特許第6644247号(P6644247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エアロネクストの特許一覧

<>
  • 特許6644247-飛行体 図000002
  • 特許6644247-飛行体 図000003
  • 特許6644247-飛行体 図000004
  • 特許6644247-飛行体 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644247
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/00 20060101AFI20200130BHJP
   B64C 25/08 20060101ALI20200130BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   B64C39/00 Z
   B64C25/08
   B64D47/08
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-541471(P2019-541471)
(86)(22)【出願日】2018年7月20日
(86)【国際出願番号】JP2018027410
【審査請求日】2019年8月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽一
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2018−0051246(KR,A)
【文献】 特開2010−120593(JP,A)
【文献】 特開2017−105242(JP,A)
【文献】 特開2017−193208(JP,A)
【文献】 特開2018−004367(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/154551(WO,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1783545(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0095544(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0036777(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0029105(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0260462(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0225574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/00
B64C 27/04
B64C 39/02
B64F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行部と、本体部とを有する飛行体であって、
前記本体部は、少なくとも当該本体部が設置対象面に設置可能、かつ少なくとも当該本体部が前記設置対象面に設置されているときに前記飛行部を支持可能となるように、前記飛行部と着脱自在に接続され、
前記飛行部は、飛行時において、前記設置対象面に設置された前記本体部から離脱可能に構成され、
前記本体部は、上方へ延びる基部を備え、
前記飛行部は、前記基部に対して着脱自在に接続されると共に前記飛行部に対して回動可能な接続部を備え、
前記接続部が前記基部に接続された状態にあるときに、前記飛行部は前記本体部に対して所定範囲で前記接続部を回動中心として回動可能とされ、
前記接続部は、前記飛行部が前記基部に装着された状態にあるときに、前記基部の途中に配置されている
飛行体。
【請求項2】
請求項1に記載の飛行体であって、
前記本体部は、外界の情報を取得するための取得部を備えている、
飛行体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の飛行体であって、
前記本体部は、脚部を有しており、
前記脚部は前記設置対象面に設置される、
飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、に関し、特に三脚等の脚部を備え且つ当該脚部と着脱自在に構成された飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な用途に利用されるドローン(Drone)や無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体を利用した様々なサービスが提供されている。かかる飛行体は、カメラやセンサ、収音器、噴霧器、スピーカー等、多様な作業部を備えて飛行できるため、産業利用の幅は更に広がっている。
【0003】
飛行体で作業を行おうとする場合、多くの機種では回転翼機の上部または下部に作業部を固定している。しかし、その場合、自由量物となる作業部の搭載によって、回転翼機のバランスが崩れ、飛行効率が悪化したり、飛行が不安定になったりする。
【0004】
一方、特許文献1では、重量物を回転翼機の鉛直下方に備えた回転翼機においても、各回転翼の差が少ない安定した飛行の継続が可能な仕組みを提供する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2016/185572公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、カメラ等の重量物を備えた回転翼機を、複数の回転翼が回転することによって機体に発生する揚力の中心が、回転翼を支持するアーム部と重量物を搭載する搭載部との接続部に位置するように構成している。これにより、各回転翼の差が少ない安定した飛行の継続が可能となるものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1における飛行体に備えられたカメラ等の使用時には、同時に飛行動作が行われるため、飛行体を空中に留まらせるために電力や燃料が消費されつづけてしまう。また、飛行による音や風が活動に影響を及ぼしたり、飛行体そのものが、活動の障害になったりする場合もある。
【0008】
そこで、本発明は、活動予定ポイントに到達した後、カメラ等を備えた本体部だけがその場に残り、飛行部と独立して活動を続けられるよう、飛行部と本体部が着脱出来、各々で運用可能とする飛行体を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、飛行部と、本体部とを有する飛行体であって、
前記本体部は、少なくとも当該本体部が設置対象面に設置可能となるように、前記飛行部と着脱自在に接続されている、
