(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トップベースに取り付けられて水若しくは離型液又は水と離型液を混合した液体を選択可能に供給する補助噴霧器と、前記ボトムベースに取り付けられた補助ノズルユニットとを更に備え、前記補助噴霧器は補助噴霧口を備え、
前記補助ノズルユニットは、前記補助噴霧口と連通し、且つ着脱可能に前記ボトムベースに取り付けられる補助ベースと、前記補助ベースに接続された複数の補助ノズル管と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の噴霧装置。
前記主噴霧器は、主本体と、前記主本体の内部に取り付けられる主混合部と、前記主本体の内部にそれぞれ取り付けられる2個の主バルブと、前記主本体にそれぞれ取り付けられる2個の主調整ボタンとを備え、
前記主本体は、
前記主混合部に通される主混合室と、前記主バルブにスライド移動可能に取り付けられる主バルブ孔と、離型液を導入することができ且つ前記2個のうちのいずれか一方の主バルブに連通する主離型液通路と、
水を導入することができ且つ前記2個の主バルブのうちのいずれか他方と連通する主水通路と、
各前記主バルブに連通する2個の主分岐通路と、
各前記主バルブに連通する2個の第1のジョイントと、
前記2個の主分岐通路に連通する2個の第2のジョイントと、
前記主混合室に連通し且つ気体導入ユニットから気体を引き込む主気体通路と、
を備え、
前記2個の主バルブのいずれか一方は前記主混合室に連通することができ、
気体が前記第1のジョイントから導入されると、前記主バルブを駆動することにより、前記主離型液通路と前記主水通路のそれぞれがブロックされ、
気体が前記第2のジョイントから導入されると、前記主バルブを駆動することにより、前記主離型液通路と前記主水通路のそれぞれが開放され、
前記主噴霧口は前記主混合室に設けられ、
前記2個の主調整ボタンは、それぞれ前記主離型液通路と前記主水通路にそれぞれ対応し、且つ前記主離型液通路と前記主水通路の流量をそれぞれ調整することができ、気体を利用して前記主バルブを利用することにより、前記主離型液通路と前記主水通路をそれぞれ開閉できることを特徴とする請求項1に記載の噴霧装置。
前記補助噴霧器は、補助噴霧器本体と、前記補助噴霧器本体の内部に取り付けられる補助混合部と、前記補助噴霧器本体の内部にそれぞれ取り付けられる2個の補助バルブと、を備え、
前記補助噴霧器本体は、
前記補助混合部に通される補助混合室と、
前記補助バルブにスライド移動可能に取り付けられる補助バルブ孔と、
離型液を導入することができ且つ前記2個のうちのいずれか一方の補助バルブに連通する補助離型液通路と、
水を導入することができ且つ前記2個の補助バルブのうちのいずれか他方と連通する補助水通路と、
前記各補助バルブに連通する2個の補助分岐通路と、
前記各補助バルブに連通する2個の第3のジョイントと、
前記2個の補助分岐通路に連通する2個の第4のジョイントと、
前記補助混合室に連通し且つ気体導入ユニットから気体を引き込む補助気体通路と、
を備え、
前記2個の補助バルブのいずれか一方は前記補助混合室に連通することができ、
前記補助噴霧口は、前記補助混合室に設けられ、気体を利用して前記補助バルブを利用することにより、前記補助離型液通路と前記補助水通路をそれぞれ開閉できることを特徴とする請求項5に記載の噴霧装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、金型鋳造が行われた後の鋳型の温度は極めて高く、この状態で水と離型液の混合液を直接鋳型に吹き付けても蒸発してしまい密着しないことが多いので、吹き付ける前に、いずれかの方法で先ず鋳型を冷却する必要がある。
【0008】
ここで、従来の噴霧装置は、水と離型液の混合液を、鋳型を冷却するための冷却媒体としてそのまま使用していたが、噴霧作業を行う際に、噴霧装置のノズル管の全体から、水と離型液の混合液を、高圧のガスを利用して噴出させることはできても、水又は離型液のみを選択して噴霧することはできなかった。
【0009】
しかしながら、従来の噴霧装置は、金属鋳造装置に対して水と離型液の混合液を噴霧しさえすれば、鋳型自体の温度はとりあえず下がるので、一定量の水と離型液の混合液を冷却液としての効果を得るために鋳型に対して噴霧し、鋳型の温度を下げて、その後に水と離型液の混合液を、離型液として使用していた。
