(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入口チャンバ(120)は、両面使用可能に構成されており、前記取付アセンブリ(10)は、蓋を備えており、前記蓋は、前記入口チャンバ(120)の両面のうちの一方を覆い、かつ前記3次能動チャンバ(231)を閉鎖する第1のセクションと、前記入口チャンバ(120)の裏面を覆い、かつ前記3次受動チャンバ(232)を閉鎖する第2のセクションとを有する、請求項1に記載の取付アセンブリ(10)。
流体を前記入口チャンバ(120)の前記内容積部から流出させる、対称的に配置された2つの入口ノッチ(110)を更に備えている、請求項1又は2に記載の取付アセンブリ(10)。
流体を前記3次能動チャンバ(231)の前記内容積部を通過させ及び前記3次能動チャンバ(231)の前記内容積部に流入させるように配置された上方濾過ノッチ(18)を更に備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の取付アセンブリ(10)。
流体を前記出口ダクト(12)の入口に向かって運ぶように配置された側方前部濾過ノッチ(18’)を更に備えている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の取付アセンブリ(10)。
好ましくは射出成形によって作製された硬質プラスチック材料で作製されており、前記硬質プラスチック材料は、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリ乳酸から選択されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の取付アセンブリ(10)。
前記出口ダクト(12)は、プラグ(14)によって閉鎖され、前記プラグ(14)は、前記取付アセンブリ(10)の両側のうちの一方に取り付けられており、前記出口ダクト(12)は、前記出口ダクト(12)から前記プラグ(14)を分離させることができる弱化領域(16)を前記プラグ(14)の付近に更に備えている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の取付アセンブリ(10)。
コーヒー原材料が保存されている容器(20)と、請求項1〜7のいずれか一項に記載の取付アセンブリ(10)とを備えている、飲料を調製するためのパック(100)。
実質的に可撓性で本質的に平面な形状を呈し、パウチ又はサシェとして構成されているパック(100)であって、好ましくは飲料生成中、前記取付アセンブリ(10)が前記パックの下側に配置されるように、飲料生成中、本質的に鉛直に向けられた平面に沿って向けられる、請求項8に記載のパック(100)。
前記容器(20)は、少なくとも前記容器の横側部において接着された2つの可撓性シートで作製され、前記取付アセンブリ(10)は、前記2つの可撓性シートが前記取付アセンブリ(10)を覆っている穿孔可能な蓋とコンフォームになるように、前記パック(100)の残りの開口縁部のうちの1つに接着されている、請求項8又は9に記載のパック(100)。
前記2つの可撓性シートは、1つの単一の可撓性シートを半分に折り曲げて2つの部分にされた1つの単一の可撓性シートによって構成され、前記2つの部分はその自由縁部で接合されて前記容器(20)の前記内容積部を画定している、請求項10に記載のパック(100)。
前記2つの可撓性シートは、水不透過性であり、熱シールによって互いに接着されており、プラスチックラミネート、金属箔もしくはアルミホイル又は繊維系材料のうちの1つ又はこれらの組み合わせである材料で作製されている、請求項10又は11に記載のパック(100)。
前記2つの可撓性シートは、前記パック(100)の内容積部の内部で仕切りチャネル(250)を構成するように特定の領域で互いに接着され、前記仕切りチャネル(250)は、前記入口チャンバ(120)から流体が運ばれる1次チャンバ(21)と、前記1次チャンバ(21)からの流体を前記コーヒー原材料に流して通過させて前記コーヒー飲料を抽出されるように、前記1次チャンバ(21)からの流体が運ばれる2次チャンバ(22)とを、前記パック(100)の容積部の内部に画定するように配置されている、請求項10〜12のいずれか一項に記載のパック(100)。
前記2次チャンバ(22)の両側のうちの一方に配置された流体分配器(24)を更に備えており、前記2次チャンバは、前記1次チャンバ(21)を出た流体が前記流体分配器(24)を通って前記2次チャンバ(22)に入るように設計されており、前記流体分配器(24)は、流体、通常は湯の流れを前記2次チャンバ(22)に均一に分配して前記2次チャンバ内に封じ込められている前記コーヒー原材料に流す、請求項13に記載のパック(100)。
前記流体分配器(24)は、前記容器(20)を作製する可撓性のシート材料の特定部分を合わせて接着して構成され、複数の分配器構成要素(240)を構成する前記接着部分は、前記2次チャンバ(22)に入る流体の流れを均一に分配することを可能にする、請求項14に記載のパック(100)。
前記パックに含まれる前記コーヒー原材料の種類の関数として前記飲料を生成するための処理パラメータ情報を含んでいる識別手段(30)を更に備えており、前記処理パラメータは、前記入口チャンバ(120)に収容された流体の温度、前記入口チャンバ(120)の内部に収容された流体の総体積及び流量のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせである、請求項8〜16のいずれか一項に記載のパック(100)。
対称的に配置された2セットの識別手段(30)は、前記識別手段(30)の前記処理パラメータが表裏どちらからでも読み取られることができるように、前記パックに配置されている、請求項17に記載のパック(100)。
前記識別手段(30)は、機械コード、光学コード、RFIDタグ、バーコード、磁気コード、エンボスコード又はLEDのうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせである認識手段を備えており、前記認識手段は、好ましくは、前記容器(20)の接着された複数の側縁部上に配置された複数の打ち抜き孔を備えている、請求項17又は18に記載のパック(100)。
