【文献】
牧野 秀夫 外3名,TVカメラを用いた視覚障害者用地球儀案内システムの開発,電気学会論文誌C,日本,社団法人電気学会,1994年 9月20日,第114-C巻 第10号,p.1001〜1008
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、撮像した第1画像データを画像認識することにより、前記撮像した領域の位置情報を検出し、前記撮像手段と前記画像表示手段との相対的な位置関係に基づいて、前記地形情報の第1の一部を前記地形情報メモリから抽出する第1画像抽出処理と、新たに撮像した第2画像データの第1画像データからの移動ベクトルを検出することにより、前記地形情報の第2の一部を前記地形情報メモリから抽出する第2画像抽出処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の地球儀。
前記抽出された前記地形情報が前記画像表示手段の画面上に表示されるまでの間に、前記撮像表示ユニットの撮像手段からのスルー画像を、前記画像表示手段の画面上に表示することを特徴とする請求項6に記載の地球儀。
前記撮像した第1画像データの前記画像認識は、前記撮像した第1画像データと予め記憶されている参照地図画像データと比較することによって実行され、その参照地図画像データは、地球儀組み立て時に個体ごとに地球体を撮影して得られた地図画像データであることを特徴とする請求項2ないし12のいずれかに記載の地球儀。
前記抽出された前記地形情報が前記画像表示手段の画面上に表示された後に非表示状態になった場合に、再表示操作手段を操作することにより、再度の第1画像抽出処理、或いは、第2画像抽出処理を行うことなく、格納されている前記抽出された前記地形情報を前記画像表示手段の画面上に表示することを特徴とする請求項2ないし13のいずれかに記載の地球儀。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の地球儀について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施例に係る地球儀1の外観図であり、
図1(A)は地球を模した球体(以下、地球体と呼ぶ)を地球儀台に取り付けた状態、
図1(B)は地球体を地球儀台から取り外した状態を表している。
図2は、地球体3を地球儀台2に取り付けた状態の側面図を示している。
【0020】
3本の足を持つ地球儀台2に、3個の自由回転可能な支持ボール4が設置されていて、その支持ボール4上に、地球体3が載置されて、
図1(A)のように、地球体3の装着状態となる。装着状態での地球体3の直下には、地球儀台2の一部分となる撮像ユニット5が配置されている。地球儀台2の別の一部分には、画像表示ユニット6が配置されている。地球体3は、地球儀台2から取り外し可能にすることもでき、取り外し可能になっている場合には、
図1(B)のように、地球体3が脱着状態となる。装着と脱着状態は、支持ボール4に対する装脱着状態に連動した、接触式或いは非接触式の装着検知スイッチ30(不図示)により検知される。
【0021】
地球体3の装着状態では、支持ボール4と地球体3が接触しており、支持ボール4が自由回転可能であるので、地球体3を手などで触れて任意方向に回転させることができる。
【0022】
画像表示ユニット6は、画像表示ユニット支持アーム2aに設けられた画像表示ユニット回転部材2eの回転軸2dの周りに回転自在に取り付けられており、画像表示ユニット支持アーム2aは、地球儀台2の一部に設けられた回転軸2bの周りに回転自在に取り付けられている。画像表示ユニット6の面内回転角を自動的に検知して、表示領域可変方式とする場合には、画像表示ユニット回転部材2eに回転エンコーダ34が取り付けられる(
図3参照)。地球体3の装着状態では、画像表示ユニット支持アーム2aが、不図示のロック機構により所定位置に移動して、画像表示ユニット6が地球球体3に非接触で接近した位置に配置され、画像表示素子10に対向している地球球3の地点に関する画像が表示されるようになっている。また、地球体3の装着状態では、画像表示ユニット支持アーム2aに設けられた補助支持ボール2cが地球球体3の上部に接触して、地球球体3の脱落を防止している。
画像表示ユニット6には、画像表示ユニット枠14に画像表示素子10とモードボタン11と十字ボタン12と拡大ボタン13aと縮小ボタン13bなどの画像表示ユニットスイッチ29と、LEDなどの画像表示ユニット表示素子28が取り付けられている(
図15参照)。
【0023】
地球体3の装着状態では、開口7と地球体3とは非接触であり、所定の距離だけ隔離されている。この状態で、開口7を通して、照明光源32によって地球体3が照明され、地球体3の一部の地形図が、レンズ8によって撮像素子9に結像されて撮像される。
【0024】
撮像ユニット5の開口7と地球体3とは、地球体3が支持ボール4によって位置決めされるために、非接触状態になっており、開口7を通して、地球球体3の一部の地形図が撮像される。
【0025】
図3は、第1実施例の回路ブロック図である。撮像ユニット5では、地球体3の一部がLEDなどからなる照明光源32によって照明され、地球体3の光学像がレンズ8によって撮像素子9に結像され、光電変換される。撮像素子9は、TG23で生成される駆動パルス信号により駆動される。光電変換された信号は、CDS/AGC15で前処理されて、A/D16でデジタル信号に変換され、撮像画像処理回路17で画像処理されて、メモリ制御回路19により撮像画像メモリ18に記憶される。回路全体はCPU22によって制御され、照明光源32を駆動する光源駆動回路33や、電源25を制御する電源制御回路24や、電源スイッチなどの撮像ユニットスイッチ26や、LEDなどの撮像ユニット表示素子27が制御される。地球体3が取り外し可能になっている場合には、地球体3の装着を検知する装着検知スイッチ30もCPU22によって制御される。画像表示ユニット6は、画像表示制御回路21により制御される画像表示素子10や、各ボタンに連動する各種画像表示ユニットスイッチ29や、LEDなどの画像表示ユニット表示素子28で構成され、CPU22によって制御される。画像表示ユニット6の面内回転角を自動的に検知して、表示領域可変方式とする場合には、回転エンコーダ34が設けられ、回転エンコーダ34がCPU22によって制御されて、画像表示ユニット6の面内回転角の情報がCPU22に入力される。
【0026】
上記撮像画像メモリ18に記憶された撮像データは、メモリ制御回路19によって読み出され、地図画像メモリ20内に予め記憶されている参照地図画像と比較され、後述する表示画像抽出処理により表示画像が決定され、その決定された表示画像データが、表示画像処理回路31により画像表示制御回路21に送られ、表示画像が画像表示素子10の画面に表示される。
【0027】
上記地図画像メモリ20は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、地球体3の表面に描かれた地形図と同等の参照地図画像や、その地形図よりも詳細な参照地図画像のデータや、その地形図に対応するその他の地形情報などが予め記憶されている。また、地図画像メモリ20は、表面に描かれた地形図が異なる、複数種の地球体3に適合するように、複数種の地形図に対応する複数種の参照地図画像のデータを格納することができる。この場合には、装着されている地球体3に応じて、それら複数種の参照地図画像のデータの中から、必要な参照地図画像のデータが自動もしくは手動にて選択される。自動で選択するには、地球体3の装着に連動して、上記撮像データと参照地図画像が最初に比較される際に、その複数種の参照地図画像の全データが比較対象とされるようにして、合致する参照地図画像が存在する一種類のデータを、以降の比較処理で用いる参照地図画像のデータとして選択すればよい。或いは、地球体3の種類や製造番号を特定できるコードを地球体3の特定箇所に印刷しておき、そのコードを撮像処理の最初の段階で読み取るようにして、必要な参照地図画像を選択してもよい。その選択された参照地図画像のデータが、交換前の参照地図画像のデータに置き換えられて上記比較処理が実行される。手動で選択するには、メニュー画面などを用いて、ユーザーにより必要な参照地図画像データを選択すればよい。
また、参照地図画像のデータは、一つの地形図に対して複数種が格納されていてもよい。撮像データと参照地図画像の比較処理を、複数種の参照地図画像のデータを用いて行うことにより、撮像画像の特徴抽出処理に基づく、段階的で迅速な比較処理を実現することができる。
また、地図画像メモリ20は、その全部または一部のメモリ領域をリムーバブルメモリで構成することができる。地球体3が交換された場合に、その交換された地球体3に適合する参照地図画像データが格納されているリムーバブルメモリに交換することにより、必要な参照地図画像データに迅速に置き換えることができる。
【0028】
上記参照地図画像データは、地球体3の表面に描かれた地形図と同等の画像データであるが、特に地形図を手貼りして製造する場合のような、地形図に個体差がある地球儀に対しては、個体ごとに地球体3の全周画像を撮影し、得られた地図画像データを個体ごとに地図画像メモリ20に書き込むキャリブレーション処理を行うことにより、参照地図画像データを取得することができる。
【0029】
次に、本発明の動作原理について説明する。
図4は、地球儀の座標系と、撮像及び表示画像の関係を表す図である。
図4(A)は、基準位置における撮像及び表示領域の位置関係を示す図、
図4(B)は、基準位置における撮像及び表示画像を示す模式図、
図4(C)は、回転位置における撮像及び表示領域の位置関係を示す図、
図4(D)は、回転位置における撮像及び表示画像を示す模式図である。
【0030】
