特許第6644384号(P6644384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644384
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】髪留め具
(51)【国際特許分類】
   A45D 8/36 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
   A45D8/36 C
   A45D8/36 B
   A45D8/36 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-196452(P2018-196452)
(22)【出願日】2018年10月18日
【審査請求日】2018年10月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】717006553
【氏名又は名称】澤田 麻未
(72)【発明者】
【氏名】澤田 麻未
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−150410(JP,U)
【文献】 特開2019−000535(JP,A)
【文献】 特開2011−072600(JP,A)
【文献】 特開2017−131329(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3004069(JP,U)
【文献】 特開2000−248457(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3060004(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3034489(JP,U)
【文献】 実開平04−121801(JP,U)
【文献】 実開平08−001574(JP,U)
【文献】 実開昭51−138489(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 8/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面側に装飾体を取り付けるための装飾体取付部材と、上記装飾体取付部材に設けられ、上記装飾体取付部材とともに髪を束ねるためのゴムバンドを保持するための保持空間を形成するための保持部材を備え、上記保持部材の上記装飾体取付部材とは逆の側の端部に、上記装飾体取付部材と対向する前記端部が外側を向く平面部を有し、上記平面部と上記装飾体取付部材との間に髪を束ねるためのゴムバンドを上記保持空間に着脱させるための挿入口を形成するとともに、髪を束ねるためのゴムバンドを上記保持空間に装着するためのガイドとなるガイド部を設けるとともに、上記保持部材の外側の髪を束ねる側の方にゴムバンドの形に沿う形状の窪みを設けたことを特徴とする髪留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪留め具に関するものでる。
【背景技術】
【0002】
一般的な髪留め用のゴムバンドは、ゴムバンド自体の装飾性が乏しいため、髪留め具としてのゴムバンドに装飾体が付属した商品が販売されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、市販されているゴムバンドに装着された装飾体は、接着剤等で固定され、付け外しができない仕様となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実登3188710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなゴムバンドと装飾体が一体となった髪留め具では、本来、ゴムバンドは消耗品であり、ゴムの伸びや切れが発生した時点で、装飾体に損傷がなくても使用できなくなり、使い捨てで破棄することになる。
【0006】
また、通常は、頭髪量やヘアアレンジの髪型、装着する箇所により、使用するゴムバンドのリングサイズを変える必要があるが、一般的には、ゴムバンドのリングサイズが一定であるため、少ない髪束を纏める際には、ゴムバンドを何重にも回し留めなければならず、その結果、強く結束することができず、滑り落ちやすく、自分に丁度合うサイズに合わせることができない。
