(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644105
(24)【登録日】2020年1月9日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】車両用ヘッドアップディスプレイ装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20200130BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20200130BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20200130BHJP
G09G 3/3208 20160101ALI20200130BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20200130BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20200130BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
B60K35/00 A
B60K35/00 Z
G02B27/01
G09G3/20 680B
G09G3/20 680E
G09G3/20 680C
G09G3/20 660C
G09G3/20 660E
G09G3/3208
G09G3/20 631U
G09G5/00 510A
G09G5/00 510V
G09G5/00 510B
G09G5/38 Z
G09G5/36 520E
G09G5/00 530H
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G3/20 691G
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-76213(P2018-76213)
(22)【出願日】2018年4月11日
(65)【公開番号】特開2019-182237(P2019-182237A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2018年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ ジョン フン
(72)【発明者】
【氏名】ユン チャン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ハン サン フン
(72)【発明者】
【氏名】オ ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】ハン ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】リ ミョン レ
【審査官】
首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−123084(JP,A)
【文献】
特開2016−101805(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/163288(WO,A1)
【文献】
特表2015−502569(JP,A)
【文献】
国際公開第2018/056112(WO,A1)
【文献】
国際公開第2018/042844(WO,A1)
【文献】
特開平11−119147(JP,A)
【文献】
特開2006−347451(JP,A)
【文献】
特開2018−041849(JP,A)
【文献】
特開2017−097153(JP,A)
【文献】
特開2016−037187(JP,A)
【文献】
特開2018−017750(JP,A)
【文献】
特開2005−149175(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/047132(WO,A1)
【文献】
実開昭64−037735(JP,U)
【文献】
特表2018−501510(JP,A)
【文献】
特開2015−075350(JP,A)
【文献】
特開2016−151566(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/138527(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/061026(WO,A1)
【文献】
特表2018−538573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ヘッドアップディスプレイ装置において、
第1の表示領域及び第2の表示領域に区分された表示部、
第1の映像を前記第1の表示領域に反射させるフォールディングミラー、
前記フォールディングミラーに前記第1の映像が直接投射されるように具現された画像生成ユニット、
投射距離及び倍率を調節して前記画像生成ユニットを介して前記第1の表示領域に前記第1の映像を出力するように制御し、前記第2の表示領域に第2の映像を出力するように制御する制御部、並びに、
当該車両のドライバーの視線角度を検出する目の高さ検出装置を含み、
前記第1の映像は虚像映像であり、前記第2の映像は実像映像であり、
前記制御部は、前記第1の映像の歪みを補正して、前記の補正された第1の映像を前記第1の表示領域に出力するように制御し、
前記制御部は、車両の速度に対応する投射距離及び倍率を調節して前記第1の映像を前記第1の表示領域に出力されるように制御し、
前記第1の映像は、ドライバーのヘッドモーション及びアイボックスに対応する視線角度と投射距離に対応するように倍率が調節され、
前記の調節された第1の映像は、前記第1の表示領域に表示され、
