特許第6644392号(P6644392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松本 哲山の特許一覧

<>
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000002
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000003
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000004
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000005
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000006
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000007
  • 特許6644392-フレコンバッグ用スタンド 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6644392
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】フレコンバッグ用スタンド
(51)【国際特許分類】
   B65B 67/12 20060101AFI20200130BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   B65B67/12 A
   B65F1/14 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-126765(P2019-126765)
(22)【出願日】2019年7月8日
【審査請求日】2019年7月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515178029
【氏名又は名称】松本 哲山
(74)【代理人】
【識別番号】100095717
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 博文
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲山
【審査官】 蓮井 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−118749(JP,A)
【文献】 特開2005−22785(JP,A)
【文献】 米国特許第4901959(US,A)
【文献】 特開2004−155457(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3178680(JP,U)
【文献】 特開2007−198012(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3044214(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0118983(US,A1)
【文献】 米国特許第4690357(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/12
B65F 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面上で複数個を連結することにより環状となる湾曲形状の枠部材の2個を、所定の間隔で上下対向に配置すると共に、対向させた前記枠部材の両端部どうしを柱状の連結材で剛結して立設状の枠体を構成し、
該枠体の複数個を立設配置して筒状体にすると共に前記枠体の各連結材どうしを長さ方向の移動を自在に構成した連係部材で連係することにより、前記各枠体をそれぞれ個別に上下動自在にして連係させたことを特徴としたフレコンバッグ用スタンド。
【請求項2】
前記筒状体が、円筒体であることを特徴とした請求項1記載のフレコンバッグ用スタンド。
【請求項3】
前記枠部材の湾曲形状が、円形3分割形状であることを特徴とした請求項2記載のフレコンバッグ用スタンド。
【請求項4】
前記円形3分割が、円形等分割であることを特徴とした請求項3記載のフレコンバッグ用スタンド。
【請求項5】
前記1個の枠体の構成において、
離隔配置した前記枠部材の間に1又は複数個の棒状又は面状の補強部材を配設したことを特徴とした請求項1、2、3、又は4記載のフレコンバッグ用スタンド。
【請求項6】
前記1個の枠体の構成において、
両端部に配置した連結材を前記枠部材と同じ曲線で結ぶ棒状の保形部材を配設したことを特徴とした請求項1、2、3、又は4記載のフレコンバッグ用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)と略称される可撓性のある袋体を、上方開口状態で立設保持するスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、かかるフレコンバッグは、建設現場や土木現場において、廃棄用の廃材や土砂等を収納して運搬したりする袋材として広く利用されていた。
【0003】
このフレコンバッグは、ポリプロピレンやポリエチレン等の柔軟素材で可撓性を有する有底筒状に形成されている。また、その外側周面には吊り下げ運搬用の複数の吊ベルトが取り付けられ、かつ開口又は投入口を閉塞するための絞り紐が縁部付近に取り付けられている。使用する時は、投入作業を容易にするために上方に向けて開口した状態で立設保持する必要があった。
【0004】
