(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に係る二連往復動ポンプを詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る二連往復動ポンプ1の構成を示す図であり、断面及びその周辺機構を示している。
図1に示すように、二連往復動ポンプ1において、中央部に配置されたポンプヘッド1aの両側には、ケース部材である有底円筒状の第1のシリンダ2a及び第2のシリンダ2bが、開口部が互いに向かい合うように装着されて配置されている。
【0018】
これらシリンダ2a,2bの内部には、軸方向に沿って一対の空間が形成されている。これら一対の空間内には、軸方向に伸縮可能な、例えばフッ素樹脂からなる有底円筒状の第1のベローズ3a及び第2のベローズ3bが、互いの開口側が向き合うようにポンプヘッド1aに添設された状態で同軸配置されている。
【0019】
これらベローズ3a,3bは、その開口端がポンプヘッド1aに対して、例えば液密に螺合固定されている。従って、ベローズ3a,3bは、内側を第1のポンプ室5a及び第2のポンプ室5bとし、外側を第1の作動室6a及び第2の作動室6bとして、シリンダ2a,2bの内部空間を仕切る一対の可動仕切部材を構成している。
【0020】
ベローズ3a,3bの底部には、シャフト固定板4a及びシャフト固定板4bがボルト15aにより固定されている。シャフト固定板4a,4bには、同軸に延びるシャフト7a及びシャフト7bの一端が固定されている。シャフト7a,7bの他端は、シリンダ2a,2bの底部中心を、シール部材8を介して気密に貫通してシリンダ2a,2bの外側まで延びている。これらシャフト7a,7bの他端には、連結板9a及び連結板9bがナット10によって固定されている。
【0021】
連結板9a,9bは、シリンダ2a,2bの外部の所定位置、例えば
図1中の上下に示す位置において、連結シャフト11a及び連結シャフト11bによって軸方向に連結されている。各連結シャフト11a,11bは、一対のシャフト部12及びシャフト部13と、これらシャフト部12,13の間に装着された伸縮部材であるコイルばね14とを備えている。
【0022】
各連結シャフト11a,11bにおいては、シャフト部12,13のコイルばね14側とは反対側の端部がボルト15によって連結板9a,9bに固定されている。これにより、各連結シャフト11a,11bは、各連結板9a,9bにシャフト7a,7b及びシャフト固定板4a,4bを介して接続されたベローズ3a,3bを、コイルばね14を介して軸方向に伸縮自在に連結している。
【0023】
また、ポンプヘッド1aには、ポンプの側面に臨む位置に移送流体、例えば液体の吸込口16と吐出口17とが設けられている。この吸込口16からポンプ室5a,5bに至る経路には、吸込弁18a及び吸込弁18bが設けられ、ポンプ室5a,5bから吐出口17に至る経路には、吐出弁19a及び吐出弁19bが設けられている。これら吸込弁18a,18b及び吐出弁19a,19bは、バルブユニットを構成している。
【0024】
シリンダ2a,2bの底部には、シリンダ側入出口2c及びシリンダ側入出口2dが設けられている。これらシリンダ側入出口2c,2dは、例えば図示しないエアコンプレッサ等の作動流体源から供給される作動流体、例えば作動エアを、第1の切換弁機構80aの作動エア入出口81aに接続された第1の主配管90a、及び第2の切換弁機構80bの作動エア入出口81bに接続された第2の主配管90bを介して、作動室6a,6bに対して導入又は排出するためのものである。
【0025】
第1の切換弁機構80aは、作動室6aへの作動エアの供給を切り換える切換弁86aを備える。第2の切換弁機構80bは、作動室6bへの作動エアの供給を切り換える切換弁86bを備える。これら第1及び第2の切換弁機構80a,80bの切換弁86a,86bは、後述する第1の切換機構を構成する第1及び第2切換機構20a,30a並びに第2の切換機構を構成する第3及び第4切換機構20b,30bにより供給が切り換えられた制御流体、例えば制御エアによって動作される。制御エアは、作動流体源からの作動エアの一部を分流したものである。
【0026】
第1の切換弁機構80aは、内部に作動エアの分配室84aが形成され切換弁86aが往復動自在に収容された第1の弁機構本体85aを備える。第2の切換弁機構80bは、内部に作動エアの分配室84bが形成され切換弁86bが往復動自在に収容された第2の弁機構本体85bを備える。
【0027】
第1及び第2の弁機構本体85aには、作動流体源から供給される作動エアを二股に分岐されたエア配管99a及びエア配管99bを介して分配室84a、84bに導入する作動エア導入口87a及び作動エア導入口87bと、上述した作動エア入出口81a,81bとが形成されている。
【0028】
作動エア入出口81a,81bは、分配室84a,84bに導入された作動エアを、第1及び第2の主配管90a,90bを介して作動室6a,6bに排出すると共に、作動室6a,6bから排出された作動エアを第1及び第2の主配管90a,90bを介して分配室84a,84bに導入するためのものである。