前記制御部は、前記目の高さ検出装置により検出された前記ドライバーの視線角度に基づいて前記倍率を調節し、
前記制御部は、前記ドライバーのヘッドモーション及びアイボックスが既に設定された一定の範囲を超えているものと判断した場合、前記第1の映像に表示される情報を第2の映像を介して表示するように制御する、
車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項2】
前記表示部は、透明ガラス上に蒸着されたOLEDパネルで構成され、
前記透明ガラスのうち前記OLEDパネルが蒸着されていない領域は前記第1の表示領域に対応し、前記OLEDパネルが蒸着された領域は前記第2の表示領域に対応する請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項3】
前記OLEDパネルは前記透明ガラスの下端部及び側面部の一つ以上の領域に蒸着される請求項2に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項4】
前記車両の速度に対応する投射距離及び倍率はルックアップテーブルの形式でメモリに保存される請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項5】
前記ドライバーの視線角度はドライバーから直接入力されるか、あるいはドライバーごとにメモリに保存された視線角度の情報に基づく、請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1の映像は、車両の走行経路情報及び速度情報のうちいずれか一つを含み、前記第2の映像は、外部カメラ映像、クラスタに表示された車両警告情報、前記走行経路情報の補助情報及び前記速度情報の補助情報のうちいずれか一つ以上を含む請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項7】
前記制御部は、車両が既に設定された速度以下に走行する場合、又は前方に他の車両が存在しないと認識した場合、前記第1の映像の車両の走行経路情報及び速度情報を前記第2の映像に出力するように選択及び制御する、請求項6に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項8】
前記フォールディングミラーは、平面ミラー又は非球面ミラーである請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項9】
第1の表示領域及び第2の表示領域に区分された表示部を備える車両用ヘッドアップディスプレイ装置の制御方法において、
制御部に、ドライバーのヘッドモーション及びアイボックスに対応する視線角度を入力するステップと、
前記制御部に、前記視線角度及び投射距離に対応するように倍率を調節して第1の映像を前記第1の表示領域に出力するように制御させるステップと、
前記第2の表示領域に第2の映像が出力されるように制御するステップと、
当該車両のドライバーの視線角度を検出する目の高さを検出するステップを含み、
前記第1の映像は虚像映像であり、前記第2の映像は実像映像であり、
前記第1の映像は、ドライバーのヘッドモーション及びアイボックスに対応する視線角度と投射距離に対応するように倍率が調節され、
前記の調節された第1の映像は、前記第1の表示領域に表示され、
前記制御させるステップは、前記第1の映像の歪みを補正して、前記の補正された第1の映像を前記第1の表示領域に出力するように制御し、当該車両の速度に対応する投射距離及び倍率を調節して前記第1の映像を前記第1の表示領域に出力されるように制御するステップと、前記目の高さ検出装置により検出された前記ドライバーの視線角度に基づいて前記倍率を調節するステップと、前記ドライバーのヘッドモーション及びアイボックスが既に設定された一定の範囲を超えているものと判断した場合、前記第1の映像に表示される情報を第2の映像を介して表示するように制御するステップを含む、
制御方法。
【請求項10】
前記第1の映像が前記第1の表示領域に出力されるように制御するステップは、
前記制御部に、フォールディングミラーに第1の映像が直接投射されるように具現されたPGUを介して前記第1の映像を前記第1の表示領域に出力するように制御させるステップを含む、請求項9に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヘッドアップディスプレイ装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display:HUD)装置を装着した車両が発売され、これに対するユーザーの関心が高まっている。
【0003】
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、車両や航空機走行中にドライバーの正面、すなわちドライバーの主視野線を外さない範囲内で、車両の走行情報やナビゲーション情報などの車両の運行情報を提供する装置である。初期のヘッドアップディスプレイ装置は、航空機、特に戦闘機に取り付けられて飛行時に飛行士に飛行情報を提供する目的で開発され、これらの原理を車両に応用して開発したのが車両用ヘッドアップディスプレイ装置である。
【0004】
例えば、時速約100km/hで車両を運転する場合、ドライバーが視野をインストルメントパネルから道路に固定させる時間が約2秒かかると仮定すれば、その間に車両は約55mを移動するので、事故を誘発する可能性が常にある。
【0005】
このような危険を減らす方法の一つとして車両用ヘッドアップディスプレイが開発されている。これはドライバーの主視野線にインストルメントパネル情報(速度、走行距離、RPMなど)やナビゲーション情報を表示させることによって、ドライバーをして運転中に道路から目を離さなくても車両の重要な運行情報や経路情報を認知するようにして安全運行を可能にする。
【0006】
