(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記供給物を更に備え、前記供給物は、前記発電装置の前記排ガスとは別に前記第1の燃料電池の前記アノードへメタンを供給するように構成される、請求項1に記載のエネルギ貯蔵システム。
前記第1の燃料電池の前記カソードは、前記第2の燃料電池のアノードから出力されたガス混合物を受け取るように構成される、請求項1に記載のエネルギ貯蔵システム。
前記改質器は更に、前記第1の燃料電池によって出力された前記水素含有ガスに含まれる二酸化炭素をメタンに変換するように構成される、請求項1に記載のエネルギ貯蔵システム。
前記第2の燃料電池は、純化水素ガスを出力するために電気化学水素コンプレッサを用いて水素含有ガスを圧縮するように構成される、請求項1に記載のエネルギ貯蔵システム。
前記第2の燃料電池における電気化学水素コンプレッサを少なくとも用いて、前記第1の燃料電池の前記アノードからの水素含有ガスを圧縮することを更に備える、請求項10に記載の方法。
前記エネルギ貯蔵システムに貯蔵すべき電力がない場合、前記排ガスからの熱を前記第1の燃料電池の前記カソードのみに供給し、前記熱が前記第1の燃料電池を所望の運転温度に維持するようにすることを更に備える、請求項9に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、エネルギ貯蔵システムは、二酸化炭素を備える排ガスを発生させるように構成された発電装置を含む。エネルギ貯蔵システムは第1の燃料電池を更に含み、第1の燃料電池は、電解質マトリックスによって隔てられたアノードおよびカソードと、第1の燃料電池を電解装置として逆に運転するために第1の燃料電池に逆電圧を印加するように構成された電源とを備える。第1の燃料電池は、発電装置からの排ガスの少なくとも一部を受け取るように構成される。アノードは、排ガスを介して二酸化炭素を受け取り、かつ別の供給物からメタンを受け取るように構成される。アノードは、水素および一酸化炭素を備える水素含有ガス混合物を出力するように構成される。エネルギ貯蔵システムは更に、第1の燃料電池のアノードから出力された水素含有ガス混合物をメタン化して水素含有ガス混合物内の一酸化炭素のほぼ全てをメタンに変換し、ガス混合物を出力するように構成された改質器を含む。エネルギ貯蔵システムは更に、水素ポンプとして逆に運転する第2の燃料電池を含み、第2の燃料電池は、改質器によって出力されたガス混合物から水素を分離するように構成される。
【0006】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、第1の燃料電池のカソードは、発電装置からの排ガスを受け取るように構成される。
【0007】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、発電装置は内燃エンジンである。
【0008】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、供給物は、発電装置の排ガスとは別に第1の燃料電池のアノードへメタンを供給するように構成される。
【0009】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、供給物は、メタンおよび二酸化炭素を備える。第2の燃料電池によって出力される水素の量は、供給物によって供給される炭素の量に比例する。
【0010】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、第1の燃料電池のカソードは、第2の燃料電池のアノードから出力されたガス混合物を受け取るように構成される。
【0011】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、改質器は更に、第1の燃料電池によって出力された水素含有ガスに含まれる二酸化炭素をメタンに変換するように構成される。
【0012】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、第2の燃料電池は、純化水素ガスを出力するために電気化学水素コンプレッサを用いて水素含有ガスを圧縮するように構成される。
【0013】
他の実施形態において、エネルギ貯蔵システムを用いて水素を発生させる方法は、発電装置へ燃料を供給し、発電装置を用いて排ガスを発生させることと、第1の燃料電池において、発電装置からの排ガスおよび水蒸気を受け取ることとを含む。方法は更に、第1の燃料電池のアノードにおいて、排ガスを介して二酸化炭素を受け取り、別の供給物からのメタンを受け取ることを含む。方法は更に、第1の燃料電池から、水素および一酸化炭素を備える水素含有ガス混合物を出力することを含む。方法は更に、改質器を用いて、第1の燃料電池から受け取った一酸化炭素のほぼ全てをメタンに変換することを含む。方法は更に、第2の燃料電池を用いて、改質器から出力されたガス混合物から水素を分離することを含む。方法は更に、第2の燃料電池からの残りのガス混合物を第1の燃料電池のカソードへ供給することを含む。
【0014】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、方法は更に、電源が第1の燃料電池に逆電圧を印加すると、第1の燃料電池のアノードにおいて水素含有ガスを発生させることと、第1の燃料電池のアノードにおける電解反応を用いて、水素含有ガスから二酸化炭素を分離することとを含む。
【0015】
方法の1つの態様において、第1の燃料電池は水素含有ガスを出力し、二酸化炭素および酸素を備える酸化剤ガスを別に出力する。
