(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記挿入部は、前記芯本体が前記支持軸の外周に装着された際に、前記溝部と協働して、前記支持軸に対する前記芯本体の周方向への回転を阻止する、請求項1または2に記載の巻回体と薬剤包装装置との組み合わせ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。以下の説明において、「基端側」は
図2における左上側に対応し、「先端側」は
図2における右下側に対応している。また、以下の説明における「軸方向」とは、支持軸32の軸方向のことである。
【0012】
−包装部の概要−
図1に、薬剤包装装置1において薬剤の包装を行う部分である包装部2を概略的に示す。薬剤(図示しない)は、例えば錠剤または散剤である。この薬剤包装装置1で用いられる包材62は、帯状であり長尺のシートである。包材62の材質は、例えば紙または樹脂である。包材62は長手方向(図示した矢印Fの方向)に搬送される。包材62は芯体61(詳しくは芯体61における芯本体)の外周に巻回されてロール状の巻回体(包材ロール)6とされている。すなわち、巻回体6は、長尺シート状の包材62が巻回されて構成されている。巻回体6において、包材62は、幅方向(短手方向)中央で半折りされた状態で芯体61の外周に巻回されている。包材62は巻回体6から巻き出される。薬剤包装装置1は、巻回体6から巻き出された包材62を用いて薬剤を包装する。薬剤包装装置1における包装部2は、包材62の搬送方向の上流側から下流側に向かって、包材供給部3、包材搬送部4、包装体形成部5の順に位置している。これらについて以下説明する。なお都合上、包材供給部3に関しては後で説明する。
【0013】
−包材搬送部−
包材搬送部4は、包材62を長手方向に搬送し、搬送方向下流側の包装体形成部5に供給する。包材搬送部4は、主に、張力調整機構41と折り返しバー42を備えている。張力調整機構41は、軸間距離が変動する複数のローラ411〜413の間に包材62を折り返すように架け渡すことにより、張力を調整する機構である。本実施形態の張力調整機構41は、例えば軸線の位置が不動である2本の固定ローラ411,412と、基台31の表面に開口した湾曲長孔311に沿って、軸線の位置が移動する1本のダンサローラ413が組み合わされている。折り返しバー42は、張力調整機構41から上方に搬送される包材62の搬送方向を斜め下方向に転換する。包材搬送部4には、例えば包材62の表面に薬剤の処方情報等を印刷する印刷部43を設けることができる。
【0014】
−包装体形成部−
包装体形成部5は、処方に応じて包材62に薬剤を供給し、包材62を接着することで1包ごとに包装する部分である。包装体形成部5は、主に、三角板51、ホッパ52、包材接着部53を備えている。三角板51は、折り返しバー42の搬送方向下流側に位置し、幅方向で半折りされた状態の包材62の一方側と他方側とを押し開くことで、長手方向視で断面V字状の形態にする部分である。ホッパ52は、包材62が三角板51により押し開かれた断面V字状の空間62Sに、上部521に比べて横断面積が縮小して形成された下部522の一部が挿入されている。ホッパ52の上方に設けられた薬剤供給機構(図示しない)により、処方に応じて供給された薬剤が、ホッパ52の内部を経由して包材62に供給される。包材接着部53は、包材62を熱溶着する等して、薬剤が供給された包材62を1包ずつ区画するように接着する部分である。包装体形成部5はこの他、例えば、包材接着部53により接着された包材62に切断を容易にするためのミシン目を形成するためのミシン目形成部(図示しない)を設けることができる。
【0015】
−包材供給部−
包材供給部3は、包材62を包材搬送部4以降に送る部分である。包材供給部3には巻回体6が周方向に回転可能なように配置される。巻回体6が回転することで、包材62が巻回体6から長手方向に引き出される。
【0016】
図2に示すように、包材供給部3は基台31と支持軸32を備える。なお基台31には、前述のように包材搬送部4の一部(張力調整機構41)も設けられている。基台31は包材供給部3において固定的に設けられている。基台31の表面(図示において巻回体6の側を向いた面)から支持軸32が突出している。支持軸32は略円柱状とされている。支持軸32は、基端部と先端部とを有する。支持軸32の基端部は基台31に支持される。支持軸32は、基台31に対して回転可能に設けられ、巻回体6を支持する。支持軸32は、基台31の内部に設けられた図示しないステッピングモータ等の駆動部により駆動され、基台31に対して回転する。支持軸32の回転は包材62の引き出し方向及び引き込み方向の両方向になされる。また、包材62の包装体形成部5への供給に対応して、支持軸32の回転は間欠的になされる。支持軸32は、基台31の表面から先端に向かって突出している。支持軸32の軸線は、基台31の表面から垂直に延びている。本実施形態では、基台31の表面は鉛直面である。基台31の表面は、鉛直面に対して傾斜した傾斜面であってもよく、あるいは、水平面であってもよい。支持軸32は基台31に対して片持ち支持されていて、支持軸32の先端部は開放されている。このため、
図2に示されたように巻回体6における芯体61を支持軸32の開放された側の軸方向延長位置に配置し、先端側から基端側へと軸方向に移動させることで、支持軸32に巻回体6を装着できる。支持軸32には巻回体6が相対回転不能に取り付けられる。