一方、従来技術によるヘッドアップディスプレイ装置は、ドライバーの目の高さに応じて前方視野に運行情報を重畳して表示するが、この時、ドライバーの視野の範囲内で運行情報表示の高さを変更した場合、実際の視野の遠近感を考慮しないまま運行情報を表示していた。
【0007】
図1A〜
図1Cは、従来技術によるヘッドアップディスプレイ装置を説明するための図である。
【0008】
従来のヘッドアップディスプレイ装置は、単一の画像生成ユニット(Picture Generation Unit:PGU)を使用した。単一のPGUを使用する場合において、多数の運行情報が単一の投射距離(焦点)及び倍率で表示されるとき、ドライバーの視野角の制限に因り表示領域が制限される問題がある。従って、従来技術の場合、様々なコンテンツを表示するためには、主要情報映像サイズを縮小するか、あるいは位置を変更しなければならない。
【0009】
図1A及び
図1Bに示される例の場合、下端に表示される運行情報の高さをy軸方向に上下移動させると、ドライバーの前方視野の一部が遮られるという問題がある。
【0010】
また、速度に応じてドライバーの焦点距離は異なるが、従来技術の場合、
図1Cに示されるように、表示される際の焦点距離固定されているので、ドライバーの焦点距離とヘッドアップディスプレイ映像の焦点距離とが異なって、運転の妨げになるという問題があった。
【0011】
これに関連して、特許文献1(発明の名称:車両用ヘッドアップディスプレイ装置)は、入力される映像ソースよりも大きい解像度を持つパネルを備えることにより、ドライバーのHUDに対する可視領域を拡大させて、ドライバーが楽に走行情報を見ることができる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10−2009−0075997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の実施形態は、コンテンツに応じて表示部に表示される領域を区分し、区分された領域ごとにコンテンツの情報を表示して、走行時にドライバーをして最小限の視線移動で車両情報を認知できる車両用ヘッドアップディスプレイ装置及びその制御方法を提供する。
【0014】
ただ、本実施形態が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されず、また他の技術的課題もあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の第1の側面に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置は、第1の表示領域及び第2の表示領域に区分された表示部、第1の映像を前記第1の表示領域に反射させるフォールディングミラー、前記折り畳みミラーに前記第1の映像が直接投射されるように具現された画像生成ユニット並びに投射距離及び倍率を調節して前記画像生成ユニットを介して前記第1の表示領域に前記第1の映像を出力するよう制御し、前記第2の表示領域に第2の映像を出力するように制御する制御部を含む。この時、前記第1の映像は虚像映像であり、前記第2の映像は実像映像である。
【0016】
前記表示部は、透明ガラス上に蒸着されたOLEDパネルで構成される。この時、前記透明ガラスのうち前記OLEDパネルが蒸着されていない領域は、前記第1の表示領域に対応し、前記OLEDパネルが蒸着された領域は、前記第2の表示領域に対応してよい。
【0017】
前記OLEDパネルは前記透明ガラスの下端部及び側面部のうち一つ以上の領域に蒸着されてよい。
【0018】
前記制御部は、前記第1の映像の歪みを補正して、前記の補正された第1の映像を前記第1の表示領域に出力するように制御してよい。
【0019】
前記制御部は、車両の速度に対応する投射距離及び倍率を調節して前記第1の映像を前記第1の表示領域に出力されるように制御してよい。この時、前記車両の速度に対応する投射距離及び倍率はルックアップテーブルの形でメモリに保存されてよい。
【0020】
前記第1の映像は、車両の走行経路情報及び速度情報のうちいずれか一つを含み、前記第2の映像は、外部カメラ映像、クラスタに表示された車両警告情報、前記走行経路情報の補助情報及び前記速度情報の補助情報のうち一つ以上を含んでよい。
【0021】
また、本発明の第2の側面による第1の表示領域及び第2の表示領域に区分された表示部を備える車両用ヘッドアップディスプレイ装置の制御方法は、制御部にドライバーのヘッドモーション及びアイボックスに対応する視線角度を入力するステップと、前記制御部に前記視線角度及び投射距離に対応するように倍率を調節して第1の映像を前記第1の表示領域に出力するように制御させるステップと、前記制御部に前記第2の表示領域に第2の映像を出力するように制御させるステップと、を含み、前記第1の映像は虚像映像であり、前記第2の映像は実像映像である。
【発明の効果】
【0022】
上述した本発明の課題解決手段のうちいずれかによると、近距離実像映像を出力する透明タイプの補助ディスプレイを追加して、ドライバーに最小限の視線移動で様々な車両情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】従来技術に係るヘッドアップディスプレイ装置を説明するための図である。
【
図1B】従来技術に係るヘッドアップディスプレイ装置を説明するための図である。
【
図1C】従来技術に係るヘッドアップディスプレイ装置を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置のブロック図である。
【
図3】表示部の第1及び第2の表示領域を説明するための図面である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の具現例示図である。
【
図6A】
