(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体側から像側に順に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズと、絞りと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズと、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第5レンズとを備え、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの内視鏡用撮像光学系であって、
該第5レンズの焦点距離をf5で表し、全体の焦点距離をfで表し、該第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離をTTLとして、
4 < f5/f <7
5.5 < TTL/f < 6.5
を満たす内視鏡用撮像光学系。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、十分に小型で、十分に広角で、十分に高解像度である内視鏡を実現するための、接合レンズを使用しない5枚レンズの撮像光学系に対するニーズがある。本発明の課題は、十分に小型で、十分に広角で、十分に高解像度である内視鏡を実現するための、接合レンズを使用しない5枚レンズの撮像光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による撮像光学系は、物体側から像側に順に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズと、絞りと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズと、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズとを備え、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの撮像光学系であって、該第5レンズの焦点距離をf5で表し、全体の焦点距離をfで表して、
2.6 < f5/f <7
を満たす。
【0008】
本発明による撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。接合レンズを使用しないことで、小型で低コストの撮像光学系を提供することが可能となる。
【0009】
本発明による撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズと、絞りと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズと、を備える。物体側から像側に配置された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、を備える構成は、広角における諸収差を補正しやすい。
【0010】
第1レンズの物体側の面が平面または凸面であるので、レンズ表面に液滴の滞留及びそれによる解像度の低下が防止される。
【0011】
絞りの前の正の屈折力を有する第2レンズの倍率色収差と絞りの後の正の屈折力を有する第3レンズの倍率色収差とが打ち消しあい、倍率色収差が低減される。
【0012】
本発明による撮像光学系は、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズとを備え、該第5レンズの焦点距離をf5で表し、全体の焦点距離をfで表して、
2.6 < f5/f <7
を満たす。
【0013】
f5/fを上記の式の上限値より小さくすることにより、第5レンズの屈折力を比較的大きく維持して、像面湾曲の増加及び周辺光量比の低下を抑えることができる。f5/fを上記の式の下限値より大きくすることにより、第5レンズの屈折力が過大にならないようにして非点収差の増加を抑えることができる。
【0014】
本発明の第1の実施形態の撮像光学系においては、該第1レンズの物体側の面以外のすべての面が非球面である。
【0015】
該第1レンズの物体側の面以外のすべての面を非球面とすることによって収差を低減することが可能となり、良好な解像度が得られる。
【0016】
本発明の第2の実施形態の撮像光学系においては、 該第5レンズが両凸レンズである。
【0017】
第5レンズを両凸レンズとすることによって周辺光量比の低下を抑えつつ像面湾曲を低減させて良好な解像が得られる。
【0018】
本発明の第3の実施形態の撮像光学系は、さらに
4 < f5/f <7
を満たす。
【0019】
f5/fを、式
4 < f5/f <7
の下限値よりも大きくすることにより、周縁部の光線入射角度の大きな、小型で高解像度のセンサに対応して、光学系の射出瞳位置から像平面までの距離を1.5mm程度に設定しやすくなる。
【0020】
本発明の第4の実施形態の撮像光学系は、該第2レンズのアッベ数をν2、該第3レンズのアッベ数をν3、該第4レンズのアッベ数をν4として、
|ν2-ν3| < 10
ν4 < ν2