【0010】
しかし、離型液は水よりも高価であることから、上述した方法ではコスト的にも問題があり、離型液を排出する作業もかかるので時間的にもなおも改善の余地があった。
【0011】
このような問題を解決するため、本願の出願人は、上述の特許文献1に記載の金属鋳造用の噴霧器及びこれを備えた噴霧装置について特許出願し、特許を得た。
【0012】
特許文献1に記載された噴霧装置は以下のように構成される。すなわち、噴霧装置は噴霧ヘッドと噴霧器を備える。また、噴霧ヘッドは、ベース本体と、このベース本体上に取り付けられたノズルユニットを備える。また、噴霧器は噴霧ヘッドに取り付けられる。更に、噴霧器は、離型液供給ユニットと水供給ユニットと気体供給ユニットとに接続される。
【0013】
また、噴霧器は本体と2個のバルブを備える。本体は、離型液供給ユニットの離型液の通路と水供給ユニットに接続される水路と、気体供給ユニットに接続される気体通路と混合室を備える。ここで、離型液の通路、水供給ユニットの水路、気体供給ユニットの気体通路はいずれも混合室に連通する。また、混合室は外部に連通する吹き出し口を備える。
【0014】
2個のバルブは本体に設けられ、離型液の通路と水供給ユニットの水路にそれぞれ配置され、それぞれ離型液の通路と水供給ユニットの水路をそれぞれ開閉することができる。
【0015】
ここで、上述の特許文献1によれば、噴霧器によって、噴霧ヘッドが水、気体、若しくは離型液、或いはこれらを混合させたものを選択できるので、離型液の浪費の問題は解決できる。しかしながら、なおも下記の点において改善の余地がある。
【0016】
すなわち、第1に、雄型と雌型を交換するときに、噴霧ヘッドのノズル管を対応する本体から分解することが困難であり、たとえ分解できたにしても総じて時間がかかる。すなわち、分解した後に、更に、雄型と雌型に対するノズル管の位置を再度精確に調整することが必要となる。
【0017】
また、できるだけ短時間に交換を終わらせるために、噴霧ヘッドの全てを交換する必要があるが、交換しようとする雄型と雌型の差異がたとえ僅かであっても、噴霧ヘッドの全てを交換するので長時間を要し、生産性が下がる恐れがある。
【0018】
第2に、噴霧器の気体出力孔は、ノズル管の出口に直接対応し、霧化された離型液は、なおも直接噴霧されてしまう可能性があり、噴霧化を行う各ノズル管での霧化量はノズル管毎にばらつきがあり、均一にできないため、噴霧ヘッドのノズルユニットが噴出する空気と離型液の割合は不均一となる場合があり、霧化はできるにせよ、作用効果上はなおも改善の余地がある。
【0019】
第3に、側面に配置された鋳型等の届きにくい箇所や、雄型及び雌型に形成された深い溝、或いは深い孔等には離型液が届きにくいので鋳物を剥がしにくいという問題がある。
【0020】
本発明はこれらの問題に鑑みて、生産効率が低下しにくく、且つ離型液を均一に噴霧できる噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明はこのような問題に鑑みて、以下の構成を備える。
金属の金型鋳造作業時に水若しくは離型液又は水と離型液を混合したものを選択可能に噴霧液として噴霧する噴霧装置において、
前記噴霧装置は、ベースユニットと、主噴霧器と、主ノズルユニットとを備え、
前記ベースユニットは、トップ面と、高さ方向において、前記トップ面とは反対側に設けられる底平面と、前記トップ面と前記底平面の間に形成される受け座側面と、前記受け座側面に凹設される受け座凹部と、前記トップ面から前記高さ方向に延伸するよう凹設され前記受け座凹部に連通するガイド通路とを備え、
前記主噴霧器は、前記ベースユニットの前記トップ面に取り付けられ、且つ前記ガイド通路に連通して前記噴霧液を前記ガイド通路に供給する主噴霧口を備え、
前記主ノズルユニットは、前記受け座凹部に着脱可能に取り付けられ、
前記主ノズルユニットは、略円環状に形成されて前記主噴霧口に連通する混合槽が内設されている主ノズルベースと、前記混合槽と連通して前記主ノズルベースに接続される管状の複数の主ノズル管とを備え、
前記主ノズルベースは、前記高さ方向と平行な主軸線を囲い且つ前記混合槽を形成する内環面と、前記内環面とは、前記高さ方向と直交する水平方向において反対側の外環面と、それぞれ中心線に沿って設けられ且つ前記内環面と前記外環面を連通する複数の主ノズル孔とを備え、