図1及び第2の表示領域に表示される第1及び第2の映像の例示図である。
【
図6B】
図1及び第2の表示領域に表示される第1及び第2の映像の例示図である。
【
図6C】
図1及び第2の表示領域に表示される第1及び第2の映像の例示図である。
【
図6D】
図1及び第2の表示領域に表示される第1及び第2の映像の例示図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付した図面を参照して本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるように、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は様々な形態で具現され、ここで説明する実施形態に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略した。
【0025】
明細書全体で或る部分が或る構成要素を「含む」という時、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
本発明は、車両用ヘッドアップディスプレイ装置100に関するものである。
【0027】
本発明の一実施形態によると、コンテンツに応じて表示部110に表示される領域を区分し、区分された領域ごとにコンテンツの情報を表示して、走行時にドライバーをして最小限の視線移動で車両情報を認知することができる。
【0028】
以下では、
図2ないし
図6を参照して本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置100を説明する。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置100のブロック図である。
【0030】
本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置100は、表示部110、フォールディングミラー120、PGU130及び制御部140を含む。
【0031】
表示部110は、第1の表示領域111及び第2の表示領域113に区分されており、第1の表示領域111には第1の映像を表示し、第2の表示領域113には第2の映像を表示する。
【0032】
この時、第1の映像は、車両の速度に応じてドライバーが注視する焦点距離が反映された虚像映像であり、第2の映像は実像映像に該当する。
【0033】
このように、本発明の一実施形態は虚像映像を表示する第1の表示領域111と実像映像を表示する第2の表示領域113とを区分して車両情報を提供することによって、走行中の車両に搭乗したドライバーに最適の状態で車両情報を認知することができるようにする。
【0034】
図3は、表示部110の第1及び第2の表示領域113を説明するための図である。
図4A及び
図4Bは表示部110の具現例示図である。
【0035】
図3を参照すると、表示部110は透明補助ディスプレイをコンバイナミラーに結合して形成することができる。
【0036】
例えば、表示部110は、透明ガラス上に蒸着されたOLEDパネルで構成されてよい。この時、透明ガラスのうちOLEDパネルが蒸着されていない領域は、第1の表示領域111に対応し、OLEDパネルが蒸着された領域は、第2の表示領域113に対応してよい。
【0037】
OLEDパネルは、透明ガラスの下端部及び側面部のうち一つ以上の領域に蒸着されてよい。
【0038】
すなわち、
図4Aに示すように第2の表示領域113に対応するOLEDパネルは、透明ガラスの下端部にのみ蒸着されるように形成され、
図4Bに示すように第2の表示領域113に対応するOLEDパネルは、透明ガラスの下端部及び両側面部に一緒に蒸着されるように形成されてもよい。
【0039】
さらに
図2を参照すると、フォールディングミラー120は第1の映像を第1の表示領域111に反射させる。この時、フォールディングミラー120は平面ミラー又は非球面ミラーで具現され、制御部140の制御に応じて投射距離と倍率が調節され、第1の映像を第1の表示領域111に反射させる。
【0040】
PGU130は、PGU駆動部(図示せず)が制御部140によって制御されることにより、フォールディングミラー120に第1の映像が直接投射されるようにする。
【0041】
このようなフォールディングミラー120及びPGU130は、
図5に示すように配置及び具現されることができる。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置100の具現例示図である。
【0043】
制御部140の制御に応じて、PGU130は虚像映像である第1の映像P1を投射し、PGU130で投射される第1の映像P1はフォールディングミラー120によって第1の表示領域111に反射されるようにする。
【0044】
これにより、第1の映像P1はドライバーのヘッドモーションa及びアイボックスbに対応する視線角度αと投射距離PDに対応するように倍率が調節されて、第1の表示領域111に表示されることができる。
【0045】
この時、視線角度αのようなドライバーの目の高さ情報は、ドライバーから直接入力され、例えば、目の高さ検出装置が自動的に検出して入力することもでき、ドライバーごとにメモリに保存された目の高さ情報を引き出して入力されることもできる。
【0046】
例えば、目の高さ検出装置によって検出された視線角度が高い場合、すなわちドライバーの目の高さが高い場合、制御部140は、第1の表示領域111に表示される第1の映像P1の高さが低くなるように制御することができ、ドライバーの視線角度が低い場合、制御部140は、第1の表示領域111に表示される第1の映像P1の高さが高くなるように制御することができる。
【0047】