請求項8〜19のいずれか一項に記載のパック(100)からコーヒー飲料を抽出するためのマシン(200)であって、飲料生成中、前記取付アセンブリ(10)が前記パックの底部に配置された状態で、前記パック(100)を本質的に鉛直な位置に収容するようになっている受容手段(201)を備えており、前記マシン(200)は、前記入口チャンバ(120)の内容積部の内部に流体を収容させるように設計された注入手段(230)を更に備えている、マシン(200)。
前記注入手段(230)は、前記入口チャンバ(120)の内容積部の内部に流体を約1バール未満、好ましくは約0.5バールの圧力で収容させるように設計された流体ニードルを備えている、請求項20に記載のマシン(200)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、後に詳述するように、上記の必要性に対する解決策を提供するものである。また、本発明は、本明細書の残りの部分に記述するように他の目的及び特に他の問題の解決法も対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、容積部内部にコーヒー原材料、好ましくはコーヒー粉末、より好ましくは焙煎して挽いたコーヒー粉末が入っている容器のための取付アセンブリ10に関する。本発明の取付アセンブリ10は、コーヒー原材料に流して通過させてコーヒー飲料を抽出するための流体の流入を受容する入口チャンバ120と、取付アセンブリ10の両面のうちの一方にあり、抽出されたコーヒーがコーヒー原材料粒子と一緒に運ばれる3次能動チャンバ231、及び取付アセンブリ10の裏面にあり、濾過された後の抽出されたコーヒー流体が運ばれる3次受動チャンバ232と、3次能動チャンバ231に抽出されたコーヒー流体のみを通すことができるが、コーヒー原材料の粒子は3次能動チャンバ231に保持するようにして、3次能動チャンバ231からの抽出されたコーヒー流体を3次受動チャンバ232に流し込んで濾過させる第1濾過要素11と、3次受動チャンバ232からのコーヒー飲料が出口ダクト12に入り、重力によって取付アセンブリ10の外部に向かって流れるように配置された出口ダクト12と、を備えている。
【0008】
本発明による取付アセンブリ10の入口チャンバ120は、両面使用可能に構成されていることが好ましい。取付アセンブリ10は、入口チャンバ120の両面のうちの一方を覆い、かつ3次能動チャンバ231を閉鎖する第1のセクションと、入口チャンバ120の裏面を覆い、かつ3次受動チャンバ232を閉鎖する第2のセクションとを有する蓋を備えている。
【0009】
取付アセンブリ10は、通常、流体を入口チャンバ120の内容積部から流出させる、対称的に配置された2つの入口ノッチ110を更に備えている。
【0010】
取付アセンブリ10は、流体を3次能動チャンバ231の内容積部を通過させ及び3次能動チャンバ231の内容積部に流入させるように配置された上方濾過ノッチ18を更に備えている。
【0011】
この他、本発明によれば、取付アセンブリ10は、流体が出口ダクト12の入口に向かって運ばれるように配置された側方前部濾過ノッチ18’を更に備えている。
【0012】
取付アセンブリ10は、通常、好ましくは射出成形によって作製された硬質プラスチック材料で作製され、この材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリ乳酸から選択されていることが好ましい。
【0013】
本発明の取付アセンブリ10の出口ダクト12は、プラグ14を用いて閉鎖され、プラグ14は、取付アセンブリ10のもう1つの側部に取り付けられる。出口ダクト12は、出口ダクト12からプラグ14を分離させることができる弱化領域16をプラグ14の付近に更に備えている。
【0014】
第2の態様によれば、本発明は、コーヒー飲料を抽出するためのパックであって、コーヒー原材料が保存された容器20と、前述した取付アセンブリ10とを備える、パック100に関する。
【0015】
通常、本発明のパック100は、実質的に可撓性で本質的に平面の形状を呈し、パウチ又はサシェとして構成されている。パックは、飲料を生成し注出する間は取付アセンブリ10が好ましくはパックの下側に配置されるように、飲料生成中は本質的に鉛直に向けられた平面に沿って向けられる。
【0016】
本発明のパック100の容器20は、少なくとも容器の横側部で互いに接着された2つの可撓性シートで作製され、取付アセンブリ10は、可撓性シートが取付アセンブリ10を覆う穿孔可能な蓋とコンフォームとなるように、パック100の残りの開口縁部のうちの1つに接着されている。
【0017】
本発明のパック100の2つの可撓性シートは、1つの単一の可撓性シートを半分に折り曲げて2つの部分にされた1つの単一の可撓性シートによって構成され、2つの部分はその自由縁部で接合されて容器20の内容積部を画定している。これらのシートは、通常は水不透過性であり、熱シールによって互いに接着され、プラスチックラミネート、金属箔もしくはアルミホイル又は繊維系材料のうちの1つ又はこれらの組み合わせである材料で作製される。
【0018】
本発明のパック100では、2つの可撓性シートは、パック100の容積部内部で仕切りチャネル250を構成するように特定の領域で互いに接着され、仕切りチャネル250は、入口チャンバ120から流体が運ばれる1次チャンバ21と、1次チャンバ21からの流体をコーヒー原材料に流して通過させてコーヒー飲料を抽出されるように、流体が1次チャンバ21からの流体が運ばれる2次チャンバ22とをパック100の容積部内部に画定するように配置されている。
【0019】
本発明のパック100は、好ましくは、2次チャンバ22の両面のうちの一方に配置された流体分配器24を更に備え、2次チャンバは、1次チャンバ21を出た流体がこの流体分配器24を通って2次チャンバ22に入るように設計され、流体分配器は、流体、通常は湯の流れを2次チャンバ22に均一に分配して中に封じ込められているコーヒー原材料に流す。
【0020】
流体分配器24は、好ましくは、容器20を作製する可撓性のシート材料の特定部分を互いに接着して構成され、複数の分配器構成要素240を構成するこれらの接着部分は、2次チャンバ22に入る流体の流れを均一に分配することを可能にしている。流体分配器24の分配及び均一化特性は、分配器構成要素240のサイズ及び数と、これらの分配器構成要素240間の距離との関数である。
