(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記グラフ算出部が上記台形のグラフによっても上記実際面積と等しくなるグラフを算出することができない場合、エラーメッセージを出力するメッセージ出力部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動経路生成装置。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のステアリングを自動制御し、あらかじめ生成した移動経路上を走行させながら、車両を駐車場等の目標位置に停車させるようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1〜9参照)。
【0003】
特許文献1には、急激な操舵がなく違和感のない誘導を可能にする手法が開示されている。すなわち、車両の現在位置から誘導位置までの直線距離と、現在位置における車体の軸線と誘導位置における車体の軸線とがなす交点の位置と、現在位置と誘導位置との進行方向における車体の軸線がなす姿勢角度とに基づいて、連続的に曲率が変化する曲線(クロソイド)で誘導軌道を算出することにより、誘導軌道を急激な曲率変化のない滑らかな軌道とすることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、狭い駐車場でも目標経路を容易に生成できるようにする手法が開示されている。すなわち、初期位置における車両の進行方向に対して目標位置における車両の進行方向が成す姿勢角θと、初期位置における車両の進行方向に対して初期位置と目標位置とを結ぶ線分が成す行程角φとの間に、θ≧2φの関係がある場合、曲率が変化する曲線(クロソイド)と曲率が一定の曲線(円弧)とを組み合わせて、目標経路を生成する。一方、θ≧2φの関係がない場合は、初期位置を通り、かつ初期位置における車両の進行方向に接する第1の円周C1と、目標位置を通り、かつ目標位置における車両の進行方向および第1の円周C1に接する第2の円周C2とを基準にして、目標経路を生成する。
【0005】
特許文献3には、自車位置から駐車枠位置まで、円弧、クロソイド曲線、直線のいずれか1つ以上を組み合わせることで駐車経路を生成することが記載されている。
【0006】
特許文献4にも、円弧、クロソイド曲線、直線のいずれか1つ以上の組み合わせにより走行軌跡を設定することが記載されている。また、特許文献4には、車両位置が初期設定の走行軌跡から外れた場合に、ずれ量に応じて再設定経路の計算方法を切り替えることが記載されている。すなわち、ずれ量が小さいときは元の経路に復帰する経路を再計算し、ずれ量が大きいときは元の経路を考慮せずに経路を再計算する。
【0007】
特許文献5には、車両の中心が誘導経路の中心位置から外れた場合に、基準位置における車両の移動速度と車両のステアリング角とに基づいて復帰経路を生成することが記載されている。また、特許文献5には、停車位置において車両のステアリングホイールを限界まで操作した場合でも、車両を駐車目標位置に導くことができない場合に、誘導経路の設定が不能と判断し、駐車支援を終了することが記載されている。
【0008】
特許文献6には、初期設定による生成経路からの現在位置のずれ量が所定値に達した場合に、目標駐車位置までの再経路の計算を、その再経路計算時における舵角および現在位置と目標駐車位置との相対位置関係に基づいて行うことが記載されている。
【0009】
特許文献7には、操舵時の制御遅れ量を推定または検出し、推定または検出した制御遅れ量を考慮して旋回曲率の走行距離に対する変化量を設定することで走行経路を設定することが記載されている。
【0010】
特許文献8には、自車両が駐車領域へ向けて後退を開始する後退開始位置と、駐車領域内の最終停車位置とを、既設定駐車領域と対応付けて記憶しておき、後退開始位置から最終停車位置まで旋回走行を含んで後退する自車両の走行軌跡を、検出した障害物と自車両との相対位置を用いて補正し、後退する自車両が障害物と重ならない補正走行軌跡を算出することが記載されている。
【0011】
特許文献9には、自動駐車に要する時間を最小限に抑えながら、移動軌跡のずれを防止して精密な自動駐車を行えるようにすることが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による移動経路生成装置の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の移動経路生成装置100は、その機能構成として、目標位置設定部1、指示受付部2、パターン判定部3、経由点設定部4、角度算出部5、グラフ生成部6、経路設定部7および逸脱検出部8を備えて構成されている。また、移動経路生成装置100に関連する構成として、現在位置検出部101、経路記憶部102および走行制御部103を備えている。
【0019】
