特許第6644309号(P6644309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644309
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】レンタルスペースの情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20200130BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20200130BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q10/02
   E05B49/00
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-553143(P2019-553143)
(86)(22)【出願日】2019年5月8日
(86)【国際出願番号】JP2019018358
【審査請求日】2019年9月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504170595
【氏名又は名称】株式会社大正スカイビル
(74)【代理人】
【識別番号】100167900
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 仁
(72)【発明者】
【氏名】石田 和晴
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−156197(JP,A)
【文献】 特開2008−234381(JP,A)
【文献】 特開2014−148875(JP,A)
【文献】 特開2009−093411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用時間を設定して利用者に空間を貸与するためのレンタルスペースの情報処理装置であって、
前記レンタルスペースの情報を管理するための管理サーバおよび前記レンタルスペースの利用者を集客する複数の集客サーバに通信回線を介して接続されており、
前記集客サーバは、当該集客サーバへの情報入力を受け付ける利用者入力手段に通信回線を介して接続されるとともに、前記利用者入力手段を介して受け付けた利用者および予約日時に関する集客側予約情報を管理する集客側予約部を備え、
前記管理サーバは、前記レンタルスペースを利用する利用者および予約日時に関する管理側予約情報を管理する管理側予約部を備え、
当該情報処理装置は、
前記集客サーバの集客側予約情報の更新および前記管理サーバの管理側予約情報の更新を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段にて取得された集客側予約情報および管理側予約情報に基づいて、前記集客サーバの集客側予約情報および前記管理サーバの管理側予約情報を同期させる同期制御手段と、
前記集客側予約情報の更新を取得した場合に、前記レンタルスペースを利用する利用者に貸与する空間の錠装置を解錠するための解錠キーを発行するキー発行手段と、を備え
前記キー発行手段は、前記錠装置の仕様に対応していない前記集客サーバからの予約に対しても、前記レンタルスペースを利用する利用者に前記解錠キーを発行することができるようになってい
ことを特徴とするレンタルスペースの情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレンタルスペースの情報処理装置において、
前記集客サーバを介して予約された前記レンタルスペースの課金額を取得する課金額取得手段と、
前記課金額取得手段にて取得した課金額を集計する課金額集計手段と、をさらに備える
ことを特徴とするレンタルスペースの情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用時間を設定して利用者に空間を貸与するレンタルスペースの情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルやオフィス、ホテル等の空会議室を一般の利用者に向けてレンタルするためのシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたレンタルシステムは、インターネット等の通信ネットワークに公開された管理サーバと、会議室の情報が保存された複数の予約サーバと、を備え、利用者が管理サーバを介して予約サーバの会議室情報にアクセスするとともに、所望の会議室を予約することができるように構成されている。