特許第6644100号(P6644100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6644100低粘度乳化シリコーンポリマーを含むヘアコンディショニング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644100
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】低粘度乳化シリコーンポリマーを含むヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20200130BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A61K8/898
   A61K8/41
   A61K8/34
   A61Q5/12
   A61Q19/00
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-34055(P2018-34055)
(22)【出願日】2018年2月28日
(62)【分割の表示】特願2016-517500(P2016-517500)の分割
【原出願日】2014年9月16日
(65)【公開番号】特開2018-109048(P2018-109048A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2018年3月19日
(31)【優先権主張番号】61/883,680
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アルバート スナイダー
(72)【発明者】
【氏名】マーサ ジェーン ウィーバー
【審査官】 ▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−524918(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0135588(US,A1)
【文献】 特表2008−542400(JP,A)
【文献】 特表2006−525397(JP,A)
【文献】 特表平11−500461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショニング組成物が、
a)シリコーンポリマーであって、
i.1つ以上の第四級基、
ii.200超〜500個のシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロック、
iii.少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造ユニット、及び
iv.少なくとも1つの末端エステル基、を含み、
前記シリコーンポリマーが、500mPa.s〜10,000mPa.sの粘度を有し、
前記シリコーンポリマーが、1マイクロメートル未満の粒径を有する予備乳化された分散液であり、かつ、以下の式(Ia)又は(Ib)によって規定される化学構造:
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(NR2−A−E−A’−NR2)−Y−]k−M(Ia)
(式中、
mは、平均値で0.01〜10であり、
kは、平均値で0〜10であり、
Mは、−OC(O)−Zであり、
式中、Zは、10〜18個の炭素原子を有する炭化水素鎖であり、
A及びA’のそれぞれは、独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択され、
Eは、次の一般式:
−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−[CH2CH(C25)O]s
のポリアルキレンオキシド基であり、
ここで
q=0〜50であり、
r=0〜50であり、
q+rは少なくとも1であり、
s=0であり、
q+r+s=1〜100であり、
Rは、最大22個の炭素原子及び任意に1つ以上のヘテロ原子を有する一価の有機基から選択され、窒素原子における遊離原子価は炭素原子に結合され、R2はメチルであり、
Yは、次式:
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−の基であり、
ここで
S=
【化1】
であり、式中、R1=C1〜C22−アルキル、C1〜C22−フルオルアルキル又はアリールであり、
n=300〜500であり、
Kは、−O−により任意に中断され、かつ−OHで任意に置換される、二価又は三価の直鎖、環状、及び/又は分岐状のC2〜C40炭化水素残基であり、
式中、Tは、二価の直鎖、環状、又は分岐状C1〜C20炭化水素ラジカルから選択される)、
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(N+22−A−E−A’−N+22)−Y−]k−M(Ib)
(式中、
mは、平均値で0.01〜10であり、
kは、平均値で0〜10であり、
Mは、−OC(O)−Zであり、
式中、Zは、10〜18個の炭素原子を有する炭化水素鎖であり、
A及びA’のそれぞれは、独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択され、
Eは、次の一般式:
−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−[CH2CH(C25)O]s
のポリアルキレンオキシド基であり、
ここで q=0〜50であり、
r=0〜50であり、
s=0であり、
q+rは、少なくとも1であり、
q+r+s=1〜100であり、
Rは、最大22個の炭素原子及び任意に1つ以上のヘテロ原子を有する一価の有機基から選択され、窒素原子における遊離原子価は炭素原子に結合され、R2は、メチルであり、
Yは、次式:
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−の基であり、
ここで
S=
【化2】
であり、式中、R1=C1〜C22−アルキル、C1〜C22−フルオルアルキル、又はアリールであり、
n=300〜500であり、
Kは、−O−により任意に中断され、かつ−OHで任意に置換される、二価若しくは三価の直鎖、環状、及び/又は分岐状のC2〜C40炭化水素残基であり、
式中、Tは、二価の直鎖、環状、又は分岐状C1〜C20炭化水素ラジカルから選択される)、
を有する、シリコーンポリマーと、
b)ゲルマトリックスであって、
i.カチオン性界面活性剤、
ii.高融点脂肪族化合物、及び
iii.水性キャリア、を含む、ゲルマトリックスと、
を含み、該組成物がシリコーンコポリオールを含まない、ヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
前記シリコーンブロックが、300〜500個のシロキサン単位を含む、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
前記シリコーンポリマーが、前記組成物の0.05重量%〜15重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記シリコーンポリマーが、前記組成物の0.1重量%〜10重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記シリコーンポリマーが、前記組成物の0.15重量%〜5重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記−K−S−K−部分中のK残基が同一であるか又は異なっており、かつC−Si結合を介して残基Sのケイ素原子に結合する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項7】
前記シリコーンポリマーが、500〜5000mPa.sの粘度を伴う、請求項1〜のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記カチオン性界面活性剤が、前記組成物の0.1重量%〜10重量%の量で存在する、請求項1〜のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項9】
毛髪又は皮膚に改善されたコンディショニング効果をもたらす方法であって、前記毛髪又は皮膚に、請求項1〜のいずれか一項に記載のヘアコンディショニング組成物を塗布する工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
シリコーンポリマー及びゲルマトリックスを含むヘアコンディショニング組成物が提供される。該シリコーンポリマーは、例えば、最大100,000mPa.sのより低い粘度を有し、これは、本組成物がシリコーンブレンドを必要とせずに、傷んだ毛髪及び傷んでいない毛髪の両方に滑らかな感触及び摩擦の軽減等の改善されたコンディショニング効果をもたらすことを可能にする。該シリコーンポリマーは、約1マイクロメートル未満の粒径を有する予備乳化された分散液であり得る。
【背景技術】
【0002】
シリコーンポリマーは、ヘアケア、特に毛髪へのコンディショニング効果の提供において、戦略的に重要な材料である。ヒト毛髪は、例えば、シャンプー、櫛ですく、パーマネントウェーブ、及び/又は毛染めによって傷む。このような傷んだ毛髪は、多くの場合、傷んでいない又は傷みが少ない毛髪と比べて、親水性のままでありかつ/又は、特に毛髪を乾かすときに、滑らかでない状態である。アミン−及び四級官能基と結合する、シリコーン及びアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド基(EO/PO))のブロックからなるシリコーンポリマーは、傷んだ毛髪の親水性を中和するために使用されている。シリコーンブロックが、コンディショニング及び潤滑性に貢献する一方で、ポリマー鎖に含まれるアミン−及び四級官能基は、すすぎ中の付着を更に促進する。特に、最適なコンディショニング性は、200個超のD単位を有するシリコーンブロックで観察されている。しかしながら、これらの材料は一般に、未希釈材料のときに高い粘度を有する。所望のコンディショニング効果を得るために、これらのシリコーンポリマーは従来、シリコーンコポリオール又は他の希釈剤若しくは溶媒とブレンドして使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に基づき、更により改善されたコンディショニング効果(例えば滑らかな感触及び摩擦の軽減等)を濡れた毛髪及び乾いた毛髪に与えるヘアコンディショニング組成物の必要性が存在する。更に、傷んだ毛髪におけるコンディショニング効果を改善する、ヘアコンディショニング組成物の必要性が存在する。