【0016】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、方法は更に、第2の燃料電池における電気化学水素コンプレッサを少なくとも用いて、第1の燃料電池のアノードからの水素含有ガスを圧縮することを含む。
【0017】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、方法は更に、第2の燃料電池のカソードから、純化水素ガスを出力することを含む。
【0018】
方法の1つの態様において、第2の燃料電池からの残りのガス混合物は、第2の燃料電池のアノードから出力される。
【0019】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、方法は更に、エネルギ貯蔵システムに貯蔵すべき電力がない場合、排ガスからの熱を第1の燃料電池のカソードのみに供給し、その熱が第1の燃料電池を所望の運転温度に維持するようにすることを含む。
【0020】
他の実施形態において、エネルギ貯蔵システムは、REPカソード供給ガスを出力するように構成された発電装置と、電解質マトリックスによって隔てられたアノードおよびカソードを含む燃料電池とを含む。燃料電池は更に、燃料電池を電解装置として逆に運転するために第1の燃料電池に逆電圧を印加するように構成された電源を含む。アノードは、二酸化炭素を備えるREPアノード供給ガスを受け取るように構成される。燃料電池は、水素および二酸化炭素を備える水素含有ガス混合物を出力するように構成される。エネルギ貯蔵システムは更に、二酸化炭素がメタンに変換されるように、燃料電池から出力された水素含有ガス混合物をメタン化するように構成され、変換後の水素含有ガス混合物を出力するように構成された改質器を含む。エネルギ貯蔵システムは更に、改質器からの変換後の水素含有ガス混合物を圧縮するように構成されたコンプレッサを含む。
【0021】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、REPアノード供給ガスは炭化水素を更に備える。
【0022】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、発電装置は内燃エンジンである。
【0023】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、REPカソード供給ガスは、発電装置からの排ガスである。
【0024】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、改質器は、燃料電池によって出力された水素含有ガス混合物内の一酸化炭素および二酸化炭素をメタンに変換するように構成される。
【0025】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、コンプレッサは、改質器からの変換後の水素含有ガス混合物内のメタンを圧縮するように構成される。
【0026】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、コンプレッサからの圧縮メタンおよび変換後の水素含有ガス混合物は冷却され、それによって水が凝縮され、変換後の水素含有ガス混合物から分離される。
【0027】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、エネルギ貯蔵システムにおいて生成されたメタンは、パイプラインへ入れ込まれるように構成される。
【0028】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、エネルギ貯蔵システムは更に、メタン出力流から凝縮水を除去するように構成された水ノックアウトポットを含む。
【0029】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、コンプレッサから出力された圧縮メタンは貯蔵されるように構成される。
【0030】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、発電装置は、嫌気性消化ガスと、二酸化炭素およびメタンの混合物とを受け取るように構成される。
【0031】
他の実施形態において、エネルギ貯蔵システムを用いて水素を発生させる方法は、燃料電池のアノードにおいて、アノードREP供給ガスを介して二酸化炭素を受け取ることを含む。方法は更に、燃料電池から、メタン、二酸化炭素、および水素を備える水素含有ガス混合物を出力することを含む。方法は更に、改質器を用いて、燃料電池からの水素含有ガス混合物をメタン化することを含む。方法は更に、コンプレッサを用いて、改質器からの変換後の水素含有ガス混合物から水を分離し、分離後のガス混合物をコンプレッサから出力することを含む。
【0032】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、方法は更に、水ノックアウトポットにおいて、コンプレッサによって出力された分離後のガス混合物から水を除去することと、コンプレッサによって出力された分離後のガス混合物からのメタンをガスパイプラインへ送り込むこととを含む。
【0033】
エネルギ貯蔵システムの1つの態様において、方法は更に、電源が燃料電池に逆電圧を印加すると、第1の燃料電池のアノードにおいて水素含有ガスを発生させることと、燃料電池のアノードにおける電解反応を用いて、水素含有ガス混合物から二酸化炭素を分離することとを含む。
【0034】