さらに、レンタルシステムは、課金機能も備えており、レンタル料金の支払もオンラインで実行できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−150178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のシステムでは、通信ネットワークを介して利用者から事前に予約および支払ができるものの、複数の集客サイト(集客サーバ)からの予約を受け付けることが想定されていない。このため、各集客サイトから同様の条件の予約を重複して受け付けた場合、これらの予約を管理サーバにて処理するための負荷が増大してしまい、ダブルブッキング等の処理エラーが発生する可能性が生じる。また、負荷の増大に対処するために管理サーバの処理能力を高めることも考えられるが、システム構成が複雑になるとともに、初期の設備投資やメンテナンスに要するコストの増加を招いてしまう。
【0005】
本発明の目的は、管理サーバの処理負荷を抑制しつつ予約の確実性を高めることができるレンタルスペースの情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレンタルスペースの情報処理装置は、利用時間を設定して利用者に空間を貸与するためのレンタルスペースの情報処理装置であって、前記レンタルスペースの情報を管理するための管理サーバおよび前記レンタルスペースの利用者を集客する複数の集客サーバに通信回線を介して接続されており、前記集客サーバは、当該集客サーバへの情報入力を受け付ける利用者入力手段に通信回線を介して接続されるとともに、前記利用者入力手段を介して受け付けた利用者および予約日時に関する集客側予約情報を管理する集客側予約部を備え、前記管理サーバは、前記レンタルスペースを利用する利用者および予約日時に関する管理側予約情報を管理する管理側予約部を備え、当該情報処理装置は、前記集客サーバの集客側予約情報の更新および前記管理サーバの管理側予約情報の更新を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段にて取得された集客側予約情報および管理側予約情報に基づいて、前記集客サーバの集客側予約情報および前記管理サーバの管理側予約情報を同期させる同期制御手段と、前記集客側予約情報の更新を取得した場合に、前記レンタルスペースを利用する利用者に貸与する空間の錠装置を解錠するための解錠キーを発行するキー発行手段と、を備え、前記キー発行手段は、前記錠装置の仕様に対応していない前記集客サーバからの予約に対しても、前記レンタルスペースを利用する利用者に前記解錠キーを発行することができるようになっていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明によれば、レンタルスペースの情報処理装置は、管理サーバおよび集客サーバに通信回線を介して接続され、利用者入力手段を介して受け付けた集客サーバの集客側予約情報の更新と、管理サーバの管理側予約情報の更新と、を情報取得手段が取得するとともに、これらの管理側予約情報および集客側予約情報を同期制御手段によって同期させる。このように情報処理装置は、集客サーバの集客側予約情報と管理サーバの管理側予約情報とを同期させる同期制御手段を備えているので、レンタルスペースの空間に対する予約のダブルブッキングを防止することができる。したがって、管理サーバおよび集客サーバが互いに予約情報の同期を行う必要がなく、これらのサーバの処理負荷を抑制することができるとともに、情報処理装置の同期制御手段によって予約情報を同期させることで、処理エラーを防止して予約の確実性を高めることができる。
【0009】
また、情報処理装置は、集客側予約情報の更新に基づいて、キー発行手段が貸与する空間の錠装置を解錠するための解錠キーを発行することで、貸与する空間の錠装置の仕様に対応していない集客サーバからの予約に対しても、利用者に解錠キーを発行することができ、複数の集客サーバ側のキー発行仕様に関わらず広く利用者を集客することができる。
【0010】
