(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
開閉弁(5)はロック解除されると、吸引ブロワ(3)の吸引力により、上側を支点に機体内側に向かって開動作をして外気口(4)から外気を吸引することを特徴とする請求項1記載の穀粒乾燥機。
バーナによる乾燥運転の終了後に、吸引ブロワ(3)を駆動した状態で、まず、前掃除口(55)又は後掃除口(56)の一方を開き、次いで他方を開く清掃スイッチ(78)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の穀粒乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸引排塵機(吸引ブロワ)を使用する穀粒処理機は一般的であるが、塵埃を吸引排出する排塵風路(室)内に、塵埃や、穀粒が堆積したり、作業後も残留し易い。通常作業運転時の吸引排塵作業時の風圧では、これらの残留物を排出処理し難いものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
箱形の乾燥槽(61)の中央部に前後方向に亘る
吸引風路(2)としての吸引排風室(14)を形成し、吸引排風室(14)の左右両側に熱風室(73)を形成し、乾燥槽(61)の正面壁(15)部外側には熱風を生成するバーナを設け、背面壁(16)には吸引排風室(14)から排風を吸引して機外へ排出する吸引ブロワ(3)を設け、
吸引排風室(14)の正面壁(15)には前掃除口(55)を設け、背面壁(16)の吸引ブロワ(3)の真下側部に後掃除口(56)を設け、前記各掃除口(55,56)には、機外と連通する外気口(4)と、外気口(4)を開閉する開閉弁(5)と、開閉弁(5)のロック及びロック解除するロック機構(6)をそれぞれ設け、
前掃除口(55)のロック機構(6)と後掃除口のロック機構(6)は別個に作動可能に構成
し、
乾燥作業中には、ロック機構(6)によりロックした状態で吸引ブロワ(3)の吸引力によって吸引排風室(14)から排風を吸引して機外へ排塵し、
乾燥作業終了時には、ロック機構(6)によるロックを解除して開閉弁(5)を吸引開口し、吸引ブロワ(3)の吸引力により前掃除口(55)又は後掃除口(56)の開閉弁(5)を吸引開口させて外気口(4)から外気を吸引排風室(14)へ吸引し、吸引ブロワ(3)から機外へ排塵することを特徴とする穀粒乾燥機とする。
【0006】
【0007】
【0008】
請求項2に記載の発明は、開閉弁(5)はロック解除されると、吸引ブロワ(3)の吸引力により、上側を支点に機体内側に向かって開動作をして外気口(4)から外気を吸引することを特徴とする。
【0009】
【0010】
請求項3に記載の発明は、バーナによる乾燥運転の終了後に、吸引ブロワ(3)を駆動した状態で、まず、前掃除口(55)又は後掃除口(56)の一方を開き、次いで他方を開く清掃スイッチ(78)を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明は、吸引排風室(14)の正面壁(15)には前掃除口(55)を設け、背面壁(16)の吸引ブロワ(3)の真下側部に後掃除口(56)を設け、前記各掃除口(55,56)には、機外と連通する外気口(4)と、外気口(4)を開閉する開閉弁(5)と、開閉弁(5)のロック及びロック解除するロック機構(6)をそれぞれ設け、
前掃除口(55)のロック機構(6)と後掃除口のロック機構(6)は別個に作動可能に構成
し、
乾燥作業中には、ロック機構(6)によりロックした状態で吸引ブロワ(3)の吸引力によって吸引排風室(14)から排風を吸引して機外へ排塵し、