方法の1つの態様において、燃料電池は、水素含有ガス混合物を出力し、二酸化炭素および酸素を備える酸化剤ガスを別に出力する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
改質器‐電解装置‐精製器(「REP」)アセンブリは、少なくとも1つの電解装置溶融炭酸塩形燃料電池を含み、REPスタックとも称される燃料電池スタックに形成された複数の電解装置燃料電池を含んでよい。少なくとも1つの電解装置燃料電池は、CO
2および水を電気分解して水素を生成し、CO
3=を電気化学的に除去することによって水素を清浄化するように、逆に運転される燃料電池である。CO
2は、たとえばメタンなどの炭化水素によって供給されてよく、CO
3=の除去は、改質反応を完了に導く。以下で説明し、添付図面に示すように、少なくとも1つの電解装置燃料電池において他の反応が生じてもよい。
【0037】
REPスタックは、溶融炭酸塩形燃料電池(「MCFC」)スタックを備え、REPアセンブリは、電解反応を完了に導くためにREPスタックに電力を供給するための電源を含む。コントローラは、電源を制御し、REPアセンブリおよび/またはREPシステムの他の動作および部品を制御するために、REPアセンブリおよび/またはREPシステムに含まれ得る。制御動作は、以下で更に詳しく説明される。本明細書はREPアセンブリ、REPスタック、およびREPシステムが、たとえば内部改質または外部改質などの改質を含むものとして説明するが、REPアセンブリ、REPスタック、および/またはREPシステムは、内部および/または外部改質を省き、CO
2および水を含有する供給ガスを電気分解し、改質せずに水素を清浄化するために用いられ得ることも考えられる。
【0038】
図1は、REPシステム100の例の概略図を示す。
図1に示すように、たとえば天然ガス、嫌気性消化ガス(「ADG」)、または他の適切な燃料などの燃料は、予熱器102において低いレベルの廃熱を用いて予熱され、その後、REPシステム100に供給される。燃料は、予熱される前または後に、加湿または水と混合され得る。REPシステム100において、燃料は、蒸気と反応することによって改質され、水素、CO、および二酸化炭素を生成し、水素は、H
2を他の反応生成物から分離し、改質反応を完了に導くために、H
2からCO
2を除去することによって高温(改質温度)で清浄化される。REPシステム100は、水素を出力し、酸素および二酸化炭素を含む他の反応生成物を別に出力する。図示するように、吸熱改質反応を導くためにREPシステム100に高いレベルの廃熱が供給され、その結果、燃料の全てが水素に変換されることによって、メタンから水素への不完全な変換によって生じるCO
2排気を低減する。
【0039】
REPアセンブリは、グリッドからの余剰電力を高い往復効率で貯蔵するために、ベース負荷直接形燃料電池(「DFC」(登録商標))または固体酸化物燃料電池(「SOFC」)と組み合わせて使用され得る。一般に、正味発電量と需要の平衡を保つために、たとえば電力グリッドなどの電源システムは、再生可能発電装置による高電力発電期間中に余剰電力を貯蔵し、これを、ディスパッチすることができない再生可能電源による低電力発電期間中にグリッドに返還する必要がある。余剰電力の貯蔵のための従来の解決策は、バッテリ、低効率電解装置、圧縮空気エネルギ貯蔵、およびポンプ式水力発電システムを用いてきたが、これらは全て費用が高く、限られた貯蔵容量しかなく、または高い往復エネルギ損失を有する。
【0040】
PCT公開WO2015/116964号に記載されるエネルギ貯蔵システムの一例において、グリッドからの余剰電力の貯蔵に関する高い往復効率は、水素出力を生成するために余剰電力を消費するREPアセンブリと、ベース負荷電力を供給するように動作するDFCまたはSOFCとを組み合わせることによって提供される。たとえば
図2は、そのようなエネルギ貯蔵システム900の例示的な構成を示す。
図2において、システム900は、電解質マトリックスによって隔てられたアノード側912およびカソード側914を有するREPアセンブリ910と、マトリックスによって隔てられたアノード側922およびカソード側924を有するDFC920と、アノード排ガス酸化器(「AGO」)930とを備える。DFC920は、たとえばSOFCまたは溶融炭酸塩形燃料電池(「MCFC」)など、炭化水素供給物を用いる任意の燃料電池であってよい。
【0041】
図2に示すように、たとえば天然ガスなどの燃料および水は、システム900へ供給され、水を蒸発させて蒸気を生成するために熱交換器950において予熱される。燃料および蒸気の混合物は、その後、DFC920のアノード側922へ供給され、ここで燃料は、直接改質触媒を用いて内部改質され、DFC920のカソード側924へ供給された酸化剤ガスと電気化学反応し、ベース負荷電力を発生させる。ベース負荷電力(DC電力)は、DFC920から出力され、グリッドへ、あるいは外部デバイスに給電するために供給され得る。CO
2、H
2、CO、および水を備えるアノード排気は、DFCのアノード側922から出力され、REPアセンブリ910のアノード側912および/またはAGO930へ供給される。
【0042】
図2において、REPアセンブリ910のアノード側は、DFCのアノード側922から出力されたアノード排気の一部または全てを受け取る。
図2には示されないが、アノード排気がREPアセンブリ910へ供給される前に、DFCのアノード側922から出力されたアノード排気に蒸気が足され得る。これは、システム全体の熱収支および物質収支が、DFCからのアノード排気が高純度水素生成のための含水量において僅かに不足することを示すためである。REPアセンブリ910は、アノード排ガス内のCOおよびCO
