(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  しかしながら、携帯端末の位置情報は、GPSなどを用い、携帯端末自身が取得した情報が用いられるが、正しい位置情報を取得出来ない(実際の位置から大きく離れた位置にあると判断してしまう)場合がある。
【0005】
  したがって本発明の目的は、正しい携帯端末の位置情報に補正できる位置情報サーバーなどを提供することである。
 
【課題を解決するための手段】
【0006】
  本発明に係る位置情報サーバーは、補正対象携帯端末の位置情報を補正するために用いられ、複数の携帯端末の位置情報と、複数の携帯端末の位置情報のそれぞれについて、位置情報を取得する前後の第1時間の間に携帯端末が受信した発信端末の識別情報との関係を示す第1データベースに基づいて算出され、発信端末に対応する携帯端末の平均位置と識別情報との関係を示す第2データベースを記録する。
【0007】
  携帯端末が正しい位置情報を取得出来ない場合でも、当該携帯端末が第2データベースに登録された発信端末の近くに居れば、正しい位置情報に修正することが可能になる。
【0008】
  好ましくは、発信端末ごとに、平均位置と、発信端末に対応する携帯端末のうち、平均位置を算出する平均位置算出工程で用いられた携帯端末の位置情報との第1距離が第1閾値よりも短いものの数の、平均位置算出工程で用いられた携帯端末の数に対する割合が第2閾値以上であるか否かを判断し、割合が第2閾値以上であると判断した発信端末に対応する識別情報を、第2データベースに登録し、割合が第2閾値未満であると判断した発信端末に対応する識別情報を、第2データベースに登録しない。
【0009】
  発信端末は、特定の場所に固定されたものばかりでなく、携帯機器など移動するものもあり、特定の場所に固定されたものであるか否かを判別する必要がある。
  位置情報サーバーは、発信端末であって、複数の携帯端末が当該発信端末の識別情報を受信したものについて、当該複数の携帯端末の平均位置がそれぞれの携帯端末と近くにあるものは、特定の場所(平均位置の近く)に固定されたものと判断する。
  第2データベースに登録される発信端末は、特定の場所に固定されたものである可能性が高く、当該発信端末から識別情報を受信した携帯端末は、当該発信端末に対応する仮位置情報の近くに居る可能性が高い。
  このため、当該発信端末の仮位置情報は、携帯端末が取得した位置情報よりも正しい位置情報である可能性がある。
  第1データベースに登録される携帯端末の数が多くなれば、特定の場所に固定された発信端末の位置をほぼ正確に把握することが可能になる。
【0010】
  さらに好ましくは、平均位置算出工程で用いられる携帯端末の位置情報は、測位時間が現時点から第1時間よりも長い第2時間以内の位置情報であるか、測位精度が第3閾値以上に高い位置情報であるか、電波強度が第4閾値以上に高い状態で発信端末から受信した識別情報に対応する位置情報であるか、少なくとも1つの条件を満たしたものである。
【0011】
  また、好ましくは、発信端末ごとに、平均位置と、携帯端末に対応する携帯端末のうち、平均位置を算出する平均位置算出工程で用いられた携帯端末の位置情報との第1距離が第1閾値よりも短いものの数の、平均位置算出工程で用いられた携帯端末の数に対する割合が第2閾値以上であるか否かを判断し、割合が第2閾値以上であると判断した発信端末であって、平均位置算出工程で用いられた携帯端末の種類が第5閾値以上であるものに対応する識別情報を、第2データベースに登録し、割合が第2閾値以上であると判断した発信端末であって、種類が第5閾値未満であるものに対応する識別情報、及び割合が第2閾値未満であると判断した発信端末に対応する識別情報を、第2データベースに登録しない。
【0012】
  また、好ましくは、補正対象携帯端末の位置と、第2データベースに登録されている平均位置のうち、補正対象携帯端末から送られてきた第1識別情報に対応するものとの第2距離が、第6閾値以上である場合、補正対象携帯端末の位置を平均位置に置き換える補正を行う。
【0013】
  さらに好ましくは、識別情報の補正対象携帯端末から位置情報サーバーへの送信は、補正対象端末の位置情報であって補正が行われたもの、及び予め設定した他の携帯端末の位置情報を補正対象携帯端末に表示させる位置情報ソフトウエアを介して行われる。
【0014】
  予め設定した他の携帯端末の位置情報を表示する位置情報ソフトウエアを介して、位置情報とともに近くで受信した発信端末の情報(発信端末情報)を位置情報サーバーにアップロードするので、位置情報を補正するためだけに別途ソフトウエアを携帯端末にインストールする必要はないし、位置情報を補正するための操作を別途行う必要もない。
【0015】
  また、好ましくは、発信端末ごとに、発信端末に対応する携帯端末のうち、平均位置を算出する平均位置算出工程で用いられた携帯端末の位置情報における緯度情報や経度情報の標準偏差が所定の閾値よりも小さいか否かを判断し、緯度情報の標準偏差及び経度情報の標準偏差が所定の閾値よりも小さいと判断した発信端末に対応する識別情報を、第2データベースに登録し、緯度情報の標準偏差及び経度情報の標準偏差が所定の閾値以上に大きいと判断した発信端末に対応する識別情報を、第2データベースに登録しない。
【0016】
  本発明に係る補正対象携帯端末は、複数の携帯端末の位置情報と、複数の携帯端末の位置情報のそれぞれについて、位置情報を取得する前後の第1時間の間に携帯端末が受信した発信端末の識別情報との関係を示す第1データベースに基づいて算出された第2データベースであって、発信端末に対応する携帯端末の平均位置と識別情報との関係を示すものに基づいて、自身で取得した位置情報の補正を行う。
【0017】
  本発明に係る位置情報補正方法は、複数の携帯端末の位置情報と、複数の携帯端末の位置情報のそれぞれについて、位置情報を取得する前後の第1時間の間に携帯端末が受信した発信端末の識別情報との関係を示す第1データベースに基づいて算出され、発信端末に対応する携帯端末の平均位置と識別情報との関係を示す第2データベースを記録するデータベース記録工程と、第2データベースに基づいて、補正対象携帯端末の位置情報の補正を行う位置補正工程とを備える。
 