前記内環面は、前記主軸線に垂直な断面が、前記主軸線を中心とする円形を呈し、
前記中心線の延伸方向は前記主軸線の延伸方向と交差し、
前記複数の主ノズル孔は前記主軸線を囲うように互いに間隔をあけて設けられ、
各前記主ノズル孔は、前記内環面に形成された内端口を備え、各前記内端口と前記主軸線の間の距離は等しく、
各前記主ノズル管は、前記複数の主ノズル孔にそれぞれ対応し且つ放射状を呈するように前記外環面に接続される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の主ノズルユニットは、略円環状に形成され、且つ主ノズルベースを備え、主ノズルベースは、高さ方向と平行な主軸線を囲い且つ混合槽を形成する内環面を備え、この内環面は、主軸線に垂直な断面が、主軸線を中心とした円形を呈し、中心線の延伸方向は主軸線の延伸方向と交差し、主ノズル孔は主軸線を囲うように間隔をあけて設けられ、主ノズル孔は、内環面に形成された複数の内端口を備え、各内端口と主軸線の間の距離は等しく、各主ノズル管は、複数の主ノズル孔にそれぞれ対応し且つ放射状を呈するように外環面に接続されるので、生産効率が低下しにくく、離型液を均一に噴出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1、
図2、
図3を参照して本発明の噴霧装置100の第1の実施形態を説明する。ここで、
図1は本発明の噴霧装置の第1の実施形態を示す斜視図である。また、
図2は本発明の噴霧装置の第1の実施形態を示す分解斜視図であり、
図3は噴霧装置の要部の分解斜視図である。
【0025】
図1に示すように、金属鋳造機は台座1と、固定ベース2と、可動ベース3と、固定型4と、移動型5と、サイドブロック6と、アームユニット7を備える。
【0026】
固定ベース2は台座1に固定される。可動ベース3は台座1に移動可能に設けられ且つ固定ベース2に対向して設けられる。固定型4は固定ベース2に設けられる。移動型5は可動ベース3に設けられる。サイドブロック6は移動型5に接続される。アームユニット7は固定ベース2の上側に固定される。
【0027】
本実施形態において、
図2に示すように、移動型5とサイドブロック6には、第1のサイドブロック孔6011と第2のサイドブロック孔6012を両端部に設けた深孔601が形成される。噴霧装置100は、
図2に示すように水平方向に延伸するベースユニット10と、複数の主噴霧器20と、複数の主ノズルユニット30と、複数の補助噴霧器40と、複数の補助ノズルユニット50を備える。
【0028】
次に、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9を参照して噴霧装置100について更に説明する。ここで、
図4は本発明の噴霧装置の要部の分解斜視図であり、主ノズルユニット30を説明するための図である。また、
図5は本発明の噴霧装置の分解斜視図であり、補助ノズルユニット50を説明するための図である。
【0029】
また、
図6は本発明の噴霧装置の断面図であり、
図7は
図6のVII―VII断面図であり、
図8は
図6のVIII―VIII断面図であり、
図9は
図6のIX―IX断面図である。
【0030】
ベースユニット10は、
図4に示すように、トップベース11と、ボトムベース12と、複数の受け座13を備える。ボトムベース12はトップベース11の下側に、高さ方向Zに延伸する接続ロッド14を介して接続される。各受け座13は、トップベース11に接続され、且つトップベース11とボトムベース12の間に位置する。トップベース11は、
図4に示すトップ面111と、このトップ面111とは高さ方向Zにおいて反対側に位置する底平面112(
図4、
図7)と、これらトップ面111と底平面112を連通するガイド通路113(
図7)を備える。
【0031】
図6に示すように、ボトムベース12は、ボトムベース12の底面に形成されるボトムベース底面121と、複数の気体噴出管122(
図2、
図4、
図6)を備える。各気体噴出管122は
図2、
図4に示すように、ボトムベース12から外側(前記高さ方向Zと直交する水平方向X、又はY)へ向けて延伸するように接続される。
【0032】