【0004】
また、シリコーンポリマーと組み合わせる追加のブレンド材料の必要性を最低限にしながらも、従来のブレンド材料よりも低いコスト及び複雑性で上記効果の組み合わせをもたらす組成物の必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
理論によって束縛されることなく、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物中の低粘度シリコーンポリマーは、シリコーンブレンドの必要性を排除する一方で、傷んだ毛髪及び傷んでいない毛髪の両方に改善されたコンディショニング効果をもたらす。これらの効果は、シリコーンポリマーが、約1マイクロメートル未満の粒径を有する予備乳化された分散液であるときに増強される。一実施形態では、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物中の予備乳化低粘度シリコーンポリマーは、より少ないシリコーンポリマーを使用して改善されたコンディショニングをもたらす。
【0006】
一実施形態によると、本ヘアコンディショニング組成物は、シリコーンポリマーであって、1つ以上の第四級基、200個を超えるシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロック、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造ユニット、及び少なくとも1つの末端エステル基、を含み、該シリコーンポリマーが、最大100,000mPa.sの粘度を有し、該シリコーンポリマーが、約1マイクロメートル未満の粒径を有する予備乳化された分散液である、シリコーンポリマーを含み得、本ヘアコンディショニング組成物は、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアを含むゲルマトリックスを含む。
【0007】
本発明の実施形態によって提供されるこれらの及び追加的な特徴は、以下の「発明を実施するための形態」を考慮してより完全に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
パーソナルケア組成物(例えば、ヘアコンディショニング組成物)の構成成分を以下に説明する。本明細書に記載されるパーソナルケア組成物の実施形態で有用な、種々の任意かつ好ましい構成成分の非排他的な説明も含まれる。本明細書は、本発明を具体的に示しかつ明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0009】
全ての百分率、部、及び比は、特に規定のない限り、本明細書に記載される組成物の総重量に基づく。列記される成分に関するとき、このような重量は全て、特に規定のない限り、活性物質のレベルに基づき、したがって、市販の材料に含まれ得る溶媒又は副生成物を含まないものとする。「重量パーセント」という用語は、本明細書において「重量%」と表記される場合がある。
【0010】
本明細書で用いられる全ての分子量は、特に規定のない限り、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0011】
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載される追加若しくは任意の成分、構成成分、工程、又は制限事項のいずれかを含み得、これらからなることができ、これらから本質的になることができる。
【0012】
本明細書において、「混合物」は、材料の単純な組み合わせと、それらの組み合わせから生じ得るあらゆる化合物とを含むよう意図される。
【0013】
本明細書で用いるとき、「しるし」は、テキスト及び/又は図を含む識別マークを意味する。
【0014】
本明細書で用いるとき、「画像」は、物体の写真、図、及び/又はその他画像表示を意味する。
【0015】
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物の実施形態は、最大100,000mPa.sの粘度を有するシリコーンポリマーを含む。これらの組成物は、第四級基を含有するシリコーンポリマーをゲルマトリックスと混合する工程を含む方法によって調製される。
【0016】
傷んだ毛髪は、傷んでいない及び/又は傷みが少ない毛髪と比較して、疎水性が低い。毛髪の疎水性を改善することによって、ヘアコンディショニング組成物は、毛髪に改善された滑らかな感触と摩擦の軽減をもたらすことができると考えられる。また、毛髪の疎水性の改善は、本明細書に記載されるパーソナルケア組成物のいくつかの他の好ましい特徴、例えば、シリコーン及び/又はカチオン性界面活性剤等の追加の材料の使用によってもたらされることができると考えられる。更に、理論に制限されることなく、疎水性の改善により、周囲環境の湿度に対する毛髪の許容度が改善され、それによって、雨及び/又は湿度の高い日の縮れ及び/又ははね上がりが軽減されると考えられる。
【0017】
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、約2〜約9、あるいは約3〜約7のpHを有する。
【0018】
A.第四級基を含有するシリコーンポリマー
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、最大100,000mPa.sの粘度を有する低粘度シリコーンポリマーを含み得る。理論によって束縛されることなく、この低粘度シリコーンポリマーは、シリコーンブレンドの必要性を排除する一方で、滑らかな感触、摩擦の低減、及び毛髪の傷みの防止等の改善されたコンディショニング効果をもたらす。
【0019】
構造的に、該シリコーンポリマーは、1つ以上の第四級アンモニウム基、200個を超えるシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロック、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造ユニット、及び少なくとも1つの末端エステル基、を含む、ポリオルガノシロキサン化合物である。1つ又は2つ以上の実施形態では、シリコーンブロックは、300〜500個のシロキサン単位を含み得る。
【0020】
シリコーンポリマーは、本組成物の約0.05重量%〜約15重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約0.15重量%〜約5重量%、あるいは約0.2重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0021】
好ましい実施形態では、本発明によるポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(Ia)及び(Ib)を有する。
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(NR2−A−E−A'−NR2)−Y−]k−M (Ia)
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(N+22−A−E−A'−N+22)−Y−]k−M (Ib)
式中、
mは、0超、好ましくは0.01〜100、より好ましくは0.1〜100、更により好ましくは1〜100、具体的には1〜50、より具体的には1〜20、更により具体的には1〜10であり、
kは、0であるか、又は平均値で0超〜50、又はあるいは1〜20、又はあるいは1〜10であり、
Mは、
−OC(O)−Z
−OS(O)2−Z
−OS(O2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH
−OP(O)(O−Z)2
から選択される末端エステル基を含む、末端基を表し、式中、Zは、最大40個の炭素原子を有し、任意に1つ以上のヘテロ原子を含む、一価の有機残基から選択される。
【0022】
A及びA'は、それぞれ互いに独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択され、
Eは、一般式:
−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−[CH2CH(C25)O]s−のポリアルキレンオキシド基であり、
式中、q=0〜200であり、r=0〜200であり、s=0〜200であり、q+r+s=1〜600である。
【0023】
2は、水素又はRから選択され、
Rは、最大22個の炭素原子及び任意に1つ以上のヘテロ原子を有する一価の有機基から選択され、窒素原子の遊離原子価は炭素原子に結合しており、
Yは、式:
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−の基であり、
ここで
S=
【0024】
【化1】
であり、式中、R1=C1〜C22−アルキル、C1〜C22−フルオルアルキル(fluoralkyl)、又はアリールであり、n=200〜1000であり、ポリオルガノシロキサン化合物中にいくつかのS基が存在する場合、これらは同一であるか又は異なっていてもよい。
【0025】
Kは、−O−、−NH−、三価のN、−NR1−、−C(O)−、−C(S)−により任意に中断され、かつ−OHで任意に置換される、二価又は三価の直鎖、環状、及び/又は分岐状のC2〜C40炭化水素残基であり、式中、R1は、上に定義された通りであり、
Tは、最大20個の炭素原子及び1つ以上のヘテロ原子を有する二価の有機基から選択される。
【0026】
残基Kは、互いに同一であるか又は異なっていてもよい。−K−S−K−部分において、残基Kは、C−Si結合を介して残基Sのケイ素原子に結合する。
【0027】
ポリオルガノシロキサン化合物中のアミン基(−(NR2−A−E−A'−NR2)−)の存在の可能性のため、これらは、有機酸又は無機酸によるこのようなアミン基のプロトン化から生じるプロトン化アンモニウム基を有する場合がある。このような化合物は、本発明によるポリオルガノシロキサン化合物の酸付加塩と称される場合がある。
【0028】
好ましい一実施形態では、第四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)のモル比は、100:20未満であり、更により好ましくは100:30未満であり、最も好ましくは100:50未満である。この比は、13C−NMRによって決定することができる。
【0029】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン組成物は、