【0017】
図3に示すように、基台31の表面において、支持軸32における基端面に対向する部分には、後述するロックピン351の先端が係合するロックピン係合部33が形成されている。ロックピン係合部33は、周方向に一定の間隔で、全周にわたって複数の突起が形成されている。つまり、ロックピン係合部33は、基台31の表面において周方向に位置しており、複数の凹凸を有する。これにより、周方向に並ぶ凹部331と突起332が交互に形成されている。このうち凹部331に、支持軸32に設けられるロックピン351の先端が位置することで係合して、支持軸32の回転が阻止される。本実施形態では、凹部331は基台31の表面に形成された突起332,332同士の間の部分とされている。しかしこれと逆に、突起332が基台31の表面に形成された凹部331,331同士の間の部分であってもよいし、基台31の表面に凹部331と突起332を形成してもよい。つまり、ロックピン係合部33は、ロックピン351の先端が係合する凹凸を有していればよい。なお、
図3においてロックピン係合部33に一部重複して示されている箱状部分は磁気センサ34である。磁気センサ34は磁気検知部の一部であって、支持軸32に設けられた永久磁石(後述)の磁気を検出する。なお、
図6に示すように、支持軸32(内側軸32i)における先端部の内部にも磁気センサ32Cが設けられている。
【0018】
図4及び
図5に示すように、本実施形態における支持軸32は、基台31に支持されており基台31に対して回転する内側軸32iと、内側軸32iの外周に装着されて一体とされた外装部32oと、を備えた2パーツ構造とされている。内側軸32iの外径寸法に対し、外装部32oの外径寸法は大きい。外装部32oの外径寸法は、前述の支持軸32の外径寸法と一致するように設定されている。このような2パーツ構造は、例えば、既存の薬剤包装装置1が備えていた支持軸(本実施形態における内側軸32iに相当)に対し、既存の薬剤包装装置1で使用されていたものよりも大きい内径の芯体61を有する巻回体6を装着する際に採用できる。この場合、前記大きい内径の芯体61は、外装部32oの外周に装着される。この場合、ロックピン係合部33は、例えば単独の円環状部材として形成され、内側軸32iに外装部32oを装着する際に、基台31の表面に貼着やねじ止めによって設けられる。
【0019】
以下、本実施形態における支持軸32に関する説明は、この2パーツ構造を前提とする。ただし、新規製作の薬剤包装装置1等では、支持軸32を一体構造とすることができ、この場合であっても、支持軸32の各部構成は以下に説明する本実施形態と同様の構成で実施できる。なお、支持軸32が一体構造である場合、内側軸32iと外装部32oの区別はなく、2パーツ構造において内側軸32i、外装部32oのいずれかに設けられていた構成が支持軸32に一緒に設けられる。
【0020】
外装部32oは、径方向断面の形状が円形である管状(または筒状)とされている。本実施形態の外装部32oは、
図5において軸方向に延びる実線が示されているように、径方向で2片に分割されている。分割は周方向における角度180°分でなされている。つまり、2片の外形は、溝部等の細かい形状を除いて対称形状(面対称形状)となっている。分割された2片は、例えばねじ止めにより一体とされる。このように外装部32oを分割することで、内側軸32iに対する装着が容易となるメリットがある。また、一つの管状体を形成することに比べ、金型設計が容易であるため製造コストを低減できる。
【0021】
外装部32oは、包材供給部3が巻回体6の識別のために備えている磁気検知部(磁気センサ34,32C)に対応した組み合わせの永久磁石を保持する複数の磁石保持部321を備える。複数の磁石保持部321のうち、選択された所定個数の磁石保持部321に永久磁石が配置される(図面では永久磁石が配置されていない状態の磁石保持部321が示されている)。前記「巻回体6の識別」とは、具体的には、包材62の材質を識別することである。複数の磁石保持部321において、永久磁石が配置された磁石保持部321の個数、永久磁石の極性または磁力の強さ等を磁気検知部が検知して識別を行う。薬剤包装装置1で使用する包材62の材質が一定であって変更がない場合、同一の外装部32oを用いれば支障なく使用できる。もし包材62の材質を変更する場合には、変更する包材62に適合した組み合わせの永久磁石を備えた外装部32oに取り換えるか、永久磁石を付け替えることで対応できる。なお、新規製作の薬剤包装装置や、改造によって磁気検知部を除去または無効化した薬剤包装装置では、この磁石保持部321は不要である。
【0022】
図5に示すように、支持軸32(本実施形態では内側軸32i)における基端部には、複数(本実施形態では4個)の位置合わせ突起322が形成されている。複数の位置合わせ突起322は、周方向に一定の距離をおいて設けられている。各位置合わせ突起322は、支持軸32(内側軸32i)の基端部の外周面から径外方向に突出している。各位置合わせ突起322は支持軸32(内側軸32i)の基端から先端方向の所定距離分、軸方向に延びている。複数の位置合わせ突起322のうち一部(本実施形態では周方向における1個おきの位置合わせ突起322)から径方向に、棒状の包材切れ検知ピン323が突出している。包材切れ検知ピン323の先端は、支持軸32に巻回体6を装着した場合の芯体61の外周面よりも径外に位置するように設定されている(