ν4 < ν3
を満たす。
【0021】
上記の条件を満たす場合に、第4レンズの材料のみをアッベ数の小さな高分散樹脂とすることによって色収差を低減することが可能となる。したがって、高分散樹脂のレンズの数を減らしコストの点から有利になる。
【0022】
本発明の第5の実施形態の撮像光学系は、該第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離をTTLとして、
5.5 < TTL/f < 6.5
を満たす。
【0023】
TTL/fを、上記の式の下限値よりも大きくすることにより周辺光量比を所定の値以上とすることが容易となり、上限値よりも小さくすることにより光学系のコンパクト化が容易となる。
【0024】
本発明の第5の実施形態の撮像光学系は、エフ・ナンバーをFnoとして、
4.0 < Fno < 6.5
を満たす。
【0025】
Fnoを上記の式の下限値よりも大きくすることにより、光学系の被写界深度が深くなり広範囲の撮影に対応できる。Fnoを上記の式の上限値よりも小さくすることにより、小さなピクセルサイズのセンサに対応可能な解像度を維持することができ、センサの小型化にも対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施形態(後で説明する実施例1)の撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズ101と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズ102と、絞り103と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズ104と、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズ105と、正の屈折力を有する第5レンズ106とを備える。撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。上記のレンズを通過した光束は、光学部材107を通過した後、像平面108上に集光される。光学部材107は、センサのカバーガラスなどである。本明細書及び特許請求の範囲において、負の屈折力を有するレンズとは、光学系に画角の範囲内で入射する光束であって瞳を通過する光束に対して負の屈折力を有するレンズを意味し、正の屈折力を有するレンズとは、上記の光束に対して正の屈折力を有するレンズを意味する。
【0028】
本発明の実施形態の撮像光学系の特徴を以下に説明する。
【0029】
本発明の実施形態の撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。接合レンズを使用しないことで、小型で低コストの撮像光学系を提供することが可能となる。
【0030】
本発明の実施形態の撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズと、絞りと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズと、を備える。物体側から像側に配置された、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、を備える構成は、広角における諸収差を補正しやすい。テレセントリック性の観点からは、絞りを第1レンズ及び第2レンズの間に配置するのが有利である。小型化、広角化、及び高解像度化の観点からは、絞りを第2レンズ及び第3レンズの間に配置するのが有利である。本発明では、テレセントリック性よりも小型化、広角化、及び高解像度化をより重視するので、絞りを第2レンズ及び第3レンズの間に配置する。
【0031】
第1レンズの物体側の面が平面または凸面であるので、レンズ表面の液滴の滞留及びそれによる解像度の低下が防止される。
【0032】
本発明の実施形態の撮像光学系は、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズとを備え、該第5レンズの焦点距離をf5で表し、全体の焦点距離をfで表して、
2.6 < f5/f <7 (1)
を満たす。
【0033】
f5/fを式(1)の上限値より小さくすることにより、第5レンズの屈折力を比較的大きく維持して、像面湾曲の増加及び周辺光量比の低下を抑えることができる。f5/fを式(1)の下限値より大きくすることにより、第5レンズの屈折力が過大にならないようにして非点収差の増加を抑えることができる。
【0034】
さらに、f5/fを、式
4 < f5/f <7 (2)
の下限値よりも大きくすることにより、周縁部の光線入射角度の大きな、小型で高解像度のセンサに対応して、光学系の射出瞳位置から像平面までの距離を1.5mm程度に設定しやすくなる。
【0035】
正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズと、絞りと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズと、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズと、を配置した構成によって色収差を低減すること可能となる。