ここでは、地球儀の座標系を、地球体3の中心を原点とする、地球体3の位置に無関係に固定されたX、Y、Z軸で定められる3次元空間の直交座標系(以下、固定座標系と呼ぶ)と、地球体3の中心を原点とする、地球体3に設定されたEX、EY、EZ軸で定められる3次元空間の直交座標系(以下、地球体座標系と呼ぶ)の2つの座標系で表す。固定座標系の座標は(x、y、z)で、地球体座標系の座標は(ex、ey、ez)で表されるが、地球体座標系の座標(ex、ey、ez)は、よく知られた緯度角φと経度角λの座標(φ、λ)に変換することができるので、以下、地球体座標系の座標は、座標(φ、λ)で表す。
【0031】
EX、EY、EZ軸は、地球体3に固定されているので、地球体3が回転すると、EX、EY、EZ軸は、固定されたXYZ軸に対して相対的に、地球体3の中心の周りに回転することになる。この固定座標系と地球体座標系が取り得る相対的な位置関係の中で、EX、EY、EZ軸が、XYZ軸に対して置かれる一つの位置を基準位置と定め、その位置にある地球体3の状態を、基準位置にある状態とする。
【0032】
図4(A)は、EX、EY、EZ軸がXYZ軸に一致する位置を基準位置とした例を示している。ここでは、EY軸は北極と南極を結ぶ軸、EZ軸はEY軸に直交する経度0度を通る軸、EX軸はEY軸とEZ軸に直交する軸としている。しかし、基準位置は、EX、EY、EZ軸がXYZ軸に一致する位置でなくてもよく、任意の位置から選ぶことができる。また、EX、EY、EZ軸も、極を通る軸であることや、経度や経度の値に限定されることなく、地球体3に任意に設定された直交座標系の軸であってもよい。
【0033】
固定座標系において、地球体表面の任意の一つの領域を、撮像設定領域AP(x、y、z)と定める。そして、撮像設定領域AP(x、y、z)から所定距離だけ離れた、地球体表面の任意の一つの領域を、表示設定領域AQ(x、y、z)と定める。撮像設定領域AP(x、y、z)や表示設定領域AQ(x、y、z)は、ここでは、球面四角形の形状になっているが、球面の一部となる任意の形状にすることができる。また、撮像設定領域AP(x、y、z)や表示設定領域AQ(x、y、z)の大きさや縦横比も、任意の値にすることができる。
【0034】
地球体3が基準位置にある場合に、その撮像設定領域AP(x、y、z)に一致する地球体座標系の領域を、基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)と定め、その表示設定領域AQ(x、y、z)に一致する地球体座標系の領域を、基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)と定める。その基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)の中心位置を、基準地球体撮像中心位置CEP0(φp0、λp0)とし、その基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)の中心位置を、基準地球体表示中心位置CEQ0(φq0、λq0)とする。
【0035】
地球体3が基準位置と異なる位置にある場合には、その撮像設定領域AP(x、y、z)に一致する、地球体座標系の領域を、回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)と定め、その表示設定領域AQ(x、y、z)に一致する、地球体座標系の領域を、回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)と定める。その回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)の中心位置を、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp1、λp1)とし、その回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)の中心位置を、回転地球体表示中心位置CEQ1(φq1、λq1)とする。
【0036】
基準地球体撮像中心位置CEP0(φp0、λp0)を通る軸と、基準地球体表示中心位置CEQ0(φq0、λq0)を通る軸とのなす角や、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp1、λp1)を通る軸と、回転地球体表示中心位置CEQ1(φq1、λq1)を通る軸とのなす角は、ω0で表される。
【0037】
表示設定領域AQ(x、y、z)は、後述される、表示領域が変更されない表示領域不変方式では、表示設定領域AQ(x、y、z)の位置や形が固定されるが、表示領域が変更される表示領域可変方式では、表示設定領域AQ(x、y、z)の位置や形は使用条件や画像表示ユニットの形態などに応じて変化する。
【0038】
図4(B)は、地球体3が基準位置にある場合の、基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)に位置する地球図形EP0(φ、λ)と、基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)に位置する地球図形EQ0(φ、λ)を模式的に示している。
【0039】
基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)に位置する地球図形EP0(φ、λ)を撮像すれば、地球図形EP0(φ、λ)に対応する基準撮像画像IP0(φ、λ)が得られる。実際には、地球図形EP0(φ、λ)は球面四角形であるので、平面の撮像素子で撮像すると、周辺が歪んだ画像になるが、歪みを小さくする光学系を使用したり、撮像画像に対する歪み補正を行う画像処理を施すことにより、その歪みの影響を小さくすることができる。
【0040】
基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)に位置する地球図形EQ0(φ、λ)に対応する画像が、地球体3の全表面の画像から当該画像が切り出されて、基準表示画像IQ0(φ、λ)として表示される。実際には、地球体3の画像は球面画像であるので、平面画像に変換された表示画像が表示される。
【0041】
図4(C)は、EX、EY、EZ軸が基準位置から外れて回転した例を示している。この回転状態では、撮像設定領域AP(x、y、z)に一致する地球体表面の領域は、基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)から回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)に回転移動し、表示設定領域AQ(x、y、z)に一致する地球体表面の領域は、基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)から回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)に回転移動する。
【0042】
基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)から回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)への回転は、回転マトリックスMを用いて、
AEP1(φ、λ)=M・AEP0(φ、λ) ・・・(1)
と表される。
基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)から回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)への回転も同様に、
AEQ1(φ、λ)=M・AEQ0(φ、λ) ・・・(2)
と表される。
【0043】
図4(D)は、それら地球体3が回転位置にある場合の、回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)に位置する地球図形EP1と、回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)に位置する地球図形EQ1(φ、λ)を模式的に示している。
【0044】
回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)に位置する地球図形EP1(φ、λ)を撮像すれば、地球図形EP1(φ、λ)に対応する回転撮像画像IP1(φ、λ)が得られる。
【0045】
回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)に位置する地球図形EQ1(φ、λ)に対応する画像は、以下に詳述する表示画像抽出処理を実行することにより、地球体3の全表面の画像から当該画像が切り出されて、上記基準表示画像IQ0と同様に、回転表示画像IQ1(φ、λ)として表示される。
【0046】
表示画像抽出処理は、任意の回転量と回転方向の回転が複数回繰り返された地球体であっても、その回転後の地球体の位置と同じ状態を、回転回数が少ない、別の回転動作によって実現することができるという仕組みを利用して、基準撮像画像IP0(φ、λ)と回転撮像画像IP1(φ、λ)に基づいて、上記回転マトリックスMを求めることにより、回転表示画像IQ1(φ、λ)を得る処理である。
【0047】
この表示画像抽出処理の一実施例を
図5を用いて説明する。
図5は、表示画像抽出処理の概略フローチャートである。
【0048】
この表示画像抽出処理では、基準地球体撮像中心位置CEP0(φp、λp)が、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp、λp)に回転移動する第1回転がなされた後に、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp、λp)と地球体中心とを通る軸周りに回転する第2回転がなされるとみなして、回転マトリックスMを求めることにしている。回転マトリックスMは、その第1回転マトリックスM1で表される回転がなされた後に、第2回転マトリックスM2で表される回転がなされるとして、
