(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
I. 定義
本明細書中で言及されるすべてのパーセンテージは、特に示さない限り、重量パーセントである。
本明細書中で言及されるすべての文書は、その全体が参照により組み入れられる。
「自食作用」とは、それによって細胞が自身を浄化して毒素および残渣を除去するプロセスを意味し、これは、該残渣周囲に膜を形成するステップ、それを細胞の残りの部分から分離するステップ、および形成された空胞を、該空胞中に見出される細胞残渣および老廃物を分解する酸ヒドロラーゼ酵素を含む細胞小器官である細胞のリソソームと接合させるステップによる。
「自食作用活性化剤」(autophagy activator)とは、正常な細胞の自食プロセスを刺激する成分を意味する。
【0011】
「CLOCK遺伝子活性化剤」とは、ケラチン生成細胞中に存在する1種以上のCLOCK遺伝子を活性化する成分を意味する。
「DNA修復酵素」との用語は、DNA塩基突然変異誘発性ダメージを修復するために機能し得る酵素を意味する。そのような酵素は、多くの場合、それらが修復するDNAダメージのタイプにより分類され、例えば、BER(塩基除去修復)酵素、ヌクレオチド除去修復(NER)酵素;ミスマッチ修復(MMR)酵素;DNAヘリカーゼ;DNAポリメラーゼなどである。例えば、OGG1(8-オキソグアニングリコシラーゼ)により修復できる8-オキソ-7,8-ジヒドロ-2’-デオキシグアノシン;(ヌクレオチド除去修復(NER)フォトリアーゼ)により修復できるT-Tダイマー;(NERにより修復できる)6-4光分解生成物(6-4 photoproduct);および(06-アルキルグアニントランスフェラーゼ(AGT)により修復できる)06-メチルグアニンなどの突然変異である。
「PER1遺伝子活性化剤」とは、ケラチン生成細胞中で見出される1種以上のPER1遺伝子を活性化する成分を意味する。
【0012】
「プロテアソーム」とは、ダメージを受けた細胞タンパク質を、その後に単一アミノ酸へとさらに消化することができる小サブユニットへのタンパク質分解により分解するために機能できる、典型的には細胞の核または細胞質中に位置するタンパク質複合体を意味する。これらの再利用されるアミノ酸は、新規タンパク質合成にて細胞により用いられることができる。
「プロテアソーム活性化剤」とは、ケラチン生成細胞、線維芽細胞などのケラチン表面の細胞中でのプロテアソーム活性を刺激する活性成分を意味する。
【0013】
「再利用する」とは、細胞残渣および毒素の分解に関して、残渣および毒素が、タンパク質、脂質、アミノ酸、または正常に健康な代謝プロセスにて細胞により用いることができる他の生物学的物質などの分子へと分解されることができることを意味する。
「修復する」とは、皮膚細胞に関して、DNA、ミトコンドリア、タンパク質、脂質、または他の細胞性物質などの細胞のダメージを受けた部分を減少させるか、または除去することを意味する。
「選択的分解代謝」とは、ケラチン表面の細胞に関して、健康な細胞の構成成分を損なうことなく、かつ好ましくは細胞自食作用を活性化することまたは細胞プロテアソームプロセスを活性化することなどの1種以上のメカニズムにより、細胞が自身を浄化して、残渣、老廃物、および毒素を選択的に除去できることを意味する。
【0014】
II. 自食作用活性化剤
本発明の組成物は、正常な細胞自食プロセスを活性化するために機能できる少なくとも1種の成分を含有する。自食作用活性化剤は、約0.00001〜20%、好ましくは0.0001〜5%、より好ましくは約0.001〜1%の範囲の量で存在する。一般的に、細胞自食プロセスは、4つの一般ステップを含む。ステップ1は、空胞形成の開始であり;ステップ2は、分解対象の細胞質物質を隔離する初期空胞または自食胞(autophagosome)の形成である。ステップ3は、分解性空胞への自食胞の成熟である。ステップ4は、隔離された物質の実際の分解である。
【0015】
自食作用活性化活性を有する成分は、種々の細胞代謝経路を刺激するかまたは阻害するかのいずれかの能力により特定することができる。例えば、MAP-LC3、ATG5-12、タンパク質p53、AMPK、またはDRAMの発現を刺激する成分は、好適な自食作用活性化剤である。mTORの発現を阻害する成分もまた、好適な自食作用活性化剤である。
【0016】
遺伝子MAP-LC3は、自食胞の形成を開始させるタンパク質である、微小管結合タンパク質1軽鎖3をコードする。ATG5-12もまた、自食胞の形成を刺激する。ラパマイシンの哺乳動物標的としても知られるmTORは、ラパマイシンの機構的標的またはFK506結合性タンパク質12-ラパマイシン結合タンパク質1(FRAP1)としても知られる。FRAP1は、FRAP遺伝子によりコードされる。自食胞生成に関与するmTORの発現を阻害するいずれかの成分は、自食作用活性化特性を有するであろう。ケラチン生成細胞でのタンパク質p53、AMPK、および/またはDRAM(ダメージ救済自食作用モジュレータタンパク質(damage remedy autophagy modulator protein))の発現を刺激する成分もまた、自食作用活性化剤として好適である。腫瘍抑制タンパク質としても知られるタンパク質p53は、p53遺伝子によりコードされる。AMPKはAMP活性化型タンパク質キナーゼを意味し、DRAMはダメージ関連自食作用モジュレータを意味する。両方が、ケラチン生成細胞での自食作用活性化を刺激することが知られている。
【0017】
つまり、遺伝子に対して上記の作用を有するいずれかの成分が、好適な自食作用活性化剤であり得る。自家食プロセス(autophagocytic process)の間、酸化タンパク質および過酸化脂質などの細胞残渣が分解される。そのような細胞残渣は、多くの場合、正常な代謝機能に影響を及ぼす。細胞の、好ましくはケラチン生成細胞の、上記の遺伝子および/またはタンパク質を刺激または阻害する能力により有効性を測定するための成分のスクリーニングは、米国特許出願公開第2011/0243983号に説明されている通りの方法または当技術分野で公知の他の方法に従って行なうことができる。
【0018】
例えば、自食作用活性化剤であり得る成分を特定するための1つの一般的なプロセスは、最初にケラチン生成細胞などの培養細胞で栄養ストレスを誘導することによる。例えば、細胞をまず、約24時間、増殖因子を含む完全培養培地中で培養する。続いて培養培地を除去し、非栄養性培養培地(例えば、増殖因子を含有しないもの)で置き換える。細胞を、栄養ストレスの状態で約30分間〜約25時間培養する。次に、非栄養性培養培地を除去し、完全培養培地で置き換えて、細胞の回復を促進する。その後、それらの細胞中での、MAP-LC3;ATGS-12;リン酸化mTOR;リン酸化p53;DRAMまたはリン酸化AMPKのうちの1種以上の発現を測定することにより、自家食活性について細胞を評価する。そのような発現の測定は、免疫蛍光測定により行なうことができる。さらに、発現は、発現された遺伝子に関連するリン酸化タンパク質のウエスタンブロット分析により確認することができる。
【0019】
上述の遺伝子に対する刺激作用または阻害作用のいずれかを発揮し、翻って自食作用を刺激することが知られている成分の例は、限定するものではないが、以下の属に由来するものをはじめとする酵母抽出物である:リソサムニウム属(Lithothamnium)、メリロット属(Melilot)、シトラス属(Citrus)、カンジダ属(Candida)、レンス属(Lens)、ウルティカ属(Urtica)、カラムボラ属(Carambola)、モモルジカ属(Momordica)、ヤロウィア属(Yarrowia)、プルムバゴ属(Plumbago)、他。さらなる具体例としては、以下のものが挙げられる:リソサムニウム・カルカレウム(Lithothamniumn calcareum)、メリロツス・オフィシナリス(Melilotus officinalis)、シトラス・リモヌム(Citrus limonum)(レモン)、カンジダ・サイトアナ(Candida saitoana)、レンス・クリナリア(Lens culinaria)、ウルティカ・ジオイカ(Urtica dioica)(セイヨウイラクサ)、アベロア・カラムボラ(Averrhoa carambola)(スターフルーツ)、モモルジカ・カランチア(Momordica charantia)(ツルレイシ)、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、プルムバゴ・ゼイラニカ(Plumbago zeylanica)など。
【0020】
(3-(N-[ジメチルアミノ]プロピル-3-インドリル)-4-(3-インドリル)マレイミド3-[1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]1H-インドール-3-イル]-4-(1Hインドール-3-イル)1H-ピロール-2,5ジオンビスインドリルマレイミドIとも称されるGF 109203Xである、塩酸アミオダロン;N-ヘキサノイル-D-スフィンゴシン;ニクロサミド;ストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)由来のラパマイシン;(1-[6-[(3-アセチル-2,4,6-トリヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-5,7-ジヒドロキシ-2,2-ジメチル-2H-1-ベンゾピラン-8-イル]-3-フェニル-2-プロペン-1-オン、マロトキシン(Mallotoxin))とも称されるロットレリン(Rottlerin); 5-ピリジン-4-イル-チアゾール-2-イル-m-トリル-アミンとしても知られるSTF-62247;タモキシフェン;42-[3-ヒドロキシ-2-メチルプロパノエート、CCI-779、ラパマイシンとしても知られるテムシロリムス(Temsirolimus);ATG1自食作用関連1ホモログ;ATG1、セリン/トレオニンタンパク質キナーゼULK1、UNC-51様キナーゼ;または((Z)-5-フルオロ-1-(3’-ジメチルアミノ)プロピル-3-[(5’-メトキシインドール-3-イリデン)メチル]-インドリン-2-オンとも称されるZ36;または1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-5-フルオロ-1,3-ジヒドロ-3-[(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)メチレン]-2H-インドール-2-オン);3β,14-ジヒドロキシ-5β,20(22)-ブファジエノリド、5β,20(22)-ブファジエノリド-3β,14-ジオールとも称されるブファリンなどの成分もまた好適である。そのような成分は、Sigma-Aldrich Chemical Company社から購入することができる。