各受け座13は、それぞれ受け座13の下側に形成された受け座底壁131と、受け座13の側面(後述する受け座側面134)に形成された受け座側壁132を有する。
【0033】
また、
図6の断面図に示すように、受け座側壁132の上側の部分は底平面112に係止される。また、受け座底壁131と受け座側壁132とトップベース11の底平面112は、これらが共同して収容空間としての受け座凹部133を形成する。
【0034】
更に、受け座側壁132の外側の縁は底平面112と垂直な上述した受け座側面134を形成する。更に、受け座凹部133は、
図4に示すように受け座側面134によって凹設され、且つ
図7に示すように、それぞれガイド通路113と連通する。
【0035】
図4、
図6、
図7、
図8を参照して主噴霧器20について説明する。
図4に示すように、主噴霧器20は、ベースユニット10のトップ面111に設けられ、それぞれ
図3に示すように、ブロック状の主本体21と、主混合部22と、2個の主バルブ23、23′と、2個の主調整ボタン24、24′とを備える。
【0036】
主混合部22は
図7の断面図に示すように、円筒状に形成され、主本体21の内部に設けられる。また、
図3、
図7に示すように、2個の主バルブ23、23′は主本体21の内部に上側から挿入されて取り付けられる。また、主調整ボタン24、24′は主本体21に取り付けられる。
【0037】
図3に示すように、主噴霧器20の主本体21は、主混合室211と、2個の主バルブ孔212、212′に加え、
図7の断面図に示す主離型液通路213と、
図8に示す主水通路214と、
図3に示す2つの主分岐通路215、215′と、2つの第1のジョイント216、216′と、2つの第2のジョイント217、217′と、主気体通路219(
図3、
図7)を備える。
【0038】
主混合室211は、
図3に示すように円筒状の管の内部に形成され、主混合部22が挿入される。2個の主バルブ孔212は、主バルブ23、23′が移動可能に取り付けられる。主離型液通路213は、離型液を導入することができるように、主バルブ孔212、212′のいずれか一方に連通する。
【0039】
2個の主分岐通路215、215′は、主バルブ212、212′のいずれか他方に連通する。2個の第1のジョイント216、216′は、それぞれ主バルブ孔212、212′に連通する。2個の第2のジョイント217、217′は、それぞれ主分岐通路215、215′に連通する。主気体通路219は、主混合室211に連通し且つ気体供給ユニット(図示せず)から気体が供給される。
【0040】
また、主バルブ孔212のいずれかは、主混合室211に連通する。更に、気体は、第1のジョイント216、216′を介して供給され、以下のように主バルブ23、23′を駆動する。
【0041】
すなわち、主バルブ23、23′は、気体により、それぞれ主離型液通路213(
図7)、及び主水通路214(
図8)を流れる液体をブロックするように駆動される。
【0042】
また、気体は第2のジョイント217、217′から入力され、以下のように主バルブ23、23′を駆動する。すなわち、主バルブ23、23′は、それぞれ、気体により、主離型液通路213(
図7)、及び主水通路214(
図8)を流れる液体を開放するように駆動される。また、主混合室211は、ガイド通路113(
図7、
図9)に連通する主噴霧口218(
図7)を備える。
【0043】
図3の調整ボタン24、24′は、主離型液通路213(
図7)と主水通路214(
図8)にそれぞれ対応し、主離型液通路213と主水通路214に流れる流体の流量を調整することができる。
【0044】
また、主バルブ23、23′は、気体を利用して操作されることにより、主離型液通路213及び主水通路214の開閉をそれぞれ制御することができる。
【0045】
更に、主噴霧器20を利用して、主噴霧口218(
図7)から主ノズルユニット30へ水若しくは離型液或いは水と離型液を混合したものを選択して噴出することができる。
【0046】
なお、主噴霧気20の噴霧の動作原理は本発明の要点ではなく、且つ上述した特許文献1(台湾特許第I583463号明細書)において説明されているので、必要最低限の説明しか行わないものとする。
【0047】
続いて、
図4、
図7、
図11を参照して主ノズルユニット30について説明する。ここで、