本発明は、以上のような問題点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の髪留め具は、裏面側に装飾体を取り付けるための装飾体取付部材と、装飾体取付部材に設けられ、髪を束ねるためのゴムバンドを保持するための保持空間を形成するとともに、保持空間内部にゴムバンドを着脱させるための挿入口を形成する保持部材を設け、保持部材の端部に髪を束ねるためのゴムバンドを保持空間内に装着するためのガイドとなるガイド部を設け、保持部材の外面の束ねた髪に当接する部分に窪みを備え、髪留め具本体と保持部材の保持空間内に装着されたゴムバンドよりなる髪留め具のゴムバンドの径は、平常時は挿入口の幅よりも大きく、装着時に伸長させた時、挿入口の間隔よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
ゴムバンドが伸びたり切れたりした場合、消耗品としてのゴムバンドのみを再度購入すれば、装飾体はそのまま使用できるため長期使用が可能であり、継続使用できるため経済的に無駄がなくなる。
【0009】
ゴムバンドと装飾体を着脱可能にすることで、頭髪量やヘアアレンジの髪型に合わせて使用するゴムバンドのサイズを変更しても、容易に好みの装飾体を変更して付け替えることができ、自分の好みに合わせて付け変えられることにより、デザイン性や装飾性を高めることができる。
【0010】
また、装飾体取付部材は、素材に関係なくさまざまな装飾体が取り付け可能であり、例えば、装飾体の素材には、布製品や宝飾品、ガラス装飾物など、あらゆる素材が使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態を示す正面図で、ゴムバンドを示す図である。
図2】同斜視図で、装飾体取付部材を示す拡大図である。
図3】同側面図で、装飾体の裏面に装飾体取付部材を取り付けた状態を示す 拡大図である。
図4】同斜視図で、装飾体裏面に装飾体取付部材を取り付け、ゴムバンド保 持部材にゴムバンドを挿入した状態を示す図である。
図5】同斜視図で、別の装飾体の裏面に装飾体取付部品を取り付けた状態を 示す図である。
図6】同斜視図で、別の装飾体裏面に装飾体取付部材を取り付け、ゴムバン ド保持部材にゴムバンドを挿入した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の髪留め具に使用するゴムバンドであって、ゴムバンド1の構成は、芯ゴムを組紐カバーで被覆した芯ゴム入り組紐をリング状に形成されたものである。1本の芯ゴム入り組紐の両端を相互に結び合わせるようにすると、結び目が邪魔になるため、結び目がなくなるよう、芯ゴム入り組紐の両端を相互に接着剤で面接着し、組紐で芯ゴムの面接着部分を覆って接着されることで、つなぎ目のない、リング状ゴムバンド1が形成される。
【0013】
図2から図6において、装飾体取付部材2は、装飾体を取り付けるための台座の働きをするものであり、ゴムバンド保持部材4は、装飾体取付部材2に一体に設けられ、内側にゴムバンド1を保持するためのゴムバンド保持空間5を形成している。ゴムバンド1をゴムバンド保持部材4のゴムバンド保持空間5に挿入するためのゴムバンド着脱ガイド部3は、ゴムバンド保持部材4の一端に一体に設けられ、ゴムバンド着脱ガイド部3と装飾体取付部材2の間には、ゴムバンド挿入口6が設けられている。ゴムバンド着脱ガイド部3の幅は、装飾体取付部材2の幅と同じ幅に形成され、ゴムバンド挿入口6は、ゴムバンド1の直径よりも狭い幅に形成されている。ゴムバンド保持部材4は、挿入したゴムバンド1を保持するよう、ゴムバンド保持空間5の内側は円柱形に形成され、また、ゴムバンド保持部材4の外側の髪に当る部分の形状は、ゴムバンド1を装着した際、ゴムバンド保持部材4の外側の髪を束ねる部分のゴムバンドの形に沿うよう、三日月形の窪み7が形成されている。
【0014】
図3に示すように、装飾体8は装飾体取付部材2に取り付けられている。図4は、図3で示す装飾体8の裏面側を装飾体取付部材2に取り付け、装飾体取付部材2に一体に設けられたゴムバンド保持部材4に備えるゴムバンド着脱ガイド部3より、ゴムバンド1を挿入した状態を示すものである。
【0015】