【0021】
III. プロテアソーム活性化剤
組成物は、約0.0001〜65%、好ましくは約0.0005〜50%、より好ましくは約0.001〜40%の量で少なくとも1種のプロテアソーム活性化剤を含む。
好適なプロテアソーム活性化剤は、ケラチン表面の細胞でのプロテアソーム活性を刺激する任意の化合物、分子、または活性成分である。
好適なプロテアソーム活性化剤の例としては、限定するものではないが、アルギン、アルギネート、加水分解アルギン、糖蜜抽出物、カワラタケ(Trametes versicolor)由来の抽出物をはじめとするホウロクタケ属(Trametes)抽出物、オレア・ヒドロキソール(olea hydroxol)が挙げられる。
【0022】
本発明の組成物は、エマルション、水溶液または水性分散液、ゲル、または無水組成物の形態であり得る。エマルションの形態である場合、油中水型または水中油型エマルションであり得る。エマルションの形態である場合、組成物は、約1〜99%、好ましくは約5〜90%、より好ましくは約10〜85%の水および約1〜99%、好ましくは約5〜90%、より好ましくは約5〜75%の油を含有し得る。水性懸濁液または分散液の形態である場合、組成物は一般的に、約1〜99.9%、好ましくは約5〜95%、より好ましくは約10〜90%の水と、活性成分または他の処方成分である残余の成分とを含有し得る。
組成物は、限定するものではないが、本明細書中に説明されるものをはじめとする他の成分をさらに含有し得る。
【0023】
IV. 他の成分
A. CLOCK、PER1遺伝子活性化剤
本発明の組成物は、CLOCKまたはPER1細胞性遺伝子活性化剤を含有することができる。推奨される範囲は、約0.000001〜約40%、好ましくは約0.000005〜35%、より好ましくは約0.00001〜25%である。好適なCLOCKまたはPER1活性化剤は、植物抽出物、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸などの形態で存在することができる。
【0024】
1. ペプチドCLOCKまたはPER1遺伝子活性化剤
特に好ましいCLOCKおよび/またはPER1遺伝子活性化剤は、式(I)のペプチドを含む:
R
1-(AA)
n-X
1-S-T-P-X
2-(AA)
p-R
2
[式中、
(AA)
n-X
1-S-T-P-X
2-(AA)
pは(配列番号1)であり、
X
1はトレオニン、セリンを表わすか、またはゼロに等しく、
X
2はイソロイシン、ロイシン、プロリン、バリン、アラニン、グリシンを表わすか、またはゼロに等しく、
AAはいずれかのアミノ酸またはその誘導体を表わし、nおよびpは0〜4の整数であり、
R
1は遊離であるかまたはアセチル基、ベンゾイル基、トシル基、もしくはベンジルオキシカルボニル基のいずれかから選択することができる保護基により置換されている、N末端アミノ酸の第1級アミン官能基(primary amine function)を表わし、
R
2は、C
1〜C
20アルキル鎖またはNH
2、NHY、もしくはNYY基(YはC
1〜C
4アルキル鎖を表わす)のいずれかから選択することができる保護基により置換されている、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基(carboxyl function)のヒドロキシル基を表わし、
式中、一般式(I)の配列は約3〜13個のアミノ酸残基を含み、該一般式(I)の配列が他の化学的に等価なアミノ酸でのアミノ酸X
1およびX
2の置換を含む場合があり;アミノ酸は、アラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、リジン(K)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、バリン(V)である]。より好ましくは、上記式のペプチドは、以下の通りである:
S-T-P-NH
2
Ser-Thr-Pro-NH
2
(配列番号2)Y-V-S-T-P-Y-N-NH
2
Tyr-Val-Ser-Thr-Pro-Tyr-Asn-NH
2
(配列番号3)NH
2-V-S-T-P-E-NH
2
NH
2-Val-Ser-Thr-Pro-Glu-NH
2
(配列番号4)NH
2-L-H-S-T-P-P-NH
2
NH
2-Leu-His-Ser-Thr-Pro-Pro-NH
2
(配列番号5)CH
3NH-R-H-S-T-P-E-NH
2
CH
3-NH-Arg-His-Ser-Thr-Pro-Glu-NH
2
(配列番号6)CH
3NH-H-S-T-P-E-CH
3NH
CH
3-NH-His-Ser-Thr-Pro-Glu-CH
3-NH
【0025】
S-T-P-NH
2ペプチド、配列番号4、またはそれらの混合物がより好ましい。トリペプチド-32(Tripeptide-32)のINCI名を有する商標クロノラックス(Chronolux(登録商標))またはテトラペプチド-26(Tetrapeptide-26)のINCI名を有するクロノゲン(Chronogen(登録商標))の下でISP-Vinscience社により製造されているペプチド(Ser-Pro-Leu-Gln-NH
2のアミノ酸配列を有する)が最も好ましい。
【0026】
2. 植物抽出物
チコリ酸(cichoric acid)またはその異性体もしくは誘導体もまた、CLOCKまたはPER1遺伝子活性化剤として好適である。チコリ酸は、合成または天然由来であり得る。合成チコリ酸は、Sigma Aldrich社をはじめとする多数の商業的製造元から購入することができる。チコリ酸はまた、ムラサキバレンギク属(Echinacea)、チコリウム属(Cichorium)、タラキサクム属(Taraxacum)、オシムム属(Ocimum)、メリッサ属(Melissa)などのチコリ酸を含有することが知られている植物供給源から、または藻類もしくは海草から抽出することもできる。より具体的には、ムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)、チコリー(Cichorium intybus)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、バジリコ(Ocimum basilicum)、またはレモンバーム(Melissa officinalis)などの植物抽出物である。本明細書中で用いられる場合、「チコリ酸」との用語は、皮膚細胞でのPER1遺伝子発現を増大させるために機能できるそのいずれかの異性体も含む。
【0027】
具体例としては、抽出物組成物全体の重量当たり約3%のチコリ酸を含有するように抽出プロセス中に標準化されているムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)の抽出物である、ブランド名Symfinity(商標)1298の下にSymrise社から販売されているムラサキバレンギク由来の植物抽出物が挙げられる。異なる供給源由来のムラサキバレンギク属(Echinacea)抽出物はチコリ酸含有量が異なるであろうし、したがってPER1遺伝子発現の誘導での異なる結果を生じるであろう。例えば、本発明者らは、ムラサキバレンギク属抽出物中に通常見出される別の構成成分、具体的にはカフタル酸(caftaric acid)が、皮膚細胞でのPER1遺伝子発現を増大させないことを観察している。さらに、ムラサキバレンギク属の各植物種は、フェノール酸およびチコリ酸の含有量が異なるであろう。ムラサキバレンギク(Echinacea purpura)の根のエタノール抽出物は、エキナセア・アングスティフォリア(Echineacea angustifolia)またはエキナセア・パリダ(Echinacea pallida)のエタノール抽出物よりも多くのチコリ酸を提供するであろう。いずれの抽出物中の活性成分の含有量も、抽出方法に応じて非常に異なる。例えば、多くの場合、抽出プロセスの間の酵素的褐変は、結果として得られる抽出物のフェノール酸含有量を減少させることが知られている。
【0028】
B. DNA修復酵素
本発明の方法で用いられる組成物はまた、1種以上のDNA修復酵素も含有することができる。推奨される範囲は、約0.00001〜約35%、好ましくは約0.00005〜約30%、より好ましくは約0.0001〜約25%の1種以上のDNA修復酵素である。
米国特許第5,077,211号;同第5,190,762号;同第5,272,079号;および同第5,296,231号(これらのすべては、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる)に開示されているDNA修復酵素は、本発明の組成物および方法で用いるために好適である。そのようなDNA修復酵素の一例は、ロキシソーム(Roxisomes(登録商標))の商品名の下に AGI/Dermatics社から購入することができ、シロイヌナズナ(Arabidopsis Thaliana)抽出物のINCI名を有する。これは、単独で、またはレシチンおよび水の混合物として存在し得る。このDNA修復酵素は、8-オキソ-グアニン塩基ダメージを修復するのに有効であることが知られている。
【0029】
