【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様により、本発明は、少なくとも2つの異なる食品又は飲料原材料が保存され、かつ水が内側に導入されると飲料が生成される内容積部を備えるパックであって、
この内容積部は、縁部において互いに接合された複数のシート材料によって画定され、内容積部は、飲料生成中に垂直にされる平面(P)を画定するほぼ平坦な形状を有し、
パックは、内容積部に水を導入するための少なくとも1つの入口と、内容積部から飲料を供給するための少なくとも1つの出口とを備え、水入口及び飲料出口は、パックの底部に配置され、シート材料の接合された2つの縁部の間に少なくとも部分的に配置され、
内容積部は複数の区画を含み、この区画は、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部によって分離されており、
水入口及び水出口は、これら両方が同じ区画内における流体連通を確立するように、シート材料の接合された2つの縁部の間に配置されている、パックに関する。
【0011】
好ましくはパックは、内容積部を画定するために互いに接合された2枚のシートを含む。結果として、パックは、パウチ又はサッシェのように見える。シートは好ましくは可撓性水不透過性シートである。したがって、パック自体は実質的に可撓性である。可撓性とは、シートが容易に曲げられることを意味する。生じたパックも曲げることができる。パックは柔軟であり、剛性の容器とは異なり変形させることができる。可撓性シート材料は、プラスチックラミネート、金属化ホイル、若しくはalufoil、又は繊維の基本材料であり得る。本発明により、2枚のシートは、半分に折られてその自由縁部で接合された単一のシートで形成されてもよい。
【0012】
パックは、飲料生成中に本質的に垂直にされる、ほぼ平坦な形状を有している。
【0013】
特定の実施形態により、パックは、特に内容積部の大きさを増加させるために、3枚以上のシートを含む場合がある。内容積部及び、平面(P)に従うほぼ平坦な形状を画定する、2枚の第1のシートに、他のシートが接合されてもよく、これらの他のシートは内容積部においてドイパック形状を形成する。このような特定の実施形態において、水入口及び飲料出口が、パックのほぼ平坦な形状(P)を画定する、材料の2枚の第1シートの、接合された2つの縁部の間に少なくとも部分的に配置されている。
【0014】
内部では、飲料出口は好ましくは、これが開くと飲料がフリーフローとして供給されるように、構成されている。飲料は、単純な自然落下によって出口から流れることができる。チューブが、内容積部と外側との間の連通を形成する。本発明のパックの出口の利点は、飲料が生成されるときに、例えば、供給される飲料の流れを出口で方向付けるなど、飲料出口と飲料マシンとの間に特別な接続部を設ける必要がないことである。飲料は、パック飲料出口から飲用コップへと直接流れてもよい。
【0015】
パックは、内容積部に水を導入するための少なくとも1つの入口と、内容積部から飲料を供給するための少なくとも1つの出口とを含み、水入口及び飲料出口は、パックの底部に配置され、シート材料の接合された2つの縁部の間に少なくとも部分的に配置され、水入口の外側端部は、内容積部により画定される平面(P)に対し本質的に垂直であり、飲料出口は、内容積部から本質的に垂直に延びるチューブである。
【0016】
この構成により、水入口及び飲料出口は、互いに本質的に垂直に向けられている。したがって、入口及び出口は、パックの異なる側部にある。この構成は、飲料出口により分配される飲料で水入口内に水を導入するための手段が汚染されるリスクを制限する。
【0017】
本発明において、入口及び出口は、1つの単一挿入体に作製されてもよく、又はパック内に別個に配置された2つの別個の挿入体であってもよい。
【0018】
本発明において、挿入体は好ましくは剛性である。好ましくは挿入体は、剛性プラスチック材料から作製されている。このプラスチック材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリ乳酸の中から選択され得る。それほど好ましくない実施形態において、挿入体は、アルミニウム、又はブリキなどの金属から作製されてもよい。挿入体は、射出成形されてもよい。
【0019】
好ましい実施形態により、水入口が内容積部を画定する1つのシート材料によって閉じられるように、水入口を含む挿入体がシート材料の底部の接合された縁部内に配置される。
