特許第6644418号(P6644418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6644418電動ポンプシステムおよび電動ポンプ交互運転制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6644418
(24)【登録日】2020年1月10日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】電動ポンプシステムおよび電動ポンプ交互運転制御装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 15/00 20060101AFI20200130BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20200130BHJP
   F04D 13/08 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   F04D15/00 D
   F04D15/00 J
   F04B49/06 311
   F04D13/08 U
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-27851(P2016-27851)
(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-145746(P2017-145746A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 剛
(72)【発明者】
【氏名】小田 章宏
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−006948(JP,A)
【文献】 特開平07−139023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 15/00
F04B 49/06
F04D 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電動ポンプと、
前記複数の電動ポンプにより排水される領域の水位を検知する水位検知部と、
前記水位検知部により検知した水位に基づいて、前記複数の電動ポンプを交互に運転させる制御装置とを備え、
前記制御装置は、運転中の前記電動ポンプの運転時間が第1所定時間を超過する毎に、第1予備警告通知を行うように構成されているとともに、前記複数の電動ポンプのうち同一の前記電動ポンプについて、運転時間が前記第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成されている、電動ポンプシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記複数の電動ポンプのうち同一の前記電動ポンプについて、運転時間が前記第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成されている、請求項1に記載の電動ポンプシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、運転時の運転時間が前記第1所定時間を超過して前記第1予備警告通知が行われている前記電動ポンプについて、次の運転時の運転時間が前記第1所定時間以内である場合に、前記第1予備警告通知を解除するように構成されている、請求項1または2に記載の電動ポンプシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、運転中の前記電動ポンプの運転時間が前記第1所定時間を超過した場合に、運転中の前記電動ポンプの運転を継続しながら、前記複数の電動ポンプのうち運転停止中の前記電動ポンプを運転させるように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の電動ポンプシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、運転中の前記電動ポンプの運転時間が前記第1所定時間を超過した場合に、運転中の前記電動ポンプの運転を継続しながら、運転停止中の前記電動ポンプを運転させた場合において、運転時間が第2所定時間を超過したことに基づいて、第2予備警告通知を行うように構成されている、請求項に記載の電動ポンプシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記複数の電動ポンプに対する電力の供給を切り替えることにより、前記複数の電動ポンプを交互に運転させる制御を行うように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の電動ポンプシステム。
【請求項7】
前記制御装置は、運転時間が前記第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過した前記電動ポンプについて、今後の運転を中止するように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の電動ポンプシステム。
【請求項8】
複数の電動ポンプにより排水される領域の水位を検知する水位検知部により検知された水位に基づいて、前記複数の電動ポンプを交互に運転させる制御部と、
通知部とを備え、
前記制御部は、運転中の前記電動ポンプの運転時間が所定時間を超過する毎に、予備警告通知を行うように構成されているとともに、前記複数の電動ポンプのうち同一の前記電動ポンプについて、運転時間が前記所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、前記通知部により警告通知を行うように構成されている、電動ポンプ交互運転制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動ポンプシステムおよび電動ポンプ交互運転制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動ポンプシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、2つのポンプと、2つのポンプを交互運転させる制御盤とを備える汚水搬送ポンプ装置(電動ポンプシステム)が開示されている。この汚水搬送ポンプ装置では、制御盤は、2つのポンプの平均運転時間の差分を算出し、算出した差分が閾値を超えた場合、平均運転時間の長いポンプを異常と判定するとともに、異常と判定したポンプを用いないようにする制御を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−034513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の汚水搬送ポンプ装置(電動ポンプシステム)では、ポンプにより排水する領域への水の流入量が一時的に多かった場合などで、1つのポンプの運転時間が長くなった場合でも、異常と判定されて、異常と判定されたポンプを用いないように制御される。このため、使用可能なポンプが用いられない場合があるという不都合がある。