用いることができる別のタイプのDNA修復酵素は、06-メチルグアニン塩基ダメージを修復するのに有効であることが知られているものである。これは、アダソーム(Adasomes(登録商標))の商品名の下にAGI/Dermatics社から販売されており、ラクトバチルス発酵物のINCI名を有し、それ自体で、またはレシチンおよび水と混合して、本発明の組成物に加えることができる。
【0030】
用いることができる別のタイプのDNA修復酵素は、T-Tダイマーを修復するのに有効であることが知られているものである。酵素は、生物学的材料または植物性材料の混合物中に存在する。そのような成分の例は、ウルトラソーム(Ultrasomes(登録商標))またはフォトソーム(Photosomes(登録商標))の商品名の下にAGI/Dermatics社から販売されている。ウルトラソーム(Ultrasomes(登録商標))は、ミクロコッカス溶解物(ミクロコッカスの様々な種の制御された溶解の最終生成物)、レシチン、および水の混合物を含む。フォトソーム(Photosomes(登録商標))は、プランクトン抽出物(以下の生物のうちの1種以上を含む海洋バイオマスの抽出物:タラソプランクトン(thalassoplankton)、微小緑藻類(green micro-algae)、珪藻、藍藻類(greenish-blue)および窒素固定海藻)、水、およびレシチンの混合物を含む。
【0031】
別のタイプのDNA修復酵素は、ビフィダ属(Bifida)溶解物またはビフィダ属発酵物溶解物(後者は、ビフィド属(Bifido)細菌由来の溶解物であって、ビフィド属細菌を培養し、不活性化し、続いて崩壊させた際の代謝生成物および細胞質画分を含有する)などの種々の不活性化型細菌溶解物の構成成分であり得る。この材料は、ビフィダ属発酵物溶解物のINCI名を有する。
【0032】
他の好適なDNA修復酵素としては、バクテリオファージT4のden V遺伝子により生成されることができるエンドヌクレアーゼVが挙げられる。T4エンドヌクレアーゼ;O
6-メチルグアニン-DNAメチルトランスフェラーゼ;ウラシルDNAグリコシラーゼおよびヒポキサンチン-DNAグリコシラーゼなどのフォトリアーゼ;脱ピリミジン/脱プリンエンドヌクレアーゼ;DNAエキソヌクレアーゼ、損傷塩基グリコシラーゼ(例えば、3-メチルアデニン-DNAグリコシラーゼ);単独または複合体(例えば、大腸菌uvrA/uvrB/uvrCエンドヌクレアーゼ複合体)でのコレンドヌクレアーゼ(correndonuclease);多くの場合に「APE」と称される多機能DNA修復酵素であるAPEXヌクレアーゼ;ジヒドロ葉酸レダクターゼ;末端トランスフェラーゼ;トポイソメラーゼ;O
6ベンジルグアニン;DNAグリコシラーゼも好適である。
【0033】
他のタイプの好適なDNA修復酵素は、促進される修復のタイプによって分類することができ、以下のBER(塩基除去修復)またはBER因子酵素を含む:ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UNG);一本鎖選択的単一機能ウラシルDNAグリコシラーゼ(SMUG1);3,N(4)-エテノシトシングリコシラーゼ(3,N(4)-ethenocytosine glycosylase)(MBD4);チミンDNA-グリコシラーゼ(TDG);A/G-特異的アデニンDNAグリコシラーゼ(MUTYH);8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(OGG1);エンドヌクレアーゼIII様(NTHL1);3-メチルアデニンDNAグリコシダーゼ(MPG);DNAグリコシラーゼ/APリアーゼ(NEIL1または2);APエンドヌクレアーゼ(APEX 1および2)、DNAリガーゼ(LIG3)、リガーゼ補助因子(ligase accessory factor)(XRCC1);DNA 5'-キナーゼ/3'-ホスファターゼ(PNKP);ADP-リボシルトランスフェラーゼ(PARP1または2)。
【0034】
DNA修復酵素の別の分類としては、O
6-MeGアルキルトランスフェラーゼ(MGMT);1-meAジオキシゲナーゼ(ALKBH2またはALKBH3)などのダメージを直接的に逆転させると考えられているものが挙げられる。
DNA/タンパク質架橋を修復するために機能できる酵素のまた別の分類としては、Tyr-DNAホスホジエステラーゼ(TDP1)が挙げられる。
【0035】
MutSタンパク質ホモログ(MSH2);ミスマッチ修復タンパク質(MSH3);mutSホモログ4(MSH4);MutSホモログ5(MSH5);またはG/Tミスマッチ結合性タンパク質(MSH6);DNAミスマッチ修復タンパク質(PMS1、PMS2、MLH1、MLH3);減数分裂後隔離増大2様タンパク質(Postmeiotic segregation increased 2-like protein)(PMS2L3);または減数分裂後隔離増大2様4偽遺伝子(postmeiotic segregation increased 2-like 4 pseudogene)(PMS2L4)などのMMR(ミスマッチ除去修復)DNA修復酵素もまた好適である。
【0036】
ヌクレオチド除去修復(NER)酵素として知られているDNA修復酵素もまた好適であり、色素性乾皮症C群相補性タンパク質(Xeroderma pigmentosum group C-complementing protein)(XPC);RAD23(S.セレビシエ(S. cerevisiae))ホモログ(RAD23B);カルトラクチン(caltractin)アイソフォーム(CETN2);RFAタンパク質1、2、または3(RPA1、2、または3);3’-5’ DNAヘリカーゼ(3’ to 5’ DNA helicase)(ERCC3);5’-3’ DNAヘリカーゼ(ERCC2);塩基性転写因子(basic transcription factor)(GTF2H1、GTF2H2、GTF2H3、GTF2H4、GTF2H5);CDK活性化キナーゼ(CDK7、CCNH);サイクリンG1相互作用タンパク質(MNAT1);DNA除去修復タンパク質ERCC-5l;除去修復相互相補1(excision repair cross-complementing 1)(ERCC1);DNAリガーゼ1(LIG1);ATP依存性ヘリカーゼ(ERCC6);などが挙げられる。
【0037】
相同組み換えを促進する分類のDNA修復酵素もまた好適であり得、限定するものではないが、DNA修復タンパク質RAD51ホモログ(RAD51、RAD51L1、RAD51B等);DNA修復タンパク質XRCC2;DNA修復タンパク質XRCC3;DNA修復タンパク質RAD52;ATPアーゼ(RAD50);3’エキソヌクレアーゼ(MRE11A);などが挙げられる。
DNAポリメラーゼであるDNA修復酵素もまた好適であり、DNAポリメラーゼβサブユニット(POLB);DNAポリメラーゼγ(POLG);DNAポリメラーゼサブユニットδ(POLD1);DNAポリメラーゼIIサブユニットA(POLE);DNAポリメラーゼδ補助タンパク質(PCNA);DNAポリメラーゼζ(POLZ);MAD2ホモログ(REV7);DNAポリメラーゼη(POLH):DNAポリメラーゼκ(POLK)などが挙げられる。
【0038】
「編集処理ヌクレアーゼ」(editing and processing nuclease)としばしば称されるDNA修復酵素の種々のタイプとしては、3’-ヌクレアーゼ;3’-エキソヌクレアーゼ;5’-エキソヌクレアーゼ;エンドヌクレアーゼなどが挙げられる。
DNA修復酵素の他の例としては、ATP DNAヘリカーゼなどをはじめとするDNAヘリカーゼが挙げられる。
DNA修復酵素は、植物抽出物、細菌溶解物、生物学的材料などの構成成分として存在し得る。例えば、植物抽出物が、DNA修復酵素を含有し得る。
本発明の組成物は、1種以上のDNA修復酵素を含有し得る。
【0039】
C. 保湿剤
組成物は、1種以上の保湿剤を含有し得る。存在する場合、これらは、約0.01〜75%、好ましくは約0.5〜70%、より好ましくは約0.5〜40%の範囲であり得る。好適な保湿剤の例としては、グリコール、糖などが挙げられる。好適なグリコールは、モノマー型またはポリマー型であり、PEG4-10(4〜10個の繰り返しエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコール)などのポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール;ならびにプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール等などのC
1-6アルキレングリコールが挙げられる。その一部は多価アルコールでもある好適な糖もまた、好適な保湿剤である。そのような糖の例としては、グルコース、フルクトース、蜂蜜、水添蜂蜜、イノシトール、マルトース、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、スクロース、キシリトール、キシロースなどが挙げられる。尿素もまた好適である。好ましくは、本発明の組成物中で用いられる保湿剤は、C
1-6、好ましくはC
2-4アルキレングリコール、最も好ましくはブチレングリコールである。
【0040】
D. サンスクリーン剤
本発明の組成物中に1種以上のサンスクリーン剤を含むこともまた望ましい場合がある。そのようなサンスクリーン剤としては、化学的UVAもしくはUVBサンスクリーン剤または粒子状形態の物理的サンスクリーン剤が挙げられる。美白活性成分を含有する組成物中にサンスクリーン剤を含めることは、日中の皮膚への追加の保護を与えるであろうし、皮膚に対する美白活性成分の有効性を高めるであろう。存在する場合、サンスクリーン剤は、約0.1〜50%、好ましくは約0.5〜40%、より好ましくは約1〜35%の範囲であり得る。
【0041】
1. UVA化学的サンスクリーン剤