【0021】
本発明によるパック100は、パックに入っているコーヒー原材料の種類の関数として飲料を生成するための処理パラメータ情報を含んでいる識別手段30を更に備え、処理パラメータは、入口チャンバ120に収容された流体の温度、入口チャンバ120の内部に収容された流体の全容積及び流体の流れのうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせである。
【0022】
通常、本発明によるパック100は、対称的に配置された識別手段30を2セット備えており、それによって識別手段30にある処理パラメータをどちらからでも読み取ることができる。
【0023】
パック100にある識別手段30は、機械コード、光学コード、RFIDタグ、バーコード、磁気コード、エンボスコード又はLED、のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせである認識手段を備え、認識手段は、容器20の接着された側方縁部に配置された複数の打ち抜き孔を備えていることが好ましい。
【0024】
更に第3の態様によれば、本発明は、前述したパック100からコーヒー飲料を抽出するためのマシン200に関する。マシン200は、飲料生成中に、取付アセンブリ10がパックの底部に配置された状態で、パック100を本質的に鉛直な位置に収容するようになっている受容手段201を備え、マシン200は、入口チャンバ120の容積部内部に流体を収容するように設計された注入手段230を更に備えている。
【0025】
通常、注入手段230は、入口チャンバ120の容積部内部に流体を約1バール未満、好ましくは約0.5バールの圧力で収容するように設計された流体ニードルを備えている。
【0026】
マシン200は、パック100にある識別手段30から処理パラメータの情報を読み取るように構成されたデータ読み取り機を更に備え、データ読み取り機は、好ましくは発光機器を備えている。
【0027】
本発明の更なる特徴、利点及び目的は、本発明の非限定的実施形態の以下の詳細な説明を添付の図面の図と併せて読むことによって当業者にとって明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、コーヒー飲料を抽出するためのパック100に関する。本発明のパック100は、使い捨てであることが好ましく、取付アセンブリ10及び容器20を備えている。容器20は、可撓性であることが好ましく、通常は、横側部27及び27’、上側部28及び下側部29で、好ましくは溶着又はヒートシール(熱シール)によって互いに接着させた2つの可撓性シート25及び26で作製されている。取付アセンブリ10は、シートが取付アセンブリ10の前面及び/又は後面を少なくとも部分的に覆うように、容器20の下側部29に配置されることが好ましい。
【0030】
取付アセンブリ10は、本発明によるパック100内で3つの機能を有している。パック100の中に入ってきてコーヒー原材料、好ましくはコーヒー粉末、より好ましくは焙煎して挽いたコーヒー粉末に流れる流体(通常はお湯)のための入口として機能し、コーヒー粉末もパック100の容積部内部に入っている。パック100から注出される前に、調合されたコーヒー飲料を濾過する濾過要素として機能する。そして最後に、取付アセンブリ10は、パック100内で調合され調製されたコーヒー飲料の出口としても機能する。
【0031】
取付アセンブリ10は、
図1に概略的に示したように、パック100の下側部29に配置されることが好ましい。取付アセンブリ10は出口ダクト12を備え、この出口ダクトは、コーヒー飲料を自然流によって注出させるために、鉛直かつパック100の横側部27及び27’に平行に配置されることが好ましい。調製及び注出の段階では、パック100は鉛直に配置されることが好ましく、それによって取付アセンブリ10は、容器20の下側部29、すなわちパック100の下側部29に配置される。
【0032】
容器20は、可撓性であることが好ましく、2つの可撓性の水不透過性シート25、26を互いに接合して作製されて、仕切られた内容積部を画定し、これについては更に詳細に説明する。通常、容器20は、パウチ又はサシェに見えるように、実質的に可撓性である本質的に平面の形状をしている。可撓性とは、シート25、26が容易に屈曲し得るという意味である。仕上がったパック100も屈曲が可能であり、柔らかく、剛性容器とは逆に変形可能である。シート25、26用の可撓性シート材料は、プラスチックの積層、金属箔もしくはアルミホイル、繊維系材料であり得る。本発明によれば、容器20は、2つの別々の可撓性の水不透過性シート25、26を合わせて接合して形成するか、あるいは1つの単一の可撓性の水不透過性シートを半分に折り曲げて2つの部分つまりシート25、26にされた1つの単一の可撓性シートによって形成され得、2つの部分はその自由縁部を接合されて容器20の内容積部を画定している。
【0033】
好適な実施形態によれば、容器20は、1つの単一の可撓性の水不透過性シートを半分に折り曲げて、25、26を付した2つの部分の可撓性シートにされた1つの単一の可撓性シートによって形成され、2つの部分はその自由縁部を接合して形成され、それによって容器20は、可撓性材料シートで作製された平面状パウチとして構成され、このシートは、容器20の上部で折り曲げられ(したがって、上側部28には溶着もヒートシール(熱シール)もなく、可撓性シートを上部で単に屈曲しただけで作製される)、その縁部で接着されて(したがって、横側部27及び27’を形成する)内容積部を画定し、接着した底縁部(下側部29)は通常取付アセンブリ10を備えている。この実施形態は、1片のシート(最も好ましくは長方形に沿ったもの)のみを切断し、それを折り曲げて容器20の内容積部を形成することが求められるため、パック100を製造する特に容易な方法となる。通常、製造上の都合のためにも、取付アセンブリ10は、通常は溶着又はヒートシールによって、その縁部をシールする過程で容器20の下側部29に導入される。
【0034】