図6参照)。また、包材切れ検知ピン323が設けられた位置合わせ突起322、及び、位置合わせ突起322に径方向に重なる外装部32oの各々には、径方向に貫通し、軸方向に延びる切欠部324,325が設けられている。
【0023】
包材切れ検知ピン323は、
図6に示すように、支持軸32(本実施形態では内側軸32i)の内部に設けられたコイルばね3231の付勢力により、支持軸32(内側軸32i)の軸方向で先端側(図示右方)に向かって付勢されている。包材切れ検知ピン323は、包材62の巻かれた巻回体6が支持軸32に取り付けられている場合には、巻回体6の外周において径方向に積層されている包材62により側方に押し出されることで、ばね付勢に抗して軸方向基端側に移動させられている。なお、巻回体6の芯体61において、支持軸32への装着時に包材切れ検知ピン323に一致する部分には、内側軸32i及び外装部32oと同様に、径方向に貫通し、軸方向に延びる切欠部611が設けられている。
図6に示すように、切欠部611は、支持軸32(内側軸32i、外装部32o)の切欠部324,325と周方向に一致するように配置される。このため芯体61は、切欠部611の位置合わせのため、作業者により支持軸32に対して周方向に回転されることがある。巻回体6から包材62が引き出されて無くなってしまうと(芯体61だけになると)、包材62による前記押し出しがされなくなるため、ばね付勢された包材切れ検知ピン323が軸方向先端側に移動して切欠部611に進入する(
図6参照)。このように包材切れ検知ピン323が切欠部611に進入したことをセンサ等で検知することにより、包材切れを検出できる。巻回体6から包材62がすべて巻き出されたことを検知することで、例えば包材供給部3を自動停止できる。
【0024】
図6に示すように、内側軸32iの外周面には内側ずれ規制部326が突出している。内側ずれ規制部326は例えば球状で、内側軸32iの内部に設けられたばねにより径外方向に付勢され、一部が内側軸32iの外周面から突出した突起である。また、外装部32oにおいて、内側軸32iへ装着された際に内側ずれ規制部326と一致する部分には外側ずれ規制部327が設けられている。外側ずれ規制部327は、外装部32oの外周面に出没可能に設けられている。外側ずれ規制部327は、内側ずれ規制部326に径外方向に押されることで、支持軸32(外装部32o)の外周面から突出する。この外側ずれ規制部327は、芯体61における後述の段差部612に係合する。このため、芯体61が支持軸32に対して軸方向にずれることを防止でき、支持軸32に巻回体6を確実に装着できる。なお、支持軸32を一体構造とした場合には、内側ずれ規制部326と外側ずれ規制部327とを単一の部材(一体構造の場合、例えば「ずれ規制部」と称する)として形成できる。この単一の部材は、本実施形態における内側軸32iと外装部32oの組み合わせに相当する軸状部材である。
【0025】
図6に示すように、外装部32oにおける基端部には、内側軸32iの位置合わせ突起322に(内側軸32iへの装着の際で)対応する位置に位置合わせ凹部328が形成されている。位置合わせ凹部328は、外装部32oの内周面に径外方向に凹んでいる。位置合わせ凹部328には、包材切れ検知ピン323が径方向に貫通する、前述の切欠部325が形成されている。切欠部325は、外装部32oを径方向に貫通し、かつ、外装部32oにおける基端に開口した空間を有する。この空間で包材切れ検知ピン323が支持軸32の軸方向に移動する。この移動は前述のように、巻回体6から包材62が引き出されて無くなった後になされる。
【0026】
図5、
図7、
図8に示すように、支持軸32(本実施形態では外装部32o)における外周面には芯体誘導溝(または溝部)329が形成されている。芯体誘導溝329には、支持軸32に芯体61を装着した際に、芯体61の内周面から突出する支持軸嵌合部613が嵌合する。この嵌合により、支持軸32に対して芯体61が相対回転不能となる。つまり、支持軸嵌合部613は、芯体61が支持軸32の外周に装着された際に、芯体誘導溝329と協働して、支持軸32に対する芯体61の周方向への回転を阻止する。
【0027】
芯体誘導溝329は、支持軸32(外装部32o)における先端から基端側に向かう途中までの区間に形成されている。つまり、芯体誘導溝329は、支持軸32の先端部から基端部に向けて延びる。芯体誘導溝329の内部には後述するリンク機構35の一部(被押圧部3543)が露出している。芯体誘導溝329は、外装部32oの先端部で、径方向視における幅寸法が先広がりに拡大されている(
図7及び
図8参照)。このため、芯体誘導溝329に対して芯体61の支持軸嵌合部613が円滑に導入され、収容される。つまり、支持軸嵌合部613は、支持軸32に対して芯体61が着脱される際に、芯体誘導溝329に案内される。
【0028】
図5、
図7、
図8に示すように、支持軸32(外装部32o)にはリンク機構35が設けられている。リンク機構35を単体で
図9に示す。リンク機構35は、ロックピン351、延長板352、コイルばね353、リンク体354を備える。
【0029】
ロックピン351は棒状である。本実施形態では丸棒状であり、支持軸32の軸方向に沿って直線状に延びている。ロックピン351は基端側で大径とされ、先端側で小径とされていて、段差3511を有している。ロックピン351は、支持軸32(外装部32o)における基端側において支持軸32の軸方向に延びる。ロックピン351は、支持軸32(外装部32o)において軸方向に移動可能とされている。この移動に伴い、支持軸32の端面(具体的には基端面)に対してロックピン351が出没する。