移動経路生成装置100が備える各機能ブロック1〜8は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック1〜8は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0020】
図1のように構成された本実施形態の移動経路生成装置100は、現在位置から目標位置まで自動運転によって車両を移動させる際の移動経路を生成するものである。特に、本実施形態の移動経路生成装置100は、乗員に与える負荷が少なくなるような快適な移動経路、つまり、操舵によって生じる横方向の角速度ができるだけ小さくなるような移動経路を生成できるようにするものである。
【0021】
横方向の角速度ができるだけ小さくなるような移動経路とは、
図3に示すように、車両の操舵角に応じた走行軌跡の曲率を縦軸とし、車両の走行距離を横軸として、現在位置から目標位置までの走行軌跡を表すグラフを生成したときに、グラフの傾きができるだけ小さくなるような移動経路と定義することができる。そのような移動経路は、二等辺三角形をしたグラフGsのように表される移動経路か、左右対称の台形をしたグラフGdのように表される移動経路の何れかとなる。なお、これについては詳細を後述する。
【0022】
以下に、
図1に示す各構成について説明する。現在位置検出部101は、車両の現在位置を検出する。この現在位置検出部101は、自立航法センサ、GPS受信機、位置計算用CPU等を備えて構成されている。自立航法センサは、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する車速センサ(距離センサ)と、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)とを含む。自立航法センサは、これらの車速センサおよび角速度センサによって車両の相対位置および方位を検出する。
【0023】
位置計算用CPUは、自立航法センサから出力される自車の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)および車両方位を計算する。また、GPS受信機は、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。
【0024】
目標位置設定部1は、自動運転によって車両を移動させる先の目標位置を設定する。目標位置設定部1は、目標位置での車両の目標方位も合わせて設定する。例えば、ユーザがタッチパネル等の操作部を操作して、車両を移動させたい駐車場の駐車枠を指定すると、目標位置設定部1は、その指定された駐車枠の中心点を目標位置に設定するとともに、駐車枠の長手方向を目標方位として設定する。なお、ここに示した目標位置および目標方位の設定方法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0025】
指示受付部2は、移動経路の設定を指示する操作を受け付ける。例えば、目標位置設定部1により目標位置が設定された後、経路設定ボタン等が操作された場合に、指示受付部2はその操作を受け付ける。なお、目標位置設定部1により設定された目標位置を確定させる確定ボタンの操作を、移動経路の設定を指示する操作として受け付けるようにしてもよい。または、目標位置設定部1により目標位置が設定された後、バックギアにシフトチェンジする操作を、移動経路の設定を指示する操作として受け付けるようにしてもよい。
【0026】
指示受付部2が移動経路の設定を指示する操作を受け付けると、移動経路生成装置100は、以下に説明する移動経路の生成処理を実行する。すなわち、指示受付部2が移動経路の設定を指示する操作を受け付けたときに、パターン判定部3、経由点設定部4、角度算出部5、グラフ生成部6および経路設定部7の処理を実行する。
【0027】
パターン判定部3は、現在位置と目標位置との位置関係によって、現在位置から目標位置まで一方向の操舵で移動する第1のパターンにより移動経路を生成するか、現在位置から目標位置まで二方向の操舵で移動する第2のパターンにより移動経路を生成するかを判定する。具体的には、パターン判定部3は、現在位置における車両の軸線(車両方位を表す直線)と、目標位置における車両の軸線(目標方位を表す直線)との交点が現在位置と目標位置との間に存在するか否か、交点と目標位置との距離が所定値以下か否かによって、第1のパターンまたは第2のパターンの何れかを判定する。
【0028】
経由点設定部4は、パターン判定部3により第2のパターンであると判定された場合、現在位置と目標位置との間に経由点を設定する。現在位置と目標位置との間のどの位置に経由点を設定するかは、後述するシミュレーションによって試行錯誤的に定める。このシミュレーションは、車両に働く横方向の角速度ができるだけ小さくなるような最適な移動経路となるような経由点を探す処理も含んでいる。
【0029】
図4は、パターン判定部3および経由点設定部4の処理の概要を説明するための図である。
