特許第6644232号(P6644232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644232
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20200130BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20200130BHJP
【FI】
   G06F3/0481 150
   G06F3/0484 150
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-151725(P2019-151725)
(22)【出願日】2019年8月22日
(62)【分割の表示】特願2019-72660(P2019-72660)の分割
【原出願日】2019年4月5日
【審査請求日】2019年8月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518136084
【氏名又は名称】MIL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】特許業務法人 iPLAB Startups
(72)【発明者】
【氏名】光岡 敦
(72)【発明者】
【氏名】大城 真吾
【審査官】 木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−012420(JP,A)
【文献】 特開2016−136221(JP,A)
【文献】 特開2018−026104(JP,A)
【文献】 特開2014−183380(JP,A)
【文献】 実践講座 Google Practice course Web searching,Mr.PC Vol.6,日本,株式会社晋遊舎,2009年12月 1日,第6巻,p.101
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 − 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パノラマ画像の一部領域を画面に表示させる表示部と、
前記画面上で点の指定を受け付け、指定された前記点を中心とする特定領域を決定する受付部と、
前記特定領域に対してタグ情報を付加する設定部と、
を備え、
前記表示部は、前記受付部が前記点の指定を受け付けたことに応じて、当該点と対応する前記パノラマ画像の位置を、前記画面の中心部に移動させる、
ことを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記パノラマ画像は、パノラマ動画の1フレームであって、
前記受付部は、前記パノラマ動画中の開始フレームと終了フレームを指定する操作を受け付け、
前記設定部は、前記指定された開始フレームから終了フレームにおいて、前記パノラマ動画内で前記特定領域を設定する、
ことを特徴とする請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記受付部は、前記画面上で前記開始フレームにおける前記点の指定を受け付け当該画面上における第1特定領域を設定し前記画面上で前記終了フレームにおける前記点の指定を受け付け当該画面上における第2特定領域を設定し、
前記設定部は、前記開始フレームから前記終了フレームの間のフレームにおいて、前記パノラマ動画内の第1特定領域から、当該パノラマ動画内の第2特定領域に、前記特定領域を移動させることを設定する、
ことを特徴とする請求項に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項4】
コンピュータを、
パノラマ画像の一部領域を画面に表示させる表示手段、
前記画面上で点の指定を受け付けし、指定された前記点を中心とする特定領域を決定する受付手段、および
前記特定領域に対してタグ情報を付加する設定手段、
として機能させ、
前記表示手段は、前記受付手段が前記点の指定を受け付けたことに応じて、当該点と対応する前記パノラマ画像の位置を、前記画面の中心部に移動させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ提供システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パノラマ画像やパノラマ動画の一部領域を画面に表示(再生)する技術が知られている。このパノラマ画像としては、全天球カメラや半天球カメラで撮影された360°画像や360°動画などが挙げられ、概念的には全球体や半球体の内側に投影された画像(映像)の一部領域を画面に表示するものである。例えば、特許文献1では、パノラマ動画に種々の情報を付加して表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−183380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術において、パノラマ画像の一部領域が平面的な画面に表示された場合、画面の中心から離れるほど歪みが大きくなる。図14は、パノラマ画像の一部領域を画面に表示した場合の歪みを示す概念図である。