A)a)少なくとも1つのポリオルガノシロキサン基、b)少なくとも1つの第四級アンモニウム基、c)少なくとも1つの末端エステル基、及びd)少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基(上に定義された通り)を含む、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、
B)A)とは異なる少なくとも1つの末端エステル基を含む少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、を含み得る。
【0030】
構成成分A)の定義において、本発明のポリオルガノシロキサン化合物の説明を参照することができる。ポリオルガノシロキサン化合物B)は、第四級アンモニウム基を含まないという点で、ポリオルガノシロキサン化合物A)と選択的に異なる。好ましいポリオルガノシロキサン化合物B)は、一官能性有機酸、特にカルボン酸と、ビスエポキシドを含有するポリオルガノシロキサンとの反応から生じる。
【0031】
本発明によるポリオルガノシロキサン組成物中、化合物A)と化合物B)の重量比は、代案として90:10未満である。又は換言すれば、構成成分B)の含有量は、少なくとも10重量パーセントである。本発明によるポリオルガノシロキサン組成物の更に好ましい一実施形態では、化合物A)において、第四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)のモル比は、100:10未満であり、更により好ましくは100:15未満であり、最も好ましくは100:20未満である。
【0032】
シリコーンポリマーは、20℃及び0.1s-1の剪断速度(プレート−プレートシステム、プレート直径40mm、間隙幅0.5mm)において100,000mPa.s(100Pa.s)未満の粘度を有する。更なる実施形態では、未希釈シリコーンポリマーの粘度は、500〜100,000mPa.s、又はあるいは500〜70,000mPa.s、又はあるいは500〜50,000mPa.s、又はあるいは500〜20,000mPa.sの範囲であり得る。更なる実施形態では、未希釈ポリマーの粘度は、20℃及び0.1s-1の剪断速度で判定されて500〜10,000mPa.s、又はあるいは500〜5000mPa.sの範囲であり得る。
【0033】
上記のシリコーンポリマーに加えて、以下の好ましい組成物を以下に提供する。例えば、一般式:
−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−[CH2CH(C25)O]s
のポリアルキレンオキシド基Eにおいて、式中、q、r、及びsの指数は、次の通り定義することができる。
qは、0〜200、又はあるいは0〜100、又はあるいは0〜50、又はあるいは0〜20であり、
rは、0〜200、又はあるいは0〜100、又はあるいは0〜50、又はあるいは0〜20であり、
sは、0〜200、又はあるいは0〜100、又はあるいは0〜50、又はあるいは0〜20であり、
q+r+sは、1〜600、又はあるいは1〜100、又はあるいは1〜50、又はあるいは1〜40である。
【0034】
一般式Sを有するポリオルガノシロキサン構造単位では、
【0035】
【化2】
1=C1〜C22−アルキル、C1〜C22−フルオルアルキル、又はアリールであり、n=200〜1000、又はあるいは300〜500であり、K(−K−S−K−基中)は、あるいは、−O−、−NH−、三価のN、−NR1−、−C(O)−、−C(S)−により任意に中断され、かつ−OHで任意に置換される、二価又は三価の直鎖、環状、又は分岐状のC2〜C20炭化水素残基である。
【0036】
特定の実施形態では、R1は、C1〜C18アルキル、C1〜C18フルオロアルキル、及びアリールである。更に、R1は、あるいは、C1〜C18アルキル、C1〜C6フルオロアルキル、及びアリールである。更に、R1は、あるいは、C1〜C6アルキル、C1〜C6フルオロアルキル、あるいはC1〜C4フルオロアルキル、及びフェニルである。最も代案として、R1は、メチル、エチル、トリフルオロプロピル、及びフェニルである。
【0037】
本明細書で用いるとき、「C1〜C22アルキル」という用語は、直鎖又は分岐状であってもよい1〜22個の炭素原子を脂肪族炭化水素基が保有することを意味する。メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、ウンデシル、イソプロピル、ネオペンチル、及び1,2,3−トリメチルヘキシル部分が例である。
【0038】
更に、本明細書で用いるとき、「C1〜C22フルオロアルキル」という用語は、直鎖又は分岐状であってもよく、少なくとも1個のフッ素原子で置換される、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素化合物を意味する。モノフルオルメチル(Monofluormethyl)、モノフルオロエチル、1,1,1−トリフルオルエチル(trifluorethyl)、ペルフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリフルオロブチルが好適な例である。
【0039】
更に、「アリール」という用語は、非置換、又はOH、F、Cl、CF3で1回若しくは数回フェニル置換された、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C3〜C7シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、又はフェニルを意味する。アリールは、ナフチルを意味する場合もある。
【0040】
ポリオルガノシロキサンの実施形態では、アンモニウム基(複数可)から生じる正電荷は、クロリド、ブロミド、硫酸水素塩、硫酸塩等の無機アニオン、又は、C1〜C30カルボン酸から誘導されるカルボン酸塩、例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、特にC10〜C18カルボン酸から誘導されるカルボン酸塩、例えばデカン酸塩、ドデカン酸塩、テトラデカン酸塩、ヘキサデカン酸塩、オクタデカン酸塩、及びオレイン酸塩、アルキルポリエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルポリエーテル硫酸塩、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステルから誘導されるリン酸塩のような有機アニオンで中和される。ポリオルガノシロキサン化合物の特性は、とりわけ、使用される酸の選択に基づいて修飾され得る。
【0041】
第四級アンモニウム基は通常、モノカルボン酸及び二官能性ジハロゲンアルキル化合物の存在下で、特にジエポキシド(ビスエポキシドと称されることもある)から選択されるアルキル化剤とジ第三級アミンを反応させることによって生成される。
【0042】
好ましい一実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(Ia)及び(Ib)のものであり、
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(NR2−A−E−A'−NR2)−Y−]k−M (Ia)
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(N+22−A−E−A'−N+22)−Y−]k−M (Ib)
式中、各基は上に定義された通りであるが、反復単位は統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
【0043】
更に好ましい一実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(IIa)又は(IIb)のものであってもよく、
M−Y−[−N+2−Y−]m−[−(NR2−A−E−A'−NR2)−Y−]k−M (IIa)
M−Y−[−N+2−Y−]m−[−(N+22−A−E−A'−N+22)−Y−]k−M (IIb)
式中、各基は上に定義された通りである。また、このような式中、反復単位は通常、統計的配列である(すなわち、ブロック様配列ではない)。
【0044】
式中、上に定義した通り、Mは、
−OC(O)−Z、
−OS(O)2−Z
−OS(O2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH
−OP(O)(O−Z)2である。
【0045】
Zは、直鎖、環状、分岐状の飽和若しくは不飽和C1〜C20、又はあるいはC2〜C18、又はあるいは炭化水素ラジカルであり、これは、1つ又は2つ以上の−O−、又は−C(O)−により中断され、−OHで置換される場合がある。特定の一実施形態では、Mは、具体的には例えばドデカン酸等のように10個を超える炭素原子を有する通常のカルボン酸から生じる−OC(O)−Zである。
【0046】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサンを含有する反復基−K−S−K−とポリアルキレン反復基−A−E−A’−又は−A’−E−A−のモル比は、100:1〜1:100、又はあるいは20:1〜1:20、又はあるいは10:1〜1:10である。
【0047】
−(N+2−T−N+2)−基中、Rは、1つ又は2つ以上の−O−、−C(O)−により中断され得、かつ−OHで置換され得る、一価の直鎖、環状、又は分岐状のC1〜C20炭化水素ラジカルを表し得、Tは、−O−、−C(O)−により中断され得、かつヒドロキシルで置換され得る、二価の直鎖、環状、又は分岐状のC1〜C20炭化水素ラジカルを表し得る。
【0048】
第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記のポリオルガノシロキサン化合物は、1)第四級アンモニウム官能基を含有しエステル官能基を含有しない個別の分子、2)第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含有する分子、及び3)エステル官能基を含有し第四級アンモニウム官能基を含有しない分子、を含有する場合もある。構造に限定されないが、第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記のポリオルガノシロキサン化合物は、ある特定の平均量及び比の両方の部分を含む分子の混合物として理解されるものとする。
【0049】
種々の一官能性有機酸を用いてエステルを得ることができる。例示的な実施形態は、C1〜C30カルボン酸、例えばC2、C3、C8酸、C10〜C18カルボン酸、例えばC12、C14、C16酸、飽和、不飽和、及びヒドロキシル官能化C18酸、アルキルポリエーテルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエーテル硫酸、リン酸モノアルキル/アリールエステル、並びにリン酸ジアルキル/アリールエステルを含む。