M=M2・M1 ・・・(3)
と表すことができる。
以下、中心位置を表す位置ベクトルの大きさは、すべて1に規格化されているものとする。
【0049】
表示画像抽出処理は、CPU22の内部メモリに格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。ステップST1で、予め記憶されている基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)を設定する。ステップST2で、基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)を設定する。表示領域不変方式では、予め記憶されている基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)データが用いられ、表示領域可変方式では、表示位置の情報で補正された基準地球体表示領域AEQ0’(φ、λ)データが用いられる。ステップST3では、現在の回転地球体撮像領域AEP1(φ、λ)に位置する地球図形EP1(φ、λ)を撮像することにより得られた回転撮像画像IP1(φ、λ)データが、撮像画像メモリ18からメモリ制御回路19に読み出される。ステップST4では、読み出された回転撮像画像IP1(φ、λ)が、地図画像メモリ20内に予め記憶されている参照地図画像と比較されて、回転撮像画像IP1(φ、λ)の画像認識が実行される。この参照地図画像は、地球体3に印刷されている地図画像と同じ画像データで構成されているので、回転撮像画像IP1(φ、λ)に一致する画像が、参照地図画像のいずれかの場所に存在することになる。この画像比較には、公知の種々のパターンマッチング技術が利用できる。この画像認識には、回転撮像画像IP1(φ、λ)の特徴に応じた複数種の参照地図画像を用いた複数段階の比較処理が実行されてもよい。ステップST5では、回転撮像画像IP1(φ、λ)と参照地図画像との比較の結果が一致したかどうかが判定され、一致しなければ、エラー処理される。比較の結果が一致すれば、回転撮像画像IP1(φ、λ)の中心位置に対応する参照地図画像の座標が、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp、λp)として抽出される。
【0050】
ステップST6では、第1回転マトリックスM1が計算される。基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)の基準地球体撮像中心位置CEP0(φp0、λp0)は固定された位置であるので、その値は予めCPU22の内部メモリに格納されている。基準地球体撮像中心位置CEP0(φp、λp)から回転地球体撮像中心位置CEP1(φp1、λp1)の回転軸N1ベクトルは、基準地球体撮像中心位置CEP0(φp0、λp0)と回転地球体撮像中心位置CEP1(φp1、λp1)と地球体中心を含む面に直交した、地球体中心を含む軸であるから、それぞれの位置ベクトルの外積で表され、
N1=CEP0×CEP1 ・・・(4)
として求められる。
回転角ω1は、基準地球体撮像中心位置CEP0(φp0、λp0)と地球体中心を結ぶ軸と、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp1、λp1)と地球体中心を結ぶ軸のなす角であるから、それぞれの位置ベクトルの内積で表され、
cosω1=CEP0・CEP1 ・・・(5)
として求められる。
それら回転軸N1ベクトルと回転角ω1を、公知の任意軸回転式に代入することにより、第1回転マトリックスM1を求めることができる。
【0051】
ステップST7では、第2回転マトリックスM2が計算される。回転軸N2ベクトルは、回転地球体撮像中心位置CEP1(φp1、λp1)と地球体中心を結ぶ軸であるから、
N2=CEP1 ・・・(6)
として求められる。
回転角θは、経度線や緯度線に対する、回転撮像画像IP1(φ、λ)の面内回転角に相当するので、回転撮像画像IP1(φ、λ)を画像解析することにより検出される。例えば、画像の上下境界線の各中点の経度(λpuとλpd)を検出し、
tanθ=(λpu−λpd)/h ・・・(7)
として求められる。hは、撮像画像の高さである。
それら回転軸N2ベクトルと回転角θを、公知の任意軸回転式に代入することにより、第2回転マトリックスM2を求めることができる。
【0052】
ステップST8では、(3)式に従って、回転マトリックスMが計算される。
ステップST9では、(2)式に従って、回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)の座標が計算され、地図画像メモリ20内の参照地図画像、或いは、参照地図画像に対応する表示用地図画像から、回転地球体表示領域AEQ1(φ、λ)に対応する画像が切り出されて、回転表示画像IQ1(φ、λ)が抽出される。
【0053】
この回転表示画像IQ1(φ、λ)が、抽出された表示画像データとなるが、その回転地球体表示領域AEQ1に関係する地形の情報も、表示画像データにすることができる。そのような回転表示画像IQ1以外の情報としては、より細かな地形図や、国の特産物などの、地形以外の地理情報などが挙げられる。それらの各種表示画像データの切り替えは、画像表示素子10上の表示されるメニュー(不図示)の選択操作や、拡大縮小、移動などの地球儀の各種機能の動作に応じて行われる。また、表示画像データが画像データと文字データなどの複数の地形情報データセットで構成され、文字データが、各国の言語用フォントからなる複数の文字データセットの形式で構成されていてもよい。この場合には、上記メニューなどの選択操作により、文字データセットが切り替えられて、画像上に表示される文字フォントだけが特定の言語に対応している表示画像になるので、地球体3に印刷された文字の言語がある一つの国の言語であっても、表示画像が異なる言語で表記されることになり、多様な利用者に対応した地球儀を実現することができる。また、その複数の地形情報データセットが、地勢図や行政図や道路網図などの複数の画像データセット、及び、それらの画像データセットに関連した複数の文字データセットの形式で構成されて、それらの一部、或いは全部が組み合わされた表示画像データであってもよい。
【0054】
次に、本発明の第1実施例における動作を
図6〜
図11を用いて説明する。
図6は、CPU22の内部メモリに格納されたコンピュータプログラムに従って実行される、第1実施例の動作を示すメイン処理のフローチャートである。
【0055】
電源スイッチのON時、或いは、地球体3が取り外し可能になっている場合で地球体3が装着された時に、この動作が開始される。或いは、両像表示ユニット支持アーム2aが所定位置に移動した際に、動作が開始されるようにしてもよい。ステップS1で、電源スイッチのON/OFFが判定され、電源スイッチがONであれば、ステップS2へ進む。ステップS2で、初期化処理がなされる。この初期化処理において、基準撮像画像IP0(φ、λ)や基準表示画像IQ0(φ、λ)のデータが、内部メモリから読み出されて設定される。
【0056】
ステップS3では、地球体3が地球儀台2に装着されているか否かが、接触式或いは非接触式の装着検知スイッチ30により検知されて判定される。地球体3が取り外し可能になっていない形態である場合は、このステップの処理は削除される。ステップS3で、装着されている場合は、ステップS4へ進み、ステップS4で、画像抽出開始の指示があるかどうかが判定される。画像抽出開始の指示は、専用の操作スイッチ(不図示)のONや、画像表示素子10上の表示されるメニュー(不図示)の選択操作などにより行われる。下記の抽出済み画像の再読み込みや抽出位置入力を行わない場合は、このステップの処理は削除される。画像抽出開始の指示がない場合は、ステップS5へ進み、ステップS5で、抽出済み画像表示を行うかどうかが判定される。この判定は、専用の操作スイッチ(不図示)のONや、画像表示素子10上の表示されるメニュー(不図示)の選択操作などにより行われる。抽出済み画像表示を行わない場合は、ステップS6へ進み、ステップS6で、抽出位置を入力するかどうかが判定される。この抽出位置の入力は、観察したい位置を直接的に指定する操作であり、画像表示素子10上の表示されるメニュー(不図示)を利用して、地名の入力や地点の選択によって実行される。このステップS6で、抽出位置の入力を行わない場合は、ステップS4へ戻り、次の操作を待機する。ステップS6で、抽出位置の入力を行う場合は、ステップS7へ進み、ステップS7で、抽出位置の入力がなされる。ステップS8では、その入力された抽出位置の情報に基づいて、回転表示画像IQ1(φ、λ)が直接的に設定されて、撮像処理による画像抽出処理を実行することなく、表示画像の画像抽出処理がなされ、ステップS11へ進む。ステップS5で、抽出済み画像表示を行う場合は、ステップS9へ進み、ステップS9で、再度の撮像処理による画像抽出処理を実行することなく、以前に抽出した抽出済み画像の再読み込みがなされ、ステップS11へ進む。ステップS4で、画像抽出開始の指示があった場合は、ステップS10へ進み、ステップS10で、撮像処理が開始される。次にステップS11で、表示処理が開始される。図示は省略しているが、それらの処理は電源OFFや地球体3の取り外し操作や処理中止の指示がなされるまで繰り返される。
【0057】
図7は、