さらに、本発明では、前記集客サーバを介して予約された前記レンタルスペースの課金額を取得する課金額取得手段と、前記課金額取得手段にて取得した課金額を集計する課金額集計手段と、をさらに備えることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、情報処理装置は、集客サーバを介して予約されたレンタルスペースの課金額を課金額取得手段が取得するとともに、取得した課金額を課金額集計手段が集計することで、レンタルスペースの管理者は、集客サーバごとの課金額を把握することができ、そのレンタルスペースの課金額の集計を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るレンタルスペースの情報処理装置の概略構成図
図2】前記レンタルスペースの情報処理装置の構成を示すブロック図
図3】前記レンタルスペースの情報処理装置の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るレンタルスペースの情報処理装置の概略構成図である。
レンタルスペースの情報処理装置は、図1に示すように、サイトコントローラ1であって、レンタルスペースである建物2の空間としての部屋20の情報を管理するための管理サーバ3と、レンタルスペースの利用者を集客する複数の集客サーバ5と、に通信回線としての公衆ネットワークであるインターネット6を介して接続されている。建物2は、複数存在し、それぞれ利用者に貸与するための複数の部屋20を備えている。集客サーバ5と、利用者が所持する携帯電話やスマートフォン、パーソナルコンピュータ等の端末装置4と、はインターネット6を介して相互に接続可能になっている。利用者は、利用者入力手段としての端末装置4を用いてインターネット6を介して任意の集客サーバ5にアクセスし、目的に応じた部屋20を探し、利用時間および利用人数を指定して予約を実行することができる。集客サーバ5は、管理サーバ3およびサイトコントローラ1から貸与可能な部屋20の部屋情報や課金条件等を受け取り、この部屋情報および課金情報を公開するとともに、利用者からの予約を受け付けると、予約情報をサイトコントローラ1および管理サーバ3に送信する。
【0014】
建物2は、会議室やトレーニングルーム等の複数の部屋20を備え、各部屋20には、出入口21と、出入口21を施解錠するための錠装置22とが設けられている。錠装置22は、後述するようにサイトコントローラ1から利用者の端末装置4に対して発行される発行される暗証番号やバーコード等の解錠キーによって解錠可能になっており、この認証キーは、利用するたびにランダムに変更され、その時間に予約した利用者だけが固有の解錠キーを用いて錠装置22を解錠できるようになっている。各部屋20の錠装置22には、LAN(Local Area Network)を介してモデムやルータ等の通信端末装置23が接続されており、この通信端末装置23がインターネット6を介して管理サーバ3に接続されている。
なお、本実施形態では、解錠キーは、暗証番号や、バーコード等を採用しているが、例えば、顔認証や、指紋認証や、網膜認証などの生体認証を採用してもよく、錠装置22を解錠可能とすることができれば、どのようなものであってもよい。
【0015】
図2は、レンタルスペースの情報処理装置の構成を示すブロック図である。
レンタルスペースの情報処理装置であるサイトコントローラ1は、CPU(Central Processing Unit)等からなる制御部を有したサーバ装置によって構成され、図2に示すように、管理サーバ3および集客サーバ5から予約情報を取得する情報取得部11と、管理サーバ3および集客サーバ5の間で予約情報を同期させる同期制御部12と、利用者に貸与する部屋20の錠装置22を解錠するための解錠キーを発行するキー発行部13と、集客サーバ5で設定されたレンタルスペースの課金額を取得する課金額取得部14と、
課金額取得部14にて取得した課金額を集計する課金額集計部15と、を備える。また、図示を省略するが、サイトコントローラ1は、各種情報を記憶する記憶手段、管理サーバ3や集客サーバ5と通信するための通信手段、管理者が設定入力を行うための入力手段等を備えている。
【0016】
管理サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)等からなる制御部を有したサーバ装置によって構成され、レンタルスペースを利用する利用者および予約日時に関する管理側予約情報を管理する管理側予約部31と、管理側予約情報に基づいて貸与する部屋20の割り当てを行う空間割当部32と、サイトコントローラ1のキー発行部13が発行した解錠キーに応じて貸与する部屋20の錠装置22を制御する錠制御部33と、を備える。また、図示を省略するが、管理サーバ3は、各種情報を記憶する記憶手段、サイトコントローラ1や集客サーバ5と通信するための通信手段、管理者が設定入力を行うための入力手段等を備えている。管理サーバ3は、インターネット6を介してサイトコントローラ1と通信を行い、部屋情報や予約情報、課金条件、解錠キー情報などの送受信を実行するとともに、建物2の通信端末装置23と通信を行い、錠装置22の制御信号の送受信を実行する。