図7が突出した状態であり、
図8が没入した状態である。
【0030】
延長板352はロックピン351の先端部に接続されている。延長板352は支持軸32の周方向において平行な2列が支持軸32の軸方向に延びる。各列は帯状とされている。ロックピン351と延長板352は同一軸線上に形成されており、両者が一体の移動体(付番していない)として支持軸32(外装部32o)において軸方向に移動する。延長板352は、鋼板等の弾性を有する板状体で形成されている。延長板352の各列は先端部において互いに対向する方向に折り曲げられている。この折り曲げられた部分が装着表示部3521である。装着表示部3521には例えば着色がされている。延長板352は、支持軸32(外装部32o)において、支持軸32の軸方向に沿って移動可能とされている。延長板352が支持軸32の先端側に移動した際に、装着表示部3521が支持軸32の外部から視認できるよう、支持軸32(外装部32o)の先端面であって、延長板352の先端側延長位置には、空間を有する表示窓部32Aが設けられている。この表示窓部32Aに、着色された装着表示部3521が位置することで、ロックピン351が先端側に移動してロックピン係合部33から脱出し、支持軸32が回転可能になったことを作業者に報知できる。なお、表示窓部32Aは先細り形状とされていて、延長板352の2列に応じて分かれていた装着表示部3521が延長板352の先端方向への移動に伴い接近し、
図8に示すように、双方が当接して一つの面を形成した状態で、表示窓部32Aに視認可能に現れる。つまり装着表示部3521は、支持軸32の外部からは視認不可能な第1位置と支持軸32の外部から視認可能な第2位置とにわたって移動可能であり、第2位置に移動することで、芯体61が支持軸32の外周に装着されたことを表示する。芯体61が支持軸32の外周に装着されていない状態では、装着表示部3521が第1位置に位置する。芯体61が支持軸32の外周に装着された際には、作動部としての支持軸嵌合部613が移動操作部としてのリンク機構35を作動させることで、装着表示部3521が第2位置に移動して、芯体61が支持軸32の外周に装着されたことを表示する。
【0031】
ロックピン351における小径部分にはコイルばね353が設けられている。コイルばね353の先端はロックピン351の段差3511に当接し、基端は支持軸32(外装部32o)の本体に対して当接している。このため、段差を介してロックピン351を支持軸32の基端方向に付勢する。この付勢により、ロックピン351は通常、
図7に示すように支持軸32(外装部32o)から基端側に突出している。また、
図8に示すようにロックピン351が支持軸32(外装部32o)に没入した際、コイルばね353は圧縮する。
【0032】
リンク体354は、
図9に示すように、支持軸32の軸方向視で略円環状の本体部3541を有している。リンク体354は、図示状態にて上下方向の中央において、本体部3541から径外方向に突出する一対のリンク回動支軸3542を有している。このリンク回動支軸3542は支持軸32(外装部32o)の本体(外装部32oにおいてリンク機構35を除いた管状の部分)に支持される。このためリンク体354は、支持軸32(外装部32o)の本体に対して、
図9に矢印Rで示したように所定範囲で回動(揺動)可能に支持されている。なお、外装部32oの内周面には、周方向に延び、径内方向に開放された凹溝32Bが形成されており、凹溝32Bの有する空間内をリンク体354が回動する。このため、リンク体354は内側軸32iとは干渉しない。なお、支持軸32を一体構造とした場合には、支持軸32の内部に、リンク体354の回動を許容する空間が形成される。この空間は、被押圧部3543が貫通する部分以外は閉じた空間とできる。リンク体354の上端部は移動体(具体的には延長板352)に接続されている。この接続は回動可能な接続であって、リンク体354の回動に伴う移動体(本実施形態では延長板352)との角度変化に対応できる。リンク体354の下端部は外装部32oの本体を径方向に貫通して、芯体誘導溝329の内部における空間に突出している。この突出した部分が芯体61により作用される、被係合部としての被押圧部3543である。なお、本実施形態の「押圧」は「係合」の一態様例である。被押圧部3543は、支持軸32において先端部の位置から基端部側にずれた位置に位置する。図示のように、芯体61における支持軸嵌合部613(破線で示す)における端部(正規の装着方向では基端6131)に押されることで、リンク体354が回動する。被押圧部3543は、リンク回動支軸3542の軸線を挟んで移動体(具体的にはロックピン351)とは、径方向で反対側に設けられる。このため、被押圧部3543の移動方向と移動体(ロックピン351及び延長板352)の移動方向は逆になる。
【0033】
なお、本実施形態の包材供給部3において特記すべき機能に関係する、薬剤包装装置1と巻回体6の対応関係(詳しくは、包材供給部3と芯体61の組み合わせ)については後述する。
【0034】
−巻回体の芯体−
