特許第6644253号(P6644253)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644253
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】ゴム組成物及びホース
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/00 20060101AFI20200130BHJP
   C08K 5/053 20060101ALI20200130BHJP
   C08L 91/06 20060101ALI20200130BHJP
   B32B 1/08 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   C08L9/00
   C08K5/053
   C08L91/06
   B32B1/08 B
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-235856(P2015-235856)
(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公開番号】特開2017-101159(P2017-101159A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2018年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】杉原 孝樹
【審査官】 今井 督
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−074926(JP,A)
【文献】 特開平11−199711(JP,A)
【文献】 特開2013−213129(JP,A)
【文献】 特開2008−150435(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102585308(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 9/00− 21/20
C08L 91/00− 91/08
C08K 3/00− 13/08
B32B 1/00− 1/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブタジエンゴムを含むジエン系重合体と、分子量が300以下の多価アルコールとを含有し、
前記多価アルコールの含有量が、前記ジエン系重合体100質量部に対して、0.5質量部以上14質量部以下であり、
ホースの外部ゴム層の形成に用いられる、ゴム組成物(ただし、有機過酸化物を含有するゴム組成物を除く)
【請求項2】
前記多価アルコールが、グリセリンである、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
さらに、ワックスを含有し、
前記ワックスの含有量が、前記ジエン系重合体100質量部に対して、2質量部以上である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
内部ゴム層と、前記内部ゴム層の外側に設けられる金属表面を有する補強層と、前記金属表面上に設けられた外部ゴム層とを備え、
前記外部ゴム層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて形成された、ホース
【請求項5】
前記補強層が、ワイヤを編み上げた、編組構造又はスパイラル構造を有する、請求項4に記載のホース
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建機等に用いられるホース(例えば、油圧ホース)には、ゴム層と、表面がブラス(真鍮)などの金属でめっきされた補強層とを備える積層体が使用されている。また、プーリーなどの回転体との接触による摩耗を防ぐ観点等から上記ゴム層には耐摩耗性に優れたブタジエンゴムが使用されることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ブタジエンゴムを主成分とする組成物を用いて形成されるゴム層と、上記ゴム層に隣接するブラスめっきワイヤ補強層とを有する油圧ホースが開示されている(特許請求の範囲等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−51978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ゴム層と金属表面を有する補強層とを備えるホースを製造する場合、通常、補強層に未加硫のゴム層を形成してから加硫する。このときの加硫方式としては、主に、スチームで加熱して加硫するスチーム加硫方式と、オーブンで加熱して加硫するオーブン加硫方式がある。ここで、スチーム加硫方式は密閉系であり連続生産が難しいのに対して、オーブン加硫方式は開放系であるため連続生産が可能であり、生産性の観点からはスチーム加硫方式よりもオーブン加硫方式の方が望ましい。
【0006】
このようななか、本発明者が、ブタジエンゴムを含有するゴム組成物を用いてゴム層と金属表面を有する補強層とを備えるホースを製造したところ、スチーム加硫方式で加硫した場合にはゴム層と金属表面との間の接着性に問題は見られなかったが、オーブン加硫方式で加硫した場合にゴム層と金属表面との間の接着性が低下することがあり、その接着性は必ずしも昨今要求される水準を必ずしも満たすものではないことが明らかになった。
また、建機等に使用されるホースは湿熱環境下に曝される場合が多いところ、得られたホースを湿熱環境下に放置した場合、さらに接着性が低下することが明らかになった。