このため、複数のポンプを交互に効率よく用いて排水することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の電動ポンプを交互に効率よく用いて排水することが可能な電動ポンプシステムおよび電動ポンプ交互運転制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による電動ポンプシステムは、複数の電動ポンプと、複数の電動ポンプにより排水される領域の水位を検知する水位検知部と、水位検知部により検知した水位に基づいて、複数の電動ポンプを交互に運転させる制御装置とを備え、制御装置は、運転中の電動ポンプの運転時間が第1所定時間を超過する毎に、第1予備警告通知を行うように構成されているとともに、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による電動ポンプシステムでは、上記のように、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行う制御装置を設ける。これにより、水の流入量が一時的に多くなったことなどにより、複数の電動ポンプのうち1つの電動ポンプの運転時間が長くなった場合でも、少なくとも2回目の運転機会においては運転させることができるので、1回目の運転時に運転時間が長くなった電動ポンプを用いるのを即座に中止する場合と異なり、使用可能な電動ポンプを用い続けることができる。その結果、複数の電動ポンプを交互に効率よく用いて排水することができる。また、同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行うことにより、不具合が生じている可能性が高い電動ポンプをユーザに適切に知らせることができる。
【0009】
上記第1の局面による電動ポンプシステムにおいて、好ましくは、制御装置は、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、複数回連続して運転時間が長い場合に、警告通知が行われるので、不具合が生じている可能性が高い電動ポンプをユーザにより適切に知らせることができる。
【0010】
上記第1の局面による電動ポンプシステムでは、制御装置は、運転中の電動ポンプの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、第1予備警告通知を行うように構成されている。これにより、電動ポンプの運転時間が長くなったことを第1予備警告通知によりユーザが容易に認識することができる。
【0011】
上記第1の局面による電動ポンプシステムにおいて、好ましくは、制御装置は、運転時の運転時間が第1所定時間を超過して第1予備警告通知が行われている電動ポンプについて、次の運転時の運転時間が第1所定時間以内である場合に、第1予備警告通知を解除するように構成されている。このように構成すれば、水の流入量が一時的に多くなったことなどにより、電動ポンプの運転時間が偶然長くなった場合に、第1予備警告通知が継続されるのを回避することができるので、誤った警告が通知されるのを抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による電動ポンプシステムにおいて、好ましくは、制御装置は、運転中の電動ポンプの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、運転中の電動ポンプの運転を継続しながら、複数の電動ポンプのうち運転停止中の電動ポンプを運転させるように構成されている。このように構成すれば、1つの電動ポンプでの排水が間に合わない場合に、複数の電動ポンプを用いて排水することができるので、確実に排水を行うことができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御装置は、運転中の電動ポンプの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、運転中の電動ポンプの運転を継続しながら、運転停止中の電動ポンプを運転させた場合において、運転時間が第2所定時間を超過したことに基づいて、第2予備警告通知を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の電動ポンプを用いて排水した場合でもなお運転時間が長くなったことを第2予備警告通知によりユーザが容易に認識することができる。
【0014】
上記第1の局面による電動ポンプシステムにおいて、好ましくは、制御装置は、複数の電動ポンプに対する電力の供給を切り替えることにより、複数の電動ポンプを交互に運転させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、電動ポンプに複雑な制御をさせる必要がないので、装置構成を簡素化することができる。また、既存の電動ポンプを制御装置に複数接続することにより、容易に電動ポンプシステムを構成することができる。
【0015】
上記第1の局面による電動ポンプシステムにおいて、好ましくは、制御装置は、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過した電動ポンプについて、今後の運転を中止するように構成されている。このように構成すれば、不具合が生じている可能性が高い電動ポンプの運転が中止されるので、正常に動作可能な電動ポンプのみを運転させることで排水を行うことができる。
【0016】
この発明の第2の局面による電動ポンプ交互運転制御装置は、複数の電動ポンプにより排水される領域の水位を検知する水位検知部により検知された水位に基づいて、複数の電動ポンプを交互に運転させる制御部と、通知部とを備え、制御部は、運転中の電動ポンプの運転時間が所定時間を超過する毎に、予備警告通知を行うように構成されているとともに、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、通知部により警告通知を行うように構成されている。
【0017】
この発明の第2の局面による電動ポンプ交互運転制御装置では、上記のように、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、通知部により警告通知を行う制御部を設ける。これにより、水の流入量が一時的に多くなったことなどにより、複数の電動ポンプのうち1つの電動ポンプの運転時間が長くなった場合でも、少なくとも2回目の運転機会においては運転させることができるので、1回目の運転時に運転時間が長くなった電動ポンプを用いるのを即座に中止する場合と異なり、使用可能な電動ポンプを用い続けることができる。その結果、複数の電動ポンプを交互に効率よく用いて排水することができる。また、同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行うことにより、不具合が生じている可能性が高い電動ポンプをユーザに適切に知らせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、複数の電動ポンプを交互に効率よく用いて排水することが可能な電動ポンプシステムおよび電動ポンプ交互運転制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムを示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムの制御装置の通知部および操作部の一例を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムの制御装置によるポンプ交互運転処理を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムの制御装置による通知処理を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムの第1動作例を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムの第2動作例を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態による電動ポンプシステムの第3動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(電動ポンプシステムの構成)