【0029】
また、第1及び第2の弁機構本体85a,85bには、作動室6a,6bから排出されて分配室84a,84bに導入された作動エアを外部に排出するための作動エア排出口88a及び作動エア排出口88bが形成されている。なお、第1の弁機構本体85aには後述する第1の制御エア入出口82a及び第2の制御エア入出口83aが形成され、第2の弁機構本体85bには後述する第3の制御エア入出口82b及び第4の制御エア入出口83bが形成されている。
【0030】
第1及び第2の制御エア入出口82a,83aは、制御エアを第1及び第2の制御エア配管92a,92cを介して第1の弁機構本体85a内に導入及び排出するためのものである。第3及び第4の制御エア入出口82b,83bは、制御エアを第3及び第4の制御エア配管92b,92dを介して第2の弁機構本体85b内に導入及び排出するためのものである。
【0031】
第1の切換弁機構80aの切換弁86aは、第1及び第2の制御エア入出口82a,83aから第1の弁機構本体85a内に導入された制御エアによって往復駆動される。第2の切換弁機構80bの切換弁86bは、第3及び第4の制御エア入出口82b,83bから第2の弁機構本体85b内に導入された制御エアによって往復駆動される。
【0032】
切換弁86a,86bは、軸方向に所定間隔を空けて形成された3つの大径部89a,89bと、これら大径部89a,89b間に形成された2つの小径部98a,98bとを有する。大径部89a,89bは、第1及び第2の弁機構本体85a,85bに形成された作動エア導入口87a,87b、作動エア入出口81a,81b及び作動エア排出口88a,88bを選択的に塞ぐものである。また、小径部98a,98bは、第1及び第2の弁機構本体85a,85bの内壁面と共に分配室84a,84bを形成する。
【0033】
シリンダ2aの底部外壁面の一部には、第1の切換機構を構成する第1切換機構20aが、例えばシリンダ2aに対し着脱可能に固定されている。また、シリンダ2aの底部側方外壁面の下方側には、第1の切換機構を構成する第2切換機構30aが、例えばシリンダ2aに対して一体成形等により一体的に固定されて配置されている。このような一対の第1の切換機構を構成する第1及び第2切換機構20a,30aは、第1の切換弁機構80aへの制御エアの供給を切り換えるために設けられている。
【0034】
また、シリンダ2bの底部外壁面の一部には、第2の切換機構を構成する第3切換機構20bが、例えばシリンダ2bに対し着脱可能に固定されている。また、シリンダ2bの底部側方外壁面の下方側には、第2の切換機構を構成する第4切換機構30bが、例えばシリンダ2bに対して一体成形等により一体的に固定されて配置されている。このような一対の第2の切換機構を構成する第3及び第4切換機構20b,30bは、第2の切換弁機構80bへの制御エアの供給を切り換えるために設けられている。
【0035】
なお、第1切換機構20a及び第3切換機構20bは、例えばシリンダ2a,2bに対して一体成形等により一体的に固定されて配置されていてもよい。また、第2切換機構30a及び第4切換機構30bは、例えばシリンダ2a,2bに対して着脱可能に固定されて配置されていてもよい。
【0036】
なお、詳細は後述するが、第1及び第2切換機構20a,30aと第3及び第4切換機構20b,30bは、ポンプ室5aの圧縮工程とポンプ室5bの圧縮工程とが部分的に重複する重複期間OP(
図2参照)を有するように、第1及び第2の切換弁機構80a,80bへの制御エアの供給を切り換えるように動作する。
【0037】
第1の切換機構の一部を構成する第1切換機構20aは、図示しないフランジ部をシリンダ2aに対して着脱可能に、例えばねじ止め固定することにより固定される第1の収容ケース21aを備える。第2の切換機構の一部を構成する第3切換機構20bは、図示しないフランジ部をシリンダ2bに対して着脱可能に、例えばねじ止め固定することにより固定される第3の収容ケース21bを備える。これら第1及び第3の収容ケース21a,21bの側面には、制御エアの導入口22a及び導入口22bが形成されると共に、制御エアの排出口23a及び排出口23bが形成されている。
【0038】
第1及び第3の収容ケース21a,21bの導入口22a,22bには制御エア導入路91a及び制御エア導入路91bが接続され、排出口23a,23bには第1の制御エア配管92a及び第3の制御エア配管92bが接続されている。なお、第1及び第3の収容ケース21a,21bの所定位置、例えば第1及び第3の収容ケース21a,21bの底部近傍側面には、第1及び第3の収容ケース21a,21bの内部と外部とを連通する逃げ穴24a及び逃げ穴24bが形成されている。
【0039】
また、第1切換機構20aは、第1の収容ケース21a内を往復動する第1の弁体を構成する第1弁体25aを備える。第3切換機構20bは、第3の収容ケース21b内を往復動する第2の弁体を構成する第3弁体25bを備える。第1及び第3の収容ケース21a,21b内には、これら第1弁体25a及び第3弁体25bを連結板9a,9bの方へ付勢するバネ26a及びバネ26bが備えられている。