所望であれば、組成物は、1種以上のUVAサンスクリーン剤を含むことができる。「UVAサンスクリーン剤」との用語は、約320〜400nmの波長範囲のUV照射を遮断する化合物を意味する。好ましいUVAサンスクリーン剤は、以下の式のジベンゾイルメタン化合物である:
【化1】
[式中、
R
1はH、ORおよびNRRであり、各Rは独立に、H、C
1-20直鎖または分岐鎖アルキルであり;R
2はHまたはOHであり;R
3はH、C
1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]。
R
1がORであり、RがC
1-20直鎖または分岐鎖アルキル、好ましくはメチルであり;R
2がHであり;R
3がC
1-20直鎖または分岐鎖アルキル、より好ましくはブチルである場合が好ましい。
【0042】
この一般式の好適なUVAサンスクリーン化合物の例としては、4-メチルジベンゾイルメタン、2-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'ジイソプロピルベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(2-methyl-5-isopropyl-4'-methoxydibenzoymethane)、2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンなどが挙げられる。アボベンゾン(Avobenzone)とも称される、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンが特に好ましい。アボベンゾンは、商標名Parsol(登録商標)1789の下にGivaudan-Roure社から、および商品名Eusolex(登録商標)9020の下にMerck & Co.社から市販されている。
【0043】
他のタイプのUVAサンスクリーン剤としては、以下の式を有するテレフタリリデンジカンファースルホン酸である、商品名Mexoryl(登録商標)の下に販売されているサンスクリーン剤であるエカムスル(ecamsule)などの、ジカンファースルホン酸誘導体が挙げられる:
【化2】
【0044】
組成物は、組成物の重量当たり、約0.001〜20%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは約0.005〜3%のUVAサンスクリーン剤を含有することができる。本発明の好ましい実施形態では、UVAサンスクリーン剤はアボベンゾンであり、組成物全体の重量当たり約3%以下で存在する。
【0045】
2. UVB化学的サンスクリーン剤
「UVBサンスクリーン剤」との用語は、約290〜320nmの波長範囲のUV照射を遮断する化合物を意味する。米国特許第3,215,724号(その全体が参照により本明細書中に組み入れられる)に示されている通りのα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルをはじめとする、様々なUVB化学的サンスクリーン剤が存在する。α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルの1つの特定の例は、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートであるオクトクリレン(Octocrylene)である。一部の場合では、組成物は、組成物全体の重量当たり約10%以下のオクトクリレンを含有することができる。好適な量は、約0.001〜10重量%の範囲である。オクトクリレンは、商品名Uvinul(登録商標)N-539の下に、BASF社から購入することができる。
【0046】
他の好適なサンスクリーン剤としては、米国特許第3,781,417号(その全体で参照により本明細書中に組み入れられる)に示されている通りのベンジリデンカンファー誘導体が挙げられる。そのようなベンジリデンカンファー誘導体は、以下の一般式を有する:
【化3】
[式中、Rはp-トリルまたはスチリル、好ましくはスチリルである]。Eusolex 6300の商品名の下にMerck社から販売されている脂溶性UVBサンスクリーン化合物である4-メチルベンジリデンカンファーが特に好ましい。
【0047】
以下の一般式を有するシンナメート誘導体もまた好適である:
【化4】
[式中、RおよびR
1はそれぞれ独立に、C
1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]。Rがメチルであり、R
1が分岐鎖C
1-10アルキル、好ましくは分岐鎖C
8アルキルである場合が好ましい。好ましい化合物は、オクトキシネート(Octoxinate)またはメトキシ桂皮酸オクチルとも称されるメトキシ桂皮酸エチルヘキシルである。該化合物は、商品名Parsol(登録商標)MCXの下にGivaudan Corporation社から、または商品名Uvinul(登録商標)MC 80の下にBASF社から購入することができる。
【0048】
メトキシ桂皮酸ジエタノールアミンをはじめとするそのようなメトキシシンナメートのモノ-、ジ-、およびトリエタノールアミン誘導体もまた好適である。上記の化合物の芳香族エーテル誘導体であるシノキサート(Cinoxate)もまた許容される。存在する場合、シノキサートは組成物全体の重量当たり約3%以下で見出されるべきである。
【0049】
以下の一般式を有する種々のベンゾフェノン誘導体もまた、UVBサンスクリーン剤として好適である:
【化5】
[式中、R〜R
9は、それぞれ独立に、H、OH、NaO
3S、SO
3H、SO
3Na、Cl、R”、OR”であり、R”はC
1-20直鎖または分岐鎖アルキルである]。そのような化合物の例としては、ベンゾフェノン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12が挙げられる。ベンゾフェノン誘導体がベンゾフェノン3(オキシベンゾン(Oxybenzone)とも称される)、ベンゾフェノン4(スリソベンゾン(Sulisobenzone)とも称される)、ベンゾフェノン5(スリソベンゾンナトリウム)などである場合が特に好ましい。ベンゾフェノン3が最も好ましい。
【0050】
以下の一般式を有する一部のサリチル酸メンチル誘導体もまた好適である:
【化6】
[式中、R
1、R
2、R
3、およびR
4は、それぞれ独立に、H、OH、NH
2、またはC
1-20直鎖もしくは分岐鎖アルキルである]。R
1、R
2、およびR
3がメチルであり、R
4がヒドロキシルまたはNH
2であり、サリチル酸ホモメンチル(ホモサレート(Homosalate)としても知られる)またはアントラニル酸メンチルとの名称を有する化合物である場合が特に好ましい。ホモサレートは商標名Eusolex(登録商標)HMSの下にMerck社から市販されており、アントラニル酸メンチルは商標名Heliopan(登録商標)の下にHaarmann & Reimer社から市販されている。存在する場合、ホモサレートは組成物全体の重量当たり約15%以下で見出されるべきである。
【0051】
以下の一般式を有するものをはじめとする種々のアミノ安息香酸誘導体は、好適なUVB吸収剤である:
【化7】
[式中、R
1、R
2、およびR
3は、それぞれ独立に、1個以上のヒドロキシ基で置換されていることができるH、C
1-20直鎖もしくは分岐鎖アルキルである]。R
1がHまたはC
1-8直鎖もしくは分岐鎖アルキルであり、R
2およびR
3がH、またはC
1-8直鎖もしくは分岐鎖アルキルである場合が特に好ましい。PABA、エチルヘキシルジメチルPABA(パジメートO(Padimate O))、エチルジヒドロキシプロピルPABAなどが特に好ましい。存在する場合、パジメートOは組成物全体の重量当たり約8%以下で見出されるべきである。
【0052】
サリシレート誘導体もまた、許容されるUVB吸収剤である。サリチル酸オクチル、TEA-サリシレート、DEA-サリシレート、およびそれらの混合物が特に好ましい。
一般的に、存在するUVB化学的サンスクリーン剤の量は、組成物全体の重量当たり約0.001〜45%、好ましくは0.005〜40%、より好ましくは約0.01〜35%の範囲であり得る。
所望であれば、本発明の組成物は、約1〜50、好ましくは約2〜45、最も好ましくは約5〜30の範囲の一定のSPF(紫外線防御指数)値を有するように製剤化することができる。SPF値の算出は、当技術分野で周知である。
【0053】
E. 界面活性剤
特にエマルション形態である場合に、1種以上の界面活性剤を含有することが組成物にとって望ましい場合がある。しかしながら、組成物が溶液、懸濁液、または無水である場合にも、そのような界面活性剤を用いることができ、極性を有する成分(例えば顔料)の分散を助けるであろう。そのような界面活性剤は、シリコーンまたは有機ベースであり得る。界面活性剤はまた、油中水型または水中油型のいずれかの安定なエマルション形成も助けるであろう。存在する場合、界面活性剤は、組成物全体の重量当たり約0.001〜30%、好ましくは約0.005〜25%、より好ましくは約0.1〜20%の範囲であり得る。
【0054】
1. 有機非イオン性界面活性剤
組成物は、1種以上の非イオン性有機界面活性剤を含み得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールと、通常はエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドであるアルキレンオキシドとの反応により形成される、アルコキシル化アルコールまたはエーテルが挙げられる。好適なアルコールとしては、一価、二価、または多価短鎖(C1-6)アルコール;コレステロールの芳香族もしくは脂肪族飽和または不飽和脂肪(C12-40)アルコールなどが挙げられる。
【0055】