図11は、
図7のXI―XI断面図である。主ノズルユニット30は、
図4に示すように、それぞれ受け座13に着脱可能に取り付けられる。また、
図4、
図7に示すように、主ノズルユニット30は、主噴霧口218に連通する主ノズルベース31と、主ノズルベース31に連通する複数の主ノズル管32を備える。
【0048】
主ノズルベース31は、
図4に示すように高さ方向Zと平行な主軸線Lを囲むように混合槽311を形成する内環面312と、この内環面312とは水平方向において反対側に形成される外環面313と、主軸線Lを囲むように互いに間隔をあけて設けられる複数の主ノズル孔セット33を備える。
【0049】
また、混合槽311は、
図7に示すように主噴霧口218に連通し、且つ
図11に示すように、主軸線Lに垂直な断面は円形を呈する。なお、均一な噴霧効果を得るためには真円が好ましい。
【0050】
また、
図4に示すように、外環面313は、受け座13の内部に向いて突出し且つ受け座13の受け座凹部133と嵌合できる嵌合部314と、受け座凹部133の外部へ向けて拡開し且つ嵌合部314に対して幅広に形成された外側部315と、外側部315の対向する両端と嵌合部314の間を結合する一対のショルダー部316を備える。
【0051】
混合槽311は外側部315と嵌合部314の間に挟まれるように形成される。一対のショルダー部316は、対応する受け座凹部133の受け座側面134に当接する。
【0052】
各主ノズル孔セット33は、円弧状を呈する外側部315に対応し、主軸線Lを囲み略等間隔に設けられた複数の主ノズル孔331を備える。また、各主ノズル孔セット33は、外側部315に千鳥状に配置される。すなわち、隣り合う主ノズル孔セット33の主ノズル孔331は、高さ方向Zにずれており、上下に交互に配置されながら、円弧状の外側部315上で軸線Lを囲うように設けられる。
【0053】
主ノズル孔331は、
図11に示すように、それぞれ主ノズル管32の延伸方向である中心線L1に沿って設けられ、内環面312と外環面313を連通する。ここで、中心線L1の延伸方向は、
図11に示すように、主軸線Lと直交する。
【0054】
主ノズル孔331は、それぞれ内環面312に形成されている内端口331′を備える。各内端口331′と主軸線Lとの間の距離はそれぞれ等しい。主ノズル管32は、それぞれ主ノズル孔331に対応し且つ外環面313の外側部315に放射状に接続される。
【0055】
図6、
図9、
図10を参照して補助噴霧器40について説明する。ここで、
図10は、
図6のX−X断面図である。補助噴霧器40は、それぞれベースユニット10のトップ面111に設けられる。ここで、補助噴霧器40の構造と作用は基本的に主噴霧器20と同様である。
【0056】
図6に示すように、補助噴霧器40は、補助噴霧器本体41と、補助混合部42と、2個の補助バルブ43、43′と、2個の補助調整ボタン44(
図9)、44′(
図10)を備える。補助混合部42は、補助噴霧器本体41の内部に設けられる。補助バルブ43、43′は、それぞれ補助噴霧器本体41の内部に設けられる。補助調整ボタン44、44′は、それぞれ補助噴霧器本体41に設けられる。
【0057】
補助噴霧器本体41は、
図9に示すように、補助混合室411と、2個の補助バルブ孔412、412′と、補助離型液通路413と、補助水通路(
図10)414と、2個の補助分岐通路415、415′と、2個の第3のジョイント416、416′と、2個の第4のジョイント417、417′と、補助気体通路419を備える。
【0058】
補助混合室411は、
図9に示すように補助混合部42が高さ方向Zに貫通する。補助バルブ孔412、412′を通して、それぞれ補助バルブ43′がスライドできるように補助噴霧器本体41に設けられる。
【0059】
補助離型液通路413は、離型液を導入し且つ補助バルブ孔412、412′のいずれか一方と連通する。補助水通路414は、水を導入し且つ補助バルブ孔412、412′のいずれか他方と連通する。2個の補助分岐通路415、415′は補助バルブ孔412、412′に連通する。
【0060】