図6のS4撮像処理の動作例を示すフローチャートである。ステップS31では、静止カウントOFFや静止フラグFalseなどの初期化処理がなされる。ステップS32では、既に画像抽出処理が行われて、抽出処理で使用された撮像画像である抽出撮像画像が記憶されているかどうかが判定され、抽出撮像画像がなければ、ステップS33へ進み、ステップS33で、第1画像抽出フラグがFalseに設定される。一方、抽出撮像画像があれば、ステップS34へ進み、ステップS34で、第1画像抽出フラグがTrueに設定される。ステップS35では、撮像処理がOFFかどうかが判定され、OFFの場合には、照明光源32は消灯し、撮像素子9は停止状態になって、撮像処理が停止される。図示は省略しているが、電源OFFや地球体3の取り外し操作や撮像処理中止の指示がなされれば、インタラプト処理により撮像処理がOFFになって、撮像処理は停止される。
【0058】
ステップS35で、撮像処理がONの場合には、ステップS36で、照明光源32が点灯し、撮像素子9が駆動状態になって、撮像画像が取得される。この撮像処理では、照明光源32によって地球体3が照明され、撮像設定領域AP(x、y、z)に一致する地球図形が撮像されて、地球体3が基準位置にある場合には、基準撮像画像IP0(φ、λ)データが、地球体が基準位置にない場合には、回転撮像画像IP1(φ、λ)データが、撮像画像メモリ18に一時格納される。ステップS37では、鮮鋭度検出処理が実行されて、撮像画像の鮮鋭度が検出される。ステップS38では、検出された鮮鋭度レベルが判定され、撮像された画像が、後に続く画像処理が実行し得る程度に有効であるかどうかが判定される。ピント外れなどによる画像ボケや画像ブレ、フレア光などによる画像ノイズの影響が大きくて、処理する画像として適切でないと判断されれば、S39へ進み、ステップS39で、静止カウントOFFや静止フラグFalseが設定されて、ステップS35に戻る。
【0059】
ステップS38で、鮮鋭度レベルが大きくて、撮像画像が有効であると判定された場合は、ステップS40へ進む。ステップS40では、撮像画像が有効である場合に更新される現撮像画像データが記憶更新される。そして、ステップS41で、抽出撮像画像が記憶されているかどうかが判定され、抽出撮像画像がなければ、ステップS42へ進み、ステップS42で、現撮像画像データが初回の抽出撮像画像データとして格納される。ステップS41で、抽出撮像画像があれば、ステップS43へ進み、ステップS43では、その現撮像画像データと、格納されていた抽出撮像画像データとが比較される。その比較処理の結果、ステップS44で、現撮像画像データの抽出撮像画像データからの移動ベクトルが抽出される。移動ベクトルは、画像間の移動量と移動方向を表すデータであり、マッチング法や勾配法などの画像処理を用いる公知の方法を用いて検出することができる。或いは、撮像素子9とは別設された回転センサ(不図示)を用いて検出することもできる。回転センサを用いる一つの方法は、支持ボール4を公知のトラックボールの構成として、そのトラックボールの回転を検出する回転エンコーダ(不図示)からの出力を用いて移動ベクトルを検出する。地球体3が回転すれば、地球体3に接触して回転する支持ボール4も同時に回転するので、回転エンコーダの出力は、地球体3の静止位置からの回転方向と回転量を示すことになる。その回転方向と回転量は、抽出撮像画像データから上記撮像画像データへの移動方向と移動量とに対応しているので、地球体に細工を施すことなしに、また、上記撮像画像データと抽出撮像画像データとの比較処理を行わなくても、回転エンコーダの出力から移動ベクトルを算出することができる。ステップS45で、その移動ベクトルが所定の閾値を超えたかどうかが判定され、超えた場合に、動きがあったと判定されて、ステップS46へ進む。ステップS46では、検出された移動ベクトルが登録移動ベクトルとして記憶更新される。そして、ステップS47で、静止カウントOFFや静止フラグFalseが設定されて、ステップS35に戻る。
【0060】
ステップS45で、その移動ベクトルが所定の閾値を超えなかった場合には、動きがなく、静止していると判定されて、ステップS48へ進む。ステップS48では、静止フラグがTrueかどうかが判定され、Trueの場合は、画像抽出処理中であるので、ステップS35に戻り、静止フラグがFalseの場合は、ステップS49へ進む。ステップS49では、静止カウントがONであるかどうかが判定され、OFFである場合には、静止カウントが開始していない状態であるので、ステップS50で、静止カウントがONに設定されて、Scount値が0にリセットされ、ステップS51へ進む。ステップS49で、静止カウントがONである場合には、既に静止カウントが開始しているので、ステップS50を実行しないでステップS51へ進む。ステップS51では、Scount値がカウントアップされ、ステップS52で、Scount値がScount値の閾値であるSThreshold値を超えたかどうかが判定される。SThreshold値を超えていなければ、ステップS35に戻り、SThreshold値を超えていれば、ステップS53へ進み、ステンプS53で、静止カウントがOFFに設定され、静止フラグがTrueに設定される。これにより、所定時間静止状態が保たれていることが検出される。
【0061】
ステップS54では、第1画像抽出フラグが判定されて、第1画像抽出フラグがTrueであれば、ステップS55へ進み、ステップS55で、登録移動ベクトルの大きさが判定され、登録移動ベクトルが所定の値より小さい場合には、ステップS56へ進み、ステップS56で、第2画像抽出処理が開始される。一方、登録移動ベクトルが所定の値より大きい場合、及び、ステップS54で、第1画像抽出フラグがFalseである場合には、ステップS57へ進み、ステップS57で、第1画像抽出処理が開始される。その登録移動ベクトルに対する所定の値は、移動先の画像が抽出できる値に設定されている。第1画像抽出処理、或いは、第2画像抽出処理が開始されれば、ステップS58へ進み、ステップS58で、登録移動ベクトルがリセットされた後にステップS35へ戻り、上記の撮像処理が繰り返される。
【0062】
図8は、
図7のS37鮮鋭度検出処理の動作例を示すフローチャートである。ステップS71では、撮像画像データにハイパスフィルタが適用されて、高周波信号が抽出される。ステップS72では、撮像フレーム内の高周波信号のピーク信号SPeakが検出される。ステップS73で、そのSPeakが所定の閾値Threpeakを超えているかどうかが判定され、Threpeakを超えていない場合は、ステップS74で、鮮鋭度レベルが小であるとみなされ、Threpeakを超えている場合は、ステップS75で、鮮鋭度レベルが大であるとみなされる。このような鮮鋭度検出処理は公知の処理であり、高周波ピーク信号以外の信号を検出する他の鮮鋭度検出処理を用いてもよい。
【0063】
図9は、
図7のS57第1画像抽出処理の動作例を示すフローチャートである。ステップS101では、予め記憶されている基準地球体撮像領域AEP0(φ、λ)が設定される。ステップS102では、表示領域固定方式であるか表示領域可変方式であるかが判定され、表示領域可変方式である場合には、ステップS103へ進み、ステップS103で、表示領域の位置や面内回転角のデータなどの表示領域可変パラメータが読み込まれる。ステップS104で、その表示領域可変パラメータを用いて、新たな基準地球体表示領域AEQ0’が算出され、ステップS105で、基準地球体表示領域AEQ0’が設定され、ステップS107へ進む。ステップS102で、表示領域固定方式である場合には、ステップS106へ進み、ステップS106で、予め記憶されている基準地球体表示領域AEQ0(φ、λ)が設定される。ステップS107では、現撮像画像IP1(φ、λ)が、撮像画像メモリ18からメモリ制御回路19に読み出される。ステップS108では、読み出された現撮像画像IP1(φ、λ)が、地図画像メモリ20内に予め記憶されている参照地図画像と比較されて、現撮像画像IP1(φ、λ)の画像認識が実行される。この画像認識には、回転撮像画像IP1(φ、λ)の特徴に応じた複数種の参照地図画像を用いた複数段階の比較処理が実行されてもよい。ここで、現撮像画像IP1(φ、λ)が単色の一様な画像の場合には比較処理が不能になるので、少なくとも撮像領域の範囲内では単色の一様な画像でないような地図画像が、地球体3に印刷されているものとする。ステップS109で、現撮像画像IP1(φ、λ)と参照地図画像との比較の結果が一致したかどうかが判定され、一致しなければ、エラー処理される。比較の結果が一致すれば、現撮像画像P1(φ、λ)の中心位置に対応する参照地図画像の座標が、現撮像画像中心位置CEP1(φp、λp)として抽出される。以下、
図5の表示画像抽出処理フローチャートと同様に、ステップS110では、第1回転マトリックスM1が計算され、ステップS111で、第2回転マトリックスM2が計算され、ステップS112で、回転マトリックスMが計算され、ステップS113で、地図画像メモリ20内の参照地図画像、或いは、参照地図画像に対応する表示用地図画像から、基準地球体表示領域AEQ1(φ、λ)或いはAEQ0’(φ、λ)に対応する画像が切り出されて、表示画像IQ1(φ、λ)が抽出される。
【0064】
図10は、
図7のS56第2画像抽出処理の動作例を示すフローチャートである。ステップS131では、登録移動ベクトルが読み出される。ステップS132で、その登録移動ベクトルがこれまで表示されている表示画像IQ1(φ、λ)に適用されて、ステップS133で、登録移動ベクトルの移動量、移動方向だけ移動した表示画像IQ2(φ、λ)が、地図画像メモリ20内の参照地図画像、或いは、参照地図画像に対応する表示用地図画像から抽出される。この第2画像抽出処理は、第1画像抽出処理における画像認識処理が省略されるので、高速に移動後の表示画像を抽出することができる。
【0065】
図11は、