【発明の効果】
【0018】
  以上のように本発明によれば、正しい携帯端末の位置情報に補正できる位置情報サーバーなどを提供することができる。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0020】
  以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態における位置情報出力システム1は、発信端末C(第1発信端末C1、第2発信端末C2、・・・)、携帯端末M(第1携帯端末M11、第2携帯端末M12、・・・)、位置情報サーバーPSを備える(
図1参照)。
 
【0021】
  発信端末(ビーコン)Cは、無線通信を行う無線通信手段を有し、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報(第1識別情報)を発信する。当該無線通信手段は、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))や、IEEE802.11(無線LAN)など、が考えられる。
  発信端末Cが発信する第1識別情報は、当該発信端末Cの近くにある携帯端末Mが受信する。
  
図1は、第1発信端末C1が発信する第1識別情報を、第2携帯端末M12と第4携帯端末M14が受信し、第2発信端末C2が発信する第2識別情報を、第3携帯端末M13と第5携帯端末M15が受信する状態を示す。
 
【0022】
  携帯端末Mは、位置情報ソフトウエアがインストールされた携帯端末で、ネットワークを介して、位置情報サーバーPSと通信し、所定時間(例えば、30分)ごとに、若しくは携帯端末Mの使用者による手動操作が行われた時に、若しくは発信端末Cから第1識別情報を受信した時に、位置情報サーバーPSに、当該携帯端末Mの位置情報などを送信する。
  携帯端末Mの位置情報は、GPS測位、基地局測位など、携帯端末Mで取得したものである。
 