ここで、パノラマ画像に情報を付加するコンテンツ作成者は、パノラマ画像の一部領域が画面に表示された状態で、情報を付加したいパノラマ画像の特定領域に対応する画面上の特定範囲(例えば四角形、円などの図形)を指定することになる。しかしながら、コンテンツ作成者が画面の中心から離れた範囲を指定した場合、この歪みによって、指定した特定範囲と対応するパノラマ画像の特定領域に誤差が生じてしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、コンテンツ作成者が指定した特定範囲と対応するパノラマ画像内の特定領域とに生じる誤差を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、パノラマ画像の一部領域を画面に表示させる表示部と、前記画面上で選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における特定範囲の選択を受け付ける受付部と、前記選択された特定範囲と対応する前記パノラマ画像内の特定領域を、インタラクティブ領域として設定する設定部と、を備え、前記表示部は、前記受付部が前記選択開始点を指定する操作を受け付けたことに応じて、当該選択開始点と対応する前記パノラマ画像の位置を、前記画面の中心部に移動させる、こととする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンテンツ作成者が指定した特定範囲と対応するパノラマ画像内の特定領域に生じる誤差を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るコンテンツ提供システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ1のハードウェア構成例を示す図である。
図3】コンテンツ作成者端末2のハードウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。
図5】コンテンツ情報の構成例を示す図である。
図6】管理サーバ1の各機能部により実行される処理の流れの例について説明する図である。
図7】コンテンツ作成者がタグを付加する前のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。
図8】タグを追加する項目が示されたコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。
図9】開始フレームにおける選択開始点を指定する前のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。
図10図9のカーソルCの位置で開始フレームにおける選択開始点が指定された後のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。
図11】終了フレームにおける選択開始点を指定する前のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。
図12】終了フレームにおける選択開始点が指定された後のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。
図13】ユーザ端末3の画面に表示されるコンテンツ(タグ情報が付加されたパノラマ動画)の一例を示す図である。
図14】パノラマ画像の一部領域を画面に表示した場合の歪みを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態によるコンテンツ提供システム及びプログラムは、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
パノラマ画像の一部領域を画面に表示させる表示部と、
前記画面上で選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における特定範囲の選択を受け付ける受付部と、
前記選択された特定範囲と対応する前記パノラマ画像内の特定領域を、インタラクティブ領域として設定する設定部と、
を備え、
前記表示部は、前記受付部が前記選択開始点を指定する操作を受け付けたことに応じて、当該選択開始点と対応する前記パノラマ画像の位置を、前記画面の中心部に移動させる、
ことを特徴とするコンテンツ提供システム。
[項目2]
前記設定部は、前記インタラクティブ領域に対してタグ情報を付加する、
ことを特徴とする項目1に記載のコンテンツ提供システム。
[項目3]
前記タグ情報には、外部リンク、パノラマ画像内リンク、電話リンク、ポップアップ、クーポン及び送信フォームの少なくとも何れかが関連付けされている、
ことを特徴とする項目2に記載のコンテンツ提供システム。
[項目4]
前記パノラマ画像は、パノラマ動画の1フレームであって、
前記受付部は、前記インタラクティブ領域を有効にする開始フレームと終了フレームを指定する操作をコンテンツ作成者から受け付け、
前記設定部は、前記指定された開始フレームから終了フレームにおいて、前記パノラマ動画内で前記インタラクティブ領域を有効にすることを設定する、
ことを特徴とする項目1乃至3の何れか1項に記載のコンテンツ提供システム。
[項目5]