【0020】
別のそれほど好ましくない実施形態において、水入口挿入体が、内容積部を画定する1つのシート材料によって閉じられないように、底部の接合された縁部内に配置されてもよい。この場合において、水入口挿入体は、シート材料の接合された2つの縁部の間に部分的にのみ配置されている。
【0021】
一般的に、飲料出口を含む挿入体は、飲料出口の外側端部がシート材料の底部の接合された縁部の下に配置されるように、シート材料の底部の接合された縁部に配置される。好ましくは飲料出口は、シートによって被覆されない。またこれは、シートの一部により、例えば、シートのスカートにより見えないようになっていてもよい。
【0022】
好ましい実施形態において、パックは水入口と飲料出口とを含む1つの単一挿入体を含み、この単一挿入体は、パックの底部に配置され、かつシート材料の接合された2つの縁部の間に部分的に配置される。
【0023】
好ましくは、単一挿入体は、水入口が内容積部を画定する1つのシート材料によって閉じられるように、底部の接合された縁部内に配置される。飲料出口の外側端部は、シート材料の底部の接合された縁部の下に配置される。
【0024】
それほど好ましくないが、水入口が内容積部を画定する1つのシート材料によって閉じられないように、単一挿入体は底部の接合された縁部内に配置することができる。この場合において、挿入体は、シート材料の接合された2つの縁部の間に部分的にのみ配置されている。
【0025】
一般的に、単一挿入体は、パックの底部の中央、又はその付近に配置される。これはまた、パックが角部を有するときは、角部に配置されてもよい。
【0026】
パック内において、パックの水入口及び飲料出口は両方とも、同じ単一挿入体に同時に含まれる。この機構は、水入口及び飲料出口が、パック内の同じ挿入体部品の一部であるということを含む。更にこの挿入体は、パックを製造するために完全な部品が使用される前の、いくつかの部品の協働により生じてもよい。特に、パックを製造するために単一挿入体が使用される前に、異なる部品が一緒に取り付けられて(例えば、留められて)、最終的な単一挿入体を形成することができる。
【0027】
好ましくはパックの単一挿入体が、飲料生成マシンのパック受容領域と協働するための形状を有する。特にこれは、アイロン形状(iron shape)など飲料生成マシンの受容領域のスロット内で摺動するように構成された形状を有し得る。
【0028】
1つの好ましい形態により、パックは1枚の可撓性材料シートのみにより作製されてもよく、このシートは、内容積部を画定するように、パックの上部で折りたたまれ、その縁部において結合され、底部の接合された縁部は挿入体を含む。この実施形態は、パックを製造するために特に容易な方法を構成するが、これは、食品又は飲料原材料のための内容積部を形成するために、1枚のシートのみを切断し(最も好ましくは矩形の形状で)、折りたたむことを必要としているためである。挿入体(単数又は複数)は、縁部を封止する間に、底縁部に導入され得る。
【0029】
より好ましくない形態では、パックは、2枚の可撓性材料シートから作製されてもよく、このシートは内容積部を画定するためにその縁部で結合され、底部で接合された縁部は挿入体を含む。挿入体(単数又は複数)は、底縁部内に、これらの縁部を封止する間に組み込まれてもよく、パックの2つの他の側縁部は結合されてもよく、これにより内容積部が画定され、飲料原材料がこの内容積部内に導入され得る。最後に、内容積部を閉じるために、残りの縁部が結合され得る。
【0030】
挿入体(単数又は複数)は、パックの底部において、底部の両側部の間の、任意の位置に配置することができ、挿入体(単数又は複数)は、パックが全体的に矩形である場合には底部の側部、特に角部に配置されるか、又は角部の間の任意の位置に配置されてもよい。
【0031】
本発明により、パックの食品又は飲料原材料は、スープ、フルーツジュース、野菜ジュース、ブイヨン、コーヒー、チョコレート、お茶、ミルク、又はクリーマー、スムージー、ピューレ、クーリ、クリーム、又はこれらの組み合わせ、というリストを含むことができる。
【0032】
食品又は飲料原材料は、可溶性の食品又は飲料原材料であり得る。好ましくは、食品又は飲料原材料は、以下のリストから選択される可溶性の食品又は飲料原材料である:
インスタントコーヒーパウダー、ミルクパウダー、クリームパウダー、インスタントティーパウダー、ココアパウダー、スープパウダー、フルーツパウダー、又はこれらのパウダーの混合物、