飛行体を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、飛行部と本体部が着脱出来、各々で運用可能とする飛行体を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による飛行体の正面図である。
図2図1の飛行体の着陸時を示す図である。
図3図1の飛行体の本体部と飛行部が切り離しを示す図である。
図4】本発明による飛行体の他の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態によるは、以下のような構成を備える。
[項目1]
飛行部と、本体部とを有する飛行体であって、
前記本体部は、少なくとも当該本体部が設置対象面に設置可能となるように、前記飛行部と着脱自在に接続されている、
飛行体。
[項目2]
項目1に記載の飛行体であって、
前記飛行部と前記本体部とを所定範囲で搖動可能に接続する接続部によって着脱自在に接続されている
飛行体。
[項目3]
項目1又は項目2に記載の飛行体であって、
前記本体部は、外界の情報を取得するための取得部を備えている、
飛行体。
[項目4]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の飛行体であって、
前記本体部は、脚部を有しており、
前記脚部は前記設置対象面に設置される、
飛行体。
【0013】
<本発明の実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態によるについて、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<本発明による第1の実施の形態の詳細>
【0015】
図1に示されるように、本発明の実施による飛行体10は、動力部22を少なくとも備えた飛行部20と、飛行部20と着脱が可能な本体部30と、飛行部20と本体部30とを接続する接続部24と、を備えている。
【0016】
本体部30は、三脚状の脚部と、当該脚部から垂直に延びる部位と当該部位の先端に設けられた作業部(カメラ等)34を有している。
【0017】
本体部30と、飛行部20とは接続部24によって接続されている。本実施の形態による本体部30と飛行部20は互いに固定されている。しかしながら、図4に示されるように、本体部30が少なくとも設置対象面に設置可能となるように、飛行部20と着脱自在に接続する接続部24は、飛行部20と本体部30とを互いに所定範囲内で搖動可能になるように接続してもよい。これにより、飛行部20の姿勢に関わらず、本体部30は設置対象面に対して好適な角度を保つことが可能となる。
【0018】
かかる構成によれば、図3に示されるように、飛行状態から着陸後、本体部30の脚部を地面Gに設置する。地面に設置した後に、飛行部は接続部24の部分から本体部30と切り離され飛行する。この際、図4に示されるように飛行部20と本体部30とを互いに所定範囲内で搖動可能になるように接続されていると、飛行部20も、本体部30や設置対象面の傾斜等に関わらず、飛行を開始することが出来る。
【0019】
本体部30は、作業部34を備え、作業を行うことが可能である。作業部34と当該作業部が行う作業は、例示すれば、カメラやセンサ、マイク等の、外界情報を取得可能な情報取得機器による撮影や監視、調査、記録、噴霧器や吹き付け装置、放水装置による液体の散布、塗装、消火、動植物への散水、スピーカーや臭気発生装置、発光装置による外部への働きかけ、工具やロボットアームによる工作や整備、物体の移動等があるが、これに限られない。
【0020】
本体部30と飛行部20は、各々、接続された状態でも、切り離された状態でも運用することができる。これにより、例えば図3に示されるように、作業部34にカメラやマイク等を含む情報取得機器を備える本体部30を持つ飛行体では、本体部30の設置後、飛行部20が切り離されることによって、面積が減った分情報取得対象から発見され難くなる、飛行部20の映り込みがなくなる、動力部22の動作音が入らなくなる、等の効果が得られる。
【0021】
また、本体部30が作業を行っている間、飛行部20は別の作業を行ったり、給電を受けたりすることが出来る。空中に留まり飛行を続けていた場合でも、本体部30分の重量を切り離しているので、本体部30と接続したまま飛行した場合に比較して、長時間の飛行が可能となる。
【0022】
本体部30は、脚部を有していてもよい。脚部は本体部30を設置対象面へと設置する際に、設置対象面と本体部30が備える作業部34を離間させる他、本体部30が安定するように設置する効果を有する。例えば設置対象面が水底の場合、本体部30に備えた作業部34や、飛行部20が水位よりも高くなるように脚部を調整することで、水濡れ等を防ぐ。脚部に浮遊性の素材を備えれば、設置対象面そのものを水面とすることも可能である。
【0023】
本体部30は、設置された場所に留まらず、移動することが可能である。例えば、車輪やキャタピラ、歩行機構、スクリュープロペラ、ローターなど、陸地、水中、空中において移動可能な手段を備える場合、人の進入が困難な場所へと飛行体によって設置された後、目的に応じた場所へ移動し、活動が出来る。災害現場や戦地などでは、遠隔操作や自律移動により、人が近くに居なくとも活動できる機能が有用となる。
【0024】
例えば、通信機やレーダーを備えた場合、目的の場所へ簡易的に設置する他、運用において都合の良い位置まで移動することが可能となる。通信機が無線であり、防災無線として使用する際には、人のいる方向へ移動して、より高い効果を得る。
【0025】
また、本体部30は、簡易の装置として設置された後、回収されても、されなくてもよい。打ち出し装置(例えば、無反動砲や、ロケット、指向性地雷)や火器を備えていたり、爆発物を備えたりするときには、設置ののち、使い捨てとすることも可能である。
【0026】
本発明の撮影装置は、監視、調査、その他情報収集用としての利用が期待できる。さらに、本発明は、全方位撮影が可能な撮影用の回転翼機としても好適に使用することができる他、防衛分野、セキュリティ分野、農業等の様々な産業にも利用することができる。
【0027】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0028】
10 飛行体
20 飛行部
22 動力部
24 接続部
30 本体部
34 作業部
G 接地対象面

【要約】
【課題】飛行部と本体部が着脱出来、各々で運用可能とする飛行体を提供することを一つの目的とする。
【解決手段】本発明による飛行体は、飛行部と、本体部とを有さている。本体部は、少なくとも当該本体部が設置対象面に設置可能となるように、飛行部と着脱自在に接続されている。また、飛行部と本体部とは、それぞれが所定範囲で搖動可能に接続する接続部によって着脱自在に接続されている。かかる構成によれば、飛行体が、活動予定ポイントに到達した後、カメラ等を備えた本体部だけがその場に残り、飛行部と独立して活動を続けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4