図4(a)は、現在位置と目標位置との位置関係によって第1のパターンとなる例を示している。
図4(b)および(c)は、現在位置と目標位置との位置関係によって第2のパターンとなる例を示している。
【0030】
図4(a)は、現在位置Sにおける車両の軸線SLと、目標位置Eにおける車両の軸線ELとの交点Xが現在位置Sと目標位置Eとの間に存在し、かつ、交点Xと目標位置Eとの距離が所定値より大きいケースを示している。このようなケースの場合、パターン判定部3は、第1のパターンと判定する。第1のパターンと判定された場合、経由点設定部4は経由点を設定しない。この場合、後述するように経路設定部7は、現在位置Sから目標位置Eまで一方向に緩やかに操舵しながら移動するような移動経路Rを生成する。
【0031】
図4(b)は、現在位置Sにおける車両の軸線SLと、目標位置Eにおける車両の軸線ELとの交点が現在位置Sと目標位置Eとの間に存在しないケースを示している。このようなケースの場合、パターン判定部3は、第2のパターンと判定する。第2のパターンと判定された場合、経由点設定部4は、現在位置Sと目標位置Eとの間(かつ、2つの軸線SL,ELの間)に経由点Cを設定する。この場合、後述するように経路設定部7は、現在位置Sから経由点Cまで一方向に緩やかに操舵しながら移動し、その後、経由点Cから目標位置Eまで逆方向に緩やかに操舵しながら移動するような移動経路Rを生成する。
【0032】
図4(c)は、現在位置Sにおける車両の軸線SLと、目標位置Eにおける車両の軸線ELとの交点Xが現在位置Sと目標位置Eとの間に存在し、かつ、交点Xと目標位置Eとの距離が所定値以下のケースを示している。この場合、交点Xは存在するものの、そこから目標位置Eまでの距離が短いため、一方向のみの操舵では回りきれない。そこで、経由点設定部4は、現在位置Sと目標位置Eとの間(かつ、現在位置Sの軸線SLより外側)に経由点Cを設定する。この場合、後述するように経路設定部7は、現在位置Sから経由点Cまで一方向に緩やかに操舵しながら移動し、その後、経由点Cから目標位置Eまで逆方向に緩やかに操舵しながら移動するような移動経路Rを生成する。
【0033】
なお、パターン判定の際に考慮する「交点Xと目標位置Eとの距離」は、交点Xと目標位置Eとの間を結ぶ直線距離であってもよいし、交点Xと目標位置Eとの間の横方向の距離であってもよい。横方向の距離とは、例えば、目標位置Eを通り軸線SLと平行な線を仮想したときに、この仮想線と軸線SLとの距離をいう。
【0034】
角度算出部5は、現在位置における車両の進行方向に対して目標位置における車両の進行方向が成す角度(以下、θとする)を算出する。この角度算出部5により算出される角度θは、
図3に示したグラフの面積(以下、Pとする)に等しい。すなわち、グラフGsの場合は二等辺三角形の面積、グラフGdの場合は台形の面積が、現在位置における車両の進行方向に対して目標位置における車両の進行方向が成す角度θと等しくなる。以下に、その原理を説明する。
【0035】
現在位置から目標位置までの走行軌跡(総長さsの曲線とする)を、非常に短い多数の円弧L1,L2,・・・LNに分割する。それぞれの円弧の長さ(弧長)はds1,ds2,・・・dsNで、円弧の中心角(弧度)はdθ1,dθ2,・・・dθNである。ds1+ds2+・・・+dsN=sである。
図5は、1つの円弧を示したものである。この円弧の長さはds、円弧の中心角はdθである。また、曲率半径はρである。なお、ある曲線の一部に注目したとき、その局所的な曲がり具合を円に近似したとき、その円の半径を曲率半径といい、その逆数を曲率という。
【0036】
この場合、円弧の一般的な公式から、
ρ=ds/dθ ・・・(1)
を得ることができる。よって、曲率半径ρの逆数である曲率Kは、
K=dθ/ds ・・・(2)
となり、これを変形して
dθ=K・ds ・・・(3)
を得ることができる。よって、局所的には、曲率Kと弧長dsとの積が、その円弧の移動前位置における車両の進行方向に対して移動後位置における車両の進行方向が成す角度dθに等しくなる。
【0037】
上記式(3)の左辺を長さsで定積分すると、その結果は角度dθの総変化量、つまりθとなる。一方、上記式(3)の右辺を長さsで定積分すると、その結果は
図3に示したグラフの面積Pとなる。なお、ここでいう角度θおよび面積Pの単位は何れもラジアンである。以上により、現在位置における車両の進行方向に対して目標位置における車両の進行方向が成す角度θ[ラジアン]と、
図3に示したグラフの面積P[ラジアン]とは等しいといえる。
【0038】
グラフ生成部6は、車両の操舵角に応じた走行軌跡の曲率Kおよび車両の走行距離sを2軸として、走行距離当たりの曲率の変化度合を表す傾斜(グラフの傾斜)が最も緩くなるグラフを生成する。このとき、グラフ生成部6は、次の2つの条件下でグラフを生成する。
1)現在位置から目標位置までの走行軌跡に対応して生成されるグラフの面積Pが、角度算出部5により算出された角度θに等しくなること。