図1に示したように、容器20の両面を構成しているシート25、26は、容器20内部の特定の領域で合わせてシールされる。シート25及び26は、互いに溶着又はヒートシールされて、
図1に示したように特定形状の仕切りチャネル250を形成することが好ましく、それによって内部に異なる区画が形成され、これについては詳述する。
【0035】
仕切りチャネル250は、容器20の横側部27のうちの一方と、上側部28と、下側部29の一部と、取付アセンブリ10とともに、1次チャンバ21を画定する内容積部の境界を定める。1次チャンバ21では、取付アセンブリ10から注入された流体、好ましくは湯は、上向きに運ばれる。また、仕切りチャネル250は、もう一方の横側部27’と、上側部28と、容器の下側部29にある取付アセンブリ10とともに、2次チャンバ22を画定する内容積部の境界を定め、2次チャンバには、粒子サイズが小さく、好ましくは0.2mm〜0.8mmの範囲内、より好ましくは0.3mm〜0.4mmの範囲内、更により好ましくは約0.3mmである飲料媒体、通常はコーヒー粉末、好ましくは焙煎して挽いたコーヒー粉末が封じ込められ、それによって1次チャンバ21から来る流体は、この2次チャンバ22に運ばれてコーヒー粉末を通って流れ、コーヒー飲料を抽出する。
【0036】
最後に、容器20には3次チャンバ23も構成され、この3次チャンバは2つのチャンバを備えている。可撓性シートのうちの一方と、第1フィルタ要素11の第1濾過能動側111とを境界とする3次能動チャンバ231、及び、もう一方の可撓性シートと、第1濾過受動側112と、上方シール壁17とを境界とする3次受動チャンバ232である。したがって、2次チャンバ22に抽出されたコーヒー飲料は、まず3次能動チャンバ231に運ばれ、そこから第1濾過能動側111を通って3次受動チャンバ232に流れ、その後濾過され、それによって最終的に濾過されたコーヒー飲料は、出口ダクト12を通ってパック100の外部に運ばれる。
【0037】
容器20は、流体分配器24も備え、この流体分配器は、可撓性容器20を作製するシート材料25、26を容器20の上方部分で溶着又はヒートシールによって特定の規定部分を合わせて、複数の分配器構成要素240を構成することによって構成されることが好ましい。
図1では、これらのシートは、互いに接着されて(通常は溶着又はサーモシールで合わされて)正方形になっているが、円形、長方形などのようなその他の任意の形状も可能であり、したがってそれも本発明の発明に含まれることは明らかである。流体分配器24は、1次チャンバ21から来て2次チャンバ22に入る流体、通常は湯の流れを均一に分配することを目的としている。このように、湯の流れは、最適なコーヒー飲料が得られるように、2次チャンバ22に封じ込められたコーヒー粉末の塊全体にわたってよりよく広がっていく。この構成により、抽出されたコーヒー飲料を第1濾過要素11で濾過することを更に一層効果的に行うことが可能になる。
【0038】
第1濾過要素11のサイズは、200mm
2〜3000mm
2の範囲内、より好ましくは500mm
2〜1500mm
2の範囲内であることが好ましい。
図1にある構成要素は原寸通りではなく、本発明を説明するために全体的に概略的な図及び位置を提供することのみを意図していることに注意されたい。
【0039】
流体分配器24の分配及び均一化特性は、分配器構成要素240のサイズ及び数と、これらの分配器構成要素240間の距離との関数である。
【0040】
サイズの異なる容器20及びそれに伴いサイズの異なるパック100を、量の異なる原材料を保存するようになっている容積の異なるコーヒー飲料が最終的に得られる同じマシン内で使用できる。通常、使用するマシンを決定するものは、外側形状に関する取付アセンブリ10の構成である。したがって、鉛直に立っている場合、容器20のサイズはマシンを決定又は限定しない。そのため、通常、容器20のサイズは適応可能であり、この容器20の高さを修正することでそのように作製される。
【0041】
容器20は、添付の
図1に概略的に示したように、使用者又は消費者がパック100を把持できるようにする突出部210を備えていてもよい。
【0042】
好ましくは、本発明によれば、パック100は、取付アセンブリ10に導入された水が上向きに流れて1次チャンバ21の内容積部に入るように、飲料生成中に本質的に鉛直に向けられた平面に沿って向けられる平面形状である。
【0043】
好ましくは、容器の底縁部にある取付アセンブリ10を、容器の縁部をシールする過程で導入して完成したパック100を構成することで、可撓性シート25、26が取付アセンブリ10を少なくとも部分的に覆うことができるようにすることが可能になる。
図2に示したように、例えば、取付アセンブリ10は、入口チャンバ120と呼ぶチャンバを備え、この入口チャンバは、可撓性シートが取付アセンブリ10の両側部を少なくとも部分的に覆って配置されたときに、取付アセンブリ10の一部と可撓性シート25、26の一部とを合わせることによって構成される。入口チャンバ120は、パック100からコーヒー飲料を生成するマシン内で、注入手段230、好ましくは穿孔注入手段によって穿孔される。実際、この入口チャンバ120は、入口チャンバ120を作っている取付アセンブリ10の外側部分を覆って配置される可撓性シート25、26の一部に穿孔される。その結果、シートの縁部を接着する単一工程では、容器20の内容積部を形成することと、取付アセンブリ10を設置することと、入口チャンバ120を閉鎖することとを同時に行うことが可能になる。出口ダクト12は、可撓性シートに完全に覆われないことが好ましい。但し、飲料出口は、シートの一部、例えばシートのスカート部によって視覚的に隠れていてもよい。また、好ましくは、本発明によれば、取付アセンブリ10は、シール過程で取付アセンブリ10と可撓性材料シートとの接着を向上させるために取付アセンブリ10の外面のうちの少なくとも1つの面に配置されたリブ13を備えている。
【0044】
本発明の取付アセンブリ10は、蓋、好ましくは可撓性材料で作製された降伏可能に穿孔できる蓋を備えている。この蓋は、3次能動チャンバ231の同じ面(前又は後)にある入口チャンバ120の両面使用可能な2つの部分のうちの一方と3次能動チャンバ231とに重なる第1のセクションを備えるとともに、蓋は、(3次受動チャンバ232と同じ面にある)入口チャンバ120の両面使用可能な第2の部分と3次受動チャンバ232とに重なる第2のセクションも備えている。好ましくは、本発明によれば、この蓋は、製造上の理由により、容器20の両側を構成する同じ可撓性シート25、26から作製される。但し、蓋は別の部分から作製されてもよい。