【0040】
第1弁体25aは、その先端部が第1の収容ケース21aから連結板9aに向かって突出し、連結板9aの内側面に当接可能に配置されている。第3弁体25bは、その先端部が第3の収容ケース21bから連結板9bに向かって突出し、連結板9bの内側面に当接可能に配置されている。
【0041】
第1及び第3弁体25a,25bは、例えばベローズ3a,3bが収縮限界位置近傍に達したときから収縮限界位置までの間で変位する際に、その先端部が連結板9a,9bと継続的に当接する。そして、そのままバネ26a,26bの弾性力に抗して第1及び第3の収容ケース21a,21b内に押されるように構成されている。
【0042】
従って、第1の収容ケース21aと第1弁体25aとの間に形成される分流路27a、及び第3の収容ケース21bと第3弁体25bとの間に形成される分流路27bは、ベローズ3a,3bが収縮限界位置近傍に達したときに開路し導入口22a,22bと排出口23a,23bとを連通させる。分流路27a,27bが開路したときは、制御エア導入路91a,91bから第1及び第3切換機構20a,20bに供給される制御エアが、第1の制御エア配管92a及び第3の制御エア配管92bを通って第1及び第2の切換弁機構80a,80bの第1の制御エア入出口82a及び第3の制御エア入出口82bに導かれる。
【0043】
また、第1及び第3弁体25a,25bは、その先端部が連結板9a,9bから離間する直前の位置に達したときから離間した状態にあるときは、バネ26a,26bの弾性力により第1及び第3の収容ケース21a,21bから突出して分流路27a,27bを閉路する。これにより、第1及び第3弁体25a,25bは、排出口23a,23bと逃げ穴24a,24bとを第1及び第3の収容ケース21a,21b内で連通させる。
【0044】
このように分流路27a,27bが閉路したときは、第1及び第3の制御エア入出口82a,82bから第1及び第3の制御エア配管92a,92bを介して排出された制御エアが、排出口23a,23bを介して第1及び第3の収容ケース21a,21b内に導入され、逃げ穴24a,24bから外部に排気される。
【0045】
また、第1の切換機構の一部を構成する第2切換機構30aは、シリンダ2aと一体的に形成された第2の収容ケース31aを備える。第2切換機構の一部を構成する第4切換機構30bは、シリンダ2bと一体的に形成された第4の収容ケース31bを備える。これら第2及び第4の収容ケース31a,31bの側面には、制御エアの導入口32a及び導入口32bが形成されると共に、制御エアの排出口33a及び33bが形成されている。
【0046】
第2及び第4の収容ケース31a,31bの導入口32a,32bには制御エア導入路91c及び制御エア導入路91dが接続され、排出口33a,33bには第2の制御エア配管92c及び第4の制御エア配管92dが接続されている。なお、第2及び第4の収容ケース31a,31bの所定位置、例えば第2及び第4の収容ケース31a,31bの底部には、第2及び第4の収容ケース31a,31bの内部と外部とを連通する逃げ穴34a及び逃げ穴34bが形成されている。
【0047】
また、第2切換機構30aは、第2の収容ケース31a内を往復動する第1の弁体を構成する第2弁体35aを備える。第4切換機構30bは、第4の収容ケース31b内を往復動する第2の弁体を構成する第4弁体35bを備える。第2及び第4の収容ケース31a,31b内には、これら第2弁体35a及び第4弁体35bを軸方向に沿って互いに対向する方向、具体的には連結シャフト11bのシャフト部12,13に設けられた当接板35c及び当接板35dの方へ付勢するバネ36a及びバネ36bが備えられている。
【0048】
第2弁体35aは、その先端部が第2の収容ケース31aから当接板35cに向かって突出し、当接板35cに当接可能に配置されている。第4弁体35bは、その先端部が第4の収容ケース31bから当接板35dに向かって突出し、当接板35dに当接可能に配置されている。
【0049】
第2及び第4弁体35a,35bは、例えばベローズ3a,3bが伸長限界位置近傍に達したときから伸長限界位置までの間で変位する際に、その先端部が当接板35c,35dと継続的に当接する。そして、そのままバネ36a,36bの弾性力に抗して第2及び第4の収容ケース31a,31b内に押されるように構成されている。
【0050】
従って、第2の収容ケース31aと第2弁体35aとの間に形成される分流路37a、及び第4の収容ケース31bと第4弁体35bとの間に形成される分流路37bは、ベローズ3a,3bが伸長限界位置近傍に達したときにおいて開路し導入口32a,32bと排出口33a,33bとを連通させる。分流路37a,37bが開路したときは、制御エア導入路91c,91dから第2及び第4切換機構30a,30bに供給される制御エアが、第2の制御エア配管92c及び第4の制御エア配管92dを通って第1及び第2の切換弁機構80a,80bの第2の制御エア入出口83a及び第4の制御エア入出口83bに導かれる。
【0051】