または、制御部140がドライバーの視線角度に対応する第1の映像P1の高低を制御できない場合、すなわちドライバーのヘッドモーション及びアイボックスが既に設定された一定の範囲を超えている場合、制御部140は主要情報を提供する第1の映像P1の視認性を高めるために、第1の映像P1の情報を第2の映像P2に表示されるように制御することができる。
【0048】
このように、第1の表示領域111に表示される第1の映像P1は、虚像映像であるので、ドライバーは投射距離PDだけ第1の映像P1が位置することと認識する。
【0049】
そしてコンバイナミラーに蒸着された透明補助ディスプレイを介して具現された第2の表示領域113には第2の映像P2が表示される。
【0050】
さらに
図1を参照すると、制御部140は投射距離及び倍率を調節してPGU130を介して第1の表示領域111に第1の映像が出力されるよう制御し、第2の表示領域113に第2の映像が出力されるように制御する。
【0051】
この時、制御部140は第1の映像の歪みを補正して、補正された第1の映像を第1の表示領域111に出力するように制御してよい。
【0052】
つまり、制御部140は車両の速度に対応する投射距離及び倍率を調節して第1の映像を第1の表示領域111に出力するように制御してよい。
【0053】
そのため、メモリには車両の速度に対応する投射距離及び倍率がルックアップテーブル(Look Up Table)の形で予め保存されても良く、制御部140はルックアップテーブルを参照してフォールディングミラー120を制御することによって、第1の映像の投射距離及び倍率を調節することができる。
【0054】
例えば、第1の映像の投射距離は低速である場合、近距離の約2.5m以上にそして高速である場合は、遠距離の約7.5m以下に投射されるように調節することができる。
【0055】
また、制御部140は、カメラによって撮影された映像、クラスタ車両情報など様々な外部入力コンテンツの情報を合成し、第1の表示領域111及び第2の表示領域113に表示する情報を選択した後、選択された情報を第1の映像と第2の映像とを通じて出力されるように制御することができる。
【0056】
図6A〜
図6Dは、第1及び第2の表示領域113に表示される第1及び第2の映像の例示図である。
【0057】
例えば、制御部140は、車両の主要情報を第1の映像に表示されるようにし、車両の補助情報を第2の映像に表示されるように選択及び制御することができる。
【0058】
すなわち、
図6A及び
図6Bに示すように、走行経路情報、速度情報などを第1の映像に表示されるようにし、車両の補助情報を第2の映像に表示されるようにすることができる。この時、表示部110の第2の表示領域113は、AM OLEDに具現されるか(
図6A)、あるいはSegment OLEDに具現されて(
図6B)、第2の映像を表示することができる。
【0059】
また、制御部140は
図6Cに示すように、外部カメラ映像や、
図6Dに示すようにクラスタに表示された車両警告情報(警告灯、時間、注油など)や、その他に走行経路情報の補助情報及び速度情報の補助情報などを第2の映像に表示されるように選択及び制御してよい。
【0060】
しかし、第1の映像及び第2の映像に表示される情報は、必ずしもこれに限定されるのではなく、車両の設定などにより自由に変更することができる。例えば、制御部140は車両が低速で走行するか、あるいは前方に位置する車両がない場合、車両の主要情報を第2の映像に出力されるように選択及び制御してもよい。
【0061】
一方、上述した制御部140は、通信モジュール(図示せず)、メモリ(図示せず)及びプロセス(図示せず)を含んでよい。
【0062】
通信モジュールは、車両内部装置とデータを送受信するための有線通信モジュール及び無線通信モジュールの両方を含むことができる。有線通信モジュールは、電力線通信装置、電話線通信装置、ケーブルホーム(MoCA)、イーサネット(Ethernet)(登録商標)、IEEE1294、統合有線ホームネットワーク及びRS−485制御装置に具現されることができる。また、無線通信モジュールは、WLAN(wireless LAN)、Bluetooth(登録商標)、HDR WPAN、UWB、ZigBee、Impulse Radio、60GHz WPAN、Binary−CDMA、無線USB技術及び無線HDMI(登録商標)技術などで具現されることができる。
【0063】
より好ましくは、通信モジュールは、CAN(Controller Area Network)通信を介して車両内部装置とデータとを送受信することができる。
【0064】
メモリにはヘッドアップディスプレイ装置を制御するためのプログラムが保存さ
れ、プロセッサはメモリに保存されたプログラムを実行させる。
【0065】
この時、メモリは電源が供給されなくても保存された情報を維持し続ける不揮発
性保存装置及び揮発性保存装置を通称するものである。
【0066】
例えば、メモリはコンパクトフラッシュ(compact flash;CF)(登録商標)カード、SD(secure digital)カード、メモリスティック(memory stick)、ソリッドステートドライブ(solid−state drive;SSD)及びマイクロ(micro)SDカードなどのようなナンド型フラッシュメモリ(NAND flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive;HDD)などのような磁気コンピュータ記憶装置及びCD−ROM、DVD−ROMなどの光学ディスクドライブ(optical disk drive)などを含むことができる。
【0067】
なお、本発明の実施形態に係る
図2に示された構成要素は、ソフトウェア又はFPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアの形で具現されることができ、所定の役割を果たすことができる。
【0068】