図5に示すように、巻回体6の芯体61は、径方向断面の形状が円形である管状である。芯体61の外周面に包材62が巻き重ねられる。芯体61の外径寸法は、軸方向において一定とされている。このため、外周面に段差が現れないので、包材62を、折り目をつけることなく巻回させられる。芯体61は、包材供給部3における支持軸32の外周に対し、軸方向へ移動されることで脱着(装着及び取り外し)される。芯体61は、支持軸32の周方向に位置合わせされて、支持軸32の外周に装着される。芯体61は、一端部及び他端部を有する。芯体61は、正規の向き(装着方向)として一端部側から支持軸32に装着される。芯体61は、支持軸32への装着の際における方向(正規の装着方向)での基端部に切欠部611を備える。切欠部611は、芯体61を支持軸32に装着した際に、支持軸32から径外方向に突出する包材切れ検知ピン323に対応する位置に設けられている(
図6参照)。切欠部611は、芯体61を径方向に貫通し、かつ、芯体61における基端に開口した空間を有する。この空間において包材切れ検知ピン323が支持軸32の軸方向に移動可能である。この移動は、巻回体6から包材62が引き出されて無くなった後になされる。ちなみに、この切欠部611は、巻回体6の方向を作業者が識別する際の手掛かりとして用いることもできる。
【0035】
図5及び
図6に示すように、芯体61の内周面は、軸方向において基端側及び先端側が大径とされており、中央側が小径とされたことにより、基端側及び先端側に段差部612が形成されている。このうち先端側の段差部612には、ずれ規制部(本実施形態では外側ずれ規制部327)が係合する。このため、芯体61が支持軸32に対して軸方向にずれることを防止でき、支持軸32に巻回体6を確実に装着できる。一方、外側ずれ規制部327はばね付勢されていることから、例えば支持軸32から芯体61を抜く際、このばねの付勢力に打ち勝つ力で芯体61を軸方向に移動させれば、芯体61は支持軸32に対して移動する。このため、支持軸32から芯体61を抜く際には特に支障なく作業できる。
【0036】
芯体61の内周面には、軸方向に延びる一連の凸条である支持軸嵌合部613が突出している。支持軸嵌合部613は芯体61における、管状である本体に一体に形成されている。換言すると、芯体61は、筒状に形成される芯本体と、芯本体に設けられる支持軸嵌合部613とを備える。支持軸嵌合部613は、軸方向に非対称に形成されている。具体的には、支持軸32に対する芯体61の正規の装着方向で、軸方向先端寄りに片寄っている(
図5参照)。つまり、支持軸32の方向基準において、芯体61の基端から支持軸嵌合部613の基端6131までの距離に比べ、芯体61の先端から支持軸嵌合部613の先端6132までの距離が小さい。よって、挿入部としての支持軸嵌合部613は、芯体61において前記一端部の位置から前記他端部側にずれた位置に位置する。
【0037】
芯体61は、例えば硬質樹脂から形成されている。このため、芯体61は包材62を使い切った後に再利用することで、多数回繰り返して使用することができる。これにより、例えば石油資源の節約に貢献できる。再利用は、薬剤包装装置1のユーザーから回収した使用済みの芯体61に対し、新たな包材62を巻回することによってなされる。再利用される芯体61への新たな包材62の巻回により、新たな巻回体6が製造されることになる。なお、回収を円滑に行うべく、ユーザーに対して引き渡す巻回体6のうち、芯体61の部分については貸与した形をとることにより、ユーザーが芯体61を返却するという形で芯体61の回収を促すことができる。
【0038】
前記使用済みの芯体61に対する新たな包材62の巻回は、例えば、芯体61の外径寸法よりも大きな内径寸法を有する別個の芯体(紙筒等)に新たな包材62を巻回することにより、あらかじめ製作された包材ロール(取換用巻回体)を、使用済みの芯体61に取り付ける手法で行ってもよい。この手法をとる場合、使用済みの芯体61と前記別個の芯体との間にゴムリング等のスペーサを介在させることで、芯体61の外径寸法と前記別個の芯体の内径寸法の差を調整することもできる。
【0039】
前記新たな巻回体6の製造は、巻回体6の供給者が行うこともできるし、巻回体6の供給者がユーザーに指示することにより、ユーザーが前記製造に係る作業を行うこともできる。後者の場合、使用済みの芯体61は回収されずにユーザーの手元に留め置かれることになる。巻回体6の供給者からユーザーへの前記指示は明示的であってもよいし、黙示的であってもよい。後者の黙示的な指示には、単に取換用巻回体をユーザーに譲渡する行為も含まれる。
【0040】
なお、本実施形態の芯体61につき、特記すべき機能に関係する、薬剤包装装置1と巻回体6の構成の対応関係(詳しくは、包材供給部3と芯体61の組み合わせ)については後述する。
【0041】
−装着作業容易化のための構成−
次に、支持軸32に対する巻回体6の装着作業を容易にするための、薬剤包装装置1及び巻回体6の組み合わせに係る構成について説明する。
【0042】
薬剤包装装置1における包材供給部3は、基台31に対する支持軸32の回転を規制するロック部(または回転規制部)と、ロック部による前記規制(回転規制)を解除する規制解除部を備える。ロック部は本実施形態のロックピン351及びロックピン係合部33が対応する。このロック部(ロックピン351及びロックピン係合部33)は、芯体61が支持軸32の外周に装着されていない状態では、基台31に対する支持軸32の回転を規制する。規制解除部は本実施形態のリンク体354が対応する。規制解除部は、芯体61の軸方向への移動により押圧される被押圧部3543を備える。本実施形態では、被押圧部3543はリンク体354における、