2と水とを反応させ、水素を生成する。アノード排ガスREP供給物内の水素は、REPアセンブリにおける反応によって発生した水素に足される。一般に、アノード排気は、乾燥ベースで20〜30%のH
2+COを含有し、COは、REPアセンブリ910における内部水性ガスシフト反応中に水素に変換される。またアノード排気内の水およびCO
2は、H
2およびCO
3=イオンを生成するために電気化学反応し、CO
3=イオンは、電解質膜を通って搬送され、カソード側914においてCO
2およびO
2に変換され、その後、酸化剤ガスとしてREPアセンブリのカソード側914から出力される。運転中のREPアセンブリにおいてDFCからのアノード排気に生じるこれらの反応は、
図3に詳しく示される。
【0043】
図3において分かるように、DC電力は、REPアセンブリの少なくとも1つの電解装置燃料電池に逆電圧を印加するために、電源975からREPアセンブリへ供給される。アノード排気は既に水素を含有しているので、アノード排気を伴う水素入力を含むREPアセンブリ900からの水素出力の1キログラム当たりの電力消費は、高温電解装置に関して一般的な35kWh/kgの電力消費の約75%、すなわち約26kWh/kgである。REPアセンブリ900による水素出力の1キログラム当たりの電力消費が低減されるので、電力の貯蔵に関する往復効率は、約45〜60kWh/kgH
2を要し得る標準的な低温電解装置と比較して概ね2倍である。
【0044】
再び
図2を参照すると、送風器940またはより小型のデバイスを用いて、AGO930へ空気が供給される。AGO930は、DFC920のアノード側922からのアノード排気の一部も受け取り、REPアセンブリ内で発生し、REPアセンブリ900のアノード側912から出力された水素含有ガスの一部も受け取ってよい。これによってAGOの温度は、REPの運転とは無関係に制御されることが可能である。AG0930は、DFCアノード排気および/または水素含有ガス内の燃料を酸化させ、加熱酸化剤ガスを生成および出力し、これは、REPアセンブリ910のカソード側914へ搬送される。REPアセンブリ900への加熱酸化剤ガスの供給は、REPアセンブリの電力要件を低減し、効率を高める。
図2に示すように、REPアセンブリ900内で生成されたCO
2およびO
2の混合物を備える酸化剤ガスは、REPアセンブリ900のカソード側914からDFC920のカソード側924へ搬送される。DFC920のカソード側924からのカソード排気出力は、システム900内に入力された燃料および水の混合物をシステム外へ排出する前に加熱するために、熱交換器950へ送られる。
【0045】
図2において、コントローラ990は、DFC920からのアノード排気の分配を制御すること、REPアセンブリ910のアノード側から出力された水素含有ガスの分配を制御すること、および外部電力需要および余剰電力の利用可能量に依存してREPアセンブリ910へ余剰電力を供給することを含む、システム900の運転を制御するために用いられる。具体的には、DFCは、たとえばグリッドなど、外部電力需要のために使用されるベース負荷電力を発生させるために作動し、DFC910からのアノード排気の一部または全ては、REPアセンブリ910へ直接出力される。貯蔵される余剰電力がグリッドにない場合、DFCアノード排気は、REPアセンブリ910を通って搬送され、変化しないままREPアセンブリ910のアノード側912から出力され、たとえば水素含有ガスは未変化のアノード排気である。このように、REPアセンブリ910は高温に保たれ、グリッドに余剰電力が出現すればいつでも需要に応じて運転する準備ができている。そのような場合、コントローラ990は、REPアセンブリ910からの水素含有ガスがAGO930へ搬送されるように制御し、AGO930は空気も受け取り、N
2、O
2、およびCOを含有する高温酸化剤ガスを生成するためにアノード排気を燃焼または酸化させる。この高温酸化剤ガスはその後、REPアセンブリ910のカソード側914へ搬送され、REPアセンブリ910のカソード側914から出力された酸化剤ガスはその後、DFCカソード側924へ搬送される。REPアセンブリを通って高温酸化剤ガスを搬送することは、REPアセンブリが余剰電力で運転しているかアイドル状態であるかにかかわらずREPアセンブリ910を高温に保つために役立つ。
【0046】
余剰電力が利用可能であり貯蔵する必要がある場合、コントローラ990は、電源によって少なくとも1つの電解装置燃料電池に逆電圧が印加されるようにREPアセンブリ910に余剰電力を供給するように制御し、REPアセンブリ910へ供給されたDFCアノード排気は水素に変換される。この場合、コントローラ990は、利用可能かつREOアセンブリに供給される余剰電力量に基づいて、REPアセンブリ910をバイパスするDFCアノード排気の量を制御する。そのような制御によって、REPアセンブリ910へ供給されるDFCアノード排気の一部は、高純度(>97%)水素ガスを生成するためにREPアセンブリへ供給される余剰電力と釣り合う。
【0047】
またコントローラ990は、REPアセンブリ910が余剰電力で運転しているかアイドル状態であるかに基づいて、およびAGO930内で発生させる必要がある熱量、たとえばAGOの温度に基づいて、REPアセンブリから出力されAGO930へ供給される水素含有ガスの量、および