2個の第3のジョイント416、416′は、それぞれ補助バルブ孔412、412′に連通する。一方、2個の第4のジョイント417、417′は、それぞれ補助分岐通路415、415′に連通する。補助気体通路419は、補助混合室411に連通し且つ気体供給ユニット(図示せず)からの気体を導入することができる。また、補助バルブ孔412、412′のいずれかは、補助混合室411に連通する。
【0061】
補助混合室411はボトムベース12まで延伸する補助噴霧口418を備える。また、気体を利用して補助バルブ43、43′を操作することができ、更に、補助バルブ43、43′は、気体によって開閉されることにより、それぞれ補助離型液通路413(
図9)と補助水通路414への導通又は非導通を選択できる。
【0062】
また、補助噴霧器40を利用することにより、補助噴霧口418から補助ノズルユニット50へ、水若しくは離型液、或いは、これら水と離型液を混合したものを選択可能に噴出できる。
【0063】
なお、補助噴霧器40の噴霧動作と原理は本発明の要点ではなく、特許文献1に記載されたものと同様なので、必要最低限の説明しか行わない。
【0064】
図2、
図5、
図6、
図12を参照して補助ノズルユニット50について説明する。ここで、
図12は
図6のXII―XII断面図である。複数の補助ノズルユニット50は、
図2に示すように、それぞれボトムベース12に取り付けられる。
【0065】
また、各補助ノズルユニット50は、
図5に示すように、位置決めリング51と、ブラケット52と、調整部材53と、補助ベース54と、複数の補助ノズル管55と、案内部材56を備える。
【0066】
位置決めリング51は、
図5に示すように略円環状に形成され、ボトムベース12に固定される。また、ブラケット52は、水平方向に延伸する部分の略中央に高さ方向Zに貫通するブラケットねじ孔523が形成され、位置決めリング51に回転可能に取り付けられる。
【0067】
調整部材53は、
図5に示すように、下側に調整用のつまみが形成されたねじであり、ブラケット52のブラケットねじ孔523にねじ止め(螺合)される。補助ベース54は、
図5に示すように、中空の略円筒状に形成され、ボトムベース12に着脱可能に取り付けられ、ブラケット52に下から支持される。
【0068】
複数の補助ノズル管55は、補助ベース54の側面にそれぞれ接続される。なお、案内部材56は作業時に必要に応じて取り外すことができるように、補助ベース54の内部に着脱可能に設けられる。また、この実施形態では、案内部材56は
図5に示すように、径方向の長さが異なる2個の筒によって形成され、下側の円筒の径方向の幅が広く、上側の円筒の径方向の幅は下側のものより細い。
【0069】
ブラケット52は、
図5に示すように、位置制限リング521と、フレーム522と、挿入溝57を備える。位置制限リング521は、
図5に示すように、位置決めリング51よりも大口径に形成され、位置決めリング51と同一軸上に位置する。また、位置制限リング521は、回転可能に位置決めリング51とボトムベース12の間に設けられ、位置決めリング51が、
図5に示す高さ方向Zと平行となる補助軸線L2に沿って上側へ移動するのを制限する。
【0070】
また、フレーム522は位置制限リング521の底に係止される。また、フレーム522は、
図5に示すように、水平方向から見て略U字型に形成される。挿入溝57は、
図5、
図12に示すように、位置決めリング521とフレーム522とによって挟まれることにより形成される。補助ベース54は、挿入溝57に収容され、挿入溝57の側面に形成された開口から角度調整を行うことができる。
【0071】
その際、調整部材53に形成された調整用のつまみを利用して調整部材53のねじを緩めるように回転させることにより、補助ベース54を、ブラケット52とボトムベース12に対して回転させることができる。
【0072】
一方、調整部材53に形成された調整用のつまみを利用して調整部材53のねじを締めるように回転させると、補助ベース54は、ブラケット52とボトムベース12に対して回転できなくなる。また、補助ノズルユニット50の回転角度は、ボトムベース12に対して、ブラケット52の回転を調整することによって変えることもできる。
【0073】
補助ベース54は、ブラケット52の挿入溝57内に回転可能に配置されている。また、
図5、
図12に示すように、補助ベース54は補助軸線L2を囲うように形成された内周面541(
図12)によって収容室542を形成する。複数のガイド孔543は、