【0017】
集客サーバ5は、CPU(Central Processing Unit)等からなる制御部を有したサーバ装置によって構成され、レンタルスペースの貸与可能な部屋20の部屋情報および課金情報を公開するとともに、利用者の端末装置4からインターネット6を介して予約を受け付ける。集客サーバ5は、受け付けた利用者および予約日時に関する集客側予約情報を管理する集客側予約部51と、予約を受け付けた部屋20の課金額を設定する課金額設定部52と、を備える。また、図示を省略するが、集客サーバ5は、各種情報を記憶する記憶手段、サイトコントローラ1や利用者の端末装置4と通信するための通信手段、管理者が設定入力を行うための入力手段等を備えている。集客サーバ5は、インターネット6を介して利用者の端末装置4と通信を行い、予約情報や課金情報の送受信を実行するとともに、サイトコントローラ1と通信を行い、部屋情報や予約情報などの送受信を実行する。
【0018】
なお、サイトコントローラ1、管理サーバ3および集客サーバ5の各部機能は、サーバ装置のCPUによりプログラムとして実行されてもよいし、それぞれ独立した機器で構成されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用して構成されてもよい。また、記憶手段は、HDD等の記憶装置によって構成されてもよいし、クラウドサービスの記憶手段を利用したものであってもよい。また、利用者入力手段として機能する端末装置4としては、利用者からの入力を受け付ける入力部、利用者に情報を報知するための表示部、集客サーバ5との間で情報を送受信するための通信部、これらの入力部や表示部、通信部等を制御する制御部を備えたスマートフォン等の機器であってもよいし、入力部、表示部、通信部および制御部がそれぞれ独立した機器で構成されたものであってもよい。
【0019】
図3は、レンタルスペースの情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図3のフローチャートでは、利用者により新規の予約を受け付けてからの集客サーバ5、サイトコントローラ1および管理サーバ3の動作手順が示されている。先ず、複数の集客サーバ5のうちいずれかの集客サーバ5は、利用者の端末装置4からインターネット6を介して予約を受け付けると、集客側予約部51が利用者、利用人数および利用日時を含む集客側予約情報を記憶手段に記憶させるとともに、その予約情報をサイトコントローラ1に送信する(集客側予約情報入力工程:ステップST11)。また、集客サーバ5は、集客側予約情報および課金条件に基づき課金額設定部52が課金額を設定し、集客側予約情報とともに課金額を利用者の端末装置4に送信する(課金額設定工程:ステップST12)。
【0020】
サイトコントローラ1は、集客サーバ5から予約情報を情報取得部11が受信すると、その予約情報を管理サーバ3と予約を受け付けた集客サーバ5以外の他の集客サーバ5とに送信する(予約情報通知工程:ステップST21)。管理サーバ3は、サイトコントローラ1から予約情報を受信すると、その予約情報を管理側予約部31が管理側予約情報として記憶手段に記憶させる(管理側予約情報入力工程:ステップST31)。また、他の集客サーバ5は、サイトコントローラ1から予約情報を受信すると、その予約情報を集客側予約部31が集客側予約情報として記憶手段に記憶させる(集客側予約情報入力工程:ステップST11)。以上により全ての集客サーバ5に記憶された集客側予約情報と管理サーバ3に記憶された管理側予約情報とが一致したものとなる。
【0021】
次に、集客サーバ5は、利用者の端末装置4から予約の変更を受け付けた場合、集客側予約部51が集客側予約情報を記憶手段に記憶させて更新するとともに、集客側予約情報の更新をサイトコントローラ1に送信する(集客側予約情報更新工程:ステップST13)。ここで、集客サーバ5は、課金額に変更がある場合には、課金額設定工程(ステップST12)を再び実行して課金額を再設定してもよい。サイトコントローラ1は、集客サーバ5における集客側予約情報の更新を取得すると(予約情報取得工程:ステップST22)、更新された集客側予約情報と、管理サーバ3の管理側予約情報および他の集客サーバ5の集客側予約情報とを同期制御部12が同期させ、その予約情報を管理サーバ3および他の集客サーバ5に送信する(予約情報同期工程:ステップST23)。