【0023】
  携帯端末Mにインストールされた位置情報ソフトウエアは、位置情報サーバーPSと携帯端末Mの位置情報などの送受信を行い、携帯端末M自身の位置情報(後述する補正済みのものを含む位置情報)だけでなく、予め設定した他の携帯端末Mの位置情報を表示させる。
  例えば、第1携帯端末M11と第2携帯端末M12とが互いに位置情報を送信しあう設定をした場合には、第1携帯端末M11の位置情報ソフトウエアは、第1携帯端末M11に、第1携帯端末M11と第2携帯端末M12の位置情報を表示させる。
  なお、本実施形態では、各携帯端末Mにインストールされた位置情報ソフトウエアを用いる形態を説明するが、各携帯端末Mがネットワークを介してASP(Application Service Provider)のサーバーにアクセスし、当該ASPのサーバーに格納された位置情報ソフトウエアを用いる形態であってもよい。
 
【0024】
  また、携帯端末Mは、発信端末Cと近距離無線通信を行い、発信端末Cの第1識別情報を取得し、第1識別情報を取得した時の発信端末Cの電波強度を測定する。
  なお、携帯端末Mと発信端末Cとの通信は、発信端末Cの第1識別情報を取得するためのものであり、発信端末C側からの接続許可通知など、他のデータの送受信を行う必要はない。
 
【0025】
  携帯端末Mが位置情報を取得する前後の第1時間T1(例えば、T1=10秒)の間に、発信端末Cからの第1識別情報を受信した場合には、当該携帯端末Mは、当該位置情報と共に当該発信端末Cの第1識別情報と当該発信端末Cから受信した電波の強度に関する情報を位置情報サーバーPSに送信する。
 
【0026】
  位置情報サーバーPSは、位置情報ソフトウエアがインストールされた携帯端末Mと通信し、携帯端末Mから携帯端末Mに関する情報(携帯端末情報)や携帯端末Mが受信した発信端末Cに関する情報(発信端末情報)を取得する。
 
【0027】
  図1は、6台の携帯端末M(第1携帯端末M11〜第6携帯端末M16)が、位置情報サーバーPSと通信する状態を示す。
 
【0028】
  図1の状態において、第1携帯端末M11は、第1携帯端末M11に関する情報を位置情報サーバーPSに送信し、第2携帯端末M12は、第2携帯端末M12に関する情報と第1発信端末C1に関する情報を位置情報サーバーPSに送信し、第3携帯端末M13は、第3携帯端末M13に関する情報と第2発信端末C2に関する情報を位置情報サーバーPSに送信し、第4携帯端末M14は、第4携帯端末M14に関する情報と第1発信端末C1に関する情報を位置情報サーバーPSに送信し、第5携帯端末M15は、第5携帯端末M15に関する情報と第2発信端末C2に関する情報を位置情報サーバーPSに送信し、第6携帯端末M16は、第6携帯端末M16に関する情報を位置情報サーバーPSに送信する。
 
【0029】
  位置情報サーバーPSは、第1データベースDB1、第2データベースDB2を記録する。
 
【0030】
  第1データベースDB1は、携帯端末Mから送られてきた情報に基づいて、携帯端末情報(携帯端末Mの識別情報(第2識別情報)、位置情報(緯度、経度、測位時間、測位レベル))と当該携帯端末情報と一緒に送られてきた発信端末情報(発信端末Cの識別情報(第1識別情報)、電波強度)の関係を示すデータベースである(
図2、
図3参照)。
 
【0031】
  第1識別情報は、発信端末Cを特定する固有の番号で、UUID(Universally Unique Identifier)やSSID(Service Set Identifier)などが考えられる。
  UUIDはメジャー番号やマイナー番号を含める形態であってもよい。
  第2識別情報は、携帯端末M若しくは携帯端末Mに取り付けられたIDカードを特定する固有の番号で、IMEI(International Mobile Equipment Identity)など端末の識別番号、ICCID(IC Card Identifier)、電話番号などSIMカードの識別番号が考えられる。
 