前記受付部は、前記画面上で前記開始フレームにおける選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における第1特定範囲の選択を受け付け、更に、前記画面上で前記終了フレームにおける選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における第2特定範囲の選択を受け付け、
前記設定部は、前記開始フレームから終了フレームにおいて、前記第1特定範囲と対応する前記パノラマ動画内の第1特定領域から、前記第2特定範囲と対応する当該パノラマ動画内の第2特定領域に、前記インタラクティブ領域を移動させることを設定する、
ことを特徴とする項目4に記載のコンテンツ提供システム。
[項目6]
コンピュータを、
パノラマ画像の一部領域を画面に表示させる表示手段、
前記画面上で選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における特定範囲の選択を受け付ける受付手段、
前記選択された特定範囲と対応する前記パノラマ画像内の特定領域を、インタラクティブ領域として設定する設定手段、
として機能させ、
前記表示手段は、前記受付手段が前記選択開始点を指定する操作を受け付けたことに応じて、当該選択開始点と対応する前記パノラマ画像の位置を、前記画面の中心部に移動させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0012】
図1は、本実施形態に係るコンテンツ提供システムの全体構成例を示す図である。本実施形態のコンテンツ提供システムは、情報処理装置としての管理サーバ1、コンテンツ作成者端末2、及びユーザ端末3を含んで構成される。管理サーバ1は、通信ネットワーク4を介して、一又は複数のコンテンツ作成者端末2、一又は複数のユーザ端末3と通信可能に接続される。通信ネットワーク4は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
管理サーバ1は、コンテンツ作成者によって作成されたコンテンツをユーザに提供する情報処理装置(コンピュータ)である。このコンテンツとしては、例えばパノラマ画像やパノラマ動画にタグ情報が付加されたデータが挙げられる。このタグ情報は、パノラマ画像やパノラマ動画の特定領域(インタラクティブ領域)に紐付けられており、このタグがユーザから選択された場合のアクションの種類が関連付けされている。このアクションとしては、外部リンク、パノラマ画像内リンク(又はパノラマ動画内リンク)、電話リンク、ポップアップ、クーポンが挙げられる。管理サーバ1は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、クラウドコンピューティングによる仮想的なコンピュータである。管理サーバ1は、プログラムを実行して、その結果をコンテンツ作成者端末2に送信し、出力させることでコンテンツ作成者端末2にコンテンツを作成させる。このプログラムは、コンテンツ作成者端末2と管理サーバ1が協働して実行されてもよい。
管理サーバ1は、例えばコンテンツ作成者によって作成されたコンテンツをコンテンツ利用者端末2から受信した後、当該コンテンツを記憶部に格納する。続いて、管理サーバ1は、ユーザからコンテンツの配信要求を受信すると、記憶部に格納されたコンテンツをユーザ端末3に送信する。管理サーバ1は、いわゆるWebアプリケーションとしてこれらの機能を実行することを想定する。
【0014】
コンテンツ作成者端末2は、コンテンツ作成者が操作する例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置(コンピュータ)である。コンテンツ作成者端末2は、パノラマ画像の一部領域を画面に表示し、コンテンツ作成者からの画面上で選択開始点と選択終了点を指定する操作を受け付ける。続いて、コンテンツ作成者端末2は、選択開始点と選択終了点によって特定される特定範囲と対応するパノラマ画像の特定領域を、タグ情報を付加するインタラクティブ領域として設定する。ここで、コンテンツ作成者端末2は、選択開始点を指定する操作をコンテンツ作成者から受け付けたことに応じて、当該選択開始点に対応するパノラマ画像の位置を、画面の中心部に移動させる。続いて、コンテンツ作成者端末2は、管理サーバ1にタグ情報が付加されたコンテンツ(データ)を送信する。コンテンツ作成者端末2には、例えば、本実施形態に係るコンテンツ提供システムに対応する専用アプリケーションソフトがインストールされていてもよい。なお、コンテンツ作成者端末2は、管理サーバ1からプログラムをダウンロードして自ら実行することで、コンテンツ作成者にコンテンツを作成させてもよい。
【0015】
ユーザ端末3は、コンテンツを視聴するユーザが操作する例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置(コンピュータ)である。ユーザ端末3は、コンテンツ作成者によって作成されたコンテンツ(例えばタグ情報が付加されたパノラマ動画)を管理サーバ1から受信し、画面に表示させる。ユーザは、例えばユーザ端末3の画面に表示されたパノラマ動画内の特定領域に設定されたタグを選択すると、外部リンク(ウェブサイト)やパノラマ画像内リンク(又はパノラマ動画内リンク)、電話リンクなどに遷移したり、ポップアップ(例えば広告や商品の詳細説明)やクーポンが表示されたりする。ユーザ端末3には、例えば、本実施形態に係るコンテンツ提供システムに対応する専用アプリケーションソフトがインストールされていてもよい。なお、ユーザ端末3は、管理サーバ1及びコンテンツ作成者端末2によって作成されたコンテンツを、管理サーバ1ではなく、別のサーバ(例えば広告を提供する企業が管理するサーバ)から受信してもよい。