2)車両の制御可能な最大操舵角による走行軌跡がなす最大曲率を上限とすること。
【0039】
また、グラフ生成部6は、
図6(a)に示すように、現在位置Sから目標位置Eまでの直線距離d1を最小距離とし、現在位置Sにおける車両の軸線SLに沿った前方半直線と目標位置Eにおける車両の軸線ELに沿った後方半直線とがなす交点Xを経由して現在位置Sから目標位置Eまで折れ線的に移動する場合の距離d2を最大距離として、現在位置Sから目標位置Eまでの走行距離sが最小距離d1から最大距離d2までの範囲内に収まるように、グラフを生成する。なお、このグラフ生成処理の具体的な内容は、
図2を用いて後述する。
【0040】
経路設定部7は、グラフ生成部6により生成されたグラフにより表される走行軌跡を車両の移動経路として設定する。経路設定部7により設定された移動経路のデータは、経路記憶部102に記憶される。この移動経路のデータは、例えば、現在位置から所定距離毎の曲率を示すデータと、それによって表される走行軌跡のデータとで構成される。
【0041】
操舵角走行制御部103は、経路記憶部102に記憶された移動経路のデータに従って、所定距離毎にステアリングの操舵角を制御することにより、車両の走行を制御する。ここで、経路記憶部102に移動経路のデータとして記憶される曲率は、車両の回転半径の逆数を示すものであるから、これから操舵角を導出することが可能である。
【0042】
逸脱検出部8は、移動経路の設定後、走行制御部103による走行制御時に、現在位置検出部101により検出される車両の現在位置と、経路記憶部102に記憶された移動経路のデータとに基づいて、移動経路から車両位置が逸脱したことを検出する。逸脱検出部8が移動経路からの逸脱を検出すると、移動経路生成装置100は、移動経路の生成処理を再実行する。すなわち、逸脱検出部8により逸脱が検出されたときに、パターン判定部3、経由点設定部4、角度算出部5、グラフ生成部6および経路設定部7の処理を再実行する。
【0043】
なお、パターン判定部3により第2のパターンと判定された場合、角度算出部5は、現在位置Sにおける車両の進行方向に対して経由点Cにおける車両の進行方向が成す第1の角度θ1と、経由点Cにおける車両の進行方向に対して目標位置Eにおける車両の進行方向が成す第2の角度θ2とを更に算出する。ここで、経由点Cにおける車両の進行方向は、仮想的に設定する。
【0044】
また、グラフ生成部6は、パターン判定部3により第2のパターンと判定された場合、次に示す条件1)〜3)のもと、現在位置Sから経由点Cまでの移動経路に対応した第1のグラフと、経由点Cから目標位置Eまでの移動経路に対応した第2のグラフとをそれぞれ生成する。このときグラフ生成部6は、第1のグラフおよび第2のグラフのそれぞれにおいて、傾斜が最も緩くなるようなグラフを生成する。
1)現在位置Sから経由点Cまで一方向への操舵による走行軌跡に対応して生成される第1のグラフの面積P1が、角度算出部5により算出された第1の角度θ1に等しくなること。
2)経由点Cから目標位置Eまで逆方向への操舵による走行軌跡に対応して生成される第2のグラフの面積P2が、角度算出部5により算出された第2の角度θ2に等しくなること。
3)車両の制御可能な最大操舵角による走行軌跡がなす最大曲率を上限とすること。
【0045】
このとき、グラフ生成部6は、
図6(b)に示すように、現在位置Sから経由点Cまでの直線距離d3を最小距離とし、現在位置Sにおける車両の軸線SLに沿った前方半直線と経由点Cにおける車両の軸線CLに沿った後方半直線とがなす交点X1を経由して現在位置Sから経由点Cまで折れ線的に移動する場合の距離d4を最大距離として、現在位置Sから経由点Cまでの走行距離s1が最小距離d3から最大距離d4までの範囲内に収まるように、第1のグラフを生成する。
【0046】
また、グラフ生成部6は、経由点Cから目標位置Eまでの直線距離d5を最小距離とし、経由点Cにおける車両の軸線CLに沿った前方半直線と目標位置Eにおける車両の軸線ELに沿った後方半直線とがなす交点X2を経由して経由点Cから目標位置Eまで折れ線的に移動する場合の距離d6を最大距離として、経由点Cから目標位置Eまでの走行距離s2が最小距離d5から最大距離d6までの範囲内に収まるように、第2のグラフを生成する。
【0047】
また、経路設定部7は、パターン判定部3により第2のパターンと判定された場合、グラフ生成部6により生成された第1のグラフおよび第2のグラフにより表される走行軌跡を車両の移動経路として設定する。
【0048】
図2は、本実施形態によるグラフ生成部6の具体的な機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、グラフ生成部6は、その機能構成として、第1パターン処理部10、第2パターン処理部20およびメッセージ出力部30を備えている。第1パターン処理部10は、仮想面積算出部11、面積比較部12およびグラフ算出部13を備えている。第2パターン処理部20は、第1の仮想面積算出部21、第1の面積比較部22、第1のグラフ算出部23、第2の仮想面積算出部24、第2の面積比較部25および第2のグラフ算出部26を備えている。
