示部5を梱包材4の外部に引き出し(ステップS7−1)、引き出した符号コード表示部5を折って梱包材4の外面に位置させる。そして、透明シート27によって梱包材4の全体を包んで梱包材4を封緘する(ステップS8)。この封緘によって符号コード表示部5が浮き上がることなく梱包材4の外面に止着される(図5参照)。その後、商品の発送が行われる(ステップS8)。
【0038】
封緘された梱包材4の外面には符号コード表示部5が露出しており、配送業者はこの符号コード表示部5を読み出して商品配送用梱包物1を配送する。この実施形態においては、商品販売業者が自社便によって商品を配送する場合に適するものである。自社便の配達員は、会社からハンディスキャナが支給されている。このハンディスキャナには、バーコード11の照合用情報が注文情報と紐付けされて記録されている。自社便の配達員が梱包材4の外面の符号コード表示部5を読み取ることにより、ハンディスキャナはバーコード11の照合用情報を注文情報と照合する。そして、照合した注文情報から届け先情報及び商品情報を読み出し、ハンディスキャナのディスプレイに表示する。これにより、自社便の配達員は符号コード表示部5だけに基づいて商品の配送を行うことができる。なお、商品配送を社外の配送業者に委託する場合においても、上述したハンディスキャナと同等の機能を備えたスキャナを使用することにより社外の配送業者も符号コード表示部5の読み取りだけに基づいた商品配送を行うことができるものである。
【0039】
このような実施形態では、納品伝票2におけるバーコード11(符号コード表示部5)を梱包材4の外面に露出させ、このバーコード11を読み取って照合用情報と照合した届け先情報(及び商品情報)を得るため、納品伝票2だけで商品配送を行うことができる。このため、配送伝票や宛名ラベル等の納品伝票2以外の伝票が不要となる。これにより、伝票の種類や数を削減することができる。又、伝票印刷の手間や伝票の梱包材へのセットの手間を削減することができる。さらには、複数種類の伝票を用いないため、伝票の取り違いも防止することができる。
【0040】
図8は本発明の別の実施形態の商品配送用梱包物1Aを示す。この商品配送用梱包物1Aは、商品を収納する梱包体として段ボール箱43を用いるものであり、その他の構成は図1図5で説明した商品配送用梱包物1と同様である。
【0041】
図8に示す商品配送用梱包物1Aにおいては、商品22及び納品伝票2における届け先情報表示部8及び商品情報表示部9が箱本体44の内部にセットされる一方、納品伝票2における符号コード表示部5は箱本体44から引き出されて天面フラップ45から露出している。従って、符号コード表示部5を読み取ることにより梱包物1の配送を行うことができる。
【0042】
従って、この実施形態の商品配送用梱包物1Aにおいても、納品伝票2を読み取るだけで商品配送を行うことができるため、配送伝票や宛名ラベル等の納品伝票2以外の伝票が不要となり、伝票の種類や数を削減することができる。又、伝票印刷の手間や伝票の梱包材へのセットの手間を削減することができ、さらには、複数種類の伝票を用いないため、伝票の取り違いも防止することも可能となる。
【0043】
図9図11は本発明のさらに別の実施形態の商品配送用梱包物1Bの作成手順を示す。図9図3に、図10図4に、図11図5に対応している。この実施形態においても、納品伝票2だけを用いて商品配送用梱包物1Bとするものである。
【0044】
図9に示すように、梱包材4に対して納品伝票2をセットするとき、商品情報表示部9を梱包材4の内部に入れる一方、符号コード表示部5及び届け先情報表示部8を梱包材4の外部に引き出す。そして、梱包材4から引き出した符号コード表示部5及び届け先情報表示部8を梱包材4の外側方向(矢印X方向)に折る。
【0045】
その後、図10に示すように、梱包材4のメインフラップ23、24を突き合わせ、閉じ片26を閉止して梱包材4を封緘する。このとき、梱包材4の外側に引き出されている符号コード表示部5及び届け先情報表示部8はメインフラップ24側に折られることにより梱包材4から露出する。
【0046】
図11は封緘した梱包材4の全体を透明シート27によって包むことにより、この実施形態の商品配送用梱包物1Bとした状態を示す。透明シート27によって包むことにより梱包材4の外部に引き出されている符号コード表示部5及び文字印刷された届け先情報表示部8を確実に読み取ることができる。
【0047】
この実施形態の商品配送用梱包物1Bにおいては、符号コード表示部5のバーコード11をハンディスキャナ等によって読み取り、バーコード11の照合用情報に対応した届け先情報及び商品情報を取得することができ、この場合は、上述と同様に自社便の配達員による配送に適用することができる。
これに加えて、外部の配送業者においては、文字印刷されている届け先情報表示部8が梱包材4の外面に表示されているため、この届け先情報表示部8を見て配送を行うことができる。
【0048】
この実施形態においても、納品伝票2における符号コード表示部5(バーコード11)及び届け先情報表示部8を梱包材4の外面に露出させており、符号コード表示部5及び/又は届け先情報表示部8によって届け先情報を得るため、納品伝票2だけで商品配送を行うことができる。従って、配送伝票や宛名ラベル等の納品伝票2以外の伝票が不要となり、伝票の種類や数を削減することができる。又、伝票印刷の手間や伝票の梱包材へのセットの手間を削減することができ、さらには、複数種類の伝票を用いないため、伝票の取り違いも防止することもできる。
【0049】
図8は本発明の又、さらに別の実施形態の商品配送用梱包物1Cを示す。商品配送用梱包物1Cは、商品を収納する梱包体として図8の実施形態と同様に段ボール箱43を用いる。
【0050】
商品配送用梱包物1Cにおいては、納品伝票2における商品情報表示部9が箱本体44の内部にセットされる一方、納品伝票2における符号コード表示部5及び届け先情報表示部8が箱本体44から引き出されて天面フラップ45から露出している。従って、符号コード表示部5及び/又は届け先情報表示部8を読み取ることにより梱包物1の配送を行うことができる。
【0051】
従って、納品伝票2を読み取るだけで商品配送を行うことができるため、配送伝票や宛名ラベル等の納品伝票2以外の伝票が不要となり、伝票の種類や数を削減することができる。又、伝票印刷の手間や伝票の梱包材へのセットの手間を削減することができ、さらには、複数種類の伝票を用いないため、伝票の取り違いも防止することも可能となる。
【符号の説明】
【0052】
1、1A、1B、1C 商品配送用梱包物
2 納品伝票
4 梱包材
5 符号コード表示部
6 伝票紙
8 届け先情報表示部
9 商品情報表示部
11 バーコード
12 二次元コード
22 商品
27 透明シート
43 段ボール箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11
図12