【0007】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、スチーム加硫方式で加硫した場合だけでなくオーブン加硫方式で加硫した場合にも金属表面に対して優れた接着性し、かつ、加硫後に湿熱環境下に放置した場合にも優れた接着性を示すゴム組成物、及び、金属表面を有する補強層と上記ゴム組成物を用いて形成されたゴム層とを備える積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が上記課題について鋭意検討した結果、多価アルコールを配合することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
【0009】
(1) ブタジエンゴムを含むジエン系重合体と、多価アルコールとを含有し、
上記多価アルコールの含有量が、上記ジエン系重合体100質量部に対して、0.5質量部以上14質量部以下である、ゴム組成物。
(2) 上記多価アルコールが、グリセリンである、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) さらに、ワックスを含有し、
上記ワックスの含有量が、上記ジエン系重合体100質量部に対して、2質量部以上である、上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) 金属表面を有する補強層と、上記金属表面上に設けられたゴム層とを備え、
上記ゴム層が、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物を用いて形成された、積層体。
(5) 上記補強層が、ワイヤを編み上げた、編組構造又はスパイラル構造を有する、上記(4)に記載の積層体。
(6) ホースである、上記(4)又は(5)に記載の積層体。
【発明の効果】
【0010】
以下に示すように、本発明によれば、スチーム加硫方式で加硫した場合だけでなくオーブン加硫方式で加硫した場合にも金属表面に対して優れた接着性し、かつ、加硫後に湿熱環境下に放置した場合にも優れた接着性を示すゴム組成物、及び、金属表面を有する補強層と上記ゴム組成物を用いて形成されたゴム層とを備える積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明のホースの一実施態様の一部破断斜視図である。
図2図2は、本発明のホースを製造する製造工程の一実施態様の説明図である。
図3図3は、本発明のホースを製造する製造工程のうち加硫工程の一実施態様の説明図である。
図4図4は、加硫装置に投入されるマンドレル周囲の層構造の一例を説明する部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明のゴム組成物、及び、積層体について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0013】
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、ブタジエンゴムを含むジエン系重合体と、多価アルコールとを含有する。ここで、上記多価アルコールの含有量は、上記ジエン系重合体100質量部に対して、0.5質量部以上14質量部以下である。
【0014】
本発明の組成物は多価アルコールを含有するため、所望の効果が得られるものと推測される。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明者の検討から、金属表面を有する補強層にゴム組成物を用いて未加硫のゴム層を形成し、その後加硫した場合、ゴム組成物中の水分が触媒となってゴム層と金属表面との間の結合反応が進み、その結果、ゴム層と金属表面との接着性が向上することが分かっている。さらに、スチーム加硫方式を用いて加硫した場合にはゴム組成物が乾燥し難く、水分が多く存在するため、ゴム層と金属表面との結合形成が十分に進むのに対し、オーブン加硫方式で加硫した場合にはゴム組成物が乾燥し易く、存在する水分が少ないため、ゴム層と金属表面との結合形成が進み難いとの知見が得られている。
本発明は、上記知見に基づくものであり、多価アルコールを配合することでゴム層との金属表面との結合形成の促進を図ったものである。その作用は明らかではないが、多価アルコールを有するヒドロキシ基が加硫時の熱によるゴム組成物中の水分減量を補填し、多価アルコール自体がゴム層と金属表面との結合を形成する触媒として働くものと考えらえる。結果として、本発明の組成物を用いた場合、ゴム層と金属表面との間の接着性が極めて優れたものになるものと推測される。
【0015】
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
【0016】
<ジエン系重合体>
本発明の組成物に含有されるジエン系重合体はブタジエンゴム(BR)を含む。
ジエン系重合体中のブタジエンゴムの含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
【0017】
ジエン系重合体はブタジエンゴム以外のジエン系重合体を含んでいてもよい。ブタジエン以外のジエン系重合体としては特に制限されないが、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)などが挙げられ、これらを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ブタジエン以外のジエン系重合体は、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムであることが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)であることがより好ましい。