コーヒー濃縮物、牛乳濃縮物、シロップ、フルーツ又は野菜濃縮物、お茶濃縮物、フルーツ又は野菜ピューレ。
【0033】
粉末は、凝集又は焼結されてもよい。粉末又は液体濃縮物は、例えば、固形の断片が入ったスープを調製するために、固形の断片と混合されてもよい。
【0034】
食品又は飲料原材料はまた、ローストして挽いたコーヒー又は茶葉など、滲出可能な食品又は飲料原材料であってもよい。この実施形態において、水は滲出可能な原材料を抽出する。
【0035】
上記のように、水入口を含む挿入体は、パックの内容積部を画定するシート材料によってパック内に包囲されている。
【0036】
それほど好ましくない実施形態において、水入口は、飲料生成中に、これがほぼ全体的に本質的に垂直にされるように、パック内に配置されてもよい。
【0037】
本発明において、水入口の外側端部は、パックの外側にある水供給部と協働する水入口チャネルの端部であり、水入口の内側端部は、パック内に水を供給する水入口チャネルの端部である。
【0038】
好ましい実施形態において、水入口の外側端部は、内容積部により画定される平面(P)に対し本質的に垂直である。したがって、水入口は、飲料生成中において、少なくとも部分的に、本質的に垂直である。
【0039】
最後の実施形態において、水入口の外側端部は好ましくはシート材料により被覆されている。結果的に、同じ1つの材料が、同時に、パックの内容積部を形成し、水入口を閉じ、かつ水路端部の外側端部を保護するために使用され得る。飲料入口をパック内に包囲することにより、水入口を閉じるための特別な膜が必要なくなる。本発明は製造が容易であり、食品及び飲料原材料、並びに生成された飲料の衛生及び貯蔵寿命の保護を保証する、パックを提示する。
【0040】
好ましくは単一挿入体は、封止中の可撓性材料シートとの接着を改善するために、その外側表面上にリブを有する。特に、水入口は、その周囲の気密性及び水密性を改善するために、隆起縁部に囲まれていてもよい。
【0041】
好ましくは、挿入体は、水入口チャネルの長手方向軸が、その内側端部において、垂直である平面Pにほとんど含まれるように構成されている。
【0042】
好ましくは、水入口は、水入口の外側端部において、水が流れる方向が、水入口の内側端部において水が流れる方向に対しほぼ垂直であるようにして、構成されている。この実施形態において、水入口の内部設計が、水入口の外側端部(パックの外側部分に面する)から、水入口の内側端部(パックの内側部分に面する)へと流れる水の流れ方向を全体的に垂直方向に変更することを可能にする。
【0043】
特定の形態において、水入口の外側端部は入口チャンバを含み、これは排出端部を含み、排出端部はパックの内容積部内の水の方向を、入口チャンバ長手方向軸に対しほぼ垂直に向けるように構成された注入穴である。好ましくは入口チャンバは、全体的に水平にされている。このチャンバは通常、水を注入するための中空の針を受容するように構成されている。これは一般的に円形の断面を有し得る。このチャンバは、中空の針の端部と、飲料原材料を保存する内容積部との間に距離を生じ、結果的に針の汚染を防ぐという、利点を有する。最も好ましくは、チャンバ排出端部は、チャンバの側壁に穿刺された穴である。
【0044】
1つの特定の実施形態により、水入口は、ジェットの形態でパックの内容積部に水を導入するように構成されている。ジェットとは、水入口から、パックの内容積部内に、力により迅速に出てくる液体の流れとして理解される。よって水入口は、パックの内容積部内に高速で水を導入するように構成されている。好ましくは水入口は、パックの内容積部に水ジェットを導入するように構成され、この水ジェットは、少なくとも約20m/s、好ましくは少なくとも30m/sの速度を有している。第1実施形態により、水入口は、飲料マシンによりパック内に導入される加圧された水を、パックの内容積部内で高速の水ジェットに変えるように構成されている。このような構成は、水入口の断面の大きさを低減するために、水入口内の水経路に狭窄部を設けることによって得られる。入口断面の小さな表面が加圧されることにより、内容積部に水ジェットを生じさせる。
【0045】
一般的に、水入口は、直径が最大1mm、好ましくは最小0.24mmである、円形表面の表面と等しい表面積を有する横断面を有する穴を含む。
【0046】
注入穴から出る水の速度は通常、導入される水の水入口における圧力に依存する。本発明では一般的に、2〜10バール、好ましくは約7バールで加圧された水とする。このような加圧された水の値において、水入口は一般的に、直径が0.2〜0.8mm、好ましくは0.3〜0.5mm、及び更により好ましくは約0.4mmである円形表面の表面と等しい表面積を有する横断面を有する注入穴を含む。