図1図7を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態による電動ポンプシステム100は、タンク2に流入する水を排水するように構成されている。電動ポンプシステム100は、図1に示すように、制御装置1と、タンク2と、水中電動ポンプ3aおよび3bと、水位検知部4とを備えている。また、電動ポンプシステム100は、電力を供給する電力供給部5に接続されている。制御装置1は、制御部11と、通知部12と、操作部13とを含んでいる。なお、制御装置1は、特許請求の範囲の「制御装置」および「電動ポンプ交互運転制御装置」の一例である。また、水中電動ポンプ3aおよび3bは、特許請求の範囲の「電動ポンプ」の一例である。
【0022】
制御装置1は、タンク2内に設けられた水中電動ポンプ3aおよび3bの交互運転を制御するように構成されている。具体的には、制御装置1の制御部11は、水位検知部4により検知した水位に基づいて、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bを交互に運転させるように構成されている。つまり、制御装置1(制御部11)は、タンク2内の水位がON水位以上になったことに基づいて、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち一方を運転させて、タンク2内の水を排水させる。その後、制御装置(制御部11)は、タンク2内の水位がOFF水位以下になったことに基づいて、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転を停止させる。そして、制御装置1(制御部11)は、次に、タンク2内の水位がON水位以上になった場合は、水中電動ポンプ3aおよび3bのうち他方を運転させて、タンク2内の水を排水させる。その後、制御装置1(制御部11)は、同様に水中電動ポンプ3aおよび3bを交互に運転させながら、タンク2内の水を排水させる。
【0023】
ここで、本実施形態では、制御部11は、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち同一の水中電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数(たとえば、3回)超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成されている。具体的には、制御部11は、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち同一の水中電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成されている。なお、第1所定時間は、タンク2の容量、水中電動ポンプ3aおよび3bの性能、タンク2内に流入する水の平均量などに基づいて設定される。
【0024】
また、本実施形態では、制御部11は、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、予備警告通知を行うように構成されている。また、制御部11は、運転時の運転時間が第1所定時間を超過して予備警告通知が行われている水中電動ポンプ3aまたは3bについて、次の運転時の運転時間が第1所定時間以内である場合に、予備警告通知を解除するように構成されている。
【0025】
また、制御部11は、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転を継続しながら、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち運転停止中の水中電動ポンプを運転させるように構成されている。また、制御部11は、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転を継続しながら、運転停止中の水中電動ポンプ3aまたは3bを運転させた場合において、運転時間が第2所定時間を超過したことに基づいて、予備警告通知を行うように構成されている。
【0026】
また、制御部11は、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bに対する電力の供給を切り替えることにより、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bを交互に運転させる制御を行うように構成されている。つまり、制御部11は、水中電動ポンプ3a(3b)に電力を供給することにより、水中電動ポンプ3a(3b)を運転させるとともに、水中電動ポンプ3a(3b)への電力の供給を停止することにより、水中電動ポンプ3a(3b)の運転を停止させるように構成されている。制御部11は、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数(たとえば、3回)連続して超過した水中電動ポンプ3aまたは3bについて、今後の運転を中止するように構成されている。
【0027】
また、制御部11は、ユーザの操作部13の操作により、水中電動ポンプ3aおよび3bをマニュアル運転モードで運転させるように構成されている。具体的には、制御部11は、水中電動ポンプ3aまたは3bの試験運転操作が行われた場合、指定された水中電動ポンプを強制運転させるように構成されている。また、制御部11は、マニュアル運転モードに設定された場合に、所定時間(たとえば、10秒)以内に起動/停止の操作が行われなかった場合、マニュアル運転モードから自動で交互運転を行う自動運転モードに切り替えるように構成されている。また、制御部11は、マニュアル運転モードに設定されている場合に、水位検知部4がON水位以上を検知した場合に、自動運転モードに切り替えて、水中電動ポンプ3aまたは3bを運転させるように構成されている。これにより、誤操作でマニュアル運転モードに切り替えられた場合や、マニュアル運転モードから自動運転モードに切り替え忘れた場合でも、自動で自動運転モードに切り替えることが可能である。
【0028】
通知部12は、LEDを含み、光により警告を通知するように構成されている。通知部12は、たとえば、図2に示すように、電源のON/OFFを示すLED、運転の状態を示すLED、自動交互運転(自動運転モード)を示すLED、1号ポンプ(水中電動ポンプ3a)のLED、2号ポンプ(水中電動ポンプ3b)のLED、手動運転(マニュアル運転モード)を示すLED、および、警告LEDを含んでいる。通知部12の各LEDは、点灯、点滅により状態や警告を通知するように構成されている。特に、水中電動ポンプ3aのLED、水中電動ポンプ3bのLEDおよび警告LEDは、点灯、点滅により警告を通知するように構成されている。なお、通知部12は音により警告を通知してもよい。