ジエン系重合体がブタジエンゴム以外のジエン系重合体を含む場合、ジエン系重合体中のブタジエンゴム以外のジエン系重合体の含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。
【0018】
<多価アルコール>
本発明の組成物に含有される多価アルコールは、2以上の水酸基を有するアルコールであれば特に制限されない。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ジヒドロキシアセトン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、アスコルビン酸、エリソルビン酸、糖アルコール類、単糖類、二糖類、三糖類などが挙げられる。
【0019】
糖アルコール類としては、グリセリンを含むトリトール類、エリトリトール、トレイトール等のテトリトール類、アラビニトール、キシリトール、リビトール(アドニトール)等のペンチトール類、イジトール、ガラクチトール(ダルシトール)、グルシトール(ソルビトール)、マンニトール等のヘキシトール類、ボレミトール、ペルセイトール等のヘプチトール類などが挙げられる。
【0020】
単糖類としては、グリセルアルデヒド、トレオース、エリトロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等のアルドース類、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、キシルロース、リブロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、セドヘプツロース、コリオース等のケトース類などが挙げられる。
【0021】
二糖類としては、スクロース、トレハロース、イソトレハロース(β,β−トレハロース)、ネオトレハロース(α,β−トレハロース)、ガラクトスクロース等の非還元糖、ラクツロース、ラクトース、マルトース、セロビオース、コージビオース、ニゲロース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、ゲンチビオース、ツラノース、マルツロース、パラチノース、ゲンチビウロース、マンノビオース、メリビオース、メリビウロース、ネオラクトース、シラビオース、ルチノース、ルチヌロース、ビシアノース、キシロビオース、プリメベロース等の還元糖などが挙げられる。
【0022】
三糖類としては、ニゲロトリオース、マルトトリオース、メレジトース、マルトトリウロース、ラフィノース、ケストース等が挙げられる。
【0023】
多価アルコールは、接着性がより優れる理由から、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0024】
【化1】
【0025】
一般式(1)中、Rは、水素原子又はエーテル結合及び分岐を含んでいてもよい炭素数が1以上5以下のモノ又はポリヒドロキシアルキル基を表し、Rは、エーテル結合及び分岐を含んでいてもよい炭素数が1以上5以下のモノ又はポリヒドロキシアルキル基を表す。
【0026】
上記一般式(1)において、Rとしては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシプロピル基、トリヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、ジヒドロキシブチル基、トリヒドロキシブチル基、テトラヒドロキシブチル基、ペンタヒドロキシブチル基、1−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル基、3−ヒドロキシペンチル基、4−ヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシペンチル基、トリヒドロキシペンチル基、テトラヒドロキシペンチル基、ペンタヒドロキシペンチル基、メトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ジヒドロキシプロポキシメチル基、ジヒドロキシプロポキシエチル基、トリヒドロキシプロポキシメチル基、及びトリヒドロキシプロポキシエチル基などが挙げられる。
【0027】
上記一般式(1)において、R2としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、ジヒドロキシプロピル基、トリヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、ジヒドロキシブチル基、トリヒドロキシブチル基、テトラヒドロキシブチル基、ペンタヒドロキシブチル基、1−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル基、3−ヒドロキシペンチル基、4−ヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基、ジヒドロキシペンチル基、トリヒドロキシペンチル基、テトラヒドロキシペンチル基、ペンタヒドロキシペンチル基、メトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ジヒドロキシプロポキシメチル基、ジヒドロキシプロポキシエチル基、トリヒドロキシプロポキシメチル基、及びトリヒドロキシプロポキシエチル基などが挙げられる。
【0028】
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びヘキサントリオールなどが挙げられる。これらの中でも、接着性がより優れる理由から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、ジグリセリン、ソルビトールが好ましく、グリセリンがより好ましい。