【0036】
絞りの前の正の屈折力を有する第2レンズの倍率色収差と絞りの後の正の屈折力を有する第3レンズの倍率色収差とが打ち消しあい、倍率色収差が低減される。
【0037】
第2レンズのアッベ数をν2、第3レンズのアッベ数をν3、第4レンズのアッベ数をν4として、式
|ν2-ν3| < 10 (3)
ν4 < ν2 (4)
ν4 < ν3 (5)
を満たす場合に、第4レンズの材料のみをアッベ数の小さな高分散樹脂とすることによって色収差を低減することが可能となる。
【0038】
第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離をTTLとして、TTL/fを、式
5.5 < TTL/f < 6.5 (6)
の下限値よりも大きくすることにより周辺光量比を所定の値以上とすることが容易となり、上限値よりも小さくすることにより光学系のコンパクト化が容易となる。
【0039】
エフ・ナンバーをFnoとして、Fnoを
4.0 < Fno < 6.5 (7)
の下限値よりも大きくすることにより、光学系の被写界深度が深くなり広範囲の撮影に対応できる。Fnoを式(7)の上限値よりも小さくすることにより、小さなピクセルサイズのセンサに対応可能な解像度を維持することができ、センサの小型化にも対応することができる。
【0040】
以下において本発明の実施例を説明する。
【0041】
各実施例の第1レンズ、第2レンズ第3レンズ及び第5レンズの材料はシクロオレフィンポリマー(グレード:E48R)である。各実施例の第4レンズの材料はポリカーボネート(グレード:EP5000)である。センサカバー(光学部材105)の材料はN-BK7である。
【0042】
各レンズの各面は以下の式で表せる。
【数1】
【数2】
【数3】
【0043】
各レンズの二面の曲率中心を結ぶ線をz軸とする。zはそれぞれのレンズ面とz軸との交点を基準とし、像側を正とした、レンズ面上の点のz軸方向の位置を示す座標である。hはz軸からレンズ面上の点までの距離を示す。Rはレンズ面の頂点における符号付きの曲率半径、すなわち符号付きの中心曲率半径である。cはレンズ面の頂点における符号付きの曲率、すなわち符号付きの中心曲率である。cの絶対値は、レンズ面の頂点における曲率、すなわち中心曲率であり、符号は、レンズ面が物体側に凸である場合に正、レンズ面が像側に凸である場合に負である。kはコーニック定数である。Aiは非球面係数である。i及びmは整数である。
【0044】
各レンズの一致した主軸を光軸とする。
【0045】
各実施例の撮像光学系の収差は、F線(波長486.1nm)、d線(波長587.56nm)、及びC線(波長656.27nm)について示す。
【0046】
以下の表における「曲率半径」及び「間隔」の長さの単位は、ミリメータである。
【0047】
実施例1
図1は、実施例1の撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズ101と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズ102と、絞り103と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズ104と、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズ105と、正の屈折力を有する第5レンズ106とを備える。撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。上記のレンズを通過した光束は、光学部材107を通過した後、像平面108上に集光される。
【0048】
表1は光学素子の面間隔、光学素子の材料の性質、光学素子の面の形状を示す表である。面1−面4は、それぞれ、第1レンズ101の物体側面、第1レンズ101の像側面、第2レンズ102の物体側面、及び第2レンズ102の像側面を表す。面1に対応する面間隔は第1レンズ101の像側面と第2レンズ102の物体側面との間隔を表す。面1に対応する屈折率及びアッベ数は、第1レンズ101の屈折率及びアッベ数を表す。
【表1】
【0049】
表2は、面2−4及び面6−11の式(8)の中心曲率半径、コーニック定数、非球面係数を示す表である。
【表2】
【0050】
図2は実施例1の撮像光学系の球面収差を示す図である。横軸は結像位置の光軸方向の座標を表す。横軸の0は像平面の位置を表す。縦軸は光軸に平行な光線の光軸からの距離の相対値を表す。0は光軸と一致する光線を表し、1は絞りの開口の縁を通過する光線を表す。
【0051】
図3は実施例1の撮像光学系の歪曲収差を表す図である。横軸は歪曲収差を表す。縦軸は、主光線の光軸となす角度を表す。
【0052】
図4は、実施例1の撮像光学系の非点収差を示す図である。横軸は、F線、d線、及びC線のタンジェンシャル像面及びサジタル像面の光軸方向の位置を表す。図において、Tanはタンジェンシャル像面を表し、Sagはサジタル像面を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0053】