図6のS11表示処理の動作例を示すフローチャートである。ステップS151では、表示処理がOFFかどうかが判定され、OFFの場合には、照明光源32は消灯し、画像表示素子10は停止状態になって、表示処理が停止される。図示は省略しているが、電源OFFや地球体3の取り外し操作や表示処理中止の指示がなされれば、インタラプト処理により表示処理がOFFになって、表示処理は停止される。ステップS152では、前記の第1画像抽出処理や第2画像抽出処理が開始されて、画像抽出中であるかどうかが判定される。画像抽出中であれば、ステップS154へ進む。画像抽出中でなければ、ステップS153へ進み、ステップS153で、既に画像抽出処理が行われて、表示画像が抽出されているかどうかが判定され、抽出表示画像がなければ、ステップS154へ進む。ステップS154では、第2実施例として後述する撮像表示一体タイプであるかどうかが判定され、撮像表示一体タイプでなければステップS155へ進み、ステップS155で、画像抽出中や抽出表示画像がない旨のメッセージを表す警告表示画像が表示画像として設定され、ステップS158へ進む。撮像表示一体タイプである場合には、ステップS156へ進み、ステップS156で、スルー画像が表示画像として設定され、ステップS158へ進む。ステップS153で、抽出表示画像がある場合には、ステップS157へ進み、ステップS157で、抽出された抽出表示画像が表示画像として設定され、ステップS158へ進み、ステップS158で、それらいずれかの表示画像が表示される。
【0066】
ステップS159では、表示位置が撮像同期状態にあるかどうかが判定される。撮像同期状態とは、画像表示ユニットに表示される画像が、画像表示ユニットの表示領域AEQ1(φ、λ)に対応する地図画像である状態を指す。抽出表示画像の抽出中や、画像移動中などの、画像表示ユニットに表示されている画像が、画像表示ユニットに対向している地球体3の地図画像でない場合には、撮像非同期状態となる。撮像非同期状態であれば、ステップS160へ進み、ステップS160で、撮像非同期モードに切り替えられ、ステップS161へ進み、ステップS161で、同期表示LEDが消灯され、ステップS151へ戻る。ステップS159で、撮像同期状態であれば、ステップS162へ進み、ステップS162で、撮像同期モードに切り替えられ、ステップS163へ進み、ステップS163で、同期表示LEDが点灯され、ステップS164へ進む。S164では、照準カーソル表示がONであるかどうかが判定される。照準カーソル表示は、
図15を用いて後述する画像表示倍率Mgが1の場合や、最初の画像抽出時や、後述するスルー画像表示時などのタイミングでONになり、ONになった後は、図示しないタイマーにより、所定時間が経過すればOFFになる。照準カーソル表示がONの場合には、ステップS165で、照準カーソルが表示画像に重畳して表示され、OFFの場合には、ステップS166で、照準カーソルは非表示にされ、ステップS151へ戻る。上記の表示処理が繰り返される。
【0067】
次に、画像表示ユニット6に配置されている拡大ボタン13aか縮小ボタン13bが押された場合の、拡大縮小表示動作を
図12を用いて説明する。
図12は、拡大縮小表示処理の一実施例を示すフローチャートである。拡大ボタン13aか縮小ボタン13bが押されると、CPU22に対するインタラプト処理により、拡大縮小表示処理が実行される。
【0068】
ステップS171では、現在画像表示処理中であるかどうかが判定され、画像表示中であれば、ステップS172へ進み、画像表示中でなければ、拡大縮小表示処理は終了される。ステップS172で、拡大スイッチがONであるか、縮小スイッチがONであるかが判定され、拡大スイッチがONであれば、ステップS173へ進み、縮小スイッチがONであれば、ステップS174へ進む。
【0069】
ステップS173では、現在の画像表示倍率Mgに、画像表示拡大率Ruが掛けられて、新たな画像表示倍率Mgが計算される。画像拡大率Ruは1より大きい値であり、画像表示拡大率Ruが掛けられると、画像表示倍率Mgが大きくなる。ステップS174では、現在の画像表示倍率Mgに、画像縮小率Rdが掛けられて、新たな画像表示倍率Mgが計算される。画像縮小率Rdは、1より小さい値であり、画像縮小率Rdが掛けられると、画像表示倍率Mgが小さくなる。
【0070】
ステップS175では、その新たな画像表示倍率Mgが1であって、拡大縮小されない等倍の画像表示であるかどうかが判定され、画像表示倍率Mgが1である場合は、ステップS176へ進んで、ステップS176で、標準画像表示モードに切り替えられる。画像表示倍率Mgが1でない場合は、ステップS177へ進んで、ステップS177で、拡大表示画像表示モードに切り替えられる。
【0071】
ステップS178では、その新たな画像表示倍率Mgが、表示可能な画像表示拡大率であるかどうかが判定され、表示可能な画像表示拡大率の限界である最大画像表示拡大率Mgmaxより大きい場合には、拡大縮小表示処理は終了される。新たな画像表示倍率Mgが、最大画像表示拡大率Mgmax以下であれば、ステップS179へ進む。
【0072】
ステップS179では、その新たな画像表示倍率Mgが、表示可能な画像表示縮小率であるかどうかが判定され、表示可能な画像表示縮小率の限界である最小画像表示縮小率Mgminより小さい場合には、拡大縮小表示処理は終了される。新たな画像表示倍率Mgが、最小画像表示拡大率Mgmin以上であれば、ステップS180へ進む。
【0073】
ステップS180では、拡大または縮小表示される画像が、地球体3に印刷されている地図画像と同じ画像データである標準表示画像データから抽出されるか、標準表示画像データより細かい地図情報が含まれる詳細表示画像データから抽出されるかが判定される。その新たな画像表示倍率Mgが、表示画像データ選択のしきい値である画像表示倍率識別値Thmgより小さい場合には、ステップS181へ進んで、ステップS181で、抽出される画像データとして標準表示画像データが用いられ、画像表示倍率識別値Thmg以上である場合には、ステップS182へ進んで、ステップS182で、抽出される画像データとして詳細表示画像データが用いられる。
図13は、それら標準表示画像データと詳細表示画像データの画像表示倍率との関係を模式的に示している。この
図13では、画像表示倍率識別値Thmgが1より大きくなっているが、画像表示倍率識別値Thmgは適宜定めることができ、1と等しい、すなわち、拡大表示の場合には常に、詳細表示画像データが用いられるようにしてもよい。更に、画像表示倍率識別値Thmgは1個としているが、3種類以上の表示画像データを備えて、2個以上の画像表示倍率識別値でそれらの表示画像データを切り替えるように構成してもよい。
【0074】
ステップS183では、表示画像データが、標準表示画像データ、または、詳細表示画像データから抽出されて、ステップS184で、標準、拡大、縮小のいずれかの表示画像が表示される。
【0075】
次に、画像表示ユニット6に配置されている十字ボタン12が押された場合の、移動表示動作を
図14を用いて説明する。
図14は、移動表示処理の一実施例を示すフローチャートである。十字ボタン12は、左方向スイッチと右方向スイッチと上方向スイッチと下方向スイッチの4個のスイッチで構成される。それらのいずれかのスイッチが押されると、CPU22に対するインタラプト処理により、移動表示処理が実行される。
【0076】
ステップS201では、現在画像表示処理中であるかどうかが判定され、画像表示中であれば、ステップS202へ進み、画像表示中でなければ、移動表示処理は終了される。ステップS202で、左方向スイッチがONであるかどうかが判定され、左方向スイッチがONであれば、ステップS203へ進む。ステップS203では、現在の水平方向画像表示位置Pqhに、左方向画像移動量Dleftが加算されて、新たな画像表示位置Pqhが計算されて、ステップS209へ進む。水平方向画像表示位置Pqhや垂直方向画像表示位置Pqvは、基準撮像画像IP0(φ、λ)や回転撮像画像IP1(φ、λ)の水平方向と垂直方向の座標軸で定められる座標で表した位置である。
【0077】
ステップS202で、左方向スイッチがONでなければ、ステップ204へ進む。ステップS204では、右方向スイッチがONであるかどうかが判定され、右方向スイッチがONであれば、ステップ205へ進む。ステップS205では、現在の水平方向画像表示位置Pqhに、右方向画像移動量Drightが加算されて、新たな画像表示位置Pqhが計算されて、ステップS209へ進む。
【0078】
ステップS204で、右方向スイッチがONでなければ、ステップ206へ進む。ステップS206では、上方向スイッチがONであるかどうかが判定され、上方向スイッチがONであれば、ステップ207へ進む。ステップS207では、現在の垂直方向画像表示位置Pqvに、上方向画像移動量Dupが加算されて、新たな画像表示位置Pqvが計算されて、ステップS209へ進む。
【0079】
ステップS206で、上方向スイッチがONでなければ、下方向スイッチがONであることになるので、ステップ208へ進み、ステップS208では、現在の垂直方向画像表示位置Pqvに、下方向画像移動量Ddownが加算されて、新たな画像表示位置Pqが計算されて、ステップS209へ進む。
【0080】
ステップS209では、新たな画像表示位置Pqが、撮像画像に基づいて表示画像抽出処理によって抽出された表示画像IQ1の位置から移動したかどうかが判定される。撮像画像に基づいて抽出された表示画像IQ1の位置に表示画像が表示されるモードを、撮像同期モードとする。地球体3を固定したまま表示画像だけを移動させると、撮像画像に基づいた表示画像ではなくなり、画像表示素子10に対向している地球球3の地点とは異なる地点の画像が表示されることになるので、この表示モードを撮像非同期モードとする。新たな画像表示位置Pqが、撮像画像に基づいて表示画像抽出処理によって抽出された表示画像IQ1の位置である場合は、撮像同期モードの条件を充たすので、ステップS210に進み、ステップS210で、撮像同期モードに切り替えられる。この後、ステップS212で、画像表示ユニット表示素子28を利用した同期表示LEDが点灯される。新たな画像表示位置Pqが、撮像画像に基づいて表示画像抽出処理によって抽出された表示画像IQ1の位置でない場合は、撮像同期モードの条件を充たさないので、ステップS211に進み、ステップS211で、撮像非同期モードに切り替えられる。この後、ステップS213で、画像表示ユニット表示素子28を利用した同期表示LEDは消灯される。