一実施形態では、アルコールはコレステロールであるか、あるいは6〜40個、好ましくは約10〜30個、より好ましくは約12〜22個の炭素原子を有し得る芳香族もしくは脂肪族飽和または不飽和脂肪アルコールである。例としては、オレイルアルコール、セテアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。そのような成分の例としては、オレス(Oleth)2-100;ステアレス(Steareth)2-100;ベヘネス(Beheneth)5-30;セテアレス(Ceteareth)2-100;セテス(Ceteth)2-100;コレス(Choleth)2-100が挙げられ、ここで数値範囲は繰り返しエチレンオキシド単位の数を意味し、例えば、セテス2-100とは、繰り返しエチレンオキシド単位の数が2〜100の範囲であるセテスを意味する。アルコキシル化アルコールの誘導体、例えばそのリン酸エステルなどもまた好適である。
一部の好ましい有機非イオン性界面活性剤としては、オレス-3、オレス-5、オレス-3リン酸、コレス-24;セテス-24などが挙げられる。
【0056】
一価、二価、または多価短鎖アルコール(例えば、約1〜6個の炭素原子を有するもの)を用いて形成されたアルコキシル化アルコールもまた好適である。例としては、グルコース、グリセリン、またはそれらのアルキル化誘導体が挙げられる。例としては、グリセレス(glycereth)2-100;グルセス(gluceth)2-100;メチルグルセス(methyl gluceth)2-100などが挙げられる。グルセス-20;グリセレス-26などがより好ましい。
一般的にPEG12〜200と称される様々な数の繰り返しEO基を有するエチレンオキシドポリマーをはじめとする他のタイプのアルコキシル化アルコールは好適な界面活性剤である。PEG-75がより好ましく、これは商品名Carbowax PEG-3350の下にDow Chemical社から購入することができる。
【0057】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化ソルビタンおよびアルコキシル化ソルビタン誘導体が挙げられる。例えば、ソルビタンのアルコキシル化、特にエトキシル化は、ポリアルコキシル化ソルビタン誘導体をもたらす。ポリアルコキシル化ソルビタンのエステル化は、ポリソルベートなどのソルビタンエステルをもたらす。例えば、ポリアルコキシル化ソルビタンは、C6-30、好ましくはC12-22脂肪酸を用いてエステル化することができる。そのような成分の例としては、ポリソルベート20-85、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0058】
2. シリコーンまたはシラン界面活性剤
様々なタイプのシリコーンまたはシランベースの界面活性剤もまた好適である。例としては、INCI名PEG-1ジメチコン;PEG-4ジメチコン;PEG-8ジメチコン;PEG-12ジメチコン;PEG-20ジメチコンなどを有するものをはじめとする、ポリエチレングリコールを用いて置換されたジメチコンであるPEGジメチコンなどの、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を用いて置換されたオルガノシロキサンが挙げられる。
ビス-PEG-18メチルエーテルジメチルシランなどの種々のタイプのPEGメチルエーテルシランなどの、エトキシ基もしくはプロポキシ基またはその両方を用いて置換されたシランもまた好適である。
シリコーンベースの界面活性剤のさらなる例としては、一般名ジメチコンコポリオール;セチルジメチコンコポリオールなどを有するものが挙げられる。
【0059】
F. 植物抽出物
組成物に1種以上の追加の植物抽出物を組み込むことが望ましい場合がある。存在する場合、推奨される範囲は約0.0001〜20%、好ましくは約0.0005〜15%、より好ましくは約0.001〜10%である。好適な植物抽出物は、花、果実、野菜などの植物(ハーブ、根、花、果実、種子)由来の抽出物を含み、そのようなものとしては、酵母発酵物抽出物、パディナ・パボニカ(Padina Pavonica)抽出物、サーマス・サーモフィルス(Thermus Thermophilis)発酵物抽出物、カメリナ・サティバ(Camelina Sativa)種子油、ボスウェリア・セラータ(Boswellia Serrata)抽出物、オリーブ抽出物、アカシア・デアルバタ(Acacia Dealbata)抽出物、アセル・サッカリヌム(Acer Saccharinum)(サトウカエデ)、アシドフォルス属(Acidopholus)、アコルス属(Acorus)、アエスクルス属(Aesculus)、アガリクス属(Agaricus)、アガベ属(Agave)、アグリモニア属(Agrimonia)、藻類、アロエ、柑橘類、アブラナ属(Brassica)、桂皮、オレンジ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、モモ、ナシ、レモン、ライム、エンドウマメ、海草、カフェイン、緑茶、カモミール、ヤナギ樹皮(willowbark)、クワ、ケシ、およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Eighth Edition, Volume 2の第1646頁〜第1660頁に説明されているものが挙げられる。さらなる具体例としては、限定するものではないが、グリシリザ・グラブラ(Glycyrrhiza Glabra)(スペインカンゾウ)、サリクス・ニグラ(Salix Nigra)、マクロシスチス・ピリフェラ(Macrocycstis Pyrifera)、ピルス・マルス(Pyrus Malus)(リンゴ)、サクシフラガ・サルメントサ(Saxifraga Sarmentosa)、ビティス・ビニフェラ(Vitis Vinifera)(ヨーロッパブドウ)、モルス・ニグラ(Morus Nigra)(クロミグワ)、スクテラリア・バイカレンシス(Scutellaria Baicalensis)(コガネバナ)、アンテミス・ノビリス(Anthemis Nobilis)、サルビア・スクラレア(Salvia Sclarea)(クラリセージ)、ロスマリヌス・オフィシアナリス(Rosmarinus Officianalis)(ローズマリー)、シトルス・メディカ・リモヌム(Citrus Medica Limonum)(レモン)、パナクス・ギンセング(Panax Ginseng)(チョウセンニンジン)、シエゲスベッキア・オリエンタリス(Siegesbeckia Orientalis)(メナモミ)、フルクツス・ムメ(Fructus Mume)(ウバイ)、アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum Nodosum)、グリシン・ソヤ(Glycine Soja)(ツルマメ)抽出物、ベタ・ブルガリス(Beta Vulgaris)(テンサイ)、ハベルレア・ロドペンシス(Haberlea Rhodopensis)、ポリゴヌム・クスピダツム(Polygonum Cuspidatum)(イタドリ)、シトルス・アウランティウム・ドゥルシス(Citrus Aurantium Dulcis)(オレンジ)、ビティス・ビニフェラ(Vitis Vinifera)(ヨーロッパブドウ)、セラギネラ・タマリスシナ(Selaginella Tamariscina)、フムルス・ルプルス(Humulus Lupulus)(ホップ)、シトルス・レティクラタ(Citrus Reticulata)(マンダリンオレンジ)果皮、プニカ・グラナツム(Punica Granatum)(ザクロ)、アスパラゴプシス属(Asparagopsis)、クルクマ・ロンガ(Curcuma Longa)(ウコン)、メニアンセス・トリフォリアタ(Menyanthes Trifoliata)(ミツガシワ)、ヘリアンスス・アヌウス(Helianthus Annuus)(ヒマワリ)、ホルデウム・ブルガレ(Hordeum Vulgare)(オオムギ)、ククミス・サティブス(Cucumis Sativus)(キュウリ)、エベルニア・プルナストリ(Evernia Prunastri)(ツノマタゴケ)、エベルニア・フルフラセア(Evernia Furfuracea)、コーラ・アクミナタ(Kola Acuminata)、およびそれらの混合物が挙げられる。所望であれば、そのような植物抽出物を発酵させて、効能または活性を増大させることができる。発酵は、細菌または酵母を用いて、標準的発酵技術により達成することができる。
【0060】
G. 生物学的材料
細胞、発酵済み材料などに由来するものなどの様々なタイプの生物学的材料もまた好適である。存在する場合、そのような材料は、約0.001〜30%、好ましくは約0.005〜25%、より好ましくは約0.01〜20%の範囲であり得る。例としては、細胞性RNAもしくはDNAの断片、プロバイオティクス微生物、または微生物の発酵物および葉、種子、抽出物、花などの植物由来の有機材料が挙げられる。RNA断片が特に好ましい。
【0061】
H. 水相構造化剤
組成物が水溶液、分散液またはエマルションの形態である場合、水に加えて、水相が、1種以上の水相構造化剤、すなわち、粘度を増大させるか、または組成物の水相を粘稠にする薬剤を含有することができる。組成物がセラムまたはゲルの形態である場合に、これは特に望ましい。存在する場合、水相構造化剤の好適な範囲は、組成物全体の重量当たり、約0.01〜30%、好ましくは約0.1〜20%、より好ましくは約0.5〜15%である。そのような薬剤の例としては、種々のアクリレートベースの増粘剤、天然または合成ゴム、多糖などが挙げられ、限定するものではないが、以下に説明するものを含む。
【0062】
1. 多糖
多糖は、好適な水相増粘剤であり得る。そのような多糖の例としては、寒天、アガロース、アルカリゲネス属(alicaligenes)多糖、アルギン、アルギン酸、アラビアゴム、アミロペクチン、キチン、デキストラン、カシアガム(cassia gum)、セルロースガム、ゼラチン、ジェランガム、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ペクチン、スクレロチウムガム、キサンタンガム、ペクチン、トレハロース(trehelose)、ゼラチンなどの天然由来材料が挙げられる。
【0063】
2. アクリレートポリマー