【0047】
しかしながら、水が11バールを超えて加圧される場合、水入口は好ましくは、直径が0.5〜1.5mm、好ましくは約1mmである円形表面の表面と等しい表面積を有する横断面を有する注入穴を含む。
【0048】
注入穴の小さな表面は、パックの内容積部内に含まれる液体の水入口を通じたなんらかの逆流を防ぐという利益を有する。
【0049】
同じ希釈液供給圧力において、希釈液注入穴の表面は、パック内の食品及び飲料原材料の性質に応じて変化し得る。特に、原材料を溶解させるのが困難である場合、より小さい注入穴は、より高速のジェットを生じさせ、これはパック内における撹拌及び溶解を改善する。
【0050】
好ましくは、パックは、飲料生成中に本質的に垂直にされる平面に沿った平坦な形状を有し、水入口は水のジェットを平面の方向に向ける。底部からパックへと導入される水ジェットは、円形及び/又は螺旋状に動いて、乱流、水分子と製品粒子との間の摩擦及び高接触表面を生じさせる。平均すると、水の分子はサッシェ内で、これらが飲料と共にサッシェを出るまでに、サッシェ内で数回転する。本質的に矩形であるパックの隅部に単一挿入体が配置されたパックもまた、再構成を改善し得る。
【0051】
ジェットが形成されるこの特定の実施形態は、可溶性の飲料原材料を含むパックにとって特に興味深いものである。
【0052】
別の特定の実施形態により、パック(例えば、滲出可能な原材料を含むパック)内における水ジェットの形成は望ましくない。結果として、水注入穴の大きさは、パックの内容積部におけるジェットを防ぐように構成され得る。
【0053】
本発明の好ましい実施形態により、飲料調製ステップの前には、飲料出口はその端部で閉じている。一般的に飲料出口は閉じるように製造されており、飲料生成ステップにおいて開かれるように構成されている。「閉じるように製造される」とは、飲料の出口が閉じた状態でパックが製造されることを意味する。この閉鎖は、衛生及び貯蔵寿命の保護を保証する。
【0054】
実施形態により、飲料出口は、飲料生成時に、飲料出口を開くためにそこから取り除かれるように構成されたプラグによって閉じられてもよく、プラグは、飲料出口を開いた後に、プラグがパックに取り付けられた状態を維持するための、パックに、好ましくは単一挿入体に取り付けられた結合部を含み、プラグは、シート材料の底部の結合された縁部の下に配置されている。
【0055】
飲料出口はプラグによって閉じられ、このプラグは、飲料出口を開いた後にプラグがパックに取り付けられた状態を維持するための手段を含むため、プラグは飲料の生成中に飲料の中に落ちないようになっている。プラグがパックに取り付けられた状態を維持するための手段は、通常は結合部であり、この結合部は好ましくは単一挿入体に取り付けられている。
【0056】
好ましくはプラグは、飲料出口及び水入口を含む、単一挿入体の一部である。好ましくは飲料出口は、パイプであり、このパイプとプラグとの間の接続部は、機械的脆弱性を有する。この機械的脆弱性は、これが、飲料調製マシンの飲料出口開放装置により、プラグから簡単に切断又は引き裂きできるように、狭くすることである場合がある。プラグと飲料出口パイプとの間の接続部の小さい横断面が脆弱性を形成する。結果として、プラグを引くことにより、この接続部の高さにおいて、単一挿入体を形成する材料の引き裂きが容易になる。プラグは、下方向、若しくは横方向、又はこれら両方の組み合わせで引っ張ることができる。
【0057】
好ましくは、パイプとプラグとの間の接続部は、プラグの上面より小さい断面、及び好ましくはパイプの断面よりも小さい断面を有する。プラグの上面は接続部断面より大きいため、プラグを引き裂くための把持部を有するための、又は引っ張り装置を留めるための、例えば、フォークの歯のような引き裂き装置を留めるための、表面をもたらす。
【0058】
好ましくは、飲料出口が開いた後でも、プラグがパックに取り付けられた状態を維持するための、単一挿入体に取り付けられた結合部は、曲がるように構成されている。結果的に曲げられた後に、プラグは飲料出口から離れている。好ましくは結合部は通常、プラスチックで作製されている。結合部は、これが可撓性になるように薄く作製することができる。一度プラグから取り外されると、これは、飲料調製マシンの結合部保持装置により、容易に移動させて飲料出口から離すことができる。特定の実施形態により、プラスチック製の結合部は、容易に曲げられるようにノッチを有する場合がある。よってマシンの維持装置による結合部の曲げは容易になり、結合部は、マシンの結合部保持装置によって保持されていなくても、曲がったままである。好ましくはノッチは、結合部の単一挿入体への結合点近くに配置される。