同様に、図5は別の装飾体9を装飾体取付部材2に取り付けた状態の裏面を示すものであり、図6は、図5で示す別の装飾体9の裏面側を装飾体取付部材2に取り付け、装飾体取付部材2に一体に設けられたゴムバンド保持部材4に備えるゴムバンド着脱ガイド部3より、ゴムバンド1を挿入した状態を示すものである。
【0016】
ゴムバンドの着脱方法として、ゴムバンド着脱ガイド部3を変形させてゴムバンドを挿入させるのではなく、ゴムバンド保持部材4やゴムバンド着脱ガイド部3を敢えて変形させないよう強い剛性を備えた素材で形成し、ゴムの弾性により引っ張り伸ばすことで、ゴムバンド1の直径をゴムバンド挿入口6の間隔よりも小さくする。その結果、着脱の都度、ゴムバンド着脱ガイド部3やゴムバンド保持部材4に負荷をかけない構成とすることで、装飾体取付部材2の耐久性を保つことが出来、長期使用が可能となる。
【0017】
ゴムバンド保持部材4は、挿入したゴムバンド1を安定に保持するよう、ゴムバンド保持部材4の内側をシリコン素材やシリコンゴム素材等で形成することで、挿入したゴムバンド1が、ゴムバンド保持部材4の内部でずれ動きを防止することができる。
【0018】
さらに、ゴムバンド保持部材4の外側の髪に当る部分の形状は、ゴムバンド保持部材4の外側の髪を束ねる部分のゴムバンドの形に沿うよう、三日月形の窪み7を形成することで、頭髪を結束する際、ゴムバンド1を何重に廻し留めても、ゴムバンド保持部材4の外側の三日月形の窪み7が、ゴムバンド1の円柱形に沿うことで、装飾体とゴムバンド1が馴染み、装着の際、装飾体の安定性を保つことができる。
【0019】
頭髪を束ね留める際、ゴムバンド1を下方向に引っ張り伸ばしても、装飾体取付部材2に設けられたゴムバンド着脱ガイド部3の幅は、装飾体取付部材2の幅と同じ幅に形成されているため、容易にゴムバンド着脱ガイド部3から、ゴムバンド1が抜け落ちたり外れたりすることはない。
【0020】
ゴムバンド1が伸びたり切れたりした場合でも、ゴムバンド1のみを再度購入すれば、着脱可能な装飾体8や装飾体9は使用できるため長期使用が可能であり、継続使用できるため経済的である。
【0021】
ゴムバンド1と装飾体8や装飾体9を着脱可能にすることで、頭髪量やヘアアレンジの髪型に合わせて使用するゴムバンド1のサイズを変更しても、容易に好みの装飾体8や装飾体9を変更して付け替えることができ、自分に丁度合うサイズに合わせることができる。
【0022】
ゴムバンドは、頭髪を結束するとともに頭髪を装飾することも目的の1つであり、ゴムバンド1と装飾体8や装飾体9を着脱可能にすることで、装飾体8や装飾体9を、自分の好みに合わせて付け変えられることにより、デザイン性や装飾性を高めることができる。
【0023】
装飾体取付部材2は、素材に関係なくさまざまな装飾体が取付け可能であり、装飾体8や装飾体9の形状や素材は、あらゆる構成で形成することができる。例えば、布製品はもとより、ガラス、宝石、鼈甲や鋳物など、ありとあらゆる素材で装飾品を製作することが可能であり、装飾体裏面側を装飾体取付部材2に取付けるだけで、簡単に付け替えが可能である。
【0024】
以上の実施形態では、芯ゴム入り組紐1を用いて例示したが、ゴムバンドの形状はこれに限定されず、また、装飾体8や装飾体9のバリエーションも、素材や形状は、多種多様に形成されるものであり、これに限定されない。
【符号の説明】
【0025】
1 ゴムバンド
2 装飾体取付部材
3 ゴムバンド着脱ガイド部
4 ゴムバンド保持部材
5 ゴムバンド保持空間
6 ゴムバンド挿入口
7 三日月形の窪み
8 装飾体
9 装飾体
【要約】
【課題】本発明は、髪留め具の装飾体とゴムバンドを接着剤等により固定せず、装飾体とゴムバンドを付け替え可能とする装飾体取付部材を設けることで、長期使用できる髪留め具を提供する。
【解決手段】裏面側に装飾体を取り付けるための装飾体取付部材と、装飾体取付部材に設けられ、髪を束ねるためのゴムバンドを保持するための保持空間を形成するとともに、保持空間内部にゴムバンドを着脱させるための挿入口を形成する保持部材を設け、保持部材の端部に髪を束ねるためのゴムバンドを保持空間内に装着するためのガイドとなるガイド部を設ける。これにより、装飾体の着脱が可能となる機能を備えた髪留め具。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6