様々なタイプの合成ポリマー性増粘剤もまた好適である。1つのタイプとしては、モノマーAおよびBから構成され、Aがアクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物からなる群より選択され;BがC
1-22アルキルアクリレート、C
1-22アルキルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群より選択されるアクリル酸ポリマー性増粘剤が挙げられ、好適である。一実施形態では、Aモノマーはアクリル酸またはメタクリル酸のうちの1種以上を含み、BモノマーはC
1-10、最も好ましくはC
1-4アルキルアクリレート、C
1-10、最も好ましくはC
1-4アルキルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群より選択される。最も好ましくは、Bモノマーはアクリル酸メチルもしくはメタクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルもしくはメタクリル酸エチルのうちの1種以上である。アクリル酸コポリマーは、ポリマーの重量当たり約10〜60%、好ましくは20〜50%、より好ましくは25〜45%の範囲の固体含量と、残余の水とを有する水溶液で供給することができる。アクリル酸コポリマーの組成物は、約0.1〜99部のAモノマー、および約0.1〜99部のBモノマーを含有することができる。アクリル酸ポリマー溶液としては、商品名Capigelの下にSeppic社により販売されているものが挙げられる。
【0064】
A、B、およびCモノマーのコポリマーであり、AおよびBは上記で定義される通りであり、Cは以下の一般式:
【化8】
[式中、Zは-(CH
2)
mであり;mは1〜10であり、nは2〜3であり、oは2〜200であり、RはC
10-30直鎖または分岐鎖アルキルである]を有するアクリル酸ポリマー性増粘剤もまた好適である。上記の二次的増粘剤の例は、AおよびBが上記で定義される通りであり、CがCOであり、n、o、およびRが上記で定義される通りであるコポリマーである。そのような二次的増粘剤の例としては、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマーが挙げられ、これは商品名Acrysol ICS-1の下にRohm & Haas社により販売されている。
【0065】
少なくとも1種の親水性単位および少なくとも1種の、脂肪鎖を含むアリルエーテル単位を含有するアクリレートベースのアニオン性両親媒性ポリマーもまた好適である。親水性単位がエチレン的に不飽和のアニオン性モノマー、より具体的にはアクリル酸、メタクリル酸またはそれらの混合物などのビニルカルボン酸を含み、脂肪鎖を含むアリルエーテル単位が以下の式のモノマーに対応するものが好ましい:
CH
2=CR’CH
2OB
nR
[式中、R’はHまたはCH
3を表わし、Bはエチレンオキシ基を表わし、nはゼロまたは1〜100の範囲の整数であり、Rは8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜24個の炭素原子、さらにより好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する、アルキル基、アリールアルキル基、アリール基、アルキルアリール基およびシクロアルキル基から選択される炭化水素基を表わす]。R’がHを表わし、nが10に等しく、Rがステアリル(C18)基であるのが、この場合により好ましい。このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、米国特許第4,677,152号および同第4,702,844号(これらの両方はその全体が参照により本明細書中に組み入れられる)に記載され、調製されている。これらのアニオン性両親媒性ポリマーの中でも、20〜60重量%のアクリル酸および/またはメタクリル酸、5〜60重量%の低級アルキルメタクリレート、2〜50重量%の、上記で言及された脂肪鎖を含むアリルエーテル、ならびに0〜1重量%の架橋剤であって、周知の共重合可能なポリエチレン性不飽和モノマーである架橋剤(例えば、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレートおよびメチレンビスアクリルアミド)から形成されるポリマーが好ましい。そのようなポリマーの1つの市販の例は、メタクリル酸、アクリル酸エチル、ステアリルアルコールのポリエチレングリコール(10個のEO単位を有する)エーテルまたはステアレス-10の架橋型ターポリマー、特にSALCARE SC80およびSALCARE SC90の名称の下にAllied Colloids社から販売されているものであり、これはメタクリル酸、アクリル酸エチルおよびステアレス-10アリルエーテル(40/50/10)の架橋型ターポリマーを30%含有する水性エマルションである。
【0066】
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メチルスチレンイソプロピルイソシアネート、およびPEG-40ベヘネートモノマーのコポリマーであるポリアクリレート-3(Polyacrylate-3);アクリロイルジメチルタウリンナトリウム(sodium acryloyldimethyltaurate)、アクリル酸ナトリウム、アクリルアミドおよびビニルピロリドンモノマーのコポリマーであるポリアクリレート-10(Polyacrylate-10);またはアクリロイルジメチルアクリロイルジメチルタウリンナトリウム(sodium acryloyldimethylacryloyldimethyl taurate)、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ブチル、およびアクリルアミドモノマーのコポリマーであるポリアクリレート-11(Polyacrylate-11)などのアクリレートコポリマーもまた好適である。
【0067】
1個以上のアクリル酸基が、置換された長鎖アルキル(6〜40、10〜30など)基を有し得る、架橋型アクリレート系ポリマー、例えば、アクリレート/C
10-30アルキルアクリレートクロスポリマー(C10-30アルキルアクリレートおよびアクリル酸、メタクリル酸またはそれらの単純なエステルの1種のうちの1種以上のモノマーが、スクロースのアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋されているコポリマーである)もまた好適である。そのようなポリマーは、CarbopolまたはPemulenの商品名の下に一般的に販売されており、CTFA名カルボマーを有する。
【0068】
Aristoflex商標の下にClariant社により販売されているアクリレート系ポリマー性増粘剤もまた好適であり、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム(ammonium acryloyldimethyltaurate)/VPコポリマーであるAristoflex AVC;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、トリラウレス-4(trilaureth-4)、およびポリグリセリル-2セスキイソステアレートを含有する混合物中に分散されたAVC中に見出されるのと同じポリマーであるAristoflex AVL;またはアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム(ammonium acryloyldimethyltaurate)/ベヘネス-25メタクリレートクロスポリマーであるAristoflex HMBなどである。
【0069】
3. アルキレングリコール
重合度が1,000〜200,000の範囲である種々のポリエチレングリコール(PEG)誘導体もまた、水相増粘剤として好適である。そのような成分は、「PEG」との表示と、それに続く1000の単位での重合度により示され、PEG-45M(45,000個の繰り返しエチレンオキシド単位を有するPEGを意味する)などである。好適なPEG誘導体の例としては、PEG 2M、5M、7M、9M、14M、20M、23M、25M、45M、65M、90M、115M、160M、180Mなどが挙げられる。
繰り返しグリセリン部分であって、繰り返し部分の数が15〜200、好ましくは約20〜100の範囲であるポリグリセリンもまた好適である。好適なポリグリセリンの例としては、CFTA名ポリグリセリン-20、ポリグリセリン-40などを有するものが挙げられる。
【0070】
I. 油
本発明の組成物がエマルション形態である事象では、組成物は油相を含むであろう。油性成分は、皮膚湿潤化および保護特性のために望ましい。好適な油としては、限定するものではないが本明細書中に説明されるものをはじめとする、シリコーン、エステル、植物油、合成油が挙げられる。油は、揮発性または非揮発性であり得、好ましくは室温で流動性の液体(pourable liquid)の形態である。「揮発性」との用語は、油が、測定可能な蒸気圧、または20℃にて少なくとも約2mm・水銀の蒸気圧を有することを意味する。「非揮発性」との用語は、油が、20℃にて約2mm・水銀未満の蒸気圧を有することを意味する。存在する場合、そのような油は、約0.01〜85%、好ましくは約0.05〜80%、より好ましくは約0.1〜50%の範囲であり得る。
【0071】
1. 揮発性油
好適な揮発性油は、一般的に、25℃で約0.5〜5センチストークスの範囲の粘度を有し、直鎖シリコーン、環状シリコーン、パラフィン系炭化水素、またはそれらの混合物が挙げられる。
(a). 揮発性シリコーン
環状シリコーンは、組成物中で用いることができる揮発性シリコーンの1つのタイプである。そのようなシリコーンは、以下の一般式を有する:
【化9】
[式中、n=3〜6、好ましくは4、5、または6である]。
例えば、以下の一般式を有する直鎖揮発性シリコーンもまた好適である:
(CH
3)