【0029】
操作部13は、制御装置1へのユーザの操作を受け付けるように構成されている。たとえば、操作部13は、電動ポンプシステム100の電源のON/OFF操作を受け付けるように構成されている。操作部13は、マニュアル運転モードと自動運転モードを切り替える操作を受け付けるように構成されている。また、操作部13は、第1所定時間および第2所定時間の設定操作を受け付けるように構成されている。操作部13は、たとえば、図2に示すように、モード切替ボタンおよび起動/停止ボタンを含んでいる。モード切替ボタンは、自動で交互運転を行う自動運転モードと、手動で運転させるマニュアル運転モードとを切り替えるために操作されるように構成されている。起動/停止ボタンは、マニュアル運転モード時に水中電動ポンプ3aまたは3bの運転を手動で起動/停止させるために操作されるように構成されている。
【0030】
水中電動ポンプ3aおよび3bは、タンク2内に配置されている。また、水中電動ポンプ3aおよび3bは、タンク2内の水を外部に排水するように構成されている。また、水中電動ポンプ3aおよび3bは、制御装置1から電力が供給させることにより運転するように構成されている。また、水中電動ポンプ3aおよび3bは、水中でも使用可能に構成されている。
【0031】
水位検知部4は、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bにより排水される領域(タンク2内)の水位を検知するように構成されている。具体的には、水位検知部4は、タンク2から水を排水する必要があるON水位と、タンク2から水が略抜けた状態のOFF水位とを検知するように構成されている。つまり、ON水位は、タンク2の上方の位置の水位であり、OFF水位は、タンク2の下方の位置の水位である。水位検知部4は、制御装置1に接続されている。また、水位検知部4は、水位検知信号を制御装置1に送信するように構成されている。水位検知部4は、たとえば、フロート式スイッチや、通電式スイッチなどにより構成されている。
【0032】
電力供給部5は、制御装置1に電力を供給するように構成されている。また、電力供給部5は、制御装置1を介して、水中電動ポンプ3aおよび3bに電力を供給するように構成されている。なお、電力供給部5は、商用電力を供給してもよいし、バッテリなどから電力を供給してもよい。また、電力供給部5は、交流電力を供給してもよいし、直流電力を供給してもよい。
【0033】
(ポンプ交互運転処理)
図3を参照して、制御装置1(制御部11)によるポンプ交互運転処理について説明する。
【0034】
電動ポンプシステム100が起動されると、ステップS1において、制御部11は、タンク2内の水位を判断する。具体的には、制御部11は、水位検知部4の検知結果に基づいて、タンク2内の水位がON水位以上か、ON水位後OFF水位以下となったか、または、それ以外かを判断する。それ以外であれば、ステップS1の判断が繰り返される。タンク2内の水位が、ON水位以上と判断されれば、ステップS2に進み、タンク2内の水位が、ON水位以上に増加した後、OFF水位以下に低下したと判断されれば、ステップS9に進む。
【0035】
ステップS2において、制御部11は、メインポンプが水中電動ポンプ3aであるか、または、水中電動ポンプ3bであるかを判断する。メインポンプが水中電動ポンプ3aであれば、ステップS3に進み、メインポンプが水中電動ポンプ3bであれば、ステップS6に進む。
【0036】
ステップS3において、制御部11は、水中電動ポンプ3aをONにする。具体的には、制御部11は、水中電動ポンプ3aに電力を供給して、水中電動ポンプ3aを運転させる。また、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDをONにする(点灯させる)。
【0037】
ステップS4において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間を超過しているか否かを判断する。運転時間が第1所定時間を超過していれば、ステップS5に進み、運転時間が第1所定時間を超過していなければ、ステップS1に戻る。ステップS5において、制御部11は、水中電動ポンプ3bをONにする。具体的には、制御部11は、水中電動ポンプ3bに電力を供給して、水中電動ポンプ3bを追っかけ運転させる。また、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDを点滅させる。その後、ステップS1に戻る。
【0038】
ステップS2においてメインポンプが水中電動ポンプ3bであると判断されると、ステップS6において、制御部11は、水中電動ポンプ3bをONにする。具体的には、制御部11は、水中電動ポンプ3bに電力を供給して、水中電動ポンプ3bを運転させる。また、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDをONにする(点灯させる)。
【0039】
ステップS7において、制御部11は、水中電動ポンプ3bの運転時間が第1所定時間を超過しているか否かを判断する。運転時間が第1所定時間を超過していれば、ステップS8に進み、運転時間が第1所定時間を超過していなければ、ステップS1に戻る。ステップS8において、制御部11は、水中電動ポンプ3aをONにする。具体的には、制御部11は、水中電動ポンプ3aに電力を供給して、水中電動ポンプ3aを追っかけ運転させる。また、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDを点滅させる。その後、ステップS1に戻る。
【0040】
ステップS1において水位がON水位後OFF水位以下と判断されると、ステップS9において、制御部11は、水中電動ポンプ3aおよび3bをOFFにする。具体的には、制御部11は、水中電動ポンプ3aおよび3bへの電力の供給を停止して、水中電動ポンプ3aおよび3bの運転を停止させる。なお、この場合、運転中の水中電動ポンプは、運転が停止され、停止中の水中電動ポンプは、停止が継続される。
【0041】
ステップS10において、制御部11は、通知処理を行う。なお、通知処理の詳細については、後述する。その後、ステップS11において、制御部11は、メインポンプを切り替える。つまり、メインポンプが水中電動ポンプ3aである場合、メインポンプを水中電動ポンプ3bに切替える。一方、メインポンプが水中電動ポンプ3bである場合、メインポンプを水中電動ポンプ3aに切替える。なお、一方の水中電動ポンプの使用が停止されている場合、ステップS11において、メインポンプは切り替えられない。
【0042】
(通知処理)
図4を参照して、制御装置1(制御部11)による図3のステップS10の通知処理について説明する。
【0043】
ステップS21において、制御部11は、メインポンプが水中電動ポンプ3aであるか、または、水中電動ポンプ3bであるかを判断する。メインポンプが水中電動ポンプ3aであれば、ステップS22に進み、メインポンプが水中電動ポンプ3bであれば、ステップS34に進む。
【0044】