【0032】
  本実施形態では、第1識別情報が、7桁若しくは8桁の英文字と数字の組み合わせで構成され、第2識別情報が、5桁の英文字と数字の組み合わせで構成される例を示す。
 
【0033】
  また、本実施形態では、6つの発信端末Cから、第1識別情報(1E1BC30、523CCC0、569A2013、A0000023、B9407F30、E2C56DB5)を受信した携帯端末M(第2識別情報:AB001など)の位置情報が第1データベースDB1に登録された例を示す。
 
【0034】
  測位レベルは、携帯端末Mが位置情報を取得する(測位する)のに用いた測位手段に対応した数値を示し、本実施形態では、3段階(3:GPS測位など測位精度が高い、2:複数基地局測位など測位精度が中程度、1:単一基地局測位など測位精度が低い)を有する。
  電波強度は、発信端末Cから送られてきた第1識別情報を含む電波の強度のレベルで、本実施形態では、3段階(3:電波強度が強い、2:電波強度が中程度、1:電波強度が低い)を有する。
 
【0035】
  第2データベースDB2は、発信端末Cと、当該発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末Mの平均位置(緯度情報の平均値、経度情報の平均値)であって第1の条件を満たすものとの関係を示すデータベースで、位置情報サーバーPSが第1データベースDB1に基づいて算出する(
図4〜
図7参照)。
 
【0036】
  具体的には、位置情報サーバーPSは、発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末Mの位置情報から当該携帯端末Mの平均位置を算出する(平均位置算出工程、
図4、
図5参照)。
  
図4、
図5は、平均位置算出工程で、6つの発信端末(第1識別情報:1E1BC30など)に対応する携帯端末Mの平均位置を算出した例を示す。
 
【0037】
  位置情報サーバーPSは、発信端末Cごとに、平均位置算出工程で使用した携帯端末Mの位置と平均位置との距離(第1距離d1)を算出し、第1距離d1が第1閾値sh1(例えば、sh1=50m)よりも短い携帯端末Mの数の平均位置算出工程で使用した携帯端末Mの数に対する割合Rが高い(第2閾値sh2(例えば、sh2=90%)以上である)場合には、当該平均位置が固定された発信端末Cに近い位置情報である(第1の条件を満たす)と判断し、第2データベースDB2に登録する(発信端末仮位置決定工程、
図6、
図7参照)。
 
【0038】
  なお、発信端末仮位置決定工程は、第1距離d1と第1閾値sh1の比較に基づく形態に代えて、平均位置算出工程で使用した携帯端末Mの位置の緯度情報や経度情報の標準偏差が所定の閾値よりも小さい(ばらつきが少ない)場合に、第1の条件を満たすと判断して、当該平均位置を第2データベースDB2に登録する形態であってもよい。
 
【0039】
  また、本実施形態では、第1データベースDB1に記録された総ての携帯端末Mの位置情報を使って平均位置を求める(平均位置算出工程を実行する)形態を示すが、第2の条件を満たすものだけを使って平均位置を算出する形態であってもよい。
  第2の条件としては、測位時間が現時点から第2時間T2(例えば、T2=1年、T2>T1)以内の位置情報であること、測位レベルが高い(測位レベルの数値が、第3閾値sh3(例えば、sh3=2)以上)の位置情報であること、電波強度が高い(第4閾値sh4(例えば、sh4=2)以上)状態で発信端末から受信した第1識別情報に対応する位置情報であることなどが考えられる。
 