【0045】
既に説明したように、また
図2及び
図6に示したように、本発明の取付アセンブリ10は、入口チャンバ120を備え、この入口チャンバの中に流体が、注入手段230、好ましくは穿孔注入手段、通常はニードルによって注入され、この手段はマシン内に配置され、このマシンの中に、抽出され注出されるコーヒー飲料用のパック100が挿入される。また、取付アセンブリ10は、入口チャンバ120を画定している取付アセンブリ10の部分に入口ノッチ110も備えている。好ましくは、入口ノッチ110は、対称的に配置された2つのノッチを備え、入口チャンバ120の中に注入された流体(好ましくは湯)は、このノッチを通って1次チャンバ21に向かい、更に上向きに運ばれ、流体分配器24を通って2次チャンバ22に入る。入口チャンバ120を覆って備わっている穿孔可能な蓋又はカバー(穿孔注入手段230で穿孔されるもの)は、取付アセンブリ10の前面及び後面を覆うときに可撓性シート25、26で作製されることが好ましい。したがって、可撓性シートのこれらの部分は、穿孔注入手段230、通常はニードルによって穿孔され、ニードルがこの可撓性カバーに孔をあけ、その後、流体、好ましくは水を入口チャンバ120に注入する。
【0046】
本発明の取付アセンブリ10は、好ましくは取付アセンブリ10の両面に配置されたリブ13も備えている。これらのリブ13は、取付アセンブリ10の両面に設けられて、シート25、26を好ましくは溶着又はヒートシールによって取付アセンブリ10に係合するのを補助する。更に、取付アセンブリ10は出口ダクト12を備え、淹出された製品(抽出されたコーヒー飲料)は、この出口ダクトを通って最終的に注出される。好ましくは、出口ダクト12はプラグ14で閉鎖され、このプラグ14は、出口ダクト12が開口した後にプラグを取付アセンブリ10に装着したまま維持する手段を備えている。その結果、プラグ14は、コーヒー飲料が出口ダクト12を通って供給されるときにコーヒー飲料の注出を妨害することがなく、生成中に飲料内に落下することもない。プラグ14を取付アセンブリ10に取り付けられたまま維持する手段は、例えば取付アセンブリ10に取り付けられたプラスチック接合材15であってもよいし、あるいは同様の効果を提供する任意のその他の適切な手段であってもよい。更に、出口ダクト12は、プラグ14の近辺に弱化領域16も備えることができる。この弱化領域16は、例えば、一旦パック100がマシンに導入されて処理されると、マシンでプラグ14を切断又は破壊するのが容易になるように、出口ダクト12を細くしたものとして作製され得る。通常、パック100が導入されるマシンは、パック100がマシンに導入されたとき、又は飲料調製が作動したときに、プラグ14を自動的に切断又は破壊する。
【0047】
本発明の取付アセンブリ10にある出口ダクト12は、製品を自由流として供給する、つまり生成品が単なる重力による落下で出口ダクト12から流れられるように構成されていることが好ましい。本発明の好適な実施形態によれば、出口ダクト12は、取付アセンブリ10の底部に開口121を備え、この開口121は、表面積が、直径が少なくとも1mm、好ましくは最大4mm、更により好ましくは1.5〜3mmである円形表面の面積と同等である横断面を有する。出口ダクト12は、通常、取付アセンブリ10内で本質的に鉛直に向いていて、端部に開口121を備えている直線状チューブとして構成されている。出口ダクト12のチューブの長さは、少なくとも5mmであることが好ましい。本発明の出口ダクト12の利点は、飲料が生成されたときに前述の出口とマシンとの間に特定の接続部を設けて供給される飲料の流れを出口ダクト12に誘導する必要がない点である。飲料は、出口ダクト12から直接飲用カップの中に流れることができる。
【0048】
本発明によれば、コーヒー飲料が抽出される前に、出口ダクト12はその端部で閉鎖される。概して出口ダクト12は、製造によって閉鎖され、マシンによる食品又は飲料生成工程で開口するように構成されている。「製造によって閉鎖」とは、容器20及び取付アセンブリ10を備えている完成したパック100は、出口ダクト12が閉鎖された状態に製造されるという意味である。この閉鎖によって衛生的保護及び保存可能期間の保護が確実になる。出口ダクト12は、コーヒー飲料を抽出するマシンによって開口されてもよいし、あるいは消費者に手動で開口されてもよい。
【0049】
プラグ14は、1つの単一の取付アセンブリ10の一部であることが好ましい。特に、注ぎ口アセンブリ10が射出成形によって作製されている場合は、型の設計もプラグ14の設計を含んでいる。同じように、プラスチック接合材15も、射出成形によって作製されている場合は、取付アセンブリ10の設計の一部であってよく、これによってここでもまた、同じ部品がプラグ14及び接合材15を含んでいるため製造の観点から利点が得られる。
【0050】
本発明の取付アセンブリ10は更に、取付アセンブリ10内に組み込まれた第1濾過要素11を備えている。取付アセンブリ10が射出成形によって作製されている場合、第1濾過要素11も設計の一部であるため、第1濾過要素も射出成形によって作製されていることが好ましい。第1濾過要素11は、1つの第1濾過能動側111を備え、抽出されたコーヒー飲料は第1濾過能動側を通って濾過され、それによってコーヒー粉末の粒子は、2次チャンバ及び3次能動チャンバ231に留まり、コーヒー飲料の液体のみが通過して3次受動チャンバ232に入り、出口ダクト12を通って供給される。第1濾過要素11は、第1濾過受動側112も備え、流体は第1濾過受動側を通過できない。したがって、流体の濾過は、第1濾過要素11内で第1濾過能動側111から第1濾過受動側112へ向かって一方向のみに行われ得る。通常これは、液体のみを通せてコーヒー粉末の小さな粒子が進むのを防止する極小サイズの打ち抜き又は穿孔が両側部のうちの一方のみにある濾過要素を使用することで達成され、それによってコーヒー粒子は3次能動チャンバ231に残る。
【0051】
取付アセンブリ10は、