ステップS22において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間に対して2倍以上超過したか否かを判断する。つまり、制御部11は、水中電動ポンプ3aの運転時間が第2所定時間を超過したか否かを判断する。超過していなければ、ステップS23に進み、超過していれば、ステップS33に進む。ステップS23において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間を超過したか否かを判断する。超過していなければ、ステップS24に進み、超過していれば、ステップS25に進む。
【0045】
ステップS24において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDをOFFにする(消灯させる)。また、制御部11は、水中電動ポンプ3aの時間超過回数Naを0にリセットする。ステップS25において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDを点滅させる。また、制御部11は、通知部12の警告LEDを点滅させる。また、制御部11は、水中電動ポンプ3aの時間超過回数NaをNa+1とする。
【0046】
ステップS26において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの時間超過回数Naが3以上か否かを判断する。Naが3以上であれば、ステップS27に進み、Naが2以下であれば、ステップS28に進む。ステップS27において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの使用を停止する。つまり、水中電動ポンプ3aは、次回以降用いられなくなり、水中電動ポンプ3bのみが運転されることになる。
【0047】
ステップS28において、制御部11は、水中電動ポンプ3bの時間超過回数Nbが1以上か否かを判断する。Nbが1未満(=0)であれば、ステップS29に進み、Nbが1以上であれば、ステップS30に進む。ステップS29において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDをONにする(点灯させる)。ステップS30において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDを点滅させる。
【0048】
ステップS31において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの時間超過回数Naが0であり、かつ、水中電動ポンプ3bの時間超過回数Nbが0であるか否かを判断する。Na=0かつNb=0であれば、ステップS32に進み、Na=0かつNb=0でなければ、通知処理が終了される。
【0049】
ステップS32において、制御部11は、通知部12の警告LEDをOFFにする(消灯させる)。その後、通知処理が終了される。
【0050】
ステップS22において水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間に対して2倍以上超過したと判断されると、ステップS33において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDをOFFにする(消灯させる)。また、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDをONにする(点灯させる)。また、制御部11は、通知部12の警告LEDをONにする(点灯させる)。その後、通知処理が終了される。
【0051】
ステップS21においてメインポンプが水中電動ポンプ3bであると判断されると、ステップS34において、制御部11は、水中電動ポンプ3bの運転時間が第1所定時間に対して2倍以上超過したか否かを判断する。つまり、制御部11は、水中電動ポンプ3bの運転時間が第2所定時間を超過したか否かを判断する。超過していなければ、ステップS35に進み、超過していれば、ステップS45に進む。ステップS35において、制御部11は、水中電動ポンプ3bの運転時間が第1所定時間を超過したか否かを判断する。超過していなければ、ステップS36に進み、超過していれば、ステップS37に進む。
【0052】
ステップS36において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDをOFFにする(消灯させる)。また、制御部11は、水中電動ポンプ3bの時間超過回数Nbを0にリセットする。ステップS37において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDを点滅させる。また、制御部11は、通知部12の警告LEDを点滅させる。また、制御部11は、水中電動ポンプ3bの時間超過回数NbをNb+1とする。
【0053】
ステップS38において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの時間超過回数Nbが3以上か否かを判断する。Nbが3以上であれば、ステップS39に進み、Naが2以下であれば、ステップS40に進む。ステップS39において、制御部11は、水中電動ポンプ3bの使用を停止する。つまり、水中電動ポンプ3bは、次回以降用いられなくなり、水中電動ポンプ3aのみが運転されることになる。
【0054】
ステップS40において、制御部11は、水中電動ポンプ3bの時間超過回数Naが1以上か否かを判断する。Naが1未満(=0)であれば、ステップS41に進み、Naが1以上であれば、ステップS42に進む。ステップS41において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDをONにする(点灯させる)。ステップS42において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDを点滅させる。
【0055】
ステップS43において、制御部11は、水中電動ポンプ3aの時間超過回数Naが0であり、かつ、水中電動ポンプ3bの時間超過回数Nbが0であるか否かを判断する。Na=0かつNb=0であれば、ステップS44に進み、Na=0かつNb=0でなければ、通知処理が終了される。
【0056】
ステップS44において、制御部11は、通知部12の警告LEDをOFFにする(消灯させる)。その後、通知処理が終了される。
【0057】
ステップS34において水中電動ポンプ3bの運転時間が第1所定時間に対して2倍以上超過したと判断されると、ステップS45において、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDをONにする(点灯させる)。また、制御部11は、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDをOFFにする(消灯させる)。また、制御部11は、通知部12の警告LEDをONにする(点灯させる)。その後、通知処理が終了される。
【0058】
(第1動作例)
図5を参照して、本実施形態の電動ポンプシステム100の第1動作例について説明する。第1動作例では、運転中の水中電動ポンプ3aが第1所定時間を超過して、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転を行って排水を行った後、正常に戻った例について説明する。
【0059】