図9に示された方向で下部に形成されている。支持軸32は、軸方向に沿っていて被押圧部3543を有する凹部を備える。凹部は本実施形態の芯体誘導溝329が対応する。
【0043】
前記包材供給部3の構成に対応し、芯体61は解除作動部(または作動部)を備える。この解除作動部は、支持軸32に装着される際に包材供給部3の規制解除部を作動させることで、ロック部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による前記規制を解除する。解除作動部は、支持軸32に対する芯体61の軸方向の移動に応じて被押圧部3543を押圧する、係合部としての押圧部を備える。この押圧部は、芯体61の内周面から突出した突起に備えられる。解除作動部としての突起は、本実施形態の支持軸嵌合部613が対応する。押圧部は、本実施形態における支持軸嵌合部613の、支持軸32の方向基準における基端6131が対応する。解除作動部は、芯体61の内周部から内方に突出し、芯体誘導溝329に挿入される挿入部(支持軸嵌合部613)を備える。挿入部には前記押圧部が形成されている。芯体61が支持軸32の外周に装着された際には、解除作動部(支持軸嵌合部613)が規制解除部(リンク体354)を作動させることで、ロック部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による支持軸32の回転規制が解除される。
【0044】
ここで、従来の包材供給部3では、支持軸が自由に回転するため、巻回体を装着しようとする際に、巻回体を支持軸に対して位置合わせすべく周方向に回転させると、支持軸と巻回体とが共回りすることがあったため、例えば作業者が片手で支持軸を押さえつつ巻回体を回転させなければならず、巻回体の装着作業が煩雑であった。
【0045】
これに対し、前述のように構成された包材供給部3と芯体61の組み合わせにより、巻回体6が支持軸32に装着されていない状態では、ロックピン351が支持軸32の基端面から突出してロックピン係合部33に係合することで、支持軸32を回転しないようにロックする。これにより、支持軸32の回転が規制される。巻回体6の支持軸32の正規装着位置への装着が完了するまで、支持軸32は、周方向に回転不可能になっている。また、支持軸嵌合部613は、芯体61において一端部の位置から他端部側にずれた位置に位置する。このため、巻回体6を支持軸32に途中まで差し込んだ状態で、作業者が巻回体6と支持軸32とを周方向に位置合わせできる。そして、巻回体6が支持軸32に装着されると、押圧部である支持軸嵌合部613の基端6131がリンク体354の一部である被押圧部3543を押圧する。つまり押圧部は、支持軸32の先端部から基端部に向かう装着方向への芯体61の移動に伴って、被押圧部3543を装着方向に押圧する。これによりリンク機構35が作動し(具体的にはリンク体354が回動し)、ロックピン351が支持軸32の基端面に没入してロックピン係合部33から離れることで、支持軸32のロックが解除される。
【0046】
以上、本実施形態では、巻回体6が支持軸32に装着される際に、解除作動部(支持軸嵌合部613)が規制解除部(リンク体354)を作動させることでロック部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による規制を解除する。このため、巻回体6の支持軸32への装着が完了するまで、支持軸32を、周方向に回転不可能にできる。よって、巻回体6と支持軸32を周方向に位置合わせすることが容易である。また、押圧部(基端6131)が芯体61の軸方向の移動に応じて被押圧部3543を押圧することで規制解除部(リンク体354)を作動させられる。このため、ロック部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による規制を解除するための動作を単純にできる。また、凹部(芯体誘導溝329)と突起(支持軸嵌合部613)との組み合わせで規制解除部(リンク体354)を作動させられる。このため、ロック部(ロックピン351及びロックピン係合部33)による規制を解除するための構成が簡単である。
【0047】
従って、本実施形態によれば、支持軸32に対する巻回体6の装着作業を容易にできる。
【0048】
−逆方向装着防止のための構成−
次に、支持軸32に対して巻回体6を正規とは逆方向に装着してしまうことを防止するための、薬剤包装装置1及び巻回体6の組み合わせに係る構成について説明する。
【0049】
薬剤包装装置1における包材供給部3は装置側阻止部を備える。装置側阻止部は支持軸32に位置する。装置側阻止部は、巻回体6が正規の向きとは反対である非正規の向きで正規装着位置へ装着されることを阻止する。装置側阻止部は支持軸32の外周面に設けられる。この装置側阻止部は、支持軸32の軸方向に沿って設けられた凹部に備えられる。この凹部は、先端から基端側の途中まで形成された凹溝である。凹部及び凹溝は、本実施形態の芯体誘導溝329が対応する。また、装置側阻止部は、本実施形態の芯体誘導溝329にて、支持軸32の軸方向において行き止まりとなった基端部分である。つまり、芯体誘導溝329は、芯体61における支持軸嵌合部613が当接する被当接部が形成されている。支持軸嵌合部613において、被当接部に当接する部分が当接部である。被当接部は、支持軸32において基端部と先端部との間、具体的には基端部と先端部との間の中央部に位置する。また当接部は、芯体61において他端部寄りに位置する。