【0081】
この後、ステップS214では、新たな画像表示位置Pqにおける標準表示画像、または、拡大縮小表示画像が、標準表示画像データ、または、詳細表示画像データから抽出されて、ステップS215で、標準、拡大、縮小のいずれかの表示画像が表示される。
【0082】
図15は、撮像同期モードと撮像非同期モードにおける、拡大縮小画像表示状態を模式的に示している。
図15(A)は、最初に撮像画像に基づいて表示画像抽出処理によって抽出された、画像表示倍率Mgが1である標準表示画像IQ1を示している。この状態は撮像同期モードであるので、画面左下にある同期表示LEDが点灯している。中央部の照準カーソルは、画像表示中心位置を示す指標であり、不要な場合は削除してもよい。画面右下にあるバー表示は、画像表示倍率Mgを示すものであり、不要な場合は削除してもよい。
図15(B)は、拡大スイッチが押されて、拡大画像表示された拡大表示画像を示している。表示画像位置は、
図10Aの位置から変更されていないので、撮像同期モードが保たれ、同期表示LEDは点灯したままになっている。
図15(C)は、
図15(A)の状態から左方向スイッチが押されて、移動画像表示された移動表示画像を示している。表示画像位置は、
図15(A)の位置から変更されたので、撮像非同期モードに切り替えられて、同期表示LEDは消灯されている。
図15(D)は、
図15(B)の状態から左方向スイッチがONが押された状態、或いは、
図15(C)の状態から拡大スイッチが押された状態の表示画像を示している。表示画像位置は、
図15(A)の位置から変更されているので、撮像非同期モードになり、同期表示LEDは消灯されている。
【0083】
次に、本発明の第2実施例における動作を説明する。第1実施例では、撮像ユニットと画像表示ユニットが分離されていたが、第2実施例は、撮像ユニットと画像表示ユニットとが一体になっている撮像表示一体型の実施例であることを特徴としている。この構成によれば、撮像ユニットと画像表示ユニットの回路を一つに纏めることができることや、スルー画像を表示するという、第1実施例にはない特徴を備えることができる。
【0084】
図16は、撮像表示一体型の、第2実施例に係る地球儀101の外観図である。
図17は、地球体103を地球儀台102に取り付けた状態の側面図を示している。地球体103や地球儀台102や支持ボール104の構成は第1実施例と同じ構成であるが、撮像ユニット105と画像表示ユニット106とが一体になって構成されている。
【0085】
図16や
図17に示されているような、撮像ユニットと画像表示ユニットとが一体になる場合には、撮像光学系をコンパクトに構成する必要がある。
図1の第1実施例で示されている一つのレンズを用いても、この撮像光学系を構成することは可能であるが、画像表示ユニットをより地球体に近づけるには、屈曲光学系を用いて撮像光学系を構成すると、比較的コストが低いレンズが使用できるので効果的である。
図18は、その屈曲光学系を用いて、撮像光学系の被写体側光軸と、地球体の中心から画像表示ユニットの中心を通る軸(以下、中心軸と呼ぶ)とが一致する、光軸一致タイプの一実施例を示す図である。
図18(A)は、撮像光学系を画像表示ユニットの表示面から見た図、
図18(B)は、撮像光学系を横から見た図、
図18(C)は、撮像光学系を地球体から見た図である。
【0086】
4個の照明光源32で照明され、前側レンズ8aを通過した地球体103からの光が、反射光学素子8bで反射され、後側レンズ8cを通過して、撮像素子9に結像される。撮像光学系の被写体側光軸107と、画像表示ユニット106の中心軸108は一致している。このように、撮像光学系の被写体側光軸107と、画像表示ユニット106の中心軸108とが一致していれば、撮像素子9からのスルー画像の中心位置と抽出表示画像の中心位置とが一致することになり、違和感なくスルー画像を表示することができるので、画像抽出処理中にスルー画像を表示させるなど、より便利な機能を備えることができる。
なお、前側レンズ8bと反射光学素子8bと後側レンズ8cを用いているが、これに限定されず、反射光学素子がレンズの前にあったり、反射光学素子が複数備えていたり、2個以上のレンズを備えていたりする、公知のいずれかの屈曲光学系の構成であってもよい。また、照明光源32は4個に限定されず、1個以上であってもよく、使用環境が十分に明るければ、照明光源32を削除することもできる。
【0087】
図19は、屈曲光学系を用いて、撮像光学系の被写体側光軸と、地球体の中心から画像表示ユニットの中心を通る軸(以下、中心軸と呼ぶ)とが一致していない、光軸分離タイプの一実施例を示す図である。
図19(A)は、撮像光学系を画像表示ユニットの表示面から見た図、
図19(B)は、撮像光学系を横から見た図、
図19(C)は、撮像光学系を地球体から見た図である。
【0088】
2個の照明光源32で照明され、前側レンズ8aを通過した地球体103からの光が、反射光学素子8bで反射され、後側レンズ8cを通過して、撮像素子9に結像される。撮像光学系の被写体側光軸107と、画像表示ユニット106の中心軸108は一致していない。このように、撮像光学系の被写体側光軸107と、画像表示ユニット106の中心軸108とが分離していれば、撮像素子9の配置位置の設計上の自由度が増して、
図15(B)に示されているように、画像表示ユニット106をより地球体103に近づけることが可能になる。この光軸分離タイプであっても、撮像光学系の被写体側光軸107と、画像表示ユニット106の中心軸108とが大きく外れていなければ、光軸一致タイプと同様に、スルー画像を表示することができる。
なお、光軸一致タイプと同様に、前側レンズ8bと反射光学素子8bと後側レンズ8cを用いているが、これに限定されず、反射光学素子がレンズの前にあったり、反射光学素子が複数備えていたり、2個以上のレンズを備えていたりする、公知のいずれかの屈曲光学系の構成であってもよい。また、照明光源32は2個に限定されず、1個以上であってもよく、使用環境が十分に明るければ、照明光源32を削除することもできる。
【0089】
図20は、第2実施例の回路ブロック図である。撮像ユニット105と画像表示ユニット106とが、一体になっている点が第1実施例の回路構成と異なっている。回路全体はCPU22によって制御され、撮像関連の回路はDSP109によって制御され、スイッチ26や表示素子27が統合されていることなどを除けば、第1実施例と同様の構成になっている。
【0090】
第2実施例においては、撮像画像のスルー画像を利用することができる。
図11に示されている表示処理の動作例では、画像抽出中である場合や、抽出表示画像がない場合に、撮像表示一体タイプであるかどうかが判定され、撮像表示一体タイプである場合には、ステップS156へ進み、ステップS156で、スルー画が表示される。
このスルー画像の動作を説明する。抽出表示画像が抽出されるまでの間は、表示画像がない不定状態になる。また、抽出表示画像が抽出されて、その抽出表示画像が表示されている状態で、地球体が回転移動されると、新たな移動先の抽出表示画像が抽出されるのであるが、その新たな表示画像が抽出されるまでの間は、表示画像が不定の状態になる。この問題の対策法として、以前の抽出画像を表示したままにする方法や、表示画像を消して、画像抽出中のメッセージを表示する方法はあるが、いずれも違和感を生じさせる。そこで、その不定期間に、スルー画像を表示させれば、回転移動時の画像流れも表現されるので、違和感を解消することができる。また、回転移動先で静止した状態で、画像抽出するまでの間に、その静止位置でのスルー画像が直ちに表示されることになり、その後、画像抽出が終了すれば、より鮮明な抽出画像が表示されるので、違和感のない動作になる。
【0091】
スルー画像表示では、画像表示倍率Mgが1であるので、静止した状態の場合、或いは、常時、
図15(A)に示されているような、照準カーソルを重畳表示してもよい。この照準カーソルは、専用の操作スイッチ(不図示)のONや、画像表示素子10上の表示されるメニュー(不図示)の選択操作や、その後の画像抽出完了時や、画像表示倍率Mgが1でない場合や、図示しないタイマーにより、所定時間が経過した場合などにOFFにすることができる。
【0092】
図21は、第2実施例の方法を、1軸タイプの地球儀に適用した変形例1の外観図であり、
図22は、その側面図を示している。
1軸タイプの地球儀は、地軸に対応する一つの軸に回転可能に地球体が支えられ、地球の公転面に対する角度相当分だけ傾けられた、最も普及している形態の地球儀である。このような1軸タイプの地球儀であっても、第1実施例のような撮像表示分離型の構成にすることは可能であるが、軸を支持する枠を避けた位置に、撮像ユニットや画像表示ユニットを配置しなければならないという問題や、地球体が軸に支持されているので、撮像領域が小さい領域に制限されるため、画像表示ユニットの位置検出が必要になるという問題が生じる。しかし、撮像表示一体型で構成すれば、それらの問題を解決することができる。
【0093】
この変形例1の地球儀201は、地球儀台202に支持枠204が固定されている。支持枠204の一部である地球儀軸受205に、地球体203と一体になった地球儀軸206が回転自在に取り付けられている。撮像ユニットと画像表示ユニットが一体になった撮像表示ユニット207が、その支持枠204に沿ってスライドできるようになっている。ここでは、支持枠204が地球体の全周を囲むリング状になっているが、これは、撮像表示ユニット207の移動範囲をできるだけ大きくするためであり、その移動範囲を小さく、例えば南極付近を表示しないとする場合には、従来の支持枠のように、地球体の半周を囲むC字状の弓部形状であってもよい。