乾燥作業終了時には、ロック機構(6)によるロックを解除して開閉弁(5)を吸引開口し、吸引ブロワ(3)の吸引力により前掃除口(55)又は後掃除口(56)の開閉弁(5)を吸引開口させて外気口(4)から外気を吸引排風室(14)へ吸引し、吸引ブロワ(3)から機外へ排塵することで、
乾燥作業終了時に、吸引排風室(14)内の排塵物の吸引排除のためには、前記吸引ブロワ(3)の吸引力によって、吸引排風室(14)内の吸引排塵作用力を強くして、有効な清掃作用を行わせることができる。
また、外気口(4)である後掃除口(56)は吸引ブロワ(3)の吸引口の下側に位置して形成されるが、低位置の後掃除口(56)が開口されるため、円滑、迅速な吸引排塵作用が行うことができる。
【0013】
【0014】
請求項2に記載の発明は、前掃除口(55)、又は後掃除口(56)の開閉弁(5)を吸引開口させることによって、清掃作用を行わせることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、吸引排風室(14)内の排塵処理を前掃除口(55)、又は後掃除口(56)から行わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面に基づいて、この排塵装置に発明に関する技術は、籾摺機や、穀粒乾燥機等の穀粒処理機における排塵装置として実施できる。
籾摺機(
図1〜
図4)においては、籾摺選別装置12の吸引排塵を行う吸引ブロワ3と、前記選別装置12で選別された玄米を取出す玄米昇降機13上部に構成される玄米風選装置1との間を、吸引風路2で連通して、玄米風選装置1の吸引排塵を行わせる排塵装置を構成している。又、穀粒乾燥機(
図5〜
図8)においては、機箱内部に設けられる吸引排風室14の正面壁15と背面壁16とに、外気口4と、開閉弁5とを設けると共に、この背面壁16に、吸引ブロワ3を設ける形態とする。
【0018】
籾摺機は、機台17の中央部に主選別風路18を設けて、この上端部に吸引ブロワ3の吸引口19を連通し、下端部には混合米受樋20を設ける。この主選別風を18の前側には、籾供給ホッパ21、籾摺ロール22、摺出米移送棚23、及び電動モータ24等を設けて、この摺出米移送棚23の後下端部を主選別風路18にのぞませて、この主選別風路18で摺出米を風選するように構成している。又、選別風路18の後側には、多段揺動選別棚形態の揺動選別棚25や、この上部に摺出米を供給する摺出米ホッパー26、この揺動選別棚25で選別された摺出米を、玄米口27と、籾口28と、混合米口29とに仕切って取り出して、玄米は玄米受板30上面に流下し、籾は籾受板31に流下し、玄米と籾との混合した混合米は混合米受板32上面に流下させることができる。この玄米受板30上面に流下される玄米は、後側端部に、設けられる玄米昇降機13に供給される。又、混合米受板32上面に流下される混合米は、混合米受樋20に受けられて、前記摺出米移送棚23から主選別風路18に流下されて風選された摺出米と合流して、この受樋20の内部で回転するオーガラセン33によって一側端の摺出米昇降機34の下端内部に送込まれる。この摺出米昇降機34の上端排出口に前記摺出米ホッパー26が設けられる。
【0019】
前記籾口28から流出される籾を受ける籾受板31には、二番揚穀機35が設けられて、取出された籾を二番揚穀機35を介して籾供給ホッパー21へ還元して再脱ぷ処理することができる。
【0020】
前記主選別風路18の上端部に連通する吸引ブロワ3の駆動によって、吸引口19から吸引される風圧は、摺出米移送棚23や、混合米受板32、及び籾受板31等の先端部や、上側面等を、主選別風路18上方へ向けて流れることによって、各部の風選作用が行われる。この風選作用によって発生する籾殻や、塵埃は、吸引口19から吸引ブロワ3内へ吸引されて、排塵訪筒36が機外へ排出される。