【0016】
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成例を示す図である。管理サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。制御部10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(図示せず)がストレージ12に構築されていてもよい。送受信部13は、管理サーバ1を通信ネットワーク4に接続する機能を有しており、例えばBluetooth(登録商標)やWi−Fi(登録商標)などの近距離通信インターフェースを備えていてもよい。入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器であって、タッチパネルでもよい。バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0017】
図3は、コンテンツ作成者端末2のハードウェア構成例を示す図である。コンテンツ作成者端末2は、少なくとも、制御部20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。制御部20は、コンテンツ作成者端末2全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。メモリ21は、上述した揮発性記憶装置で構成される主記憶と、上述した不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。ストレージ22は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。送受信部23は、コンテンツ作成者端末2を通信ネットワーク4に接続する機能を有しており、例えば上述した近距離通信インターフェースや、移動体通信網と接続する通信インターフェースを備えている。入出力部24は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器であって、タッチパネルでもよい。バス25は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0018】
図4は、管理サーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ1は、機能部(機能手段)として、表示部111、受付部112、設定部113を備え、記憶部(記憶手段)として、コンテンツ記憶部151を備える。なお、機能部は、管理サーバ1が備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現される。また、記憶部は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。
【0019】
コンテンツ記憶部151は、コンテンツを視聴するユーザに提供するコンテンツに関する情報(以下、コンテンツ情報という。)を記憶する。図5は、コンテンツ情報の構成例を示す図である。
【0020】
図5に示すように、コンテンツ情報には、後述する設定部113によってパノラマ動画に付加されたタグ情報が含まれている。パノラマ動画データとタグ情報は、コンテンツIDに紐付けて記憶されている。パノラマ動画データには、全天球カメラや、半天球カメラで撮影された360°動画のデータが記憶されている。タグ情報は、見出しタイトル、種類、第1特定領域と開始フレーム、第2特定領域と終了フレーム、アクションとリンク等がタグIDに紐付けて記憶されている。見出しタイトルは、タグの見出しであって、インタラクティブ領域に表示されるテキストである。種類は、タグの種類であって、固定タグ、軌跡タグ、360°固定タグ、360°軌跡タグなどの種類がある。固定タグは、動画が表示される画面の特定範囲にタグが固定されることを意味する。軌跡タグは、動画が表示される画面の開始フレームにおける特定範囲(第1特定範囲)から終了フレームにおける特定範囲(第2特定範囲)にタグが移動することを意味する。360°固定タグは、パノラマ動画内の特定領域にタグが固定されることを意味する。360°軌跡は、パノラマ動画内の開始フレームにおける特定領域(第1特定領域)から終了フレームにおける特定領域(第2特定領域)にタグが移動することを意味する。第1特定領域は、開始フレームにおけるパノラマ動画内の領域を示す情報である。第2特定領域は、終了フレームにおけるパノラマ動画内の領域を示す情報である。このパノラマ動画の座標位置は、例えば球体の内側の位置を示す緯度/経度を用いて、それぞれが0〜360の値によって示される。開始フレームは、パノラマ動画の再生フレーム数のうち、タグの表示が開始される(タグの有効化を開始する)フレームである。終了フレームは、パノラマ動画の再生フレーム数のうち、タグの表示が終了する(タグの有効化を終了する)フレームである。