時間t0において、電動ポンプシステム100の電源がONにされる。この際、メインポンプは水中電動ポンプ3aと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点灯される。時間t1において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3aの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過後の時間t2において、水中電動ポンプ3aの運転が第1所定時間を超過したとして、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転される。この際、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転しているとして、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点滅される。
【0060】
その後、時間t3において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aおよび3bの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間を超過したとして、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点滅される。また、メインポンプが水中電動ポンプ3bと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点灯される。また、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間を超過したとして、通知部12の警告LEDが点滅される。
【0061】
時間t4において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3bの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過前の時間t5において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3bの運転が停止される。この際、メインポンプが水中電動ポンプ3aと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが消灯される。なお、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDの点滅は維持される。また、通知部12の警告LEDの点滅も維持される。
【0062】
時間t6において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3aの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過前の時間t7において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3aの運転時間は、第1所定時間を超過しなかったので、正常運転に戻った(つまり、水中電動ポンプ3aに不具合は生じていなかった)として、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが消灯される。また、通知部12の警告LEDも消灯される。また、メインポンプが水中電動ポンプ3bと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点灯される。
【0063】
(第2動作例)
図6を参照して、本実施形態の電動ポンプシステム100の第2動作例について説明する。第2動作例では、運転中の水中電動ポンプ3aが第1所定時間を超過して、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転を行って排水を行い、メインポンプが切り替わり、運転中の水中電動ポンプ3bが第1所定時間を超過して、水中電動ポンプ3aが追っかけ運転を行って排水を行った後、正常に戻った例について説明する。
【0064】
時間t10において、電動ポンプシステム100の電源がONにされる。この際、メインポンプは水中電動ポンプ3aと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点灯される。時間t11において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3aの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過後の時間t12において、水中電動ポンプ3aの運転が第1所定時間を超過したとして、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転される。この際、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転しているとして、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点滅される。
【0065】
その後、時間t13において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aおよび3bの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間を超過したとして、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点滅される。また、メインポンプが水中電動ポンプ3bと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点灯される。また、水中電動ポンプ3aの運転時間が第1所定時間を超過したとして、通知部12の警告LEDが点滅される。
【0066】
時間t14において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3bの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過後の時間t15において、水中電動ポンプ3bの運転が第1所定時間を超過したとして、水中電動ポンプ3aが追っかけ運転される。この際、水中電動ポンプ3aが追っかけ運転しているとして、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点滅される。つまり、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点滅が維持される。
【0067】
その後、時間t16において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aおよび3bの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3bの運転時間が第1所定時間を超過したとして、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点滅される。なお、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDの点滅は維持される。また、通知部12の警告LEDの点滅も維持される。
【0068】