3Si-O-[Si(CH
3)
2-O]
n-Si(CH
3)
3
[式中、n=0、1、2、3、4、または5、好ましくは0、1、2、3、または4である]。
環状および直鎖揮発性シリコーンは、Dow Corning Corporation社およびGeneral Electric社をはじめとする様々な商業的供給源から入手可能である。Dow Corning社の直鎖揮発性シリコーンは、商品名Dow Corning 244、245、344、および200 fluidの下に販売されている。これらのfluidとしては、ヘキサメチルジシロキサン(粘度0.65センチストークス(cstと略記))、オクタメチルトリシロキサン(1.0cst)、デカメチルテトラシロキサン(1.5cst)、ドデカメチルペンタシロキサン(2cst)およびそれらの混合物が挙げられる(全ての粘度測定値は25℃でのもの)。
【0072】
好適な分岐鎖揮発性シリコーンとしては、以下の一般式を有するメチルトリメチコンなどのアルキルトリメチコンが挙げられる:
【化10】
メチルトリメチコンは、商品名TMF-1.5の下に信越シリコーン社から購入でき、25℃にて1.5センチストークスの粘度を有する。
【0073】
(b). 揮発性パラフィン系炭化水素
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の炭素原子、より好ましくは8〜16個の炭素原子を有する、様々な直鎖または分岐鎖パラフィン系炭化水素もまた、揮発性油として好適である。好適な炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン、ならびに米国特許第3,439,088号および同第3,818,105号(これらの両方が参照により本明細書中に組み入れられる)に開示されているC
8-20イソパラフィンが挙げられる。
好ましい揮発性パラフィン系炭化水素は、70〜225、好ましくは160〜190の分子量、30〜320、好ましくは60〜260℃の範囲の沸点、25℃にて約10cst.未満の粘度を有する。そのようなパラフィン系炭化水素は、ISOPARS(商標)の下にEXXON社から、およびPermethyl Corporation社から入手可能である。好適なC
12イソパラフィンは、商品名Permethyl 99Aの下にPermethyl Corporation社により製造されている。イソヘキサデカン(商品名Permethyl Rを有する)などの市販の様々なC
16イソパラフィンもまた好適である。
【0074】
2. 非揮発性油
様々な非揮発性油もまた、本発明の組成物での使用のために好適である。非揮発性油は、一般的に、25℃にて約5〜10センチストークス超の粘度を有し、25℃にて最大約1,000,000センチポアズまでの粘度の範囲であり得る。非揮発性油の例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:
(a). エステル
好適なエステルは、モノエステル、ジエステル、およびトリエステルである。組成物は、前記群から選択される1種以上のエステルまたはそれらの混合物を含むことができる。
【0075】
i) モノエステル
モノエステルは、式R-COOHを有するモノカルボン酸(式中、Rは2〜45個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖飽和または不飽和アルキルであるか、またはフェニルである)と;式R-OHを有するアルコール(式中、Rは2〜30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖飽和または不飽和アルキルであるか、またはフェニルである)の反応により形成されるエステルであると定義される。アルコールと酸の両方が、1個以上のヒドロキシル基で置換されていることができる。酸またはアルコールの一方または両方が、「脂肪」酸またはアルコールであり得、直鎖もしくは分岐鎖、飽和または不飽和形態で、約6〜30個の炭素原子、より好ましくは12、14、16、18、または22個の炭素原子を有することができる。本発明の組成物中で用いることができるモノエステル油の例としては、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸セチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ヘプタン酸ステアリル、イソノナン酸イソステアリル、乳酸ステアリル(steary lactate)、オクタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニルなどが挙げられる。
【0076】
(ii). ジエステル
好適なジエステルは、ジカルボン酸と脂肪族もしくは芳香族アルコールとの反応生成物、または少なくとも2個の置換されたヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物である。ジカルボン酸は、2〜30個の炭素原子を含有することができ、直鎖もしくは分岐鎖、飽和または不飽和形態であり得る。ジカルボン酸は、1個以上のヒドロキシル基で置換されていることができる。脂肪族または芳香族アルコールもまた、2〜30個の炭素原子を含有することができ、直鎖もしくは分岐鎖、飽和または不飽和形態であり得る。好ましくは、1種以上の酸またはアルコールが、脂肪酸または脂肪アルコールであり、すなわち、12〜22個の炭素原子を含む。ジカルボン酸はまた、αヒドロキシ酸であり得る。エステルは、二量体または三量体形態であり得る。本発明の組成物中で用いることができるジエステル油の例としては、リンゴ酸ジイソステアリル(diisotearyl malate)、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、ジリノール酸ジセテアリルダイマー、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ジリノール酸ジイソステアリルダイマー、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジオクチルなどが挙げられる。
【0077】
(iii). トリエステル
好適なトリエステルは、トリカルボン酸と脂肪族もしくは芳香族アルコールとの反応生成物、または3個以上の置換ヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物を含む。上記のモノエステルおよびジエステルと同様に、酸およびアルコールは2〜30個の炭素原子を含み、飽和もしくは不飽和の直鎖または分岐鎖であり得、1個以上のヒドロキシル基で置換されていることができる。好ましくは、1種以上の酸またはアルコールが、12〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸または脂肪アルコールである。トリエステルの例としては、アラキドン酸、クエン酸またはベヘン酸のエステル、例えば、トリアラキジン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリC
12-13アルキル、トリカプリリン、クエン酸トリカプリリル、ベヘン酸トリデシル、クエン酸トリオクチルドデシル、ベヘン酸トリデシルまたはトリデシルココアート(tridecyl cocoate)、イソノナン酸トリデシルなどが挙げられる。
組成物中での使用のために好適なエステルは、「エステル」の分類の下に、C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, Eleventh Edition, 2006にさらに記載されている(その文章は、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる)。
【0078】
(b). 炭化水素油
組成物中に1種以上の非揮発性炭化水素油を組み込むことが望ましい場合がある。好適な非揮発性炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素およびオレフィン、好ましくは約20個超の炭素原子を有するものが挙げられる。そのような炭化水素油の例としては、C
24-28オレフィン、C
30-45オレフィン、C
20-40イソパラフィン、水添ポリイソブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、水添ポリデセン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、スクアレン、スクアランおよびそれらの混合物が挙げられる。1つの好ましい実施形態では、そのような炭化水素は約300〜1000ダルトンの範囲の分子量を有する。
【0079】
(c). 脂肪酸のグリセリルエステル
脂肪酸の合成または天然に存在するグリセリルエステル(すなわちトリグリセリド)もまた、組成物中での使用に好適である。植物および動物供給源の両方を用いることができる。そのような油の例としては、ヒマシ油、ラノリン油、C
10-18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、スイートアーモンド油、杏仁油、ゴマ油、カメリナ・サティバ(camelina sativa)油、テリハボク種子油、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、インク油、オリーブ油、パーム油、イリッペ脂、アブラナ油、ダイズ油、グレープシード油、ヒマワリ種子油、クルミ油などが挙げられる。
【0080】
合成または半合成グリセリルエステル、例えば、改変された天然油脂または油である脂肪酸モノ-、ジ-およびトリグリセリド、例えば、グリセリンなどのポリオールのモノ-、ジ-またはトリエステルもまた好適である。例えば、脂肪(C