図2に示すように、外部利用のために出力、たとえばエクスポートされる水素含有ガスの量も制御する。たとえば、REPアセンブリ910が余剰電力で運転しており、REPアセンブリをバイパスしAGOへ供給されるDFC排気量が、AGO温度を所定の温度に維持するために不十分である場合、コントローラ990は、AGOにおける所定の温度を維持するために、REPアセンブリから出力された水素含有ガスの一部をAGOへ供給するように制御する。コントローラ990は更に、REPアセンブリへ供給される余剰電力量が増加し、REPアセンブリからAGOへバイパスするDFCアノード排気量が減少すると、REPアセンブリからAGOへ供給される水素含有ガスの量を増加させるように制御する。対照的に、REPアセンブリ910がアイドル状態である場合、DFCアノード排気は全て、REPアセンブリを高温に保つためにREPアセンブリ910へ供給されてよく、コントローラ990は、REPアセンブリのアノード側912から出力された水素含有ガスの大部分または全てが、AGOにおける所定の温度を維持するためにAGO930へ搬送されるように制御する。またAGOへの空気も温度制御のために調整される。
【0048】
DFCとREPアセンブリとを組み合わせ、水素生成のためにREPアセンブリにおいて余剰電力を使用することによって、余剰電力は、高い電力貯蔵往復効率で生成される水素の形式で貯蔵される。
図2の構成において、電力貯蔵往復効率は、以下のように概算される。
貯蔵される電力
水素生成−26kWh/kg
水素貯蔵−3kWh/kg
生成される電力
55%の効率における電力生成‐18.5kWh/kg
往復効率=18.5/(26+3)=64%(または高圧貯蔵がない場合71%)
【0049】
図2のシステムの64%または71%の往復効率は、従来のバッテリ貯蔵によって実現可能な70〜80%の往復効率と同様であるが、
図2のシステムは、効率を損なうことなく長期間にわたって大容量で貯蔵することができる水素を生成するという利点を有する。また、
図2のシステムによって生成される水素は、たとえばオフサイトのPEM燃料電池および燃料電池車両などの水素で運転するデバイスへ燃料を供給、または化学操作および精製工程に水素を供給するためにエクスポートすることができる。
図2のシステムにおけるような水素のエクスポートは、一般に水素を電力に再変換するよりも高い値を提供する。
【0050】
図2に示す例示的なシステムは、余剰電力を用いて水素を発生させるためにREPアセンブリ910を用いるが、エネルギ貯蔵のために水素を生成することに加えて、REPアセンブリは、システム900の効率を高めるために追加の電力を発生させるための電力生成モードで運転してもよいことが考慮される。
図2のシステムは、REPアセンブリ910が、余剰電力が貯蔵のために利用可能な場合に水素生成モードで、または高い電力需要の際に追加の電力を発生させるために電力生成モードで、高温電解装置として運転するように制御されるように修正され得る。そのような構成において、コントローラ990は、外部電力需要および/または貯蔵のための余剰電力の利用可能量に基づいて、REPアセンブリの運転モードを制御する。
図2のシステムは、2つ以上のトッピングDFCと、燃料電池スタックまたはDFCスタックを備える少なくとも1つのボトミングREPアセンブリとを含むように更に修正されてよく、この場合、トッピングDFCからのアノード排気は、ボトミングREPアセンブリのアノード側へ供給され、AGOにおいて生成された予熱空気および/または高温酸化剤ガスは、ボトミングREPアセンブリのカソード側へ供給され、ボトミングREPアセンブリから出力されたカソード排気(酸化剤ガス)は、トッピングDFCの各カソード側へ供給される。そのようなシステムの例示的実施形態は、本出願の譲受人に譲渡され参照によって本願に組み込まれる米国特許出願第14/578,077号の
図2に示される。
【0051】
たとえばREPまたはDFCなどの高温燃料電池に伴う負荷を含むそのようなシステムにおいて、熱サイクリングはスタック寿命を大幅に低減するため、システムは、ボトミングREPスタックの部品を加熱および冷却することを防ぐために熱的に中立に近くなければならない。熱平衡は、電力生成モードで運転しているボトミングREPアセンブリ内のメタン燃料の改質が、セル抵抗および電流密度によって生じる熱を吸収するように、トッピングDFCのアノード排気に追加のメタン燃料を足すことによって調整され得る。コントローラは、電流密度に基づく速度で追加のメタン燃料の供給を制御する。いくつかの例示的な実施形態において、電力生成モードで運転しているボトミングREPアセンブリにアノード排気を供給する前に、トッピングDFCから出力されたアノード排気内のメタン濃度は、トッピングDFCのアノード排ガスの一部を冷却し、以下の反応によってアノード排気内の水素およびCO
2をメタンに変換するための触媒を用いることによって増加され得る。
4H
2+CO
2→CH
4+2H
2O (1)
また、ボトミングREPアセンブリが電力生成モードで運転する場合、電流密度は、REPアセンブリのセルにおいて生じる熱によって制限され得る。
【0052】
図4を参照すると、水を水素に変換することによってエネルギを貯蔵する別のエネルギ貯蔵システムが提供される。従来、水は、風力および太陽電力からの余剰電力を貯蔵するために電気分解によって水および酸素に変換され得る。しかし、低温水電解は、電解装置の低効率に起因する低い往復効率を有する。低い効率は、既存のエネルギ貯蔵用電解装置の技術および応用の費用効果を低下させる。
【0053】
本発明の特定の実施形態は、水または水蒸気から水素を発生させるためにエネルギ貯蔵システム400を用いることによって、これらの欠点を克服する。REPアセンブリは、水蒸気およびCO