図5は、実施例1の撮像光学系の倍率色収差を示す図である。横軸は、d線を基準としたF線及びC線の倍率色収差を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0054】
実施例1の撮像光学系の焦点距離、エフ・ナンバー(Fno.)、半画角、第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離(TTL)、像平面から物体側方向への射出瞳までの距離(射出瞳位置)、像平面における光軸上の照度に対する周縁の照度の比率(周辺光量比)は以下のとおりである。
【0055】
焦点距離 0.693mm
Fno. 5
半画角 60度
TTL 4.081mm
射出瞳位置 1.491mm
周辺光量比 55%
【0056】
実施例2
図6は、実施例2の撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズ201と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズ202と、絞り203と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズ204と、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズ205と、正の屈折力を有する第5レンズ206とを備える。撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。上記のレンズを通過した光束は、光学部材207を通過した後、像平面208上に集光される。
【0057】
表3は光学素子の面間隔、光学素子の材料の性質、光学素子の面の形状を示す表である。面1−面4は、それぞれ、第1レンズ201の物体側面、第1レンズ201の像側面、第2レンズ202の物体側面、及び第2レンズ202の像側面を表す。面1に対応する面間隔は第1レンズ201の像側面と第2レンズ202の物体側面との間隔を表す。面1に対応する屈折率及びアッベ数は、第1レンズ201の屈折率及びアッベ数を表す。
【表3】
【0058】
表4は、面2−4及び面6−11の式(8)の中心曲率半径、コーニック定数、非球面係数を示す表である。
【表4】
【0059】
図7は実施例2の撮像光学系の球面収差を示す図である。横軸は結像位置の光軸方向の座標を表す。横軸の0は像平面の位置を表す。縦軸は光軸に平行な光線の光軸からの距離の相対値を表す。0は光軸と一致する光線を表し、1は絞りの開口の縁を通過する光線を表す。
【0060】
図8は実施例2の撮像光学系の歪曲収差を表す図である。横軸は歪曲収差を表す。縦軸は、主光線の光軸となす角度を表す。
【0061】
図9は、実施例2の撮像光学系の非点収差を示す図である。横軸は、F線、d線、及びC線のタンジェンシャル像面及びサジタル像面の光軸方向の位置を表す。図において、Tanはタンジェンシャル像面を表し、Sagはサジタル像面を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0062】
図10は、実施例2の撮像光学系の倍率色収差を示す図である。横軸は、d線を基準としたF線及びC線の倍率色収差を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0063】
実施例2の撮像光学系の焦点距離、エフ・ナンバー(Fno.)、半画角、第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離(TTL)、像平面から物体側方向への射出瞳までの距離(射出瞳位置)、像平面における光軸上の照度に対する周縁の照度の比率(周辺光量比)は以下のとおりである。
【0064】
焦点距離 0.693mm
Fno. 5
半画角 60度
TTL 4.096mm
射出瞳位置 1.469mm
周辺光量比 53%
【0065】
実施例3
図11は、実施例3の撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズ301と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズ302と、絞り303と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズ304と、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズ305と、正の屈折力を有する第5レンズ306とを備える。撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。上記のレンズを通過した光束は、光学部材307を通過した後、像平面308上に集光される。
【0066】