【0040】
  本実施形態では、第1識別情報:523CCC0の発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末M(第2識別情報:39AA3、209K3、KFE21、DL22F、AB001、L32LL、C03D8、ZZ909)は、いずれも平均位置との第1距離d1が短いので、割合Rが第2閾値sh2以上に高いと判断され、当該平均位置(緯度:35.66934315、経度:139.74576825)が、第1識別情報:523CCC0の発信端末Cの仮位置情報として第2データベースDB2に登録される(
図4、
図6、
図7参照)。
  第1識別情報:1E21BCE0の発信端末C、及び第1識別情報:E2C56DB5の発信端末Cについても同様である。
 
【0041】
  ただし、当該割合Rが第2閾値sh2以上に高い場合でも、発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末Mの種類が少ない(第5閾値sh5(例えば、sh5=5)未満)である場合には、位置情報サーバーPSは、当該平均位置が発信端末Cに近い位置情報とは言えないと判断し、第2データベースDB2に登録しない。
 
【0042】
  例えば、第1識別情報:B9407F30の発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末M(GS2LL)の位置は、いずれも平均位置との第1距離d1が短く、割合Rは第2閾値sh2以上になるかもしれないが、発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末Mの種類が少ない(第5閾値sh5未満)ので、当該平均位置(緯度:35.69313450、経度139.77542705)が、第1識別情報:B9407F30の発信端末Cに近い位置情報とは言えないと判断され、第2データベースDB2に登録されない(
図5、
図6参照)。
 
【0043】
  当該第1距離d1が短い携帯端末Mの割合Rが低い(第2閾値sh2未満)場合には、位置情報サーバーPSは、当該平均位置が発信端末Cに近い位置情報とは言えないと判断し、第2データベースDB2に登録しない。
  例えば、第1識別情報:569A2013の発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末M(第2識別情報:EK346、209K3、DL22F、39AA3、DL22F、CES93)の位置は、平均位置との第1距離d1が短いものが少ないので、割合Rが第2閾値sh2未満であると判断され、当該平均位置(緯度:35.65673378、経度:139.75241479)が、第1識別情報:569A2013の発信端末Cに近い位置情報とは言えないと判断され、第2データベースDB2に登録されない(
図4、
図6参照)。
  第1識別情報:A0000023の発信端末Cについても同様である。
 
【0044】
  本実施形態では、第1識別情報:1E21BCE0の発信端末C、第1識別情報:523CCC0の発信端末C、第1識別情報:E2C56DB5の発信端末Cについて、それぞれに対応する携帯端末Mの平均位置が、当該発信端末Cの仮位置情報であるとして、第2データベースDB2に登録される(
図7参照)。
  第2データベースDB2は、携帯端末Mの位置情報の補正に用いられる。
 
【0045】
  携帯端末Mが、携帯端末情報と発信端末情報を位置情報サーバーPSに送信した場合には、第1データベースDB1の更新や第2データベースDB2の更新(平均位置算出工程と発信端末仮位置決定工程を含むデータベース記録工程)が行われる(
図8のステップS11〜S13参照)。その後に、携帯端末Mの位置補正が必要か判断される。
  なお、
図8の手順は、第3時間T3(例えば、T3=10ms)ごとに行われる。
 
【0046】
  具体的には、位置情報サーバーPSは、携帯端末Mに対応する発信端末Cの仮位置情報が第2データベースDB2に登録されているか否かを判断する(
図8のステップS14参照)。
 
【0047】
  登録されている場合であって、携帯端末Mの位置情報と、携帯端末Mの位置情報に対応する発信端末の仮位置情報との距離(第2距離d2)を算出し、第2距離d2が第6閾値sh6(例えば、sh6=100m、sh6>sh1)以上である場合は、位置情報サーバーPSは、携帯端末Mで取得した位置情報が正しくないと判断し、携帯端末Mの位置情報を、携帯端末Mに対応する発信端末Cの仮位置情報に置き換える補正を行い、補正後の位置情報を位置情報データベース(不図示)に登録する(位置補正工程、
図8のステップS15、S16参照)。
 