また、第2及び第4弁体35a,35bは、その先端部が当接板35c,35dから離間する直前の位置に達したときから離間した状態にあるときは、バネ36a,36bの弾性力により第2及び第4の収容ケース31a,31bから突出して分流路37a,37bを閉路する。これにより、第2及び第4弁体35a,35bは、排出口33a,33bと逃げ穴34a,34bとを第2及び第4の収容ケース31a,31b内で連通させる。
【0052】
このように分流路37a,37bが閉路したときは、第2及び第4の制御エア入出口83a,83bから第2及び第4の制御エア配管92c,92dを介して排出された制御エアが、排出口33a,33bを介して第2及び第4の収容ケース31a,31b内に導入され、逃げ穴34a,34bから外部に排気される。
【0053】
本実施形態に係る二連往復動ポンプ1は、第1の切換弁機構80aの切換弁86aを、第1及び第2切換機構20a,30aからの制御エアにより切換動作させて、作動室6aへの作動エアの供給を切り換える。また、第2の切換弁機構80bの切換弁86bを、第3及び第4切換機構20b,30bからの制御エアにより切換動作させて、作動室6bへの作動エアの供給を切り換える。
【0054】
すなわち、切換弁86a,86bは、作動エアを、上述した重複期間OPを有するように、例えば第1の弁機構本体85aの作動エア導入口87aと作動エア入出口81aとを連通させると共に、第2の弁機構本体85bの作動エア入出口81bと作動エア排出口88bとを連通させて、作動室6aへ供給し作動室6bから排出させる。
【0055】
また、切換弁86a,86bは、作動エアを、上述した重複期間OPを有するように、例えば第2の弁機構本体85bの作動エア導入口87bと作動エア入出口81bとを連通させると共に、第1の弁機構本体85aの作動エア入出口81aと作動エア排出口88aとを連通させて、作動室6bへ供給し作動室6aから排出させる。そして、重複期間OPを設けることにより、ポンプ室5a,5bのうち、一方のポンプ室の吐出圧力が低下する圧縮工程(吐出工程)の最終段階の直前で、他方のポンプ室からも液体が吐出されるようにすることができるので、吐出側の移送流体の脈動を抑制することができる。
【0056】
次に、このように構成された二連往復動ポンプ1の動作について説明する。ポンプの動作中においては、一対の第1の切換機構を構成する第1及び第2切換機構20a,30a及び一対の第2の切換機構を構成する第3及び第4切換機構20b,30bが、一方のポンプ室5aの圧縮工程と他方のポンプ室5bの圧縮工程とが部分的に重複する重複期間OPを有するように、例えば次のように第1及び第2の切換弁機構80a,80bの動作を切り替えてベローズ3a,3bを駆動する。
【0057】
図2は、本実施形態に係る二連往復動ポンプ1の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。また、
図3〜
図6は、二連往復動ポンプ1の動作を説明するための図である。なお、
図2においては、各部の動作における機械的なタイムラグについては図示を省略している。本実施形態においては、作動流体源の作動エアは、例えば図示しないレギュレータで所定圧力に調整された上で、エア配管99a,99bを介して第1及び第2の切換弁機構80a,80bに常時供給されている。また、作動エアは、エア配管99a,99bから分岐した制御エア導入路91a〜91dを介して第1〜第4切換機構20a,30a,20b,30bに常時供給されている。
【0058】
なお、以降の説明においては、第1及び第2の切換弁機構80a,80bについては、切換弁86a,86bが、作動エア導入口87a,87bと作動エア入出口81a,81bとを連通させているときを「ON状態」とする。また、作動エア入出口81a,81bと作動エア排出口88a,88bとを連通させているときを「OFF状態」とする。
【0059】
また、第1〜第4切換機構20a,30a,20b,30bについては、第1〜第4弁体25a,35a,25b,35bが、分流路27a,37a,27b,37bを介して導入口22a,32a,22b,32bと排出口23a,33a,23b,33bとを連通させているときを「ON状態」とし、これらを連通させていないときを「OFF状態」とする。なお、既に説明した部分と同一の構成要素に関しては同一の参照符号を付しているので、以降においては重複する説明は省略することとする。
【0060】
まず、例えば第1及び第2の切換弁機構80a,80bの切換弁86a,86bが第1及び第2の弁機構本体85a,85b内の右側にあり、ベローズ3aが収縮しベローズ3bが伸長しているときの重複期間OPについて説明する。切換弁86aが第1の弁機構本体85a内の右側にあるので、作動エア導入口87aと作動エア入出口81aとが連通し、作動流体源から供給されてエア配管99aを通った作動エアは、第1の切換弁機構80aの分配室84aを通って第1の主配管90aを介して作動室6aに導入される。
【0061】
これにより、ベローズ3aはその底部がポンプヘッド1aに近付く方向(以下、「ポンプヘッド近接方向」と呼ぶ。)へ移動して収縮し、連結シャフト11a,11bのシャフト部12,12は軸方向に沿って同様にポンプヘッド近接方向へ移動する。また、コイルばね14を介してシャフト部13,13がこれらに少し遅れて連動し、このシャフト部13,13と連動する連結板9bがポンプヘッド1aから離れる方向(以下、「ポンプヘッド離間方向」と呼ぶ。)へ移動する。