【0029】
多価アルコールの分子量は特に制限されないが、50〜1,000であることが好ましく、70〜300であることがより好ましい。
【0030】
多価アルコールの沸点は特に制限されないが、100〜400℃であることが好ましく、100〜300℃であることがより好ましい。なお、上記沸点は1atmにおける値を指すものとする。
【0031】
本発明の組成物において、多価アルコールの含有量は、上述したジエン系重合体100質量部に対して、0.5質量部以上14質量部以下である。なかでも、1.0〜10質量部であることが好ましい。
【0032】
<任意成分>
本発明の組成物は、ジエン系重合体、多価アルコール以外の成分を含有していてもよい。そのような成分としては、例えば、充填材、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、有機系活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、加硫促進剤、架橋促進助剤、加硫遅延剤、オゾン劣化剤、プロセスオイル(アロマオイル)、接着助剤、ワックス、脂肪酸エステル、加硫剤(例えば、硫黄)等が挙げられる。
【0033】
充填材としては、例えば、カーボンブラック、シリカ(ホワイトカーボン)、クレー、タルク、酸化鉄、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、硫酸バリウム、マイカ(雲母)、及びケイソウ土などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。カーボンブラックとしては、用途に応じて適宜選択して使用することができる。カーボンブラックとしては、ISAF級及びFEF級などが好ましい。シリカとしては、例えば、結晶性シリカ、沈殿シリカ、非晶質シリカ(例えば、高温処理シリカ)、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、及び溶融シリカなどが挙げられる。特に、シリカは、カーボンブラックと同様に、カーボンゲル(バウンドラバー)を生成することが知られており、必要に応じて好適に用いることができる。クレーとしては、ハードクレー、ろう石クレー、カオリンクレー、及び焼成クレーなどが挙げられる。
【0034】
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、トリメリット酸エステル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、及びアジピン酸ブチレングリコールポリエステル、ナフテンオイルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
軟化剤としては、具体的には、例えば、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、石油樹脂、植物油、及び液状ゴムなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
老化防止剤としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、スチレン化フェノール(SP)、及び2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物(RD)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
有機系活性剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
【0039】
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物が挙げられる。
【0040】
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、及び臭素化ポリエーテルなどが挙げられる。また、非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリクレジル・ホスフェート、及びジフェニルクレジル・ホスフェートが挙げられる。
【0041】
架橋促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができる。ゴム用助剤としては、例えば、亜鉛華;ステアリン酸、オレイン酸、これらのZn塩を用いることができる。
【0042】
接着助剤としては、例えば、トリアジンチオール系化合物(例えば、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、6−ブチルアミノ−2,4−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン)、レゾルシン、クレゾール、レゾルシン−ホルマリンラテックス、モノメチロールメラミン、モノメチロール尿素、エチレンマレイミド、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、及びドデカン酸コバルトなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0043】
本発明の組成物はワックスを含有するのが好ましい。
ワックスは特に制限されないが、例えば、植物性ワックス(ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ジャパンワックス、ウルシろう、サトウキビろう、パームろう等)、鉱石系ワックス(モンタンワックス、オゾケライトとセレシン、オイルシェルより得られるワックス等)、動物性ワックス(蜜ろうワックス等)などが挙げられる。なかでも、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが好ましい。