ここで、例えばタグの種類が「360°軌跡」である場合、開始フレームから終了フレームにおいて、タグはパノラマ動画内の第1特定領域から第2特定領域に移動する。アクション(タグアクション)は、パノラマ動画を視聴するユーザからタグを選択された場合に表示される外部リンクや、動画内リンク、電話リンク、ポップアップ、クーポン等が含まれる。外部リンクは、例えばURLがリンク情報として含まれ、この外部リンクが関連付けられたタグをユーザが選択した場合、リンク情報に含まれるURLに対応するウェブページが表示される。動画内リンクは、例えばパノラマ動画内の他の座標位置(緯度/経度)がリンク情報として含まれ、この動画内リンクが関連付けられたタグをユーザが選択した場合、リンク情報に含まれる他の座標位置が画面の中心となるように表示が切り替わる。電話リンクは、例えば電話番号情報がリンク情報として含まれ、この電話リンクが関連付けられたタグをユーザが選択した場合、リンク情報に含まれる電話番号に電話をかけるアプリケーションが起動する。ポップアップは、例えば画像データがリンク情報として含まれ、このポップアップが関連付けられたタグをユーザが選択した場合、リンク情報に含まれる画像データがポップアップにより表示される。クーポンは、例えばクーポンコードを含む画像データがリンク情報として含まれ、このクーポンが関連付けられたタグをユーザが選択した場合、リンク情報に含まれるクーポンコードを含む画像データが表示される。
【0021】
表示部111は、パノラマ画像(又はパノラマ動画)の一部領域をコンテンツ作成者端末2の画面に表示させる。また、表示部111は、受付部112が選択開始点を指定する操作を受け付けたことに応じて、当該選択開始点に対応するパノラマ画像の位置(座標位置)を、画面の中心部に移動させる。これにより、コンテンツ作成者は、パノラマ画像の歪みが少ない部分で特定範囲を選択することができるため、この指定された特定範囲と対応するパノラマ画像の特定領域とに生じる誤差を減少させることができる。
【0022】
受付部112は、コンテンツ作成者端末2の画面上で選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における特定範囲を受け付ける。また、受付部112は、パノラマ動画内のインタラクティブ領域を有効にする開始フレームと終了フレームを指定する操作をコンテンツ作成者から受け付ける。また、受付部112は、コンテンツ作成者端末2の画面上で開始フレームにおける選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における第1特定範囲の選択を受け付け、更に、当該画面上で終了フレームにおける選択開始点と選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作によって、当該画面上における第2特定範囲の選択を受け付ける。
【0023】
設定部113は、コンテンツ記憶部151にコンテンツに関する各種情報を設定(記憶)する。本実施形態では、設定部113は、コンテンツ作成者によって選択された特定範囲と対応するパノラマ画像内(又はパノラマ動画内)の特定領域を、インタラクティブ領域として設定する。また、設定部113は、インタラクティブ領域に対してタグ情報を付加する。このタグ情報には、外部リンク、パノラマ画像内リンク(又はパノラマ動画内リンク)、電話リンク、ポップアップ、クーポン、送信フォームの少なくとも何れかが関連付けされている。また、設定部113は、コンテンツ作成者から指定された開始フレームから終了フレームにおいて、パノラマ動画内でインタラクティブ領域(タグ)を有効にすることを設定する。また、設定部113は、開始フレームから終了フレームにおいて、第1特定範囲に対応するパノラマ動画内の第1特定領域から、第2特定範囲に対応するパノラマ動画内の第2特定領域に、インタラクティブ領域を移動させることを設定する。
【0024】
図6は、管理サーバ1の各機能部により実行される処理の流れの例について説明する図である。この処理は、例えばコンテンツ作成者がコンテンツ作成者端末2を介して管理サーバ1にアクセスし、コンテンツ作成者端末2に記憶されているパノラマ動画を編集するメニューを選択した場合に開始される。
【0025】
(ステップS301)
表示部111は、コンテンツ作成者端末2の画面に、パノラマ動画の一部領域を含むコンテンツ編集画面を表示する。このコンテンツ編集画面において、コンテンツ作成者は、パノラマ動画の特定領域(インタラクティブ領域)に対して、タグを付加(追加)することができる。図7は、コンテンツ作成者がタグを付加する前のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。コンテンツ編集画面300には、動画表示枠301と、タグ設定枠302が設けられている。例えば、コンテンツ作成者は、マウスカーソルを動画表示枠301の上に置いて任意の方向にドラッグ操作することで、動画表示枠301に表示されるパノラマ動画の一部領域を移動させ、360°の画像(例えば部屋の全体)を確認することができる。タグ設定枠302は、コンテンツ作成者によってタグに関する情報の指定が行われる枠である。そして、処理は、ステップS302の処理に移行する。