【0050】
コンディショナー基剤に添加する前にシリコーンポリマーを小粒子エマルション(1マイクロメートル未満)中に予備分散させることによって、更なる性能改善を得ることができる。
【0051】
本特許出願における「エマルション」という用語は、コンディショナー組成物の構成成分のうちの1つとして別々に調製され、使用される、シリコーンポリマーの安定したいかなるエマルション又は分散液をも説明する。
【0052】
「安定した」とは、エマルションの粘度、粒径、及び他の重要な特質が、梱包、保管、及び輸送中にプレエマルションが曝露される典型的な温度、水分、圧力、剪断、光、及び他の環境条件への曝露下で、合理的な時間にわたって著しく変化しないことを意味する。
【0053】
小粒子エマルションの作製は、コンディショニング組成物に添加する前にシリコーンポリマーを予備乳化することを必要とする場合がある。作製方法の非限定的な例を以下に提供する。全ての脂溶性成分を容器内で混合する。熱を加えて混合物を液化させてもよい。全ての水溶性成分を別の容器内で混合し、油相とほぼ同じ温度まで加熱する。油相及び水相を高剪断ミキサ(例えば、Turraxミキサ、IKA製)で混合する。シリコーンポリマーの粒径は、約0.01μm〜約5μm、あるいは0.05μm〜約1μm、あるいは約0.1μm〜約0.5μmの範囲内である。所望の粒径を得るために高エネルギー混合装置を用いてもよい。高エネルギー混合装置としては、Microfluidizer(Microfluidics Corp.製)、Sonolator(Sonic Corp.製)、Colloid mill(Sonic Corp.製)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
各シリコーンについて選択され得る乳化剤は、乳化剤の親水性−親油性バランス値(HLB値)が指針となり得る。HLB値の好適な範囲は、6〜16、あるいは8〜14であり得る。10より高いHLBを有する乳化剤は、水溶性である。低いHLBを有する乳化剤は、脂溶性である。好適なHLB値を得るために、2つ以上の乳化剤の混合物を使用してもよい。好適な乳化剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性、及び両性の乳化剤が挙げられる。
【0055】
エマルション中の乳化剤の濃度及びシリコーンポリマーの乳化は、所望の粒径及びエマルション安定性を得るのに十分である必要があり、概して、例えば約0.1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約30重量%、約2重量%〜約20重量%の範囲である。
【0056】
シリコーンの予備乳化された分散液の使用は、(i)エマルション中のシリコーンの小さな粒径は、より均一な付着をもたらし、島様のまばらな付着を低減させる、及び(ii)より均一な付着は、毛髪/皮膚表面の滑らかさ、容易な櫛通り、及び向上した毛髪のボリュームをもたらすのにより有利である、といった複数の利点を提示し得る。
【0057】
B.ゲルマトリックス
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアを含むゲルマトリックスを含み得る。カチオン性界面活性剤は、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアと共に、種々のコンディショニング効果、特に濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触をもたらすのに好適なゲルマトリックスを提供する。したがって、第四級基を含有するシリコーンポリマー(上記)及びゲルマトリックスは共にコンディショニング効果をもたらすので、組み合わされると、個別の構成成分と比較して、向上した機能性を付与することができる。
【0058】
上記のゲルマトリックスを提供する観点から、上記のコンディショニング効果、特に濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触をもたらすことを考慮すると、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物のモル比が代案として約1:1〜約1:10、あるいは約1:2〜約1:6、又は約1:1〜約1:4の範囲内になるようなレベルで含有される。本明細書に記載される例示的な組成物は、任意の成分(例えば、シリコーン)が添加され得る層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスを、本組成物の約60重量%〜約99重量%、あるいは約70重量%〜約95重量%、あるいは約80重量%〜約95重量%含み得る。
【0059】
1.カチオン性界面活性剤
本明細書に記載される組成物は、カチオン性界面活性剤を含み得る。カチオン性界面活性剤は、式(XIII)を有するモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩であり、
【0060】
【化3】
式中、R71、R72、R73、及びR74のうちの1つは、約16〜約30個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、R71、R72、R73、及びR74のうちの残りは、独立して、約1〜約8個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約8個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、X-は、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド)ラジカル、酢酸塩ラジカル、クエン酸塩ラジカル、乳酸塩ラジカル、グリコール酸塩ラジカル、リン酸塩ラジカル、硝酸塩ラジカル、スルホン酸塩ラジカル、硫酸塩ラジカル、アルキル硫酸塩ラジカル、グルタミン酸塩ラジカル、及びアルキルスルホン酸塩ラジカルから選択されるもの等の塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基等の他の基を含有することができる。より長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約16個以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。あるいは、R71、R72、R73、及びR74のうちの1つは、約16〜約30個の炭素原子、あるいは約18〜約26個の炭素原子、更にあるいは約22個〜の炭素原子のアルキル基から選択され、R71、R72、R73、及びR74のうちの残りは、独立して、CH3、C25、C24OH、CH265、及びこれらの混合物からなる群から選択され、(X)は、Cl、Br、CH3OSO3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。このようなモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、多長鎖アルキル四級化アンモニウム塩と比較して、濡れた毛髪での改善された滑りやすくツルツルした感触をもたらすことができると考えられる。モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、アミン又はアミン塩カチオン性界面活性剤と比較して、乾燥した毛髪での改善された疎水性及び滑らかな感触をもたらすことができるとも考えられる。
【0061】
このようなモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、例えば、Clariantから商標名Genamine KDMPで、Crodaから商標名INCROQUAT TMC−80で、そしてSanyo KaseiからECONOL TM22で入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;例えば、Nikko Chemicalsから商標名CA−2450で入手可能なステアリルトリメチルアンモニウムクロリド;例えば、Nikko Chemicalsから商標名CA−2350で入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド;FeiXiangから入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート;水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;及びステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0062】
これらのうち、より好ましいカチオン性界面活性剤は、より長鎖のアルキル基、すなわち、C22アルキル基を有するものである。このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド及びベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられる。より長鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、より短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、乾いた毛髪での疎水性を改善すると考えられる。より短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、長鎖アルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、本明細書に記載されるパーソナルケア組成物のポリオールエステルと組み合わされると、毛髪に、特に傷んだ毛髪に改善された疎水性をもたらすことができるとも考えられる。あるいは、適切な長さのアルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、長すぎるアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触を改善すると考えられる。したがって、長鎖アルキル基のうちC22アルキル基を選択することで、乾いた毛髪での疎水性の改善と、濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触の改善とのバランスがとれた効果をもたらすと考えられる。
【0063】