本発明の組成物においてワックスの含有量は特に制限されないが、上述したジエン系重合体100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、10質量部以下であることが好ましい。
【0044】
<ゴム組成物の調製方法>
本発明の組成物は、従来公知の製造方法により製造できる。例えば、上述した各成分を、バンバリーミキサー、及びニーダーなどの密閉式混合機、ロールなどの混練ロール機、押出し機、及び二軸押出機などを用いて混練する方法が挙げられる。
【0045】
[積層体]
本発明の積層体は、金属表面を有する補強層と、上記金属表面上に設けられたゴム層とを備える。ここで、ゴム層は、上述した本発明の組成物を用いて形成される。
上述のとおり、本発明の組成物は金属表面に対して優れた接着性を示すため、本発明の積層体はホース(特に、高圧ホース、油圧ホース)に好適に用いられる。
【0046】
[ホース]
以下、本発明の積層体がホースである場合について詳述する。
図1は、本発明のホースの一実施態様の一部破断斜視図である。図1に示すように、ホース1は、円筒状に形成され、内部を流体が通過する内部ゴム層11と、内部ゴム層11の外側に設けられる補強層12と、補強層12の外側に設けられる外部ゴム層13とを有する。ここで、補強層12は金属表面を有する。また、内部ゴム層11及び/又は外部ゴム層13は上述した本発明の組成物を用いて形成される。補強層12は、内部ゴム層11と外部ゴム層13との間に挟みこまれるように配設されている。内部ゴム層11、補強層12、及び外部ゴム層13は、内部ゴム層11及び外部ゴム層13の加硫により接着固定される。
以下では、まず各層について述べ、その後、本発明のホースを製造する具体例について詳述する。
【0047】
<補強層>
補強層は、ホースの強度を保持するための層であり、ゴム層との接着性の観点から、金属表面を有する。補強層は、鋼線材が編みこまれたワイヤブレードであり、ワイヤの表面がブラスめっきされているのが好ましい。なお、図1に示した例では、補強層を一層としているが、層間に中間ゴム層が配置された複数の補強層を設けるようにしてもよい。補強層は、ワイヤブレードのほか、内部ゴム層周囲に鋼線材ワイヤをらせん状に巻きつけたスパイラルワイヤとして形成されたものであってもよい。補強層を形成する材料及び編み方や織り方又は巻き付け方は用途に応じて、例えば、耐圧力に応じて、適宜選択することができる。油圧ホースなどにおいては、ワイヤブレードにより補強層を形成することが好ましい。補強層は、ワイヤを編み上げた、編組構造又はスパイラル構造を有するのが好ましい。
【0048】
ワイヤ材料としては、例えば、ピアノ線(炭素鋼)、硬鋼線及びステンレス鋼線などが挙げられる。ワイヤ材料としては、加工性及び強度などの観点からピアノ線(炭素鋼)及び硬鋼線が特に好ましい。
【0049】
補強層は、ゴム層との接着性を高めるために、表面が金属めっきされるのが好ましい。この金属めっきは、ピアノ線及び硬鋼線にブラス(真鍮)コーティングが施されたものである。ブラスコーティングでは、銅が鋼ワイヤ上にめっきされ、亜鉛が銅の上にめっきされ、熱拡散処理を加えてブラスコーティングを形成する。
【0050】
<ゴム層>
ゴム層は上述した本発明の組成物を用いて形成される。耐候性の観点から、少なくとも外部ゴム層は上述した本発明の組成物を用いて形成されるのが好ましい。内部ゴム層は、耐油性に優れたアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を主成分とするゴム組成物を用いて形成するのが好ましい。
【0051】
本発明の組成物を用いてゴム層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、補強層の金属表面上にゴム組成物の層を形成してから、加硫する方法などが挙げられる。加硫によって、硫黄などの加硫剤によってゴム同士が架橋され、弾性と引っ張り強さが付与されると共に、補強層との界面で金属と加硫剤(例えば、硫黄)とが結合してゴム層と補強層とが接着される。
【0052】
加硫剤として硫黄を用いる場合、硫黄は、ゴム組成物としてのコンパウンドを形成する際に、他の材料とともに配合しておくことが好ましい。なお、硫黄の配合は、硫黄によりジエン系重合体を形成する分子鎖同士が硫黄により架橋され、ゴム層と補強層との界面における金属と硫黄との結合などによりゴム層と補強層とが接着される限りにおいては、コンパウンド調製時の配合に限定されない。
【0053】
加硫方法としては、硫黄の存在下でゴム組成物を所定温度で所定時間加熱処理する方法などが挙げられる。加硫温度としては、130℃以上180℃以下が好ましい。加硫時間としては、30分以上240分以下が好ましい。この範囲の温度と時間との組み合わせによって、より優れた物性、例えば弾性、引張強度、外観、ゴム−金属界面の接着性及びゴム−金属界面のゴム付きを得ることができる。
加硫方式としては、例えば、補強層の金属表面上にゴム組成物の層を形成してから、高圧容器内に封入して蒸気缶内で架橋するスチーム加硫方式、ナイロン布などで覆ったものを熱風乾燥炉内で加硫するオーブン加硫方式などが挙げられる。一般的に、スチーム加硫方式はバッチ式処理であり、オーブン加硫方式は連続式処理である。生産性の観点から、連続式処理であるオーブン加硫方式が好ましい。
なお、従来公知の他の加硫方式によるゴム製品の製造にも好適に使用できることはいうまでもない。他の加硫方式としては、例えば、プレス加硫、蒸気加硫、及び温水加硫などを挙げることができる。
【0054】