12-22)カルボン酸を、1つ以上の繰り返しグリセリル基と反応させる。ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、リシノール酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸グリセリル、ジイソテアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、PEGヒマシ油、オレイン酸PEGグリセリル、ステアリン酸PEGグリセリル、牛脂脂肪酸PEGグリセリル(PEG glyceryl tallowates)など。
【0081】
(d). 非揮発性シリコーン
水溶性および水不溶性の非揮発性シリコーン油もまた、組成物での使用に好適である。そのようなシリコーンは、好ましくは、25℃で約5超〜800,000cst、好ましくは20〜200,000cstの範囲の粘度を有する。好適な水不溶性シリコーンとしては、アモジメチコンなどのアミン官能性シリコーンが挙げられる。
【0082】
例えば、そのような非揮発性シリコーンは、以下の一般式を有し得る:
【化11】
[式中、RおよびR’はそれぞれ独立にC
1-30直鎖もしくは分岐鎖飽和または不飽和アルキル、フェニルまたはアリール、トリアルキルシロキシであり、xおよびyはそれぞれ独立に1〜1,000,000であり、ただし、xまたはyのいずれかの少なくとも一方があり、Aがアルキルシロキシエンドキャップ単位である]。Aがメチルシロキシエンドキャップ単位であり;特にトリメチルシロキシであり、RおよびR’がそれぞれ独立にC
1-30直鎖もしくは分岐鎖アルキル、フェニル、またはトリメチルシロキシであり、より好ましくはC
1-22アルキル、フェニル、またはトリメチルシロキシであり、最も好ましくはメチル、フェニル、またはトリメチルシロキシであり、得られるシリコーンがジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、またはトリメチルシロキシフェニルジメチコンである場合が好ましい。他の例としては、アルキルジメチコン、例えばセチルジメチコンなどが挙げられ、ここで、少なくとも1つのRは、脂肪アルキル(C
12、C
14、C
16、C
18、C
20、またはC
22)であり、他のRはメチルであり、Aはトリメチルシロキシエンドキャップ単位であり、ただし、そのようなアルキルジメチコンは室温で流動性の液体(pourable liquid)である。フェニルトリメチコンは、商品名556 Fluidの下にDow Corning Corporation社から購入することができる。トリメチルシロキシフェニルジメチコンは、商品名PDM-1000の下にWacker-Chemie社から購入することができる。液体シリコーンワックスとも呼ばれるセチルジメチコンは、Fluid 2502としてDow Corning社から、または商品名Abil Wax 9801もしくは9814の下にDeGussa Care & Surface Specialties社から購入することができる。
【0083】
J. ビタミンおよび酸化防止剤
組成物中に1種以上のビタミンまたは酸化防止剤を組み込むことが望ましい場合がある。存在する場合、推奨される範囲は、約0.001〜20%、好ましくは約0.005〜15%、より好ましくは約0.010〜10%である。好ましくは、そのようなビタミン、ビタミン誘導体および/または酸化防止剤は、一重項酸素の形態であるフリーラジカルを除去する(scavenge)ために機能できる。そのようなビタミンとしては、トコフェロールもしくはその誘導体(酢酸トコフェロール、フェルラ酸トコフェロール(tocopherol ferulate)など);アスコルビン酸もしくはその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシウムアスコルビルなど);ビタミンAもしくはその誘導体(パルミチン酸レチニルなど);またはビタミンD、K、B、もしくはそれらの誘導体が挙げられる。
【0084】
K. 好ましい組成物
好ましい組成物は、水溶液またはエマルション形態であり、少なくとも1種の自食作用活性化剤および少なくとも1種のプロテアソーム活性化剤を含有する。組成物は、任意により、少なくとも1種のCLOCKもしくはPER1遺伝子活性化剤および/または少なくとも1種のDNA修復酵素を含有することができる。
組成物内で、自食作用活性化剤が、発酵されているものであり得る酵母抽出物であり、プロテアソーム活性化剤がアルギン、加水分解アルギン、またはアルギネートである場合がより好ましい。存在する場合、非イオン性有機界面活性剤はアルコキシル化アルコールであり、化学的サンスクリーン剤はUVBサンスクリーン剤であり、CLOCKまたはPER1ケラチン生成細胞遺伝子活性化剤はトリペプチド-32またはテトラペプチド-26であり、DNA修復酵素は、存在する場合、シロイヌナズナ(Arabidopsis Thaliana)抽出物、ミクロコッカス属(Micrococcus)溶解物、ビフィダ属(Bifida)発酵物溶解物、ラクトバチルス属(Lactobacillus)発酵物、およびプランクトン抽出物の混合物であり、少なくとも1種の油は有機エステルまたは炭化水素である。
【0085】
方法
本発明はまた、細胞自食プロセスを活性化もしくは増強し、かつ/または細胞プロテアソーム活性を活性化することにより選択的分解代謝を刺激する組成物を用いて細胞を処理することにより、正常な細胞解毒プロセスを改善するための方法にも関する。CLOCKまたはPER1遺伝子活性化剤が存在し得る場合、これは処理された細胞の代謝経路の同時発生性(synchronicity)を改善することができ、したがって、自食作用および/またはプロテアソーム活性化プロセスの効率を改善するであろう。
【0086】
本発明の方法では、組成物は、1日1回以上、皮膚などのケラチン表面に適用することができる。例えば、組成物は、日中の活動を開始するのに先立って朝に、かつ/または就寝に先立って夜に、皮膚に塗布することができる。組成物は、レジメンの一部として適用することができ;すなわち、皮膚を洗浄し、化粧水(toner)で処理し、その後に本発明の組成物を塗布する。組成物は、洗浄剤、化粧水(toner)、および本発明の組成物を含むキットの一部であり得る。
【0087】
好ましくは、組成物は、ダメージを受けた細胞性物質を修復または除去し、かつ皮膚の全体的な改善を与えるために、就寝前に顔面ならびに/または首およびデコルテに塗布される。就寝前の夜に本発明の組成物を組み合わせることは、細胞解毒プロセスを最大化する。組成物が1種以上のDNA修復酵素をさらに含有する場合、ダメージを受けたDNAの修復もまた最適化される。一般的に、本発明の組成物を用いた皮膚の処理は、細胞の生存能力、寿命、および健康状態を促進する。
本発明は、例示の目的のみのために説明される以下の実施例と関連付けてさらに説明されるであろう。
【実施例】
【0088】
実施例1
42歳および62歳女性ドナー由来の正常ヒト皮膚線維芽細胞を採取し、未処理、0.01%プロテアソーム活性化剤(加水分解アルギン-Phyko A1)、2%自食作用活性化剤(酵母抽出物の形態)、および0.01%プロテアソーム活性化剤と2%自食作用活性化剤との組み合わせを用いて処理された場合の、細胞生存能力についてアッセイした。
【0089】
線維芽細胞を、96ウェルプレートにて、48時間試験ではプレート当たり150,000個の細胞、および24時間試験ではプレート当たり300,000個の細胞の濃度で配置した。細胞を37℃、5%CO
2、および95%湿度にて24時間インキュベートした。試験組成物は、以下の通りに調製した:
(a) 2%酵母抽出物:160μLの酵母抽出物および7.760ミリリットルのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を組み合わせることにより、組成物を調製した。
(b) 0.01%加水分解アルギン:10mLのDMEM中に0.01グラムを溶解させることにより、加水分解アルギンの1%溶液を調製した。続いて、80μLのこの加水分解アルギン溶液を、7.760mL DMEMを用いてさらに希釈し、7.760mL DMEMを用いて80μL加水分解アルギンを抽出した。
【0090】
100μLの試験組成物を適用することにより、細胞を48時間処理した。細胞を、上記の条件を用いてインキュベーター中で維持した。
48時間後、細胞をDPBSで洗浄し、DPBSの薄い層(約100μL)を用いて覆った。DPBSを除去し、続いて100μLの試験組成物を、24時間細胞上に置いた。細胞を、本明細書中に記載される条件を用いてインキュベーター中で維持した。
【0091】
42歳ドナー由来の細胞に、次に、10J/cm
2照射UV照射チャンバー(Dr. Groebel, UV-Electronik, GmbH)を用いて照射した。DPBSを吸引除去し、処理組成物を24時間、再度適用した。次の日の朝、培地を吸引除去し、100μLの10%Alamar Blue溶液を加えた。プレートを37℃で1.5〜2時間インキュベートした。Spectra Max Geminiリーダーを用いて、530/590ナノメートルで蛍光を測定した。細胞生存能力を算出し、過酸化水素を用いて処理した細胞の生存率(%)として表わした。
【表1】
上記の結果は、自食作用活性化剤とプロテアソーム活性化剤の組み合わせを用いて細胞を処理する場合に、細胞生存能力が、42歳ドナー細胞で44%、62歳ドナー細胞で33%上昇することを実証している。42歳ドナー細胞に対して行なわれた照射後、細胞生存能力は65%上昇した。つまり、自食作用活性化剤とプロテアソーム活性化剤との組み合わせは、UV光の照射前後の両方で、細胞の健康状態および生存能力を劇的に改善した。
【0092】
実施例2
本発明に従うスキントリートメント組成物を、以下の通りに調製した:
【表2】
【0093】
成分を併せ、よく混合して液体を形成させることにより、組成物を調製した。組成物は褐色ガラス瓶中で保存した。
好ましい実施形態と関連付けて本発明を説明してきたが、明示された特定の形態へと本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内に入り得るような代替物、改変物、および等価物を包含することが意図される。