【0021】
前記玄米受板31の途中位置には切替弁37が設けられて、玄米口27に選別された玄米を、混合米受樋20側へ流下させたり、又は、玄米受板30側へ流下させるように切替えることができる。又、この玄米受板30から玄米昇降機13を経て風選装置1へ揚穀された玄米は、この玄米排出口38へ流下する間の風選行程で、吸引風路2との連通口39から吸引される吸引風によって、吸引ブロワ3の吸引口19へ向けて吸引風選される。そして、玄米に混入する籾殻や、塵埃等は、この吸引風路2を経て吸引ブロワ3側へ吸引搬送されて、排塵筒36から機外へ排出される。
【0022】
前記吸引風路2は、風筒形態で、風選装置1の連通口39から下降する下降経路40を形成し、この下端部に外気口4と、この外気口4を開閉できる開閉弁5とを設ける。この吸引風路2は、下降経路40の下端部と前方の吸引ブロワ3の吸引口19との間に亘って、略水平状に連通する水平経路41を形成している。吸引ブロワ3の吸引風力によって、風選装置1内部の流下玄米を風選するとき、この風選抵抗が大きくなると、開閉弁5がこの吸引力によって上端部のヒンジピン54の周りに回動されて、外気口4を開くことができる。この開閉弁5の回動で開かれた外気口4から外気を直接吸引風路2内へ吸引して、この水平経路41部を流れる吸引風力を強くし、速やかな吸引塵作用を行う。
【0023】
前記開閉弁5は、外周縁部を吸引風路2の下降経路40の下端部に形成した外気口4の内側周縁部に、重合させて閉鎖状態として、上縁のヒンジピン54周りに回動自在に設け、吸引風路2内に吸引風圧が働かないときは、開閉弁5が垂下して外気口4を閉鎖し、又、吸引風圧が働くことによって開閉弁5を風路2内側へ回動させて吸気口4を開いて、この開いた外気口4から外気を吸引するように構成している。この開閉弁5が外気口4を閉鎖した形態をロック(固定)するために、電磁ソレノイド42によって出、没するロックピン43を、開閉弁5の裏側に形成のラグ57のピン穴に嵌合してロック状態を維持し、ロックピン43をラグ57のピン穴から抜き外すことによって、閉鎖ロック状態を解放することができ、外気口4から外気を吸引できる状態にするようにロック機構6を構成している。
【0024】
このように、ロック機構6は、ロックピン43を閉鎖位置の開閉弁5に係合させることによって、開閉弁5は開かないで外気口4を閉鎖状態に維持し、又、ロックピン43を引込ませると開閉弁5は吸引風圧によって吸引回動されて、外気口4を開いて、外気を吸引風路2内へ吸引することができる。このため、通常時の籾摺作業時は、開閉弁5開けないように規制し、吸引風路2内を清掃するときにおいてのみ、このロック機構6のロックを解除して、外気口4から外気を吸引可能に構成する。籾摺機の通風調整装置の一部である取出玄米を風選するための玄米風選装置1を制御するコントローラ44は、入力側に、モータ24等を起動して、籾摺機運転起動する運転スイッチ45(起動スイッチ8)や、このモータ24等の起動を停止する停止スイッチ46、及び清掃時に操作する清掃スイッチ47(ロック解除スイッチ7)等を設けて、出力側のモータ24や、ロック機構6等を作動させる。又、コントロールパネル48には、籾摺運転通電時に点灯の電源ランプ49や、一対の籾摺ロール22間のロール間隙を開、閉調節するためのロール開スイッチ50、ロール閉スイッチ51、ロール間隙表示ランプ52、及びモータ24の負荷を表示するモータ負荷ランプ53等を設けている。塵埃等は、この吸引風路2を経て吸引ブロワ3側へ搬送されて、排塵筒36から機外へ排出される。
【0025】