【0022】
管理サーバ3は、サイトコントローラ1から更新された予約情報を受信すると、その予約情報を管理側予約部31が管理側予約情報として記憶手段に記憶させて更新する(管理側予約情報更新工程:ステップST32)。他の集客サーバ5は、サイトコントローラ1から更新された予約情報を受信すると、その予約情報を集客側予約部51が集客側予約情報として記憶手段に記憶させて更新する(集客側予約情報更新工程:ステップST13)。以上により集客サーバ5側で予約情報が更新された場合でも、全ての集客サーバ5に記憶された集客側予約情報と管理サーバ3に記憶された管理側予約情報とが一致したものとなる。
【0023】
一方、管理サーバ3側で予約情報が更新された場合、管理サーバ3は、管理側予約部31が管理側予約情報として記憶手段に記憶させて更新するとともに、管理側予約情報の更新をサイトコントローラ1に送信する(管理側予約情報更新工程:ステップST32)。サイトコントローラ1は、管理サーバ3における管理側予約情報の更新を取得すると(予約情報取得工程:ステップST22)、更新された管理側予約情報と全ての集客サーバ5の集客側予約情報とを同期制御部12が同期させ、その予約情報を全ての集客サーバ5に送信する(予約情報同期工程:ステップST23)。全ての集客サーバ5は、サイトコントローラ1から更新された予約情報を受信すると、その予約情報を集客側予約部51が集客側予約情報として記憶手段に記憶させて更新する(集客側予約情報更新工程:ステップST13)。以上により管理サーバ3側で予約情報が更新された場合でも、管理サーバ3に記憶された管理側予約情報と全ての集客サーバ5に記憶された集客側予約情報とが一致したものとなる。
なお、本実施形態では、管理サーバ3は、新規の予約を受け付けていないが、受け付けることができるように構成してもよい。この場合には、サイトコントローラ1、管理サーバ3、および集客サーバ5は、前述した管理サーバ3側で予約情報が更新された場合と同様に動作し、管理サーバ3に記憶された管理側予約情報と全ての集客サーバ5に記憶された集客側予約情報とが一致したものとなるように構成すればよい。
【0024】
所定の予約変更可能期限までは上述のように予約の変更を受け付け、集客側予約情報と管理側予約情報の更新が行われ、その後、予約変更可能期限を過ぎて予約が確定されると、管理サーバ3は、確定した管理側予約情報に基づき、空間割当部32が貸与する部屋20の割り当て情報を設定し、設定した割り当て情報をサイトコントローラ1に送信する(割り当て情報設定工程:ステップST33)。具体的に空間割当部32は、貸与可能な全ての部屋20の中から、利用日時に空いていて利用人数に適合した広さの部屋20を抽出し、抽出した部屋20を割り当てることとして割り当て情報を設定する。なお、管理サーバ3において、割り当て情報設定工程(ステップST33)は、予約変更可能期限を過ぎて予約が確定されてから実行されるものに限らず、新規の予約を受け付けたときや予約の変更を受け付けたときに随時実行されてもよい。一方、サイトコントローラ1は、割り当て情報を受信すると、貸与する部屋20の錠装置22を解錠するための解錠キーをキー発行部13が発行し、予約情報と関連付けて利用者の端末装置4および管理サーバ3に送信する(解錠キー発行工程:ステップST24)。
【0025】
次に、利用日の利用時間が近づいたら(例えば、利用開始時刻の10分前)、管理サーバ3は、サイトコントローラ1から受信した解錠キーに基づき、貸与する部屋20の錠装置22を錠制御部33が制御して解錠可能にする(解錠キー設定工程:ステップST34)。これにより利用者は、サイトコントローラ1から端末装置4に受信した解錠キーを用いて部屋20の錠装置22を解錠することができるようになる。管理サーバ3は、図示しない人感センサ等を用いて利用者による部屋20の利用状況を検知し、利用時間の後に利用者が退室したら、その旨をサイトコントローラ1に通知する(利用状況通知工程:ステップST35)。ここで、例えば、予約情報に基づく利用時間を超過しても部屋20の利用を続けた場合は、超過時間をサイトコントローラ1に通知する。サイトコントローラ1は、超過時間を集客サーバ5に送信し集客側予約情報を更新させる。利用者による部屋20の利用が終了して退室を確認したら、管理サーバ3は、錠制御部33によって部屋20の錠装置22の解錠キーを解除して解錠不能にし(解錠キー解除工程:ステップST36)、これにより部屋20への再入室ができないようになる。