【0026】
(ステップS302)
受付部112は、コンテンツ作成者から上記タグ設定枠302においてタグを追加する操作を受け付ける。なお、受付部112は、動画表示枠301でパノラマ動画が一時停止されている場合に、タグを追加する操作を受け付ける。図8は、タグを追加する項目が示されたコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。コンテンツ作成者は、タグ設定枠302において、タグの見出しタイトル、タグの種類、タグアクション等を指定することができる。本実施形態では、タグの種類に「360°軌跡タグ」が指定されたこととする。そして、処理は、ステップS303の処理に移行する。
【0027】
(ステップS303)
受付部112は、コンテンツ作成者から上記タグ設定枠302上で、開始フレームの値を指定する操作を受け付ける。なお、コンテンツ作成者によって開始フレームの値が指定されると、動画表示枠301には指定された値のフレームのパノラマ画像(パノラマ動画の1フレーム)が表示される。この開始フレームとは、タグを付加するインタラクティブ領域の有効化を開始するフレームのことである。すなわち、開始フレームより前のフレームには、タグが表示されない。続いて、受付部112は、コンテンツ作成者から上記タグ設定枠302上で、開始フレームにおけるパノラマ動画内の領域指定を開始するためのボタンの押下を受け付ける。そして、処理は、ステップS304の処理に移行する。
【0028】
(ステップS304)
受付部112は、上記動画表示枠301上で開始フレームにおける選択開始点を指定するコンテンツ作成者の操作を受け付ける。図9は、開始フレームにおける選択開始点を指定する前のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。動画表示枠301には、選択開始点を指定するためのカーソルCが表示され、コンテンツ作成者はカーソルCを動画表示枠301上で任意に移動操作させ、例えばマウスの左クリックを行う(ドラッグ操作を開始する)ことで選択開始点を指定することができる。そして、処理は、ステップS305の処理に移行する。
【0029】
(ステップS305)
表示部111は、選択開始点が指定された上記動画表示枠301上の座標位置と対応するパノラマ画像内の座標位置(位置)を画面の中心部に移動させる。具体的には、表示部111は、選択開始点が指定された上記動画表示枠301上の座標位置(X/Y座標)をパノラマ画像の座標位置(緯度/経度)に変換し、当該変換したパノラマ画像の座標位置が動画表示枠301上の中心部に位置するように、パノラマ画像の一部領域を移動させる。図10は、図9のカーソルCの位置で開始フレームにおける選択開始点が指定された後のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。ここで、図10におけるコンテンツ編集画面300には、選択範囲303が新たに設けられる。選択範囲303は、動画表示枠301上の中心部に表示され、パノラマ動画内の特定領域(インタラクティブ領域)を指定するために用いられる。この選択範囲303は、例えばコンテンツ作成者によってマウスのドラッグ操作が行われることにより、大きさが変わる。なお、同図におけるコンテンツ編集画面300では、動画表示枠301上のカーソルCを選択開始点が指定された位置から移動させていないが、動画表示枠301においてパノラマ画像の一部領域を移動させた際に、カーソルCの位置を動画表示枠301の中心部に移動させてもよい。そして、処理は、ステップS306の処理に移行する。
【0030】
(ステップS306)
受付部112は、上記動画表示枠301上で開始フレームにおける選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作を受け付ける。具体的には、受付部112は、コンテンツ作成者が例えばマウスのドラッグ操作を終了した(左クリックを離した)ことにより、選択範囲303の選択を受け付ける。そして、処理は、ステップS307の処理に移行する。
【0031】
(ステップS307)
受付部112は、コンテンツ作成者から上記タグ設定枠302上で、終了フレームの値を指定する操作を受け付ける。なお、コンテンツ作成者によって終了フレームの値が指定されると、動画表示枠301には指定された値のフレームのパノラマ画像(パノラマ動画の1フレーム)が表示される。この終了フレームとは、タグを付加するインタラクティブ領域の有効化を終了するフレームのことである。すなわち、終了フレームより後のフレームには、タグが表示されない。続いて、受付部112は、終了フレームにおけるパノラマ動画内の領域指定を開始するためのボタンの押下を受け付ける。そして、処理は、ステップS308の処理に移行する。
【0032】
(ステップS308)
受付部112は、上記動画表示枠301上で終了フレームにおける選択開始点を指定するコンテンツ作成者の操作を受け付ける。図11は、終了フレームにおける選択開始点を指定する前のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。選択開始点の指定については、上述したステップS304の処理と同様であるので、説明を省略する。そして、処理は、ステップS309の処理に移行する。