図12に示すように、補助軸線L2を中心に略等間隔に配置され、収容室542にそれぞれ連通する。また、複数のガイド孔543の収容室542とは反対の側は、それぞれ補助ノズル55と連通する。
【0074】
また、
図5に示すように、収容室542は、補助軸線L2に沿って上側が開放されており、
図6に示すように補助噴霧口418に連通する。更に、
図12に示すように、収容室542は補助軸線L2と垂直な断面の形状が真円となる。
【0075】
各ガイド孔543は、それぞれ、内周面541の内側ポート543′と補助軸線L2との間の距離が等しくなるように形成されている。
【0076】
図12に示すように、補助ノズル管55は、収容室542に取り付けられた方とは反対側の端部に縮径されたニードルノズル551が取り付けられている。
【0077】
また、補助ノズル55の端部にニードルノズル551が取り付けられているので、ニードルノズル551の設定(径をどの程度の太さまで絞るか(細くするか))により、離型液に圧力を発生させることができ、更に、径を絞れば、噴出するまでの距離がたとえ長くても、補助ノズル管55の内部に残留する離型液が自然に流れ出ることを防止できる。
【0078】
案内部材56は、上述したように、径方向の長さ(幅)が異なる2重の中空円筒状に形成され(
図6、
図9の一点鎖線で示したとおりである)、高さ方向Zに延伸し、補助噴霧器40の補助噴霧口418と互いに連通する流体導通路561と、案内部材56の底側の周縁(底部)に略等間隔に設けられ且つ流体導通路561と収容室542を互いに連通させる流体導入溝562を備える。
【0079】
なお、案内部材56は、必要に応じて設置されるものであるが、収容室542内に案内部材56を設置することにより、収容室542の容積を小さくできるので、その分、液体を噴霧する際の圧力が高まり、補助ノズル管55内に残留する離型液の量を減らすことができる。
【0080】
また、案内部材56は、
図6の断面図に示されるように、上側の一部が補助噴霧口418に接続されるので、水と空気が収容室542に流入せず、離型液のみが噴出される。
【0081】
以下、
図7、
図8、
図11を参照して、上述した実施形態によって得られる作用効果を説明する。噴霧装置は、金型の鋳造を完成した後に噴出工程を行うために気体噴出管122を利用して噴出を行う。
【0082】
そして、
図8に示す主噴霧器20の主バルブ23′を作動させて主水通路214を開き、主気体通路219によって引き込まれた気体の圧力を利用して、水を伴う噴出を行い、これを金型鋳造装置の移動型5と固定型4に吹き付けて冷却する。
【0083】
最後に、主離型液通路213上に位置する主バルブ23が制御され、主水通路214上に位置する主バルブ23′を制御して、離型液、若しくは水、或いは離型液と水との混合液を伴って金型に吹き付ける。
【0084】
図7〜
図11に示されるように、離型液、若しくは水、或いは水と離型液との混合液を、
図7のガイド通路113から、混合槽311の内部まで移動させたとき、混合槽311が主噴霧口218に連通されていること、
図11に示すように、混合槽311の主軸線Lに垂直な断面が真円を呈すること、更に、
図4に示すように、主ノズル孔セット33が千鳥状に配置され、主ノズル管32は、主ノズル孔331にそれぞれ対応し、外環面313の外側部分315に放射状に接続されていることにより、混合槽311に流れ込んだ離型液若しくは水或いは水と離型液の混合液は主ノズル管32から直接噴出されず、
図4に示す混合槽311で調整された後、混合槽311の径方向に放射状に発散するよう噴出され、離型液若しくは水或いは水と離型液の混合液はいずれも各主ノズル管32から噴出され、比較的均一な噴出・噴霧効果を得ることができる。
【0085】
図9、
図10、
図12に示すように、案内部材56が取り付けられていない状況下であって、主噴霧器20と主ノズルユニット30が噴霧を行う工程では、気体噴出管122を利用して気体を噴出し、
図1の移動型5、サイドブロック6に対する噴出工程を行なう。そして、補助噴霧器40と対応する補助ノズルユニット50を相互に利用し、且つ補助噴霧器40の補助バルブ43′を操作して補助水通路414に対して開閉を行い、主気体通路219によって導入された気体の圧力によって、水を伴った噴出を行い、これを金型鋳造装置の