2を必要とするので、REPアセンブリは、CO
2を含む排気を供給し、エネルギ貯蔵システム400を熱平衡に保つための熱を供給する発電装置と関連して使用され得る。発電装置は、蒸気ボイラ、燃焼タービン、または内燃エンジン(ICE」)410であってよい。
【0054】
エネルギ貯蔵システム400は、ICE410、REPアセンブリ420、改質器430、および電気化学水素コンプレッサ(「EHC」)440を含む。
【0055】
図4において、燃料が供給され、内燃のために空気とともにICE410へ送り込まれる。一般に、燃料電池は硫黄に耐性がないので、燃料は最初に脱硫され得る。好適には、燃料は、天然ガス、ADG、または最小限の硫黄しか有さず、あるいは硫黄を有さない他の適切な燃料である。ICEにおける燃料の内燃は排気を発生させる。典型的な実施形態において、排気は更に脱硫され得る。排気は主にCO
2およびN
2を含む。具体的には、排気は約80%のN
2を含有し得る。ICEは、連続的に運転するように構成され得るが、余剰電力を貯蔵する必要がない場合、排気からの熱は、REPアセンブリ420を通常運転温度に維持するためにREPカソード424のみに供給され得る。
【0056】
水は脱イオン化され、その後、蒸気発生器450へ送り込まれる。排気またはREPカソード424からの出力ガスによる熱は、蒸気発生器450内に供給された脱イオン水を蒸気に変換するために使用され得る。
【0057】
図4に示すように、REPアノード422は、約80%のN
2および約20%のCO
2を含む排気を受け取る。典型的な実施形態によると、還元雰囲気を伴うガスがREPアノード422へ供給され、それによって少量のCH
4、H
2、または他の炭化水素が、排気内のO
2と反応して除去するために排ガスに足され得る。また、ICE410は、ICE410からの排気におけるO
2含有量を最小限にするために、燃料リッチ状態(すなわち低い酸素含有量)で運転してよい。蒸気(H
2O)に伴うCO
2およびN
2、および原料におけるCH
4は、電気分解中に反応し、主にH
2およびN
2を含有し少量のCO
2、CH
4、およびCOを伴う出力ガスを生成する。REPアノード422は、原料から直接燃料を受け取ってもよい。REPアノード422への排気によって供給されるCO
2の供給量は、REPアセンブリ420へ送られる電流の量(エネルギ貯蔵システム400において利用可能な余剰電力)に基づいて制御される。好適には、CO
2の供給量は、REPアノード422からの出口ガスにおける未反応CO
2を最小限にするように制御される。
【0058】
REPアノード422にわたるメタン改質反応は吸熱性であり、システムから熱を除去する。したがって、REPアセンブリ420の温度および温度プロファイルは、システム内に供給されるCH
4の量に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。また、H
2はメタン改質反応の副産物であり、REPアセンブリ420から出力されたH
2は、REPアセンブリ420へ送り込まれるCH
4の量によって少なくとも部分的に制御され得る。典型的な実施形態によると、H
2副産物は、炭素入力に実質的に比例してよい。たとえば、H
2副産物は、REPアセンブリ420内に供給されるCH
4および/またはCO
2の量に実質的に比例してよい。
【0059】
排気はREPカソード424にも供給され、REPアセンブリ420に追加の熱を供給する。貯蔵する必要のあるエネルギがない場合、排気は、REPカソード424のみに供給され、REPアノード422には供給されない。REPアセンブリ420における反応は更に、REPカソード424においてCO
2およびO
2を発生させる。
【0060】
燃料および水の混合物は、蒸気発生器450内の蒸気熱交換器452において加熱され、ここで水は蒸気に変換され、燃料および蒸気の混合物が生じる。熱は、REPカソード424からの出口ガスによって蒸気熱交換器452へ供給される。典型的な実施形態において、熱は、ICE410からの排気によっても部分的に供給される。水蒸気発生器450によって出力された燃料および水蒸気の混合物は、水ドロップアウト454を通って供給され、ここで、蒸気に変換されなかった余分な水は、加熱蒸気および燃料混合物から除去される。余分な水は、水蒸気熱交換器452へ送り戻される。燃料および水蒸気混合物は、改質器出力ガス混合物からの熱を伝達する第1の改質器熱交換器432において更に加熱される。
【0061】
第2の改質器熱交換器434は、REPアセンブリ420へ供給される燃料および水蒸気混合物を予熱するために使用される。REPアノード422からの出力ガスは、燃料および水蒸気混合物がREPアノード422へ供給される前に水蒸気および燃料混合物に熱を伝達する第2の改質器熱交換器434において冷却される。
【0062】
EHC440において、H
2を含有する蒸気は膜に電気化学的に押し当てられ、その結果、EHCカソード444から解放された高圧下で純化H
2の蒸気が生じる。具体的には、H
2およびCH
4混合物およびこの構成では窒素を備える、改質器からの変換された水素含有ガスは、水素を圧縮するために電気化学水素圧縮を用いる水素ポンプへ搬送される。H
2およびCH
4混合物は、EHCアノード442において受け取られ、H
2は、メタンおよびN
2からH
2を分離するために膜を介してEHCカソード444へ吸い上げられる。純化圧縮H
2がEHCカソード444から出力され、CH
4およびN