時間t17において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3aの運転が開始される。この際、水中電動ポンプ3aがメインポンプとして運転中であるとして、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点灯される。運転開始から第1所定時間経過前の時間t18において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3aの運転時間は、第1所定時間を超過しなかったので、正常運転に戻った(つまり、水中電動ポンプ3aに不具合は生じていなかった)として、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが消灯される。なお、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDの点滅は維持される。また、通知部12の警告LEDの点滅も維持される。
【0069】
時間t19において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3bの運転が開始される。この際、水中電動ポンプ3bがメインポンプとして運転中であるとして、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点灯される。運転開始から第1所定時間経過前の時間t20において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3bの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3bの運転時間は、第1所定時間を超過しなかったので、正常運転に戻った(つまり、水中電動ポンプ3bに不具合は生じていなかった)として、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが消灯される。また、通知部12の警告LEDも消灯される。また、メインポンプが水中電動ポンプ3aと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点灯される。
【0070】
(第3動作例)
図7を参照して、本実施形態の電動ポンプシステム100の第3動作例について説明する。第3動作例では、運転中の水中電動ポンプ3aが第1所定時間を超過して、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転を行ってもなお、第1所定時間の2倍の時間以上超過して排水を行った後、正常に戻った例について説明する。
【0071】
時間t30において、電動ポンプシステム100の電源がONにされる。この際、メインポンプは水中電動ポンプ3aと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点灯される。時間t31において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3aの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過後の時間t32において、水中電動ポンプ3aの運転が第1所定時間を超過したとして、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転される。この際、水中電動ポンプ3bが追っかけ運転しているとして、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点滅される。
【0072】
その後、追っかけ運転開始から第1所定時間の2倍以上の時間以上経過後(水中電動ポンプ3aの運転開始から第2所定時間以上経過後)の時間t33において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aおよび3bの運転が停止される。この際、水中電動ポンプ3aおよび3bの両方を運転してもなお、運転時間が第2所定時間を超過したとして、通知部12の警告LEDが点灯される。また、メインポンプが水中電動ポンプ3bと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点灯される。また、この場合、どちらの水中電動ポンプに、運転時間が第2所定時間を超過した原因があるか特定できないため、水中電動ポンプ3aのLEDについては敢えて点灯も点滅もされない。
【0073】
時間t34において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3bの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過前の時間t35において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3bの運転が停止される。この際、メインポンプが水中電動ポンプ3aと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDが点灯される。また、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが消灯される。この際、水中電動ポンプ3aは、前回の運転時に第1所定時間を超えているものの、どちらの水中電動ポンプに原因があるか特定できないため、通知部12の水中電動ポンプ3aのLEDは、点滅ではなく点灯とされ、通知部12の警告LEDの点灯が継続される。
【0074】
時間t36において、水位がON水位以上となると、水中電動ポンプ3aの運転が開始される。運転開始から第1所定時間経過前の時間t37において、水位がOFF水位以下となると、水中電動ポンプ3aの運転が停止される。この際、メインポンプが水中電動ポンプ3bと設定され、通知部12の水中電動ポンプ3bのLEDが点灯される。さらに、水中電動ポンプ3bに続き、水中電動ポンプ3aも正常に運転を終了することができたので、いずれの水中電動ポンプにも不具合が生じていなかったとして、通知部12の警告LEDが消灯される。
【0075】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
本実施形態では、上記のように、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち同一の水中電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行う制御装置1を設ける。これにより、水の流入量が一時的に多くなったことなどにより、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち1つの水中電動ポンプの運転時間が長くなった場合でも、少なくとも2回目の運転機会においては運転させることができるので、1回目の運転時に運転時間が長くなった水中電動ポンプを用いるのを即座に中止する場合と異なり、使用可能な水中電動ポンプを用い続けることができる。その結果、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bを交互に効率よく用いて排水することができる。また、同一の水中電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行うことにより、不具合が生じている可能性が高い水中電動ポンプをユーザに適切に知らせることができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち同一の水中電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過したことに基づいて、警告通知を行うように構成する。