本明細書に記載される組成物は、本組成物の約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約8重量%、更にあるいは約1.5重量%〜約5重量%の量のカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0064】
2.高融点脂肪族化合物
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、高融点脂肪族化合物を含み得る。本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書のこの項に開示される化合物が、場合によっては1つより多い分類に属する場合がある(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体としても分類され得る)ことは、当業者により理解される。しかしながら、所定の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、二重結合の数及び位置、並びに分岐の長さ及び位置に応じて、ある特定の必要な炭素原子を有するある特定の化合物が、約25℃未満の融点を有し得ることは、当業者により理解される。このような低融点の化合物は、この項に含まれないことが意図される。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0065】
高融点脂肪族化合物は、本組成物の約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%、更にあるいは約2重量%〜約8重量%のレベルで本組成物中に含まれ得る。
【0066】
本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14〜約30個の炭素原子、あるいは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖又は分岐鎖のアルコールであり得る。脂肪族アルコールの非限定例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
本明細書で有用な脂肪酸は、約10〜約30個の炭素原子、あるいは約12〜約22個の炭素原子、あるいは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪酸は飽和しており、直鎖又は分岐鎖の酸であり得る。また、本明細書の要件を満たす、二酸、三酸、及び他の多酸も包含される。また本明細書には、これらの脂肪酸の塩も包含される。脂肪酸の非限定例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0068】
本明細書で有用な脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体としては、脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル、エステル化可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体の非限定例としては、メチルステアリルエーテル等の物質;セチルアルコールのエチレングリコールエーテルである、セテス−1〜セテス−45等のセテスシリーズの化合物(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルである、ステアレス−1〜ステアレス−10等のステアレスシリーズの化合物(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル、すなわち、セチル及びステアリルアルコールを主に含有する脂肪族アルコールの混合物である、セテアレス1〜セテアレス−10(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);前述のセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC1〜C30アルキルエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールの群から選択される、純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が非常に好ましい。本明細書において「純粋な」とは、化合物が少なくとも約90%、あるいは少なくとも約95%の純度を有することを意味する。これら高純度の単一化合物は、消費者が組成物をすすぎ落とすときに、毛髪からの良好な洗い流しやすさをもたらす。
【0070】
本明細書に有用な市販の高融点脂肪族化合物としては、Shin Nihon Rika(Osaka,Japan)から入手可能な商標名KONOLシリーズ、及びNOF(Tokyo,Japan)から入手可能なNAAシリーズを有する、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコール;WAKO(Osaka,Japan)から入手可能な商標名1−DOCOSANOLを有する高純度ベヘニルアルコール、Akzo(Chicago,Illinois USA)から入手可能な商標名NEO−FAT、Witco Corp.(Dublin,Ohio USA)から入手可能なHYSTRENE、及びVevy(Genova,Italy)から入手可能なDERMAを有する様々な脂肪酸が挙げられる。
【0071】
3.水性キャリア
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、水性キャリアを含む。このキャリアのレベル及び種は、他の構成成分との適合性及び製品の他の所望の特性に従って選択される。
【0072】
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物に有用なキャリアとしては、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、約1〜約6個の炭素を有する一価アルコール、あるいはエタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0073】
あるいは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水が代わりに使用される。製品の所望の特質に応じて、ミネラルカチオンを含む天然源の水も使用され得る。概して、本明細書に記載される組成物は、約20%〜約95%、あるいは約30%〜約92%、あるいは約50%〜約90%の水を含み得る。
【0074】
C.追加の構成成分
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、最終製品の所望の特質に応じて当業者が選択することができ、かつ組成物をより化粧用若しくは美容用として許容可能にするために、又は組成物に追加の使用効果をもたらすために好適な、他の追加の構成成分を含み得る。このような他の追加の構成成分は、概して、本組成物の約0.001重量%〜約10重量%、あるいは最大5重量%のレベルで個別に使用される。
【0075】
広範な他の追加の構成成分が、本組成物中に配合され得る。これらとしては、Hormelから商標名Peptein 2000で入手可能な加水分解コラーゲン、水溶性及び非水溶性のビタミン、例えばビタミンA、D、B1、B2、B6、B12、C、ビオチン、Eisaiから商標名Emix−dで入手可能なビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、パントテン酸、Rocheから入手可能なパンテニルエチルエーテル、及びこれらの誘導体等の他のコンディショニング剤;加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素;Goldschmidtから商標名Varonic APMで入手可能なPPG−3ミリスチルエーテル、トリメチルペンタノールヒドロキシエチルエーテル、Goldschmidtから商標名Varonic APSで入手可能なPPG−11ステアリルエーテル、Goldschmidtから商標名Tegosoft SHで入手可能なステアリルヘプタノエート、Goldschmidtから入手可能なラクチル(Lactil)(乳酸ナトリウム、PCAナトリウム、グリシン、フルクトース、尿素、ナイアシンアミド、グルコサミン、イノシトール、安息香酸ナトリウム、及び乳酸の混合物)、乳酸ナトリウム、PCAナトリウム、グリシン、フルクトース、尿素、ナイアシンアミド、グルコサミン、イノシトール、安息香酸ナトリウム、乳酸、Nishin Seiyuから商標名Saracosで入手可能かつGoldschmidtから商標名Tegosoft OPで入手可能なエチルヘキシルパルミチン酸塩等の皮膚軟化剤;両性固定剤ポリマー、カチオン性固定剤ポリマー、アニオン性固定剤ポリマー、非イオン性固定剤ポリマー、及びシリコーングラフトコポリマー等の毛髪固定剤ポリマー;ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素等の防腐剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のpH調整剤;酢酸カリウム及び塩化ナトリウム等の塩全般;FD&C又はD&C染料、酸化染料、及び干渉顔料のいずれか等の着色剤;過酸化水素、過ホウ酸塩及び過硫酸塩、炭酸塩等の毛髪酸化(脱色)剤;チオグリコール酸塩等の毛髪還元剤;香料;並びにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等の金属イオン封鎖剤;サリチル酸オクチル等の紫外線及び赤外線遮断及び吸収剤;抗菌剤;懸濁剤;粘度改質剤;不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤若しくは非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤(pediculocide)、キレート剤、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、並びに、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩等の水溶性及び非水溶性アミノ酸;並びに、ジンクピリチオン、ピリジンチオン塩、アゾール、クリンバゾール、オクトピロックス、サリチル酸、硫化セレン、粒子状硫黄、これらの混合物等のふけ防止剤が挙げられる。
【0076】
1.シリコーン
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、第四級基を含有するシリコーンポリマーに加えて、シリコーン化合物を更に含み得る。シリコーン化合物は、本組成物の約0.