【0049】
パターン判定部3により第1のパターンであると判定された場合は、第1パターン処理部10による処理を実行する。仮想面積算出部11は、
図7に示す2次元空間において、走行距離の軸上において現在位置Sと最大距離d2との間に中点を仮想し、現在位置Sから中点まで曲率Kを直線的に最大曲率まで上げていき、中点から最大距離d2まで曲率Kを直線的にゼロまで下げていく二等辺三角形の仮想グラフGvを想定し、その面積である仮想面積Pvを算出する。
【0050】
面積比較部12は、仮想面積算出部11により算出された仮想面積Pvと、角度算出部5により算出された角度θに等しい面積である実際面積Pとを大小比較する。グラフ算出部13は、面積比較部12による大小比較の結果に応じて、現在位置Sと目標位置Eとの間に二等辺三角形または台形のいずれかによるグラフを算出する。
【0051】
すなわち、グラフ算出部13は、仮想面積Pvが実際面積Pより大きいと面積比較部12により判定された場合、仮想グラフGvにより表される三角形と相似形で、実際面積Pと等しくなるグラフGsを算出する。すなわち、グラフ算出部13は、仮想グラフGvの現在位置Sから中点までの直線(左側の斜辺)に沿って二等辺三角形の頂点を小さくしていき、その二等辺三角形の面積が実際面積Pと等しくなるようなグラフGsを算出する。
【0052】
この場合、経路設定部7は、二等辺三角形の左側の斜辺に従って曲率が徐々に大きくなっていくように軌道を曲げるクロソイド曲線と、右側の斜辺に従って曲率が徐々に小さくなってゼロとなるように軌道を曲げるクロソイド曲線と、曲率がゼロのまま目標位置Eまで直進する直線とを繋げた走行軌跡を有する移動経路を設定する。
【0053】
一方、グラフ算出部13は、仮想面積Pvが実際面積Pより小さいと面積比較部12により判定された場合、最大曲率を維持して走行する距離区間を有する台形で、実際面積Pと等しくなるグラフGdを算出する。すなわち、グラフ算出部13は、走行距離の軸上で現在位置Sから目標位置Eまでの線分を下辺とし、最大曲率の線上に設定した所定長さの線分を上辺とする左右対称の台形で、その面積が実際面積Pと等しくなるようなグラフGdを算出する。
【0054】
この場合、経路設定部7は、台形の左側の斜辺に従って曲率が徐々に大きくなるように軌道を曲げるクロソイド曲線と、最大曲率を維持したまま軌道を曲げる円弧と、右側の斜辺に従って曲率が徐々に小さくなってゼロとなるように軌道を曲げるクロソイド曲線とを繋げた走行軌跡を有する移動経路を設定する。
【0055】
メッセージ出力部30は、グラフ算出部13が台形のグラフによっても実際面積Pと等しくなるグラフを算出することができない場合、エラーメッセージを出力する。すなわち、台形の斜辺の傾きを90度まで大きくしていって、グラフが長方形になったとしても、長方形の面積が実際面積Pに満たない場合は、移動経路を生成することができないので、エラーメッセージを出力する。
【0056】
パターン判定部3により第2のパターンであると判定された場合は、第2パターン処理部20による処理を実行する。第2パターン処理部20による処理は、現在位置Sから経由点Cまでの間、経由点Cから目標位置Eまでの間のそれぞれにおいて、第1パターン処理部10と同様の処理を実行するものである。
【0057】
第1の仮想面積算出部21は、
図8に示す2次元空間において、走行距離の軸上において現在位置Sと経由点Cとの間に第1の中点を仮想し、現在位置Sから第1の中点まで曲率Kを直線的に最大曲率まで上げていき、第1の中点から経由点Cまで曲率Kを直線的にゼロまで下げていく二等辺三角形の第1の仮想グラフGv−1を想定し、その面積である第1の仮想面積Pv−1を算出する。
【0058】
第1の面積比較部22は、第1の仮想面積算出部21により算出された第1の仮想面積Pv−1と、角度算出部5により算出された第1の角度θ1に等しい面積である第1の実際面積P1とを大小比較する。第1のグラフ算出部23は、第1の面積比較部22による大小比較の結果に応じて、現在位置Sと経由点Cとの間に二等辺三角形または台形のいずれかによる第1のグラフを算出する。
【0059】
すなわち、第1のグラフ算出部23は、第1の仮想面積Pv−1が第1の実際面積P1より大きいと第1の面積比較部22により判定された場合は、第1の仮想グラフGv−1により表される三角形と相似形で、第1の実際面積P1と等しくなる第1のグラフGs−1を算出する。
【0060】
この場合、経路設定部7は、二等辺三角形の左側の斜辺に従って曲率が徐々に大きくなっていくように軌道を曲げるクロソイド曲線と、右側の斜辺に従って曲率が徐々に小さくなってゼロとなるように軌道を曲げるクロソイド曲線と、曲率がゼロのまま経由点Cまで直進する直線とを繋げた走行軌跡を有する移動経路を設定する。
【0061】