2はEHCアノード442から別に出力される。EHC440とともに水素ポンプを使用することによって、水素は、99%を上回る純度まで純化され、2000psig以上の高圧力で出力されることができ、高純度の水素で運転するデバイスでの使用または貯蔵に適したものになる。残りのガス混合物は、CH
4、N
2および純化されずに残ったH
2を含み、REPカソード424に送り戻される。
【0063】
EHC440は一般に、COに耐性がないので、改質器430は、REPアノード422からの出力ガスがEHC440へ供給される前に、COのほぼ全てをCH
4に変換するために利用され得る。また改質器430における反応は、CO
2のほぼ全てをCH
4に変換する。反応中、H
2はCO
2およびCOと反応し、メタン化反応によってCH
4および水を生成する(式(2)および(3)を参照)。
CO
2+4H
2→CH
4+2H
2O (2)
CO+3H
2→CH
4+H
2O (3)
好適には、改質器430は、少なくともH
2N
2、CH
4の混合物を備える変換後の水素含有ガスを出力する。改質器出力ガスは更に、第1の改質器熱交換器432において冷却され、EHCアノード442へ供給される。
【0064】
REPアセンブリ420における電気分解中、CO
2およびO
2がREPカソード424へ追加される。EHC440からの残りのガス混合物のH
2およびCH
4はその後、CO
2およびO
2によって酸化し、CO
2およびH
2Oを生成する。酸化プロセスは、追加の熱を発生させる。REPカソード424からの出力ガスはその後、水を水蒸気に変換するための熱を供給するために水蒸気熱交換器452を通って供給され、その後、エネルギ貯蔵システム400外へ排出される。MFCが電力を生成するために運転している場合、システムに供給されるNO
Xの量は一般に低減されるので、MCFCがREPモードで運転している場合、REPシステムに供給されるNO
Xも低減され得る。
【0065】
一般に、CO
2から生成されるH
2は、約36kWh/kgを必要とするが、REPアセンブリ420へのCH
4原料から生成されるH
2は、8kWh/kg未満しか必要としない。REPアセンブリ420へのCH
4原料は、H
2を発生させるために要するエネルギを低減するものであり、これは、CH
4が供給されたREPアセンブリ420において、H
2の約80%は改質器430におけるCH
4の改質によって発生し、H
2の残りの約20%はREPアセンブリ420における電気分解中に発生するためである。
【0066】
図5を参照すると、たとえばADGなどCO
2含有量が高い燃料を、この燃料からCO
2を効率的に除去することによって、たとえばパイプライン天然ガスなどCO
2含有量が低い別の燃料に変換することによってエネルギを貯蔵するためのエネルギ貯蔵システムが提供される。従来、ADGは、ADGを高圧力に圧縮し、圧力スイング吸着(「PSA」)システムを用いてCO
2を除去することによって、あるいは、水素を加えることによってCO
2をCH
4に変換することによって、天然ガスに変換される。前者の技術は、CO
2とともにCH
4の一部の除去をもたらすが、CH
4放出を防ぐためにフレア型でなくてはならず、CO
2とともにCH
4を圧縮しなければならないため、高い圧縮費用がかかる。後者の従来技術は、高価な水素を必要とし、反応の発熱性によって水素エネルギの約17%がCH
4ではなく熱に変換される。
【0067】
本発明の特定の実施形態は、REPアセンブリ520において電気化学的にCO
2の大半を除去し、改質器530におけるメタン化反応によって残りのCO
2を除去することによってADGを天然ガスに変換するエネルギ貯蔵システム500を用い、同時に、エネルギ貯蔵システム500を熱平衡に保つための熱を供給する発電装置を使用することによって、これらの欠点を克服するものである。発電装置は、燃焼タービンまたはICE510であってよく、REPカソード供給ガスをREPカソード524へ供給するように構成され得る。典型的な実施形態によると、REPカソード供給ガスは、炭化水素を含む。エネルギ貯蔵システム500は、天然ガスパイプライン内に射出され得るCH
4の供給を生じる。具体的には、エネルギ貯蔵システム500は、CH
4の生成に関して有利であってよく、燃料はADGまたは他の適切な燃料である。
【0068】
エネルギ貯蔵システム500は、ICE510、REPアセンブリ520、および改質器530を含む。
【0069】
図5において、CO
2含有燃料は脱硫され、燃焼のための空気とともにICE510へ送り込まれる。好適には、燃料はADGであり、または他の適切な燃料である。典型的な実施形態によると、REP520への供給は、ほぼ全てCO
2であってよい。ICEにおける燃料の燃焼は、排気を発生させる。排気は主にCO
2およびN
2を含む。具体的には、排気は約80%のN
2を含有してよい。排気は、REPカソード524を通って供給され、水蒸気熱交換器552を通り、エネルギ貯蔵システム500外へ排出される。典型的な実施形態によると、排気は、REPカソード供給ガスである。エネルギ貯蔵システム500のために必要な熱の大半はメタン化反応によって発生するが、REPアセンブリ520を通常運転温度に維持するための補助として、排気からの熱が用いられる。
【0070】