【0094】
地球体203が地球儀軸206の周りに回転し、撮像表示ユニット207が支持枠204に沿ってスライドするために、撮像表示ユニット207が、地球体203のほぼ全域を撮影できることになり、その撮像表示ユニット207に対向している地球体203に関する地形の画像が、前記の方法により抽出されて、撮像表示ユニット207上に表示される。
【0095】
図23は、第2実施例の方法を、1軸タイプの地球儀に適用した変形例2の外観図であり、
図24は、その側面図を示している。
この変形例2の地球儀301は、地球儀台302に支持枠304が固定されている。支持枠304は、従来の地球儀の支持枠のように、地球体の半周を囲むC字状の弓部形状になっている。支持枠304の一部である地球儀軸受305に、地球体303と一体になった地球儀軸306が回転自在に取り付けられている。撮像ユニットと画像表示ユニットが一体になった撮像表示ユニット307は、スライド枠308に取り付けられていて、スライド枠308は、支持枠304の内部の空間にスライドできるようになっている。
【0096】
地球体303が地球儀軸306の周りに回転し、撮像表示ユニット307が支持枠304に沿ってスライドすることになるために、変形例1と同様に、撮像表示ユニット307が、地球体303のほぼ全域を撮影できることになり、その撮像表示ユニット307に対向している地球体303に関する地形の画像が、前記の方法により抽出されて、撮像表示ユニット307上に表示される。
【0097】
図25は、第2実施例の方法を、2軸タイプの地球儀に適用した変形例3の外観図であり、
図26は、その側面図を示している。
2軸タイプの地球儀は、地軸に対応する一つの軸が、リング状の内枠に、地球の公転面に対する角度相当分だけ傾けられて、回転可能に支えられ、そのリング状の内枠にもう一つの軸が備えられて、リング状の外枠内に回転可能に支えられることで、地球体の任意の位置を、特定の位置に回転移動させることができる、一般に普及している形態の地球儀である。このような2軸タイプの地球儀であっても、第1実施例のような撮像表示分離型の構成にすることは可能であるが、2つの軸を支持する枠を避けた位置に、撮像ユニットや画像表示ユニットを配置しなければならないという問題や、地球体が軸に支持されているので、撮像領域が小さい領域に制限されるため、画像表示ユニットの位置検出が必要になるという問題が生じる。しかし、撮像表示一体型で構成すれば、1軸タイプと同様に、それらの問題を解決することができる。
【0098】
この変形例3の地球儀401は、地球儀台402に外側支持枠404が固定されている。外側支持枠404の一部である地球儀外側軸受406に、内側支持枠405の地球儀外側軸408が取り付けられて、内側支持枠405が外側支持枠404に対して回転自在となる。また、内側支持枠405の一部である地球儀内側軸受407に、地球体403と一体になった地球儀内側軸409が取り付けられて、地球体403が内側支持枠405に対して回転自在となる。そして、撮像ユニットと画像表示ユニットが一体になった撮像表示ユニット410が、撮像表示ユニット支持枠411に取り付けられて、その撮像表示ユニット支持枠411の一部である撮像表示ユニット支持枠軸受412に、内側支持枠405の地球儀外側軸408と同軸となる軸が取り付けられて、撮像表示ユニット支持枠411が外側支持枠404に対して回転自在となる。2軸タイプの地球儀であれば、地球体の任意の位置を、特定の位置に回転移動させることができるので、撮像表示ユニット407は固定位置であってもよいのであるが、2軸タイプの地球儀では、地球体の任意の位置を、迅速に特定の位置に回転移動させることは容易ではないので、撮像表示ユニット407を回転移動できる構成であれば、より早く所望の地球体の位置の画像を表示させることができる。
【0099】
なお、上記の各種軸受と軸の関係は、図示された構成に限定されず、相対回転する2つの部材のいずれかの側に軸受が備えられていればよい。また、撮像表示ユニット支持枠411は、内側支持枠405の地球儀外側軸408と同軸となる軸が取り付けられているとしているが、この構成に限定されず、地球儀のいずれかの固定位置に取り付けられていればよい。
更に、撮像表示ユニット410は、撮像表示ユニット支持枠411に対しても回転自在になるように、撮像表示ユニット回転軸413と図示しない軸受とによって、撮像表示ユニット支持枠411に取り付けられていてもよい。この構成であれば、撮像表示ユニット407の面内回転も自由に操作できるので、地球体の位置を探す自由度が増して、より迅速に所望の地球体の位置の画像を表示させることができる。
【0100】
次に、本発明の第3実施例における動作を説明する。第1実施例や第2実施例では、画像表示ユニットが地球儀に機械的に接続された状態になっていた。第3実施例は、画像表示ユニットが地球儀から分離し、地球儀に取り付け可能な形態を採用した実施例であり、画像表示機能付き携帯端末なども、当該画像表示ユニットとして利用可能である点が第1実施例や第2実施例と異なる。画像表示領域の位置を特定する必要があるが、この第3実施例では、回転エンコーダを用いて表示領域の位置を定めることを特徴としている。
【0101】
図27は、本発明の第3実施例に係る地球儀501の外観図であり、
図28は、地球体503を地球儀台502に取り付けた状態の側面図を示している。第1実施例と同一の符号を付している部材は、第1実施例と同じである。
第1実施例と同様に、3本の足を持つ地球儀台502に、3個の自由回転可能な支持ボール504が設置されていて、その支持ボール504上に、地球体3が載置されて、地球体503の装着状態となる。装着状態での地球体503の直下には、地球儀台502の一部分となる撮像ユニット505が配置されている。地球球体503は、地球儀台502から取り外し可能にすることもできる。装着と脱着状態は、支持ボール504に対する装脱着状態に連動した、接触式或いは非接触式の装着検知スイッチ30(不図示)により検知される。
地球体503の装着状態では、支持ボール504と地球体503が接触しており、支持ボール504が自由回転可能であるので、地球体503を手などで触れて任意方向に回転させることができる。
【0102】
地球儀台502の一部分には、第1回転軸508とその第1回転軸508を支持する図示しない軸受によって回転可能な画像表示ユニット支持枠507が取り付けられている。その第1回転軸508の回転角は、第1回転エンコーダ509によって検出される。それら第1回転軸508、第1回転軸508を支持する軸受(不図示)、第1回転エンコーダ509は、図示の構成に限定されず、第1回転軸508の回転角が検出できれば、地球儀台502と画像表示ユニット支持枠507のいずれかの側に取り付けられていてもよい。
【0103】
画像表示ユニット支持枠507の一部分には、第2回転軸510とその第2回転軸510を支持する図示しない軸受によって回転可能な画像表示ユニット台512が取り付けられている。その第2回転軸510の回転角は、第2回転エンコーダ511によって検出される。それら第2回転軸510、第2回転軸510を支持する軸受(不図示)、第2回転エンコーダ511は、図示の構成に限定されず、第2回転軸510の回転角が検出できれば、画像表示ユニット支持枠507と画像表示ユニット台512のいずれかの側に取り付けられていてもよい。画像表示ユニット台512には、画像表示ユニット506が、所定の位置に取り外し可能な状態で、ネジ止め、クリップ式などの方法で取り付けられている。
【0104】
図29は、第3実施例の回路ブロック図である。撮像ユニット505と画像表示ユニット506とが、無線或いは有線の通信によって結ばれる。撮像ブロック505は、第1実施例と同様の構成であるが、第1回転エンコーダ509と第2回転エンコーダ511が設けられ、それらがCPU22によって制御されて、画像表示ユニット506の位置の情報が、それらの回転角のデータとしてCPU22に入力される点が第1実施例とは異なる。そして、撮像側無線通信部513と撮像側有線通信部515が設けられて、無線通信を行う場合には撮像側アンテナ514を通して、有線通信を行う場合には撮像側コネクタ516を通して、画像表示ユニット506間との通信がなされる。ここでは、無線通信部と有線通信部の両方を備えた構成になっているが、どちらか一つの通信部だけを備える構成であってもよい。回路全体はCPU22によって制御される。画像表示ユニット506は、画像表示制御回路519により制御される画像表示素子517や、各ボタンに連動する各種画像表示ユニットスイッチ526や、LEDなどの画像表示ユニット表示素子525で構成され、画像表示ユニット側CPU520によって制御される。画像表示ユニット側無線通信部521と画像表示ユニット側有線通信部523が設けられて、無線通信を行う場合には画像表示ユニット側アンテナ522を通して、有線通信を行う場合には画像表示ユニット側コネクタ524を通して、撮像ユニット505との通信制御が行われる。第1実施例と同様に抽出された表示画像データは、無線通信の場合には、撮像側無線通信部513によって電波信号に変換されてアンテナ514から送信され、有線通信の場合には、撮像側有線通信部515によって有線の通信信号に変換されて撮像側コネクタ516を通して送信される。
【0105】
無線通信は、Bluetooth(登録商標)やWLAN等の無線通信規格に従う汎用の通信手段や、地球儀の範囲内で限定的に通信し得る専用の無線通信手段を用いることができる。また、有線通信は、USBやIEEE1394等の有線通信規格に従う汎用の通信手段や、地球儀の範囲内で限定的に通信し得る専用の有線通信手段を用いることができる。