【0059】
好ましくは、結合部は、単一挿入体の一部である。好ましい実施形態において、単一挿入体は水入口、飲料出口、プラグ、及びプラグ結合部を含む。単一挿入体は好ましくは射出成形される。特に挿入体が射出成形される場合、射出成形された挿入体の設計はプラグ及び結合部を含む。水入口、飲料出口、プラグ、及び結合部を、単一片として含む挿入体の射出成形はまた、1つの材料のみの使用によっていくつかの目的を達成することを可能にする。飲料出口の外側端部を閉じるため、水入口及び飲料出口を含む挿入体を製造するためにプラスチックが使用される。
【0060】
本発明により、内容積部は複数の区画を含み、区画は、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部によって分離されており、水入口及び水出口は、これら両方が、同じ区画内における流体連通を確立するように、シート材料の接合された2つの縁部の間に配置されている。
【0061】
一般的に、本発明のパックは2つの区画を含む。更に、本発明によるパックは、3つ以上の区画を備えるように設計された内容積部を有し得る。
【0062】
通常、区画の少なくとも2つが、異なる飲料原材料を含む。好ましくは、2つの隣接する区画は異なる飲料原材料を含む。
【0063】
水入口及び水出口は両方とも、同じ区画を画定する縁部内に配置される。したがって、明示されないものの、パックが使用される前には、パックの他の区画には入口及び出口が存在しない。
【0064】
水入口及び水出口は、飲料を生成するために、水と混合され、パックから最初に分配されるべき原材料を含む区画との流体連通を形成する。
【0065】
第1の形態により、内容積部は複数の区画を含み、区画は、シート材料の接合された縁部の2つの部分の間で内容積部を横切る少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部によって分離されている。
【0066】
第1の形態において、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部は、真っ直ぐ若しくは湾曲した、又は部分的に真っ直ぐ若しくは湾曲した異なる設計を有し得る。少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部の設計は、パックが使用されるときに垂直又は水平にされる、内容積部、及び比較的正方形状の区画を分離する直線であり得る。少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部の設計は、半円又はジグザグであり得る。結合部の設計は、内部に保存される飲料原材料の分量によるか、又はパックの結合部を形成する際の困難さによるものであり得る。結合部の設計はまた、区画内の飲料の調製を改善するか、又は結合部の分離を容易にするように構成することができる。
【0067】
1つの第2の形態により、区画の少なくとも1つは挿入体であり、この挿入体は内容積部内で自由に移動可能である。
【0068】
この形態において、シート材料の結合された縁部によって画定される内容積部は、第2区画を形成する挿入体を包囲する。この第2区画は、第3区画を形成する第2挿入体を囲むことができる。
【0069】
区画内に保存された原材料の性質、及びパックから生成される飲料の種類によって、解放可能又は分離可能な結合部は異なる性質を有し得る。
【0070】
一実施形態により、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部は、水溶性材料から作製することができる。通常、このような結合部は、シートのうちの少なくとも1枚の内面上に配置された水溶性及び可食フィルムから作製され、これによりシートの向かい合う2つの表面が互いに取り付けられる。このようなフィルムは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、クエン酸、及び食品用改質デンプンから作製することができる。
【0071】