前記開閉弁5は、吸引風路2の下降経路40の下端部に形成した外気口4の内側部に、上縁のヒンジピン54周りに回動自在に設け、吸引風路2内に吸引風圧が働かないときは、開閉弁5が垂下して外気口4を閉鎖し、吸引風圧が働くことによって開閉弁5を風路2内側へ回動させて、外気口4から外気を吸引するように構成している。この開閉弁5が外気口4を閉鎖した形態でロック(固定)するために、電磁ソレノイド42によって出、没するロックピン43からロック機構6を構成して、ロックピン43を閉鎖位置の開閉弁5に係合させることによって、開閉弁5は開かないで外気口4を閉鎖状態に維持し、又、ロックピン43を引込ませると開閉弁5は吸引風圧によって吸引回動されて、外気口4を開いて、外気を吸引風路2内へ吸引することができる。このため、ロック機構6は、通常時の籾摺作業時は、開閉弁5開けないよう規制し、吸引風路2内を清掃するときにおいてのみ、このロック機構6のロックを解除して、外気口4からの外気を吸引可能に構成する。
【0026】
籾摺機のコントローラ44は、入力側には、モータ24等を起動して、籾摺機運転起動する運転スイッチ45(起動スイッチ8)や、このモータ24等の起動を停止する停止スイッチ46、及び清掃時に操作する清掃時に操作する清掃スイッチ47等を設けて、出力側のモータ24や、ロック機構6等を作動させる。又、コントロールパネル48には、籾摺機運転通電時に点灯の電源ランプ49や、一対の籾摺ロール22間のロール間隙を開、閉調節するためのロール開スイッチ50、ロール閉スイッチ51、間隙表示ランプ52、及び、モータ24の負荷を表示するモータ負荷ランプ53等を設けている。
【0027】
前記運転スイッチ45(起動スイッチ8)のON操作によって(ステップS1)、モータ24を起動して、籾摺機を運転状態にすることができる。籾摺作業中は吸引ブロワ3の駆動回転によって、主選別風路18や、吸引風路2等の選別風の流れによって、摺出米や、玄米、混合米、及び籾等の風選作用が行われて、各部で風選された籾殻や、塵埃が、主選別風路18、及び吸引風路2から吸引口19へ吸引されて、排塵筒36から機外へ排出される。このような籾摺運転時は、ロック機構6が、ロックピン43をソレノイド42により突出作動させて、開閉弁5の閉鎖位置をロックしている(S2)。従って、開閉弁5に吸引風路2の吸引圧が働いても、これだけでは開閉弁5を開かせないで、閉鎖状態を維持する。
【0028】
停止スイッチ46をONすることによって、籾摺機の運転を停止することができるが、前記ロック機構6のロックを解除して(S3)、籾摺作業が停止しても、吸引ブロワ3の駆動によって、吸引風路2に吸引風圧が働くときは、この開閉弁5を開いて、外気口4から外気を吸引することができる。
【0029】
又、このような運転スイッチ45、又は停止スイッチ46の操作に拘らず、清掃スイッチ47(ロック解除スイッチ7)をON操作することによって(S4)、籾摺機は空運転状態として、ロック機構6をロックを解除させることができる。従って、吸引ブロワ3の駆動によって、吸引風路2内に吸引風圧が働くことによって、開閉弁5を開いて、外気口4から外気を吸引して、この吸引風路2内の排塵物を吸引排除することができる。
【0030】
そして、前記清掃後に停止スイッチ46をON操作することによって(S5)、清掃運転を停止することができ、この清掃停止後所定時間後にロック機構6を自動的にロック作動させて、開閉弁5が開かないように維持させる。
【0031】