【0106】
第3実施例においては、第1実施例における表示領域可変方式の場合に使用される、画像表示ユニットの面内回転角の検出だけでなく、第1回転エンコーダ509と第2回転エンコーダ511を用いて、画像表示ユニット台512に設置された画像表示ユニット506の位置情報である基準地球体表示領域AEQ0’が設定される。抽出された表示画像1Q1(φ、λ)のデータは、無線或いは有線通信によって、画像表示ユニット506に転送されて、画像表示される。
【0107】
図30は、第3実施例を、画像表示機能付き携帯端末に適用し、画像表示ユニットとしての機能に加えて、ネットワーク通信により表示用画像データを受信する変形例の回路ブロック図である。
図29の回路に加えて、画像表示ユニット506のネットワーク通信部527とネットワーク通信用アンテナ528が備えられている。撮像ユニット505により地球体表示領域AEQ1(φ、λ)が抽出されれば、その地球体表示領域AEQ1(φ、λ)の情報が画像表示ユニット506へ送信され、その地球体表示領域AEQ1(φ、λ)に対応する表示画像IQ1(φ、λ)のデータが、ネットワーク通信部527とネットワーク通信用アンテナ528を通して外部から受信されて、表示画像処理回路518により画像表示制御回路519に送られ、画像表示素子517上に表示されるようになっている。この変形例の場合には、撮像ユニット505側の表示画像処理回路31は使用されない。その外部から受信される表示画像データは、表示画像IQ1(φ、λ)のデータに限られず、表示画像IQ1(φ、λ)のデータを含む地球画像データであってもよい。その場合には、画像表示ユニット側CPU520により、受信された地球画像データから表示画像IQ1(φ、λ)のデータが抽出される。この構成によれば、予め地図画像メモリ20に格納されている表示画像だけでなく、より広範な表示画像をネットワーク回線を通して受信し、表示させることができるので、地球儀の活用範囲を更に拡げることができる。
【0108】
以上説明した本実施形態の地球儀は、それらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、それらの実施形態の組み合わせや種々の変形が可能である。本実施形態の地球儀は、以下のように変形することもできる。
(変形例1)上述した第1実施例では、地球球体3は地球儀台2から取り外し可能になっていたが、地球球体3が回転軸に取り付けられている形態であってもよい。
【0109】
(変形例2)また、第1実施例では、地球体3が支持ボール4上に載置され、地球体3を支持したまま任意の方向に回転できるようになっていたが、支持ボール以外の支持部材を用いて、地球体3を支持できる支持したまま任意の方向に回転できるようにしてもよい。例えば、弾性体やベアリングで構成された支持部材であってもよい。更に、地球体3を支持したまま任意の方向に回転できる構成ではなく、取り外した状態で地球体3を手動にて回転し、回転された地球体3を再び地球儀台2に載置する構成であってもよい。例えば、地球体3を強磁性体の金属材料を含む形態とし、地球儀台2に磁石を設置する構成であれば、地球体3が取り外し可能でありながら、任意の位置で地球体3を支持することができる。
【0110】
(変形例3)また、第1実施例では、撮像ブロック5が、装着状態での地球体3の直下の、地球儀台2の一部に設置されていたが、撮像ブロック5の位置は、装着状態での地球体3の直下であることに限定されない。例えば、従来型の地球儀の弓部や、地球体3の頭部に撮像ブロック5を配置してもよい。
【0111】
(変形例4)また、第1実施例では、画像表示ユニット6が、画像表示ユニット支持アーム2aに設けられた画像表示ユニット回転部材2eの回転軸2dの周りに回転自在に取り付けられいたが、画像表示ユニット6が、観察位置と待避位置に移動可能であれば、如何なる画像表示ユニット支持機構であってもよい。
【0112】
(変形例5)また、第1実施例では、照明光源32によって地球体3が照明されていたが、その照明光源32の種類や個数などは任意に選ぶことができる。更に、照明光源32を省略することもできる。
【0113】
(変形例6)また、第1実施例では、パターンマッチング技術を用いて回転撮像画像IP1の画像認識が実行されたが、回転撮像画像IP1の画像認識は、パターンマッチング技術を用いることに限定されない。回転撮像画像IP1が特定できる画像認識技術であれば、如何なる方法を用いてもよい。例えば、地形図の緯度線と経度線を検知して認識することにより、回転撮像画像IP1の領域を画像認識してもよい。
【0114】
(変形例7)また、第1実施例では、撮像画像メモリ18と地図画像メモリ20などの用途別のメモリ構成になっていたが、ROMやEEPROMやフラッシュメモリなどの汎用の不揮発性メモリと、RAMなどの汎用の揮発性メモリを備えて、それらのメモリ領域を用途に応じて切り替えて制御してもよい。
【0115】
(変形例8)また、第1実施例では、表示領域可変方式とする場合に、回転エンコーダ34を設けていたが、画像表示ユニット6の位置が検出されれば、リニアエンコーダを含む如何なるエンコーダであってもよい。
【0116】
(変形例9)また、第1実施例では、鮮鋭度検出処理に、撮像フレーム内の高周波信号のピーク信号を用いていたが、撮像画像の鮮鋭度が検出されれば、如何なる方法であってもよい。
【0117】
(変形例10)また、第1実施例では、画像処理による移動ベクトル検出の代わりに、支持ボール4を公知のトラックボールの構成として、そのトラックボールの回転を検出する回転エンコーダからの出力を用いて移動ベクトルを検出するとしていたが、地球体の回転方向と回転量が検出できれば、如何なる回転センサを用いて移動ベクトルを検出してもよい。
【0118】
(変形例11)また、第1実施例では、登録移動ベクトルが所定の値より小さい場合には、登録移動ベクトルを用いて第2画像抽出処理による迅速な画像抽出を行っていたが、その所定の値は、第1画像抽出処理で抽出された撮像地図画像や表示用地図画像が十分に大きいサイズであれば、登録移動ベクトルの大小判定を省くこともできる。すなわち、一旦、第1画像抽出処理による画像抽出がなされた後は、再起動時などの新たな第1画像抽出処理が必要な状態になるまでは、第2画像抽出処理による画像抽出が行われるという動作になり、より迅速な画像抽出を実現することができる。
【0119】
(変形例12)また、第1実施例では、地球体3が照明されて、地球図形が撮像されるとして、詳細な撮像処理の説明は省略しているが、公知の自動露出や自動焦点や撮像色処理が施されていてもよい。更に、撮像素子9がカラー撮像素子であり、照明光源32が単色或いは白色のLEDであっても、撮像素子9がモノクロ撮像素子であり、照明光源32が複数の色を時系列に順次切り替えられるLEDであってもよい。
【0120】
(変形例13)上述した第2実施例では、屈曲光学系を用いた撮像光学系を用いていたが、撮像ユニット105と画像表示ユニット106とが一体になって、画像表示ユニット106が地球体に接近できれば、屈曲していない光学系を用いてもよい。
【0121】
(変形例14)また、第2実施例では、回転エンコーダを用いていないが、第1実施例のように、回転エンコーダを設けてもよい。この場合には、一体になった撮像ユニット105と画像表示ユニット106の位置が検出できるので、画像抽出の処理時間をより短縮することができる。
【0122】
(変形例15)上述した第3実施例では、第1回転エンコーダ509と第2回転エンコーダ511を設けて、画像表示ユニット506の位置を検出していたが、画像表示ユニット506の位置が検出されれば、リニアエンコーダを含む如何なる複数のエンコーダであってもよく、磁気センサを用いてもよい。
【0123】
(変形例16)また、第3実施例では、画像表示ユニット506にネットワーク通信部527やネットワーク通信用アンテナ528を設けていたが、撮像ユニット505側にネットワーク通信手段を設けてもよい。この場合には、表示用画像データだけでなく、参照地図画像データも受信してもよい。参照地図画像データが受信できれば、地球体の交換時やバージョンアップ時などのメンテナンスを効率良く行うことができる。
【0124】
(変形例17)また、第3実施例では、画像表示ユニット側無線通信部521とネットワーク通信部527を別個の回路としていたが、それらが1個の無縁通信部に統合された構成であってもよい。
【0125】
以上説明したように、本実施形態によれば、地球儀の地球体や地球体の表面に描かれた地形図に、地点データを取得するための特別な回路や機構やパターンなどの細工を施さない形態でありながら、地球体表面の見たい地点に接近して置かれた画像表示装置に、観察する地点の拡大地図画像や詳細な地理情報を表示させて観察することができる。
更に、本実施形態によれば、以下のような効果も得られる。
【0126】
(1)本実施形態によれば、画像認識を利用した第1画像抽出処理により表示画像を抽出した後に、地球体と画像表示ユニットが相対移動した際は、移動ベクトルを利用した第2画像抽出処理により表示画像が抽出されるので、より迅速で違和感のない画像観察操作を行うことができる。また、画像表示ユニットに位置検出用エンコーダを設けた際は、更に素早い画像認識処理を行うことができる。
【0127】
(2)また、本実施形態によれば、撮像ユニットと画像表示ユニットを一体に構成することができ、この場合には、撮像ユニットと画像表示ユニットの回路を一つに纏めることができるので、より簡素な構成が実現できると共に、スルー画像の表示を利用することによって、より使い勝手のよい操作感を実現することができる。
【0128】
(3)また、本実施形態によれば、画像表示ユニットを地球儀に取り外し・取り付け可能にすることができ、画像表示ユニット側に設けられた位置検出用エンコーダによって画像表示位置が検出されるので、画像表示機能付き携帯端末などを画像表示ユニットとして利用することも可能になる。