しかしながら、「構成要素」は、ソフトウェア又はハードウェアに限定されるわけではなく、各構成要素はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成することもでき、一つ又はそれ以上のプロセッサを再生させるように構成することもできる。
【0069】
従って、一例として構成要素はソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素などのような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。
【0070】
構成要素と該当構成要素内で提供される機能は、より少数の構成要素で結合されるか、あるいは追加の構成要素でさらに分けられる。
【0071】
図7は、本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の制御方法のフローチャートである。
【0072】
本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の制御方法において、先ず、制御部はドライバーのヘッドモーション及びアイボックスに対応する視線角度が入力される(S110)。
【0073】
次に、制御部がドライバーの視線角度及び投射距離に対応するように倍率を調節して第1の映像が第1の表示領域に出力されるように制御する(S120)。この時、制御部フォールディングミラーに第1の映像が直接投射されるように具現されたPGUを介して第1の映像が第1の表示領域に出力されるように制御することができる。
【0074】
また、制御部は車両の速度に対応する投射距離及び倍率を調節して第1の映像を第1の表示領域に出力されるように制御することもでき、この時、第1の映像はドライバーのヘッドモーション及びアイボックスに対応する視線角度と投射距離に対応するように倍率が調節されて第1の表示領域に表示されることができる。
【0075】
次に、第2の表示領域に第2の映像が出力されるように制御する(S130)。
【0076】
この時、第1の映像は虚像映像であり、第2の映像は実像映像に該当する。
【0077】
一方、上述した説明ではステップS110ないしS130は、本発明の実施形態によって追加的なステップにさらに分割されるか、あるいはさらに少ないステップで組み合わせられる。また、一部のステップは必要に応じて省略されることもあり、ステップ間の順序が変更されることもある。なお、その他に省略された内容であっても
図2〜
図6で既に記述された内容は、
図7の制御方法にも適用されることができる。
【0078】
本発明の一実施形態のうちいずれかによると、近距離実像映像を出力する透明タイプの補助ディスプレイを追加して、ドライバーに最小限の視線移動で様々な車両情報を提供することができる。
【0079】
また、クラスタの警告灯表示を第2の表示領域113に表示することにより、クラスタを代替することによる部品の減少効果も期待することができ、これによる製品の軽量化効果も期待することができる。
【0080】
一方、本発明の一実施形態は、コンピュータによって実行される媒体に保存されたコンピュータプログラム又はコンピュータによって実行可能なコマンドを含む記録媒体の形態でも具現されることができる。コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータによりアクセスできる任意の利用可能媒体であっても良く、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体を全て含む。また、コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ保存媒体及び通信媒体の両方を含むことができる。コンピュータ保存媒体は、コンピュータ読取可能なコマンド、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータなどの情報の保存のための任意の方法又は技術で具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体を全て含む。通信媒体は、典型的には、コンピュータ読取可能なコマンド、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波のような変調されたデータ信号のその他のデータ、又はその他の転送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0081】
本発明の方法及びシステムは、特定の実施形態に関して説明したが、それらの構成要素又は動作の一部又は全部は、汎用ハードウェアアーキテクチャを持つコンピュータシステムを使用して具現されることができる。
【0082】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を持つ者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態で容易に変形可能なことを理解することができる。よって、上述した実施形態は、全ての面で例示的なものであって限定的ではないものと理解しなければならない。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散されて実施されることがあり、同様に分散されたものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されることができる。
【0083】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0084】
100:車両用ヘッドアップディスプレイ装置
110:表示部
111:第1の表示領域
113:第2の表示領域
120:フォールディングミラー
130:PGU
140:制御部