このような結合部は、結合部によって分離された区画内に、粉末原材料を保存するために便利である。好ましくは、このような結合部は水を含有する液体原材料を保存するために使用されない(このような内容物では水が結合部を溶解させてしまう)。しかし、油、香油などの液体は、このような結合部を含むパック内に保存され得る。例えば、1重量%未満の水を含む液体又はペーストも、保存することができる。
【0072】
別の実施形態により、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部は、結合部にかかる圧力で破断するように構成され得る。
【0073】
結合部にかかる圧力は、第1区画内に導入されて増加する水の圧力によるものであり得る。結合部は強制的に引き離されて、区画の内面を分離させるか又は破裂させ、分離されている原材料を互いに混合させるか、又は第2区画内に水を流入させる。
【0074】
結合部への圧力は、パックが飲料調製マシン内に導入される前に、例えば、結合部周囲のシートを引くことによって、消費者がかけることができる。結合部への圧力は、いったんパックがマシン内に導入された際に、マシン内の装置によってかけることができる。
【0075】
このような結合部は、粉末又は液体の形態、いずれの種類の原材料にとっても便利である。
【0076】
本発明により、区画は、粉末及び液体濃縮物である、異なる性質の原材料を含み、保存することができる。
【0077】
パックの内容積部は、少なくとも2つの異なる食品又は飲料原材料を保存する。異なる原材料が、異なる区画に保存される。異なる区画内の原材料の性質は、
異なる原材料を別々に保存する必要性、
カップ内における視覚効果(例えば、層化効果)を備える飲料の生成、に依存する。この最後の場合において、縁部に水入口及び水出口を備えない区画は、飲料生成のためにパック内に水が導入される際に、他の区画よりも遅れて放出される原材料を含む。
【0078】
本発明により、パックの内容積部を画定するシート材料の接合された2つの縁部は、解放可能又は分離可能ではない。
【0079】
一実施形態により、水入口は、内容積部内に水のジェットを生じさせるように構成することができ、このジェットは、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部に圧力をかける。
【0080】
第2の態様により、本発明は、食品及び飲料を調製する方法であって、
上記のようなパックを準備し、入口及び出口が下向きになるようにパックを配置するステップと、
パック内に水を注入して食品又は飲料の原材料と混合するステップと、
調製された飲料を出口を通じて容器内に出すステップと、を含む、方法に関する。
【0081】
方法の特定の実現形態により、パックが、圧力で破断するように構成された、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部を含む場合、方法は、少なくとも1つの解放可能又は分離可能な結合部を破断させるために、パックに外側から圧力をかける1つの短いステップを含む場合がある。
【0082】
1つの特定の形態により、顧客は、マシン内にパックを挿入する前に、パックに手で圧力をかけるように促されてもよい。
【0083】
好ましくは、パックがマシン内に配置された後に、マシンによって圧力がかけられる。
【0084】
区画は結合部によって分離されており、この結合部は、内容積部内に導入された水と相互作用する際に、区画間の流体連通を生じさせるように設計されている。
【0085】
本願では、用語「底部」、「上部」、「側部」、「水平な」、「垂直な」は、本発明の機構の相対位置を説明するために用いられる。これらの用語は、例えば、
図4及び
図8に示されるように、飲料の生成のために飲料調製マシン内に導入されているときの、通常の向きにおける、パックを参照するものであると理解されるべきである。
【0086】
本発明において「底部に隣接する」とは、入口及び出口の両方が、パックの底縁部上、及び/又はパッケージの側部の1つの底部に配置されることを意味する。本発明は、入口及び出口がパックの同じ縁部にあり、両方ともが底縁部にあるか、両方とも側部の底部にある変形形態、並びに出口又は入口のいずれかが底縁部上にあり、これに対応して入口又は出口がパックの側部の底部にある変形形態など、様々な変形形態をも包含する。本発明により、パックの側部の底部は一般的に、パックの中央部の下、及び好ましくはパックの中央部よりも、パックの底部により近く配置された、側部の部分に対応する。
【0087】
本発明において、用語「水」は、水、炭酸水、牛乳などの飲料を調製するために、可溶性飲料原材料と混合され得る、任意の水性希釈剤を含む。水がなお好ましい。