図8に描いたように、第1濾過要素11の上部に配置された上方シール壁17も備え、第1濾過要素にはシート25、26が溶着又はヒートシールされて、2次チャンバ22の両面のうちの一方を構成する。取付アセンブリ10は更に、入口チャンバ120を覆って配置された下方シール壁19を備えている。
【0052】
本発明による取付アセンブリ10は、第1濾過要素11の上方後側に上方濾過ノッチ18、第1濾過要素11側に側方前部濾過ノッチ18’を更に備えている。2次チャンバ22から淹出された流体(コーヒー飲料)は、この上方濾過ノッチ18を通って3次能動チャンバ231へ運搬され、そこから濾過されて第1濾過能動側111を通って3次受動チャンバ232に入り、そこから淹出されて濾過された流体(したがって、コーヒー粉末粒子としてのコーヒー液のみが通るのを妨げられる)は、その後、側濾過ノッチ18’を通って出口ダクト12に運ばれ、そこから下に流れて飲用カップの中に注出される。
【0053】
取付アセンブリ10は、剛性で、硬質プラスチック材料、好ましくは射出成形によって作製されることが好ましい。通常、取付アセンブリ10を構成しているこのプラスチック材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリ乳酸、から選択され得る。また、あまり好適でない実施形態によれば、取付アセンブリ10は、例えばアルミニウム又はブリキのような金属で作製され得る。
【0054】
本発明によれば、パック100には、識別手段30も設けられる。これらの識別手段30は、パック100に入っている飲料媒体の情報(焙煎して挽いたコーヒー粉末の種類)を含んでいる他、パック100に入っている飲料が調製されるマシン内のこのコーヒー粉末を最適に処理する情報(したがって、コーヒー飲料を作るレシピ情報を含んでいる)も含み、また、マシン内のコーヒー粉末を処理して目的のコーヒー飲料を抽出するための情報も含んでいる。識別手段30は、取付アセンブリ10及び/又は容器20のいずれかに配置される。より簡易な実行は、パック20、好ましくは横側部27、27’にこれらの識別手段30を設けることであり、可撓性シート25及び26は互いに溶着又はヒートシールされ、この配置を妨害するものはない。識別手段30は、コーヒー飲料を抽出するための次の処理パラメータに関してマシンに提供される情報、特に、注入手段230によって入口チャンバ120に導入される流体(通常は水)の温度、前述の手段によって提供される導入される水の総量及び水の流れを含んでいる。より詳細な説明を以下の説明文に記載する。
【0055】
本発明の主な利点の1つは、パック100が両面使用可能なことであり、それによって使用者はパックをマシンに一方の向きにももう一方の向きにも導入でき、処理は導入の向きとは無関係に同じように進行される。このような理由から、識別手段30をパック20に設けるとき、
図1に示したように容器20の両側部、27及び27’に、識別手段30を2セット設けて対称的に配置することが好ましい。このように、マシンは、パック100がマシンに導入された向きに応じて、識別手段30の一方又はもう一方のセットを読み取ることができる。
【0056】
このような識別手段30は、例えば機械コード、光学コード、RFIDタグ、バーコード磁気コード、エンボスコード、LED又はその他の任意のものなど、どのような種類の認識手段を含んでいてもよい。最も好ましくは、本発明の識別手段30は、(
図1に概略的に示した)打ち抜き孔31を容器20のシールした側縁部27、27’に配置して作製される。2つのシート25及び26が合わせられ、縁部で溶着又はヒートシールされて容器20を構成するときに、追加の打ち抜きが行われ、そのようにして打ち抜き孔31を構成する。通常は複数の孔31が、容器20の横側部27及び27’の各々に鉛直に設けられて、容器20に対称的に配置された2セットの識別手段30を構成する。これらの孔は、光のために透明になり、光を通す。これらの識別手段30を構成している複数の孔31を光が通ると、その際にマシンには、目的のコーヒー飲料を抽出するために続ける処理パラメータに関する情報が提供される。
【0057】
更に別の態様によれば、本発明は、前述したパック100からコーヒー飲料を抽出するためのマシン200に関する。マシン200は、
図11に概略的に示したように、好ましくはパック100が鉛直に配置され、取付アセンブリ10がパック100の底部に配置されるように、パック100を収容するようになっている受容手段201を備えている。マシン200は、前述の入口チャンバ120に水を導入するために入口チャンバ120を覆っているカバー又は蓋に穿孔するように設計されている、注入手段230、好ましくは穿孔注入手段を更に備えている。パック100は両面使用可能に構成されているため、パック100がマシン200に一方の向きに導入れていようともう一方の向きに導入されていようと、穿孔注入手段230は、入口チャンバ120を覆った蓋又はカバーの一方の面又はもう一方の面のいずれかに穿孔し、いずれにしても水は、入口チャンバ20へ運搬され、そこから対称的に配置された入口ノッチ110を通って1次チャンバ21に入るという同じ結果になる。
【0058】
好ましくは、注入手段230は、単にニードルと呼ぶ流体ニードルは、内側のダクト又はパイプを備え、これを通って流体、通常水は、入口チャンバ120に導入される。水は、通常1バール未満、より好ましくは約0.5バールの圧力で注入されてコーヒー飲料を抽出する。圧力が低いため、本発明のパック100及びマシン200との気密性の問題がない。水は、一定時間にわたって一定の流速で、全容積の水が得られるまで連続して注入手段230によって導入され、これは、識別手段30によってパック100内で実現される。パック100を用いた処理は連続して行われ、標準の処理よりも速い(普通は飲料が出来上がるのに約1分かかる)。穿孔注入手段230によって注入された水は、熱いことが好ましく、80℃〜95℃の温度で供給されることが好ましい。
【0059】
注入手段230は、好ましくはゴム製の環状リングも備えていてよく、このリングは、注入手段230が導入されて水を入口チャンバ120に注入している間に流体が入口チャンバ120から漏出しないようにする。
【0060】