【0033】
(ステップS309)
表示部111は、上述したステップS305の処理と同様、選択開始点が指定された上記動画表示枠301上の座標位置と対応するパノラマ画像内の座標位置(位置)を画面の中心部に移動させる。図12は、終了フレームにおける選択開始点が指定された後のコンテンツ編集画面300の一例を示す図である。そして、処理は、ステップS310の処理に移行する。
【0034】
(ステップS310)
受付部112は、上述したステップS306の処理と同様、上記動画表示枠301上で終了フレームにおける選択終了点を指定するコンテンツ作成者の操作を受け付け、選択範囲303の選択を受け付ける。そして、処理は、ステップS311の処理に移行する。
【0035】
(ステップS311)
設定部113は、パノラマ動画のデータや、コンテンツ作成者がタグ設定枠302で指定したタグ情報等をコンテンツ記憶部151に設定(記憶)する。すなわち、設定部113は、パノラマ動画のデータとともに、タグの見出しタイトル、タグの種類、第1特定領域、開始フレーム、第2特定領域、終了フレーム、タグアクションをタグIDに紐づけてコンテンツ記憶部151に記憶する。ここで、設定部113は、上記ステップS306で選択された選択範囲303を第1特定範囲とし、この第1特定範囲と対応するパノラマ画像内の領域を第1特定領域とする。具体的には、設定部113は、第1特定範囲の座標範囲(X/Y座標)をパノラマ画像の座標範囲(緯度/経度)に変換し、当該変換したパノラマ画像の座標範囲を、開始フレームにおけるタグ情報を付加する第1特定領域(インタラクティブ領域)として設定する。また、設定部113は、上記ステップS310で選択された選択範囲303を第2特定範囲とし、この第2特定範囲と対応するパノラマ画像内の領域を第2特定領域とする。具体的には、設定部113は、第2特定範囲の座標範囲(X/Y座標)をパノラマ画像の座標範囲(緯度/経度)に変換し、当該変換したパノラマ画像の座標範囲を、終了フレームにおけるタグ情報を付加する第2特定領域(インタラクティブ領域)として設定する。そして、処理は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0036】
このように、コンテンツ作成者によって作成されたコンテンツは、管理サーバ1のコンテンツ記憶部151に記憶される。そして、管理サーバ1は、ユーザ端末3から或るコンテンツ(タグ情報が付加されたパノラマ動画)を視聴する要求があったことに応じて、ユーザ端末3にコンテンツ記憶部151に記憶されたコンテンツに関するデータを送信し、ユーザ端末3の画面にコンテンツを表示させる。図13は、ユーザ端末3の画面に表示されるコンテンツ(タグ情報が付加されたパノラマ動画)の一例を示す図である。同図の破線矢印は、パノラマ動画が再生されることにより、タグが開始フレームにおける第1特定領域から終了フレームにおける第2特定領域に移動することを示している。ここで、ユーザ端末3において、ユーザからタグを選択する操作があった場合、タグアクションとして例えば外部リンクのURLに対応するウェブページがユーザ端末3に表示される。
【0037】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0038】
上記実施形態では、管理サーバ1が機能部と記憶部とを両方備えているものとしたが、これに限らず、たとえば、記憶部をデータベースサーバが備えるようにし、管理サーバ1からデータベースサーバにアクセスするようにしてもよい。また、本実施形態では、機能部や記憶部は、管理サーバ1に設けられる場合を説明したが、これらの全部又は一部は、コンテンツ作成者端末2に設けられてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、主にパノラマ動画について説明したが、パノラマ画像(静止画)であってもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、タグの種類が「360°軌跡」である場合を説明したが、タグの種類が「360°固定」である場合は、第1特定領域と第2特定領域が同一であるため、開始フレームから終了フレームにおいて、パノラマ動画内でインタラクティブ領域(タグ)は移動しないこととなる。
【符号の説明】
【0041】
1 管理サーバ
2 コンテンツ作成者端末
3 ユーザ端末
4 通信ネットワーク
111 表示部
112 受付部
113 設定部
151 コンテンツ記憶部
【要約】      (修正有)
【課題】パノラマ画像内の特定領域に生じる誤差を減少させる。
【解決手段】コンテンツ提供システムは、表示部と受付部と設定部を備える。表示部は、パノラマ画像の一部領域を画面に表示させる。受付部は、画面上で選択開始点と選択終了点を指定する操作によって、当該画面上における特定範囲303の選択を受け付ける。設定部は、特定範囲と対応するパノラマ画像内の特定領域を、タグ情報を付加するインタラクティブ領域として設定する。表示部は、選択開始点を指定する操作を受け付けたことに応じて、当該選択開始点と対応するパノラマ画像の位置を、画面の中心部に移動させる。
【選択図】図10
図1
図2
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