1重量%〜約10重量%、あるいは約0.25重量%〜約8重量%、更にあるいは約0.5重量%〜約3重量%の量で含まれ得る。
【0077】
本明細書のシリコーン化合物は、揮発性可溶性若しくは不溶性、又は不揮発性可溶性若しくは不溶性のシリコーンコンディショニング剤を含んでよい。可溶性とは、シリコーン化合物が組成物のキャリアと、同一相の一部を形成するように、混和性であることを意味する。不溶性とは、シリコーンが、キャリアから分離した不連続相を、例えば、シリコーンの液滴の乳濁液又は懸濁液の形態で形成することを意味する。本明細書のシリコーン化合物は、従来の重合、つまり乳化重合によって調製されてよい。
【0078】
あるいは、本明細書で使用するためのシリコーン化合物は、25℃で約1,000〜約2,000,000平方ミリメートル毎秒(1,000〜約2,000,000センチストークス)、あるいは約10,000〜約1,800,000平方ミリメートル毎秒(10,000〜約1,800,000センチストークス)、あるいは約25,000〜約1,500,000平方ミリメートル毎秒(25,000〜約1,500,000センチストークス)の粘度を有する。この粘度は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるDow Corning Corporate試験法CTM0004(1970年7月20日)に記述されているガラスキャピラリー粘度計を用いて測定することができる。高分子量のシリコーン化合物は、乳化重合によって調製されてよい。
【0079】
本明細書で有用なシリコーン化合物としては、ポリアルキルポリアリールシロキサン、ポリアルキレンオキシド変性シロキサン、シリコーン樹脂、アミノ置換シロキサン、及びこれらの混合物が挙げられる。あるいは、シリコーン化合物は、ポリアルキルポリアリールシロキサン、ポリアルキレンオキシド変性シロキサン、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択され、あるいは1つ又は2つ以上のポリアルキルポリアリールシロキサンからなる群から選択される。
【0080】
本明細書で有用なポリアルキルポリアリールシロキサンとしては、下記構造(XIV)を有するものが挙げられる。
【0081】
【化4】
式中、Rは、アルキル又はアリールであり、xは、約7〜約8,000の整数である。Aは、シリコーン鎖の末端を封鎖する基を表す。シロキサン鎖上(R)又はシロキサン鎖の末端(A)において置換されるアルキル又はアリール基は、得られるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性があり、毛髪に適用されたときに刺激性がなく、毒性もその他の害もなく、組成物の他の構成成分と相溶性があり、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定であり、毛髪に付着して毛髪の状態を整える限り、いかなる構造をも有することができる。好適なA基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。ケイ素原子上の2つのR基は、同一の基又は異なる基を表してもよい。あるいは、2つのR基は、同一の基を表す。好適なR基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル、及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが特に好ましい。使用され得るポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシリコーン化合物は、例えば、Momentive Performance MaterialsからElement 14(登録商標)シリーズで、及びDow CorningからDow Corning 200シリーズで入手可能である。例えば、Momentive Performance MaterialsからのSF 1550メチルフェニル流体、又はDow Corningからの556 Cosmetic Grade Fluidのポリメチルフェニルシロキサンが、本明細書で有用である。
【0082】
毛髪の光沢特性を増強するために更に好ましいのは、高度にアリール化されたシリコーン化合物、例えば約1.46以上、特に約1.52以上の屈折率を有する高度にフェニル化されたポリエチルシリコーンである。これらの高屈折率シリコーン化合物を使用するとき、これらは、以下に記載するようにして展着剤、例えば界面活性剤又はシリコーン樹脂と混合して表面張力を低下させ、この物質の膜形成能を高めなくてはならない。
【0083】
特に有用であり得る別のポリアルキルポリアリールシロキサンは、シリコーンゴムである。「シリコーンゴム」という用語は、本明細書で用いるとき、25℃で1,000,000平方ミリメートル毎秒(1,000,000センチストークス)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載されるシリコーンゴムが上に開示されたシリコーン化合物といくらかの重複を有する場合もあることが認識される。この重複は、これら材料のいずれにおいても限定を意図しない。シリコーンゴムは、Petrarch、並びに1979年5月1日に発行されたSpitzerらの米国特許第4,152,416号、及びNoll,Walter,Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press 1968を含むその他の文献によって説明されている。Momentive Performance Materialsのシリコーンゴム製品データシートSE 30、SE 33、SE 54、及びSE 76も、シリコーンゴムについて説明している。記載された参照文献は全て、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。「シリコーンゴム」は、典型的に、約200,000超、一般的には約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0084】
本明細書で有用なポリアルキレンオキシド変性シロキサンとして、例えば、ポリプロピレンオキシド変性及びポリエチレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらの材料は、ジメチコンコポリオールとしても知られる。
【0085】
高度に架橋されたポリマーシロキサン系であるシリコーン樹脂は、本明細書で有用である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性シラン及び四官能性シランを、一官能性シラン若しくは二官能性シラン、又は一官能性シラン及び二官能性シランと共に組み込むことによって導入される。当該技術分野において十分に理解されるように、シリコーン樹脂をもたらすために要求される架橋度は、シリコーン樹脂に組み込まれる特定のシラン単位によって異なる。概して、シリコーン材料が乾燥して剛性又は硬質膜になるように、十分なレベルの三官能性及び四官能性シロキサンモノマー単位(したがって、十分なレベルの架橋)を有するシリコーン材料は、シリコーン樹脂とみなされる。酸素原子とケイ素原子との比は、特定のシリコーン材料中の架橋レベルを示す。1個のケイ素原子につき少なくとも約1.1個の酸素原子を有するシリコーン材料が、概して、本明細書におけるシリコーン樹脂である。あるいは、酸素原子:ケイ素原子の比は、少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に使用されるシランとしては、モノメチル−、ジメチル−、トリメチル−、モノフェニル−、ジフェニル−、メチルフェニル−、モノビニル−、及びメチルビニルクロロシラン、並びにテトラクロロシランが挙げられ、メチル置換シランが最も一般的に用いられる。好ましい樹脂は、Momentive Performance MaterialsよりSS4230及びSS4267として提供される。市販のシリコーン樹脂は、概して、低粘度の揮発性又は不揮発性シリコーン流体中に溶解した形態で供給される。本明細書で用いるシリコーン樹脂は、当業者にとって容易に明らかであるように、そのような溶解形態で供給され、本組成物に組み込まれなければならない。理論によって束縛されることなく、シリコーン樹脂は、他のシリコーン化合物の毛髪への付着を促進することができ、高い屈折率容量を有する毛髪の光沢度を高めることができると考えられる。
【0086】
他の有用なシリコーン樹脂は、Momentive Performance MaterialsからTospearl(商標)として市販されている、ポリメチルシルセキオキサン(polymethylsilsequioxane)のCTFA名を与えられている材料等のシリコーン樹脂粉末である。
【0087】
シリコーン樹脂を、当業者に「MDTQ」命名法として知られている簡便な命名法システムに従って好都合に識別することができる。このシステムでは、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記載される。簡潔に言うと、記号Mは一官能性単位(CH33SiO0.5を表し、Dは二官能性単位(CH32SiOを表し、Tは三官能性単位(CH3)SiO1.5を表し、Qは四(quadri-)すなわち四(tetra-)官能性単位SiO2を表す。ダッシュ記号の付いた単位記号、例えば、M'、D'、T'、及びQ'は、メチル以外の置換基を表しており、出てくる度に具体的に定義されなければならない。典型的な代替置換基としては、ビニル、フェニル、アミノ、ヒドロキシル等の基が挙げられる。種々の単位のモル比は、シリコーン単位の各種の総数若しくはその平均を示す記号の下付き文字に関して、又は分子量と組み合わせて具体的に示される比率としてのいずれかで、MDTQシステムにおけるシリコーン物質の説明を完結する。シリコーン樹脂中のD、D’、M、及び/又はM’に対するT、Q、T’、及び/又はQ’の相対モル量が高いほど、架橋のレベルが高いことを示す。しかしながら、前述の通り、架橋の総合的なレベルは、酸素対ケイ素比で表すこともできる。