マシン200は、光学機器を備えていることが好ましいデータ読み取り機も備え、このデータ読み取り機は、コーヒー飲料を抽出するのに使用される処理パラメータ情報を識別手段30から読み取る。好ましくは、パック100内で正しい製品レシピを調製するためにマシン200が使用する、データ読み取り機で引き出された処理パラメータは、以下のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせである。注入手段230によって入口チャンバ120に導入された流体(通常は水)の温度、入口チャンバ120に導入された水の全容積、及び穿孔注入手段230によって同じく入口チャンバ120に供給された水の流れ。
【0061】
好ましくは、データ読み取り機は、光を放出して識別手段30を構成している打ち抜き孔31に通す発光機器によって、パック100内で識別手段30から情報を取り出す。
【0062】
通常、パック100は、マシン200内で本質的に鉛直な位置で処理されてコーヒー飲料を抽出するため、パック100は、マシン200の前面(
図10に概略的に図示)か側面のいずれかに導入され、それによってパック100は、マシン100にある専用の挿入体の中に摺動可能に挿入される(
図9に概略的に図示)。
図10の事例である前者の場合、マシン200内の受容手段201は、パック100を前向きの位置に収容するように配置される。パック100は両面使用可能なため、専用の受容手段201に前向きの配置で導入されてもよいし、この受容手段201に後向きの配置で導入されてもよい。
図9の事例である後者の場合、マシン200内の受容手段201は、パック100を横向きの位置又は側位置に収容するように配置される。パック100は両面利用可能なため、可能な2つの横向きのいずれかで専用の受容手段201に導入され得る。記載した2つの事例のいずれの場合でも、注入手段230、通常は穿孔注入手段は、入口チャンバ120の両面のうちの一方に穿孔して注入することができ、データ読み取り機は、容器20に設けられた2セットの識別手段30のうちの一方にある情報を読み取ることもできる。
【0063】
更に、本発明のマシン200は、流体供給部又はタンク84と、ポンプ82、好ましくは注入手段230に水を供給する水ポンプとを備えている。この水は、ヒータ83を用いて特定温度、好ましくは80℃〜95℃で供給されることが好ましい。マシンは、任意選択で、流体、通常は水を周囲温度で供給するためのバイパスライン87、及び熱い流体か周囲温度の流体のいずれかを選択するためのバルブ(図示せず)も備えていてよい。マシン200は、通常、パック100がマシン200に挿入された時点、又は淹出処理が開始された時点で、出口ダクト12からプラグ14を切断又は破壊するための装置85も備えている。
【0064】
プラグ14切断又は破壊するための切断装置85は、パック100がマシン200に導入されたとき又は飲料調製が作動したときにプラグが自動的に切断されるように、マシン200に配置されることが好ましい。
【0065】
好ましくは、マシン200は、飲料が調製されたときに飲用カップ9をパック100の注出出口ダクト12の下に設置するための位置決め領域86を更に備えている。
【0066】
また、マシン200は通常、圧搾手段(
図11には図示せず)を備え、この圧搾手段は、飲料が注出されると、容器20の内部に残っている一切の液体を抽出するために容器20を圧搾し、滴下を回避する。更に、容器20を圧搾することで、使い捨てであることが好ましい使い終わったパック100が、最終的によりコンパクトな形状になって取り外しを容易にすることができる。
【0067】
また、本発明によれば、取付アセンブリ10及び容器20を備えている前述したもののようなパック100は、以下のステップに沿って作製されることが好ましい。
材料シートを折り曲げ、シートの両側部27及び27’を接着してパウチを形成する。
2つのシート25及び26を溶着又はヒートシールによって互いに接着して仕切りチャネル250とコンフォームとなるようにする。
パック100の容積部内部に構成された2次チャンバ22に、飲料媒体、好ましくは焙煎して挽いたコーヒー粉末を充填する。
取付アセンブリ10を、開口したままの縁部があり下側部29が(溶着又はヒートシールによって)接着されているパウチの下方部分に設置する。
パウチ又は容器20の横側部27及び27’を好ましくは打ち抜きすることによって識別手段30を構成する。
パウチの上方部分に流体分配器24を、同じく打ち抜きによって構成する。
【0068】
コーヒー飲料を抽出するためにマシン200内に取付アセンブリ10及び容器20を備えている、前述のように構成したパック100を用いる方法は、複数のステップを含むことができ、これについて以下の通り説明する。
【0069】
まず、パック100を本質的に鉛直にしてマシン200に導入し、取付アセンブリ10がパック100の底側部に配置されるようにする。パックを導入した時点、又は調製及び注出ステップが開始された時点のいずれかの時点で、マシン200はプラグ14を出口ダクト12から切断又は破壊して、出口ダクト121の開口を開けたままにする。その後、注入手段230、好ましくは穿孔注入手段は、マシン200から、入口チャンバ120を覆って配置されている蓋又は膜に穿孔する。既に説明したように、パック100がマシン200に導入された向きに応じて、入口チャンバ120を覆っている膜の両面のいずれかに穿孔される。
【0070】
また、マシン200のデータ読み取り機は、導入された向きに応じて、容器20の側部27又は27’のうちの一方にある識別手段30を読み取る。データ読み取り機は、その際に、穿孔注入手段230によって入口チャンバ120に導入される流体、通常は水の温度、全容積及び流速に関する情報を引き出す。
【0071】
膜が穿孔されると、注入手段230は、好ましくは湯を入口チャンバ120の内部に1バール未満の圧力、最も好ましくは約0.5バールで注入する。この注入の残りのパラメータ(処理パラメータとして前述した温度、容積及び流速)は、識別手段30を読み取る際にデータ読み取り機によって提供される。その後、注入された水は、入口チャンバ120から入口ノッチ110を通って1次チャンバ21に運ばれ、そこで上向きに運ばれ、1次チャンバ21の下方部分からチャンバ21の上方部分に向かって連続して流れる。
【0072】