このようにフレコンバッグを立設保持するための手段としては、従来から自立保持し得るように構成したスタンド(又はフレーム)が用いられていた。例えば、特許文献1として「分解組立自在な収納袋の支持フレーム」が開示されている。これは金属製丸棒若しくはパイプから半円同形状の開口フレーム部材と補強フレーム部材を形成すると共に、両者を複数の支持フレーム部材で結合して支持フレームを形成し、この支持フレームを対面状に結合させて円柱スタンドを構成し、スタンド内面側にフレコンバッグの胴体部分を係止すると共に、上端部をスタンドの開口フレーム材で折り返すものであった。
【0005】
また、特許文献2では「枠式ゴミ袋体保持具」が開示されている。これは略円弧状に形成されフレコンバッグが係止される掛け止め枠部と、掛け止め枠部の円弧の両端部に連設された支柱と、下部側の前記支柱間に連設された基部と、から枠状立設体を成し、この枠状立設体の複数の支柱どうしを着脱及び回動自在に嵌脱部材をもって強固に連結して構成し、特許文献1と同様にフレコンバッグを係止するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平06−39714号公報
【特許文献2】特開2005−22785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1の支持フレームは、組み合わされた複数の開口フレーム部材を、外側に折り返されたフレコンバッグの開口端を被せることによって、自立保持する構成を採っているため、フレーム自体の保形力に問題があった。つまり、投入物の投入時の反動や偏り、またフレコンバッグの膨脹によっては組み合わせたフレームどうしが容易に分離してしまう問題があった。
【0008】
また、特許文献2では、略円形又は略半円形、略円弧状若しくはコ字状に形成されゴミ袋体(フレコンバッグを含む)が係止する掛け止め枠部を単一体で形成し、又はこれらを組合せた枠体を主要構成としている。このため、組合せには連結用の嵌脱部材を用いているが、この部材では組み付け時に一体化した剛結合と同等の連結構成の枠体となっていた。このため、工事現場などのように設置面が凹凸や起伏の激しい不整地であったり、若しくは石や解体物が底面枠部に挟まったりした場合には、当該保持具の立設状態が不安定になるおそれがあった。加えて、一体形や開示されている2分割体では分解時に嵩張るため、保管性や移動性にも問題があった。
【0009】
そこで、本願発明は、上記課題に着目してなされたものであり、フレコンバッグ用スタンドにおいて、使用環境によっても安定した連係状態を保持できると共に、凹凸や起伏の激しい不整地な設置面であっても安定した立設保持が確保できるフレコンバッグ用スタンドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため本願発明に係るフレコンバッグ用スタンド(以下、「スタンド」と略称する。)は、以下のように構成している。
【0011】
すなわち、スタンドは、面上で複数個を連結することにより環状となる湾曲形状の枠部材の2個を、所定の間隔をもって上下対向に配置すると共に、対向させた前記枠部材の両端部どうしを柱状の連結材で剛結して立設状の枠体を構成し、該枠体の複数個を立設配置して筒状体にすると共に前記枠体の各連結材どうしを長さ方向の移動を自在に構成した連係部材で連係することにより、前記各枠体をそれぞれ個別に上下動自在にして連係させたことを特徴としている。
【0012】
枠体の複数が連係して成る筒状体としては、特に円筒体に形成することが好適である。その一方で、筒状体であれば、断面が三角形の筒状体、矩形の柱状体、その他の多角形の筒状体に形成するようにしても良い。
【0013】
また、枠部材の湾曲形状は、円筒体に形成した場合、高さ調整がし易い点を考慮し、円形3分割形状とすることが好適であり、収納性や部材の歩留まりを考慮した場合には、円形3分割が円形等分割であるとより好適である。
【0014】
さらに、上記1個の枠体の構成においては、離隔配置した枠部材の間に1又は複数個の棒状又は面状の補強部材を配設しても良い。棒状の補強部材としては、部品点数の削減を考慮して上記連結材と同じものを用いることが好適である。また、面状の補強部材としては、スタンドの重量増加を考慮して網状板を用いることが好適である。
【0015】
加えて、枠体の構成においては、部品点数の削減及び剛性向上に資するように、両端部に配置した連結材を前記枠部材と同じ曲線で結ぶ棒状の保形部材を配設しても良い。保形部材としては、部品点数の削減を考慮して上記枠部材と同じもの若しくは一部を切断したものを用いることが好適である。
【発明の効果】
【0016】
上記構成のスタンドは、各枠体が筒状体を成すように連係しつつ相互に連結材の長さ方向に沿って移動できる。このため、スタンドを3個の枠体で円筒状に構成して使用する場合、凹凸や起伏の激しい不整地、石や木材等の異物がある地面、又は傾斜面に設置した際に、3個の枠体の接地側の枠部材を適宜に上下動させることができ、所謂3点支持による安定した立設状態を確保できる。
【0017】
この結果、スタンドに係止することにより保持されたフレコンバッグは、上方開口の投入口を安定させた状態で保持でき、フレコンバッグへの投入作業の効率性が向上する。また、分解時には枠体どうしを重ね配置できるため保管性だけでなく持ち運び時の移動性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願発明に係るスタンドの外観を示す斜視図と一部拡大図である。
図2図1のV方向からの矢視図(A)と、AA線断面図(B)である。
図3】本願発明に係るスタンドの組立平面図である。
図4】本願発明に係るスタンドの組立斜視図と一部拡大図である。
図5】本願発明に係るスタンドの作用説明図である。
図6】本願発明に係るスタンドの枠体の重ね状態を示す斜視図である。
図7】本願発明に係るスタンドの枠体のバリエーションを示す斜視図(A)、(B)、(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願発明に係るスタンドの最良の実施例を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、図面の上下をスタンドの「上下」と定義して用いる。