【0048】
  第2距離d2が第6閾値sh6未満である場合は、携帯端末Mで取得した位置情報が正しいと判断し、当該補正は行わない。
 
【0049】
  位置情報データベースに登録された位置情報は、位置情報サーバーPSから、所定の携帯端末M(位置情報を送信した携帯端末Mや、他の携帯端末M)に送信される。
 
【0050】
  発信端末Cは、特定の場所に固定されたものばかりでなく、携帯機器など移動するものもあり、特定の場所に固定されたものであるか否かを判別する必要がある。
  本実施形態における位置情報サーバーPSは、発信端末Cであって、複数の携帯端末Mが当該発信端末Cの第1識別情報を受信したものについて、当該複数の携帯端末Mの平均位置がそれぞれの携帯端末Mと近くにあるものは、特定の場所(平均位置の近く)に固定されたものと判断する。
  第2データベースDB2に登録される発信端末Cは、特定の場所に固定されたものである可能性が高く、当該発信端末Cから第1識別情報を受信した携帯端末Mは、当該発信端末Cに対応する仮位置情報の近くに居る可能性が高い。
  このため、当該発信端末Cの仮位置情報は、携帯端末Mが取得した位置情報よりも正しい位置情報である可能性がある。
  第1データベースDB1に登録される携帯端末Mの数が多くなれば、特定の場所に固定された発信端末Cの位置をほぼ正確に把握することが可能になる。
 
【0051】
  携帯端末Mが取得する位置情報は、正しい位置情報を取得出来る場合と、正しい位置情報を取得出来ない(実際の位置から大きく離れた位置にあると判断してしまう)場合とがある。
  本実施形態では、携帯端末Mが正しい位置情報を取得出来ない場合でも、当該携帯端末Mが第2データベースDB2に登録された発信端末Cの近くに居れば、正しい位置情報に修正することが可能になる。
 
【0052】
  また、予め設定した他の携帯端末Mの位置情報を表示する位置情報ソフトウエアを介して、位置情報とともに近くで受信した発信端末Cの情報(発信端末情報)を位置情報サーバーPSにアップロードするので、位置情報を補正するためだけに別途ソフトウエアを携帯端末Mにインストールする必要はないし、位置情報を補正するための操作を別途行う必要もない。
 
【0053】
  なお、本実施形態では、位置情報サーバーPSが、位置情報補正方法(データベース記録工程(
図8のステップS11〜S13参照)、及び位置補正工程(
図8のステップS14〜S16参照))を行う形態を説明したが、第2データベースDBを位置情報サーバーPSからダウンロードし、位置補正工程を携帯端末M側で行う形態であってもよい。
 
【0054】
  また、携帯端末Mの位置情報は、GPS測位、基地局測位など、携帯端末Mで取得したものであるとして説明したが、位置情報サーバーPSが、通信キャリアにおける、携帯端末と無線リンクを形成する基地局、携帯端末のルーチング(通信ルートの選定)や呼設定・切断、課金等を行う移動交換機(MSC:Mobile Switching Center)、移動交換機がカバーするエリアごとの位置登録データベースであるVLR(Visitor Location Register)、ゲートウェイ交換機(GMSC:Gateway Mobile Switching Center)、携帯電話番号や当該携帯端末の識別情報(IMEIなど端末の識別番号、ICCIDなどSIMカードの識別番号)や位置情報などのユーザー情報を管理するデータベースであるHLR(Home Location Register)の何れかと通信を行い、各携帯端末Mの位置情報を取得する形態であってもよい。
 
【0055】
  この場合は、携帯端末Mから位置情報サーバーPSへは、携帯端末Mの位置情報を除く携帯端末情報(第2識別情報)と発信端末情報(第1識別情報、電波強度、発信端末Cから第1識別情報を受信した時間を含む)が送信され、位置情報サーバーPSは、HLRなどから得られた測位時間であって発信端末Cから第1識別情報を受信した時間との差が第1時間T1以内のものを、携帯端末Mの位置情報として第1データベースDB1に登録する。