これにより、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち同一の水中電動ポンプについて、複数回連続して運転時間が長い場合に、警告通知が行われるので、不具合が生じている可能性が高い水中電動ポンプをユーザにより適切に知らせることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、予備警告通知を行うように構成する。これにより、水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が長くなったことを予備警告通知によりユーザが容易に認識することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、運転時の運転時間が第1所定時間を超過して予備警告通知が行われている水中電動ポンプ3aまたは3bについて、次の運転時の運転時間が第1所定時間以内である場合に、予備警告通知を解除するように構成する。これにより、水の流入量が一時的に多くなったことなどにより、水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が偶然長くなった場合に、予備警告通知が継続されるのを回避することができるので、誤った警告が通知されるのを抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転を継続しながら、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bのうち運転停止中の水中電動ポンプを運転させるように構成する。これにより、1つの水中電動ポンプでの排水が間に合わない場合に、複数の水中電動ポンプを用いて排水することができるので、確実に排水を行うことができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転時間が第1所定時間を超過した場合に、運転中の水中電動ポンプ3aまたは3bの運転を継続しながら、運転停止中の水中電動ポンプ3aまたは3bを運転させた場合において、運転時間が第2所定時間を超過したことに基づいて、予備警告通知を行うように構成する。これにより、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bを用いて排水した場合でもなお運転時間が長くなったことを予備警告通知によりユーザが容易に認識することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bに対する電力の供給を切り替えることにより、複数の水中電動ポンプ3aおよび3bを交互に運転させる制御を行うように構成する。これにより、水中電動ポンプ3aおよび3bに複雑な制御をさせる必要がないので、装置構成を簡素化することができる。また、既存の水中電動ポンプを制御装置1に複数接続することにより、容易に電動ポンプシステム100を構成することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、制御装置1を、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過した水中電動ポンプ3aまたは3bについて、今後の運転を中止するように構成する。これにより、不具合が生じている可能性が高い水中電動ポンプの運転が中止されるので、正常に動作可能な水中電動ポンプのみを運転させることで排水を行うことができる。
【0084】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0085】
たとえば、上記実施形態では、電動ポンプとして水中電動ポンプを用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、電動ポンプとして陸上電動ポンプを用いてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を3回超過したことに基づいて、警告通知を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2回または4回以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行ってもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、運転時間が第1所定時間を3回連続して超過した水中電動ポンプについて、今後の運転を中止する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、運転時間が第1所定時間を2回または4回以上の所定回数連続して超過した水中電動ポンプについて、今後の運転を中止するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、電動ポンプシステムに水中電動ポンプ(電動ポンプ)を2つ設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、電動ポンプシステムに3以上の電動ポンプを設けてもよい。この場合、電動ポンプを1つずつ順番に交互に運転させてもよいし、電動ポンプを複数台ずつ順番に交互に運転させてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、通知部の点灯、点滅により警告を通知する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、通知部により、視覚的、聴覚的、触覚的、嗅覚的のいずれの手段およびその組み合わせにおいて通知してもよい。また、通信により遠隔の端末に警告を通知してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を2以上の所定回数連続して超過したことに基づいて、警告通知を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、複数の電動ポンプのうち同一の電動ポンプについて、運転時間が第1所定時間を連続ではない2以上の所定回数超過したことに基づいて、警告通知を行ってもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、水中電動ポンプ(電動ポンプ)をタンク内に配置する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、電動ポンプをタンク以外の排水が必要な領域に配置してもよい。たとえば、池、河川、湖などに電動ポンプを配置してもよいし、上水設備または下水設備に電動ポンプを配置してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置(制御部)の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御装置(制御部)の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 制御装置(電動ポンプ交互運転制御装置)
3a、3b 水中電動ポンプ(電動ポンプ)
4 水位検知部
11 制御部
12 通知部
100 電動ポンプシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7