図1に示す移動型5と固定型4に吹き付けて冷却する。
【0086】
最後に、補助離型液通路413に位置する補助バルブ43を制御することにより、離型液若しくは水或いは水と離型液との混合液が固定型4、移動型5、サイドブロック6に対して吹き付けられるが、この際、特に
図2に示す深孔601対しては離型液のみ又は離型液を多く含む混合水を噴出する。
【0087】
このため、
図2に示す細長い深孔601を備えた固定型4、移動型5、或いはサイドブロック6に対して、補助噴霧器40と、対応する補助ノズルユニット50とを互いに利用して、
図5に示した管状の補助ノズル管55によって離型液のみ(気体や水が後から混合されない、若しくはほとんど混合されない)を深孔601に噴霧するように制御することができる。
【0088】
このようにして、離型液を容易に深孔601に入れることができ、このとき深孔601の内部は温度が高いのでこの熱によって離型液を気化させることができる。このようにして、離型液を深孔601の内部の孔の壁に付着させ、深孔601の内部の剥離効果を高めることができる。
【0089】
更に、深孔601が設けられた固定型4、移動型5又はサイドモジュール6は、必要に応じて
図6に示す案内部材56を補助ベース54に取り付けることができ、収容室542のスペースを狭くすることができる。また、収容室542で収容できる体積(スペース)が減ることにより、噴霧される液体の圧力を間接的に高めることができ、補助ノズル管55に残留する液体の量を減らすことができる。
【0090】
図12に示すように、補助ノズルユニット50の補助ベース54と補助ノズル管55を共に利用し、
図12に示すように、収容室542の補助軸線L2に垂直な面を真円とし、各ガイド孔543における内周面541上の内側ポート543′と、補助軸線L2との間の距離が等しくなるようにすることで、収容室542に排出された離型液若しくは水或いは水と離型液の混合液は、補助ノズル管55から直接吐出されるのではなく、収容室542内で調整された後に、径方向に発散するように噴出されるので、離型液若しくは水或いは水と離型液の混合液を各補助ノズル管55から等しく噴出することができ、均等な噴霧効果を得られる。
【0091】
本発明の金型鋳造に使用される噴霧装置100は、上述したように、径方向に均一な噴霧効果が得られることから、更に以下の優れた効果を有する。
【0092】
第1に移動型5、固定型4の交換に伴い、
図4に示す各主ノズルユニット30と受け座13の受け座凹部133を、独立して交換することができ、主ノズルユニット30の交換が比較的容易である。
【0093】
また、各主ノズルユニット30は、異なる移動型5、固定型4に対して独立して調整することができるので、生産性が良い。
【0094】
第2に、
図4に示すように、主ノズルユニット30の主ノズルベース31の主軸線Lに垂直な混合槽311の断面は真円形であり、更に、主ノズル孔セット33は
図4に示すように千鳥状の配置で(互い違いに)配列されていて、且つ
図4に示すように主ノズル管32は、それぞれ主ノズル孔331に対応し、外環面313の外側部315に径方向に接続されているので、離型液若しくは水或いは水と離型液との混合液は、主ノズル管32から、より均一な噴霧効果が得られるように噴出される。
【0095】
第3に、案内部材53を利用し、補助ノズルユニット50が噴霧する角度を手動で調整するので、移動型5とサイドブロック6の特定の部位に対しても効果的に離型液を噴射できるという効果が得られる。
【0096】
以上のように本発明による金型鋳造に用いられる噴霧装置100は、金型鋳造の要求に従って異なる主ノズルユニット30に交換することができ、比較的均一な噴霧効果を得られ、異なる金型鋳造の要求に基づいて補助ノズルユニット50が噴霧する角度を調整することもできる。
【0097】
以上の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、これを以って特許請求の範囲を限定するものではない。また、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に簡単な付加や変化を加えたに過ぎないものについても、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するものとする。