【0062】
図2に示す時点t1の前の状態においては、ベローズ3aは収縮限界位置に達するまで収縮を続け、ベローズ3bは伸長限界位置に達するまで伸長を続けている。なお、切換弁86bが第2の弁機構本体85b内の右側にあるので、作動エア入出口81bと作動エア排出口88bとが連通し、ベローズ3bが伸長を続けているときには、作動室6b内の作動エアは、第2の主配管90bを介して第2の切換弁機構80bの分配室84bを通り、作動エア排出口88bから外部に排気される。
【0063】
この場合、
図1に示すように吸込弁18a及び吐出弁19bが閉状態となっており、吸込弁18b及び吐出弁19aが開状態となっているので、移送流体である液体は、吸込口16からポンプ室5b内に導入されると共に、ポンプ室5aから吐出口17を介して吐出される。このように、時点t1の前の状態においては、ポンプ室5aが圧縮工程途中にあり、ポンプ室5bが伸長(膨張)工程途中にあるので、
図1及び
図2に示すように、第1の切換弁機構80aがON状態を維持し、第2の切換弁機構80bがOFF状態を維持している。
【0064】
そして、
図2に示す時点t1の直前において、ベローズ3bが伸長限界位置近傍に達したときに、連結シャフト11bのシャフト部13に設けられた当接板35dが、シリンダ2bに配置された第4切換機構30bの第4弁体35bの先端部に当接する。当接板35dは、そのまま第4弁体35bを押して第4の収容ケース31b内に後退させる。
【0065】
これにより、シリンダ2b側の第4切換機構30bは、第1の切換弁機構80aがON状態の間に、導入口32b及び排出口33bが分流路37bを介して連通することで、
図2に示すようなON状態となる。この第4切換機構30bのON状態は、第4弁体35bが当接板35dと継続的に当接して分流路37bが開路することにより維持される。
【0066】
こうしてシリンダ2b側の第4切換機構30bがON状態になると、制御エア導入路91dからの制御エアが分流路37bを介して第4の制御エア配管92dを通り、第2の切換弁機構80bの第4の制御エア入出口83bに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86bは、第2の弁機構本体85b内の左側へ移動する。そして、作動エア導入口87bと作動エア入出口81bとが小径部98b及び分配室84bを介して連通し、第2の切換弁機構80bがON状態となる。
【0067】
なお、第2の弁機構本体85b内にある第3の制御エア入出口82b側の制御エアは、左側へ移動した切換弁86bに押し出されて第3の制御エア入出口82bから排出される。そして、排出された制御エアは、第3の制御エア配管92bを通ってシリンダ2b側に配置された第3切換機構20bの排出口23bから第3の収容ケース21b内に導入され、逃げ穴24bを通って外部に排気される。
【0068】
このような構造により、切換弁86bはスムーズに第2の弁機構本体85b内を左側に移動する。こうして、
図2中矢印曲線L1で示すように、シリンダ2b側の第4切換機構30bがON状態となった直後の時点t1において第2の切換弁機構80bがON状態となる。第2の切換弁機構80bがON状態になると、作動エア導入口87bと作動エア入出口81bとが連通するので、作動流体源から供給されてエア配管99bを通った作動エアが、第2の切換弁機構80bの分配室84bを通って第2の主配管90bを介して作動室6bに導入される。
【0069】
これにより、ポンプ室5bは伸長工程から圧縮工程へと切り替わる。しかし、この時点t1においては、もう一方の作動室6aにも第1の切換弁機構80aを介して作動エアが供給され続けているので、ポンプ室5aも圧縮工程を維持しており、両方のポンプ室5b,5aの圧縮工程が重複する重複期間OPが開始される。ここでの重複期間OPにおいては、吸込弁18a,18bが閉状態となり、吐出弁19a,19bが開状態となるので、両方のポンプ室5a,5bから移送流体である液体が吐出口17を介して吐出され、脈動が防止される。なお、連結シャフト11a,11bのコイルばね14は、この際のベローズ3a,3bの両端間の寸法変化を吸収するために圧縮される。
【0070】
第2の切換弁機構80bがON状態となってポンプ室5bが圧縮工程に切り替わると、伸長限界位置に達していたベローズ3bはその底部が反対側の収縮限界位置に達するまで、ポンプヘッド近接方向へ移動するように収縮する。そして、連結シャフト11a,11bのシャフト部13,13は軸方向に沿って同様にポンプヘッド近接方向へ移動する。
【0071】
一方、時点t1のときに、まだ圧縮工程途中にあるポンプ室5a側においては、ベローズ3aがその圧縮工程の終盤になって時点t1の後で時点t2の前の状態において収縮限界位置近傍に達したときに、連結板9aがシリンダ2a側に配置された第1切換機構20aの第1弁体25aの先端部に当接する。連結板9aは、そのまま第1弁体25aを押して第1の収容ケース21a内に後退させる。