上記内部ゴム層の厚みは、例えば、0.2mm以上4.0mm以下が好ましく、0.5mm以上2.0mm以下がより好ましい。同様に、上記外部ゴム層の厚みは、例えば0.2mm以上4.0mm以下が好ましく、0.5mm以上2.0mm以下がより好ましい。
【0055】
<製造方法>
以下、図2及び図3を参照して、本発明のホースを製造する方法の具体例について説明する。
図2は、本発明のホースを製造する製造工程の一実施態様の説明図であり、図3は、本発明のホースを製造する製造工程のうち加硫工程の一実施態様の説明図である。
【0056】
図2に示すように、ホースは、内部ゴム層11を形成するゴム材の押出し工程(ステップS101)、補強層12の編上げ工程(ステップS102)、外部ゴム層13の押出し・加硫工程(ステップS103)、及び、マンドレル101の抜出し工程(ステップS104)により得られる。製造されたホースは、水圧検査、さらに検査巻取り工程を経て、梱包、出荷される。
【0057】
まず、ステップS101においては、巻出機100から繰り出したマンドレル101の外周面に、第1押出機102により未加硫内部ゴム層103を被覆する。未加硫内部ゴム層103は、巻取捲出機104に巻き取る。
【0058】
次に、ステップS102において、巻取捲出機104から繰り出した未加硫内部ゴム層103を覆うように、編組機105により編組して補強層を形成した補強層付未加硫内部ゴム層106を巻取捲出機107に巻き取る。この補強層のコードには、金属ワイヤが用いられる。金属ワイヤは、ゴムとの接着性を良好にするために真鍮をめっきした鋼線が用いられる。なお、補強層は、金属ワイヤをマンドレル101の周囲に形成した未加硫内部ゴム層103の周囲にスパイラルに巻き回すことにより形成してもよい。
【0059】
次に、ステップS103においては、巻取捲出機107から繰り出した補強層付未加硫内部ゴム層106の補強層の上に、第2押出機108により未加硫の外部ゴム層を被覆してホース前駆体109を形成し、形成したホース前駆体109を巻取機110に巻き取る。ここでは、ホース前駆体109が、第2押出機108を出てから巻取機110に巻き取られる間に、加硫装置111により加硫工程を実施して加硫したホースを巻取機110で巻き取っているが、加硫工程は、ホース前駆体109を巻取機110で巻き取ったあとに設けてもよい。また、加硫装置111の前後には、ナイロン布などの保護布をホース前駆体109へ脱着するためのラッピング装置113及びアンラッピング装置114が設けられている。なお、図2においては、ラッピング装置113によりナイロン布が巻かれたナイロン布付ホース前駆体115は、加硫後、ナイロン布を取り外す前のナイロン布付ホース112となる。加硫工程については後述する。
【0060】
次に、ステップS104においては、加硫後、巻取機110から巻き出したアンラッピングしたホース116からマンドレル抜出装置117により、マンドレル101を抜き取ってホース118が完成する。
【0061】
図3に示すように、第2押出機108を出たホース前駆体109は、ラッピング装置113によって周囲にナイロン布119が巻き回される。ナイロン布119で被覆されたナイロン布付ホース前駆体115は、加硫装置111内に搬入される。加硫装置111は、熱風120により加硫を進行させる熱風循環型の連続加硫装置である。この加硫方式は、オーブン加硫方式である。加硫方式はスチーム加硫方式などオーブン加硫方式以外の加硫方式であってもよいが、生産性向上の観点から、オーブン加硫方式であることが好ましい。
【0062】
図4は、加硫装置に投入されるマンドレル周囲の層構造の一例を説明する部分断面図である。図4に示すように、マンドレル101周囲には、未加硫内部ゴム層103が形成されて、更にその周囲には補強層12が形成され、更にその周囲には未加硫外部ゴム層121が形成されている。未加硫外部ゴム層121の周囲には、ナイロン布119が巻き付けられており、この状態で加熱されて加硫工程が進行する。
【0063】
上述したように、加硫温度は130℃以上180℃以下、加硫時間すなわち加硫装置111内における加硫時間は30分以上240分以下であることが好ましい。この温度範囲及び加硫時間において、内部ゴム層及び外部ゴム層と補強層との接着性がより良好なホースが得られる。ここでは、上述した本発明の組成物を用いて内部ゴム層及び/又は外部ゴム層を形成することにより、内部ゴム層及び/又は外部ゴム層と金属製の補強層との接着性が良好なホースを製造することができる。
【0064】
また上記実施態様においては、連続処理方式による製造工程を例示したが、ゴム層と補強層とを別工程で製造した後貼り合わせる方法によっても製造できる。
【0065】
<用途>
本発明のホースは、様々な用途に適用することができる。本発明のホースの用途としては、例えば、自動車用エアコンホース、パワーステアリングホース、建設車両の油圧系などに用いられる油圧ホースなどとして好適に用いることができる。
【0066】
また、例えば、コンベヤベルトなど他のゴム積層体においても同様に用いることができる。
【実施例】
【0067】
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
<ゴム組成物の調製>
バンバリーミキサーを用いて、下記表1に示される成分を下記表1に示される割合(質量部)で混練し、ゴム組成物を調製した。
なお、表1中、SBRの量について、上段の値はSBR(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBRに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
【0069】
<ホースの作製>