【0026】
部屋20の利用後、その利用に係る予約を受け付けた集客サーバ5は、課金額設定工程(ステップST12)で設定した課金額、および超過があった場合には超過時間を加算して再度設定した課金額に基づいて課金額を確定する(課金額確定工程:ステップST14)。さらに、集客サーバ5は、確定した課金額を請求金額として予約情報と関連付けて利用者の端末装置4に送信するとともに、確定した課金額をサイトコントローラ1に送信する。サイトコントローラ1は、課金額取得部14が集客サーバ5から予約情報と関連付けて課金額を取得し、記憶手段に記憶させる(課金額取得工程:ステップST25)。また、サイトコントローラ1は、所定期間(例えば、1週間や1カ月)ごとに、課金額取得部14にて取得した課金額を課金額集計部15が集計する(課金額集計工程:ステップST26)。すなわち、課金額は、複数の集客サーバ5で個別に設定されるとともに、複数の建物2の複数の部屋20に関して予約ごとに設定されるため、サイトコントローラ1の課金額取得部14が集客サーバ5から課金額を取得し、課金額集計部15が課金額を集計することで、部屋20ごとに所定期間の課金情報を集約することができるようになっている。
【0027】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)レンタルスペースのサイトコントローラ1は、管理サーバ3および集客サーバ5にインターネット6を介して接続され、利用者の端末装置4を介して受け付けた集客サーバ5の集客側予約情報の更新と、管理サーバ3の管理側予約情報の更新と、を情報取得部11が取得するとともに、これらの管理側予約情報および集客側予約情報を同期制御部12によって同期させる。このようにサイトコントローラ1は、全ての集客サーバ5の集客側予約情報と管理サーバ3の管理側予約情報とを同期させる同期制御部12を備えているので、レンタルスペースの部屋20に対する予約のダブルブッキングを防止することができる。したがって、管理サーバ3および集客サーバ5が互いに予約情報の同期を行う必要がなく、これらのサーバの処理負荷を抑制することができるとともに、サイトコントローラ1の同期制御部12によって予約情報を同期させることで、処理エラーを防止して予約の確実性を高めることができる。
【0028】
(2)サイトコントローラ1は、集客側予約情報の更新に基づいて、キー発行部13が貸与する部屋20の錠装置22を解錠するための解錠キーを発行することで、貸与する部屋20の錠装置22の仕様に対応していない集客サーバ5からの予約に対しても、利用者に解錠キーを発行することができ、複数の集客サーバ5側のキー発行仕様に関わらず広く利用者を集客することができる。
【0029】
(3)サイトコントローラ1は、集客サーバ5を介して予約されたレンタルスペースの課金額を課金額取得部14が取得するとともに、取得した課金額を課金額集計部15が集計することで、レンタルスペースの管理者は、集客サーバ5ごとの課金額を把握することができ、そのレンタルスペースの課金額の集計を把握することができる。
【0030】
(4)管理サーバ3の空間割当部32は、予約情報に基づいて、貸与可能な全部屋20から適切な部屋20を自動的に割り当てることで、人手により部屋20を割り当てる場合と比較して人件費を抑えることができるとともに、予約を受け付けたときや予約変更があったときに即座に割り当て情報を更新することができる。
【0031】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、レンタルスペースとして建物2の部屋20を貸与する場合を例示したが、レンタルスペースとしては、会議室やトレーニングルーム等に限らず、屋外のスペースであるテニスコートや野球場、競技場、駐車場等であってもよいし、カラオケルームやレンタルオフィス、読書スペース等であってもよい。
【0032】