水は脱イオン化され、その後、水蒸気発生器550へ送り込まれる。排気またはREPカソード524から出力されたガスからの熱は、水蒸気発生器550内に供給された脱イオン水を水蒸気に変換するために用いられ得る。燃料および水の混合物は、水蒸気発生器550内の水蒸気熱交換器552において加熱され、ここで水は水蒸気に変換され、燃料および水蒸気の混合物が生じる。熱は、REPカソード524からの出口ガスによって、水蒸気熱交換器552へ供給される。水蒸気発生器550によって出力された燃料および水蒸気の混合物は、第1の水ノックアウトポット554を通って供給され、ここで、加熱後の水蒸気および燃料の混合物から、水蒸気に変換されなかった余分な水が除去される。余分な水は、水蒸気熱交換器552内へ再び供給される。燃料および水蒸気の混合物は、改質器出力ガス混合物からの熱を伝達する第1の改質器熱交換器532において更に加熱される。改質器出口ガスの更なる冷却が望ましい場合があるが、この熱交換器は図示されない。
【0071】
第2の改質器熱交換器534は、REPアセンブリ520へ供給される燃料および水蒸気の混合物を予熱するために使用される。REPアノード522からの出力ガスは、水蒸気および燃料の混合物がREPアノード522へ送り込まれる前に、燃料および水蒸気の混合物に熱を伝達する第2の改質器熱交換器534において冷却される。
【0072】
図5に示すように、REPアノード522は、REPアノード供給ガスを受け取る。たとえば、REPアノード供給ガスは、約60%のCH
4および約40%のCO
2を含むADGと、水蒸気(H
2O)とを含んでよい。REPアセンブリ520において、CO
2はその後、混合物から吸い出され、H
2対CO
2比が4:1になるまでH
2が混合物に足される。ADGからCO
2の約80%が吸い出されるが、約20%はメタン化のために残される。この比は、改質器530においてガスがメタン化され、少量の未変換H
2およびCO
2しか有さない実質的に完全なCH
4流れを生成することを可能にする(式(4)を参照)。
60CH
4+8CO
2+32H
2→68CH
4+16H
2O (4)
【0073】
改質器出力ガス混合物は、第1の改質器熱交換器532において加熱され、コンプレッサ540へ供給される。改質器530において生成された水は凝縮され、第2の水ノックアウトポット542においてCH
4から分離される。残りのCH
4はその後、天然ガスパイプライン内に射出される。典型的な実施形態によると、電解反応によって生成されたH
2副産物をメタンとして貯蔵することによって、コンプレッサ費用およびエネルギの大幅な節減が実現され得る。たとえばCH
4は、H
2として貯蔵される同等量のエネルギの約1/3の体積を有する。また、REP520から出力された、より低純度のH
2は、REP520の運転に必要な電圧を(約10%)低減し、電力貯蔵効率を高める。
【0074】
本発明は好適な実施形態に関して説明されたが、当業者には他の様々な実施形態および変化例が想起され、これらは本発明の範囲および主旨の範囲内であり、そのような他の実施形態および変化例は、対応する特許請求の範囲によってカバーされるものとして意図されることを理解すべきである。
【0075】
本明細書で用いられる場合、「およそ」、「約」、「ほぼ」という用語およびその類義語は、本開示の主題事項に関与する当業者に一般的に認められる用法と一致した幅広い意味を有することが意図される。本開示を閲覧する当業者は、これらの用語が、説明され特許請求対象となる特定の特徴の範囲を記載されたものどおりの数的範囲に限定することなく、これらの特徴の説明を可能にするものとして意図されていることを理解すべきである。したがって、これらの用語は、説明され特許請求対象となる主題事項の非実質的かつ非重要な修正または変更が、以下の特許請求の範囲に記載されるような本開示の範囲内として見なされることを示すものとして解釈すべきである。
【0076】
本明細書で様々な実施形態を説明するために用いられる「典型的な」という用語は、そのような実施形態が、可能な実施形態の想定例、代表例、および/または実例であることを示すものとして意図される(そのような用語は、そのような実施形態が、必ずしも特別または最上級の例であることを暗示するものとして意図されない)。
【0077】
本明細書で用いられる「結合」、「連結」などの用語は、2つの部材を互いに直接または間接的に接合することを意味する。そのような接合は、固定(たとえば永久的)または可動(たとえば取外し可能または解除可能)であってよい。そのような接合は、互いに単一体として一体形成された2つの部材または2つの部材および任意の追加の中間部材によって、あるいは互いに取り付けられた2つの部材または2つの部材および任意の追加の中間部材によって実現され得る。
【0078】
本明細書における要素の位置への言及(たとえば「上部」、「底部」、「上」、「下」など)は単に図面内の様々な要素の向きを説明するために用いられる。様々な要素の向きは、他の典型的な実施形態に従って異なってよく、そのような変化は本開示に包含されるものとして意図されることに留意すべきである。本発明は好適な実施形態に関して説明されたが、当業者には他の様々な実施形態および変化例が想起され、そのような他の実施形態および変化例は、以下の特許請求の範囲によってカバーされるものとして意図されることを理解すべきである。当業者は、本明細書で説明された主題事項の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなく、多数の変更が可能であること(たとえば構造、パラメータ値、取付け構成などにおける変化例)を容易に理解する。たとえば、任意のプロセスまたは方法ステップの順序または流れは、別の実施形態に従って変化し、あるいは並べ替えられてよい。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な典型的実施形態の設計、動作条件、および構成において代替、修正、変更、および省略が行われてもよい。