まず、外径34mmのマンドレル上に、ブラスめっきワイヤをブレード状に巻き付けて金属表面を有する補強層を形成した。次に、補強層の金属表面上に、得られた各ゴム組成物から調製した厚さ2.5mmの未加硫シートを貼り合わせた。さらに、未加硫シートの外側を覆うようにナイロン66製のキュアリングテープ(保護布)を巻きつけ、スチーム加硫方式(142℃のスチーム缶内、90分間)又はオーブン加硫方式(142℃の常圧オーブン内、135分間)で加硫を行った。このようにして、金属表面を有する補強層と補強層の金属表面上に設けられたゴム層(外側ゴム層)とを備えるホースを得た。
【0070】
<接着性の評価>
得られたホース(スチーム加硫方式、オーブン加硫方式)について剥離力(kN/m)及びゴム付き(%)を評価した。結果を表1に示す(湿熱老化試験前)。
ここで、剥離力(kN/m)とは、補強層から外側ゴム層を剥離(剥離速度50mm/分)するときに要する単位幅(m)あたりの力の大きさ(kN)である。
また、ゴム付きとは、外側ゴム層を剥離したときに外側ゴム層が補強層表面に残留している割合であって、補強層表面積全体に対する残留ゴム層の面積比率を百分率で表したものである。
剥離力(kN/m)及びゴム付き(%)の数値は、10回測定した平均値である。
接着性の観点から、剥離力が3.5kN/m以上、かつ、ゴム付きが70%以上であることが好ましい。
【0071】
また、得られたホース(スチーム加硫方式、オーブン加硫方式)を湿熱環境(50℃、相対湿度95%)下に1週間放置した後に、同様に接着性を評価した。結果を表1に示す(湿熱老化試験後)。
【0072】
<耐ブルーム性の評価>
得られたホース(オーブン加硫方式、湿熱老化試験前)を25℃の環境下に6週間放置した。その後、外側ゴム層の表面を観察又は実際に触って、以下の基準でワックスの耐ブルーム性を評価した。結果を表1に示す。A又はBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。
・A:加硫した時とほぼ同じでブルームは見られない。
・B:わずかにワックスのブルームが見られる。
・C:ワックスのブルームが顕著に確認される。
【0073】
【表1】
【0074】
上記表1に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:スチレンブタジエンゴム(Taipol1723)(油展品:ゴム100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBRの正味は72.7質量%。)
・BR:ブタジエンゴム(NIPOL BR 1220)
・C.B:ISAF級カーボンブラック(ショウブラックN220、キャボットジャパン社製)
・可塑剤:アロマ系オイル(A/O MIX 2010、三共油化工業社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸
・老化防止剤:N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(オゾノン6C、精工化学社製)
・WAX1:マイクロクリスタリンワックス(HI−MIC−1080、日本精蝋社製)
・WAX2:パラフィンワックス(OZOACE−0015、日本精蝋社製)
・脂肪酸エステル:脂肪酸エステル(ニューエイド EG−ROLL、精工化学社製)
・多価アルコール:グリセリン(分子量:92、沸点:290℃、精製グリセリン、阪本薬品工業社製)
・硫黄:硫黄(細井化学工業社製)
・加硫促進剤1:N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(ノクセラーNS−P、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:ジフェニルグアニジン(ソクシノールD−G、住友化学社製)
【0075】
表1から分かるように、多価アルコールを含有しない比較例1と比較して、多価アルコールを所定量含有する実施例1〜5は、スチーム加硫方式で加硫した場合だけでなく、オーブン加硫方式で加硫した場合にも優れた接着性を示した。また、加硫後に湿熱環境下に放置した場合にも優れた接着性を示した。なかでも、多価アルコールの含有量がジエン系重合体100質量部に対して10質量部以下である実施例1〜4は、優れた耐ブルーム性を示した。そのなかでも、多価アルコールの含有量がジエン系重合体100質量部に対して2.5質量部以上である実施例4は、オーブン加硫方式で加硫した場合により優れた接着性を示した。
【0076】
一方、多価アルコールを含有するが、多価アルコールの含有量がジエン系重合体100質量部に対して0.5質量部未満である比較例2は、比較例1と同様、オーブン加硫方式で加硫した場合の接着性が不十分となった。また、多価アルコールを含有するが、多価アルコールの含有量がジエン系重合体100質量部に対して14質量部を超える比較例3は、スチーム加硫方式で加硫した場合の接着性が不十分となった。
また、多価アルコールを含有する代わりに、硫黄の含有量を増やした比較例4及び5は、加硫(オーブン加硫方式)後に湿熱環境下に放置した場合の接着性が不十分となった。
【符号の説明】
【0077】
1 ホース
11 内部ゴム層
12 補強層
13 外部ゴム層
100 巻出機
101 マンドレル
102 第1押出機
103 未加硫内部ゴム層
104 巻取捲出機
105 編組機
106 補強層付未加硫内部ゴム層
107 巻取捲出機
108 第2押出機
109 ホース前駆体
110 巻取機
111 加硫装置
112 ナイロン布付ホース
113 ラッピング装置
114 アンラッピング装置
115 ナイロン布付ホース前駆体
116 ホース
117 マンドレル抜出装置
118 ホース
119 ナイロン布
120 熱風
121 未加硫外部ゴム層
図1
図2
図3
図4