【0088】
本明細書で用いる好ましいシリコーン樹脂は、MQ、MT、MTQ、MQ、及びMDTQ樹脂である。したがって、好ましいシリコーン置換基は、メチルである。MQ樹脂が特に好ましく、M:Q比は、約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、樹脂の平均分子量は、約1000〜約10,000である。
【0089】
本明細書で有用なアミノ置換シロキサンとして、下記構造(XV)によって表されるものが挙げられる。
【0090】
【化5】
式中、Rは、CH3又はOHであり、x及びyは、分子量に依存する整数であり、平均分子量は、代案として約5,000〜10,000であり、a及びbの両方が、2〜8の整数を示す。このポリマーは、「アモジメチコン」としても知られる。
【0091】
好適なアミノ置換シロキサン流体として、次式(XVI)によって表されるものが挙げられる。
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-b)m−O−SiG3-a(R1a(XVI)
式中、Gは、水素、フェニル、OH、C1〜C8アルキル、あるいはメチルからなる群から選択され、aは、0、又は1〜3、あるいは1の値を有する整数であり、bは、0、1、又は2、あるいは1であり、nは、0〜1,999の数であり、mは、0〜1,999の整数であり、nとmとの合計は、1〜2,000の数であり、a及びmは、両方とも0ではなく、R1は、式CqH2qLの一価ラジカルであり、ここでqは2〜8の整数であり、Lは、
−N(R2)CH2−CH2−N(R22
−N(R22
−N(R2)+3-、及び
−N(R2)CH2−CH2−NR2H+A-
の基から選択され、ここでR2は、水素、フェニル、ベンジル、飽和炭化水素ラジカル、あるいは1〜20個の炭素原子を含有するアルキルラジカルからなる群から選択され、A-はハロゲン化物イオンを表す。
【0092】
非常に好ましいアミノシリコーンは、式(XVI)に対応するものであり、式中、mは0であり、aは1であり、qは3であり、Gはメチルであり、nは代案として約1500〜約1700、あるいは約1600であり、Lは−N(CH32又は−NH2、あるいは−NH2である。別の非常に好ましいアミノシリコーンは、式(XVI)に対応するものであり、式中、mは0であり、aは1であり、qは3であり、Gはメチルであり、nは代案として約400〜約600、あるいは約500であり、Lは−N(CH32又は−NH2、あるいは−NH2である。このような非常に好ましいアミノシリコーンは、シリコーン鎖の一端又は両端が窒素含有基で終結するため、末端アミノシリコーンと呼ばれる場合もある。
【0093】
式(XVI)に対応する特に好ましいアミノ置換シロキサンは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られる、式(XVII)のポリマーである。
【0094】
【化6】
【0095】
この式中、n及びmは、所望の化合物の分子量に依存して選択され、a及びbの両方は、2〜8の整数を示す。
【0096】
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物の一実施形態では、シリコーン化合物は、シリコーンエマルションの形態の組成物中に含有される。本明細書のシリコーンエマルションは、少なくとも界面活性剤と、シリコーン化合物と、水とを含む、予め分散された安定なエマルションである。本明細書で有用な界面活性剤は、当業者に既知の任意のものである。内相粘度が高いシリコーンエマルションが好ましい。好ましい一例は、Dow Corningから入手可能な120,000,000平方ミリメートル毎秒(120,000,000センチストークス)超の内相粘度を有するHMW2220である。
【0097】
他の変性シリコーン又はシリコーンコポリマーも本明細書で有用である。これらの例としては、米国特許第6,607,717号及び同第6,482,969号に開示されるシリコーン系第四級アンモニウム化合物(ケナン第四級化合物(Kennan quats));ドイツ特許第DE 10036533号に開示される末端四級シロキサン;米国特許第5,807,956号及び同第5,981,681号に開示されるシリコーンアミノポリアルキレンオキシドブロックコポリマー;米国特許第6,207,782号に開示される親水性シリコーンエマルション;並びに国際公開第2004/062634号に開示される1つ又は2つ以上の架橋した熊手又は櫛型シリコーンコポリマーセグメントから構成されるポリマーが挙げられる。
【0098】
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物の代替的な実施形態では、上記のシリコーン系第四級アンモニウム化合物は、本明細書のA項(表題:第四級基を含有するシリコーンポリマー)に記載されるシリコーンポリマーと組み合わされてもよい。
【0099】
2.ポリソルベート
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、レオロジー調節の観点からポリソルベートを含有してよい。本明細書で有用な好ましいポリソルベートとして、例えば、ポリソルベート−20、ポリソルベート−21、ポリソルベート−40、ポリソルベート−60、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリソルベート−20が極めて好ましい。
【0100】
ポリソルベートは、代案として約0.01重量%〜約5重量%、あるいは約0.05重量%〜約2重量%のレベルで本組成物中に含有され得る。
【0101】
3.ポリプロピレングリコール
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、約200g/モル〜約100,000g/モル、あるいは約1,000g/モル〜約60,000g/モルの重量平均分子量を有するものである。理論によって制限されることを意図するものではないが、本明細書におけるポリプロピレングリコールは、毛髪上に付着するか、若しくは毛髪内に吸収されて保湿緩衝剤として作用し、かつ/又は1つ又は2つ以上の他の望ましいヘアコンディショニング効果をもたらすと考えられる。
【0102】
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、重合度及び他の部分が付着しているか否かによって、水可溶性、水不溶性のいずれかであってよく、又は水への制限された溶解度を有してもよい。ポリプロピレングリコールの水中への所望の溶解度は、ヘアケア組成物の形態(例えば、リーブオン又はリンスオフ形態)に大きく依存する。例えば、リンスオフヘアケア組成物では、本明細書におけるポリプロピレングリコールが、約25℃において約1g/水100g未満の水への溶解度、あるいは約0.5g/水100g未満の水への溶解度、あるいは約0.1g/水100g未満の水への溶解度を有することが好ましい。
【0103】
ポリプロピレングリコールは、代案として本組成物の約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.05重量%〜約6重量%、更にあるいは約0.1重量%〜約3重量%のレベルで、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物中に含まれ得る。
【0104】
4.低融点油
本明細書で有用な低融点油は、約25℃未満の融点を有するものである。本明細書で有用な低融点油は、約10〜約40個の炭素原子を有する炭化水素;オレイルアルコール等の約10〜約30個の炭素原子を有する不飽和脂肪族アルコール;約10〜約30個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸;脂肪酸誘導体;脂肪族アルコール誘導体;ペンタエリスリトールエステル油、トリメチロールエステル油、クエン酸エステル油、及びグリセリルエステル油等のエステル油;ポリα−オレフィン油;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書において好ましい低融点油は、ペンタエリスリトールエステル油、トリメチロールエステル油、クエン酸エステル油、及びグリセリルエステル油等のエステル油;ポリα−オレフィン油;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0105】
本明細書において特に有用なペンタエリスリトールエステル油及びトリメチロールエステル油としては、ペンタエリスリトールテトライソステアレート、ペンタエリスリトールテトラオレエート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、トリメチロールプロパントリオレエート、及びこれらの混合物が挙げられる。このような化合物は、Kokyo Alcoholから商標名KAKPTI、KAKTTIで、及びShin−nihon Rikaから商標名PTO、ENUJERUBU TP3SOで入手可能である。
【0106】
本明細書において特に有用なクエン酸エステル油としては、Bernelから商標名CITMOL 316で入手可能なクエン酸トリイソセチル、Phoenixから商標名PELEMOL TISCで入手可能なクエン酸トリイソステアリル、及びBernelから商標名CITMOL 320で入手可能なクエン酸トリオクチルドデシルが挙げられる。