【0050】
前記包材供給部3の構成に対応し、芯体61は芯体側阻止部を備える。芯体側阻止部は、正規の向きとして芯体61の軸方向一端側を基台31に向かって支持軸32に装着しようとした際には、芯体誘導溝329において支持軸嵌合部613の基端6131が引っ掛からずに移動させられることから、正規装着位置までの軸方向の移動が許容される。つまり、芯体61が正規の向きとして一端部側から支持軸32に装着されるときは、芯体61は、支持軸32に対する正規装着位置までの移動が許容される。この装着の途中において、当接部を含む支持軸嵌合部613は被当接部に当接しない。一方、非正規の向きとして芯体61の軸方向他端側を基台31に向かって支持軸32に装着しようとした際には、芯体誘導溝329において支持軸嵌合部613の先端6132が引っ掛かってしまう(厳密には、被当接部である芯体誘導溝329の基端部分に当接部である先端6132が当接することで引っ掛かる)。このため、正規装着位置までの軸方向の移動が途中で阻止される。より詳しく述べると、芯体側阻止部は、芯体61の軸方向他端側を基台31に向かって支持軸32に装着しようとした際に、装置側阻止部に対して軸方向で当接することで、非正規の向きにおける移動が阻止される。つまり、芯体61が正規の向きとは反対の非正規の向きとして他端部側から支持軸32に装着されるときは、その途中において当接部が被当接部に当接することで、芯体61は、支持軸32に対する正規の装着位置までの移動が途中で阻止される。このために芯体61は、内周面から突出しており芯体側阻止部を有する突起を備える。突起は、軸方向に連続して形成され凹溝である芯体誘導溝329に対して嵌合する凸条である。この突起及び凸条は、本実施形態における支持軸嵌合部613が対応する。また、芯体側阻止部は、本実施形態における支持軸嵌合部613の先端6132が対応する。この突起(支持軸嵌合部613)において、巻回体6が正規の向きである場合、つまり芯体61が
図5に示す方向である場合に基台31側となる第1端部は、正規装着位置に至るまでは装置側阻止部に当接しない。一方、第1端部とは軸方向で反対側の第2端部は、正規装着位置に至るまでに装置側阻止部に当接する。また、巻回体6が正規の向きである場合に基台31側となる端縁から第1端部までの距離に比べ、芯体61における軸方向で反対側の端縁から前記第2端部までの距離が小さい。第1端部は、本実施形態における支持軸嵌合部613の、支持軸32の方向基準における基端6131が対応する。第2端部は、本実施形態における支持軸嵌合部613の、支持軸32の方向基準における先端6132が対応する。第2端部(先端6132)は逆装着防止部として機能し、第1端部(基端6131)に対して、芯体61の周方向に関して同一の位置に設けられ、軸方向に関して逆側の位置に設けられる。
【0051】
ここで従来、支持軸に対して巻回体を正規とは逆方向に装着してしまうことの防止を、装置側では格別対処しておらず、取扱説明書等において巻回体の正しい向きでの装着を作業者に喚起させる程度であった。
【0052】
これに対し、前述のように構成された包材供給部3と芯体61の組み合わせにより、巻回体6を支持軸32に対して逆に装着しようとすると、第2端部である支持軸嵌合部613の先端6132が、装置側阻止部である芯体誘導溝329の基端部分に当接する。このため、巻回体6を途中までしか差し込めない。このため、逆装着の場合には、支持軸32の正規装着位置への装着を完了させられない。また、本実施形態では、支持軸32に対する芯体61の装着方向に一致した方向で逆装着を防止できる。また、被当接部は、支持軸32において基端部と先端部との間の中央部に位置し、当接部は、芯体61において他端部寄りに位置するので、芯体61が非正規の向きで支持軸32に装着されるときは、その途中における早い段階で、当接部が被当接部に当接し、支持軸32に対する芯体61の移動が阻止される。したがって作業者は、支持軸32に対して芯体61を非正規の向きで装着しようとしていることを、より確実に把握することができる。また、支持軸32が備える凹部(芯体誘導溝329)と、芯体61が備える第1端部(基端6131)及び反対側の第2端部(先端6132)を備えた突起(支持軸嵌合部613)とが組み合わされる。また、凸条(支持軸嵌合部613)の、芯体61における端縁からの距離の大小で第1端部(基端6131)及び第2端部(先端6132)を形成できる。このため、簡単な構成で逆装着を防止できる。
【0053】
従って、本実施形態によれば、支持軸32に対して巻回体6を正規とは逆方向に装着してしまうことを防止できる。
【0054】
−正規位置の装着確認のための構成−
次に、巻回体6が確実に装着されているか否かを作業者が容易に確認できるための、薬剤包装装置1及び巻回体6の組み合わせに係る構成について説明する。
【0055】
薬剤包装装置1における包材供給部3は、被押圧部3543と装着報知部を備える。被押圧部3543は、支持軸32に設けられる。被押圧部3543は、巻回体6の、支持軸32に装着する際の軸方向への移動に伴って移動させられる。装着報知部は、被押圧部3543の移動に伴い状態変化する。これにより、支持軸32の正規装着位置に巻回体6が装着されたことを作業者に報知する。装着報知部は支持軸32に位置している。装着報知部は、巻回体6を装着する際の被押圧部3543の移動と連動して作業者から視認可能な位置へ先端部が移動する長尺体に設けられている。長尺体は、本実施形態におけるリンク機構35の延長板352が対応する。装着報知部は、前記支持軸32の、巻回体6を支持軸32に取り付ける際の移動方向を基準とした手前側(つまり支持軸32の先端側)の端面に位置する。また装着報知部は、長尺体の、支持軸32の方向基準における先端に位置する。装着報知部は、本実施形態における延長板352の端部に形成された装着表示部3521が対応する。また、装着表示部3521を移動操作する移動操作部としてのリンク機構35は被押圧部3543を備える。