【0072】
これにより、シリンダ2a側の第1切換機構20aは、第1及び第2の切換弁機構80a,80bがON状態の間に、導入口22a及び排出口23aが分流路27aを介して連通することで、時点t1以降の時点t2の直前において、
図2に示すようなON状態となる。この第1切換機構20aのON状態は、第1弁体25aが連結板9aと継続的に当接して分流路27aが開路することにより維持される。
【0073】
こうしてシリンダ2a側の第1切換機構20aがON状態になると、制御エア導入路91aからの制御エアが分流路27aを介して第1の制御エア配管92aを通り、第1の切換弁機構80aの第1の制御エア入出口82aに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86aは、第1の弁機構本体85a内の左側へ移動し、第1の切換弁機構80aがOFF状態となる。
【0074】
なお、第1の弁機構本体85a内にある第2の制御エア入出口83a側の制御エアは、左側へ移動した切換弁86aに押し出されて第2の制御エア入出口83aから排出される。そして、排出された制御エアは、第2の制御エア配管92cを通ってシリンダ2a側に配置された第2切換機構30aの排出口33aから第2の収容ケース31a内に導入され、逃げ穴34aを通って外部に排気される。
【0075】
このような構造により、切換弁86aはスムーズに第1の弁機構本体85a内を左側に移動する。こうして、
図2中矢印曲線L2で示すように、シリンダ2a側の第1切換機構20aがON状態となった直後の時点t2において、第1の切換弁機構80aがOFF状態となる。このように、重複期間OPは時点t1から時点t2の間に設けられる。
【0076】
第1の切換弁機構80aがOFF状態になると、作動エア入出口81aと作動エア排出口88aとが連通するので、作動室6a内にある作動エアは、第1の主配管90aを介して第1の切換弁機構80aの分配室84aを通り、作動エア排出口88aから外部に排気される。
【0077】
時点t1の後の状態で既に圧縮工程となっているベローズ3b側にて、軸方向に沿ってポンプヘッド近接方向へ移動している連結シャフト11a,11bのシャフト部13,13に少し遅れて、コイルばね14を介してシャフト部12,12が軸方向に沿ってポンプヘッド離間方向へ移動し、シャフト部12,12と連動する連結板9aがポンプヘッド離間方向へ移動する。
【0078】
これにより、時点t2において、ポンプ室5aは圧縮工程から伸長工程へと切り替わる。ポンプ室5aが伸長工程に切り替わると、圧縮限界位置に達していたベローズ3aはその底部が反対側の伸長限界位置に達するまでポンプヘッド離間方向へ移動するように伸長する。そして、連結シャフト11a,11bのシャフト部12,12は軸方向に沿って同様にポンプヘッド離間方向へ移動する。
【0079】
こうして、時点t2の直後の状態においては、二連往復動ポンプ1は、例えば
図3に示すようになる。すなわち、第1及び第2の切換弁機構80a,80bの切換弁86a,86bは、第1及び第2の弁機構本体85a,85b内の左側に移動している。第2の切換弁機構80bからの作動エアは、第2の主配管90bを介して
図3中矢印Aで示すように作動室6b内に供給される。
【0080】
制御エア導入路91dからの制御エアは、第4の制御エア配管92d及び第4の制御エア入出口83bを介して、
図3中矢印Bで示すように第2の弁機構本体85b内に導入される。第2の弁機構本体85b内の制御エアは、第3の制御エア入出口82b及び第3の制御エア配管92bを介して、
図3中矢印Cで示すように第3切換機構20b内に導入され逃げ穴24bから排気される。
【0081】
また、作動室6a内の作動エアは、第1の主配管90a及び作動エア入出口81aを介して、
図3中矢印Dで示すように第1の弁機構本体85a内に導入され、分配室84a、小径部98a及び作動エア排出口88aを介して排気される。制御エア導入路91aからの制御エアは、第1の制御エア配管92a及び第1の制御エア入出口82aを介して、
図3中矢印Eで示すように第1の弁機構本体85a内に導入される。第1の弁機構本体85a内の制御エアは、第2の制御エア入出口83a及び第2の制御エア配管92cを介して、
図3中矢印Fで示すように第2切換機構30a内に導入され逃げ穴34aから排気される。
【0082】
図2に示す時点t2以降の時点t3の前の状態においては、ベローズ3aは伸長限界位置に達するまで伸長を続け、ベローズ3bは収縮限界位置に達するまで収縮を続けている。この場合、吸込弁18b及び吐出弁19aが閉状態となっており、吸込弁18a及び吐出弁19bが開状態となっているので、移送流体である液体は、吸込口16からポンプ室5a内に導入されると共に、ポンプ室5bから吐出口17を介して吐出される。このように、時点t2以降の時点t3の前の状態においてはポンプ室5aが伸長工程途中にあり、ポンプ室5bが圧縮工程途中にあるので、
図2及び
図3に示すように、第1の切換弁機構80aがOFF状態を維持し、第2の切換弁機構80bがON状態を維持している。
【0083】