表5は光学素子の面間隔、光学素子の材料の性質、光学素子の面の形状を示す表である。面1−面4は、それぞれ、第1レンズ301の物体側面、第1レンズ301の像側面、第2レンズ302の物体側面、及び第2レンズ302の像側面を表す。面1に対応する面間隔は第1レンズ301の像側面と第2レンズ302の物体側面との間隔を表す。面1に対応する屈折率及びアッベ数は、第1レンズ301の屈折率及びアッベ数を表す。
【表5】
【0067】
表6は、面2−4及び面6−11の式(8)の中心曲率半径、コーニック定数、非球面係数を示す表である。
【表6】
【0068】
図12は実施例3の撮像光学系の球面収差を示す図である。横軸は結像位置の光軸方向の座標を表す。横軸の0は像平面の位置を表す。縦軸は光軸に平行な光線の光軸からの距離の相対値を表す。0は光軸と一致する光線を表し、1は絞りの開口の縁を通過する光線を表す。
【0069】
図13は実施例3の撮像光学系の歪曲収差を表す図である。横軸は歪曲収差を表す。縦軸は、主光線の光軸となす角度を表す。
【0070】
図14は、実施例3の撮像光学系の非点収差を示す図である。横軸は、F線、d線、及びC線のタンジェンシャル像面及びサジタル像面の光軸方向の位置を表す。図において、Tanはタンジェンシャル像面を表し、Sagはサジタル像面を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0071】
図15は、実施例3の撮像光学系の倍率色収差を示す図である。横軸は、d線を基準としたF線及びC線の倍率色収差を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0072】
実施例3の撮像光学系の焦点距離、エフ・ナンバー(Fno.)、半画角、第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離(TTL)、像平面から物体側方向への射出瞳までの距離(射出瞳位置)、像平面における光軸上の照度に対する周縁の照度の比率(周辺光量比)は以下のとおりである。
【0073】
焦点距離 0.692mm
Fno. 5
半画角 60度
TTL 4.077mm
射出瞳位置 1.506mm
周辺光量比 56%
【0074】
実施例4
図16は、実施例4の撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズ401と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズ402と、絞り403と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズ404と、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズ405と、正の屈折力を有する第5レンズ406とを備える。撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。上記のレンズを通過した光束は、光学部材407を通過した後、像平面408上に集光される。
【0075】
表7は光学素子の面間隔、光学素子の材料の性質、光学素子の面の形状を示す表である。面1−面4は、それぞれ、第1レンズ401の物体側面、第1レンズ401の像側面、第2レンズ402の物体側面、及び第2レンズ402の像側面を表す。面1に対応する面間隔は第1レンズ401の像側面と第2レンズ402の物体側面との間隔を表す。面1に対応する屈折率及びアッベ数は、第1レンズ401の屈折率及びアッベ数を表す。
【表7】
【0076】
表8は、面2−4及び面6−11の式(8)の中心曲率半径、コーニック定数、非球面係数を示す表である。
【表8】
【0077】
図17は実施例4の撮像光学系の球面収差を示す図である。横軸は結像位置の光軸方向の座標を表す。横軸の0は像平面の位置を表す。縦軸は光軸に平行な光線の光軸からの距離の相対値を表す。0は光軸と一致する光線を表し、1は絞りの開口の縁を通過する光線を表す。
【0078】
図18は実施例4の撮像光学系の歪曲収差を表す図である。横軸は歪曲収差を表す。縦軸は、主光線の光軸となす角度を表す。
【0079】
図19は、実施例4の撮像光学系の非点収差を示す図である。横軸は、F線、d線、及びC線のタンジェンシャル像面及びサジタル像面の光軸方向の位置を表す。図において、Tanはタンジェンシャル像面を表し、Sagはサジタル像面を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0080】
図20は、実施例4の撮像光学系の倍率色収差を示す図である。横軸は、d線を基準としたF線及びC線の倍率色収差を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0081】
実施例4の撮像光学系の焦点距離、エフ・ナンバー(Fno.)、半画角、第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離(TTL)、像平面から物体側方向への射出瞳までの距離(射出瞳位置)、像平面における光軸上の照度に対する周縁の照度の比率(周辺光量比)は以下のとおりである。
【0082】
焦点距離 0.693mm
Fno. 5
半画角 60度
TTL 4.051mm
射出瞳位置 1.48mm