【0056】
前記包材供給部3の構成に対応し、芯体61は、支持軸32に対する芯体61の軸方向の移動に応じて包材供給部3の被押圧部3543を押圧する押圧部を備える。押圧部は、芯体61の内周面から突出した突起である。押圧部は、本実施形態における支持軸嵌合部613(特に基端6131を含む部分)が対応する。押圧部は、包材供給部3における装着報知部の長尺体(延長板352)を長手方向に移動させるべく被押圧部3543を押圧する。押圧部は、芯体61の軸方向中央よりも、巻回体6を装着する際の移動方向を基準とした手前側(つまり支持軸32の先端側)に位置する。
【0057】
ここで、従来の包材供給部では、支持軸に巻回体の装着目安のラインが描かれていたが、作業者が確認しにくかった点で改善の余地があった。
【0058】
これに対し、前述のように構成された包材供給部3と芯体61の組み合わせにより、包材供給部3の被押圧部3543が芯体61の押圧部(支持軸嵌合部613)に押圧されると、それに連動して、装着表示部3521が、支持軸32の外部から視認可能な位置に移動する(具体的には支持軸32の表示窓部32Aに、着色された装着表示部3521が視認可能なように位置する)。つまり、装着表示部3521は、被押圧部3543に対して連動するように接続されている。
【0059】
また、被係合部(被押圧部3543)が芯体61の係合部(支持軸嵌合部613の基端6131)に係合されると、それに連動して、装着報知部(装着表示部3521)が、支持軸32の外部から視認可能な位置に移動する。また、係合部(基端6131)を突起とすることで、支持軸32の正規装着位置に巻回体6が装着されたことを作業者に報知する構成を簡単にできる。また、装着報知部(装着表示部3521)が支持軸32に位置する長尺体(延長板352)に設けられ、係合部(基端6131)が長尺体(延長板352)を長手方向に移動させるように構成されるため、装着報知部(装着表示部3521)が巻回体6の装着位置の近くに位置することから、作業者が視認しやすい。そして、作業者への報知を機械的に行うことができるので、電気回路等が不要である。また、装着報知部(装着表示部3521)が支持軸32の手前側の端面に位置することから、作業者が視認しやすい。そして、巻回体6を装着する際の移動方向で係合部(基端6131)が被係合部(被押圧部3543)を押圧することで、装着報知部(装着表示部3521)を作業者から視認可能な位置へ移動させるための構成を簡単にできる。
【0060】
従って、本実施形態によれば、巻回体6が確実に装着されているか否かを作業者が容易に確認できる。
【0061】
−その他の形態の例示−
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0062】
例えば芯体61が備える支持軸嵌合部613は、前記実施形態のように一連の形態ではなく、軸方向に断続的に形成された形態であってもよい。
【0063】
また、前記実施形態では係合部は押圧部とされており、被係合部は被押圧部とされていた。しかし、これに限定されず、芯体61の軸方向の移動に応じて係合がなされる構成であれば、係合態様は押圧に限定されない。例えば、爪状体による引っ掛けによる係合や、引出しにより係合であってもよい。
【0064】
また、前記実施形態の支持軸嵌合部613は芯体61における、管状である本体に一体に形成されていた。しかし、これに限定されず、支持軸嵌合部613を単独の部材として形成することもできる。この場合、例えば芯体61の内周面に凹部を形成しておき、この凹部に単独形成された支持軸嵌合部613を嵌合することで、支持軸嵌合部613付きの芯体61を形成できる。
【0065】
また、装着報知部は、前記実施形態では支持軸32に設けられていた。しかし、薬剤包装装置1において支持軸32以外に設けられていてもよい。また前記実施形態では、装着報知部の状態変化が機械的に視覚的な報知態様(表示)の変更であったが、電気的な状態変化であってもよい。例えば、装着報知部がランプであって、ランプの点灯により報知を行ったり、装着報知部が発音機構であって、報知チャイム音により報知を行ったり(聴覚的な報知態様)もできる。
【解決手段】長尺シート状の包材を用いて薬剤を包装する薬剤包装装置に用いられる巻回体であって、前記薬剤包装装置は巻回体を支持する支持軸32と、視認不可能な第1位置と視認可能な第2位置とにわたって移動可能であり、第2位置に移動することで、巻回体が支持軸32に装着されたことを表示する装着表示部3521と、装着表示部3521を移動操作する移動操作部35と、を備え、前記巻回体は、筒状で支持軸32の外周に装着される芯本体61と、芯本体61に設けられ、移動操作部35を作動させる作動部613を備え、芯本体61が支持軸32に装着されていない状態では、装着表示部3521が第1位置に位置し、芯本体61が支持軸32に装着された際には、作動部613が移動操作部35を作動させることで、装着表示部3521が第2位置に移動する。