一方、第1のグラフ算出部23は、第1の仮想面積Pv−1が第1の実際面積P1より小さいと第1の面積比較部22により判定された場合は、最大曲率を維持して走行する距離区間を有する台形で、第1の実際面積P1と等しくなる第1のグラフGd−1を算出する。
【0062】
この場合、経路設定部7は、台形の左側の斜辺に従って曲率が徐々に大きくなるように軌道を曲げるクロソイド曲線と、最大曲率を維持したまま軌道を曲げる円弧と、右側の斜辺に従って曲率が徐々に小さくなってゼロとなるように軌道を曲げるクロソイド曲線とを繋げた走行軌跡を有する移動経路を設定する。
【0063】
第2の仮想面積算出部24は、
図8に示す2次元空間において、走行距離の軸上において経由点Cと最大距離d2との間に第2の中点を仮想し、経由点Cから第2の中点まで曲率Kを直線的に最大曲率まで上げていき、第2の中点から最大距離d2まで曲率Kを直線的にゼロまで下げていく二等辺三角形の第2の仮想グラフGv−2を想定し、その面積である第2の仮想面積Pv−2を算出する。
【0064】
第2の面積比較部25は、第2の仮想面積算出部24により算出された第2の仮想面積Pv−2と、角度算出部5により算出された第2の角度θ2に等しい面積である第2の実際面積P2とを大小比較する。第2のグラフ算出部26は、第2の面積比較部25による大小比較の結果に応じて、経由点Cと目標位置Eとの間に二等辺三角形または台形のいずれかによる第2のグラフを算出する。
【0065】
すなわち、第2のグラフ算出部26は、第2の仮想面積Pv−2が第2の実際面積P2より大きいと第2の面積比較部25により判定された場合は、第2の仮想グラフGv−2により表される三角形と相似形で、第2の実際面積P2と等しくなる第2のグラフGs−2を算出する。
【0066】
この場合、経路設定部7は、二等辺三角形の左側の斜辺に従って曲率が徐々に大きくなっていくように軌道を曲げるクロソイド曲線と、右側の斜辺に従って曲率が徐々に小さくなってゼロとなるように軌道を曲げるクロソイド曲線と、曲率がゼロのまま目標位置Eまで直進する直線とを繋げた走行軌跡を有する移動経路を設定する。
【0067】
一方、第2のグラフ算出部26は、第2の仮想面積Pv−2が第2の実際面積P2より小さいと第2の面積比較部25により判定された場合は、最大曲率を維持して走行する距離区間を有する台形で、第2の実際面積P2と等しくなる第2のグラフGd−2を算出する。
【0068】
この場合、経路設定部7は、台形の左側の斜辺に従って曲率が徐々に大きくなるように軌道を曲げるクロソイド曲線と、最大曲率を維持したまま軌道を曲げる円弧と、右側の斜辺に従って曲率が徐々に小さくなってゼロとなるように軌道を曲げるクロソイド曲線とを繋げた走行軌跡を有する移動経路を設定する。
【0069】
なお、経由点Cをどこに設定するかによって、
図8の2次元空間上で描くことが可能なグラフは変わる。そこで、経路設定部7によって経由点Cの設定位置を変えながら、第2パターン処理部20による処理を繰り返し行う。そして、グラフの傾斜が最も小さくなるものを採用する。ここで、第1のグラフおよび第2のグラフの両方とも三角形で生成するのが最も好ましい。少なくとも一方のグラフが台形になってしまう場合は、その台形の傾斜ができるだけ小さくなるようなグラフを生成するのが好ましい。
【0070】
ところで、現在位置Sと目標位置Eとの間に設定し得る経由点Cの位置は無数にある。これら無数にある経由点を全て順に設定して第1のグラフおよび第2のグラフを算出し、その中から傾斜が最も小さくなるグラフを求めるようにすることが可能である。一方、計算負荷を軽減するために、設定する経由点Cの数をあらかじめ決めておき、その中で傾斜が最も小さくなるグラフを算出するようにしてもよい。
【0071】
メッセージ出力部30は、第1のグラフ算出部23が台形のグラフによっても実際面積P1と等しくなるグラフを算出することができない場合や、第2のグラフ算出部26が台形のグラフによっても実際面積P2と等しくなるグラフを算出することができない場合に、エラーメッセージを出力する。
【0072】
図9Aおよび
図9Bは、上記のように構成した本実施形態による移動経路生成装置100の動作例を示すフローチャートである。
図9Aに示すフローチャートは、例えば、自動運転を行うことが指示されたときに開始する。
【0073】
まず、目標位置設定部1は、自動運転によって車両を移動させる先の目標位置を設定する(ステップS1)。その後、移動経路の設定を指示する操作を指示受付部2が受け付けると(ステップS2)、パターン判定部3は、現在位置と目標位置との位置関係によって、現在位置から目標位置まで一方向の操舵で移動する第1のパターンにより移動経路を生成するか、現在位置から目標位置まで二方向の操舵で移動する第2のパターンにより移動経路を生成するかを判定する(ステップS3)。
【0074】
ここで、パターン判定部3により第1のパターンと判定された場合(ステップS4:Yes)、角度算出部5は、現在位置における車両の進行方向に対して目標位置における車両の進行方向が成す角度θを算出する(ステップS5)。次いで、グラフ生成部6の仮想面積算出部11は、