周辺光量比 56%
【0083】
実施例5
図21は、実施例5の撮像光学系の構成を示す図である。撮像光学系は、物体側から像側に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズ501と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズ502と、絞り503と、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズ504と、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズ505と、正の屈折力を有する第5レンズ506とを備える。撮像光学系は、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの光学系である。上記のレンズを通過した光束は、光学部材507を通過した後、像平面508上に集光される。
【0084】
表9は光学素子の面間隔、光学素子の材料の性質、光学素子の面の形状を示す表である。面1−面4は、それぞれ、第1レンズ501の物体側面、第1レンズ501の像側面、第2レンズ502の物体側面、及び第2レンズ502の像側面を表す。面1に対応する面間隔は第1レンズ501の像側面と第2レンズ502の物体側面との間隔を表す。面1に対応する屈折率及びアッベ数は、第1レンズ501の屈折率及びアッベ数を表す。
【表9】
【0085】
表10は、面2−4及び面6−11の式(8)の中心曲率半径、コーニック定数、非球面係数を示す表である。
【表10】
【0086】
図22は実施例5の撮像光学系の球面収差を示す図である。横軸は結像位置の光軸方向の座標を表す。横軸の0は像平面の位置を表す。縦軸は光軸に平行な光線の光軸からの距離の相対値を表す。0は光軸と一致する光線を表し、1は絞りの開口の縁を通過する光線を表す。
【0087】
図23は実施例5の撮像光学系の歪曲収差を表す図である。横軸は歪曲収差を表す。縦軸は、主光線の光軸となす角度を表す。
【0088】
図24は、実施例5の撮像光学系の非点収差を示す図である。横軸は、F線、d線、及びC線のタンジェンシャル像面及びサジタル像面の光軸方向の位置を表す。図において、Tanはタンジェンシャル像面を表し、Sagはサジタル像面を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0089】
図25は、実施例5の撮像光学系の倍率色収差を示す図である。横軸は、d線を基準としたF線及びC線の倍率色収差を表す。縦軸は、撮像光学系に入射する光束の主光線の光軸に対する角度を表す。縦軸の角度の最大値は半画角に相当する。
【0090】
実施例5の撮像光学系の焦点距離、エフ・ナンバー(Fno.)、半画角、第1レンズの物体側の面の頂点から像平面までの距離(TTL)、像平面から物体側方向への射出瞳までの距離(射出瞳位置)、像平面における光軸上の照度に対する周縁の照度の比率(周辺光量比)は以下のとおりである。
【0091】
焦点距離 0.694mm
Fno. 5
半画角 60度
TTL 4.1mm
射出瞳位置 1.907mm
周辺光量比 58%
【0092】
実施例の特徴
表11は実施例の特徴を示す表である。
【表11】
【0093】
表11によると、実施例1−5は、式(1)及び式(6)−(7)を満たし、実施例1−4は式(2)を満たす。また、表1、3、5、7及び9によると、実施例1−5は、式(3)−(5)を満たす。実施例1−5の射出瞳位置(像平面から物体側方向への射出瞳までの距離)は2ミリメータより小さく、周辺光量比は53%以上である。
【0094】
また、各実施例の収差図によると、各収差の大きさは以下のとおりである。球面収差に関し、光軸上の結像位置は像平面から±5マイクロメータの範囲である。非点収差に関し、三波長のタンジェンシャル像面及びサジタル像面の光軸方向の位置は、全実施例において像平面から±20マイクロメータの範囲であり、実施例1、3及び4において±10マイクロメータの範囲である。歪曲収差は±50%以下である。d線を基準としたF線及びC線の倍率色収差は、全実施例において±1マイクロメータ以内であり、実施例1−4において±0.5マイクロメータ以内である。
【0095】
このように、実施例1−5の収差は十分に小さく、高解像度の撮像光学系が実現されている。
十分に小型で、十分に広角で、十分に高解像度である内視鏡を実現するための、接合レンズを使用しない5枚レンズの撮像光学系を提供する。撮像光学系は、物体側から像側に順に配置された、負の屈折力を有し、物体側の面が平面または凸面である第1レンズと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第2レンズと、絞りと、正の屈折力を有し、両凸レンズである第3レンズと、負の屈折力を有し、両凹レンズである第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズとを備え、各レンズが接合レンズではない5枚レンズの撮像光学系であって、該第5レンズの焦点距離をf5で表し、全体の焦点距離をfで表して、