【0020】
図1の図符号1は、本実施例に係るスタンドである。このスタンド1の機能及び目的は、建設現場や土木現場等の廃棄材や土砂等を内部に収納可能な可撓性のあるフレコンバッグBを所定状態で保持することである。スタンド1のフレコンバッグBの保持態様は、図1に示すように、その投入口B1が上方を向くように端部を折り返しつつ上方に向かって開口させた状態でスタンド1に係止し、この状態を維持するように立設させるものである。
【0021】
本実施例のスタンド1は、3つの枠体2を連係部材5によって連係させ、円筒体の外観を呈するワイヤーフレーム構造(骨組み構造)を成している。
【0022】
まず、枠体2は、所定の湾曲形状を成す同形状の一対(2個)の枠部材3を、上下方向に所定間隔で対向配置すると共に、その両端部どうし及び中央部どうしを柱状の連結材4で剛結、例えば、溶接等で固定することにより曲面板状を成すフレーム材に構成している。
【0023】
ここで、枠部材3及び連結材4は軽量化のために同径同厚の金属製の丸パイプから形成しているが、フレコンバッグBに重量物を収納する場合には剛性向上を考慮して丸パイプから丸棒に変更しても良い。また、枠部材3は面上で複数個の端部どうし連結若しくは当接させると、円筒体の上部又は下部の円形部分に位置する円弧状の部材となる。さらに、枠部材3は、前記円形部分をほぼ3等分割した長さ及び角度で曲げ形成している。一方、連結材4は円筒体の母線部分に沿った配置となり、言わば支柱的な外観を呈する。
【0024】
次に、円筒状の枠体2を形成するための枠部材3の連係は、各枠体2に対して隣接する連結材4どうしを上下方向に平行に並列させ、この状態にて連係可能な連係部材5をもって行っている。
【0025】
連係部材5は、各枠体2の一方端側の連結材4の上下端近傍の2箇所に固定配置されている。その構成は、円弧を成す枠部材3の延長方向へ延出する板材であって、連結材4の側面から少なくとも連結材4の外形以上の幅と長さをもって平行延出して成る側面部材51と、この側面部材51の開放端部を閉じるように横断させて配置する横断ピン52と、から構成している。
【0026】
この連係部材5は、側面部材51の開放側から他の枠体2の連結材4を平行状態で並立させると共に、その側面を両側から挟み込むようにした後、開放側を横断ピン52で閉じるように作用する。横断ピン52で閉じた後は、横断ピン52の頭部側に係合させたリング52aを回転(矢印a)させ、2枚の側面部材51をリング52aで囲うようにする。このリング52aと側面部材51の位置関係によって、横断ピン52が側面部材51から外れることを防止している。
【0027】
上記の連係部材5による連係関係により、連係した枠体2の連結材4どうしは、その長さ方向に沿った移動、別言すれば、上下動自在(矢印c)となっている。また、3個の枠体2の連係が完了する前であれば、2個の枠体2どうしは回動自在(b)となり、枠体2どうしを連係させる作業が容易となる。
【0028】
上記構成のスタンド1は、各枠体2の円周方向の連係が横断ピン52による抜け止めによって強固である一方、上述のように各枠体2が個別に上下動自在となっている。これにより、スタンド1は砕石の凹凸や起伏の激しい不整地な設置面において、適宜に各枠体2を相互に上下動させて3点支持による安定した立設状態とすることができる。この結果、フレコンバッグBを係止後の立設状態の安定性に資するだけでなく、投入物の投入時や投入後にフレコンバッグBへの偏りや反動等の物理的作用が発生しても、相互に分離することなく円筒体を維持できることになる。
【0029】
なお、スタンド1の分解は、横断ピン52のリング52aを回転させて抜け止めを解除した後に、側面部材51から横断ピン52を引き抜くだけの簡便な作業で完了する。加えて、各枠体2を同一形状に形成しているため、図6に示すように、重ね配置もできて保管性が向上し、さらには連結材等を紐や番線(ワイヤー)で結束すれば搬送性(移動性)も向上する。
【0030】
なお、本実施例のスタンド1の枠体2は、枠部材3が2個、連結材4が3個をもって構成しているが、適宜な補強部材6、7や保形部材8を追加配置しても良い。
【0031】
例えば、図7に示すように、連結材4と同等の棒状補強部材6を枠部材間に配置しても良く、枠部材3と連結材4とが囲う空間に適宜な網板状の網状補強部材7を配置して剛性を向上させるようにしても良い。また、剛性向上の観点から、枠部材3と同じ曲線から成る保形部材8を配置しても良い。
【0032】
加えて、連係部材5の配置個数についても、2個から枠体2どうしの上下動自在な機能を妨げない範囲で適宜に増減することが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 スタンド
2 枠体
3 枠部材
4 連結材
5 連係部材
51 側面部材
52 横断ピン
52a リング
6 棒状補強部材
7 網状補強部材
8 保形部材
B フレコンバッグ
B1 投入口
【要約】
【課題】フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ)用のスタンドにおいて、使用環境によっても、構成部材が分離などせずに安定した連係状態を保持できると共に、凹凸や起伏の激しい不整地な設置面であっても安定した立設保持が確保できるフレコンバッグ用スタンドを提供する。
【解決手段】スタンド1は、面上で複数個を連結することにより環状となる湾曲形状の枠部材3の2個を、上下方向に所定間隔をもって対向配置すると共に、対向させた両端部及び中央どうしを連結材4で剛結して枠体2を構成し、この枠体の複数個を用いて、連結材どうしを長さ方向に沿った移動が可能となるように連係部材5をもって連係させて円筒体に形成している。上記枠部材の湾曲形状は、高さ調整がし易いように円形3分割形状となるようにその長さと湾曲角度を調整している。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7