次に、穀粒乾燥機は、底部の機台60上に、箱形の乾燥槽61と、収容槽62とを積層させて、側部に設ける昇降機63によって、収容槽62の上側の供給ラセン樋64に揚穀して、ラセン樋64の先端から、拡散板65の回転によって拡散させながら、収容槽62、及び乾燥槽61内へ供給する。前記乾燥槽61には、上端左右両側部から下端中央部位置に亘って正面視略W字状形態に乾燥室66を形成し、この下端部を、V字状に合流させて、乾燥穀粒を繰出すバルブロー夕67を軸装する繰出口68を形成する。この乾燥槽61の底部にはV字状形態の集穀板69を設け、中央下端部の搬送用のラセン70を軸装した集穀樋71を形成し、この前端部を前記昇降機63の下端部にのぞませて、収容槽62、乾燥槽61内部を経て流下乾燥されて、集穀樋71に繰出される穀粒を、昇降機63を経て、収容槽62の上層部に循環搬送供給しながら乾燥を継続させる。前記W字状、及びV字状形態の乾燥室66は、左右両側面を通風性を有する目抜網板72を設け、これら左右両側の網板72間の乾燥室66を横断通風して、この乾燥室66内部を流下する穀粒を乾燥する。乾燥槽61の中央部に前後方向に亘る吸引排風室14(吸引風路2)を形成し、この左右両側部の乾燥室66の外側部に、熱風室73を形成し、下端部を集穀板69上面にのぞませている。
【0032】
乾燥槽61の正面壁15部外側には、バーナを設けて、燃焼によって加熱された熱風を、前記熱風室73の前端部から吹き込ませて、乾燥室66を横断して吸引俳風室14に吹き抜けるように構成し、背面壁16側には吸引ブロワ3を設けて、吸引排風室14に吹き出された排風を吸引して、この吸引ブロワ3の排塵筒36から機外へ排出する。
【0033】
前記乾燥槽61において、吸引排風室14を清掃対象の吸引風路2として、前記吸引ブロワ3による吸引排塵作用を効果的に維持させる。吸引排風室14の正面壁15には前掃除口55を設け、背面壁16には、前記吸引ブロワ3の下側部に後掃除口75を設けて、これら各掃除口55、56に、機外に開口連通する外気口4と、この外気口4を開閉する開閉弁5と、この開閉弁5の閉鎖位置をロックするロック機構6等を設ける。吸引風路2内の乾燥風は、乾燥作業中、吸引ブロワ3の吸引力によって機外へ排風、排塵されるが、乾燥作業終了時に、前記吸引排風室14内の排塵物の吸引排除のためには、前記吸引ブロワ3の吸引力によって、前掃除口55、又は後掃除口56の開閉弁5を吸引開口させることによって、吸引排風室14内の吸引排塵作用力を強くして、有効な清掃作用を行わせることができる。前記吸引排風室14の前部側の清掃を行う場合は、前掃除口55の開閉弁5のロック機構6によるロックを解除し、後掃除口56の開閉弁5はロック機構6によるロックを維持させておく。又、後部側の清掃を行う場合は、逆に後掃除口56の開閉弁5を吸引開口しうる状態とし、前掃除口55の開閉弁5は閉鎖位置にロックすることができる。
【0034】
前記乾燥槽61の正面壁15には、コントローラ74の操作を行うコントロールパネル75を設ける。このコントロールパネル75には、コントローラ74の入力側に配置の運転スイッチ76(起動スイッチ8)や、停止スイッチ77、及び清掃スイッチ78(ロック解除スイッチ7)等を配置すると共に、乾燥条件設定の表示器79、乾燥度表示器80等を設けている。前記運転スイッチ76は、昇降機63を駆動して乾燥のための穀粒を揚穀して収容槽62内に供給収容させる張込スイッチ81や、吸引排風ファン(吸引ブロワ)3を駆動して吸引排風室(排風路)14に吸引風圧を働かせる通風スイッチ82(運転スイッチ8)、バーナを燃焼して燃焼熱風を熱風室73へ送風する乾燥スイッチ83、集穀樋71から昇降機63へ搬出される乾燥済穀粒を他の収容槽や、容器等に排出するための排出スイッチ84、及び、これら各部の駆動部81、82、83、84等を停止して、乾燥作業を停止するための停止スイッチ77等を配置している。又、前記コントローラ74の出力側には、循環用モータ85を設けているが、このモータ85は、前記バルブロー夕67や、ラセン70、昇降機63、供給ラセン樋64のラセン等各部のモータを駆動回転して、乾燥前、乾燥中、又は乾燥後に拘らず、穀粒を乾燥槽61から収容槽62へ循環搬送するものである。