【0107】
本明細書において特に有用なグリセリルエステル油としては、Taiyo Kagakuから商標名SUN ESPOL G−318で入手可能なトリイソステアリン、Croda Surfactants Ltd.から商標名CITHROL GTOで入手可能なトリオレイン、Vevyから商標名EFADERMA−Fで、又はBrooksから商標名EFA−GLYCERIDESで入手可能なトリリノレインが挙げられる。
【0108】
本明細書において特に有用なポリα−オレフィン油としては、約500の数平均分子量を有するPURESYN 6、及び約3000の数平均分子量を有するPURESYN 100、及び約6000の数平均分子量を有するPURESYN 300の商標名でExxon Mobil Coから入手可能なポリデセンが挙げられる。
【0109】
5.カチオン性ポリマー
本明細書で有用なカチオン性ポリマーは、少なくとも約5,000、典型的には約10,000〜約10百万、あるいは約100,000〜約2百万の重量平均分子量を有するものである。
【0110】
好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー(例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、及びビニルピロリドン等)とのコポリマーが挙げられる。他の好適なスペーサーモノマーとしては、ビニルエステル、ビニルアルコール(ポリビニルアセテートの加水分解によって作製される)、無水マレイン酸、プロピレングリコール、及びエチレングリコールが挙げられる。本明細書で有用な他の好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性セルロース、カチオン性デンプン、及びカチオン性グアーガムが挙げられる。
【0111】
6.ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコールも追加の構成成分として使用できる。特に好ましい本明細書で有用なポリエチレングリコールは、nが約2,000の平均値を有するPEG−2M(PEG−2Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても知られる);nが約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG−5Mは、両方ともUnion CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−35及びPolyox WSR(登録商標)N−80、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても知られる);nが約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG−7Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−750としても知られる);nが約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG−9Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−3333としても知られる);並びに、nが約14,000の平均値を有するPEG−14M(PEG−14Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−3000としても知られる)である。本明細書で用いるとき、「n」は、ポリマー中のエチレンオキシド単位の数を指す。
【0112】
使用方法
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、従来の方法で使用されて、コンディショニング効果及びその他の効果をもたらす。このような使用方法は、使用する組成物の種類に依存するが、一般に、有効量の製品を毛髪又は頭皮に塗布することを伴い、その後、該製品は、毛髪若しくは頭皮からすすぎ落とされてもよく(ヘアリンスの場合)、又は毛髪若しくは頭皮に残したままにされてもよい(ジェル、ローション、クリーム、及びスプレーの場合)。「有効量」は、乾燥コンディショニング効果をもたらすのに十分な量を意味する。一般に、約1g〜約50gが毛髪又は頭皮に塗布される。
【0113】
組成物を、毛髪の乾燥前の濡れた毛髪又は湿った毛髪に塗布してよい。典型的には、組成物は、毛髪のシャンプー後に用いられる。典型的には毛髪若しくは頭皮を擦る、又は毛髪若しくは頭皮をマッサージすることによって、組成物を毛髪又は頭皮全体に広げる。このような組成物を毛髪に塗布した後、毛髪を乾燥させ、ユーザーの嗜好に従ってスタイリングする。別の方法では、組成物を乾いた毛髪に塗布し、その後ユーザーの嗜好に従って、毛髪を梳かす又はスタイリングする。
【0114】
製品形態
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であり得、不透明であり得、クリーム、ゲル、エマルション、ムース、及びスプレーを含むがこれらに限定されない広範な製品形態で配合され得る。
【0115】
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、更に、上に定義した少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物及び/又は少なくとも1つのポリオルガノシロキサン組成物を含む水性エマルションに関する。あるいは、このような水性エマルションは、エマルションの総重量に基づいて少なくとも30重量パーセント、あるいは少なくとも50重量パーセント、更にあるいは少なくとも80重量パーセントの水を含む。
【0116】
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、リンスオフ製品及びリーブオン製品に好適であり得、リンスオフコンディショナーの形態の製品を製造するのに特に有用である。
【0117】
非限定的な実施例
以下の実施例及び表に例示される組成物は、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物の特定の実施形態を例示するが、これらに限定することを意図するものではない。当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の変更がなされ得る。
【0118】
下記実施例に示された組成物は、従来の配合及び混合方法により調製され、その実施例は以下に記載される。特に規定のない限り、例示した全ての量は、重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物等の微量物質は除外する。
【0119】
以下の例示的なシリコーン第四級ポリマーA〜Eは全て、以下の構造及び表1に列記される置換基を含む。
M−Y−[−(N+2−T−N+2)−Y−]m−[−(N+22−A−E−A'−N+22)−Y−]k−M
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
1 The Dow Chemical Company製のTergitol 15−S−5
2 The Dow Chemical Company製のTergitol 15−S−12
【0122】
【表3】
「あるいは」、「通常」、「概して」、「一般的に」、及び「典型的に」等の用語が、特許請求される本発明の範囲を限定するために、又はある特定の特徴が、特許請求される本発明の構造若しくは機能にとって重大、必須、若しくは更には重要であることを暗示するために、本明細書において用いられるものではないことに更に留意されたい。むしろ、これらの用語は、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物の特定の実施形態に用いられても用いられなくてもよい代替的又は追加の特徴を強調することを意図するにすぎない。
【0123】
本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物を説明及び定義する目的のために、「実質的に」という用語は、任意の定量的比較、値、測定値、又は他の表現に帰属し得る固有の不確定性の度合を表すために、本明細書において用いられることに更に留意されたい。「実質的に」という用語は、本明細書において、定量的表現が、論争中の主題の基本的機能の変化を生じさせることなく規定の基準から変動し得る程度を表すためにも用いられる。
【0124】
本発明の詳細説明及びその特定の実施形態への参照により、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく修正及び変更が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物のいくつかの態様が好ましい又は特に有利であるとして本明細書では規定されているが、本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物は、本発明のこれらの好ましい態様に必ずしも限定されないことが企図される。
【0125】
「発明を実施するための形態」に引用した全ての文献は、関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本明細書に記載されるヘアコンディショニング組成物に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献中の用語のいずれかの意味又は定義と対立する場合、本明細書中の用語に付与された意味又は定義が優先するものとする。