1次チャンバ21の上方に向かって来た流体は、次に流体分配器24を通って2次チャンバ22の内容積部に運ばれ、2次チャンバ22の内容積部に封じ込められている焙煎して挽いたコーヒー粉末を通って流れる湯の流れによって、コーヒー飲料を抽出する。
【0073】
一旦この2次チャンバ22では、抽出されたコーヒー飲料が重力によってこのチャンバの下方部分に運ばれ、上方濾過ノッチ18を強制的に通って(上方シール壁17がチャンバの周縁で可撓性シート25、26にシールされて流体が進むのを防いでいるため)3次能動チャンバ231に入る。
【0074】
次に流体は、3次能動チャンバ231から第1濾過能動側111を通って3次受動チャンバ232に入り、そのようにして濾過される。液体のみが第1濾過要素11を通って3次受動チャンバ232に入り、コーヒー粉末粒子は3次能動チャンバ231に保持される。その後、濾過されたコーヒーの液体は、側濾過ノッチ18’を通って運搬されて出口ダクト12に入り、そこから最終製品が注出される。
【0075】
取付アセンブリ10と、この取付アセンブリに(通常は溶着又はサーモシールされて)接着している可撓性シート25及び26とを合わせた設計は、流体がパック100の内部を流れるための経路を画定し、それによって流体がこれらの経路に強制的に沿い、他のどの経路にも進めないようにする点に注目することが重要である。実際、シート25、26は、取付アセンブリ10に気密性に接着されており、したがって気密経路が構成される。更に、容器20内の1次チャンバ21及び2次チャンバ22も気密性であり、流体はここでも特定の経路に運ばれる。
【0076】
特に、これらのシールした経路又は気密性経路は以下のようになる。
流体が入口チャンバ120に注入されると、流れる経路のみが、入口チャンバ120にある入口ノッチ110と可撓性シート25及び26とでそのように形成され、それによって流体は、強制的にこれらの入口ノッチ110を通って1次チャンバ21に流入する。
1次チャンバ21の内部では、流体は、上向きに流体分配器24に向かって、容器27の横側部及び仕切りチャネル250を通って運ばれ得る。
2次チャンバ22の内部では、流体は、重力によって下向きに、上方濾過ノッチ18に向かってのみ流れることができ、仕切りチャネル250と容器27’の横側部との間を流れ、上方濾過ノッチ18を通って3次能動チャンバ231に入る。
3次能動チャンバ231の内部では、すべてがシールされ、流体にとって可能な経路のみが第1濾過要素11の第1濾過能動側111を通って3次受動チャンバ232に入る。
3次受動チャンバ232の内部では、すべてがシールされ、流体にとって可能な経路のみが側濾過ノッチ18’を通り、したがってこの経路は出口ダクト12の開口と対面し、この出口ダクトから(既に注出され濾過されている)コーヒー流体が最終的に重力によって注出されて飲用カップなどに入る。
【0077】
処理の最後に、マシン200の圧搾手段が、容器20の内部に残っている一切の液体を排出して一切の滴下を回避するため、また、容器20の最終容積を少なくするために、容器20を圧搾し、容器をよりコンパクトにし、それによって容器の取り外しが容易になる。
【0078】
本発明の使い捨てパック及びこれらのパックを処理するマシンのいくつかの利点を以下に説明する。
【0079】
本発明のパックは、両面使用可能に構成されているため、どのような向きで導入してもマシンで操作でき、これは消費者にとって主な利点であり、消費者はパックを確認したり特定の方法で導入したりする必要がない。したがって、本発明の1つの目的は、パックの飲料が給仕できる状態にあり、追加の処理を必要としないというわかりやすいコーヒー飲料の調製を消費者に提供することである。更に、抽出及び処理が規定されていて、実際に識別手段に情報が含まれているため、カップ内に最良の仕上がりが達成される。
【0080】
本発明のパックの製造には別の利点がある。取付アセンブリは両側の外形がどちらも同じであるため、可撓性シートがこの取付アセンブリの少なくとも一部を覆ってかぶせられたときに損傷するリスクがない。
【0081】
また、本発明のパックでは、原材料は使用前に大気から完全に防護されている。その上、これらのパックは、プラスチックの小さな挿入体部品(取付アセンブリ)を有するラミネートパウチで作製できるため、環境への影響が少ない。
【0082】
本発明によるパックを保存するのに必要な空間、消費者がパックに対して予見しなければならない空間の必要性は、例えば通常のカプセルの容器よりも明らかに遙かに少ない。
【0083】
マシンには本発明の他の利点がある。マシンの要素は、極めて依然として単純であり、パックに穿孔して流体、通常は水をパックに注入してコーヒー飲料を抽出する単純な流体ニードル、通常は単純な水用のニードルだけである。また、識別手段から情報を読み取るのに必要なデータ読み取り機は、単純な装置である。
【0084】
また、本発明の別の重要な利点は、原材料及び抽出された飲料がマシンと接触するのが回避され、したがって交差汚染の危険性が制限されるというパックを提供することである。調製された飲料は、最適な官能特性を備えている。
【0085】
本発明によって提供される消費者にとっての別の主な利点は、穿孔注入手段、通常はニードルが、製品に全く触れることがないため、どのような汚染も回避されるという点である。
【0086】
この他、本発明のパックのその他のいくつかの利点を以下に指摘する。
パックは、可撓性かつ適応性であるため、扱いやすい。
パックは低重量で最小限に抑えられている。
したがって、パックに付随する抽出パラメータ及びレシピは、得られる製品ごとに最適化される。
パックは使い捨てのため、マシンの洗浄は必要なく、極めて使用が便利である。
マシンは、直接の流れでパックを操作するため、マシン内部のどの部分にも流れる流体がなく、ニードルの洗浄も可能性のあるマシン内での汚染も回避される。
コーヒー飲料の抽出を達成する処理は連続的であり、したがって必要な時間が最短になる。
抽出されたコーヒー飲料はカップ又は入れ物に直接流れるため、消費者にとって処理が単純で容易である。
【0087】
本発明は、その好ましい実施形態を参照して記述されているが、添付の請求項によって規定されている本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって多くの改変及び変形が行われても良い。