【0035】
前記乾燥作業は、
図4(B)のような操作フローによって行われる。前記張込スイッチ76のON操作によって張込運転が行われる(ステップS11)。昇降機63や、供給ラセン樋64のラセン、拡散板65等が回転されて、揚穀した穀粒を乾燥槽61や、収容槽62等に供給収容させる。この張込作用が終ると、通風スイッチ82、及び乾燥スイッチ83をON操作して、穀粒を熱風送風により乾燥する乾燥運転することができる(S12)。この乾燥運転時は、前記吸引排風ファン(モータ)3の駆動回転により、吸引排風室14に吸引排風力が行われるが、前記前、後掃除口55、56に設けられる開閉弁5のロック機構6が閉鎖状態にロックされて、このロックが解除されない状態にあるため、前、後掃除口55、56が閉鎖状態に維持されていて、外気を吸引しないで、熱風室73から排風室14への熱風送風を効果的に行わせる。
【0036】
乾燥運転の終了は、停止スイッチ77を操作することによって(S13)、バーナの燃焼を停止するが、ロック機構6はロック解除することができる。このロック機構6のロックが解除されると、吸引ブロワ3による吸引風圧が吸引排風室14に作用しているため、この吸引風圧によって、ロック解除された開閉弁5が吸引開口されて、前掃除口55、又は後掃除口56を開いて、外気を強力に吸引して、吸引排風室14内の塵埃を機外へ排出する。
【0037】
清掃スイッチ78をON操作することによってバーナの燃焼を停止して乾燥運転の一部を停止した状態で、吸引ブロワナ3の回転により、吸引排風室14の排塵を行わせることができる状態とするが(S14)、このときは、前行程のようにロック機構6のロックが解除されていて、吸引ブロワ3が駆動されていることにより、吸引排風室14内の排塵処理を前掃除口55、又は後掃除口56から行わせることができる。このとき、外気口4である後掃除口56は吸引ブロワ3の吸引口の下側に位置して形成されるが、低位置の後掃除口56が開口されるため、円滑、迅速な吸引排塵作用が行われる。
【0038】
このような乾燥終了後の吸引排風室14内の清掃を完了すると、停止スイッチ77をON操作することによって、前記清掃運転をも停止することができる(S15)。そして、この清掃運転の吸引ブロワ3の停止と共に、開閉弁5が外気口4を閉鎖して、所定時間を経過後にロック機構6が開閉弁5の閉鎖位置を自動的にロックする。
【0039】
前記ロック機構6は、電磁ソレノイド42によって突出するロックピン43を、開閉弁5の閉鎖位置の背面部に突出のラグ57のピン穴に嵌合させて、開閉弁5の開き回動を行わせないように維持する。このロックピン43を、ソレノイド42の作動によってラグ57から抜き外すことによって、開閉弁5はヒンジピン54周りに回動することができ、吸引風路2の吸引力によって開回動する(
図2(A)〜(D)参照)。
【0040】
又、ロック機構6は、前記ソレノイド42によりロックピン43を出、没する形態に代えて、電磁的に吸着、解放する電磁石58を用いる形態とすることができる(
図2(D)参照)。電磁石58を開閉弁5の閉鎖する接着面の裏側壁面に設け、通電すると電磁的に開閉弁5の閉鎖位置に吸着維持され、通電を切ると、開閉弁5の閉鎖ロックを解除されて、吸引ブロワ3による吸引力によって外気口を開くことができる。この場合、電磁石58の通電回路のスイッチは、前記運転スイッチ76、乃至起動スイッチ8や、停止スイッチ77、掃除スイッチ78、又はロック解除スイッチ7等の操作で行うことができる。
【0041】