なお、時点t2の後において、連結板9aが第1切換機構20aの第1弁体25aから離間すると、第1切換機構20aは
図2に示すようなOFF状態となる。この第1切換機構20aがOFF状態になると、分流路27aが閉路されて排出口23aと逃げ穴24aとが連通される。
【0084】
また、時点t2の後において、第1切換機構20aがOFF状態となった後に、当接板35dが第4切換機構30bの第4弁体35bから離間すると、第4切換機構30bは
図2に示すようなOFF状態となる。この第4切換機構30bがOFF状態になると、分流路37bが閉路されて排出口33bと逃げ穴34bとが連通される。
【0085】
そして、
図2に示す時点t3の直前において、ベローズ3aが伸長限界位置近傍に達したときに、連結シャフト11bのシャフト部12に設けられた当接板35cが、シリンダ2a側に配置された第2切換機構30aの第2弁体35aの先端部に当接する。当接板35cは、そのまま第2弁体35aを押して第2の収容ケース31a内に後退させる。
【0086】
これにより、シリンダ2a側の第2切換機構30aは、第2の切換弁機構80bがON状態の間に、導入口32a及び排出口33aが分流路37aを介して連通することで、時点t2以降の時点t3の直前において、
図2に示すようなON状態となる。この第2切換機構30aのON状態は、第2弁体35aが当接板35cと継続的に当接して分流路37aが開路することにより維持される。
【0087】
こうしてシリンダ2a側の第2切換機構30aがON状態になると、
図4中矢印Gで示すように、制御エア導入路91cからの制御エアが分流路37aを介して第2の制御エア配管92cを通り、第1の切換弁機構80aの第2の制御エア入出口83aに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86aは、
図4中矢印Hで示すように第1の弁機構本体85a内の右側へ移動する。そして、作動エア導入口87aと作動エア入出口81aとが小径部98a及び分配室84aを介して連通し、第1の切換弁機構80aがON状態となる。
【0088】
なお、第1の弁機構本体85a内にある第1の制御エア入出口82a側の制御エアは、右側へ移動した切換弁86aに押し出されて第1の制御エア入出口82aから排出される。そして、排出された制御エアは、
図4中矢印Iで示すように、第1の制御エア配管92aを通ってシリンダ2a側の第1切換機構20aの排出口23aから第1の収容ケース21a内に導入され、逃げ穴24aを通って外部に排気される。
【0089】
このような構造により、切換弁86aはスムーズに第1の弁機構本体85a内を右側へ移動する。こうして、
図2中矢印曲線L3で示すように、シリンダ2a側の第2切換機構30aがON状態となった直後の時点t3において第1の切換弁機構80aがON状態となる。第1の切換弁機構80aがON状態になると、作動エア導入口87aと作動エア入出口81aとが連通するので、作動流体源から供給されてエア配管99aを通った作動エアが、再び第1の切換弁機構80aの分配室84aを通って第1の主配管90aを介して作動室6aに導入される。
【0090】
これにより、ポンプ室5aは伸長工程から圧縮工程へと切り替わる。しかし、この時点t3においては、もう一方の作動室6bにも第2の切換弁機構80bを介して作動エアが供給され続けているので、ポンプ室5bも圧縮工程を維持しており、両方のポンプ室5a,5bの圧縮工程が重複する重複期間OPが再び開始される。ここでの重複期間OPにおいても、上述したように両方のポンプ室5a,5bから移送流体である液体が吐出され、脈動が防止される。コイルばね14は、このときもベローズ3a,3bの両端間の寸法変化を吸収するために圧縮される。
【0091】
第1の切換弁機構80aがON状態となってポンプ室5aが圧縮工程に切り替わると、伸長限界位置に達していたベローズ3aはその底部が反対側の収縮限界位置に達するまで、ポンプヘッド近接方向へ移動するように収縮する。そして、連結シャフト11a,11bのシャフト部12,12は再び軸方向に沿ってポンプヘッド近接方向へ移動する。
【0092】
一方、時点t3のときに、まだ圧縮工程途中にあるポンプ室5b側においては、ベローズ3bがその圧縮工程の終盤になって時点t3の後で時点t4の前の状態において収縮限界位置近傍に達したときに、連結板9bがシリンダ2bに配置された第3切換機構20bの第3弁体25bの先端部に当接する。連結板9bは、そのまま第3弁体25bを押して第3の収容ケース21b内に後退させる。
【0093】
これにより、シリンダ2b側の第3切換機構20bは、第1及び第2の切換弁機構80a,80bがON状態の間に、導入口22b及び排出口23bが分流路27bを介して連通することで、時点t3以降の時点t4の直前において、
図2に示すようなON状態となる。この第3切換機構20bのON状態は、第3弁体25bが連結板9bと継続的に当接して分流路27bが開路することにより維持される。
【0094】
こうしてシリンダ2b側の第3切換機構20bがON状態になると、