前記実施形態では、情報処理装置としてのサイトコントローラ1は、通信回線であるインターネット6を介して管理サーバ3および集客サーバ5に接続されたサーバ装置によって構成される場合を例示したが、情報処理装置としては、このような集中管理型のサーバ装置によって構成されるものに限られない。すなわち、情報処理装置としては、分散管理型のものであってもよく、例えば、ブロックチェーンに代表される分散型取引台帳を利用したものなどが利用可能であり、予約情報や課金情報、各種の指令を送受信して処理できるものであればよい。また、前記実施形態では、情報処理装置としてのサイトコントローラ1と管理サーバ3および集客サーバ5とが別個に設けられるとともに、互いにインターネット6を介して接続されていたが、これに限らず、サイトコントローラ1と管理サーバ3および集客サーバ5とが単一のサイトに設けられていてもよいし、情報処理装置の機能と管理サーバ3および集客サーバ5のいずれかの機能とがインターネット上に分散された複数の機器によって構成されていてもよい。
【0033】
前記実施形態では、サイトコントローラ1は、キー発行部13と、課金額取得部14および課金額集計部15と、を備えたが、これらの機能は省略されてもよいし、管理サーバ3に設けられてもよいし、複数の集客サーバ5のいずれかに設けられてもよい。また、課金額取得部14および課金額集計部15が自動で課金額を取得および集計するものに限らず、管理者等の人手によって手動で課金額を集計してもよい。また、前記実施形態では、管理サーバ3は、空間割当部32と錠制御部33を備えたが、これらの機能は省略されてもよいし、建物2に設けたサーバに設けられてもよい。また、空間割当部32が自動で割り当て情報を更新したが、このような空間割当部32によって自動で部屋20を割り当てずに、管理者等の人手によって手動で部屋20を割り当ててもよい。また、予約に対して割り当てる空間としては、一つの建物2内の空間に限らず、近隣に存在する他の建物2の空間を割り当てるようにしてもよい。このような他の建物2としては、所有者や管理者が同一であってもよいし異なっていてもよく、複数の所有者(管理者)が提携して建物2の空間を貸与する運営形態であってもよい。
【0034】
また、前記実施形態において、利用者入力手段である端末装置4から予約を申し込む利用者としては、講義やセミナー等の主催者であってもよいし、講義やセミナー等に参加する参加者であってもよい。また、主催者(利用者)が新規に申し込んで予約情報が記憶された予約済みの既存予約に対し、集客サーバ5などを通じて参加者を募集するような場合、参加を申し込む参加者(新たな利用者)からの情報入力を集客サーバ5が受け付け、この情報入力に基づいて、予約情報(参加人数等)を更新するようにしてもよい。この際、変更可能な利用人数の上限を予め設定しておき、新たな参加者の募集人数を制限するようにしてもよい。このような構成によれば、参加申込みを受け付けた主催者が人数の変更を入力する必要がなく、集客サーバ5が参加者からの参加申込みを直接受け付けて人数情報を更新するとともに、サイトコントローラ1が管理サーバ3との間で予約情報を同期させることで、予約入力における主催者の手間を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明は、管理サーバの処理負荷を抑制しつつ予約の確実性を高めることができるレンタルスペースの情報処理装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0036】
1 サイトコントローラ(情報処理装置)
3 管理サーバ
4 端末装置(利用者入力手段)
5 集客サーバ
6 インターネット(通信回線)
11 情報取得部(情報取得手段)
12 同期制御部(同期制御手段)
13 キー発行部(キー発行手段)
14 課金額取得部(課金額取得手段)
15 課金額集計部(課金額集計手段)
20 部屋(空間)
22 錠装置
31 管理側予約部
32 空間割当部
33 錠制御部
51 集客側予約部
52 課金額設定部
【要約】
【課題】管理サーバの処理負荷を抑制しつつ予約の確実性を高めることができるレンタルスペースの情報処理装置を提供。
【解決手段】レンタルスペースの情報処理装置としてのサイトコントローラ1は、レンタルスペースの情報を管理するための管理サーバ3およびレンタルスペースの利用者を集客する複数の集客サーバ5にインターネット6を介して接続されている。集客サーバ5は、受け付けた利用者および予約日時に関する集客側予約情報を管理する集客側予約部51を備え、管理サーバ3は、利用者および予約日時に関する管理側予約情報を管理する管理側予約部31を備える。サイトコントローラ1は、集客側予約情報の更新および管理側予約情報の更新を取得する情報取得部11と、取得した情報に基づいて、集客サーバ5の集客側予約情報および管理サーバ3の管理側予約情報を同期させる同期制御部12と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3