そして、前記停止スイッチ46、77は、吸引ブロワ3以外の運転を停止するためのスイッチを用いる形態とし、又、清掃スイッチ47、78は、吸引ブロワ3以外の運転を停止するためのスイッチ、又はこの吸引ブロワ3のみを駆動して、清掃を行うためのスイッチを用いる形態として、前記ロック解除スイッチ7は、これら停止スイッチ46、77、又は、清掃スイッチ47、78によって兼用した構成とすることも可能である。
【0042】
ここにおいて、この発明は、穀粒を風選、乃至通風調整する通風調整装置1部に、吸引風路2を介して吸引ブロワ3を連通して、前記通風調整装置1部で発生する塵埃を吸引排除する穀粒処理機において、
前記吸引風路2に外気を吸引する外気口4と、この外気口4を開閉する開閉弁5と、この開閉弁5の閉鎖状態をロックするロック機構6とを設け、通風調整作用時は前記ロック機構6によりロックするが、排風作用時は、ロック機構6によるロックを解除して、前記開閉弁5を吸引開口して、この外気口4から外気を吸引風路2内へ吸引しながら、吸引ブロワ3へ吸引排風することを特徴とする穀粒処理機の排塵装置の構成とする。
【0043】
籾摺機や、穀粒乾燥機等の穀粒処理機において、穀粒選別装置や、排塵装置等の如き通気調整装置1部の吸引排塵作用時は、吸引ブロワ3による吸引風が吸引風路2を介して流れて、風選別作用や、選別塵埃の排除作用が行われ、排塵物は、吸引風路2から吸引ブロワ3へ吸引搬送されて、機外へ排出される。
【0044】
このような穀粒処理作業時は、前記外気口4の開閉弁5を閉鎖して、この開閉弁5の閉鎖状態をロック機構6でロック維持する。このため、穀粒処理作業中は、常時外気口4が開閉弁5によって閉鎖状態に維持されるため、吸引ブロワ3による吸引力を、通風調整装置1部に有効に働かせて、通風調整の性能を低下させないように維持する。この穀粒処理作業が終って、ロック機構6による開閉弁5の閉鎖ロックを解除するときは、吸引ブロワ3の駆動状態において、ロックを解除操作することにより、吸引風路2に働いている吸引風が、開閉弁5に作用しているため、この吸引力によってロック機構6のロックを解除された開閉弁5が吸引回動されて、外気口4を開きながら、この外気口4からも外気を吸入することによって、吸引風路2を吸引ブロワ3部へ吸入する吸引風圧を強くして、吸引風路2における塵埃や、穀粒等があっても、容易に迅速に吸引搬送されて、吸引ブロワ3から機外へ排出される。
【0045】
又、前記吸引ブロワ3を駆動するブロワ制御装置9には、この吸引ブロワ3を起動することによって、前記ロック機構6をロック作動させる起動スイッチ8を設ける。
【0046】
穀粒処理機を作動させるときは、吸引ブロワ3を駆動させるが、この吸引ブロワ3は、ブロワ3は、ブロワ制御装置9の起動スイッチ8をON操作することによって駆動することができる。起動スイッチ8をON操作すると、前記吸引ブロワ3を駆動回転して、吸引風2を介して通風調整装置1部に吸引風を流して所定の風選作用や、この風選された塵埃を吸引排除搬送する排塵作用等を行う。このような通風調整作用と同時に、前記ロック機構6がロックされて、外気口4を閉鎖する開閉弁5がロックされて、吸引風路2に吸引ブロワ3による吸引力が働らいても、この開閉弁5が開かないようにして、通風調整装置1部における吸引調整作用を良好に維持する。
【0047】
更には、前記吸引ブロワ3を駆動して、開閉弁5の閉鎖をロックするブロワ制御装置9には、前記開閉弁5の閉鎖ロックを解除するロック解除スイッチ7を設ける。
【0048】
前記のように吸引ブロワ3の駆動によって吸引風路2を介して通風調整装置1部に吸引風圧を働かせて、吸引排塵する形態において、前記吸引ブロワ3を制御するブロワ制御装置9のロック解除スイッチ7を操作することによって、開閉弁5の閉鎖ロックを解除することができ、外気口4から吸引風路2への外気吸入可能の状態とすることができる。