図5中矢印Jで示すように、制御エア導入路91bからの制御エアが分流路27bを介して第3の制御エア配管92bを通り、第2の切換弁機構80bの第3の制御エア入出口82bに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86bは、
図5中矢印Kで示すように第2の弁機構本体85b内の右側へ移動する。そして、作動エア入出口81bと作動エア排出口88bとが小径部98b及び分配室84bを介して連通し、第2の切換弁機構80bがOFF状態となる。
【0095】
なお、第2の弁機構本体85b内にある第4の制御エア入出口83b側の制御エアは、右側へ移動した切換弁86bに押し出されて第4の制御エア入出口83bから排出される。この排出された制御エアは、
図5中矢印Mで示すように、第4の制御エア配管92dを通ってシリンダ2b側の第4切換機構30bの排出口33bから第4の収容ケース31b内に導入され、逃げ穴34bを通って外部に排気される。
【0096】
このような構造により、切換弁86bはスムーズに第2の弁機構本体85b内を右側に移動する。こうして、
図2中矢印曲線L4で示すように、シリンダ2b側の第3切換機構20bがON状態となった直後の時点t4において、第2の切換弁機構80bがOFF状態となる。このように、重複期間OPは時点t3から時点t4の間に再び設けられる。
【0097】
第2の切換弁機構80bがOFF状態になると、作動エア入出口81bと作動エア排出口88bとが連通するので、作動室6b内にある作動エアは、再び第2の主配管90bを介して第2の切換弁機構80bの分配室84bを通り、作動エア排出口88bから再度外部に排気される。
【0098】
時点t4の後の状態で既に圧縮工程となっているベローズ3a側にて、軸方向に沿ってポンプヘッド近接方向へ移動している連結シャフト11a,11bのシャフト部12,12に少し遅れて、コイルばね14を介してシャフト部13,13が軸方向に沿ってポンプヘッド離間方向へ移動し、シャフト部13,13と連動する連結板9bがポンプヘッド離間方向へ移動する。
【0099】
これにより、時点t4において、ポンプ室5bは圧縮工程から再び伸長工程へと切り替わる。ポンプ室5bが伸長工程に切り替わると、圧縮限界位置に達したベローズ3bはその底部が反対側の伸長限界位置に達するまでポンプヘッド離間方向へ移動するように伸長する。そして、連結シャフト11a,11bのシャフト部13,13は軸方向に沿ってポンプヘッド離間方向へ再度移動する。
【0100】
こうして、時点t4の直後の状態においては、二連往復動ポンプ1は、例えば
図6に示すようになる。すなわち、第1及び第2の切換弁機構80a,80bの切換弁86a,86bは、第1及び第2の弁機構本体85a,85b内の右側に移動している。第1の切換弁機構80aからの作動エアは、第1の主配管90aを介して
図6中矢印Nで示すように作動室6a内に供給される。
【0101】
制御エア導入路91cからの制御エアは、第2の制御エア配管92c及び第2の制御エア入出口83aを介して
図6中矢印Oで示すように第1の弁機構本体85a内に導入される。第1の弁機構本体85a内の制御エアは、第1の制御エア入出口82a及び第1の制御エア配管92aを介して
図6中矢印Pで示すように第1切換機構20a内に導入され逃げ穴24aから排気される。
【0102】
また、作動室6b内の作動エアは、第2の主配管90b及び作動エア入出口81bを介して、
図6中矢印Qで示すように第2の弁機構本体85b内に導入され、分配室84b、小径部98b及び作動エア排出口88bを介して排気される。制御エア導入路91bからの制御エアは、第3の制御エア配管92b及び第3の制御エア入出口82bを介して、
図6中矢印Jで示すように第2の弁機構本体85b内に導入される。第2の弁機構本体85b内の制御エアは、第4の制御エア入出口83b及び第4の制御エア配管92dを介して、
図6中矢印Sで示すように第4切換機構30b内に導入され逃げ穴34bから排気される。
【0103】
本実施形態に係る二連往復動ポンプ1は、時点t4以降においては、以上のような動作を繰り返す。すなわち、第1〜第4切換機構20a,30a,20b,30bからの制御エアの供給を切り換えて、第1及び第2の切換弁機構80a,80bを、重複期間OPを有するように動作させて、一対のポンプ室5a,5bを駆動する。
【0104】
このように、本実施形態に係る二連往復動ポンプ1によれば、従来のコントローラや電磁弁等の電気的な構成を一切採用せずに、機械的な構成である第1及び第2の切換弁機構80a,80bや、第1〜第4切換機構20a,30a,20b,30bのみを組み合わせて、ポンプ室5a,5bを重複期間OPを有するように駆動することができる。
【0105】
このため、移送流体の脈動低減を図りつつ二連往復動ポンプ1全体の低コスト化を図ることができる。なお、上述した実施形態においては、例えば第1〜第4切換機構20a,30a,20b,30bは、いわゆるメカニカル弁により構成され、第1及び第2の切換弁機構80a,80bは、いわゆるスプール弁により構成されていたが、本実施形態に係るこれらの機械的構成は、その他の種々の形態をとり得る。
【0106】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。