図7に示す2次元空間において、現在位置と最大距離との間の中点において最大曲率となる二等辺三角形の仮想グラフGvの面積である仮想面積Pvを算出する(ステップS6)。
【0075】
そして、面積比較部12は、仮想面積算出部11により算出された仮想面積Pvと、角度算出部5により算出された角度θに等しい面積である実際面積Pとを大小比較する(ステップS7)。さらに、面積比較部12は、仮想面積Pvが実際面積Pより大きいか否かを判定する(ステップS8)。
【0076】
ここで、仮想面積Pvが実際面積Pより大きいと面積比較部12により判定された場合、グラフ算出部13は、三角形で実際面積Pと等しくなるグラフGsを算出する(ステップS9)。一方、仮想面積Pvが実際面積Pより小さいと面積比較部12により判定された場合、グラフ算出部13は、台形で実際面積Pと等しくなるグラフGdを算出する(ステップS10)。
【0077】
グラフ算出部13が台形のグラフGdを生成する場合、グラフ算出部13は、実際面積Pと等しくなるグラフを算出することができたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、実際面積Pと等しくなるグラフを算出することができなかった場合は、メッセージ出力部30がエラーメッセージを出力して(ステップS12)、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。
【0078】
ステップS9で三角形のグラフGsを算出した場合、または、ステップS10で実際面積Pと等しくなる台形のグラフGdを算出できた場合(ステップS11:Yes)、経路設定部7は、当該算出されたグラフGsまたはGdにより表される走行軌跡を車両の移動経路として設定する(ステップS13)。これにより、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。
【0079】
上記ステップS4で、パターン判定部3により第2のパターンと判定された場合(ステップS4:No)、経由点設定部4は、現在位置と目標位置との間に経由点を設定する(ステップS14)。そして、角度算出部5は、現在位置Sにおける車両の進行方向に対して経由点Cにおける車両の進行方向が成す第1の角度θ1と、経由点Cにおける車両の進行方向に対して目標位置Eにおける車両の進行方向が成す第2の角度θ2とを算出する(ステップS15)。
【0080】
次いで、グラフ生成部6の第1の仮想面積算出部21および第2の仮想面積算出部24は、
図8に示す2次元空間において、三角形の第1の仮想グラフGv−1の面積である第1の仮想面積Pv−1および第2の仮想グラフGv−2の面積である第2の仮想面積Pv−2をそれぞれ算出する(ステップS16)。
【0081】
そして、第1の面積比較部22および第2の面積比較部25は、第1の仮想面積算出部21および第2の仮想面積算出部24により算出された仮想面積Pv−1,Pv−2と、角度算出部5により算出された角度θ1,θ2に等しい面積である実際面積P1,P2とをそれぞれ大小比較する(ステップS17)。さらに、第1の面積比較部22および第2の面積比較部25は、仮想面積Pv−1,Pv−2が実際面積P1,P2より大きいか否かをそれぞれ判定する(ステップS18)。
【0082】
ここで、第1の仮想面積Pv−1が第1の実際面積P1より大きいと第1の面積比較部22により判定された場合、第1のグラフ算出部23は、三角形で実際面積P1と等しくなる第1のグラフGs−1を算出する(ステップS19)。同様に、第2の仮想面積P3−2が第2の実際面積P2より大きいと第2の面積比較部25により判定された場合、第2のグラフ算出部26は、三角形で実際面積P2と等しくなる第2のグラフGs−2を算出する(ステップS19)。
【0083】
一方、第1の仮想面積Pv−1が第1の実際面積P1より小さいと第1の面積比較部22により判定された場合、第1のグラフ算出部23は、台形で実際面積P1と等しくなる第1のグラフGd−1を算出する(ステップS20)。同様に、第2の仮想面積Pv−2が第2の実際面積P2より小さいと第2の面積比較部25により判定された場合、第2のグラフ算出部26は、台形で実際面積P2と等しくなる第2のグラフGd−2を算出する(ステップS20)。
【0084】
第1のグラフ算出部23または第2のグラフ算出部26が台形のグラフGd−1,Gd−2を生成する場合、第1のグラフ算出部23または第2のグラフ算出部26は、実際面積P1,P2と等しくなるグラフを算出することができたか否かを判定する(ステップS21)。ここで、実際面積P1,P2と等しくなるグラフを算出することができなかった場合は、メッセージ出力部30がエラーメッセージを出力して(ステップS12)、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。
【0085】
ステップS19で三角形のグラフGs−1,Gs−2を算出した場合、または、ステップS20で実際面積P1,P2と等しくなる台形のグラフGd−1,Gd−2を算出できた場合(ステップS21:Yes)、経由点設定部4は、経由点の設定が終了したか否かを判定する(ステップS22)。経由点の設定がまだ終了していない場合、処理はステップS14に戻り、次の経由点を設定してステップS15以降の処理を実行する。
【0086】
一方、経由点の設定が終了した場合、経路設定部7は、上記のように経由点を変えながら算出された第1のグラフGs−1またはGd−1と第2のグラフGs−2またはGd−2との連結により表される走行軌跡のうち、グラフの傾斜が最も小さくなるものを車両の移動経路として設定する(ステップS23)。これにより、
図9に示すフローチャートの処理を終了する。
【0087】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、走行軌跡の曲率および走行距離を2軸とするグラフの生成を通じて、走行距離当たりの曲率の変化度合が最も緩やかな走行軌跡を算出することができる。走行軌跡の曲率の変化度合が緩やかということは、車両の操舵に伴う横方向の角速度が小さいことを意味するので、そのような走行軌跡を算出して移動経路として設定することにより、乗員に与える負荷が少なくなるような快適な移動経路を設定することができる。
【0088】
なお、上記実施形態では、台形のグラフを生成する場合、最大曲率を維持して走行する距離区間を有する台形(最大曲率の線上に設定した所定長さの線分を上辺とする台形)のグラフを生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図10に示すように、最大曲率よりも小さい曲率の線上に設定した所定長さの線分を上辺とする台形のグラフを生成するようにしてもよい。このようにした場合、
図10のように、三角形のグラフよりも傾きが小さくなることがあり得る。
【0089】
上記実施形態では、仮想グラフの面積と、角度算出部5により算出された角度に等しい面積である実際面積とを大小比較して、その比較結果に応じて三角形または台形のグラフを生成するようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、
図10のように、角度算出部5により算出された角度に等しい実際面積となる三角形のグラフおよび台形のグラフを試行錯誤的に生成し、その中から傾斜が最も小さくなるグラフを採用するようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、三角形のグラフを生成する際に、仮想グラフの現在位置から中点までの直線(左側の斜辺)に沿って二等辺三角形の頂点を小さくしていく例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、仮想グラフの二等辺三角形の頂点を真下方向に小さくしていくようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、三角形のグラフを生成する際に、走行距離の軸上で現在位置Sから目標位置Eまでの線分(第2のパターンの場合は、現在位置Sから経由点Cまでの線分および経由点Cから目標位置Eまでの線分)を下辺とする台形のグラフを生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、三角形のグラフと同様に、台形の後に横軸上の直線が含まれるようなグラフを生成するようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、走行距離の軸上において現在位置S(または経由点C)と最大距離d2との間に中点を仮想して仮想グラフGvを設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、走行距離の軸上において現在位置S(または経由点C)と目標位置Eとの間に中点を仮想して仮想グラフGvを設定するようにしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、現在位置において曲率がゼロ(すなわち、操舵角がゼロ)のケースについて説明したが、現在位置において曲率が常にゼロであるとは限らない。特に、車両位置が移動経路から逸脱したことに応じて移動経路を再計算する際には、曲率がゼロでないことのほうが多い。この場合におけるグラフの面積は、
図11において斜線を付した部分となる。すなわち、グラフ生成部6は、現在位置における曲率のところに設定した横軸と平行なラインを基準として、当該基準ラインよりも上側のグラフにより形成される三角形または台形の面積と、基準ラインよりも下側のグラフにより形成される三角形または台形の面積との合計が、角度算出部5により算出される角度に等しいという条件のもと、傾斜が最も小さいグラフを生成する。
【0094】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。